(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】高速線材梱包機のガスケット置き機構及びガスケット構造
(51)【国際特許分類】
B65B 27/06 20060101AFI20230815BHJP
F16J 15/08 20060101ALI20230815BHJP
B65B 13/18 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
B65B27/06 C
F16J15/08 A
B65B13/18 F
(21)【出願番号】P 2020567153
(86)(22)【出願日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 CN2019092161
(87)【国際公開番号】W WO2020007204
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-11-30
(31)【優先権主張番号】201810738657.6
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810736901.5
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810737934.1
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811330176.8
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811330178.7
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811330172.X
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910248727.4
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910249222.X
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910248708.1
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520465932
【氏名又は名称】上海▲為▼隆▲節▼能▲環▼保技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130993
【氏名又は名称】小原 弘揮
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼雪松
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0186486(US,A1)
【文献】特表2020-506117(JP,A)
【文献】特開昭49-055494(JP,A)
【文献】特開平01-037311(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0152363(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 13/00-13/34
B65B 27/00-27/12
F16J 15/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
梱包機が、押え付け方向における両端から対向して往復移動する2枚の押さえ板2を備え、
前記押さえ板2の2つの対向する押え付け面に、円形となる一定の厚さを有する擦り傷防止円盤25が固定されており、前記押さえ板2と擦り傷防止円盤25における4つの対角に鋼線を結束する4本のダクト18があり、ダクト18が擦り傷防止円盤25を上下左右の4つの扇形板に分割する高速線材梱包機のガスケット置き機構において、
前記押さえ板2における4つの対角にコンベアローラ16とガスケットロール17とが設けられ、
前記ガスケットロール17が複数のガスケット14で並んで連結され、長尺形としてロール状に巻き付けられ、単一のガスケット14の巻き付く方向がガスケットロール17が広げられる両側にあり、
