(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】端末ローミングステアリング方法および装置、デバイス、ならびにコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 36/08 20090101AFI20230815BHJP
H04W 36/14 20090101ALI20230815BHJP
H04W 36/38 20090101ALI20230815BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20230815BHJP
【FI】
H04W36/08
H04W36/14
H04W36/38
H04W84/12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021076170
(22)【出願日】2021-04-28
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】202010366188.7
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】フーチン・スン
(72)【発明者】
【氏名】ジ・マ
(72)【発明者】
【氏名】シャオフェイ・バイ
(72)【発明者】
【氏名】デウェイ・バオ
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-509703(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0006495(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0135145(US,A1)
【文献】特表2012-503438(JP,A)
【文献】特表2015-505188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末ローミングステアリング方法であって、前記方法は、
端末によってサポートされるステアリングプロトコルを決定するステップであって、前記端末は第1のアクセスポイント(AP)に接続され、前記ステアリングプロトコルは、ローミングを実行するように前記端末をステアリングするために使用される、ステップと、
前記第1のAPの少なくとも1つの隣接APから第2のAPを決定するステップ
であって、前記少なくとも1つの隣接AP内の任意の隣接APについて、前記第1のAPのネットワーク情報によって示される前記第1のAPのネットワーク状況および前記隣接APのネットワーク情報によって示される前記隣接APのネットワーク状況が前記端末のネットワーク選択参照情報によって示されるネットワーク状況を満たすときに、前記隣接APは前記第2のAPとして決定され、前記隣接APのネットワーク情報は、前記第1のAPから前記隣接APに送信された、前記端末のアドレス情報および前記端末によってサポートされる信号測定プロトコルの識別子に基づいて取得され、前記ネットワーク選択参照情報は、前記端末がローミングを実行するときに前記第1のAPと前記第2のAPとが満たす必要のあるネットワーク状況を示すために使用される、ステップと、
前記ステアリングプロトコルに基づいて、前記第1のAPから前記第2のAPにローミングするように前記端末をステアリングするステップであって、前記端末をステアリングする成功率は、前記ステアリングプロトコルに基づいて、複数回のローミングを実行するように前記端末をステアリングし、前記複数回のローミングのローミング結果に基づいて取得される、ステップと
を含む、端末ローミングステアリング方法。
【請求項2】
前記ステアリングプロトコルに基づいて、前記第1のAPから前記第2のAPにローミングするように前記端末をステアリングする前記ステップが、
前記ステアリングプロトコル内の少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、前記端末に適用可能なパラメータ値に基づいて、前記第1のAPから前記第2のAPにローミングするように前記端末をステアリングするステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のAPの少なくとも1つの隣接APから第2のAPを決定する前記ステップの前に、前記方法が、
前記ステアリングプロトコル、前記少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、前記端末に適用可能な前記パラメータ値、前記端末によってサポートされる信号測定プロトコル、およびネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記端末のローミングステアリング挙動特徴を生成するステップであって、前記ローミングステアリング挙動特徴は、ローミング中の前記端末の挙動特徴を示すために使用される、ステップ
をさらに含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記端末のローミングステアリング挙動特徴を生成する前記ステップの後に、前記方法が、
前記ローミングステアリング挙動特徴に基づいて、ローミングを実行するように前記端末をステアリングするためのローミング機会を決定するステップ
をさらに含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記端末のローミングステアリング挙動特徴を生成する前記ステップの前に、前記方法が、
前記少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、前記端末に適用可能な前記パラメータ値、前記信号測定プロトコル、および前記ネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つを決定するステップ
をさらに含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、前記端末に適用可能な前記パラメータ値を決定する前記ステップが、
ローミングを完了するように前記端末をステアリングする成功率が、前記少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータのターゲットパラメータ値セットに基づいてターゲット閾値以上であるときに、前記ターゲットパラメータ値セット内の各ターゲットステアリングパラメータのターゲットパラメータ値を、各ターゲットステアリングパラメータの、前記端末に適用可能なパラメータ値として決定するステップであって、前記ターゲットパラメータ値セットは、前記少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの各々のターゲットパラメータ値を含む、ステップ
を含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、
前記端末の動き状態および/または前記端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプを取得するステップと、
前記端末の前記動き状態および/または前記端末によって現在実行されている前記サービスの前記サービスタイプに基づいて、前記端末がローミングを実行する必要があると決定するステップと
をさらに含む、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記端末の前記動き状態および前記端末によって現在実行されている前記サービスの前記サービスタイプに基づいて、前記端末がローミングを実行する必要があると決定する前記ステップが、
前記端末の前記動き状態が、前記端末が前記第1のAPから遠ざかっていることを示し、かつ/または前記端末によって現在実行されている前記サービスの前記サービスタイプがターゲットサービスタイプであるときに、前記端末がローミングを実行する必要があると決定するステップ
を含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が制御ノードによって実行され、前記ステアリングプロトコルに基づいて、前記第1のAPから前記第2のAPにローミングするように前記端末をステアリングする前記ステップは、
ローミングステアリング命令を前記第1のAPに送信するステップであって、前記ローミングステアリング命令は、前記第1のAPに命令して、前記ステアリングプロトコルに基づいて、前記第1のAPから前記第2のAPにローミングするように前記端末をステアリングするために使用される、ステップ
を含む、請求項1から
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ローミングステアリング命令が、前記ステアリングプロトコルにおける前記少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、前記端末に適用可能な前記パラメータ値を含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のAPの少なくとも1つの隣接APから第2のAPを決定する前記ステップの前に、前記方法が、
前記第1のAPおよび前記少なくとも1つの隣接APの各々に情報取得要求を送信するステップであって、前記情報取得要求は、前記端末のアドレス情報および前記端末によってサポートされる前記信号測定プロトコルの識別子を含み、前記信号測定プロトコルは、前記APと前記端末との間の信号強度を測定するために使用される、ステップと、
前記情報取得要求に基づいて前記第1のAPおよび前記少なくとも1つの隣接APによって送信されたそれぞれのネットワーク情報を受信するステップと
をさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、前記第1のAPによって実行される、請求項1から
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ネットワーク選択参照情報が、信号強度参照情報、負荷参照情報、周波数帯域参照情報、および帯域幅参照情報のうちの少なくとも1つを含み;前記信号強度参照情報は、ソース信号強度閾値、ターゲット信号強度閾値、およびターゲット信号強度差のうちの少なくとも1つを含み;前記ターゲット信号強度閾値は、前記ソース信号強度閾値以上であり;前記負荷参照情報は、ターゲットチャネル利用率、ターゲットチャネル利用率差、および関連付けられた端末のターゲット数のうちの少なくとも1つを含み;前記周波数帯域参照情報は、ターゲット周波数帯域およびターゲット周波数帯域範囲の少なくとも一方を含み;前記帯域幅参照情報は、ターゲットチャネル帯域幅およびターゲットチャネル帯域幅範囲の少なくとも一方を含む、請求項
1から1
2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
1つのAPのネットワーク情報が、前記APと前記端末との間の信号強度、前記APのチャネル利用率、前記APの周波数帯域、前記APに関連付けられた端末の数、および前記APのチャネル帯域幅のうちの少なくとも1つを含む、請求項1
3に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のAPの前記ネットワーク状況および前記隣接APの前記ネットワーク状況が以下のうちの少なくとも1つを満たすとき、前記第1のAPの前記ネットワーク状況および前記隣接APの前記ネットワーク状況は、前記ネットワーク選択参照情報によって示される前記ネットワーク状況を満たす:
前記第1のAPと前記端末との間の信号強度が前記ソース信号強度閾値以下である、および/または前記隣接APと前記端末との間の信号強度が前記ターゲット信号強度閾値以上である;
前記第1のAPと前記端末との間の信号強度が、前記ソース信号強度閾値以下であり、前記隣接APと前記端末との間の信号強度と、前記第1のAPと前記端末との間の前記信号強度との差は、前記ターゲット信号強度差以上である;
前記隣接APのチャネル利用率が前記ターゲットチャネル利用率以下である;
前記隣接APと前記端末との間の信号強度が、前記第1のAPと前記端末との間の信号強度以上であり、前記隣接APのチャネル利用率と前記第1のAPのチャネル利用率との差は、前記ターゲットチャネル利用率差以上である;
前記隣接APに接続されている端末の数が、関連する端末の前記ターゲット数以下である;
前記第1のAPの周波数帯域が前記ターゲット周波数帯域以下であり、前記隣接APの周波数帯域が前記ターゲット周波数帯域よりも大きい;
前記隣接APと前記端末との間の信号強度が、前記第1のAPと前記端末との間の信号強度以上であり、前記隣接APの周波数帯域と前記第1のAPの周波数帯域との間の周波数帯域範囲は、前記ターゲット周波数帯域範囲以上である;
前記第1のAPのチャネル帯域幅が前記ターゲットチャネル帯域幅以下であり、前記隣接APのチャネル帯域幅が前記ターゲットチャネル帯域幅よりも大きい;または
前記隣接APと前記端末との間の信号強度が、前記第1のAPと前記端末との間の信号強度以上であり、前記隣接APのチャネル帯域幅と前記第1のAPのチャネル帯域幅との間のチャネル帯域幅範囲は、前記ターゲットチャネル帯域幅範囲以上である、
請求項1
4に記載の方法。
【請求項16】
端末ローミングステアリング装置であって、前記装置は、
端末によってサポートされるステアリングプロトコルを決定するように構成された決定モジュールであって、前記端末は、第1のアクセスポイントAPに接続されており、前記ステアリングプロトコルは、ローミングを実行するように前記端末をステアリングするために使用され、
前記決定モジュールは、前記第1のAPの少なくとも1つの隣接APから第2のAPを決定するようにさらに構成されている、決定モジュール
であって、前記少なくとも1つの隣接AP内の任意の隣接APについて、前記第1のAPのネットワーク情報によって示される前記第1のAPのネットワーク状況および前記隣接APのネットワーク情報によって示される前記隣接APのネットワーク状況が前記端末のネットワーク選択参照情報によって示されるネットワーク状況を満たすときに、前記隣接APを前記第2のAPとして決定するように構成され、前記隣接APのネットワーク情報は、前記第1のAPから前記隣接APに送信された、前記端末のアドレス情報および前記端末によってサポートされる信号測定プロトコルの識別子に基づいて取得され、前記ネットワーク選択参照情報は、前記端末がローミングを実行するときに前記第1のAPと前記第2のAPとが満たす必要のあるネットワーク状況を示すために使用される、決定モジュールと、
前記ステアリングプロトコルに基づいて、前記第1のAPから前記第2のAPにローミングするために前記端末をステアリングするように構成されたステアリングモジュールであって、前記端末をステアリングする成功率は、前記ステアリングプロトコルに基づいて、複数回のローミングを実行するように前記端末をステアリングし、前記複数回のローミングのローミング結果に基づいて取得される、ステアリングモジュールと
を備える、端末ローミングステアリング装置。
【請求項17】
前記ステアリングモジュールが、
前記ステアリングプロトコル内の少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、前記端末に適用可能なパラメータ値に基づいて、前記第1のAPから前記第2のAPにローミングするように前記端末をステアリングする
ように構成される、請求項1
6に記載の装置。
【請求項18】
前記装置が、
前記ステアリングプロトコル、前記少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、前記端末に適用可能な前記パラメータ値、前記端末によってサポートされる信号測定プロトコル、およびネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つに基づいて前記端末のローミングステアリング挙動特徴を生成するように構成された生成モジュールであって、前記ローミングステアリング挙動特徴は、ローミング中の前記端末の挙動特徴を示すために使用される、生成モジュール
をさらに備える、請求項1
7に記載の装置。
【請求項19】
前記決定モジュールが、
前記ローミングステアリング挙動特徴に基づいて、ローミングを実行するように前記端末をステアリングするためのローミング機会を決定する
ようにさらに構成される、請求項
18に記載の装置。
【請求項20】
前記決定モジュールが、
前記少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、前記端末に適用可能な前記パラメータ値、前記信号測定プロトコル、および前記ネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つを決定する
ようにさらに構成される、請求項
18に記載の装置。
【請求項21】
前記決定モジュールが、
