(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230815BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20230815BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20230815BHJP
【FI】
G09F9/30 349C
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
G09F9/302 C
H10K59/10
(21)【出願番号】P 2022528706
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(86)【国際出願番号】 CN2021082771
(87)【国際公開番号】W WO2021208691
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】202010307757.0
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515179325
【氏名又は名称】昆山国顕光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN GO-VISIONOX OPTO-ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone Kunshan, Jiangsu, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】張露
(72)【発明者】
【氏名】宋艷芹
(72)【発明者】
【氏名】許傳志
(72)【発明者】
【氏名】胡思明
(72)【発明者】
【氏名】韓珍珍
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110504289(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110783384(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107819018(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109801950(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示領域、第2の表示領域、及び前記第1の表示領域と前記第2の表示領域との間に位置する遷移表示領域を有し、前記第1の表示領域の透光率が前記第2の表示領域の透光率より大きい表示パネルであって、
前記第1の表示領域に設けられる複数の第1のサブ表示画素と、
前記遷移表示領域に設けられる複数の第2のサブ表示画素と、
前記遷移表示領域に設けられ、且つ前記第1のサブ表示画素及び前記第2のサブ表示画素を駆動するために用いられる複数の第1の画素駆動回路と、
前記第1の表示領域において複数の前記第1のサブ表示画素のうちの少なくとも一部に対応して設けられる複数の遮断ブロックと、
を含
み、
前記遷移表示領域における前記複数の第2のサブ表示画素に隣接して設けられる各前記第1のサブ表示画素には、それぞれ対応して少なくとも一つの前記遮断ブロックが設けられる、
表示パネル。
【請求項2】
前記複数の第1の画素駆動回路は第1の密度で分布され、前記複数の遮断ブロックは第2の密度で分布され、前記第1の密度は前記第2の密度を超えるか又は前記第2の密度と等しい、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記複数の遮断ブロックは、前記複数の第1のサブ表示画素の個数と同じであり且つ一対一で対応して設けられる、
請求項
1に記載の表示パネル。
【請求項4】
各前記第1のサブ表示画素は、第1の電極、前記第1の電極上に位置する第1の発光素子、及び前記第1の発光素子上に位置する第2の電極を含み、前記第1の電極は、前記第1の画素駆動回路に接続され、前記第1の電極及び前記第2の電極の配列方向において、各前記遮断ブロックの正投影は前記第1の電極の正投影により覆われ、及び/又は、
各前記第2のサブ表示画素は、第3の電極、前記第3の電極に位置する第2の発光素子、及び前記第2の発光素子に位置する第4の電極を含み、前記第3の電極は、前記第1の画素駆動回路に接続される、