数値制御モータがコンベアローラ16を回転駆動し、ガスケットロール17が水平方向に広げられたガスケット14を動かして、押さえ板2のダクト18の位置まで擦り傷防止円盤25が空けた通路を貫通させ
、ガスケット14の上に押さえストリップ19が設けられ、
前記コンベアローラ16の周方向にガスケット14を搬送する少なくとも一回りの突出歯を有することを特徴とする、高速線材梱包機のガスケット置き機構。
【請求項2】
前記ガスケット14が平行四辺形を呈し、隣接するガスケット14が斜辺で接し、斜辺の傾斜方向と前記押さえ板2におけるダクト18の方向とが一致しており、隣接するガスケット14間に鋸歯孔14c又は線状の窪んだ圧痕が開設され、
又は、前記ガスケット14が長細い矩形を呈し、隣接するガスケット14が長辺で接し、長辺が水平面と傾斜角を成し、傾斜方向と前記押さえ板2におけるダクト18の方向とが一致しており、隣接するガスケット14間に鋸歯孔14c又は線状の窪んだ圧痕が開設され、
前記ガスケット14が金属シートであり、
前記コンベアローラ16の周方向の突出歯に対応して、ガスケットロール17が広げられた対応する位置に送り孔14aが開設されることを特徴とする、請求項1に記載の高速線材梱包機のガスケット置き機構に用いられるガスケット構造。
【請求項3】
前記ガスケット14がアルミニウム片、銅片又は鋼片であることを特徴とする、請求項2に記載のガスケット構造。
【請求項4】
前記ガスケット14の厚さが0.1~1mmであることを特徴とする、請求項2に記載のガスケット構造。
【請求項5】
前記ガスケット14が厚さ0.2mmの鋼片であることを特徴とする、請求項2、3又は4に記載のガスケット構造。
【請求項6】
前記ガスケット14が平行四辺形を呈する斜辺又は長細い矩形を呈する長辺は水平線と45°の角を成すことを特徴とする、請求項2に記載のガスケット構造。
【請求項7】
前記ガスケットロール17が広げられた上下両側に、それぞれ一列の円形、菱形又は矩形の送り孔
14aが開設されることを特徴とする、請求項2に記載のガスケット構造。
【請求項8】
前記ガスケット14の平行四辺形の2つの水平側又は長細い矩形の2つの短辺にある中間位置に、結束ガイド孔14bが開設されることを特徴とする、請求項2に記載のガスケット構造。
【請求項9】
前記結束ガイド孔14bは孔径が5~12mmの半円形孔、又は幅が15~35mm、深さが5~15mmの矩形孔であることを特徴とする、請求項8に記載のガスケット構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼分野で棒鋼を加工し線材を形成し梱包する工程における機械道具の改善機構に関し、詳しくは高速線材梱包機の工程におけるガスケット置き機構及び関連ガスケット構造に関する。
【背景技術】
【0002】
製鋼工場が生産したワイヤロッドは線材として納品されるので、線材とも呼ばれる。本分野における製鋼工場の高速線材の梱包が包装でガスケットを保護していない前に、高速線材は生産成形後に全て直接梱包機で梱包し、結束鋼線(ベルト)が直接線材をきつく縛る。梱包機の結束鋼線が受けた張力が大きいので、線材の両側に接触する箇所に縛り傷を付けやすいと同時に、搬送過程で、線材の両側が衝突及び摩擦されやすくて破壊され、高速線材の品質に影響する。このことにより、ユーザがその後に線材を引っ張る過程で断線する場合があり、生産過程の連続性に影響し、製品の極大の浪費、生産コストの増加及び生産過程での安全問題につながる。
【0003】
この問題を解決するために、各地の製鋼工場は続々と人工的に高速線材の縛り傷防止ガスケットを置く技術を用いて、高速線材が梱包機に入る前に、せん断された縛り傷防止ガスケットを梱包機の8本の梱包ラインに貼り付け、梱包ができた後、縛り傷防止ガスケットは高速線材の両端に線材と結束鋼線との接触を遮断し、高速線材が結束引き締めエリアにおいて破損しないように保護を与える。同時に、搬送期間に結束鋼線と線材とが接触し、摩擦により線材表面の破損がひどくなることも防止する。しかし、高速の生産リズムを保証するために、このような方式では従業員が1分間程度の時間内で梱包機の正確な位置に8枚を貼り付けることが要求され、労働スキルに対する要求が高く、労働強度が非常に大きく、人員が高温環境で梱包機に入り込むことも危険である。なお、ガスケットが外れやすく、ずれやすく、所期の保護効果を果たすことができない。そして、高速線材の高温に耐えるために、縛り傷防止ガスケットは耐高温の化学原料で製造しなければならず、ガスケットのコストが高くなる。
