(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】浴室用送風装置
(51)【国際特許分類】
A47K 10/48 20060101AFI20230815BHJP
B05B 1/16 20060101ALI20230815BHJP
A47K 4/00 20060101ALI20230815BHJP
E04H 1/12 20060101ALN20230815BHJP
【FI】
A47K10/48 A
B05B1/16
A47K4/00
E04H1/12 301
(21)【出願番号】P 2019060662
(22)【出願日】2019-03-27
【審査請求日】2022-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】松田 誠樹
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-112096(JP,U)
【文献】特開平05-163748(JP,A)
【文献】特開2004-264001(JP,A)
【文献】特開2000-023875(JP,A)
【文献】特開2019-124033(JP,A)
【文献】特開平06-284990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/48
A47K 3/02-4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温風を生成する生成部と、
前記生成部により生成された温風を案内する案内部と、
浴室内の所定の送風先へ向けて、前記案内部により案内された温風を吐出する吐出部と、
を具備
し、
前記案内部には、
前記浴室に設けられ、先端側がシャワーヘッドに接続されると共に利用者が把持可能なシャワーホースの外側に、当該シャワーホースに沿うように設けられた第一の案内部が含まれ、
前記吐出部には、
前記シャワーヘッドに形成された第一の吐出部が含まれる、
浴室用送風装置。
【請求項2】
前記第一の吐出部は、
前記シャワーヘッドにおいて前記シャワーホースから供給される水を吐出可能な水吐出部とは異なる位置に固定され、前記シャワーヘッドの外側で前記第一の案内部に接続されている、
請求項1に記載の浴室用送風装置。
【請求項3】
前記案内部には、
前記浴室の壁面及び/又は天井面の裏側に設けられた第二の案内部が含まれ、
前記吐出部には、
前記浴室の壁面及び/又は前記天井面に形成された第二の吐出部が含まれる、
請求項1又は請求項2に記載の浴室用送風装置。
【請求項4】
前記吐出部は、
吐出する温風の拡散度合いを変更可能な変更部を有する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の浴室用送風装置。
【請求項5】
前記吐出部からの温風の吐出を脈動状態とする脈動部を具備する、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の浴室用送風装置。
【請求項6】
前記案内部には、
一側が前記生成部と接続されると共に、他側が前記浴室の壁面に設けられた継手部に接続される第三の案内部と、
前記継手部と前記吐出部との間を接続する第四の案内部と、が含まれる、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の浴室用送風装置。
【請求項7】
前記浴室の壁面に開口された開口部と、
前記開口部を開閉可能な開閉部と、
を具備し、
前記生成部は、
前記浴室の壁面の裏側で、前記開口部と対向する位置に配置される、
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の浴室用送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室に設けられる浴室用送風装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室には、お湯を溜めるための浴槽や身体を洗うための洗い場床等が設けられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
利用者は、このような浴室を利用後(入浴後)に身体に付着した水滴をバスタオルで拭くこととなる。こうして使用されたバスタオルは洗濯や乾燥を行う必要があり、家事の負担が増えてしまう。特に、利用者(例えば家族)が多ければ、バスタオルの使用枚数が増えてしまい、当該バスタオルの洗濯や乾燥に手間がかかってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、バスタオルを使用せずに身体の水滴を除去することが可能な浴室用送風装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、温風を生成する生成部と、前記生成部により生成された温風を案内する案内部と、浴室内の所定の送風先へ向けて、前記案内部により案内された温風を吐出する吐出部と、を具備し、前記案内部には、前記浴室に設けられ、先端側がシャワーヘッドに接続されると共に利用者が把持可能なシャワーホースの外側に、当該シャワーホースに沿うように設けられた第一の案内部が含まれ、前記吐出部には、前記シャワーヘッドに形成された第一の吐出部が含まれるものである。