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記複数の第1のサブ表示画素における同一色の前記第1のサブ表示画素の前記第1の電極は、互いに電気的に接続され、且つ一つの前記第1の画素駆動回路により駆動される、及び/又は、
前記複数の第2のサブ表示画素における同一色の前記第2のサブ表示画素の前記第3の電極は、互いに電気的に接続され、且つ一つの前記第1の画素駆動回路により駆動される、
請求項
4に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1の画素駆動回路は、半導体層、第1の金属層、第2の金属層、第3の金属層、及び層間絶縁層を含み、
前記複数の遮断ブロックは、前記半導体層、前記第1の金属層、前記第2の金属層、前記第3の金属層、及び前記層間絶縁層のうちの少なくとも一つと同一層に設けられる、
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記遮断ブロックは、トランジスタ構造体である、
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記表示パネルは、前記第2の表示領域に設けられる複数の第3のサブ表示画素をさらに含み、前記複数の第3のサブ表示画素は第3の密度で分布され、複数の前記第1のサブ表示画素は第4の密度で分布され、前記第3の密度は前記第4の密度より大きく、
前記表示パネルは、前記第2の表示領域に分布される複数の第2の画素駆動回路をさらに含み、前記第2の画素駆動回路は、前記第3のサブ表示画素を駆動するために用いられる、
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の表示パネル。
【請求項9】
請求項1
乃至8に記載の表示パネルを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年4月17日に提出された「表示パネル及び表示装置」というの発明の名称の中国特許出願第202010307757.0号の優先権を主張し、当該出願の全ての内容は本明細書に援用される。
【0002】
本願は、表示技術分野に関し、特に、表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電子機器の急速な発展に伴い、スクリーン占有率に対するユーザーの要求特性がますます高くなり、電子機器のフルスクリーン表示が業界でますます多く注目されている。
【0004】
携帯電話、タブレットコンピュータ等のような電子機器は、フロントカメラ、受話器及び赤外線感知素子等を集積する必要があるため、相応の領域の光線透過率を増加させる必要がある。そのため、ますます多くのメーカーは表示パネルにおけるフロントカメラ等のデバイスに対応する領域の構造を改善して、ある程度でフロントカメラ等のデバイスの感光要求特性を満たすことができるが、表示パネルに不均一な表示の欠陥が存在する。
【0005】
したがって、新たな表示パネル及び表示装置を必要とする。
【発明の概要】
【0006】
本願の実施例は、表示パネル及び表示装置を提供して、フロントカメラ等のデバイスの感光要求特性を満たすことができると同時に、表示パネルの表示時の均一性を向上させることができる。
【0007】
一様態において、本願の実施例は、表示パネルを提供し、当該表示パネルは、第1の表示領域、第2の表示領域、及び第1の表示領域と第2の表示領域との間に位置する遷移表示領域を有し、第1の表示領域の透光率は、第2の表示領域の透光率より大きく、ここで、表示パネルは、第1の表示領域に設けられる複数の第1のサブ表示画素と、遷移表示領域に設けられる複数の第2のサブ表示画素と、遷移表示領域に設けられ、且つ第1のサブ表示画素及び第2のサブ表示画素を駆動するために用いられる複数の第1の画素駆動回路と、第1の表示領域において複数の第1のサブ表示画素のうちの少なくとも一部に対応して設けられる複数の遮断ブロックと、を含む。
【0008】
他の様態において、本願の実施例は、上記の表示パネルを含む表示装置を提供する。
【0009】
本願の実施例に係る表示パネル及び表示装置によれば、表示パネルは、第1の表示領域、第2の表示領域、及び第1の表示領域と第2の表示領域との間に位置する遷移表示領域を有し、第1の表示領域の透光率は第2の表示領域の透光率より大きく、使用時に、フロントカメラ等のデバイスを第1の表示領域の下方に設けることができるため、表示パネルのフルスクリーン表示要求特性を満たすことができ、また、第1の表示領域がより高い透光率を有するため、カメラ等のデバイスの感光要求特性を保証することができる。
