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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】カップ容器用蓋体
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/22 20060101AFI20230815BHJP
【FI】
B65D51/22 100
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019102392
(22)【出願日】2019-05-31
(65)【公開番号】P2020196461
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-12-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】石原 智幸
(72)【発明者】
【氏名】早川 茂
(72)【発明者】
【氏名】浅川 紀幸
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-314237(JP,A)
【文献】特開2016-016903(JP,A)
【文献】特開2014-069830(JP,A)
【文献】特開2013-199289(JP,A)
【文献】特表2014-508077(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0062158(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容するカップ状収容部と当該カップ状収容部の口部を密封する密封シートとを備えるカップ容器本体に装着されるカップ容器用蓋体であって、
前記内容物を吐出するための吐出口を有し、前記カップ容器本体に装着される蓋体本体と、
前記吐出口付近に配設され、前記密封シートに破断開口を形成可能な開封刃と、当該開封刃の先端側を前記密封シート側に回動可能に前記開封刃を前記蓋体本体に支持する支持部とを有する開封刃パーツと、
を備え、
前記蓋体本体及び前記開封刃パーツはそれぞれ樹脂部材であり、
前記開封刃パーツは、前記蓋体本体とは別体に成形された射出成形体であって、前記蓋体本体に組み付けられており、
前記蓋体本体は、樹脂製シートを熱加工した熱成形体であって、前記開封刃パーツよりも厚みが薄く、且つ、剛性が低くなっていて、
前記支持部は、前記カップ容器本体の前記口部の周縁に沿って設けられ、その内側が開口する周縁板と、当該周縁板と前記開封刃の基端とに連結され、前記開封刃を前記周縁板の内側に配置すると共に、前記開封刃の先端を前記密封シート側に回動可能に支持する連結部と、を備え、当該連結部における当該周縁板と連結する部位は、上面視でI字状であって当該周縁板の当該開口を横断するように設けられていて、
前記周縁板は、前記蓋体本体に設けられた周縁板挿入部に挿入されるカップ容器用蓋体。
【請求項2】
内容物を収容するカップ状収容部と当該カップ状収容部の口部を密封する密封シートとを備えるカップ容器本体に装着されるカップ容器用蓋体であって、
前記内容物を吐出するための吐出口を有し、前記カップ容器本体に装着される蓋体本体と、
前記吐出口付近に配設され、前記密封シートに破断開口を形成可能な開封刃と、当該開封刃の先端側を前記密封シート側に回動可能に前記開封刃を前記蓋体本体に支持する支持部とを有する開封刃パーツと、
を備え、
前記蓋体本体及び前記開封刃パーツはそれぞれ樹脂部材であり、
前記開封刃パーツは、前記蓋体本体とは別体に成形された射出成形体であって、前記蓋体本体に組み付けられており、
前記蓋体本体は、樹脂製シートを熱加工した熱成形体であって、前記開封刃パーツよりも厚みが薄く、且つ、剛性が低くなっていて、さらに、底面部分が開口する断面視でコ字状の凹部を備えていて、
前記支持部は、断面視でコ字状をなしていて前記蓋体本体に設けられた前記凹部に嵌め込まれる凸部と、当該凸部と前記開封刃の基端とに連結され、前記開封刃の先端を前記密封シート側に回動可能に連結するヒンジ部とを備えカップ容器用蓋体。
【請求項3】
前記開封刃パーツは、前記開封刃の先端が前記密封シート側の所定の位置まで回動したときに当該開封刃を固定するストッパーを有する請求項1又は2に記載のカップ容器用蓋体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密封シートにより密封されたカップ容器本体に装着されるカップ容器用蓋体であって、ストロー等の別部材を用いることなく、カップ容器本体に収容された内容物を取り出すことのできる開封刃を有するカップ容器用蓋体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、チルドカップ飲料の市場が拡大している。チルドカップ飲料は0℃程度のチルド状態で製品の製造、流通、販売が行われるため、製造時の加熱殺菌処理を低減することができる。そのため、チルドカップ飲料コーヒー飲料、乳飲料、果汁飲料などの風味やフレッシュ感を重視した付加価値の高い製品としてコンビニエンスストアなどで広く販売されている。
