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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】媒体を成形するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63G 31/00 20060101AFI20230815BHJP
   A63J 1/02 20060101ALI20230815BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20230815BHJP
   G03B 21/608 20140101ALI20230815BHJP
   G09F 9/37 20060101ALN20230815BHJP
【FI】
A63G31/00
A63J1/02
G03B21/00 D
G03B21/608
G09F9/37
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022503843
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 US2020043806
(87)【国際公開番号】W WO2021021770
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-01-19
(31)【優先権主張番号】62/879,888
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/702,145
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】ブラム スティーヴン シー
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-070362(JP,A)
【文献】特開2017-050701(JP,A)
【文献】特表2019-502554(JP,A)
【文献】特開2018-134371(JP,A)
【文献】特開2000-116960(JP,A)
【文献】特開2005-141646(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
A63J 1/00-99/00
A63K 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
ベース上に配置された媒体と、
前記ベースに結合された複数のトランスデューサと、
前記複数のトランスデューサのうちの1つのトランスデューサに結合されたアクチュエータと、
コントローラであって、前記複数のトランスデューサの各個別トランスデューサが前記コントローラによって個別にアドレス指定可能であるように、前記複数のトランスデューサに通信可能に結合されたコントローラと、
前記ベース及び前記媒体に向かって画像を投影するように構成されたプロジェクタと、
を備え、
前記コントローラは、
フィードバックを受信し、前記フィードバックに基づいて、前記複数のトランスデューサの個別トランスデューサのうちの少なくとも幾つかを作動させて前記ベース上の前記媒体を移動させ、成形面を生成するように命令するステップと、
前記フィードバックに応答して、前記トランスデューサを前記ベースに対して相対的に移動させるように前記アクチュエータに命令するステップと、
前記フィードバックに応答して、前記媒体及び前記ベースに向けて前記画像を投影するように前記プロジェクタに命令するステップと、を行うように構成され、前記トランスデューサと前記アクチュエータと前記プロジェクタとが協働する
システム。
【請求項2】
前記複数のトランスデューサの各個別トランスデューサは、作動時に、音響波、力学的波、又はこれらの何れかの組み合わせを生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムの動作パラメータを決定するように構成されたセンサを備え、前記フィードバックが前記動作パラメータを含み、前記動作パラメータが、前記成形面の特性、前記ベースに加わる力、前記媒体の温度、前記媒体に加わる力、前記システムの動作時間、又はこれらの何れかの組み合わせのうちの1又は2以上を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、ユーザインタフェースを備え、前記フィードバックは、前記ユーザインタフェースから受信したユーザ入力である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ユーザ入力は、前記媒体の直接動作を示す、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記媒体は、複数の粒状粒子、流体、又はこれらの何れかの組み合わせを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
システムであって、
ベース上に配置された媒体と、
前記ベースに結合された複数のトランスデューサであって、前記複数のトランスデューサの各トランスデューサは、前記媒体内に局所的な振動を引き起こすように作動されるように構成されている、複数のトランスデューサと、
前記ベース及び前記媒体に向かって画像を投影するように構成されたプロジェクタと、
前記複数のトランスデューサ及び前記プロジェクタと通信可能に結合されたコントローラと、
を備え、前記コントローラが、
前記システムの動作パラメータを示すフィードバックを受信するステップと、
前記複数のトランスデューサのうちの少なくとも一部のトランスデューサに対して、前記フィードバックに基づいて前記複数のトランスデューサのうち前記少なくとも一部のトランスデューサを作動させ、前記ベース上の前記媒体から成形面を生成するよう命令するステップと、
前記フィードバックに応答して、前記媒体及び前記ベースに向けて画像を投影するように前記プロジェクタに命令するステップと、
を行うように構成され、前記複数のトランスデューサの各トランスデューサと前記プロジェクタとが協働する、システム。
【請求項8】
