(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】機器不具合兆候通知装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20230815BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20230815BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q10/04
(21)【出願番号】P 2022555043
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(86)【国際出願番号】 JP2020038066
(87)【国際公開番号】W WO2022074778
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2022-11-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩村 光貴
(72)【発明者】
【氏名】横田 守真
(72)【発明者】
【氏名】三輪 剛久
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 康次
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩之
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-023131(JP,A)
【文献】国際公開第2020/110208(WO,A1)
【文献】特開2019-018979(JP,A)
【文献】特許第6762443(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の不具合の兆候を通知する機器不具合兆候通知装置であって、
前記機器の動作ログを取得する動作ログ取得部と、
前記機器の動作ログデータと前記機器の不具合兆候内容とを対応付けた不具合兆候ルールが格納された不具合兆候ルールデータベースと、
前記動作ログ取得部で取得した前記動作ログが前記不具合兆候ルール中の前記動作ログデータに該当する場合に、対応する前記不具合兆候内容の不具合の兆候があると判定する不具合兆候判定部と、
前記不具合兆候判定部が判定した前記不具合兆候内容を通知する不具合兆候通知部と、
前記機器の1つ又は複数の前記動作ログの組み合わせであって、その組み合わせが検出された際に前記機器の前記不具合兆候内容を検出する動作パターンを格納する動作パターンデータベースと、
前記機器の不具合の対処を行った時刻と対処内容とを対処実績データとして格納した対処実績データベースと、
前記不具合兆候ルールを生成する不具合兆候ルール生成部と、を含み、
前記不具合兆候ルールは、前記動作パターンデータベースに格納された前記動作パターンと前記機器の前記不具合兆候内容とを対応づけたものであり、
前記不具合兆候内容は、前記機器に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含み、
前記不具合兆候判定部は、前記不具合兆候ルールに含まれる前記動作パターンが検出された際に、前記動作パターンに対応する前記不具合兆候内容に含まれる予測される不具合の兆候があり、前記不具合兆候内容に含まれる対処が必要であると判定し、
前記不具合兆候ルール生成部は、
前記対処実績データベースを参照して前記機器の不具合の一の対処を行った一の時刻より前の第1期間と一の時刻よりも後の第2期間とを設定し、
前記第2期間における前記動作パターンの検出回数が前記第1期間における前記動作パターンの検出回数の一定比率以下となる場合に、前記動作パターンと前記機器に予測される不具合と前記一の対処とを対応付けて前記不具合兆候ルールを生成し、前記不具合兆候ルールデータベースに格納すること、
を特徴とする機器不具合兆候通知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の機器不具合兆候通知装置であって、
前記機器の動作ログを格納した動作ログデータベースと、
前記機器及び前記機器の周辺をカメラで撮像した画像データを格納した画像データベースと、
前記動作パターンを生成する動作パターン生成部と、
前記画像データベースに格納されている画像データの内、前記動作パターン生成部で生成された前記動作パターンが検出された時刻の前後における所定の時間帯の画像データを画像として表示する画像表示部と、
生成された前記動作パターンが前記機器に予測される不具合の兆候を示すかどうかの不具合兆候該非信号を取得する不具合兆候該非信号取得部と、を備え、
前記動作パターン生成部は、前記不具合兆候該非信号取得部に不具合兆候該当信号が入力された場合に、生成した前記動作パターンの評価指標値を算出し、算出した評価指標値が前記動作パターンデータベースに格納されている既存の前記動作パターンの評価指標値以上の場合に生成した前記動作パターンを新規動作パターンとして前記動作パターンデータベースに格納
し、
前記評価指標値は、前記動作パターンの検出回数に対する前記動作パターンが検出された際に不具合兆候該当信号が入力される回数の割合であること、
を特徴とする機器不具合兆候通知装置。
【請求項3】
機器の不具合の兆候を通知する機器不具合兆候通知装置であって、
前記機器の動作ログを格納した動作ログデータベースと、
前記機器及び前記機器の周辺をカメラで撮像した画像データを格納した画像データベースと、
前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データを入力とし、前記機器の不具合兆候内容を出力とする不具合兆候推論モデルと、
前記不具合兆候推論モデルに前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データを入力し、前記不具合兆候内容を推論する不具合兆候推論部と、
前記不具合兆候推論部が出力した前記不具合兆候内容を通知する不具合兆候通知部と、
前記機器の1つ又は複数の前記動作ログの組み合わせであって、その組み合わせが検出された際に前記機器の前記不具合兆候内容を検出する動作パターンを格納する動作パターンデータベースと、
前記機器の不具合の対処を行った時刻と対処内容とを対処実績データとして格納した対処実績データベースと、
前記不具合兆候推論モデルを生成する不具合兆候推論モデル生成部と、を含み
前記不具合兆候内容は、前記機器に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含み、
前記不具合兆候推論モデル生成部は、
前記対処実績データベースを参照して前記機器の不具合の対処を行った一の時刻より前の第1期間と一の時刻よりも後の第2期間とを設定し、
