IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セラ セミコンダクター エンジニアリング ラボラトリーズ リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図1
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図2
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図3
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図4
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図5
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図6
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図7
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図8
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図9
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図10
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図11
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図12
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図13
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図14
  • 特許-深度制御可能なイオン切削 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】深度制御可能なイオン切削
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/28 20060101AFI20230815BHJP
   H01J 37/28 20060101ALI20230815BHJP
   H01J 37/30 20060101ALI20230815BHJP
   G01N 1/32 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
G01N1/28 G
H01J37/28 B
H01J37/30 Z
G01N1/32 B
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018178302
(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2019082465
(43)【公開日】2019-05-30
【審査請求日】2021-09-27
(31)【優先権主張番号】62/563,065
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/618,647
(32)【優先日】2018-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507062727
【氏名又は名称】セラ セミコンダクター エンジニアリング ラボラトリーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ツエルズニャック, ヴラディミール
(72)【発明者】
【氏名】アイズナー, アナトーリ
【審査官】西浦 昌哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-022296(JP,A)
【文献】特開昭55-114935(JP,A)
【文献】特開2005-195353(JP,A)
【文献】特開平09-283496(JP,A)
【文献】特開2018-163826(JP,A)
【文献】特開2002-033070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00- 1/44
H01J 37/00-37/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
深度制御したイオン切削のための方法であって、
校正済みサンプルの1つの縁部を劈開して校正済みサンプルの劈開縁部をもたらすことと、
ターゲットサンプルの1つの縁部を劈開してターゲットサンプルの劈開縁部をもたらすことと、
前記校正済みサンプルを前記ターゲットサンプルと位置合わせすることと、
前記校正済みサンプルの劈開縁部を前記ターゲットサンプルの劈開縁部に接続することと、
前記校正済みサンプルに属する校正済み区域および前記ターゲットサンプルに属するターゲット区域をイオン切削することであって、前記イオン切削することが、前記校正済み区域の内部を露出させて前記校正済み区域の露出内部をもたらすことを含み、前記ターゲット区域はある深さに位置する埋め込まれた対象領域を含み、前記校正済み区域は前記ある深さに位置する所定の層を含み、前記所定の層が、前記所定の層に先行する前記校正済み区域の別の層から視覚的に区別可能である、イオン切削することと、
前記校正済み区域の前記露出内部を検視することによって、前記切削の進行を監視することと、
前記監視の結果に基づいて前記イオン切削を制御することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記イオン切削を制御することが、前記所定の層を検出すると前記イオン切削を停止することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記校正済み区域が複数のシーケンス層を含み、各シーケンスの層が、互いに視覚的に区別可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のシーケンス層の各層が既知の厚さであり、前記切削の進行を監視することが、前記切削によって露出した層の合計の厚さを計算し、前記合計の厚さを前記ある深さと比較することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のシーケンス層のうちの少なくとも2つの層が同じ厚さである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のシーケンス層のうちの少なくとも2つの層は、厚さが互いに異なる、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
各シーケンス層毎に2つの層がある、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
