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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】保管システムのためのサービス車両
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20230815BHJP
   B65G 1/06 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
B65G1/04 555
B65G1/04 547Z
B65G1/06 M
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020567135
(86)(22)【出願日】2019-01-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 EP2019050179
(87)【国際公開番号】W WO2019233632
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-07-07
(31)【優先権主張番号】20180782
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】317005527
【氏名又は名称】アウトストア・テクノロジー・エーエス
【氏名又は名称原語表記】AUTOSTORE TECHNOLOGY AS
【住所又は居所原語表記】Stokkastrandvegen 85,N-5578 Nedre Vats,Norway
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(74)【代理人】
【識別番号】100210398
【弁理士】
【氏名又は名称】横尾 太郎
(72)【発明者】
【氏名】アウストロヘイム,トロンド
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-509564(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0101263(US,A1)
【文献】特開平06-001591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動倉庫システム(1)であって、
列で配置されている保管カラム(105)を含む保管グリッド(104)であって、保管コンテナ(106)が、前記保管カラム(105)の中に重ねてスタックされ、スタック(107)を形成している、保管グリッド(104)と、
レールシステム(108)であって、第1のセットの平行なレール(110)と第2のセットの平行なレール(111)とを含み、前記第1のセットの平行なレール(110)は、水平方向の平面(P)の中に配置され、第1の方向(X)に延在しており、前記第2のセットの平行なレール(111)は、前記水平方向の平面(P)の中に配置され、前記第1の方向(X)に直交する第2の方向(Y)に延在しており、前記第1および第2のセットのレール(110、111)は、前記水平方向の平面(P)の中にグリッドパターンを形成しており、前記グリッドパターンは、複数の隣接するグリッドセル(122)を含む、レールシステム(108)と、
前記レールシステム(108)の上で移動するように構成されている少なくとも1つのコンテナハンドリング車両(200、300)であって、前記第1の方向(X)および前記第2の方向(Y)のうちの少なくとも1つに前記レールシステム(108)に沿って前記少なくとも1つのコンテナハンドリング車両(200、300)をガイドするように構成されているホイール構成体(201、301)を含む、少なくとも1つのコンテナハンドリング車両(200、300)と、
前記レールシステム(108)の上での移動のためのサービス車両(2)と
を含み、
前記サービス車両(2)は、
前記レールシステム(108)の上で動作する前記少なくとも1つのコンテナハンドリング車両(200、300)と機械的に相互作用するためのコンテナ車両ハンドリングパーツ(4)と、
前記サービス車両(2)の動作を制御するための操作パーツ(5)と、
推進手段(6、7)と
を含み、
前記推進手段(6、7)は、動作の間に前記レールシステム(108)の上部にわたって任意の方向への前記サービス車両(2)の移動を可能にし、
前記推進手段(6、7)は、
長手方向に延在するエンドレスベルト(6d)を含む第1のキャタピラートラック(6)と、
前記第1のキャタピラートラック(6)の前記エンドレスベルト(6d)に対して平行に方向付けられた長手方向に延在するエンドレスベルト(6d)を含む第2のキャタピラートラック(7)と、
前記エンドレスベルト(6d)を駆動するベルトモーター(6a)と
を含み、
前記第1および第2のキャタピラートラック(6、7)は、前記レールシステム(108)の前記上部にわたって移動しているとき、前記第1の方向(X)および前記第2の方向(Y)に2つのグリッドセル(122)を横切る距離を超える全体的な長さLを有しており、
前記レールシステム(108)の前記上部にわたる前記キャタピラートラック(6、7)の移動は、前記キャタピラートラック(6、7)が前記レールシステム(108)の上に支持されているが、前記レール(110、11)自体と係合していないことを表している、
ことを特徴とする、自動倉庫システム(1)。
【請求項2】
前記第1のキャタピラートラック(6)は、前記エンドレスベルト(6d)に接触している少なくとも1つのベルトホイール(6a)をさらに含み、
前記ベルトモーター(6a)は、前記少なくとも1つのベルトホイール(6a)を介して前記エンドレスベルト(6d)を駆動するように構成されており、
前記第2のキャタピラートラック(7)は、前記エンドレスベルト(6d)に接触している少なくとも1つのベルトホイール(6a)をさらに含み、
前記ベルトモーター(6a)は、前記少なくとも1つのベルトホイール(6a)を介して前記エンドレスベルト(6d)を駆動するように構成されている、
ことを特徴とする、請求項1に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項3】
前記第1のキャタピラートラック(6)は、第1のエンドレスベルト(6d)の内側表面(6c)に接触している少なくとも1つの第1のベルトホイール(6a)をさらに含み、
前記少なくとも1つの第1のベルトホイール(6a)は、前記第1のエンドレスベルト(6d)の回転軸線に対して平行な回転軸線を有しており、
前記第2のキャタピラートラック(7)は、第2のエンドレスベルト(6d)の内側表面(6c)に接触している少なくとも1つの第2のベルトホイール(6a)をさらに含み、
前記少なくとも1つの第2のベルトホイール(6a)は、前記第2のエンドレスベルト(6d)の回転軸線に対して平行な回転軸線を有している、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項4】
前記第1のキャタピラートラック(6)および前記第2のキャタピラートラック(7)は、対応する前記第1または第2のエンドレスベルト(6d)の前記回転軸線の方向に離間して配置されている、
ことを特徴とする、請求項3に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項5】
前記サービス車両(2)の前記コンテナ車両ハンドリングパーツ(4)は、
前記レールシステム(108)の上の動作位置と車両本体部(3)の中の輸送位置との間で少なくとも1つのコンテナハンドリング車両(200、300)を移送するように構成されている移送デバイス(8)と、
前記コンテナハンドリング車両(200、300)の前記移送を可能にするために前記
移送デバイス(8)に動力を与えるように構成されている移送モーター(8c)と
を含む、
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項6】
前記移送デバイス(8)の少なくとも一部は、前記水平方向の平面(P)に略垂直な方向に沿って、各々が前記水平方向の平面(P)の上方に位置する上側位置と下側位置との間で移動するように構成されている、
ことを特徴とする、請求項5に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項7】
前記移送デバイス(8)は、前記第1のキャタピラートラック(6)と前記第2のキャタピラートラック(7)との間に少なくとも部分的に配置されている、
ことを特徴とする、請求項5または6に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項8】
前記移送デバイス(8)は、前記コンテナハンドリング車両(200、300)を下方から支持するように構成されている、
ことを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項9】
前記移送デバイス(8)は、ベースプレート(8a)を含み、
前記コンテナハンドリング車両(200、300)は、前記ベースプレート(8a)の上に支持され得る、
ことを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項10】
前記サービス車両(2)の前記操作パーツ(5)は、
前記水平方向の平面(P)に沿った前記サービス車両(2)の移動を可能にする推進手段モーターと、
下にある前記レールシステム(108)に対する前記サービス車両(2)の方向および速度の両方をオペレーター(50)が制御および調整することを可能にするオペレーティングシステム(11)と
を含む、
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項11】
前記サービス車両(2)は、前記サービス車両(2)の周囲の目視検査を可能にするように構成されている位置合わせユニット(9、9a、9b)をさらに含む、
ことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項12】
前記サービス車両(2)は、
前記水平方向の平面(P)の中で前記少なくとも1つのコンテナハンドリング車両(200、300)のうちの少なくとも1つを輸送するように配置されており、
1人または複数の人(50)を輸送するように配置されている、
ことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項13】
前記サービス車両(2)は、遠隔制御システムとの信号通信を確立するためのトランスミッター(36)を含む、
ことを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項14】
前記サービス車両(2)の前記コンテナ車両ハンドリングパーツ(4)は、前記レールシステム(108)の上の動作位置と車両本体部(3)の中の輸送位置との間で少なくとも1つのコンテナハンドリング車両(200、300)を移送するように構成されている
移送デバイス(8)を含み、