【0003】
従来、チルドカップ飲料用の容器として、密封シートにより口部が密封されたカップ容器本体と、このカップ容器本体に装着されるプラスチック製の蓋体とを備えたものが用いられている。チルドカップ飲料は、一般に、ストローを用いて飲用される。そのため、蓋体にはストロー挿入口が形成されており、カップ容器本体には密封シートを突き破るための先の尖ったプラスチック製のストローが添付されていた。しかしながら、近年のマイクロプラスチックに起因する海洋環境問題への対策として、プラスチック製の使い捨てストローを廃止する取り組みを行う企業が増加しつつある。
【0004】
例えば、特許文献1や特許文献2には、ストロー等を用いずに飲み口を形成することのできるカップ容器が開示されている。これらのカップ容器は、密封シートにより口部が密封されたカップ容器本体と、このカップ容器本体に装着されるプラスチック製の蓋体とを備え、蓋体には密封シート側に回動(傾倒)可能な開封刃が設けられている。この開封刃を密封シート側に回動させることで、密封シートに破断開口を形成し、カップ容器内の飲料を飲用するための飲み口を形成することができる。このような開封刃付の蓋体をチルドカップ飲料のカップ容器に適用すれば、プラスチック製の使い捨てストローを廃止することができて好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3607002号公報
【文献】特開2014-69830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記環境問題対策としては、プラスチック製のストローを廃止するだけでは足りず、蓋体等の他のプラスチック製品についても軽量化等を図り、廃プラスチック量を削減することが求められる。しかしながら、上記開封刃付きの蓋体において軽量化を図るには蓋体全体の厚みを減じることが考えられるが、この場合、開封刃に対して密封シートに破断開口を形成可能な剛性を付与することが困難になる。
【0007】
本発明の課題は、このような点に鑑みてなされたものであり、密封シートに破断開口を形成可能な剛性を有する開封刃を備えると共に従来よりも軽量化された開封刃付きのカップ容器用蓋体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、内容物を収容するカップ状収容部と当該カップ状収容部の口部を密封する密封シートとを備えるカップ容器本体に装着されるカップ容器用蓋体であって、前記内容物を吐出するための吐出口を有し、前記カップ容器本体に装着される蓋体本体と、前記吐出口付近に配設され、前記密封シートに破断開口を形成可能な開封刃と、当該開封刃の先端側を前記密封シート側に回動可能に前記開封刃を前記蓋体本体に支持する支持部とを有する開封刃パーツと、を備え、前記蓋体本体及び前記開封刃パーツはそれぞれ樹脂部材であり、前記開封刃パーツは、前記蓋体本体とは別体に成形された射出成形体であって、前記蓋体本体に組み付けられており、前記蓋体本体は、樹脂製シートを熱加工した熱成形体であって、前記開封刃パーツよりも厚みが薄く、且つ、剛性が低くなっていて、前記支持部は、前記カップ容器本体の前記口部の周縁に沿って設けられ、その内側が開口する周縁板と、当該周縁板と前記開封刃の基端とに連結され、前記開封刃を前記周縁板の内側に配置すると共に、前記開封刃の先端を前記密封シート側に回動可能に支持する連結部と、を備え、当該連結部における当該周縁板と連結する部位は、上面視でI字状であって当該周縁板の当該開口を横断するように設けられていて、前記周縁板は、前記蓋体本体に設けられた周縁板挿入部に挿入されるカップ容器用蓋体である。
【0010】
また、本発明は、内容物を収容するカップ状収容部と当該カップ状収容部の口部を密封する密封シートとを備えるカップ容器本体に装着されるカップ容器用蓋体であって、前記内容物を吐出するための吐出口を有し、前記カップ容器本体に装着される蓋体本体と、前記吐出口付近に配設され、前記密封シートに破断開口を形成可能な開封刃と、当該開封刃の先端側を前記密封シート側に回動可能に前記開封刃を前記蓋体本体に支持する支持部とを有する開封刃パーツと、を備え、前記蓋体本体及び前記開封刃パーツはそれぞれ樹脂部材であり、前記開封刃パーツは、前記蓋体本体とは別体に成形された射出成形体であって、前記蓋体本体に組み付けられており、前記蓋体本体は、樹脂製シートを熱加工した熱成形体であって、前記開封刃パーツよりも厚みが薄く、且つ、剛性が低くなっていて、さらに、底面部分が開口する断面視でコ字状の凹部を備えていて、前記支持部は、断面視でコ字状をなしていて前記蓋体本体に設けられた前記凹部に嵌め込まれる凸部と、当該凸部と前記開封刃の基端とに連結され、前記開封刃の先端を前記密封シート側に回動可能に連結するヒンジ部とを備えるカップ容器用蓋体でもある。
【0011】