【0004】
このため、本分野における製鋼工場は、作業効率を向上し、従業員の労働強度を低減し、安全問題を防ぐために、より効率的な高速線材の縛り傷防止ガスケットを置く技術を用い、「高速線材包装ガスケット」(CN2642408U)又は「スチールコード線材包装用円盤」(CN3127443U)で梱包している。このような包装円盤は、元々の各側における4枚のガスケットを4枚の形状が同様であるスロット付き板紙で一体連結したものであり、板紙は4分の1の環状構造である。即ち、ガスケットとした4枚の材料を、梱包機の擦り傷防止円盤のような大きさの円環板紙に貼り付け、従業員がC字型搬送フックに掛けられる線材の両側にそれぞれ1枚のプレハブ円環板紙をかけることで、従業員が梱包機に入り込むという動作を回避でき、従業員の労働強度を軽減し、生産効率を向上した。
【0005】
しかし、このようにしても、人工的に高速線材の縛り傷防止環状板であるガスケットを置く技術にはまだ以下の5つの問題がある。
【0006】
1つ目は、環境配慮問題である。「高速線材包装ガスケット」及び「スチールコード線材包装用円盤」の製造過程で、多くの板紙を消耗して支持板又は基板を製造することが必要である。製紙は生態環境を破壊し、汚染が高い産業であり、用いられるガスケットは耐高温のものでなければならい。ガスケットは全て化学原料で製造されたものであり、化学産業は同様に汚染が高い産業である。
製鋼工場が使用する過程で、積み置くための大面積の作業場が必要である。結束終了後に、多くの廃棄板紙、リベット等の廃棄物が加工作業場に捨てられ、生産作業場の作業環境が汚くて乱雑になり、多くの人手で作業現場を整理整頓する必要がある。
端末ユーザにとって、用いられるガスケットを回収できないことは社会の生態環境保護に対しても損失、危害であり、化学原料で製造されたガスケットをどのように取り扱うかという問題がある。
【0007】
2つ目は、梱包ガスケット材料のコストが高いことである。現在板紙を用いて支持板又は基板を製造し、化学原料でガスケット、リベットを製造し、さらに、完全な部品を人工的に製造する必要があるので、製鋼工場が1包みの線材を梱包するためのガスケット材料のコストは高い。
【0008】
3つ目は、梱包の品質問題である。現在用いられている、ガスケットを置く工程の全ては、梱包機が梱包動作を始める前に懸垂状態となり、安定せず、信頼性が低く、がたがたしている線材が梱包機によって押え付けられる過程で線材の移動により基板、ガスケットのずれが起こり、梱包ができた後に梱包ガスケットのずれ、外れ、引張破断が発生する場合があり、その上、一部の領域が包まれ得なく、梱包品質を保証することができない。同時に、高速線材に余熱があるので、化学原料で製造された梱包ガスケットが加熱されて熔解し、一部の接触領域が包まれ得ない場合もあり、梱包品質が悪い。
【0009】
4つ目は、人件費である。製鋼工場は1~2名の従業員を配置して8枚の縛り傷防止ガスケットを梱包機の梱包ラインの位置に貼り付け、又はそれぞれ4枚の縛り傷防止ガスケットが付いている円環板紙2枚をC字型搬送フックにおける高速線材の両側に掛けなければならず、人件費をかける必要がある。
【0010】
5つ目は、従業員の労働強度が高く、安全問題があることである。現場の流れ作業ラインにおける高速線材の温度が高いので、自然に冷却する過程があり、従業員の作業環境は高温であり、ノイズが大きく、従業員が約1分間で8枚の縛り傷防止ガスケットを梱包機の梱包ラインの位置に貼り付けて、労働量が非常に大きい。高温環境で梱包機に入り込むことも危険である。或いは、従業員は移動しているC字型搬送フックの両側を繰り返して歩き、それぞれ4枚の縛り傷防止ガスケットが付いている円環板紙2枚をC字型搬送フックにおけるがたがたしている高速線材の両側に掛ける必要があり、その中の1枚の板紙は開口してC字型搬送フックに掛けてから封口する必要があるので、工程は複雑となる。流れ作業ラインにおけるリズムを満足するために、労働強度が非常に大きい。梱包終了後に、従業員は梱包ができた現場に廃棄された板紙、リベット等の付加物を清掃する責任を負うので、労働量が非常に大きい。