【0010】
表示パネルが、第1の表示領域に位置する第1のサブ表示画素と、遮断ブロックと、遷移表示領域に位置する第2のサブ表示画素及び第1の画素駆動回路と、を含むため、第1の画素駆動回路により、第1の表示領域に位置する第1のサブ表示画素及び遷移表示領域に位置する第2のサブ表示画素の駆動を実現することができ、また、遮断ブロックの配置により第1の表示領域における図形分布状況と遷移表示領域に設けられる第1の画素駆動回路の図形分布状況とをより近接させることができ、遷移表示領域における第1の表示領域に近接する第1の画素駆動回路の図形の均一性を改善することができるため、表示パネルの表示の均一性を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下、図面を参照して本願の例示的な実施例の特徴、利点及び技術的効果を説明する。
【0012】
【
図1】本願の表示パネルの一実施例の構造平面図である。
【
図3】
図2におけるM-Mに沿った構造断面図である。
【
図4】本願の表示パネルの別の実施例の部分構造断面図である。
【
図5】本願の表示パネルのさらに別の実施例の部分構造断面図である。
【
図6】本願の表示パネルのまた別の実施例の部分構造断面図である。
【
図7】本願の表示装置の一実施例の構造平面図である。
【
図8】
図7におけるW-Wに沿った部分構造断面図である。
【符号の説明】
【0013】
1 表示パネル、AA1 第1の表示領域、AA2 遷移表示領域、AA3 第2の表示領域、
10 第1のサブ表示画素、11 第1の電極、12 第1の発光素子、13 第2の電極、
20 第2のサブ表示画素、21 第3の電極、22 第2の発光素子、23 第4の電極、
30 第1の画素駆動回路、31 半導体層、32 第1の金属層、33 第2の金属層、34 第3の金属層、35 第1の層間絶縁層、36 第2の層間絶縁層、37 第3の層間絶縁層、
40 遮断ブロック、50 第3のサブ表示画素、60 第2の画素駆動回路、
2 感光アセンブリ、X 配列方向。
【0014】
図面において、同じ部材に対しては同じ符号を使用する。図面は実際の比率に応じて描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願の各態様の特徴及び例示的な実施例を詳細に説明する。以下、本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、図面及び具体的な実施例を参照して、本願をさらに詳細に説明する。理解すべきことは、ここで説明される具体的な実施例は本願を説明するためのものであって、本願を限定するものではない。当業者にとって、本願はこれらの具体的な細部のうちのいくつかの細部を必要とせずに実施することができる。実施例に対する以下の説明は、本願の例を示すことにより本願をよりよく理解するためのものである。
【0016】
なお、本明細書において、第1及び第2等のような関係用語は一つのエンティティ又は操作を他のエンティティ又は操作と区別するために用いられ、必ずしもこれらのエンティティ又は操作の間にいかなる実際の関係又は順序が存在することを要求するか又は暗示するものではない。また、「含む」や「備える」、「有する」という用語又はその任意の他の変形は非排他的な包含をカバーすることを意図するため、一連の要素を含む過程、方法、物品又は装置は、それらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素も含むか、又は、このような過程、方法、物品又は装置に固有の要素をさらに含む。より多くの制限がない場合、「……を含む」という語句により限定される要素は、前記要素を含む過程、方法、物品又は装置に他の同じ要素が存在することを排除しない。
【0017】
理解すべきことは、部材の構造を説明する際に、一層、一つの領域が他の層、他の領域の「上面」又は「上方」に位置すると記載する場合、他の層、他の領域の上面に直接位置することを指すか、又は、他の層、他の領域との間にさらに他の層又は領域を含むことを指す。また、部品を反転すれば、当該一層、一つの領域は他の層、他の領域の「下面」又は「下方」に位置する。
【0018】