さらに、上記カップ容器用蓋体において、前記開封刃パーツは、前記開封刃の先端が前記密封シート側の所定の位置まで回動したときに当該開封刃を固定するストッパーを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るカップ容器用蓋体によれば、蓋体本体と開封刃パーツとを備え、開封刃パーツはカップ容器本体に設けられた密封シートに破断開口を形成可能な開封刃を備え、蓋体本体にはカップ容器本体のカップ状収容部に収容された内容物を吐出するための吐出口を備えている。そのため、ストロー等の他の部材を用いることなく、開封刃で密封シートに破断開口を形成することで、内容物を直接飲用するための飲み口等を形成することができる。
【0014】
また、このカップ容器用蓋体は蓋体本体と開封刃パーツはそれぞれ厚み及び剛性の異なる樹脂部材からなる。そのため、開封刃パーツについては開封刃を密封シートに破断開口を形成するために十分な剛性を有する樹脂製部材とする一方、蓋体本体は開封刃パーツと比較すると厚みの薄い剛性の低い樹脂部材とすることで、蓋体本体の軽量化を図ることができる。さらに、蓋体をこのように2つの樹脂製部材に分けて構成することで、開封刃パーツ及び蓋体本体のそれぞれに要求される機能を実現しつつ、それぞれをシンプルな構成とすることが容易になり、各樹脂製部材の軽量化を図ることが容易になる。これらのことから、蓋体本体と開封刃パーツとを例えば射出成形法等により一体に成形した一つの部材からなる従来の開封刃付きのカップ容器用蓋体と比較すると、本発明に係るカップ容器用蓋体は全体の軽量化を図ることができ、廃プラスチック量の削減に寄与することができる。また、従来よりも蓋体全体の軽量化を図ることができるため、製造時及び配送時のCO発生量の削減等にもつながる他、製造コスト及び配送コストの低減も図ることができる。
【0015】
以上より、本発明によれば、密封シートに破断開口を形成可能な剛性を有する開封刃を備えると共に従来よりも軽量化された開封刃付きのカップ容器用蓋体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第一の実施の形態のカップ容器用蓋体を示す図であり、(a)はカップ容器本体に装着されたカップ容器用蓋体を示す上面図であり、(b)は(a)のA-A矢視部分断面図である。
図2図1のカップ容器用蓋体を構成する蓋体本体を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は(a)のA-A矢視断面図である。
図3図1のカップ容器用蓋体を構成する開封刃パーツ示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は(a)のA-A矢視断面図である。
図4】本発明の第二の実施の形態のカップ容器用蓋体を示す図であり、(a)はカップ容器本体に装着されたカップ容器用蓋体を示す上面図であり、(b)は(a)のA-A矢視部分断面図である。
図5図4のカップ容器用蓋体を構成する蓋体本体を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は(a)のA-A矢視断面図である。
図6図4のカップ容器用蓋体の開封刃パーツを示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は(a)のA-A矢視断面図であり、(c)は(a)のB-B矢視断面図であり、(d)は開封刃を(b)の状態から約90度回動させた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明に係るカップ容器用蓋体の実施の形態について説明する
【0018】
[第一の実施の形態]
図1図3を参照しながら本発明の第一の実施の形態について説明する。図1に示すカップ容器1は内容物が収容されるカップ容器本体10(図1(b)参照)と、第一の実施の形態の当該カップ容器用蓋体20とを備えている。ここでは、カップ容器1に、コーヒー飲料、乳飲料、果汁飲料等の液体が収容される場合を例に挙げて説明するが、カップ容器1に収容される内容物は飲料等の液体に限定されるものではなく、氷菓、菓子、ナッツ類、錠剤等の液体以外の状態(粉状、粒状等)の種々の内容物が収容されていてもよい。以下、カップ容器本体10、カップ容器用蓋体20の順に説明する。ここで、カップ容器本体10にカップ容器用蓋体20が装着されたとき、それぞれの中心軸線は共通軸O上に位置する。また、図1図3に示すA-A線は、これらを上面視したときに、共通軸Oに直交する直線である。
【0019】
図1(b)に示すように、カップ容器本体10は、内容物を収容するカップ状収容部11と、カップ状収容部11の口部12を密封する密封シート13とを備えている。本実施の形態において、カップ状収容部11は有底筒状であり、円形平板状の底部11aと、底部11aの周縁から立設され上側に向かうに従い漸次拡径するテーパー筒状をなす周壁11bとを備えている。周壁11bの上端は開口しており、当該開口を本実施の形態では口部12と称する。また、図1(b)に示すように、カップ状収容部11の周壁11bの上端には、周壁11bの周方向に外側に突出する環状のフランジ部11cが設けられている。なお、本実施の形態において、共通軸Oに平行な方向を上下方向とし、カップ容器本体10の底部11a側を下側とし、カップ容器本体10の口部12側を上側とする。
