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  • 特許-中皿ホルダー、及びコンパクト容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】中皿ホルダー、及びコンパクト容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 33/00 20060101AFI20230815BHJP
【FI】
A45D33/00 615Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019216614
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2021083925
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】吉村 和寿
【審査官】小松 竜一
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3002856(JP,U)
【文献】特開平08-056745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 33/00
A45D 40/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形内容物を収容した中皿を装着するための凹部を備えるコンパクト容器に対して取り付けられる中皿ホルダーであって、
天壁と、該天壁の内縁部に連結する内側側壁と、該天壁の外縁部に連結する外側側壁とを備え、
前記外側側壁は、前記凹部の内周面に対応する外周面を有し、前記外周面の上端部には外側に向けて突出する段部が設けられていると共に、前記段部の下方において全周に亘って凹状部が設けられ、
前記内側側壁は、前記中皿よりも小型となる他の中皿の外周面に対応する内周面を有する、中皿ホルダー。
【請求項2】
前記内側側壁は、収容した前記他の中皿の底部に対向する底壁を有し、該底壁は、前記底部に対して近接、離反する向きに弾性変形可能である請求項1に記載の中皿ホルダー。
【請求項3】
前記内側側壁は、収容した前記他の中皿の底部に対向する底壁を有し、該底壁は、前記底部を外界に露出させる取出し孔を有する請求項1に記載の中皿ホルダー。
【請求項4】
前記内側側壁は、前記他の中皿に設けた係合部に係合する被係合部を有するとともに該係合部と該被係合部との係合を解除するように撓み変形可能である請求項1に記載の中皿ホルダー。
【請求項5】
前記凹部と、請求項1~4の何れか一項に記載の中皿ホルダーとを備えるコンパクト容器。
【請求項6】
前記中皿ホルダーを収容する前記凹部としてのホルダー収容凹部と、前記ホルダー収容凹部と壁部を隔てて設けられている塗布具を収容する塗布具収容凹部とが設けられた容器本体を備え、
前記容器本体の前記ホルダー収容凹部において、前記壁部側の内面には前記ホルダー収容凹部の内側に向けて突出する突起部が設けられるとともに、前記ホルダー収容凹部の前記壁部から最も離間した内面には撓み変形可能であって先端が前記ホルダー収容凹部の内側に向けて突出する爪状部が設けられていて、さらに前記壁部には上方から下方に向けて切り欠く切り欠き部が設けられ、
前記ホルダー収容凹部の前記突起部と前記爪状部の先端部分とが前記中皿ホルダーの前記凹状部に係合すると共に、前記爪状部に対向する前記中皿ホルダーの前記外周面は前記ホルダー収容凹部の内面と離間している請求項5に記載のコンパクト容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形内容物を収容した中皿を取り付ける中皿ホルダー、及びこのような中皿ホルダーを備えるコンパクト容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば粉体の化粧料を固形化したプレストパウダーの如き固形内容物を携帯する際に使用される容器として、コンパクト容器が既知である。