前記移送デバイス(8)は、
前記少なくとも1つのコンテナハンドリング車両(200、200)への解放可能な取り付けのための取り付けデバイス(8d)と、
垂直方向のリニアアクチュエーター(8f)であって、前記垂直方向のリニアアクチュエーター(8f)は、一方の端部において、前記車両本体部(3)に少なくとも間接的に取り付けられており、他方の端部において、前記取り付けデバイス(8d)に少なくとも間接的に取り付けられている、垂直方向のリニアアクチュエーター(8f)と
を含み、
前記垂直方向のリニアアクチュエーター(8f)は、前記車両本体部(3)に対して前記取り付けデバイス(8d)を垂直方向に変位させるように構成されている、
ことを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の自動倉庫システム(1)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の自動倉庫システム(1)の中のサービス車両(2)を動作させるための方法であって、
前記操作パーツ(5)を動作させることによって、前記少なくとも1つのコンテナハンドリング車両(200、300)に隣接する前記レールシステム(108)の上の第1の位置へ、前記サービス車両(2)をガイドすることと、
前記レールシステム(108)の上の動作位置と前記レールシステム(108)の上方の輸送位置との間で前記少なくとも1つのコンテナハンドリング車両(200、300)を移送するように、移送デバイス(8)を制御することと、
前記レールシステム(108)の上または外側の所定の第2の位置へ、前記サービス車両(2)をガイドすることと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫システム、少なくとも1つの保管コンテナ車両を輸送するためのサービス車両、および、その方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1Aおよび図2Aは、フレームワーク構造体100を備えた典型的な先行技術の自動倉庫システム1を開示している。図2Aおよび図2Bは、それぞれ、図1Aおよび図2Aに開示されているシステム1を動作させる先行技術のコンテナハンドリング車両101を開示している。
【0003】
フレームワーク構造体100は、複数の直立部材102と、随意的に、直立部材102を支持する複数の水平方向部材103を含む。部材102、103は、典型的には、金属から、たとえば、押し出し加工されたアルミニウムプロファイルから作製され得る。
【0004】
フレームワーク構造体100は、保管グリッド104を画定しており、保管グリッド104は、列で配置されている保管カラム105を含み、保管カラム105の中には、保管コンテナ106(ビンとしても知られる)が、重ねてスタックされ、スタック107を形成している。
【0005】
それぞれの保管コンテナ106は、典型的には、複数の製品アイテム(図示せず)を保持することが可能であり、保管コンテナ106の中の製品アイテムは、同一であることが可能であり、または、用途に応じて異なる製品タイプのものであることが可能である。
【0006】
保管グリッド104は、スタック107の中のコンテナ106の水平方向の移動を防ぎ、コンテナ106の垂直方向の移動をガイドするが、通常は、スタックされているときの保管コンテナ106をその他の方法で支持しない。
【0007】
自動倉庫システム1は、レールシステム108をさらに含み、レールシステム108は、水平方向の平面Pに沿って保管グリッド104の上部を横切ってグリッドパターンで配置されており、(図1Bおよび図2Bの中に例示されているような)複数のコンテナハンドリング車両200、300がレールシステム108の上で動作させられ、保管カラム105から保管コンテナ106を上昇させ、保管カラム105の中へ保管コンテナ106を低下させ、また、保管カラム105の上方に保管コンテナ106を輸送する。グリッドパターンを構成するグリッドセル122のうちの1つの水平方向の範囲が、図1Aおよび図2Aの中において、太線によってマークされている。
【0008】
それぞれのグリッドセル122は、典型的には30cmから150cmの間隔の中にある幅、および、典型的には50cmから200cmの間隔の中にある長さを有している。それぞれのグリッド開口部115は、レール110、111の水平方向の範囲により、グリッドセル122の幅および長さよりも典型的には2cmから10cm小さい幅および長さを有している。
【0009】
レールシステム108は、第1のセットの平行なレール110および第2のセットの平行なレール111を含み、第1のセットの平行なレール110は、フレーム構造体100の上部を横切って第1の方向Xへのコンテナハンドリング車両200、300の移動をガイドするように配置されており、第2のセットの平行なレール111は、第1のセットのレール110に対して垂直に配置されており、第1の方向Xに対して垂直である第2の方向Yへのコンテナハンドリング車両200、300の移動をガイドする。このように、レールシステム108は、グリッドカラムを画定しており、グリッドカラムの上方において、コンテナハンドリング車両200、300は、保管カラム105の上方において横方向に移動することが可能であり、すなわち、水平方向のX-Y平面に対して平行になっている平面の中を移動することが可能である。
【0010】
それぞれの先行技術のコンテナハンドリング車両200、300は、車両本体部/フレームワークと、8つのホイール201、301のホイール構成体とを含み、第1のセットの4つのホイールは、X方向へのコンテナハンドリング車両200、300の横方向の移動を可能にし、第2のセットの残りの4つのホイールは、Y方向への横方向の移動を可能にする。ホイール構成体の中の一方のまたは両方のセットのホイールは、リフトおよび低下させられ得、第1のセットのホイールおよび/または第2のセットのホイールが、どの時点においても、それぞれのセットのレール110、111と係合され得るようになっている。
【0011】
また、それぞれの先行技術のコンテナハンドリング車両200、300は、保管コンテナ106の垂直方向の輸送のためのリフティングデバイス(図示せず)を含み、たとえば、リフティングデバイスは、保管カラム105から保管コンテナ106を上昇させ、保管カラム105の中へ保管コンテナ106を低下させるためのものである。リフティングデバイスは、1つまたは複数の把持/係合デバイス(図示せず)を含み、1つまたは複数の把持/係合デバイスは、保管コンテナ106に係合するように適合されており、把持/係合デバイスは、車両201、301から低下させられ得、車両201、301に対する把持/係合デバイスの位置が、第3の方向Zに調節され得るようになっており、第3の方向Zは、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交している。
【0012】
従来から、また、本出願の目的のために、Z=1は、グリッド104の最上部層を識別しており、すなわち、レールシステム108の直ぐ下方の層を識別しており、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別しており、Z=3は、第3の層を識別しているなどとなっている。図1Aおよび図2Aに開示されている例示的な先行技術のグリッド104では、Z=8が、グリッド104の最下部の底部層を識別している。結果的に、例として、ならびに、図1Aおよび図2Bに示されているデカルト座標系X、Y、Zを使用して、図1の中で106’として識別される保管コンテナは、グリッド場所またはセルX=10、Y=2、Z=3を占有すると言われ得る。コンテナハンドリング車両101は、層Z=0の中を進行すると言われ得、それぞれのグリッドカラムは、そのX座標およびY座標によって識別され得る。
【0013】
それぞれのコンテナハンドリング車両200は、レールシステム108を横切って保管コンテナ106を輸送するときに保管コンテナ106を受け入れて収納するための保管コンパートメントまたはスペース(図示せず)を含む。保管スペースは、たとえば、WO2014/090684A1に説明されているように、車両本体部の中に中央に配置されているキャビティーを含むことが可能であり、その文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0014】
代替的に、コンテナハンドリング車両300は、NO317366に説明されているように、片持ち梁構造を有することが可能であり、その文献の内容は、また、参照により本明細書に組み込まれている。
【0015】
コンテナハンドリング車両200は、所定の設置面積、すなわち、X方向およびY方向への範囲を有することが可能であり、それは、グリッドセル122の横方向の範囲に概して等しく、すなわち、たとえば、WO2015/193278A1に説明されているように、X方向およびY方向へのグリッドセル122の範囲に概して等しく、その文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。本明細書で使用されている「横方向の」という用語は、「水平方向の」を意味することが可能である。
【0016】
代替的に、コンテナハンドリング車両101は、たとえば、WO2014/090684A1に開示されているように、グリッドカラムによって画定される横方向のエリアよりも大きい設置面積を有することが可能である。
【0017】
保管グリッド104の中において、グリッドカラムの大部分は、保管カラム105であり、すなわち、保管コンテナ106がスタック107で保管されているグリッドカラム105である。しかし、グリッド104は、通常、少なくとも1つのグリッドカラムを有しており、その少なくとも1つのグリッドカラムは、保管コンテナ106を保管するために使用されるのではなく、その少なくとも1つのグリッドカラムは、コンテナハンドリング車両200、300が保管コンテナ106をドロップオフおよび/またはピックアップすることができる場所を含み、保管コンテナ106がアクセスステーション(図示せず)へ輸送され得るようになっており、アクセスステーションにおいて、保管コンテナ106は、グリッド104の外側からアクセスされ得、または、グリッド104から外へもしくはグリッド104の中へ移送され得る。当技術分野において、そのような場所は、通常、「ポート」と称されており、ポートが位置付けされているグリッドカラムは、「ポートカラム」119、120と称され得る。
【0018】
図1Aおよび図2Aの中の保管グリッド104は、2つのポートカラム119および120を含む。第1のポートカラム119は、たとえば、専用のドロップオフポートカラムであることが可能であり、そこでは、コンテナハンドリング車両200、300は、アクセスステーションまたは移送ステーションへ輸送されるように、保管コンテナ106をドロップオフすることが可能であり、また、第2のポートカラム120は、専用のピックアップポートであることが可能であり、そこでは、コンテナハンドリング車両200、300は、アクセスステーションまたは移送ステーションから保管グリッド104へ輸送されてきた保管コンテナ106をピックアップすることが可能である。
