(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】化粧パネル、化粧パネルの構造、及び化粧パネルの取り付け構造
(51)【国際特許分類】
E04F 13/18 20060101AFI20230815BHJP
E04F 13/08 20060101ALI20230815BHJP
E04F 19/06 20060101ALI20230815BHJP
E04F 13/24 20060101ALI20230815BHJP
E04F 13/22 20060101ALI20230815BHJP
E04C 2/38 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
E04F13/18 F
E04F13/08 101T
E04F19/06 B
E04F13/24
E04F13/22
E04C2/38 J
(21)【出願番号】P 2022069050
(22)【出願日】2022-04-19
【審査請求日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】P 2021072655
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000100698
【氏名又は名称】アイカ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】新浪 奨也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 篤志
(72)【発明者】
【氏名】近藤 建
(72)【発明者】
【氏名】士反 慶介
(72)【発明者】
【氏名】横井 謙
【審査官】菅原 奈津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-132180(JP,A)
【文献】特開平08-232441(JP,A)
【文献】特開平10-325404(JP,A)
【文献】特開2016-155261(JP,A)
【文献】特開昭62-072858(JP,A)
【文献】特開2019-19604(JP,A)
【文献】国際公開第2021/030870(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0043985(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0078231(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/08-13/18
E04C 2/38
F16B 5/00- 5/12
17/00-19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧材の裏面の周縁に、フレームを備える化粧パネルであって、
前記フレームは、第一の開口部を有し、前記第一の開口部の先端には折曲片を、前記第一の開口部の底部には前記第一の開口部方向に凸状部を、前記凸状部には前記第一の開口部の反対側方向に第二の開口部を備え、
前記化粧材と前記フレームは拡径可能な締結具により締結され、
前記化粧材は、熱硬化性樹脂化粧板
(ただし、金属シートを積層するものを除く。)であることを特徴とする、化粧パネル。
【請求項2】
前記締結具はピンとリベットを含み、前記リベットの下方は前記化粧材の裏面に設けられた有底孔に埋設されていることを特徴とする請求項1記載の化粧パネル。
【請求項3】
前記ピンは前記リベットの中空部に挿通され圧入されて一体となっていることを特徴とする請求項2記載の化粧パネル。
【請求項4】
前記リベットの下方が前記有底孔の周囲を押圧していることを特徴とする請求項2又は3記載の化粧パネル。
【請求項5】
前記有底孔の深さdは化粧材の厚みをTとした場合、下記式(1)で示される範囲であることを特徴とする請求項2又は3記載の化粧パネル。
0.25T≦d≦0.85T (1)
【請求項6】
下記の試験方法による引き抜き強度が、7.2~18.4kgfであることを特徴とする請求項2又は3記載の化粧パネル。
試験方法:構造用パネルの日本農林規格(平成25年11月28日農林水産省告示第2904号の「常態剥離試験」に基づき、上方向へクロスヘッドスピード2mm/minで実施。
【請求項7】
