(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】板材、板材引きちぎり方法およびサスペンション
(51)【国際特許分類】
G11B 21/21 20060101AFI20230815BHJP
B21D 28/00 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
G11B21/21 A
B21D28/00 A
(21)【出願番号】P 2019222871
(22)【出願日】2019-12-10
【審査請求日】2022-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 勝
【審査官】中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-027993(JP,A)
【文献】特開2013-186933(JP,A)
【文献】特開2000-057723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 21/21
B21D 28/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を繋ぐ被破断部分とを有し、前記被破断部分を引きちぎることで前記第1部分と前記第2部分に分離される板材であって、
前記第1部分と前記第2部分は、第1方向に並び、
前記被破断部分は、
前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ第1細部、第2細部および第3細部を有し、
前記第1細部、前記第2細部および前記第3細部の順に前記第2方向における幅が大きくな
る板材。
【請求項2】
第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を繋ぐ被破断部分とを有し、前記被破断部分を引きちぎることで前記第1部分と前記第2部分に分離される板材であって、
前記第1部分と前記第2部分は、第1方向に並び、
前記被破断部分は、
前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ第1細部、第2細部および第3細部を有し、
前記第1細部および前記第3細部よりも、前記第2細部の方が前記第2方向における幅が小さ
い板材。
【請求項3】
第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を繋ぐ被破断部分とを有し、前記被破断部分を引きちぎることで前記第1部分と前記第2部分に分離される板材であって、
前記第1部分と前記第2部分は、第1方向に並び、
前記被破断部分は、
前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ第1細部、第2細部および第3細部を有し、
前記第1細部および前記第3細部よりも、前記第2細部の方が前記第2方向における幅が大き
い板材。
【請求項4】
前記被破断部分は、
前記第1細部、前記第2細部および前記第3細部の間にそれぞれ設けられた複数の開口を有し、
前記複数の開口の前記第2方向における幅は、同じである、
請求項1乃至
3のうちいずれか1項に記載の板材。
【請求項5】
前記第1部分は、ディスク装置が備えるディスクに対するデータの書き込みおよび当該ディスクからのデータの読み取りを行うための素子を支持するサスペンションの一部であり、
前記第2部分は、複数の前記サスペンションを結合して連鎖品を形成するフレームである、
請求項1乃至
4のうちいずれか1項に記載の板材。
【請求項6】
請求項1乃至
5のうちいずれか1項に記載の板材を引きちぎる板材引きちぎり方法であって、
付勢力に抗して後退可能なパッドとパンチの間に前記第1部分を配置し、
上型と下型で前記第2部分を挟み、
前記パンチにより前記パッドを押し込むことで前記被破断部分に対し前記第1方向への引張力を作用させ、前記被破断部分を破断させる板材引きちぎり方法。
【請求項7】
ディスク装置が備えるディスクに対するデータの書き込みおよび当該ディスクからのデータの読み取りを行うための素子を支持するサスペンションであって、
ベースプレートと、
剛体部と、前記剛体部と前記ベースプレートとを接続する一対のばね部と、を含むロードビームと、
前記ロードビームに接続されるとともに前記素子が搭載されるタングを有したフレキシャと、を備え、
前記一対のばね部は、当該サスペンションの幅方向においてそれぞれ第1端辺および第2端辺を有し、
前記第1端辺および前記第2端辺の各々は、前記サスペンションの長手方向に並ぶ複数の細部と、隣り合う前記細部の間の凹部と、を有し、
前記複数の細部は、前記長手方向に並ぶ第1細部、第2細部および第3細部を含み、
前記第1細部、前記第2細部および前記第3細部の順に前記長手方向における幅が大きくなるディスク装置用サスペンション。
【請求項8】
ディスク装置が備えるディスクに対するデータの書き込みおよび当該ディスクからのデータの読み取りを行うための素子を支持するサスペンションであって、
