(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】電子装置セット、ブラケット、回転軸機構
(51)【国際特許分類】
F16M 11/10 20060101AFI20230815BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20230815BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230815BHJP
F16C 11/04 20060101ALI20230815BHJP
F16C 11/10 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
F16M11/10 Z
H04N5/64 581G
G09F9/00 351
F16C11/04 C
F16C11/10 E
(21)【出願番号】P 2021198305
(22)【出願日】2021-12-07
【審査請求日】2021-12-07
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504429600
【氏名又は名称】緯創資通股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WISTRON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杜進雄
(72)【発明者】
【氏名】鄭梃曜
(72)【発明者】
【氏名】楊成璞
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-303850(JP,A)
【文献】特開2020-43527(JP,A)
【文献】特開2003-348495(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0008518(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0118899(US,A1)
【文献】特開2004-162844(JP,A)
【文献】実開昭51-1304(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 11/10
F16M 11/08
H04N 5/64
G09F 9/00
F16C 11/04
F16C 11/10
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラケット固定部と、回転軸機構と、装置固定部と、電子装置とを備えた電子装置セットであって、
前記回転軸機構は、
2つのアームと、第1の回転軸部と、第2の回転軸部と、多段位置決めセットと、スプリング
とを備え、
前記第1の回転軸部は
前記2つのアームのうちの一方のアームに連接されることにより、前記ブラケット固定部に連接され、
前記第2の回転軸部は前記第1の回転軸部と枢設され、第1の位置と第2の位置の間で移動可能であり、
前記2つのアームのうちの他方のアームに連接され、
前記第2の回転軸部が前記第2の位置に位置するときの
前記他方のアームと前記ブラケット固定
部との距離は、前記第2の回転軸部が前記第1の位置に位置するときの
前記他方のアームとブラケット固定
部との距離よりも遠く、
前記多段位置決めセットは、前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部を連接し、前記多段位置決めセットは複数の位置決め点を含み、
前記複数の位置決め点は前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部の間の一時的な位置決めに用いられ、
前記多段位置決めセットは第1の位置決め部と第2の位置決め部を含み、
前記第1の位置決め部は前記第1の回転軸部に連接されると共に、第1のマッチング部を含み、
前記第2の位置決め部は前記第2の回転軸部に連接されると共に、第2のマッチング部を含み、
前記第1のマッチング部は弾性セットを含み、前記弾性セットは前記第2の位置決め部に面する前記第1の位置決め部の第1の表面上に位置すると共に、常態的に前記第1の表面から突出し、
前記第2のマッチング部は、前記第1の位置決め部に面する前記第2の位置決め部の第2の表面上に位置する複数の凹部を含み、
前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部の間の一時的な位置決めのために、前記第1のマッチング部と前記第2のマッチング部は複数の前記位置決め点で相互にマッチングされ、
前記スプリングは、その両端がそれぞれ前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部に接し、前記第2の回転軸部が前記第1の位置のとき、前記スプリングは第1の変形量を有し、
前記第2の回転軸部が前記第2の位置に位置するとき、前記スプリングは第2の変形量を有し、前記第1の変形量は前記第2の変形量より小さく、
前記装置固定部は
前記他方のアームに連接されることにより、前記第2の回転軸部と連接され、
前記電子装置は、前記装置固定部に設けられ、且つ前記電子装置はモバイル装置或いはディスプレイ装置である
ことを特徴とする電子装置セット。
【請求項2】
ブラケット固定部と、回転軸機構と、装置固定部とを備えたブラケットであって、
前記回転軸機構は
2つのアームと、第1の回転軸部と、第2の回転軸部と、多段位置決めセットと、スプリングとを備え、
前記第1の回転軸部は
前記2つのアームのうちの一方のアームに連接されることにより、前記ブラケット固定部に連接され、
前記第2の回転軸部は前記第1の回転軸部に枢設され、第1の位置と第2の位置の間で移動可能であり、
前記2つのアームのうちの他方のアームに連接され、
前記第2の回転軸部が前記第2の位置に位置するときの
前記他方のアームと前記ブラケット固定
部との距離は、前記第2の回転軸部が前記第1の位置に位置するときの
前記他方のアームとブラケット固定
部との距離よりも遠く、
前記多段位置決めセットは、前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部の間の一時的な位置決めに用いられ、
前記多段位置決めセットは第1の位置決め部と第2の位置決め部を含み、
前記第1の位置決め部は前記第1の回転軸部に連接されると共に、第1のマッチング部を含み、
前記第2の位置決め部は前記第2の回転軸部に連接されると共に、第2のマッチング部を含み、
前記第1のマッチング部は弾性セットを含み、前記弾性セットは前記第2の位置決め部に面する前記第1の位置決め部の第1の表面上に位置すると共に、常態的に前記第1の表面から突出し、
前記第2のマッチング部は、前記第1の位置決め部に面する前記第2の位置決め部の第2の表面上に位置する複数の凹部を含み、
前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部の間の一時的な位置決めのために、前記第1のマッチング部と前記第2のマッチング部は複数の前記位置決め点で相互にマッチングされ、
前記スプリングは、その両端がそれぞれ前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部に接し、前記第2の回転軸部が前記第1の位置のとき、前記スプリングは第1の変形量を有し、
前記第2の回転軸部が前記第2の位置に位置するとき、前記スプリングは第2の変形量を有し、前記第1の変形量は前記第2の変形量より小さく、
前記装置固定部は
前記他方のアームに連接されることにより、前記第2の回転軸部に連接される
ことを特徴とするブラケット。
【請求項3】
第1の回転軸部と、第2の回転軸部と、多段位置決めセットと、スプリングとを備えた回転軸機構であって、
前記第2の回転軸部は前記第1の回転軸部に枢設され、第1の位置と第2の位置の間で移動可能であり、前記第2の回転軸部が前記第1の位置に位置するとき、前記第1の回転軸部は前記第2の回転軸部との間で第1の夾角を形成し、
前記第2の回転軸部が前記第2の位置に位置するとき、前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部の間には第2の夾角が形成され、前記第1の夾角は前記第2の夾角より狭く、
前記多段位置決めセットは、前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部の間に連接され、前記多段位置決めセットは複数の位置決め点を含み、前記複数の位置決め点は前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部の間の一時的な位置決めのために用いられ、
前記多段位置決めセットは第1の位置決め部と第2の位置決め部を含み、
前記第1の位置決め部は前記第1の回転軸部に連接し、前記第1の位置決め部は第1のマッチング部を含み、前記第1のマッチング部は弾性セットを含み、
前記弾性セットは前記第2の位置決め部に面する前記第1の位置決め部の第1の表面上に位置すると共に、常態的に前記第1の表面から突出し、
