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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】ジオラマ玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/42 20060101AFI20230815BHJP
【FI】
A63H33/42 Z
A63H33/42 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019163397
(22)【出願日】2019-09-06
(65)【公開番号】P2021040758
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-06-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年6月27日に、ゲーム「ライザのアトリエ~常闇の女王と秘密の隠れ家~」の公式ホームページにてジオラマ玩具の販売情報を公開。 令和1年7月18日に、公式SNSアカウントにてジオラマ玩具の写真を公開。 令和1年7月18日に、動画配信サイトにて動画「ノブオの電撃PS Live #049〔プロ野球スピリッツ2019、ライザのアトリエ、リーサルリーグ・ブレイズ、ストリートファイターV〕」を配信。 令和1年7月19日に、公式SNSアカウントにてジオラマ玩具の販売情報を公開。 令和1年7月20日に、公式SNSアカウントにてジオラマ玩具の販売情報を公開。 令和1年7月20日に、公式SNSアカウントにてジオラマ玩具の写真を公開。 令和1年7月21日に、公式SNSアカウントにてジオラマ玩具の写真を公開。 令和1年7月26日に、公式SNSアカウントにてジオラマ玩具の販売情報を公開。 令和1年7月27日に、公式SNSアカウントにてジオラマ玩具の販売情報を公開。 令和1年8月16日に、公式SNSアカウントにてジオラマ玩具の販売情報を公開。 令和1年8月22日に、公式SNSアカウントにてジオラマ玩具の販売情報を公開。 令和1年8月22日に、TGS特設サイトにてジオラマ玩具の販売情報を公開。 令和1年9月4日に、公式SNSアカウントにてジオラマ玩具の写真を公開。 令和1年9月4日に、動画配信サイトにて動画「『東京ゲームショウ2019』直前生放送~物販いろいろ紹介するですの!~」を配信。
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 暁
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 祐介
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-221977(JP,A)
【文献】登録実用新案第3215793(JP,U)
【文献】アズールレーン ポップアップストア,[商品情報],Twitter[online],2018年12月28日,https://twitter.com/azurlane_store/status/1078562549514231809,[令和5年4月26日検索]
【文献】アニメイトカフェ池袋3号店,[TVアニメ『弱虫ペダル GROLY LINE』×アニメイトカフェ池袋3号店],Twitter[online],2018年07月30日,https://twitter.com/animatecafe_ik3/status/1023757696661565440,[令和5年4月26日検索]
【文献】アニメ黒子のバスケ,[J-WORLD2],Twitter[online],2016年08月26日,https://twitter.com/kurobasanime/status/769052617079132162,[令和5年4月26日検索]
【文献】「タマコレ アクリルスタンドキーホルダー」全7種が2016年3月発売決定!,アイドリッシュセブン[online],2015年12月02日,https://idolish7.com/topics/goods/2015/1034/,[令和5年4月26日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の基台パーツと、
前記基台パーツ上に着脱可能に立設される平板状の背景パーツと、
前記基台パーツ上に着脱可能に立設される平板状のキャラクタパーツと、を有し、
前記基台パーツは、
多角形状に形成され、前記多角形状の全部又は一部を構成する複数の辺の各々に前記背景パーツを着脱可能に連結する連結部を備えており
前記基台パーツは、
前記連結部として、前記複数の辺の各々の近傍に形成された第1連結孔部を備え、
前記背景パーツは、
前記第1連結孔部に嵌合可能な第1連結突起部を備えており、
前記背景パーツは、
一方側の端部に前記基台パーツの前記第1連結孔部に嵌合可能な前記第1連結突起部を備え、他方側の端部に他の前記基台パーツの前記第1連結孔部に嵌合可能な前記第1連結突起部を備えている、
ジオラマ玩具。
【請求項2】
前記基台パーツは、
複数の前記第1連結孔部に囲まれた中央部に第2連結孔部を備え、
前記キャラクタパーツは、
前記第2連結孔部に嵌合可能な第2連結突起部を備えている、
請求項記載のジオラマ玩具。
【請求項3】
前記基台パーツ上に着脱可能に立設される平板状の小物パーツをさらに有し、
前記小物パーツは、
