(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】開裂型光開始剤を含むUV硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
C09D 11/101 20140101AFI20230815BHJP
C09D 4/02 20060101ALI20230815BHJP
C09D 5/00 20060101ALI20230815BHJP
C09D 7/63 20180101ALI20230815BHJP
C09D 11/38 20140101ALI20230815BHJP
【FI】
C09D11/101
C09D4/02
C09D5/00 Z
C09D7/63
C09D11/38
(21)【出願番号】P 2020547098
(86)(22)【出願日】2018-08-06
(86)【国際出願番号】 US2018045320
(87)【国際公開番号】W WO2019190585
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-08-04
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596024024
【氏名又は名称】サン・ケミカル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】イルズリー,デレク,ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】ハーリヒイ,ショーン,ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】ブーン,アンドルー
【審査官】桜田 政美
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-209519(JP,A)
【文献】特開2015-000878(JP,A)
【文献】特開2011-052161(JP,A)
【文献】特表2015-527926(JP,A)
【文献】特表2007-507610(JP,A)
【文献】特表2005-539391(JP,A)
【文献】特開2015-034240(JP,A)
【文献】特開2015-155556(JP,A)
【文献】特開2015-040282(JP,A)
【文献】特開2014-051654(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102964968(CN,A)
【文献】特表2006-506511(JP,A)
【文献】国際公開第2014/192729(WO,A1)
【文献】特表2013-533330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 11/101
C09D 4/02
C09D 5/00
C09D 7/63
C09D 11/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)1つ以上の光重合性モノマーおよび/またはオリゴマーと、
b)1%(w/w)~10%(w/w)の、1つ以上の開裂型光開始剤と、
c)1%(w/w)~10%(w/w)の、1つ以上の酸又は光酸発生剤と、
を含むUV硬化性インクまたはコーティング組成物であって、
前記1つ以上の酸又は光酸発生剤が、有機リン酸、有機リン酸誘導体、及び光酸発生剤からなる群より選択され、
前記1つ以上の酸は、重合を阻害せず、
前記UV硬化性インクまたはコーティング組成物が、当該組成物の総重量に基づいて5%(w/w)以下の単官能性モノマーを含み、
UV硬化中に、前記開裂型光開始剤が1つ以上の分解生成物を生成し、
少なくとも1つの分解生成物がアルデヒド又はケトンであり、
アルデヒド又はケトンの量が、開裂型光開始剤を含有するが酸又は光酸発生剤を含有しない同様の組成物と比較して、以下の方程式に従う量だけ低下する、UV硬化性インクまたはコーティング組成物:
X=100×((AD
0-AD
a)/AD
0)≧10.00
式中、
Xは、分解生成物の低下パーセントであり、
AD
0は、開裂型光開始剤を含有するが前記酸又は光酸発生剤を含有しない前記組成物のUV硬化中に生成される分解生成物の量であり、
AD
aは、開裂型光開始剤および酸又は光酸発生剤を含有する前記組成物のUV硬化中に生成される分解生成物の量である。
【請求項2】
前記1つ以上の開裂型光開始剤が、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、α-ジアルコキシ-アセト-フェノン、α-ヒドロキシアルキル-フェノン、α-アミノアルキル-フェノン、アシル-ホスフィン-オキシド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1つのα-ヒドロキシアルキル-フェノン開裂型光開始剤を含む、及び/又は、少なくとも1つのアシルホスフィンオキシド開裂型光開始剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも1つの光酸発生剤が、カチオン性光開始剤またはケトスルホン光開始剤である、請求項
1に記載の組成物。
【請求項5】
前記酸が、1つ以上のアクリレート、メタクリレート、ビニル、またはアクリルアミド基をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記光酸発生剤由来の酸が、HPF
6(ヘキサフルオロリン酸)、HSbF
6(ヘキサフルオロアンチモン酸)、HAsF
6(ヘキサフルオロヒ酸)、HB(C
6F
5)
4(テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボロン酸)、トルエンスルホン酸、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ケトスルホン光開始剤が、1-{4-[(4-ベンゾイルフェニル)スルファニル]フェニル}-2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルホニル]プロパン-1-オンである、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物中のすべての光重合性モノマーおよび/またはオリゴマーの総量が、前記組成物の総重量に基づいて、30%(w/w)~95%(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
2.5%(w/w)未満の単官能性モノマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
UV増感剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記UV増感剤が、任意のチオキサントン、アントラセン、ナフタレン、およびペリレン、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記チオキサントン増感剤が、多官能性、ポリマー性、または重合性である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
UV硬化の際に、開裂型光開始剤を含有するが酸を含有しない同様の組成物と比較して、低下した量のアルデヒドおよび/またはケトン分解生成物を生成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1つの分解生成物がアルデヒドであり、前記アルデヒド分解生成物の量が、以下の方程式に従う量だけ低下し、
X=100×((AD
0-AD
a)/AD
0)≧10.00
式中、
Xは、アルデヒド分解生成物の低下パーセントであり、
AD
0は、開裂型光開始剤を含有するが前記酸
又は光酸発生剤を含有しない前記組成物のUV硬化中に生成されるアルデヒド分解生成物の量であり、
AD
aは、開裂型光開始剤および酸
又は光酸発生剤を含有する前記組成物のUV硬化中に生成されるアルデヒド分解生成物の量である、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
低下した量の抽出可能な材料を有する印刷された基材を調製するための方法であって、
請求項1に記載の1つ以上のインクまたはコーティング組成物を前記基材に適用することと、
UV放射の作用下でインクまたはコーティング組成物を硬化させることと、
を含み、
少なくとも1つの抽出可能な材料がアルデヒド又はケトンであり、開裂型光開始剤を含有するが酸又は光酸発生剤を含有しない同様のインクまたはコーティングで印刷された基材と比較された際に、アルデヒド又はケトン抽出可能材料の量が低下し、
前記アルデヒド又はケトン抽出可能材料の量が、以下の方程式に従う量だけ低下し、
X=100×((AD
0-AD
a)/AD
0)≧10.00
式中、
Xは、アルデヒド又はケトン分解生成物の低下パーセントであり、
AD
0は、開裂型光開始剤を含有するが前記酸又は光酸発生剤を含有しない前記組成物のUV硬化中に生成されるアルデヒド又はケトン分解生成物の量であり、
AD
aは、開裂型光開始剤および酸又は光酸発生剤を含有する前記組成物のUV硬化中に生成されるアルデヒド分解生成物の量である
、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が本明細書によって本明細書に組み込まれる、2018年3月27日に提出された米国仮出願第62/648,471号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、硬化したコーティングからの汚染物質の低下した移行を要求する用途に好適なUV硬化性インクおよびコーティング組成物に関する。有利には、インクまたはコーティング組成物のUV硬化中に開裂型光開始剤によって生成されるある特定の光分解生成物(例えば、アルデヒド)の量は、組成物中への酸の組み込みによって低下する。
【背景技術】
【0003】
エネルギー硬化性インクおよびコーティングは、多くの場合、食品包装、医薬品包装、パーソナルケアおよび家庭用包装、スーパーマーケットにおける表示板などの印刷において使用される。これらの用途のすべてで、エネルギー硬化したインクまたはコーティングが、インク/コーティングから周囲の環境に浸出(「移行」)し、それによって包装された製品の不要な汚染をもたらし得る、最小量の未硬化の材料を含有することは有利である。このことは、望ましくない、移行可能なインク構成成分からの包装された食品の汚染が最小化されるべきである食品包装について、特に問題である。
【0004】
開裂型光開始剤(I型光開始剤としても知られる)が使用される場合、光分解生成物は、UV硬化中に発生する。これらの分解生成物はコーティングの外に移行し、周囲の環境を潜在的に汚染し得る。
【0005】
多量の単官能性モノマーの使用は、汚染物質の低移行を有する硬化したインクおよびコーティングを要求する用途においても問題である(US9,605,180を参照されたい)。インクまたはコーティングが硬化した後、多くの場合、残存性の未硬化の単官能性モノマーが存在する。これらの残存性のモノマーは、移行し、製品を汚染し得る。
【0006】
CN102964968、CN102492330、およびUS9,394,461はすべて、フリーラジカルおよびカチオン性光開始剤の両方を含む二重硬化組成物を記載し、カチオン性光開始剤は、ゾル-ゲル反応を開始するために使用される。しかしながら、これらの組成物は多量の単官能性モノマーを含有し、したがって、残存性のインク構成成分の低移行を要求する用途に好適でない。
【0007】
EP2302007は、顕著な量の単官能性モノマーを含むUV硬化性インク組成物を記載する。高レベルの単官能性モノマーのため、これらの組成物は、低移行用途に適さないであろう。2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン(Irgacure 127)を含む組成物が、示される。ケトスルホン光開始剤を含む組成物は、記載されるが、Irgacure 127と組み合わされない。
【0008】
同様に、US8,507,726は、Irgacure 127、またはEsacure 1001M(ケトスルホン光開始剤)を含む光開始剤混合物を記載する。しかしながら、これらの2つの光開始剤は、決して組み合わされて使用されない。さらに、開示された一般式に従うと、US8,507,726の組成物は、特定のオキシムエステル光開始剤を常に含まなければならない。
【0009】
US2018/0022949(WO2016/129452)は、360超の分子量を有する光開始剤を要求するUV硬化可能なインクジェット組成物を開示する。オリゴマーのヒドロキシアルキルフェノン光開始剤、オリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン]は、いくつもの例に組み込まれるが、ケトスルホン光開始剤と組み合わされない。
【0010】
同様に、WO2007/017348およびWO2007/017298はヒドロキシアルキルフェノンおよびケトスルホン光開始剤を含む組成物を開示するが、2つの型の光開始剤は決して組み合わされて使用されない。さらに、開示された一般式に従うと、WO2007/017348およびWO2007/017298の組成物は、特定の第三級アミン共開始剤を常に含有しなければならない。
【0011】
先行技術の組成物は、追加された酸を含まなかった。開裂型(I型)光開始剤からの光分解生成物の生成に対する酸の影響は、実証されておらず、推測もされていない。さらに、先行技術は、一般に、移行からの残存性の未反応のモノマーの量を低下させる方法に焦点を当てている。先行技術のいずれも、UV硬化プロセス中に発生する開裂型光分解生成物の量を低下させる方法を熟知していない。光開始剤分解生成物に関連する問題はUS9,605,180において認識されているが、分解生成物の移行を遮断するオーバープリントワニスの適用のような、移行のリスクを低下させるための二次プロセスが取られている。
【0012】
したがって、印刷プロセスに余分なステップを追加することなく、移行の低下したリスクを呈するインクおよびコーティングを開発する必要性が、未だにある。かかる必要性は、光開始剤分解生成物の量が低下し、それらを遮断する必要性を軽減するインクおよびコーティングを開発することによって満たされ得る。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、インクおよびコーティング組成物の硬化中に開裂型光開始剤によって生成されるアルデヒドおよびケトンのような光分解生成物の低下した量を有する開裂型(I型)光開始剤を含むUV硬化性インクおよびコーティング組成物を提供する。驚くべきことに、インクおよびコーティング組成物に酸を含めることは、アルデヒドおよびケトンの光分解生成物の量を効果的に低下させ得ることが見出されている。
【0014】
特定の態様では、本発明は、
a)1つ以上の光重合性モノマーおよび/またはオリゴマーと、
b)1つ以上の開裂型光開始剤と、
c)1つ以上の酸と、を含むUV硬化性インクまたはコーティング組成物を提供する。
【0015】
ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも1つの有機酸を含む。
【0016】
他の実施形態では、組成物中の酸は、1つ以上の光酸発生剤に由来する。
【0017】
別の態様では、本発明は、本発明の1つ以上のインクまたはコーティング組成物を基材に適用することと、UV放射の作用下でインクまたはコーティング組成物を硬化させることと、を含む、低下した量の抽出可能な材料を有する印刷された基材を調製するための方法を提供する。
