(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】引出型気中遮断器の安全シャッター
(51)【国際特許分類】
H01H 33/53 20060101AFI20230815BHJP
H02B 11/24 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
H01H33/53 W
H02B11/24 A
(21)【出願番号】P 2021540876
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(86)【国際出願番号】 KR2019011152
(87)【国際公開番号】W WO2020149485
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-07-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0006158
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン-クク
【審査官】松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0036204(US,A1)
【文献】実公昭49-024978(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0228095(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0190801(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105356350(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/53
H02B 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースユニット;
予め定めた間隔だけ離隔して前記ベースユニットと結合したシャッターユニット;及び、
前記ベースユニットから突出及び延びて前記シャッターユニットを貫通するカムユニット;を含み、
前記カムユニットは、
遮断器の投入時
、第1プレートを第二方向にスライディングさせ、前記遮断器の引出時、前記第1プレートを第一方向にスライディングさせる第1レール;及び、
前記遮断器の投入時
、第2プレートを前記第一方向にスライディングさせ、前記遮断器の引出時、前記第2プレートを前記第二方向にスライディングさせる第2レール、とを含み、
前記シャッターユニットは、
開閉口を有するホールディングプレート;
第1開放口を有し、前記ベースユニットと前記ホールディングプレートとの間に配置されている第1プレート;及び
第2開放口を有し、前記第1プレートと前記
ベースユニットとの間に配置されている第2プレート;を含み、
前記遮断器が前記ベースユニット方向に投入し
クレドールに入る時、前記第1プレートを第二方向にスライディングさせかつ前記第2プレートを該第二方向とは反対の第一方向にスライディングさせ、前記第1開放口と前記第2開放口が前記開閉口と整列され、前記遮断器が前記ベースユニット方向と反対方向に引出し前記
クレドールから延伸する時、前記第1プレートを前記第一方向にスライディングさせかつ前記第2プレートを前記第二方向にスライディングさせ、前記第1開放口と前記第2開放口が前記開閉口とはずらされる安全シャッター。
【請求項2】
前記ベースユニットは、
少なくとも一つの開口を含み、前記クレドールと結合するベースプレート;及び、
前記ベースプレートから突出及び延在する少なくとも一つのガイド部材を含み、
前記シャッターユニットは、前記ガイド部材の延在方向に沿って移動する、
請求項1に記載の安全シャッター。
【請求項3】
前記シャッターユニットは、前記遮断器が同一速度で投入及び引き出されるとき、前記開閉口の閉鎖される時間が前記開閉口の開放される時間よりも短い、
請求項1に記載の安全シャッター。
【請求項4】
前記第1レール及び前記第2レールは、
前記遮断器の投入時、前記第1プレート又は前記第2プレートが、前記第一方向又は前記第二方向にスライディングされるように案内するインカム;及び、
前記遮断器の引出時、前記第1プレート又は前記第2プレートが、前記第一方向又は前記第二方向にスライディングされるように案内するアウトカム、とを含み、
前記インカムは、前記遮断機の投入時、前記第1プレート又は前記第2プレートを案内する傾斜面であり、
前記アウトカムは、前記遮断機の引出時、前記
第1プレート又は前記第2プレートを案内する傾斜面である、