前記第2連結孔部に嵌合可能な前記第2連結突起部を備えている、
請求項に記載のジオラマ玩具。
【請求項4】
前記基台パーツは、
ユーザから視認される基準方向が設定されており、前記基準方向と直交する方向に等間隔で並べられた複数の前記第2連結孔部を備えている、
請求項又は記載のジオラマ玩具。
【請求項5】
前記基台パーツは、
前記基準方向と直交する方向に並べられた複数の前記第2連結孔部で構成される列を、前記基準方向に複数列備えており、
前記基準方向に隣接する前記列どうしは、
前記第2連結孔部のピッチの位相がずれるよう配置されている、
請求項記載のジオラマ玩具。
【請求項6】
平板状の基台パーツと、
前記基台パーツ上に着脱可能に立設される平板状の背景パーツと、
前記基台パーツ上に着脱可能に立設される平板状のキャラクタパーツと、を有し、
前記基台パーツは、
多角形状に形成され、前記多角形状の全部又は一部を構成する複数の辺の各々に前記背景パーツを着脱可能に連結する連結部を備えており、
前記基台パーツは、
前記多角形状の全部又は一部を構成する前記複数の辺の縁部に他の前記基台パーツを着脱可能に結合する結合部を備えており、
前記基台パーツは、
ユーザから視認される基準方向が設定されており、前記結合部として、前記基準方向の手前側の前記縁部に形成された結合凹部と、
前記基準方向の奥側の前記縁部に形成され前記他の基台パーツの前記結合凹部に嵌合可能な結合凸部と、を備えている、
オラマ玩具。
【請求項7】
前記基台パーツは、
正六角形状に形成されている、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のジオラマ玩具。
【請求項8】
前記基台パーツ、前記背景パーツ、及び前記キャラクタパーツは、
アクリル樹脂で構成されている、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のジオラマ玩具。
【請求項9】
前記アクリル樹脂で構成された前記基台パーツ、前記背景パーツ、及び前記キャラクタパーツの少なくとも1つは、発光部を有している、
請求項記載のジオラマ玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジオラマ玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、基板の後端に背板が立設されて風景が形成され、当該風景上に玩具が配置されたジオラマ玩具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭59-16698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のジオラマ玩具は、各パーツの組み合わせや連結配置があらかじめ固定化されており、一体的なキットとして提供されるものでしかなかった。このためユーザにとっては創作の自由度が低く興趣性に欠けるものとなっていた。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、創作の自由度を高めることにより興趣性を向上することができるジオラマ玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のジオラマ玩具は、平板状の基台パーツと、前記基台パーツ上に着脱可能に立設される平板状の背景パーツと、前記基台パーツ上に着脱可能に立設される平板状のキャラクタパーツと、を有し、前記基台パーツは、多角形状に形成され、前記多角形状の全部又は一部を構成する複数の辺の各々に前記背景パーツを着脱可能に連結する連結部を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明のジオラマ玩具によれば、創作の自由度を高めることにより興趣性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るジオラマ玩具の全体構成の一例を表す図である。
図2図1のジオラマ玩具を分解した状態を表す図である。
図3】ジオラマ玩具に使用する各種パーツの例を表す図である。
図4】基台パーツを上方から見た平面図である。
図5】複数の基台を横並びで結合した状態の一例を上方から見た平面図である。
図6】複数の基台パーツを横方向に結合して組み立てたジオラマ玩具の一例を表す図である。
図7】2つの基台パーツを縦方向に連結して2階建て構造としたジオラマ玩具の一例を表す図である。
図8図7のジオラマ玩具を分解した状態を表す図である。
図9】3つの基台パーツを縦方向に連結して3階建て構造としたジオラマ玩具の一例の分解した状態を表す図である。
図10】印刷を施さない背景パーツを用いて透明ケースを構成したジオラマ玩具の一例を表す図である。
図11】発光部を備えた背景パーツを用いたジオラマ玩具の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0010】
<1.ジオラマ玩具の概略的構成>
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るジオラマ玩具の全体構成の一例について説明する。図1はジオラマ玩具を組み立てた状態の一例を正面斜め上方から見た斜視図であり、図2はそのジオラマ玩具を分解した状態を示す分解組立図である。これら図1図2に示すように、本実施形態のジオラマ玩具1は、基台パーツ2と、背景パーツ3と、キャラクタパーツ4と、小物パーツ5とを有する。