各シーケンス層毎に少なくとも3つの層がある、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記所定の層および他の層の第1の層が酸化ケイ素からできており、前記所定の層および他の層の第2の層がポリシリコンからできている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記切削の進行を監視することが、前記校正済み区域の前記露出内部を、荷電粒子デバイスによって検視することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記切削の進行を監視することが、前記校正済み区域の前記露出内部を、光学デバイスによって検視することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記校正済み区域および前記ターゲット区域が、ターゲットサンプルに属する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ターゲットサンプルがウェハであり、前記校正済み区域が前記ウェハの2つのダイ間にある、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータ化したシステムによって実行されると、前記コンピュータ化したシステムに、
校正済みサンプルの1つの縁部を劈開して校正済みサンプルの劈開縁部をもたらすステップと、
ターゲットサンプルの1つの縁部を劈開してターゲットサンプルの劈開縁部をもたらステップと、
前記校正済みサンプルを前記ターゲットサンプルと位置合わせするステップと、
前記校正済みサンプルの劈開縁部を前記ターゲットサンプルの劈開縁部に接続するステップと、
前記校正済みサンプルに属する校正済み区域および前記ターゲットサンプルに属するターゲット区域をイオン切削するステップであって、前記イオン切削するステップが、前記校正済み区域の内部を露出させて前記校正済み区域の露出内部をもたらすことを含み、前記ターゲット区域はある深さに位置する埋め込まれた対象領域を含み、前記校正済み区域は前記ある深さに位置する所定の層を含み、前記所定の層が、前記所定の層に先行する前記校正済み区域の別の層から視覚的に区別可能である、ステップと、
前記校正済み区域の前記露出内部を検視することによって、前記切削の進行を監視するステップと、
前記監視の結果に基づいて前記イオン切削を制御するステップと、
を実行させる命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記イオン切削を制御することが、前記所定の層を検出すると前記イオン切削を停止することを含む、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
イオン切削器、サンプルホルダ、コントローラ、およびモニタを備える、コンピュータ化したシステムであって、
サンプルホルダは、組み合わされたターゲットサンプルおよび較正済みサンプルを受け取るように構成され、組み合わされたターゲットサンプルおよび較正済みサンプルは、校正済みサンプルの1つの縁部を劈開して校正済みサンプルの劈開縁部をもたらし;ターゲットサンプルの1つの縁部を劈開してターゲットサンプルの劈開縁部をもたらし;前記校正済みサンプルを前記ターゲットサンプルと位置合わせし;前記校正済みサンプルの劈開縁部を前記ターゲットサンプルの劈開縁部に接続すること、によって製造され、
前記イオン切削器が、校正済み区域およびターゲット区域を切削するように構成されていて、前記イオン切削することが、前記校正済み区域の内部を露出させて前記校正済み区域の露出内部をもたらすことを含み、前記ターゲット区域はある深さに位置する埋め込まれた対象領域を含み、前記校正済み区域は前記ある深さに位置する所定の層を含み、前記所定の層が、前記所定の層に先行する前記校正済み区域の別の層から視覚的に区別可能であり、
前記モニタが、前記校正済み区域の前記露出内部を検視することによって、前記切削の進行を監視するように構成されていて、
前記コントローラが、前記監視の結果に基づいて前記イオン切削を制御するように構成されている、コンピュータ化したシステム。
【請求項17】
前記コントローラが、前記所定の層を検出すると、前記イオン切削を停止することによって前記イオン切削を制御するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、出願日2017年9月25日の米国仮特許出願第62/563065号および出願日2018年1月18日の米国仮特許出願第62/618647号からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般的に、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型静電容量顕微鏡(SCM)などによって観察されるサンプルを準備するための方法に関する。特に、本発明は、イオンビームを使用することによる、終点検出制御可能なサンプル準備の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスの製造における重要なステップのうちの1つは、その開発ステージにおける製品の中間的な制御である。多くの制御方法があり、それらの制御方法は、非接触方法と接触方法に分けられる。第1のグループは、試験されるサンプルに対する分析機器の直接的な機械的影響を必要としない方法である。第2のグループは、分析機器とサンプルの直接的な機械的接触に関連するか、または、走査型電子顕微鏡法(SEM)および透過型電子顕微鏡法(TEM)の場合のように、非接触分析機器が標本の何らかの準備を必要とするときである。
【0004】
SEMおよびTEM技術を簡単に説明する。どちらの場合にも、1次電子ビームがサンプルの表面上に発射され、サンプルを構成する原子核および電子と相互作用する。相互作用の結果はそれぞれ異なる。SEM技術は、入射電子のエネルギーの全てが失われる前に真空にサンプル表面から放出される一部の入射電子(後方散乱電子)と、かなりのエネルギー損失が起こる原子核との衝突、またはサンプル原子からの緩く結合された電子の放出によって形成された電子(2次電子)とを処理する。TEM技術は、初期エネルギーを部分的に失いながらサンプルを透過した1次電子(透過電子)によって動作する。両方の技術は、集めた電子の電気信号をサンプルの高解像度画像へと変換する検出器を使用している。
【0005】
両方の調査方法は、試験されるサンプルの何らかの準備を必要とする。SEMの場合、構造物がサンプルの表面上、または表面近くの層の中になければならない。TEM技術の場合、サンプルは、その内部に調査される構造物を有する、数十または数百ナノメートルの薄い薄板として提示される。
【0006】
TEMおよびSEM分析のためのサンプル準備のいくつかの技術があるが、イオンビームによるサンプル準備は、様々な他の方法の背景技術に対してリードしている。これらの方法は、より生態学的で、正確であり、煩瑣でない。
【0007】