【0018】
ある特定の実施形態では、開裂型光開始剤を含有するが酸を含有しない同様のインクまたはコーティングで印刷された基材と比較された際に、本発明の組成物で印刷または被覆された基材からのアルデヒド抽出可能な材料の量は、10%以上低下する
【0019】
さらに他の実施形態では、本発明は、本発明のインクおよびコーティング組成物を含む印刷された基材および物品を提供する。
【0020】
本発明のさらなる利点および態様は、以下でより完全に記載される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示的および説明的なものにすぎず、特許請求される任意の主題を限定するものではないことを理解されたい。
【0022】
別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。別段言及されない限り、本明細書の開示全体を通じて参照されるすべての特許、特許出願、公開出願および公開、ウェブサイト、および他の公開資料は、任意の目的に対してその全体が参照により組み込まれる。
【0023】
発明者らは、驚くべきことに、開裂型(I型)光開始剤によって生成される光分解生成物の量が、UV硬化性組成物への酸の導入によって劇的に低減し得ることを見出している。例えば、UV硬化中にα-ヒドロキシアルキルフェノン光開始剤によって発生する分解生成物は、顕著に低下され得る。
【0024】
酸は、酸、好ましくは有機的に修飾された酸を追加することによって組成物中に導入され得る。酸は、カチオン性光開始剤またはケトスルホン光開始剤のような光酸発生剤を組成物中に組み込むことによって、インサイツでも生成され得る。これらのアプローチのいずれかは、酸の性質に応じて、UV硬化の光開始段階におけるUV照射中に開裂型光開始剤によって生成される光分解生成物の量に顕著な影響を与え得る。この発見は、UV硬化性組成物からの低移行が要求される用途において特に有用である。このような用途の例としては、食品包装、医薬品包装、玩具などの印刷である。α-ヒドロキシアルキルフェノン光開始剤(一般的にα-ヒドロキシケトンおよびヒドロキシアセトフェノン光開始剤とも称される)の場合、Irgacure 127、Irgacure 2959、Esacure KIP160、Esacure One、Esacure 150などのような、低移行用途に好適な多くの型が利用可能である。これらの光開始剤自体は認識された低移行ポテンシャルを有するが、UV照射後のそれらの分解生成物は許容できないレベルで移行し得る。したがって、本発明は、本発明が低移行が要求される鋭敏な印刷およびコーティング用途においてこれらの型の光開始剤の使用をさらに可能にするため、大きな利益を有する。
【0025】
特定の態様では、本発明は、
a)1つ以上の光重合性モノマーおよび/またはオリゴマーと、
b)1つ以上の開裂型光開始剤と、
c)1つ以上の酸と、を含むUV硬化性インクまたはコーティング組成物を提供する。
【0026】
定義
本出願では、別段明記されない限り、単数形の使用は、複数形を含む。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が別段明確に示さない限り、複数形も含むよう意図される。
【0027】
本出願では、「または」の使用は、別段明記されない限り、「および/または」を意味する。
【0028】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、明記された特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成成分の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成成分、および/もしくはそれらの群の存在または追加を排除しない。さらに、用語「含む」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」、「構成された(composed)」、「構成された(comprised)」、またはそれらの変形が、詳細な説明または特許請求の範囲で使用される範囲で、かかる用語は、用語「含む(comprising)」と同様の様式で包括的であることが意図される。
【0029】
本明細書で使用される場合、範囲および量は、「約」特定の値または範囲として表され得る。「約」は、正確な量も含むことが意図される。したがって、「約5パーセント」は、「約5パーセント」およびまた「5パーセント」も意味する。「約」は、意図された用途または目的についての典型的な実験誤差の範囲内を意味する。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「(メタ)アクリレート」または「(メタ)アクリル酸」は、アクリレートおよびメタクリレート化合物の両方、ならびにアクリル酸およびメタクリル酸の両方を含む。
【0031】
本明細書で使用される場合、「単官能性」は、1つの官能基を有することを意味する。
【0032】
本明細書で使用される場合、「多官能性」は、2つ以上の官能基を有することを意味する。例えば、多官能性モノマーは、二官能性、三官能性、四官能性であるか、またはより多数の官能基を有し得る。2つ以上の官能基は、同じであるか、または異なり得る。
【0033】
本明細書で使用される場合、用語「モノマー(monomer)」、「モノマー(monomers)」、および「モノマーおよび/またはオリゴマー」は、モノマーおよびオリゴマーの両方、またはそれらの混合物を含むことが意図される。
【0034】
本明細書中で使用される場合、「光酸発生剤」または「PAG」は、光分解によって強酸に変換され得る任意の化合物である。本発明において使用される好ましいPAGであるカチオン性光開始剤およびケトスルホン光開始剤の場合、このことは、光解離プロセスによって達成される。
【0035】
本明細書で使用される場合、「スルホン」酸は、S(=O)2-OH基を含む酸である。
【0036】
本明細書で使用される場合、「リン」酸は、O=P-(OH)3を含む酸である。
【0037】
本明細書中で使用される場合、「ホスホン」酸は、O=PH-(OH)2基を含む酸である。
【0038】
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、1~22個の炭素原子を有する直鎖および分岐飽和非環状炭化水素を指す。代表的な直鎖アルキル基は、メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル、-n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、およびn-アミルを含む。代表的な分岐アルキル基は、イソプロピル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、3-エチルブチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、5-メチルヘキシル、6-メチルヘプチル、2-エチルヘキシルなどを含む。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「アリール」は、単環式、二環式、および三環式環系の両方を含む、6~22個の炭素原子を含有する芳香族炭素環を意味する。代表的なアリール基は、-インデニル、-フェニル、-ナフチル、アントラセニルなどを含む。
【0040】
本明細書で使用される場合、「任意選択で置換される」は、未置換または置換された基を指す。置換は、好適である任意の部分を含む。
【0041】
本明細書で使用される場合、用語「インクおよびコーティング」、「インク」、「組成物」、「流体」などは、互換的に使用される。
【0042】
本明細書で使用される場合、「エネルギー硬化」は、光線性作用を生むさまざまな電磁放射源への曝露下で達成される硬化を指す。かかる源は、電子ビーム、UV光、可視光、IR、またはマイクロ波を含むが、これらに限定されない。組成物がUV光の作用下で硬化される場合、以下のような非限定的なUV源が使用され得る:低圧水銀電球、中圧水銀電球、キセノン電球、エキシマランプ、カーボンアークランプ、金属ハロゲン化物電球、UV-LEDランプまたは太陽光。任意のUV光源または他の光線性放射源が、本発明に従って調製された組成物を硬化させるために使用され得ることは、当業者に理解されるべきである。
【0043】
本明細書で使用される場合、「低移行」は、インクまたはコーティングが基材上で硬化すると、インクまたはコーティングから浸出し得る特定の未硬化モノマーの50十億分率(ppb)未満である、任意の包装された農産物または製品の汚染レベルを指す。「低移行」は、光開始剤の残留物および分解生成物による汚染が、50ppb未満、または任意の特定の光開始剤について存在する特定移行限度(SML)未満であるべきでもあることも意味する。本発明の方法は、エネルギー硬化を介したモノマーのより高い変換、および光分解生成物の低下した量が好ましい用途に役立つ。かかる用途は、食品包装、医薬品包装、パーソナルケアおよび家庭用包装の印刷、スーパーマーケットにおける表示板などの印刷を含む。すべてのこれらの用途で、エネルギー硬化性インクまたはコーティングが、インクから周囲の環境に浸出(「移行」)し、それによって不要な汚染をもたらし得る、最小量の未硬化の材料と光分解生成物を含有することは有利である。このことは、望ましくない、移行可能なインク構成成分からの包装された食品の汚染が最小化されるべきである食品包装について、特に問題である。したがって、エネルギー硬化中の、かかる低分子量、低官能性モノマーの変換を増加させ、光分解生成物の量を減少させる任意の手段は、前述の鋭敏な印刷用途に対して有利となるであろう。このことは、本発明の組成物、ならびに本発明に従うエネルギー硬化性インクおよびコーティング組成物を印刷する方法によって達成される。
【0044】
本明細書で使用される場合、用語「物品(article)」または「物品(articles)」は、製造に関する基材または製品を意味する。物品の例は、紙、プラスチック、プラスチックまたはポリマーフィルム、ガラス、セラミック、金属、複合材などの基材、出版物(例えば、パンフレット)、ラベル、および包装材料(例えば、厚紙シートまたは段ボール)、容器(例えば、瓶、缶)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、金属化箔(例えば、積層アルミホイル)、金属化ポリエステル、金属容器などを含むが、これらに限定されない。
【0045】
本開示全体を通じて、すべての部および百分率は重量によるものであり(総重量に基づいた重量%または質量%)、別段示されない限り、すべての温度は℃である。
【0046】
組成物
本発明は、任意の開裂型(I型)光開始剤、特にα-ヒドロキシアルキルフェノン、特に低移行用途に好適なものを包含する。カチオン性光開始剤または他の光酸発生剤によって発生する酸が好ましいが、組成物への任意の有機または無機酸の追加も包含される。
【0047】
開裂型(I型)光開始剤、好ましくはα-ヒドロキシアルキルフェノン光開始剤を含む、低移行の印刷およびコーティング用途に好適なUV硬化性組成物が、開示される。本発明の組成物は、酸を含み、酸は、任意選択で、光酸発生剤から発生し得る。酸が光酸発生剤によって生成される場合、カチオン性光開始剤が好ましいクラスである。ケトスルホン光開始剤は、光酸発生剤としても使用され得る。本発明のさらなる態様は、UV硬化プロセス中に光開始剤によって生成される分解生成物の量が、好ましくは10%(w/w)以上、より好ましくは25%(w/w)以上低下するべきであることである。
【0048】
α-ヒドロキシアルキルフェノン光開始剤のような開裂型光開始剤を含むUV硬化組成物中への酸の組み込みが、生成されるそれらの光分解生成物の量を低下させ得るという驚くべき発見は、以前に文献で報告されていない。したがって、本発明の態様は、開裂型、特にα-ヒドロキシアルキルフェノン光開始剤の酸との組み合わせを含む組成物だけではなく、おそらくより重要なことには、これらの型の光開始剤の光分解生成物として生成されるアルデヒドおよび/またはケトン、特にアルデヒドの量が低下する程度である。したがって、本発明は、開裂型光開始剤によって生成されるアルデヒドの量が、開裂型光開始剤を含有するが酸を含有しない組成物と比較して、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは20%以上低下するであろうことも包含する。
【0049】
酸の性質は、光開始の光分解副産物として生成されるアルデヒドの量のこの低下に影響を与える。特に好ましい酸は、リン酸、ホスホン酸、およびスルホン酸の無機および有機誘導体であるが、アルデヒドの発生の要求される低下を誘導できる任意の無機または有機酸が本発明に包含されることを理解されたい。
【0050】
いくつかの実施形態では、酸は開裂型光開始剤を含有するUV硬化性組成物に追加されないことが好ましい。特に驚くべき発見は、「インサイツ」でUV発生する酸を生成するためのカチオン性光開始剤の使用が、開裂型光開始剤からUV硬化中に生成されるアルデヒドの低下を可能にする酸を生成する特に有効な手段であることである。このことは、酸の存在が、例えば、UV硬化性組成物の長期保存寿命に影響を与え得る例において利点を有する。多くの市販のカチオン性光開始剤の特徴は、UV光の作用下で、それらがヘキサフルオロリン酸のような非常に強い無機酸を生成することである。実際、発明者らは、有機誘導体を含むリン酸およびホスフィン酸誘導体が、UV硬化中に開裂型光開始剤によって生成されるアルデヒドの量を低下させるのに特に効果的であることを見出した。
【0051】
カチオン性光開始剤自体ではないが、ケトスルホンフリーラジカル光開始剤は、UV放射に曝されると、酸性であり、スルホン酸を形成し得るスルホラジカルを生成する。かかる光開始剤の例は、1-{4-[(4-ベンゾイルフェニル)スルファニル]フェニル}-2-メチル-[(4-メチルフェニル)スルホニル]プロパン-1-オン(CAS NO:272460-97-6)である。他の好適なケトスルホン光開始剤は、参照により本明細書に組み込まれる、EP2302007に記載されるものである。ベロッティおよび同僚は、どのように、ベータ開裂後、ケトスルホン光開始剤が不均化反応を経てパラトルエンスルホン酸を生成し得るかを記載する(E.Bellotti et.al.,Radtech Report,Issue 1(2013),p.13)。親ケトスルポン光開始剤と同様に、本発明は、光開始プロセス中に形成され得るスルホン酸も包含する。
【0052】
非常に典型的なα-ヒドロキシアルキルフェノン光開始剤である2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンの光分解を考慮する場合、低移行に好適でないが、主要な移行の問題は、UV硬化プロセス中に形成され得るアルデヒド(ベンズアルデヒド)に伴うものであろうことが起こりそうである。
【化1】
【0053】
低移行α-ヒドロキシアルキルフェノン光開始剤は、以下に示されるように、それらの化学構造の一部として2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン基を包含する。代表的であるが非限定的な低移行光開始剤は、以下を含む。
【化2】
【0054】
したがって、かかる低移行光開始剤からの顕著な光分解生成物は、光開始剤化学構造の芳香族ケトン部分から生じるアルデヒドであろうことが起こりそうである。本発明は、UV硬化中のかかるアルデヒドおよび他の分解生成物の生成を軽減するであろう。