【0011】
基台パーツ2は、当該ジオラマ玩具1の設置面上に載置され、その上に他のパーツが連結されることにより当該ジオラマ玩具1全体の土台(後述のように複数階構成とする場合には各階の土台)として機能するパーツである。この基台パーツ2の各部には他のパーツを連結するための多数の連結孔部11が形成されている。
【0012】
背景パーツ3、キャラクタパーツ4、及び小物パーツ5は、それぞれ上記連結孔部11に嵌合可能な連結突起部12を備えており、上記基台パーツ2上に着脱可能に立設されるパーツである。これら背景パーツ3、キャラクタパーツ4、及び小物パーツ5には、それぞれに対応する内容の図柄が印刷されており、ジオラマ玩具1で表現する情景の表現要素として使用される。なお、背景パーツ3については、後述するようにジオラマ玩具1の全体を複数階建ての建造物等として構築する場合に機械的構造部材としても機能する(後述の図7図11等参照)。
【0013】
図1及び図2に示す例では、例えば建物の屋内の床面の印刷(図1等では図示省略。後述の図3参照)が施された基台パーツ2の上で、図中奥側の外縁3辺にそれぞれ建物の内側の背景(図1等では窓6のみ図示しており、その他は図示省略)が印刷された3つの背景パーツ3が立設されている。なお、窓6は印刷が施されていない透明部6aと印刷が施された窓枠6bを含む。また、基台パーツ2上の中央部には、例えば人物の印刷が施されたキャラクタパーツ4と、例えばイスの印刷が施された小物パーツ5がそれぞれ1つずつ立設されている。これにより、ジオラマ玩具1は、壁面に囲まれた建物の中に1人の人物がイスとともに存在している情景を表現したジオラマ玩具として創作されている。
【0014】
なお、図1に示す組立構成は一例であり、これに限定されるものではない。各パーツの種類や数、配置は多種多様に組み合わせて変更することが可能である。例えば背景パーツ3は1つ又は2つでもよいし、4つ以上を使用してもよい。また、それらの配置も、例えば基台パーツ2の各辺に間隔を空けて(例えば1つおき)配置してもよいし、奥側に限らず、図中左右側又は図中手前側に配置してもよい。背景パーツ3を手前側に配置した場合には、例えば窓6を通して内部を鑑賞すること等が可能である。また、キャラクタパーツ4や小物パーツ5を複数組み合わせてもよいし、それらを基台パーツ2の中央部でなく外縁の辺に沿って配置してもよい。
【0015】
<2.各パーツの構成>
本実施形態のジオラマ玩具1に使用する各種パーツの例を図3に示す。図3(a)は基台パーツ2、図3(b)は背景パーツ3、図3(c)及び図3(d)はキャラクタパーツ4、図3(e)は小物パーツ5の一例をそれぞれ示している。
【0016】
図3(a)~図3(e)に示す各パーツ2~5は、いずれもアクリル樹脂を材質とする、厚み寸法Twの平板状の部材として構成されている。各パーツ2~5の表面(ユーザから直接視認する側の面)には、外形形状に合わせた図柄が印刷されている。なお、各パーツの裏面にも、例えばキャラクタパーツ4や小物パーツ5においては人物やイスの後ろ姿、背景パーツ3においては建物の外壁模様等の印刷が施されてもよい。
【0017】
図3(a)に示す基台パーツ2の例では、全体が正六角形状に形成されており、その表面には例えば大理石調の床面が印刷されている。なお、基台パーツ2としては、例えば様々な材質(木材、石材、コンクリート、土等)の床面、地面、草原、花壇、又はそれらを組み合わせた図柄など、多様な図柄を印刷されたものが用意されている。
【0018】
図3(b)に示す背景パーツ3の例では、例えば全体が縦に長い矩形形状に形成されており、その表面には中央に例えば矩形形状の窓6を備えた木目調の壁面が印刷されている。なお、前述のように窓6は透明部6aと窓枠6bを含んでおり、透明部6aの部分には図柄が印刷されずにアクリル樹脂自体の透過部分でガラスなどが表現されている。また、背景パーツ3としては、例えば様々な材質(木材、石材、コンクリート、土等)の壁面、壁画や階段、観葉植物などの内装、樹木などの自然物、家やビルなどの建築物の外観、又はそれらを組み合わせた図柄など、多様な図柄を印刷されたものが用意されている。
【0019】
図3(c)に示すキャラクタパーツ4の例では、例えば立っている状態の1人の人物が印刷されており、全体がその人物の図柄の外形形状を型取った形状に形成されている。なお、キャラクタパーツ4としては、例えば図3(d)に示すように、多様なポーズを取った複数人の人物が組み合わされて印刷されたものも用意されている。人物は、実在の人物でもよいし、例えばゲームやアニメ等に登場するキャラクタでもよい。またキャラクタパーツ4としては、例えば人間以外の動物、人間や動物以外の生物、仮想的な生物(例えば怪物、ゴースト、妖怪等)、ロボットやアンドロイド等、又はそれらを組み合わせた図柄など、多様な図柄を印刷されたものが用意されている。
【0020】
図3(e)に示す小物パーツ5の例では、例えばイスが印刷されており、全体がそのイスの図柄の外形形状を型取った形状に形成されている。なお、小物パーツ5としては、例えばタンスやベッド、照明などの家具、花瓶や食器、観葉植物などの内装の小物、宝箱などのアイテム、柵やポストなどの外構の小物、又はそれらを組み合わせた図柄など、多様な図柄を印刷されたものが用意されている。
【0021】
