(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】バッテリー、及び前記バッテリーを有する電気機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/188 20210101AFI20230815BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20230815BHJP
H01M 50/109 20210101ALI20230815BHJP
H01M 50/181 20210101ALI20230815BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20230815BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20230815BHJP
H01M 50/153 20210101ALI20230815BHJP
H01M 50/56 20210101ALI20230815BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20230815BHJP
H01M 50/193 20210101ALI20230815BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20230815BHJP
【FI】
H01M50/188
H01M50/531
H01M50/109
H01M50/181
H01M50/586
H01M50/593
H01M50/153
H01M50/56
H01M50/548 201
H01M50/193
H01M50/184 E
(21)【出願番号】P 2020518626
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(86)【国際出願番号】 CN2020074482
(87)【国際公開番号】W WO2021155560
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2020-03-31
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513054978
【氏名又は名称】寧徳新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningde Amperex Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xingang Road, Zhangwan Town, Jiaocheng District, Ningde City, Fujian Province, 352100, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】郭 培培
(72)【発明者】
【氏名】張 国文
【審査官】多田 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-046639(JP,A)
【文献】中国実用新案第204289638(CN,U)
【文献】特開2019-029225(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0079431(US,A1)
【文献】中国実用新案第207381439(CN,U)
【文献】特開昭56-156666(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102018200159(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/10-50/198
H01M50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一電極シートと、第二電極シートと、前記第一電極シートと前記第二電極シートとの間に設けられた絶縁膜とを備えるバッテリーセル、及び前記バッテリーセルを収容するための筐体アセンブリを備えるボタンバッテリーであって、
前記バッテリーセルは、第一タブをさらに備え、
前記ボタンバッテリーは、絶縁部材及び導電部材を備え、前記絶縁部材と前記導電部材とが積層配置され、前記筐体アセンブリの同じ側に位置し、
前記絶縁部材は、前記筐体アセンブリと前記導電部材との間に接続され、
前記筐体アセンブリには、第一通孔が設けられ、
前記絶縁部材には、前記第一通孔と連通する第二通孔が設けられ、
前記第一タブの一方端は、前記第一電極シートに電気的に接続され、
前記第一タブの他方端は、前記導電部材に電気的に接続され、
前記筐体アセンブリは、第一筐体
及び第二筐体をさらに備え、