前記第2期間における前記動作パターンの検出回数が前記第1期間における前記動作パターンの検出回数の一定比率以下となる場合に、前記第1期間の前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データとを入力とし、前記不具合兆候内容を出力とする不具合兆候有りの第1教師データを生成し、
前記第1期間と前記第2期間とのいずれとも重複しない第3期間を設定し、前記第3期間の前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データとを入力とし、不具合の兆候がないことを出力とする不具合兆候無しの第2教師データを生成し、
前記第1教師データと前記第2教師データを用いた学習により、一定期間の前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データとの入力に対して前記不具合兆候内容又は不具合兆候なしを出力とする前記不具合兆候推論モデルを生成すること、
を特徴とする機器不具合兆候通知装置。
【請求項4】
請求項3に記載の機器不具合兆候通知装置であって、
前記不具合兆候推論モデル生成部は、
前記第1期間の前記動作ログと前記対処実績データ、又は、前記動作ログと前記対処実績データと前記画像データとを入力とし、前記不具合兆候内容を出力とする不具合兆候有りの前記第1教師データを生成し、
前記第3期間の前記動作ログと前記対処実績データ、又は、前記動作ログと前記対処実績データと前記画像データとを入力とし、不具合の兆候がないことを出力とする不具合兆候無しの前記第2教師データを生成し、
前記第1教師データと前記第2教師データを用いた学習により、一定期間の前記動作ログと前記対処実績データ、又は、前記動作ログと前記対処実績データと前記画像データとの入力に対して前記不具合兆候内容又は不具合兆候なしを出力とする前記不具合兆候推論モデルを生成し、
不具合兆候推論部は、前記不具合兆候推論モデルに前記動作ログと前記対処実績データ、又は、前記動作ログと前記対処実績データと前記画像データを入力し、前記不具合兆候内容を推論すること、
を特徴とする機器不具合兆候通知装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の機器不具合兆候通知装置であって、
前記動作パターンを生成する動作パターン生成部と、
前記画像データベースに格納されている画像データの内、前記動作パターン生成部で生成された前記動作パターンが検出された時刻の前後における所定の時間帯の画像データを画像として表示する画像表示部と、
生成された前記動作パターンが前記機器に予測される不具合の兆候を示すかどうかの不具合兆候該非信号を取得する不具合兆候該非信号取得部と、を備え、
前記動作パターン生成部は、前記不具合兆候該非信号取得部に不具合兆候該当信号が入力された場合に、生成した前記動作パターンの評価指標値を算出し、算出した評価指標値が前記動作パターンデータベースに格納されている既存の前記動作パターンの評価指標値以上の場合に生成した前記動作パターンを新規動作パターンとして前記動作パターンデータベースに格納
し、
前記評価指標値は、前記動作パターンの検出回数に対する前記動作パターンが検出された際に不具合兆候該当信号が入力される回数の割合であること、
を特徴とする機器不具合兆候通知装置。
【請求項6】
情報処理を行うプロセッサと、データを格納する記憶装置と、画像を表示するディスプレイとを含むコンピュータによって、機器に予測される不具合の兆候を検出する前記機器の動作パターン
を生成
する方法であって、
前記記憶装置は、前記機器の動作ログを格納した動作ログデータベースと、前記機器及び前記機器の周辺をカメラで撮像した画像データを格納した画像データベースと、動作パターンを格納する動作パターンデータベースと、
含み、
前記プロセッサは、
前記機器の1つ又は複数の動作ログの組み合わせであって、その組み合わせが検出された際に前記機器の不具合の兆候を検出する前記動作パターンを生成し、
前記画像データベースに格納されている画像データの内、生成された前記動作パターンが検出された時刻の前後における所定の時間帯の画像データを画像として
前記ディスプレイに表示し、
前記表示された前記画像に基づいて生成された前記動作パターンが前記機器に予測される不具合の兆候を示すかどうかを判定し、
前記画像が不具合の兆候を示すと判定した場合に、生成した前記動作パターンの評価指標値を算出し、算出した評価指標値が既存の前記動作パターンの評価指標値以上の場合に生成した前記動作パターンを新規動作パターンとして前記動作パターンデータベースに格納
し、
前記評価指標値は、前記動作パターンの検出回数に対する前記動作パターンが検出された際に不具合兆候該当信号が入力される回数の割合であること、
を特徴とす
る方法。
【請求項7】
情報処理を行うプロセッサと、データを格納する記憶装置とを含むコンピュータによって、機器の不具合兆候内容の検出に用いられる不具合兆候ルール
を生成
する方法であって、
前記不具合兆候内容は、前記機器に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含み、
前記記憶装置は、前記機器の1つ又は複数の動作ログの組み合わせであって、その組み合わせが検出された際に前記機器の前記不具合兆候内容を検出する動作パターンを格納する動作パターンデータベースと、前記機器の不具合の対処を行った時刻と対処内容とを対処実績データとして格納した対処実績データベースと、を
含み、
前記プロセッサは、
前記対処実績データベースを参照して前記機器の不具合の一の対処を行った一の時刻より前の第1期間と一の時刻よりも後の第2期間とを設定し、
前記第2期間における前記動作パターンの検出回数が前記第1期間における前記動作パターンの検出回数の一定比率以下となる場合に、前記動作パターンと前記機器に予測される不具合と前記一の対処とを対応付けて不具合兆候ルールを生成すること、
を特徴とす
る方法。
【請求項8】
情報処理を行うプロセッサと、データを格納する記憶装置とを含むコンピュータによって、機器の不具合兆候内容の推論に用いられる不具合兆候推論モデル
を生成
する方法であって、
前記不具合兆候内容は、前記機器に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含み、
前記記憶装置は、前記機器の動作ログを格納した動作ログデータベースと、前記機器の1つ又は複数の前記動作ログの組み合わせであって、その組み合わせが検出された際に前記機器の前記不具合兆候内容を検出する動作パターンを格納する動作パターンデータベースと、前記機器の不具合の対処を行った時刻と対処内容とを対処実績データとして格納した対処実績データベースと、前記機器及び前記機器の周辺をカメラで撮像した画像データを格納した画像データベースと、を
含み、
前記プロセッサは、