なお上述した例では、図示の煩雑を避けるために、いずれのパーツ2~5も平板部材の表面に図柄が印刷された構成のものを図示しているが、本発明はこれに限られない。例えば、平板部材の裏面に表面から見るための図柄が印刷され、ユーザからは透光性の高いアクリル製の平板部材を介して図柄を視認する構成のパーツとしてもよい。その場合には、アクリル樹脂特有の光沢により図柄の美観が向上すると共に、2次元の図柄でありながら各パーツが3次元フィギュアのように立体的に見えるなどの効果を奏する。
【0022】
上述したように、基台パーツ2には多数の連結孔部11が形成されており、本実施形態ではそれら全ての連結孔部11は一律に同じ形状に形成されている。具体的には、各連結孔部11は、拡大図Aに示すように、各パーツ2~5の厚み寸法Twと同じ寸法Twを短辺とし、適宜の長さ寸法Tnを長辺とした矩形の形状に形成されている。そして、各連結孔部11は当該矩形の形状で基台パーツ2を厚み方向に貫通するよう形成されている。
【0023】
また上述したように、背景パーツ3、キャラクタパーツ4、及び小物パーツ5の各パーツには、上記連結孔部11に嵌合可能な連結突起部12が一律に同じ形状で形成されている。具体的には、各連結突起部12は、拡大図Bに示すように、各パーツの本体の厚み寸法Twと同じ厚みで、当該パーツの外縁から幅寸法Tnで各パーツの厚み寸法Twと略同じ寸法Twだけ突出した突起として形成されている。
【0024】
背景パーツ3、キャラクタパーツ4、及び小物パーツ5は、それぞれが備える連結突起部12を基台パーツ2の連結孔部11に挿入するよう連結することで、基台パーツ2上に立設される。連結状態では、連結突起部12は、その先端が連結孔部11から突出することなく、十分な深さで連結孔部11に嵌合する。また、連結突起部12は連結孔部11に密接に嵌合するため、ガタつきや回転を防止でき、安定して連結することができる。なお、連結孔部11と連結突起部12とを適宜の嵌め合い公差で形成することで、パーツ間の着脱が容易となる。
【0025】
また本実施形態では、背景パーツ3の上端と下端(印刷されている図柄の上下方向を基準とした上端と下端(以下同様)。一方側の端部、他方側の端部の一例に相当)のそれぞれにおいて、連結突起部12(後述する第1連結突起部12a)が比較的長い第1ピッチ間隔Poで2つずつ設けられている。また、キャラクタパーツ4及び小物パーツ5には、その下端に、各パーツ自体の横幅の大きさに応じた数で連結突起部12(後述する第2連結突起部12b)が設けられ、複数設ける場合には比較的短い第2ピッチ間隔Piで設けられる。例えば図3(c)に示すように、キャラクタパーツ4の横幅寸法が小さい場合には、その下端に連結突起部12が1つだけ設けられる(1つ足タイプ)。また、例えば図3(d)や図3(e)に示すように、キャラクタパーツ4又は小物パーツ5の横幅寸法が第2ピッチ間隔Pi以上である場合には、その下端に対応するピッチ数分の連結突起部12が設けられる。図3(e)に示す例では、小物パーツ5には2つの連結突起部12が設けられ(2つ足タイプ)、図3(d)に示す例では、キャラクタパーツ4には3つの連結突起部12が設けられる(3つ足タイプ)。
【0026】
以上のように連結突起部12を複数設ける場合のピッチ間隔の違いから、背景パーツ3と、キャラクタパーツ4及び小物パーツ5との間では、基台パーツ2に対する連結構成に関して異なる規格を有している。このため以下においては、背景パーツ3が第1ピッチ間隔Poで備える一対の連結突起部12を特に第1連結突起部12aといい、基台パーツ2においてそれら第1連結突起部12aを連結可能に第1ピッチ間隔Poで配置された一対の連結孔部11を特に第1連結孔部11a(連結部の一例に相当。後述の図4参照)という。また、キャラクタパーツ4又は小物パーツ5が単一又は第2ピッチ間隔Piで備える複数の連結突起部12を特に第2連結突起部12bといい、基台パーツ2においてそれら第2連結突起部12bを連結可能な単一又は第2ピッチ間隔Piで配置された複数の連結孔部11を特に第2連結孔部11bという(後述の図4参照)。
【0027】
なお上述したように、連結孔部11及び連結突起部12のそれぞれは、単体で見た構成としては全て同じ形状であるため、例えば連結突起部12を1つしか備えないキャラクタパーツ4又は小物パーツ5を背景パーツ3用の第1連結孔部11aの1つに連結させることも可能である。
【0028】
<3.基台パーツの詳細構成>
次に、基台パーツ2の詳細構成の一例について説明する。基台パーツ2を上方から見た平面図を図4に示す。なお、基台パーツ2には、設計上の仕様としてユーザから視認される基準方向(以下、視認基準方向という)が設定されている。図4中では、視認基準方向での手前側が図中の下方に、視認基準方向での奥側が図中の上方にそれぞれ対応している。なお、基台パーツ2に印刷される図柄は、ユーザが視認基準方向で見ることを想定して印刷されている。
【0029】
図4に示すように、基台パーツ2は上述したように略正六角形状に形成されている。なお「正六角形」とは、各辺の長さが略等しく、各内角が略120°となる六角形である。この正六角形状が有する6辺それぞれの近傍において、上述した第1ピッチ間隔Poで並ぶ一対の第1連結孔部11aが各辺の縁部とそれぞれ平行な配置で設けられている。これにより、基台パーツ2の各第1連結孔部11aに連結した背景パーツ3は、それぞれの平板体の平面方向が基台パーツ2の各辺に平行となる配置で立設された状態となる(上記図1図2等の組み立て状態図を参照)。
【0030】