前記第一筐体は、前記バッテリーセルを収容するための収納空間を限定し、
前記第一筐体は、底部と、前記底部を囲むように設けられた側壁とを有し、前記底部と前記側壁とは一体的に設けられ、前記第二筐体は、平板構造であり、前記底部に対向するように設けられ、かつ前記側壁に接続され、
前記第一通孔は、前記第二筐体に配置され、
前記バッテリーセルは、前記第一タブの極性とは異なる極性を有する第二タブをさらに含み、
前記第二タブは、前記
底部または前記側壁に電気的に接続され、
前記筐体アセンブリには、電解液を注入するための注液孔が設けられ、
前記導電部材の厚み方向において、前記第一タブの少なくとも一部は、前記筐体アセンブリと前記バッテリーセルとの間に介在され
、
前記絶縁部材及び前記導電部材それぞれは、前記筐体アセンブリ内に位置することを特徴とするボタンバッテリー。
【請求項2】
前記導電部材は、前記第二通孔を覆い、前記バッテリーセルを前記筐体アセンブリ内に密封することを特徴とする請求項1に記載のボタンバッテリー。
【請求項3】
前記導電部材は、前記絶縁部材を介して前記筐体アセンブリに接着されることを特徴とする請求項1に記載のボタンバッテリー。
【請求項4】
前記絶縁部材の材質は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、フッ素ゴム中の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載のボタンバッテリー。
【請求項5】
前記絶縁部材の材料は、非極性ポリオレフィンと、非極性ポリオレフィン内に位置する絶縁粒子とを含むことを特徴とする請求項4に記載のボタンバッテリー。
【請求項6】
前記絶縁部材の厚さは、0.01mm-0.3mmであり、
前記導電部材の厚さは、0.1mm-2mmであることを特徴とする請求項1に記載のボタンバッテリー。
【請求項7】
前記第二通孔及び前記第一通孔の中心軸が一致し、
前記第二筐体への前記第二通孔の投影が完全に前記第一通孔内に配置されるか、或いは前記第二筐体への前記第二通孔の投影が前記第一通孔を覆うことを特徴とする請求項
1に記載のボタンバッテリー。
【請求項8】
前記第二通孔及び前記第一通孔の中心軸は一致せず、
前記第二筐体への前記第二通孔の投影が完全に前記第一通孔内に配置されるか、或いは前記第二筐体への前記第二通孔の投影が前記第一通孔を覆うことを特徴とする請求項
1に記載のボタンバッテリー。
【請求項9】
前記絶縁部材の幅は、前記第二筐体の幅より小さく、
前記導電部材の幅は、前記絶縁部材の幅より小さいことを特徴とする請求項
1に記載のボタンバッテリー。
【請求項10】
前記第二タブは、前記第二電極シートに電気的に接続され、
前記第一電極シート及び前記第二電極シートが、積層或いは捲回して前記バッテリーセルを形成することを特徴とする請求項1に記載のボタンバッテリー。
【請求項11】
前記第一通孔及び前記第二通孔の形状は、円形であり、
前記第一通孔及び前記第二通孔の孔径が100mmを超えないことを特徴とする請求項1に記載のボタンバッテリー。
【請求項12】
第一電極シートと、第二電極シートと、前記第一電極シートと前記第二電極シートとの間に設けられた絶縁膜とを備えるバッテリーセル、及び前記バッテリーセルを収容するための筐体アセンブリを備えるボタンバッテリーであって、
前記バッテリーセルは、第一タブをさらに備え、
前記ボタンバッテリーは、絶縁部材及び導電部材を備え、前記絶縁部材と前記導電部材とが積層配置され、前記筐体アセンブリの一方側に位置し、
前記絶縁部材は、前記筐体アセンブリと前記導電部材との間に接続され、
前記筐体アセンブリには、第一通孔が設けられ、
前記絶縁部材には、前記第一通孔と連通する第二通孔が設けられ、
前記第一タブの一方端は、前記第一電極シートに電気的に接続され、
前記第一タブの他方端は、前記導電部材に電気的に接続され、
前記筐体アセンブリの他方側には、前記筐体アセンブリに積層配置された導電部材が設けられておらず、
前記筐体アセンブリは、第一筐体及び第二筐体をさらに備え、
前記第一筐体は、前記バッテリーセルを収容するための収納空間を限定し、前記第一筐体は、底部と、前記底部を囲むように設けられた側壁とを有し、前記底部と前記側壁とは一体的に設けられ、前記第二筐体は、平板構造であり、前記底部に対向するように設けられ、かつ前記側壁に接続され、
前記第一通孔は、前記第二筐体に配置され、
前記バッテリーセルは、前記第一タブの極性とは異なる極性を有する第二タブをさらに含み、
前記第二タブは、前記底部または前記側壁に電気的に接続され、
前記筐体アセンブリには、電解液を注入するための注液孔が設けられ、
前記導電部材の厚み方向において、前記第一タブの少なくとも一部は、前記筐体アセンブリと前記バッテリーセルとの間に介在され
、