このようなコンパクト容器は、容器本体に凹部を設け、この凹部に、化粧料を収容した有底筒状の中皿を取り付けるように構成されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような中皿は、例えば外形が円形状になるもの(特許文献1の図1図3参照)や、外形が矩形状になるもの(特許文献1の図4図5)など、種々の形状のものがあり、コンパクト容器の凹部も、中皿の形状に合わせたものになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-166976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のコンパクト容器は、凹部の形状にあった中皿しか使用することはできない。すなわち、従来のコンパクト容器は、使用者の求める使い方が制限されることが多く(例えば気に入った化粧料であるため大容量のものを使用したいが、中皿のサイズが大きくなって取り付けることができない場合や、普段使用しているコンパクト容器が小さな鞄に入らないため、サイズの小さなコンパクト容器に取り換えようとしても、中皿の形状が異なっていて取り付けできない場合など)、使用者の要望に十分に応えることができていない状況にある。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、従来のコンパクト容器よりも使用者の好みに合う使い方が実現できる中皿ホルダー、及びこのような中皿を備えるコンパクト容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、固形内容物を収容した中皿を装着するための凹部を備えるコンパクト容器に対して取り付けられる中皿ホルダーであって、
天壁と、該天壁の内縁部に連結する内側側壁と、該天壁の外縁部に連結する外側側壁とを備え、
前記外側側壁は、前記凹部の内周面に対応する外周面を有し、前記外周面の上端部には外側に向けて突出する段部が設けられていると共に、前記段部の下方において全周に亘って凹状部が設けられ、
前記内側側壁は、前記中皿よりも小型となる他の中皿の外周面に対応する内周面を有する、中皿ホルダーである。
【0008】
前記内側側壁は、収容した前記他の中皿の底部に対向する底壁を有し、該底壁は、前記底部に対して近接、離反する向きに弾性変形可能であることが好ましい。
【0009】
前記内側側壁は、収容した前記他の中皿の底部に対向する底壁を有し、該底壁は、前記底部を外界に露出させる取出し孔を有することが好ましい。
【0010】
前記内側側壁は、前記他の中皿に設けた係合部に係合する被係合部を有するとともに該係合部と該被係合部との係合を解除するように撓み変形可能であることが好ましい。
【0011】
また本発明は、前記凹部と、請求項1~4の何れか一項に記載の中皿ホルダーとを備えるコンパクト容器でもある。
前記中皿ホルダーを収容する前記凹部としてのホルダー収容凹部と、前記ホルダー収容凹部と壁部を隔てて設けられている塗布具を収容する塗布具収容凹部とが設けられた容器本体を備え、
前記容器本体の前記ホルダー収容凹部において、前記壁部側の内面には前記ホルダー収容凹部の内側に向けて突出する突起部が設けられるとともに、前記ホルダー収容凹部の前記壁部から最も離間した内面には撓み変形可能であって先端が前記ホルダー収容凹部の内側に向けて突出する爪状部が設けられていて、さらに前記壁部には上方から下方に向けて切り欠く切り欠き部が設けられ、
前記ホルダー収容凹部の前記突起部と前記爪状部の先端部分とが前記中皿ホルダーの前記凹状部に係合すると共に、前記爪状部に対向する前記中皿ホルダーの前記外周面は前記ホルダー収容凹部の内面と離間していることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の中皿ホルダーによれば、ある中皿を取り付け可能な凹部に対し、この中皿よりも小型となる他の中皿を取り付けることができる。すなわち、中皿ホルダーを介して1つの凹部に様々な他の中皿を取り付けることができるため、従来に比して、中皿とコンパクト容器との組み合わせをより増やすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に従う中皿ホルダーとコンパクト容器の一実施形態を示した斜視図である(中皿ホルダーには丸型中皿を取り付けている)。
図2】(a)は、図1に示したコンパクト容器の平面図であり、(b)は(a)に示すA-Aに沿う断面図であり、(c)は(a)に示すB-Bに沿う断面図である。
図3】(a)は中皿ホルダーを取り外した図1のコンパクト容器に対して、矩形型中皿を取り付けた状態を示した斜視図であり、(b)は(a)に示すC-Cに沿う断面図であり、(c)は(a)に示すD-Dに沿う断面図である。