また基台パーツ2において、複数の第1連結孔部11aに囲まれた中央部に、キャラクタパーツ4及び小物パーツ5の第2連結突起部12bを嵌合可能な第2連結孔部11bが複数設けられている。図4に示す例では、視認基準方法と直交する方向(図中の左右方向)に第2ピッチ間隔Piで等間隔に並べられた複数の第2連結孔部11bで構成される列が、視認基準方向に等間隔で3列分配置されている。視認基準方向の最も手前側と最も奥側の2列ではそれぞれ3つの第2連結孔部11bが同じピッチの位相で設けられ、中央の1列では4つの第2連結孔部11bが他の列と半ピッチ分だけ位相をずらした配置で設けられている。つまり、視認基準方向で隣接する列どうしが、第2連結孔部11bのピッチの位相がずれるように配置されている。
【0031】
これにより、各列のそれぞれにおいて、ユーザからの視野で見て複数のキャラクタパーツ4や小物パーツ5を重複させることなく見えやすい横並びに配置できる。また、キャラクタパーツ4や小物パーツ5の横並び列をユーザから見た前後方向(手前側、奥側の方向)で複数列配置することができ、その場合に前後方向でパーツどうしの重複度合いを低減して、奥側の列のパーツを露出させて見えやすくできる(上記図1図2等を参照)。
【0032】
また図4に示すように、基台パーツ2の視認基準方向は、正六角形状において最も手前側と最も奥側にある平行な2辺がそれぞれ視認基準方向に直交するように設定されている。基台パーツ2は、そのような視認基準方向での手前側の3辺それぞれの縁部の中央に結合凹部13が形成され、奥側の3辺それぞれの縁部の中央に結合凸部14が形成されている。これら結合凹部13と結合凸部14は、他の基台パーツ2を着脱可能に結合する結合部として機能する。
【0033】
具体的には、各結合凹部13は、各辺の縁部から幅寸法Kw、深さ寸法Kdの矩形形状で切り欠いて形成される。なお、この結合凹部13を上記の一対の第1連結孔部11aの間に配置できるように、一対の第1連結孔部11aの隙間(第1ピッチ間隔Poから寸法Tnを減じた寸法)は結合凹部13の幅寸法Kwより大きい寸法で設定される。また各結合凸部14は、辺の縁部から上記と略同じ幅寸法Kw、上記の深さ寸法Kdと略同じ突出寸法Kdの矩形形状で突出するように形成される。これにより、結合凸部14は結合凹部13に対して横方向(基台パーツ2の面方向)に嵌合し、基台パーツ2同士が結合される。
【0034】
以上のように、基台パーツ2を略正六角形状とすることで、例えば図5に示す配置例のように、複数の基台パーツ2どうしで辺を密接させて隙間なく敷き詰めることができる。また、上述した配置と構成である結合凹部13と結合凸部14を基台パーツ2が備えていることで、上記のように並べた際に結合凹部13と結合凸部14を嵌合させて安定した結合が可能となる。このとき、例えば3つの結合凸部14のうちのいずれか一端の結合凸部14と、3つの結合凹部13のうちのいずれか一端の結合凹部13とを結合させるように並べるか、あるいは、3つの結合凸部14のうちの中央の結合凸部14と、3つの結合凹部13のうちの中央の結合凹部13とを結合させるように並べることで、結合する各基台パーツ2それぞれの視認基準方向を一律に揃える(平行にする)ことができる。
【0035】
<4.ジオラマ玩具の組み立て例>
次に、本実施形態のジオラマ玩具1の図1以外の組み立て例について説明する。
【0036】
(4-1.複数の基台パーツを横方向に結合した場合の組み立て例)
図6は、複数の基台パーツ2を横方向に結合して組み立てた場合の一例を示している。図6に示す例では、中央の基台パーツ2aに対しその視認基準方向の奥側における左右両側の2辺にそれぞれ他の基台パーツ2b,2cを結合している。また、それら3つの基台パーツ2a~2cのそれぞれの視認基準方向の奥側3辺に背景パーツ3を連結している。
【0037】
詳細には、中央の第1の基台パーツ2aにおける奥側右端の辺に右側の第2の基台パーツ2bにおける手前側左端の辺を結合し、また第1の基台パーツ2aにおける奥側左端の辺に左側の第3の基台パーツ2cにおける手前側右端の辺を結合している。これにより、3つの基台パーツ2a~2cそれぞれの視認基準方向が一律に揃った結合状態となり、各基台パーツ2a~2cの中央部に立設したキャラクタパーツ4や小物パーツ5がいずれもユーザに対して正対した姿勢となり見えやすくなる。
【0038】
また、各基台パーツ2a~2cが正六角形状に形成されていることで、各基台パーツ2a~2cが真横(視認基準方向に垂直な方向。左右方向)に連結されるのではなく、図6に示すように真横に対して斜め方向に連結される。これにより、ユーザに奥行きなどの立体感を感じさせることができる。また、ユーザが視認基準方向から見た場合に、各基台パーツ2a~2cにおいて奥側の左右両側に配置された背景パーツ3が傾斜して見えることになり、その傾斜面がユーザにさらに奥行きなどの立体感を感じさせることができる。
【0039】
また、正六角形状の基台パーツ2を複数横並びで配置した場合には、それらの間に隙間なく密接した配置でジオラマ全体の規模を拡大できる。したがって、無駄な隙間が生じないので設置スペースを節約できる。また、例えば基台パーツ2が四角形状の場合には横並びの配置方向が4方向であるのに対し、本実施形態のように正六角形状の場合には横並びの配置方向が6方向となるので、基台パーツ2の連結配置の自由度を向上できる。
【0040】