請求項2においては、前記第一の吐出部は、前記シャワーヘッドにおいて前記シャワーホースから供給される水を吐出可能な水吐出部とは異なる位置に固定され、前記シャワーヘッドの外側で前記第一の案内部に接続されているものである。
【0008】
請求項3においては、前記案内部には、前記浴室の壁面及び/又は天井面の裏側に設けられた第一の案内部が含まれ、前記吐出部には、前記浴室の壁面及び/又は前記天井面に形成された第一の吐出部が含まれるものである。
【0010】
請求項4においては、前記吐出部は、吐出する温風の拡散度合いを変更可能な変更部を有するものである。
【0011】
請求項5においては、前記吐出部からの温風の吐出を脈動状態とする脈動部を具備するものである。
【0012】
請求項6においては、前記案内部には、一側が前記生成部と接続されると共に、他側が前記浴室の壁面に設けられた継手部に接続される第三の案内部と、前記継手部と前記吐出部との間を接続する第四の案内部と、が含まれるものである。
【0013】
請求項7においては、前記浴室の壁面に開口された開口部と、前記開口部を開閉可能な開閉部と、を具備し、前記生成部は、前記浴室の壁面の裏側で、前記開口部と対向する位置に配置されるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
請求項1においては、バスタオルを使用せずに身体の水滴を除去することができる。また請求項1においては、利便性を向上させることができる。
請求項2においては、利便性を向上させることができる。
【0016】
請求項3においては、浴室内で入浴の妨げになるのを抑制することができる。
【0018】
請求項4においては、利便性を向上させることができる。
【0019】
請求項5においては、利便性を向上させることができる。
【0020】
請求項6においては、浴室の周囲の省スペース化を図ることができる。
【0021】
請求項7においては、メンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図3】(a)温風装置の構成を示した概略側面図。(b)送風機及びヒータを示した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明においては、図中に記した矢印に従って、上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義する。
【0024】
以下では、本発明の第一実施形態に係る温風装置70を具備する浴室10について説明する。
【0025】
まず、
図1から
図3を参照して、浴室10の構成について説明する。
【0026】
浴室10は、建物(例えば、戸建て住宅等)内に設けられる。
図1及び
図2に示すように、浴室10は、床部11と、前壁部12と、後壁部13と、左壁部14と、右壁部15と、天井16と、により区画される。床部11には、浴室10内で使用したお湯を外部へ排出するための排水口11aが設けられる。右壁部15には、浴室10へ出入するための扉15aが設けられる。天井16には、浴室10内の空気を外部へ排出するための換気扇16aが設けられる。浴室10は、浴槽20、洗い場30、洗い場カウンター40、混合栓50、シャワー装置60及び温風装置70を具備する。
【0027】
浴槽20は、長手方向を前後方向に向けると共に短手方向を左右方向に向けた平面視略矩形状に形成される。浴槽20の前後方向幅は、浴室10の前後方向幅と略同一となるように形成される。浴槽20の左右方向幅は、浴室10の左右方向幅の略半分となるように形成される。浴槽20は、浴室10の左側に配置される。
【0028】
洗い場30は、利用者が体を洗うための場所である。洗い場30は、浴室10の右側(浴槽20の右隣)に配置される。
【0029】
洗い場カウンター40は、洗面器や入浴道具等を置くためのものである。洗い場カウンター40は、略箱状に形成される。洗い場カウンター40は、長手方向を左右方向に向けると共に短手方向を前後方向に向けた平面視略矩形状に形成される。洗い場カウンター40は、前壁部12の下部(浴槽20よりも低い位置)に固定される。
図3(b)に示すように、洗い場カウンター40は、開口部41及び開閉部42を具備する。
【0030】
開口部41は、洗い場カウンター40の後側面の右部(後述する混合栓50よりも右方)に形成される。開口部41は、長手方向を左右方向に向けると共に短手方向を上下方向に向けた背面視略矩形状に形成される。
【0031】
開閉部42は、開口部41を開閉するための部分である。開閉部42は、開口部41と略同一形状となるような背面視略矩形状に形成される。開閉部42は、開口部41に着脱可能に取り付けられる。