携帯電話及びタブレットコンピュータ等のような電子機器において、表示パネルを設ける側にフロントカメラ、赤外線センサ、近接光センサ等の感光部品を集積する必要がある。いくつかの実施例において、上記電子機器に透明表示領域を配置し、感光アセンブリを透明表示領域の背面に設けることができ、感光アセンブリの正常動作を保証する状況で、電子機器のフルスクリーン表示を実現する。
【0019】
透明表示領域の配線数を減少するために、一般的に透明表示領域の画素駆動回路を透明表示領域の周辺の遷移表示領域に設けるが、透明表示領域の画素構造又は配線位置の変更に伴い、表示パネルのプロセス製造でエッジ効果が現れ、主に、遷移表示領域における透明表示領域エッジに近接する画素駆動回路の図形及び特性と他の領域の駆動回路の図形及び特性とは差異があり、これは不均一な表示を引き起こす。
【0020】
したがって、上記技術課題を解決するために、本願の実施例は表示パネル及び表示装置を提供し、以下、
図1乃至
図8を参照して、本願の実施例の表示パネル及び表示装置を詳細に説明する。
【0021】
図1乃至
図3に示すように、本願の実施例は、表示パネル1を提供し、当該表示パネル1は、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)表示パネルであってもよい。
【0022】
表示パネル1は、第1の表示領域AA1、第2の表示領域AA3、及び第1の表示領域AA1と第2の表示領域AA3との間に位置する遷移表示領域AA2を含み、第1の表示領域AA1の透光率は、第2の表示領域AA3の透光率より大きい。
【0023】
選択可能に、第1の表示領域AA1の透光率は15%以上であるか、又はさらに40%を超えるか、又はより高い透光率を有する。そのため、本願の一つ又は複数の実施例において、表示パネル1の各機能膜層の透光率はいずれも80%より大きく、さらに少なくとも一部の機能膜層の透光率はいずれも90%より大きい。
【0024】
本願の実施例の表示パネル1によれば、第1の表示領域AA1の透光率は第2の表示領域AA3の透光率より大きく、これにより、表示パネル1は第1の表示領域AA1の背面に感光アセンブリを集積することができ、例えばカメラのような感光アセンブリ2の画面下の集積を実現すると同時に、第1の表示領域AA1が画面を表示することができるため、表示パネル1の表示面積を向上させ、表示装置のフルスクリーン設計を実現する。
【0025】
選択可能な実施形態として、表示パネル1は、複数の第1のサブ表示画素10、複数の第2のサブ表示画素20、複数の第1の画素駆動回路30、及び複数の遮断ブロック40を含む。複数の第1のサブ表示画素10は、第1の表示領域AA1に設けられ、複数の第2のサブ表示画素20は、遷移表示領域AA2に設けられる。複数の第1の画素駆動回路30は、遷移表示領域AA2に設けられ、且つ第1のサブ表示画素10及び第2のサブ表示画素20を駆動するために用いられ、複数の遮断ブロック40は、第1の表示領域AA1において複数の第1のサブ表示画素10のうちの少なくとも一部に対応して設けられる。
【0026】
本願の実施例に係る表示パネル1において、第1の画素駆動回路30を遷移表示領域AA2に配置し且つ第1のサブ表示画素10及び第2のサブ表示画素20を制御するために用いることにより、第1のサブ表示画素10及び第2のサブ表示画素20の表示機能を効果的に保証することができる。また、第1の表示領域AA1内の配線を減少させ、第1の表示領域AA1の透光率を向上させ、カメラ等のデバイスの画面下の集積要求特性を満たすことができる。第1の表示領域AA1に設けられる遮断ブロック40により、第1の表示領域AA1における図形分布状況又はデバイスの図形分布状況と遷移表示領域AA2に設けられる第1の画素駆動回路30の図形分布状況とがより近接するようにし、遷移表示領域AA2における第1の表示領域AA1に近接する第1の画素駆動回路30の図形の均一性を改善し、さらに、表示パネル1の表示の均一性を改善する。
【0027】
いくつかの選択可能な実施例において、表示パネルの複数の第1の画素駆動回路30は、第1の密度で分布し、複数の遮断ブロック40は、第2の密度で分布し、第1の密度は、第2の密度以上である。上記配置により、遷移表示領域AA2に位置する第1の画素駆動回路30の分布図形密度と他の領域、特に第1の表示領域AA1における図形密度とが一致する傾向があるようにできるだけ保証することができ、第1の画素駆動回路30の図形分布の均一性を改善し、表示効果を保証することができる。
【0028】