【0020】
但し、本発明においてカップ状収容部11の形状は図示例に限定されるものではなく、例えば、底部11aが多角形状の有底筒状などであってもよい。また、カップ状収容部11は、紙製であってもよいし、プラスチック製であってもよい。カップ状収容部11が紙製である場合は、その表面をプラスチックシートでラミネート加工したものであることが好ましい。また、カップ状収容部11がプラスチック製である場合、例えば、PE(ポリエチレン)製、PP(ポリプロピレン)製、PS(ポリスチレン)製、PET(ポリエチレンテレフタラート)製等とすることができる。カップ状収容部11の材質はこれらに限定されるものではなく、流通・販売の各過程において内容物を安定に保持するためにカップ容器1に要求される、バリア性、シール性、耐熱性、強度などを満たす容器包装用材からなるものであればよい。
【0021】
密封シート13は、例えば、アルミ蒸着シートや複数種類のプラスチックフィルムが積層された積層体などから構成され、カップ状収容部11の口部12及び上記フランジ部11cの上面を覆う。密封シート13の下面には熱溶着層(図示略)が設けられている。カップ状収容部11に内容物を収容させた後、口部12及びフランジ部11cを密封シート13で覆い、密封シート13の外周部分に熱を加えることにより、密封シート13の下面外周部分がフランジ部11cの上面に熱溶着される。これにより、カップ状収容部11の口部12が密封シート13で密封され、カップ状収容部11の内容物が外部に漏出しないようになる。なお、密封シート13の材質は内容物に応じて適宜適切なものとすることができ、例えば、酸素等の侵入を防止するバリア性シート材を用いた場合は、カップ状収容部11の内部に酸素等の侵入を防止して、内容物の酸化等を防止することができる。
【0022】
次に、カップ容器用蓋体20について説明する。カップ容器用蓋体20は、密封シート13により口部12が密封されたカップ容器本体10の上端部分に装着されて、使用される。図1に示すカップ容器用蓋体20は、図2に示す蓋体本体30と、図3に示す開封刃パーツ40とを備えている。
【0023】
蓋体本体30は、環状嵌合部31と、環状嵌合部31の下側に連設される下側周壁部32と、環状嵌合部31の上側に立設される上側周壁部33と、上側周壁部33の内側に連設して設けられる蓋面部34とを備えている。
【0024】
環状嵌合部31は、図1(b)に示すようにカップ状収容部11のフランジ部11cの外周に沿う内溝形状に形成され、カップ状収容部11のフランジ部11cに外嵌される。より具体的には、図1(b)及び図2(b)に示すように、環状嵌合部31は、蓋面部34と平行な環状の平面部31aと、この平面部31aの外周に沿って下側に連設される側面部31bと、側面部31bの下側に内側に傾斜するように設けられる下面部31cとを備える。当該環状嵌合部31は、本発明にいう周縁板挿入部である。なお、この点については、後述する。
【0025】
下側周壁部32は、環状嵌合部31の下側、つまり上記下面部31cの下側に連設される周壁である。下側周壁部32は下側に向かうに従い漸次拡径している。
【0026】
上側周壁部33は環状嵌合部31の上側、つまり上記平面部31aの上側に立設される。上側周壁部33は、蓋体本体30の外周側に設けられる外側周壁部33aと蓋体本体30の内周側に設けられる内側周壁部33bと、外側周壁部33aと内側周壁部33bとをその上部において連結する天壁部33cとを備えている。上側周壁部33の断面は、外側周壁部33a、天壁部33c及び内側周壁部33bによって、台形状を呈する。
【0027】
蓋面部34は略円形の薄板状に形成されており、上側周壁部33に連設されている。換言すれば、略円形の薄板状に形成された蓋面部34の外周に上記内側周壁部33bが連設される。蓋面部34は、環状嵌合部31よりも上方に設けられる。そのため、当該カップ容器用蓋体20がカップ容器本体10に装着されたとき、蓋面部34は密封シート13の上面との間に間隔をあけて、密封シート13を上側から覆うように配設される。
【0028】
また、蓋面部34は、カップ容器本体10に収容された内容物を吐出するための吐出口35を有する。吐出口35は上面視において略五角形状を呈し、その先端部35aは上側周壁部33に近接配置されている。吐出口35の基端側には、カバー片36が設けられる。カバー片36は上面視において略台形状を呈する。カバー片36の基端部36aは蓋面部34に連設されている。また、図2(b)に示すように、カバー片36は断面視においては先端部36b側が上方に向かって傾斜する傾斜面となっている。当該カバー片36は、蓋体本体30に開封刃パーツ40が組み付けられたときに、次に説明する開封刃(46)の基端部(46a)を被覆する。
【0029】