前記第2の位置決め部は前記第2の回転軸部に連接され、第2のマッチング部を含み、
前記第2のマッチング部は前記第1の位置決め部に面する前記第2の位置決め部の第2の表面に複数の凹部を含み、
前記スプリングは両端がそれぞれ前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部に接し、前記第2の回転軸部が前記第1の位置に位置するとき、前記スプリングは第1の変形量を有し、
前記第2の回転軸部が前記第2の位置に位置するとき、前記スプリングは第2の変形量を有し、前記第1の変形量は前記第2の変形量より小さい
ことを特徴とする回転軸機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子装置セット、ブラケット、回転軸機構に関し、特に、電子装置を回転軸機構とブラケットによって特定の位置に固定し得る電子装置セット、ブラケット、回転軸機構に関する。
【背景技術】
【0002】
折りたたみ可能な機構は通常、曲げや折り畳みの機能を実現するための回転軸機構を備えている。しかし、一般的に観られる回転軸機構は曲げや折り畳み等の基本的な機能を備えているものの、その他の機能については備えられていない。
【0003】
一方、後部座席の娯楽(エンターテインメント)システムで使用されるブラケットの場合、後部座席に乗る人の乗り降りの邪魔にならないように、幅が狭くなるように折り畳む機能を備えた回転軸機構として使用するヒンジが備えられる。そして、ブラケットを、曲げる角度を調整することで、後部座席のエンターテインメントシステムをより快適に楽しむことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、車両の運転中に、一般的なブラケットを使用して電子機器を固定している場合であっても、急ブレーキを踏んだり、甚だしきに至っては車両事故を起こす場合がある。このような場合においては、不運にもブラケットを開いた(伸ばした)状態で使用していると、後部座席の乗客に怪我を負わせてしまう場合がある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みて、急ブレーキを踏んだり、車両事故を起こしてしまったようなケースでも、後部座席に座った人が怪我をし難い回転軸機構を提供することで上述した問題を解決することを目的とする。
【0006】
加えて、上述した問題を克服することができるブラケット、電子装置セットを提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の問題に鑑みて本発明は以下の構成を有する。即ち、
ブラケット固定部と、回転軸機構と、装置固定部と、電子装置とを備えた電子装置セットであって、
前記回転軸機構は、第1の回転軸部と、第2の回転軸部と、多段位置決めセットと、スプリングを備え、
前記第1の回転軸部は前記ブラケット固定部に連接され、
前記第2の回転軸部は前記第1の回転軸部と枢設され、第1の位置と第2の位置の間で移動可能であり、
前記第2の回転軸部が前記第2の位置に位置するときの前記ブラケット固定部からの距離は、前記第2の回転軸部が前記第1の位置に位置するときのブラケット固定部からの距離よりも遠く、
前記多段位置決めセットは、前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部を連接し、前記多段位置決めセットは複数の位置決め点を含み、
前記複数の位置決め点は前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部の間の一時的な位置決めに用いられ、
前記スプリングは、その両端がそれぞれ前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部に接し、前記第2の回転軸部が前記第1の位置のとき、前記スプリングは第1の変形量を有し、
前記第2の回転軸部が前記第2の位置に位置するとき、前記スプリングは第2の変形量を有し、前記第1の変形量は前記第2の変形量より小さく、
前記装置固定部は前記第2の回転軸部と連接され、
前記電子装置は前記装置固定部に設けられ、
前記電子装置は、前記装置固定部に設けられ、且つ前記電子装置はモバイル装置或いはディスプレイ装置である。
【0008】
また、ブラケット固定部と、回転軸機構と、装置固定部とを備えたブラケットであって、
前記回転機構は第1の回転軸部と、第2の回転軸部と、多段位置決めセットと、スプリングとを備え、
前記第1の回転軸部は前記ブラケット固定部に連接され、
前記第2の回転軸部は前記第1の回転軸部に枢設され、第1の位置と第2の位置の間で移動可能であり、
前記第2の回転軸部が前記第2の位置に位置するときの前記ブラケット固定部からの距離は、前記第2の回転軸部が前記第1の位置に位置するときのブラケット固定部からの距離よりも遠く、
前記多段位置決めセットは、前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部の間の一時的な位置決めに用いられ、
前記スプリングは、その両端がそれぞれ前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部に接し、前記第2の回転軸部が前記第1の位置のとき、前記スプリングは第1の変形量を有し、
前記第2の回転軸部が前記第2の位置に位置するとき、前記スプリングは第2の変形量を有し、前記第1の変形量は前記第2の変形量より小さく、
前記装置固定部は前記第2の回転軸部に連接される。
また、前記多段位置決めセットは第1の位置決め部と第2の位置決め部を備え、
前記第1の位置決め部は前記第1の回転軸部に連接されると共に、第1のマッチング部を含み、
前記第2の位置決め部は前記第2の回転軸部に連接されると共に、第2のマッチング部を含み、前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部の間の暫定的な位置決めのために、前記第1のマッチング部と前記第2のマッチング部は前記複数の位置決め点で相互にマッチングされ、
前記第2のマッチング部は、前記第1の位置決め部に面する前記第2の位置決め部の第2の表面上に位置する複数の凹部を含み、
前記第1のマッチング部は弾性セットを含み、前記弾性セットは前記第2の位置決め部に面する前記第1の位置決め部の前記第1の表面上に位置すると共に、常態的に前記第1の表面から突出する。
【0009】
更に、第1の回転軸部と、第2の回転軸部と、多段位置決めセットと、スプリングとを備えた回転軸機構であって、
前記第2の回転軸部は前記第1の回転軸部に枢設され、第1の位置と第2の位置の間で移動可能であり、前記第2の回転軸部が前記第1の位置に位置するとき、前記第1の回転軸部は前記第2の回転軸部との間で第1の夾角を形成し、
前記第2の回転軸部が前記第2の位置に位置するとき、前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部の間には第2の夾角が形成され、前記第1の夾角は前記第2の夾角より狭く、
前記多段位置決めセットは、前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部の間に連接され、前記多段位置決めセットは複数の位置決め点を含み、前記複数の位置決め点は前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部の間の一時的な位置決めのために用いられ、
前記スプリングは両端がそれぞれ前記第1の回転軸部と前記第2の回転軸部に接し、前記第2の回転軸部が前記第1の位置に位置するとき、前記スプリングは第1の変形量を有し、
前記第2の回転軸部が前記第2の位置に位置するとき、前記スプリングは第2の変形量を有し、前記第1の変形量は前記第2の変形量より小さい。
【0010】
また、前記多段位置決めセットは第1の位置決め部と第2の位置決め部を含み、
前記第1の位置決め部は前記第1の回転軸部に連接し、前記第1の位置決め部は第1のマッチング部を含み、前記第1のマッチング部は弾性セットを含み、
前記弾性セットは前記第2の位置決め部に面する前記第1の位置決め部の前記第1の表面上に位置すると共に、常態的に前記第1の表面から突出し、
前記第2の位置決め部は前記第2の回転軸部に連接され、第2のマッチング部を含み、
前記第2のマッチング部は前記第1の位置決め部に面する前記第2の位置決め部の第2の表面に複数の凹部を含む。
【0011】
また、他の実施形態では、前述のブラケットは、第1のヒンジを更に含み、第1のヒンジは、第1のロッド部と第2のロッド部を含む。第1のロッド部は第2のロッド部に枢設され、第1のロッド部は第2の回転軸部に接続され、第2のロッドは装置固定部に接続される。
【0012】
第1の回転軸機構と第2の回転軸機構は選択的に第1の位置と第2の位置の間で移動させることが可能であり、弾性セットは凹部の一つにロックされ、第1の回転軸機構と第2の回転軸機構の間に一時的な位置決めを提供する。
【0013】
弾性セットはバネとボールを含む。バネは第1の表面に位置する。ボールはバネに連接されて状態的に第1の表面から突出する。ボールは選択的に凹部の一部に係合し、第1の回転軸部と第2の回転軸部の間の暫定的な位置決めのために用いられる。