イオン切削の方法は、材料を何らかの所望の深さに除去するための、真空中での、不活性ガス(典型的には、XeまたはAr)の高エネルギー加速したイオンとサンプルの表面との相互作用に基づく。イオンビーム入射角度、イオンのエネルギー、イオンビームの直径、およびイオン切削の期間のサンプルの様々な動きの変化が、材料のスパッタリング速度および最終的な標本の品質に影響をおよぼす。
【0008】
イオン切削によるサンプル準備の主な課題の1つは、ターゲットの損傷を防ぐことである。これらの目的のために、切削プロセスの完全なまたは部分的な視覚化が、イオン切削システムの中へと組み込んだ光学的および/または電子顕微鏡によって実施される。実際の画像に基づいて、操作者が正しい瞬間に切削プロセスを停止することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それにもかかわらず、調査される構造物が数ナノメートルの寸法を有する場合には、通常の光学ツールは十分な解像度を有さない。結果として、実用的なプロセスにさらなる機器を追加しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
深度制御したイオン切削のための方法を提供することができ、方法は、(a)校正済み区域およびターゲット区域をイオン切削することであって、イオン切削することが、校正済み区域の内部を露出させて校正済み区域の露出内部をもたらすことを含むことができ、ターゲット区域はある深さに位置することができる埋め込まれた対象領域を含むことができ、校正済み区域はある深さに位置することができる所定の層を含むことができ、所定の層が、所定の層に先行することができる校正済み区域の別の層から視覚的に区別可能とすることができる、ことと、(b)校正済み区域の露出内部を検視することによって、切削の進行を監視することと、(C)監視の結果に基づいてイオン切削を制御することとを含むことができる。
【0011】
イオン切削を制御することが、所定の層を検出するとイオン切削を停止することを含むことができる。
【0012】
校正済み区域が、複数のシーケンス層を含むことができ、各シーケンスの層が、互いに視覚的に区別可能とすることができる。
【0013】
複数のシーケンス層の各層が、既知の厚さであってよく、切削の進行を監視することが、切削によって露出した層の合計の厚さを計算し、合計の厚さをある深さと比較することを含むことができる。
【0014】
複数のシーケンス層のうちの少なくとも2つの層が同じ厚さであってよい。
【0015】
複数のシーケンス層のうちの少なくとも2つの層は、厚さが互いに異なる。
【0016】
各シーケンス層毎に2つの層があってよい。
【0017】
各シーケンス層毎に少なくとも3つの層があってよい。
【0018】
所定の層および他の層の第1の層が酸化ケイ素からできていてよく、所定の層および他の層の第2の層がポリシリコンからできていてよい。
【0019】
切削の進行を監視することが、校正済み区域の露出内部を、荷電粒子デバイスによって検視することを含むことができる。
【0020】
切削の進行を監視することが、校正済み区域の露出内部を、光学デバイスによって検視することを含むことができる。
【0021】
校正済み区域は校正済みサンプルに属してよく、ターゲット区域はターゲットサンプルに属し、校正済みサンプルおよびターゲットサンプルは、互いに付着することができ、互いに位置合わせすることができる。
【0022】
方法は、校正済みサンプルの1つの縁部を劈開して校正済みサンプルの劈開縁部をもたらすことと、ターゲットサンプルの1つの縁部を劈開してターゲットサンプルの劈開縁部をもたらすことと、校正済みサンプルをターゲットサンプルと位置合わせすることと、校正済みサンプルの劈開縁部をターゲットサンプルの劈開縁部に接続することとを含むことができる。
【0023】
校正済み区域およびターゲット区域は、ターゲットサンプルに属する。
【0024】
ターゲットサンプルは、ウェハであってよく、校正済み区域は、ウェハの2つのダイ間にあってよい。
【0025】
校正済み区域およびターゲット区域のイオン切削は、校正済み区域およびターゲット区域の前面を切削することから始まる。
【0026】
校正済み区域およびターゲット区域のイオン切削は、校正済み区域およびターゲット区域の背面を切削することから始まってよい。
【0027】
コンピュータ化したシステムによって実行されると、コンピュータ化したシステムに、校正済み区域およびターゲット区域をイオン切削するステップであって、イオン切削するステップが、校正済み区域の内部を露出させて校正済み区域の露出内部をもたらすことを含むことができ、ターゲット区域はある深さに位置することができる埋め込まれた対象領域を含むことができ、校正済み区域はある深さに位置することができる所定の層を含むことができ、所定の層が、所定の層に先行することができる校正済み区域の別の層から視覚的に区別可能とすることができる、ステップと、校正済み区域の露出内部を検視することによって、切削の進行を監視するステップと、監視の結果に基づいてイオン切削を制御するステップとを実行させる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を提供することができる。
【0028】
イオン切削を制御するステップは、所定の層を検出するとイオン切削を停止することを含むことができる。
【0029】
イオン切削器、コントローラ、およびモニタを含むことができるコンピュータ化したシステムを提供することができ、イオン切削器は、校正済み区域およびターゲット区域を切削するように構成することができ、イオン切削することが、校正済み区域の内部を露出させて校正済み区域の露出内部をもたらすことを含むことができ、ターゲット区域はある深さに位置することができる埋め込まれた対象領域を含むことができ、校正済み区域はある深さに位置することができる所定の層を含むことができ、所定の層が、所定の層に先行することができる校正済み区域の別の層から視覚的に区別可能とすることができ、校正済み区域の露出内部を検視することによって、切削の進行を監視するようにモニタを構成することができ、監視の結果に基づいてイオン切削を制御するようにコントローラを構成することができる。
【0030】
所定の層を検出すると、イオン切削を停止することによってイオン切削を制御するようにコントローラを構成することができる。
【0031】
本発明とみなされる主題は、本明細書の結論部分で特に指摘され、明確に特許請求される。しかし、本発明は、機構と動作方法の両方、ならびにそれらの目的、特徴、および利点は、以下の詳細な記載を参照し、添付図面とともに読むと、最も良好に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】イオン切削前のターゲットサンプルの例の図である。
図2】イオン切削前の校正済みサンプルの例の図である。
図3】前面イオン切削プロセスの前の、ターゲットサンプルと校正済みサンプルを組み合わせた例の図である。
図4】コンピュータ化したシステムの例の図である。