前記フィードバックは、前記媒体のプロファイルを示すものであり、前記コントローラは、前記プロファイルに基づいて前記画像を前記成形面と位置合わせするために、前記ベースに向かって前記画像を投影するように前記プロジェクタに命令するよう構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記フィードバックは、前記複数のトランスデューサの予めプログラムされた動作と前記プロジェクタの予めプログラムされた動作との組み合わせのユーザ選択を含み、前記コントローラは、前記ユーザ選択に応答して、前記複数のトランスデューサの各トランスデューサに特定の波を放出するように命令し、前記プロジェクタに特定の画像を前記媒体及び/又は前記ベースに向けて投影するように命令するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記媒体及び/又はベースに向けて前記画像を投影することは、前記媒体の露出面に前記画像を動的にマッピングすることを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記ベースの周囲の少なくとも一部と接触して囲むバリアを備え、前記複数のトランスデューサのうちのトランスデューサが、前記バリアに対して配置される、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数のトランスデューサは、第1の波を放出して第1の振動を引き起こすように構成された第1のトランスデューサと、第2の波を放出して第2の振動を引き起こすように構成された第2のトランスデューサと、を備え、前記コントローラは、前記第2のトランスデューサによって放出された前記第2の波と干渉するように、前記第1のトランスデューサに前記第1の波を放出するよう命令するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記媒体内に配置された小道具を備え、前記フィードバックは、前記ベースに対する前記小道具の目標位置を示し、前記コントローラは、前記複数のトランスデューサのうちの少なくとも一部のトランスデューサを作動させて、前記小道具を前記目標位置に向けて移動させるように命令するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
システムであって、
ベースと、
前記ベース上に配置された媒体と、
前記ベースに結合された複数のトランスデューサであって、前記複数のトランスデューサの各トランスデューサは、前記媒体内に局所的な振動を引き起こすように作動されるよう構成されている、複数のトランスデューサと、
ユーザインタフェースと、
前記複数のトランスデューサ及び前記ユーザインタフェースに通信可能に結合されたコントローラと、
前記ベース及び前記媒体に向かって画像を投影するように構成されたプロジェクタと、
を備え、前記コントローラは、
前記ユーザインタフェースから、前記システムの動作パラメータを示すフィードバックを受信するステップと、
前記フィードバックに基づいて前記複数のトランスデューサのうち少なくとも一部のトランスデューサを作動させて前記媒体を移動させ、前記ベース上に成形面を生成するように命令するステップと、
前記フィードバックに応答して、前記媒体及び前記ベースに向けて画像を投影するように前記プロジェクタに命令するステップと、
を行うように構成され、前記複数のトランスデューサのうち少なくとも一部のトランスデューサと前記プロジェクタとが協働する、
システム。
【請求項15】
前記フィードバックは、前記ベースに対する前記複数のトランスデューサのうちのトランスデューサの選択された配向、前記複数のトランスデューサのうちのトランスデューサによって放出される選択された波、前記複数のトランスデューサのうちのトランスデューサの選択された予めプログラムされた動作、又はこれらの何れかの組み合わせを示すものである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、前記システムのアクチュエータに、前記複数のトランスデューサのうちのトランスデューサを前記ベースに対して相対的に移動させるように駆動することを命令するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記ユーザインタフェースは、タッチスクリーン、コンピュータデバイス、ディスプレイ、ジョイスティック、スライダー、ノブ、スイッチ、ボタン、又はこれらの何れかの組み合わせを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数のトランスデューサの個別トランスデューサを互いに又は前記ベースから少なくとも部分的に分離する1又は2以上のダンピング構造を備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記フィードバックは、前記システムのセンサから送信され、前記センサは、前記媒体の動作パラメータを検出するように構成され、前記センサは、位置センサ、圧力センサ、モーションセンサ、イメージセンサ、音響トランスデューサ、赤外線放射計、又はこれらの何れかの組み合わせである、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2019年7月29日に出願された「SYSTEMS AND METHODS TO CONTROL GRANULAR MATERIAL」と題する米国仮出願第62/879,888号からの優先権及びその利益を主張するものであり、あらゆる目的で引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に、プログラム可能な3次元特殊効果を生成するためのシステム及び方法に関し、具体的には、粒状粒子を用いて特殊効果を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、本開示の様々な態様に関連する可能性がある技術の様々な態様を読み手に紹介することを意図している。ここでの議論は、本開示の様々な態様のより良い理解を容易にする背景情報を読み手に提供するのに役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術の自認ではなく、この観点に照らして読まれるべきであることに留意されたい。遊園地及び他の娯楽施設全体にわたり、特殊効果を使用して、乗り物や又はトラクションの体験にゲストを没入させるのを助けることができる。没入環境は、3次元の小道具及び大道具、ロボット又は機械要素、及び/又はメディアを提示する表示面を含む。没入環境は、オーディオ効果、スモーク効果、及び/又はモーション効果を含むことができる。このように、没入環境は、動的要素と静的要素の組み合わせを含むことができる。しかしながら、没入環境の設置は複雑であり、没入環境の特定の要素は、新しいナラティブ(narrative)を組み込むために更新又は変更することが困難である。最近の乗り物アトラクションはますます洗練されて複雑化しており、テーマパーク又はアミューズメントパークの利用客の間での期待もこれに応じて高まっており、より複雑な没入環境を有する乗り物アトラクションを含む、より改良されより創造的なアトラクションが望まれている。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で開示される特定の実施形態の概要を以下に示す。これらの態様は、単に読み手にこれらの特定の実施形態の概要を提供するのに提示されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。実際に、本開示は、以下に記載されていない様々な態様を包含することができる。
【0005】
一実施形態では、システムは、ベース上に配置された媒体と、ベースに結合された複数のトランスデューサと、複数のトランスデューサの各個別のトランスデューサがコントローラによって個別にアドレス指定可能であるように、複数のトランスデューサに通信可能に結合されたコントローラと、を含む。コントローラは、フィードバックを受信し、フィードバックに基づいて、複数のトランスデューサの個別トランスデューサのうちの少なくとも幾つかを作動させてベース上の媒体を移動させ、成形面を生成するように命令するように構成されている。