【0014】
実施形態において凹部の一部は第2の表面に面取りが形成される。実施形態において、凹部において少なくとも2個の面取りが形成され、これらの面取りは深さを有し、第2の回転軸部が第1の位置のとき、ボールが嵌め込まれる凹部の深さを第1のサイズと呼ぶ。第2の回転軸部が第2の位置のとき、ボールが嵌め込まれる凹部の深さを第2のサイズと呼ぶ。
【0015】
実施形態に基づいて弾性セットは第1の固定柱と板バネ(板状の金属等を弾性が得られるように中央部が突起するように折り曲げたもの)を含む。第1の固定柱は第1の表面に位置する。板バネの一端は第1の固定柱に対応し、且つ板バネは常態的に第1の表面に突き出ており、板バネは選択可能に凹部の一つに嵌められ、第1の回転軸部と第2の回転軸部の暫定的な位置決めを提供する。
【0016】
本実施形態によれば、板バネの一端は溝孔を含む。溝孔のサイズは、第1の固定柱のサイズよりも大きい。
【0017】
本実施形態において、弾性セットは更に第2の固定柱を含む。第2の固定柱は第1の表面内に位置する。板バネの他端は第2の固定柱に対応するように設けられる。
【0018】
本実施形態において、板バネの一端は第1の固定柱に固定される。板バネの他端は第2の固定柱に固定される。
【0019】
実施形態において、第1のマッチング部は板バネである。第2のマッチング部は扇形の歯車である。扇形の歯車は戻り止め歯を有し、前記板バネは選択的に戻り止め歯の一つに嵌り、第1の回転軸部と第2の回転軸部の間の一時的な位置決めを提供する。
【0020】
実施形態において、扇形の歯車は更に位置決め歯を有する。位置決め歯は戻り止め歯に隣接し、且つ、位置決め歯は扇形の歯車の前記第2の位置に相対的に近い一端に位置する。位置決め歯の歯の高さは、前記複数の戻り止め歯の歯の高さより高い。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明の実施形態は少なくとも以下の効果の何れか一つ以上を奏する。
【0022】
(1)回転機構におけるスプリングと多段位置決めセットの組み合わせにより、回転軸機構は一時的な位置決め状態となり、回転機構閾値を超えたときに、戻り動作が発生する。
【0023】
(2)ブラケットに少なくとも一つの回転軸機構を設け、ブラケットの箇所には一時的な位置決め状態が発生し、回転閾値を超える力を受けたとき、回復する動作が発生して折りたたまれる。これにより、ブラケットは回転軸機構が直ぐに元の伸ばされていない状態に戻るので、後部座席に座ったユーザがブラケットに衝突して怪我をする可能性が低くなる。
【0024】
(3)電子装置セットは少なくとも一つのブラケットと電子装置を含み、電子装置セットには一時的な位置決め状態が発生する、そして、車が衝突したり、急ブレーキをかけたりした等の状況下で後部座席の乗客が電子装置セットに衝突すると、回転閾値を超えた力を受けて、その結果、ブラケットは収縮するように動作する。このため、電子装置セットは、後部座席の乗客が衝突すると、回転軸機構が直ぐに元の伸ばされていない状態に戻るので、後部座席に座ったユーザがブラケットに衝突しても怪我をする可能性が低くなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1C】電子装置セットの側面図であり、第1の夾角θ11を形成している状態を示した図である。
【
図1D】電子装置セットの側面図であり、第2の夾角θ2を形成している状態を示した図である。
【
図1E】電子装置セットの側面図であり、第2の夾角θ3を形成している状態を示した図である。
【
図2A】実施形態に基づいた回転軸機構の斜視分解図である。
【
図2B】
図2Aの実施形態に基づいた多段位置決めセットの要部断面図である。
【
図2C】多段位置決めセットの第2のマッチング部の斜視図である。
【
図2D】多段位置決めセットの第2のマッチング部の斜視図である。
【
図2E】多段位置決めセットの第2のマッチング部の斜視図である。
【
図3A】実施形態に基づいた回転軸機構の斜視分解図である。
【
図3B】
図3Aの実施形態に基づいた多段位置決めセットの要部断面図である。
【
図3C】多段位置決めセットの第2のマッチング部の斜視図である。
【
図4A】実施形態に基づいた回転軸機構の斜視分解図である。
【
図4B】
図4Aの実施形態に基づいた多段位置決めセットの要部断面図である。
【
図4C】
図4Aの実施形態に基づいた多段位置決めセットの要部断面図である。
【
図4D】
図4Aの実施形態に基づいた多段位置決めセットの要部断面図である。
【
図4E】多段位置決めセットの第2のマッチング部の平面図である。
【
図5A】実施形態に基づいた電子装置セットの斜視図である。
【
図5B】電子装置セットの側面図であり、第1の夾角θ1を形成している状態を示した図である。
【
図5C】電子装置セットの側面図であり、第2の夾角θ2を形成している状態を示した図である。
【
図6A】実施形態に基づいた電子装置セットの斜視図である。
【
図6B】電子装置セットの側面図であり、第1の夾角θ1を形成している状態を示した図である。
【
図6C】電子装置セットの側面図であり、第2の夾角θ2を形成している状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の詳細な特徴と利点を以下の実施形態で詳細に説明する。そして、その内容は、当業者であれば本発明の技術的内容を理解し、実施することができる。そして、本明細書に記載された内容、特許出願の範囲、及び図面を参照すれば、当業者であれば本発明の実施形態の目的と優れた効果を容易に理解することができる。
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態を説明する。
図1Aを参照して本発明の実施形態を説明する。ここで、
図1Aは電子装置セットの斜視図である。電子装置セット10aはブラケット10aと電子装置30を含む。ブラケット10aの一端(後述する装置固定部18の開放端側)は電子装置30を装着し得る。
【0028】
電子装置30はモバイル装置(例えば、スマートフォンやタブレットPC)、ディスプレイ装置(表示画面)或いは液晶テレビである。固方法はこれには限定されず、例えば、後述する
図1Bのように車の座席40のヘッドレスト連接ロッド42に取り付けても良い。
【0029】
上述の接続方法は固定しても良く或いは軸に対して嵌め合わせるような物理的な接続方式であるが、これには限られない。このような電子装置セットは、自動車の後部座席の娯楽システムで使用される。なお、異なる電子装置30と(後述する)装置固定部18の接続により、異なる目的を達成し、異なる機能を奏する。
【0030】
若しくは、電子装置セットは電子装置30の表示、サポート、支援等の他の目的の何れか一つ以上に使用することができ、これらもまた本発明の実施形態の適用範囲のものである。
【0031】
ブラケット10aは、ブラケット固定部12と、回転軸機構20と、装置固定部18を備える。回転軸機構20の一端はブラケット固定部12に接続され、回転軸機構20の他端は装置固定部18に接続される。
【0032】
回転軸機構20を介して、ブラケット固定部12と装置固定部18を互いに近接するように又は離間するように配置することができる。また、装置固定部18とブラケット固定部12は、それぞれ異なる装置と固定部に接続することができ、ブラケット10aは、異なる目的と機能を有することができる。
【0033】
例えば、ブラケット10aの装置固定部18がヘッドレストに接続されている場合、ブラケット10aはヘッドレスト用のブラケットである。
【0034】
デバイス固定部18がファンに接続されている場合、ブラケット10aはファン用のブラケットである。デバイス固定部18が衛生カートンに接続されている場合、ブラケット10aは衛生カートン用のブラケットである。さらに、ブラケット10aは、ロボットアーム、自動化された製造、検査装置等の分野にも適用することができる。
【0035】
本実施形態によれば、ブラケット固定部12は、固定部(例えば、後述する
図1Bの車の座席40のヘッドレスト連接ロッド42)に取り外し可能に固定され、複数回の繰り返しの使用を支援できる。
図1Aでは、ブラケット固定部12の両端には、固定部(例えば、後述する
図1Bの車の座席40のヘッドレスト連接ロッド42)に取り外し可能にクランプされる断面視が略C字型の凹溝が設けられている。
【0036】
回転軸機構20は、第1の回転軸部22、第2の回転軸部24、多段位置決めセット26a、スプリング28を備える。
【0037】
図1Aに示すように、第1の回転軸部22はブラケット固定部12に接続される。第2の回転軸部は第1の回転軸部22に枢設される。また、第2の回転軸部
24は第1の位置と第2の位置の間で移動可能である。即ち、第2の回転軸部24と第1の回転軸部22は互いに相対的に回転することができる。
【0038】
第2の回転軸部24が第1の位置のとき、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24の間には第1の夾角が形成される。第2の回転部24が第2の位置のとき、第1の回転軸部22は第2の回転軸部24との間に第2の夾角が形成される。ここで、第1の夾角は第2の夾角より狭い。