ベースプレートと、
剛体部と、前記剛体部と前記ベースプレートとを接続する一対のばね部と、を含むロードビームと、
前記ロードビームに接続されるとともに前記素子が搭載されるタングを有したフレキシャと、を備え、
前記一対のばね部は、当該サスペンションの幅方向においてそれぞれ第1端辺および第2端辺を有し、
前記第1端辺および前記第2端辺の各々は、前記サスペンションの長手方向に並ぶ複数の細部と、隣り合う前記細部の間の凹部と、を有し、
前記複数の細部は、前記長手方向に並ぶ第1細部、第2細部および第3細部を含み、
前記第1細部および前記第3細部よりも、前記第2細部の方が前記長手方向における幅が小さいディスク装置用サスペンション。
【請求項9】
ディスク装置が備えるディスクに対するデータの書き込みおよび当該ディスクからのデータの読み取りを行うための素子を支持するサスペンションであって、
ベースプレートと、
剛体部と、前記剛体部と前記ベースプレートとを接続する一対のばね部と、を含むロードビームと、
前記ロードビームに接続されるとともに前記素子が搭載されるタングを有したフレキシャと、を備え、
前記一対のばね部は、当該サスペンションの幅方向においてそれぞれ第1端辺および第2端辺を有し、
前記第1端辺および前記第2端辺の各々は、前記サスペンションの長手方向に並ぶ複数の細部と、隣り合う前記細部の間の凹部と、を有し、
前記複数の細部は、前記長手方向に並ぶ第1細部、第2細部および第3細部を含み、
前記第1細部および前記第3細部よりも、前記第2細部の方が前記長手方向における幅が大きいディスク装置用サスペンション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばディスク装置用のサスペンションに用いられる板材、当該板材を引きちぎる板材引きちぎり方法、および当該板材を引きちぎることにより製造されるサスペンションに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータなどの情報処理装置にハードディスク装置(HDD)が使用されている。ハードディスク装置は、スピンドルを中心に回転する磁気ディスクや、ピボット軸を中心に旋回するキャリッジなどを含んでいる。キャリッジはアクチュエータアームを有し、ボイスコイルモータ等のポジショニング用モータによってピボット軸を中心にディスクのトラック幅方向に旋回する。
【0003】
上記アクチュエータアームにディスク装置用サスペンション(これ以降、単にサスペンションと称す)が取り付けられている。サスペンションは、ベースプレート、ベースプレートに連結されたロードビーム、ロードビームに重ねて配置されたフレキシャなどを含んでいる。フレキシャの先端付近に形成されたジンバル部に、磁気ヘッドを構成するスライダが設けられている。スライダには、ディスクからのデータの読み取りやディスクへのデータの書き込みを行なうための素子(トランスジューサ)が設けられている。これらロードビームやフレキシャおよびスライダなどによって、ヘッドジンバルアセンブリが構成されている。
【0004】
サスペンションの製造に際しては、効率の観点から、複数のサスペンションがフレームにより連結された連鎖品が作製される。フレームは、サスペンションの一部、例えばロードビームと一体的に繋がっている。その後、当該連鎖品において個々のサスペンションがフレームから分離される。
【0005】
フレームからサスペンションを分離するにあたっては、サスペンションの一部を上型と下型の間に挟み、パンチによってフレームを押すことにより両者の接続部分にせん断力を与える方法を用い得る。ただし、このような分離方法を実現するためにはパンチと下型とのクリアランス等に高い精度が求められ、切断装置が高額になる。また、バリやパーティクルも発生し得る。
【0006】
そこで、特許文献1においては、フレームとロードビームの被切断部分に開口と細部を交互に配置した易ちぎり部を設け、さらに当該易ちぎり部を面内方向の引張力で切断する方法が提案されている。この方法においては、上記クリアランスの精度を必ずしも高める必要がないため引きちぎり用の装置のコストを抑制できる。さらに、バリやパーティクルの発生も抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、サスペンションにおいてより高精度な加工が求められている。被切断部分が比較的厚いと上述の易ちぎり部を設けた場合でも引きちぎり時に強い振動が発生する。このような振動は、分離後のサスペンションに種々の悪影響を与え得る。
【0009】
一方で、易ちぎり部の細部を全て細くすれば引きちぎり時の振動を抑制できる。ただし、この場合にはフレームがサスペンションを支持する強度が低下するので、連鎖品を搬送する際にサスペンションの振動が増える。この振動によりサスペンションが変形し得るので、歩留まり低下の一因となる。
【0010】
このように、サスペンションをフレームから分離する方法には種々の問題が存在し、改善の余地がある。同様の問題は、サスペンション以外の製品に用いられる板材の分離に際しても生じ得る。