【0006】
一実施形態では、システムは、ベース上に配置された媒体と、ベースに結合された複数のトランスデューサと、ベースに向かって画像を投影するように構成されたプロジェクタと、複数のトランスデューサ及びプロジェクタに通信可能に結合されたコントローラとを含む。複数のトランスデューサの各トランスデューサは、媒体内に局所的な振動を引き起こすように作動されるように構成され、また、コントローラは、システムの動作パラメータを示すフィードバックを受信し、フィードバックに基づいて、複数のトランスデューサのうちの少なくとも一部のトランスデューサを作動して、ベース上の媒体から成形面を生成するように命令し、フィードバックに応答して、媒体及び/又はベースに向かって画像を投影するようにプロジェクタに命令する、ように構成されている。
【0007】
一実施形態では、システムは、ベースと、ベース上に配置された媒体と、ベースに結合された複数のトランスデューサと、ユーザインタフェースと、複数のトランスデューサ及びユーザインタフェースに通信可能に結合されたコントローラとを含む。複数のトランスデューサの各トランスデューサは、前記媒体内に局所的な振動を引き起こすように作動されるよう構成され、また、コントローラは、ユーザインタフェースからシステムの動作パラメータを示すフィードバックを受信し、フィードバックに基づいて複数のトランスデューサのうち少なくとも一部のトランスデューサを作動させて媒体を移動させ、ベース上に成形面を生成するよう命令するように構成されている。
【0008】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、図面全体を通じて同様の参照符号が同様の要素を示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むと更に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一態様による、成形面を形成するための粒状粒子のレイアウト、配向、又は位置決めを生成及び制御するように構成された制御システムの一実施形態の上面図である。
図2】本開示の一態様による、粒状粒子の移動を引き起こすためにエネルギーを放出するトランスデューサを有する制御システムの一実施形態の側面図である。
図3】本開示の一態様による、粒状粒子を特定のプロファイルに配向させて成形表面を形成するようためにトランスデューサを作動させる制御システムの一実施形態の側面図である。
図4】本開示の一態様による、粒状粒子、成形面、トランスデューサ、アクチュエータ、及びプロジェクタを有する制御システムの一実施形態の概略図である。
図5】本開示の一態様による、ユーザ入力を受信するように構成された異なるユーザインタフェースを有する制御システムの一実施形態の概略図である。
図6】本開示の一態様による、制御システムによって形成された粒状表面上にユーザを配置することができる、制御システムの一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下で、1又は2以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、本明細書では、実際の実施態様の全ての特徴については説明しないことにする。何れかの技術又は設計プロジェクトと同様に、このような何らかの実際の実施構成の開発において、システム及びビジネスに関連した制約への準拠など、実施構成毎に異なる可能性のある開発者の特定の目標を達成するために、多数の実施時固有の決定を行う必要がある点は理解されたい。更に、このような開発の取り組みは、複雑で時間を要する可能性があるが、本開示の利点を有する当業者にとっては、設計、製作、及び製造の日常的な業務である点を理解されたい。
【0011】
本発明の種々の実施形態の要素を導入する際に、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、要素の1又は2以上が存在することを意味するものとする。用語「備える」、「含む」、及び「有する」は、包括的なものであり、記載した要素以外の付加的な要素が存在し得ることを意味する。本発明の1つ又はそれ以上の特定の実施形態について、以下に説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、本明細書では、実際の実施態様の全ての特徴については説明しないことにする。何れかの技術又は設計プロジェクトと同様に、このような何らかの実際の実装の開発において、システム及びビジネスに関連した制約への準拠など、実装毎に異なる可能性のある開発者の特定の目標を達成するために、多数の実装時固有の決定を行う必要がある点に留意されたい。更に、このような開発の取り組みは、複雑で時間を要する可能性があるが、本開示の利点を有する当業者にとっては、設計、製作、及び製造の日常的な業務である点に留意されたい。
【0012】
本開示は、プログラム可能で動的な3次元(3D)効果を形成するために、成形された粒状材料などの媒体を利用するシステム及び方法に関する。一実施形態では、開示された成形粒状材料の効果は、アミューズメントパーク又はテーマパークなどの娯楽施設内で提供される。従って、成形された粒状材料を用いて、アトラクション又はショーの中で3Dオブジェクト(表面、小道具要素、テクスチャ、その他)を生成することができる。更に、成形された粒状物質の効果は、全体の没入環境の一部として移動又はシフトして、より複雑な環境キューを生成し、ゲストを没入させる一助とすることができる。別の例では、システムは、インタラクティブ・ディスプレイ・スクリーンとして実装することができ、成形粒状材料は、より現実的又は強化された画像を生成するために画像を投影できる曲線輪郭を形成することができる。本開示の実施形態は、オペレータ入力に基づいて、粒状粒子を特定の成形プロファイル又はパターンに移動させることができるシステムを含む。粒状材料は、粒状粒子から形成することができる。粒状材料は、凝集材料とすることができる。本明細書で使用する場合、粒状粒子は、砂、砂糖、塩、金属粉、ポリスチレン、発泡体、アクリルビーズ、おがくず、ガラスミクロスフェア、他の適切な粒子、又はこれらの何れかの組み合わせなど、何れかの適切なサイズの粒子を含むことができる。粒状粒子は、異なるタイプ(サイズ、材質)の粒子を含むことができ、同種(同じタイプ)の粒子とすることができる。粒状粒子は、特定のイリュージョンを高めるために、蛍光性又は反射性などの光学的特性に基づいて選択することができる。更に、本開示では主に粒状粒子の操作について述べているが、他の実施形態では、このような流体(例えば、気体、液体、ゲル)などの別の媒体を使用し操作してもよい。
【0013】
