(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】表示パネル、表示装置及び表示方法
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20230815BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
(21)【出願番号】P 2019568151
(86)(22)【出願日】2018-12-04
(86)【国際出願番号】 CN2018119207
(87)【国際公開番号】W WO2020113428
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】孟 ▲憲▼▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲維▼
(72)【発明者】
【氏名】洪 涛
(72)【発明者】
【氏名】周 振▲興▼
(72)【発明者】
【氏名】薛 高磊
(72)【発明者】
【氏名】凌 秋雨
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼ ▲紀▼▲風▼
(72)【発明者】
【氏名】孟 ▲憲▼芹
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 小川
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106263217(CN,A)
【文献】特表2000-506998(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0049390(US,A1)
【文献】特開2006-154280(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108375840(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108919531(CN,A)
【文献】特表2015-534135(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0357100(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01 - 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、第1基板、第1マイクロレンズアレイと、ピクセルセット
アイランドアレイと、第2レンズとを備え、
前記第1マイクロレンズアレイと前記ピクセルセット
アイランドアレイは前記第1基板に位置し、
前記ピクセルセット
アイランドアレイは、複数のサブ原画像を表示するように構成され、
前記第1マイクロレンズアレイは、前記複数のサブ原画像から発光した光を収束して結像光を得るように構成され、前記結像光によって第1虚像が前記表示パネルのユーザー視認側に対向する、前記表示パネルの背面側に形成され、
前記第2レンズは、前記第1マイクロレンズアレイに対して、前記表示パネルのユーザー視認側に位置し、且つ前記結像光を収束して、第2虚像を得るように構成され、
前記第1虚像は、前記複数のサブ原画像を接合して拡大した虚像であり、前記第2虚像は、前記第1虚像の拡大虚像であり、
前記表示パネルは第3マイクロレンズアレイをさらに備え、
前記第3マイクロレンズアレイは、前記第1基板の第1側に位置し、前記第1基板の第1側が前記表示パネルのユーザー視認側に対向する前記背面側に向い、前記第3マイクロレンズアレイは、前記第1マイクロレンズアレイの環境光への偏向作用を補償するように構成されることを特徴とすることを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
前記第2レンズは、偏光レンズであり、第1偏光方向を有する入射光を変調し、前記第
1偏光方向に垂直な第2偏光方向を有する入射光を透過するように構成され、
前記ピクセルセット
アイランドアレイは、前記第1偏光方向を有する第1偏光を発光するように構
成されることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記偏光レンズは、液晶レンズ又は複屈折材料で形成されたレンズを含むことを特徴と
する請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
第1偏光板をさらに備え、
前記第1偏光板は、前記表示パネルのユーザー視認側に対向する前記背面側から入射し
た前記環境光をフィルタリングして、前記第2偏光方向を有する第2偏光を得るように構
成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第1マイクロレンズアレイと前記ピクセルセット
アイランドアレイは、前記第1偏光板と前記第2レンズとの間に位置することを特徴とする請求項4に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記ピクセルセット
アイランドアレイの表示面に、前記第1偏光方向を有する第1偏光を射出するように第2偏光板が設置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第1基板は透明基板であり、
前記ピクセルセット
アイランドアレイの表示面が前記第1マイクロレンズアレイに向いていることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1マイクロレンズアレイは透過式構造を有し、前記第1基板に垂直な方向において、前記第1マイクロレンズアレイは前記ピクセルセット
アイランドアレイと前記第2レンズとの間に位置することを特徴とする請求項7に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第1基板に垂直な方向において、前記第1マイクロレンズアレイの中心が前記第3マイクロレンズアレイの中心と揃っていることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記第1マイクロレンズアレイは複数の第1マイクロレンズを備え、前記第3マイクロレンズアレイは複数の第3マイクロレンズを備え、前記複数の第1マイクロレンズが前記複数の第3マイクロレンズと1対1で対応し、
前記第1基板に垂直な方向において、各前記第1マイクロレンズが、対応する第3マイクロレンズと重なるように設置されることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記ピクセルセット
アイランドアレイは前記第1基板の第1側に位置し、
前記第1マイクロレンズアレイは前記第1基板の第2側に位置し、前記第1基板の第2側が前記表示パネルのユーザー視認側に向い、
前記第2レンズは、前記第1マイクロレンズアレイの前記第1基板から離れる側に位置することを特徴とする請求項7又は8に記載の表示パネル。
【請求項12】
第1平坦層をさらに備え、
前記第1平坦層は、前記ピクセルセット
アイランドアレイの前記第1基板から離れる側に位置し、且つ前記ピクセルセット
アイランドアレイと前記第3マイクロレンズアレイとの間に位置することを特徴とする請求項4に記載の表示パネル。
【請求項13】
第2平坦層をさらに備え、
前記第2平坦層は、前記第3マイクロレンズアレイの前記第1平坦層から離れる側に位置し、且つ前記第3マイクロレンズアレイと前記第1偏光板との間に位置し、
前記第2平坦層の屈折率が前記第3マイクロレンズアレイの屈折率と異なることを特徴とする請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記第1マイクロレンズアレイは反射式構造を有し、前記第1基板に垂直な方向において、前記ピクセルセット
アイランドアレイは、前記第1マイクロレンズアレイと前記第2レンズとの間に位置することを特徴とする請求項7に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記第1マイクロレンズアレイは複数の第1マイクロレンズを備え、且つ前記複数の第1マイクロレンズの前記ピクセルセット
アイランドアレイから離れる表面に半透過半反射膜を有することを特徴とする請求項14に記載の表示パネル。
【請求項16】
第1偏光板を更に備え、
前記第1マイクロレンズアレイは前記第1基板の第1側に位置し、前記ピクセルセット
アイランドアレイは前記第1基板の第2側に位置し、前記第1基板の第1側が前記表示パネルのユーザー視認側に対向する前記背面側に向い、前記第1基板の第2側が前記表示パネルのユーザー視認側に向い、且つ前記第1偏光板は、前記第1マイクロレンズアレイの前記第1基板から離れる側に位置することを特徴とする請求項14又は15に記載の表示パネル。
【請求項17】
第2基板をさらに備え、
前記第2基板は、透明基板であり、前記第1基板と平行に結合され、前記第1基板よりも前記表示パネルのユーザー視認側に近く、且つ前記第2レンズが前記第2基板に設置されることを特徴とする請求項7又は8に記載の表示パネル。
【請求項18】
前記第2レンズが前記第2基板の前記第1基板に近いまたは離れる側に設置されることを特徴とする請求項17に記載の表示パネル。
【請求項19】
前記ピクセルセット
アイランドアレイは、互いに間隔があいている複数のピクセルセット
アイランドを備え、前記表示パネルの前記背面側からの前記環境光が前記ピクセルセット
アイランドの間の隙間を通過でき、前記表示パネルの前記背面側が前記表示パネルのユーザー視認側に対向し、
前記第1マイクロレンズアレイは複数の第1マイクロレンズを備え、且つ前記複数のピクセルセット
アイランドが前記複数の第1マイクロレンズと1対1で対応し、
前記表示パネルに垂直な方向において、各前記第1マイクロレンズが、対応するピクセルセット
アイランドと重なるように設置されることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項20】
前記表示パネルに垂直な方向において、前記ピクセルセット
アイランドアレイの中心が前記第1マイクロレンズアレイの中心と揃っていることを特徴とする請求項19に記載の表示パネル。
【請求項21】
各前記ピクセルセット
アイランドは複数のピクセルを備え、各前記ピクセルは、有機発光ダイオードピクセル、無機発光ダイオードピクセル又は液晶表示ピクセルであることを特徴とする請求項19又は20に記載の表示パネル。