次に、図3を参照して開封刃パーツ40について説明する。開封刃パーツ40は、上記周縁板41を含む支持部45と、支持部45に回動可能に支持される開封刃46とを備える。まず、支持部45について説明する。
【0030】
支持部45は、内側が開口する環状の薄板状に形成された周縁板41と、この周縁板41の内側の所定の位置に開封刃46を配置するための連結部42と、連結部42に対して、開封刃46を下方に回動可能に支持するヒンジ部43とを備えている。
【0031】
周縁板41の外径は、カップ容器本体10のフランジ部11cの外径と略同じ大きさに形成される。周縁板41の上面には、その周縁に沿って上側に突出する上部液漏れ防止リブ41aが設けられている(図3(b)の部分拡大図参照)。周縁板41の下面にも同様にその周縁に沿って下側に突出する下部液漏れ防止リブ41bが設けられている。
【0032】
連結部42は、共通軸Oを通り、周縁板41の開口を横断するように設けられるI字状の第一連結部42aと、この第一連結部42aの略中央から側方に突出するように設けられる第二連結部42bとを備えている。本実施の形態では、第一連結部42aはA-A線に直交する方向に設けられ、第二連結部42bは、A-A線に沿って設けられている。連結部42をこのように構成することで、開封刃46を所定の位置に配置しつつ、支持部45の軽量化を図ることができる。
【0033】
ヒンジ部43は第二連結部42bの先端と開封刃46の基端部46aとに連結され、開封刃46を下方に回動可能に支持する。ヒンジ部43は、周縁板41及び連結部42よりも薄肉に形成されている。開封刃46に対して下方に力が加わったとき、ヒンジ部43を軸に下方に開封刃46が回動する。
【0034】
次に、開封刃46について説明する。開封刃46は、上面視において蓋体本体30の吐出口35と略同様の五角形状を呈する。図3(b)に示すように開封刃46の基端部46aは上方に向かって傾斜する斜面になっている。基端部46aと先端部46bとの間には上面部46cが設けられ、基端部46aによって上面部46c及び先端部46bは周縁板41の上方に配置される。先端部46bは上面部46cから下方に僅かに傾斜しており、刃先が下方を向くように配置されている。
【0035】
再度、図1を参照して、本実施の形態のカップ容器用蓋体20について説明する。カップ容器用蓋体20は、以上のように構成された蓋体本体30の環状嵌合部31に、開封刃パーツ40の周縁板41を挿入する(内嵌させる)ことで得られる。この状態で、カップ状収容部11のフランジ部11cに、環状嵌合部31を外嵌させることで、カップ容器本体10の口部12にカップ容器用蓋体20が装着される。このとき、図1(b)に示すように、密封シート13上に周縁板41が載置され、蓋体本体30の蓋面部34は密封シート13の上方に配置される。また、フランジ部11cの付近においては、密封シート13の上面に周縁板41の下部液漏れ防止リブ41bが押圧され、当該下部液漏れ防止リブ41bにより密封シート13と周縁板41との間からの液漏れが防止される。また、蓋体本体30の環状嵌合部31における平面部31aと周縁板41の上面との間は、周縁板41の上面に設けられた上部液漏れ防止リブ41aにより液漏れが防止されている。
さらに、開封刃46の上面部46c及び先端部46bは、蓋体本体30の吐出口35から露出すると共に、開封刃46の基端部46aはカバー片36により被覆された状態となる。但し、図示例とは別に、カバー片36を、開封刃46の基端部46aだけでなく、開封刃46の上面部46c及び先端部46bも被覆可能に構成してもよい。
【0036】
以上説明したカップ容器用蓋体20を構成する蓋体本体30と開封刃パーツ40とはそれぞれ剛性の異なる樹脂製部材であるものとする。本実施の形態では、開封刃パーツ40の開封刃46部分は密封シート13に破断開口を形成可能な剛性を有する樹脂製部材からなり、蓋体本体30は開封刃パーツ40よりも厚みが薄く、且つ、剛性の低い樹脂製部材からなるものとする。
【0037】
例えば、蓋体本体30は、樹脂製シートを熱加工した熱成形体であること、より詳しくは樹脂製シートを加熱軟化させ、金型とシートの隙間を真空にしてシートを金型に密着冷却して絞り加工する方法により成形された熱成形体であることが好ましい。蓋体本体30をこのような熱成形体とすることで、蓋体本体30を例えば次に説明する射出成形体とした場合と比較すると肉薄に構成することが容易であり、蓋体本体30の大幅な軽量化が可能になる。より具体的には、蓋体本体30は、例えば、ポリプロピレン(PP)製シート、ポリスチレン(PS)製シートを熱加工した熱成形体であることがより好ましい。
【0038】
一方、開封刃パーツ40は、蓋体本体30と比較すると厚みが厚く、剛性の高い樹脂製部材であることが好ましい。特に、樹脂原料を加熱溶解させて予め閉じられた金型内に射出充填した後、固化又は硬化して成形品とされる射出成形体であることが好ましい。開封刃パーツ40を射出成形体とすることで、開封刃パーツ40を上述した熱成形体とする場合と比較すると、開封刃46に対して密封シート13に破断開口を形成するために要求される剛性を付与することが容易になる。また、当該開封刃パーツ40が複雑な形状をしている場合でも大量生産が容易である。開封刃パーツ40は、例えば、ポリエチレン(PE)原料、ポリプロピレン(PP)原料、ポリスチレン(PS)原料を用いた射出成形体であることが好ましい。