粒状粒子は、可鍛性があり容易に交換可能な没入環境の表面を提供することができる。しかしながら、粒状粒子を使用してスタンディング構造及び特定の所望の曲線輪郭又はプロファイルを達成することは複雑である。このため、ユーザが定義した方法で粒状粒子を自動的に移動及び配置することで、様々なプロファイルへの粒状粒子の形成を向上させることが可能になる。本開示の実施形態によれば、システムは、表面に配置された粒状粒子を有することができる。システムはまた、粒状粒子の振動を引き起こす役割を果たす、1又は2以上の個別にアドレス指定可能なトランスデューサ(例えば、音響トランスデューサ)を含む。各トランスデューサは、トランスデューサによって放出される全波の複合効果が粒状粒子を所望のプロファイルに移動させるように、特定の方向に特定の特性を有する、エネルギー(例えば、音響波、力学的波、圧力波を介して)を放出するように制御することができる。
【0014】
一実施形態では、トランスデューサは、粒状粒子の振動を引き起こす。開示された配置は、粒状粒子がプレートのノードに達するような単一の振動プレートを通して振動を伝達するキネティックテーブルなどのシステムとは対照的とすることができる。一実施形態では、粒状粒子を保持しトランスデューサが結合される容器又はベースは、トランスデューサの各々によって引き起こされる振動がベース自体を介して伝達されないか又はベースを介した制限された伝達を有するように内部減衰面を含むことができる。これにより、各トランスデューサによって引き起こされる粒状体への局所的且つ予測可能な振動効果が、ベース全体の振動により混同されたり又は著しく希釈されたりしないようにすることができる。別の実施形態では、トランスデューサがベースの局所的な振動を直接引き起こし、各トランスデューサの駆動信号により決まる量だけベースが振動するようにすることができる。この振動は、それぞれのトランスデューサの発生する各放出の特定の特性に基づいて、粒状粒子が互いに及び/又はベースに対して様々な位置又は方向に移動させることができる。また、振動を持続させることで、粒状粒子の位置を維持し、所望のプロファイルを維持することができる。振動を引き起こすためのトランスデューサの構成は、これに応じて粒状粒子を移動させるために、所望のプロファイルに基づいて自動的に調整されユーザの入力に基づくことができる。
【0015】
粒状粒子の制御された成形は、動的で複雑なスタンディング構造を所望通りに形成及び消失させることを可能にすることができる。スタンディング構造は、安価でメンテナンスが容易な粒状材料を用いて、トランスデューサの制御と連動して広範囲な面にわたってイルージョンを生成するプロジェクションマッピングにより強化することができる。このようにして、プロジェクションマッピングを利用して、床面に画像を投影し、3次元イルージョンを増強することができる。床ベースの3次元イルージョンは、通常は複雑で、平面的な床材料上では奥行きを含むイルージョンを効果的に維持することが難しい場合がある。しかしながら、床に成形面を生成することは、ユーザが床を横断しているような状況では好ましくない場合がある。開示の技術は、投影画像によって生成された3次元イルージョンを高めるための奥行き及びテクスチャを有する床面を提供する。例えば、没入環境は、ユーザが歩き、砂又は粒状粒子から形成され又は砂又は粒状粒子を含む床面を含むことができる。例えば、投影画像と連動させ成形砂を用いることで、波打つ水のイルージョンを生成することができる。この成形面は、コストのかかる成形ディスプレイ面を使用することなく、水のイリュージョンを強化することができる。
【0016】
開示された技術はまた、ユーザによる粒状粒子との相互作用によって引き起こされる粒状粒子の望ましくない移動及び/又は崩壊(例えば、足跡)が生じた後、又は床面へのプログラムされたプロジェクションマッピングと干渉する可能性のあるゴミ又はデブリを除去するために、撹拌を介して粒状粒子を再形成又は補充することができる。トランスデューサの撹拌又はプログラムされた作動により、没入環境において粒状粒子を円滑化又は成形して、各アトラクションの動作サイクル後に床をリセットすることができる。このようにして、3次元イリュージョンに適した相互作用床面を提供することで、費用対効果が高く、メンテナンスが容易になる。
【0017】
次に図面に目を向けると、図1は、粒状粒子52のパターン、配向又は位置決めを生成及び制御するように構成された制御システム50によって形成される成形面24の一実施形態の概略上面図である。成形面24は、あるパターンで分配された波30のパターンを含む、禅の庭として描かれている。しかしながら、描かれた成形面24は例示であり、他の構成が企図されることに留意すべきである。更に、描かれた成形面24は、イベント又はアトラクションの間に他の成形面24に移行することができる。すなわち、本明細書で提供されるように、成形面24は動的又は静的とすることができる。
【0018】
粒状粒子52は、ベース54を少なくとも部分的に覆う(例えば、ベース54の表面積の少なくとも20%、表面積の少なくとも50%を覆う)量で、下にあるベース54上に配置することができる。一実施形態では、ベース54は、粒状粒子52がベース54から移動するのを阻止するために、ベース54の周囲の少なくとも一部を囲むリップ又はバリア56を含むことができる。すなわち、バリア56は、ベース54上の粒状粒子52を含み、粒状粒子52が制御システム50によって引き起こされる振動効果を生じることを可能にすることができる。追加又は代替の実施形態では、バリア56は、移動可能とすることができ、及び/又は制御システム50は、粒状粒子52がより容易に(例えば、滝効果で、又は清掃又は交換を可能にするために)ベース54から流出することを可能にするために、バリア56を含まない場合もある。例えば、使用済みの粒状粒子52を交換する場合、粒状粒子52は、ベース54から誘導又は強制流出させて、ベース54から粒状粒子52を取り除き、新しい粒状粒子52をベース54に追加することができる。
【0019】
制御システム50は、複数のトランスデューサ58(例えば、アレイ状に配置された)を含み、複数のトランスデューサ58は、ベース54上に粒状粒子52の所望の成形面24を形成するためなど、粒状粒子52をベース54に対して相対的に移動させるように作動させることができる。各トランスデューサ58は、ハウジング59を介してベース54に結合することができる。ハウジング59は、作動されたトランスデューサ58から結合されたベース54へのエネルギーの伝達及び/又はトランスデューサ58間のエネルギーの伝達を制限するために、1又は2以上のダンピング構造を含むことができる。ダンピング構造は、発泡体、エアブラダー、又はエアギャップを有する他の構造など、音響的又は機械的に吸収性のある材料を含むことができる。例えば、個別トランスデューサ58は、ベース54の少なくとも周囲(例えば、バリア56及び/又はベース54の側面に対して)及び/又は垂直軸60に対してベース54の上方又は下方を含めて、ベース54と直接又は間接的に接触して配置することができる。一実施形態では、作動時には、各トランスデューサ58は、各トランスデューサ58の駆動信号に応じて、粒状粒子52を介して及び/又は粒状粒子52にわたって伝達される振動を引き起こし、粒状粒子52を変位及び励起(例えば、振動)させる波を放出することができる。波は、粒状粒子52から所望の成形面24を生成するための特定の方法で粒状粒子52を移動及び配向させるように制御することができる。例示的な実施形態では、波は、音響波又は音波(例えば、人間の耳には聞こえない可能性がある低周波数を有する)を含むことができる。追加又は代替の実施形態では、波は、力学的な波(例えば、ベース54の物理的な振動)を含むことができる。特定の実施形態では、ベース54は、セグメント化することができる。ベース54の各セグメントは、単にトランスデューサ58の一部を含むことができ、隣接するベースセグメント間の振動を減衰させるために、介在する構造物又はエアギャップを介して隣接するセグメントから物理的に分離することができる。このようにして、各セグメントにおけるベース54の振動により、隣接するセグメントに与える影響を低減することができる。