【0019】
アクセスステーションは、典型的には、ピッキングステーションまたはストッキングステーションであることが可能であり、そこでは、製品アイテムが、保管コンテナ106から除去されるか、または、保管コンテナ106の中へ位置決めされる。ピッキングステーションまたはストッキングステーションにおいて、保管コンテナ106は、通常、自動倉庫システム1から除去されることは決してなく、アクセスされると、保管グリッド104の中へ戻される。保管グリッド104の一部としてのポートの代替的に、たとえば、別の保管施設へ(たとえば、別の保管グリッド)へ、直接的に輸送車両(たとえば、列車またはローリー)へ、または生産施設へ、保管コンテナ106を移送するために、保管グリッド104から外へまたは保管グリッド104の中へ保管コンテナを移送するポートが想定され得る。
【0020】
自動倉庫システム1をモニタリングおよび制御するために(たとえば、コンテナハンドリング車両200、300が互いに衝突することなく、所望の保管コンテナ106が所望の時間に所望の場所へ配送され得るように、保管グリッド104の中のそれぞれの保管コンテナ106の場所;それぞれの保管コンテナ106の内容物;および、コンテナハンドリング車両200、300の移動をモニタリングおよび制御するために)、自動倉庫システム1は、制御システム(図示せず)を含み、制御システムは、典型的には、コンピューター化されており、制御システムは、典型的には、保管コンテナ106のレールを維持するためのデータベースを含む。
【0021】
公知の自動倉庫システム1に関連付けられる問題は、検査を実施するためにレールシステム108にアクセスすること、または、故障したコンテナハンドリング車両200、300のメンテナンスを実施すること、または、故障したコンテナハンドリング車両200、300を除去することが、人員にとって困難であるということである。
【0022】
WO2015/140216A1は、グリッドをクリーニングするためのおよびグリッドの検査のためのサービス車両を開示している。サービス車両は、故障したコンテナハンドリング車両とドッキングするための解放可能なラッチングメカニズムを備えて配置されている。車両と接続した後に、サービス車両は、引っ張るかまたは押すことによって、検査およびメンテナンスのために、車両をグリッドの上の指定された場所へ持って来る。また、この公報は、故障した車両をグリッドから除去するためのオーバーヘッド運搬構成体を提案している。この構成体において、ブリッジ形状のロボット車両、または、クロスビームによって接続されている2つの並列に配置されているロボット車両のいずれかは、ロードハンドリングデバイスをグリッドから引き上げるためのリフトを備えて配置されている。故障した車両は、この引き上げ位置において指定場所へ運搬される。加えて、この公報は、サービス車両が、検査するために、および、メンテナンスを実施するために、ユーザーを運搬するためのシートを備えて配置され得るということを提案している。サービス車両のこの人員運搬バージョンは、ユーザーによって手動で動作させられ得、または、代替的に、制御システムによって遠隔から制御され得る。
【0023】
しかし、公知のサービス車両は、下にあるグリッドシステムに(すなわち、X方向およびY方向のみに)追従するように制限されている。したがって、サービス車両は、ロードハンドリングデバイスのものと同じ方式でグリッドの上を移動し、したがって、両方向のジグザグ移動パターンに起因して、サービス手順の間に多量のスペースを占有する。また、特定の移動パターンは、グリッドの上で費やされる時間を増加させる。高密度のコンテナハンドリング車両を有する自動倉庫システムのケースでは、そのようなスペースおよび時間の使用は、全体的な効率を著しく低減させる可能性がある。さらに、プッシュまたはプル方法は、煩雑であることが判明する可能性があり、それによって、レールシステムの上でのサービス車両の追加的な動作時間を追加する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
上記を考慮すると、先行技術の倉庫システムの使用に関係する上述の問題のうちの1つまたは複数を解決するかまたは少なくとも軽減するサービス車両、そのようなサービス車両を使用する自動倉庫システム、およびその方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、独立請求項の中に記載されて特徴付けられており、一方、従属請求項は、本発明の他の特徴を説明している。
第1の態様において、本発明は、レールシステムの上での移動のためのサービス車両に関する。レールシステムは、第1のセットの平行なレールと第2のセットの平行なレールとを含み、第1のセットの平行なレールは、水平方向の平面Pの中に配置され、第1の方向Xに延在しており、第2のセットの平行なレールは、水平方向の平面Pの中に配置され、第1の方向Xに直交する第2の方向Yに延在しており、第1および第2のセットのレールは、水平方向の平面Pの中にグリッドパターンを形成しており、グリッドパターンは、複数の隣接するグリッドセルを含む。
【0026】
サービス車両は、車両本体部またはフレームワークと、動作の間にレールシステムの上部にわたってサービス車両の移動を可能にするための推進手段または推進メカニズム(以降では、ローラーと呼ばれる)とを含む。車両本体部/フレームワークは、レールシステムの上で動作するコンテナハンドリング車両と機械的に相互作用するための車両ハンドリングコンポーネント/コンテナ車両ハンドリングパーツと、少なくとも1つのコンテナハンドリング車両の直接的ハンドリング以外のサービス車両の動作を制御するための操作コンポーネント/操作パーツとを含有するかまたは支持している。コンテナ車両ハンドリングパーツおよび操作パーツは、完全にまたは部分的に空間的に分離され得る。
【0027】
ローラーは、レールシステム(たとえば、キャタピラートラック)の上部にわたって走るように構成されている任意の推進手段または推進メカニズムであることが可能である。
以降では、「レールシステムの上部にわたって」という用語は、推進手段がレールシステムの上に置かれているが、レール自体とは係合していないということを表している。したがって、サービス車両は、レールの方向にだけ移動するように制限されるのではなく、レールシステムの上部にわたって任意の方向に移動することが可能である。
【0028】
ローラーは、有利には、サービス車両がレールシステムの上部の上で移動しているときに、第1の方向Xに2つのグリッドセルを横切る距離、および/または、第2の方向Yに2つのグリッドセルを横切る距離を超える全体的な長さLを有することが可能である。より好適な構成において、ローラーは、第1の方向Xおよび/または第2の方向Yに3つのグリッドセルを横切る距離を超える(たとえば、3.5グリッドセルを横切る)全体的な長さLを有している。ローラーのこれらの最小長さは、レールシステムの上でのサービス車両の安全な移動を保証する。加えて、最小長さは、どの時点においてもローラーがいくつかのレールの上部を横切ってサービス車両の重量を広げることを保証する。
【0029】
全体的な長さLは、たとえば、350cm以上であることが可能である。
「全体的な長さL」という用語は、本明細書では、その長手方向に沿ったローラーの1つの末端から、その長手方向に沿ったローラーの反対側の末端への長さを表している。
【0030】
レールシステムの上での動作の間の全体的な安定性をさらに増加させるために、および、とりわけ、方向的な安定性をさらに増加させるために、ローラーは、サービス車両がレールシステムの上を移動しているときに隣接するレールの幅を超える(すなわち、グリッドセルの幅を超える)全体的な幅Wをさらに有することが可能である。
【0031】
「全体的な幅W」という用語は、本明細書では、その長手方向に対して垂直のローラーの1つの末端から、その長手方向に対して垂直のローラーの反対側の末端への幅を表しており、それは、それらの間の任意のギャップGを含む。
【0032】
ローラーは、長さLの長手方向に延在するエンドレスベルトと、エンドレスベルトを駆動するベルトモーターとを含むことが可能である。ベルトは、ゴムを含む材料などのような、可撓性材料または弾性材料から作製され得る。代替的にまたは加えて、車両本体部へのローラーの連結は、スプリング構成体を含むことが可能である。ローラーの可撓性は、下にあるレールに損傷を与える低いリスクを伴う安定した動作を保証する。
【0033】
ローラーは、第1のエンドレスベルトに接触している少なくとも1つのローラーホイール(好ましくは、少なくとも2つのローラーホイール)を含むことが可能である。さらに、ベルトモーターは、少なくとも1つのホイールを介して、もしくは、別個のホイールを介して、または、その両方の組合せを介して、エンドレスベルトを駆動することが可能である。
【0034】
少なくとも1つのローラーホイールは、たとえば、エンドレスベルトが少なくとも1つのローラーホイールを取り囲んでいる構成によって、エンドレスベルトの内側表面に接触することが可能である。少なくとも1つのローラーホイールの回転軸線は、エンドレスベルトの回転軸線に対して平行になっていることが可能である。「エンドレスベルトの内側表面」という用語は、本明細書では、ベルトの幅Wおよび長さLによって閉じ込められるベルトの体積の方を向くベルトの表面を表している。
【0035】
少なくとも1つのローラーホイールは、ベルトのための推進ユニットとして、もしくは、ベルトのための締め付け手段として、または、それらの組合せとして作用することが可能である。
【0036】
少なくとも2つのローラーホイールのケースでは、ローラーのそれぞれの長手方向の端部にローラーホイールを配置させることが有利である。
ローラーは、長手方向に延在するエンドレスベルトを含む第1のキャタピラートラックと、第1のキャタピラートラックに対して平行に方向付けられた(たとえば、サービス車両の車両本体部の両側の側壁に取り付けられている)長手方向に延在するエンドレスベルトを含む第2のキャタピラートラックとをさらに含むことが可能である。第1のキャタピラートラックおよび第2のキャタピラートラックは、エンドレスベルトの回転軸線の方向に沿って測定されるギャップGだけ間隔を離して配置され得る。ギャップGの幅は、この実施形態では、好ましくは、第1の方向Xまたは第2の方向Yのいずれかにおける少なくともレールシステムのグリッドセルの幅である。
【0037】
第1および/または第2のキャタピラートラックは、好ましくは、レールシステムの上に位置付けされている物体との衝突に対してオペレーターを保護する物理的なバリアを生成させるために、回転軸線の方向にコンテナ車両ハンドリングパーツおよび操作パーツを含有および/または支持する車両本体部を越えて、エンドレスベルトが少なくとも部分的に延在するように配置されている。
【0038】