請求項1に記載の安全シャッター
。
【請求項5】
前記インカム及び前記アウトカムは、前記遮断器が投入されるか引き出される方向を繋ぐ仮想の直線と予め定めた角度を有する面で形成され、前記第1プレート又は前記第2プレートの少なくとも一部分に接して、前記第一方向又は前記第二方向に案内する、
請求項4に記載の安全シャッター。
【請求項6】
前記インカムが、前記遮断器が投入されるか引き出される方向を繋ぐ仮想の直線と成す角度は、前記アウトカムが、前記遮断器が投入されるか引き出される方向を繋ぐ仮想の直線と成す角度よりも小さい、
請求項5に記載の安全シャッター。
【請求項7】
前記第1プレート及び前記第2プレートは、絶縁体で形成される、
請求項1に記載の安全シャッター。
【請求項8】
前記ガイド部材は、
前記シャッターユニットが前記ガイド部材から離脱しないように、前記ガイド部材の末端に結合される固定部材;及び、
前記ガイド部材の周に配置され、前記シャッターユニットと前記ベースユニットとの間が遠くなるように弾性力を提供する弾性部材;とを含む、
請求項2に記載の安全シャッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引出型気中遮断器の主回路と遮断器との間に配置される安全シャッターに関する。
【背景技術】
【0002】
気中遮断器(Air Circuit Breaker;ACB)は、低圧配電線路に設置されて、過電流、短絡及び地絡事故などの異常電流が発生時、気中消弧(arc extinguishing)方式で回路を遮断する装置である。
【0003】
気中遮断器は、固定型と引出型に分類される。固定型気中遮断器は、別途固定手段なしに本体に固定される。引出型気中遮断器は、クレドールに結合されて主回路と連結され、点検や補修のためクレドールから分離可能である。
【0004】
引出型気中遮断器と結合するクレドールには、主回路と連結されるターミナルが複数本配置される。引出型気中遮断器がクレドールに投入されるとき、遮断器の接触子(finger)がターミナルと接触する。
【0005】
遮断器の投入時や引出時、ターミナルと遮断器の接触子との間には突入電流が発生し得る。ターミナルと遮断器の接触子との間に突入電流によるアーク(arc)が発生すれば、線路に異常を引き起こし得る。よって、クレドールに遮断器を投入するか引き出す場合、ターミナルと遮断器との間を速やかに絶縁させるための絶縁シャッターが使用される。
【0006】
従来の絶縁シャッターは、絶縁又は非絶縁モードに変換するために別途作動レバーを動作させなければならない不具合がある。また、従来の絶縁シャッターは、作動レバーの操作により絶縁を速やかに行うことができないという問題点もある。
【0007】
また、従来技術によれば、一部が遮断器に結合され、他の一部は、クレドールに結合されて、遮断器の投入によって自動開閉される絶縁シャッターが使用されたりもする。しかしながら、このような絶縁シャッターは、組み立て及び分解が煩わしいという短所があり、遮断器の投入と引出に速やかに反応することができない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、維持補修が容易であり、遮断器の投入及び引出時、速やかに絶縁を行うか解除することのできる引出型気中遮断器の安全シャッターを提供することを目的とする。
【0009】
本発明の目的は、以上に言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために本発明の安全シャッターは、ベースユニット、シャッターユニット、カムユニット、とを含む。ベースユニットは、気中遮断器のクレドールに結合されて、主回路と連結されたターミナルが通過する。シャッターユニットは、予め定めた間隔だけ離隔してベースユニットと結合し、ベースユニットと離隔した間にターミナルを収容する。カムユニットは、ベースユニットから延びてシャッターユニットを貫通する。
【0011】
シャッターユニットは、遮断器がベースユニット方向に投入時、ターミナルを遮断器方向に露出させて絶縁を解除する。そして、遮断器がベースユニット方向と反対方向に引出時、ベースユニットとシャッターユニットとの間にターミナルを収容して絶縁させる。
【0012】
本発明の一実施形態において、ベースユニットは、ベースプレートとガイド部材を含む。ベースプレートは、少なくとも一つのターミナルが通過する開口を含む。そして、ガイド部材は、ターミナルが開口を通過する方向に沿ってベースプレートから少なくとも一つが延在する。そして、シャッターユニットは、ガイド部材に沿って移動する。
【0013】