選択可能な実施形態として、本願の実施例に係る表示パネル1において、遷移表示領域AA2における複数の第2のサブ表示画素20に隣接して設けられる各第1のサブ表示画素10にそれぞれ対応して少なくとも一つの遮断ブロック40が設けられる。第1の表示領域AA1に位置する第1のサブ表示画素10を駆動するための第1の画素駆動回路30を遷移表示領域AA2に配置し、遷移表示領域AA2における第1の表示領域AA1に近接するエッジ位置にエッジ効果が発生しやすいため、遷移表示領域AA2における第2のサブ表示画素20に隣接して設けられる各第1のサブ表示画素10にそれぞれ対応して少なくとも一つの遮断ブロック40を設けることにより、遷移表示領域AA2における第1の画素駆動回路30の分布図形と隣接する領域との差異を効果的に低減し、さらに、遷移表示領域AA2に現れるエッジ効果を最適化し、表示効果を保証することができる。
【0029】
なお、上記実施例で言及した遷移表示領域AA2における第2のサブ表示画素20に隣接して設けられる各第1のサブ表示画素10における「隣接して設けられる」とは、第2のサブ表示画素20の側に直接設けられ且つその間に他のサブ画素がない全ての第1のサブ表示画素10を指す。
【0030】
例えば、
図2において、破線枠内の1列の第1のサブ表示画素10は、第2のサブ表示画素20に対応する側に設けられ且つその間に他のサブ画素がなく、当該列の第1のサブ表示画素10と遷移表示領域AA2における第2のサブ表示画素20とは、隣接して設けられ且つ少なくとも一つの遮断ブロック40がそれぞれ対応して設けられる。また、図面を明確に示すために、
図2において、第1の表示領域AA1に位置する一つの第1のサブ表示画素10と遷移表示領域AA2に位置する第1の画素駆動回路30との接続により例示される。第1のサブ表示画素10を駆動するための他の第1の画素駆動回路30は、遷移表示領域AA2において要求特性に応じて設けることができるが、隣接する第2のサブ表示画素20の間の空白領域に位置してもよく、当然のことながら、相応の第2のサブ表示画素20の下方に位置してもよく、駆動要求特性を満たすことができればよく、図面には逐一描画されていない。
【0031】
図2、
図3に示すように、いくつかの選択可能な実施例において、本願の実施例に係る表示パネル1において、複数の遮断ブロック40の個数は複数の第1のサブ表示画素10の個数と同じであり、且つ一対一で対応して設けられてもよい。上記配置により、遷移表示領域AA2における第1の画素駆動回路30の分布図形と隣接する領域との差異を効果的に減少させ、第1の画素駆動回路30の図形分布の均一性を改善し、さらに、第1の画素駆動回路30の特性の均一性を改善することができる。
【0032】
選択可能な実施形態として、上記各実施例に係る表示パネル1において、各第1のサブ表示画素10は、第1の電極11と、第1の電極11に位置する第1の発光素子12と、第1の発光素子12に位置する第2の電極13と、を含み、第1の電極11は第1の画素駆動回路30に接続され、第1の画素駆動回路30により、接続された第1のサブ表示画素10を駆動することができる。第1の電極11及び第2の電極13の配列方向Xにおいて、各遮断ブロック40の正投影は第1の電極11の正投影により覆われる。
【0033】
上記配置により、遷移表示領域AA2における第1の画素駆動回路30の分布図形と隣接する領域との差異を減少させることを保証し、第1の画素駆動回路30の図形分布の均一性を効果的に改善した上で、さらに、遮断ブロック40が第1の表示領域AA1における光線の回折に影響を与えないようにすることができる。第1の表示領域AA1の透光要求特性を保証し、さらに、フロントカメラ等のデバイスの感光要求特性を満たす。
【0034】
選択可能な実施形態として、本願の実施例に係る表示パネル1において、第1の電極11及び第2の電極13の配列方向Xにおいて、各遮断ブロック40の正投影はそれに対応する第1の電極11の正投影により完全に覆われる。
【0035】
いくつかの選択可能な実施例において、上記各実施例に係る表示パネル1において、各第2のサブ表示画素20は、第3の電極21、第3の電極21に位置する第2の発光素子22、及び第2の発光素子22に位置する第4の電極23を含み、第3の電極21は第1の画素駆動回路30に接続される。第1の画素駆動回路30により、接続された第2のサブ表示画素20を駆動することができる。
【0036】
いくつかの選択可能な実施例において、第1の電極11及び第3の電極21は陽極であり、第2の電極13及び第4の電極23は陰極である。
【0037】