また以上のように複数の基台パーツ2a~2cを横並びで結合した場合には、背景パーツ3を全体領域の外縁壁部として立設したり、または図6に示すように基台パーツ2間の領域を区分する境界壁として立設できるなど多様な表現が可能となる。また境界壁として窓6を備えた背景パーツ3を設けた場合には、各窓6を通して隣接するパーツを見ることができる等、多彩な楽しみ方ができる。
【0041】
なお、図6に示す例では、横並びで結合した各基台パーツ2a~2c上にそれぞれ屋内の情景を形成しているが、その一部又は全部について屋外の情景を形成してもよい。これにより、街路や街並みなどの屋外の風景を表現したり、建物の屋内と屋外を一度に表現する等が可能となる。
【0042】
(4-2.複数の基台パーツを縦方向に連結した場合の組み立て例)
図7及び図8は、2つの基台パーツ2を縦方向に連結して組み立てた場合の一例を示しており、図7は組み立て状態を、図8は分解状態を示している。図7及び図8に示す例では、最も下方の1階床面に相当する基台パーツ2a上に2つの背景パーツ3が立設され、それらの上端にさらに2階床面に相当する他の基台パーツ2bが連結され、この2階床面の基台パーツ2b上にさらに1つの背景パーツ3が立設されている。このように複数の基台パーツ2を縦方向に連結することで、ジオラマ全体を複数階建ての建造物として表現できる。
【0043】
詳細には、1階床面の第1の基台パーツ2aと2階床面の第2の基台パーツ2bの奥側左右両端の2辺の第1連結孔部11aに、2つの背景パーツ3の第1連結突起部12aがそれぞれ連結されている。また、2階床面の第2の基台パーツ2bの奥側中央の1辺の第1連結孔部11aに、窓6を備えた背景パーツ3の下端の第1連結突起部12aが連結されている。また、1階床面の第1の基台パーツ2aの第2連結孔部11bに、キャラクタパーツ4(1つ足タイプ)及び小物パーツ5の第2連結突起部12bがそれぞれ連結されている。また、2階床面の第2の基台パーツ2bの第2連結孔部11bに、キャラクタパーツ4(3つ足タイプ)の第2連結突起部12bがそれぞれ連結されている。
【0044】
これにより、2階建て構造のジオラマ玩具1を構成できるので、例えば2階立ての建築物を表現したり、あるいは、1階と2階で全く異なる独立した情景を組み合わせて表現する等が可能である。また例えば、ユーザのお気に入りのキャラクタパーツ4を1階と2階でそれぞれ異なる背景パーツ3又は小物パーツ5と組み合わせて配置したり、あるいは、複数種類のキャラクタパーツ4を1階と2階に分けて共通あるいは異なる背景パーツ3又は小物パーツ5と組み合わせて配置する等も可能である。
【0045】
さらに、図9の分解図に示すように、最も下方の1階床面に相当する基台パーツ2a上に3つの背景パーツ3が立設され、それらの上端にさらに2階床面に相当する他の基台パーツ2bが連結され、この2階床面の基台パーツ2b上にさらに2つの背景パーツ3が立設され、それらの上端にさらに3階床面に相当する他の基台パーツ2cが連結され、この3階床面の基台パーツ2c上にさらに1つの背景パーツ3が立設されてもよい。なお、図9では各階上に配置されるキャラクタパーツ4や小物パーツ5の図示は省略している。これにより、3階建て構造のジオラマ玩具1を構成できる。なお、図示は省略するが、同様に組み立てることで4階建て以上の構造とすることもできる。
【0046】
なお上述したように、各連結孔部11の深さ寸法と各連結突起部12の突出寸法はいずれも各パーツの厚み寸法Twで同じであるため、基台パーツ2における1つの連結孔部11に対して上方と下方のいずれか一方からでしか連結突起部12を連結できない。すなわち、基台パーツ2における同一辺の第1連結孔部11aに対しては、上方と下方の両方から同時に背景パーツ3を連結することができない。したがって、背景パーツ3を介して複数の基台パーツ2を縦方向に連結する場合には、図9に示すように、2階以上の床面に相当する各基台パーツ2b,2cにおいて、下方に背景パーツ3を連結する辺と上方に背景パーツ3を連結する辺とが互い違いとなる構成となる。
【0047】
<5.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のジオラマ玩具1は、平板状の基台パーツ2と、基台パーツ2上に着脱可能に立設される平板状の背景パーツ3と、基台パーツ2上に着脱可能に立設される平板状のキャラクタパーツ4と、を有し、基台パーツ2が、多角形状に形成され、多角形状の全部又は一部を構成する複数の辺の各々に背景パーツ3を着脱可能に連結する連結部(第1連結孔部11a)を備えている。
【0048】
これにより、ユーザは基台パーツ2上に背景パーツ3やキャラクタパーツ4を立体的に連結して組み立てることにより、それら全体で表現される情景を創作して楽しむことができる。例えばユーザは、任意に選んだ基台パーツ2と背景パーツ3を組み合わせて所定の環境や状況を形成すると共に、任意に選んだキャラクタパーツ4を上記の環境状況に配置することにより、所望の情景を創作することができる。
【0049】
このとき、仮に使用する基台パーツ2と背景パーツ3の組み合わせや連結配置があらかじめ固定化されている場合には、ユーザにとっては情景の創作自由度が低く興趣性に欠けるものとなってしまう。
【0050】
そこで本実施形態のジオラマ玩具1では、基台パーツ2は、正六角形状に形成され、正六角形状の全部を構成する6辺(但し全部の辺に限らず、正六角形状の一部を構成する2辺~5辺でもよい)に背景パーツ3を着脱可能に連結する連結部(第1連結孔部11a)を備えている。