【0020】
各トランスデューサ58は、粒状粒子52を所望の成形面24に配向させ、異なる成形面24に移行させるために、互いに独立して制御することができる。生成された振動は、粒状粒子52を垂直軸60に対して(例えば、横軸62及び縦軸64によって形成される平面に直交して)及び/又は垂直軸60に交差してベース54に向かって又はベースから離れるように移動させることができる。また、振動を持続させることで、粒状粒子52を特定の配向に維持することができる。言い換えれば、振動を引き起こすためにトランスデューサ58を作動させると、最初は粒状粒子52を特定の方向に及び特定のプロファイル又は特徴的な成形面24に移動させることができる。トランスデューサ58が継続して作動すると、粒状粒子52のプロファイルが維持される。粒状粒子52のプロファイルが維持されている間、粒状粒子52は振動し続けることができる点に留意すべきである。従って、粒状粒子52の持続的なプロファイルは、粒状粒子52の全て又は一部において共振周波数を含むことができる定在波とみなすことができる。しかしながら、粒状粒子52の一般的な位置は、粒状粒子52のプロファイルを維持するために実質的に維持することができる。実際に、定在波は、粒状粒子52のサイズ、色、質量及び同様のものなどの粒状粒子52の特性に基づいて発生することができる。一実施形態では、オブジェクト又は小道具66は、制御システム50の一部を形成することができる。小道具66の存在は、例えば、ベース54にわたる平面波の伝播に障害物を生じさせることによって、成形面24に影響を与えることができる。一実施形態では、振動は、制御された方法で1又は2以上の小道具66をベース54上の新しい位置に移動させるのに十分な力とすることができる。このような移動は、所望のイリュージョンの一部とすることができる。
【0021】
粒状粒子52を含む粒状材料は、粒状粒子52の所望の移動又は外観など、粒状粒子52の所望の特性に基づいて選択することができることに留意すべきである。例えば、粒状粒子52は各々、特に選択されたサイズを有することができる。より大きいサイズの粒状粒子52は、より小さいサイズの粒状粒子52よりも安定して保持することができるが、小さいサイズの粒状粒子52は、大きいサイズの粒状粒子52よりも容易に移動することができる。また、粒状粒子52は、特定の粗さなどの特定の表面特性を有することができる。例えば、各粒状粒子52の表面の粗さを増加させると、粒状粒子間の摩擦が増加することに起因して、互いに対する粒状粒子52の位置がより確実に保持されることになる。摩擦の増加は、更に、粒状粒子52の間のより大きな接触を可能にするために、増加した表面積を有する幾何学的形状に粒状粒子52を形成することによって達成することができる。粒状粒子52は、視覚的外観(例えば、色、形状)、質量、比熱、磁気特性、化学的特性、電気的特性、別の適切な特性、又は制御システム50の特定の用途に基づいて選択することができるこれらの何れかの組み合わせなど、追加又は代替の特性を有することができる。
【0022】
図2は、ベース54、バリア56、及びトランスデューサ58を有する制御システム50の一実施形態の側面図である。側面図に示すように、トランスデューサ58は、ベース54上又はベース内に配置され、側部バリア56上又は側部バリア56内に配置することができる(例えば、垂直軸60に平行に延在する)。図示するように、各トランスデューサ58は、粒状粒子52の局所的振動を引き起こすように構成され、これによって、振動は放出された波100によって引き起こされる。各波100は、媒体を継続的に変位させ(例えば、音波の場合は空気を変位させ、力学的な波の場合はベース54を変位させる)、頂部102(例えば、高い点)と谷部104(例えば、低い点)との間で媒体を交互に変化させる特性を有するように放出することができる。各波100は、頂部102と谷部104の差である特徴的振幅106と、頂部102と谷部104の全サイクル又は完了である周期108を有することができる。各トランスデューサ58は、ベース54に対するトランスデューサ58の配向、並びにトランスデューサ58を駆動する制御信号に応じて、異なる形状の波100を放出することができる。例えば、第1のトランスデューサ58Aは、第1の波100Aを放出することによって、軸62,64によって形成される平面に直交する振動を引き起こすことができ、第2のトランスデューサ58Bは、第1の波100Aのものよりも大きな振幅106及び長い周期108を有することができる第2の波100Bを放出することによって、軸62,64によって形成される平面に直交する振動を引き起こすことができる。代替の実施形態では、第1の波100Aは、第2の波100Bと同じ周期108を有することができ、及び/又は第2の波100Bと同じ振幅106を有することができるが、第1の波100Aは、第2の波100Bとは異なる時間に生成することができる。つまり、第1の波100Aは、第2の波100Bと同様の形状にすることができるが、第1の波100Aは、垂直軸60に対する第2の波100Bの頂部102及び谷部104とそれぞれ比較して、異なる位置に頂部102及び谷部104を有することができる。
【0023】
波100A,100Bは、互いに干渉してそれぞれの波100A,100Bを修正することはない。しかしながら、特定のトランスデューサ58は、互いに干渉する波を放出することができる。例えば、第3のトランスデューサ58Cは、第4のトランスデューサ58Dによって軸60,62によって形成される平面に直交して放出される別の第4の波100Dと干渉する第3の波100Cを有する、軸60,62によって形成される平面に直交する波(例えば、長手方向軸64に平行な波)を放出することができる。図示された実施形態では、第3のトランスデューサ58Cは、第4のトランスデューサ58Dの真向かいに配置することができ、第3の波100Cと第4の波100Dが互いに放出されるようになる。第3の波100Cと第4の波100Dを互いに向けて直接放出することで、波100C,100Dを共に結合することができる。言い換えると、第3の波100Cと第4の波100Dは、第3の波100Cと第4の波100Dによるそれぞれの変位に基づいて重畳して、重畳波110を生成することができる。例えば、第3の波100Cと第4の波100Dのそれぞれの頂部102が実質的に一致する第1の位置112では、第3の波100Cと第4の波100Dを加算することができる。しかしながら、第2の位置114では、第4の波100Dの頂部102は、第3の波100Cの谷部104と実質的に一致することができる。その結果、第3の波100Cは、第4の波100Dから差し引くことができ、第3の波100Cと第4の波100Dは、実質的に互いに打ち消し合うことができる。異なるトランスデューサ58は、粒状粒子52の特定の成形面(図1参照)を生成するために、個別トランスデューサ58によって他の方法では効果的に生成されない場合がある、特に成形された重畳波110を生成するように制御することができる。図2は、重畳波110が、互いに向かい合って位置付けられたトランスデューサ58C、58Dを介して生成されることを示しているが、重畳波110は、追加的又は代替的に、互いに対して異なる位置にあるトランスデューサ58を介して生成することができることに留意すべきである。例えば、第1のトランスデューサ58Aによって放出される第1の波100Aは、第3の波100C及び/又は第4の波100Dと干渉して、重畳波110の形状を変化させることができる。