図4】(a)は図1に示す丸型中皿を別のコンパクト容器に取り付けた状態について示した図であり、(b)は(a)に示すE-Eに沿う断面図である。
図5】本発明に従う中皿ホルダーの変形例を示す側面視の断面図であって、(a)は第一変形例、(b)は第二変形例、(c)は第三変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明に従う中皿ホルダーとコンパクト容器の一実施形態について説明する。なお、本明細書等における「上」、「下」とは、基本的には容器本体(符合1)の本体底部(符合2a)が水平面に載置される状態での向き(図2(b)に示す向き)である。また「前」は、図1に示した容器本体1の係止部(符合2d)を設けた側であり、「後」とは、その逆側である。また「左」、「右」とは、前方から後方に向かって見る際の左右方向である。
【0015】
図1、2は、本発明に従う中皿ホルダーとコンパクト容器の一実施形態を示している。本実施形態のコンパクト容器100は、容器本体1(ベース部材2と収容部材3で構成される)と、蓋体4(蓋体本体5と鏡6で構成される)と、中皿ホルダー7と、丸型中皿8とを備えている。
【0016】
ベース部材2は、容器本体1の外殻をなすものであって、図1図2に示すように本体底部2aと本体周壁部2bとを備え、概略有底筒状に形作られている。本実施形態のベース部材2は、図2(a)に示すように平面視においては、前後方向よりも左右方向が長くなる長方形状に形作られている。ベース部材2は、図2(a)に示すように平面視での右側において、本体底部2aを上下方向に貫く複数の貫通孔2cを備えている。またベース部材2の前方中央部には、前後方向に移動可能であって、蓋体4を閉蓋状態で係止するための係止部2dが設けられている。
【0017】
収容部材3は、概略、平面視において前後方向よりも左右方向が長くなる長方形状に形作られていて、ベース部材2の内側に取り付けられる。収容部材3は、平面視で矩形状になる2つの凹部(図1において左側に位置するホルダー収容凹部3aと、右側に位置する塗布具収容凹部3b)を備えている。またホルダー収容凹部3aと塗布具収容凹部3bとの間には、図2(a)、(b)に示すように、ホルダー収容凹部3aと塗布具収容凹部3bとを区切る壁部を上方から下方に向けて切り欠く切り欠き部3cが設けられている。そして収容部材3の後方中央部には、後側凹部3dが設けられている。図示は省略するが、後側凹部3dの左右方向における側面には、蓋体4を回転可能に支持する軸穴部が設けられている。
【0018】
ホルダー収容凹部3aは、中皿ホルダー7を内側に収めてこれを保持するものである。なおホルダー収容凹部3aには、後述するように丸型中皿8とは別の中皿(図3に示す矩形型中皿9)も取り付けることが可能である。図2(c)に示すようにホルダー収容凹部3aの右側における内面には、ホルダー収容凹部3aの内側に向けて突出する突起部3eが設けられている。またホルダー収容凹部3aの左側における内面には、左右方向に撓み変形可能であって、先端がホルダー収容凹部3aの内側に向けて突出する爪状部3fが設けられている。
【0019】
塗布具収容凹部3bは、例えばパフのような塗布具を収容する部位である。塗布具収容凹部3bは、ベース部材2に設けた複数の貫通孔2cを取り囲んでいる。これにより塗布具収容凹部3bの通気性を向上させることができるため、塗布具収容凹部3bに収容した塗布具の湿気を下げることができる。
【0020】
蓋体本体5は、図1に示すように蓋体天壁部5aと蓋体周壁部5bとによって概略有蓋筒状に形作られていて、平面視においては矩形状をなしている。また蓋体本体5は、図1に示すように後側凹部3dの内側に収まる支持部5cを備えている。支持部5cの左右方向端部には、後側凹部3dの側面に設けた上述の軸穴部に収まる軸部が設けられていて、蓋体本体5は、容器本体1に対して回転可能に支持されている。なお、容器本体1に設けた軸穴部を蓋体本体5に設け、蓋体本体5の軸部を容器本体1に設けるように構成してもよい。また、支持部5cに対向する部位には、爪状に形成され、蓋体本体5を閉蓋した際に係止部2dに嵌まり込む被係止部5dが設けられている。また蓋体本体5の内面には、矩形状をなす鏡6が設けられている。
【0021】