前記絶縁部材及び前記導電部材それぞれは、前記筐体アセンブリ内に位置することを特徴とするボタンバッテリー。
【請求項13】
第一電極シートと、第二電極シートと、前記第一電極シートと前記第二電極シートとの間に設けられた絶縁膜とを備えるバッテリーセル、及び前記バッテリーセルを収容するための筐体アセンブリを備えるボタンバッテリーであって、
前記バッテリーセルは、第一タブをさらに備え、
前記ボタンバッテリーは、絶縁部材及び導電部材を備え、前記絶縁部材と前記導電部材とは略平板状であり、前記筐体アセンブリの同じ側に積層して設けられ、
前記絶縁部材は、前記筐体アセンブリと前記導電部材との間に接続され、
前記筐体アセンブリには、第一通孔が設けられ、
前記絶縁部材には、前記第一通孔と連通する第二通孔が設けられ、
前記第一タブの一方端は、前記第一電極シートに電気的に接続され、
前記第一タブの他方端は、前記導電部材に電気的に接続され、
前記筐体アセンブリは、第一筐体及び第二筐体をさらに備え、
前記第一筐体は、前記バッテリーセルを収容するための収納空間を限定し、前記第一筐体は、底部と、前記底部を囲むように設けられた側壁とを有し、前記底部と前記側壁とは一体的に設けられ、前記第二筐体は、平板構造であり、前記底部に対向するように設けられ、かつ前記側壁に接続され、
前記第一通孔は、前記第二筐体に配置され、
前記バッテリーセルは、前記第一タブの極性とは異なる極性を有する第二タブをさらに含み、
前記第二タブは、前記底部または前記側壁に電気的に接続され、
前記筐体アセンブリには、電解液を注入するための注液孔が設けられ、
前記導電部材の厚み方向において、前記第一タブの少なくとも一部は、前記筐体アセンブリと前記バッテリーセルとの間に介在され
、
前記絶縁部材及び前記導電部材それぞれは、前記筐体アセンブリ内に位置することを特徴とするボタンバッテリー。
【請求項14】
電気機器であって、
前記電気機器は、請求項1から
13のいずれか1項に記載のボタンバッテリーを備えることを特徴とする電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、バッテリー、及び前記バッテリーを有する電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリーは、その携帯性により広く歓迎されており、携帯型電子機器やその他の分野で広く使用される。バッテリーには、通常、筐体、トップカバー、バッテリーセルなどを含むことが分かっている。前記バッテリーセルは前記筐体的内部に位置し、前記トップカバーは前記筐体の上端の開口部に位置する。前記トップカバーを通してポストが挿入され、前記ポストが前記バッテリーセルに電気的に接続して外部電源を実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ただし、設置要件を満たすために、従来技術のポストは「工」中国文字型に設定する必要があり、つまり、ポスト本体と、前記ポスト本体の両側に位置するポストプレートを備え、2つの前記ポストプレートは、それぞれ前記トップカバーの2つの表面に設置される。前記ポストと前記トップカバーとの間を電気的に絶縁して、2つの記ポストプレートと前記トップカバーとの間にそれぞれ1層の絶縁パッドの層が必要である。したがって、前記トップカバーは、前記トップカバーに垂直な方向に沿って、前記ポストが設置された位置に2層のポストプレートと2層の絶縁パッドを追加して4層の厚さになって、前記トップカバーの全体の厚さが増大され、エネルギー密度が損失する。
【0004】
以上の問題点に鑑みて、バッテリーのエネルギー密度を高めるバッテリーを提供することを目的とする。また、前記バッテリーを有する電気機器も提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願に提供されるバッテリーは、バッテリーセル、及び前記バッテリーセルを収容するための筐体アセンブリを備え、前記バッテリーセルは、第一タブを備える。前記バッテリーは、絶縁部材及び導電部材を備え、前記絶縁部材は、前記筐体アセンブリと前記導電部材との間に接続される。前記筐体アセンブリには、第一通孔が設けられ、前記絶縁部材には、前記第一通孔と連通する第二通孔が設けられ、前記第一タブは、前記導電部材に電気的に接続される。
【0006】
本出願の一実施形態において、前記導電部材は、前記第二通孔を覆い、前記バッテリーセルを前記筐体アセンブリ内に密封する。
【0007】
本出願の一実施形態において、前記導電部材は、前記絶縁部材を介して前記筐体アセンブリに接着される。
【0008】
本出願の一実施形態において、前記絶縁部材の材質は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、フッ素ゴム中の少なくとも1種を含む。
【0009】