【0024】
各トランスデューサ58はまた、ベース54及びバリア56に対して相対的に移動して、局所的な振動が伝播する場所を変更するように構成することができる。例えば、各トランスデューサ58は、垂直軸60、横軸62、及び/又は長手方向軸64に対して機械的に作動することができる。追加的又は代替的に、各トランスデューサ58は、(例えば、垂直軸60に平行に延びる軸、横軸62に平行に延びる軸、及び/又は長手方向軸64に平行に延びる軸を中心に)回転することができる。トランスデューサ58の配向を変えて伝播振動の特性を変えることはまた、粒状粒子52がベース54に対してどのように移動するかを変化させ、これによって粒状粒子52のプロファイルを変えることができる。追加又は代替の実施形態では、ベース54及び/又はバリア56の一部は、移動するように構成することができる。一例として、ベース54の一部は、軸62,64によって形成される平面に直交して移動することができる。従って、ベース54の当該部分に配置された粒状粒子52はまた、ベース54と共に軸62,64により形成される平面に直交して移動し、粒状粒子52のプロファイルを変化させることができる。更に、ベース54及び/又はバリア56の移動により、トランスデューサ58により放出される波100の特性が変化し、粒状粒子52の生成される動きを更に変化させることができる。例えば、ベース54及び/又はバリア56の一部を移動させることにより、波100の1つに偏向、回折、屈折及び同様のことを生じさせることができる。
【0025】
制御システム50は、粒状粒子52を移動させるのに使用できる他の構成要素を更に含むことができる。例として、制御システム50はまた、ファン、磁石(例えば、磁気特性を有する粒状粒子52のための)、流体噴霧器、別の適切な構成要素、又はこれらの何れかの組み合わせを含むことができる。このような構成要素はまた、粒状粒子52と共に所望のプロファイルを生成することを容易にするように制御することができる。一例では、制御システム50は、ベース54に結合された1又は2以上の電磁石を作動させて、磁気又は金属粒状粒子52に対するアクティブトランスデューサ58によって引き起こされる効果を強化することができる。磁力の極性は、所望の形状又はパターンを生成するために使用することができる。
【0026】
図3は、粒状粒子52を特定のプロファイル140で配向させるために作動されたトランスデューサ58を有する制御システム50の一実施形態の側面図である。図示された実施形態では、プロファイル140は、垂直軸60に対してベース54から離れて延びる略三角形の形状を含む。例えば、特定のトランスデューサ58は、粒状粒子52において振動を引き起こすのに作動することができ、一方、トランスデューサ58の残りの部分(例えば、第5のトランスデューサ58E及び第6のトランスデューサ58F)は、振動を引き起こすために作動しなくてもよい。その結果、粒状粒子は、作動していないトランスデューサ58E,58Fから離れて移動し、作動しているトランスデューサ58に向かって移動する、及び/又は隣接して積み重なることができる。振動を持続させるために記載の方法でトランスデューサ58を継続的に作動させることで、プロファイル140を維持することができる。
【0027】
図4は、粒状粒子52と、ベース54と、トランスデューサ58と、ベース54に対してトランスデューサ58を移動させるように構成されたアクチュエータ158と、粒状粒子52及びベース54に画像を投影できるプロジェクタ160とを有する制御システム50の一実施形態の概略図である。トランスデューサ58は、粒状粒子52に特定のプロファイルを形成させることができ、プロジェクタ160は、プロジェクタ160に露出した粒状粒子の表面上など、粒状粒子52の形成されたプロファイル上に画像を投影することができる。更に、アクチュエータ158を制御して、ベース54に対するトランスデューサ58の位置又は配向を制御することができる。例として、アクチュエータ158は、縦軸60、横軸62、及び/又は長手方向軸64に対して相対的に(例えば、直線的に)移動するように構成することができ、及び/又は、縦軸60、横軸62、及び長手方向軸64に対して任意の方法で配向された軸を中心に回転することができる。アクチュエータ158は、バネ、電気アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、液圧アクチュエータ、他の適切なアクチュエータ、又はこれらの何れかの組み合わせを含むことができ、これらは、トランスデューサ58をベース54に対して相対的に移動させるためにコントローラ162によって動作することができる。上述のように、アクチュエータ158のこのような移動は、トランスデューサ58によって波がどのように放出されるかを変えることができ、粒状粒子52がベース54に対してどのように動くかを変えることができる。
【0028】
制御システム50は、メモリ164及びプロセッサ166を有するコントローラ162を含むことができる。メモリ164は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、及び/又はリードオンリーメモリ(ROM)などの不揮発性メモリ、光学ドライブ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、又は制御システム50を操作する命令を含む他の何れかの非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。プロセッサ166は、このような命令を実行するように構成することができる。例えば、プロセッサ166は、1又は2以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1又は2以上のフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、1又は2以上の汎用プロセッサ、又はこれらの何れかの組み合わせを含むことができる。また、コントローラ162は、タッチスクリーン、トラックパッド、ボタン、スイッチ、他の適切な構成要素、又はこれらの何れかの組み合わせなどのユーザインタフェース168を含むことができ、これらとユーザは、制御システム50を操作するために対話することができる。コントローラ162は、ユーザとユーザインタフェース168との間の相互作用の結果としてユーザ入力を受信することができ、ユーザ入力に基づいて、トランスデューサ58、アクチュエータ158、及び/又はプロジェクタ160を動作させることができる。