前記対処実績データベースを参照して前記機器の不具合の対処を行った一の時刻より前の第1期間と一の時刻よりも後の第2期間とを設定し、
前記第2期間における前記動作パターンの検出回数が前記第1期間における前記動作パターンの検出回数の一定比率以下となる場合に、前記第1期間の前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データとを入力とし、前記不具合兆候内容を出力とする不具合兆候有りの第1教師データを生成し、
前記第1期間と前記第2期間とのいずれとも重複しない第3期間を設定し、前記第3期間の前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データとを入力とし、不具合の兆候がないことを出力とする不具合兆候無しの第2教師データを生成し、
前記第1教師データと前記第2教師データを用いた学習により、一定期間の前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データとの入力に対して前記不具合兆候内容又は不具合兆候なしを出力とする不具合兆候推論モデルを生成すること、
を特徴とす
る方法。
【請求項9】
請求項8に記載
の方法であって、
前記プロセッサは、
前記第1期間の前記動作ログと前記対処実績データ、又は、前記動作ログと前記対処実績データと前記画像データとを入力とし、前記不具合兆候内容を出力とする不具合兆候有りの前記第1教師データを生成し、
前記第3期間の前記動作ログと前記対処実績データ、又は、前記動作ログと前記対処実績データと前記画像データとを入力とし、不具合の兆候がないことを出力とする不具合兆候無しの前記第2教師データを生成し、
前記第1教師データと前記第2教師データを用いた学習により、一定期間の前記動作ログと前記対処実績データ、又は、前記動作ログと前記対処実績データと前記画像データとの入力に対して前記不具合兆候内容又は不具合兆候なしを出力とする前記不具合兆候推論モデルを生成すること、
を特徴とす
る方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の不具合の兆候を通知する機器不具合兆候通知装置の構成並びに、機器の不具合の兆候を検出する動作パターンの生成方法と、機器の不具合兆候内容の検出に用いられる不具合兆候ルールの生成方法と、機器の不具合兆候内容の推論に用いられる不具合兆候推論モデルの生成方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
機器の出力するログや機器の動作状態の画像に基づいて機器の不具合の原因を解析する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、近年、機器が不具合を起こす前に不具合の兆候を通知する要求がある。しかし、特許文献1に記載された従来技術では、機器の不具合が発生した後にその原因の解析を行うことはできるが、不具合の兆候を通知することはできなかった。
【0005】
そこで、本発明は、機器の不具合の兆候の通知を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の機器不具合兆候通知装置は、機器の不具合の兆候を通知する機器不具合兆候通知装置であって、前記機器の動作ログを取得する動作ログ取得部と、前記機器の動作ログデータと前記機器の不具合兆候内容とを対応付けた不具合兆候ルールが格納された不具合兆候ルールデータベースと、前記動作ログ取得部で取得した前記動作ログが前記不具合兆候ルール中の前記動作ログデータに該当する場合に、対応する前記不具合兆候内容の不具合の兆候があると判定する不具合兆候判定部と、前記不具合兆候判定部が判定した前記不具合兆候内容を通知する不具合兆候通知部と、前記機器の1つ又は複数の前記動作ログの組み合わせであって、その組み合わせが検出された際に前記機器の前記不具合兆候内容を検出する動作パターンを格納する動作パターンデータベースと、前記機器の不具合の対処を行った時刻と対処内容とを対処実績データとして格納した対処実績データベースと、前記不具合兆候ルールを生成する不具合兆候ルール生成部と、を含み、前記不具合兆候ルールは、前記動作パターンデータベースに格納された前記動作パターンと前記機器の前記不具合兆候内容とを対応づけたものであり、前記不具合兆候内容は、前記機器に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含み、前記不具合兆候判定部は、前記不具合兆候ルールに含まれる前記動作パターンが検出された際に、前記動作パターンに対応する前記不具合兆候内容に含まれる予測される不具合の兆候があり、前記不具合兆候内容に含まれる対処が必要であると判定し、前記不具合兆候ルール生成部は、前記対処実績データベースを参照して前記機器の不具合の一の対処を行った一の時刻より前の第1期間と一の時刻よりも後の第2期間とを設定し、前記第2期間における前記動作パターンの検出回数が前記第1期間における前記動作パターンの検出回数の一定比率以下となる場合に、前記動作パターンと前記機器に予測される不具合と前記一の対処とを対応付けて前記不具合兆候ルールを生成し、前記不具合兆候ルールデータベースに格納すること、を特徴とする。
【0007】
これにより簡便な方法で機器の不具合の兆候を検出し、不具合の兆候の内容を通知することができる。また、不具合兆候判定部が、複数の動作ログを組み合わせた動作パターンに基づいて機器に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含む不具合兆候内容を検出し、不具合兆候通知部が予測される不具合の兆候とその不具合の発生を防止するために必要な対処とを通知するので、機器の不具合発生前に機器に予想される不具合を起こさないような対処が可能となり、不具合の発生回数を低減することができる。そして、簡便な方法で、不具合兆候ルールを生成することができる。
【0012】
本発明の機器不具合兆候通知装置において、前記機器の動作ログを格納した動作ログデータベースと、前記機器及び前記機器の周辺をカメラで撮像した画像データを格納した画像データベースと、前記動作パターンを生成する動作パターン生成部と、前記画像データベースに格納されている画像データの内、前記動作パターン生成部で生成された前記動作パターンが検出された時刻の前後における所定の時間帯の画像データを画像として表示する画像表示部と、生成された前記動作パターンが前記機器に予測される不具合の兆候を示すかどうかの不具合兆候該非信号を取得する不具合兆候該非信号取得部と、を備え、前記動作パターン生成部は、前記不具合兆候該非信号取得部に不具合兆候該当信号が入力された場合に、生成した前記動作パターンの評価指標値を算出し、算出した評価指標値が前記動作パターンデータベースに格納されている既存の前記動作パターンの評価指標値以上の場合に生成した前記動作パターンを新規動作パターンとして前記動作パターンデータベースに格納し、前記評価指標値は、前記動作パターンの検出回数に対する前記動作パターンが検出された際に不具合兆候該当信号が入力される回数の割合でもよい。