中皿ホルダー7は、図2(a)に示すように平面視において、外縁部は矩形状をなし、内縁部は円形状をなす天壁7aを備えている。また図2(b)に示すように天壁7aの内縁部には、円筒状の内側側壁7bが設けられていて、天壁7aの外縁部には、外側側壁7cが設けられている。外側側壁7cは矩形筒状をなすものであって、その外周面は、ホルダー収容凹部3aの内周面に対応する形状及び大きさとなっている。なお、内側側壁7bと外側側壁7cは、図2(b)に示すように前後方向では間隔をあけて相互に離隔しているものの、図2(c)に示すように左右方向では両者の間隔はなくなって一体化している。また図2(c)に示すように外側側壁7cの外周面には、突起部3eと爪状部3fが係合する凹状部7dが設けられている。なお凹状部7dは、外側側壁7cの外周面に対して全周に亘って設けられている。また凹状部7dの上方には、外側側壁7cの外周面から外側に向けて突出する段部7eが設けられている。そして内側側壁7bの下端部には、水平方向に延在する底壁7fが設けられている。また図2(b)に示すように底壁7fには、本実施形態では平面視で円形になる孔(取出し孔)7gが設けられている。
【0022】
本実施形態の中皿ホルダー7は、例えばポリプロピレン樹脂(PP)や高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)のような硬質の合成樹脂で形成されている。また中皿ホルダー7を製造するにあたっては、溶融した合成樹脂を金型内で冷却して成形を行う射出成形を採用している。なお、底壁7fの上面には、粘着性を有する粘着層が設けられている(図示は省略)。
【0023】
丸型中皿8は、内側側壁7bの内側に取り付けられるものである。本実施形態の丸型中皿8は、図2(b)、(c)に示すように円板状の中皿底部8aと、内側側壁7bの内周面に沿うように円筒状に形作られた中皿周壁部8bを備えていて、概略有底筒状をなすものである。中皿底部8aと中皿周壁部8bの内側には、図示を省略する固形内容物(例えば粉体の化粧料を固形化したプレストパウダー)を収容するための収容空間S1が区画される。本実施形態の丸型中皿8は、金属製の薄板により形成されている。なお、丸型中皿8の素材に特段の制限はなく、例えば合成樹脂で形成してもよい。
【0024】
このようなコンパクト容器100においては、丸型中皿8を内側側壁7bの内側に挿入すると、底壁7fの上面の粘着層が丸型中皿8に貼り付くため、中皿ホルダー7からの丸型中皿8の脱落を防止することができる。なお、粘着層による粘着力はそれ程高いものではなく、後述する所定の操作によって、丸型中皿8を底壁7fから取り外すことが可能である。またホルダー収容凹部3aに取り付けた中皿ホルダー7は、図2(c)に示すように、突起部3eと爪状部3fが凹状部7dに係合するため、ホルダー収容凹部3aから不用意に外れることがない。
【0025】
容器本体1に取り付けた中皿ホルダー7は、図2(a)、(c)に示した切り欠き部3cを利用することによって容易に取り外すことができる。具体的に説明すると、切り欠き部3cから中皿ホルダー7の外側側壁7cに指を押し当て、そのまま左に向けて押圧することによって、左側の外側側壁7cで爪状部3fを撓ませつつ、中皿ホルダー7を左側に寄せることができる。これにより右側の外側側壁7cに設けた凹状部7dと突起部3eとの係合が解除されるため、段部7eを指掛かりにして中皿ホルダー7を上方に押し上げて、中皿ホルダー7を容器本体1から取り外すことができる。
【0026】
本実施形態の中皿ホルダー7は、底壁7fに取出し孔7gを設けているため、丸型中皿8の中皿底部8aは、取出し孔7gから外界に露出する。このため、例えば棒状のものを取出し孔7gに挿入することによって、中皿底部8aを押圧することができる。これにより、粘着層によって底壁7fに貼り付いていた中皿底部8aを持ち上げることができるため、中皿ホルダー7から丸型中皿8を簡単に取り外すことができる。
【0027】
このようなコンパクト容器100には、丸型中皿8だけでなく、図3に示すような矩形型中皿9を取り付けることも可能である。ここで矩形型中皿9は、矩形状の中皿底部9aと、ホルダー収容凹部3aの内周面に沿うように矩形筒状に形作られた中皿周壁部9bを備えていて、中皿底部9aと中皿周壁部9bの内側に、固形内容物を収容するための収容空間S2を区画している。図示したように矩形型中皿9は丸型中皿8よりも大型であって、収容空間S2は、丸型中皿8の収容空間S1よりも大きくなっている。すなわち、矩形型中皿9を使用する場合はより多量の固形内容物を収容することができるため、例えば固形内容物を使用する頻度が高い場合にも頻繁に矩形型中皿9を取り換える必要が無くなって好適に使用することができる。なお、中皿周壁部9bの外周面には、図3(c)に示すように、突起部3eと爪状部3fが係合する凹状部9cが設けられているため、矩形型中皿9はホルダー収容凹部3aから不用意に外れることはない。