それに、製鋼工場でC字型搬送フックが外れる現象が発生したこともあり、従業員が移動しているC字型搬送フックの下で作業するのも危険である。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、前記2種類のガスケット配置方法による多種の欠点を克服、防止し、線材を結束する前に、ガスケットを正確でターゲットを絞って梱包機の適切な位置に敷き、速やかに置き、手作業を取り消すことができ、高速線材梱包機に用いられるガスケット置き機構及び置かれるガスケットの構造を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の目的は以下の技術的手段により実現される。
【0013】
梱包機が、押え付け方向における両端から対向して往復移動する2枚の押さえ板を備え、
前記押さえ板の2つの対向する押え付け面に、円形となる一定の厚さを有する擦り傷防止円盤が固定されており、前記押さえ板と擦り傷防止円盤における4つの対角に鋼線を結束する4本のダクトがあり、ダクトが擦り傷防止円盤を上下左右の4つの扇形板に分割する高速線材梱包機のガスケット置き機構において、
前記押さえ板における4つの対角にコンベアローラとガスケットロールとが設けられ、
前記ガスケットロールが複数のガスケットで並んで連結され、長尺形としてロール状に巻き付けられ、単一のガスケットの巻き付く方向がガスケットロールが広げられる両側にあり、
数値制御モータがコンベアローラを回転駆動し、ガスケットロールが水平方向に広げられたガスケットを動かして、押さえ板のダクト位置まで擦り傷防止円盤が空けた通路を貫通させ、ダクトの切り欠き部に、ガスケットの上に押さえストリップが設けられ、
前記コンベアローラの周方向にガスケットを搬送する少なくとも一回りの突出歯を有することを特徴とする、高速線材梱包機のガスケット置き機構。
【0014】
従来技術の高速線材梱包機は、その上にC字型を呈する搬送フックを有し、生産加工した高い温度を有する線材を搬送フックの横フックに掛ける。
【0015】
高速線材梱包機の左右両側は押さえ板であり、車輪がガイド装置のトラックを往復移動し、又は対向移動して線材を押え付け、鋼線ガイド部品が鋼線を通らせ、引き締め、梱包機ヘッドが鋼線を締め上げて切断し、梱包が完成した後、2枚の押さえ板が反対の方向へ移動し、C字型の搬送フックが結束済みの線材を移出させ、梱包作業が完了した。
【0016】
梱包前に搬送フックに掛けておいた線材が下に整然と置かれるように、梱包機の下に昇降台がある。
【0017】
梱包機の押さえ板の対向するパネルは一般的に矩形を呈し、鋼製のものであり、材料が硬い。押さえ板のパネルが線材を押圧する時に、線材が傷付けられ、押しつぶされて破損し、品質に影響することを防止するために、通常押さえ板のパネルに、一定の厚さを有する1枚の円形又は多辺形又は他の形状の擦り傷防止円盤がさらに固定される。当該板の材質が鋼よりも柔らかく、板の厚さが約30mmである。擦り傷防止円盤の有効直径が線材梱包前後に形成する線材の環直径に対応し、やや大きく、よって、押圧時に線材のプレホームが直接押さえ板の表面に接触し損なわれることはない。1巻きの線材が梱包前後に環状を呈するので、前記擦り傷防止円盤も一般的に環状を呈する。
【0018】
均一で安定して梱包するために、結束鋼線が通常押さえ板が水平面と45°の角を成す4つの対角に位置し、線材のプレホームが、互いに垂直である4カ所に結束されるようにする。このため、押さえ板と擦り傷防止円盤における4つの対角に、鋼線を結束する4本のダクトがあり、前記ダクトも擦り傷防止円盤を上下左右の4つの扇形板に分割する。上の1枚の扇形の擦り傷防止円盤が、上からのC字型搬送フックが下がって線材を置くことに用いられるので、中間に縦の切欠きを空けなければならない。これにより、上の1枚の扇形の擦り傷防止円盤に、中間の矩形の切欠きを取り除いた2枚の小扇形がまた形成された。
【0019】
このような梱包機について、スウェーデンのSUNDBIRSTA社の梱包機製品が代表的なものであってもよい。
【0020】
本発明では、本分野において、前記押さえ板における4つの対角にコンベアローラ、ガスケットロール機構が設けられ、数値制御モータがコンベアローラを回転駆動し、ガスケットロールが水平方向に広げられたガスケットを動かして、押さえ板のダクト位置まで擦り傷防止円盤が空けた通路を貫通させ、ダクトの切り欠き部に、ガスケットの上に押さえストリップが設けられることが初めて提案されている。この機構は、人が梱包機に入り込み、2枚の押さえ板が高温、危険である場合、人工的にガスケットを置く方法を避け、予めガスケットのプレ吊りリングを製作する必要がなく、人が直接梱包現場で作業することも回避した。