図5】1/3の深さにエッチングしたターゲットサンプルおよび校正済みサンプルの例の図である。
図6】シリコン基部までエッチングしたターゲットサンプルおよび校正済みサンプルの例の図である。
図7】背面イオン切削されたエッチングしたターゲットサンプルおよび校正済みサンプルの例の図である。
図8】校正済み区域の例の図である。
図9】校正済み区域の例の図である。
図10】校正済み区域の例の図である。
図11】コンピュータ化したシステムの例の図である。
図12】コンピュータ化したシステムの例の図である。
図13】エッチングしたサンプルの例の図である。
図14】エッチングしたサンプルの例の図である。
図15】方法の例を図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
説明を簡単および明瞭にするために、図中に示される要素は必ずしも原寸に比例していないことが理解されよう。たとえば、明瞭にするため、要素の一部の寸法は、他の要素に対して誇張する場合がある。さらに、適切と考えられる場合、対応する要素または類似の要素を示すため、参照番号を図の間で繰り返す場合がある。
【0034】
埋め込まれた対象領域に到達するための、速く正確な切削のための方法が提供される。方法は、ターゲットサンプルに付着される校正済みサンプルを使用することを含む。方法は、ツールの組合せを含むシステムによって実行することができ、および/またはドリル加工された区域から入力(荷電粒子画像)を受け取り、イオン切削プロセスをいつ停止するかを決定するコントローラによって制御することができる。
【0035】
システムに対する任意の参照は、変更すべきところは変更して、システムによって実行される方法、および/またはシステムによって実行されるとシステムに方法を実行させる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体に適用されるべきである。
【0036】
方法に対する任意の参照は、変更すべきところは変更して、方法を実行するように構成されるシステム、および/またはシステムによって実行されるとシステムに方法を実行させる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体に適用されるべきである。
【0037】
非一時的コンピュータ可読媒体に対する任意の参照は、変更すべきところは変更して、システムによって実行される方法、および/または非一時的コンピュータ可読媒体に記憶される命令を実行するように構成されるシステムに適用されるべきである。たとえば、非一時的コンピュータ可読媒体は、校正済みサンプルの切削の監視に基づいてイオン切削プロセスを監視するための命令を記憶することができる。
【0038】
イオンビーム切削、ならびにサンプルの表面から除去された材料の厚さの制御を利用する、走査型電子顕微鏡法および透過電子顕微鏡法による分析のための、標本の準備のための方法が提供される。プロセスは、シリコン-サファイアウェハに基づいた広範囲の構造物、特に3D NANDおよびDRAM構造の、TEMまたはSEMのいずれかによる分析のための準備にとって、特に有用である。
【0039】
方法は、対をなす、既知の厚さの所与の数の交互の層を表面上に有する、校正済みサンプルを使用する。SEMおよびTEMで視覚的に分離可能となる材料の全ての組合せを、層の材料として使用することができる。加えて、材料は、SEM画像が不安定となることを避けるために、十分な電気伝導度を有するべきであり、これは、通常表面電荷が現れることと関連付けられる。本発明では、酸化ケイ素とポリシリコンの組合せが材料の可能な対として提案される。
【0040】
全ての層の厚さは同じであってよい。少なくとも2つの層の厚さは、互いに異なってよい。
【0041】
全ての層が同じ厚さであるとき、層の厚さが、深度解像度を決定する。同じ厚さの層を使用することによって、異なる対象物の切削および/または異なる深さの対象領域を含む異なる対象物の切削を監視するために、同じ校正済みサンプルを使用することが可能になる。
【0042】
あるいは、校正済みサンプルは、異なる切削深さに適合するように調整することができる。調整は、異なる切削深さにおける識別可能な層間の境界を含む校正層を製造することを含む。
【0043】
校正済みサンプルは、TEMおよび/またはSEMに識別可能な3つを超えるタイプの層を含むことができ、2つのタイプの層への言及は単なる例である。層は、事前に既知の任意の方法で配置構成することができ、その結果、切削プロセスは、露出した層をトラッキングすることによって正確に監視することができる。
【0044】
校正済みサンプルと、ある深さに位置する埋め込まれた対象領域を含むターゲットサンプルとの組合せを受け取るかまたは生成することを含むことができる方法を提供することができる。ある深さに到達するまでこの組合せをイオン切削し、それによって校正済みサンプルおよびターゲットサンプルの内部を露出し、一方で、校正済みサンプルの露出内部を(たとえば、TEMまたはSEMなどの荷電粒子ツールによって)検視することによって切削の深さを監視し、ある深さに到達したら切削を停止する。校正済みサンプルは、既知の深さの、(荷電粒子ツールに対して)互いに識別可能な層を含む。
【0045】
組合わせの生成は、(i)シリコンの結晶方位のうちの1つに沿った、ターゲット位置に近い縁部を劈開することによるターゲットサンプルの準備、(ii)シリコンの結晶方位に沿った1つの縁部を劈開することによる校正済みサンプルの準備、(iii)劈開した縁部でターゲットサンプルと校正済みサンプルを組み合わせること、(iv)ターゲットサンプルと校正済みサンプルの上面を高さで位置合わせすることなどの、1つまたは複数の準備ステップを含むことができる。
【0046】
校正済みサンプルおよびイオン切削のためのサンプルの準備が以下に記載される。ターゲットサンプルのサイズは、構造物の正しい調査を確実にするためにエッチングされることになるターゲットサンプル面の区域に基づいて選択される。したがって、校正済みサンプルの一片の直線的な寸法は、期待されるエッチング区域の直線的な寸法以上に選択される。
【0047】
ターゲットサンプルは、指定された直線的な寸法で、シリコンまたはサファイア板によって提示される。調査される構造物は、ターゲットサンプルの表面上にある(図1、サンプル)。校正済みサンプルと組み合わされることになるターゲットサンプルの縁部のうちの1つは、それらの間に最小の間隙を有する2つのサンプルの組合せにとって十分な品質を有さなければならない。そのような品質の縁部は可能であり、たとえば、シリコンウェハの結晶方位のうちの1つに沿ったシリコンウェハの劈開をすることにより与えられる。特定のターゲットの場合には、構造物のある場所が調査される必要があるとき、劈開がこの場所を通過する必要がある。
【0048】
校正済みサンプルはシリコン基部を有する場合がある。校正済みサンプルの層の総計の厚さは、ターゲットサンプルの構造物の厚さ以上でなければならない(図2、校正済みサンプル)。校正済みサンプルの縁部のうちの1つはターゲットサンプルと組み合わされることになるが、結晶方位のうちの1つを通る劈開方法によって準備することも必要である。