ローミングを完了するように前記端末をステアリングする成功率が、前記少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータのターゲットパラメータ値セットに基づいてターゲット閾値以上であるとき、前記ターゲットパラメータ値セット内の各ターゲットステアリングパラメータのターゲットパラメータ値を、各ターゲットステアリングパラメータの、前記端末に適用可能なパラメータ値として決定し、前記ターゲットパラメータ値セットは、前記少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの各々のターゲットパラメータ値を含む
ように構成される、請求項2
0に記載の装置。
【請求項22】
前記装置が、
前記端末の動き状態および/または前記端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプを取得するように構成された取得モジュール、
をさらに備え、
前記決定モジュールが前記端末の前記動き状態および/または前記端末によって現在実行されている前記サービスの前記サービスタイプに基づいて、前記端末がローミングを実行する必要があると決定するようにさらに構成される、
請求項1
6から2
1のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記決定モジュールが、
前記端末の前記動き状態が、前記端末が前記第1のAPから遠ざかっていることを示し、かつ/または前記端末によって現在実行されている前記サービスの前記サービスタイプがターゲットサービスタイプであるときに、前記端末はローミングを実行する必要があると決定する
ように構成される、請求項2
2に記載の装置。
【請求項24】
前記装置が制御ノードであり、前記ステアリングモジュールが、
ローミングステアリング命令を前記第1のAPに送信し、前記ローミングステアリング命令は、前記第1のAPに命令して、前記ステアリングプロトコルに基づいて、前記第1のAPから前記第2のAPにローミングするように前記端末をステアリングするために使用される
ように構成される、請求項1
6から2
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記ローミングステアリング命令が、前記ステアリングプロトコルにおける前記少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、前記端末に適用可能な前記パラメータ値を含む、請求項2
4に記載の装置。
【請求項26】
前記装置が、
前記第1のAPおよび前記少なくとも1つの隣接APの各々に情報取得要求を送信するように構成された送信モジュールであって、前記情報取得要求は、前記端末のアドレス情報および前記端末によってサポートされる前記信号測定プロトコルの識別子を含み、前記信号測定プロトコルは、前記APと前記端末との間の信号強度を測定するために使用される、送信モジュールと、
前記情報取得要求に基づいて前記第1のAPおよび前記少なくとも1つの隣接APによって送信されたそれぞれのネットワーク情報を受信するように構成された、受信モジュールと
をさらに備える、請求項2
4に記載の装置。
【請求項27】
前記装置が前記第1のAPである、請求項1
6から2
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記ネットワーク選択参照情報が、信号強度参照情報、負荷参照情報、周波数帯域参照情報、および帯域幅参照情報のうちの少なくとも1つを含み;前記信号強度参照情報は、ソース信号強度閾値、ターゲット信号強度閾値、およびターゲット信号強度差のうちの少なくとも1つを含み;前記ターゲット信号強度閾値は、前記ソース信号強度閾値以上であり;前記負荷参照情報は、ターゲットチャネル利用率、ターゲットチャネル利用率差、および関連付けられた端末のターゲット数のうちの少なくとも1つを含み;前記周波数帯域参照情報は、ターゲット周波数帯域およびターゲット周波数帯域範囲の少なくとも一方を含み;前記帯域幅参照情報は、ターゲットチャネル帯域幅およびターゲットチャネル帯域幅範囲の少なくとも一方を含む、請求項1
6から2
7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
1つのAPのネットワーク情報が、前記APと前記端末との間の信号強度、前記APのチャネル利用率、前記APの周波数帯域、前記APに関連付けられた端末の数、および前記APのチャネル帯域幅のうちの少なくとも1つを含む、請求項
28に記載の装置。
【請求項30】
前記第1のAPの前記ネットワーク状況および前記隣接APの前記ネットワーク状況が以下のうちの少なくとも1つを満たすとき、前記第1のAPの前記ネットワーク状況および前記隣接APの前記ネットワーク状況は、前記ネットワーク選択参照情報によって示される前記ネットワーク状況を満たす:
前記第1のAPと前記端末との間の信号強度が前記ソース信号強度閾値以下である、および/または前記隣接APと前記端末との間の信号強度が前記ターゲット信号強度閾値以上である;
前記第1のAPと前記端末との間の信号強度が、前記ソース信号強度閾値以下であり、前記隣接APと前記端末との間の信号強度と、前記第1のAPと前記端末との間の前記信号強度との差は、前記ターゲット信号強度差以上である;
前記隣接APのチャネル利用率が前記ターゲットチャネル利用率以下である;
前記隣接APと前記端末との間の信号強度が、前記第1のAPと前記端末との間の信号強度以上であり、前記隣接APのチャネル利用率と前記第1のAPのチャネル利用率との差は、前記ターゲットチャネル利用率差以上である;
前記隣接APに接続されている端末の数が、関連する端末の前記ターゲット数以下である;
前記第1のAPの周波数帯域が前記ターゲット周波数帯域以下であり、前記隣接APの周波数帯域が前記ターゲット周波数帯域よりも大きい;
前記隣接APと前記端末との間の信号強度が、前記第1のAPと前記端末との間の信号強度以上であり、前記隣接APの周波数帯域と前記第1のAPの周波数帯域との間の周波数帯域範囲は、前記ターゲット周波数帯域範囲以上である;
前記第1のAPのチャネル帯域幅が前記ターゲットチャネル帯域幅以下であり、前記隣接APのチャネル帯域幅が前記ターゲットチャネル帯域幅よりも大きい;または
前記隣接APと前記端末との間の信号強度が、前記第1のAPと前記端末との間の信号強度以上であり、前記隣接APのチャネル帯域幅と前記第1のAPのチャネル帯域幅との間のチャネル帯域幅範囲は、前記ターゲットチャネル帯域幅範囲以上である、
請求項
29に記載の装置。
【請求項31】
制御デバイスが、プロセッサとメモリとを備え、前記メモリは、少なくとも1つの命令を格納し、前記命令は、請求項1から1
5のいずれか一項に記載の端末ローミングステアリング方法で実行される動作を実施するために、前記プロセッサによってロードされ実行される、制御デバイス。
【請求項32】
ネットワークデバイスが、プロセッサとメモリとを備え、前記メモリは、少なくとも1つの命令を格納し、前記命令は、請求項1から1
5のいずれか一項に記載の端末ローミングステアリング方法で実行される動作を実施するために、前記プロセッサによってロードされ実行される、ネットワークデバイス。
【請求項33】
コンピュータ可読記憶媒体が、少なくとも1つの命令を格納し、前記命令は、請求項1から1
5のいずれか一項に記載の端末ローミングステアリング方法で実行される動作を実施するためにプロセッサによってロードされ実行される、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ネットワーク通信技術の分野に関し、特に、端末ローミングステアリング方法および装置、デバイス、ならびにコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)では、アクセスポイント(access point、AP)は、端末ローミングを実施するために、端末の信号強度に基づいて、ワイヤレスフィデリティ(wireless fidelity、Wi-Fi)プロトコル規格のステアリングプロトコルを使用することにより、端末をアクティブにステアリングし得る。
【0003】
現在、端末ローミングのステアリングプロセスは以下の通りであり得る:APに関連付けられた任意の端末について、APが、端末の信号強度が比較的低いことを検出したとき、APは、Wi-Fiプロトコル規格にある電気電子技術者協会(institute of electrical and electronics engineers、IEEE)802.11vプロトコルおよび認証解除(deauth)プロトコルを使用して、APからターゲットAPにローミングするように端末をステアリングすることを試みてもよい。具体的には、APは、IEEE802.11vプロトコルを最初に使用して、ローミングを実行するように端末をステアリングすることを試みてもよい。端末がこのステアリングを通じてAPからターゲットAPにローミングする場合、具体的には、端末はAPとの関連付けを切断し、ターゲットAPとの関連付けを確立し、端末ローミングは成功し、ステアリングは終了する。端末がこのステアリングを通じてAPからターゲットAPにローミングしない場合、ステアリングは失敗する。この場合、APは、IEEE802.11vプロトコルを使用して、ローミングを再度実行するように端末をステアリングする。IEEE802.11vプロトコルを使用して実行される3回のローミングステアリングがすべて失敗した場合、APは、deauthプロトコルを使用して、ローミングを再度実行するように端末をステアリングすることをさらに試みてもよい。ステアリングが成功したか失敗したかにかかわらず、ステアリングは終了する。
【0004】
IEEE802.11vプロトコルおよびdeauthプロトコルは、必ずしも端末によってサポートされるステアリングプロトコルではない。したがって、端末ローミングのステアリングプロセスにおいてステアリング不良が発生することが多く、その結果、端末ローミングの成功率が低い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施形態は、端末ローミングの成功率を高めるために、端末ローミングステアリング方法および装置、デバイス、ならびにコンピュータ可読記憶媒体を提供する。技術的解決策は以下の通りである:
【0006】
第1の態様によれば、端末ローミングステアリング方法が提供される。本方法は:
端末によってサポートされるステアリングプロトコルを決定するステップと;第1のAPの少なくとも1つの隣接APから第2のAPを決定するステップと;ステアリングプロトコルに基づいて、第1のAPから第2のAPにローミングするように端末をステアリングするステップと、
を含む。
【0007】
本方法では、端末によってサポートされるステアリングプロトコルおよび第2のAPが決定され、端末は、端末ローミングの成功率を高めるために、端末によってサポートされるステアリングプロトコルに基づいて、第1のAPから第2のAPにローミングするようにステアリングされる。
【0008】
可能な実装形態において、第1のAPの少なくとも1つの隣接APから第2のAPを決定するステップは:
少なくとも1つの隣接AP内の任意の隣接APについて、第1のAPのネットワーク状況および隣接APのネットワーク状況が端末のネットワーク選択参照情報によって示されるネットワーク状況を満たすときに、隣接APを第2のAPとして決定するステップ
を含み、
ネットワーク選択参照情報は、端末がローミングを実行するときに第1のAPと第2のAPとが満たす必要のあるネットワーク状況を示すために使用される。
【0009】
前述の可能な実装形態に基づいて、第2のAPは、第1のAPのネットワーク状況、少なくとも1つの隣接APのネットワーク状況、および端末のネットワーク選択参照情報に基づいて決定され、決定された第2のAPがネットワーク選択参照情報の要件を満たさないことを防止して、端末ローミングの成功率をさらに高める。
【0010】
可能な実装形態では、第1のAPの少なくとも1つの隣接APから第2のAPを決定するステップの前に、本方法は:
第1のAPのネットワーク情報および少なくとも1つの隣接APのネットワーク情報を取得するステップであって、1つのAPのネットワーク情報はAPのネットワーク状況を示すために使用される、ステップ
をさらに含む。
【0011】
可能な実装形態では、第1のAPのネットワーク情報および少なくとも1つの隣接APのネットワーク情報を取得するステップは、
第1のAPおよび少なくとも1つの隣接APの各々に情報取得要求を送信するステップと;情報取得要求に基づいて第1のAPおよび少なくとも1つの隣接APによって送信されたそれぞれのネットワーク情報を受信するステップと、
を含み、
情報取得要求は、APにネットワーク情報を制御ノードに返すように示すために使用される。
【0012】
可能な実装形態では、情報取得要求は、端末のアドレス情報および端末によってサポートされる信号測定プロトコルの識別子を含み、信号測定プロトコルは、APと端末との間の信号強度を測定するために使用される。
【0013】
可能な実装形態では、情報取得要求は、第1のAPの基本サービスセット識別子BSSIDおよび第1のAPのチャネルの識別子をさらに含む。
【0014】
可能な実装形態では、情報取得要求は、測定時間のターゲット量をさらに含み、測定時間のターゲット量は、測定が実行される必要がある時間の量である。
【0015】
可能な実装形態では、ステアリングプロトコルに基づいて、第1のAPから第2のAPにローミングするように端末をステアリングするステップは:
ステアリングプロトコル内の少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値に基づいて、第1のAPから第2のAPにローミングするように端末をステアリングするステップ
を含む。
【0016】
可能な実装形態では、第1のAPの少なくとも1つの隣接APから第2のAPを決定するステップの前に、本方法は:
ステアリングプロトコル、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値、端末によってサポートされる信号測定プロトコル、およびネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つに基づいて、端末のローミングステアリング挙動特徴を生成するステップであって、ローミングステアリング挙動特徴は、ローミング中の端末の挙動特徴を示すために使用される、ステップ
をさらに含む。
【0017】
可能な実装形態では、端末のローミングステアリング挙動特徴を生成するステップの後に、本方法は:
ローミングステアリング挙動特徴に基づいて、ローミングを実行するように端末をステアリングするためのローミング機会を決定するステップ
をさらに含む。
【0018】
可能な実装形態では、端末のローミングステアリング挙動特徴を生成するステップの前に、本方法は:
少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値、信号測定プロトコル、およびネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つを決定するステップ
をさらに含む。
【0019】
可能な実装形態では、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値を決定するステップは:
ローミングを完了するように端末をステアリングする成功率が、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータのターゲットパラメータ値セットに基づいてターゲット閾値以上であるときに、ターゲットパラメータ値セット内の各ターゲットステアリングパラメータのターゲットパラメータ値を、各ターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値として決定するステップであって、ターゲットパラメータ値セットは、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの各々のターゲットパラメータ値を含む、ステップ
を含む。
【0020】
可能な実装形態において、第1のアクセスポイントAPにローミングステアリング命令を送信するステップ前に、本方法は:
端末の動き状態および/または端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプを取得するステップと、
端末の動き状態および/または端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプに基づいて、端末がローミングを実行する必要があると決定するステップと
をさらに含む。
【0021】
可能な実装形態では、端末の動き状態および端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプに基づいて、端末がローミングを実行する必要があると決定するステップは:
端末の動き状態が、端末が第1のAPから遠ざかっていることを示し、かつ/または端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプがターゲットサービスタイプであるときに、端末がローミングを実行する必要があると決定するステップ
を含む。
【0022】
前述の可能な実装形態に基づいて、端末の動き状態および端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプに基づいて、端末がローミングを実行する必要があるかどうかが決定される。端末は、端末によって実行されるサービスに対する端末ローミングの影響を回避するために、端末がローミングを実行する必要があるときにのみローミングを実行するようにステアリングされ、これにより端末ユーザの体験を向上させる。
【0023】
可能な実装形態では、本方法は制御ノードによって実行され、ステアリングプロトコルに基づいて、第1のAPから第2のAPにローミングするように端末をステアリングするステップは:
ローミングステアリング命令を第1のAPに送信するステップであって、ローミングステアリング命令は、第1のAPに命令して、ステアリングプロトコルに基づいて、第1のAPから第2のAPにローミングするように端末をステアリングするために使用される、ステップ
を含む。
【0024】
可能な実装形態では、ローミングステアリング命令は、ステアリングプロトコルにおける少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値を含む。
【0025】
可能な実装形態では、ローミングステアリング命令は、第2のAPの識別子、ステアリングプロトコルの識別子、および端末のアドレス情報をさらに含む。
【0026】
可能な実装形態では、ローミングステアリング命令は、第2のAPのネットワーク情報をさらに含む。
【0027】
可能な実装形態では、第1のAPの少なくとも1つの隣接APから第2のAPを決定するステップの前に、本方法は:
第1のAPおよび少なくとも1つの隣接APの各々に情報取得要求を送信するステップであって、情報取得要求は、端末のアドレス情報および端末によってサポートされる信号測定プロトコルの識別子を含み、信号測定プロトコルは、APと端末との間の信号強度を測定するために使用される、ステップと、
情報取得要求に基づいて第1のAPおよび少なくとも1つの隣接APによって送信されたそれぞれのネットワーク情報を受信するステップと
をさらに含む。
【0028】
可能な実装形態では、本方法は第1のAPによって実行される。
【0029】
可能な実装形態では、ネットワーク選択参照情報は、信号強度参照情報、負荷参照情報、周波数帯域参照情報、および帯域幅参照情報のうちの少なくとも1つを含む。信号強度参照情報は、ソース信号強度閾値、ターゲット信号強度閾値、およびターゲット信号強度差のうちの少なくとも1つを含む。ターゲット信号強度閾値は、ソース信号強度閾値以上である。負荷参照情報は、ターゲットチャネル利用率、ターゲットチャネル利用率差、および関連付けられた端末のターゲット数のうちの少なくとも1つを含む。周波数帯域参照情報は、ターゲット周波数帯域およびターゲット周波数帯域範囲の少なくとも一方を含む。帯域幅参照情報は、ターゲットチャネル帯域幅およびターゲットチャネル帯域幅範囲の少なくとも一方を含む。
【0030】
可能な実装形態では、1つのAPのネットワーク情報は、APと端末との間の信号強度、APのチャネル利用率、APの周波数帯域、APに関連付けられた端末の数、およびAPのチャネル帯域幅のうちの少なくとも1つを含む。
【0031】
可能な実装形態では、第1のAPのネットワーク状況および隣接APのネットワーク状況が以下のうちの少なくとも1つを満たすとき、第1のAPのネットワーク状況および隣接APのネットワーク状況は、ネットワーク選択参照情報によって示されるネットワーク状況を満たす:
第1のAPと端末との間の信号強度がソース信号強度閾値以下である、および/または隣接APと端末との間の信号強度がターゲット信号強度閾値以上である;
第1のAPと端末との間の信号強度が、ソース信号強度閾値以下であり、隣接APと端末との間の信号強度と、第1のAPと端末との間の信号強度との差は、ターゲット信号強度差以上である;
隣接APのチャネル利用率がターゲットチャネル利用率以下である;
隣接APと端末との間の信号強度が、第1のAPと端末との間の信号強度以上であり、隣接APのチャネル利用率と第1のAPのチャネル利用率との差は、ターゲットチャネル利用率差以上である;
隣接APに接続されている端末の数が、関連する端末のターゲット数以下である;
第1のAPの周波数帯域がターゲット周波数帯域以下であり、隣接APの周波数帯域がターゲット周波数帯域よりも大きい;
隣接APと端末との間の信号強度が、第1のAPと端末との間の信号強度以上であり、隣接APの周波数帯域と第1のAPの周波数帯域との間の周波数帯域範囲は、ターゲット周波数帯域範囲以上である;
第1のAPのチャネル帯域幅がターゲットチャネル帯域幅以下であり、隣接APのチャネル帯域幅がターゲットチャネル帯域幅よりも大きい;または
隣接APと端末との間の信号強度が、第1のAPと端末との間の信号強度以上であり、隣接APのチャネル帯域幅と第1のAPのチャネル帯域幅との間のチャネル帯域幅範囲は、ターゲットチャネル帯域幅範囲以上である。
【0032】
第2の態様によれば、前述の端末ローミングステアリング方法を実行するように構成された端末ローミングステアリング装置が提供される。具体的には、端末ローミングステアリング装置は、第1の態様または第1の態様の任意選択の方法のいずれか1つで提供される端末ローミングステアリング方法を実行するように構成された機能モジュールを含む。
【0033】
第3の態様によれば、制御デバイスが提供される。制御デバイスはプロセッサおよびメモリを含む。メモリは、少なくとも1つの命令を格納し、命令は、第1の態様または第1の態様の任意選択の方法のいずれか1つで提供される端末ローミングステアリング方法で実行される動作を実施するためにプロセッサによってロードされ実行される。
【0034】
第4の態様によれば、ネットワークデバイスが提供される。ネットワークデバイスはメモリおよびプロセッサを含む。メモリは、少なくとも1つの命令を格納し、命令は、第1の態様または第1の態様の任意選択の方法のいずれか1つで提供される端末ローミングステアリング方法で実行される動作を実施するためにプロセッサによってロードされ実行される。
【0035】
第5の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。記憶媒体は、少なくとも1つの命令を格納し、命令は、前述の端末ローミングステアリング方法で実行される動作を実施するためにプロセッサによってロードされ実行される。
【0036】
本出願の実施形態の技術的解決策をより明確に説明するために、以下では実施形態を説明するために添付図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明において添付の図面は、本出願のいくつかの実施形態を単に示しており、当業者は、創造的な取り組みをすることなく、これらの添付図面から他の添付図面をさらに導き出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本出願の一実施形態による端末ローミングステアリングシステムの概略図である。
【
図2】本出願の一実施形態によるAP分配の概略図である。
【
図3】本出願の一実施形態による制御デバイスの概略構造図である。
【
図4】本出願の一実施形態によるネットワークデバイスの概略構造図である。
【
図5】本出願の一実施形態による端末のローミングステアリング挙動特徴を取得するフローチャートである。
【
図6】本出願の一実施形態による端末ローミングステアリング方法のフローチャートである。
【
図7】本出願の一実施形態による端末ローミングステアリング方法のフローチャートである。
【
図8】本出願の一実施形態による、端末ローミングプロセスにおける端末側の信号強度の変化の比較の概略図である。
【
図9】本出願の一実施形態による端末ローミングステアリング装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本出願の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、以下では添付の図面を参照して本出願の実装形態を詳細にさらに記載する。
【0039】
図1は、本出願の一実施形態による端末ローミングステアリングシステムの概略図である。
図1を参照すると、システム100は、複数のアクセスポイント(access point、AP)101、複数の端末(station、STA)102、および制御ノード103を含む。システム100では、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)がカバーされ得る。
【0040】
複数のAP101内の任意のAP101は、少なくとも1つの端末102を接続するように構成され、接続された端末102ごとにネットワークサービス、例えばチャネルまたはWi-Fi信号を提供し得る。AP101は、AP101とAP101に接続された端末102との間の信号強度を測定し、測定された信号強度に基づいてネットワーク情報を制御ノード103に報告するようにさらに構成される。AP101は、接続された端末102の動き状態を制御ノード103に報告し、AP101の隣接APをトリガして隣接APのネットワーク情報を制御ノードに報告するようにさらに構成される。AP101は、AP101と隣接APに接続された端末102との間の信号強度を測定し、測定された信号強度に基づいてネットワーク情報を制御ノードに報告するようにさらに構成される。AP101は、制御ノード103によって配信されたローミングステアリング命令を受信し、受信したローミングステアリング命令に従って、ローミングを実行するようにAP101に接続された端末をステアリングするようにさらに構成される。
【0041】
複数の端末102のうちの任意の端末102は、信号測定プロトコルに基づいて、接続されたAP101によって配信されたダウンリンク信号を測定して、端末102と接続されたAP101との間の信号強度を取得し、端末102と接続されたAP101との間の信号強度をAP101に報告するように構成される。端末102は、接続されたAPによって配信されたローミングステアリングパケットを受信し、ローミングステアリングパケットに基づいて、現在接続されているAP101から別のAP101にローミングするようにさらに構成される。端末102は、Wi-Fiワイヤレスインターフェースを有する電子デバイス、例えば、携帯電話、インテリジェントウェアリングデバイス、タブレットコンピュータ、またはノートブックコンピュータであってもよい。
【0042】
各AP101によって提供されるWi-Fi信号は特定のカバレッジエリアを有し、カバレッジエリアは、コアカバレッジエリアおよび非コアカバレッジエリアを含み得ることに留意されたい。1つの端末が1つのAP101のコアカバレッジエリアに位置されるとき、端末とAPとの間の信号強度は高いと考えられる。端末がAP101のコアカバレッジエリアから遠ざかっており、APの非コアカバレッジエリアに位置されているとき、端末とAPとの間の信号強度は低いと考えられる。端末とAPとの間の信号強度がある程度低いとき、端末ユーザに貧弱な体験がもたらされる。したがって、端末と別のAPとの間の信号強度が比較的高いとき、端末は、現在接続されているAPから別のAPにローミングすることができ、別のAPは、端末ユーザに貧弱な体験をもたらすことを回避するために、端末にWi-Fi信号を提供する。例えば、
図2は、本出願の一実施形態によるAP分配の概略図である。
図2では、端末STAは、移動前にAP1に接続され、AP1のコアカバレッジエリアからAP2のコアカバレッジエリアに移動し、AP2のコアカバレッジエリアを通過した後にAP3のコアカバレッジエリアに移動する。移動プロセスにおいて端末が常にAP1に接続されている場合、端末が移動すると、端末はAP1のコアカバレッジエリアから遠ざかり、AP1によって送信されるWi-Fi信号の伝送距離もそれに応じて増加する。その結果、端末に到達するWi-Fi信号の信号強度が低減される。すなわち、信号が劣化し、データ伝送速度が低下する。端末が移動すると、端末とAP1との間の信号強度は54Mbpsから24Mbpsに減少する。端末がAP3のコアカバレッジエリアに入ると、端末とAP3との間の信号強度が高くなる。端末がAP1との無線接続を切断してAP3に接続された場合、すなわち、端末がAP1からAP3にローミングした場合、AP3は端末にWi-Fi信号を提供する。AP3によって提供されるWi-Fi信号の信号強度は比較的高いので、端末ユーザにもたらされる貧弱な体験は回避されることができる。
【0043】
制御ノード103は、各端末102のローミングステアリング挙動特徴を生成するように構成され、ローミングステアリング挙動特徴は、ローミング中の端末102の挙動特徴を示すために使用される。任意の端末102について、制御ノード103は、端末102の動き状態に基づいて、端末102がローミングを実行する必要があるかどうかを決定するようにさらに構成される。端末102がローミングを実行する必要があるとき、制御ノード103は、ローミングステアリング挙動特徴、端末102に現在接続されているAPのネットワーク情報、および端末102に現在接続されているAPの少なくとも1つの隣接APのネットワーク情報に基づいて、端末がステアリングに基づいてローミングを実行できるかどうかをさらに決定し得る。端末がステアリングに基づいてローミングを実行できる場合、制御ノード103は、端末102に現在接続されているAPにローミングステアリング命令を配信し得る。制御ノードは、サーバであってもよい。サーバは、独立した物理サーバであってもよいし、複数の物理サーバを含むサーバクラスタまたは分散システムであってもよいし、クラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドサーバであってもよい。
【0044】
可能な実装形態では、制御ノード103の機能の全部または一部が代替的にAP101上で実装されてもよいことに留意されたい。例えば、制御ノード103は、各端末102のローミングステアリング挙動特徴を生成し、各端末102のローミングステアリング挙動特徴を各AP101に配信することのみを担当する。AP101は、AP101に接続された端末102の動き状態に基づいて、端末102がローミングを実行する必要があるかどうかを決定する。端末102がローミングを実行する必要があるとき、AP101は、端末102のローミングステアリング挙動特徴、端末102のネットワーク情報、および少なくとも1つの隣接APのネットワーク情報に基づいて、端末102がステアリングに基づいてローミングを実行できるかどうかをさらに決定し得る(言い換えれば、端末120がステアリングを受け入れることができるかどうかを決定し得る)。端末がステアリングに基づいてローミングを実行できる場合、AP101は、端末102をステアリングしてローミングを実行するようにローミングステアリングパケットを端末102に送信し得る。
【0045】
制御ノードは、
図3に示す制御デバイスであってもよい。
図3は、本出願の一実施形態による制御デバイスの概略構造図である。制御デバイス300は、異なる構成または異なる性能に起因して大きく変化する可能性があり、1つまたは複数のプロセッサ(central processing units、CPU)301および1つまたは複数のメモリ302を含み得る。メモリ302は、少なくとも1つの命令を格納し、少なくとも1つの命令は、以下の方法の実施形態で提供される方法において制御ノードによって実行されるステップを実施するために、プロセッサ301によってロードされ実行される。もちろん、制御デバイス300は、入力/出力を実行するために、有線または無線ネットワークインターフェース、キーボード、および入力/出力インターフェースなどの構成要素をさらに含んでもよい。制御デバイス300は、デバイス機能を実現するように構成された別の構成要素をさらに含んでもよい。ここでは詳細は説明されない。
【0046】
APは、
図4に示すネットワークデバイスであってもよい。
図4は、本出願の一実施形態によるネットワークデバイスの概略構造図である。ネットワークデバイス400は、異なる構成または異なる性能に起因して大きく変化する可能性があり、1つまたは複数のプロセッサ(central processing units、CPU)401および1つまたは複数のメモリ402を含み得る。メモリ402は、少なくとも1つの命令を格納し、少なくとも1つの命令は、以下の方法の実施形態で提供される方法においてAPによって実行されるステップを実施するためにプロセッサ401によってロードされ実行される。もちろん、ネットワークデバイス400は、有線または無線ネットワークインターフェース403をさらに含んでもよく、入力/出力を実行するための入力/出力インターフェースなどの構成要素をさらに含んでもよい。ネットワークデバイス400は、デバイス機能を実施するように構成された別の構成要素をさらに含んでもよい。ここでは詳細は説明されない。