【0039】
但し、蓋体本体30と、開封刃パーツ40とは共にポリプロピレン製、ポリスチレン製等の同じ材質の樹脂部材であってもよい。また、蓋体本体30及び開封刃パーツ40を得るための成形方法は上記した方法に限定されるものではない。開封刃パーツ40は、密封シート13に破断開口を形成可能な剛性を付与することができれば、射出成形体に限定されるものではない。また、蓋体本体30についても軽量化を図るべく、従来に比して厚みを薄くすることができれば、上記熱成形体に限定されるものではない。
【0040】
以上説明した第一の実施の形態のカップ容器用蓋体20によれば、蓋体本体30と開封刃パーツ40とを備え、開封刃パーツ40はカップ容器本体10に設けられた密封シート13に破断開口を形成可能な開封刃46を備え、蓋体本体30にはカップ容器本体10のカップ状収容部11に収容された飲料等の内容物を吐出するための吐出口35を備えている。そのため、当該カップ容器用蓋体20をカップ容器本体10に装着して用いることにより、消費者は蓋体本体30に形成された吐出口35から指等を挿入して、開封刃46の上面部46cを軽く押下操作することで、開封刃46がヒンジ部43を軸に先端部46bが密封シート13側に約90度回動し(図1(b)参照)、密封シート13に開封刃46の形状に応じた破断開口が形成される。これにより、カップ状収容部11の内部に収容された飲料等の内容物が開封刃46と、カップ状収容部11の内壁面とに案内されて蓋体本体30の吐出口35から吐出される。そのため、本実施の形態のカップ容器用蓋体20を用いることで、ストロー等の他の部材を用いることなく、内容物を直接飲用するための飲み口を形成することができる。
【0041】
一方、密封シート13を開封する前の状態において、開封刃46の先端部46bは、密封シート13の上面と間隔をあけて配置されている。そのため、配送時などにカップ容器1に振動が加えられても、密封シート13に開封刃46の刃先が当接せず、密封シート13が予期せず破断されないようにされている。
【0042】
また、このカップ容器用蓋体20は蓋体本体30と開封刃パーツ40の剛性の異なる2つの樹脂製部材から構成される。例えば、開封刃パーツ40については開封刃46を密封シート13に破断開口を形成するために十分な厚みと剛性を有する射出成形体からなる樹脂製部材等とする一方、蓋体本体30は開封刃パーツ40と比較すると厚みが薄く剛性の低い熱成形体からなる樹脂部材等とすることができる。そのため、蓋体本体30に開封刃パーツ40と同様の剛性を付与する場合と比較すると蓋体本体30の軽量化を図ることができる。
【0043】
さらに、カップ容器用蓋体20をこのように2つの樹脂製部材(蓋体本体30、開封刃パーツ40)に分けて構成することで、蓋体本体30及び開封刃パーツ40のそれぞれに要求される機能を実現しつつ、それぞれをシンプルな構成(形状)とすることが容易になる。そのため、形状の簡素化に伴う各樹脂製部材の軽量化を図ることが容易になる。
【0044】
第一の実施の形態のカップ容器用蓋体20の如き開封刃(46)を備える蓋体を例えば射出成形法により一体に成形した場合と比較すると、本実施の形態のカップ容器用蓋体20では熱成形体からなる蓋体本体30と、射出成形体からなる開封刃パーツ40の2つの樹脂部材から構成することで蓋体全体の重量を40%~60%軽量化することができることが確認された。一方、第一の実施の形態のカップ容器用蓋体20の如き開封刃(46)を備える蓋体を例えば樹脂製シートを用いた上記熱成形体により一体に成形しようとすると、上記ヒンジ部43等を有する複雑な形状の成形体を得ることが困難であり、且つ、開封刃46に対して密封シート13に破断開口を形成可能な剛性を付与することが困難になる。
【0045】
以上のように第一の実施の形態のカップ容器用蓋体20は、ストロー等の別部材に要するプラスチック量を削減することができる。また、蓋体全体の軽量化を図ることができるため、廃プラスチック量の削減に寄与することができる。さらに、従来よりも蓋体全体の軽量化を図ることができるため、製造時及び配送時のCO発生量の削減等にもつながる他、製造コスト及び配送コストの低減も図ることができる。
【0046】
[第二の実施の形態]
次に、図4図6を参照して本発明に係るカップ容器用蓋体の第二の実施の形態について説明する。図4(a)、(b)に示すように、第二の実施の形態のカップ容器用蓋体50も、第一の実施の形態と同様にカップ容器本体10に装着されて使用される。カップ容器本体10の構成は第一の実施の形態と同様の構成とすることができるため、ここでは同様の構成については同じ符号を用いてカップ容器本体10についての説明を省略する。なお、第二の実施の形態においても、カップ容器本体10のカップ状収容部11に収容される内容物はコーヒー飲料等の各種飲料が想定されるが、カップ容器本体10のカップ状収容部11に収容される内容物は液体に限るものではないことは第一の実施の形態の場合と同様である。