【0032】
図1及び
図3に示す混合栓50は、洗い場カウンター40の後側面の左右中央部に固定される。混合栓50は、熱湯と水とを混合してお湯を生成することができる。
【0033】
シャワー装置60は、混合栓50で生成されたお湯を吐出するものである。シャワー装置60は、シャワーホース61及びシャワーヘッド62を具備する。
【0034】
シャワーホース61は、混合栓50と後述するシャワーヘッド62とを接続するものである。シャワーヘッド62には、シャワーホース61を介して混合栓50からお湯が供給される。シャワーヘッド62は、先端部に形成された吐出部62aから当該お湯を吐出することができる。シャワーヘッド62は、前壁部12の上部に設けられたホルダー(不図示)に取付可能に構成される。
【0035】
温風装置70は、入浴後の利用者の身体に付着した水滴を除去するためのものである。温風装置70は、浴室10内に設けられる。温風装置70は、送風機71、ヒータ72、温風ホース73及びノズル74を具備する。
【0036】
図1から
図3に示す送風機71は、後述するノズル74へ向けて風を送るためのものである。送風機71は、洗い場カウンター40に収納される。送風機71は、洗い場カウンター40の開閉部42の裏側(前方)に配置される。送風機71は、例えば、市販のファン等によって構成される。
【0037】
ヒータ72は、送風機71から送られる風を加熱するためのものである。ヒータ72は、洗い場カウンター40に収納され、送風機71の左方に配置される。また、ヒータ72は、洗い場カウンター40の開閉部42の裏側に配置される。ヒータ72は、ダクトを介して送風機71と接続される。ヒータ72には、送風機71からの風が供給される。ヒータ72は、動作することで当該風を加熱する。こうして、温風装置70は、送風機71及びヒータ72により温風を生成することができる。
【0038】
図1及び
図3に示す温風ホース73は、ヒータ72と後述するノズル74とを接続するものである。温風ホース73の一端部は、ヒータ72と接続される。温風ホース73の他端部は、ノズル74と接続される。温風ホース73は、シャワーホース61及びシャワーヘッド62の外周に適宜固定される。これにより、シャワー装置60及び温風ホース73は、一つにまとめられる。
【0039】
ノズル74は、温風を吐出するためのものである。ノズル74は、先端部から温風を吐出可能に構成される。ノズル74は、シャワーヘッド62と一体的に移動可能となるように、当該シャワーヘッド62の吐出部62aの近傍に固定される。ノズル74の先端部は、シャワーヘッド62の吐出部62aと同じ方向を向けて配置される。これによって、利用者は、シャワーヘッド62から任意の箇所にお湯を吐出する感覚で、ノズル74から任意の箇所に温風を吐出することができる。ノズル74は、調節部74aを具備する。
【0040】
調節部74aは、ノズル74の先端部から吐出される温風の広がり角度(拡散度合い)を調節するためのものである。調節部74aは、ノズル74の先端部に設けられる。調節部74aは、回動可能に構成される。ノズル74は、調節部74aが回動されることにより、温風の広がり角度を調節することができる。利用者は、調節部74aを回動させて前記広がり角度を大きくすると、広範囲に温風を吐出することができる。また、利用者は、調節部74aを回動させて前記広がり角度を小さくすると、局所的に集中して温風を吐出することができる。
【0041】
このように構成される温風装置70は、浴室10内の所定箇所に設けられたスイッチ(不図示)により、送風機71及びヒータ72を動作させることができる。
【0042】
以上の如く構成された浴室10において、利用者は、浴槽20内に溜めたお湯につかったり、洗い場30においてシャワーヘッド62からのお湯で身体を洗ったりすることができる。こうして、入浴を終えた利用者は、温風装置70によって身体に付着した水滴を除去し、浴室10から退出する。
【0043】
以下では、
図4を参照して、温風装置70の動作について説明する。なお、
図4に示す矢印は、温風の流れを示すものである。
【0044】
入浴を終えた利用者は、前記スイッチを操作して、送風機71及びヒータ72を動作させる。これにより、送風機71からの風がヒータ72で加熱されて温風が生成される。こうして生成された温風は、温風ホース73を介してノズル74へ供給される。当該温風は、ノズル74から吐出される。
【0045】
利用者は、ノズル74から吐出される温風を自身の身体に当てることにより、身体に付着した水滴を吹き飛ばして水滴を除去することができる。また、温風によって、身体が冷えるのを抑制することができると共に、身体に付着した水滴を蒸発させることもできる。
【0046】