【0013】
これにより、予測される不具合を確実に検出可能な動作パターンを生成することができる。
【0014】
本発明の機器不具合兆候通知装置は、前記機器の動作ログを格納した動作ログデータベースと、前記機器及び前記機器の周辺をカメラで撮像した画像データを格納した画像データベースと、前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データを入力とし、前記機器の不具合兆候内容を出力とする不具合兆候推論モデルと、前記不具合兆候推論モデルに前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データを入力し、前記不具合兆候内容を推論する不具合兆候推論部と、前記不具合兆候推論部が出力した前記不具合兆候内容を通知する不具合兆候通知部と、前記機器の1つ又は複数の前記動作ログの組み合わせであって、その組み合わせが検出された際に前記機器の前記不具合兆候内容を検出する動作パターンを格納する動作パターンデータベースと、前記機器の不具合の対処を行った時刻と対処内容とを対処実績データとして格納した対処実績データベースと、前記不具合兆候推論モデルを生成する不具合兆候推論モデル生成部と、を含み前記不具合兆候内容は、前記機器に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含み、前記不具合兆候推論モデル生成部は、前記対処実績データベースを参照して前記機器の不具合の対処を行った一の時刻より前の第1期間と一の時刻よりも後の第2期間とを設定し、前記第2期間における前記動作パターンの検出回数が前記第1期間における前記動作パターンの検出回数の一定比率以下となる場合に、前記第1期間の前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データとを入力とし、前記不具合兆候内容を出力とする不具合兆候有りの第1教師データを生成し、前記第1期間と前記第2期間とのいずれとも重複しない第3期間を設定し、前記第3期間の前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データとを入力とし、不具合の兆候がないことを出力とする不具合兆候無しの第2教師データを生成し、前記第1教師データと前記第2教師データを用いた学習により、一定期間の前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データとの入力に対して前記不具合兆候内容又は不具合兆候なしを出力とする前記不具合兆候推論モデルを生成すること、を特徴とする。
【0015】
このように、不具合兆候推論部が、動作ログ又は動作ログと画像データとに基づいて機器に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含む不具合兆候内容を推論し、不具合兆候通知部が、予測される不具合の兆候とその不具合の発生を防止するために必要な対処とを通知するので、機器の不具合発生前に機器に予想される不具合を起こさないような対処が可能となり、不具合の発生回数を低減することができる。また、簡便な方法で、動作ログ又は動作ログと画像データとに基づいて機器に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含む不具合兆候内容を推論する不具合兆候推論モデルを生成できる。
【0018】
本発明の不具合兆候通知装置において、前記不具合兆候推論モデル生成部は、前記第1期間の前記動作ログと前記対処実績データ、又は、前記動作ログと前記対処実績データと前記画像データとを入力とし、前記不具合兆候内容を出力とする不具合兆候有りの前記第1教師データを生成し、前記第3期間の前記動作ログと前記対処実績データ、又は、前記動作ログと前記対処実績データと前記画像データとを入力とし、不具合の兆候がないことを出力とする不具合兆候無しの前記第2教師データを生成し、前記第1教師データと前記第2教師データを用いた学習により、一定期間の前記動作ログと前記対処実績データ、又は、前記動作ログと前記対処実績データと前記画像データとの入力に対して前記不具合兆候内容又は不具合兆候なしを出力とする前記不具合兆候推論モデルを生成し、不具合兆候推論部は、前記不具合兆候推論モデルに前記動作ログと前記対処実績データ、又は、前記動作ログと前記対処実績データと前記画像データを入力し、前記不具合兆候内容を推論してもよい。
【0019】
このように、学習に用いる第1教師データが対処実績データを入力としているので、過去の対処実績データと動作ログとを関連付けて学習することができる。このため、例えば、交換が必要な不具合の兆候と推論するのか、清掃によりエラーが減ったのか、大して変わらなかったのかを材料に学習することができる。
【0020】
本発明の機器不具合兆候通知装置において、前記動作パターンを生成する動作パターン生成部と、前記画像データベースに格納されている画像データの内、前記動作パターン生成部で生成された前記動作パターンが検出された時刻の前後における所定の時間帯の画像データを画像として表示する画像表示部と、生成された前記動作パターンが前記機器に予測される不具合の兆候を示すかどうかの不具合兆候該非信号を取得する不具合兆候該非信号取得部と、を備え、前記動作パターン生成部は、前記不具合兆候該非信号取得部に不具合兆候該当信号が入力された場合に、生成した前記動作パターンの評価指標値を算出し、算出した評価指標値が前記動作パターンデータベースに格納されている既存の前記動作パターンの評価指標値以上の場合に生成した前記動作パターンを新規動作パターンとして前記動作パターンデータベースに格納し、前記評価指標値は、前記動作パターンの検出回数に対する前記動作パターンが検出された際に不具合兆候該当信号が入力される回数の割合でもてもよい。
【0021】
これにより、予測される不具合を確実に検出可能な動作パターンを生成することができる。
【0022】
本発明の方法は、情報処理を行うプロセッサと、データを格納する記憶装置と、画像を表示するディスプレイとを含むコンピュータによって、機器に予測される不具合の兆候を検出する前記機器の動作パターンを生成する方法であって、前記記憶装置は、前記機器の動作ログを格納した動作ログデータベースと、前記機器及び前記機器の周辺をカメラで撮像した画像データを格納した画像データベースと、前記動作パターンを格納する動作パターンデータベースと、を含み、前記プロセッサは、前記機器の1つ又は複数の動作ログの組み合わせであって、その組み合わせが検出された際に前記機器の不具合の兆候を検出する動作パターンを生成し、前記画像データベースに格納されている画像データの内、生成された前記動作パターンが検出された時刻の前後における所定の時間帯の画像データを画像として前記ディスプレイに表示し、前記表示された前記画像に基づいて生成された前記動作パターンが前記機器に予測される不具合の兆候を示すかどうかを判定し、前記画像が不具合の兆候を示すと判定した場合に、生成した前記動作パターンの評価指標値を算出し、算出した評価指標値が既存の前記動作パターンの評価指標値以上の場合に生成した前記動作パターンを新規動作パターンとして前記動作パターンデータベースに格納し、前記評価指標値は、前記動作パターンの検出回数に対する前記動作パターンが検出された際に不具合兆候該当信号が入力される回数の割合であること、を特徴とする。