【0047】
第二の実施の形態のカップ容器用蓋体50は、図5に示す蓋体本体60と、図6に示す開封刃パーツ70とから構成される。第二の実施の形態においても、蓋体本体60及び開封刃パーツ70はそれぞれ樹脂部材であり、蓋体本体60は開封刃パーツ70よりも厚みが薄く、且つ、剛性の低い樹脂部材からなるものとする。蓋体本体60は例えば樹脂製シートを熱加工した熱成形体であり、開封刃パーツ70は樹脂原料を用いて射出成形した射出成形体であるものとし、開封刃(76)は密封シート13に破断開口を形成可能な剛性を有するものとする。
【0048】
図5に示す第二の実施の形態の蓋体本体60は、第一の実施の形態と同様に、カップ状収容部11のフランジ部11cに外嵌される環状嵌合部61と、環状嵌合部61の下側に連設される下側周壁部62と、環状嵌合部61の上側に立設される上側周壁部63と、上側周壁部63の内側に連設して設けられる蓋面部64とを備えている。これらの環状嵌合部61、下側周壁部62、上側周壁部63及び蓋面部64の構成は第一の実施の形態の蓋体本体30の環状嵌合部31、下側周壁部32、上側周壁部33及び蓋面部34と略同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0049】
図5(a)、(b)に示すように、蓋面部64にはA-A線と直行する方向に、蓋面部64を横断するように傾斜面部64aが設けられ、図5(a)に向かって傾斜面部64aの左側に配置される第一片面部64bよりも、傾斜面部64aの右側に配置される第二片面部64cは下方に配置される。この第二片面部64cに吐出口65が設けられる。
【0050】
吐出口65は、第一の実施の形態と同様に、上面視において略五角形状を呈する。吐出口65の基端部65aと、傾斜面部64aとの間に、第二片面部64cから上方に突出する嵌合部67が設けられる。嵌合部67はA-A線に直交する方向に縦長の直方体形状を呈する(図5(a)参照)。当該嵌合部67の底面部分は開口しており、当該嵌合部67は本発明にいう凹部に相当する。嵌合部67の底面部分の開口面積は、嵌合部67の上方の内面積よりも狭く構成されている。
【0051】
図6に示すように、開封刃パーツ70は、開封刃76と、開封刃76を下方に回動可能に支持する支持部75を備える。
【0052】
支持部75は、ベース部71と、当該ベース部71の略中央から上方に突出し、上記嵌合部67に内嵌される凸部72と、ベース部71と開封刃76とに連結されるヒンジ部73と、ベース部71に連設され、開封刃76が所定位置まで回動したときに開封刃76をその位置で固定するストッパー部74とを備えている。
【0053】
ベース部71は、図6(a)に示すように、A-A線に沿う方向において凸部72の両側にそれぞれ配置されるI字状の平板部71a、71bとして構成される。平板部71a、71bはそれぞれA-A線に直行する方向に長尺に形成されている。
【0054】
凸部72は、図6(a)、(b)に示すように、ベース部71の略中央、すなわち平板部71a、71bの間から上方に突出するように配設されている。凸部72は、A-A線に直交する方向に縦長の直方体形状を呈し、その底面部分は開口している。凸部72は上方に向かうにつれてその外形が幅広になるように構成されている。
【0055】
ヒンジ部73は、図6(a)に示すように、ベース部71の一方の平板部71aに2つ設けられている。各ヒンジ部73は、一方の平板部71aの端部に沿ってそれぞれA-A線に直交する方向に縦長に形成されている。この2つのヒンジ部73の間は離間している。各ヒンジ部73はベース部71の一方の平板部71aに支持された状態で、開封刃76の基端部76aに連結される。
【0056】
図6(c)に示すように、各ヒンジ部73は、ベース部71や開封刃76と比較すると薄肉に形成されており、上方に湾曲している。開封刃76に対して下向きの力が加わると、ヒンジ部73を軸に開封刃76が回動する。
【0057】
図6(a)に示すように、ストッパー部74は、ベース部71の一方の平板部71aの略中央に側方に突出するように連設されている。ストッパー部74は、同じく一方の平板部71aに設けられる2つのヒンジ部73の間に配設されている。ストッパー部74と各ヒンジ部73との間、ストッパー部74と、開封刃76の基端部76aとの間はそれぞれ離間している。開封刃76が所定の位置まで回動すると、開封刃76の基端部76aがストッパー部74の裏面に当接し、開封刃76がそれ以上回動しないようにしつつ、元の位置に戻らないように固定することができる。
【0058】
次に、開封刃76について説明する。開封刃76は、上面視において蓋体本体60の吐出口65と略同様の五角形状を呈する。図6(b)に示すように開封刃76の基端部76aはベース部71に対して略垂直な垂直面になっている。基端部76aと先端部76bとの間には上面部76cが設けられ、上面部76cはベース部71と略平行な平面状に形成される。開封刃76の先端部76bは鋭角に形成された刃部であり、その刃先が下方を向くように、上面部76cに連設されている。