【0049】
下に記載される方法は、前面切削を含む。導電性真空接着剤または銀ペイントまたはカーボンテープなどの方法の1つを使用し、ターゲットサンプルおよび校正済みサンプルを、シリコン(サファイア)側でサンプルホルダの平面上に固定する。次いで、ターゲットサンプルと校正済みサンプルを、劈開によって準備された上述の縁部にわたって組み合わせる。最終的に、両方のサンプルは高さで位置合わせされる。すなわち、ターゲットサンプルの構造物の表面と校正済みサンプルの上面は、サンプルホルダの表面から同じ距離になければならない(図3、組み合わせたターゲットサンプルと校正済みサンプル)。真空接着剤または銀ペイントを使用する場合には、それらが適切に硬化するように、かける時間を短くすべきである。
【0050】
サンプルホルダがイオン切削システムの中に入れられ、構造物のイオン切削が開始する。切削プロセスには、その平面(XY)に垂直な軸Rの周りにサンプルホルダを回転すること、または平面XZに垂直な軸T2の周りの回転、または平面YZに垂直な軸T1の周りの回転、または軸X、Y、またはZに沿ったサンプルホルダの移動、またはイオン切削器の光軸上のイオンビームの回転が付随して起こることができる(図4、イオン切削システムの真空チャンバ中のサンプルホルダの概略位置)。
【0051】
回転することによって、切削孔の均一性が向上する。
【0052】
イオン切削プロセス期間に、イオンビームは、ターゲットサンプルの表面と校正済みサンプルの構造物をスパッタする。校正済みサンプル切削の結果は、斜面上の異なるコントラストまたは色が交互になっている層の組を有する溝である(図5、1/3の深さにエッチングしたターゲットサンプルおよび校正済みサンプル)(図6、シリコン基部までエッチングしたターゲットサンプルおよび校正済みサンプル)。切削の期間に、斜面上の層の数の計算を実施する。斜面上の層の総計の厚さが、サンプルの構造物が調査されなければならない深さと等しくなると、イオンエッチングプロセスは停止する。
【0053】
方法は、背面切削プロセスを使用することを含むことができる。同じ固定方法を使用して、ターゲットサンプルおよび校正済みサンプルを、構造物側で、サンプルホルダの平面上に置く。校正済みサンプルの層の総計の厚さは、ターゲットサンプルの構造物の厚さより厚くなければならない。ターゲットサンプルと校正済みサンプルの総計の厚さがほぼ同じとなることが賢明である。次いで、ターゲットサンプルと校正済みサンプルが劈開した縁部にわたって組み合わされ、最終的に、両方のサンプルは高さが位置合わせされる必要がある。すなわち、ターゲットサンプルのシリコン(サファイア)表面と校正済みサンプルのシリコン上面は、サンプルホルダの表面から同じ距離になければならない。
【0054】
サンプルホルダがイオン切削システムの中に入れられ、構造物のイオン切削が、前面イオン切削プロセスについて上で記載したものと同じ変化回転および運動で開始する。本出願の主な目標は、シリコン基板から規定された距離にある構造物のいくつかの点までイオン切削によって到達することである。このプロセス期間に、操作者は、ターゲットサンプル/校正済みサンプルの上部の組み合わせた面上の溝の外観を観察する。ターゲットサンプルの構造物がむき出しになると、イオン切削プロセスは迅速に停止する。この時点から、校正済みサンプルの斜面上の層を同時に計算してエッチングすることによって、制御可能なイオン切削プロセスが行われる。斜面上の層の総計の厚さが、ターゲットサンプルの構造物が調査されなければならない距離と等しくなると、イオン切削プロセスは停止する(図7、背面イオン切削プロセスの結果)。
【0055】
図1は、シリコンまたはサファイア基部102および上部構造物110を含む、典型的なターゲットサンプル100を示す。サンプルは、シリコン基部102の結晶方位のうちの1つと一致する劈開縁部120を有する。
【0056】
図2は、シリコン基部132と、上部にある、対をなす、既知の厚さの交互の層140の組とを含む校正済みサンプル130を示す。校正済みサンプルは、シリコン基部132の結晶方位のうちの1つと一致する劈開縁部150を有する。
【0057】
図3は、劈開縁部120および150にわたって組み合わせたターゲットサンプル100と校正済みサンプル130を示す。
【0058】
図4は、イオン切削システムの真空チャンバ中のサンプルホルダの概略位置を示す。図4は、イオン切削器208と、SEMカラム204ならびに2次電子検出器SED206および後方散乱電子検出器BSED208などの検出器を含むモニタとを含むコンピュータ化したシステム200を図示する。コンピュータ化したシステム200は、組み合わせたターゲットサンプルと校正済みサンプルを保持するためのサンプルホルダ210、ならびにコンピュータ化したシステムを制御するためのコントローラ212も含む。
【0059】
図5は、イオン切削の開始後、ターゲットサンプル構造物の1/3の深さでの、組み合わせたターゲットサンプルと校正済みサンプルを示す。イオンビーム190は、組み合わせたターゲットサンプルと校正済みサンプルを切削する。
【0060】
切削の結果として、ターゲットサンプルと校正済みサンプルの両方に孔160が形成される。
【0061】
図5では、孔は、ターゲットサンプルの上部構造物110の部分にだけ、および校正済みサンプルの層140の一部にだけ形成される。
【0062】
ターゲットサンプルの側から、孔160は、上部構造物110の露出内部を露出し、層140の一部を露出する。孔の底部は、上部構造物の部分162、および層のうちの1つの部分164を露出する。
【0063】
図6は、シリコン基部102および132の露出後の、組み合わせたターゲットサンプルと校正済みサンプルを示す。
【0064】
ターゲットサンプルの側から、孔160は、上部構造物110の露出内部を露出し、校正済みサンプルの側から、孔は、全ての層140を露出する。孔の底部は、シリコン基部102の部分162、およびシリコン基部132のうちの1つの部分164を露出する。
【0065】
図7は、背面イオン切削プロセスの結果を図示する。孔160は、主にシリコン基部102およびシリコン基部132に形成されるが、進行して、(層140のうち)1つまたは複数の層の部分180および上部構造物110の部分170を露出する。
【0066】
校正済みサンプルならびに深度校正した構造物を使用することによって、制御可能な終点検出イオン切削の方法を提供することができる。方法は、(i)シリコンの結晶方位のうちの1つに沿った、ターゲット位置に近い縁部を劈開することによるターゲットサンプルの準備、(ii)シリコンの結晶方位に沿った1つの縁部を劈開することによる校正済みサンプルの準備、(iii)劈開した縁部にわたってターゲットサンプルと校正済みサンプルを組み合わせること、(iv)ターゲットサンプルと校正済みサンプルの上面を高さで位置合わせすること、(v)イオン切削、(vi)校正済みサンプルの溝の斜面上の層の数の計算によるターゲットサンプル面への貫入の深さの監視を含むことができる。(v)方法は、対をなす、既知の厚さの所与の数の交互の層を表面上に有する、校正済みサンプルを使用することを含むことができる。