ベルトの十分な剛性を保証するために、および、それによって、サービス車両がレールシステムの上部にわたって満足のいく移動をしていることを保証するために、それぞれのベルトは、好ましくは、1つまたは複数のストラッティング(struttings)を含む。ローラーの全体的な剛性のさらに望ましい増加は、たとえば、レールシステムに対してベルトの上において、1つまたは複数のベルトに接触している安定化ホイールを追加することによって実現され得る。
【0039】
さらに、ローラーは、有利には、水平方向の平面(P)の中で対称的に車両本体部に接続され得る。たとえば、第1および第2のキャタピラートラックは、ローラーの回転軸線に対して垂直に走っている車両本体部の中心軸線の周りに対称的に、サービス車両の車両本体部の外部側壁に配置され得る。
【0040】
コンテナ車両ハンドリングパーツは、レールシステムの上の動作位置(すなわち、コンテナハンドリング車両がレールシステムの上で移動可能である下側位置)と動作の間の車両本体部の中の輸送位置(すなわち、コンテナハンドリング車両がレールシステムの上方にリフトさせられる上側位置)との間で少なくとも1つのコンテナハンドリング車両を移送するように構成されている移送デバイスを含むことが可能である。また、コンテナ車両ハンドリングパーツは、移送デバイスに動力を与えるように構成されている移送モーターを含むことが可能であり、それによって、コンテナハンドリング車両の前記移送を可能にする。
【0041】
ローラーが2つのキャタピラートラックを含む場合には、移送デバイスは、第1のキャタピラートラックと第2のキャタピラートラックとの間に少なくとも部分的に配置され得、たとえば、完全にコンテナ車両ハンドリングパーツの中に配置され得、ベルト回転軸線に対してギャップGの中におおよそ中心を合わせられ得る。
【0042】
サービス車両の第1の例示的な構成において、移送デバイスは、たとえば、ベースプレート(コンテナハンドリング車両がベースプレートの上に支持され得る)を適用することによって、コンテナハンドリング車両を下方から支持するように構成されている。
【0043】
この第1の例示的な構成に関して、移送デバイスは、水平方向の平面Pを基準にして上側位置と下側位置との間で移動するように構成され得、また、移送デバイスがその下側位置にあるときに、コンテナハンドリング車両がレールシステムの上のその動作位置からベースプレートの上の輸送位置へ移動することを可能にするようにさらに構成され得る。
【0044】
操作パーツは、水平方向の平面Pに沿ったサービス車両の移動を可能にする推進手段モーターまたはローラーデバイスモーター(以降では、ローラーモーターと呼ばれる)を含むことが可能である。操作パーツは、下にあるレールシステムに対するサービス車両の方向および速度の両方をオンボードオペレーターが制御および調整することを可能にするオンボードオペレーティングシステムをさらに含むことが可能である。方向の変化は、サービス車両の360°回転をカバーすることが可能である。代替的に、前記オペレーティングシステムは、遠隔に位置付けされ得、したがって、遠隔制御によってサービス車両の方向および速度を調整する。
【0045】
また、操作パーツもしくはコンテナ車両ハンドリングパーツまたはその両方の垂直方向の変位を可能にするサービス車両の構成が想定され得る。また、速度の制御および調整は、スタートおよび完全停止を含む。
【0046】
サービス車両は、サービス車両の周囲の目視検査を可能にするように構成されている位置合わせユニット(たとえば、イメージキャプチャリングユニットなど)をさらに含むことが可能である。イメージキャプチャリングユニットは、たとえば、前方カメラおよび後方カメラを含むことが可能であり、それらは、水平方向の平面Pに対して固定されているかまたは回転可能になっているかのいずれかである。
【0047】
サービス車両は、水平方向の平面Pの中で少なくとも1つのコンテナハンドリング車両のうちの少なくとも1つを輸送するように配置されており、また、好ましくは、1人または複数の人を輸送するように配置されている。代替的に、サービス車両は、遠隔から制御され得る。
【0048】
サービス車両は、遠隔制御システムとの信号通信を確立するためのトランスミッターおよび/またはレシーバーをさらに含むことが可能である。
移送デバイスは、少なくとも1つのコンテナハンドリング車両への解放可能な取り付けのための取り付けデバイスと、垂直方向のリニアアクチュエーターであって、垂直方向のリニアアクチュエーターは、一方の端部において、(たとえば、枢動サポートを介して)車両本体部に少なくとも間接的に取り付けられており、他方の端部において、取り付けデバイスに少なくとも間接的に取り付けられている、垂直方向のリニアアクチュエーターとを含み、垂直方向のリニアアクチュエーターは、車両本体部に対して取り付けデバイスを垂直方向に変位させるように構成されている。
【0049】
移送デバイスは、車両本体部に固定されている水平方向のリニアアクチュエーターをさらに含むことが可能であり、水平方向のリニアアクチュエーターは、車両本体部に対して取り付けデバイスを水平方向に変位させるように構成されている。
【0050】
第2の態様において、本発明は、自動倉庫システムに関する。
システムは、レールシステムであって、レールシステムは、第1のセットの平行なレールと第2のセットの平行なレールとを含み、第1のセットの平行なレールは、水平方向の平面Pの中に配置され、第1の方向Xに延在しており、第2のセットの平行なレールは、水平方向の平面Pの中に配置され、第1の方向Xに直交する第2の方向Yに延在しており、第1および第2のセットのレールは、水平方向の平面Pの中にグリッドパターンを形成しており、グリッドパターンは、複数の隣接するグリッドセルを含む、レールシステムと、上記に説明されているようなサービス車両とを含む。
【0051】
システムは、レールシステムの上を移動するように構成されている少なくとも1つのコンテナハンドリング車両であって、少なくとも1つのコンテナハンドリング車両は、第1の方向Xおよび第2の方向Yのうちの少なくとも1つにレールシステムに沿って少なくとも1つの保管コンテナ車両をガイドするように構成されているホイール構成体を含む、少なくとも1つのコンテナハンドリング車両をさらに含むことが可能である。
【0052】
サービス車両は、車両本体部/フレームワークを含むことが可能であり、車両本体部/フレームワークは、レールシステムの上で動作する少なくとも1つのコンテナハンドリング車両のうちの少なくとも1つとの機械的な相互作用のためのコンテナ車両ハンドリングパーツと、サービス車両の動作を制御するための操作パーツと、動作の間のレールシステムの上でのサービス車両の移動を可能にする、車両本体部に接続されているローラーとを含有するかまたは支持している。ローラーは、好ましくは、サービス車両がレールシステムの上を移動しているときに、第1の方向Xまたは第2の方向Yに2つのグリッドセルを横切る距離を超える長さLを有しており、より好ましくは、3つのグリッドセルを横切る距離を超える長さLを有している(たとえば、3つグリッドセルと4つのグリッドセルとの間)。
【0053】
サービス車両は、上記に説明されている任意の特徴に従っていることが可能である。
第3の態様において、本発明は、車両本体部を含むサービス車両を動作させるための方法に関する。車両本体部は、コンテナ車両ハンドリングパーツおよび操作パーツを含有/支持している。サービス車両は、レールシステムの上部にわたって移動するように構成されており、レールシステムは、第1のセットの平行なレールと第2のセットの平行なレールとを含み、第1のセットの平行なレールは、水平方向の平面Pの中に配置され、第1の方向Xに延在しており、第2のセットの平行なレールは、水平方向の平面Pの中に配置され、第1の方向Xに直交する第2の方向Yに延在しており、第1および第2のセットのレールは、水平方向の平面Pの中にグリッドパターンを形成しており、グリッドパターンは、複数の隣接するグリッドセルを含み、それぞれのグリッドセルは、グリッド開口部を含み、グリッド開口部は、第1のセットのレールの1対の近隣のレール、および、第2のセットのレールの1対の近隣のレールによって画定されている。
【0054】
方法は、
操作パーツの使用によって、少なくとも1つの保管コンテナ車両に隣接するレールシステムの上の第1の位置へ、サービス車両をガイドするステップと、
レールシステムの上の動作位置とレールシステムの上方の(たとえば、車両本体部の中の)輸送位置との間で少なくとも1つのコンテナハンドリング車両を移送するように、コンテナ車両ハンドリングパーツの一部を構成する移送デバイスを制御するステップと、
レールシステムの上の所定の第2の位置へ、サービス車両をガイドするステップと
を含む。
【0055】
この方法の中で使用されるサービス車両は、上記に開示されているサービス車両によるものであることが可能である。
代替的な構成において、サービス車両の車両本体部は、フェンスを含む。フェンスは、少なくとも1つの保管コンテナ車両を含有するように構成されているサービス車両のローディングエリアを画定している。フェンスは、アクセスランプをさらに含むことが可能であり、アクセスランプは、下にあるレールシステムに対して傾けられた下側位置と閉じた上側位置との間でアクセスランプを枢動させるために、車両本体部に枢動可能に接続されており、下側位置は、1つまたは複数の保管コンテナ車両がアクセスランプを介してレールシステムとローディングエリアとの間で輸送されることを可能にし、上側位置は、ローディングエリアを閉鎖するためのものである。
【0056】
また、または、代替的に、フェンスのローディングエリアは、1人または複数のオペレーターを収容するように構成され得る。この構成では、フェンスは、人員のための保護チャンバーとして作用する。
【0057】
保護バリア(たとえば、車両本体部の外側表面において接続されている保護チャンバーまたはローラーなど)は、WO2015/140216A1に開示されている人員運搬サービス車両と比較して明確な利点であり、WO2015/140216A1では、サービス車両のオープン操作パーツが、たとえば、サービス車両とレールシステムの上の障害物(たとえば、コンテナハンドリング車両など)との間の衝突のケースでは、オペレーターに対してほとんどまたは全く保護を提供しない。
【0058】
さらに代替的な構成において、車両本体部は、輸送位置と動作位置との間で、第1および第2のベルト付きの駆動ホイールアッセンブリに対して移動可能に配置されており、
- 輸送位置では、移送デバイスは、輸送の間にコンテナハンドリング車両を運搬するためにその回転軸線に対して垂直の、少なくとも部分的に第1および/または第2のエンドレスベルトの水平方向の範囲の中にあり、
- 動作位置では、移送デバイスは、その回転軸線に対して垂直の、第1のおよび/または第2のエンドレスベルトの水平方向の範囲の外側に位置決めされており、コンテナハンドリング車両のリフトおよび低下が可能になるようになっている。
【0059】
以下の図面は、本発明の理解を促進させるために添付されている。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1図1Aは、先行技術の自動倉庫システムの斜視図であり、完全なシステムを示す図である。 図1Bは、先行技術の自動倉庫システムの斜視図であり、システム動作可能な先行技術のコンテナハンドリング車両の例を示す図である。