【0021】
上述したように、ダクトが擦り傷防止円盤を上下左右の4つの扇形板に分割する。装置が押さえ板における4つの対角に取り付けられるので、通常左右の2枚の扇形の擦り傷防止円盤のみに、上下それぞれ2本の、ガスケットが搬送移動される通路を空けている。
図4には明らかに示されている。
【0022】
このように、一側の押さえ板、又は一側の押さえ板における1~4の何れのダクトの位置にガスケット置き機構が設けられても、全て本発明の限定範囲にあることが請求項にも示されている。
【0023】
ガスケットが規範的で、円滑で、確実にダクト位置まで搬送されるように、コンベアローラから押さえ板のダクト位置までの間に、平行して配置される2本の位置規制ストッパ、又は擦り傷防止円盤が空けた通路の両側辺から構成される位置規制移動溝が設けられてもよい。信頼性をさらに向上するために、位置規制移動溝の外側において平板で被覆されて断面が封止される扁形の長い溝の構造を構成する。
【0024】
前記ガスケットが平行四辺形を呈し、隣接するガスケットが斜辺で接し、斜辺の傾斜方向と前記押さえ板におけるダクトの方向とが一致しており、隣接するガスケット間に鋸歯孔又は線状の窪んだ圧痕が開設され、
又は、前記ガスケットが長細い矩形を呈し、隣接するガスケット14が長辺で接し、長辺が水平面と傾斜角を成し、傾斜方向と前記押さえ板におけるダクトの方向とが一致しており、隣接するガスケット間に鋸歯孔又は線状の窪んだ圧痕が開設され、
前記ガスケットが金属シートであり、
前記コンベアローラの周方向の突出歯に対応して、ガスケットロールが広げられた対応する位置に送り孔が開設されることを特徴とする、前記高速線材梱包機のガスケット置き機構に用いられるガスケット構造。
【0025】
本発明はガスケット連続押し機構がガスケットを4つの対角におけるダクト位置まで送り込み、相対的に位置が精確であるので、従来技術2の高速線材包装ガスケット(CN2642408U)又はスチールコード線材包装用円盤(CN3127443U)のように、梱包時にガスケットが鋼線によって結束され、ずれないことを確保できるようにガスケットを非常に大きくする必要が全くない。本発明のガスケットの幅が従来技術2のガスケットよりはるかに小さく、試験によれば従来技術2の2分の1から3分の1のみであればよい。
【0026】
本発明では、前記ガスケットが平行四辺形又は長細い矩形を呈し、隣接するガスケットが斜辺又は長辺で接し、斜辺の傾斜方向と前記押さえ板におけるダクトの方向とが一致している。このため、ガスケットロールが広げられた長尺形の複数のガスケットが水平方向に外側からダクト位置まで搬送されなければならない。このような構造では、付加される部材、装置が押さえ板に外側に延伸し配置され、大きな空間及び位置があることが可能である。
【0027】
長尺形の複数のガスケットが水平方向に搬送されるように、本発明に係るコンベアローラの軸線及びガスケットロールの軸線は全て垂直でなければならない。ガスケットロールの軸線が垂直であることで、ガスケットロール全体の重心のバランスが取れており、安定した搬送、展開、運行が図れ、かつ外側の空間が大きいので、ガスケットロールは非常に多くのガスケットを配置することができ、一回のフィード量を増やすと、ガスケットロールが作業時間を長く維持し、装置の稼働率を向上することができる。
【0028】
同じ側における上下の2つの連続押し機構が傾斜して配置されると、送り出されるガスケットの先端が矩形であり、ダクトとちょうど一致している。しかし、同じ側における上下の2つの梱包を行うダクトの位置が近いので、外側へ広がる空間が限られており、2組のコンベアローラ及びガスケットロールが干渉しやすく、多くのガスケットを配置することができず、ガスケットを繰り返して添加する場合、稼働率が下がる。
【0029】
隣接するガスケット間に鋸歯孔又は線状の窪んだ圧痕が開設され、結束鋼線がダクトにおいて引っ張ったり締めたりする場合の引き締め力は、隣接するガスケットとガスケットを鋸歯孔又は線状の窪んだ圧痕に沿い引き裂き、結束及び引き裂きの2つの工程が合一することも本発明の特徴的な点である。