【0023】
このように、画像を用いて動作パターンが不具合の兆候に該当するかどうかを判定して動作パターンを生成するので、不具合の兆候を確実に検出可能な動作パターンを生成することができる。
【0024】
本発明の方法は、情報処理を行うプロセッサと、データを格納する記憶装置とを含むコンピュータによって、機器の不具合兆候内容の検出に用いられる不具合兆候ルールを生成する方法であって、前記不具合兆候内容は、前記機器に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含み、前記記憶装置は、前記機器の1つ又は複数の動作ログの組み合わせであって、その組み合わせが検出された際に前記機器の前記不具合兆候内容を検出する動作パターンを格納する動作パターンデータベースと、前記機器の不具合の対処を行った時刻と対処内容とを対処実績データとして格納した対処実績データベースと、を含み、前記プロセッサは、前記対処実績データベースを参照して前記機器の不具合の一の対処を行った一の時刻より前の第1期間と一の時刻よりも後の第2期間とを設定し、前記第2期間における前記動作パターンの検出回数が前記第1期間における前記動作パターンの検出回数の一定比率以下となる場合に、前記動作パターンと前記機器に予測される不具合と前記一の対処とを対応付けて不具合兆候ルールを生成すること、を特徴とする。
【0025】
これにより、動作パターンと、機器の予想される不具合と、予測される不具合の発生を防止する対処とを対応づけた不具合兆候ルールを生成することができる。
【0026】
本発明の方法は、情報処理を行うプロセッサと、データを格納する記憶装置とを含むコンピュータによって、機器の不具合兆候内容の推論に用いられる不具合兆候推論モデルを生成する方法であって、前記不具合兆候内容は、前記機器に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含み、前記記憶装置は、前記機器の動作ログを格納した動作ログデータベースと、前記機器の1つ又は複数の前記動作ログの組み合わせであって、その組み合わせが検出された際に前記機器の前記不具合兆候内容を検出する動作パターンを格納する動作パターンデータベースと、前記機器の不具合の対処を行った時刻と対処内容とを対処実績データとして格納した対処実績データベースと、前記機器及び前記機器の周辺をカメラで撮像した画像データを格納した画像データベースと、含み、前記プロセッサは、前記対処実績データベースを参照して前記機器の不具合の対処を行った一の時刻より前の第1期間と一の時刻よりも後の第2期間とを設定し、前記第2期間における前記動作パターンの検出回数が前記第1期間における前記動作パターンの検出回数の一定比率以下となる場合に、前記第1期間の前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データとを入力とし、前記不具合兆候内容を出力とする不具合兆候有りの第1教師データを生成し、前記第1期間と前記第2期間とのいずれとも重複しない第3期間を設定し、前記第3期間の前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データとを入力とし、不具合の兆候がないことを出力とする不具合兆候無しの第2教師データを生成し、前記第1教師データと前記第2教師データを用いた学習により、一定期間の前記動作ログ、又は、前記動作ログと前記画像データとの入力に対して前記不具合兆候内容又は不具合兆候なしを出力とする不具合兆候推論モデルを生成すること、を特徴とする。
【0027】
これにより、簡便な方法で、動作ログ又は動作ログと画像データとに基づいて機器に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含む不具合兆候内容を推論する不具合兆候推論モデルを生成できる。
【0028】
本発明の方法において、前記プロセッサは、前記第1期間の前記動作ログと前記対処実績データ、又は、前記動作ログと前記対処実績データと前記画像データとを入力とし、前記不具合兆候内容を出力とする不具合兆候有りの前記第1教師データを生成し、前記第3期間の前記動作ログと前記対処実績データ、又は、前記動作ログと前記対処実績データと前記画像データとを入力とし、不具合の兆候がないことを出力とする不具合兆候無しの前記第2教師データを生成し、前記第1教師データと前記第2教師データを用いた学習により、一定期間の前記動作ログと前記対処実績データ、又は、前記動作ログと前記対処実績データと前記画像データとの入力に対して前記不具合兆候内容又は不具合兆候なしを出力とする前記不具合兆候推論モデルを生成してもよい。
【0029】
このように、学習に用いる第1教師データが対処実績データを入力としているので、過去の対処実績データと動作ログとを関連付けて学習することができる。このため、例えば、交換が必要な不具合の兆候と推論するのか、清掃によりエラーが減ったのか、大して変わらなかったのかを材料に学習することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、本発明は、機器の不具合の兆候の通知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】実施形態の機器不具合兆候通知装置のハードウェア構成を示す系統図である。
【
図2】実施形態の不具合兆候通知装置の機能ブロック図である。
【
図3】
図2に示す動作ログデータベースのデータ構造を示す図である。
【
図4】
図2に示す動作パターンデータベースのデータ構造を示す図である。
【
図5】
図2に示す不具合兆候該非データベースのデータ構造を示す図である。
【
図6】
図2に示す対応実績データベースのデータ構造を示す図である。
【
図7】
図2に示す不具合兆候ルールデータベースのデータ構造を示す図である。
【
図8】動作パターンの生成動作を示すフローチャートである。
【
図9】動作パターンの生成動作の動作説明図である。
【
図10】不具合兆候ルールの生成動作を示すフローチャートである。
【
図11】不具合兆候ルールの生成動作の動作説明図である。
【