図2図2Aは、先行技術の自動倉庫システムの斜視図であり、完全なシステムを示す図である。 図2Bは、先行技術の自動倉庫システムの斜視図であり、システム動作可能な先行技術のコンテナハンドリング車両の例を示す図である。
図3】自動倉庫システムのレールシステムの上で動作する、本発明の第1の実施形態によるサービス車両の斜視図である。
図4図4Aは、コンテナハンドリング車両を伴っておらず、オペレーターを含む、図3によるサービス車両の斜視図であり、サービス車両のフロント部を示す図である。 図4Bは、コンテナハンドリング車両を伴っておらず、オペレーターを含む、図3によるサービス車両の斜視図であり、サービス車両のリア部を示す図である。 図4Cは、コンテナハンドリング車両を伴っておらず、オペレーターを含む、図3によるサービス車両の斜視図であり、側方からのサービス車両を示す図である。
図5図5Aは、図3および図4によるサービス車両の側面斜視図であり、相互作用位置にあるサービス車両のハンドリングデバイスを示す図である。 図5Bは、図3および図4によるサービス車両の側面斜視図であり、輸送位置にあるサービス車両のハンドリングデバイスを示す図である。
図6図6Aは、自動倉庫システムのレールシステムの上で動作する、本発明の第2の実施形態によるサービス車両の斜視図であり、オペレーターを伴うサービス車両を示す図である。 図6Bは、自動倉庫システムのレールシステムの上で動作する、本発明の第2の実施形態によるサービス車両の斜視図であり、オペレーターを伴わないサービス車両を示す図である。
図7A図6によるサービス車両の斜視図であり、サービスを提供されることとなるコンテナハンドリング車両に隣接して位置付けされている、レールシステムの上の輸送位置にあるサービス車両のハンドリングメカニズムを示す図である。
図7B図6によるサービス車両の斜視図であり、コンテナハンドリング車両との成功的な相互作用の前の、相互作用位置にあるサービス車両のハンドリングメカニズムを示す図である。
図7C図6によるサービス車両の斜視図であり、コンテナハンドリング車両との成功的な相互作用の後の、相互作用位置にあるサービス車両のハンドリングメカニズムを示す図である。
図7D図6によるサービス車両の斜視図であり、ハンドリングメカニズムの使用によってコンテナハンドリング車両を支持するサービス車両を示す図である。
図8図8Aは、サービスを提供されることとなるコンテナハンドリング車両を支持するサービス車両を示す、図6および図7によるサービス車両の2つの異なる方向からの側面斜視図である。 図8Bは、サービスを提供されることとなるコンテナハンドリング車両を支持するサービス車両を示す、図6および図7によるサービス車両の2つの異なる方向からの側面斜視図である。
図9】レールシステムの上または下方に位置している物体にオペレーターがアクセスすることができるサービス車両の中の位置にいるオペレーターを示す、図6図8によるサービス車両の側面斜視図である。
図10】自動倉庫システムのレールシステムの上で動作する、本発明の第3の実施形態によるサービス車両を支持するコンテナハンドリング車両の側面斜視図である。
図11図11Aは、図10のサービス車両の側面斜視図であり、サービスを提供されることとなるコンテナハンドリング車両にサービス車両が接近していること、および、サービス車両のハンドリングメカニズムが輸送位置に設定された状態になっていることを示す図である。 図11Bは、図10のサービス車両の側面斜視図であり、ハンドリングメカニズムのリーチの中の適切な位置にあるコンテナハンドリング車両に隣接するサービス車両を示す図である。 図11Cは、図10のサービス車両の側面斜視図であり、ハンドリングメカニズムの使用によってコンテナハンドリング車両を支持するサービス車両を示す図である。
図12】自動倉庫システムのレールシステムの上で動作する、本発明の第4の実施形態によるサービス車両の側面斜視図である。
図13A図12のサービス車両の側面斜視図であり、コンテナハンドリング車両が設置されることとなるレールシステムの上の場所の近くの、輸送位置にあるサービス車両を示す図である。
図13B図12のサービス車両の側面斜視図であり、コンテナハンドリング車両がサービス車両からレールシステムへ移動させられることを可能にする相互作用位置にあるサービス車両を示す図である。
図13C図12のサービス車両の側面斜視図であり、コンテナハンドリング車両がサービス車両の上の中間位置にある状態の、相互作用位置にあるサービス車両を示す図である。
図13D図12のサービス車両の側面斜視図であり、コンテナハンドリング車両がレールシステムの上の動作位置にある状態の、相互作用位置にあるサービス車両を示す図である。
図14】レールシステムの上または下方に位置している物体にオペレーターがアクセスすることができるサービス車両の中の位置にいるオペレーターを示す図12および図13のサービス車両の側面斜視図である。
図15】15Aは、輸送位置にあるハンドリングメカニズムを備えた、本発明の第5の実施形態によるサービス車両の側面斜視図であり、コンテナハンドリング車両を伴わないサービス車両を示す図である。 15Bは、輸送位置にあるハンドリングメカニズムを備えた、本発明の第5の実施形態によるサービス車両の側面斜視図であり、ハンドリングメカニズムの使用によってコンテナハンドリング車両を支持する自動倉庫システムのレールシステムの上のサービス車両を示す図である。
図16図16Aは、遠隔から動作させられるように構成されている、本発明の第6の実施形態によるサービス車両の側面斜視図である。 図16Bは、遠隔から動作させられるように構成されている、本発明の第6の実施形態によるサービス車両の側面斜視図である。 図16Cは、遠隔から動作させられるように構成されている、本発明の第6の実施形態によるサービス車両の側面斜視図である。
図17図17Aは、図16のサービス車両の側面斜視図であり、サービスを提供されることとなるコンテナハンドリング車両に接近しているサービス車両を示す図である。 図17Bは、図16のサービス車両の側面斜視図であり、コンテナハンドリング車両を部分的に取り囲むサービス車両を示す図である。 図17Cは、図16のサービス車両の側面斜視図であり、そのハンドリングメカニズムの使用によって、コンテナハンドリング車両を把持するサービス車両を示す図である。
図18図18Aは、図16および図17のサービス車両の側面斜視図であり、コンテナハンドリング車両がレールシステムに接触している動作位置にあるサービス車両を示す図である。 図18Bは、図16および図17のサービス車両の側面斜視図であり、コンテナハンドリング車両がレールシステムの上方に上昇させられている輸送位置にあるサービス車両を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図面において、同じ参照番号は、別段の明示的な記載がない限り、または、文脈から暗示的に理解されない限り、同様のパーツ、エレメント、または特徴を示すために使用されている。
【0062】
以下では、本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、より詳細に議論されることとなる。しかし、図面は、図面の中に示されている主題に本発明を限定することを意図していないということが理解されるべきである。
【0063】
図1および図2を参照すると、それぞれの保管構造体1の保管グリッド104は、合計で1144グリッドセルのフレームワーク100を構成しており、フレームワークの幅および長さは、143個のグリッドカラムの幅および長さに対応している。フレームワーク100の上部層は、レールシステム108であり、複数のコンテナハンドリング車両200、300が、レールシステム108の上で動作させられる。
【0064】
本発明の自動倉庫システム1のフレームワーク100は、上記に説明されている先行技術のフレームワーク100に従って構築されており、すなわち、複数の直立部材102、および、直立部材103によって支持されている複数の水平方向部材103に従って構築されており、さらに、水平方向部材103は、それぞれX方向およびY方向への平行なレール110、111のレールシステム108を含み、平行なレール110、111は、保管カラム105の上部を横切って配置されている。シングルグリッドセルの水平方向のエリア、すなわち、X方向およびY方向に沿ったエリアは、それぞれ、隣接するレール110および111同士の間の距離によって画定され得る(図3および図4も参照)。図1および図2において、そのようなグリッドセル122は、太線によってレールシステム108の上にマークされている。
【0065】
レールシステム108は、コンテナハンドリング車両200、300が異なるグリッド場所同士の間を水平方向に移動することを可能にし、それぞれのグリッド場所は、グリッドセル122に関連付けられている。
【0066】
図1Aおよび図1Cにおいて、保管グリッド104は、8つのセルの高さとともに示されている。しかし、保管グリッド104は、原理的には、任意のサイズのものであることが可能であるということが理解される。とりわけ、保管グリッド104は、図1および図2に開示されているものよりも著しく幅広くおよび/または長くなっていることが可能であるということが理解される。たとえば、グリッド104は、700x700グリッドセル122よりも多い水平方向の範囲を有することが可能である。また、グリッド104は、図1および図2に開示されているものよりも著しく深くなっていることが可能である。たとえば、保管グリッド104は、12個のグリッドセルの深さよりも大きくなっていることが可能である。
【0067】
保管コンテナ車両200、300は、当技術分野において公知の任意のタイプのものであることが可能であり、たとえば、WO2014/090684A1、NO317366、またはWO2015/193278A1に開示されている自動コンテナハンドリング車両のうちのいずれか1つであることが可能である。
【0068】
図3図5は、レールシステム108の上に配置されているサービス車両2の第1の実施形態を示している。サービス車両3は、車両本体部3と、キャタピラートラック6、7の形態の2つのローラーとを含み、キャタピラートラック6、7は、長さLを有するエンドレスベルト6dをそれぞれ含み、車両本体部3の下方に少なくとも部分的に配置されている。ローラー6、7のそれぞれは、ベルトモーターおよびベルトホイール6a、6bの支援によって駆動され、ベルトホイール6a、6bは、両方のベルト端部において(すなわち、ローラーのフロントおよびリアにおいて)ベルト6dの中に配置されている。1つの例示的な構成において、共通のベルトモーターが、両方のベルト6dのために使用されている。
【0069】