【0039】
第1の夾角と第2の夾角についての定義は次のとおりである。回転軸機構20は2つのアームを有し、各アームはそれぞれ第1の回転軸部22と第2の回転軸部24に接続されている。第2の回転軸部24が第1の位置にあるとき、2つのアームの間には第1の夾角が形成される。
【0040】
第2の回転軸部24が第2の位置のとき、これら2つのアームの間には第2の夾角が形成される。具体的には、
図1Bと、
図1Dと、
図2Aを参照して説明する。
図1Bと
図1Dは電子装置セットの側面図である。また、
図2Aは実施形態に基づいた回転軸機構20の斜視分解図である。
【0041】
図1B、
図2Aにおいて、回転軸機構20の2つのアームはそれぞれブラケット連接ロッド122と第1のロッド部142である。ブラケット連接ロッド122と第1のロッド部142は、それぞれ
図2Aに示すように、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24に連接される。ブラケット連接ロッド122は長軸L1を有する。第1のロッド部は長軸L2を有する。
【0042】
第2の回転軸部24が第1の位置のとき、これら2つの長軸L1、L2の間には第1の夾角θ1(
図1Bを参照)が形成される。第2の回転軸部24が第2の位置のとき、これら2つの長軸L1、L2の間には第2の夾角θ2(
図1Dを参照)が形成される。
図1Bと
図1Dに示すように、第1の夾角θ1は第2の夾角θ2より狭い。
【0043】
若しくは、回転軸機構20がアーム若しくは2つのアームを具備せず、ロッド状又は柱状のとき、第1の夾角と第2の夾角は、回転軸機構20、その他の回転軸機構、ヒンジ、又は装置固定部18によって接続されたブラケット固定部12の中心または中心との間の接続によって定義することができる。
【0044】
図1Cと
図2Aを参照して具体的に説明する。ここで、
図1Cは電子装置セットの側面図であり、第1の夾角θ11を形成している状態を示した図である。
図1Cに示すように、回転軸機構20はブラケット122と第1のヒンジ14にそれぞれ接続される。ブラケット連接ロッド122と第1のヒンジ14は、
図2Aに示すように、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24にそれぞれ接続される。
【0045】
回転軸機構20は
図1Cに示すように円心C0を有する。ブラケット固定部12は中心C1(例えば幾何学的中心又は重心)を有する。第1のヒンジ14は円心C2を有する。円心C0と中心C1を結んだ線(即ち、
図1Cの長軸L1である。以下「連線」ともいう。)は、円心C0と円心C2を結んだ線(即ち
図1Cにおける長軸L2)との間に夾角を形成する。
【0046】
図1Cの第1の位置のとき、2本の連線の間には第1の夾角θ11が形成される。これに対し、第2の位置はこの定義によれば2本の連線の間に上述のようにして第2の夾角を形成するが、ここでは詳細には説明しない。
【0047】
図1Bと
図1Dを同時に参照して説明する。ここで、
図1Dは電子装置セットの側面図であり、第2の夾角θ2を形成している状態を示した図である。換言すると、
図1Bと
図1Dは回転軸機構20の少なくとも2つの位置決め点(第1の位置と第2の位置)の間の角度範囲を例示している。
【0048】
若しくは、回転軸機構20は3個、或いは更に多くの位置決め点を有していても良い。
図1Eを参照して説明する。ここで、
図1Eは、電子装置セットの側面図であり、第2の夾角θ3を形成している状態を示した図である。
図1Eにおいて、2つの長軸L1、L2の間には第2の夾角θ3が形成される。
図1Eの第2の夾角θ3は
図1Dに示す第2の夾角θ2より広い。
【0049】
図1B、
図1D、
図1Eを同時に参照して説明する。第2の回転軸部24は
図1B、
図1Dから、
図1Eに示す状態まで移動するとき、第2の回転軸24は少なくとも3つの位置決め点を経ることとなる。すなわち、第1の位置から回転して夾角がやや広い第2の位置を経て、その後に、更に旋回して夾角が更に広い第2の位置に移動する。
【0050】
換言すると、
図1B、
図1D、及び
図1Eは、回転軸機構20の少なくとも3個の位置決め点(第1の位置に加えて2種類の第2の位置)の間の角度範囲を例示している。これにより、
図2に示す第2の回転軸部24はこれらの特定の位置の間で第1の回転軸部22と相対的に回転して、多段階の回転軸の機能を発揮できる。
【0051】
また、第2の回転軸部24の第1の位置と第2の位置は相対的な位置関係にあり、絶対的な位置関係ではない。換言すると、上述の夾角の大きさに基づいて、相対的に第1の位置か第2の位置かが判断される。
【0052】
具体的には、
図1Dと
図1Eに示すように、
図1Dの第2の夾角θ2は
図1Eの第2の夾角θ3より狭い。このため、
図1Dの第2の回転軸部24は、
図1Eの第2の回転軸部24に対して第1の位置に相当する位置に配置されており、
図1Eの第2の回転軸部24は第2の位置に相当する位置に配置されている。
【0053】
換言すると、
図1Dと
図1Eは、回転軸機構20の少なくとも2個の位置決め点(相対的な第1の位置と相対的な第2の位置)の間の角度範囲を例示している。これにより、第2の回転軸部24はこれらの特定の相対的な位置の間で第1の回転軸部22に対して回転して、多段階の、且つ異なる位置に形成された戻り止めの中から選択して調整することができる。
【0054】
図2Aを参照されたい。
図2Aは、複数の実施形態による回転軸機構20aの分解斜視図である。スプリング28は、復元力を有するねじりばね又は他の弾性セットである。スプリング28の両端は、それぞれ、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24に接している。
【0055】
第2の回転軸部24が第1の位置のとき、スプリング28は第1の変形量を有する。第2の回転軸部が第2の位置のとき、スプリング28は第2の変形量を有する。第1の変形量は第2の変形量より小さい。このため、スプリング28は自動的に変形量が大きい第2の変形量から変形量が小さい第1の変形量に戻ろうとする力が働く。
【0056】
すなわち、スプリング28が開放されたとき、スプリング28は第2の位置から第1の位置に回復しようとする力が働き、第2の回転軸部24を第2の位置から第1の位置の方向へ回転させる動作をさせる。
【0057】
また、スプリング28は第2の回転軸部24に接し、第1の位置と第2の位置の間は正常に旋回でき、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24は構造上適切に調整できる。
【0058】
この実施形態において、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24はそれぞれアームを有する。スプリング28は、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24の外部に延伸するアームにそれぞれ接する。
【0059】
このため、第2の回転軸部24は第1の位置と第2の位置の間で回転するとき、これらの外へ向かって延伸するスプリング28は動作に干渉する。
【0060】
そして、スプリング28が動作に干渉するのを防ぐため、
図2Aでは、第1の回転軸部22の第2の回転軸部24に近い側の外壁には回転軸スロット222が形成される。
【0061】
回転軸スロット222は、第2の回転軸部24とスプリング28の第1の位置と第2の位置との間の回転軸トラックに沿って配置される。
【0062】
また、回転軸スロット222は例えば閉じられた溝である。すなわち、回転軸トラックの方向に沿ってのみ移動できる。また、開放式の凹溝(回転軸トラックに沿った方向以外にも移動することが可能)であても差し支えなく、これらには限られない。
【0063】
これにより、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24を適切に調整することにより、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24は、スプリング28の機能である復元力によって多段階に回転角度を調整することができる。
【0064】
多段位置決めセット26aは、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24に接続されている。上記の接続方法は、固定接続又は回転軸接続等の物理的接続方法であり得るが、これには限定されない。例えば、多段位置決めセット26aは、スリーブ(boss)柱を有する第2の回転軸部24に設けられる。
【0065】
次に、ねじを第1の回転軸部22からスリーブ柱に通して第2の回転軸部24をロックし、次に第1の回転軸部22、多段位置決めセット26aと第2の回転軸部24を接続する。
【0066】
さらに、多段位置決めセット26aは、複数の位置決め点を含み、各位置決め点は、第1の回転軸部22に対する第2の回転軸部24の一時的な位置決めのために用いられる。