【0011】
そこで、本発明は、仕上がり良く被破断部分を引きちぎることが可能な板材および板材引きちぎり方法を提供すること、さらには歩留まりを改善することが可能なサスペンションを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態に係る板材は、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を繋ぐ被破断部分とを有し、前記被破断部分を引きちぎることで前記第1部分と前記第2部分に分離される。前記第1部分と前記第2部分は、第1方向に並んでいる。前記被破断部分は、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ複数の細部を有している。さらに、前記複数の細部の前記第2方向における幅が異なる。
【0013】
前記被破断部分は、前記第2方向に並ぶ第1細部、第2細部および第3細部を有してもよい。この場合において、前記第1細部、前記第2細部および前記第3細部の順に前記第2方向における幅が大きくなってもよい。他の例として、前記第1細部および前記第3細部よりも、前記第2細部の方が前記第2方向における幅が小さくてもよい。さらに他の例として、前記第1細部および前記第3細部よりも、前記第2細部の方が前記第2方向における幅が大きくてもよい。
【0014】
前記被破断部分は、隣り合う前記細部の間にそれぞれ設けられた複数の開口を有し、これら複数の開口の前記第2方向における幅が同じであってもよい。
【0015】
前記第1部分は、ディスク装置が備えるディスクに対するデータの書き込みおよび当該ディスクからのデータの読み取りを行うための素子を支持するサスペンションの一部であってもよい。この場合において、前記第2部分は、複数の前記サスペンションを結合して連鎖品を形成するフレームであってもよい。
【0016】
一実施形態に係る板材引きちぎり方法においては、付勢力に抗して後退可能なパッドとパンチの間に前記第1部分を配置し、上型と下型で前記第2部分を挟み、前記パンチにより前記パッドを押し込むことで前記被破断部分に対し前記第1方向への引張力を作用させ、前記被破断部分を破断させる。
【0017】
一実施形態に係るサスペンションは、ディスク装置が備えるディスクに対するデータの書き込みおよび当該ディスクからのデータの読み取りを行うための素子を支持するものであって、ベースプレートと、剛体部および前記剛体部と前記ベースプレートとを接続する一対のばね部を含むロードビームと、前記ロードビームに接続されるとともに前記素子が搭載されるタングを有したフレキシャと、を備えている。前記一対のばね部は、当該サスペンションの幅方向においてそれぞれ第1端辺および第2端辺を有している。前記第1端辺および前記第2端辺の各々は、前記サスペンションの長手方向に並ぶ複数の細部と、隣り合う前記細部の間の凹部と、を有している。さらに、前記複数の細部の前記長手方向における幅が異なる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る板材および板材引きちぎり方法によれば、仕上がり良く被破断部分を引きちぎることができる。また、本発明に係るサスペンションによれば、第1端辺および第2端辺を被破断部分とした製造が可能であるため、歩留まりを改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態に係るサスペンションの概略的な平面図。
【
図2】端辺近傍を拡大したばね部の概略的な平面図。
【
図3】第1実施形態に係る連鎖品の概略的な平面図。
【
図4】
図3に示す連鎖品を構成する要素の概略的な分解図。
【
図5】サスペンションの製造工程の一例を示すフローチャート。
【
図6】第1実施形態における被破断部分の概略的な平面図。
【
図7】第1実施形態における引きちぎり装置の概略的な断面図。
【
図8】引きちぎり装置を用いた引きちぎり方法を説明するための概略的な断面図。
【
図9】被破断部分が引きちぎられる様子の一例を概略的に示す平面図。
【
図10】被破断部分が引きちぎられる様子の他の例を概略的に示す平面図。
【
図11】第2実施形態に係る被破断部分の概略的な平面図。
【
図12】第3実施形態に係る被破断部分の概略的な平面図。
【
図13】第4実施形態に係る被破断部分の概略的な平面図。
【
図14】第5実施形態に係る被破断部分の概略的な平面図。
【
図15】第6実施形態に係る引きちぎり装置の概略的な断面図。
【
図16】第7実施形態に係る引きちぎり装置が備えるパンチの角部の概略的な断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
各実施形態においては、ディスク装置(HDD)のサスペンションと、その製造時に使用される板材と、当該板材の引きちぎり方法とを例示する。ただし、各実施形態と同様の構成を備える板材およびその引きちぎり方法は、サスペンション以外の部品、部材または装置やその製造工程に適用することもできる。