本出願の一実施形態において、前記絶縁部材の材料は、非極性ポリオレフィンと、非極性ポリオレフィン内に位置する絶縁粒子とを含む。
【0010】
本出願の一実施形態において、前記絶縁部材及び前記導電部材それぞれは、前記筐体アセンブリ内に位置する。
【0011】
本出願の一実施形態において、前記絶縁部材及び前記導電部材それぞれは、前記筐体アセンブリの外部に位置する。
【0012】
本出願の一実施形態において、前記絶縁部材の的厚さは、0.01mm-0.3mmであり、前記導電部材の厚さは、0.1mm-2mmである。
【0013】
本出願の一実施形態において、前記筐体アセンブリは、第一筐体及び第二筐体を備え、前記バッテリーセルを収容するための収納空間を限定し、前記第二筐体が前記第一筐体に接続されて前記収納空間を閉塞し、前記第一通孔は、前記第二筐体に配置される。本出願の一実施形態において、前記第二通孔及び前記第一通孔の中心軸が一致し、前記第二筐体への前記第二通孔の投影が完全に前記第一通孔内に配置されるか、或いは前記第二筐体への前記第二通孔の投影が前記第一通孔を覆う。
【0014】
本出願の一実施形態において、前記第二通孔及び前記第一通孔の中心軸は一致せず、前記第二筐体への前記第二通孔の投影が完全に前記第一通孔内に配置されるか、或いは前記第二筐体への前記第二通孔の投影が前記第一通を覆う。
【0015】
本出願の一実施形態において、前記絶縁部材の幅は、前記第二筐体の幅より小さく、前記導電部材の幅は、前記絶縁部材の幅より小さい。
【0016】
本出願の一実施形態において、前記バッテリーセルは、前記バッテリーセルの極性とは異なる極性を有する第二タブをさらに含み、前記第二タブは、前記第一筐体に電気的に接続される。
【0017】
本出願の一実施形態において、前記バッテリーセルは、第一電極シート及び第二電極シートを備え、前記第一タブ及び前記第二タブそれぞれは、前記第一電極シート及び前記第二電極シートに電気的に接続され、前記第一電極シート及び前記第二電極シートが、積層或いは捲回して前記バッテリーセルを形成する。
【0018】
本出願の一実施形態において、前記第一通孔及び前記第二通孔の形状は、円形であり、前記第一通孔及び前記第二通孔の孔径が100 mmを超えない。
【0019】
本出願に提供される電気機器は、前記バッテリーを備える。
【発明の効果】
【0020】
本出願では、前記導電部材が設置され、且つ将前記第一タブが前記導電部材に電気的に接続され、外部電気接続部材が前記導電部材に接続された後、前記第一タブの極性が前記筐体アセンブリに引き出す。したがって、前記導電部材は、従来技術のポストを置き換える。従来技術において、ポストの設置により筐体アセンブリの厚さをさらに4層増加させる必要がある場合と比較して、この出願に記載された前記筐体アセンブリは、絶縁部材及び導電部材の厚さを2層のみ増加させるため、前記筐体アセンブリの厚さが減少し、バッテリーの全体面積が同じである場合、バッテリーのエネルギー密度を増加させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本出願の一実施形態に係る電バッテリーの概略構造図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した第二筐体、絶縁部材及び導電部材の断面図である。
【
図5】
図5は、別の実施形態における
図1示したバッテリーの断面図である。
【
図6】
図6は、別の実施形態における
図1示したバッテリーの筐体アセンブリの断面図である。
【
図7】
図7は、別の実施形態における
図1示したバッテリーの筐体アセンブリの断面図である。
【
図8】
図8は、本出願の別の実施形態によるバッテリーの断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る電気機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、添付図面を参照しながら本発明の実施形態の技術的解決策を明確かつ完全に説明する。ただし、以下で説明する実施形態は、本発明の実施形態の全部というよりもむしろ一部にすぎない。当業者が本開示の実施形態に基づいて何ら創造的努力を行わずに取得する他のあらゆる実施形態は、本発明の保護範囲に該当する。
【0023】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本出願の本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明を限定することを意図しない。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。矛盾がない場合、以下の実施形態および実施形態の特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0025】