【0030】
前記鋸歯孔は通常の短距離の孔であってもよく、長距離の孔であってもよく、ガスケットロールが水平に搬送されることに有利であるだけではなく、隣接するガスケットを引き裂くことにも役立つことが可能なものであればよい。
【0031】
ガスケットが設けられた後、結束される鋼線は直接鋼製線材の表面に接触せず、結束過程又は搬送、貯蔵において、鋼線の引き締め移動又は振動による移動は全てガスケットの外表面で発生し、何れも直接線材の表面に接触摩擦して、傷つけることなく、線材表面の品質に影響せず、線材の表面品質を保護する目的を達成した。
【0032】
前記コンベアローラの周方向の突出歯に対応して、前記ガスケットロールが広げられた対応する位置に送り孔が開設される。本発明はガスケットロールのガスケットを精確にダクト位置まで搬送し、サーボモータのような数値制御モータを用いて、搬送開始、停止の時間及び長さを設定し、コンベアローラの周方向の突出歯がガスケットロールが広げられたガスケットにおける対応する位置の送り孔を動かす。
【0033】
本発明のガスケットロールが広げられた対応する位置に送り孔が設けられており、ガスケットを動かして移動させる方法では、本発明に記載の突出歯付きローラを用いて駆動するほかに、シリンダ、油圧シリンダ又はリニアモータによって駆動される往復移動機構を用いることもできる。往復移動機構に、穿孔に対応する突出歯が設けられ、突出歯がガスケットロールが広げられたガスケットにおける穿孔を動かしてガスケットを搬送させる。
【0034】
さらに、前記ガスケットがアルミニウム片、銅片又は鋼片である。
【0035】
さらに、前記ガスケットの厚さが0.1~1mmである。
【0036】
よりさらに、前記ガスケットが厚さ0.2mmの鋼片である。
【0037】
さらに、前記ガスケットは平行四辺形を呈する斜辺又は長細い矩形を呈する長辺が水平線と45°の角を成す。
【0038】
さらに、前記ガスケットロールが広げられた上下両側に、それぞれ一列の円形、菱形又は矩形の送り孔が開設されている。
【0039】
さらに、前記ガスケットの平行四辺形の2つの水平側又は長細い矩形の2つの短辺にある中間位置に、結束ガイド孔が開設される。
【0040】
よりさらに、前記結束ガイド孔は孔径が5~12mmの半円形孔、又は幅が15~35mm、深さが5~15mmの矩形孔である。
【0041】
本発明の優位性及び効果は以下の通りである。
1、本発明は、従来のガスケットを置く方法と異なる技術的手段が本分野に初めて提案されており、手動で現場で操作する必要がなく、単純に機器によって担われ、先駆的な基本特許である。本分野の作業方式を根本的に変え、大きな技術効果及び市場、経済価値を有する。
2、手作業の高温、不安全等の劣悪な労働環境及びそれによる欠点を徹底的に取り除いた。
3、ターゲットを絞ってガスケットを製作し、ガスケットを精確的に置き、ガスケットの材料を大幅に節約した。
4、梱包用ガスケットの材料のコストが低減した。本発明で用いられる梱包用ガスケットは金属シートであり、即ち金属薄片材料であり、そのコストについて、現在用いられている板紙で製造された支持板又は基板に比較すると、後者は化学原料、プラスチックでガスケット、リベットを製造する上に、人工的に完全な部品を製造する必要があるので、前者の必要なコストが大幅に低減した。現在最も広く用いられているのはCN3127443Uのように、4枚の形状が同様な基板と4層の緩衝材層とを備え、前記基板が4分の1の環状構造であり、前記基板の中部に矩形ノッチが開設されており、4枚の基板の端と端が互いに連結されて円形に囲まれ、円形の外径がスチールコードの線材ロールの外径に適合し、2枚の基板間が緩衝材層で固定連結される。本発明はいわゆる円環構造を取り除き、予め製作し、事前に付けておく必要がなく、その上、包んだ後円環を引き裂いて外す必要もなく、手間も材料も省き、取り外された残留材料の処理が省略された。本発明に係る金属薄片ガスケットは端末ユーザから回収され、製鋼工場の原料とされてもよい。板紙、化学原料で製造されたペースタ、プラスチックリベット等の付随する廃棄物がなく、清潔で環境にやさしく、梱包ガスケットの生産、使用、廃棄の各環節の環境保護が実現され、青々とした山や川がある環境の実現に貢献した。