図12】不具合兆候通知装置の不具合兆候通知動作を示すフローチャートである。
【
図13】他の実施形態の不具合兆候装置の機能ブロック図である。
【
図14】不具合兆候推論モデルの生成動作を示すフローチャートである。
【
図15】不具合兆候推論モデルの生成動作の動作説明図である。
【
図16】他の実施形態の不具合兆候通知装置の不具合兆候通知動作を示すフローチャートである。
【
図17】他の不具合兆候推論モデルの生成動作を示すフローチャートである。
【
図18】他の不具合兆候推論モデルの生成動作の動作説明図である。
【
図19】他の実施形態の不具合兆候通知装置の他の不具合兆候通知動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら実施形態の機器不具合兆候通知装置100について説明する。以下の説明では、
図1に示すように、入室管理システム500の入場ゲート200に機器不具合兆候通知装置100を接続した場合について説明する。入場ゲート200は、機器不具合兆候通知装置100が不具合の兆候の検出を行う対象の機器である。
【0033】
図1に示すように、入室管理システム500は、入場ゲート200と、カメラ302と、サーバ301とで構成されている。入場ゲート200と、カメラ302と、サーバ301とは通信回線303で接続されている。
【0034】
入場ゲート200は、IDカード350を読み取るリーダ部201と、ゲートを開閉するフラッパ202と、外部のサーバ301とデータ通信を行う外部通信インターフェース(以下、I/Fという)206と、リーダ部201と、フラッパ202と、外部通信I/F206と、を制御するゲート制御部203とで構成されていている。ゲート制御部203は、内部に情報処理を行うプロセッサであるCPU204とプログラムや制御データが格納されたメモリ205とを含んでいるコンピュータである。
【0035】
サーバ301は、通信回線303で入場ゲート200の外部通信I/F206と接続されている。サーバ301は、内部にプロセッサであるCPUとメモリ(図示せず)とを備える汎用コンピュータで構成されている。サーバ301のメモリには、認証データベースが格納されている。また、サーバ301のメモリには、入場ゲート200の動作ログが格納されている。
【0036】
ゲート制御部203は、リーダ部201で読み取ったIDカード350の認証情報を外部通信I/F206と通信回線303を介してサーバ301に出力する。サーバ301は、IDカード350の認証情報と認証データベースに格納した認証情報とを比較し、認証に成功した場合には、認証成功信号をゲート制御部203に送信する。ゲート制御部203はサーバ301から認証成功信号が入力されたら、フラッパ202を開とする。
【0037】
カメラ302は、入場ゲート200とその周辺の画像を撮像して通信回線303に出力する。
【0038】
機器不具合兆候通知装置100は、情報処理を行うプロセッサであるCPU102と、制御プログラムやデータベース等を格納する記憶装置103と、画像を表示するディスプレイ105と、警報等を通知するLEDやスピーカー等の通知器106と、キーボードやマウス等のデータの入出力を行う操作器107と、外部とのデータの授受を行う外部通信I/F104で構成されるコンピュータである。外部通信I/F104は通信回線303で入場ゲート200、サーバ301、カメラ302と接続されてデータの授受を行う。
【0039】
機器不具合兆候通知装置100は、
図2に示すような複数の機能ブロックが含まれている。各機能ブロックは、
図1に示すCPU102が記憶装置103に格納されたブログクラムを実行することで実現される。また、各データベースは所定のデータ構造でデータを記憶装置103に格納することで実現される。
【0040】
図2に示すように、機器不具合兆候通知装置100は、画像データ取得部11と、画像データベース12と、画像表示部13とを含んでいる。ここで、画像データ取得部11は、カメラ302が撮像した入場ゲート200及び入場ゲート200の周辺の画像を取得する。画像データベース12は、画像データ取得部11が取得した画像データを格納している。画像データベース12は、最近数日分、或いは、一週間、或いは、一か月等、所定期間にカメラ302から取得した動画を連続的に格納保持してもよい。
【0041】
画像表示部13は、画像データベース12に格納されている画像データの内、所定期間の画像データを抽出してディスプレイ105に出力し、動画或いは画像をディスプレイ105に表示させる。
【0042】
また、機器不具合兆候通知装置100は、動作ログ取得部14と、動作ログデータベース15と、動作パターン生成部16と、動作パターンデータベース19と、不具合兆候該非信号取得部17と、不具合兆候該非信号データベース18とを含んでいる。
【0043】
動作ログ取得部14は、入場ゲート200のリーダ部201、フラッパ202等の動作ログを取得して動作ログデータベース15に格納する。動作ログデータベース15は、
図3に示すように、日時と動作ログの内容とを対応させて格納したデータベースである。
【0044】
動作パターン生成部16は、動作パターンを生成して動作パターンデータベース19に格納する。ここで、動作パターンは、1つ又は複数の動作ログの組み合わせであって、その組み合わせが検出された際に入場ゲート200の不具合兆候内容を検出するものである。
【0045】
動作パターンデータベース19に格納されている動作パターンの例を
図4に示す。
図4に示す動作パターン1は、
図3の時刻2020/10/11 05:05:06.920の[リーダ部]読み取りエラーを動作パターンとするものである。動作パターン2は、「動作パターン1」から5秒以内に「動作パターン1」が発生、即ち、
図3の時刻2020/10/11 06:23:05.833と、06:23:08.090のように、[リーダ部]読み取りエラーが発生してから5秒以内に再度[リーダ部]読み取りエラーが発生する動作を規定している。また、動作パターン3は、「動作パターン1」から5秒以内に[認証問い合わせ]入場許可が発生、即ち、
図3の時刻2020/10/11 05:05:06.920から05:05:09.007のように、[リーダ部]読み取りエラーが発生してから5秒以内に二度目のIDカード350の提示が行われ、読み取りに成功、認証に成功して入場が許可された事象を規定したものである。以下、動作パターン4,5は、[リーダ部]読み取りエラーの発生と[認証問い合わせ]入場許可が発生の間隔、或いは、回数を規定したものである。また、動作パターン6は、[フラッパ開失敗]又は[フラッパ閉失敗]を規定したものであり、動作パターン7は、[フラッパ開失敗]又は[フラッパ閉失敗]の発生の間隔又は回数を規定したものである。
【0046】
このように、動作パターン1~5は、リーダ部201の読み取り不良の検出をも目的とする動作パターンであり、動作パターン6,7は、フラッパ202の動作不良の検出を目的とした動作パターンである。
