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  • 特許-開閉装置シャッタ用メンテナンスラッチ 図1
  • 特許-開閉装置シャッタ用メンテナンスラッチ 図2
  • 特許-開閉装置シャッタ用メンテナンスラッチ 図3A
  • 特許-開閉装置シャッタ用メンテナンスラッチ 図3B
  • 特許-開閉装置シャッタ用メンテナンスラッチ 図3C
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】開閉装置シャッタ用メンテナンスラッチ
(51)【国際特許分類】
   H02B 11/24 20060101AFI20230815BHJP
   H02B 1/14 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
H02B11/24 B
H02B1/14 A
H02B11/24 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020541974
(86)(22)【出願日】2019-01-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2019051401
(87)【国際公開番号】W WO2019149560
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】1801656.8
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ウィレム ラマース
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-223779(JP,A)
【文献】実開昭58-070013(JP,U)
【文献】国際公開第2017/045838(WO,A1)
【文献】特開平10-327512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 11/24
H02B 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路遮断器(9)などの物体を収納するための開閉装置ハウジング(1)であって、
-例えば高電圧コネクタ(14、15)にアクセスするためのアクセス開口部を有する壁(5)と、
-少なくとも1つのシャッタプレート(10、11)であって、前記シャッタプレート(10、11)が前記開口部を覆う閉位置と、前記シャッタプレート(10、11)が前記開口部を露出させる開位置との間で前記壁(5)に平行に移動可能である、少なくとも1つのシャッタプレート(10、11)と、
-前記少なくとも1つのシャッタプレートを前記閉位置に向けて付勢するための付勢手段と、
-回路遮断器(9)などの物体が前記ハウジング(1)内に移動されるときに、前記シャッタプレート(10、11)を前記閉位置から前記開位置に操作するための操作機構(12、13)と、
-前記アクセス開口部を有する前記壁(5)に垂直な方向に付勢されかつラッチ位置と非ラッチ位置との間で前記垂直な方向に移動可能である、前記壁(5)に取り付けられた少なくとも1つのラッチ(16)と、を備え、前記ラッチ(16)の経路と前記シャッタプレート(10、11)の経路とが交差し、それにより、前記ラッチ(16)が、前記ラッチ位置において、前記開位置から前記閉位置への前記シャッタプレート(10、11)の移動を阻止することを特徴とする、開閉装置ハウジング(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのラッチ(16)が、ガイド(18、19、20)に沿って案内されるフック形状要素(17)と、前記フック形状要素(17)を前記非ラッチ位置に向けて付勢するためのばね手段(21、22)と、を備える、請求項1に記載の開閉装置ハウジング(1)。
【請求項3】
前記フック形状要素(17)が、J形状断面を有し、前記J形状断面の頂部が、前記ガイド(18、19、20)に対して配置され、前記J形状断面の底部が、ラッチ位置において前記シャッタプレート(10、11)の周りをつかむ、請求項2に記載の開閉装置ハウジング(1)。
【請求項4】
前記フック形状要素(17)が、前記ラッチおよび非ラッチ位置の両方において前記アクセス開口部を有する前記壁(5)と平行に、かつ前記壁(5)から離間して延在する、少なくとも1つの突出部(23、24)を備える、請求項2または3に記載の開閉装置ハウジング(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのラッチ(16)が、前記閉位置と前記開位置との間の前記シャッタプレート(10、11)の中間位置において前記シャッタプレート(10、11)の移動を阻止し、前記中間位置は、前記シャッタプレート(10、11)がさらに前記開位置に向かって移動するとき、前記少なくとも1つのラッチ(16)が自動的にその非ラッチ位置に戻されるような位置である、請求項1~4のいずれか一項に記載の開閉装置ハウジング(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのラッチ(16)が、ばね仕掛けであり、前記ばね仕掛けが、前記少なくとも1つのラッチ(16)を自動的にその非ラッチ位置に戻すように付勢する、請求項5に記載の開閉装置ハウジング(1)。
【請求項7】