【0055】
したがって、当業者には明らかなはずであるように、α-ヒドロキシアルキルフェノン光開始剤および他の開裂型光開始剤から生成される光分解生成物の量を低下させ得る任意のプロセスは、食品包装の印刷のような鋭敏な印刷およびコーティング用途におけるこれらの光開始剤の使用を要求する用途に非常に望ましいであろう。他の印刷/コーティングプロセスは本発明によって包含されるが、本発明は、着色されたおよび着色されていない組成物の両方を包含し、インクジェット、フレキソ(flexographic)、グラビア、およびオフセット印刷に特に好適であることに留意されたい。印刷プロセスは、デジタル印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、平版印刷、グラビア印刷、および活版印刷を含むが、これらに限定されない。
【0056】
低移行用途における使用に好適ないくつもの市販のα-ヒドロキシアルキルフェノン光開始剤は利用可能であるが、それらの分解生成物に関連する移行リスクは、完全には理解されていない。したがって、生成されるこれらの光分解生成物の量を最小化し得る任意のプロセスは、とても有利となるであろう。2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン(例えば、Irgacure 127)、および2-ヒドロキシ-1-[4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロパノイル)フェノキシ]フェニル]-2-メチルプロパン-1-オン(例えば、Esacure KIP160)のような二官能性光開始剤の場合、アルデヒドを含むそれらの分解生成物は移行リスク提示し得、そのリスクの最小化は明らかに望ましい。光開始剤は50ppb以上の移行限度を有し得るが、かかる光開始剤の光分解生成物は、おそらく10ppb移行限度の対象になるであろう(ヨーロッパにおいて)。したがって、本発明は、α-ヒドロキシアルキルフェノンまたは他の開裂型光開始剤からの任意の光分解生成物に関連するリスクが低下することを確実にする助けとなる手段を提供する。
【0057】
移行リスクに加えて、光開始剤からの光分解生成物は、明確な望ましくない臭いを生成し得る。したがって、再び、本発明は、低臭気が望ましい場合があるUV硬化用途におけるヒドロキシアルキルフェノン光開始剤の使用を増強する手段を提供する。
【0058】
開裂型光開始剤によって生成される分解生成物の量を低下させることは、包装された食品の汚染に関連する潜在的なリスクを低下させるだけでなく、光分解生成物の量が低下し得る場合、結果として、より高い濃度の光開始剤の潜在的な使用を可能にし得る。α-ヒドロキシケトン光開始剤のような他の開裂型光開始剤が低移行の印刷/コーティング用途のために開発された場合でさえも、結果として生じる分解生成物の問題が残るであろうことから、したがって、本発明は、かかる光開始剤の使用において相当な利点を提供する。
【0059】
有利には、UV硬化プロセス中に開裂型光開始剤によって生成されるアルデヒド分解生成物の量は、以下の式に従って、10%(w/w)以上、好ましくは20%(w/w)以上低下するべきである。
X=100×((AD0-ADa)/AD0)≧10.00
式中、
Xは、分解生成物の低下パーセントであり、
AD0は、開裂型光開始剤を含有するが酸を含有しない組成物のUV硬化中に生成される分解生成物の量であり、
ADaは、開裂型光開始剤および酸を含有する組成物のUV硬化中に生成される分解生成物の量である。
【0060】
本発明は、アルデヒドおよびケトン、特にアルデヒドのもののような開裂型光開始剤からの光分解生成物の量が、酸、特にスルホン酸、リン酸、およびホスホン酸の組み込みによって顕著に低下し得るという最も驚くべき顕著な発見を記載する。酸を含めることの影響は、実施例に示されており、データは、開裂型光開始剤からのアルデヒドの発生が最大約90%までのレベルで低下することを示す。この有利な効果は、特に低移行の印刷およびコーティング用途については、先行技術では以前に明らかにされるか、または言及もされていない。
【0061】
酸に対する制限はないが、無機および有機の両方のスルホン酸、リン酸およびホスホン酸誘導体が好ましい。UV硬化プロセス中に光開始剤光分解生成物の量の要求される低下を生むのに十分な量が使用されるべきであること以外に、本発明の組成物において使用される酸または光酸発生剤の最小濃度に対する制限はない。
【0062】
本発明は、α-ヒドロキシアルキルフェノン(α-ヒドロキシケトン)、アシルホスフィンオキシド、α-アミノアルキルフェノン(α-アミノケトン)、α-ジアルコキシアセトフェノン、ベンゾインエーテル、およびベンジルケタールを含む、開裂型光開始剤の使用を包含する。低移行の印刷およびコーティング用途に好適なものが好ましく、問題は、アルデヒドおよびケトンを含む、光開始剤からの光分解生成物の生成である。α-ヒドロキシアルキルフェノンが、特に好ましい。低移行の印刷およびコーティング用途のために設計された開裂型(I型)、特にα-ヒドロキシアルキルフェノン光開始剤は、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(Irgacure 2959)、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-[4-(2-アクリロキシエトキシ)-フェニル]-2-メチル-1-プロパノン、オリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2-ヒドロキシ-1-[4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロパノイル)フェノキシ]フェニル]-2-メチルプロパン-1-オン、低移行アシルホスフィンオキシド光開始剤、またはそれらの混合物を含むが、これらに限定されない、単官能性、多官能性、ポリマー性および重合性の型を含み、モノおよびビスアシルホスフィンオキシドの両方を含む。市販の製品は、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン酸エチル、およびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)(2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドを含む。
【0063】
好適なα-ヒドロキシアルキルフェノン(α-ヒドロキシケトン)は、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-4’-tert-ブチル-プロピオフェノン、2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチル-プロピオフェノン、2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシプロポキシ)-2-メチル-プロピオフェノン、オリゴ2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチル-ビニル)フェニル]プロパノン、ビス[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)フェニル]メタン、2-ヒドロキシ-1-[1-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロパノイル)フェニル]-1,3,3-トリメチルインダン-5-イル]-2-メチルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-[4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロパノイル)フェノキシ]フェニル]-2-メチルプロパン-1-オン、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0064】
好適なアシルホスフィンオキシド光開始剤は、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン酸エチル、またはホスフィン酸、P-(3-ベンゾイル-2,4,6-トリメチルベンゾイル)-P-フェニル-、エチルエステル、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0065】
好適なα-アミノアルキルフェノン(α-アミノケトン)は、2-メチル-1-[4-メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチル-ベンジル)-1-(4-モルホリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0066】
好適なα-ジアルコキシアセトフェノンは、ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0067】
適切なベンゾインエーテルは、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0068】
好適なベンジルケタールは、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメチル-ベンジル-モノケタール、ベンジルメチル-アリル-ケタール、ベンジルメチル-クロチル-モノケタール、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0069】
典型的には、開裂型光開始剤は、本発明の組成物中に、組成物の総重量に基づいて約0.1%~約10%(w/w)の量で存在する。好ましくは、開裂型光開始剤は、約0.5%~約5%、最も好ましくは約0.5%~約2.5%の量で存在する。例えば、開裂型光開始剤は、約0.1%~約9.5%、または約0.1%~約9%、または約0.1%~約8.5%、または約0.1%~約8%、または約0.1%~約7.5%、または約0.1%~約7%、または約0.1%~約6.5%、または約0.1%~約6%、または約0.1%~約5.5%、または約0.1%~約5%、または約0.1%~約4.5%、または約0.1%~約4%、または約0.1%~約3.5%、または約0.1%~約3%、または約0.1%~約2.5%、または約0.1%~約2%、または約0.1%~約1.5%、または約0.1%~約1%、または約0.1%~約0.5%、または約0.5%~約10%、または約0.5%~約9.5%、または約0.5%~約9%、または約0.5%~約8.5%、または約0.5%~約8%、または約0.5%~約7.5%、または約0.5%~約7%、または約0.5%~約6.5%、または約0.5%~約6%、または約0.5%~約5.5%、または約0.5%~約5%、または約0.5%~約4.5%、または約0.5%~約4%、または約0.5%~約3.5%、または約0.5%~約3%、または約0.5%~約2.5%、または約0.5%~約2%、または約0.5%~約1.5%、または約0.5%~約1%、または約1%~約10%、または約1%~約9.5%、または約1%~約9%、または約1%~約8%、または約1%~約7.5%、または約1%~約7%、または約1%~約6.5%、または約1%~約6%、または約1%~約5.5%、または約1%~約5%、または約1%~約4.5%、または約1%~約4%、または約1%~約3.5%、または約1%~約3%、または約1%~約2.5%、または約1%~約2%、または約1%~約1.5%、または約1.5%~約10%、または約1.5%~約9.5%、または約1.5%~約9%、または約1.5%~約8.5%、または約1.5%~約8%、または約1.5%~約7.5%、または約1.5%~約7%、または約1.5%~約6.5%、または約1.5%~約6%、または約1.5%~約5.5%、または約1.5%~約5%、または約1.5%~約4.5%、または約1.5%~約4%、または約1.5%~約3.5%、または約1.5%~約3%、または約1.5%~約2.5%、または約1.5%~約2%、または約2%~約10%、または約2%~約9.5%、または約2%~約9%、または約2%~約8.5%、または約2%~約8%、または約2%~約7.5%、または約2%~約7%、または約2%~約6.5%、または約2%~約6%、または約2%~約5.5%、または約2%~約5%、または約2%~約4.5%、または約2%~約4%、または約2%~約3.5%、または約2%~約3%、または約2%~約2.5%、または約2.5%~約10%、または約2.5%~約9.5%、または約2.5%~約9%、または約2.5%~約8.5%、または約2.5%~約8%、または約2.5%~約7.5%、または約2.5%~約7%、または約2.5%~約6.5%、または約2.5%~約6%、または約2.5%~約5.5%、または約2.5%~約5%、または約2.5%~約4.5%、または約2.5%~約4%、または約2.5%~約3.5%、または約2.5%~約3%、または約3%~約10%、または約3%~約9.5%、または約3%~約9%、または約3%~約8.5%、または約3%~約8%、または約3%~約7.5%、または約3%~約7%、または約3%~約6.5%、または約3%~約6%、または約3%~約5.5%、または約3%~約5%、または約3%~約4.5%、または約3%~約4%、または約3%~約3.5%、または約3.5%~約10%、または約3.5%~約9.5%、または約3.5%~約9%、または約3.5%~約8.5%、または約3.5%~約8%、または約3.5%~約7.5%、または約3.5%~約7%、または約3.5%~約6.5%、または約3.5%~約6%、または約3.5%~約5.5%、または約3.5%~約5%、または約3.5%~約4.5%、または約3.5%~約4%、または約4%~約10%、または約4%~約9.5%、または約4%~約9%、または約4%~約8.5%、または約4%~約8%、または約4%~約7.5%、または約4%~約7%、または約4%~約6.5%、または約4%~約6%、または約4%~約5.5%、または約4%~約5%、または約4%~約4.5%、または約4.5%~約10%、または約4.5%~約9.5%、または約4.5%~約9%、または約4.5%~約8.5%、または約4.5%~約8%、または約4.5%~約7.5%、または約4.5%~約7%、または約4.5%~約6.5%、または約4.5%~約6%、または約4.5%~約5.5%、または約4.5%~約5%、または約5%~約10%、または約5%~約9.5%、または約5%~約9%、または約5%~約8.5%、または約5%~約8%、または約5%~約7.5%、または約5%~約7%、または約5%~約6%、または約5%~約5.5%、または約5.5%~約10%、または約5.5%~約9.5%、または約5.5%~約9%、または約5.5%~約8.5%、または約5.5%~約8%、または約5.5%~約7.5%、または約5.5%~約7%、または約5.5%~約6.5%、または約5.5%~約6%、または約6%~約10%、または約6%~約9.5%、または約6%~約9%、または約6%~約8.5%、または約6%~約8%、または約6%~約7.5%、または約6%~約7%、または約6%~約6.5%、または約6.5%~約10%、または約6.5%~約9.5%、または約6.5%~約9%、または約6.5%~約8.5%、または約6.5%~約8%、または約6.5%~約7.5%、または約6.5%~約7%、または約7%~約10%、または約7%~約9.5%、または約7%~約9%、または約7%~約8.5%、または約7%~約8%、または約7%~約7.5%、または約7.5%~約10%、または約7.5%~約9.5%、または約7.5%~約9%、または約7.5%~約8.5%、または約7.5%~約8%、または約8%~約10%、または約8%~約9.5%、または約8%~約9%、または約8%~約8.5%、または約8.5%~約10%、または約8.5%~約9.5%、または約8.5%~約9%、または約9%~約10%、または約9%~約9.5%、または約9.5%~約10%の量で存在し得る。