【0067】
前述の一時的な位置決めは、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24を一時的に容易には動かないようにすることを意味する。すなわち、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24との間には一時的には相対的な動作、つまり回転は生じない。
【0068】
第1の回転軸部22と第2の回転軸部24との間の回転しようとする力の量が回転閾値以下である場合、多段位置決めセット26aは、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24を一時的に位置決めすることができる(例えば、第2の回転軸部24は、第1の位置又は第2の位置に配置されている)。
【0069】
第1の回転軸部22と第2の回転軸部24との間の間に生ずる回転しようとする力の量(以下、「総回転力」ともいう。)が回転閾値よりも大きくなった場合、第1の回転部材22と第2の回転部材24との間の一時的な位置決め状態は解除され、第2の回転軸部は、一時的な位置決めの力よりも回転しようとする力の方が量的に上回り、回転する。
【0070】
前述の第1の位置(例えば、
図1Bの第1の夾角θ1、又は
図1Cの第1の夾角θ11)は、通常、不使用状態又は折り畳まれた状態であり、
図1Eに示す第2の位置(例えば、第2の夾角θ3)は使用状態又は
図2Aのブラケット固定部122と第1のロッド部142が一直線に近い状態に伸ばされた状態である。なお、第2の回転軸部24は、第1の位置であろうと、第2の位置であろうと、一時的にのみ配置される。
【0071】
総回転力は、第2の回転軸部24を第1の位置から第2の位置に回転させる力、又は第2の回転軸部24を第2の位置から第1の位置に回転させる力であり得る。前述の回転閾値は、多段位置決めセット26aによって、位置決め点での第1の回転軸部22と第2の回転軸部24との間の容易には動かせない位置決めに提供されるグリップ力を指す。
【0072】
次に、
図1Bと
図1Dを参照して説明する。電子装置30の重量と、第2の回転軸部24の重量によって発生する回転力(以下、重量回転力という)とスプリング28による復元力との合計が、「総回転力」となる。
【0073】
第2の回転軸部24が一時的に第1の位置(
図1Bに示す)又は第2の位置(
図1Dに示す)に配置されるとき、総回転力は当該グリップ力(つまり、回転閾値)以下である。
【0074】
そして、ユーザが体の一部を衝突させる等して外力を加えて第2の回転軸部24を第1の位置(
図1B)から第2の位置(
図1D)に回転させたとき、「総回転力」は、当該外力、重量回転力、スプリング28の復元力の合計となる。
【0075】
そして、「総回転力」が回転閾値よりも上回った場合、「総回転力」は一時的な位置決めを解消する。したがって、第2の回転部材24は、ユーザによって第2の位置に回転する(
図1D)。
【0076】
このような場合には、ユーザによって加えられる外力は、第2の回転軸部24を第2の位置(
図1D)に回転させるために、スプリング28による復元力とグリップ力の合計よりも更に高いことが必要である。
【0077】
同様に、第2の回転軸部24が第2の位置(
図1D)にあり、ユーザが第2の回転軸部24を第1の位置(
図1B)に回転させたい場合、ユーザが加える外力はスプリング28による復元力と方向が同じであるため、小さな外力で第1の位置(
図1B)に回転させることができる。
【0078】
第2に、車両が正常に走行しているとき(要するに事故を起こしたり、急ブレーキをかけて後部座席のユーザが衝突していないとき)、は「総回転力」も回転閾値値以下であるので、第2の回転軸部24は、一時的に第1の位置(
図1B)又は第2の位置(
図1D)に位置する。
【0079】
第2の回転軸部24が一時的に第2の位置(
図1D)に位置しているときに、車両が急ブレーキをかけたり、前方の車両や電信柱に衝突等すると、ユーザは、自己の真正面に位置する電子装置30若しくは第2の回転軸部24等に衝突する場合がある。
【0080】
そして、不運にもこれら衝突等の不測の事態が発生してしまった場合には、「総回転力」が回転閾値よりも大きくなり、「総回転力」は一時的な位置決めを解消し、スプリング28による復元力で第2の回転軸部24を第1の位置(
図1B)に回転させる。
【0081】
したがって、多段位置決めセット26aを介して、第2の回転軸部24は、これらの特定の位置(すなわち、異なる位置である第1の位置と第2の位置)の間で一時的に、且つ、多段式に移動することができる。
【0082】
甚だしきに至っては、第2の回転軸部24が受ける大きさの異なる外力のために、第1の回転軸部22に対して更に回転することができ、多段回に、そして一時的な位置決めの機能を実現し得る。
【0083】
また、多段位置決めセット26aとスプリング28を回転軸機構20に組み合わせることにより、ブラケット10aは、第1の位置と第2の位置との間で多段階に往復可能に回転(第1の位置から第2の位置へ回転し、又は、第2の位置から第1の位置へ回転する)し、且つ位置決めすることができる。
【0084】
このように、本発明の実施形態によって提供されるブラケット10aは、ユーザフレンドリーでより安全な後部座席用の娯楽システムのブラケットとして使用することができる。また、ブラケット10aに取り付けられた電子装置セットは、例えば、よりユーザフレンドリーな操作性と優れた安全性を備えた後部座席娯楽用のシステムとして利用できる。
【0085】
再度
図2Aを参照して説明する。多段位置決めセット26aは、第1の位置決め部262aと第2の位置決め部264aを含む。第1の位置決め部262aは、一端が第1の回転軸部22に接続され、第1の位置決め部262aは第1のマッチング部材2622aを含む。
【0086】
第2の位置決め部264aは第2の回転軸部24に接続されている。第2の位置決め部264aは第2のマッチング部2642aを備える。第1のマッチング部2622aと第2のマッチング部2642aは、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24との間に一時的な位置決めを提供するように、位置決め点で互いに係合する。
【0087】
上記の接続方法は、固定接続又は回転接続とすることができるが、これ等には限定されない。例えば、第1の位置決め部262aは第1の回転軸部22に固定されることにより、その他の相対的な移動はしない。第2の位置決め部264aは第1の位置決め部262aと同じ方法で第2の回転軸部24に固定される。したがって、ここでは詳細な説明は割愛する。
【0088】
これにより、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24は、第1のマッチング部2622aと第2のマッチング部2642aによって位置決め点でロックされ、多段位置決めと回転の機能を達成することができる。
【0089】
本実施形態によれば、第1のマッチング部2622aは、弾性セット(符号なし)を含む。弾性セットは第2の位置決め部264aに面する第1の位置決め部262aの第1の表面上に配置され、弾性セットは常態的に第1の表面から突出している。
【0090】
第2のマッチング部2642aは、第1の位置決め部262aに面する第2の位置決め部264aの第2の表面に配置された凹部を含む。ここで、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24が第1の位置又は第2の位置に選択的に配置されると、弾性セットは、凹部(窪み)の1つに係合(ロック)する。
【0091】
より具体的には、弾性セットは、ばねとボールの組み合わせ、板バネ(又はばね部)と固定支柱の組み合わせであってもよい。また、凹部は、くぼみ、凹孔、凹溝、又はこれらの任意の組み合わせであっても良い。くぼみは、例えばピットであり得る。凹孔は、例えば、貫通穴、貫通していない孔、又はこれらの任意の組み合わせであり得る。
【0092】
凹溝は例えば溝の幅、溝の深さ、溝内の形状、又は溝の底の形状が制限されていない溝であり得る。凹溝は更に細長い形状(長い形状)の溝と放射状の溝(一方の端から他方の端まで幅が増加又は減少する溝など)を含む。
【0093】
また、「常態的に外側に突出している」との表現における「状態的に」とは、弾性セットが凹部の位置決め点に固定された状態を指す。一方、「非状態的」は、弾性セットが第1の表面で突出できずに潰れた(縮んだ)状態であることにより、第1の表面と同一平面(第1の表面で潰れて縮んだ状態)にはあるものの、凹部による位置決め点に係合できていない状態を指す。
【0094】
このように、弾性セットは、弾性閾値を超える力を受けると、弾性セットの形状が潰れて縮んだ状態に変形して、位置決め点の凹部から離脱する。これにより、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24は、第1のマッチング部2622aと凹部の位置決め点によって係合することができ、多段位置決めと回転の機能を達成する。
【0095】