【0051】
これにより、ユーザは創作したい情景に応じて、例えば基台パーツ2の複数の辺に沿って互いに関連する複数の背景パーツ3を並べたり、並べる背景パーツ3の組み合わせを多種多様に変更したり、複数の背景パーツ3を間隔を空けて(例えば1つおきに)配置したり、単一の背景パーツ3のみを配置したり、といったように、基台パーツ2と背景パーツ3の組み合わせや連結配置を自由に設計することができる。この結果、情景の創作の自由度を大幅に高めることができ、興趣性を向上できる。
【0052】
また、本実施形態では特に、基台パーツ2は、連結部として、複数の辺の各々の近傍に形成された第1連結孔部11aを備え、背景パーツ3は、第1連結孔部11aに嵌合可能な第1連結突起部12aを備えている。
【0053】
これにより、基台パーツ2と背景パーツ3との間で着脱が容易で安定した連結が可能となる。また、パーツの加工のみで連結孔部11及び連結突起部12を形成でき、パーツ以外の別途の連結具を必要としないので、製作コストを安く抑えることができる。
【0054】
また、本実施形態では特に、背景パーツ3は、一方側の端部(例えば下端)に基台パーツ2の第1連結孔部11aに嵌合可能な第1連結突起部12aを備え、他方側の端部(例えば上端)に他の基台パーツ2の第1連結孔部11aに嵌合可能な第1連結突起部12aを備えている。
【0055】
これにより、基台パーツ2上に立設した複数の背景パーツ3の上端にさらに別の基台パーツ2を連結することが可能となり、複数階立てのジオラマとして組み立てることができる。
【0056】
また、本実施形態では特に、基台パーツ2は、複数の第1連結孔部11aに囲まれた中央部に第2連結孔部11bを備え、キャラクタパーツ4は、第2連結孔部11bに嵌合可能な第2連結突起部12bを備えている。
【0057】
これにより、基台パーツ2の外周縁部の各辺に立設した背景パーツ3を背景とし、その手前側における見やすい中央部の位置にキャラクタパーツ4を連結させて立設できる。なお、基台パーツ2の各辺の第1連結孔部11aには、背景パーツ3以外にもキャラクタパーツ4や小物パーツ5(1つ足のもの)を連結させることもできる。
【0058】
また、本実施形態では特に、基台パーツ2上に着脱可能に立設される平板状の小物パーツ5をさらに有し、小物パーツ5は、第2連結孔部11bに嵌合可能な第2連結突起部12bを備えている。
【0059】
これにより、背景パーツ3やキャラクタパーツ4とは別に家具や柵などの小アイテムも加えることができ、ジオラマの表現の幅を広げることができる。
【0060】
また、本実施形態では特に、基台パーツ2は、ユーザから視認される視認基準方向が設定されており、視認基準方向と直交する方向に等間隔で並べられた複数の第2連結孔部11bを備えている。
【0061】
これにより、ユーザからの視野で見て複数のキャラクタパーツ4や小物パーツ5を重複させることなく見えやすい横並びに配置できる。また、キャラクタパーツ4や小物パーツ5の横並びの配置や組み合わせを自由に変更できる。さらに、複数人が合体したキャラクタパーツ4や比較的大きな小物パーツ5等に2以上の第2連結突起部12bを設けておき、それらを複数の第2連結孔部11bに嵌合させて安定して取り付けることもできる。
【0062】
また、本実施形態では特に、基台パーツ2は、視認基準方向と直交する方向に並べられた複数の第2連結孔部11bで構成される列を、視認基準方向に複数列備えており、視認基準方向に隣接する列どうしは、第2連結孔部11bのピッチの位相がずれるよう配置されている。
【0063】
これにより、キャラクタパーツ4や小物パーツ5の横並び列をユーザから見た前後方向(手前側、奥側の方向)で複数列配置することができ、その場合に前後方向でパーツが被るのを抑制して、手前側の列のパーツ間に奥側の列のパーツを露出させて見えやすくできる。
【0064】
また、本実施形態では特に、基台パーツ2は、多角形状の全部又は一部を構成する複数の辺の縁部に他の基台パーツ2を着脱可能に結合する結合部(結合凹部13、結合凸部14)を備えている。
【0065】
これにより、複数の基台パーツ2どうしを密着させて横並びに配置した際にそれらの間の結合状態を安定化できる。
【0066】
また、本実施形態では特に、基台パーツ2は、ユーザから視認される視認基準方向が設定されており、結合部として、視認基準方向の手前側の縁部に形成された結合凹部13と、視認基準方向の奥側の縁部に形成され他の基台パーツ2の結合凹部13に嵌合可能な結合凸部14とを備えている。
【0067】
これにより、基台パーツ2同士の間で着脱が容易で安定した結合が可能となる。また、パーツの加工のみで結合凹部13及び結合凸部14を形成でき、パーツ以外の別途の結合具を必要としないので、製作コストを安く抑えることができる。また、ユーザからの視野で見て比較的目立つ結合凸部14を背景パーツ3などの背後に隠し、比較的目立たない結合凹部13を手前側に配置することで、ジオラマ玩具1の美観を維持できる。
【0068】
また、本実施形態では特に、基台パーツ2は、正六角形状に形成されている。
【0069】