【請求項22】
遮蔽層をさらに備え、
前記表示パネルに平行する方向において、前記遮蔽層は、隣接するピクセルセット
アイランドの間に設置され、且つ前記隣接するピクセルセット
アイランドから発光した光が互いに干渉することを防止するように構成されることを特徴とする請求項19又は20に記載の表示パネル。
【請求項23】
前記遮蔽層は複数のサブ遮蔽ユニットを備え、前記表示パネルに平行する方向において、各前記ピクセルセット
アイランドが少なくとも1つのサブ遮蔽ユニットによって部分的に取り囲まれることを特徴とする請求項22に記載の表示パネル。
【請求項24】
前記第1虚像から前記表示パネルまでの距離は、前記第2虚像から前記表示パネルまでの距離よりも小さいことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項25】
前記第1虚像は、前記複数のサブ原画像と1対1で対応する複数のサブ虚像を備え、前記結像光は複数のサブ結像光を備え、
前記第1マイクロレンズアレイは、前記複数のサブ原画像から発光した光をそれぞれ収束して前記複数のサブ結像光を得るように構成され、前記複数のサブ結像光がそれぞれ前記複数のサブ虚像として結像することができ、前記複数のサブ虚像が互いに接合されて連続的な前記第1虚像となることを特徴とする請求項24に記載の表示パネル。
【請求項26】
請求項1~25のいずれか1項に記載の表示パネルを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項27】
表示方法であって、請求項1~25のいずれか1項に記載の表示パネルに適用され、
前記ピクセルセット
アイランドアレイによって前記複数のサブ原画像を表示することと、
前記複数のサブ原画像から発光した光を収束して、前記第1マイクロレンズアレイの前記表示パネルから離れるユーザー視認側に第1虚像を形成できる結像光を得ることと、
前記結像光を収束して、第2虚像を得ることと、を含み、
前記第1虚像は、前記複数のサブ原画像を接合して拡大した虚像であり、前記第2虚像は、前記第1虚像の拡大虚像であることを特徴とする表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、表示パネル、表示装置及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
拡張現実(Augmented Reality、AR)技術は、現実世界の情報と仮想世界の情報をシームレスに統合する新たな技術であり、拡張現実技術は、現実世界の特定の時間と空間の範囲で体験するのが困難である実体情報(視覚情報、音、味、触覚等)を、コンピュータ等の技術によりシミュレートして重ね合わせ、仮想情報を現実世界に適用して、人間の感覚器官に感知させることにより、現実を超えた感覚体験を実現する。拡張表示技術は、スクリーンに仮想世界と現実世界をリアルタイムに重ね合わせて表示することができ、且つインタラクションを行うことができる。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施例は表示パネルを提供し、該表示パネルは、第1マイクロレンズアレイと、ピクセルアイランド(セット)アレイと、第2レンズとを備え、前記ピクセルアイランド(セット)アレイは、複数のサブ原画像を表示するように構成され、前記第1マイクロレンズアレイは、前記複数のサブ原画像から発光した光を収束して、前記第1マイクロレンズアレイの前記表示パネルから離れるユーザー視認側に第1虚像を形成できる結像光を得るように構成され、前記第2レンズは、前記第1マイクロレンズアレイに対して、前記表示パネルのユーザー視認側に位置し、且つ前記結像光を収束して、第2虚像を得るように構成され、前記第1虚像は、前記複数のサブ原画像を接合して拡大した虚像であり、前記第2虚像は、前記第1虚像の拡大虚像である。
【0004】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第2レンズは、偏光レンズであり、第1偏光方向を有する入射光を変調し、前記第1偏光方向に垂直な第2偏光方向を有する入射光を透過するように構成され、前記ピクセルアイランドアレイは、前記第1偏光方向を有する第1偏光を発光するように構成される。
【0005】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記偏光レンズは、液晶レンズ又は複屈折材料で形成されたレンズを含む。
【0006】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルは第1偏光板をさらに備え、前記第1偏光板は、前記表示パネルのユーザー視認側に対向する背面側から入射した環境光をフィルタリングして、前記第2偏光方向を有する第2偏光を得るように構成される。
【0007】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1マイクロレンズアレイと前記ピクセルアイランドアレイは、前記第1偏光板と前記第2レンズとの間に位置する。
【0008】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記ピクセルアイランドアレイの表示面に、前記第1偏光方向を有する第1偏光を射出するように第2偏光板が設置される。
【0009】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルは第1基板をさらに備え、前記第1基板は透明基板であり、前記第1マイクロレンズアレイと前記ピクセルアイランドアレイは前記第1基板に位置し、前記ピクセルアイランドアレイの表示面が前記第1マイクロレンズアレイに向いている。
【0010】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1マイクロレンズアレイは透過式構造を有し、前記第1基板に垂直な方向に、前記第1マイクロレンズアレイは前記ピクセルアイランドアレイと前記第2レンズとの間に位置する。
【0011】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルは第3マイクロレンズアレイをさらに備え、前記第3マイクロレンズアレイは、前記第1基板の第1側に位置し、前記第1基板の第1側が前記表示パネルのユーザー視認側に対向する背面側に向いており、且つ前記第3マイクロレンズアレイは、前記第1マイクロレンズアレイの前記環境光への偏向作用を補償するように構成される。
【0012】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1基板に垂直な方向に、前記第1マイクロレンズアレイの中心が前記第3マイクロレンズアレイの中心と揃っている。
【0013】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1マイクロレンズアレイは複数の第1マイクロレンズを備え、前記第3マイクロレンズアレイは複数の第3マイクロレンズを備え、前記複数の第1マイクロレンズが前記複数の第3マイクロレンズと1対1で対応し、
前記第1基板に垂直な方向に、各前記第1マイクロレンズが対応する第3マイクロレンズと重なるように設置される。
【0014】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記ピクセルアイランドアレイは前記第1基板の第1側に位置し、
前記第1マイクロレンズアレイは前記第1基板の第2側に位置し、前記第1基板の第2側が前記表示パネルのユーザー視認側に向いており、
前記第2レンズは、前記第1マイクロレンズアレイの前記第1基板から離れる側に位置する。
【0015】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルは第1平坦層をさらに備え、前記第1平坦層は、前記ピクセルアイランドアレイの前記第1基板から離れる側に位置し、且つ前記ピクセルアイランドアレイと前記第3マイクロレンズアレイとの間に位置する。
【0016】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルは第2平坦層をさらに備え、前記第2平坦層は、前記第3マイクロレンズアレイの前記第1平坦層から離れる側に位置し且つ前記第3マイクロレンズアレイと前記第1偏光板との間に位置し、
前記第2平坦層の屈折率が前記第3マイクロレンズアレイの屈折率と異なる。
【0017】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1マイクロレンズアレイは反射式構造を有し、前記第1基板に垂直な方向に、前記ピクセルアイランドアレイは、前記第1マイクロレンズアレイと前記第2レンズとの間に位置する。
【0018】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1マイクロレンズアレイは複数の第1マイクロレンズを備え、且つ前記複数の第1マイクロレンズの前記ピクセルアイランドアレイから離れる表面に半透過半反射膜を有する。
【0019】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1マイクロレンズアレイは前記第1基板の第1側に位置し、前記ピクセルアイランドアレイは前記第1基板の第2側に位置し、前記第1基板の第1側が前記表示パネルのユーザー視認側に対向する背面側に向いており、前記第1基板の第2側が前記表示パネルのユーザー視認側に向いており、且つ前記第1偏光板は、前記第1マイクロレンズアレイの前記第1基板から離れる側に位置する。
【0020】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルは補償層をさらに備え、前記補償層は、前記第1マイクロレンズアレイと前記第1偏光板との間に位置し、且つ前記第1マイクロレンズアレイの前記環境光への偏向作用を補償するように構成される。
【0021】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1マイクロレンズアレイは、前記補償層に直接に接触しており、且つ前記第1マイクロレンズアレイの屈折率が前記補償層の屈折率と同じである。
【0022】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルは第2基板をさらに備え、前記第2基板は、透明基板であり、前記第1基板と平行に結合され、前記第1基板よりも前記表示パネルのユーザー視認側に近く、且つ前記第2レンズが前記第2基板に設置される。