ここで、前述の弾性閾値は、弾性セットの弾性係数を調整することにより変更することができる。また、上記の凹部は、少なくとも弾性セットの弾性係数(弾性閾値に影響する)に基づいて形成される。また、凹部は弾性セットの弾性係数に加えて、スプリング28の弾性係数に基づいて形成される。
【0096】
より詳細には、本実施形態によれば、上記の凹部は、異なる深さ、幅、面取り、又はそれらの任意の組み合わせを有し、その結果、相互に係合した弾性セットは、凹部に部分的に嵌合するため、異なる弾性閾値を提供することができる。
【0097】
たとえば、種々の深さの凹部に弾性セットを収容することによって生ずる弾性セットの変形量は、その弾性係数によって変動する。そして、種々の異なる弾性閾値を更に提供することができ、種々の異なる回転閾値を提供することができる。
【0098】
弾性閾値が大きいほど、復元力と回転閾値への影響が大きくなる。したがって、弾性閾値が高い第2の回転軸部24を回転させるためには、第2の回転軸部24に更に強い外力を加える必要がある。
【0099】
このように、凹部と弾性セットの相対的な配置を調整することにより、弾性セットの弾性閾値を変更することができ、各位置決め点における上述の多段位置決めセット26aのクランプ力(すなわち、外力によって第2の回転軸部24を回転させることの難易度)を調整することができる。
【0100】
図2Bを参照して説明する。ここで、
図2Bは、
図2Aの実施形態に基づいた多段位置決めセット26aの要部断面図である。
図2Bにおいて、第2のマッチング部2642aとしての凹部は、くぼみ、凹孔(貫通孔又は貫通していない孔)又はそれらの任意の組み合わせである。
【0101】
第1のマッチング部2622aとしての弾性セットは、バネ2624aと円形ビーズ2626aを含む。バネ2624aは第1の表面に配置され、円形ビーズ2626aはバネ2624aに接続されているため、円形ビーズ2626aは常態的に第1の表面から突出している。
【0102】
さらに、円形ビーズ2626aは、各凹部と実質的に一致し、円形ビーズ2626aが各位置決め点の凹部に対して相対的に回転するとき、ボール2626aは、凹部の1つに選択的に係合することができる。
【0103】
より具体的には、
図2Bにおいて、第2の位置決め部264aが左に向いた矢印の方向(以下、移動方向という)に回転するとき、円形ビーズ2626aは、凹部の外縁の隆起により、上に向いた白抜き矢印の方向(つまり、潰れて収縮する方向。以下、「収縮方向」という)の力を受ける。
【0104】
次に、ボール2626aとバネ2624aは、「収縮方向」に潰れるように収縮して変位する。次に、第2の位置決め部264aが次の位置決め点の凹部まで回転し続けると、円形ビーズ2626aは、バネ2624aの復元力によって再び作用を受ける。
【0105】
次に、円形ビーズ2626aとバネ2624aは、「収縮方向」とは反対の方向へ戻るよう変位する。このようにして、円形ビーズ2626aは再び次の位置決め点の凹部に係合する。
【0106】
本実施形態では、第1のマッチング部2622aの弾性セットの数とこれに対応する構成は、本願では特に限定されない。すなわち、本発明の実施形態では、少なくとも1組の弾性セットを有する。なお、2セットの弾性セット(たとえば、180度、つまり1つの平面を2等分)、又は3セットの弾性セット(たとえば、120度、つまり1つの平面を3等分)等であっても差し支えない。
【0107】
実施形態に基づくと、
図2Aの一部又は全部の凹部は第2の表面に面取りが形成される。次に、
図2Cを参照して説明する。ここで、
図2Cは多段位置決めセット26aの第2のマッチング部2642aの斜視図である。
【0108】
図2Cに示すように、第2の表面(
図2Cにおいて上側の面)の各凹部にはいずれも面取りが形成されている。
【0109】
次に、
図2Dを参照して説明する。
図2Dは多段位置決めセット26aの第2のマッチング部2642bの斜視図である。
図2Dの第2の位置決め部264bの第2のマッチング部2642bには、一つおきに面取りが形成された凹部が形成されており、面取りが形成された凹部同士の間には面取りされていない凹部が形成されている。
【0110】
面取りの寸法(幅、深さ、角度等)は次のように決定される。
図2Bを参照すると、第2の位置決め部264aの凹部の面取りは、左に向いた黒い矢印の方向の面取りの幅を有する。
【0111】
凹部の面取りは、上に向いた白抜き矢印の方向とは反対の方向へ所定の深さに面取りされている。さらに、異なる面取りの深さ、幅によって、異なる面取りの角度、例えば面取りの深さと幅によってアークタンジェント(arctangent)を形成することができる。
【0112】
上述のように、凹部の面取りを変更することにより、弾性閾値を更に調整することができる。そして、凹部の面取りが同一である場合には、当該同一の凹部同士の弾性閾値も実質的に同じとなる。つまり、これらの凹部は、回転閾値に対する寄与が実質的に同じとなる。
【0113】
逆に、凹部に異なる面取りがある場合、凹部は異なる弾性閾値と異なる回転閾値を生じさせる。たとえば、凹部の面取りの深さを変更して、面取りの深さを更に深くした場合、この深い凹部がより大きな弾性閾値値と回転閾値を提供できる。
【0114】
このため、回転閾値を超えて、第2の回転軸部24が回転できるようにするためには、より大きな外力(例えば、急ブレーキをかけるなり、電信柱に衝突するなりする。)を加える必要がある。凹部の面取りの構成を調整することにより、異なる位置決め点の凹部は、強度が異なる係合の効果を提供することができる。
【0115】
図2Eを参照して説明する。
図2Eは多段位置決めセット26aの第2のマッチング部2642cである。
図2Eの第2の位置決め部264cの第2のマッチング部2642cは少なくとも2個の凹部の第2の表面が面取りされており、各面取りされた箇所は所定の深さに形成されている。
【0116】
第2の回転軸部24が第1の位置に位置する場合、円形ビーズ2626aによって係合している凹部の深さは、第1の寸法(すなわち、第1の深さ)である。一方、第2の回転軸部24が第2の位置にあるとき、ボール2626aによって係合している凹部の深さは、第2の寸法(すなわち、第2の深さ)である。
【0117】
第1の寸法は第2の寸法よりも大きい。たとえば、第1の位置の第1の寸法は0.5mmで、第2の位置の第2の寸法は1.5mmである。このようにすると、第2の位置にある円形ビーズ2626aは、第2の寸法の凹部よりもより係合し難い(面取り深さが浅く、弾性閾値が低い)。
【0118】
このため、回転プロセスでは、円形ビーズ2626aは、外力によって第2の位置(1.5mmの凹部)から第1の位置に容易に回転して戻る。
【0119】
逆に、第1の位置にある円形ビーズ2626aは、0.5mmもある第1の寸法の凹部に対して強い力で係合しているので(面取りの深さがより深く、その結果、弾性閾値が高い)、回転プロセスにおいて、円形ビーズ2626aが第2の位置に回転して戻るにはより強い力が必要となる。
【0120】
図3Aから
図3Bを同時に参照して説明する。ここで、
図3Aは実施形態に基づいた回転軸機構20dの斜視分解図である。また、
図3Bは、
図3Aの実施形態に基づいた多段位置決めセット26dの要部断面図である。
【0121】
図2Aの回転軸機構20aと比較して、
図3Aの回転軸機構20dの違いは、回転軸機構20dの第1の位置決め部262dが、異なる第1のマッチング部2622d(弾性セット)を有することと、第2の位置決め部264dが異なる第2のマッチング部2642d(凹部)を有する点にある。
【0122】
図3A及び
図3Bでは、凹部は、くぼみ、凹溝(細長い形状の溝、放射状の溝又はそれらの任意の組み合わせ等)、又はそれらの任意の組み合わせである。弾性セットは、板バネ2624dと第1の固定柱2626dを含む。
【0123】
第1の固定柱2626dは第1の表面に位置する。また、板バネ2624dの一端は第1の固定柱2626dに対応して配置されているため、常態的に板バネ2624dは第1の表面から突き出る。
【0124】
さらに、板バネ2624dは、各凹部と実質的に一致しており、板バネ2624dが各位置決め点の凹部に対して相対的に回転するとき、板バネ2624dは、凹部の1つに選択的に係合する。
【0125】
より具体的には、
図3Bを参照すると、本実施形態によれば、第2の位置決め部264dが左へ向いた黒い矢印の方向(以下、移動方向と呼ぶ)に回転するとき、板バネ2624dは、凹部の外縁の隆起によって、白抜きの矢印の方向(つまり、左上に上昇しつつその後左向きに移動する。(以下、潰れて収縮する方向。以下、「収縮方向」という)の力を受ける。
【0126】
そして、板バネ2624dは、「収縮方向」に潰れて収縮するように変位する。その後、第2の位置決め部264dが次の位置決め点の凹部に回転し続けると、板バネ2624d自体の復元力により、板バネ2624dが作用して、板バネ2624dは、「収縮方向」とは反対の方向に戻るように変位する。したがって、板バネ2624dは、次の位置決め点の凹部に再び係合する。
【0127】