【0047】
例示的な実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体、例えば命令を含むメモリがさらに提供される。命令は、以下の実施形態における端末ローミングステアリング方法を完了するために、制御デバイスまたはネットワークデバイスのプロセッサによって実行されてもよい。例えば、コンピュータ可読記憶媒体は、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶デバイスなどであってもよい。
【0048】
端末に対してローミングステアリングを実行する前に、制御ノードは、複数の端末のローミングステアリング挙動特徴を最初に取得することができ、端末のローミングステアリング挙動特徴は、ローミング中の端末の挙動特徴、例えば、どのステアリングプロトコルが端末によってサポートされるか、どの信号測定プロトコルが端末によってサポートされるか、および端末がローミングを実行するときにネットワーク状況にどの要件が課されるかを示すために使用され、その結果、制御ノードは、その後、各端末のローミング挙動特徴に基づいて、ローミングを実行するように対応する端末をステアリングすることができる。
図5は、本出願の一実施形態による端末のローミングステアリング挙動特徴を取得するフローチャートである。
【0049】
501:制御ノードが、端末によってサポートされるステアリングプロトコルを決定する。
【0050】
端末は任意の端末であり、端末によってサポートされるステアリングプロトコルは、標準ステアリングプロトコル、例えば、IEEE802.11vプロトコル、deauthプロトコル、およびチャネルスイッチアナウンス(channel switch announcement、CSA)プロトコルであってもよい。もちろん、端末は、非標準ステアリングプロトコル、例えば、ファーウェイ独自プロトコル(Huawei HiLink)におけるステアリングプロトコルをさらにサポートしてもよい。異なる端末は、異なるステアリングプロトコルまたは同じステアリングプロトコルを有し得る。端末によってサポートされるステアリングプロトコルは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0051】
当業者は、端末によってサポートされるステアリングプロトコルをテストして、端末によってサポートされるステアリングプロトコルを取得し得る。端末によってサポートされるステアリングプロトコルを決定した後、当業者は、制御ノードのローミングステアリング挙動特徴生成インターフェース上で端末によってサポートされるステアリングプロトコルの識別子を入力し得る。制御ノードが、当業者がインターフェース上で端末によってサポートされるステアリングプロトコルの識別子をアップロードしたことを検出した後、制御ノードは、端末によってサポートされるステアリングプロトコルの、当業者によってアップロードされた識別子を取得するようにトリガされてもよく、その結果、制御ノードは、アップロードされたステアリングプロトコルの識別子に基づいて端末によってサポートされるステアリングプロトコルを決定し得る。
【0052】
502:制御ノードが、ステアリングプロトコルにおける少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値、端末によってサポートされる信号測定プロトコル、および端末のネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つを決定する。
【0053】
少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータは、端末によってサポートされるステアリングプロトコルに基づいて端末がローミングを実行するときに指定されるステアリングパラメータである。異なるステアリングプロトコルにおける少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータは、同じであっても異なっていてもよい。同じステアリングプロトコルをサポートする異なる端末は、ローミングステアリングを受け入れるときに異なるターゲットステアリングパラメータまたは同じターゲットステアリングパラメータを有し得る。同じターゲットステアリングパラメータに対して、異なる端末に適用可能なパラメータ値は同じであっても異なっていてもよい。したがって、ターゲットステアリングパラメータのパラメータ値は、ターゲットステアリングパラメータではなく端末に適用可能である。例えば、サムスンギャラクシーS9(Samsung Galaxy S)は、IEEE802.11vステアリングプロトコルをサポートし、IEEE802.11vステアリングプロトコルにおけるステアリングパラメータA(ターゲットステアリングパラメータ)が非ゼロ値であることを要求する。ファーウェイ(Huawei)P30 Proは、IEEE802.11vステアリングプロトコルもサポートしており、IEEE802.11vステアリングプロトコルにおけるステアリングパラメータAが0であることを必要とする。別の例では、IEEE802.11vステアリングプロトコルでは、短縮(abridged)フィールドに短縮されたものが、優先度を記録するために使用され、ターゲットステアリングパラメータである。端末Aの場合、短縮されたものが1であるとき、ローミングを完了するように端末Aをステアリングする成功率は比較的高い。この場合、短縮パラメータ値1は、端末Aに適用可能なパラメータ値である。端末Bは、ローミングステアリングを受け入れるときに短縮フィールドを解析しない。したがって、短縮されたものは、端末Bのターゲットステアリングパラメータとして使用され得ない。別の例では、IEEE802.11vステアリングプロトコルにおける関連付け解除イミネント(Disassociation Imminent)フィールドのパラメータは、Disassociation Imminentであり、関連付け解除タイマ(Disassociation Timer)フィールドのパラメータは、Disassociation Timerである。これら2つのフィールドは、端末が、Disassociation Timerによって指定された時間内にローミングを実行することを示すために、組み合わせとして使用され得る。Disassociation ImminentおよびDisassociation Timerは、それぞれターゲットステアリングパラメータとして使用され得る。端末Cは、Disassociation Imminentが1であり、Disassociation Timerが非ゼロ値であるときにのみ、Disassociation Timerによって指定された時間内に端末Cがローミングを実行できることを要求する。したがって、1は、Disassociation Imminentの、端末Cに適用可能なパラメータ値であり、非ゼロ値は、Disassociation Timerの、端末Cに適用可能なパラメータ値ある。ローミング中、端末Dは、Disassociation ImminentおよびDisassociation Timerの特定の値を気にしない。したがって、Disassociation ImminentおよびDisassociation Timerの各々のパラメータ値として0が使用され得、これは端末Dに適用可能である。もちろん、ターゲットステアリングパラメータはいくつかのステアリングプロトコルには存在しない場合がある。この場合、制御ノードは、ステアリングプロトコルにおける少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値を決定する必要はない。端末によってサポートされるステアリングプロトコルに少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータが存在するかどうか、どのターゲットステアリングパラメータが存在するか、および各ターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値は、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0054】
少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値は、ローミング中に少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータに対して端末によって設定された最適なパラメータ値の組み合わせである。可能な実装形態では、当業者は、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータに対して複数のターゲットパラメータ値セットを設定し得る。各ターゲットパラメータ値セットは、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの各々のターゲットパラメータ値を含み、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータのパラメータ値のグループと同等である。当業者は、各ターゲットパラメータ値セットに基づいて、複数回のローミングを実行するように端末をステアリングして、複数回のローミングのローミング結果を取得し得る。各回のローミングのローミング結果は、複数回のローミングのローミング結果に基づいて、各ターゲットパラメータ値セットに基づいてローミングを完了するように端末をステアリングする成功率を取得するために、毎回端末をステアリングすることによって実行されたローミングが成功したかどうかを示すために使用される。少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの1つのターゲットパラメータ値セットに基づいてローミングを完了するように端末をステアリングする成功率がターゲット閾値以上であるときに、制御ノードは、ターゲットパラメータ値セット内の各ターゲットステアリングパラメータのターゲットパラメータ値を、各ターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値として決定し得る。
【0055】
少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値を決定した後、制御ノードは、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値に基づいて、第1のAPから第2のAPにローミングするように端末を引き続きステアリングし得る。詳細については、
図6に示されるプロセスを参照されたい。
【0056】
端末によってサポートされる信号測定プロトコルは、端末とAPとの間の信号強度を測定するために使用される。端末とAPとの間の信号強度は、APから端末によって受信されたダウンリンク信号の信号品質を示すために使用され、信号測定プロトコルは、端末によってサポートされるリンク信号品質測定プロトコルである。異なる端末は、異なる信号測定プロトコルをサポートし得る。例えば、Huawei P30 Proによってサポートされるダウンリンク信号測定方式は、受信チャネル電力インジケータ(received channel power indicator、RCPI)--802.11k-無線リンク測定(radio link measurement)であり、802.11kは信号測定プロトコルである。Huawei Mate 10 Proによってサポートされるダウンリンク信号測定方式は、リンクマージン(link margin)--802.11h-送信電力制御(transmit power control、TPC)である。Huawei Mate 20 Proは、Huawei HiLinkにおける信号測定プロトコルをサポートする。
【0057】
ネットワーク選択参照情報は、端末がローミングを実行するときに、端末に現在接続されている第1のAPおよび端末に接続されるべき第2のAPが満たす必要があるネットワーク状況を示すために使用される。あるいは、ネットワーク選択参照情報は、端末に内蔵されたローミングネットワーク条件と見なされてもよい。その後、制御ノードは、ローミングを実行するように端末をステアリングする成功率を高めるために、ネットワーク選択情報に基づいて、端末がローミングステアリングを受け入れることができるかどうかを決定し得る。いくつかの端末はローミング中に信号強度のみの要件を有し、いくつかの端末はローミング中に第2のAPの負荷状況のみの要件を有し、いくつかの端末はローミング中に第2のAPの周波数帯域および/またはチャネル帯域幅のみの要件を有し、いくつかの端末は、ローミング中に信号強度の要件を有し、第2のAPの負荷状況の要件を有し、第2のAPの周波数帯域および/またはチャネル帯域幅の要件を有する。したがって、ネットワーク選択参照情報は、信号強度参照情報、負荷参照情報、周波数帯域参照情報、および帯域幅参照情報のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0058】
信号強度参照情報は、端末ローミング中の端末と第1のAPとの間の信号強度に対する端末の要件、および端末と第2のAPとの間の信号強度に対する端末の要件を示すために使用される。信号強度の要件について、いくつかの端末は端末と第1のAPとの間の信号強度のみの要件を有し、いくつかの端末は端末と第2のAPとの間の信号強度のみの要件を有し、いくつかの端末は、端末と第1のAPとの間の信号強度だけでなく、端末と第2のAPとの間の信号強度についても要件を有する。したがって、信号強度参照情報は、ソース信号強度閾値、ターゲット信号強度閾値、およびターゲット信号強度差のうちの少なくとも1つを含み得る。ターゲット信号強度閾値はソース信号強度閾値以上であり、ソース信号強度閾値は、端末ローミングによって必要とされる、第1のAPと端末との間の最小信号強度であり、ターゲット信号強度閾値は、端末ローミングによって必要とされる、第2のAPと端末との間の最小信号強度である。ターゲット信号強度差は、ターゲット信号強度閾値とソース信号強度閾値との差であり得る。
【0059】
負荷参照情報は、端末ローミング中の第2のAPの負荷状況に対する端末の要件を示すために使用される。第2のAPの負荷状況に関する要件について、いくつかの端末はローミング中の第2のAPのチャネル利用率のみに関する要件を有し、いくつかの端末は第2のAPに接続された端末の数のみに関する要件を有し、いくつかの端末は、第2のAPのチャネル利用率だけでなく、第2のAPに接続された端末の数に関する要件も有する。したがって、負荷参照情報は、ターゲットチャネル利用率、ターゲットチャネル利用率差、および関連付けられた端末のターゲット数のうちの少なくとも1つを含み得る。ターゲットチャネル利用率は、端末ローミング中の第2のAPの最高チャネル利用率であり、ターゲットチャネル利用率は、第2のAPによって測定されたチャネル利用率であってもよく、またはターゲットチャネル利用率は、端末によって測定された、第2のAPのチャネル利用率であってもよい。ターゲットチャネル利用率差は、ターゲットチャネル利用率と第1のAPのチャネル利用率との差であってもよい。関連付けられた端末のターゲット数は、端末ローミング中に第2のAPに接続された端末の最大数である。
【0060】
周波数帯域参照情報は、端末ローミング中の第2のAPの周波数帯域に対する端末の要件を示すために使用される。第2のAPの周波数帯域の要件について、いくつかの端末はローミング中に第2のAPの周波数帯域のみの要件を有し、いくつかの端末は第1のAPの周波数帯域と第2のAPの周波数帯域との間の周波数帯域範囲のみの要件を有する。したがって、周波数帯域参照情報は、ターゲット周波数帯域およびターゲット周波数帯域範囲の少なくとも一方を含み得る。ターゲット周波数帯域は、端末ローミング中の第2のAPの最小周波数帯域であり、ターゲット周波数帯域範囲は、端末ローミング中の第2のAPの周波数帯域と第1のAPの周波数帯域との間の周波数帯域範囲である。
【0061】
帯域幅参照情報は、端末ローミング中の第2のAPのチャネル帯域幅に対する端末の要件を示すために使用される。第2のAPのチャネル帯域幅の要件について、いくつかの端末はローミング中の第2のAPのチャネル帯域幅のみの要件を有し、いくつかの端末は第1のAPのチャネル帯域幅と第2のAPのチャネル帯域幅との間のチャネル帯域幅範囲のみの要件を有する。したがって、帯域幅参照情報は、ターゲットチャネル帯域幅およびターゲットチャネル帯域幅範囲の少なくとも一方を含み得る。ターゲットチャネル帯域幅は、端末ローミング中の第2のAPの最小チャネル帯域幅であり、ターゲットチャネル帯域幅範囲は、端末ローミング中の第2のAPのチャネル帯域幅と第1のAPのチャネル帯域幅との間のチャネル帯域幅範囲である。
【0062】