【0021】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るサスペンション1の概略的な平面図である。サスペンション1は、ベースプレート2と、ロードビーム3と、フレキシャ4とを備ええている。以下の説明においては、図示したように互いに直交する第1方向D1および第2方向D2を定義する。第1方向D1はサスペンション1の幅方向に相当し、第2方向D2はサスペンション1の長手方向に相当する。
【0022】
ベースプレート2には、ディスク装置のキャリッジが備えるアームにサスペンション1を取り付けるためのボス部20が設けられている。
図1の例において、ベースプレート2は、第1プレート21と、第1プレート21に重ねられた第2プレート22とを備えている。第1プレート21および第2プレート22は、例えばステンレス鋼等の金属材料によって形成され、スポット溶接により互いに連結されている。ただし、第1プレート21および第2プレート22は、元々一体であってもよい。一例として、第1プレート21および第2プレート22の厚さはそれぞれ150μmであるが、この例に限られない。
【0023】
ロードビーム3は、剛体部30と、第1ばね部31Aと、第2ばね部31Bとを備えている。剛体部30は、先端(図中左方)に向けて先細る形状を有している。剛体部30およびばね部31A,31Bは、例えばステンレス鋼等の金属材料によって形成されている。第1ばね部31Aは、第1方向D1におけるサスペンション1の一端において、剛体部30と第1プレート21のそれぞれに例えばスポット溶接によって連結されている。第2ばね部31Bは、第1方向D1におけるサスペンション1の他端において、例えばスポット溶接により剛体部30と第1プレート21のそれぞれに連結されている。ただし、剛体部30、第1ばね部31Aおよび第2ばね部31Bは、元々一体であってもよい。このような構造においては、ロードビーム3がばね部31A,31Bによりベースプレート2に対して弾性的に支持される。一例として、剛体部30の厚さは30μmであるが、この例に限られない。
【0024】
フレキシャ4は、ベースプレート2およびロードビーム3に沿って配置され、ベースプレート2およびロードビーム3に対してスポット溶接により連結されている。フレキシャ4は、例えばステンレス鋼等の金属層、配線用の銅線、およびポリイミド等の絶縁層を含む積層構造を有している。一例として、フレキシャ4の金属層の厚さは20μmであるが、この例に限られない。
【0025】
ロードビーム3と重なる位置において、フレキシャ4は、第1方向D1に並ぶ一対の配線部40A,40Bを備えている。先端側(図中左方)における配線部40A,40Bの端部には、第1方向D1に並ぶ複数の端子41が設けられている。また、端子41の近傍において、フレキシャ4は、タング42を有している。タング42には、磁気ヘッドを構成するスライダ5が搭載される。スライダ5は、ディスクからのデータの読み取りおよび当該ディスクへのデータの書き込みを行なうための素子(トランスジューサ)を含み、端子41と電気的に接続されている。
【0026】
フレキシャ4は、第1方向D1においてタング42の両外側にそれぞれ位置する一対のアウトリガー43A,43Bをさらに備えている。タング45およびアウトリガー43A,43B等によりジンバル部が構成されている。
【0027】
ロードビーム3は、第1方向D1における一端において第1端辺SAを有し、第1方向D1における他端において第2端辺SBを有している。本実施形態において、これら第1端辺SAおよび第2端辺SBはそれぞればね部31A,31Bの一部であり、第2方向D2に延びている。
【0028】
図2は、第1端辺SA近傍を拡大した第1ばね部31Aの概略的な平面図である。第1端辺SAは、第1方向D1に突出した第1細部61、第2細部62および第3細部63を有している。さらに、第1端辺SAは、第1細部61と第2細部62の間の第1凹部71と、第2細部62と第3細部63の間の第2凹部72とを有している。
【0029】
細部61乃至63は、第2方向D2において順に並んでいる。本実施形態においては、第1細部61が第2方向D2において幅W1を有し、第2細部62が第2方向D2において幅W1よりも大きい幅W2を有し、第3細部63が第2方向D2において幅W2よりも大きい幅W3を有している。これらの幅W1乃至W3は、例えば細部61乃至63の先端における幅である。他の例として、幅W1乃至W3は、細部61乃至63のそれぞれの中腹部の幅として定義されてもよいし、細部61乃至63のそれぞれにおける根本から先端までの幅の平均値として定義されてもよい。本実施形態において、幅W1乃至W3は、第1ばね部31Aの厚さの2倍以上かつ4倍以下の範囲にある。
【0030】
図2の例において、凹部71,72の第2方向D2における幅は同じである。ただし、凹部71,72の幅が異なってもよい。一例として、凹部71,72の幅は、幅W1以上かつ幅W3以下である。
【0031】
第2端辺SBの近傍における第2ばね部31Bの形状は、