【0029】
コントローラ162は、トランスデューサ58及びプロジェクタ160に通信可能に結合されて、粒状粒子52のプロファイルに画像を投影することができる。一実施形態では、トランスデューサ58及び/又はアクチュエータ158は、粒状粒子52を移動させるように動作することができ、一方、プロジェクタ160は、複数の画像フレームを粒状粒子52に同時に投影して、粒状粒子52によってアニメーション化された3次元ビデオを生成することができる。例えば、トランスデューサ58は、制御システム50の動作の様々な時点で特定の波を放出するように予めプログラムすることができ、アクチュエータ158は、制御システム50の動作の様々な時点でトランスデューサ58を移動させるように予めプログラムすることができ、プロジェクタ160はまた、制御システム50の動作の様々な時点で特定の画像を投影するように予めプログラムすることができる。アクチュエータ158、トランスデューサ58、及びプロジェクタ160の間の協働により、粒状粒子52のビデオアニメーションを可能にすることができる。コントローラ162は、トランスデューサ58、アクチュエータ158、及び/又はプロジェクタ160の予めプログラムされた動作の異なる組み合わせを格納するように構成することができる。このような組み合わせは、ユーザインタフェース168を介して選択可能とすることができ、制御システム50は、選択された組み合わせに基づいて、トランスデューサ58、アクチュエータ158、及び/又はプロジェクタ160を動作させることができる。
【0030】
追加又は代替の実施形態において、プロジェクタ160は、粒状粒子52のプロファイルに基づいて画像を投影することができる。一例として、コントローラ162は、粒状粒子52の現在のプロファイルなど、制御システム50の動作パラメータを決定するように構成されたセンサ170に通信可能に結合することができる。センサ170は、ベース54に対する縦軸60、横軸62、及び/又は長手方向軸64に対する粒状粒子52の位置を決定することができる。プロジェクタ160は、位置決めを示すフィードバックをセンサ170から受信することができ、決定された位置決めに基づいて、プロジェクタ160は、対応する画像を投影することができる。例えば、プロジェクタ160は、縦軸60に対して第1の高さで積層された粒状粒子52を有するベース54の第1の領域に第1の色を投影することができ、プロジェクタ160は、縦軸60に対して第2の高さで積層された粒状粒子52を有するベース54の第2の領域に第2の色を投影することができる。粒状粒子52のプロファイルを調整することで、プロジェクタ160が、センサ170によって送信されたフィードバックに基づいて、粒状粒子52上に投影される画像を自動的に変更することができる。例として、ユーザインタフェース168を用いて、トランスデューサ58及び/又はアクチュエータ158を制御して、粒状粒子52のプロファイルを変更し、プロジェクタ160が、これに応じて粒状粒子52に画像を投影することができる。このようにして、プロジェクタ160は、複数の粒状粒子52の露出面上に画像を動的にマッピングすることができる。
【0031】
図5は、ユーザ入力を受信するように構成された異なるユーザインタフェース168を有する制御システム50の一実施形態の概略図である。図示の実施形態では、制御システム50は、第1のユーザ200Aによって利用される第1のユーザインタフェース168Aと、第2のユーザ200Bによって利用される第2のユーザインタフェース168Bとを含む。第1のユーザインタフェース168Aは、ジョイスティック、スライダー、ノブ、スイッチ、ボタン、他の適切な構成要素、又はこれらの何れかの組み合わせを含むことができ、これらの何れかにより、ベース54に対するトランスデューサ58及び/又はアクチュエータ158のうちの1つについての位置を調整するなど、第1のユーザ200Aがトランスデューサ58及び/又はアクチュエータ158のうちの少なくとも1つを直接制御することを可能にする。第1のユーザ200Aは、追加的又は代替的に、第1のユーザインタフェース168Aを使用して、トランスデューサ58の1つによって放出される波を調整することができる。このため、コントローラ162は、第1のユーザ200Aと第1のユーザインタフェース168Aとの間の相互作用を示すフィードバック(例えば、ユーザ入力)を受信するように構成され、コントローラ162は、受信したフィードバックに基づいて、トランスデューサ58及び/又はアクチュエータ158の動作を調整することができる。このようにして、第1のユーザ200Aは、第1のユーザインタフェース168Aを使用して、波がどのように放出されるかを変更することができ、また、粒状粒子52のプロファイルを直接変更することができる。ユーザインタフェース168を用いて、所望の形状を形成するように制御システム50をトレーニングすることができる。例えば、ユーザ入力は、粒状粒子52の目標形状又はプロファイル、粒状粒子52の現在の形状又はプロファイルの調整、又はこれらの何れかの組み合わせなど、粒状粒子52の直接操作を示すことができる。
【0032】
例示的な実施形態において、制御システム50は、粒状粒子52内に配置された小道具202を有することができ、第1のユーザ200Aは、第1のユーザインタフェース168Aを使用して、ベース54に対して小道具202を移動させることができる。すなわち、第1のユーザ200Aは、トランスデューサ58によって放出される波を調整し、及び/又はトランスデューサ58の配向を選択して、粒状粒子52をベース54に対して相対的に移動させ、これによってベース54に対して相対的に移動させるように小道具202を駆動することができる。波の特性(例えば、準波100の振幅106及び/又は周期108)を調整することで、ベース54に対する粒状粒子52の移動を変化させ、ベース54に対する小道具202の移動も変化させることができる。このようにして、ユーザ200は、制御システム50を動作させて、例えば、粒状粒子52内で車両をレースさせるなど、様々な小道具202を相対的に移動させることができる。
【0033】
第2のユーザインタフェース168Bは、第2のユーザ200Bが予めプログラムされた動作などの制御システム50の特定の動作を選択することを可能にする、タッチスクリーン、コンピュータデバイス、ディスプレイ、別の適切な構成要素、又はこれらの何れかの組み合わせを含むことができる。例えば、コントローラ162は、選択された動作を示す第2のユーザ200Bからのフィードバックを受信することができ、コントローラ162は、選択された動作に少なくとも部分的に基づいて、トランスデューサ58、アクチュエータ158、及び/又は、プロジェクタ160を動作させることができる。言い換えれば、第2のユーザ200Bは、第2のユーザインタフェース168Bを介して制御システム50の特定の予めプログラムされた動作を選択することができ、コントローラ162は、選択された予めプログラムされた動作に基づいて制御システム50を自動的に動作させることができる。例えば、選択された予めプログラムされた動作に基づいて、コントローラ162は、粒状粒子52の特定のプロファイルを形成するために、トランスデューサ58及び/又はアクチュエータ158を動作させ、また、粒状粒子52に特定の画像を投影するために、プロジェクタ160を動作させることができる。別の例では、選択された予めプログラムされた動作は、特定の移動及び/又は小道具202の目標位置を示すものとすることができ、コントローラ162は、選択された予めプログラムされた動作に基づいて、トランスデューサ58及び/又はアクチュエータ158を動作させて、特定の移動に従って小道具202を移動させることができる。