前記有底孔の内部には接着剤が塗布されていることを特徴とする請求項2又は3記載の化粧パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧パネル、化粧パネルの構造、及び化粧パネルの取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱硬化性樹脂化粧板などの薄物化粧材は、机、テーブル、カウンターなどの水平面や、壁面、ドアの面材などの垂直面に、接着剤や粘着テープなどを用いて接着加工され、内装材、外装材として広く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3117950号
【文献】特開2012-228331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薄物化粧材は、厚みが1cm未満であるため非常に薄く、硬度や強度に優れるという特徴があるが、釘やビスなどを用いて固定しようとすると、貫通孔を設ける際や、その後に釘やビスなどを打ち込んだ際に、ひびが入り割れてしまう可能性が高かった。また、薄物化粧材の表面に、釘やビスなどの頭部が露出するため、見栄えが非常に悪いという問題があった。そこで、接着剤や粘着テープを用いた工法が広く一般に普及しているものの、接着剤を用いた場合、接着剤硬化までの養生期間が取れない箇所へ施工できないため、壁面や天井面に接着加工するには作業性が非常に悪いという問題があった。また粘着テープを用いた場合、強度が不十分であるため、壁面や天井面へ接着加工することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる状況に鑑み検討された発明であり、第一の開口部を有し、前記第一の開口部の先端には折曲片を、前記第一の開口部の底部には前記第一の開口部方向に凸状部を、前記凸状部には、前記第一の開口部の反対側方向に第二の開口部を備える締結フレームを化粧材の裏面の周縁に接着剤と拡径可能な締結具により締結することにより前記課題を解決することができる。
【発明の効果】
【0006】
拡径可能な締結具と接着剤を併用することにより構造躯体に対して化粧材の締結が可能となり、接着剤や粘着テープよりも強固にかつ容易に取り付けることができる。また、拡径可能な締結具を用いることにより、固定が可能となるため、作業性が良好であり、接着剤が硬化するまで十分な固定強度を発揮することができる。さらに、釘やビスなどを使用しないことから、薄物化粧材にひびや割れが生じる可能性を著しく抑制することができる上、その頭部が露出しないことから、見栄えが非常に良くなるという効果がある。しかも化粧材として不燃性化粧板を採用すれば耐火性に優れた構造となる。また、化粧板用に供される化粧紙を用いることで多彩な仕上がり、意匠を有するものとなる。更に本発明の化粧パネルは、締結具、化粧材、フレームを適宜選定すれば内・外装の壁面や天井面にも応用できる。以下、本発明について図面に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図13】化粧パネルの製造方法を示す要部拡大斜視図。
【
図17】他の締結具の使用前の状態を示す透視正面図。
【
図18】他の締結具の使用時の状態を示す透視正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るフレーム10の平面図であり、上下方向に連続する。貫通孔は実際の作業現場で設けても、予め設けられていても良い。
図2は
図1中のA-A´線断面図である。
図3は斜視図である。
【0009】
フレーム10は
図2の断面図に示すように、第一の開口部11を有し、前記第一の開口部の先端には開口部11に対して外側方向に折曲片12を有し、前記第一の開口部11の底部14には第一の開口部11よりも幅の狭い凸状部15を備えている。折曲片12は鋼材が載設されるための取り付け面となっている。
【0010】
前記凸状部15は、前記第一の開口部の開口方向に向かって凸状であり、反対方向には第二の開口部17を備えている。第二の開口部17は挿通する締結具の長さを確保して収納する空間となっている。前記凸状部15の所々には貫通孔が設けられ締結具が挿通される。
【0011】
図4はリベット40の透視正面図、
図5は底面図、