選択可能な実施形態として、第1の画素駆動回路30の個数を減少するために、遷移表示領域AA2の透光率が第1の表示領域AA1と第2の表示領域AA3との間にあることを保証し、選択可能に、複数の第1のサブ表示画素10における同一色の複数の第1のサブ表示画素10の第1の電極11は、互いに電気的に接続され且つ一つの第1の画素駆動回路30により駆動される。選択可能に、複数の第2のサブ表示画素20における同一色の複数の第2のサブ表示画素20の第3の電極21は、互いに電気的に接続され且つ一つの第1の画素駆動回路30により駆動される。上記配置により、第1の画素駆動回路30の個数を効果的に減少することができると同時に、第1の表示領域AA1及び遷移表示領域AA2の配線数を減少することができ、さらに、第1の表示領域AA1の透光率の要求特性をよりよく保証することができる。
【0038】
いくつかの選択可能な実施例において、上記各実施例に係る表示パネル1において、その遮断ブロック40は導電性材料で製造されてもよく、勿論、非導電性材料で製造されてもよく、選択可能に、それは金属材料で製造されてもよく、勿論、非金属材料で製造されてもよい。選択可能に、遮断ブロック40は非透明構造であってもよく、その形状は要求特性に応じて配置することができ、遷移表示領域AA2における第1の画素駆動回路30の分布図形と隣接する領域との差異を減少する要件をよりよく満たすことができればよい。
【0039】
選択可能な実施形態として、上記各実施例に係る表示パネル1において、第1の画素駆動回路30は複数のトランジスタ及びコンデンサを有し、選択可能に、第1の画素駆動回路30は、半導体層31、第1の金属層32、第2の金属層33、第3の金属層34、及び層間絶縁層を含み、そのうち、遮断ブロック40は、半導体層31、第1の金属層32、第2の金属層33、第3の金属層34、及び層間絶縁層のうちの少なくとも一つと同一層に設けられる。上記配置により、遮断ブロック40の成形を容易にすることができ、且つ表示パネル1の成形時の工程を効果的に簡略化することができると同時に、表示パネル1の駆動、表示性能に影響を与えることを回避することができる。
【0040】
選択可能に、層間絶縁層は、第1の層間絶縁層35(ゲート絶縁層とも呼ばれる)、第2の層間絶縁層36、及び第3の層間絶縁層37を含み、第1の層間絶縁層35は、半導体層31を覆って設けられ、第2の層間絶縁層36は、第1の金属層32を覆って設けられ、第3の層間絶縁層37は、第2の金属層33を覆って設けられる。
【0041】
いくつかの選択可能な実施例において、表示パネル1を成形する時に、複数の遮断ブロック40と半導体層31とを同一層に設けることができ、即ち、遷移表示領域AA2の相応の位置にトランジスタのアクティブ領域を成形する時に、第1の表示領域AA1において各第1のサブ表示画素10に対応する領域にアクティブ領域材料と一致する構造を同期的に成形することにより、本願の上記実施例における遮断ブロック40を形成することができる。これは、遮断ブロック40の成形要求特性を満たすことができ、且つ表示パネル1に成形工程を増加させることはない。選択可能に、遮断ブロック40の形状は、トランジスタの相応のアクティブ領域の形状と一致してもよい。
【0042】
いくつかの他の実施例において、
図4に示すように、表示パネル1を成形する時に、複数の遮断ブロック40と第1の画素駆動回路30の第1の金属層32とを同一層に設けることができ、即ち、遷移表示領域AA2の相応の位置に第1の金属層32を成形する時に、例えばトランジスタのゲート電極を成形する時に、第1の表示領域AA1における各第1のサブ表示画素10に対応する領域にゲート電極材料と一致する構造を同期的に成形することにより、本願の上記実施例における遮断ブロック40を形成することができる。これは、遮断ブロック40の成形要求特性を満たすことができ、且つ表示パネル1に成形工程を増加させることはない。選択可能に、遮断ブロック40の形状は、相応のゲート電極の形状と一致してもよい。
【0043】
図5に示すように、いくつかの他の例において、表示パネル1を成形する時に、複数の遮断ブロック40は、層間絶縁層(Inter-Layer Dielectric、ILD)と同一層に配置してもよく、選択可能に、具体的には、第1の層間絶縁層35、第2の層間絶縁層36、又は第3の層間絶縁層37と同一層に設けることができ、理解しやすくするために、以下では第3の層間絶縁層37と同一層に設けられることを例として説明する。表示パネル1は成形する時に、第1の表示領域AA1、遷移表示領域AA2、及び第2の表示領域AA3に第3の層間絶縁層37を成形した後、エッチング等のプロセスにより、第1の表示領域AA1に位置する第3の層間絶縁層37に複数の孔溝を形成し、その後、相応の孔溝内に蒸着、堆積等のプロセスにより成形且つ充填して各孔溝を形成することにより、複数の遮断ブロック40を成形する。同じく、遮断ブロック40の要求特性を満たすことができる。