【0070】
それらが、UV硬化中に開裂型光開始剤によって生成される、アルデヒドおよび/またはケトン、特にアルデヒドの光分解生成物の量で10%以上の低下を誘導するべきである以外に、本発明で使用される酸もしくは光酸発生剤、またはそれらの混合物の性質に対する制限はない。好ましくは、酸または光酸発生剤は、UV硬化中に開裂型光開始剤によって生成されるアルデヒド光分解生成物の20%以上、最も好ましくは50%以上の低下を誘導する。カルボン酸のような弱酸が使用され得るが、発明者らは、スルホン酸、リン酸、およびホスホン酸のようなより強い酸が、開裂型光開始剤からのアルデヒド生成のこの減少を引き起こすそれらの能力において特に効果的であることを見出している。本発明は無機酸および有機酸の両方を包含するが、光酸よりむしろ酸が使用される場合、有機酸が使用されることが好ましい。この場合も、有機酸が使用される場合、有機酸がインクまたはコーティング組成物と適合性であること以外は、酸の性質に対する制限はなく、UV硬化プロセス中に開裂型光開始剤によって生成される光分解生成物の量で10%以上の低下を誘導できる。
【0071】
光酸発生剤(PAG)がUV硬化プロセス中にインサイツで酸を発生させるために使用される場合、好ましい型は、カチオン性およびケトスルホン光開始剤を含む。ケトスルホン光開始剤が使用される場合、好ましい型は、1-{4-[(4-ベンゾイルフェニル)スルファニル]フェニル}-2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルホニル]プロパン-1-オンである。しかしながら、任意のケトスルホン光開始剤は使用され得、WO2000/031030に開示されているものは本発明中の本明細書に組み込まれる。
【0072】
カチオン性光開始剤がUV硬化プロセス中にインサイツで酸を発生させるために使用される場合、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、アンチモン酸、および硝酸誘導体を生成するものが使用され得る。スルホニウム塩(トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートを含む)およびヨードニウム塩カチオン性光開始剤の両方が、本発明に包含される。好適なカチオン性光開始剤は、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’-ジメチル-ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、10-ビフェニル-4-イル-2-イソプロピル-9-オキソ-9H-チオキサンテン-10-イウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロ-アンチモネート、ビス-(4-メチル-フェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス-((C10-C14)-アルキルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロ-アンチモナイト、ビス-(4,4-ドデシルフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムペルフルオロ-1-ブタンスルホネート、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムp-トルエンスルホネート、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフレート、boc-メトキシフェニルジフェニルドゥルホニウムトリフレート、(4-tert-ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムペルフルオロ-1-ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp-トルエンスルホネート、硝酸ジフェニルヨードニウム、(4-ヨードフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレート、(4-メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフレート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩、トリフェニルスルホニウムトリフレート、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0073】
PAGが使用される場合、それがUV硬化プロセス中に開裂型光開始剤の光分解生成物の生成において10%以上の低下を生むのに十分であること以外に、量に対する下限はない。典型的には、PAGは、本発明の組成物中に、組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約10.0%(w/w)の量で存在する。好ましくは、PAGは、組成物の総重量に基づいて、約0.25%~約5.0%(w/w)、最も好ましくは約0.5%~約2.5%(w/w)の量で存在する。例えば、PAGは、約0.1%~約9.5%、または約0.1%~約9%、または約0.1%~約8.5%、または約0.1%~約8%、または約0.1%~約7.5%、または約0.1%~約7%、または約0.1%~約6.5%、または約0.1%~約6%、または約0.1%~約5.5%、または約0.1%~約5%、または約0.1%~約4.5%、または約0.1%~約4%、または約0.1%~約3.5%、または約0.1%~約3%、または約0.1%~約2.5%、または約0.1%~約2%、または約0.1%~約1.5%、または約0.1%~約1%、または約0.1%~約0.5%、または約0.5%~約10%、または約0.5%~約9.5%、または約0.5%~約9%、または約0.5%~約8.5%、または約0.5%~約8%、または約0.5%~約7.5%、または約0.5%~約7%、または約0.5%~約6.5%、または約0.5%~約6%、または約0.5%~約5.5%、または約0.5%~約5%、または約0.5%~約4.5%、または約0.5%~約4%、または約0.5%~約3.5%、または約0.5%~約3%、または約0.5%~約2.5%、または約0.5%~約2%、または約0.5%~約1.5%、または約0.5%~約1%、または約1%~約10%、または約1%~約9.5%、または約1%~約9%、または約1%~約8%、または約1%~約7.5%、または約1%~約7%、または約1%~約6.5%、または約1%~約6%、または約1%~約5.5%、または約1%~約5%、または約1%~約4.5%、または約1%~約4%、または約1%~約3.5%、または約1%~約3%、または約1%~約2.5%、または約1%~約2%、または約1%~約1.5%、または約1.5%~約10%、または約1.5%~約9.5%、または約1.5%~約9%、または約1.5%~約8.5%、または約1.5%~約8%、または約1.5%~約7.5%、または約1.5%~約7%、または約1.5%~約6.5%、または約1.5%~約6%、または約1.5%~約5.5%、または約1.5%~約5%、または約1.5%~約4.5%、または約1.5%~約4%、または約1.5%~約3.5%、または約1.5%~約3%、または約1.5%~約2.5%、または約1.5%~約2%、または約2%~約10%、または約2%~約9.5%、または約2%~約9%、または約2%~約8.5%、または約2%~約8%、または約2%~約7.5%、または約2%~約7%、または約2%~約6.5%、または約2%~約6%、または約2%~約5.5%、または約2%~約5%、または約2%~約4.5%、または約2%~約4%、または約2%~約3.5%、または約2%~約3%、または約2%~約2.5%、または約2.5%~約10%、または約2.5%~約9.5%、または約2.5%~約9%、または約2.5%~約8.5%、または約2.5%~約8%、または約2.5%~約7.5%、または約2.5%~約7%、または約2.5%~約6.5%、または約2.5%~約6%、または約2.5%~約5.5%、または約2.5%~約5%、または約2.5%~約4.5%、または約2.5%~約4%、または約2.5%~約3.5%、または約2.5%~約3%、または約3%~約10%、または約3%~約9.5%、または約3%~約9%、または約3%~約8.5%、または約3%~約8%、または約3%~約7.5%、または約3%~約7%、または約3%~約6.5%、または約3%~約6%、または約3%~約5.5%、または約3%~約5%、または約3%~約4.5%、または約3%~約4%、または約3%~約3.5%、または約3.5%~約10%、または約3.5%~約9.5%、または約3.5%~約9%、または約3.5%~約8.5%、または約3.5%~約8%、または約3.5%~約7.5%、または約3.5%~約7%、または約3.5%~約6.5%、または約3.5%~約6%、または約3.5%~約5.5%、または約3.5%~約5%、または約3.5%~約4.5%、または約3.5%~約4%、または約4%~約10%、または約4%~約9.5%、または約4%~約9%、または約4%~約8.5%、または約4%~約8%、または約4%~約7.5%、または約4%~約7%、または約4%~約6.5%、または約4%~約6%、または約4%~約5.5%、または約4%~約5%、または約4%~約4.5%、または約4.5%~約10%、または約4.5%~約9.5%、または約4.5%~約9%、または約4.5%~約8.5%、または約4.5%~約8%、または約4.5%~約7.5%、または約4.5%~約7%、または約4.5%~約6.5%、または約4.5%~約6%、または約4.5%~約5.5%、または約4.5%~約5%、または約5%~約10%、または約5%~約9.5%、または約5%~約9%、または約5%~約8.5%、または約5%~約8%、または約5%~約7.5%、または約5%~約7%、または約5%~約6%、または約5%~約5.5%、または約5.5%~約10%、または約5.5%~約9.5%、または約5.5%~約9%、または約5.5%~約8.5%、または約5.5%~約8%、または約5.5%~約7.5%、または約5.5%~約7%、または約5.5%~約6.5%、または約5.5%~約6%、または約6%~約10%、または約6%~約9.5%、または約6%~約9%、または約6%~約8.5%、または約6%~約8%、または約6%~約7.5%、または約6%~約7%、または約6%~約6.5%、または約6.5%~約10%、または約6.5%~約9.5%、または約6.5%~約9%、または約6.5%~約8.5%、または約6.5%~約8%、または約6.5%~約7.5%、または約6.5%~約7%、または約7%~約10%、または約7%~約9.5%、または約7%~約9%、または約7%~約8.5%、または約7%~約8%、または約7%~約7.5%、または約7.5%~約10%、または約7.5%~約9.5%、または約7.5%~約9%、または約7.5%~約8.5%、または約7.5%~約8%、または約8%~約10%、または約8%~約9.5%、または約8%~約9%、または約8%~約8.5%、または約8.5%~約10%、または約8.5%~約9.5%、または約8.5%~約9%、または約9%~約10%、または約9%~約9.5%、または約9.5%~約10%の量で存在し得る。
【0074】
酸が本発明の組成物に含まれる場合、それがUV硬化中に開裂型光開始剤によって生成される分解生成物の量で10%以上の低下を生むする限り、任意の酸が使用され得る。酸は、分子あたりの酸基の数に関して単官能性または多官能性であり得る。本発明における組成物の残りの構成成分との酸の適合性を改善するために、酸は有機的に修飾されることが、好ましい。有機カルボン酸は使用され得るが、発明者らは、有機的に修飾されたスルホン酸およびリン酸がより効果的であることを見出している。
【0075】
好適なスルホン酸は、以下の式に従うものを含む。
R-S(=O)2-OH
式中、RはH、アルキルまたはアリール基であり得る。Rがアルキルまたはアリール基である際に、これらは、任意選択で、置換され得る。好適なスルホン酸は、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸、トリフリン酸、カンファースルホン酸、タウリン、スルホ酢酸、エタンスルホン酸、1-プロパンスルホン酸、3-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸、1,3-プロパンジスルホン酸、3-アミノ-1-プロパンスルホン酸、4-ブロモベンゼンスルホン酸、ヒドロキノンスルホン酸、スルファニル酸、4-エチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。重合性およびポリマー性スルホン酸誘導体も使用され得、これらの好適な例は、ナフィオン(ペルフルオロ(2-(2-スルホニルエトキシ)プロピルビニルエーテル)-テトラフルオロエチレンコポリマー)、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸(AMPS)、2-プロペン-1-スルホン酸、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。また、塩基で部分的にまたは完全に中和された任意のスルホン酸の使用も、本発明に包含される。
【0076】
好適なリン酸は、以下の式に従うものを含む。
(R)n-P=O(OH)3-n
式中、RはH、アルキル基またはアリール基であり得、nは1~2の整数である。Rがアルキルまたはアリール基である際に、これは、任意選択で、置換され得る。好適なリン酸は、リン酸、ホスホン酸、リン酸-2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ビノールリン酸および置換ビノール(binol)-リン酸、ビス(2-メタクリロキシエチル)ホスフェート、ビニルリン酸、酸性リン酸エチル(ethyl acid phosphate)、酸性リン酸ブチル(butyl acid phosphate)、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0077】