【0067】
校正済みサンプルの層の材料は、SEMおよびTEMで視覚的に分離可能となる。
【0068】
校正済みサンプルは、校正済みサンプル構造物の層の材料の対として、酸化ケイ素層およびポリシリコン層を含むことができる。
【0069】
ターゲットの終点検出は、校正済みサンプルの表面における溝の斜面上の層の数を計算することによって実現することができる。
【0070】
校正済みサンプルは、深度校正した構造物を含むことができる。
【0071】
イオンビーム切削、ならびにサンプルの表面から除去された材料の厚さの制御を利用する、走査型電子顕微鏡および透過電子顕微鏡による分析のための、標本の準備のための方法が提供される。プロセスは、広範囲の半導体構造物、特に広範囲の3D NANDおよびDRAMをTEMまたはSEMのいずれかで分析するための準備に特に有用である。
【0072】
方法は、対をなす、既知の厚さの所与の数の交互の層によって提示され、ターゲットサンプル上にある校正済み区域を使用する(図1、校正済み区域の斜視図)。SEMおよびTEMで視覚的に分離可能となる材料の全ての組合せは、層の材料として使用することができる。加えて、材料は、SEM画像が不安定となることを避けるため、十分な電気伝導度を有するべきであり、これは、通常表面電荷が現れることと関連付けられる。本発明では、酸化ケイ素とポリシリコンの組合せが材料の可能な対として提案される。
【0073】
全ての層の厚さは同じであってよい。少なくとも2つの層の厚さは、互いに異なってよい。
【0074】
全ての層が同じ厚さであるとき、層の厚さが、深度解像度を決定する。同じ厚さの層を使用することによって、異なる対象物の切削および/または異なる深さの対象領域を含む異なる対象物の切削を監視するために、同じ校正済み区域を使用することが可能になる。
【0075】
あるいは、校正済み区域は、異なる切削深さに適合するように調整することができる。調整は、異なる切削深さにおける識別可能な層間の境界を含む校正層を製造することを含む。
【0076】
校正済み区域は、TEMおよび/またはSEMに識別可能な3つを超えるタイプの層を含むことができ、2つのタイプの層への言及は単なる例である。層は、事前に既知の任意の方法で配置構成することができ、その結果、切削プロセスは、露出した層をトラッキングすることによって正確に監視することができる。
【0077】
校正済み区域の層の総計の厚さは、ターゲットサンプルの構造物の総計の厚さと同じ、厚さ未満、または厚さより厚い場合がある。
【0078】
ターゲットサンプルは、複数のダイおよびダイ間の区域からなる全てシリコンまたはサファイアのウェハによって、または単一のダイまたはダイ間の区域、ダイの部分またはダイ間の区域、複数のダイおよびダイ間の区域の任意の可能な組合せからなるシリコンまたはサファイアのウェハの部片によって提示することができる。
【0079】
ターゲットサンプルは、最小1つの校正済み区域を含むことができる。
【0080】
校正済み区域は、ダイの中、ダイ間の区域の中、またはダイとダイ間の区域との間の境界面の中にあってよい(図8図10は、ダイの中へ(図8)、ダイ間の区域の中へ(図9)、およびダイとダイ間の区域との間の境界面の中へ(図10)の校正済み区域の可能な組み込みを図示する。)
【0081】
校正済み区域の形状は多様であってよい。
【0082】
ある深さに位置する埋め込まれた対象領域と、ターゲットサンプルの中へ組み込まれる校正済み区域とを含むターゲットサンプルを受け取ることを含むことができる方法を提供することができる。ある深さに到達するまで、この組合せをイオン切削すること、それによって校正済み区域およびターゲットサンプルの内部を露出すること、一方で、校正済み区域の露出内部を(たとえば、光学デバイスまたはTEMもしくはSEMなどの荷電粒子ツールによって)検視することによって切削の深さを監視すること、およびある深さに到達すると切削を停止すること。校正済み区域は、(荷電粒子ツールの場合に)互いに識別可能な、既知の深さの層を含む。
【0083】
校正済み区域は、シリコンまたはサファイアウェア上の集積回路の成長期間に作ることができ、または校正済み区域は、ターゲットサンプルへと別個に組み込むことができる。ターゲットサンプルの構造物の上面と校正済み区域の上面は、1つの平面にあってよい。
【0084】
ターゲットサンプルのイオン切削の方法が下に記載される。
【0085】
導電性真空接着剤または銀ペイントまたはカーボンテープなどの方法の1つを使用し、ターゲットサンプルを、シリコン/サファイア側でサンプルホルダの平面上に固定する。サンプルホルダがイオン切削システムの中に入れられ、構造物のイオン切削が開始する。切削プロセスには、その平面(XY)に垂直な軸Rの周りにサンプルホルダを回転すること、または平面YZに垂直な軸T1の周りの回転、または平面XZに垂直な軸T2の周りの回転、または軸X、Y、またはZに沿ったサンプルホルダの移動、またはイオン切削器の光軸上のイオンビームの回転が付随して起こることができる。イオン切削器は、6自由度、すなわち、X、Y、Z、T3、T4、およびT5を有する(図11、荷電粒子ツールを有するイオン切削システムの真空チャンバ中のサンプルホルダの概略位置、図12、光学デバイスを有するイオン切削システムの真空チャンバ中のサンプルホルダの概略位置)。回転することによって、切削孔の均一性が向上し、その表面の粗さが減少する。
【0086】
イオン切削期間に、イオンビームは、サンプルの表面をスパッタする。切削の結果は、ターゲットサンプルの表面上の溝状の外観である。溝の底部が校正済み区域と一致する場合、底部の色またはコントラストが周期的に変わることを、切削を通して観察することになる(図13、溝の底部が校正済み区域の場所で一致するときのエッチングしたサンプル)。切削の期間に、底部の色の変化を計数することを実施し、底部の色の変化の計数は、校正済み区域のスパッタした層の数に等しい。溝の底部が校正済み区域と一致しない場合、切削した校正済み区域を含む溝の斜面のセクションは、異なるコントラストまたは色が交互になっている層の組によって提示されることになる(図14、溝の底部が校正済み区域の場所で一致しないときのエッチングしたサンプル)。この場合、切削した校正済み区域の斜面状の層の計算を実施する。層の総計の厚さが、サンプルの構造物が調査されなければならない深さと等しくなると、イオンエッチングプロセスは停止する。
【0087】
図8は、ダイ121へと組み込まれる校正済み区域101の斜視図を示す。図9は、ダイ間の区域131へと組み込まれる校正済み区域101を図示する。図10は、ダイ121とダイ間の区域131の間の境界面へと組み込まれる校正済み区域101を図示する。
【0088】