第1および第2のローラー6、7は、サービス車両2の移動の方向に、サービス車両2の垂直方向の中央平面に関して対称的に配置されており、車両本体部3の水平方向の末端から少なくとも部分的に突出している。サービス車両2は、2つの機能的なパーツ、すなわち、サービスを提供されることとなるコンテナハンドリング車両200、300との任意の機械的な相互作用に関与するコンポーネントを含むコンテナ車両ハンドリングパーツ4と、サービス車両2の動作に関与する任意のコンポーネントを含む操作パーツ5とに分割され得る。この特定の実施形態において、2つのパーツは、サービス車両2の水平方向の範囲に関して空間的に分離されている。
【0070】
第1および第2のローラー6、7のそれぞれは、図3図5に示されている例では、ループ式のチェーン6dおよび2つの歯付きベルトホイール6a、6bを含み、2つの歯付きベルトホイール6a、6bは、ローラー6、7の長手方向端部のそれぞれにおいてチェーン6dの内側に配置されている。第1の歯付きベルトホイール6aは、チェーン6dの終端端部(フロントおよびリア)に配置されており、チェーン6dの下側部および上側部の両方と噛み合うのに十分に大きい直径を有している。第2の歯付きベルトホイール6bは、例では、第1の歯付きベルトホイール6aよりも小さい直径を有しており、キャタピラートラック6、7の長手方向中央にさらに向けた場所において、チェーン6dの下側部と噛み合うように配置されている。
【0071】
「上側」および「下側」という用語は、下にあるレールシステム108を基準にして測定されているということに留意されたい。
2つのローラー6、7を構成するループ式のチェーン6d(すなわち、それぞれのローラー6、7に対して1つのチェーン6d)は、好ましくは、弾性材料から作製されており、弾性材料は、レール110、111の上部表面と接触した状態で移動しているときに損傷を与えないことが可能である。たとえば、それぞれのチェーン6dは、ポリオキシメチレン(POM)などのようなエラストマーから少なくとも部分的に作製され得、または、エラストマーによってカバーされ得る。代替的にまたは加えて、上部表面は、同じまたは同様の材料によってカバーされ得る。
【0072】
歯付きホイール6a、6bのうちの1つもしくは複数、および/または、ベルト6dのうちの一方もしくは両方は、駆動モーター(図示せず)を含む駆動メカニズムに接続されている。たとえば、ベルト6dのうちの一方または両方の第1の歯付きベルトホイール6aのうちの一方または両方は、ドライブホイールとして機能することが可能であり、ドライブホイールは、そのそれぞれのローラー6、7に係合して駆動する。さらに、第2の駆動モーターは、ローラー6、7のうちの一方または両方のための第2の歯付きベルトホイール6bのうちの一方または両方に接続され得る。
【0073】
第1および第2のローラー6、7の配置によって、サービス車両2は、制御システム12によって、レールシステム108の上で任意の方向に水平方向に移動するように配置されており、制御システム12は、サービス車両2に搭載されて位置付けされているか、または、サービス車両2から遠隔に位置付けされている(図16図18も参照)。制御システム12がサービス車両2に搭載されている場合には、任意の移動パターンおよび速度設定が、第1および第2のローラー6、7のうちの一方または両方の動作によって、そのモーターを介して、サービス車両2の内側に位置付けされている任意のオペレーター50によって実行され得る。
【0074】
第1の実施形態において、コンテナ車両ハンドリングパーツ4は、移送デバイス8を含み、移送デバイス8は、繰り返しになるが、操作パーツ5から延在する1つまたは複数の移送ビーム8bと、移送ビーム8bに接続されている移送モーター8cと、移送モーター8cに動作的に接続されている取り付けデバイス8dとを含む。図3図5に示されている特定の実施形態において、取り付けデバイス8dは、リフティングフックを含み、リフティングフックは、回転可能なドラム8eの上に巻き取られるウィンチラインに取り付けられている。しかし、当業者は、下にあるレールシステム108に対してコンテナハンドリング車両200、300を上昇および低下させることができる任意のメカニズムが適用され得るということを理解することとなる。
【0075】
さらに、操作パーツ5は、レールシステム108に対してサービス車両2の方向を調整するための制御スティックを備えたオペレーティングシステム12と、レールシステム108に対してサービス車両2の速度を調整するための速度調整器とを含む。操作パーツ5は、オペレーターチェア13およびハンドル14をさらに含み、ハンドル14は、それぞれ、オペレーターチェア13から外へのオペレーター50の退出、および、オペレーターチェア13の中へのオペレーター50の進入を促進させるために、車両本体部3の両側にある。また、ハンドル14は、たとえば、レールシステム108の上へのサービス車両2のリフト手順または低下手順の間の取り付けポイントなど、他の目的のために使用され得る。
【0076】
図3図5において明らかであるように、両方のローラーまたはキャタピラートラック6、7の長さLは、いくつかのグリッドセル122にわたって延在することが可能であり、すべての水平方向へのレールシステム108の上での安定した動作を保証する。
【0077】
第1の実施形態によるコンテナハンドリング車両200、300をリフトアップするための手順が、図5に最良に見られる。オペレーター50は、サービス車両2を適切な位置へ操縦し、適切な位置では、サービスを提供されることとなるコンテナハンドリング車両300が、移送デバイス8に最も近いサービス車両2の一部に隣接している。必要とされる場合には、オペレーター50は、コンテナハンドリング車両300への取り付け(および、コンテナハンドリング車両300のリフティングの準備ができた移送デバイス8の水平方向の位置を保証するために、サービス車両2の水平方向の位置を微調整することが可能である。図5に示されている特定の構成において、車両本体部3は、たとえば、専用の変位モーターおよび内部レール構成体(図示せず)の使用によって、太い矢印によって図示されているように、ローラー6、7に対して水平方向に変位させられ得る。コンテナハンドリング車両300がローラー6、7の上方の引き上げ位置へ上昇させられたときには、オペレーター50は、車両本体部3をローラー6、7に対して輸送位置へ変位させることが可能であり、輸送位置では、コンテナハンドリング車両300は、ローラー6、7の水平方向の範囲の中に少なくとも部分的に位置付けされており、レールシステム108の上でのサービス車両2の水平方向の移動の間の高い安定性を保証する。
【0078】
図6図9は、本発明のサービス車両2の第2の実施形態を示している。この実施形態では、サービス車両2の移送デバイス8は、1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300を支持するように構成されている幅Gのベースプレート8aを含む。したがって、幅Gは、コンテナハンドリング車両200、300の全体的な幅、および、サービスを提供されることとなるコンテナハンドリング車両200、300の数に適合されているべきである。たとえば、サービス車両2が少なくとも1つのコンテナハンドリング車両200、300の輸送を可能にするようにするために、幅Gは、コンテナハンドリング車両200、300の対応する幅に等しいかまたはそれよりも大きくなっているべきであり、それによって、ベースプレート8aの上への進入を可能にする。
【0079】
第2の実施形態による、サービス車両2によってコンテナハンドリングデバイス200、300をピックアップするための手順は、以下の方式で進行することが可能である。
- (図6A)サービス車両2を動作させるオペレーター50が、輸送されることとなる1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300に隣接する位置へ、サービス車両2をガイドする。
【0080】
- (図7Aおよび図7B)サービス車両2が適切な位置にあるときに、ハンドリングデバイス8のベースプレート8aが、輸送位置から相互作用位置へ低下させられ、輸送位置では、ベースプレート8aは、下にあるレールシステム108に対して引き上げられており、相互作用位置では、ベースプレート8aは、下にあるレールシステム108に接触しているかまたはほぼ接触している。図7Aおよび図7Bの右上部にあるフレームに入れられた詳細図面から明らかであるように、ベースプレート8aの1つの縁部は、コンテナハンドリング車両200、300のホイール構成体201、301に隣接しているか(図7A)または接触している(図7B)。
【0081】
- (図7C)ベースプレート8aが相互作用位置にあるときに、1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300が、たとえば遠隔動作によって、ベースプレート8aの上に移動させられ、ホイール構成体の中のホイールのいずれもレールシステム108と接触していないようになっている。代替的に、コンテナハンドリング車両200、300は、静止した状態に維持され得、サービス車両2は、ベースプレート8aがコンテナハンドリング車両200、300の下に押し込まれるように移動させられ得る。
【0082】
- (図7D)1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300がベースプレート8aの上に完全に適切な場所にあるときに、オペレーター50は、コンテナ車両ハンドリングパーツ4の移送デバイス8を動作させ、ベースプレート8aが相互作用位置から輸送位置へリフトさせられるようになっている。
【0083】
- (図8Aおよび図8B)サービス車両2は、1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300とともに、レールシステム108の上のまたはレールシステム108の外のその所定の位置へ移動させられる。
【0084】
アンローディングプロセス、すなわち、通常の動作のためにサービス車両2によってレールシステム108の上に所定の位置に1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300を輸送することは、上述のローディングプロセスに等しいかまたは同様に進行するが、逆のシーケンスで進行する。
【0085】
とりわけ図8Aを参照すると、ローラー/キャタピラートラック6、7の長さは、この例では、4つのグリッドセル122を横切って延在していることが見られる。
グリッド開口部115を構成するグリッドセル122が、太い線によって図6Aおよび図8Bの中にマークされている。
【0086】
第1の実施形態に関して、ローラー6、7は、ベルトモーターおよびベルトホイール6a、6bの支援によって駆動され、ベルトホイール6a、6bは、両方のベルト端部においてエンドレスベルト6dの中に配置されている。
【0087】
図9は、第2の実施形態のサービス車両2を動作させるオペレーター50が、ベースプレート8aをサポートとして使用することによって、レールシステム108にアクセスし、それによって、レールシステム108の上の任意のコンポーネントにアクセスすることが可能であるということを示している。
【0088】
本発明のサービス車両2の第3の実施形態が、図10および図11に示されている。