【0023】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第2レンズが前記第2基板の前記第1基板に近いまたは離れる側に設置される。
【0024】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記ピクセルアイランドアレイは、互いに間隔があいている複数のピクセルアイランドを備え、前記表示パネルの背面側からの環境光が前記ピクセルアイランドの間の隙間を通過でき、前記表示パネルの背面側が前記表示パネルのユーザー視認側に対向し、
前記第1マイクロレンズアレイは複数の第1マイクロレンズを備え、且つ前記複数のピクセルアイランドが前記複数の第1マイクロレンズと1対1で対応し、前記表示パネルに垂直な方向に、各前記第1マイクロレンズが対応するピクセルアイランドと重なるように設置される。
【0025】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記表示パネルに垂直な方向に、前記ピクセルアイランドアレイの中心が前記第1マイクロレンズアレイの中心と揃っている。
【0026】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、各前記ピクセルアイランドは複数のピクセルを備え、各前記ピクセルは、有機発光ダイオードピクセル、無機発光ダイオードピクセル又は液晶表示ピクセルであってもよい。
【0027】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルは遮蔽層をさらに備え、前記表示パネルに平行する方向に、前記遮蔽層は、隣接するピクセルアイランドの間に設置され、且つ前記隣接するピクセルアイランドから発光した光が互いに干渉することを防止するように構成される。
【0028】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記遮蔽層は複数のサブ遮蔽ユニットを備え、前記表示パネルに平行する方向に、各前記ピクセルアイランドが少なくとも1つのサブ遮蔽ユニットによって部分的に取り囲まれる。
【0029】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1虚像から前記表示パネルまでの距離は、前記第2虚像から前記表示パネルまでの距離よりも小さい。
【0030】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1虚像は、前記複数のサブ原画像と1対1で対応する複数のサブ虚像を備え、前記結像光は複数のサブ結像光を備え、
前記第1マイクロレンズアレイは、前記複数のサブ原画像から発光した光をそれぞれ収束して前記複数のサブ結像光を得るように構成され、前記複数のサブ結像光がそれぞれ前記複数のサブ虚像として結像することができ、前記複数のサブ虚像が互いに接合されて連続的な前記第1虚像となる。
【0031】
本開示の実施例は、上記のいずれか1項に記載の表示パネルを備える表示装置をさらに提供する。
【0032】
本開示の実施例は、表示方法をさらに提供し、該表示方法は、上記のいずれか1項に記載の表示パネルに適用され、
前記ピクセルアイランドアレイによって前記複数のサブ原画像を表示することと、
前記複数のサブ原画像から発光した光を収束して、前記第1マイクロレンズアレイの前記表示パネルから離れるユーザー視認側に第1虚像を形成できる結像光を得ることと、
前記結像光を収束して、第2虚像を得ることと、を含み、
前記第1虚像は、前記複数のサブ原画像を接合して拡大した虚像であり、前記第2虚像は、前記第1虚像の拡大虚像である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下では実施例の図面を簡単に説明し、明らかに、以下に記述される図面は本開示のいくつかの実施例に関するものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【
図1】
図1は、拡張現実ニアアイ表示の基本原理を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施例に係る表示パネルを示す模式的なブロック図である。
【
図3A】
図3Aは、本開示の実施例に係る表示パネルの構造を示す模式図である。
【
図3B】
図3Bは、本開示の実施例に係る別の表示パネルの構造を示す模式図である。
【
図3C】
図3Cは、本開示の実施例に係る表示パネルの結像を示す模式図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施例に係る液晶レンズの構造を示す模式図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施例に係るピクセルアイランドアレイを示す平面模式図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施例に係る複数のサブ原画像を示す模式図である。
【
図7A】
図7Aは、本開示の実施例に係る別の表示パネルの構造を示す模式図である。
【
図7B】
図7Bは、本開示の実施例に係る別の表示パネルの結像を示す模式図である。
【
図8A】
図8Aは、本開示の実施例に係るさらに別の表示パネルを示す模式図である。
【
図8B】
図8Bは、本開示の実施例に係るまたさらに別の表示パネルを示す模式図である。
【
図8C】
図8Cは、本開示の実施例に係るまたさらに別の表示パネルを示す平面模式図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施例に係る表示装置を示す模式的なブロック図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施例に係る表示方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下では本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明瞭で、完全に説明する。勿論、説明される実施例は本開示の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。説明される本開示の実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要とせずに得る全ての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0035】
特に定義しない限り、本開示で使用されている技術用語又は科学用語は当業者が理解できる通常の意味を有する。本開示で使用されている「第1」、「第2」及び類似する用語は、順序、数量又は重要性を示すものではなく、単に異なる構成要素を区別するためのものである。「備える」又は「含む」等の類似する用語は、「備える」又は「含む」の前に記載される要素又は部材が、「備える」又は「含む」の後に挙げられる要素又は部材及びそれらと同等のものをカバーし、他の要素又は部材を排除しないことを意味する。「接続」又は「連結」等の類似する用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接的又は間接的接続を問わず、電気的接続も含む。「上」、「下」、「左」、「右」等は、単に相対的な位置関係を示すために用いられ、説明される対象の絶対位置が変化すると、該相対的な位置関係もその分変化する可能性がある。
【0036】
本開示の実施例の以下の説明を明瞭で簡潔に保持するために、本開示は、既知の機能及び既知の部材の詳細な説明を省略する。
【0037】
ニアアイ表示はヘッドウェア表示又はウェアラブル表示とも呼称され、片目又は両目の視野範囲内で仮想画像を作成することができる。ニアアイ表示は航空分野、軍事分野、医療分野、デジタル化兵士システム分野、照準システム分野等に適用できる。
【0038】
拡張現実表示分野では、ピクセルアイランドの接合によってニアアイAR表示を実現することができる。
図1は拡張現実ニアアイ表示の基本原理模式図である。
図1に示されるように、ニアアイ表示パネルは、基板91、マイクロレンズアレイ90、ピクセル群アレイ92を備える。ピクセル群アレイ92は、第1ピクセル群92a、第2ピクセル群92b、第3ピクセル群92c、及び第4ピクセル群92dを備え、マイクロレンズアレイ90は、マイクロレンズ90a、マイクロレンズ90b、マイクロレンズ90c、及びマイクロレンズ90dを備え、マイクロレンズ90aは第1ピクセル群92aが表示した画像を虚像面に結像してサブ虚像93aを得て、マイクロレンズ90bは第2ピクセル群92bが表示した画像を虚像面に結像してサブ虚像93bを得て、マイクロレンズ90cは第3ピクセル群92cが表示した画像を虚像面に結像してサブ虚像93cを得て、マイクロレンズ90dは第1ピクセル群92dが表示した画像を虚像面に結像してサブ虚像93dを得る。サブ虚像93a、サブ虚像93b、サブ虚像93c、及びサブ虚像93dが接合されて連続的な虚像93となり、該虚像93は、ピクセル群アレイ92が表示した画像をマイクロレンズアレイ90を介して結像することにより得られる画像である。各マイクロレンズ(マイクロレンズ90a、マイクロレンズ90b、マイクロレンズ90c又はマイクロレンズ90d)の視場角が3°未満であるため、ニアアイ表示には、人間の目が1-2個のピクセル群が表示した画像を接合してなる虚像画面の一部しか見られず、ピクセル群アレイ92全体によって形成された画面を同時に視認できない。このような表示効果がAR表示分野で受け入れられない。
【0039】
図1に示されるように、目94が第2観察領域に位置する場合、目94は、第2観察領域に入射する光しか受けられず、すなわち、サブ虚像93bとサブ虚像93cが接合されて形成された虚像画面のみが見られ、第1観察領域と第3観察領域に入射する虚像画面の光を受けることができないため、虚像93aとサブ虚像93dが接合されて形成された虚像画面を見ることができない。
【0040】
また、ニアアイ表示の場合、被写界深度距離が1-2メートル以上であり、
図1に示されるニアアイ表示パネルにおいて、マイクロレンズの穴径が約1ミリメートルであり、穴径が1ミリメートルのマイクロレンズで1-2メートルの被写界深度距離を実現するのは不可能である。マイクロレンズの実際の結像能力評価によれば、