図6は平面図である。リベット40は頭部40a、下方の先端が細い中空部40b、スリット40d、及び下方の外周面には固定部40cとして山型の凹凸が設けられている。図示はしないが固定部として、ローレット形状などが挙げられる。リベット40の下方は拡径可能であり、有底孔24の周面25に接触する面積を大きくしている。
【0012】
スリット40dは4か所に設けられているが2か所、6か所でも良く、スリットの数に特に制約はない。
図7はピン30の正面図であり、下方は錐状部30cを備えている。
【0013】
図8は締結具50の使用前の透視正面図である。
図8に示すようにピン30はリベット40の中空部40bに挿通される。ピン、リベットの材質としては、アルミニウム、黄銅、鉄、スチールなどが挙げられ、アルミニウムは加工、例えば凹凸を形成しやすい、黄銅、鉄、スチール等は溶融温度が高く耐熱性に優れ不燃性を要求される建屋には好適である。材質は、適用場所、使用条件などを考慮して適宜選択して用いる。
【0014】
図9は締結具50の使用時の透視正面図である。
図9に示すようにピン30はリベット40の中空部40bに挿通され、圧入される。圧入されるとリベットの下方が拡径される。圧入は例えばハンマー、エア式装置、油圧式装置、電動式装置等を用いれば良く、特に制約はない。
【0015】
図10は化粧パネル2の平面図であり、化粧材20の裏面の周縁にフレーム10が締結具で取り付けられている。フレーム10は後述の野縁や壁面下地等と締結される。
【0016】
図11は
図10中のB-B´部分のC-C´線拡大断面図であり、フレーム10の底部14の底面13は、接着剤60により化粧材20に接着されている。接着剤60は特に制約はないが、化粧材20の伸縮に追従可能な弾性接着剤、例えば、変成シリコーン系接着剤が好ましい。
【0017】
図12は
図11の要部拡大図であり、ピン30の圧入により拡径されたリベット40の固定部40cの凸部は有底孔24の周面25を押圧し、その結果、フレーム10と化粧材20が締結具50によりリベットの引き抜き強度を向上させて強固に固着されている。本発明では、このように接着剤と拡径可能な締結具を併用することにより、フレームと化粧材との締着がより強固なものとなっている。また接着剤が硬化するまで十分な固定強度を発揮することができる。
【0018】
有底孔24の直径は、例えば、2.0~8.0mm、より好ましくは4.1~5.5mmである。この範囲内であればリベットが強固に締着される傾向がある。
【0019】
化粧材20の厚みは1cm未満、特に3~6mm程度とすると、有底孔24の深さdは化粧材の厚みをTとした場合、下記式(1)で示される範囲とするのが好ましく、この範囲内であることにより、リベットの締着が強固となり、また化粧材20の破損を抑制することができる傾向がある。
【0020】
0.25T≦d≦0.85T (1)
【0021】
図13は化粧パネル2の製造方法を示す要部分解斜視図である。化粧材2の周縁に接着剤60が塗布され、締結具50がフレーム10の所々に設けた貫通孔16に挿通され、締結具50の下方の一部を化粧材20の裏面の周縁の有底孔24に埋設されて、締着される。
【0022】
化粧材は、MDF、パーティクルボード、合板などの有機木質系基材、或いは石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、セメント板などの無機質系基材、或いはプラスチック発泡材などを基材として化粧層を設けた化粧ボードや、熱硬化性樹脂化粧板などの化粧板が挙げられる。化粧材の中でも、天井用途や壁面用途として施工しやすいように軽量であり、耐火性が要求される場合は、難燃性、不燃性を有する化粧ボードや熱硬化性樹脂化粧板、ケイ酸カルシウム板やプラスチック発泡材を基材とした化粧材などを適宜選択して用いることができる。
【0023】
前記の熱硬化性樹脂化粧板の中でもリベットの拡径による有底孔の周面の押圧効果が優れる不燃性化粧板が好ましい。この理由は、不燃性化粧板は、主に熱硬化性樹脂含浸パターン紙から成る化粧層と、無機繊維質基材に有機樹脂分と無機系及び/又は有機系の難燃材料を含むコア層を必須として含み、不燃化粧板の厚みの大部分を占めるコア層の有機樹脂分が10重量%以下と少なく、コア層が緻密ではないためリベットが喰い込みやすいと考えられる。
【0024】