図11は、イオン切削器202と、検出器204ならびに2次電子検出器SED206および後方散乱電子検出器BSED208などの追加検出器を有するSEMカラムを含むモニタとを含むコンピュータ化したシステム201の例を示す。コンピュータ化したシステム201は、1つまたは複数の組み込まれる校正済み区域と組み合わせたターゲットサンプルを保持するためのサンプルホルダ210、ならびにコンピュータ化したシステムを制御するためのコントローラ212も含む。
【0089】
コンピュータ化したシステム201(ならびに200)は、真空チャンバも含むことができる。
【0090】
図12は、光学顕微鏡などの光学デバイス222を有するモニタを含むコンピュータ化したシステム203の例を示す。
【0091】
ダイの中に1つまたは複数の校正区域が存在してよい。最適な切削は、主に(または、もっぱら)校正区域を切削し、集積回路の他の部分を切削しないことを含む場合がある。
【0092】
図13は、切削が、主に校正済み区域を切削する例を図示する。校正済み区域は、交互の黒と白の層を有し、したがって、図13の2つの画像は、黒い層または白い層を露出する切削の異なる深さを図示する。図13の上の部分は、第1の深さの黒い層165と一致する孔160の底部を図示し、一方、図13の下の部分は、第2の深さの白い層と一致する孔160の底部を図示する。
【0093】
図14は、校正済み区域101がダイ間の区域131にある、エッチングしたサンプルを示す。図14では、孔160は、校正区域の一部のみを露出し(交互の層を露出したままにし)、一方校正区域の(切削されていない)別の部分は、集積回路の上面にある上部層を有する。孔の底部は、校正済み区域の場所と一致しない。
【0094】
深度校正した構造物を有するターゲットサンプルの校正済み区域に組み込まれ使用することによって、制御可能な終点検出イオン切削の方法を提供することができる。方法は、(i)少なくとも1つの校正済み区域からなるターゲットサンプルの準備、(ii)イオン切削、(iii)切削した校正済み区域に含まれる溝の斜面/底部上の層の数の計算によるターゲットサンプル面への貫入の深さの監視を含むことができる。(iv)方法は、対をなす、既知の厚さの所与の数の交互の層を表面上に有する、校正済み区域を使用することを含むことができる。
【0095】
校正済み区域の層の材料は、SEMおよびTEMで視覚的に分離可能となる。
【0096】
校正済み区域は、校正済み区域構造物の層の材料の対として、酸化ケイ素層およびポリシリコン層を含むことができる。
【0097】
ターゲットの終点検出は、切削した校正済み区域に含まれる溝の斜面/底部上の層の数を計算することによって実現することができる。
【0098】
校正済み区域は、深度校正した構造物を含むことができる。
【0099】
図15は方法300を図示する。
【0100】
方法300は、深度制御したイオン切削のためのものである。
【0101】
方法300は、以下を含むことができる。
【0102】
校正済み区域およびターゲット区域をイオン切削するステップ310。イオン切削することが、校正済み区域の内部を露出させて校正済み区域の露出内部をもたらすことを含むことができる。ターゲット区域は、ある深さに位置することができる埋め込まれた対象領域を含むことができる。校正済み区域は、ある深さに位置することができる所定の層を含むことができる。所定の層が、所定の層に先行することができる校正済み区域の別の層から視覚的に区別可能とすることができる。
【0103】
校正済み区域の露出内部を検視することによって、切削の進行を監視するステップ320。
【0104】
監視の結果に基づいてイオン切削を制御するステップ330。
【0105】
ステップ330は、所定の層を検出するとイオン切削を停止することを含むことができる。
【0106】
校正済み区域が、複数のシーケンス層を含むことができ、各シーケンスの層が、互いに視覚的に区別可能とすることができる。
【0107】
複数のシーケンス層の各層が、既知の厚さであってよく、切削の進行を監視することが、切削にさらされた層の合計の厚さを計算し、合計された厚さをある深さと比較することを含むことができる。
【0108】
複数のシーケンス層のうちの少なくとも2つの層が、同じ厚さであってよい。
【0109】
複数のシーケンス層のうちの少なくとも2つの層は、厚さが互いに異ってよい。
【0110】
各シーケンス層毎に2つの層があってよい。
【0111】
各シーケンス層毎に少なくとも3つの層があってよい。
【0112】
所定の層および他の層の第1の層が酸化ケイ素からできていてよく、所定の層および他の層の第2の層がポリシリコンからできていてよい。
【0113】
ステップ320は、校正済み区域の露出内部を、荷電粒子デバイスによって検視することを含むことができる。
【0114】
ステップ320は、校正済み区域の露出内部を、光学デバイスによって検視することを含むことができる。
【0115】
校正済み区域は校正済みサンプルに属してよく、ターゲット区域はターゲットサンプルに属してよく、校正済みサンプルおよびターゲットサンプルは、互いに付着することができ、互いに位置合わせすることができる。
【0116】
方法300は、校正済みサンプルの1つの縁部を劈開して校正済みサンプルの劈開縁部をもたらすことと、ターゲットサンプルの1つの縁部を劈開してターゲットサンプルの劈開縁部をもたらすことと、校正済みサンプルをターゲットサンプルと位置合わせすることと、校正済みサンプルの劈開縁部をターゲットサンプルの劈開縁部に接続することといったステップ304を含むこともできる。
【0117】
校正済み区域およびターゲット区域は、ターゲットサンプルに属することができる。
【0118】
ターゲットサンプルは、ウェハであってよく、校正済み区域は、ウェハの2つのダイ間にあってよい。
【0119】
ステップ310は、下向き切削、すなわち校正済み区域およびターゲット区域の前面を切削することによって切削を開始することを含むことができる。
【0120】
ステップ310は、上向き切削、すなわち校正済み区域およびターゲット区域の背面の切削から開始することを含むことができる。
【0121】
説明を簡単および明瞭にするため、図中に示される要素が必ずしも原寸に比例していないことを理解されよう。たとえば、明瞭にするため、要素の一部の寸法は、他の要素に対して誇張する場合がある。さらに、適切と考えられる場合、対応する要素または類似の要素を示すため、参照番号を図の間で繰り返す場合がある。
【0122】
「含む(including)」、「備える、含む(comprising)」、「有する(having)」、「からなる(consisting)」、および「本質的に~からなる(consisting essentially of)」という用語は、交換可能な方法で使用される。たとえば、任意の方法は、少なくとも図の中および/または明細書の中に含まれるステップ、図および/または明細書に含まれるステップだけを含むことができる。同じことが、プール清掃ロボットおよびモバイルコンピュータに適用される。
【0123】
説明を簡単および明瞭にするため、図中に示される要素が必ずしも原寸に比例していないことを理解されよう。たとえば、明瞭にするため、要素の一部の寸法は、他の要素に対して誇張する場合がある。さらに、適切と考えられる場合、対応する要素または類似の要素を示すため、参照番号を図の間で繰り返す場合がある。