上記に説明されている第1の実施形態と同様に、移送デバイス8は、ウィンチ構成体を含み、ウィンチ構成体は、コンテナハンドリング車両200、300を上方から支持するサポート8aと、回転可能なハンドルの形態のリフティングメカニズム8cと、リフティングメカニズム8cに接続されている移送ドラム8eとを有している。第1および第2の実施形態に関して、キャタピラートラック/ローラー6、7は、約4つのグリッドセル122を横切って延在する長さLを有しており、幅Gによって間隔を離して配置されている(図11Cを参照)。Gの最小幅は、サービスを提供されることとなるコンテナハンドリング車両200、300の全体的な幅に等しくなっているかまたはそれよりも大きくなっているべきである。さらに、ローラー6、7のループ式のチェーン6dは、ローラー6、7の両方の長手方向の長さにおいて配置されているベルトホイール6a、6bによって駆動されている。
【0089】
第3の実施形態による、サービス車両2によってコンテナハンドリングデバイス200、300をピックアップするための手順は、以下の方式で進行することが可能である。
- (図11A)サービス車両2の中へ位置しているオペレーター50が、輸送されることとなる1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300に隣接する位置へ、サービス車両2をガイドする。
【0090】
- (図11B)サービス車両2の位置が微調整され、移送デバイス8が相互作用位置にあるようになっており、すなわち、1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300の対応する取り付けメカニズムの真上またはほぼ真上にあるようになっている(図示せず)。この相互作用位置は、たとえば、1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300がローラー6、7間に位置付けされるようにサービス車両2を移動させることによって取得され得る。
【0091】
- (図11C)移送デバイス8が相互作用位置にあるときに、オペレーター50は、手動でもしくは制御システム12によって、または、それらの組合せのいずれかによって、リフティングメカニズム8cを動作させる。図11Cにおいて、リフティングメカニズム8cは、ウィンチ/ドラム8eに連結されているクランクハンドルである。クランクハンドル8cを回転させることによって、移送ラインに接続されているフックの形態の取り付けデバイス8dが低下させられ、1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300の上の対応する受け入れデバイス(図示せず)に取り付けられている。
【0092】
- (図11C)1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300が取り付けデバイス8cに安全に取り付けられているときに、オペレーターは、リフティングメカニズム8cを動作させ、1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300が、相互作用位置から、レールシステム108から離れた輸送位置へリフトさせられるようになっている。
【0093】
- (図10)サービス車両2は、1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300とともに、レールシステム108の上のまたはレールシステム108から外のその所定の位置へ移動させられる。
【0094】
アンローディングプロセス、すなわち、通常の動作のためにサービス車両2によってレールシステム108の上に所定の位置に1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300を輸送することは、上述のローディングプロセスに等しいかまたは同様に進行するが、逆のシーケンスで進行する。
【0095】
とりわけ図10を参照すると、ローラー6、7の長さは、また、この例では、4つのグリッドセル122を横切って延在していることが見られる。
図12図14は、レールシステム108の上に配置されているサービス車両2の第4の実施形態を示している。車両本体部3は、囲まれたエリアを画定する安全フェンス33を含み、たとえば、オペレーター/人員50を収容するための保護チャンバーを含む。保護チャンバーは、図12図14に示されている例では、オペレーター50のための座席13を備えて配置されている。
【0096】
安全フェンス33は、車両本体部3の水平方向のベースの上に配置されている壁パネルから作製され得る。さらに、壁パネルのうちの少なくとも1つは、透明なパネルから作製され得る。
【0097】
移送デバイス8は、この実施形態では、ハッチまたは任意の他の枢動可能であるデバイスであることが可能であり、1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300がその上で駆動され得る。
【0098】
第4の実施形態による、サービス車両2からレールシステム108の上の所定の場所へ1つまたは複数のコンテナハンドリングデバイス200、300を移送するための手順は、以下の方式で進行することが可能である。
【0099】
- (図12および図13A)オペレーター50を伴うサービス車両2が、サービスを提供されることとなるコンテナハンドリング車両200、300が位置付けされている1つまたは複数の保管グリッドセル122に隣接する位置へ移動する。
【0100】
- (図13B)適切な位置にあるときに、オペレーター50によって(手動でおよび/もしくはオンボード制御システムによって)、遠隔制御システムによって、または、それらの組合せのいずれかによって、ハッチ8が開けられる。完全に開けられた位置において、サービス車両2から離れているハッチ8の端部が、ターゲットのグリッドセル122を構成する1つのレール110、111においてまたはその近くにおいて、下にあるレールシステム108に接触する。
【0101】
- (図13C)1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300が、オペレーター50によって(手動でおよび/もしくはオンボード制御システムによって)、遠隔制御システムによって、または、それらの組合せのいずれかによって、開けられたハッチ8を介してレールシステム108の上にガイドされる。
【0102】
- (図13D)1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300が、オペレーター50(手動でおよび/もしくはオンボード制御システムによって)、遠隔制御システムによって、または、それらの組合せのいずれかによって微細に位置決めされる。
【0103】
図14に示されているように、オペレーター50は、1つの例示的な構成において、サービス車両2の側部において、たとえば、ハッチ8を伴う側部の反対側において、検査ドア34を開けることが可能である。そのような構成は、有用である可能性があり、保管システム1のさらなる手動検査を可能にする。
【0104】
サービス車両2の第5の実施形態が、図15に図示されている。実施形態は、移送デバイス8の構成および動作を除いて、第3の実施形態(図10および図11)と同様である。
【0105】
第3の実施形態に示されているウィンチ式のクレーンシステム8c、8d、8eの代わりに、1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300は、1つまたは複数のリフティングフック8dによってリフトさせられ、1つまたは複数のリフティングフック8dは、コンテナ車両ハンドリングパーツ4の中の車両本体部3の上に配置されている。上記に開示されている実施形態に関して、ローラー6、7は、幅Gだけ間隔を離して配置されている。
【0106】
リフティングフック8dという用語は、コンテナハンドリング車両200、300を把持することができる任意の把持メカニズムを含むように解釈されるべきである。
この第5の実施形態において、リフティングフック8dは、リフティングフック8dの垂直方向の移動を可能にするリフティング構成体8f、8gに連結されている。リフティング構成体は、たとえば、フレーム8gを駆動する1つまたは複数の垂直方向のリニアアクチュエーター8fを含むことが可能であり、リフティングフック8dは、フレーム8gの上に装着されている。「垂直方向のリニアアクチュエーター」という用語は、本明細書では、有意な非ゼロの垂直方向成分を有する方向に移動することができる任意のリニアアクチュエーターとして定義される。しかし、好適な例において、垂直方向のリニアアクチュエーターは、ゼロの(または、本質的にゼロの)水平方向の変位によって垂直方向の移動を実施するように構成されている。
【0107】
リフティングフック8d(または、代替的な把持メカニズム)の設計は、関連のコンテナハンドリング車両200、300の車両本体部の任意の外部設計との相互作用が許容されるようになっているべきである。たとえば、それぞれのコンテナハンドリング車両200、300の車両本体部は、凹部/開口部/リングなどのような1つまたは複数の受容部302を含むことが可能であり、リフティングフック8dは、1つまたは複数の受容部302の中へ挿入され得る。
【0108】
リフティングフック8dの動作は、オペレーター50(手動でおよび/もしくはオンボード制御システム12によって)、遠隔制御システムによって、または、それらの組合せによって制御され得る。
【0109】
さらに、サービス車両2は、位置合わせユニット9を装備していることが可能であり、位置合わせユニット9は、レールシステム108の上の最終的な位置へサービス車両2を安全に操縦するために、オペレーター50を支援するように構成されている。位置合わせユニット9は、たとえば、イメージキャプチャリングユニット9であることが可能であり、イメージキャプチャリングユニット9は、図15に図示されているような前方カメラ9aおよび後方カメラ9b、ならびに/または、1つもしくは複数の回転可能なカメラを含む。イメージキャプチャリングユニット9は、イメージを記録またはキャプチャーするための任意の光学器具であることが可能である。イメージまたはフィルムは、局所的に記憶され得るか、遠隔の場所に送信され得るか、または、それらの組合せであることが可能である。
【0110】
イメージキャプチャリングユニット9は、サービス車両2に乗っているオペレーター50によって、遠隔から、または、それらの組合せによって、制御および可視化され得る。
さらに、サービス車両2の第1から第5の実施形態は、好ましくは、図15に示されているような緊急停止ボタン12aを有しており、緊急停止ボタン12aは、オンボード制御システム12の一部を構成している。
【0111】
図16図18は、本発明によるサービス車両2の第6の実施形態を示しており、そこでは、車両2のすべての動作が、完全に遠隔から実施され、すなわち、人間のオペレーターがサービス手順の間に車両2に搭載された制御システムと直接的に相互作用する必要なしに実施される。
【0112】