【0028】
ところでコンパクト容器100は、ホルダー収容凹部3aと塗布具収容凹部3bを備えていて比較的大型であるため、小さい鞄に入れて持ち運ぶときなどに困ることがある。このような場合はコンパクト容器100の丸型中皿8を、図4に示すような小型のコンパクト容器500に取り付けることにより、利便性よく使用することができる。ここでコンパクト容器500は、容器本体51(ベース部材52と収容部材53で構成される)と、蓋体54(蓋体本体55と鏡56で構成される)を備えるものである。また収容部材53には、平面視で円形状をなしていて、丸型中皿8を収容できる大きさで形成された中皿収容凹部53bが設けられている。
【0029】
このように本実施形態のコンパクト容器100によれば、丸型中皿8だけでなく、より容量の大きい矩形型中皿9を取り付けることも可能である。また取り付けた丸型中皿8を、別のコンパクト容器500に取り付けることも可能である。なお、取り付け可能な中皿は、本実施形態のように丸型や矩形型に限られるものではなく、三角形型や楕円形型などその他の形状であってもよい。また、中皿ホルダー7に取り付ける中皿は、ホルダー収容凹部3aに直接取り付ける中皿に対して小型であればよく、本実施形態のように異形(丸型と矩形型)となるものに限られず、同形(例えば何れも矩形型)でもよい。
【0030】
またコンパクト容器100に取り付けた中皿ホルダー7は、蓋体4を開蓋した際に目立つ状態にあるため、これに加飾(例えば印刷や金属の蒸着など)を施すことによって、より高い意匠性を得ることができる。
【0031】
ところで、丸型中皿8に強い力や衝撃が加わると、収容した固形内容物が割れるおそれがあるが、丸型中皿8は中皿ホルダー7に保持されているため、丸型中皿8に対して直接的に強い力や衝撃が加わることがない。従って中皿ホルダー7を使用する場合は、収容した固形内容物の割れ防止の点でも優れている。
【0032】
なお、本発明にかかる中皿ホルダーは、上述した中皿ホルダー7に限られず、例えば図5に示すようなものでもよい。図5(a)に示した第一変形例の中皿ホルダー10は、薄板状の合成樹脂を使用してシート成形によって形作ったものである。また中皿ホルダー10は、外縁部は矩形状をなし、内縁部は円形状をなす天壁10aと、天壁10aの内縁部に連結する円筒状の内側側壁10bと、天壁10aの外縁部に連結する矩形筒状の外側側壁10cとを備えていて、外側側壁10cの外周面には、図2(c)に示した突起部3eと爪状部3fに係合する凹状部10dが設けられている。また凹状部10dの上方には、外側側壁10cの外周面から外側に向けて突出する段部10eが設けられている。そして内側側壁10bの下端部には、水平方向に延在する底壁10fが設けられている。なお、底壁10fの上面には、粘着層が設けられている。
【0033】
このような中皿ホルダー10も、図1に示すホルダー収容凹部3aに取り付けることができる。また中皿ホルダー10にも、上述した中皿ホルダー7のように、内側側壁10bの内側に丸型中皿8を取り付けることができる。また中皿ホルダー10は、薄板状の合成樹脂で形成されていて、底壁10fを丸型中皿8に向けて押圧すると、底壁10fが撓んで中皿底部8aを持ち上げることができるため、中皿ホルダー10から丸型中皿8を簡単に取り外すことができる。
【0034】
また図5(b)に示した第二変形例の中皿ホルダー11は、上述した中皿ホルダー7と略同一の形態になるものであって、天壁11a、内側側壁11b、外側側壁11c、凹状部11d、段部11e、底壁11fを備えている。また中皿ホルダー11は、中皿ホルダー7のように射出成形によって形作られるものであるものの、中皿ホルダー7とは異なる軟質の素材(例えばエラストマーなど)で形成される。中皿ホルダー11も、図1に示すホルダー収容凹部3aに取り付けることが可能であり、また内側側壁11bには、丸型中皿8を取り付けることができる。なお、中皿ホルダー11には、中皿ホルダー7が備える取出し孔7gが設けられていないが、軟質の素材で形成されているため、底壁11fを丸型中皿8に向けて押圧すると、底壁11fが撓んで中皿底部8aを持ち上げることができる。よって中皿ホルダー11においても、取り付けた丸型中皿8を簡単に取り外すことができる。
【0035】