【0124】
上述の明細書において、本発明は、本発明の実施形態の特定の例を参照して記載されている。しかし、添付される請求項に記載されるような本発明のより広い精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に様々な変形および変更を行うことができることが明らかであろう。
【0125】
さらに、記載中および請求項中の「前(front)」、「後(back)」、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「~の上(over)」、「~の下(under)」などの用語は、存在する場合、記述の目的のために使用され、必ずしも固定的な相対的な位置を記述するためではない。そのように使用される用語は、適切な環境下で交換可能であり、その結果、本明細書に記載される本発明の実施形態は、たとえば、本明細書で図示される、さもなければ記載される以外の向きで動作が可能であることが理解されよう。
【0126】
論理ブロック間の境界は、単なる説明であって、代替実施形態では、論理ブロックもしくは回路要素を融合すること、または様々な論理ブロックもしくは回路要素に、機能性の替わりの分解物を課すことができることを当業者なら認識されよう。したがって、本明細書に描かれたアーキテクチャは単に例示であり、実際には、同じ機能性を達成する多くの他のアーキテクチャを実装できることを理解されたい。
【0127】
同じ機能性を達成するための構成要素の任意の配置構成が効果的に「関連付けられ」、その結果、所望の機能性が達成される。したがって、特定の機能性を達成するために本明細書で組み合わされる任意の2つの構成要素は、互いに「関連付けられる」と理解することができ、その結果、アーキテクチャまたは中間の構成要素にかかわらず、所望の機能性が達成される。同様に、そのように関連付けられる任意の2つの構成要素は、所望の機能性を達成するため、互いに「動作可能に接続される」または「動作可能に結合される」とみなすこともできる。
【0128】
さらに、上記の動作間の境界が単なる説明であると当業者なら認識するであろう。複数の動作を単一の動作へと組み合わせることができ、単一の動作をさらなる動作に分散することができ、動作を、少なくとも部分的に、時間的に重複して実行することができる。さらに、代替実施形態は、特定の動作の複数のインスタンスを含むことができ、動作の順番は、様々な他の実施形態で変えることができる。
【0129】
またたとえば、一実施形態では、説明された例を、単一の集積回路上に、または同じデバイス内にある回路として実装することができる。あるいは、好適な方法で互いに接続される、任意の数の別個の集積回路または別個のデバイスとして例を実装することができる。
【0130】
またたとえば、任意の適切なタイプのハードウェア記載言語でなどといった、物理的な回路に変換可能な、物理的回路または論理表現のソフトまたはコード表現として、例または例の部分を実装することができる。
【0131】
また、本発明は、非プログラム可能ハードウェア中に実装される物理的デバイスまたはユニットに限定されず、「コンピュータシステム」と本明細書中で一般的に示される、メインフレーム、ミニコンピュータ、サーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、ノートパッド、携帯情報端末、電子ゲーム、自動車および他の埋込システム、セルフォンおよび様々な他のワイヤレスデバイスなどの、好適なプログラムコードにしたがって動作することによって所望のデバイス機能を実施することができるプログラム可能デバイスまたはユニットに適用することもできる。
【0132】
しかし、他の修正形態、変形形態、および代替形態も可能である。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味よりもむしろ例示的な意味で考えられるべきである。
【0133】
請求項では、括弧内にある任意の参照符号が請求項を制限するとみなすべきでない。「備える、含む(comprising)」という言葉は、請求項に列挙されるもの以外の要素またはステップの存在を排除しない。さらに、本明細書で使用する「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、1つの(one)または1つより多いと規定される。また、請求項中の「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」などの前置きの文句の使用は、同じ請求項が「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」といった前置きの文句および「1つ(a)」または「1つ(an)」などの不定冠詞を含むときでさえ、不定冠詞「1つ(a)」または「1つ(an)」による別の請求項要素の導入が、そのような導入された請求項要素を含有する任意の特定の請求項をただ1つのそのような要素を含有する発明に限定すると暗示するとみなすべきでない。同じことが定冠詞の使用にも当てはまる。別段の指示のない限り、「第1の」および「第2の」などの用語は、そのような用語が記載する要素間を任意に区別するために使用される。したがって、これらの用語は、必ずしも、そのような要素の時間的または他の優先順位付けを示すと意図されておらず、所定の手段が相互に異なる請求項中で記載されるという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用できないことを示さない。
【0134】
本特許出願で参照される任意のシステム、装置、またはデバイスは、少なくとも1つのハードウェア構成要素を含む。
【0135】
本発明の特定の特徴が本明細書で図示され記載されてきたが、当業者には、多くの修正形態、代替形態、変更形態、および等価形態が今や想到するであろう。したがって、添付される特許請求の範囲は、全てのそのような修正形態および変更形態が本発明の真の精神の中に入るように包含すると意図されていることを理解されたい。
【符号の説明】
【0136】
100 ターゲットサンプル
101 校正済み区域
102 シリコン基部、サファイア基部
110 校正済みサンプル、上部構造物
120 劈開縁部
121 ダイ
130 ターゲットサンプル、校正済みサンプル
131 ダイ間の区域
132 シリコン基部
140 層
150 劈開縁部
160 孔
162 部分
164 部分
165 黒い層
170 部分
180 部分
190 イオンビーム
200 コンピュータ化したシステム
201 コンピュータ化したシステム
202 イオン切削器
204 SEMカラム、検出器
206 2次電子検出器、SED
208 後方散乱電子検出器、BSED
208 イオン切削器
210 サンプルホルダ
212 コントローラ
222 光学デバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15