【0047】
動作パターン生成部16は、動作ログデータベース15に格納されている1つ又は複数の動作ログを組み合わせで先に説明したような動作パターを生成し、不具合兆候該非信号取得部17に不具合兆候該当信号が入力された場合に、生成した動作パターンの評価指標値を算出する。そして算出した評価指標値が動作パターンデータベース19に格納されている既存の動作パターンの評価指標値以上の場合に生成した動作パターンを新規動作パターンとして動作パターンデータベース19に格納する。これにより、動作パターンデータベース19を構築していく。
【0048】
不具合兆候該非信号取得部17は、外部から不具合兆候該非信号を取得し、不具合兆候該非信号データベース18に格納する。ここで不具合兆候該非信号とは、動作パターンが検出された際に、カメラ302の撮像した動画から、その動作パターンの検出が不具合の兆候であるかどうかを規定する信号である。不具合兆候該非信号は不具合兆候該当信号と不具合兆候非該当信号の二種類の信号で構成される。
【0049】
不具合兆候該非信号データベース18は、
図5に示すように、動作パターンと、その動作パターンが検出された時刻の前後における所定の時間帯の画像名と、その動作パターンが不具合兆候に該当するか、非該当かを対応付けて格納したデータベースである。
【0050】
また、機器不具合兆候通知装置100は、対処実績データ取得部20と、対処実績データベース21とを含んでいる。ここで「対処」とはリーダ部201、或いはフラッパ202の清掃、部品交換等、その機能を維持するのに必要なメインテナンス動作をいう。対処実績データベース21は、
図6に示すように、対処の時刻と、対処内容とを対応付けて格納したデータベースである。対処実績データ取得部20は、操作器107から入力された対処実績データを対処実績データベース21に格納してもよいし、外部のデータファイルから対処実績データを取得して対処実績データベース21に格納してもよい。
【0051】
また、機器不具合兆候通知装置100は、不具合兆候ルール生成部22と、生成した不具合兆候ルールを格納する不具合兆候ルールデータベース23と、不具合兆候判定部24と、不具合兆候通知部25とを含んでいる。
【0052】
不具合兆候ルール生成部22は、対処実績データベース21と、動作パターンデータベース19とを参照して、動作パターンと入場ゲート200に予測される不具合と対処とを対応付けて不具合兆候ルールを生成し、不具合兆候ルールデータベース23に格納する。
【0053】
不具合兆候ルールデータベース23に格納されている不具合兆候ルールの例を
図7に示す。
図7に示す動作パターン4は、先に説明したように、[リーダ部]読み取りエラーの発生と[認証問い合わせ]入場許可が発生の間隔、或いは、回数を規定したものである。不具合兆候ルール1は、動作パターン4と、「リーダ部清掃を必要とするリーダ部読み取り不良の兆候」と規定される不具合兆候内容とを対応付けたものである。同様に、不具合兆候ルール2は、動作パターン5と、「リーダ部交換を必要とするリーダ部読み取り不良の兆候」と規定される不具合兆候内容とを対応付けたものである。また、不具合兆候ルール3は、動作パターン7と、「フラッパ交換を必要とするフラッパ動作不良の兆候」と規定される不具合兆候内容とを対応付けたものである。このように、不具合兆候内容は、入場ゲート200に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含んでいる。
【0054】
不具合兆候判定部24は、不具合兆候ルールデータベース23に格納されている不具合兆候ルールに含まれる動作パターンが検出された際に、その動作パターンに対応する不具合兆候内容に含まれる予測される不具合の兆候があり、不具合兆候内容に含まれる対処が必要であると判定する。
【0055】
不具合兆候通知部25は、不具合兆候判定部24が判定した不具合兆候内容を通知器106に出力して通知する。
【0056】
以上のように構成された機器不具合兆候通知装置100の動作について、
図8~
図12を参照しながら説明する。実施形態の機器不具合兆候通知装置100は、
図12に示すように、入場ゲート200の動作ログを取得し、不具合兆候ルールに含まれる動作パターンに該当する動作パターンが検出された場合に入場ゲート200に予測される不具合の兆候と必要な対処とを通知するものである。以下、不具合の兆候の検出、通知動作を説明する前に、動作パターンの生成動作と不具合兆候ルールの生成動作について説明する。
【0057】
最初に
図8、
図9を参照しながら動作パターンの生成動作について説明する。
図8に示す動作を開始する前の初期状態として、動作ログデータベース15には、
図9に示すような過去の動作ログが格納されている。動作ログは、例えば、一か月分、或いは、2~3か月分、或いは、半年~1年分の動作ログが格納されている。また、画像データベース12には、動作ログが格納されているのと同様の期間の動画データが格納されている。また、動作パターンデータベース19には、いくつかの動作パターンが初期値として格納されている。以下の説明では、
図4に示す動作パターン1が、初期値として1つ格納されており、動作パターン2,3を生成するとして説明する。
図9において、白抜き矢印は動作パターン1の検出タイミング、右下がりハッチング矢印は動作パターン2の検出タイミング、黒矢印は動作パターン3の検出タイミング、左下がりハッチング矢印は動作パターン4の検出タイミングを示す。また、
図9中の丸囲み数字は、動作パターンの番号を示す。
【0058】
動作パターン生成部16は、
図8のステップS101に示すように、動作ログデータベース15を参照して動作パターンを生成する。生成する動作パターンは、動作パターンデータベース19に格納されている動作パターン1以外の動作ログの組み合わせとして作成する。作成の方法は任意であるが、例えば、リーダ部201の読み取り不良の検出を目時とした動作パターンを生成する場合には、動作ログの中からリーダ部201の読み取り不良に関係する動作ログを抽出して、これをランダムに組み合わせて動作ログを生成してもよい。また、外部で動作パターンを生成して操作器107から入力するようにしてもよい。
【0059】
以下の説明では、動作パターン生成部16は、
図4に示す動作パターン2,3,4を生成したとして説明する。最初に動作パターン2を生成した場合について説明する。
【0060】
次に、動作パターン生成部16は、
図8のステップS102に進んで、動作ログデータベース15から所定期間の間に記録された動作ログを取得する。所定期間は、任意であるが、例えば、数時間でも数日間でも数か月でもよい。
【0061】
次に動作パターン生成部16は、
図8のステップS103に進んで、取得した期間の動作ログの中に動作ログの組み合わせが動作パターン2に該当する時刻が有るかどうか判定する。