端末がローミングする場合、端末が第1のAPから切断され、第2のAPに接続されていない期間(すなわち、ローミング期間)に、端末はWi-Fi信号を受信することができない。この期間に、端末は、端末によって現在実行されているサービスを中断し得る。いくつかのサービスは、端末ローミングによってわずかに影響を受ける。例えば、データダウンロードサービスの場合、端末はローミング中にデータダウンロードを一時的に中断することができる。ローミングが完了した後、ダウンロードは、ダウンロードされたデータのコンテンツに影響を与えることなく継続する。しかしながら、いくつかのサービスは、端末ローミングの影響を大きく受ける。例えば、ビデオセッションは、ローミング中のフレームフリーズなどの現象に遭遇する可能性があり、これは端末ユーザの体験に深刻な影響を与える。したがって、制御ノードは、異なるサービスに対する端末ユーザのサービス要件に基づいて、どのサービスが端末ローミングによってわずかに影響を受け、どのサービスが端末ローミングによって大きく影響を受けるかを決定し、端末ローミングによってわずかに影響を受けるサービスをターゲットサービスとして決定し得る。端末ローミングはターゲットサービスへの影響が比較的小さいので、端末はターゲットサービスを実行するときにローミングを許可される。しかしながら、端末ローミングは非ターゲットサービスに比較的大きな影響を与えるので、端末は、非ターゲットサービスを実行するときにローミングすることを許可されない場合がある。したがって、ネットワーク選択参照情報はターゲットサービスタイプを含んでもよく、ターゲットサービスタイプはターゲットサービスのサービスタイプであり得る。ターゲットサービスは、端末ローミングの影響をわずかに受けるサービスである。可能な実装形態では、ターゲットサービスは、リアルタイム性能に対する高い要件を有さないサービスであってもよい。
【0063】
可能な実装形態では、端末のサービスによって必要とされるネットワークトラフィックがトラフィック閾値以下であるとき、制御ノードは、サービスがターゲットサービスであると決定し得る。サービスによって必要とされるネットワークトラフィックがトラフィック閾値より大きいとき、制御ノードは、サービスが非ターゲットサービスであると決定し得る。したがって、ネットワーク選択参照情報内のターゲットサービスタイプは、代替として、トラフィック閾値に置き換えられてもよい。
【0064】
端末によってサポートされるステアリングプロトコルを試験するプロセスにおいて、当業者は、端末によってサポートされるステアリングプロトコルにおける少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値をさらに取得することができ、当業者は、端末によってサポートされる信号測定プロトコルおよびネットワーク選択参照情報を取得するために、端末をさらに試験し得る。当業者が、端末によってサポートされるステアリングプロトコル、端末によってサポートされるステアリングプロトコルにおける少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値、端末によってサポートされる信号測定プロトコル、およびネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つを決定した後、端末によってサポートされるステアリングプロトコルの識別子、端末によってサポートされるステアリングプロトコルにおける少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値、端末によってサポートされる信号測定プロトコルの識別子、およびネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つは、制御ノードのローミングステアリング挙動特徴生成インターフェース上にアップロードされてもよい。制御ノードが、端末によってサポートされるステアリングプロトコルの識別子、端末によってサポートされるステアリングプロトコルの少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値、端末によってサポートされる信号測定プロトコルの識別子、および当業者によってインターフェース上にアップロードされるネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つを検出した後、制御ノードは、端末によってサポートされるステアリングプロトコルの識別子、端末によってサポートされるステアリングプロトコルの少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値、端末によってサポートされる信号測定プロトコルの識別子、および当業者によってアップロードされるネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つを取得するようにトリガされ得る。このようにして、制御ノードは、当業者によってアップロードされたコンテンツに基づいて、端末によってサポートされるステアリングプロトコル、端末によってサポートされるステアリングプロトコルにおける少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値、端末によってサポートされる信号測定プロトコル、およびネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つを決定し得る。
【0065】
503:制御ノードが、ステアリングプロトコル、ステアリングプロトコルにおける少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値、信号測定プロトコル、およびネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つに基づいて端末のローミングステアリング挙動特徴を生成し、ローミングステアリング挙動特徴は、ローミング中の端末の挙動特徴を示すために使用される。
【0066】
制御ノードは、ローミング中の端末の挙動特徴を示すために、ステアリングプロトコルの識別子、パラメータ値、信号測定プロトコルの識別子、ネットワーク選択参照情報、および端末の識別子を端末のローミングステアリング挙動特徴に組み合わせることができる。端末の識別子は、端末のメディアアクセス制御(media access control、MAC)アドレス、端末のクラス識別子、端末のモデル識別子、端末のシステムバージョン識別子、および端末のベンダバージョン識別子のうちの少なくとも1つを含み得る。端末のクラス識別子は、端末のタイプを示すために使用される。例えば、端末はスマートフォンまたはノートブックコンピュータである。端末のモデル識別子は、端末のモデルを識別するために使用される。例えば、端末はHuawei P30 ProまたはHonor 10である。端末のシステムバージョン識別子は、端末によって使用されるシステムのバージョン、例えば、アンドロイド(登録商標)(Android)10を示すために使用される。端末のベンダバージョン識別子は、端末のベンダバージョン、例えば、エモーションユーザインターフェース(emotion user interface、EUMI)10を示すために使用される。
【0067】
任意の端末について、制御ノードは、ステップ501から503に示されるプロセスに基づいて端末のローミングステアリング挙動特徴を取得し得ることに留意されたい。したがって、制御ノードは、複数の端末のローミングステアリング挙動特徴を取得し得る。制御ノードが1つの端末のローミングステアリング挙動特徴を取得するたびに、制御ノードは、端末の取得されたローミングステアリング挙動特徴をさらに格納してもよく、その結果、制御ノードは、その後、端末のローミングステアリング挙動特徴に基づいて、ローミングを実行するように端末をステアリングするためのローミング機会を決定することができる。可能な実装形態では、制御ノードは、端末ローミングステアリングシステム内の各APに複数の端末のローミングステアリング挙動特徴をさらに配信してもよく、その結果、各APはまた、APに接続された端末のローミングステアリング挙動特徴に基づいて、ローミングを実行するようにAPに接続された端末をステアリングするためのローミング機会を決定し、適切なローミング機会にローミングを実行するようにAPに接続された端末をステアリングし得る。
【0068】
ステップ501から503に示されるプロセスは、制御ノードがオフライン方式で端末のローミングステアリング挙動特徴を取得するプロセスである。可能な実装形態では、制御ノードは、人工知能(artificial intelligence、AI)モデルに基づいて、各端末のローミングステアリング挙動特徴をオンラインでさらに学習し得る。
【0069】
制御ノードが、端末のローミングステアリング挙動特徴に基づいて、ローミングを実行するように端末をステアリングするプロセスをさらに説明するために、
図6に示された本出願の一実施形態による端末ローミングステアリング方法のフローチャートを参照されたい。
【0070】
601:制御ノードが、端末の動き状態および/または端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプを取得する。
【0071】
端末は任意の端末であり、制御ノードは、端末によって報告された移動速度および移動方向に基づいて端末の動き状態を決定し得る。端末の動き状態は、移動速度および移動方向を含んでもよい。端末の移動速度および移動方向は、端末が静止しているか移動しているかを示すために使用され得る。移動速度が0である場合、端末は静止している。移動速度が0でない場合、端末が移動していることを示す。移動速度が0ではなく、端末の移動方向が端末に接続された第1のAPを指す場合、それは端末が第1のAPに近づいていることを示す。移動速度が0ではなく、端末の移動方向が第1のAPが位置される方向と反対である場合、それは端末が第1のAPから遠ざかっていることを示す。もちろん、制御ノードは、端末の移動速度および移動方向に基づいて、端末の移動ルートおよび移動ルートを通過する各APをさらに予測し得る。
【0072】
ターゲット期間において、制御ノードは、第1のAPと端末との間にあり、第1のAPによって複数回報告された信号強度をさらに受信することができ、制御ノードは、第1のAPと端末との間にあり、複数回報告された信号強度の変化傾向に基づいて端末の動き状態を決定する。端末の動き状態は、第1のAPと端末との間にあり、複数回報告される信号強度の変化傾向を含み得る。第1のAPと端末との間にあり、複数回報告される信号強度が次第に大きくなる場合、それは端末が第1のAPに近づいていることを示す。第1のAPと端末との間にあり、複数回報告される信号強度が次第に小さくなる場合、それは端末が第1のAPから遠ざかっていることを示す。第1のAPと端末との間にあり、複数回報告される信号強度の差がターゲット閾値以下である場合、端末は静止していると見なされ得る。ターゲット閾値は、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0073】
ステップ601を実行する前に、制御ノードは、各端末のローミングステアリング挙動特徴を端末ローミングステアリングシステム内の各APにさらに配信してもよく、その結果、各APは、各端末のローミングステアリング挙動特徴に基づいて、各端末によってサポートされる信号測定プロトコルを決定し得ることに留意されたい。あるいは、制御ノードは、各端末によってサポートされる信号測定プロトコルの識別子のみを各APに配信してもよく、その結果、各APは、接続された端末によってサポートされる信号測定プロトコルに基づいて各APと接続された端末との間の信号強度を定期的に測定し、各APと接続された端末との間の信号強度を制御ノードに報告することができる。このようにして、制御ノードは、ターゲット期間において、各APに接続された端末の信号強度を取得することができる。
【0074】
制御ノードは、サービスのサービスタイプがターゲットサービスタイプであるかどうかを決定するために、端末によって現在実行されているサービス内のサービスパケットをさらに検出し得る。あるいは、制御ノードは、サービスによって消費されるネットワークトラフィックに基づいて端末のサービスタイプを決定してもよい。ステップ502では、制御ノードがサービスによって消費されたネットワークトラフィックに基づいて端末のサービスタイプを決定するプロセスが説明される。本出願のこの実施形態では、詳細は再度説明されない。
【0075】
602:制御ノードが、端末の動き状態および/または端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプに基づいて、端末がローミングを実行する必要があると決定する。
【0076】
端末が第1のAPから遠ざかっているプロセスでは、第1のAPと端末との間の信号強度が弱められる。端末ユーザに貧弱な体験をもたらすことを回避するために、この場合、端末はローミングを実行する必要がある。端末がリアルタイムサービスを実行している場合、端末ローミングは、端末によって実行されるリアルタイムサービスに影響を及ぼし得る。この場合、端末は、一時的にローミングを実行する必要がない。可能な実装形態では、端末の動き状態が、端末が第1のAPから遠ざかっていることを示し、かつ/または端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプがターゲットサービスタイプであるとき、制御ノードは、端末がローミングを実行する必要があると決定する。そうでない場合、端末はローミングを実行する必要がないと決定される。例えば、端末の動き状態が、端末が第1のAPから遠ざかっていることを示す限り、制御ノードは、端末がローミングを実行する必要があると決定する。別の例では、端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプがターゲットサービスタイプである限り、制御ノードは、端末がローミングを実行する必要があると決定する。さらに別の例では、制御ノードは、端末の動き状態が、端末が第1のAPから遠ざかっており、端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプがターゲットサービスタイプであることを示すときにのみ、端末がローミングを実行する必要があると決定する。
【0077】
端末がローミングを実行する必要があるとき、制御ノードは、以下のステップ603から609に示されるプロセスを使用して、ローミングを実行するように端末をステアリングし得る。端末がローミングを実行する必要がないとき、制御ノードは、一時的にローミングを実行するように端末をステアリングしなくてもよい。
【0078】
603:制御ノードが、第1のAPのネットワーク情報および第1のAPの少なくとも1つの隣接APのネットワーク情報を取得し、1つのAPのネットワーク情報は、APのネットワーク状況を示すために使用される。
【0079】
1つのAPのネットワーク情報は、APと端末との間の信号強度、APのチャネル利用率、APの周波数帯域、APに関連付けられた端末の数、およびAPのチャネル帯域幅のうちの少なくとも1つを含み得る。第1のAPおよび第2のAP内の任意のAPについて、任意のAPのネットワーク情報に含まれるコンテンツは、端末のネットワーク選択参照情報のコンテンツに対応し得る。端末のネットワーク選択参照情報が信号強度参照情報のみを含む場合、任意のAPのネットワーク情報は、任意のAPと端末との間の信号強度のみを含み得る。端末のネットワーク選択参照情報が信号強度参照情報および周波数帯域参照情報を含む場合、任意のAPのネットワーク情報は、少なくとも任意のAPと端末との間の信号強度および任意のAPの周波数帯域を含む。
【0080】
制御ノードは、第1のAPおよび少なくとも1つの隣接APをトリガしてそれぞれのネットワーク情報を報告させるために、第1のAPおよび少なくとも1つの隣接APの各々に命令を配信し得る。可能な実装形態では、ステップ603は、以下のステップ6031から6036に示されるプロセスを使用して実施され得る。
【0081】
ステップ6031:制御ノードが、第1のAPおよび少なくとも1つの隣接APの各々に情報取得要求を送信し、情報取得要求は、APに、制御ノードにネットワーク情報を返すように示すために使用される。
【0082】
情報取得要求は、端末のアドレス情報および端末によってサポートされる信号測定プロトコルの識別子を含み得る。信号測定プロトコルは、APと端末との間の信号強度を測定するために使用される。情報取得要求は、測定時間のターゲット量をさらに含んでもよく、測定時間のターゲット量は、測定が実行される必要がある時間の量である。情報取得要求は、第1のAPの基本サービスセット識別子(basic service set identifier、BSSID)および第1のAPのチャネルの識別子をさらに含んでもよい。可能な実装形態では、第1のAPは第1のAPのBSSIDおよびチャネルを知っているため、制御ノードによって第1のAPに送信される情報取得要求は、情報取得要求のデータ量を減らすために、第1のAPのBSSIDおよび第1のAPのチャネルの識別子を含まなくてもよい。しかしながら、隣接APは第1のAPのBSSIDおよび第1のAPのチャネルを知らないので、制御ノードによって少なくとも1つの隣接APに送信される情報取得要求は、第1のAPのBSSIDおよび第1のAPのチャネルの識別子をさらに含んでもよく、その結果、隣接APは、第1のAPのBSSIDおよび第1のAPのチャネルの識別子に基づいて、隣接APと端末との間の信号強度を測定するために第1のAPとして偽装し得る。詳細については、次のステップ6035で、隣接APが隣接APと端末との間の信号強度を測定するプロセスを参照されたい。