図2の例と同様であるため説明を省略する。なお、端辺SA,SBが有する細部の数は3つに限られず、2つであってもよいし4つ以上であってもよい。
【0032】
続いて、サスペンション1の製造方法の一例について説明する。サスペンション1の製造時には、複数のサスペンション1が連なった連鎖品が作製される。
図3は、本実施形態に係る連鎖品100の概略的な平面図である。
図4は、連鎖品100を構成する要素の概略的な分解図である。
【0033】
連鎖品100は、
図1にも示したサスペンション1の各要素に加え、フレーム8を備えている。フレーム8は、第1方向D1に延びる連結部80と、連結部80から第2方向D2に延びる第1アーム81Aおよび第2アーム81Bとを有している。さらに、フレーム8は、後述の引きちぎり工程においてフレーム8の位置を固定するためのピン孔82A,82Bを有している。
図3および
図4の例においては、ピン孔82A,82Bがそれぞれアーム81A,81Bの先端近傍に設けられている。
【0034】
サスペンション1は、アーム81A,81Bの間に配置されている。第1アーム81Aは、第1被破断部分9A(第1端辺SA)において第1ばね部31Aに接続されている。第2アーム81Bは、第2被破断部分9B(第2端辺SB)において第2ばね部31Bに接続されている。被破断部分9A,9Bは、易ちぎり部と呼ぶこともできる。フレーム8とばね部31A,31Bは、ステンレス鋼等の金属材料によって一体的に形成されている。
【0035】
連鎖品100は、
図3に示すアーム81A,81Bおよびこれらで支持されたサスペンション1のセットを複数有している。これらセットは、例えば第1方向D1に一定の間隔をあけて並ぶ。
【0036】
図5は、サスペンション1の製造工程の一例を示すフローチャートである。サスペンション1は、部品アートワーク工程P1、曲げ加工工程P2、組み立て工程P3、引きちぎり工程P4を経て製造される。引きちぎり工程P4は、切断工程や分離工程と言うこともできる。
【0037】
部品アートワーク工程P1においては、
図4に示した各要素のうち金属製のものが、元となるプレートに対する打ち抜きやエッチング等により形成される。
【0038】
曲げ加工工程P2においては、
図4に示した各要素のうち曲げ加工が必要なものに対して適宜の方法により曲げ加工が施される。当該工程P2には、例えば剛体部30に対しスライダを支持するディンプルを形成するための加工が含まれる。
【0039】
組み立て工程P3においては、
図4に示した各要素が例えばレーザを用いたスポット溶接により組み立てられる。当該工程P3には、第1プレート21と第2プレート22の溶着、第1プレート21とばね部31A,31Bの溶着、剛体部30とばね部31A,31Bの溶着、フレキシャ4と剛体部30の溶着等が含まれる。
【0040】
引きちぎり工程P4においては、後述する引きちぎり装置200によって
図3および
図4に示した被破断部分9A,9Bを引きちぎることにより、サスペンション1がフレーム8から分離される。
【0041】
図6は、本実施形態における第1被破断部分9Aの概略的な平面図である。第1被破断部分9Aには、
図2にも示した第1細部61、第2細部62および第3細部63が設けられている。
図6の例において、これら細部61乃至63は、第1ばね部31Aと第1アーム81Aとを接続している。
【0042】
第1細部61は、第1アーム81Aと第1ばね部31Aの境界において第2方向D2に窪んだ第1ノッチ73と、第1ノッチ73に隣り合う第1開口74との間に位置している。第2細部62は、第1開口74と、第1開口74に隣り合う第2開口75との間に位置している。第3細部63は、第2開口75と、第1アーム81Aと第1ばね部31Aの境界において第2方向D2に窪んだ第2ノッチ76との間に位置している。このような第1被破断部分9Aは、例えばエッチングやプレスによって形成することができる。
【0043】
第1被破断部分9Aは、例えば鎖線で示した破断ラインLに沿って引きちぎられる。引きちぎり後においては、細部61乃至63のうち第1ばね部31A側に残る部分がそれぞれ
図2に示した第1端辺SAから突出する細部61乃至63を形成する。また、開口74,75の周縁のうち第1ばね部31A側に残る部分がそれぞれ
図2に示した凹部71,72を形成する。
【0044】
細部61乃至63の幅W1乃至W3の大小関係は上述した通りである。ただし、引きちぎり時に細部61乃至63がある程度延びるために、
図2に示した細部61乃至63の幅W1乃至W3は
図6に示したものより小さくなり得る。開口74,75の第2方向D2における幅は、例えば同じである。ノッチ73,76の第2方向D2における深さは、例えば幅W1や開口74,75の幅よりも小さい。
【0045】
図6の例において、第1ばね部31Aおよび第1アーム81Aは第1方向D1に並んでいる。また、細部61乃至63、ノッチ73,76および開口74,75は、第2方向D2に並んでいる。本実施形態において、第1ばね部31Aおよび第1アーム81Aは、それぞれ「第1部分」および「第2部分」の一例である。さらに本実施形態において、引きちぎり前の第1ばね部31Aおよび第1アーム81A(フレーム8)は、「板材」の一例である。