5、本発明の技術の詳細によれば、ガスケット材料の節約も確保できるし、結束時にガスケットを置く品質も向上できる。手作業に比べ、機器によるフィードはその都度、動作が高度に一致することを保証でき、梱包品質を向上し、ずれ、外れという現象を減少し、さらに無くすことができる。
6、本発明のガスケット部品は消耗品であり、使用量が大きく、ガスケットロールの方式で設計、配置することで、多くの消耗材及び資金を節約でき、製造の専門化、専用ラインによる納品を実現しやすく、作業効率及び経済利益を大幅に向上した。
【0042】
本発明は機械化、自動化により、手作業を変え、人を労作から解放し、作業の速度、効率、品質、効果を向上した。また、ガスケットの供給も非常に科学的で合理で、経済的なものであり、大量生産に適し、早急に普及応用される価値がある。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】
図1は従来技術の高速線材梱包機の概略的な全体構成図である。
【
図2】
図2は本発明に係る高速線材梱包機のガスケット置き機構の一実施態様の概略的な全体構成図である。
【
図3】
図3は従来技術で、高速線材梱包機における押さえ板部材に向かって、対向面を観察した概略構成図であり、擦り傷防止円盤と、ダクト部材とを備えることが示されている。
【
図4】
図4は本発明が
図3に基づき、高速線材梱包機のガスケット置き機構が配置された一実施態様の概略構成図である。
【
図5】
図5は本発明の一実施態様で、幾つかのガスケットで連結された一節のガスケットロールの展開部分の概略構成図である。
【
図6】
図6は本発明の一実施態様で、一節のガスケットロールの概略的斜視図である。
【
図7】
図7は本発明の一実施態様で、コンベアローラと、ガスケットロールと、位置規制移動溝部材とを備えることを示す概略構成図である。
【
図9】
図9は
図7のA-A線に沿う断面図であり、その位置規制移動溝が平板で被覆され扁形の長い溝として構成されることを示す概略構成図である。
【
図10】
図10は本発明が従来技術と同様な線材が押え付けられて結束され、外部から観察された概略構成図である。
【
図12】
図12は本発明の別の実施態様で、幾つかのガスケットが連結し構成された一節のガスケットロールの展開部分の概略構成図であり、ガスケットが細長い矩形状を呈する。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に添付図面を参照しながら本発明を詳しく説明する。
【0045】
梱包機が、押え付け方向における両端から対向して往復移動する2枚の押さえ板2を備え、
前記押さえ板2の2つの対向する押え付け面に、円形となる一定の厚さを有する擦り傷防止円盤25が固定されており、前記押さえ板2と擦り傷防止円盤25における4つの対角に鋼線を結束する4本のダクト18があり、ダクト18が擦り傷防止円盤25を上下左右の4つの扇形板に分割する高速線材梱包機のガスケット置き機構において、
前記押さえ板2における4つの対角にコンベアローラ16とガスケットロール17とが設けられ、
前記ガスケットロール17が複数のガスケット14で並んで連結され、長尺形としてロール状に巻き付けられ、単一のガスケット14の巻き付く方向がガスケットロール17が広げられる両側にあり、
数値制御モータがコンベアローラ16を回転駆動し、ガスケットロール17が水平方向に広げられたガスケット14を動かして、押さえ板2のダクト18の位置まで擦り傷防止円盤25が空けた通路を貫通させ、ダクト18の切り欠き部に、ガスケット14の上に押さえストリップ19が設けられ、
前記コンベアローラ16の周方向にガスケット14を搬送する少なくとも一回りの突出歯を有する高速線材梱包機のガスケット置き機構。
【0046】
前記ガスケット14が平行四辺形を呈し、隣接するガスケット14が斜辺で接し、斜辺の傾斜方向と前記押さえ板2におけるダクト18の方向とが一致しており、隣接するガスケット14間に鋸歯孔14c又は線状の窪んだ圧痕が開設され、
又は、前記ガスケット14が長細い矩形を呈し、隣接するガスケット14が長辺で接し、長辺が水平面と傾斜角を成し、傾斜方向と前記押さえ板2におけるダクト18の方向とが一致しており、隣接するガスケット14間に鋸歯孔14c又は線状の窪んだ圧痕が開設され、