不燃性化粧板としては、例えば、メラミン樹脂含浸パターン紙を化粧層とし、無機繊維質基材としてガラス繊維不織布を用い、有機樹脂分と難燃材料を含むコア層を含む不燃性メラミン化粧板が挙げられる。不燃性化粧板の他に比重が0.8~1.0の範囲の無機質不燃化粧材、例えばケイ酸カルシウム板を基材とした化粧材、いわゆる化粧ケイカルも締結具によるフレームの締着が可能であることから好適に使用できる。
【0025】
前記の不燃性メラミン化粧板や無機質不燃化粧材の厚みは1cm未満であることが好ましく、さらに2.5mm~6.0mmが好ましく、この範囲であれば化粧材の強度が優れ軽量であり、施工中に破損することがなく施工作業も楽に行える傾向がある。
【0026】
尚、不燃化粧板は、ISO5660に準拠したコーンカロリーメータによる20分の発熱性試験で、総発熱量が8MJ/m2以下、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えておらず、試験後の試験体において裏面まで貫通する割れ、ひび等がない、という条件を満たす化粧板をいう。
【0027】
図14は化粧パネル2の取り付け構造を示す断面図であり、野縁70の底部71が、隣り合うフレームの折曲片12に当接されて載置され、跨設されてビス75により締着されている。不燃化粧板の場合は有機系であるため伸縮を考慮して隣り合う不燃化粧板とは目透しにすることが好ましい。隙間の幅は、例えば、15~30mmであることが好ましく、適宜フレームの取り付け位置、形状を考慮する。
【0028】
図15は他のピン31の正面図、
図16は他のリベット41を示す透視正面図、
図17は締結具51の使用前の状態を示す透視正面図、
図18は締結具51の使用時の状態を示す透視正面図を示す。ピン31の上部には胴体31bより直径が大きい頭部31aが形成されてハンマー等で圧入される際、接触面積が大きくなるようにされている。リベット41は
図16に示すように固定部としての凹凸は形成されておらず、凹部がない分有底孔の周面に対する接触面積は大きくなっている。
図16に示されるように、ピン31が圧入されない状態では直径が一定の寸胴形状である。
【0029】
図19は更に他のピン32の正面図である。ピン32の上部にはリベット40又は41の掛止部として凹凸32eが刻設されており、リベット40又は41に圧入された時に抜けにくいものとなっている。
以下、実施例を挙げて詳細に説明する。
【実施例】
【0030】
(実施例1)
(1)フレーム
第一の開口部を有し、前記第一の開口部の先端には折曲片を、前記第一の開口部の底部には前記第一の開口部方向に凸状部を、前記凸状部には前記第一の開口部の反対側方向に第二の開口部を備えたフレームを用意し、凸状部の所々に貫通孔を設けた。
(2)締結具
アルミニウム製のピンと、直径4.0mm、4か所に幅0.2mmのスリットを有し、下方には外周面に固定部として山型の凹凸が設けられたアルミニウム製のリベットから成る締結具50を用意した。
(3)化粧パネルの製造
ISO5660-1に準拠し、コーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において不燃材料の認定を有する厚み3.0mm、比重1.7、コア層の有機樹脂分が10重量%以下の不燃性メラミン化粧板(商品名:セラール、セラールは登録商標、アイカ工業株式会社製)を用意して、裏面の周縁の所々に、深さ2.5mm、直径4.1mmの有底孔を設けるとともに、周縁に弾性接着剤として変成シリコーン系接着剤を塗布した。次いで、フレームの貫通孔に締結具を挿通し、リベットの下方の一部を不燃性メラミン化粧板の有底孔に埋設した。
しかる後ピンをリベットに圧入して、リベットを拡径させ、フレームと不燃性メラミン化粧板を締着し、実施例1にかかる化粧パネルを得て、引き抜き強度を測定した。
【0031】
(実施例2~6)
<化粧パネルの製造>
実施例1において、表1に示す条件で行った以外は同様に実施して、実施例2~6にかかる化粧パネルを得て、引き抜き強度を測定した。
【0032】
<化粧パネルと野縁の取り付け>
次いで、実施例2の化粧パネル2、2´の2枚を
図14に示すように隙間が15mmになるように隣り合わせ、野縁70の底部71を折曲片12、12´を跨いで当接させ、ビス75を用いて締着することにより、化粧パネルと野縁からなる化粧パネルの取り付け構造を得た。この化粧パネルの取り付け構造を天井面に取り付けたところ、作業性が良好で、非常に強固に取り付けることができ、仕上がりに問題はなかった。