本発明の一実施形態において、シャッターユニットは、ホールディングプレート、第1プレート、第2プレート、とを含む。ホールディングプレートは、遮断器の投入時、ターミナルを通過させる開閉口を含む。そして、第1プレート及び第2プレートは、ホールディングプレートに結合され、カムユニットによって第一方向又は第二方向にそれぞれスライディングされて開閉口を開放するか閉鎖する。
【0014】
本発明の一実施形態において、シャッターユニットは、遮断器が同一速度で投入及び引き出されるとき、開閉口の閉鎖される時間が開閉口の開放される時間よりも短い。
【0015】
本発明の一実施形態において、カムユニットは、遮断器の投入時に第1プレートを第二方向にスライディングさせ、遮断器の引出時に第1プレートを第一方向にスライディングさせる第1レールと、遮断器の投入時に第2プレートを第一方向にスライディングさせ、遮断器の引出時に第2プレートを第二方向にスライディングさせる第2レール、とを含む。
【0016】
本発明の一実施形態において、第1レール及び第2レールは、遮断器の投入時、第1プレート又は第2プレートが第一方向又は第二方向にスライディングされるように案内するインカムと、遮断器の引出時、第1プレート又は第2プレートが第一方向又は第二方向にスライディングされるように案内するアウトカム、とを含む。
【0017】
本発明の一実施形態において、インカム及びアウトカムは、遮断器が投入されるか引き出される方向を繋ぐ仮想の直線と予め定めた角度を有する面で形成され、第1プレート又は第2プレートの少なくとも一部分に接して、第一方向又は第二方向に案内する。
【0018】
本発明の一実施形態において、インカムは、遮断器が投入されるか引き出される方向を繋ぐ仮想の直線と成す角度が、アウトカムが成す角度よりも小さい。
【0019】
本発明の一実施形態において、第1プレート及び第2プレートは、絶縁体で形成される。
【0020】
本発明の一実施形態において、ガイド部材は、シャッターユニットがガイド部材から離脱しないように、ガイド部材の末端に結合される固定部材と、ガイド部材の周に配置され、シャッターユニットとベースユニットとの間が遠くなるように弾性力を提供する弾性部材、とを含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明による安全シャッターは、遮断器の投入及び引出と連動して速やかに絶縁を行うか解除する長所がある。
【0022】
また、本発明による安全シャッターは、遮断器の引出時、速く絶縁を行って、アーク事故の発生を防止する効果もある。
【0023】
また、本発明によれば、安全シャッターのベースユニットからシャッターユニットを容易に分離することができ、維持補修が便利であるという長所がある。
【0024】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための具体的な事項を説明すると共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態による安全シャッターと引出型気中遮断器を示す図面。
【
図2】本発明の一実施形態による安全シャッターの斜視図。
【
図3】本発明の一実施形態による安全シャッターが開放された状態を示した斜視図。
【
図4】本発明の一実施形態による安全シャッターの分解斜視図。
【
図5】本発明の一実施形態による安全シャッターの側面図。
【
図6】本発明の一実施形態による安全シャッターのシャッターユニットを分解した平面図。
【
図7】本発明の一実施形態による安全シャッターの第1プレート及び第2プレートが移動する状態を示す図面。
【
図8】本発明の一実施形態による安全シャッターのカムユニットを示す図面。
【発明を実施するための形態】
【0026】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明の説明において、本発明に係る公知の技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には詳細な説明を省略する。
【0027】
以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説する。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示す。
【0028】
以下では、本発明の幾つの実施形態による安全シャッターを説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態による安全シャッターと引出型気中遮断器を示す。
【0030】
図1に示されたように、本発明による安全シャッター20は、遮断器の進入するクレドール10に結合されうる。本発明の一実施形態では、クレドール10の前方が開放され、開放された前方を通じて遮断器がクレドール10の内部へ進入する。