【0044】
なお、上記の遮断ブロック40と第1の画素駆動回路30の半導体層31、第1の金属層32、又は第3の層間絶縁層37とを同一層に設けることは、本願の実施例に係る表示パネル1をよりよく理解するために行われる例示であり、これは3種類の選択可能な実施例であるが、上記実施例に限定されるものではなく、いくつかの他の例において、複数の遮断ブロック40は、第2の金属層33、第3の金属層34、第1の層間絶縁層35、及び第2の層間絶縁層36のうちの少なくとも一つと同一層に設けられてもよく、ここでは一々例示しない。例えば、それは、第1の層間絶縁層35、第2の層間絶縁層36、及び第3の層間絶縁層37の三者と同時に同一層に設けられてもよく、この場合も、表示パネル1の性能要求特性を満たすことができる。
【0045】
本願のいくつかの実施例によれば、複数の遮断ブロック40と第1の画素駆動回路30の少なくとも一つの層構造とを同一層に設けることは、いくつかの選択可能な実施形態に過ぎない。
図6に示すように、いくつかの他の例において、遮断ブロック40の構造をトランジスタ構造体としてもよく、例えば、第1の画素駆動回路30に含まれる任意のトランジスタ構造と同じであってもよい。このような配置方式も同じ効果をもたらすことができ、遷移表示領域AA2における第1の表示領域AA1の領域エッジに近接する第1の画素駆動回路30の図形密度と他の領域とをより近接させ、第1の画素駆動回路30の図形の均一性を改善し、さらに、第1の画素駆動回路30の特性の均一性を改善することができる。
【0046】
選択可能な実施形態として、上記各実施例に係る表示パネル1において、その複数の遮断ブロック40は行列の形に分布される。上記配置により、第1の画素駆動回路30の特性の均一性を改善することができ、同時に、上記配置により、さらに、遮断ブロック40の成形を容易にすることができると同時に、遮断ブロック40が対応する第1のサブ表示画素10の第1の電極11に覆われることを容易にし、第1の表示領域AA1の光線に対する遮断ブロック40の影響を低減又は回避することができる。
【0047】
選択可能な実施形態として、上記各実施例の表示パネル1は、第2の表示領域AA3に設けられる複数の第3のサブ表示画素50をさらに含み、複数の第3のサブ表示画素50は第3の密度で分布され、複数の第1のサブ表示画素10は第4の密度で分布され、第3の密度は第4の密度より大きく、上記配置により、第1の表示領域AA1の透光率が第2の表示領域AA3の透光率より大きい要求特性をよりよく実現することができる。
【0048】
図2乃至
図6に示すように、選択可能な実施形態として、上記各実施例に係る表示パネル1は、第2の表示領域AA3に分布される複数の第2の画素駆動回路60をさらに含み、第2の画素駆動回路60は、第3のサブ表示画素50を駆動するために用いられる。上記配置により、第2の表示領域AA3の表示要求特性をよりよく満たすことができると同時に、遷移表示領域AA2における第1の表示領域AA1の領域エッジに近接する第1の画素駆動回路30の図形密度と他の領域例えば第1の表示領域AA1及び第2の表示領域
AA3とをさらに近接させることができ、表示パネル1の表示効果を最適化することができる。
【0049】
いくつかの選択可能な実施例において、第1の画素駆動回路30及び第2の画素駆動回路60のうちの少なくとも一つは、2T1C回路、7T1C回路、7T2C回路、又は9T1C回路のうちのいずれか一種類であってもよい。本明細書において、「2T1C回路」とは、画素回路に2つのトランジスタ(T)及び1つのコンデンサ(C)を含む画素回路を指し、他の「7T1C回路」、「7T2C回路」、「9T1C回路」等は、このように類推する。
【0050】
本願の実施例に係る表示パネル1が、第1の表示領域AA1、第2の表示領域AA3、及び第1の表示領域AA1と第2の表示領域AA3との間に位置する遷移表示領域AA2を含み、第1の表示領域AA1の透光率が第2の表示領域AA3の透光率より大きいため、使用時に、フロントカメラ等のデバイスを第1の表示領域AA1の下方に設けることができ、表示パネル1のフルスクリーン表示の要求特性を満たすことができ、また、第1の表示領域AA1がより高い透光率を有するため、カメラ等のデバイスの感光要求特性をよりよく保証することができる。