図1に示されるニアアイ表示パネルの最大結像被写界深度距離が10センチ未満であり、被写界深度距離が小さい。
【0041】
本開示のいくつかの実施例は表示パネル、表示装置及び表示方法を提供し、該表示パネルは第1マイクロレンズアレイによって画像を接合し、次に第2レンズを利用してニアアイ表示と深い被写界深度を実現し、それにより、より多くの虚像画面又は完全な虚像画面が見られ、且つ被写界深度が深くなる。該表示パネルは、少なくとも、高い発光効率、大きな視野、軽量化・薄型化、深い被写界深度、ピクセルアイランド集積化等の技術的特徴及び利点を有する。
【0042】
以下、図面を参照しながら本開示の実施例を詳細に説明するが、本開示は、これらの具体的な実施例に限定されるものではない。
【0043】
図2は本開示の実施例に係る表示パネルの模式的なブロック図であり、
図3Aは本開示の実施例に係る表示パネルの構造模式図であり、
図3Bは本開示の実施例に係る別の表示パネルの構造模式図であり、
図3Cは本開示の実施例に係る表示パネルの結像模式図である。
【0044】
たとえば、
図2及び
図3Aに示されるように、表示パネル100は、第1マイクロレンズアレイ10、ピクセルアイランドアレイ11、第2レンズ12を備える。ピクセルアイランドアレイ11は複数のサブ原画像を表示するように構成される。第1マイクロレンズアレイ10は、複数のサブ原画像から発光した光を収束して、第1マイクロレンズアレイ10の表示パネル100から離れるユーザー視認側Aに第1虚像を形成できる結像光を得るように構成される。
図3A~
図3Cに示されるように、第2レンズ12は、第1マイクロレンズアレイ10に対して、表示パネル100のユーザー視認側Aに位置し、すなわち、第1マイクロレンズアレイ10よりも表示パネル100のユーザー視認側Aに近く、且つ結像光36を収束して、第2虚像31を得るように構成される。第1虚像30は、複数のサブ原画像を接合して拡大した虚像であり、第2虚像31は、第1虚像30の拡大虚像であり、すなわち、第1虚像30のサイズが第2虚像31のサイズよりも小さい。
【0045】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネル100は拡張現実(AR)ディスプレイに適用でき、本開示において、ピクセルアイランドアレイ11は人間の目の前に位置し、ピクセルアイランドアレイ11が発光した光は、多層レンズ(たとえば、第1マイクロレンズアレイ10及び第2レンズ12)の光偏向作用により人間の目に直接投射し、人間の目がピクセルアイランドアレイ11の表示内容が見られるようにし、ユーザーに対して、表示パネル外側の環境光がピクセルアイランドアレイ11中の透明隙間領域から人間の目に投射することにより、人間の目が表示パネル100外側のシーンが見られるようにし、それにより、拡張現実表示の効果を実現し、導波路技術等を利用するAR表示装置に比べて、本開示の実施例に係る表示パネル100を備えるARディスプレイは、非常に高い光エネルギー利用率及び表示効果を有する。
【0046】
たとえば、
図3Cに示されるように、第1虚像30から表示パネル100までの距離は、第2虚像31から表示パネル100までの距離よりも小さく、つまり、第1虚像30の結像面が表示パネル100と第2虚像31の結像面との間に位置する。第1虚像30と第2虚像31がいずれも表示パネル100のユーザー視認側(又は内側)Aに対向する背面側(又は外側)Bに結像される。ユーザー視認側Aと背面側Bはそれぞれ表示パネル100の両側である。
【0047】
たとえば、光学結像に関して、ピクセルアイランドアレイ11が表示した複数のサブ原画像は第1マイクロレンズアレイ10の対象であり、第1虚像30は第1マイクロレンズアレイ10の画像であり、第1マイクロレンズアレイ10は複数のサブ原画像を拡大して接合し連続的な第1虚像30として結像することができる。ただし、実際に、第1虚像30は実際に結像することがない。
【0048】
それに対応して、第1虚像30は第2レンズ12の対象であり、第2虚像31は第2レンズ12の画像である。第2レンズ12は、特定の深い被写界深度位置で連続的な第1虚像30を拡大して結像して、深い被写界深度を有する虚像、すなわち、
図3Cに示される第2虚像31を得ることができ、それにより、より深い被写界深度を有する拡張現実表示の効果を実現する。第2レンズ12は、第1虚像30の光を観察領域、たとえば、人間の目で見られる視野範囲に偏向させることができ、それにより、人間の目が一部又は完全な第2虚像31が同時に見られるようにし、ニアアイ表示の技術的効果を実現する。
【0049】
たとえば、
図3Cに示されるように、第1虚像30のQ1点を例として第1マイクロレンズアレイ10と第2レンズ12の結像過程を説明する。ピクセルアイランドアレイ11中の第1ピクセルアイランド11aの一点が発光した光は、第1マイクロレンズアレイ10の第1マイクロレンズ10aを通って第1虚像30のQ1点として結像し、第1虚像30のQ1点が第2レンズ12を通って第2虚像31のQ2点として結像する。
図3Cに示されるように、第1ピクセルアイランド11aの一点が発光した第1偏光は、第1マイクロレンズ10aによって収束されて結像光36(たとえば、第1結像光)になり、第1結像光36の逆延長線が第1虚像30中のQ1点に収束することができ、第1結像光36は、第2レンズ12に入射して、第2レンズ12を通過するときに偏向し、第2レンズ12から射出された光は第2結像光37となり、第2結像光37は人間の目35に入射することができ、第2結像光37の逆延長線が第2虚像31中のQ2点に収束することができ、最終的に、人間の目35は、第2虚像31のQ2点が見られる。第1結像光36と第2結像光37はいずれも第1偏光方向を有する偏光である。
【0050】
ただし、
図3Cに示される例では、第1ピクセルアイランド11aのピクセル点から発光した光は、第1マイクロレンズ10aを通り、次に第2レンズ12を通って人間の目35に入る。
図3Cにおける矢印付きの実線は実際の光の伝搬経路を表し、破線は実際の光の逆延長線を表す。
【0051】
本開示の実施例に係る表示パネル100において、ピクセルアイランドアレイ11は画像表示の実現に使用され、第1マイクロレンズアレイ10は画像接合の実現に使用され、第2レンズ12はニアアイ表示の実現に使用され、従って、表示パネル100の視野範囲が第2レンズ12によって決められ、たとえば、表示パネル100の視野範囲が第2レンズ12の形状パラメータ(たとえば、焦点距離、口径等)によって決められる。導波路技術等を利用する従来のAR表示装置に比べて、本開示の実施例に係る表示パネル100を備えるARディスプレイは、広い視野範囲を有する。また、該表示パネル100において、第1マイクロレンズアレイ、ピクセルアイランドアレイ、第2レンズ等のデバイスは、小さな構造で製造することができ、第2レンズの物体面位置が第1虚像の位置であり、且つ第2レンズが基板に直接貼り付け又は製造することができ、それにより、該表示パネル100の一体構造は軽くて薄くなる。また、
図1に示されるニアアイ表示パネルの被写界深度がマイクロレンズの結像能力によって制限されるため、被写界深度が非常に小さく、本開示の実施例に係る表示パネル100において、第1マイクロレンズアレイ10は画像の接合の実現のみに使用され、被写界深度が第2レンズ12によって決められ、第2レンズ12の口径が比較的大きく、従って、該表示パネル100は深い被写界深度という技術的効果を有する。
【0052】
たとえば、第2レンズ12は偏光レンズであり、該偏光レンズは、たとえば、凸レンズであってもよい。第2レンズ12は、第1偏光方向を有する入射光を変調し、第1偏光方向に垂直な第2偏光方向を有する入射光を透過するように構成され、すなわち、偏光レンズは、第1偏光方向を有する偏光のみに対してレンズの作用を奏し、第2偏光方向を有する偏光に対して、板ガラスに相当する。ピクセルアイランドアレイ11は、第1偏光方向を有する第1偏光を発光するように構成され、それにより、第2レンズ12はピクセルアイランドアレイ11が発光した第1偏光を変調することができ、このようにして、ピクセルアイランドアレイ11が表示した画像は、最終的に第2レンズ12により変調される。
【0053】
たとえば、偏光レンズは、液晶レンズ又は複屈折材料で形成されたレンズ等を含む。
図4は本開示の実施例に係る液晶レンズの構造模式図である。
【0054】
液晶は二軸性結晶であり、液晶レンズは、たとえば、第1偏光方向を有する偏光のみを変調し、すなわち、第1偏光方向を有する第1偏光のみに対して変調の作用を奏し、第2偏光方向を有する第2偏光に対して、第2偏光に対する液晶レンズの液晶層の屈折率が常に短軸屈折率に等しく、すなわち、液晶レンズが平行平板に相当し、第2偏光に対して変調作用がない。また、液晶レンズの焦点距離を印加された変調信号に応じてリアルタイムに変調することができるため、最終的に人間の目で見られる被写界深度もリアルタイムに変調することができ、それにより該表示パネルは被写界深度が制御可能である技術的効果を有する。
図4に示されるように、いくつかの実施例では、液晶レンズは、液晶分子401を含む液晶セル40と、第1電極41と、第2電極42とを備えてもよい。第1電極41と第2電極42は、樹脂レンズ又はガラスレンズと同じ位相分布を得るように異なる領域の液晶分子の偏向角度を制御し、レンズを形成するように構成される。たとえば、各液晶分子の偏向程度が異なる場合、等価に形成されたレンズの焦点距離も異なり、すなわち、異なる領域の液晶分子の偏向角度を調節することによって光液晶レンズの焦点距離を調節できる。
【0055】
たとえば、液晶セル40中の各領域の液晶分子の偏向角が
図4に示されるとおりである場合、該液晶セル40、第1電極41、及び第2電極42からなる液晶レンズの等価構造が
図4に示されるレンズ43として表してもよく、たとえば、レンズ43が凸レンズである。
【0056】
たとえば、第1電極41は、互いに絶縁される複数の第1サブ電極を備え、複数の第1サブ電極がストリップ電極である。第2電極42は、1枚の板状電極を備えてもよく、ただし、複数の第2サブ電極を備えてもよく、複数の第2サブ電極はストリップ電極であり、且つ互いに絶縁され、複数の第2サブ電極は、たとえば、複数の第1サブ電極と1対1で対応する。
図4に示されるように、第1電極41と第2電極42は液晶セル40の両側に位置してもよいが、本開示は、これに限定されず、第1電極41と第2電極42は液晶セル40の同じ側に位置してもよい。本開示の第1電極41と第2電極42の形状、数及び位置等について限定がなく、該第1電極41と第2電極42が必要に応じて液晶セル40中の各液晶分子401の偏向角度を調節できればよい。