第6の実施形態において、サービス車両2は、車両本体部3の2つの両側の垂直方向側部に連結されている2つのキャタピラートラック/ローラー6、7を含む。垂直方向の本体部3の2つの他の垂直方向側部のうちの少なくとも1つは、サービスを提供されることとなる少なくとも1つのコンテナハンドリング車両200、300を受け入れるように構成されている。
【0113】
図16図18は、特定の構成を示しており、そこでは、サービス車両2が2つのガイディングピン35を含み、2つのガイディングピン35は、キャタピラートラック6、7が接続されている車両本体部3の両側の垂直方向側部のそれぞれに取り付けられている。車両本体部3のコンテナハンドリング車両受け入れ側部の最も近くのそれぞれのガイディングピン35の端部は、コンテナハンドリング車両200、300が車両本体部3の中へ正しくガイドされることを可能にするくさび形状を示している。前方カメラ9aおよび後方カメラ9bの形態の遠隔動作式の位置合わせユニット9が、車両本体部3の上部水平方向側部に装着されている。
【0114】
移送デバイス8は、リフティングメカニズム8cを含み、リフティングメカニズム8cは、1つまたは複数の垂直方向のリニアアクチュエーター8fを含む。アクチュエーター8fのそれぞれは、一方の端部および他方の端部を有しており、一方の端部は、枢動サポート8hに接続されており、枢動サポート8hは、下にあるレールシステム108に対して回転軸線が平行になっている状態で、車両本体部3に枢動可能に連結しており、他方の端部は、リフティングクロー8dに接続されている。リフティングクロー8dは、水平方向のリニアアクチュエーター8iを使用することによって、車両本体部3に対して水平方向に変位可能であり得る(すなわち、水平方向の非ゼロ成分を備える)。
【0115】
サービス車両2は、1つまたは複数のオンボードトランスミッター36を介して、遠隔制御システムによって遠隔から動作させられる。そのようなトランスミッター36の例示的な場所は、図16図18に示されているような垂直方向のリニアアクチュエーターのうちの1つ、いくつか、またはすべての上にあることが可能である。代替的にまたは加えて、同様のトランスミッター36は、車両本体部3の上に、位置合わせユニット9の中に、ローラー6、7のうちの一方または両方の上などに配置され得る。
【0116】
上記に開示されている実施形態に関して、キャタピラートラック/ローラー6、7は、複数のグリッドセル122(好ましくは、4つ以上)を横切って延在する長さLを有している。
【0117】
第6の実施形態において、任意のガイディングピン35を含む、車両本体部3の垂直方向のコンテナハンドリング車両受け入れ側部の開口部は、サービスを提供されることとなるコンテナハンドリング車両200、300の全体的な幅に等しいかまたはそれよりも大きい最小幅Gを有している。
【0118】
第3の実施形態による、サービス車両2によってコンテナハンドリングデバイス200、300をピックアップするための手順は、以下の方式で進行することが可能である。
- (図17A)サービス車両2が、遠隔制御システムとオンボードトランスミッター/レシーバーのうちの1つまたは複数との間の信号通信を使用して、輸送されることとなる1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300に隣接した適切な位置に接近する。必要とされる場合には、サービス車両2の車両受け入れ開口部がコンテナハンドリング車両200、300の方を向くように、サービス車両2の配向が変更される。
【0119】
- (図17Bおよび図17C)コンテナハンドリング車両200、300が2つのキャタピラートラック/ローラー6の間の車両本体部3の受け入れ開口部を通って進入するように、サービス車両2が遠隔からガイドされ、移送デバイス8が相互作用位置にあるようになっており、すなわち、複数のリフティングクロー8dがそのまたはそれぞれのコンテナハンドリング車両200、300の2つの反対側の垂直方向側部に配置された状態になっている。代替的に、サービス車両2は、静止した状態に維持され得、コンテナハンドリング車両200、300が、車両受け入れ開口部の中へ遠隔からガイドされ得る。車両本体部3の内側のコンテナハンドリング車両200、300の正しい水平方向の位置は、受け入れ開口部の反対側の垂直方向側部に配置されているストッパー37によってさらに制御され得る。そのようなストッパー37は、また、車両本体部3の中のコンテナハンドリング車両200、300の安定性を増加させるように貢献することとなる。図16図18に示されている例では、このストッパーは、水平方向に延在するバーとして図示されており、水平方向に延在するバーは、コンテナハンドリング車両200、300がサービス車両2の車両本体部3の完全に内側にあるときに、コンテナハンドリング車両200、300に当接するように配置されている。
【0120】
- (図18A)移送デバイス8がコンテナハンドリング車両200、300に対して相互作用位置にあるときには、リフティングクロー8dがコンテナハンドリング車両200、300と物理的な接触を行うまで、リフティングクローは、水平方向のリニアアクチュエーター8iを使用して水平方向に変位させられる。
【0121】
- (図18B)垂直方向のリニアアクチュエーター8fは、遠隔から動作させられ、枢動サポート8hの枢動移動に起因して、車両本体部3がレールシステム108からリフトさせられることを引き起こす。リフティングクロー8dとコンテナハンドリング車両200、300との間の確立された物理的な接触に起因して、コンテナハンドリング車両200、300は、レールシステム108からリフトさせられ、それによって、サービス車両2を輸送位置にセットする。
【0122】
- サービス車両2は、1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300とともに、レールシステム108の上のその所定の位置へ移動させられるか、または、レールシステム108から外へ移動させられる。
【0123】
アンローディングプロセス、すなわち、通常の動作のためにサービス車両2によってレールシステム108の上に所定の位置へ1つまたは複数のコンテナハンドリング車両200、300を輸送することは、上述のローディングプロセスに等しいかまたは同様に進行するが、逆のシーケンスで進行する。
【0124】
すべての実施形態において、ローラー6、7は、ループ式のチェーン6dを含み、ループ式のチェーン6dは、チェーン6dの中に配置されている歯付きベルトホイール6a、6bによって駆動される。しかし、歯付きホイール6a、6bのうちの1つまたは複数がループ式のチェーン6dの外側に配置されている構成も想定され得る。歯付きホイール6、7の代わりに、ローラー6、7は、それらのそれぞれのチェーン6dに噛み合うかまたは連結するための他のタイプの手段を有するホイールなどのような代替的なドライブメカニズムを含むことが可能である。さらに、ローラー6、7は、エンドレスベルト以外のコンポーネント、たとえば、少なくとも1つのグリッドセル122をカバーするのに十分に幅広い1組のホイールから構成され得る。
【0125】
第6の実施形態だけが、人間のオペレーターのための専用のスペースなしに開示されているとしても、サービス車両2のすべての実施形態は、オンボードオペレーター50の必要性なしに、たとえば、遠隔に位置付けされている人間のオペレーター50によって完全に、または、完全にもしくは部分的に自動化された制御システムによって、または、それらの組合せによって実施される動作によって、レールシステム2の上で操縦されるように容易に構成され得る。
【0126】
また、サービス車両2の完全な動作が、オンボードオペレーターの動作に部分的に起因しており、および、遠隔に位置付けされている人間のオペレーターに部分的に起因しているか、または、代替的に、オンボードオペレーターの動作と完全にもしくは部分的に自動化された制御システムとの間の組合せに起因している実施形態が想定され得る。
【0127】
先行する説明において、本発明による車両および保管システムのさまざまな態様が、例示目的の実施形態を参照して説明されてきた。説明の目的のために、特定の数、システム、および構成が、車両およびその作業の徹底的な理解を提供するために記述された。しかし、この説明は、限定する意味で解釈されることを意図していない。例示目的の実施形態のさまざまな変更例および変形例、ならびに、開示されている主題に関する当業者に明らかである車両の他の実施形態は、本発明の範囲の中にあると見なされる。
【符号の説明】
【0128】
1 倉庫システム/保管構造体
2 サービス車両
3 車両本体部
4 コンテナ車両ハンドリングパーツ
5 操作パーツ
6 第1の推進手段/推進メカニズム/ローリング手段/ローラー/キャタピラートラック
6a それぞれのエンドレスベルト6、7のための第1の歯付きベルトホイール
6b それぞれのエンドレスベルト6、7のための第2の歯付きベルトホイール
6c エンドレスベルト6、7の内側表面
6d ループ式のチェーン/エンドレスベルト
7 第2の推進手段/推進メカニズム/ローリング手段/ローラー/キャタピラートラック
8 移送デバイス
8a ベースプレート/移送デバイスサポート
8b 移送ビーム
8c 移送モーター/リフティングメカニズム
8d 取り付けデバイス/リフティングフック/リフティングクロー
8e 移送ドラム
8f 垂直方向のリニアアクチュエーター
8g 垂直方向のリニアアクチュエーターおよびリフティングフックに接続されているフレーム
8h 垂直方向のリニアアクチュエーターのための枢動サポート
8i 水平方向のリニアアクチュエーター
9 位置合わせユニット/イメージキャプチャリングユニット
9a 前方カメラ
9b 後方カメラ
12 オペレーティングシステム/制御システム
12a 緊急停止
14 ハンドル
13 オペレーターチェア
33 安全フェンス
34 検査ドア
35 ガイディングピン
35a ガイディングピンの端部におけるくさび形状
36 トランスミッター/レシーバー
37 ストッパー
50 オペレーター
100 フレームワーク構造体
102 フレームワーク構造体の直立部材
103 フレームワーク構造体の水平方向部材
104 保管グリッド/3次元グリッド
105 保管カラム
106 保管コンテナ
107 スタック
108 レールシステム
110 第1の方向(X)への第1のセットの平行なレール
111 第2の方向(Y)への第2のセットの平行なレール
115 グリッド開口部
119 ドロップオフポートカラム
120 ピックアップポートカラム
122 グリッドセル
200 第1のコンテナハンドリング車両
201 ホイール構成体
300 第2のコンテナハンドリング車両
301 ホイール構成体
302 (リフティングフック8dのための)受容部
X 第1の方向
Y 第2の方向
P 水平方向の平面
L 推進手段6、7の長さ
W 推進手段6、7の幅
G 第1および第2のエンドレスベルト6、7の間の間隔の幅
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B