任意のカルボン酸は本発明の組成物において使用され得、これらの酸は、酸基に関して単官能性または多官能性であり得、ポリマー性および重合性の型は本明細書に含まれる。好適なカルボン酸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、シュウ酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、3-ブテン-1,2,3-トリカルボン酸、β-カルボキシエチルアクリレート、メタクリル酸、4-ビニル安息香酸、アンジェリン酸、シトロネリン酸、リシン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、エルカ酸、ソルビン酸、リノレン酸、イタコン酸、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。アクリル酸またはメタクリル酸のホモポリマーおよびコポリマーは、任意のエチレン性不飽和カルボン酸の任意のホモポリマーまたはコポリマーと同様に、使用され得る。スチレン-無水マレイン酸コポリマーは、Arkemaから利用可能なオリゴマーのSarbox範囲のようなヒドロキシル官能性(メタ)アクリレートモノマーとのスチレン-マレイン酸コポリマーの反応によって生成されるハーフエステルを含む、そのハーフエステルと同様に使用され得る。本発明において使用され得る他の重合性カルボン酸は、カルボン酸官能性エポキシアクリレート樹脂を含む。これらの樹脂は、アクリル酸のようなエチレン性不飽和カルボン酸とのポリエポキシド樹脂の反応により生成され得、中間ヒドロキシル官能性エチレン性不飽和樹脂を生成する。次いで、この中間樹脂は、多官能性カルボン酸または無水テレフタル酸のような無水物とさらに反応されて、最終的なカルボン酸官能性光硬化性樹脂を生成する。
【0078】
本発明の組成物において使用される酸の量に下限または上限はなく、酸は、所望の効果を生むためにPAGと組み合わされ得る。典型的には、任意の酸または酸の混合物の濃度は、組成物の総重量に基づいて、約0.1%~20%(w/w)である。好ましくは、任意の酸または酸の混合物の濃度は、組成物の総重量に基づいて、約0.5%~約10%(w/w)、最も好ましくは約0.5%~約5%(w/w)である。酸または酸の混合物は、約0.1%~約15%、または約0.1%~約10%の濃度で存在し得る。例えば、酸または酸の混合物は、約0.1%~約9.5%、または約0.1%~約9%、または約0.1%~約8.5%、または約0.1%~約8%、または約0.1%~約7.5%、または約0.1%~約7%、または約0.1%~約6.5%、または約0.1%~約6%、または約0.1%~約5.5%、または約0.1%~約5%、または約0.1%~約4.5%、または約0.1%~約4%、または約0.1%~約3.5%、または約0.1%~約3%、または約0.1%~約2.5%、または約0.1%~約2%、または約0.1%~約1.5%、または約0.1%~約1%、または約0.1%~約0.5%、または約0.5%~約10%、または約0.5%~約9.5%、または約0.5%~約9%、または約0.5%~約8.5%、または約0.5%~約8%、または約0.5%~約7.5%、または約0.5%~約7%、または約0.5%~約6.5%、または約0.5%~約6%、または約0.5%~約5.5%、または約0.5%~約5%、または約0.5%~約4.5%、または約0.5%~約4%、または約0.5%~約3.5%、または約0.5%~約3%、または約0.5%~約2.5%、または約0.5%~約2%、または約0.5%~約1.5%、または約0.5%~約1%、または約1%~約10%、または約1%~約9.5%、または約1%~約9%、または約1%~約8%、または約1%~約7.5%、または約1%~約7%、または約1%~約6.5%、または約1%~約6%、または約1%~約5.5%、または約1%~約5%、または約1%~約4.5%、または約1%~約4%、または約1%~約3.5%、または約1%~約3%、または約1%~約2.5%、または約1%~約2%、または約1%~約1.5%、または約1.5%~約10%、または約1.5%~約9.5%、または約1.5%~約9%、または約1.5%~約8.5%、または約1.5%~約8%、または約1.5%~約7.5%、または約1.5%~約7%、または約1.5%~約6.5%、または約1.5%~約6%、または約1.5%~約5.5%、または約1.5%~約5%、または約1.5%~約4.5%、または約1.5%~約4%、または約1.5%~約3.5%、または約1.5%~約3%、または約1.5%~約2.5%、または約1.5%~約2%、または約2%~約10%、または約2%~約9.5%、または約2%~約9%、または約2%~約8.5%、または約2%~約8%、または約2%~約7.5%、または約2%~約7%、または約2%~約6.5%、または約2%~約6%、または約2%~約5.5%、または約2%~約5%、または約2%~約4.5%、または約2%~約4%、または約2%~約3.5%、または約2%~約3%、または約2%~約2.5%、または約2.5%~約10%、または約2.5%~約9.5%、または約2.5%~約9%、または約2.5%~約8.5%、または約2.5%~約8%、または約2.5%~約7.5%、または約2.5%~約7%、または約2.5%~約6.5%、または約2.5%~約6%、または約2.5%~約5.5%、または約2.5%~約5%、または約2.5%~約4.5%、または約2.5%~約4%、または約2.5%~約3.5%、または約2.5%~約3%、または約3%~約10%、または約3%~約9.5%、または約3%~約9%、または約3%~約8.5%、または約3%~約8%、または約3%~約7.5%、または約3%~約7%、または約3%~約6.5%、または約3%~約6%、または約3%~約5.5%、または約3%~約5%、または約3%~約4.5%、または約3%~約4%、または約3%~約3.5%、または約3.5%~約10%、または約3.5%~約9.5%、または約3.5%~約9%、または約3.5%~約8.5%、または約3.5%~約8%、または約3.5%~約7.5%、または約3.5%~約7%、または約3.5%~約6.5%、または約3.5%~約6%、または約3.5%~約5.5%、または約3.5%~約5%、または約3.5%~約4.5%、または約3.5%~約4%、または約4%~約10%、または約4%~約9.5%、または約4%~約9%、または約4%~約8.5%、または約4%~約8%、または約4%~約7.5%、または約4%~約7%、または約4%~約6.5%、または約4%~約6%、または約4%~約5.5%、または約4%~約5%、または約4%~約4.5%、または約4.5%~約10%、または約4.5%~約9.5%、または約4.5%~約9%、または約4.5%~約8.5%、または約4.5%~約8%、または約4.5%~約7.5%、または約4.5%~約7%、または約4.5%~約6.5%、または約4.5%~約6%、または約4.5%~約5.5%、または約4.5%~約5%、または約5%~約10%、または約5%~約9.5%、または約5%~約9%、または約5%~約8.5%、または約5%~約8%、または約5%~約7.5%、または約5%~約7%、または約5%~約6%、または約5%~約5.5%、または約5.5%~約10%、または約5.5%~約9.5%、または約5.5%~約9%、または約5.5%~約8.5%、または約5.5%~約8%、または約5.5%~約7.5%、または約5.5%~約7%、または約5.5%~約6.5%、または約5.5%~約6%、または約6%~約10%、または約6%~約9.5%、または約6%~約9%、または約6%~約8.5%、または約6%~約8%、または約6%~約7.5%、または約6%~約7%、または約6%~約6.5%、または約6.5%~約10%、または約6.5%~約9.5%、または約6.5%~約9%、または約6.5%~約8.5%、または約6.5%~約8%、または約6.5%~約7.5%、または約6.5%~約7%、または約7%~約10%、または約7%~約9.5%、または約7%~約9%、または約7%~約8.5%、または約7%~約8%、または約7%~約7.5%、または約7.5%~約10%、または約7.5%~約9.5%、または約7.5%~約9%、または約7.5%~約8.5%、または約7.5%~約8%、または約8%~約10%、または約8%~約9.5%、または約8%~約9%、または約8%~約8.5%、または約8.5%~約10%、または約8.5%~約9.5%、または約8.5%~約9%、または約9%~約10%、または約9%~約9.5%、または約9.5%~約10%の量で存在し得る。
【0079】
開裂型(I型)光開始剤と同様に、使用される他のフリーラジカル光開始剤の型、混合物、または濃度に対する制限はない。好適な他の光開始剤は、ベンゾフェノン、チオキサントン、フェニルグリオキシレート、オキシムエステル、チタノセン、フルオレノン、アントラキノン、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0080】
好適なチオキサントンは、2-4-ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0081】
好適なベンゾフェノンは、ベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、メチル-2-ベンゾイルベンゾエート、4-ベンゾイル-4-メチルジフェニルスルフィド、4-ヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4,4-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン-2-カルボキシ(テトラエトキシ)アクリレート、4-ヒドロキシベンゾフェノンラウレート、1-[-4-[ベンゾイルフェニルスルホ]フェニル]-2-メチル-2-(4-メチルフェニルスルホニル)プロパン-1-オン、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0082】
好適なフェニルグリオキシレートは、フェニルグリオキシル酸メチルエステル、オキシ-フェニル-酢酸2-[ヒドロキシル-エトキシ]-エチルエステル、オキシ-フェニル-酢酸2-[2-オキソ-2-フェニル-アセトキシ-エトキシ]-エチルエステル、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0083】
好適なオキシムエステルは、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム、[1-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)ヘプチリデンアミノ]ベンゾエート、[1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)カルバゾール-3-イル]-エチリデンアミノ]アセテート、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0084】
他の好適な光開始剤の例は、ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、チタン-ビス(
【数1】
5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス-[2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル])のようなチタノセンラジカル開始剤、9-フルオレノン、カンファーキノン、2-エチルアントラキノン、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0085】
アミン相乗剤(amine synergist)は、任意選択で、製剤にも含まれ得る。好適な例は、2-(ジメチルアミノ)エチルベンゾエートのような芳香族アミン、N-フェニルグリシン、安息香酸、4-(ジメチルアミノ)-、1,1’-[(メチルイミノ)ジ-2,1-エタンジイル]エステル、ならびにエチル、アミル、2-ブトキシエチルおよび2-エチルヘキシルエステルが特に好ましい、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸の単純アルキルエステルおよびN,N-ジメチルアミノ安息香酸エステルの他の位置異性体、N-メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびトリイソプロパノールアミンのようなのような脂肪族アミン、ALLNEXから利用可能なEBECRYL 80、EBECRYL 81、EBECRYL 83、EBECRYL 85、EBECRYL 880、EBECRYL LEO 10551、EBECRYL LEO 10552、EBECRYL LEO 10553、EBECRYL 7100、EBECRYL P115およびEBECRYL P116のようなアミノアクリレートおよびアミン修飾ポリエーテルアクリレート、すべてSartomerから利用可能なCN501、CN550、CN UVA421、CN3705、CN3715、CN3755、CN381およびCN386、RAHNからのGENOMER 5142、GENOMER 5161、GENOMER 5271およびGENOMER 5275、すべてIGMから利用可能なPHOTOMER 4771、PHOTOMER 4967、PHOTOMER 5006、PHOTOMER 4775、PHOTOMER 5662、PHOTOMER 5850、PHOTOMER 5930、およびPHOTOMER 4250、すべてBASFから利用可能なLAROMER LR8996、LAROMER LR8869、LAROMER LR8889、LAROMER LR8997、LAROMER PO 83F、LAROMER PO 84F、LAROMER PO 94F、LAROMER PO 9067、LAROMER PO 9103、LAROMER PO 9106およびLAROMER PO77F、すべてDSM-AGIから利用可能なAGISYN 701、AGISYN 702、AGISYN 703、NeoRad P-81およびNeoRad P-85を含むが、これらに限定されない。
【0086】
例えば、ポリマー性アミノベンゾエート(RAHNからのGENOPOL AB-1もしくはAB-2、IGMからのOmnipol ASA、またはLambsonからのSpeedcure 7040)、ポリマー性ベンゾフェノン誘導体(RAHNからのGENOPOL BP-1もしくはBP-2、IGMからのOmnipol BP、Omnipol BP2702、もしくはOmnipol 682、またはLambsonからのSpeedcure 7005)、ポリマー性チオキサントン誘導体(RAHNからのGENOPOL TX-1もしくはTX-2、IGMからのOmnipol TX、またはLambsonからのSpeedcure 7010)、IGMからのOmnipol 910のようなポリマー性アミノアルキルフェノン、IGMからのOmnipol 2712のようなポリマー性ベンゾイルギ酸エステル、およびIGMからのOmnipol SZのようなポリマー性増感剤を含む、ポリマー性光開始剤および増感剤も好適である。
【0087】
UV増感剤は、任意選択で、本発明の組成物にも含まれ得る。典型的な増感剤は、チオキサントン、アントラセン、ナフタレン、ペリレン、およびUS6,313,188およびUS8,785,515に記載される増感剤のうちのいずれか、それらの組み合わせなどを含む。好ましいUV増感剤は、多官能性、ポリマー性、または重合性チオキサントンのような低移行用途に好適なチオキサントンである。
【0088】