本実施形態では板バネ2624dの一端は溝孔を含む。溝孔は、第1の固定柱2626dに対応して配置され、その結果、ばね2624dのこの端部は、自由端または固定端となる。本実施形態によれば、溝孔のサイズ(例えば、幅)は、第1の固定柱2626dのサイズ(例えば、幅または外径)よりも広い。
【0128】
したがって、板バネ2624dのこの端部は自由端であり、自由に潰れるように収縮し更に復元することができる。または、本実施形態によれば、溝孔のサイズ(例えば、幅)は、第1の固定柱2626dのサイズ(例えば、幅または外径)以下である。
【0129】
板バネ2624dのこの端部は固定端であり、第1の固定柱2626dに実質的に固定されている。ここでの「実質的に固定されている」の意図するところは、板バネ2624dが潰れるように収縮したとしても、第1の固定柱2626dから離脱しないことを意味する。
【0130】
本実施形態によれば、弾性セットは、第2の固定柱2628dを更に含む。第2の固定柱2628dは第1の表面に配置され、板バネ2624dの他端は、第2の固定柱2628dに対応して配置される。本実施形態によれば、溝孔のサイズ(例えば、幅)は、第2の固定柱2628dのサイズ(例えば、幅または外径)よりも広い。
【0131】
したがって、板バネ2624dの他端は自由端であり、自由に潰れるように収縮し更に回復することができる。本実施形態によれば、溝孔のサイズ(例えば、幅)は、第2の固定柱2628dのサイズ(例えば、幅または外径)以下である。したがって、板バネ2624dの他端は固定端であり、第2の固定柱2628dに実質的に固定されている。
【0132】
本実施形態によれば、板バネ2624dの両端は固定端である。 すなわち、板バネ2624dの一端は、第1の固定柱2626dに実質的に固定され、板バネ2624dの他端は、第2の固定柱2628dに実質的に固定されている。
【0133】
図3Bでは、第1の固定柱2626dの上部のサイズ(例えば、幅または外径)は、第1の固定柱2626dの底部のサイズ(例えば、幅または外径)よりも広い。
【0134】
これにより、板バネ2624dが潰れるように収縮し又は復元されても、板バネ2624dは第1の固定柱2626dの上部から分離されない。さらに、第2の固定柱2628dは第1の固定柱2626dと同様の構成でもよいが、これについてはここでは詳細に説明しない。
【0135】
次に、
図3Cを参照されたい。
図3Cは、本実施形態による、多段位置決めセット26dの第2のマッチング部材2642dの斜視図を示している。
図3Cでは、第2のマッチング部材2642dには溝が放射状に設けられている。
【0136】
第2の位置決め部264dの第2の表面の全周には放射状の溝が設けられ、第2の位置決め部264dの外縁にはより高い突起が設けられている。それにより、第2の位置決め部264dの外縁に近い板バネ2624dの放射状の溝は、より良好な係合効果を有する。
【0137】
さらに、本実施形態では、
図2Aの第1のマッチング部2622aの弾性セットと第2のマッチング部2642a(または
図2Dの第2のマッチング部2642b、または
図2Eの第2のマッチング部2642c)の複数の凹部は、交換するように(交互に)配置される。
図3Aの第1のマッチング部2622dの弾性セットと
図3Bの第2のマッチング部2642dの複数の凹部は、交換するように(交互に)配置される。
【0138】
すなわち、本実施形態によれば、
図2Aの第1のマッチング部2622aは、第2の位置決め部264aに面する第1の位置決め部262aの第1の表面上に配置された複数の凹部を含む。
【0139】
第2のマッチング部2642aは、弾性セットを含む。弾性セットは、第1の位置決め部262aに面する第2の位置決め部264aの第2の表面に配置され、常態的に第2の表面から突出している。上記の構成と動作の実施形態は、上述した実施形態と同様なので、ここでは詳述しない。
【0140】
図4Aと
図4Bを参照して説明する。ここで、
図4Aは実施形態に基づいた回転軸機構の斜視分解図である。また、
図4Bは、
図4Aの実施形態に基づいた多段位置決めセット26eの要部断面図である。
【0141】
図4Aと4Bでは、第1の位置決め部262eの第1のマッチング部材2622eは板バネであり、第1の回転軸部22に接続されている。第2の位置決め部264eの第2のマッチング部2642eは歯車(例えば、円の一部の扇形の歯車又は他の形状の歯車)であり、第2の回転軸部24に接続されている。
【0142】
第2のマッチング部2642e(例えば、歯車)は複数の歯ピッチグリップ部2644eを有し、第1のマッチング部材2622e(例えば、板バネ)は、歯ピッチグリップ部2644eのうちの1つに選択的に係合することができる。上記の接続方法は、固定接続又は枢設等の物理的接続方法であり得るが、これには限定されない。
【0143】
これにより、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24は、第1のマッチング部2622eと第2のマッチング部2642eによって位置決め点でロックされ、多段階の位置決めと回転(旋回)の機能を実現し得る。さらに、本実施形態によれば、第1のマッチング部2622eと第2のマッチング部2642eは交換するよう配置することができるが、これには限定されない。
【0144】
本実施形態によれば、第1のマッチング部材2622e(例えば、板バネ)は第1の回転軸部22の外縁に供され、第2のマッチング部2642e(例えば、歯車)は第2の回転軸部24に供される。
図4Aでは、第1のマッチング部材2622eの一端は固定端であり、第1の回転軸部22の外縁に固定的に配置されている。
【0145】
第1のマッチング部材2622eの他方の端部は自由端であり、第1の回転軸部22の外縁に自由に配置されている。第1のマッチング部材2622eの固定端は第1の位置に近い側の端部であり、第1のマッチング部材2622eの自由端は第2の位置に近い端部である。
図4Bの実施形態では、第2のマッチング部2642eは略扇形の歯車である。
【0146】
第2のマッチング部2642e(例えば、扇形の歯車)が第1の位置から第2の位置に相対的に回転するとき、第1のマッチング部材2622e(例えば、板バネ)の自由端には潰れるように収縮する十分な余地がある。したがって、第2のマッチング部2642eは、第1のマッチング部材2622eの自由端を第1の回転軸部22の外縁に沿って潰れるように収縮させるために、相対的に小さい弾性閾値を超える必要があるだけである。
【0147】
逆に、第2のマッチング部2642eが第2の位置から第1の位置に相対的に回転する場合、第1のマッチング部材2622eの固定端は相対的に限られた潰れるように収縮するスペースしか提供できず、第1のマッチング部材2622eの自由端は潰れるように収縮するスペースを提供する必要がある。したがって、第2のマッチング部2642eは、第1のマッチング部材2622eの自由端を第1の回転軸部22の外縁に沿って潰れるように収縮させるために、相対的に大きな弾性閾値を超える必要がある。
【0148】
次に、
図4B乃至
図4Dを参照して説明する。ここで、
図4Cは、
図4Aの実施形態に基づいた多段位置決めセット26eの要部断面図である。また、
図4Dは、
図4Aの実施形態に基づいた多段位置決めセット26eの要部断面図である。
【0149】
図4B及び
図4Cの第1の回転軸部22と第2の回転軸部24は、それぞれ第1の位置と第2の位置に相対するように配置されている。
【0150】
図4Cにおいて、第2のマッチング部2642e(例えば、扇形の歯車)が反時計回りに回転する黒い矢印の方向(以下、移動方向という)に回転すると、第1のマッチング部2622e(例えば、板バネ)は、第2のマッチング部2642eの歯ピッチが上昇することにより、反時計回りの白抜きの矢印の方向(潰れるように収縮方向であり、以下「収縮方向」という。)の力を受ける。
【0151】
次に、第1のマッチング部2622eは、「収縮方向」に収縮するよう変異する。次に、第1のマッチング部2622eが次の位置決め点の歯ピッチまで回転し続けると、第1のマッチング部2622eは、第1のマッチング部2622e自体の復元力の影響を受ける。
【0152】
次に、第1のマッチング部2622eは、「収縮方向」とは反対側の方向に戻るよう変異する。これに基づいて、第1のマッチング部2622eは、次の位置決め点の歯ピッチに再び係合する。
【0153】
次に、
図4Eを参照して説明する。
図4は多段位置決めセット26aの第2のマッチング部2642eの平面図である。
図4Eにおいて、第2のマッチング部2642eは略扇形の歯車である。
【0154】
第2のマッチング部2642e(例えば、扇形の歯車)には、複数の歯ピッチクリップ部2644eが形成される。第1のマッチング部2622e(例えば、板バネ)は、歯ピッチクリップ部2644eの1つに選択的に係合される。
図4Eの実施形態では、第2のマッチング部2642eは歯ピッチ制限部2646eを有する。
【0155】
歯ピッチ制限部2646eは、歯ピッチクリップ部2644eに隣接しており、第2の位置に相対的に近い隣接する第2のマッチング部2642eの一端に配置されている。
【0156】