【0083】
制御ノードは、第1のAPの位置情報に基づいて第1のAPの少なくとも1つの隣接APを決定してもよく、第1のAPの位置情報は、第1のAPの位置を示すために使用される。少なくとも1つの隣接APと第1のAPとの間の距離は、予め設定された距離以下である。あるいは、制御ノードは、端末の予測移動経路を通過する少なくとも1つのAPを第1のAPの少なくとも1つの隣接APとして使用してもよい。
【0084】
ステップ6032:第1のAPが、情報取得要求を受信する。
【0085】
ステップ6033:第1のAPが、情報取得要求に基づいて第1のAPのネットワーク情報を制御ノードに送信する。
【0086】
情報取得要求を受信した後、第1のAPは、受信した情報取得要求内の端末のアドレス情報に基づいて測定対象端末を決定し、受信した情報取得要求内の端末によってサポートされる信号測定プロトコルの識別子に基づいて、測定対象端末によってサポートされる信号測定プロトコルを決定し得る。第1のAPは、端末のアドレス情報および端末によってサポートされるプロトコルに基づいて第1のAPと端末との間の信号強度をさらに測定し、測定結果に基づいて第1のAPのネットワーク情報を制御ノードに返し得る。可能な実装形態では、ステップ6033は、以下のステップA~Cに示されるプロセスを使用して実装され得る。
【0087】
ステップA:第1のAPが、端末のアドレス情報および端末によってサポートされる信号測定プロトコルに基づいて、端末と第1のAPとの間の信号強度を測定する。
【0088】
第1のAPは、端末のアドレス情報および端末によってサポートされる信号測定プロトコルに基づいて、第1のAPのチャネルを介して端末に信号強度測定パケットを送信し得る。信号強度測定パケットは、第1のAPの基本サービスセット識別子(basic service set identifier、BSSID)を含み得る。端末が信号強度測定パケットを受信した後、端末は、第1のAPのBSSIDに基づいて、第1のAPが信号強度を測定すると決定し得る。この場合、端末は、信号測定応答パケットを第1のAPに返し得る。第1のAPは、信号強度測定パケットの送信時間および信号測定応答パケットの受信時間に基づいて、端末と第1のAPとの間の信号強度を決定し得る。
【0089】
異なる信号測定プロトコルの場合、第1のAPが信号強度を測定するプロセスは異なることに留意されたい。例えば、端末によってサポートされている信号測定プロトコルが802.11k-無線リンク測定である場合、第1のAPは、802.11k-無線リンク測定を使用して、端末によって受信されたダウンリンク信号の信号強度(すなわち、第1のAPと端末との間の信号強度)を取得し得る。端末によってサポートされる信号測定プロトコルがリンクマージン-802.11h-TPCである場合、第1のAPは、端末によって受信されたダウンリンク信号のリンクマージンを取得するために、リンクマージン-802.11h-TPCを使用して端末の信号強度を測定し、ダウンリンク信号のリンクマージンに基づいてダウンリンク信号の信号強度を決定する。端末がHuawei HiLinkをサポートしている場合、第1のAPは、端末によって送信されたアップリンク信号の信号強度および端末によって受信されたダウンリンク信号の信号強度を取得するために、Huawei HiLinkの信号測定プロトコルを使用して端末の信号強度を測定し得る。
【0090】
ステップB:第1のAPが、端末と第1のAPとの間の測定された信号強度に基づいて第1のAPのネットワーク情報を生成する。
【0091】
端末が端末と第1のAPとの間の信号強度を決定した後、第1のAPは、第1のAPのネットワーク情報を形成するために、端末と第1のAPとの間の信号強度、第1のAPのチャネル利用率、第1のAPの周波数帯域、第1のAPに関連付けられた端末の数、および第1のAPのチャネル帯域幅のうちの少なくとも1つを決定し得る。
【0092】
ステップC:第1のAPが、第1のAPのネットワーク情報を制御ノードに送信する。
【0093】
ステップ6034:少なくとも1つの隣接APが、制御ノードによって送信された情報取得要求を受信する。
【0094】
ステップ6035:少なくとも1つの隣接APが、情報取得要求に基づいて、少なくとも1つの隣接APのネットワーク情報を制御ノードに送信する。
【0095】
少なくとも1つの隣接AP内の任意の隣接APについて、隣接APは、受信した情報取得要求に基づいて、測定対象端末と、端末によってサポートされる信号測定プロトコルと、第1のAPのBSSIDと、第1のAPのチャネルとを決定し得る。隣接APは、端末によってサポートされる信号測定プロトコルおよび第1のAPのBSSIDに基づいて信号強度測定パケットを生成し、第1のAPのチャネルに切り替え、端末のアドレス情報に基づいて第1のAPのチャネルで信号強度測定パケットを端末に送信し得る。このようにして、隣接APは、隣接APと端末との間の信号強度が決定されるまで、隣接APと端末との間の信号強度を測定するために第1のAPとして偽装し得る。隣接APは、隣接APと端末との間の信号強度に基づいて、隣接APのネットワーク情報を制御ノードに送信し得る。隣接APが、隣接APと端末との間の信号強度に基づいて隣接APのネットワーク情報を制御ノードに送信するプロセスは、第1のAPが、第1のAPと端末との間の信号強度に基づいて第1のAPのネットワーク情報を制御ノードに送信するプロセスと同様である。隣接APが、隣接APと端末との間の信号強度に基づいて隣接APのネットワーク情報を制御ノードに送信するプロセスは、本出願のこの実施形態では説明されない。
【0096】
第1のAP内の任意のAPおよび少なくとも1つの隣接APについて、情報取得要求が測定時間のターゲット量を搬送するとき、任意のAPは、任意のAPと端末との間の信号強度について測定時間のターゲット量をさらに測定し、各測定結果に基づいて任意のAPのネットワーク情報を制御ノードに1回返し得ることに留意されたい。
【0097】
ステップ6036:制御ノードが、情報取得要求に基づいて、第1のAPおよび少なくとも1つの隣接APによって送信されたそれぞれのネットワーク情報を受信する。
【0098】
可能な実装形態では、制御ノードは、代替として、第1のAPおよび少なくとも1つの隣接APの各々に命令を配信することなく、第1のAPのネットワーク情報および少なくとも1つの隣接APのネットワーク情報を取得し得る。可能な実装形態では、ローミングステアリングシステム内の各APは、APの少なくとも1つの隣接APのBSSIDおよびチャネル識別子を格納する。第1のAPが端末に接続されるたびに、第1のAPは、各測定サイクルで第1のAPと端末との間の信号強度を測定し、各測定結果に基づいてネットワーク情報を制御ノードに1回返し得る。加えて、第1のAPは、第1のAPの少なくとも1つの隣接APに、新たに接続された端末のアドレス情報および新たに接続された端末によってサポートされる信号測定プロトコルの識別子をさらに送信してもよく、その結果、各隣接APは、それぞれの測定サイクルにおいて、第1のAPに新たに接続された端末のアドレス情報、新たに接続された端末によってサポートされる信号測定プロトコル、ならびに任意のAPのBSSIDおよびチャネルに基づいて、隣接APと新たに接続された端末との間の信号強度を測定し、各測定結果に基づいてネットワーク情報を制御ノードに1回返すことができる。このようにして、制御ノードは、第1のAPのネットワーク情報および少なくとも1つの隣接APのネットワーク情報を取得することができる。
【0099】
制御ノードが同じAPによって複数回送信されたネットワーク情報を受信したとき、制御ノードは、APの平均ネットワーク情報を取得し、APの平均ネットワーク情報をAPのネットワーク情報として使用するために、複数回APによって送信されたネットワーク情報内のコンテンツの平均値をさらに計算し得る。
【0100】
604:少なくとも1つの隣接AP内の任意の隣接APについて、第1のAPのネットワーク状況および隣接APのネットワーク状況が、端末のネットワーク選択参照情報によって示されたネットワーク状況を満たすとき、制御ノードは、隣接APを第2のAPとして決定する。
【0101】
第1のAPのネットワーク状況および隣接APのネットワーク状況が端末のネットワーク選択参照情報によって示されるネットワーク状況を満たすとき、それは、隣接APおよび第1のAPが端末に内蔵されたローミング条件を満たすことを示す。この場合、制御ノードは、端末に接続される第2のAP(すなわち、端末のターゲットAP)として隣接APを使用し、続いて第1のAPから第2のAPにローミングするように端末をステアリングし得る。
【0102】
第1のAPのネットワーク状況および隣接APのネットワーク状況が以下のうちの少なくとも1つを満たすとき、第1のAPのネットワーク状況および隣接APのネットワーク状況は、ネットワーク選択参照情報によって示されるネットワーク状況を満たす。
【0103】
項目1:第1のAPと端末との間の信号強度がソース信号強度閾値以下であり、および/または隣接APと端末との間の信号強度がターゲット信号強度閾値以上である。
【0104】
例えば、信号強度参照情報がソース信号強度閾値のみを含むときに、第1のAPと端末との間の信号強度がソース信号強度閾値以下である場合、第1のAPと端末との間の信号強度は信号強度参照情報によって示される信号強度を満たす。別の例として、信号強度参照情報がソース信号強度閾値およびターゲット信号強度閾値のみを含むときに、第1のAPと端末との間の信号強度がソース信号強度閾値以下であり、隣接APと端末との間の信号強度がターゲット信号強度閾値より大きい場合、第1のAPと端末との間の信号強度は信号強度参照情報によって示される信号強度を満たし、隣接APと端末との間の信号強度も信号強度参照情報によって示される信号強度を満たす。
【0105】
ターゲット信号強度閾値はソース信号強度閾値より大きくなり得るので、端末が第1のAPから隣接APにローミングする場合、端末ユーザの体験を向上させるために、端末のために隣接APによって提供されるWi-Fi信号の信号強度はより高くなり得る。
【0106】
項目2:第1のAPと端末との間の信号強度がソース信号強度閾値以下であり、隣接APと端末との間の信号強度と第1のAPと端末との間の信号強度との差がターゲット信号強度差以上である。
【0107】
例えば、信号強度参照情報がソース信号強度閾値およびターゲット信号強度差のみを含むときに、第1のAPと端末との間の信号強度がソース信号強度閾値以下であり、隣接APと端末との間の信号強度と第1のAPと端末との間の信号強度との差がターゲット信号強度差以上である場合、第1のAPと端末との間の信号強度は信号強度参照情報によって示される信号強度を満たし、隣接APと端末との間の信号強度も信号強度参照情報によって示される信号強度を満たす。
【0108】
可能な実装形態では、信号強度参照情報がソース信号強度閾値、ターゲット信号強度閾値、およびターゲット信号強度差を含むとき、第1のAPと端末との間の信号強度がソース信号強度閾値以下であり、隣接APと端末との間の信号強度がターゲット信号強度閾値以上であり、第1のAPと端末との間の信号強度と隣接APと端末との間の信号強度との差がターゲット信号強度差以上である場合、第1のAPと端末との間の信号強度は信号強度参照情報によって示される信号強度を満たし、隣接APと端末との間の信号強度も信号強度参照情報によって示される信号強度を満たす。
【0109】
項目3:隣接APのチャネル利用率が、ターゲットチャネル利用率以下である。
【0110】
例えば、負荷参照情報は、ターゲットチャネル利用率50%のみを含む。隣接APのチャネル利用率が50%以下である場合、隣接APの負荷状況は負荷参照情報によって示される負荷状況を満たす。ターゲットチャネル利用率が比較的低く、隣接APのチャネル利用率がターゲットチャネル利用率よりも低いときに、端末が第1のAPから隣接APにローミングする場合、隣接APは、端末のサービスデータ伝送効率を高めるために、端末により多くのチャネルリソースを提供し得、これにより端末ユーザの体験を向上させる。
【0111】
項目4:隣接APと端末との間の信号強度が、第1のAPと端末との間の信号強度以上であり、隣接APのチャネル利用率と第1のAPのチャネル利用率との差が、ターゲットチャネル利用率差以上である。
【0112】
例えば、負荷参照情報がターゲットチャネル利用率のみを含み、ネットワーク選択参照情報が信号強度参照情報を含むときに、隣接APと端末との間の信号強度が第1のAPと端末との間の信号強度以上であり、隣接APのチャネル利用率と第1のAPのチャネル利用率との差がターゲットチャネル利用率差以上である場合、隣接APの負荷状況は負荷参照情報によって示される負荷状況を満たす。
【0113】
項目5:隣接APに接続された端末の数が、関連付けられた端末のターゲット数以下である。
【0114】
関連付けられた端末のターゲット数は、第2のAPに関連付けられることができ、端末によって必要とされる端末の最大数である。したがって、関連付けられた端末のターゲット数は、第2のAPに関連付けられた端末の数の閾値であり得る。例えば、負荷参照情報が関連付けられた端末のターゲット数のみを含むときに、隣接APに接続された端末の数が関連付けられた端末のターゲット数以下である場合、隣接APの負荷状況は、負荷参照情報によって示される負荷状況を満たす。関連付けられた端末のターゲット数が比較的少なく、隣接APに接続された端末の数が関連付けられた端末のターゲット数以下であるときに、端末が第1のAPから隣接APにローミングする場合、隣接APは、端末のサービスデータ伝送効率を高めるために、端末のためにより多くのネットワークリソースを提供し得、これにより端末ユーザの体験を向上させる。
【0115】
項目6:第1のAPの周波数帯域がターゲット周波数帯域以下であり、隣接APの周波数帯域がターゲット周波数帯域よりも大きい。
【0116】
周波数帯域参照情報がターゲット周波数帯域のみを含むとき、第1のAPの周波数帯域がターゲット周波数帯域以下であり、隣接APの周波数帯域がターゲット周波数帯域より大きいとき、隣接APの周波数帯域と第1のAPの周波数帯域の両方が、周波数帯域参照情報によって示される周波数帯域を満たす。端末が第1のAPから隣接APにローミングする場合、隣接APは、より広い範囲の周波数帯域リソースを端末に提供し得、その結果、端末は、端末ユーザの体験を向上させるために、ターゲット周波数帯域範囲でより多くのサービスを実行することができる。
【0117】
項目7:隣接APと端末との間の信号強度が、第1のAPと端末との間の信号強度以上であり、隣接APの周波数帯域と第1のAPの周波数帯域との間の周波数帯域範囲が、ターゲット周波数帯域範囲以上である。
【0118】
例えば、周波数帯域参照情報がターゲット周波数帯域範囲のみを含み、ネットワーク選択参照情報が信号強度参照情報を含むときに、隣接APと端末との間の信号強度が第1のAPと端末との間の信号強度以上であり、隣接APの周波数帯域と第1のAPの周波数帯域との間の周波数帯域範囲がターゲット周波数帯域範囲以上である場合、隣接APの周波数帯域は周波数帯域参照情報によって示される周波数帯域を満たすと見なされてもよい。
【0119】
項目8:第1のAPのチャネル帯域幅がターゲットチャネル帯域幅以下であり、隣接APのチャネル帯域幅がターゲットチャネル帯域幅より大きい。
【0120】
帯域幅参照情報がターゲットチャネル帯域幅のみを含むときに、第1のAPのチャネル帯域幅がターゲットチャネル帯域幅以下であり、隣接APのチャネル帯域幅がターゲットチャネル帯域幅より大きい場合、隣接APのチャネル帯域幅と第1のAPのチャネル帯域幅の両方が、周波数帯域参照情報によって示されるチャネル帯域幅を満たす。端末が第1のAPから隣接APにローミングする場合、隣接APは、端末のサービスデータ伝送効率を高めるために、端末のためにより多くのチャネル帯域幅リソースを提供し得、これにより端末ユーザの体験を向上させる。
【0121】
項目9:隣接APと端末との間の信号強度が、第1のAPと端末との間の信号強度以上であり、隣接APのチャネル帯域幅と第1のAPのチャネル帯域幅との間のチャネル帯域幅範囲は、ターゲットチャネル帯域幅範囲以上である。
【0122】
例えば、帯域幅参照情報がターゲットチャネル帯域幅範囲のみを含み、ネットワーク選択参照情報が信号強度参照情報を含むときに、隣接APと端末との間の信号強度が第1のAPと端末との間の信号強度以上であり、隣接APのチャネル帯域幅と第1のAPのチャネル帯域幅との間のチャネル帯域幅範囲がターゲットチャネル帯域幅範囲以上である場合、隣接APのチャネル帯域幅は帯域幅参照情報によって示されるチャネル帯域幅を満たすと見なされてもよい。