存在する際に、UV増感剤は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約10%(w/w)の量で存在する。好ましくは、UV増感剤の量は、約0.5%~約5%(w/w)である。例えば、UV増感剤は、約0.1%~約9.5%、または約0.1%~約9%、または約0.1%~約8.5%、または約0.1%~約8%、または約0.1%~約7.5%、または約0.1%~約7%、または約0.1%~約6.5%、または約0.1%~約6%、または約0.1%~約5.5%、または約0.1%~約5%、または約0.1%~約4.5%、または約0.1%~約4%、または約0.1%~約3.5%、または約0.1%~約3%、または約0.1%~約2.5%、または約0.1%~約2%、または約0.1%~約1.5%、または約0.1%~約1%、または約0.1%~約0.5%、または約0.5%~約10%、または約0.5%~約9.5%、または約0.5%~約9%、または約0.5%~約8.5%、または約0.5%~約8%、または約0.5%~約7.5%、または約0.5%~約7%、または約0.5%~約6.5%、または約0.5%~約6%、または約0.5%~約5.5%、または約0.5%~約5%、または約0.5%~約4.5%、または約0.5%~約4%、または約0.5%~約3.5%、または約0.5%~約3%、または約0.5%~約2.5%、または約0.5%~約2%、または約0.5%~約1.5%、または約0.5%~約1%、または約1%~約10%、または約1%~約9.5%、または約1%~約9%、または約1%~約8%、または約1%~約7.5%、または約1%~約7%、または約1%~約6.5%、または約1%~約6%、または約1%~約5.5%、または約1%~約5%、または約1%~約4.5%、または約1%~約4%、または約1%~約3.5%、または約1%~約3%、または約1%~約2.5%、または約1%~約2%、または約1%~約1.5%、または約1.5%~約10%、または約1.5%~約9.5%、または約1.5%~約9%、または約1.5%~約8.5%、または約1.5%~約8%、または約1.5%~約7.5%、または約1.5%~約7%、または約1.5%~約6.5%、または約1.5%~約6%、または約1.5%~約5.5%、または約1.5%~約5%、または約1.5%~約4.5%、または約1.5%~約4%、または約1.5%~約3.5%、または約1.5%~約3%、または約1.5%~約2.5%、または約1.5%~約2%、または約2%~約10%、または約2%~約9.5%、または約2%~約9%、または約2%~約8.5%、または約2%~約8%、または約2%~約7.5%、または約2%~約7%、または約2%~約6.5%、または約2%~約6%、または約2%~約5.5%、または約2%~約5%、または約2%~約4.5%、または約2%~約4%、または約2%~約3.5%、または約2%~約3%、または約2%~約2.5%、または約2.5%~約10%、または約2.5%~約9.5%、または約2.5%~約9%、または約2.5%~約8.5%、または約2.5%~約8%、または約2.5%~約7.5%、または約2.5%~約7%、または約2.5%~約6.5%、または約2.5%~約6%、または約2.5%~約5.5%、または約2.5%~約5%、または約2.5%~約4.5%、または約2.5%~約4%、または約2.5%~約3.5%、または約2.5%~約3%、または約3%~約10%、または約3%~約9.5%、または約3%~約9%、または約3%~約8.5%、または約3%~約8%、または約3%~約7.5%、または約3%~約7%、または約3%~約6.5%、または約3%~約6%、または約3%~約5.5%、または約3%~約5%、または約3%~約4.5%、または約3%~約4%、または約3%~約3.5%、または約3.5%~約10%、または約3.5%~約9.5%、または約3.5%~約9%、または約3.5%~約8.5%、または約3.5%~約8%、または約3.5%~約7.5%、または約3.5%~約7%、または約3.5%~約6.5%、または約3.5%~約6%、または約3.5%~約5.5%、または約3.5%~約5%、または約3.5%~約4.5%、または約3.5%~約4%、または約4%~約10%、または約4%~約9.5%、または約4%~約9%、または約4%~約8.5%、または約4%~約8%、または約4%~約7.5%、または約4%~約7%、または約4%~約6.5%、または約4%~約6%、または約4%~約5.5%、または約4%~約5%、または約4%~約4.5%、または約4.5%~約10%、または約4.5%~約9.5%、または約4.5%~約9%、または約4.5%~約8.5%、または約4.5%~約8%、または約4.5%~約7.5%、または約4.5%~約7%、または約4.5%~約6.5%、または約4.5%~約6%、または約4.5%~約5.5%、または約4.5%~約5%、または約5%~約10%、または約5%~約9.5%、または約5%~約9%、または約5%~約8.5%、または約5%~約8%、または約5%~約7.5%、または約5%~約7%、または約5%~約6%、または約5%~約5.5%、または約5.5%~約10%、または約5.5%~約9.5%、または約5.5%~約9%、または約5.5%~約8.5%、または約5.5%~約8%、または約5.5%~約7.5%、または約5.5%~約7%、または約5.5%~約6.5%、または約5.5%~約6%、または約6%~約10%、または約6%~約9.5%、または約6%~約9%、または約6%~約8.5%、または約6%~約8%、または約6%~約7.5%、または約6%~約7%、または約6%~約6.5%、または約6.5%~約10%、または約6.5%~約9.5%、または約6.5%~約9%、または約6.5%~約8.5%、または約6.5%~約8%、または約6.5%~約7.5%、または約6.5%~約7%、または約7%~約10%、または約7%~約9.5%、または約7%~約9%、または約7%~約8.5%、または約7%~約8%、または約7%~約7.5%、または約7.5%~約10%、または約7.5%~約9.5%、または約7.5%~約9%、または約7.5%~約8.5%、または約7.5%~約8%、または約8%~約10%、または約8%~約9.5%、または約8%~約9%、または約8%~約8.5%、または約8.5%~約10%、または約8.5%~約9.5%、または約8.5%~約9%、または約9%~約10%、または約9%~約9.5%、または約9.5%~約10%の量で存在し得る
【0089】
本発明の組成物が低移行のインクおよびコーティングのような低移行用途における使用について意図されるため、低移行ポテンシャルを有する光開始剤が使用されることは、好ましい。したがって、ポリマー性、重合性、および多官能性の型が好ましい。
【0090】
本発明に従う組成物は、フリーラジカル重合性モノマーおよびオリゴマーの任意の量の任意の混合物を含み得る。
【0091】
好適な単官能性エチレン性不飽和モノマーの例は、以下、イソブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n-オクチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソノニルアクリレート、オクチル/デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2-プロピルヘプチルアクリレート、トリデシルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4-tブチルシクロヘキシルアクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキサンアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンチルアクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、アルコキシル化ノニルフェノールアクリレート、クミルフェノキシエチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、2(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、カプロラクトンアクリレート、エトキシル化メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアクリレート、ジエチレングリコールブチルエーテルアクリレート、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレート、エトキシル化エチルヘキシルアクリレート、アルコキシル化フェノールアクリレート、エトキシル化フェノールアクリレート、エトキシル化ノニルフェノールアクリレート、プロポキシル化ノニルフェノールアクリレート、ポリエチレングリコールo-フェニルフェニルエーテルアクリレート、エトキシル化p-クミルフェノールアクリレート、エトキシル化ノニルフェノールアクリレート、アルコキシル化ラウリルアクリレート、エトキシル化トリスチリルフェノールアクリレート、N-(アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロフタルイミド、N-ブチル1,2-(アクリロイルオキシ)エチルカルバメート、アクリロイルオキシエチルコハク酸水素、オクトキシポリエチレングリコールアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、2-イソシアナートエチルアクリレート、アセトアセトキシエチルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、2-カルボキシエチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、エトキシル化という用語はエチレンオキシドの使用を通じた鎖延長化合物を指し、プロポキシル化はプロピレンオキシドの使用を通じた鎖延長化合物を指し、アルコキシル化は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのいずれかまたは両方を使用する鎖延長化合物を指す。同等のメタクリレート化合物も使用されることができるが、当業者は、メタクリレート化合物がそれらの同等のアクリレート対応物よりも低い反応性を有することを理解するであろう。
【0092】
本発明に従って調製された組成物が、食品包装の印刷およびコーティングを含む、低移行用途の低移行の印刷およびコーティングについて意図されるため、使用される単官能性モノマーの量は、UV硬化性インクまたはコーティングに存在する未硬化モノマーの移行に関連するリスクを低下させるために限定されるべきである。したがって、本発明の別の態様は、個々の単官能性モノマーの量は、組成物の総重量に基づいて、15%(w/w)以下、好ましくは10%(w/w)以下、より好ましくは5%(w/w)以下、さらにより好ましくは2.5%(w/w)以下であるべきであり、最も好ましくは、組成物は単官能性モノマーを含有しないであろうということである。
【0093】
モノマーが本発明の組成物の調製において使用される場合、それらは、それらの重合性基に関して多官能性であることが好ましい。アクリレートのような2つ以上のエチレン性不飽和基を有する多官能性モノマーは、単官能性モノマーと比較して、UV硬化性インクまたはコーティングに反応するより高い可能性を有し、それによって未硬化モノマーにより生じる潜在的な汚染のリスクを低下させる。好適な多官能性エチレン性不飽和モノマーの例は、以下、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、2-メチル-1,3-プロパンジイルエトキシアクリレート、2-メチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート、エトキシル化2-メチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート、3メチル1,5-ペンタンジオールジアクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、エトキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、プロポキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,10デカンジオールジアクリレート、エトキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロポキシル化エチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリ(テトラメチレングリコール)ジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、エトキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ポリブタジエンジアクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,4-ブタンジイルビス[オキシ(2-ヒドロキシ-3,1-プロパンジイル)]ジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシル化ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシル化エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールFジアクリレート、2-(2-ビニルオキシエトキシ)エチルアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、エトキシル化グリセロールトリアクリレート、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン修飾トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ε-カプロラクトン修飾トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、メラミンアクリレートオリゴマー、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ-トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアアクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。エトキシル化という用語はエチレンオキシドの使用を通じた鎖延長化合物を指し、プロポキシル化はプロピレンオキシドの使用を通じた鎖延長化合物を指し、アルコキシル化は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのいずれかまたは両方を使用する鎖延長化合物を指す。同等のメタクリレート化合物も使用されることができるが、当業者は、メタクリレート化合物がそれらの同等のアクリレート対応物よりも低い反応性を有することを理解するであろう。
【0094】
アクリレート以外のフリーラジカル重合性基を含むモノマーの例は、N-ビニルアミドを含む。好適な追加的なフリーラジカル重合性モノマーは、N-ビニルカプロラクタム(NVC)、N-ビニルピロリドン(NVP)、ジアセトンアクリルアミド、N-ビニルオキサゾリジノン、またはN-ビニルメトキサゾリジノン、N-ビニルカルバゾール、N-アクリロキシオキシエチルシクロヘキサンジカルボキシイミド、N-ビニルイミダゾール、N-ビニル-N-メチルアセトアミド(VIMA)、またはアクリロイルモルホリン(ACMO)を含むが、これらに限定されない。2-(2-ビニルオキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート(VEEA、VEEM)のようなビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル(DVE2)、トリエチレングリコールジビニルエーテル(DVE3)、エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert-ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)、2-エチルヘキシルビニルエーテル(EHVE)、ドデシルビニルエーテル(DDVE)、オクタデシルビニルエーテル(ODVE)、1-2-ブタンジオールジビニルエーテル(BDDVE)、1-4,シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDM-ジ)、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、1-4-シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル(CHDM-モノ)、1,2,4-トリビニルシクロヘキサン(TVCH)、ビニルホスホン酸ジメチルエステル(VPA)、またはビニルホスホン酸ジメチルエステル(VPADME)。