前記ガスケット14が金属シートであり、前記コンベアローラ16の周方向の突出歯に対応して、ガスケットロール17が広げられた対応する位置に送り孔14aが開設される前記高速線材梱包機のガスケット置き機構に用いられるガスケット構造。
【0047】
前記基準を達成するガスケット構造は、前記高速線材梱包機のガスケット置き機構の運転を満足でき、それに用いられてもよい。なかでも、前記鋸歯孔14cは概説であり、異なる機種における押さえ板ダクト18に、異なる置き・押し機構において形状が異なる。例えば完全なピンプリク、又は線状切り溝、又は2種類の組み合わせである。このように、ガスケット14はロール状のガスケットロール17として巻き付けられることに役立つし、コンベアローラ16が押すこと、又はガスケット挟持ユニット及び横押しユニットがガスケット14をダクト18の口部に押すことにも役立つし、鋼線を結束する場合の切断にも有利である。
【0048】
前記ガスケット14が平行四辺形を呈する場合、ガスケットを加工製作しやすく、対応する金型も簡単であり、コストが安い。前記ガスケット14が長細い矩形を呈する場合、鋼線で隣接するガスケットを結束し断つ時に、より均一で合理的に力に耐え、結束品質が良く、同じ長さのガスケットの有効結束長さが長い。
【0049】
前記ガスケット14がアルミニウム片、銅片又は鋼片である。鋼片は相対的に好ましい金属シートであり、供給源が多くて便利であり、硬度がちょうど要求に合致し、使用後に回収し、さらに再生し再利用することができる。
【0050】
前記ガスケット14の厚さが0.1~1mmであり、結束の重量、線材の要求、金属の硬度及び剛性に応じて、その範囲における厚さを選択する。
【0051】
前記ガスケット14は厚さが0.2mmの鋼片である。このような材質及び厚さのガスケットでは、その押え付け変形範囲がちょうど、一般的な線材を結束する時に敷き込まれることに用いることができ、線材を傷つけない上に、ガスケットを保管する時に損なわず、かつ厚過ぎなくて材料を浪費しない。鋼片の値段が安く、供給源が多い。
【0052】
前記ガスケット14が平行四辺形を呈する斜辺又は長細い矩形を呈する長辺は水平線と45°の角を成す。通常の高速線材梱包機の押さえ板は、擦り傷防止円盤の盤面が水平線と45°の角を成す4つの対角に、鋼線を結束する4本のダクトが開けられている。したがって、ガスケット14の斜辺が水平線と45°の角を成すことは、ちょうど従来の通常の線材梱包機の構造に対応する。勿論、市販されているものがこの角度以上又は以下になれば、本発明の装置に用いられて、同じ目的を達成するために、同等な原理及び効果と見なすべきであり、本願の保護範囲にも属する。
【0053】
前記ガスケットロール17が広げられた上下両側に、それぞれ一列の円形、菱形又は矩形の送り孔14aが開設される。このような孔は簡単に加工形成され、本発明の目的を達成しやすく、かつ上下両側、両列の搬送が安定している。
【0054】
前記ガスケット14の平行四辺形の2つの水平側又は長細い矩形の2つの短辺にある中間位置に、結束ガイド孔14bが開設される。精確的に作業し、鋼線結束の品質を向上し、歪まないように、ガイド孔14bが開設される。鋼線がガスケット梱包側の真ん中におけるガイド孔14bに容易に入り込み、滑り込むことに有利であるだけでなく、その後搬送移動時にずれが発生せず、梱包品質がより確保される。
【0055】
前記結束ガイド孔14bは孔径が5~12mmの半円形孔、又は幅が15~35mm、深さが5~15mmの矩形孔である。経験及び計算によれば、この範囲にあると、結束効果がより良くなる。
【0056】
本発明は前記実施態様に制限されるものではなく、本発明に開示される技術的手段に基づき、当業者は、開示される技術内容に応じて、創造的な労働なしでその中のある技術特徴を何らか置換及び変形することができ、これらの置換及び変形は全て本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0057】
1 鋼線ガイド部品
2 押さえ板
3 線材コイル
4 搬送フック
5 梱包機ヘッド
7 ワイヤ送り機構
8 昇降台
9 ガイド装置
10 車輪
11 鋼線
13 平板
14 ガスケット
14a 送り孔
14b 結束ガイド孔
14c 鋸歯孔
16 コンベアローラ
17 ガスケットロール
18 ダクト
19 押さえストリップ
20 位置規制移動溝
25 擦り傷防止円盤