【0031】
クレドール10の後側内側面には、前方に向かって突出する複数本のターミナル12が配置される。ターミナル12は、主回路と連結された導体である。遮断器がクレドール10の内部へ進入時、クレドール10に設けられた接触子は、ターミナル12と通電可能に結合される。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態による安全シャッターの斜視図であり、
図3は、本発明の一実施形態による安全シャッターが開放された状態を示した斜視図で、
図4は、本発明の一実施形態による安全シャッターの分解斜視図である。
【0033】
図2~
図4に示されたように、本発明による安全シャッター20は、ベースユニット100、シャッターユニット300、カムユニット200、とを含む。
【0034】
ベースユニット100は、気中遮断器のクレドール10に結合される。安全シャッター20がクレドール10に結合されると、主回路と連結されたターミナル12がベースユニット100を通過する。
【0035】
シャッターユニット300は、予め定めた間隔だけ離隔してベースユニット100と結合する。シャッターユニット300とベースユニット100との間の空間にターミナル12が収容される。
【0036】
カムユニット200は、ベースユニット100から突出及び延在する。ベースユニット100とシャッターユニット300が結合すると、カムユニット200は、シャッターユニット300に形成された第1のカムユニット収容口を通じてシャッターユニット300を貫通する。
【0037】
シャッターユニット300は、遮断器がベースユニット100に向かう方向に投入時、前記ターミナル12を遮断器方向に露出させて絶縁を解除し、遮断器がベースユニット100と遠くなる方向に引出時、ターミナル12を、ベースユニット100とシャッターユニット300との間の空間に収容して絶縁させる。
【0038】
以下では、上記の各構成についてより具体的に説明する。
【0039】
ベースユニット100は、ベースプレート110及びガイド部材120を含む。
【0040】
本発明の一実施形態におけるベースプレート110は、板状部材であってもよいが、ベースプレート110の形状は、実施形態によって異なり得る。ベースプレート110は、ターミナル12が通過する開口112を含む。
【0041】
ガイド部材120は、ベースプレート110から突出及び延在する。シャッターユニット300がガイド部材120を介してベースプレート110と結合すると、シャッターユニット300は、ガイド部材120の長手方向に沿って移動することができる。
【0042】
ガイド部材120には弾性部材124が挿入される。弾性部材124の一端は、ベースプレート110に接し、他端は、シャッターユニット300に接する。よって、外力によってベースプレート110とシャッターユニット300との間の距離が近くなる場合、弾性部材124は、弾性圧縮される。逆に、外力がなくなると、弾性部材124は、シャッターユニット300をベースプレート110から遠くなるように押し出す。
【0043】
図5は、本発明の一実施形態による安全シャッターの側面図である。また
図6は、本発明の一実施形態による安全シャッターのシャッターユニットを分解した平面図である。また
図7は、本発明の一実施形態による安全シャッターの第1プレート及び第2プレートが移動する状態を示したものであり、
図8は、本発明の一実施形態による安全シャッターのカムユニットを示す。
【0044】
図5及び
図6に示されたように、シャッターユニット300を貫通したガイド部材120の末端に固定部材122が結合し得る。固定部材122は、弾性部材124の弾性力によってベースプレート110と遠くなる方向に動くシャッターユニット300が、ベースプレート110と予め定めた間隔を維持するようにシャッターユニット300を固定する。
【0045】
シャッターユニット300は、ホールディングプレート310、第1プレート320、第2プレート330、とを含む。ホールディングプレート310が第1プレート320及び第2プレート330と結合すると、第1プレート320及び第2プレート330は、第一方向又は第二方向にのみスライディング移動する。
【0046】
ホールディングプレート310は、第1のカムユニット収容口312、シャッターレール314、開閉口316、結合孔318、とを含む。
【0047】