このように、温風装置70によって自身の身体に付着した水滴を除去することで、利用者は、その後のバスタオル等による身体の拭き取りを楽に行うことができる。また、温風装置70によって身体の水滴を全て除去すれば、入浴後にバスタオルを使用することなく浴室10を出て服を着ることもできる。これにより、バスタオルの洗濯や乾燥を行わなくて済むため、家事の負担を軽減することができる。また、浴室10の利用者(例えば家族)が多い場合、温風装置70がなければ利用者の人数に応じてバスタオルの使用枚数が増えてしまうところ、温風装置70により利用者の人数に関わらずバスタオルの使用枚数を0にすることができる。これにより、家事の負担を効果的に軽減することができる。
【0047】
以上の如く、第一実施形態に係る温風装置70(浴室用送風装置)は、温風を生成する送風機71及びヒータ72(生成部)と、前記送風機71及びヒータ72により生成された温風を案内する温風ホース73(案内部)と、浴室10内の所定の送風先(利用者の身体)へ向けて、前記温風ホース73により案内された温風を吐出するノズル74(吐出部)と、を具備するものである。
【0048】
このように構成することにより、入浴後、浴室10から出る前に、温風により身体の水滴を飛ばすことができる。これによって、バスタオルを使用せずに身体の水滴を除去することができる。
【0049】
また、前記案内部には、前記浴室10に設けられたシャワーホース61の外側に、当該シャワーホース61に沿うように設けられた温風ホース73(第二の案内部)が含まれ、前記吐出部には、シャワーヘッド62に形成されたノズル74(第二の吐出部)が含まれるものである。
【0050】
このように構成することにより、使用者が手に持って任意の場所に温風を当てることができるため、利便性を向上させることができる。また、シャワーホース61の外側を活用するため、例えばシャワーホース61の内側を活用する場合と比べて簡易な構成とすることができる。
【0051】
また、前記ノズル74は、吐出する温風の拡散度合いを変更可能な調節部74a(変更部)を有するものである。
【0052】
このように構成することにより、利用者の身長や温風を当てる箇所等に応じて温風を適宜拡散させることができ、利便性を向上させることができる。
【0053】
また、洗い場カウンター40の後側面(前記浴室10の壁面)に開口された開口部41と、前記開口部41を開閉可能な開閉部42と、を具備し、前記送風機71及びヒータ72は、前記洗い場カウンター40の後側面の裏側で、前記開口部41と対向する位置に配置されるものである。
なお、第一実施形態において、浴室10の壁面には、浴室10を区画するための壁面(床部11、前壁部12、後壁部13、左壁部14、右壁部15及び天井16の内側を向いた面)だけではなく、当該壁面に固定されて浴室10内の空間と区画される部材(洗い場カウンター40)の壁面も含まれる。
【0054】
このように構成することにより、開閉部42を外せば送風機71及びヒータ72を浴室10内からメンテナンス可能となるため、メンテナンス性を向上させることができる。
【0055】
なお、第一実施形態に係る送風機71及びヒータ72は、本発明に係る生成部の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る温風ホース73は、本発明に係る案内部及び第二の案内部の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係るノズル74は、本発明に係る吐出部及び第二の吐出部の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る調節部74aは、本発明に係る変更部の実施の一形態である。
【0056】
次に、
図5から
図8を用いて、第二実施形態に係る温風装置170について説明する。
【0057】
第二実施形態に係る温風装置170は、シャワーヘッド62からではなく、後壁部13及び天井16から温風を吐出する点で、第一実施形態に係る温風装置70と大きく相違する。そこで、以下では、この相違点を中心に、第二実施形態に係る温風装置170の構成について説明する。
【0058】
図5から
図7に示すように、温風装置170は、送風機171、ヒータ172、ダクト173、第一吐出口174及び第二吐出口175を具備する。
【0059】
図7に示す送風機171及びヒータ172は、洗い場カウンター40内ではなく、天井16の裏面(上面)に設けられる点で、第一実施形態に係る送風機71及びヒータ72と相違する。当該送風機171及びヒータ172は、左右に並んで配置され、浴室10内に設けられるスイッチ(不図示)によって動作可能に構成される。
【0060】
ダクト173は、ヒータ172と後述する第一吐出口174及び第二吐出口175とを接続するものである。ダクト173は、ヒータ172から前方へ延びると共に、中途部が適宜分岐して、当該分岐した端部が前後の第一吐出口174と接続される。また、ダクト173は、ヒータ172から略下方へ延びて第二吐出口175と接続される。
【0061】
図5から