前記ハウジング(1)が、底壁(2)、前記底壁の側面に沿って配置された側壁(4、5、6、7)、および前記側壁(4、5、6、7)の頂部に配置された頂壁(3)を備え、前記側壁(4、5、6、7)のうちの1つは前記アクセス開口部を有する前記壁(5)であり、1つの側壁(6)は、例えばドアのような(8)、前記ハウジング(1)内に移動される物体(9)のアクセスのために取り外し可能である、請求項1~のいずれか一項に記載の開閉装置ハウジング(1)。
【請求項8】
前記アクセス開口部を有する前記壁(5)が、前記取り外し可能な壁(6、8)の反対側に配置されている、請求項に記載の開閉装置ハウジング(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路遮断器などの物体を収納するための開閉装置ハウジングに関し、開閉装置ハウジングは、
-例えば高電圧コネクタへのアクセスのためのアクセス開口部を有する壁と、
-シャッタプレートが開口部を覆う閉位置とシャッタプレートが開口部を露出させる開位置との間で壁に平行に移動可能な少なくとも1つのシャッタプレートと、
-少なくとも1つのシャッタプレートを閉位置に向けて付勢するための付勢手段と、
-回路遮断器などの物体がハウジング内に移動されるときに、シャッタプレートを閉位置から開位置に操作するための操作機構と、を備える。
【0002】
そのような開閉装置ハウジングは、例えば、操作機構によって操作されるシャッタプレートを有する開閉装置ハウジングを示すWO2017/045838から知られている。引き出し可能な回路遮断器が開閉装置ハウジング内にラック入れされるとき、シャッタプレートを閉位置から開位置に操作するように、かつ回路遮断器が壁に配置されたアクセス開口部の背後に位置付けられた高電圧コネクタに接続できるように、操作機構が作動される。
【0003】
回路遮断器が開閉装置ハウジングから引き出されるとき、操作機構は、シャッタプレートが、アクセス開口部を覆う、したがって高電圧コネクタを覆う閉位置に移動することを可能にする。
【0004】
したがって、回路遮断器が開閉装置ハウジングから完全に取り外されるとき、高電圧コネクタはシャッタプレートによって安全に覆われ、そのため、開閉装置ハウジングが空で開いているときに保守担当者に危険はない。
【0005】
また、EP3016223は、壁のアクセス開口部を覆うためのシャッタプレートを有する開閉装置ハウジングを開示している。この刊行物では、2つのシャッタプレートが提供されており、開くときに一方は上に移動し、他方は下に移動する。回路遮断器などの引き出し可能な物体の動きに反応してシャッタを操作するためのロッドシステムが提供されている。
【0006】
場合によっては、メンテナンス中に壁のアクセス開口部にアクセスする必要があり、これは通常、シャッタプレートで覆われている。この目的のために、保守担当者は通常、手でシャッタプレートを閉位置から開位置に移動し、付勢手段がシャッタプレートを再び閉じるのを防ぐために何らかのツールを配置する。
【0007】
メンテナンスが完了したら、開閉装置ハウジングを再び使用できるようになる前、例えば、回路遮断器を再びラック入れすることができる前にツールを取り外す必要がある。ツールを忘れた場合、ツールは、回路遮断器がラック入れされるときに回路遮断器を損傷するか、シャッタプレートの動きがツールによって無効になる可能性があり、そのため、後で回路遮断器を取り外して開閉装置ハウジングを開くと、保守担当者に対して重大なリスクにつながる可能性がある。
【0008】
したがって、本発明の目的は、上述の不利な点を低減するか、または除去さえすることである。
【0009】
この目的は、アクセス開口部を有する壁に垂直な方向に、かつラッチ位置と非ラッチ位置との間で移動可能な少なくとも1つのラッチによって特徴付けられる、前文に従う開閉装置ハウジングによって達成され、ここで、ラッチの経路とシャッタプレートの経路とは交差し、それにより、ラッチは、ラッチ位置において、シャッタプレートの開位置から閉位置への移動を阻止する。
【0010】
シャッタプレートの動きを阻止するように特別に設計されたラッチを開閉装置ハウジング内に配置することによって、回路遮断器などの物体が開閉装置ハウジングに戻されたときに、ラッチがラッチ位置のままである場合、物体が損傷され得ないことが保証される。
【0011】
本発明による開閉装置ハウジングの好ましい実施形態では、少なくとも1つのラッチが、ガイドに沿って案内されるフック形状要素と、フック形状要素を非ラッチ位置に向けて付勢するばね手段とを備える。
【0012】
この実施形態を用いて、ラッチは、保守担当者によってガイドに沿って引き出され、シャッタプレートの動きを阻止することができる。メンテナンスが終了したら、ラッチがばね手段によって非ラッチ位置に引き戻されるように、シャッタプレートがラッチの係合から一時的に引き離されるだけでよい。
【0013】
本発明による開閉装置ハウジングの実施形態において、フック形状要素は、J形状断面を有し、J形状断面の頂部は、ガイドに対して配置され、J形状断面の底部は、ラッチ位置においてシャッタプレートの周りをつかむ。
【0014】
J=形状断面を有することによって、ガイドを壁のアクセス開口部から距離を置いて配置することができ、一方、底部をアクセス開口部の縁の近くに位置付けることができ、それにより、ラッチを簡単に取り付けることができ、依然としてシャッタプレートを全開位置の近くに保つことができる。
【0015】
本発明による開閉装置ハウジングの好ましい実施形態では、フック形状要素は、ラッチおよび非ラッチ位置の両方においてアクセス開口部を有する壁と平行に、かつ壁から離間して延在する、少なくとも1つの突出部を備える。
【0016】
アクセス開口部を有する壁から常に間隔を置いて配置される突出部により、ツールがラッチを把持し、ラッチを非ラッチ位置からラッチ位置に向かって引っ張ることが可能になる。