【0057】
たとえば、第1電極41と第2電極42は、いずれも透明電極である。
【0058】
たとえば、複屈折材料の屈折率が光波の偏光方向に関係し、異方性である。複屈折材料は、炭酸カルシウム結晶、石英結晶、雲母結晶、サファイア結晶等を含んでもよい。
【0059】
たとえば、
図3Aに示されるように、表示パネル100は、第1偏光板14をさらに備え、第1偏光板14の光透過軸は、たとえば、第2偏光方向に平行し、それにより環境光(すなわち、自然光)が第1偏光板14を透過した後第2偏光方向を有する偏光になり、第2偏光方向を有する偏光が第2レンズ12によって変調されず、つまり、表示パネル100全体を透過した環境光が第2レンズ12によって変調されない。さらに具体的には、第1偏光板14は、表示パネル100のユーザー視認側Aに対向する背面側Bから入射した環境光をフィルタリングして、第2偏光方向を有する第2偏光を得るように構成される。第2レンズ12は、該第2偏光に対して変調の作用がなく、すなわち、第2偏光は、第2レンズ12を透過するとき、その光路が変化せず、依然として直線に沿って伝搬し、それにより、人間の目で見られる表示パネル外側のシーンは、第2レンズ12の影響を受けて変化することがない。これにより、背面側B(すなわち、外界環境)から表示パネル100に入る環境光が変調されずに人間の目に入射し、それにより拡張現実表示の効果を実現する。該第1偏光板14は、たとえば、ワイヤーグリッド偏光層又はPVA(ポリビニルアルコール)偏光板であり、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0060】
たとえば、第1マイクロレンズアレイ10とピクセルアイランドアレイ11は第1偏光板14と第2レンズ12との間に位置する。
【0061】
たとえば、
図3A~
図3Cに示されるように、表示パネル100は第1基板101をさらに備える。第1基板101は、透明基板であり、透明基板が、たとえば、ガラス基板、プラスチック基板等であってもよい。第1マイクロレンズアレイ10、ピクセルアイランドアレイ11、及び第1偏光板14は、いずれも第1基板101に設置され、すなわち、第1基板101は支持、保護の作用を奏し、且つ第2レンズなどの他の構造も第1基板101に順に積層されて一体構造を形成するようにしてもよい。
【0062】
たとえば、第1マイクロレンズアレイ10の第1基板101での投影が第2レンズ12の第1基板101での投影内にある。第1基板101に垂直な方向、すなわち、
図3A~
図3Cに示されるX方向に、第1マイクロレンズアレイ10の中心が第2レンズ12の中心と揃っている。
【0063】
たとえば、第1基板101に垂直な方向において、第1偏光板14が第1基板101の第1側に位置し、第1基板101の第1側が表示パネル100の背面側Bに向いている。第1マイクロレンズアレイ10とピクセルアイランドアレイ11は第1偏光板14と第2レンズ12との間に位置する。ピクセルアイランドアレイ11の表示面が第1マイクロレンズアレイ10に向いており、それにより、ピクセルアイランドアレイ11が発光した光は第1マイクロレンズアレイ10に入射し、且つ第1マイクロレンズアレイ10を介して収束し、連続的な第1虚像30を形成できる結像光36を得ることができる。
【0064】
たとえば、
図3Bに示されるように、ピクセルアイランドアレイ11の表示面に、第1偏光方向を有する第1偏光を射出するように第2偏光板18が設置されてもよい。つまり、第2偏光板18はピクセルアイランドアレイ11と第1マイクロレンズアレイ10との間に設置され、第1マイクロレンズアレイ10に入射した光がピクセルアイランドアレイ11から発光した第1偏光のみであることを確保し、迷光による結像効果への干渉を防止する。たとえば、該第2偏光板18は、第1基板上に製造されたワイヤーグリッド層であってもよい。
【0065】
たとえば、
図3Bに示されるように、第2偏光板18はワンピース構造であってもよい。本開示はこれに限定されず、第2偏光板は、ピクセルアイランドアレイ11の複数のピクセルアイランドと1対1で対応する複数のサブ偏光板を備えてもよい。
【0066】
たとえば、
図3A及び
図3Bに示されるように、表示パネル100は第2基板102をさらに備えてもよい。該例では、第2基板102は第1基板101の支持機能を分担し、それにより、製造の難しさを低減させ、歩留まりを向上させる。第2基板102は、透明基板であり、第1基板101と平行するように表示パネル100のユーザー視認側Aに向かっている第1基板101の第2側に結合され、つまり、第1基板101よりも表示パネル100のユーザー視認側Aに近い。
【0067】
たとえば、
図3A及び
図3Bに示されるように、表示パネル100は第3平坦層17をさらに備えてもよく、第3平坦層17が、第1基板101と第2基板102との間に位置し、且つ第1マイクロレンズアレイ10を覆い、平坦化させる作用を奏する。ただし、第3平坦層17の屈折率が第1マイクロレンズアレイ10の各第1マイクロレンズと異なる。
【0068】
たとえば、第2レンズ12は、第2基板102に設置される。たとえば、
図3Aに示される例では、第2レンズ12は、第2基板102の第1基板101から離れる側に設置される。しかし、本開示はこれに限定されず、第2レンズ12は、第2基板101の第1基板101に接近する一側に設置されてもよく、又は、第2基板101の両側ともに1つの第2レンズ12が設置される。
【0069】
たとえば、いくつかの例では、表示パネル100は、第2基板102を備えなくてもよく、この場合、第2レンズ12も第1基板101に設置される。たとえば、第2レンズ12は、第3平坦層17の第1マイクロレンズアレイ10から離れる側に位置する。
【0070】
たとえば、
図3A及び
図3Bに示されるように、第1マイクロレンズアレイ10は複数の第1マイクロレンズを備えてもよく、複数の第1マイクロレンズが互いに隣接して設置され又は互いに離間して設置され、ピクセルアイランドアレイ11は複数のピクセルアイランドを備え、複数のピクセルアイランドも互いに離間して設置される。第1マイクロレンズの間の間隔領域がすべて透明であり、複数のピクセルアイランドの間の間隔領域もすべて透明であり、つまり、表示パネルの背面側Bからの環境光が隣接するピクセルアイランドの間の隙間を通過でき、環境光が隣接する第1マイクロレンズの間の隙間を通過することもできる。
【0071】
たとえば、第1マイクロレンズアレイ10の各第1マイクロレンズの形状、材質、屈折率等が実際の応用シーンに応じて設計されてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。第1マイクロレンズアレイ10の各第1マイクロレンズの形状、材質、屈折率等はすべて同じであってもよい。
【0072】
たとえば、ピクセルアイランドアレイ11の各ピクセルアイランドの形状とサイズ等は同じであってもよく、異なってもよい。
【0073】
たとえば、複数のピクセルアイランドは、複数の第1マイクロレンズと1対1で対応し、たとえば、第1基板101に垂直な方向において、各第1マイクロレンズは、対応するピクセルアイランドと重なるように設置される。
図3A~
図3Cに示される例では、第1マイクロレンズアレイ10は、第1マイクロレンズ10a、第1マイクロレンズ10b、第1マイクロレンズ10c、及び第1マイクロレンズ10dを備え、ピクセルアイランドアレイ11は、第1ピクセルアイランド11a、第2ピクセルアイランド11b、第3ピクセルアイランド11c、及び第4ピクセルアイランド11dを備える。第1マイクロレンズ10aが第1ピクセルアイランド11aに対応し、第1マイクロレンズ10bが第2ピクセルアイランド11bに対応し、第1マイクロレンズ10cが第3ピクセルアイランド11cに対応し、第1マイクロレンズ10dが第4ピクセルアイランド11dに対応する。
【0074】
たとえば、第1基板101に垂直な方向に、ピクセルアイランドアレイ11の中心が第1マイクロレンズアレイ10の中心と揃っており、ピクセルアイランドアレイ11のピクセルアイランドの大きさ、ピクセルアイランドの間の間隔及び各第1マイクロレンズの光学パラメータ(口径、焦点距離等を含む)を選択することにより、特定の虚像距離位置で、ピクセルアイランドアレイ11のすべてのピクセルアイランドが表示したサブ原画像を拡大して接合し連続的な第1虚像30を形成できるようにする。
【0075】
たとえば、第1基板101に垂直な方向に、各ピクセルアイランドの第1基板101での投影が対応する第1マイクロレンズの第1基板101での投影内にある。
【0076】
たとえば、第1基板101に垂直な方向に、各ピクセルアイランドの中心が対応する第1マイクロレンズの中心と揃っており、それにより、各第1マイクロレンズは、対応するピクセルアイランドが表示したサブ原画像を拡大して対応するサブ虚像にすることを確保する。
【0077】
図5は本開示の実施例に係るピクセルアイランドアレイの平面模式図である。
【0078】
たとえば、
図5に示されるように、いくつかの例では、ピクセルアイランドアレイ11は複数のピクセルアイランドを備え、複数のピクセルアイランドが4行4列で配置される。
【0079】
たとえば、各ピクセルアイランドは複数のピクセルを備え、各ピクセルは、有機発光ダイオードピクセル、無機発光ダイオードピクセル、液晶表示ピクセル、マイクロ発光ダイオード(Micro-LED)ピクセル等であってもよい。
【0080】
たとえば、本開示の実施例に係る表示パネル100はカラー表示を実現することができる。
図5に示されるように、破線の円で示されるピクセルアイランドの拡大模式図において、各ピクセルアイランドは20個のピクセルを備え、且つ該20個のピクセルが4行5列で配置される。たとえば、表示パネル100はカラー接合表示を実現することができ、各ピクセルアイランドのすべてのピクセルが同じ色の光を発光することができ、異なるピクセルアイランドが異なる色の光を発光し、たとえば、同じ行に位置する隣接する3つのピクセルアイランドはそれぞれ赤色光、青色光及び緑色光を発光し、最終的に接合して形成された第1虚像がカラー画像である。若しくは、表示パネル100は直接なカラー表示であってもよく、たとえば、各ピクセルアイランドは少なくとも第1ピクセル110、第2ピクセル111、及び第3ピクセル112を備え、且つ第1ピクセル110、第2ピクセル111、及び第3ピクセル112はそれぞれ異なる色の光を発光し、たとえば、第1ピクセル110が赤色光を発光し、第2ピクセル111が青色光を発光し、第3ピクセル112が緑色光を発光する。