【0051】
表示パネル1が、第1の表示領域AA1に位置する第1のサブ表示画素10と、遮断ブロック40と、遷移表示領域AA2に位置する第2のサブ表示画素20及び第1の画素駆動回路30と、を含むため、第1の画素駆動回路30により第1の表示領域AA1に位置する第1のサブ表示画素10及び遷移表示領域AA2に位置する第2のサブ表示画素20の駆動を実現することができ、また、遮断ブロック40の配置により、第1の表示領域AA1における図形分布状況と遷移表示領域AA2に設けられる第1の画素駆動回路30の図形分布状況とをより近接させることができるため、遷移表示領域AA2における第1の表示領域AA1に近接する第1の画素駆動回路30の図形の均一性を改善し、さらに、表示パネル1の表示の均一性を改善することができる。
【0052】
選択可能な実施形態として、本願の実施例は、さらに、上記のいずれかの実施例の表示パネル1を含む表示装置を提供する。表示パネル1は、第1の表示領域AA1、遷移表示領域AA2、及び第2の表示領域AA3を有し、第1の表示領域AA1の透光率は、第2の表示領域AA3の透光率より大きい。表示パネル1は、対向する第1の表面S1及び第2の表面S2を含み、ここで、第1の表面S1は表示面である。表示装置は、感光アセンブリ2をさらに含み、当該感光アセンブリ2は、表示パネル1の第2の表面S2側に位置し、感光アセンブリ2は、第1の表示領域AA1の位置に対応する。
【0053】
感光アセンブリ2は、外部画像情報を収集するために用いられる画像収集装置であってもよい。本実施例において、感光アセンブリ2は、相補型金属酸化物半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor、CMOS)画像収集装置であってもよく、他のいくつかの実施例において、感光アセンブリ2は、電荷結合素子(Charge-Coupled Device、CCD)画像収集装置等の他の形態の画像収集装置であってもよく、例えばフロントカメラ等である。なお、感光アセンブリ2は、画像収集装置に限定されず、例えば、いくつかの実施例において、感光アセンブリ2は、赤外線センサ、近接センサ、赤外線レンズ、フラッドライト感知素子、環境光センサ、及びドットマトリクス投影器等の光センサであってもよい。また、表示装置は、表示パネル1の第2の表面に、例えば受話器、スピーカ等の他の部材をさらに集積することができる。
【0054】
本願の実施例の表示装置によれば、第1の表示領域AA1の透光率は、第2の表示領域AA3の透光率より大きく、これにより、表示パネル1は第1の表示領域AA1の背面に感光アセンブリ2を集積することができ、例えば、画像収集装置の感光アセンブリ2の画面下の集積を実現することができる。第1の表示領域AA1が画面を表示することができるため、表示パネル1の表示面積を向上させ、表示装置のフルスクリーン設計を実現することができる。
【0055】
表示パネル1が、第1の表示領域AA1に位置する第1のサブ表示画素10と、遮断ブロック40と、遷移表示領域AA2に位置する第2のサブ表示画素20及び第1の画素駆動回路30と、を含むため、第1の画素駆動回路30により、第1の表示領域AA1に位置する第1のサブ表示画素10及び遷移表示領域AA2に位置する第2のサブ表示画素20に対する駆動要求特性を実現することができる。また、遮断ブロック40の配置により、第1の表示領域AA1における図形分布状況と遷移表示領域AA2に設けられる第1の画素駆動回路30の図形分布状況とをより近接させ、遷移表示領域AA2における第1の表示領域AA1に近接する第1の画素駆動回路30の図形の均一性を改善し、さらに、表示装置の表示の均一性を保証することができる。
【0056】
好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲から逸脱することなく、それに様々な変化を行うことができ且つ均等物でそのうちの部材を取り替えることができる。特に、構造的衝突が存在しない限り、各実施例に言及される各技術的特徴はいずれも任意の方式で組み合わせることができる。本願は本明細書に開示の特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に属する全ての技術的解決手段を含む。