第1のカムユニット収容口312は、ベースプレート110から突出及び延在するカムユニット200と対応する位置に形成される。第1のカムユニット収容口312は、カムユニット200がいずれの高さにおいても干渉なしに通過できるようにカムユニット200の平断面と対応する形状を有する。具体的には、第1のカムユニット収容口312は、カムユニット200の上端から下端に至るまでカムユニット200が完全に貫通する過程で干渉が発生しない程の十分な大きさと形状に設けられる。
【0048】
シャッターレール314には、第1プレート320及び第2プレート330が収容される。シャッターレール314は、第1プレート320及び第2プレート330がそれぞれ第一方向又は第二方向にスライディングされる経路を提供する。
【0049】
開閉口316は、第1プレート320及び第2プレート330が第一方向又は第二方向にスライディングされることによって開放又は閉鎖される。
【0050】
詳細には、遮断器が投入時、ホールディングプレート310が遮断器と接触して、ベースプレート110に向かう方向に移動すると、後述するカムユニット200の第1レール230又は第2レール240と、第1プレート320又は第2プレート330とが互いに接して干渉が生じる。
【0051】
例えば、第1プレート320は、第1レール230と接触して干渉が発生し、第1レール230に形成された傾斜面に沿って第二方向にスライディングされる。そして、第2プレート330は、第2レール240と接触して干渉が発生し、第2レール240に形成された傾斜面に沿って第一方向にスライディングされる。
【0052】
第1プレート320及び第2プレート330が互いに反対方向にスライディングされると、第1開放口324と第2開放口334は、開閉口316と同じ位置に整列されて、開閉口316が開放される。これによって、ターミナル12は、開放された開閉口316を通過して、ホールディングプレート310の前方に突出する。
【0053】
遮断器の引出時は、上述した過程とは逆に、ホールディングプレート310は、ベースプレート110と遠くなる方向に移動する。
【0054】
したがって、遮断器の投入時とは逆に、第1プレート320は、第1レール230と接触して干渉が発生し、第1レール230に形成された傾斜面に沿って第一方向にスライディングされる。そして、第2プレート330は、第2レール24と接触して干渉が発生し、第2レール240に形成された傾斜面に沿って第一方向にスライディングされる。
【0055】
遮断器が引き出されて、ホールディングプレート310がベースプレート110と遠くなる方向に移動すると、第1プレート320及び第2プレート330が元の位置に戻りながら開閉口316、第1開放口324及び第2開放口334の位置がずれる。これによって、第1プレート320の一部と第2プレート330の一部が開閉口316を閉鎖する。
【0056】
まとめると、遮断器の投入時、開閉口316は、開放される。開放された開閉口316には、ターミナル12が通過して突出する。
【0057】
遮断器の引出時は、開閉口316が閉鎖される。開閉口316が閉鎖されるすぐ前にターミナル12は、シャッターユニット300の後方に後退する。このような表現は、容易に説明するためのものであって、正確に表現すれば、ターミナル12は、固定されており、シャッターユニット300が前方に移動して、ターミナル12は、シャッターユニット300とベースユニット100との間の空間に収容される。
【0058】
結合孔318は、ガイド部材120が貫通する通路である。ホールディングプレート310がベースプレート110に向かうか、ベースプレート110と遠くなる方向に移動するとき、ガイド部材120が結合孔318内で移動する。
【0059】
第1プレート320及び第2プレート330は、同様の構成を含む。そして、第1プレート320及び第2プレート330も同様、絶縁体で形成される。但し、第1プレート320及び第2プレート330は、それぞれ第2のカムユニット収容口322及び第3のカムユニット収容口332が形成される方向に相違するだけである。
【0060】
第1プレート320は、第2のカムユニット収容口322、第1開放口324、第1長孔326、とを含む。
【0061】
第2プレート330は、第3のカムユニット収容口332、第2開放口334、第2長孔336、とを含む。
【0062】
第2のカムユニット収容口322は、カムユニット200に形成された第1レール230の傾斜面に沿って第1プレート320が第一方向又は第二方向にスライディングされるように作動する。
【0063】
また、カムユニット200の第1レール230は、遮断器の投入時に第2のカムユニット収容口322が接するインカム232と、遮断器の引出時に第2のカムユニット収容口322が接するアウトカム234、とを含む。インカム232及びアウトカム234は、カムユニット200の一側に形成され、予め定めた角度を有する傾斜面である。よって、第2のカムユニット収容口322は、第1プレート320の少なくとも一部が開放して形成され、カムユニット200の第1レール230に接して、第1レール230が成す傾斜面に沿って移動するようになる。よって、第1プレート320は、第一方向又は第二方向にスライディングされる。