そして図5(c)に示した第三変形例の中皿ホルダー12は、中皿ホルダー7と同様に、硬質の合成樹脂を使用して射出成形により形成されている。また中皿ホルダー12は、外縁部は矩形状をなし、内縁部は円形状をなす天壁12aと、天壁12aの内縁部に連結する円筒状の内側側壁12bと、天壁12aの外縁部に連結する矩形筒状の外側側壁12cとを備えていて、外側側壁12cの外周面には、図2(c)に示した突起部3eと爪状部3fに係合する凹状部12dが設けられている。また凹状部12dの上方には、段部12eが設けられている。そして内側側壁12bの下端部には、水平方向に延在する底壁12fが設けられている。また内側側壁12bは、その内周面から内側に向けて部分的に突出する凸部(被係合部)12gを備えている。なお図示は省略するが、内側側壁12bは、被係合部12gを挟んで両側が下方から上方に向けて切り欠かれていて、この部位が径方向内外に撓むようになっている。また底壁12fには、その中央部及び被係合部12gの下方にかけて広がる孔部12hが設けられていて、底壁12fの大部分は貫通されている。
【0036】
このような中皿ホルダー12には、図5(c)に示すように、上記の丸型中皿8とは別の丸型中皿13が取り付けられる。図5(c)に示すように丸型中皿13は、円板状の中皿底部13aと、内側側壁12bの内周面に沿うように円筒状に形作られた中皿周壁部13bを備えている。また中皿周壁部13bの外周面には、凹状をなし、被係合部12gに係合する係合部13cが設けられている。そして中皿底部13aと中皿周壁部13bの内側には、固形内容物を収容するための収容空間S3が区画される。このような丸型中皿13は、例えば射出成形により形成することができる。
【0037】
このような丸型中皿13を取り付けた中皿ホルダー12も、図1に示すホルダー収容凹部3aに取り付けることができる。また中皿ホルダー12から丸型中皿13を取り外すにあたっては、上述した内側側壁12bにおける撓み変形可能な部位を外側に向けて撓ませることにより、係合部13cと被係合部12gとの係合を解除することができる。その後は孔部12hから中皿底部13aを押し上げて、丸型中皿13を中皿ホルダー12から取り外すことができる。
【0038】
なお丸型中皿13は、平面視における外形が丸型中皿8と略同一であるため、上記の中皿ホルダー7、10、11にも取り付けることができる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。また、上記の実施形態における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。
【0040】
例えば丸型中皿8を中皿ホルダー7に保持しておく手段として、上記の実施形態では粘着層を設けていたが、他の手段(例えばアンダーカット)を利用してもよい。また図2(b)に示した中皿ホルダー7の取出し孔7gを、図5(a)に示す中皿ホルダー10や、図5(b)に示す中皿ホルダー11に設けてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1:容器本体
2:ベース部材
2a:本体底部
2b:本体周壁部
2c:貫通孔
2d:係止部
3:収容部材
3a:ホルダー収容凹部(凹部)
3b:塗布具収容凹部
3c:切り欠き部
3d:後側凹部
3e:突起部
3f:爪状部
4:蓋体
5:蓋体本体
5a:蓋体天壁部
5b:蓋体周壁部
5c:支持部
5d:被係止部
6:鏡
7:中皿ホルダー
7a:天壁
7b:内側側壁
7c:外側側壁
7d:凹状部
7e:段部
7f:底壁
7g:取出し孔
8:丸型中皿(他の中皿)
8a:中皿底部(底部)
8b:中皿周壁部
9:矩形型中皿(中皿)
9a:中皿底部
9b:中皿周壁部
9c:凹状部
10:中皿ホルダー
10a:天壁
10b:内側側壁
10c:外側側壁
10d:凹状部
10e:段部
10f:底壁
11:中皿ホルダー
11a:天壁
11b:内側側壁
11c:外側側壁
11d:凹状部
11e:段部
11f:底壁
12:中皿ホルダー
12a:天壁
12b:内側側壁
12c:外側側壁
12d:凹状部
12e:段部
12f:底壁
12g:被係合部
12h:孔部
13:丸型中皿(他の中皿)
13a:中皿底部(底部)
13b:中皿周壁部
13c:係合部
51:容器本体
52:ベース部材
53:収容部材
53b:中皿収容凹部
54:蓋体
55:蓋体本体
56:鏡
100:コンパクト容器
500:コンパクト容器
S1:収容空間
S2:収容空間
S3:収容空間
図1
図2
図3
図4
図5