【0046】
図7は、本実施形態における引きちぎり装置200の概略的な断面図である。引きちぎり装置200は、上型のアッパーパッド210と、アッパーパッド210に対向する下型のダイ220と、アッパーパッド210に隣り合うパンチ230と、パンチ230に対向するロワーパッド240とを備えている。
【0047】
パンチ230は、
図7における上下方向に沿って移動可能に支持されている。ロワーパッド240は、コイルばね等の付勢部材によって弾性的に支持されている。パンチ230がロワーパッド240に向けて下降し、ロワーパッド240を押すと、ロワーパッド240が付勢力に抗して下方に後退する。
【0048】
パンチ230は、ロワーパッド240に対向するパンチ面231と、ロワーパッド240に対しアッパーパッド210側にオーバーハングしたガイド面232と、アッパーパッド210に対向する端面233と、ガイド面232および端面233の間の角部234とを有している。本実施形態においては、パンチ面231よりもガイド面232が図中上方(ロワーパッド240から離れる方向)に位置している。これにより、パンチ面231とガイド面232の間に段差235が形成されている。また、本実施形態における角部234は、断面が円弧状となるように丸められたアール部234aを有している。
【0049】
図8は、引きちぎり装置200を用いた板材引きちぎり方法を説明するための概略的な断面図である。
図3に示した連鎖品100は、ダイ220およびロワーパッド240の上に配置される。この状態において、フレーム8(第1アーム81A)がアッパーパッド210とダイ220の間に挟まれ、第1ばね部31Aおよび第1プレート21がパンチ230とロワーパッド240の間に挟まれる。第1被破断部分9Aは、段差235の近傍に位置し、少なくとも一部がガイド面232と対向している。段差235が設けられているために、第1被破断部分9Aのガイド面232と対向する部分はパンチ230によって押さえられない。
【0050】
なお、
図8の断面には表れていないが、第2アーム81Bも第1アーム81Aと同様にアッパーパッド210とダイ220の間に挟まれ、第2ばね部31Bも第1ばね部31Aと同様にパンチ230とロワーパッド240の間に挟まれる。さらに、
図3に示したピン孔82A,82Bに位置決め用のピンが通される。
【0051】
図8の例においては、パンチ230が図示した第3方向D3に押し込まれることで、第1ばね部31Aが第1アーム81Aよりも下方に位置している。パンチ230が押し込まれる際に、第1アーム81Aがアール部234aおよびガイド面232に沿って滑るとともに、アール部234aに沿って曲がる。ガイド面232近傍において、第1アーム81Aには、第1方向D1(第1ばね部31Aおよび第1アーム81Aの面内方向)と略平行な引張力Fが働く。パンチ230を十分に下降させると引張力Fが大きくなり、やがて第1被破断部分9Aが破断する。
図6に示した第1被破断部分9Aの形状においては、細部61乃至63に加わる応力が高まりやすいので、第1被破断部分9Aを効率的に破断させることができる。
【0052】
ここで、
図8に示すように第1ばね部31Aおよび第1アーム81Aの厚さをtと定義する。発明者の実験によると、SUS304で形成された第1ばね部31Aおよび第1アーム81Aの厚さtが15μm以上かつ100μm以下である場合において、
図6に示した細部61乃至63の幅W1乃至W3が厚さtの2倍を下回ると引きちぎり時における細部61乃至63の伸びが大きくなり、4倍を上回ると細部61乃至63を引きちぎりづらくなった。そこで、第1ばね部31Aおよび第1アーム81Aの厚さtが15μm以上かつ100μm以下である場合、幅W1乃至W3は厚さtの2倍以上かつ4倍以下であることが好ましい。
【0053】
さらに、
図6に示すように、開口74,75の第1方向D1における幅をW、破断ラインLとパンチ230の端面233の間の平面視における距離をDと定義する。
図6の例においては、幅Wと距離Dが実質的に同じである。
【0054】
図9および
図10は、引張力Fにより第1被破断部分9Aが引きちぎられる様子を概略的に示す平面図である。
図9の例は、第1アーム81A(フレーム8)がアッパーパッド210およびダイ220によって緩く挟み込まれている場合に相当する。この場合、第1アーム81Aが各方向D1,D2を含む面内で回転できる。そのため、パンチ230が押し込まれると幅の狭い細部61が伸びて当該面内で第1アーム81Aが傾き、細部61から細部62、細部63の順で破断する。
【0055】
一方、
図10の例は、第1アーム81A(フレーム8)がアッパーパッド210およびダイ220によって強固に挟み込まれている場合に相当する。この場合、第1アーム81Aが各方向D1,D2を含む面内で回転しないので、幅が大きいために伸びの少ない細部63から細部62,細部61の順で破断する。
【0056】
例えば、
図9および