【0123】
ネットワーク選択参照情報は、信号強度参照情報、負荷参照情報、周波数帯域参照情報、および帯域幅参照情報のうちの少なくとも1つを含み得る。信号強度参照情報、負荷参照情報、周波数帯域参照情報、および帯域幅参照情報の各々は、複数のパラメータを含み得る。しかしながら、制御ノードは、第1のAPのネットワーク状況および隣接APのネットワーク状況が端末のネットワーク選択参照情報によって示されるすべてのネットワーク状況を満たすときにのみ、隣接APを第2のAPとして決定することができる。本出願のこの実施形態では、上記の9つの決定方法のみが列挙されており、ネットワーク選択参照情報に含まれるコンテンツに基づいて別の決定方法があり得る。別の決定方法は、本出願のこの実施形態では説明されない。
【0124】
少なくとも1つの隣接APのうちの1つの隣接APのみがネットワーク選択参照情報の要件を満たす場合、制御ノードは、隣接APを端末の第2のAPとして使用し得ることに留意されたい。複数の隣接APがすべてネットワーク選択参照情報の要件を満たす場合、制御ノードは、複数の隣接APから、最良のネットワーク状況を有する隣接APを端末の第2のAPとしてさらに選択し得る。複数の隣接APがすべてネットワーク選択参照情報の要件を満たす場合、制御ノードは、代替として、複数の隣接APを端末の複数の候補の第2のAPとして直接使用してもよく、端末は、複数の候補の第2のAPから1つの候補の第2のAPを端末の第2のAPとして選択する。加えて、ステップ604に示されるプロセスは、制御ノードが第1のAPの少なくとも1つの隣接APから第2のAPを決定するプロセスである。
【0125】
605:制御ノードは、ローミングステアリング命令を第1のAPに送信し、ローミングステアリング命令は、第1のAPに命令して、ステアリングプロトコルに基づいて、第1のAPから第2のAPにローミングするように端末をステアリングするために使用される。
【0126】
ローミングステアリング命令は、第2のAPの識別子、ステアリングプロトコルの識別子、および端末のアドレス情報を含み得る。ローミングステアリング命令は、ステアリングプロトコルにおける少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値、および第2のAPのネットワーク情報のうちの少なくとも1つをさらに含み得る。
【0127】
制御ノードが第1のAPの隣接APからのみ複数の候補の第2のAPを決定するが、第2のAPを決定しない場合、ローミングステアリング命令は、複数の候補の第2のAPのネットワーク情報および複数の候補の第2のAPの識別子をさらに含み得ることに留意されたい。
【0128】
ステップ605に示されるプロセスは、制御ノードが、ステアリングプロトコルに基づいて、第1のAPから第2のAPにローミングするように端末をステアリングするプロセスである。ローミングステアリング命令が、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値を含むとき、ステップ605に示されるプロセスは、ステアリングプロトコルにおける少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値に基づいて、制御ノードが、第1のAPから第2のAPにローミングするように端末をステアリングするプロセスである。
【0129】
606:第1のAPが、ローミングステアリング命令を受信する。
【0130】
607:第1のAPが、ステアリングプロトコルおよびローミングステアリング命令に基づいてローミングステアリングパケットを生成し、ローミングステアリングパケットは、端末が第1のAPから第2のAPにローミングすることを示すために使用される。
【0131】
第1のAPは、端末の、ローミングステアリング命令で搬送されるアドレス情報に基づいて、ステアリング対象端末を決定し、ステアリングプロトコルの、ローミングステアリング命令で搬送される識別子に基づいて、ステアリング対象端末によってサポートされるステアリングプロトコルを決定し、端末によってサポートされるステアリングプロトコルに基づいて、ローミングステアリング命令をローミングステアリングパケットにカプセル化し得る。すなわち、ローミングステアリングパケットは、ローミングステアリング命令で搬送されるコンテンツを含み得る。ローミングステアリングパケットが、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値を含むとき、ステップ607に示されるプロセスは、ステアリングプロトコルにおける少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値に基づいて、第1のAPが、第1のAPから第2のAPにローミングするように端末をステアリングするプロセスである。
【0132】
608:第1のAPが、ローミングステアリングパケットを端末に送信する。
【0133】
第1のAPは、端末のアドレス情報に基づいてローミングステアリングパケットを端末に送信し得る。
【0134】
609:端末が、ローミングステアリングパケットに基づいてローミングを実行する。
【0135】
ローミングステアリングパケットが、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値を搬送しないとき、それは、端末がローミングするときにターゲットステアリングパラメータを考慮する必要がないことを示す。この場合、端末は、第2のAPの、ローミングステアリングパケットで搬送される識別子に基づいて、端末に接続されるべき第2のAPを決定し得、端末は、第1のAPへの無線接続を切断し、ローミングを完了するように第2のAPに接続され得る。
【0136】
ローミングステアリングパケットが、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値および第2のAPのネットワーク情報を搬送する場合、端末は、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値が事前設定されたパラメータ値であるかどうかを決定し、第2のAPのネットワーク情報によって示されるネットワーク状況がネットワーク選択参照情報によって示されるネットワーク状況を満たすかどうかを決定する。少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値が事前設定されたパラメータ値であり、第2のAPのネットワーク情報によって示されるネットワーク状況がネットワーク選択参照情報によって示されるネットワーク状況を満たす場合、端末は、第2のAPの、ローミングステアリングパケットで搬送される識別子に基づいて、端末に接続されるべき第2のAPを決定し得、端末は、第1のAPとの無線接続を切断し、ローミングを完了するように第2のAPに接続され得る。端末が、第2のAPのネットワーク情報によって示されるネットワーク状況がネットワーク選択参照情報によって示されるネットワーク状況を満たすかどうかを決定するプロセスは、ステップ604において、制御ノードが、第2のAPのネットワーク情報によって示されるネットワーク状況がネットワーク選択参照情報によって示されるネットワーク状況を満たすかどうかを決定するプロセスと同様である。端末が、第2のAPのネットワーク情報によって示されるネットワーク状況がネットワーク選択参照情報によって示されるネットワーク状況を満たすかどうかを決定するプロセスは、本出願のこの実施形態では説明されない。
【0137】
ローミングステアリングパケットが第2のAPのネットワーク情報を搬送せず、第2のAPの識別子も搬送せず、複数の候補の第2のAPのネットワーク情報および複数の候補の第2のAPの識別子を搬送する場合、端末は、複数の候補の第2のAPのネットワーク情報およびネットワーク選択参照情報に基づいて、最良のネットワーク状況を有する候補の第2のAPを端末の第2のAPとして選択し得、端末は、第1のAPへの無線接続を切断し、ローミングを完了するように第2のAPに接続され得る。
【0138】
端末のローミングステアリング挙動特徴は、端末がステアリングをサポートするときの端末の動き状態および/またはサービスのサービスタイプに対する制限を含むので、上記のステップ602において、制御ノードが、端末の動き状態および/または端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプに基づいて、端末がローミングを実行する必要があるかどうかを決定するプロセスは、制御ノードが、端末のローミングステアリング挙動特徴に基づいて、端末をステアリングしてローミングを実行するためのローミング機会を決定するプロセスであることに留意されたい。加えて、第1のAPのネットワーク状況および第2のAPのネットワーク状況が端末のネットワーク選択参照情報によって示されるネットワーク状況を満たすとき、それは、この場合、制御ノードが第1のAPから第2のAPにローミングするように端末をステアリングする場合、制御ノードが、ステアリングローミングの成功率が非常に高いときにのみローミングステアリング命令を第1のAPに送信することを示す。したがって、ステップ605に示されるプロセスは、制御ノードが、端末のローミングステアリング挙動特徴に基づいて、ローミングを実行するように端末をステアリングするためのローミング機会を決定するプロセスであってもよい。
【0139】
ステップ601から609に示されるプロセスをさらに説明するために、以下の例1から3を参照されたい。
【0140】
例1:携帯電話(端末A)が、IEEE802.11vプロトコルをサポートし、ターゲット信号強度が-70dBより大きいことを必要とする。現時点では、AP0(第1のAP)上の端末Aのダウンリンク信号の信号強度は-70dB(すなわち、第1のAPと端末Aとの間の信号強度)であり、隣接AP1上の端末Aのダウンリンク信号の信号強度は-60dBである。この場合、制御ノードは、IEEE802.11vプロトコルが端末Aによってサポートされるステアリングプロトコルであるかどうかを決定する。IEEE802.11vプロトコルが端末Aによってサポートされるステアリングプロトコルである場合、制御ノードはローミングステアリング命令を端末Aに送信する。ローミングステアリング命令を受信した後、端末Aは、隣接AP1の信号強度が端末Aのネットワーク選択参照情報によって要求されるターゲット信号強度を満たすかどうかを評価する。隣接AP1の信号強度が端末Aのネットワーク選択参照情報によって要求されるターゲット信号強度を満たす場合、端末Aは隣接AP1にローミングする。
【0141】
例2:ラップトップ(端末B)が、IEEE802.11vプロトコルをサポートし、ターゲットチャネル利用率が50%を超えることができないことを要求する。現時点では、端末BはAP0に接続されている。AP0と端末Bとの間の信号強度は-65dBである。隣接AP1があり、AP1と端末Bとの間の信号強度は-55dBである。しかし、AP1は他の端末に接続されており、AP1上にトラフィックが存在する。この場合、AP1のチャネル利用率は70%に達する。制御ノードは、AP1のこのネットワーク状況にある場合、IEEE802.11vプロトコルを使用して端末BをAP1にステアリングするために、AP0がローミングステアリングパケットを端末Bに配信すると決定する。この場合、端末Bのネットワーク選択参照情報の要件は満たされることができず、端末Bはローミングステアリングパケットを拒否するか、または受け入れない。したがって、制御ノードは、ローミングステアリング命令をAP1に配信せず、隣接AP1の次のネットワーク状況を待つ。例えば、隣接AP1に接続された端末が退去し、隣接AP1のチャネル利用率が20%に低下した場合、制御ノードはローミングステアリング命令をAP1に配信する。
【0142】
例3:携帯電話(端末C)が、Huawei HiLinkをサポートし、制御ノードのローミングステアリングを信頼し、ネットワーク選択参照情報を持たない。したがって、端末と第1のAPとの間の信号強度が端末と第2のAPとの間の信号強度よりも小さいと制御ノードが決定する場合、制御ノードは、Huawei HiLinkにおけるステアリングプロトコルに基づいて端末Cへのステアリングを直ちに開始し得る。
【0143】
本出願のこの実施形態で提供される方法によれば、端末によってサポートされるステアリングプロトコルおよび第2のAPが決定され、端末は、端末ローミングの成功率を高めるために、端末によってサポートされるステアリングプロトコルに基づいて、第1のAPから第2のAPにローミングするようにステアリングされる。加えて、端末がローミングを実行する必要があるかどうかは、端末の動き状態および/または端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプに基づいて決定される。端末は、端末によって実行されるサービスに対する端末ローミングの影響を回避するために、端末がローミングを実行する必要があるときにのみローミングを実行するようにステアリングされ、これにより端末ユーザの体験を向上させる。加えて、第2のAPは、第1のAPのネットワーク状況、少なくとも1つの隣接APのネットワーク状況、および端末のネットワーク選択参照情報に基づいて決定され、決定された第2のAPがネットワーク選択参照情報の要件を満たさないことを防止して、端末ローミングの成功率をさらに高める。
【0144】
制御ノードは、端末のローミングステアリング挙動特徴を最初に生成し、次いで、端末のローミングステアリング挙動特徴、第1のAPのネットワーク情報、および少なくとも1つの隣接APのネットワーク情報に基づいて、ローミングを実行するように端末をステアリングし得る。このプロセスをさらに説明するために、
図7を参照されたい。
図7は、本出願の一実施形態による端末ローミングステアリング方法のフローチャートである。
【0145】
701:制御ノードが、端末のローミングステアリング挙動特徴を生成する。
【0146】
制御ノードは、静的テストまたはAIモデルのオンライン学習に基づいて端末のローミングステアリング挙動特徴を生成し得る。具体的なプロセスについては、
図5を参照されたい。端末のローミングステアリング挙動特徴は、端末によってサポートされる信号測定プロトコル(例えば、信号測定プロトコルLx)、端末によってサポートされるステアリングプロトコル、およびステアリングプロトコル内の少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータ(例えば、ステアリングプロトコルGxおよびターゲットステアリングパラメータSx)の、端末に適用可能なパラメータ値、ならびに端末がステアリングを受け入れるためのネットワーク選択参照情報(例えば、ネットワーク選択参照情報Cx)を含み得る。
【0147】
702:制御ノードが、第1のAPのネットワーク情報、少なくとも1つの隣接APのネットワーク情報、および端末のステータスを取得する。
【0148】
1つのAPのネットワーク情報は、APのチャネル利用率、チャネル帯域幅、周波数帯域、および接続された端末の数を含み得る。端末のステータスは、端末の動き状態、現在実行されているサービスのサービスタイプ、および端末とAPとの間の信号強度を含み得る。
【0149】
703:制御ノードが、第1のAPのネットワーク情報、少なくとも1つの隣接APのネットワーク情報、端末のステータス、および端末のローミングステアリング挙動特徴に基づいて、端末のステアリングに関する判定を実行する。判定結果が端末をステアリングすることである場合、制御ノードは、異なる端末のローミングステアリング挙動特徴に基づいて異なる端末に対して差別化されたステアリングを実行し得る。
【0150】
制御ノードが、第1のAPのネットワーク情報、少なくとも1つの隣接APのネットワーク情報、端末のステータス、および端末のローミングステアリング挙動特徴に基づいて端末のステアリングに関する判定を実行するプロセスは、2つの判定プロセスを含み得る。1つの判定プロセスは、端末のステータスに基づいて、端末がローミングを実行する必要があるかどうかを判定することである。詳細については、ステップ602を参照されたい。別の判定プロセスは、第2のAPが、第1のAPのネットワーク情報、少なくとも1つの隣接APのネットワーク情報、および端末のローミングステアリング挙動特徴に基づいて選択され得るかどうかを判定することである。詳細については、ステップ604を参照されたい。異なる端末は異なるステアリングプロトコルをサポートする。したがって、異なる端末に送信されるローミングステアリングパケットのフォーマットは異なり得、異なる端末に送信されるローミングステアリングパケットで搬送されるコンテンツも異なり得る。このようにして、異なる端末に対して差別化されたステアリングが実行される。一例として、端末xが使用される。制御ノードは、端末xに接続されたAPを使用することによって、端末xによってサポートされる信号測定プロトコルLxおよびステアリングプロトコルGx、ならびにターゲットステアリングパラメータSxを端末xに配信し得る。
図7では、ステップ703は「制御ノードは、判定および差別化されたステアリングをアクティブにステアリングする」と略されることに留意されたい。