歯ピッチ制限部2646eの歯の高さは、歯ピッチクリップ部2644eの歯の高さよりも高い。したがって、第1のマッチング部2622eは、弾性閾値を超える力を受けた場合、より高い歯の高さを有する歯ピッチ制限部2646eを通過するために、第1のマッチング部2622eは潰れるように収縮変形した状態となってから通過する。
【0157】
より具体的には、
図4Dにおいて、第2の回転軸部24が第2の位置から第1の位置まで時計回りの矢印の方向に回転するとき、第1のマッチング部2622eは瞬時に弾性閾値を超える力がかかるため、十分な量の潰れるように収縮する力が働き、十分な変形量が生じる。
【0158】
このため、より高い歯の高の歯ピッチ制限部2646eは、収縮した第1のマッチング部2622eを通過して、元の状態に戻った第1のマッチング部2622eを介してリバウンドしなくなる。
【0159】
このようにして、歯ピッチ制限部2646eは、第1のマッチング部2622eが弾性閾値を超える力を受けることを制限防止して、第2のマッチング部2642eが第2の位置に回転することを可能にすることができる。したがって、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24は、位置決めと緩衝の効果を得られる。
【0160】
次に、
図5A乃至
図5Cを参照して説明する。ここで、
図5Aは実施形態に基づいた電子装置セットの斜視図である。また、
図5Bは電子装置セットの側面図であり、第1の夾角θ1を形成している状態を示した図である。更に、
図5Cは、電子装置セットの側面図であり、第2の夾角θ2を形成している状態を示した図である。
図5Bと
図5Cに示すブラケット10bは第1の位置(第1の夾角θ1を有する)と第2の位置(第2の夾角θ2を有する)にそれぞれ対応している。
【0161】
第1の位置と第2の位置は、第1の夾角θ1と第2の夾角θ2の定義を参照することによって判断することができ、第2の回転軸部24に接続された装置連接ロッド182とブラケット固定部12との間の「相対距離」によって判断することもできる。
【0162】
本実施形態によれば、
第2の回転軸部24が第2の位置にあるとき
の装置連接ロッド182とブラケット固定部12との間の距離(
図5Cを参照)は、
第2の回転軸部24が第1の位置にあるとき
の装置連接ロッド182とブラケット固定部12との間の距離よりも遠い(
図5Bを参照)。
【0163】
図5Aでは、電子装置セットは、1つの回転軸機構20のみを有し、回転軸として使用することができる他のヒンジを有さない。
【0164】
回転軸機構20の一端は、ブラケット連接ロッド122を介してブラケット固定部12に接続され、回転軸機構20の他端は装置連接ロッド182を介して装置固定部18に接続される。
【0165】
これにより、回転軸機構20はより短い伸縮角度でブラケット10b内に配置されることができ、より多くのブラケット10bと異なる設計変更がなされた電子装置セットを提供し得る。
【0166】
本実施形態によれば、ブラケット10aは、少なくとも1つのヒンジを更に含み、ヒンジは、回転軸機構20に接続されている。上記の接続方法は、固定接続又は回転軸接続等の物理的な接続方法であり得るが、これらには限定されない。
【0167】
ヒンジと回転軸機構20との組み合わせにより、ブラケット固定部12は、装置固定部18と更に接続することができ、ブラケット10aの各回転軸は、異なる角度で独立して曲げられ、折り畳むことができる。
【0168】
次に、
図1A乃至
図1Dを参照して説明する。ブラケット10aは更に第1のヒンジ14を有する。第1のヒンジ14
は第1のロッド部142と第2のロッド部144を含む。
【0169】
第1のロッド部142は第2のロッド部144に枢設され、第1のロッド部142は第2の回転軸部24(または、なおも操作可能であるという前提の下で、それは第1の回転軸部22に変更される)に接続される。第2のロッド部144は、装置固定部18に接続されている。
【0170】
更に、本実施形態によれば、第1のロッド部142と第2のロッド部144は交換可能に配置される。すなわち、第1のロッド部142は、装置固定部18に接続され、第2のロッド部144は、第2の回転軸部24(または、なおも移動可能であるという前提下で、それは第1の回転軸部22に変更される)に接続される。
【0171】
これにより、回転軸機構20は少なくとも1つのヒンジを備えたブラケット10a内に配置されることにより、異なる設計がなされたより多くのブラケット10aと電子装置セットを提供し得る。
【0172】
次に、
図6A~
図6Cを参照して本実施形態を説明する。ここで、
図6Aは実施形態に基づいた電子装置セットの斜視図である。また、
図6Bは電子装置セットの側面図であり、第1の夾角θ1を形成している状態を示した図である。更に、
図6Cは電子装置セットの側面図であり、第2の夾角θ2を形成している状態を示した図である。
図6Bと
図6Cに示すようにブラケット10cは第1の位置(第1の夾角θ1)と第2の位置(第2の夾角θ2)にそれぞれ対応する。
【0173】
本実施形態によれば、電子装置セットは2つのヒンジを含む。
図6A~
図6Cでは、電子装置セットは、第1のヒンジ14と第2のヒンジ16を含む。
【0174】
図6Aに示される第1のヒンジ14は、
図1Aに示される第1のヒンジ14と同様であり、上記の実施形態で説明したので、ここでは更に説明しない。第2のヒンジ16は、第3のロッド部162と第4のロッド部164を含む。
【0175】
第3のロッド部162は第4のロッド部164に枢設され、第3のロッド部162は、ブラケット固定部12に接続される。第4のロッド部164は、第1の回転軸部22に接続されている(または、なおも作動可能であるという前提で、第2の回転軸部24に接続するように変更する)。
【0176】
また、本実施形態によれば、第3のロッド部162と第4のロッド部164が交換される。すなわち、第3のロッド部162は、第1の回転軸部22に接続されている(または、なおも作動可能であるという前提で、第2の回転軸部24に変更する)。
【0177】
第4のロッド部164は、ブラケット固定部12に接続されている。それにより、回転軸機構20は少なくとも2つのヒンジを備えたブラケット10c内に配置されることができることにより、異なる設計変更を有するより多くのブラケット10cと電子装置セットを提供する。
【0178】
さらに、本実施形態によれば、図面に示されているものに加えて、ブラケット10b、10cの各回転位置は、いずれも回転軸機構20によって置き換えることができ、これらは限定されるものではない。
【0179】
例えば、ブラケット10bの第1のヒンジ14、ブラケット10cの第1のヒンジ14と第2のヒンジ16は、いずれも回転軸機構20によって置き換えることができる。このようにして、回転軸機構20は、より多くの異なる設計変更を伴うブラケット10b、10cと電子装置セットを提供する。
【0180】
以上のように、本発明の実施形態は、多段位置決めセット26aを備えた多段階の回転軸機構20を有し、その結果、第1の位置と第2の位置との間の複数の位置決め点が、複数の位置で一時停止させることができる。
【0181】
また、そのような一時的な位置決めは、第1の回転軸部22と第2の回転軸部24とを相対的に回転させ、又は回転軸機構20が回転閾値を超える力を受けたときは、スプリング28の力を利用して回復する動作が起こる。
【0182】
これにより、回転軸機構20自体であれ、回転軸機構20を備えたブラケット10aであれ、上記のブラケット10aを備えた電子装置セットであれ、より安全な回復機構を提供できるので、不要な損傷を回避し易い。
【0183】
本発明の内容は上記の上述の実施形態に示されているが、これらの実施形態は本発明の範囲を実施形態に限定する主旨ではない。従って、当業者が本発明の精神と範囲から逸脱することなく、本発明に簡単な変更や修正を行っても、本発明の技術的範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0184】
10a、10b、10c ブラケット
12 ブラケット固定部
122 ブラケット連接ロッド
14 第1のヒンジ
142 第1のロッド部
144 第2のロッド部
16 第2のヒンジ
162 第3のロッド部
164 第4のロッド部
18 装置固定部
182 装置連接ロッド
20、20a、20d、20e 回転軸機構
22 第1の回転軸部
222 回転軸スロット
24 第2の回転軸部
26a、26d、26e 多段位置決めセット
262a、262d、262e 第1の位置決め部
2622a、2622d、2622e 第1のマッチング部
2624a バネ
2624d 板バネ
2626a 円形ビーズ
2626d 第1の固定柱
2628d 第2の固定柱
264a、264b、264c、264d、264e 第2の位置決め部
2642a、2642b、2642c、2642d、2642e 第2のマッチング部
2644e 歯ピッチクリップ部
2646e 歯ピッチ制限部
28 スプリング
30 電子装置
40 車の座席
42 ヘッドレスト連接ロッド
C0、C2 円心
C1 中心
L1、L2 長軸
θ1、θ11 第1の夾角
θ2、θ3 第2の夾角