図1から4を参照すると、本出願の実施形態にはバッテリー100を提供し
、バッテリー100は、バッテリーセル10と、バッテリーセル10を収容する筐体アセンブリ20を備える。バッテリーセル10は、第一タブ101を備える。バッテリー100は、絶縁部材30及び導電部材40を備え、絶縁部材30は、筐体アセンブリ20と導電部材40との間に接続される。筐体アセンブリ20には、第一通孔210が設けられ、絶縁部材30には、第一通孔210に連通する第二通孔300が設けられ、第一タブ101は、導電部材40に電気的に接続される。
【0026】
本出願では、導電部材40が設置され、且つ将第一タブ101が導電部材40に電気的に接続され、外部電気接続部材が導電部材40に接続された後、第一タブ101の極性が筐体アセンブリ20に引き出す。したがって、導電部材40は、従来技術のポストを置き換える。従来技術において、ポストの設置により筐体アセンブリの厚さをさらに4層増加させる必要がある場合と比較して、この出願に記載された筐体アセンブリ20は、絶縁部材30及び導電部材40の厚さを2層のみ増加させるため、筐体アセンブリ20の厚さが減少し、バッテリー100の全体面積が同じである場合、バッテリー100のエネルギー密度を増加させる。続いて、圧壊試験中にポストがバッテリー100の電極シートを突き刺すことを防止し、それにより短絡の危険を回避する。
【0027】
図1から
図4を参照すると、導電部材40は、第二通孔300を覆い、バッテリーセル10を筐体アセンブリ20内に密封する。もちろん、本出願の他の実施形態では、導電部材は第二通孔を覆わなくてもよく、バッテリーが他の構成要素によって密封される。
【0028】
図3に示すように、本実施形態において,導電部材40は、絶縁部材30を介して筐体アセンブリ20に接着され、すなわち、絶縁部材30は、導電部材40及び筐体アセンブリ20に電気的に絶縁され、絶縁部材30は接着性を有しており、導電部材40を筐体アセンブリ20に固定する。したがって、導電部材40は、筐体アセンブリ20の第一通孔210を封止して、筐体アセンブリ20の封止性を確保する。
【0029】
また、絶縁部材30の材質は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、フッ素ゴム中の少なくとも1種を含む。絶縁部材30の材料は、非極性ポリオレフィンと、非極性ポリオレフィン内に位置する絶縁粒子とを含む。絶縁粒子は、絶縁部材30の全体的な絶縁性能を確保するために使用される。非極性ポリオレフィンは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、或いはエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)から選択された少なくとも1種である。絶縁粒子の粒子径は、0.001mm-0.3mmであってよい。
【0030】
別の実施形態では、絶縁部材30は、ヒートシール、溶接、射出成形などを介して筐体アセンブリ20に接続され、導電部材40は、溶接プロセスを介して絶縁部材30に接続される。
【0031】
図3に示すように、本実施形態では、絶縁部材30及び導電性部材40それぞれは、筐体アセンブリ20内に配置される。したがって、筐体アセンブリ20の全体形状を平坦にし、バッテリー100の外形形状をより規則的にして、導電部材40と筐体アセンブリ20の頂面とに高低差があり、これにより、外部短絡の発生を防止する。このとき、第一通孔210及び第二通孔300を介して外部電気接続部材を導電部材40に接続させ、第一タブ101の極性を筐体アセンブリ20に引き出す。
【0032】
図5に示すように、別の実施形態では、絶縁部材30および導電部材40それぞれは、筐体アセンブリ20の外部に配置される。通常の動作中に、バッテリー100が筐体アセンブリ20内部でガスを生成して、内圧が増加される。内圧が所定の値を超えると、導電部材40が打ち抜かれ、筐体アセンブリ20から分離されて、圧力解放の目的が達成され、バッテリー100の爆発を防止し、バッテリー100の安全性を確保する。このとき、第一タブ101は、第一通孔210及び第二通孔300を介して導電部材40に電気的に接続され、外部電気接続部材が導電部材40に接続された後、第一タブ101の極性が筐体アセンブリ20に引き出す。
【0033】
図4に示すように、本実施形態では、絶縁部材30の厚さT1は、0.01mm~0.3mmであり、0.15mmが好ましい。導電性部材40の厚みT2は、0.1mm~2mmであり、0.15mmが好ましい。絶縁部材30及び導電部材40の厚さは比較的に薄いので、バッテリー100の全体の厚さを減らすことに有利である。
【0034】