図10のいずれの方法で第1被破断部分9Aを引きちぎるかについては、第1ばね部8Aと第1アーム81Aの材質や細部61乃至63の幅W1乃至W3等に応じて、引きちぎり後に良好な破断面を得られる一方を選択すればよい。
【0057】
なお、
図6乃至
図10において第1ばね部31Aおよび第1アーム81Aに関して述べた構成は、第2ばね部31Bおよび第2アーム81Bについても同様に適用できる。
【0058】
以上説明した本実施形態によれば、板材(フレーム8およびばね部31A,31B)を引きちぎる際に被破断部分9A,9Bが主に面内方向(第1方向D1)の引張力Fによって引きちぎられるので、被破断部分9A,9Bに曲げが殆ど働かない。これにより、引きちぎり後のバリの発生を抑制することができる。被破断部分9A,9Bには細部61乃至63が設けられているために引きちぎりが容易であり、引きちぎり後のパーティクルの発生も抑制することができる。
【0059】
仮に、被破断部分9A,9Bに細部61乃至63や開口74,75を設けない場合には、フレーム8とばね部31A,31Bが容易に引きちぎられるように被破断部分9A,9B全体の幅を小さくする必要がある。この場合には、連鎖品100におけるサスペンション1がフレーム8に対して揺れやすく、安定しない。これに対し、被破断部分9A,9Bに細部61乃至63や開口74,75を設ける場合には、引きちぎりやすさを維持しながらも被破断部分9A,9Bの幅を大きくすることができる。これにより、サスペンション1がフレーム8によって安定的に支持される。さらに、細部61乃至63や開口74,75を設けたことによって破断ラインLの位置も安定する。
【0060】
本実施形態に係る引きちぎり装置200においては、パンチ230の一部をロワーパッド240に対してオーバーハングさせたガイド面232が形成されているため、連鎖品100の材料接合時の熱影響によりサスペンション1のピッチが多少変わってもこのピッチの変化を吸収することができる。さらには、引きちぎり装置200においてはパンチ230とダイ220の間のクリアランスに高い精度は求められない。そのため、引きちぎり装置200のコストを抑制できる。
【0061】
被破断部分9A,9Bに細部61乃至63や開口74,75が設けられている場合、引きちぎり装置200により被破断部分9A,9Bに加えるべき荷重が低減される。これにより、引きちぎり装置200の小型化や省エネルギー化が容易となる。
【0062】
ばね部31A,31Bおよびフレーム8の厚さが大きいほど引きちぎり時の振動も大きくなる。例えばこれらが35μm以上の厚さを有している場合には強い振動が発生する。このような振動により、引きちぎり後のサスペンション1における各部の曲げ角度が変化したり、型内で製品がずれて傷が発生したりする可能性がある。また、引きちぎり時にばね部31A,31Bおよびフレーム8の保持が困難となり破断位置等に不具合が生じる可能性もある。これを防ぐためには、ばね部31A,31Bおよびフレーム8を保持する荷重を高めなければならず、引きちぎり装置200の各要素にも高い剛性が必要となる。さらには、振動によって引きちぎり装置200における各要素のバランスが崩れやすくなるため、メンテナンス頻度を高める必要もある。
【0063】
一方で、引きちぎり時の振動を抑制するためには、細部61乃至63を全て十分に細くすることも考えられる。しかしながらこの場合には、連鎖品100の搬送時にサスペンション1が振動しやすくなるので、サスペンション1の変形の原因となり得る。
【0064】
これらに対し、本実施形態のように細部61乃至63の幅W1乃至W3を異ならせれば、
図9および
図10に示したように細部61乃至63が順次に破断する。この場合には、引きちぎり時の振動が低減されるので、この振動に起因した上記の各問題が抑制される。さらには、細部61乃至63を全て細くする場合に比べ、連鎖品100の搬送時におけるサスペンション1の振動も抑制できる。
【0065】
本実施形態に係る板材引きちぎり方法を用いてサスペンション1を製造する場合、サスペンション1の第1端辺SAおよび第2端辺SBが
図2に示した形状を有する。他の観点から言えば、サスペンション1が
図2の形状を有することで、本実施形態に係る板材引きちぎり方法をサスペンション1の製造に適用することが可能となる。これにより、製造時のバリやパーティクルの発生を抑制してサスペンション1の歩留まりを改善することができる。
【0066】
なお、被破断部分9A,9Bの形状は、
図6に示したものに限られない。以下の第2乃至第5実施形態においては、被破断部分9A,9Bに適用し得る他の形状を例示する。
[第2実施形態]
図11は、第2実施形態に係る第1被破断部分9Aの概略的な平面図である。この図の例においては、
図6の場合よりも第2細部62の幅W2が小さい。一例として、幅W2は第1細部61の幅W1と同じである。第2被破断部分9Bに対しても同様の形状を適用できる。
【0067】
例えば、このような被破断部分9A,9Bを有する連鎖品100を