【0059】
再度、図4を参照して、本実施の形態のカップ容器用蓋体50について説明する。カップ容器用蓋体50は、以上のように構成された蓋体本体60の嵌合部67に、開封刃パーツ70の凸部72が内嵌されることで得られる。この状態で、カップ状収容部11のフランジ部11cに、蓋体本体60の環状嵌合部61を外嵌させることで、環状嵌合部61の内面とカップ状収容部11のフランジ部11cとが互いに圧接され、カップ容器本体10の口部12にカップ容器用蓋体50が装着される。このとき、図4(b)に示すように、蓋体本体60の蓋面部64は密封シート13の上方に配置される。開封刃76は吐出口65から露出し、開封刃76の上面部76cは嵌合部67の上面と略同じ高さに位置する。
【0060】
第二の実施の形態のカップ容器用蓋体50についても、第一の実施の形態と同様の効果を得ることができる。第二の実施の形態のカップ容器用蓋体50では、開封刃パーツ70の構成が第一の実施の形態の開封刃パーツ40と比較すると、より小さな部材とすることができるため、開封刃パーツ70のより一層の軽量化を図ることができる。そのため、第一の実施の形態のカップ容器用蓋体20と比較すると、廃プラスチック量の削減、製造時及び配送時のCO発生量の削減、製造コスト及び配送コストの低減をより一層図ることができる。
【0061】
以上説明した第一の実施の形態及び第二の実施の形態は本発明の一態様であり、本発明は上記各実施の形態に記載した構成等に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更してよいのは勿論である。本発明の要旨は、内容物を吐出するための吐出口を有する蓋体本体と、吐出口付近に配設され、密封シートに破断開口を形成可能な開封刃と、当該開封刃の先端側を密封シート側に回動可能に開封刃を蓋体本体に支持する支持部とを有する開封刃パーツとを備え、蓋体本体及び前記開封刃パーツとがそれぞれ剛性の異なる樹脂製部材であることにあり、カップ容器本体の具体的な形状に応じて蓋体本体及び開封刃パーツの各部の形状は適宜変更してよいのは勿論である。
【0062】
例えば、第二の実施の形態の蓋体本体60に対して嵌合部67を設けず、同時に、開封刃パーツ70に対してベース部71に対して凸部72を設けず、ベース部71を所定の面積を有する平板状に構成した接着部とし、蓋体本体60の蓋面部64の下面に対してベース部71を接着剤等により接着する構成としてもよい。この場合、蓋体本体及び開封刃パーツの構成をより簡易にすることができるため、カップ容器用蓋体のより一層の軽量化を図ることができる。
【0063】
さらに、開封刃パーツを蓋体本体に固定(保持)するにあたっては、接着剤に代えて、インサート成形のように、いずれか一方の部材を予め成形しておき、それを他方の部材を形作る金型に配置した後に成形を行って両者を固着する手段を採用してもよい
【0064】
また、上記第一の実施の形態及び第二の実施の形態において、蓋体本体(30、60)の吐出口(35、65)及び開封刃(46、76)を覆うようにシール部材を吐出口(35、65)の付近に剥離自在に設けることも好ましい。このようなシール部材を吐出口(35、65)に設けることにより、吐出口(35、65)周囲を衛生的に保持することができる。
【0065】
さらに、上記シール部材に代えて、或いは追加して、上記第一の実施の形態及び第二の実施の形態において、蓋体本体(30、60)と別体に構成されるオーバーキャップを設け、蓋体本体(30、60)全体をオーバーキャップにより被覆し、吐出口(35、65)周囲を衛生的に保持するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 :カップ容器
10 :カップ容器本体
11 :カップ状収容部
12 :口部
13 :密封シート
20 :カップ容器用蓋体
30 :蓋体本体
31 :環状嵌合部(周縁板挿入部)
32 :下側周壁部
33 :上側周壁部
34 :蓋面部
35 :吐出口
36 :カバー片
40 :開封刃パーツ
41 :周縁板
41a :上部液漏れ防止リブ
41b :下部液漏れ防止リブ
42 :連結部
42a :第一連結部
42b :第二連結部
43 :ヒンジ部
45 :支持部
46 :開封刃
46a :基端部(基端)
46b :先端部(先端)
46c :上面部
50 :カップ容器用蓋体
60 :蓋体本体
61 :環状嵌合部
62 :下側周壁部
63 :上側周壁部
64 :蓋面部
65 :吐出口
65a :基端部
67 :嵌合部(凹部)
70 :開封刃パーツ
71 :ベース部
72 :凸部
73 :ヒンジ部
74 :ストッパー部
75 :支持部
76 :開封刃
76a :基端部
76b :先端部
76c :上面部
O :共通軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6