また、絶縁部材30の幅W1および導電部材40の幅W2は、いずれも1000mm以下である。導電部材40の幅W2は、絶縁性部材30の幅W1よりも小さくてもよい。絶縁部材30および導電部材40は、実質的に平板であり、それぞれ2つの互いに平行な平面に沿って延びる。幅W1は、絶縁部材30が位置する平面に沿った任意の方向上の幅である。幅W2は、導電部材40が位置する平面に沿った同一方向上の幅である。
【0035】
本実施形態において、絶縁部材30の形状は、円形、矩形、楕円形、三角形、多角形などであってもよい。導電部材40の形状は、円形、矩形、楕円形、三角形または多角形であってもよい。導電部材40の形状は、絶縁部材30の形状と同じであっても異なっていてもよい。
【0036】
導電部材40の材質は、金属であってもよい。例えば、導電部材40の材質は、鋼合金、アルミニウム合金、鉄合金、銅合金、ニッケル合金等であってもよい。導電部材40は、鉄―炭素合金(すなわち、ステンレス鋼)またはアルミニウムで作られる。
【0037】
図3に示すように、本実施形態において、筐体アセンブリ20は、第一筐体22及び第二筐体21を備え、第一筐体22は、バッテリーセル10を収容するための収納空間220を限定し、第二筐体21が第一筐体22に接続されて収納空間220を閉塞し、第一通孔210は、第二筐体21に配置される。このとき、第二筐体21及び導電部材40との間には、絶縁部材30が接続される。
【0038】
また、絶縁部材30の幅W1は、第二筐体21の幅W3よりも小さくてもよい。第二筐体21は、実質的に平坦であり、前記絶縁部材30に平行な平面に沿って延びる。前記幅W1は、前記絶縁部材30が配置される面に沿った任意の方向上の幅であり、前記幅W3は、前記第二筐体21が配置される面に沿った同方向上の幅である。
【0039】
図6および
図7に示すように、別の実施形態では、第一通孔210は、第一筐体22の任意の位置に配置されてもよい。このとき、絶縁部材30は、第一筐体22と導電部材40との間に接続される。第一筐体22は、底部22a、及び底部22aを囲むように設置された側壁22bを備え、第二筐体21は、第一筐体22の底部22aと対向するように設置される。
図6に示すように、第一通孔210は、第一筐体22の底部22aに位置してもよい。
図7に示すように、第一通孔210は、第一筐体22の側壁22bに配置されてもよい。
【0040】
第一筐体2の材料は、金属であってもよい。例えば、第一筐体22の材質は、鋼合金、アルミニウム合金、鉄合金、銅合金、ニッケル合金等であってもよい。第一筐体22の材料はステンレス鋼である。第一筐体22の材料は、電解質腐食に対して耐性のあるプラスチックであってもよい。例えば、第一筐体22の材料は、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリイミド(PI)、アクリロニトリル―スチレン―ブタジエン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)などである。第一筐体22材料はポリプロピレンである。第一筐体22の材料は、セラミックであってもよい。
【0041】
第二筐体21の材質は、金属であってもよい。例えば、前記第二筐体21の材質は、鋼合金、アルミニウム合金、鉄合金、銅合金、ニッケル合金等であってもよい。前記第二筐体21の材料はステンレス鋼である。前記第二筐体21の材料は、電解質腐食に対して耐性のあるプラスチックであってもよい。例えば、第二筐体21の材料は、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、アクリロニトリル―スチレン―ブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミドなどである。第二筐体21の材料はポリプロピレンである。第二筐体21の材料もセラミックであってよい。
【0042】
第一筐体22及び第二筐体21の断面は、円形、矩形、楕円形、三角形、または多角形であってもよい。
【0043】
準備中、第一筐体22及び第二筐体21は、レーザ切断および工作機械加工などのプロセスを使用して所望の形状に形成されてもよい。また、第一筐体22は、プレス成形によって、凹部(すなわち、収納空間)が形成される。第一筐体22及び第二筐体21とは、溶接、係合などによって接続されてもよい。
【0044】
本実施形態において,バッテリー100は、ボタンバッテリーであり、第一筐体22及び第二筐体211の材質はステンレス鋼であり、第一筐体22及び第二筐体21は、溶接プロセスによって接続される。
【0045】
また、第一筐体22の幅は1000mmを超えず、第一筐体22の高さは1000mmを超えない。
図4を参照すると、第二筐体21の幅W3は1000mmを超えず、第二筐体21の厚さT3は100mmを超えない。
【0046】
再び