図7に示す第一吐出口174は、下方へと温風を吐出するものである。第一吐出口174は、天井16に設けられる。第一吐出口174は、前後に間隔を空けて2つ設けられる。後側の第一吐出口174は、平面視において、洗い場30の中央部(混合栓50の後方、かつ、排水口11aの右方)に配置される。前側の第一吐出口174は、混合栓50と後側の第一吐出口174との間に配置される。
【0062】
第二吐出口175は、前方へと温風を吐出するものである。第二吐出口175は、後壁部13の上下中途部に設けられる。第二吐出口175は、浴槽20よりも高い位置に配置される。また、第二吐出口175は、左右位置が第一吐出口174と同じ位置となるように配置される。このように、温風装置170は、第二吐出口175の左右方向(第二吐出口175の吐出方向に対して平面視で直交する方向)の位置を第一吐出口174と対応させることにより、第一吐出口174からの温風と第二吐出口175からの温風とを利用者に同時に当てることができる。
【0063】
以上の如く構成された第二実施形態に係る温風装置170は、第一吐出口174及び第二吐出口175を除く部材が、浴室10外(床部11、前壁部12、後壁部13、左壁部14、右壁部15及び天井16の外側)に配置される。こうして、第二実施形態に係る温風装置170は、関連する部材(送風機171等)をできるだけ浴室10外に配置して、浴室10内の空間が極力狭くならないようにしている。これによって、浴室10内の空間を有効に活用することができる。
【0064】
以下では、
図7及び
図8を参照して、第二実施形態に係る温風装置170の動作について説明する。なお、
図8に示す矢印は、温風が吐出される様子を示すものである。
【0065】
入浴を終えた利用者は、前記スイッチを操作して、送風機171及びヒータ172を動作させる。これにより、ヒータ172で生成された温風が、ダクト173を介して第一吐出口174及び第二吐出口175へ供給される。これにより、
図8に示すように、温風は、第一吐出口174及び第二吐出口175から浴室10内へ向けて吐出される。
【0066】
このような構成によれば、利用者の身体に複数箇所から温風を当てることができるため、身体に付着した水滴を効率的に除去することができる。また、第一吐出口174及び第二吐出口175により、異なる複数方向(第二実施形態では2方向)から同時に温風を当てることができるため、身体に付着した水滴をより効率的に除去することができる。
【0067】
また、第二実施形態においては、浴室10の決まった箇所から温風を吐出する構成であるため、利用者は、身体の向きや姿勢を変えれば、身体の所望の箇所に温風を当てることができる。これにより、シャワーヘッド62から温風を吐出する場合には温風を当て難い箇所(例えば、背中等)に、温風を当て易くすることができる。
【0068】
以上の如く、第二実施形態に係る浴室10において、前記案内部には、前記浴室10の壁面及び/又は天井面の裏側(天井16の上側)に設けられたダクト173(第一の案内部)が含まれ、前記吐出部には、前記浴室10の壁面及び/又は前記天井面に形成された第一吐出口174及び第二吐出口175(第一の吐出部)が含まれるものである。
【0069】
このように構成することにより、温風装置170に関する機器を浴室10内に別途設ける必要がないため、当該浴室10内で入浴の妨げになるのを抑制することができる。
【0070】
なお、第二実施形態に係るダクト173は、本発明に係る第一の案内部の実施の一形態である。
また、第二実施形態に係る第一吐出口174及び第二吐出口175は、本発明に係る第一の吐出部の実施の一形態である。
【0071】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0072】
例えば、第一実施形態及び第二実施形態に係る温風装置70・170は、入浴後に使用する(水分の除去を目的とする)ものとしたが、これに限定されるものではなく、他の用途に用いることができる。具体的には、温風装置70・170は、身体や服等に付着した花粉を除去する目的で、帰宅後等に使用するものであってもよい。
【0073】
また、第一実施形態において、ノズル74はシャワーヘッド62の吐出部62aの近傍に配置されるものとしたが、ノズル74の配置はこれに限定されるものではなく、シャワーヘッド62の任意の箇所にすることができる。例えば、ノズル74は、シャワーヘッド62の基端部(シャワーホース61側の端部)等に配置されていてもよい。また、ノズル74は、必ずしもシャワーヘッド62に取り付けられる必要はなく、他の部材に取り付けられていてもよい。
【0074】
また、第一実施形態において、送風機71及びヒータ72は、洗い場カウンター40に収納されるものとしたが、送風機71及びヒータ72の配置はこれに限定されるものではなく、任意の箇所にすることができる。例えば、
図9に示す変形例に係る温風装置270の送風機271及びヒータ272のような構成とすることもできる。
【0075】