図9と同じく各方向D1,D2を含む面内でアーム81A,81Bが回転可能となるように引きちぎり装置200に配置してパンチ230を下降させる。このとき、幅W1,W2の双方が幅W3に対して十分に小さいので、
図6の場合よりもアーム81A,81Bが回転しやすくなる。
【0068】
[第3実施形態]
図12は、第3実施形態に係る第1被破断部分9Aの概略的な平面図である。この図の例においては、
図6の場合よりも第2細部62の幅W2が大きい。一例として、幅W2は第3細部63の幅W3と同じである。第2被破断部分9Bに対しても同様の形状を適用できる。
【0069】
このような被破断部分9A,9Bを有する連鎖品100を
図9と同様の方法で引きちぎろうとすると、被破断部分9A,9Bが
図6の形状を有する場合よりもアーム81A,81Bが回転しにくくなる。
【0070】
[第4実施形態]
図13は、第4実施形態に係る第1被破断部分9Aの概略的な平面図である。この図の例においては、第2細部62の幅W2が第1細部61の幅W1および第3細部63の幅W3よりも大きい。さらに、幅W1および幅W3が同じである。第2被破断部分9Bに対しても同様の形状を適用できる。
【0071】
このような被破断部分9A,9Bを有する連鎖品100を
図9と同様の方法で引きちぎろうとすると、被破断部分9A,9Bが第2方向D2における中心に関して左右対称な形状を有するので、被破断部分9A,9Bが
図6の形状を有する場合よりもアーム81A,81Bが回転しにくくなる。
【0072】
[第5実施形態]
図14は、第5実施形態に係る第1被破断部分9Aの概略的な平面図である。この図の例においては、第2細部62の幅W2が第1細部61の幅W1および第3細部63の幅W3よりも小さい。さらに、幅W1および幅W3が同じである。第2被破断部分9Bに対しても同様の形状を適用できる。
【0073】
このような被破断部分9A,9Bを有する連鎖品100を
図9と同様の方法で引きちぎろうとすると、第4実施形態と同じくアーム81A,81Bが回転しにくくなる。本実施形態のように両端の細部61,63の幅W1,W3が中央の第2細部62の幅W2よりも大きい場合には、回転抑制の効果がより顕著となる。
【0074】
以上の第1乃至第5実施形態にて開示した被破断部分9A,9Bは、引きちぎり時にアーム81A,81Bを回転させたい場合とそうでない場合とで適宜に使い分けることができる。その他にも、これら実施形態にて開示した被破断部分9A,9Bは、種々の好適な効果を奏する。各実施形態において、被破断部分9A,9Bが有する細部の数は3つに限られず、2つであってもよいし4つ以上であってもよい。
【0075】
引きちぎり装置200の構成は、
図7および
図8に示したものに限られない。以下の第6および第7実施形態においては、引きちぎり装置200に適用し得る他の形状を例示する。
[第6実施形態]
図15は、第6実施形態に係る引きちぎり装置200の概略的な断面図である。この図の例においては、パンチ面231とガイド面232が同じ高さに位置している。パンチ面231とガイド面232の間には、凹部236が形成されている。このような構成であれば、
図8に示したように引きちぎり時に被破断部分9A,9Bに加わる引張力Fを、第1方向D1とより平行にすることができる。
【0076】
[第7実施形態]
図16(a)(b)(c)は、第7実施形態に係る引きちぎり装置200が備えるパンチ230の角部234の概略的な断面図である。
図16(a)に示す角部234は、ガイド面232および端面233に対して傾いた傾斜面234bと、傾斜面234bとガイド面232の間の第1アール部234cと、傾斜面234bと端面233の間の第2アール部234dとを有している。
【0077】
図16(b)に示す角部234は、
図16(a)の例と同じく傾斜面234bを有するが、アール部234c,234dを有していない。
【0078】
図16(c)に示す角部234は、ガイド面232および端面233に対して傾いた第1傾斜面234e、第2傾斜面234fおよび第3傾斜面234gを有している。これら傾斜面234e乃至234gがガイド面232および端面233と成す角度は、互いに異なっている。ガイド面232と第1傾斜面234eの間、第1傾斜面234eと第2傾斜面234fの間、第2傾斜面234fと第3傾斜面234gの間、第3傾斜面234gと端面233の間にアール部が設けられてもよい。
【0079】
以上説明した各実施形態は、発明の範囲をこれら実施形態にて開示した構成に限定するものではない。本発明はその他の様々な形態で実施することが可能である。各実施形態にて開示した構成やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1…サスペンション、2…ベースプレート、3…ロードビーム、4…フレキシャ、5…スライダ、8…フレーム、9A,9B…被破断部、30…剛体部、31A,31B…ばね部、61乃至63…細部、71,72…凹部、73,76…ノッチ、74,75…開口、81A,81B…アーム、200…引きちぎり装置、210…アッパーパッド、220…ダイ、230…パンチ、240…ロワーパッド、SA…第1端辺、SB…第2端辺。