【0064】
第1開放口324は、開閉口316と同じ大きさと形状を有し得る。または、ターミナル12が干渉なしに通過できる程の大きさと形状であれば、十分である。
【0065】
第1開放口324は、第2開放口334と相互開放された部分が重ならないように、第1プレート320及び第2プレート330がホールディングプレート310に結合される。よって、遮断器が引き出された状態では、開閉口316が閉鎖される。
【0066】
上述したように、遮断器が投入されると、第1開放口324、第2開放口334及び開閉口316は、互いに同じ位置に整列して、開閉口316が開放される。
【0067】
第1長孔326は、第1プレート320及び第2プレート330がスライディングされる方向に沿って予め定めた長さに開放して形成される。ガイド部材120は、第1長孔326を通過する。第1長孔326は、遮断器の投入時又は遮断器の引出時、ガイド部材120と干渉せず、第1プレート320及び第2プレート330がスライディングされるように予め定めた長さの長孔で形成される。
【0068】
第2プレート330に含まれた第3のカムユニット収容口332、第2開放口334及び第2長孔336は、第1プレート320に含まれた構成と同様である。
【0069】
図7及び
図8に示されたように、第1プレート320及び第2プレート330がスライディングされることによって、開閉口316が開放されるか閉鎖される。
【0070】
開閉口316の開放された状態は、絶縁が解除されたものであり、開閉口316の閉鎖された状態は、絶縁状態である。
【0071】
カムユニット200は、遮断部210及び開放部220に区分することができる。
【0072】
図8に示されたように、遮断部210は、シャッターユニット300が開閉口316を閉鎖した状態で留まる区間である。
【0073】
開放部220は、シャッターユニット300が開閉口316を開放した状態で留まる区間である。
【0074】
開閉口316を開放した状態では、開閉口316を通じてターミナル12が突出する。
【0075】
シャッターユニット300と結合関係を説明する過程で前述したように、カムユニット200は、第1レール230及び第2レール240を含む。
【0076】
第1レール230及び第2レール240は、それぞれインカム232及びアウトカム234を含む。
【0077】
インカム232は、遮断器の投入時、第1プレート320又は第2プレート330を案内する傾斜面である。そして、アウトカム234は、遮断器の引出時、第1プレート320又は第2プレート330を案内する傾斜面である。
【0078】
シャッターユニット300が移動する方向に沿って引いた仮想の直線、又は遮断器が投入されるか引き出される方向を繋ぐ仮想の直線と予め定めた角度を成すように、インカム232及びアウトカム234の傾斜面が形成される。
【0079】
このとき、インカム232の傾斜面が、遮断器が投入されるか引き出される方向に沿って繋いだ仮想の直線と成す角度(a)は、第1プレート320又は第2プレート330が接触時、摩擦が大きくなく、傾斜面に沿ってスムーズにスライディングされうる程に定められる。具体的には、aの角度は、45度よりも小さく形成されうる。
【0080】
但し、アウトカム234が、遮断器が投入されるか引き出される方向を繋ぐ仮想の直線と成す角度(b)は、インカム232が成す角度(a)よりも大きく形成される。
【0081】
かかる構成は、遮断器の引出時、アウトカム234が開閉口316の開閉に関与するため、短い時間であっても、速く開閉口316が閉鎖される。よって、遮断器の引出時、ターミナル12が非絶縁状態に置かれる時間を減らすことができる。
【0082】
本発明による安全シャッターは、ターミナル12と遮断器との間の突入電流現象及び突入電流によるアークが発生する現象を減少させることができる。
【0083】
以上のように、本発明について例示した図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書に開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で通常の技術者によって様々な変形が行われることは自明である。さらに、本発明の実施形態を前述しながら、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、該構成によって予測可能な効果も認めなければならないことは当然である。