【0081】
たとえば、複数のピクセルアイランドは、複数のサブ原画像と1対1で対応する。
【0082】
図6は本開示の実施例に係る複数のサブ原画像の模式図である。
【0083】
たとえば、いくつかの例では、
図6に示されるように、複数のサブ原画像は、第1サブ原画像32a、第2サブ原画像32b、第3サブ原画像32c、及び第4サブ原画像32dを備え、且つ複数のサブ原画像が一枚の完全な原画像を構成する。たとえば、第1ピクセルアイランド11aが第1サブ原画像32aを表示し、第2ピクセルアイランド11bが第2サブ原画像32bを表示し、第3ピクセルアイランド11cが第3サブ原画像32cを表示し、第4ピクセルアイランド11dが第4サブ原画像32dを表示する。
【0084】
たとえば、複数のサブ原画像の形状とサイズが同じであってもよい。たとえば、
図6に示されるように、第1サブ原画像32a、第2サブ原画像32b、第3サブ原画像32c、及び第4サブ原画像32dはいずれも長方形であり、且つサイズもすべて同じである。しかし、本開示はこれに限定されず、いくつかの例では、少なくとも一部のサブ原画像のサイズが異なり、さらに別のいくつかの例では、少なくとも一部のサブ原画像の形状が異なる。たとえば、複数のサブ原画像の形状がいずれも同じであり、たとえば、いずれも長方形であるが、少なくとも一部のサブ原画像のサイズが互いに異なる。ただし、複数のサブ原画像の数、サイズ、形状等が実際のニーズに応じて分割されてもよく、複数のサブ原画像を1枚の完全な原画像に接合することを確保できればよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0085】
たとえば、第1虚像30は、複数のサブ原画像と1対1で対応する複数のサブ虚像を備える。結像光36は複数のサブ結像光を備え、第1マイクロレンズアレイ10は、複数のサブ原画像から発光した光をそれぞれ収束して複数のサブ結像光を得るように構成され、複数のサブ結像光がそれぞれ複数のサブ虚像として結像することができ、複数のサブ虚像が互いに接合されて連続的な第1虚像30となり、第1基板101に垂直な方向に、複数のサブ虚像が互いに重なっていない。
図3Cに示されるように、いくつかの例では、複数のサブ虚像はそれぞれ第1サブ虚像30a、第2サブ虚像30b、第3サブ虚像30c、及び第4サブ虚像30dであり、第1マイクロレンズ10aは、第1ピクセルアイランド11aが表示した画像(たとえば、第1サブ原画像)から発光した光を収束して第1サブ結像光を得て、第1サブ結像光が第1サブ虚像30aとして結像することができ、第1サブ虚像30aは、第1サブ原画像の拡大虚像である。第1マイクロレンズ10bは、第2ピクセルアイランド11bが表示した画像(たとえば、第2サブ原画像)から発光した光を収束して第2サブ結像光を得て、第2サブ結像光が第2サブ虚像30bとして結像することができ、第2サブ虚像30bは、第2サブ原画像の拡大虚像である。第1マイクロレンズ10cは、第3ピクセルアイランド11cが表示した画像(たとえば、第3サブ原画像)から発光した光を収束して第3サブ結像光を得て、第3サブ結像光が第3サブ虚像30cとして結像することができ、第3サブ虚像30cは、第3サブ原画像の拡大虚像である。第1マイクロレンズ10dは、第4ピクセルアイランド11dが表示した画像(たとえば、第4サブ原画像)から発光した光を収束して第4サブ結像光を得て、第4サブ結像光が第4サブ虚像30dとして結像することができ、第4サブ虚像30dは、第4サブ原画像の拡大虚像である。たとえば、第1基板101に平行する方向、すなわち、
図3CにおけるY方向に、第1サブ虚像30a、第2サブ虚像30b、第3サブ虚像30c、及び第4サブ虚像30dが順に接合されて第1虚像30となり、第1虚像30は、ピクセルアイランドアレイ11が表示した完全な原画像の拡大虚像である。
【0086】
たとえば、いくつかの実施例では、第1マイクロレンズアレイ10は透過式構造を有し、第1基板101に垂直な方向に、第1マイクロレンズアレイ10はピクセルアイランドアレイ11と第2レンズ12との間に位置し、それにより、ピクセルアイランドアレイ11が表示中に発光した光は第1マイクロレンズアレイ10を透過して、次に第2レンズ12を通って人間の目に入射する。
【0087】
たとえば、
図3A~
図3Cに示されるように、第1基板101に垂直な方向に、ピクセルアイランドアレイ11は第1基板101の第1側に位置し、第1マイクロレンズアレイ10は第1基板101の第2側に位置し、第1基板101の第2側が表示パネル100のユーザー視認側Aに向いており、すなわち、ピクセルアイランドアレイ11の表示面が人間の目35に面する。第2レンズ12は、第1マイクロレンズアレイ10の第1基板101から離れる側に位置する。
【0088】
たとえば、
図3A~
図3Cに示されるように、表示パネル100は第3マイクロレンズアレイ13をさらに備える。第3マイクロレンズアレイ13は、第1マイクロレンズアレイ10の環境光への偏向作用を補償して、ピクセルアイランドアレイ11が発光した第1偏光に対する外部環境光のクロストークを防止するように構成される。第3マイクロレンズアレイ13は第1基板101の第1側に位置し、たとえば、第3マイクロレンズアレイ13は、ピクセルアイランドアレイ11の第1基板101から離れる側に位置する。
【0089】
たとえば、第1基板101に垂直な方向に、第1マイクロレンズアレイ10の中心が第3マイクロレンズアレイ13の中心と揃っている。
【0090】
たとえば、第3マイクロレンズアレイ13は複数の第3マイクロレンズを備え、複数の第1マイクロレンズが複数の第3マイクロレンズと1対1で対応する。たとえば、
図3A及び
図3Bに示されるように、複数の第3マイクロレンズは、第3マイクロレンズ13a、第3マイクロレンズ13b、第3マイクロレンズ13c、及び第3マイクロレンズ13dを備え、第3マイクロレンズ13aが第1マイクロレンズ10aに対応し、第3マイクロレンズ13bが第1マイクロレンズ10bに対応し、第3マイクロレンズ13cが第1マイクロレンズ10cに対応し、第3マイクロレンズ13dが第1マイクロレンズ10dに対応する。
【0091】
たとえば、第1基板101に垂直な方向に、各第1マイクロレンズは、対応する第3マイクロレンズと重なるように設置される。
図3A及び
図3Bに示されるように、第3マイクロレンズ13aは、第1マイクロレンズ10aと完全に重なっており、第3マイクロレンズ13bは、第1マイクロレンズ10bと完全に重なっており、第3マイクロレンズ13cは、第1マイクロレンズ10cと完全に重なっており、第3マイクロレンズ13dは、第1マイクロレンズ10dと完全に重なっている。
【0092】
たとえば、複数の第3マイクロレンズの形状、材質、屈折率等が実際の応用シーンに応じて設計されてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。たとえば、複数の第3マイクロレンズの形状、材質、屈折率等がいずれも同じであってもよい。
【0093】
たとえば、各第1マイクロレンズの屈折率が各第3マイクロレンズの屈折率と同じであり、すなわち、第1マイクロレンズが第3マイクロレンズと同じ材料で製造される。
【0094】
たとえば、
図3A~
図3Cに示されるように、各第1マイクロレンズが凸レンズであり、それに対応して、各第3マイクロレンズが凹レンズであってもよい。
【0095】
たとえば、該例では、環境光は第1偏光板14によってフィルタリングされた後に第2偏光方向を有する第2偏光となり、該第2偏光は第3レンズアレイ13、第1レンズアレイ10、及び第2レンズ12を順に通り、最終的に人間の目35に入射する。第3レンズアレイ13と第1レンズアレイ10の組み合わせは、第2偏光に対して平板に相当し、それにより第2偏光が第3レンズアレイ13と第1レンズアレイ10を通過した後にも、その光路が変化せず、依然として直線に沿って伝搬する。また、第2レンズ12は、該第2偏光に対して変調の作用がない。従って、第2偏光は、第3レンズアレイ13、第1レンズアレイ10、及び第2レンズ12を順に通った後、その光路が変化せず、直線に沿って伝搬し、それにより環境光はピクセルアイランドアレイ11が発光した第1偏光に干渉することがなく、且つ人間の目が表示パネル100外側のシーンを見ることができ、表示パネル100は拡張現実表示を実現することができる。
【0096】
たとえば、
図3A~
図3Cに示されるように、表示パネル100は第1平坦層15をさらに備える。第1平坦層15は、ピクセルアイランドアレイ11の第1基板101から離れる側に位置し、且つピクセルアイランドアレイ11と第3マイクロレンズアレイ13との間に位置する。第1平坦層15は、その上に第3マイクロレンズアレイ13を形成するように平坦化の作用を奏し、また、ピクセルアイランドアレイ11と第3マイクロレンズアレイ13を分離することができる。
【0097】
たとえば、第1平坦層15が絶縁材料で製造されてもよい。
【0098】
たとえば、
図3A~
図3Cに示されるように、表示パネル100は第2平坦層16をさらに備える。第2平坦層16は、第3マイクロレンズアレイ13の第1平坦層15から離れる側に位置し、且つ第3マイクロレンズアレイ13と第1偏光板14との間に位置する。
【0099】
たとえば、第2平坦層16の屈折率が第3マイクロレンズアレイ13の屈折率と異なり、それにより第3マイクロレンズアレイ13は第1マイクロレンズアレイ10の環境光への偏向作用を補償して、表示パネル100の表示効果への環境光の影響を防止することを確保する。
【0100】
たとえば、第2平坦層16も絶縁材料で製造されてもよい。
【0101】
ただし、
図3A、
図3B、
図3C、及び
図5に示されるピクセルアイランドアレイ、第1マイクロレンズアレイ、及び第3マイクロレンズアレイは、すべて例示なものであり、ピクセルアイランドアレイ、第1マイクロレンズアレイ、及び第3マイクロレンズアレイの数、配置態様、形状等は実際のニーズに応じて設計されてもよく、本開示はこれを限定しない。
【0102】
図7Aは本開示の実施例に係る別の表示パネルの構造模式図であり、
図7Bは本開示の実施例に係る別の表示パネルの結像模式図である。
【0103】
たとえば、
図7A及び