図4を参照すると、本実施形態では、第二通孔300及び第一通孔210の中心軸が一致し、第二筐体21への第二通孔300の投影は、完全に第一通孔210内に配置される。別の実施形態では、第二筐体21への第二通孔300の投影は、第一通孔210を覆ってもよい。
【0047】
別の実施形態では、第二通孔300及び第一通孔210の中心軸は一致せず、第二筐体21への第二通孔300の投影が完全に第一通孔210内に配置されるか、或いは第二筐体21への第二通孔300の投影が第一通孔210を覆っていてもよい。
【0048】
図1および
図2に示すように、本実施形態では、第一通孔210及び第二通孔300の形状は円形であり、第一通孔210及び第二通孔300的孔径は、100mmを超えない。第一通孔210及び第二通孔300的孔径は、約12mmであり、導電部材40が第二通孔300を覆い、したがって導電部材40の幅W2は、第二通孔300の孔径よりも大きい。また、絶縁部材30の幅W1は、第一通孔210の孔径よりも大きい。他の実施形態では、第一通孔210及び第二通孔300の形状は、円形に限定されず、矩形、楕円形、三角形、または多角形などであってもよい。
【0049】
図3および
図5に示すように、本実施形態では、バッテリーセル10は、バッテリーセル10の極性とは異なる極性を有する第二タブ102をさらに含み、第二タブ102は、第一筐体22に電気的に接続される。第一筐体22及び第二筐体21が溶接プロセスによって接続され、筐体アセンブリ20は、全体として、第二タブ102と同じ極性を示す。第一タブ101は、導電部材40に電気的に接続され、導電部材40は第一タブ101と同じ極性を示す。導電部材40と第二筐体21との間は、絶縁部材30を介して電気的に絶縁されて、導電部材40とケース組立体20とが逆極性を示す。
【0050】
本実施形態では、第一タブ101は正極タブであり、第2のタブ102は負極タブである。第二タブ102は、溶接プロセスによって第一筐体22に電気的に接続され、第一タブ101は、溶接プロセスによって導電部材40に電気的に接続される。
【0051】
もちろん、別の実施形態では、第二タブ102は、第二筐体21に電気的に接続されて、導導電部材40と筐体アセンブリ20とが逆極性を示す。
【0052】
図3および
図5に示すように、本実施形態において、バッテリーセル10は、第一電極シート11及び第二電極シート12を備え、第一タブ101及び第二タブ102それぞれは、第一電極シート11及び第二電極シート12に電気的に接続される。具体的には、第一電極シート11は、第一集電体、及び第一集電体に形成された第一活物質層を含む。第二電極シート12は、第二集電体、及び第二集電体に形成された第二活物質層を含む。第一タブ101及び第二タブ102それぞれは、溶接プロセスによって第一集電体及び第二集電体に電気的に接続される。第一電極シート11と第二電極シート12とが積層されて、バッテリーセル10が形成される。具体的には、第一電極シート11と第二電極シート12との間にさらに絶縁膜(図示せず)を設けてもよい。
【0053】
図1および
図2に示すように、本実施形態では、第二筐体21には、注液孔(図示せず)が設けられており、注液孔から電解液を注入する。注液孔には、注液プラグ211が設けられており、注液プラグ211は、注液孔211を封止して、注液された電解液の漏れやバッテリー内部への異物混入を防止することができる。もちろん、注液孔は、第一筐体22に設けられていてもよい。
【0054】
図8を参照すると、本出願の別の実施形態は、バッテリー200を提供し、バッテリー200は、捲回型バッテリーであり、すなわち、前記第一電極シート11及び前記第二電極シート12が捲回して前記バッテリーセル10を形成する点がバッテリー100と異なる。
【0055】
図9を参照すると、本出願は、電気機器1をさらに提供し、電気機器1は、上述のバッテリー100或いはバッテリー200を含む。電気機器1は、スマートフォンのような家電製品であってもよい。他の実施形態では、電気機器1は電動工具、エネルギー貯蔵装置、動力装置などであってもよい。例えば、電気機器1は、電気自動車であってもよい。
【0056】
以上に開示されたものは本出願の好適な実施例だけであり、当然、これによって本出願を限定することができなく、従って本出願に基づいて行われた同等の変更は依然として本出願が包含する範囲に属する。
【符号の説明】
【0057】
1 電気機器
10 バッテリーセル
11 第一電極シート
12 第二電極シート
20 筐体アセンブリ
21 第二筐体
22 第一筐体
22a 底部
22b 側壁
30 絶縁部材
40 導電部材
100,200 バッテリー
101 第一タブ
102 第二タブ
210 第一通孔
211 注入プラグ
220 収納空間
300 第二通孔
T1,T2,T3 厚さ
W1,W2,W3 幅