【0034】
図6は、制御システム50の一実施形態の概略図であり、ここでユーザ200は、ベース54上の粒状粒子52に直接位置付けることができる。コントローラ162は、ユーザ200の行動に基づいて、制御システム50を動作することができる。一実施形態では、コントローラ162は、トランスデューサ58及び/又はアクチュエータ158を動作させて、粒状粒子52の特定のプロファイルを生成し、及び/又はベース54に関するユーザ200の位置に基づいて粒状粒子52を特定の方法で移動させてもよい。例えば、コントローラ162は、ユーザ200の周りに粒状粒子52を配置する波を放出するようにトランスデューサ58に命令して、シーズパーティングイリュージョンを生成するためにユーザ200が粒状粒子52を踏まないようにする。追加又は代替の実施形態では、コントローラ162は、ユーザ200とベース54との間の相互作用に基づいて粒状粒子52の特定のプロファイルを生成し、及び/又は粒状粒子52を特定の方法で移動させることができる。一例として、コントローラ162は、ベース54に対して静止している特定のユーザ200の周りで粒状粒子52を円運動で移動させる局所的な振動を引き起こすようにトランスデューサ58に命令し、コントローラ162は、ベース54に対して相対的に移動している別の特定のユーザ200と粒状粒子52を直線的に移動させる局所的な振動を引き起こす波を放出するようにトランスデューサ58に命令することができる。粒状粒子52のこのような移動は、歩いているときに粒状粒子52がユーザ200の周りを流れているという効果を生み出すことができる。
【0035】
図示された実施形態では、コントローラ162は、画像(例えば、粒状粒子52、ベース54の)のマシンビジョン又は分析を使用して、制御システム50を動作することができる。例えば、センサ170は、粒状粒子52及び/又はベース54の状態(例えば、視覚的外観、組成)を示すフィードバックをコントローラ162に送信することができ、コントローラ162は、フィードバックに基づいて制御システム50を動作させることができる。一実施形態では、センサ170は、ベース54に対するユーザ200の位置を決定するように構成された位置センサとすることができる。例えば、センサ170は、光検出及び測距(LIDAR)センサ、カメラ、電気光学センサ、他の適切な位置センサ、又はこれらの何れかの組み合わせとすることができる。センサ170は、垂直軸60に対してベース54の上方に配置され、ユーザ200がベース54上のどこに配置されているかを決定できるようにすることができる。追加的又は代替的に、センサ170は、ユーザ200によってベース54に及ぼす力を決定するように構成された圧力センサとすることができる。力を決定するセンサ170の位置に基づいて、コントローラ162は、ユーザ200がベース54に対してどこに位置しているかを決定することができる。例えば、センサ170は、垂直軸60に対してベース54の下に位置することができる。各センサ170は、ユーザ200の1人の体重に対応する力の存在を決定するように構成されている。コントローラ162は、力を示すセンサ170からのフィードバックを受信し、力の存在を示すセンサ170に基づいて、コントローラ162は、力の位置を決定し、ベース54に対するユーザ200の位置を決定することができる。更なる実施形態では、センサ170は、超音波センサ、速度計、パッシブ赤外線センサ、振動センサ、又はこれらの何れかの組み合わせなどのモーションセンサとすることができ、移動を検出して、ベース54に対するこのような移動の位置を決定するように構成されている。コントローラ162は、検出された移動に基づいて、ベース54に対するユーザ200の位置を決定することができる。音響トランスデューサ、赤外線放射計、及び/又は任意の他の適切なセンサを含む、センサ170の他の実施形態も使用することができる。
【0036】
更に、センサ170は、粒状粒子52の動作パラメータを決定するように構成することができ、コントローラ162は、決定された動作パラメータに基づいて、制御システム50を動作させることができる。例えば、センサ170は、粒状粒子52の取り込まれた画像(例えば、画像の着色特性)に基づいて、汚れ、デブリ、又は他の不要な粒子など、粒状粒子52内の不純物を検出するように構成された画像センサとすることができる。コントローラ162は、次に、粒状粒子52をベース54から移動させて、新たな粒状粒子52をベース54上に追加できるようにすることによるなど、トランスデューサ58に波を放出させ、検出された不純物に基づいて粒状粒子52を移動させるように命令することができる。このようにして、制御システム50は、粒状粒子52及び/又はベース54の自己メンテナンスに利用することができる。センサ170はまた、粒状粒子52の温度、粒状粒子52に及ぼされる力、制御システム50の動作時間、別の適切な動作パラメータ、又はこれらの何れかの組み合わせなど、制御システム50の追加又は代替の動作パラメータを決定することができる。その後、コントローラ162は、動作パラメータに基づいて、粒状粒子52を移動させるため、及び/又は粒状粒子52の位置を維持するために、制御システム50を動作させることができる。
【0037】
本発明の特定の特徴のみを本明細書で例示し説明してきたが、当業者であれば、多くの変更形態及び変形が想起されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の技術的思想の範囲内にあるこのような修正形態及び変更全てを保護することを意図していることを理解すべきである。
【0038】
本明細書で提示され請求項に記載された手法は、本発明の技術分野を明らかに改善する実際的な性質の実質的な目的及び具体的な実施例に参照及び適用され、このため、抽象的、無形、又は真に理論的でもない。更に、本明細書の終わりに添付した何れかの請求項が「機能」を「実行」する手段」又は「機能」を「実行」するステップ」として指定された1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されるものとする。しかしながら、任意の他の方法で指定された要素を含む何れかの請求項については、このような要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されないものとする。
【符号の説明】
【0039】
54 ベース
56 バリア、
58 トランスデューサ
50 制御システム
100 波
102 頂部
104 谷部
図1
図2
図3
図4
図5
図6