具体的には、温風装置270は、送風機271、ヒータ272、ダクト275、カプラ276、温風ホース273、ノズル74、及び脈動部277を具備する。送風機271及びヒータ272は、浴室10外(例えば、給湯器の設置場所等、変形例では前壁部12の前方)に配置される。ダクト275は、ヒータ272と後述するカプラ276とを接続する。カプラ276は、前壁部12の後側面(浴室10の内側面)に固定される。温風ホース273は、ノズル74及びカプラ276に取り付けられ、ダクト275を介してノズル74とヒータ272とを接続する。脈動部277は、ダクト275の中途部に設けられる。脈動部277は、ダクト275内を温風が流通可能な状態と、流通不能な状態と、に切り替え可能に構成される。また、脈動部277は、動作することで、一定間隔毎に(例えば、数秒毎に)温風が流通可能な状態と流通不能な状態とに切り替える。また、脈動部277は、動作を停止するときに、ダクト275内を温風が流通可能な状態に切り替える。このような脈動部277の動作及び動作の停止は、利用者が適宜切り替えることができる。
【0076】
以上の如く構成された変形例に係る温風装置270は、送風機271及びヒータ272が動作することで、ノズル74から温風を吐出することができる。また、利用者は、脈動部277を動作させることで温風を一定間隔毎に吐出させる(脈動させる)ことができる。また、利用者は、脈動部277の動作を停止することで、常時温風を吐出する(脈動を停止する)ことができる。このような脈動部277は、第一実施形態及び第二実施形態に係る温風装置70・170の構成部材であっても(温風装置70・170が具備していても)よい。
【0077】
以上の如く、変形例に係る温風装置270において、前記ノズル74(吐出部)からの温風の吐出を脈動状態とする脈動部277を具備するものである。
【0078】
このように構成することにより、利便性を向上させることができる。特に、変形例のように、脈動部277の動作を利用者が切替可能に構成することで、利用者が任意に温風を脈動させることができるため、利便性をより向上させることができる。
【0079】
また、前記案内部には、一側が前記送風機271及びヒータ272(生成部)と接続されると共に、他側が前記浴室10の壁面(前壁部12の後側面)に設けられたカプラ276(継手部)に接続されるダクト275(第三の案内部)と、前記カプラ276(継手部)と前記ノズル74との間を接続する温風ホース273(第四の案内部)と、が含まれるものである。
【0080】
このように構成することにより、送風機271及びヒータ272を浴室10から離れた場所に配置することができるため、当該浴室10の周囲の省スペース化を図ることができる。
【0081】
なお、変形例に係るダクト275は、本発明に係る第三の案内部の実施の一形態である。
また、変形例に係るカプラ276は、本発明に係る継手部の実施の一形態である。
また、変形例に係る温風ホース273は、本発明に係る第四の案内部の実施の一形態である。
【0082】
また、第二実施形態において、吐出口は3つ(2つの第一吐出口174及び1つの第二吐出口175)設けられるものとしたが、吐出口の個数はこれに限定されるものではなく、任意の数とすることができる。
【0083】
また、吐出口及びダクト173が設けられる箇所は、第二実施形態に限定されるものではなく、浴室110の壁面(前壁部12、後壁部13、左壁部14及び右壁部15の内側面)と、天井16の下面と、の少なくともいずれかであればよい。
【0084】
また、第二実施形態において、第一吐出口174及び第二吐出口175は、下方及び前方に温風を吐出するものとしたが、温風を吐出する方向はこれに限定されるものではなく、任意の方向とすることができる。
【0085】
また、第二実施形態において、第一吐出口174及び第二吐出口175は、左右位置が互いに同一位置となるように配置されるものとしたが、第一吐出口174及び第二吐出口175の互いの位置関係はこれに限定されるものではなく、任意の位置関係とすることができる。例えば、第一吐出口174及び第二吐出口175は、互いに左右にずれた位置に配置されていてもよい。
【0086】
また、第二実施形態において、送風機171及びヒータ172は、天井16の裏側に配置されるものとしたが、これに限定されるものではなく、浴室10外の任意の位置に配置することができる。例えば、送風機171及びヒータ172は、後壁部13の後方等に配置されていてもよい。
【0087】
また、温風装置は、第一実施形態のノズル74と、第二実施形態の第一吐出口174及び第二吐出口175と、を両方具備していてもよい。このような構成により、第一吐出口174及び第二吐出口175によって特定箇所から温風を吐出させつつ、ノズル74によって利用者が任意の箇所に温風を当てることができる。これによって、身体に付着した水滴を効率的に除去することができる。
【符号の説明】
【0088】
10 浴室
70 温風装置(浴室用送風装置)
71 送風機(生成部)
72 ヒータ(生成部)
73 温風ホース(案内部)
74 ノズル(吐出部)