【0017】
本発明による開閉装置ハウジングの非常に好ましい実施形態では、少なくとも1つのラッチが、閉位置と開位置との間のシャッタプレートの中間位置においてシャッタプレートの移動を阻止し、当該中間位置は、シャッタプレートがさらに開位置に向かって移動するとき、少なくとも1つのラッチが自動的にその非ラッチ位置に戻されるような位置である。
【0018】
回路遮断器などが開閉装置ハウジング内にラック入れされるとき、回路遮断器によって操作機構が作動され、シャッタプレートが開位置に移動する。その結果、シャッタプレートは、ラッチの係合から引き離され、次に、ばね手段によって非ラッチ位置に押し戻される。
【0019】
その結果、自動ラッチ解除ラッチが提供され、回路遮断器などのオブジェクトをハウジング内に再挿入した後、シャッタプレートが再び完全に機能することを保証する。
【0020】
本発明による開閉装置ハウジングのさらなる実施形態では、ハウジングは、底壁、底壁の側面に沿って配置された側壁、および側壁の頂部に配置された頂壁を備え、側壁のうちの1つはアクセス開口部を有する壁であり、1つの側壁は、例えばドアのように、ハウジング内に移動される物体のアクセスのために取り外し可能である。
【0021】
好ましくは、アクセス開口部を有する壁は、取り外し可能な壁の反対側に配置される。これは、アクセス開口部を有する壁が、ハウジングによって囲まれた空間の後ろに位置付けられることを保証する。
【0022】
本発明の実施形態では、ラッチは、開位置と閉位置との間の中間位置で、有利には、シャッタの開位置の少し前でシャッタをキャッチする。全開位置は、上部シャッタの最高点または下部シャッタの最低点である。中間位置は、全開位置に向かうシャッタの残りの垂直進路が、垂直軸に沿ったラッチとシャッタとの間の接触面積の長さよりも大きいような位置である。
【0023】
したがって、シャッタがそのような中間位置でラッチされているとき、シャッタは、シャッタがラッチから係脱するようにして、それらの全開位置に向かってさらに移動することができる。特に、遮断器の挿入は、シャッタをそれぞれの全開位置に移動させ、シャッタの全開位置へ向かう進路は、シャッタとラッチとの間の接触面積よりも大きいため、遮断器の挿入はシャッタをラッチから押し出す。これらのラッチは、ばね仕掛けなので、ラッチが解除された位置まで後退し、そのため、シャッタの通常の垂直方向の動きをさらに阻止しない。この実施形態によれば、遮断器を挿入する通常の動作を超えてラッチを後退させるために必要なツールまたは手動のアクションはなく、ラッチは自己リセットと見なされる。
【0024】
本発明のこれらのおよび他の特徴は、添付の図面と併せて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による開閉装置ハウジングの切取内部図を含む斜視図を示す。
図2】本発明によるラッチおよびラッチを操作するためのツールの斜視図を示す。
図3図3A図3Cは、図1の実施形態の3つの異なる位置における断面図を示す。
【0026】
図1は、開閉装置ハウジング1を示す。ハウジングは、底部2、頂部壁3、および側壁4、5、6、7を有する。ドア8が前壁6に配置されており、それにより回路遮断器9をハウジング1からラックアウトすることができる。
【0027】
後側壁5にはアクセス開口部が設けられており、これらの開口部はシャッタプレート10、11によって覆われている。これらのシャッタプレート10、11は、少なくともいくつかのロッド12およびレバー13を備える操作機構によって操作される。
【0028】
ハウジング1の後部には高電圧コネクタ14、15が位置付けられており、これらは、シャッタプレート10、11が上方に移動してアクセス開口部が露出するとアクセス可能である。これは、回路遮断器9が高電圧コネクタ14、15と接続することを可能にする。
【0029】
メンテナンスを行う際にシャッタプレート10を開位置に保持するためのラッチ16が設けられている。
【0030】
図2は、ラッチ16をより詳細に示す。ラッチ16は、J形状断面を有するフック形状要素17を有する。J形状断面の頂部は、ブラケット20内で案内される2つのロッド18、19に対して配置されている。ばね21、22は、ロッド18、19の周りに配置されて、フック形状要素17をブラケット20に押し付ける。
【0031】
J形状要素17は、両側に突出部23、24を有し、これは、ツール25が突出部の周りを把持することを可能にし、保守担当者がラッチ17を引っ張ることを可能にする。
【0032】
図3Aは、非ラッチ位置にあるラッチ16を示す。ブラケット20は、アクセス開口部26の真上で後壁5に取り付けられている。このアクセス開口部26は、シャッタプレート10によって覆われている。
【0033】
図3Bは、ラッチ位置にあるラッチ16を示す。シャッタプレート10は開位置に引かれ、ラッチ16は例えばツール25を用いてラッチ位置に引かれている。要素17のJ形状断面により、シャッタプレート10は開位置に維持され、ラッチ16は非ラッチ位置に戻ることが防止される。
【0034】
図3Cは、回路遮断器9によって作動される操作機構によってシャッタプレート10が全開位置に動かされている位置を示す。その結果、シャッタプレート10はJ形状要素17から引き離され、これにより、ばね21が要素17をシャッタプレート10の経路から引き戻し、シャッタプレート10の通常の動作を再開することが可能になる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C