図7Bに示されるように、本開示の別のいくつかの実施例は表示パネル200を提供し、表示パネル200は、第1マイクロレンズアレイ20と、ピクセルアイランドアレイ21と、第2レンズ22とを備えてもよい。ピクセルアイランドアレイ21は複数のサブ原画像を表示するように構成され、第1マイクロレンズアレイ20は、複数のサブ原画像から発光した光を収束して、第1マイクロレンズアレイ20の表示パネル200から離れるユーザー視認側Aに第1虚像30を形成できる結像光38を得るように構成され、第2レンズ22は、第1マイクロレンズアレイ20に対して、表示パネル200のユーザー視認側に位置し、且つ結像光38を収束して、第2虚像31を得るように構成される。第1虚像30は複数のサブ原画像を接合して拡大した虚像であり、第2虚像31は第1虚像30の拡大虚像である。
【0104】
たとえば、
図7A及び
図7Bに示されるように、表示パネル100は第1基板201及び第2基板202をさらに備える。第1マイクロレンズアレイ20とピクセルアイランドアレイ21は、いずれも第1基板201に設置され、第2レンズ22は、第2基板202に設置される。
【0105】
たとえば、第1マイクロレンズアレイ20は反射式構造を有し、第1基板201に垂直な方向に、ピクセルアイランドアレイ21が第1マイクロレンズアレイ20と第2レンズ22との間に位置し、ピクセルアイランドアレイ21が表示中に発光した光は第1マイクロレンズアレイ20によって反射されて収束され、その後第2レンズ22を通って人間の目に入射する。
【0106】
たとえば、第1マイクロレンズアレイ20は複数の第1マイクロレンズを備え、ピクセルアイランドアレイ21は複数のピクセルアイランドを備える。
図7Aに示される例では、第1マイクロレンズアレイ20は、第1マイクロレンズ20a、第1マイクロレンズ20b、第1マイクロレンズ20c、及び第1マイクロレンズ20dを備え、ピクセルアイランドアレイ21は、第1ピクセルアイランド21a、第2ピクセルアイランド21b、第3ピクセルアイランド21c、及び第4ピクセルアイランド21dを備える。第1マイクロレンズ20aが第1ピクセルアイランド21aに対応し、第1マイクロレンズ20bが第2ピクセルアイランド21bに対応し、第1マイクロレンズ20cが第3ピクセルアイランド21cに対応し、第1マイクロレンズ20dが第4ピクセルアイランド21dに対応する。
【0107】
たとえば、
図7Aに示されるように、複数の第1マイクロレンズのピクセルアイランドアレイ21から離れる表面に半透過半反射膜28を有する。ピクセルアイランドアレイ21から発光した光が該半透過半反射膜28に入射したとき、ピクセルアイランドアレイ21が発光した光の一部が反射され、該反射された光(反射された光は
図7Bにおける結像光38である)は、第2レンズ22を通って収束し、最終的に人間の目に入る。ピクセルアイランドアレイ21が発光した残りの光が透過され、該透過された光は結像に参加しない。表示パネル200の背面側Bからの環境光は、半透過半反射膜28に入射したとき、一部が反射され、残りが透過され、最終的に人間の目に入射し、それにより、人間の目は外界の物体が見られる。該半透過半反射膜28は人間の目に入射する環境光を増加し、それにより透明性を向上させ、拡張現実表示の効果を向上させることができる。
【0108】
たとえば、ピクセルアイランドアレイ21と第1マイクロレンズアレイ20はそれぞれ第1基板201の両側に位置し、ピクセルアイランドアレイ21は、第1基板201の第2側に位置し、第1マイクロレンズアレイ20は、第1基板201の第1側に位置する。たとえば、第1基板201の第2側が表示パネル200のユーザー視認側Aに向いており、第1基板201の第1側が表示パネル200のユーザー視認側Aに対向する背面側Bに向いている。
【0109】
たとえば、
図7Aに示されるように、表示パネル200は、第1偏光板24をさらに備え、且つ第1偏光板24が第1マイクロレンズアレイ20の第1基板201から離れる側に位置する。第1偏光板24は、表示パネル200のユーザー視認側Aに対向する背面側Bから入射した環境光をフィルタリングして、第2偏光方向を有する第2偏光を得るように構成され、それにより、表示パネル200全体を透過した環境光が第2レンズ22によって変調されないことを確保する。
【0110】
たとえば、
図7Aに示されるように、表示パネル200は、補償層25をさらに備える。補償層25は、第1マイクロレンズアレイ20と第1偏光板24との間に位置する。補償層25は、第1マイクロレンズアレイ20を平坦化させて、第1マイクロレンズアレイ20の環境光への偏向作用を補償し、外部環境光が表示パネル200の結像効果に干渉しないことを確保する。
【0111】
たとえば、補償層25が1マイクロレンズアレイ20に直接に接触しており、第1マイクロレンズアレイ20の屈折率が補償層25の屈折率と同じである。第1マイクロレンズアレイ20と補償層25は第1偏光板24を通って入射した環境光(すなわち、第2偏光)に対して平板に相当し、従って、第2偏光は、偏向せずに第1マイクロレンズアレイ20と補償層25を通過することができ、すなわち、第2偏光は、補償層25と第1マイクロレンズアレイ20を通過した後、その光路が変化せず、依然として直線に沿って伝搬する。また、第2レンズ22は、該第2偏光に対して変調の作用がない。従って、第2偏光は、第1レンズアレイ10、補償層25及び第2レンズ22順に通った後、その光路が変化せず、直線に沿って伝搬し、それにより環境光がピクセルアイランドアレイ21から発光した第1偏光に干渉することがないことを確保し、且つ人間の目が表示パネル200外側のシーンが見られ、表示パネル200は拡張現実表示を実現することができる。
【0112】
たとえば、
図7Bに示されるように、第1虚像30のQ1点を例として第1マイクロレンズアレイ20と第2レンズ22の結像過程を説明する。ピクセルアイランドアレイ21の第1ピクセルアイランド21aの一点が発光した光は、第1マイクロレンズアレイ20の第1マイクロレンズ20aを通って第1虚像30のQ1点として結像し、第1虚像30のQ1点が第2レンズ22を通って第2虚像31のQ2点として結像する。
図7Bに示されるように、第1ピクセルアイランド21aの一点から発光した第1偏光が第1マイクロレンズ20aによって反射されて収束された後に結像光38(たとえば、第1結像光)を得て、第1結像光38の逆延長線が第1虚像30中のQ1点に収束することができ、第1結像光38は、第2レンズ22に入射して、第2レンズ22を通過するときにその光路が偏向し、第2レンズ22から射出された光は第2結像光39であり、第2結像光39は人間の目35に入射することができ、第2結像光39の逆延長線が第2虚像31中のQ2点に収束することができ、最終的に、人間の目35は第2虚像31のQ2点が見られる。第1結像光38と第2結像光39はいずれも第1偏光方向を有する偏光である。
【0113】
ただし、
図7Bに示される例では、第1ピクセルアイランド21aのピクセル点から発光した第1偏光が第1マイクロレンズ20aによって反射され、次に反射された第1偏光は第2レンズ2を通って2人間の目35に入る。
図7Bにおける矢印付きの実線は実際の光の伝搬経路を表し、破線は実際の光の逆延長線を表す。
【0114】
なお、
図7A及び
図7Bに示される第1マイクロレンズアレイ20、ピクセルアイランドアレイ21、第2レンズ22、第1基板201、第2基板202、第1偏光板24等に対する詳細な説明については、上記
図3A~
図3Cに示される実施例における第1マイクロレンズアレイ10、ピクセルアイランドアレイ11、第2レンズ12、第1基板101、第2基板102、第1偏光板14に対する関連説明を参照することができ、ここで詳しく説明しない。
【0115】
同様に、
図7A及び
図7Bに示される実施例の他の例では、第2基板がなくてもよく、それにより第2レンズ等が第1基板に直接積層して形成されてもよい。
【0116】
図8Aは本開示の実施例に係るさらに別の表示パネルの模式図であり、
図8Bは本開示の実施例に係るまたさらに別の表示パネルの模式図であり、
図8Cは本開示の実施例に係るまたさらに別の表示パネルの平面模式図である。
【0117】
一般的には、ピクセルアイランドアレイ21の各ピクセルから発光した光が-90°~+90°の範囲で伝搬し、すなわち、ピクセルアイランドから発光した光の発散角が大きく、隣接するピクセルアイランドから発光した光が互いに影響する可能性がある。たとえば、1つのピクセルアイランドから発光した光の一部が該ピクセルアイランドに対応しない第1マイクロレンズの領域に入り、この光が干渉光となり、該ピクセルアイランドに対応しない第1マイクロレンズの結像効果に影響を与え、最終的に拡張現実表示の視覚効果に影響を与える。以下では
図7A及び
図7Bに示される表示パネルを例として説明する。
【0118】
図8Aに示されるように、第1マイクロレンズ20aは、第1ピクセルアイランド21aが表示した画像から発光した光を収束して第1サブ結像光を得て、第1サブ結像光が第1サブ虚像30aとして結像することができ、第1マイクロレンズ20bは、第2ピクセルアイランド21bが表示した画像から発光した光を収束して第2サブ結像光を得て、第2サブ結像光が第2サブ虚像30bとして結像することができ、第1マイクロレンズ20cは、第3ピクセルアイランド21cが表示した画像から発光した光を収束して第3サブ結像光を得て、第3サブ結像光が第3サブ虚像30cとして結像することができ、第1マイクロレンズ20dは、第4ピクセルアイランド21dが表示した画像から発光した光を収束して第4サブ結像光を得て、第4サブ結像光が第4サブ虚像30dとして結像することができる。ピクセルアイランドから発光した光の発散角が大きすぎるため、たとえば、第2ピクセルアイランド21bから発光した光45の一部が第1マイクロレンズ20aに伝送され、この光45が第1マイクロレンズ20aで収束された第1サブ結像光と第1サブ虚像30aを形成し、これにより光45は第1サブ虚像30aに影響をもたらす。第2ピクセルアイランド21bから発光した残りの光46が第1マイクロレンズ20cに伝送され、この光46が第1マイクロレンズ20cで収束された第3サブ結像光と第3サブ虚像30cを形成し、これにより光46は第3サブ虚像30cに影響をもたらす。
【0119】
ただし、本開示の実施例では、「画像から発光した光」は該画像を表示するピクセルアイランドの各ピクセルから発光した光を表す。
【0120】
これに基づいて、本開示のいくつかの実施例では、