【0095】
フリーラジカル重合性モノマーと同様に、またはその代わりに、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレートおよびエポキシアクリレートを含むがこれらに制限されない任意の濃度および型のフリーラジカル重合性オリゴマーが、使用され得る。
【0096】
本発明のインクおよびコーティング組成物は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、約30%(w/w)~約95%(w/w)の重合性モノマーおよび/またはオリゴマーの総量を含む。例えば、重合性モノマーおよび/またはオリゴマーの総量は、組成物の総重量に基づいて約30%(w/w)~約90%(w/w)、または約30%~約85%、または約30%~約80%、または約30%~約75%、または約30%~約70%、または約30%~約65%、または約30%~約60%、または約30%~約55%、または約30%~約50%、または約30%~約45%、または約30%~約40%、または約30%~約35%、または約35%~約95%、または約35%~約90%、または約35%~約85%、または約35%~約80%、または約35%~約75%、または約35%~約70%、または約35%~約65%、または約35%~約60%、または約35%~約55%、または約35%~約50%、または約35%~約45%、または約35%~約40%、または約40%~約95%、または約40%~約90%、または約40%~約85%、または約40%~約80%、または約40%~約75%、または約40%~約70%、または約40%~約65%、または約40%~約60%、または約40%~約55%、または約40%~約50%、または約40%~約45%、または約45%~約95%、または約45%~約90%、または約45%~約85%、または約45%~約80%、または約45%~約75%、または約45%~約70%、または約45%~約65%、または約45%~約60%、または約45%~約55%、または約45%~約50%、または約50%~約95%、または約50%~約90%、または約50%~約85%、または約50%~約80%、または約50%~約75%、または約50%~約70%、または約50%~約65%、または約50%~約60%、または約50%~約55%、または約55%~約95%、または約55%~約90%、または約55%~約85%、または約55%~約80%、または約55%~約75%、または約55%~約70%、または約55%~約65%、または約55%~約60%、または約60%~約95%、または約60%~約90%、または約60%~約85%、または約60%~約80%、または約60%~約75%、または約60%~約70%、または約60%~約65%、または約65%~約95%、または約65%~約90%、または約65%~約85%、または約65%~約80%、または約65%~約75%、または約65%~約70%、または約70%~約95%、または約70%~約90%、または約70%~約85%、または約70%~約80%、または約70%~約75%、または約75%~約95%、または約75%~約90%、または約75%~約85%、または約75%~約80%、または約80%~約95%、または約80%~約90%、または約80%~約85%、または約85%~約95%、または約85%~約90%、または約90%~約95%であり得る。
【0097】
本発明のインクおよびコーティング組成物は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、約1%(w/w)~約95%(w/w)の任意の個々の重合性モノマーまたはオリゴマーを含む。例えば、個々の重合性モノマーまたはオリゴマーの量は、組成物の総重量に基づいて約1%(w/w)~約90%(w/w)、または約1%~約90%、または約1%~約85%、または約1%~約80%、または約1%~約75%、または約1%~約70%、または約1%~約65%、または約1%~約60%、または約1%~約55%、または約1%~約50%、または約1%~約45%、または約1%~約40%、または約1%~約35%、または約1%~約30%、または約1%~約25%、または約1%~約20%、または約1%~約15%、または約1%~約10%、または約1%~約5%、または約5%~約95%、または約5%~約90%、または約5%~約85%、または約5%~約80%、または約5%~約75%、または約5%~約70%、または約5%~約65%、または約5%~約60%、または約5%~約55%、または約5%~約50%、または約5%~約45%、または約5%~約40%、または約5%~約35%、または約5%~約30%、または約5%~約25%、または約5%~約20%、または約5%~約15%、または約5%~約10%、または約10%~約95%、または約10%~約90%、または約10%~約85%、または約10%~約75%、または約10%~約70%、または約10%~約65%、または約10%~約60%、または約10%~約55%、または約10%~約50%、または約10%~約45%、または約10%~約40%、または約10%~約35%、または約10%~約30%、または約10%~約25%、または約10%~約20%、または約10%~約15%、または約15%~約95%、または約15%~約90%、または約15%~約85%、または約15%~約80%、または約15%~約75%、または約15%~約70%、または約15%~約65%、または約15%~約60%、または約15%~約55%、または約15%~約50%、または約15%~約45%、または約15%~約40%、または約15%~約35%、または約15%~約30%、または約15%~約25%、または約15%~約20%、または約20%~約95%、または約20%~約90%、または約20%~約85%、または約20%~約80%、または約20%~約75%、または約20%~約70%、または約20%~約65%、または約20%~約60%、または約20%~約55%、または約20%~約50%、または約20%~約45%、または約20%~約40%、または約20%~約35%、または約20%~約30%、または約20%~約25%、または約25%~約95%、または約25%~約90%、または約25%~約85%、または約25%~約80%、または約25%~約75%、または約25%~約70%、または約25%~約65%、または約25%~約60%、または組成物の総重量に基づいて約30%(w/w)~約90%(w/w)、または約30%~約85%、または約30%~約80%、または約30%~約75%、または約30%~約70%、または約30%~約65%、または約30%~約60%、または約30%~約55%、または約30%~約50%、または約30%~約45%、または約30%~約40%、または約30%~約35%、または約35%~約95%、または約35%~約90%、または約35%~約85%、または約35%~約80%、または約35%~約75%、または約35%~約70%、または約35%~約65%、または約35%~約60%、または約35%~約55%、または約35%~約50%、または約35%~約45%、または約35%~約40%、または約40%~約95%、または約40%~約90%、または約40%~約85%、または約40%~約80%、または約40%~約75%、または約40%~約70%、または約40%~約65%、または約40%~約60%、または約40%~約55%、または約40%~約50%、または約40%~約45%、または約45%~約95%、または約45%~約90%、または約45%~約85%、または約45%~約80%、または約45%~約75%、または約45%~約70%、または約45%~約65%、または約45%~約60%、または約45%~約55%、または約45%~約50%、または約50%~約95%、または約50%~約90%、または約50%~約85%、または約50%~約80%、または約50%~約75%、または約50%~約70%、または約50%~約65%、または約50%~約60%、または約50%~約55%、または約55%~約95%、または約55%~約90%、または約55%~約85%、または約55%~約80%、または約55%~約75%、または約55%~約70%、または約55%~約65%、または約55%~約60%、または約60%~約95%、または約60%~約90%、または約60%~約85%、または約60%~約80%、または約60%~約75%、または約60%~約70%、または約60%~約65%、または約65%~約95%、または約65%~約90%、または約65%~約85%、または約65%~約80%、または約65%~約75%、または約65%~約70%、または約70%~約95%、または約70%~約90%、または約70%~約85%、または約70%~約80%、または約70%~約75%、または約75%~約95%、または約75%~約90%、または約75%~約85%、または約75%~約80%、または約80%~約95%、または約80%~約90%、または約80%~約85%、または約85%~約95%、または約85%~約90%、または約90%~約95%、約25%~約55%、または約25%~約50%、または約25%~約45%、または約25%~約40%、または約25%~約35%、または約25%~約30%、または約30%~約95%、または組成物の総重量に基づいて約30%(w/w)~約90%(w/w)、または約30%~約85%、または約30%~約80%、または約30%~約75%、または約30%~約70%、または約30%~約65%、または約30%~約60%、または約30%~約55%、または約30%~約50%、または約30%~約45%、または約30%~約40%、または約30%~約35%、または約35%~約95%、または約35%~約90%、または約35%~約85%、または約35%~約80%、または約35%~約75%、または約35%~約70%、または約35%~約65%、または約35%~約60%、または約35%~約55%、または約35%~約50%、または約35%~約45%、または約35%~約40%、または約40%~約95%、または約40%~約90%、または約40%~約85%、または約40%~約80%、または約40%~約75%、または約40%~約70%、または約40%~約65%、または約40%~約60%、または約40%~約55%、または約40%~約50%、または約40%~約45%、または約45%~約95%、または約45%~約90%、または約45%~約85%、または約45%~約80%、または約45%~約75%、または約45%~約70%、または約45%~約65%、または約45%~約60%、または約45%~約55%、または約45%~約50%、または約50%~約95%、または約50%~約90%、または約50%~約85%、または約50%~約80%、または約50%~約75%、または約50%~約70%、または約50%~約65%、または約50%~約60%、または約50%~約55%、または約55%~約95%、または約55%~約90%、または約55%~約85%、または約55%~約80%、または約55%~約75%、または約55%~約70%、または約55%~約65%、または約55%~約60%、または約60%~約95%、または約60%~約90%、または約60%~約85%、または約60%~約80%、または約60%~約75%、または約60%~約70%、または約60%~約65%、または約65%~約95%、または約65%~約90%、または約65%~約85%、または約65%~約80%、または約65%~約75%、または約65%~約70%、または約70%~約95%、または約70%~約90%、または約70%~約85%、または約70%~約80%、または約70%~約75%、または約75%~約95%、または約75%~約90%、または約75%~約85%、または約75%~約80%、または約80%~約95%、または約80%~約90%、または約80%~約85%、または約85%~約95%、または約85%~約90%、または約90%~約95%であり得る。
【0098】
本発明の組成物が低移行を要求する用途のために使用される場合、単官能性モノマーの総濃度は、組成物の総重量に基づいて15%(w/w)未満、好ましくは10%(w/w)、より好ましくは5%(w/w)未満、さらにより好ましくは2.5%(w/w)未満、最も好ましくは本質的にいかなる単官能性モノマーも含まないことが好ましい。
【0099】
有利には、本発明の組成物に酸を含めることは、UV硬化プロセス中のモノマーの変換(硬化)に悪影響を及ぼさない。移行可能なアルデヒドおよび/またはケトン(特にアルデヒド)の低下した量に加えて、硬化したインクおよびコーティングにおける移行可能なモノマーの量を最小化する必要もあるため、このことは重要である。硬化したモノマーは、移行しない。硬化したインクまたはコーティングから移行し得るのは、未硬化の残存性のモノマーである。したがって、本発明の硬化したインクおよびコーティングは、低レベルの移行性モノマーも有する。
【0100】
本発明の組成物が着色剤を要求する場合、好適な着色剤は、有機または無機の顔料および染料を含むが、これらに限定されない。染料は、アゾ染料、アントラキノン染料、キサンテン染料、アジン染料、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。有機顔料は、例えば、顔料イエロー番号12、13、14、17、74、83、114、126、127、138、150、155、174、180、181、188、顔料レッド番号2、22、23、48:1、48:2、52、52:1、53、57:1、112、122、166、170、176、184、202、254、266、269、顔料オレンジ番号5、16、34、36、顔料ブルー番号15、15:3、15:4、顔料バイオレット番号3、19、23、27、および/または顔料グリーン番号7のような1つの顔料または顔料の組み合わせであり得る。無機顔料は、以下の非限定的な顔料の1つであり得る:酸化鉄、二酸化チタン、酸化クロム、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、黒色酸化第二鉄、顔料ブラック番号7ならびに/または顔料ホワイト番号6および7。所望の色を達成する組み合わせと同様に、他の有機および無機の顔料および染料も、採用され得る。
【0101】
本発明のUV硬化性組成物は、それらがそれらの意図された用途で実行することを可能にする他の構成成分も含有し得る。これらの他のインク構成成分は、安定剤、湿潤助剤、スリップ剤、不活性樹脂、消泡剤、充填剤、レオロジー助剤、アミン相乗剤などを含むが、これらに限定されない。
【0102】