このように基台パーツ2が正六角形状に形成されていることで、各基台パーツ2が真横に連結されるのではなく、真横に対して斜め方向に連結される。これにより、ユーザに奥行きなどの立体感を感じさせることができる。また、ユーザが視認基準方向から見た場合に、各基台パーツ2において奥側の左右両側に配置された背景パーツ3が傾斜して見えることになり、その傾斜面がユーザにさらに奥行きなどの立体感を感じさせることができる。また、正六角形状の基台パーツ2を複数横並びで配置した場合には、それらの間に隙間なく密接した配置でジオラマ全体の規模を拡大できる。したがって、無駄な隙間が生じないので設置スペースを節約できる。また、例えば基台パーツ2が四角形状の場合には横並びの配置方向が4方向であるのに対し、正六角形状の場合には横並びの配置方向が6方向となるので、基台パーツ2の連結配置の自由度を向上できる。また、四角形状の場合と比較して辺の数が多いことから、1つの基台パーツ2に対して立設可能な背景パーツ3の数をより多くできる。したがって、背景パーツ3の組み合わせの自由度をより高めることができる。
【0070】
また、本実施形態では特に、基台パーツ2、背景パーツ3、及びキャラクタパーツ4は、アクリル樹脂で構成されている。
【0071】
これにより、ジオラマがアクリル樹脂特有の光沢と透光性のある美観を備え、かつ全体を構造体として組み立てた場合でも軽量でありつつ機械的強度を高く確保できる。また、各パーツに印刷を施した場合には光沢により当該印刷の見栄えを向上でき、印刷を施さない部分では透明性を利用して窓ガラス等を表現することができる。さらに、透過性の高い印刷を施した場合には透光性を利用して例えばステンドグラス等の半透明の部材を表現することも可能である。
【0072】
また、本実施形態では特に、次のような効果を得ることもできる。すなわち、本実施形態のジオラマ玩具1では、背景パーツ3の基台パーツ2に対する連結構成、キャラクタパーツ4及び小物パーツ5の基台パーツ2に対する連結構成が、それぞれ規格化されており、多種多様な背景パーツ3、キャラクタパーツ4及び小物パーツ5を、多種多様な基台パーツ2に対して連結することが可能である。このため、完成形が決まっておらず、個々の商品(例えば個々のゲームやアニメにそれぞれ対応したジオラマ玩具)で完結せずに、様々な商品間でパーツに互換性を持たせることができ、各パーツを流用することができる。その結果、例えば特定の商品(ゲームやアニメ等)のキャラクタパーツを異なる商品(ゲームやアニメ等)の背景に配置したり、異なる商品同士の背景を組み合わせてユーザのオリジナルのジオラマ世界を創作する等が可能となり、興趣性を大幅に向上することができる。
【0073】
<6.変形例等>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0074】
例えば以上では、基台パーツ2及び背景パーツ3のいずれも図柄の印刷が施されている場合について説明したが、例えば印刷が施されていない透明な基台パーツ2や背景パーツ3を利用してもよい。例えば図10に示す例では、6つの背景パーツ3を介して2つの基台パーツ2a,2bが縦方向に連結されており、全体が箱体として構成されている。6つの背景パーツ3のうち、奥側の3つの背景パーツ3aには印刷が施されており、手前側の3つの背景パーツ3bには印刷が施されておらず、前方側から箱体内部を視認できる部分的な透明ケースとして構成されている。これにより、内部の情景を表現するキャラクタパーツ4や小物パーツ5の視認性を確保しつつ、ゴミや埃、汚れ等の侵入を抑制でき、内部の綺麗で良好な保存状態を維持できる。また、印刷を施さない透明な基台パーツ2や背景パーツ3を適宜の配置で用いることで、例えば内部のキャラクタパーツ4が空中に浮遊している状態を表現するなどといった創作の幅を広げることができる。
【0075】
また例えば、アクリル樹脂で構成された基台パーツ2、背景パーツ3、及びキャラクタパーツ4の少なくとも1つが発光部を備えてもよい。例えば図11に示す例のように、背景パーツ3cの上端に例えばLEDや電球等の光源を内蔵した発光部15を設けておき、当該背景パーツ3cに印刷された図柄(図11に示す例では照明)を発光させてもよい。これにより、発光部を備えたパーツを使用してジオラマの一部又は全体を発光させることができ、美観を向上できる。また、例えば特定のキャラクタや小物を発光させたり、街灯、夜景、夕日、星空等の景色を表現したり、発光を利用した多種多様な情景の表現が可能となる。なお、背景パーツ3以外にも、基台パーツ2やキャラクタパーツ4、小物パーツ5に発光部を設けて、演出効果を高めてもよい。
【0076】
また以上では、背景パーツ3と、キャラクタパーツ4及び小物パーツ5との間で、基台パーツ2に対する連結構成に関して異なる規格を有する場合について説明したが、これらに互換性を設けてもよい。例えば、第1ピッチ間隔Poを第2ピッチ間隔Piの2倍とすることで、背景パーツ3を基台パーツ2の中央部の第2連結孔部11bに連結することが可能となる。これにより、基台パーツ2と背景パーツ3の組み合わせや連結配置の自由度をさらに高めることができる。
【0077】
なお、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0078】
1 ジオラマ玩具
2 基台パーツ
3 背景パーツ
3a 背景パーツ
3b 背景パーツ
3c 背景パーツ
4 キャラクタパーツ
5 小物パーツ
11 連結孔部
11a 第1連結孔部(連結部)
11b 第2連結孔部
12 連結突起部
12a 第1連結突起部
12b 第2連結突起部
13 結合凹部(結合部)
14 結合凸部(結合部)
15 発光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11