【0033】
(実施例7~12)
<化粧パネルの製造>
実施例1において、固定部に凹凸を形成していない、
図15、
図16に示すスチール製のピン31と、黄銅製で寸胴形状のリベット41からなる締結具51を用意した。次いで、表1に示す条件で行った以外は同様に実施して、実施例7~12にかかる化粧パネルを得て、引き抜き強度を測定した。
【0034】
(化粧パネルと野縁の取り付け)
実施例8で得た化粧パネル2枚を実施例2と同様に隙間を15mmになるように隣り合わせ、野縁に締着することにより、化粧パネルと野縁からなる化粧パネルの取り付け構造を得た。この化粧パネルの取り付け構造を天井面に取り付けたところ、作業性が良好で、非常に強固に取り付けることができ、仕上がりに問題はなかった。
【0035】
(実施例13~20)
<化粧パネルの製造>
厚み6mmで比重0.8のケイ酸カルシウム板の最表層に、アクリル樹脂系塗装による化粧層を有する無機質系不燃化粧板を用意した。次いで、実施例1において、不燃性メラミン化粧板に代えて上記の無機質系不燃化粧材を用いて、表1に示す条件で行った以外は同様に実施して実施例13~20にかかる化粧パネルを得て、引き抜き強度を測定した。
【0036】
<化粧パネルと野縁の取り付け>
実施例14で得た化粧パネルを実施例2と同様に隙間を15mmになるように隣り合わせ、野縁に締着することにより、化粧パネルと野縁からなる化粧パネルの取り付け構造を得た。この化粧パネルの取り付け構造を天井面に取り付けたところ、作業性が良好で、非常に強固に取り付けることができ、仕上がりに問題はなかった。
【0037】
(実施例21~28)
<化粧パネルの製造>
実施例13において、実施例7で用いた締結具51を使用して、表1に示す条件で行った以外は同様に実施して、実施例21~28にかかる化粧パネルを得て、引き抜き強度を測定した。
【0038】
<化粧パネルと野縁の取り付け>
実施例22で得た化粧パネルを実施例2と同様に隙間を15mmになるように隣り合わせ、野縁に締着することにより、化粧パネルと野縁からなる化粧パネルの取り付け構造を得た。この化粧パネルの取り付け構造を天井面に取り付けたところ、作業性が良好で、非常に強固に取り付けることができ、仕上がりに問題はなかった。
【0039】
(実施例29)
<化粧パネルの製造>
実施例9において、
図19で示されるピン32を用いた以外は同様に実施して実施例29にかかる化粧パネルを得て、引き抜き強度を測定した。
【0040】
<化粧パネルと野縁の取り付け>
実施例29で得た化粧パネルを実施例9と同様に隙間を15mmになるように隣り合わせ、野縁に締着することにより、化粧パネルと野縁からなる化粧パネルの取り付け構造を得た。この化粧パネルの取り付け構造を天井面に取り付けたところ、作業性が良好で、非常に強固に取り付けることができ、仕上がりに問題はなかった。
【0041】
(実施例30~38)
<化粧パネルの製造>
実施例8において、不燃性メラミン化粧板の裏面の周縁の所々に設けた有底孔の内部に、表1に示す接着剤を塗布した以外は同様に実施して、実施例30~38にかかる化粧パネルを得て、引き抜き強度を測定した。
【0042】
【0043】
<引き抜き強度の測定>
試験片:一辺が50mmの正方形状として、
図20に示すようにピンをリベットに挿入した。
図20中、φはリベットの直径、Wは試験片の有底孔の直径、dは有底孔の深さ、Tは化粧材の厚みである。
試験方法:構造用パネルの日本農林規格(平成25年11月28日農林水産省告示第2904号の「常態剥離試験」に基づき、上方向へクロスヘッドスピード2mm/minで実施した。
図21に試験方法の正面図を示す。
【符号の説明】
【0044】
2 化粧パネル
10 締結フレーム
11 第一の開口部
12 折曲片
13 底面
14 底部
15 凸状部
16 貫通孔
17 第二の開口部
20 化粧材
22 周縁
24 有底孔
25 周面
30 ピン
30c 錐状部
31 ピン
31a 頭部
31b 胴体
31c 錐状部
32 ピン
32a 頭部
32b 胴体
32c 錐状部
32e 掛止部
40 リベット
40a 頭部
40b 中空部
40c 固定部
40d スリット
41 リベット
41a 頭部
41b 中空部
41d スリット
50 締結具
51 締結具
60 接着剤
70 野縁
71 底部
75 ビス