本発明の組成物は、任意選択で、その中に溶解されたアクリルポリマーまたはコポリマーの任意の混合物も含み得る。これらのポリマーは、通常、スチレン、ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレートを含むがこれらに限定されない、モノマーの混合物の(熱)フリーラジカル重合によって調製される。アクリルポリマーは、好ましくは、20,000g/モル未満、より好ましくは10,000g/モル未満の数平均分子量を有する。かかるポリマーの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーのような当該技術分野で既知のそれらの技法によって測定され得る。アクリルポリマーの例は、とりわけ、Dianal、Elvacite Rohm and HaasおよびDSMから供給されるものを含む。アクリルポリマーは、好ましくは、組成物の総重量に基づいて、2~20%(w/w)の濃度で組成物中に存在する。
【0103】
本発明の組成物は、好ましくは、本質的にいかなる溶媒も含まない。しかしながら、要求される場合、本発明の組成物は、溶媒で希釈され得る。有機溶媒および水性溶媒の両方は、本発明の硬化性組成物を希釈するために使用され得る。インク組成物に含まれ得る任意の溶媒の好ましい最大量は、組成物の総重量に基づいて10%(w/w)である。
【0104】
本発明に従って調製される組成物は、特にインクジェットおよびフレキソ印刷インクおよびコーティングの調製に好適である。しかしながら、本発明の組成物は、デジタル、オフセット、シルクスクリーン、平板、グラビア、または活版印刷用途を含むがこれらに限定されない、他の型の印刷にも好適である。
【0105】
本発明に従う低移行エネルギー硬化性組成物は、好ましくは、UV光の作用下で硬化される。低移行UV硬化性組成物については、低移行ポテンシャルを有する光開始剤が使用されることが好ましい。低移行ポテンシャル光開始剤の任意の組み合わせおよび濃度は使用され得、型はポリマー性、重合性、二官能性、多官能性光開始剤を含むが、これらに制限されない。これらのクラス内のI型およびII型光開始剤の両方が、好適である。好適なポリマー性光開始剤は、以前に記載されている。低移行用途に好適な他の光開始剤は、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、オリゴ-[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-((4-(1-メチルビニル)フェニル)プロパノン]、ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)-アルファ-(4-(ジメチルアミノ)ベンゾイル)-オメガ-((4-(ジメチルアミノ)ベンゾイル)オキシ)-(9Cl)、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-[4-(4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)フェノキシ)フェニル]-2-メチルプロパン-1-オン、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。低移行に好適な光開始剤は、EUPIAの「Suitability List of Photo-initiators for Low Migration UV Printing Inks and Varnishes」に列挙されるもの、特にグループ1Aおよび1Bに含まれるもののうちのいずれかを含み得る。
【0106】
以下のような任意のUV光源が、使用され得る。高圧水銀電球、中圧水銀電球、キセノン電球、カーボンアークランプ、メタルハライドバルブ、UV-LEDランプまたは太陽光が、使用され得る。任意のUV光源が本発明に従って調製された組成物を硬化させるために使用され得ることは、当業者に理解されるべきである。
【0107】
UV硬化性組成物が、食品用に意図された一次または二次包装の(非接触)表面に適用される場合、食品に影響を与える包装からの汚染は、食品と接触する材料および物品は、「通常のまたは予測可能な使用条件下では、それらが、人間の健康を危険にさらすか、食品の組成物に許容できない変化をもたらすか、またはその官能特性における悪化をもたらし得る量で、それらの成分を食品に移動させないように、適正製造規範に従って製造される」ことを要求する、EUPIA(European Printing Ink Association)により勧告されるような、規則(EC)第1935/2004号の第3条(およびEC第10/2011号も)に定められたガイドラインの範囲内であるべきである。
【0108】
EUPIAは、この条項の第3条が、食品包装用の印刷物を作成する際に従われることを勧告しており、規制要件が達成されることを確実にするための印刷物の試験に関するガイドラインと共に、食品包装用の印刷インクについて意図された原材料の選択のための詳細なガイドラインを作成している。特定の構成成分について特定移行限度(SML)が存在しない場合、以下の移行限度が適用される。毒物学データが不十分な場合に10ppb、EFSA4ガイドラインによって求められる3つの陰性の変異原性試験が利用可能な場合に50ppb、場合適切な毒物学データおよび/またはEFSAガイドライン(食品包装材料および物品の非食品接触表面に適用された印刷インクに対するEuPIAガイドラインからの抜粋、2009年9月)に従って行われた評価によって支持される場合に50ppb超。
【0109】
EUPIAは、印刷物により生じる移行可能物(migratable)の潜在的なレベルを測定する方法に関するガイドラインも提供する。包装の非食品接触表面(すなわち、外表面)に適用されるインクおよびコーティングについては、一次包装または二次包装(ラベルおよびスリーブ)のどちらに提供されても、食品を汚染するインクからの移行可能な種に対する最も可能性の高い経路は、裏移り移行(set-off migration)として知られるものである。このことは、印刷物が、それが食品で満たされる前に積み重ねられるか、または巻き取られる場合である。したがって、基材の印刷された側のインクは、包装の食品接触表面となるであろうもの(すなわち、印刷されていない側)と接触するようになり、インクの移行可能な構成成分は、この表面に拡散し得る。次いで、包装が食品で満たされる際に、包装の接触表面へと拡散しているインクからの汚染物質は、食品中に浸出して、潜在的な汚染問題をもたらし得る。したがって、食品の一次包装または二次包装のいずれかに適用される任意のエネルギー硬化性流体は、上記で詳述された限度を超えるレベルでその食品の汚染をもたらすべきでない。
【実施例】
【0110】
以下の実施例は、本発明の特定の態様を例示するものであり、いかなる点においてもその範囲を限定するように意図されるものではなく、そのように解釈されるべきではない。
【0111】
方法
インク調製
インクを、シルバーソン型分散器を使用して20分間インク構成成分を混合することにより調製した。インクは、インクジェット印刷に好適であり、WO2014/126720に記載される原理に従い、二官能性アクリレートモノマーと、限定された濃度のポリマー性光開始剤を含む低移行光開始剤包装と、に基づいて調製された。
【0112】
抽出試験のためにインクを硬化させる
インクを、36μmのMelinex S(ポリエステルフィルム)に12μmの厚さで適用し、次いで、中圧Hバルブを装備したFusion UV Systems UV-Rigを使用して200mJ/cm2で硬化させた。ベルト速度を、較正されたInternational Light TechnologiesのILT 490 Profiling Belt放射計(UV-AおよびUV-Bの範囲を包含する)で測定される場合、200mJ/cm2の要求されたUV線量を達成するように調整した。
【0113】
抽出可能な光開始剤の残留物およびモノマーのレベルを評価する
UV硬化中の開裂型(I型)光開始剤分解生成物の量を低下させるための酸またはPAGの有効性を決定するために、「総抽出」試験を採用した。この試験は、0.025%(w/w)のヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ;安定剤)を含有する2mlのメタノールに30cm2のプリントを室温で24時間浸漬した後、メタノール溶液をGC-MSで分析することを伴った。GC-MSを、光開始剤生成物およびモノマーの既知の溶液で較正し、結果は、プリント中のすべての未結合モノマーが食品に移行して食品を汚染する場合、EU包装モデル(600cm2の基材が1kgの食品を包装するために要求されることが想定される)に従って1Kgの食品に存在するであろう、ppb(十億分率)、モノマーの等量、または光開始剤フラグメントとして報告される。
【0114】
実施例1.1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オンおよびビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシドを含むUV硬化性インクジェット組成物。
本発明のインク1~3、および比較インク1を、表1に示される製剤に従う着色されたインク組成物として調製した。量は、組成物の総重量に基づいて、重量%である。
【表1】
【0115】
使用された酸種は次のとおりであった。
(a)4,4’-ジメチル-ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(PAG)
(b)1-{4-[(4-ベンゾイルフェニル)スルファニル]フェニル}-2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルホニル]プロパン-1-オン(PAG)
(c)HEMAP(2-ヒドロキシエチルメタクリレートホスフェート)(有機酸)
【0116】
表2は、2つの開裂型光開始剤について特定された光開始剤分解生成物に関して、総抽出分析についての結果を示す。Irgacure 819の分解生成物は、2,4,6-トリメチルベンズアルデヒド(メシトアルデヒド)である。Irgacure 2959の分解生成物は、4-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンズアルデヒドである。抽出可能な材料の量は、ppb(十億分率)で表される。低下の程度は、低下百分率として括弧内にも表される。
【表2】
【0117】
すべての酸種が、インクジェット組成物の製剤において使用される2つの開裂型光開始剤によって生成される光分解生成物の量の顕著な低下を誘発したことは、表2におけるデータから明らかである。
【0118】
実施例2.低移行開裂型光開始剤を含有するUV硬化性インクジェットインク。
第2のシリーズのインク組成物を、前述の(a)および(b)PAGを使用して調製した。この一連の実験では、低移行用途における使用が推奨されている開裂型光開始剤を、評価した。また、抽出分析方法を、光開始剤分解生成物の量を決定するために使用した。この一連の例で使用される製剤は、一般に、2.0%のOmnipol TX(1.0%ではなく)が使用されることを除いて、比較例1および本発明の例1~3のもの、ならびに、表3に示される追加的な開裂型光開始剤であった。PAGおよび使用された量は、表3にも示される。抽出可能な材料の量は、ppb(十億分率)で表される。低下の程度は、低下百分率として括弧内にも表される。
【表3】
【0119】
表3におけるインクの製剤は以下の通りである:
・比較例2=Irgacure 2959が除去され、2%のDPGDAが追加されたことを除いて、比較例1と同じである。
・比較例3=3%のKIP160が追加され、3%のDPGDAが除去されたことを除いて、比較例2と同じである。
・比較例4=3%のIrgacure 127が追加され、3%のDPGDAが除去されたことを除いて、比較例2と同じである。
・本発明の例4=2%のPAGが追加され、2%のDPGDAが除去されたことを除いて、比較例2と同じである。
・本発明の例5=2%のPAGが追加され、2%のDPGDAが除去されたことを除いて、比較例2と同じである。
・本発明の例6=2%のPAGが追加され、2%のDPGDAが除去されたことを除いて、比較例3と同じである。
・本発明の例7=2%のPAGが追加され、2%のDPGDAが除去されたことを除いて、比較例4と同じである。
・本発明の例8=2%のPAGが追加され、2%のDPGDAが除去されたことを除いて、比較例3と同じである。
・本発明の例9=2%のPAGが追加され、2%のDPGDAが除去されたことを除いて、比較例4と同じである。
【0120】
PAG、4,4’-ジメチル-ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(a)、または1-{4-[(4-ベンゾイルフェニル)スルファニル]フェニル}-2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルホニル]プロパン-1-オン(b)のいずれかが、GC-MS分析で検出された、使用されたさまざまな開裂型光開始剤からの主な光分解生成物の低下に顕著な影響を与えたことは、表3におけるデータから明らかである。問題となるIrgacure 819(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド)分解生成物は、メシトアルデヒドであり、KIP160およびIrgacure 127について特定された分解生成物は、おそらく親光開始剤の分解から生じるアルデヒドのようである。PAG(a)は、光開始剤分解生成物の量を低下させるのに最も効果的であると思われる。しかしながら、驚くべき発見は、PAG(b)を有するIrgacure 819によって発生するメシトアルデヒドの量が、KIP160またはIrgacure 127のいずれかの存在下で低下することである。アシルホスフィンオキシド光開始剤、ケトスルホン型のPAG、およびα-ヒドロキシアルキルフェノン型光開始剤の3つの要素すべてを含むコーティングおよびインク組成物を包含することは、本発明のさらなる態様である。先行技術では明らかにされていない開裂型光開始剤分解生成物の量を低下させるための酸の使用だけでなく、アシルホスフィンオキシド光開始剤からの分解生成物の量のさらなる低下を得るためにα-ヒドロキシアルキルフェノン光開始剤と組み合わされた、本明細書の1-{4-[(4-ベンゾイルフェニル)スルファニル]フェニル}-2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルホニル]プロパン-1-オンにより例示されるような、ケトスルホン型のPAGのさらに有利な組み合わせは、特定された先行技術でも開示されていない。明らかに、それがメシトアルデヒド(分子量=148)のような低分子量のアシルホスフィンオキシド分解生成物の劇的な低下を可能にし、例えば、低移行を要求する用途について、PAG(b)型酸発生剤の使用がPAG(a)型のカチオン性光開始剤に好ましいため、この驚くべき発見は非常に有利である。
【0121】
α-ヒドロキシアルキルフェノン光開始剤のいずれかを、アシルホスフィンオキシドおよび酸を含有する組成物に含めることによる明らかな利益は、それらが、低移行用途に明らかに望ましい、UV硬化性インクフィルムに存在する未硬化モノマーの量の顕著な低下を生むことである。
【0122】
本発明を、その好ましい実施形態を含めて詳細に説明した。しかしながら、当業者は、本開示を考慮すると、本発明の範囲および趣旨内で本発明に対して修正および/または改善を行い得ることを理解されたい。