図8Bに示されるように、表示パネル200は遮蔽層27をさらに備え、表示パネルに平行する方向、すなわち、第1基板201に平行する方向に、遮蔽層27は隣接するピクセルアイランドの間に設置され、且つ隣接するピクセルアイランドから発光した光が互いに干渉することを防止するように構成される。遮蔽層27は、ピクセルアイランドから発光した光の発散角を制限することができ、それにより隣接するピクセルアイランドから発光した光が互いに干渉することを防止し、迷光を低減させて、結像効果及び視覚効果を向上させる。
【0121】
たとえば、遮蔽層27は複数のサブ遮蔽ユニットを備え、表示パネルに平行する方向、すなわち、第1基板201に平行する方向に、各ピクセルアイランドが少なくとも1つのサブ遮蔽ユニットによって部分的に取り囲まれる。
図8Bに示されるように、各ピクセルアイランドが2つのサブ遮蔽ユニットによって取り囲まれ、それにより、たとえば、第2ピクセルアイランド21bから発光した光47の発散角が制限され、該光47がすべて第2ピクセルアイランド21bに対応する第1マイクロレンズ20bに伝送され、隣接するピクセルアイランド(たとえば、第1ピクセルアイランド21a及び第3ピクセルアイランド21c)に対応する第1マイクロレンズ(たとえば、第1マイクロレンズ20a及び第1マイクロレンズ20c)に伝送されない。
【0122】
たとえば、遮蔽層27の形状、厚さ、材料等は実際の応用のニーズに応じて設計されてもよく、遮蔽層27は異なるピクセルアイランドから発光した光が互いに干渉することを防止できればよく、本開示はこれを限定しない。たとえば、遮光層27の各サブ遮光ユニットが長方形柱であってもよい。遮蔽層27は非透光性材料で製造されてもよく、該非透光性材料は、たとえば、深色(たとえば、黒色)樹脂であってもよく、又は、遮蔽層27は偏光板であってもよく、且つ遮蔽層27の光透過軸が、たとえば、第1偏光方向に互いに垂直であり、それによりピクセルアイランドアレイ11から発光した第1偏光方向を有する第1偏光は遮光層27を透過することができない。
【0123】
たとえば、
図8Cに示されるように、いくつかの例では、各ピクセルアイランドが4つのサブ遮蔽ユニットによって取り囲まれる。遮蔽層27は、第1サブ遮蔽ユニット27a、第2サブ遮蔽ユニット27b、第3サブ遮蔽ユニット27c、及び第4サブ遮蔽ユニット27dを備えてもよく、第1サブ遮蔽ユニット27a、第2サブ遮蔽ユニット27b、第3サブ遮蔽ユニット27c、及び第4サブ遮蔽ユニット27dが第1ピクセルアイランド21aの周囲を取り囲み、それにより、第1方向と第2方向に、第1ピクセルアイランド21aから発光した光が全て他のピクセルアイランドに対応する第1マイクロレンズに伝送されないことを確保する。たとえば、第1方向が第2方向に垂直である。
図8Cに示されるように、第1方向には、隣接する2つのピクセルアイランドの間に2つのサブ遮光ユニットが設置され、第2方向には、隣接する2つのピクセルアイランドの間にも2つのサブ遮光ユニットが設置され、本開示はこれに限定されず、たとえば、別のいくつかの例では、第1方向には、隣接する2つのピクセルアイランドの間に1つのみのサブ遮光ユニットが設置されてもよく、第2方向には、隣接する2つのピクセルアイランドの間にも1つのみのサブ遮光ユニットが設置されてもよい。
【0124】
ただし、
図3A~
図3Cに示される表示パネル100は遮蔽層を備えてもよく、それにより異なるピクセルアイランドから発光した光が互いに干渉することを防止する。
【0125】
上記示される本発明の実施例の図において、表示パネルのユーザー視認側に位置する1つの第2レンズのみが示されているが、結像の作用を実現するために、ユーザー視認側に複数の第2レンズを設置してもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0126】
本開示の実施例は表示装置をさらに提供し、
図9は本開示の実施例に係る表示装置の模式的なブロック図である。
図9に示されるように、表示装置900は、表示パネル901を備え、該表示パネル901が上記実施例のいずれか1つに記載の表示パネルであってもよい。
【0127】
たとえば、表示装置900は拡張現実表示装置であってもよく、拡張現実表示装置はヘッドウェアディスプレイ、たとえば、ARメガネ等を含んでもよい。
【0128】
ただし、表示装置900の他の構成部分(たとえば、制御装置、画像データ符号化/復号装置、プロセッサ等)を備えることは当業者にとって理解すべきものであり、ここで詳しく説明せず、本開示に対する制限と見なされるべきではない。
【0129】
本開示の実施例は表示方法をさらに提供し、該表示方法は上記実施例のいずれか1つに記載の表示パネルに適用できる。
図10は本開示の実施例に係る表示方法のフローチャートであり、
図11Aは
図10に示される表示方法におけるステップS20の結像模式図であり、
図11Bは
図10に示される表示方法におけるステップS30の結像模式図である。
【0130】
たとえば、
図10に示されるように、表示方法は以下のステップを含む。
S10:ピクセルアイランドアレイによって複数のサブ原画像を表示する。
S20:複数のサブ原画像から発光した光を収束して、第1マイクロレンズアレイの表示パネルから離れるユーザー視認側に第1虚像を形成できる結像光を得る。
S30:結像光を収束して、第2虚像を得る。
【0131】
たとえば、ステップS10では、実際のニーズに応じて、ピクセルアイランドアレイの各ピクセルアイランドがサブ原画像を表示するように制御し、複数のサブ原画像は、1枚の完全な原画像を構成する。
【0132】
たとえば、第1虚像は、複数のサブ原画像を接合して拡大した虚像である。
【0133】
たとえば、ステップS20では、結像光は複数のサブ結像光を備え、第1マイクロレンズアレイ20の複数の第1マイクロレンズはそれぞれ、複数のサブ原画像から発光した光をそれぞれ収束して複数のサブ結像光を得て、複数のサブ結像光がそれぞれ複数のサブ虚像として結像することができ、複数のサブ虚像が接合されて連続的な第1虚像となる。
図11Aに示されるように、第1マイクロレンズアレイ20は、第1マイクロレンズ20a、第1マイクロレンズ20b、第1マイクロレンズ20c、及び第1マイクロレンズ20dを備え、ピクセルアイランドアレイ21は、第1ピクセルアイランド21a、第2ピクセルアイランド21b、第3ピクセルアイランド21c、及び第4ピクセルアイランド21dを備える。第1ピクセルアイランド21aは、第1サブ原画像を表示し、第1マイクロレンズ20aは、第1サブ原画像から発光した光を収束して第1サブ結像光を得て、第1サブ結像光が第1サブ虚像30aを形成することができ、第1サブ虚像30aは、第1サブ原画像の拡大虚像である。第2ピクセルアイランド21bは、第2サブ原画像を表示し、第1マイクロレンズ20bは、第2サブ原画像から発光した光を収束して第2サブ結像光を得て、第2サブ結像光が第2サブ虚像30bを形成することができ、第2サブ虚像30bは、第2サブ原画像の拡大虚像である。第3ピクセルアイランド21cは、第3サブ原画像を表示し、第1マイクロレンズ20cは第3サブ原画像から発光した光を収束して第3サブ結像光を得て、第3サブ結像光が第3サブ虚像30cを形成することができ、第3サブ虚像30cは第3サブ原画像の拡大虚像である。第4ピクセルアイランド21dは第4サブ原画像を表示し、第1マイクロレンズ20dは第4サブ原画像から発光した光を収束して第4サブ結像光を得て、第4サブ結像光が第4サブ虚像30dを形成することができ、第4サブ虚像30dは第4サブ原画像の拡大虚像である。第1サブ虚像30a、第2サブ虚像30b、第3サブ虚像30c、及び第4サブ虚像30dが接合され、連続的な第1虚像30が得られ、第1虚像30は、ピクセルアイランドアレイ21が表示した完全な原画像の拡大虚像である。
【0134】
たとえば、
図11Aに示されるように、表示パネルは第1マイクロレンズアレイ20の外部環境光への偏向作用のバランスを取るための補償層25をさらに備える。
【0135】
たとえば、ステップS30では、第2レンズは結像光を収束して、第2虚像を得て、第2虚像は、第1虚像の拡大虚像である。
図11Bに示されるように、第2レンズ22は液晶フラットレンズであってもよく、ピクセルアイランドアレイ21から発光した第1偏光が第1マイクロレンズアレイ20によって反射されて収束され、反射された第1偏光は第2レンズ22に入射し、反射された第1偏光は、第2レンズ22を通過するときにその光路が偏向し、それにより第2レンズ22を通って射出された光は、人間の目35に伝送でき、最終的に人間の目35は完全な第2虚像31が見られる。たとえば、
図11Bに示されるように、表示パネルは、表示パネルのユーザー視認側に対向する背面側から入射した環境光をフィルタリングして、第2偏光方向を有する第2偏光を得るための第1偏光板24をさらに備え、第2レンズ22は該第2偏光に対して変調の作用がなく、それにより、表示パネル全体を透過した環境光が第2レンズ22によって変調されず、拡張現実表示の表示効果を確保できる。
【0136】
本開示については、以下の点を説明する必要がある。
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例に関する構造のみに関するものであり、他の構造が通常の設計を参照することができる。
(2)矛盾しない場合、本開示の実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせて新たな実施例を得ることができる。
【0137】
以上は、本開示の具体的な実施形態にすぎず、本開示の保護範囲はそれに限定されず、本開示の保護範囲は請求項の保護範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0138】
10 第1マイクロレンズアレイ
11 ピクセルアイランドアレイ
12 第2レンズ
13 第3マイクロレンズアレイ
14 第1偏光板
15 第1平坦層
16 第2平坦層
17 第3平坦層
18 第2偏光板
20 第1マイクロレンズアレイ
21 ピクセルアイランドアレイ
22 第2レンズ
24 第1偏光板
25 補償層
27 遮蔽層
28 半透過半反射膜
30 第1虚像
31 第2虚像
35 目
36 結像光
38 第1結像光
39 第2結像光
40 液晶セル
41 第1電極
42 第2電極
43 レンズ
45 光
46 光
47 光
90 マイクロレンズアレイ
91 基板
92 ピクセル群アレイ
93 虚像
94 目
100 表示パネル
101 第1基板
102 第2基板
110 第1ピクセル
111 第2ピクセル
112 第3ピクセル
200 表示パネル
201 第1基板
202 第2基板
401 液晶分子
900 表示装置
901 表示パネル