【0151】
図6および
図7に示された、制御ノードがローミングを実行するように端末をステアリングするプロセスでは、ローミングプロセスにおいて端末によって受信されたWi-Fi信号の信号強度は、比較的高い信号強度範囲内に保つことができる。例えば、
図8は、本出願の一実施形態による、端末ローミングプロセスにおける端末側の信号強度の変化の比較の概略図である。
図8において、曲線1は、移動プロセスにおいて制御ノードのステアリング下で端末がローミングを実行するときに取得される信号強度を示し、曲線2は、移動プロセスにおいて端末が独立してローミングするときに取得される信号強度を示す。曲線1から、端末がAP1のコアカバレッジエリア内を移動するとき、端末側の信号強度は-65dBよりも高いことが分かる。端末がAP1のコアカバレッジエリアからAP2のコアカバレッジエリアに移動するとき、端末とAP1との間の信号強度は-65dBより低く、端末とAP2との間の信号強度は-65dBより高い。端末は、制御ノードのアクティブステアリングを受け入れ、AP1からAP2にローミングする。この場合、端末側の信号強度は依然として-65dBより高い。端末がAP2のコアカバレッジエリアからAP3のコアカバレッジエリアに移動するとき、端末とAP1との間の信号強度は-75dB~-70dBの範囲であり、端末とAP2との間の信号強度は-70dB~-65dBの範囲であり、端末とAP3との間の信号強度は-65dBより高い。端末は、制御ノードのアクティブステアリングを受け入れ、AP2からAP3にローミングする。この場合、端末側の信号強度は依然として-65dBより高い。移動プロセスにおいて、端末が制御ノードのアクティブステアリングに基づいてローミングを実行する場合、端末のサービスデータ伝送効率を高めるために、端末側の信号強度を比較的高い信号強度範囲内に保つことができることが分かる。曲線2から、端末がAP1のコアカバレッジエリアから開始して移動し、独立してローミングし、AP3のコアカバレッジエリアに移動するときにのみAP1からAP3にローミングすることが分かる。ただし、端末は常にAP1に接続されている。したがって、端末がAP2のコアカバレッジエリア内を移動するとき、端末側の信号強度は常に-65dB未満である。端末が移動すると、端末側の信号強度が低下
する。
【0152】
図5~
図7に示されるプロセスは、制御ノードが端末のローミングステアリング挙動特徴を生成し、端末のローミングステアリング挙動特徴に基づいて、ローミングを実行するように端末をステアリングするプロセスであることに留意されたい。可能な実装形態では、第1のAPは、代替として、端末のローミングステアリング挙動特徴を生成し、端末のローミングステアリング挙動特徴に基づいて、ローミングを実行するように端末をステアリングし得る。第1のAPが端末のローミングステアリング挙動特徴を生成するプロセスは、制御ノードが端末のローミングステアリング挙動特徴を生成するプロセスと同様である。第1のAPが端末のローミングステアリング挙動特徴を生成するプロセスは、本出願のこの実施形態では説明されない。第1のAPが、端末のローミングステアリング挙動特徴に基づいて、ローミングを実行するように端末をステアリングするプロセスと、制御ノードが、端末のローミングステアリング挙動特徴に基づいて、ローミングを実行するように端末をステアリングするプロセスとの違いは、第1のAPがローミングステアリング命令を生成する必要がなく、ローミングステアリング命令に従って、ローミングを実行するように端末をステアリングする必要がないが、端末によってサポートされるステアリングプロトコルに直接基づいて、端末を第1のAPから第2のAPにローミングするようにステアリングし得ることである。可能な実装形態では、第1のAPは、ステアリングプロトコルに基づいてローミングステアリングパケットを生成し、ローミングステアリングパケットを端末に送信する。端末は、ローミングステアリングパケットに基づいてローミングを実行する。
【0153】
図9は、本出願の一実施形態による端末ローミングステアリング装置の概略構造図である。装置900は:
端末によってサポートされるステアリングプロトコルを決定するように構成された決定モジュール901であって、端末は、第1のアクセスポイントAPに接続されており、ステアリングプロトコルは、ローミングを実行するように端末をステアリングするために使用され、
決定モジュール901は、第1のAPの少なくとも1つの隣接APから第2のAPを決定するようにさらに構成されている、決定モジュール901と、
ステアリングプロトコルに基づいて、第1のAPから第2のAPにローミングするために端末をステアリングするように構成されたステアリングモジュール902と
を含む。
【0154】
任意選択で、決定モジュール901は:
少なくとも1つの隣接AP内の任意の隣接APについて、第1のAPのネットワーク状況および隣接APのネットワーク状況が端末のネットワーク選択参照情報によって示されるネットワーク状況を満たすときに、隣接APを第2のAPとして決定するように構成されており、
ネットワーク選択参照情報は、端末がローミングを実行するときに第1のAPと第2のAPとが満たす必要のあるネットワーク状況を示すために使用される。
【0155】
任意選択で、本装置は:
第1のAPのネットワーク情報および少なくとも1つの隣接APのネットワーク情報を取得するように構成された第1の取得モジュールであって、1つのAPのネットワーク情報がAPのネットワーク状況を示すために使用される、第1の取得モジュール
をさらに含む。
【0156】
任意選択で、第1の取得モジュールは:
第1のAPおよび少なくとも1つの隣接APの各々に情報取得要求を送信し、情報取得要求は、APに、制御ノードにネットワーク情報を返すように示すために使用され、
情報取得要求に基づいて第1のAPおよび少なくとも1つの隣接APによって送信されたそれぞれのネットワーク情報を受信する、
ように構成される。
【0157】
任意選択で、情報取得要求は、端末のアドレス情報および端末によってサポートされる信号測定プロトコルの識別子を含み、信号測定プロトコルは、APと端末との間の信号強度を測定するために使用される。
【0158】
任意選択で、情報取得要求は、第1のAPの基本サービスセット識別子BSSIDおよび第1のAPのチャネルの識別子をさらに含む。
【0159】
任意選択で、情報取得要求は、測定時間のターゲット量をさらに含み、測定時間のターゲット量は、測定が実行される必要がある回数である。
【0160】
任意選択的で、ステアリングモジュール902は:
ステアリングプロトコル内の少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値に基づいて、第1のAPから第2のAPにローミングするように端末をステアリングする
ように構成される。
【0161】
任意選択で、本装置は:
ステアリングプロトコル、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値、端末によってサポートされる信号測定プロトコル、およびネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つに基づいて端末のローミングステアリング挙動特徴を生成するように構成された生成モジュールであって、ローミングステアリング挙動特徴は、ローミング中の端末の挙動特徴を示すために使用される、生成モジュール
をさらに含む。
【0162】
任意選択で、決定モジュール901は:
ローミングステアリング挙動特徴に基づいて、ローミングを実行するように端末をステアリングするためのローミング機会を決定する
ようにさらに構成される。
【0163】
任意選択で、決定モジュール901は:
少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値、信号測定プロトコル、およびネットワーク選択参照情報のうちの少なくとも1つを決定する
ようにさらに構成される。
【0164】
任意選択で、決定モジュール901は:
ローミングを完了するように端末をステアリングする成功率が、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータのターゲットパラメータ値セットに基づいてターゲット閾値以上であるとき、ターゲットパラメータ値セット内の各ターゲットステアリングパラメータのターゲットパラメータ値を、各ターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値として決定し、ターゲットパラメータ値セットは、少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの各々のターゲットパラメータ値を含む
ように構成される。
【0165】
本装置は:
端末の動き状態および/または端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプを取得するように構成された、取得モジュール
をさらに含む。
【0166】
決定モジュール901は、端末の動き状態および/または端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプに基づいて、端末がローミングを実行する必要があると決定するようにさらに構成される。
【0167】
任意選択で、決定モジュール901は:
端末の動き状態が、端末が第1のAPから遠ざかっていることを示し、かつ/または端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプがターゲットサービスタイプであるときに、端末はローミングを実行する必要があると決定する
ように構成される。
【0168】
任意選択で、装置は制御ノードであり、ステアリングモジュール902は:
ローミングステアリング命令を第1のAPに送信し、ローミングステアリング命令は、第1のAPに命令して、ステアリングプロトコルに基づいて、第1のAPから第2のAPにローミングするように端末をステアリングするために使用される
ように構成される。
【0169】
任意選択で、ローミングステアリング命令は、ステアリングプロトコルにおける少なくとも1つのターゲットステアリングパラメータの、端末に適用可能なパラメータ値を含む。
【0170】
任意選択で、ローミングステアリング命令は、第2のAPの識別子、ステアリングプロトコルの識別子、および端末のアドレス情報を含む。
【0171】
任意選択で、ローミングステアリング命令は、第2のAPのネットワーク情報をさらに含む。
【0172】
任意選択で、本装置は:
第1のAPおよび少なくとも1つの隣接APの各々に情報取得要求を送信するように構成された送信モジュールであって、情報取得要求は、端末のアドレス情報および端末によってサポートされる信号測定プロトコルの識別子を含み、信号測定プロトコルは、APと端末との間の信号強度を測定するために使用される、送信モジュールと、
情報取得要求に基づいて第1のAPおよび少なくとも1つの隣接APによって送信されたそれぞれのネットワーク情報を受信するように構成された、受信モジュールと
をさらに含む。
【0173】
任意選択で、本装置は第1のAPである。
【0174】
任意選択で、ネットワーク選択参照情報は、信号強度参照情報、負荷参照情報、周波数帯域参照情報、および帯域幅参照情報のうちの少なくとも1つを含み;信号強度参照情報は、ソース信号強度閾値、ターゲット信号強度閾値、およびターゲット信号強度差のうちの少なくとも1つを含み;ターゲット信号強度閾値は、ソース信号強度閾値以上であり;負荷参照情報は、ターゲットチャネル利用率、ターゲットチャネル利用率差、および関連付けられた端末のターゲット数のうちの少なくとも1つを含み;周波数帯域参照情報は、ターゲット周波数帯域およびターゲット周波数帯域範囲の少なくとも一方を含み;帯域幅参照情報は、ターゲットチャネル帯域幅およびターゲットチャネル帯域幅範囲の少なくとも一方を含む。
【0175】
任意選択で、1つのAPのネットワーク情報は、APと端末との間の信号強度、APのチャネル利用率、APの周波数帯域、APに関連付けられた端末の数、およびAPのチャネル帯域幅のうちの少なくとも1つを含む。
【0176】
任意選択で、第1のAPのネットワーク状況および隣接APのネットワーク状況が以下のうちの少なくとも1つを満たすとき、第1のAPのネットワーク状況および隣接APのネットワーク状況は、ネットワーク選択参照情報によって示されるネットワーク状況を満たす:
第1のAPと端末との間の信号強度がソース信号強度閾値以下である、および/または隣接APと端末との間の信号強度がターゲット信号強度閾値以上である;
第1のAPと端末との間の信号強度が、ソース信号強度閾値以下であり、隣接APと端末との間の信号強度と、第1のAPと端末との間の信号強度との差は、ターゲット信号強度差以上である;
隣接APのチャネル利用率がターゲットチャネル利用率以下である;
隣接APと端末との間の信号強度が、第1のAPと端末との間の信号強度以上であり、隣接APのチャネル利用率と第1のAPのチャネル利用率との差は、ターゲットチャネル利用率差以上である;
隣接APに接続されている端末の数が、関連する端末のターゲット数以下である;
第1のAPの周波数帯域がターゲット周波数帯域以下であり、隣接APの周波数帯域がターゲット周波数帯域よりも大きい;
隣接APと端末との間の信号強度が、第1のAPと端末との間の信号強度以上であり、隣接APの周波数帯域と第1のAPの周波数帯域との間の周波数帯域範囲は、ターゲット周波数帯域範囲以上である;
第1のAPのチャネル帯域幅がターゲットチャネル帯域幅以下であり、隣接APのチャネル帯域幅がターゲットチャネル帯域幅よりも大きい;または
隣接APと端末との間の信号強度が、第1のAPと端末との間の信号強度以上であり、隣接APのチャネル帯域幅と第1のAPのチャネル帯域幅との間のチャネル帯域幅範囲は、ターゲットチャネル帯域幅範囲以上である。
【0177】
本装置を使用することにより、端末によってサポートされるステアリングプロトコルおよび第2のAPが決定され、端末は、端末ローミングの成功率を高めるために、端末によってサポートされるステアリングプロトコルに基づいて、第1のAPから第2のAPにローミングするようにステアリングされる。加えて、端末がローミングを実行する必要があるかどうかは、端末の動き状態および端末によって現在実行されているサービスのサービスタイプに基づいて決定される。端末は、端末によって実行されるサービスに対する端末ローミングの影響を回避するために、端末がローミングを実行する必要があるときにのみローミングを実行するようにステアリングされ、これにより端末ユーザの体験を向上させる。加えて、第2のAPは、第1のAPのネットワーク状況、少なくとも1つの隣接APのネットワーク状況、および端末のネットワーク選択参照情報に基づいて決定され、決定された第2のAPがネットワーク選択参照情報の要件を満たさないことを防止して、端末ローミングの成功率をさらに高める。
【0178】
前述の任意選択の技術的解決策のすべては、任意の組み合わせによって本開示の任意選択の実施形態を形成し得る。ここでは詳細は再度説明されない。
【0179】
前述の実施形態で提供された端末ローミングステアリング装置を使用して端末ローミングがステアリングされるとき、前述の機能モジュールへの分割のみが説明のための例として使用されることに留意されたい。実際の適用においては、前述の機能は、異なる機能モジュールに割り当てて要件に基づいて実施されることができる。具体的には、装置の内部構造は、前述した機能の全部または一部を実装するために、異なる機能モジュールに分割される。加えて、前述の実施形態で提供された端末ローミングステアリング方法の実施形態は、同じ概念に関係する。その具体的な実装プロセスについては、方法の実施形態を参照されたい。ここでは詳細は再度説明されない。
【0180】
当業者は、実施形態のステップの全部または一部がハードウェア、または関連するハードウェアに命令するプログラムによって実施され得ることを理解し得る。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよく、記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスク、コンパクトディスクなどを含んでもよい。
【0181】
以上の説明は、本出願の実施形態の単なる任意選択の実施態様にすぎず、本出願を限定するためのものではない。本出願の趣旨および原理から逸脱することなくなされるいかなる修正、同等の置換、または改善も、本出願の保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0182】
100 システム
101 アクセスポイント
102 端末
103 制御ノード
300 制御デバイス
301 プロセッサ
302 メモリ
400 ネットワークデバイス
401 プロセッサ
402 メモリ
403 無線ネットワークインターフェース
900 装置
901 決定モジュール
902 ステアリングモジュール