【0062】
動作パターン2は、「動作パターン1」から5秒以内に「動作パターン1」が発生、つまり、[リーダ部]読み取りエラーが発生してから5秒以内に再度[リーダ部]読み取りエラーが発生する動作を規定している。動作パターン生成部16は、
図8のステップS102とS103とを繰り返し実行して、動作ログを時間順にスキャンし、[リーダ部]読み取りエラーが2回連続して発生している時刻を探す。
図9に示す動作ログでは、時刻t4(2019/10/11 06:23:05.833)と時刻t5(2019/10/11 06:23:08.090)とで連続して[リーダ部]読み取りエラーが発生している。次に、動作パターン生成部16は、時刻t4と時刻t5との間隔が5秒以内か判定する。時刻t4と時刻t5との間隔は、2.257秒で5秒以内であるから、動作パターン生成部16は、時刻t4と時刻t5との動作ログの組み合わせは動作パターン2に該当すると判定し、
図8のステップS103でYESと判断し、
図8のステップS104に進む。この際、時刻t5は動作パターン2が検出された時刻となる。
【0063】
図8のステップS104で動作パターン生成部16は、動作パターン2が検出された時刻t5を画像表示部13に出力する。
【0064】
画像表示部13は、
図8のステップS105で、時刻t5の前後における所定の時間帯の動画データを画像データベース12から抽出してディスプレイ105に動画を表示する。
【0065】
動作パターン生成部16は、
図8のステップS106で、動作パターン2が入場ゲート200に予測される不具合の兆候を示すかどうかを判定する。この判定は、いろいろな手段によって行うことができるが、一例を示すと、動作パターン生成部16は、不具合兆候該非信号取得部17に不具合兆候該当信号が入力され、不具合兆候該当信号が不具合兆候該非信号データベース18を介して動作パターン生成部16に入力された場合に
図8のステップS106でYESと判断してもよい。
【0066】
ここで、不具合兆候該非信号は、例えば、不適切なID情報を含むIDカード350が提示されて[リーダ部]読み取りエラーが発生したような状態を動作パターンの生成から除外するための信号である。例えば、人がIDカード350を提示したがフラッパ202が開とならず直ぐに立ち去った場合等は、不適切なID情報を含むIDカード350が提示されて[リーダ部]読み取りエラーが発生したと判定することができる。一方、IDカード350を提示して[リーダ部]読み取りエラーが発生した後、再度、IDカード350が提示されて、IDの認証に成功して入場許可となった場合は、リーダ部201の読み取り不良の不具合の兆候があると判定することができる。この判定は、入場ゲート200の近傍に配置されたカメラ302の撮像した動画を見ることにより容易に判断することができる。
【0067】
このため、画像表示部13がディスプレイ105に表示した動作パターン2が検出された時刻t5の前後における所定の時間帯の動画5(
図9参照)に基づいて不具合兆候該当信号を不具合兆候該非信号取得部17に入力するか、不具合兆候非該当信号を不具合兆候該非信号取得部17に入力するかが判断される。この判断は、機器不具合兆候通知装置100を設定する際にエンジニアが判断して、操作器107から信号を入力するようにしてもよい。また、例えば、画像表示部13がディスプレイ105に出力する動画データに基づいてAIが判断して信号を不具合兆候該非信号取得部17に入力するようにしてもよい。
【0068】
動作パターン生成部16は、
図8のステップS106でYESと判断した場合には
図8のステップS107に進んで生成した動作パターン2の評価指標値を算出する。ここで、評価指標値は、適合率に基づいた評価指標値である。適合率とは、動作パターンの検出回数に対する動作パターンが検出された際に不具合兆候該当信号が入力される回数の割合である。
【0069】
適合率を評価指標値とした場合、
図9に示す動作ログデータベース15の例では、動作パターン1の評価指標値は以下に説明するように3/4となる。
【0070】
動作パターン1は、[リーダ部]読み取りエラーが一回検出された場合を規定している。
図9に示す例では、時刻t1、時刻t3,時刻t4,時刻t5の4回動作パターン1が検出されている。この内、時刻t3では動作パターン1が検出された後、直ぐに再度、IDカード350が提示されていない。この場合、動画3には、IDカード350を提示後すぐに立ち去る人が記録されている。従って、時刻t3では動作パターン1が検出されても不具合兆候非該当信号が入力される。他の時刻t1、時刻t4,時刻t5では、動作パターン1である[リーダ部]読み取りエラーが検出された後、再度、IDカード350の提示が行われ、入場が許可されているので、時刻t1,時刻t4,時刻t5では、動画1、動画4、動画5に基づいて不具合該当信号が入力される。従って、動作パターン1の検出回数4回に対する動作パターン1が検出された際に不具合兆候該当信号が入力される回数は3回となり、その割合は、3/4となる。
【0071】
また、動作パターン2は時刻t5に検出されており、時刻t5の動画5に基づいて不具合兆候該当信号が入力される。従って、動作パターン2の検出回数1回に対する動作パターン2が検出された際に不具合兆候該当信号が入力される回数は1回となり、その割合は、1/1となる。
【0072】
以上のことから、動作パターン1の評価指標値は、3/4、動作パターン2の評価指標値は1/1となる。
【0073】
動作パターン生成部16は、
図8のステップS107で動作パターン2の評価指標値を算出したら、
図8のステップS108に進んで、生成した動作パターン2の評価指標値が既存の動作パターン1の評価指標値以上かどうかを判断する。先に述べたように、動作パターン2の評価指標値は1/1で動作パターン1の評価指標値3/4以上なので、動作パターン生成部16は、
図8のステップS108でYESと判断して
図8のステップS109に進む。
【0074】
動作パターン生成部16は、
図8のステップS109で生成した動作パターン2を新規動作パターンとして動作パターンデータベース19に格納し、動作パターン生成動作を終了する。
【0075】
尚、動作パターン生成部16は、
図8のステップS106又はステップS108でNOと判断した場合には、
図8のステップS101に戻って、次の動作パターンを生成し、
図8のステップS102~ステップS109を繰り返して実行する。
【0076】
次に、動作パターン3を生成する場合について説明する。先に動作パターン2の生成動作で説明したと同様の動作については、説明を省略する。
【0077】
動作パターン3は、「動作パターン1」から5秒以内に[認証問い合わせ]入場許可が発生、つまり、[リーダ部]読み取りエラーが発生してから5秒以内に[認証問い合わせ]入場許可が発生する動作を規定している。先には説明したと同様、動作パターン生成部16は、
図8のステップS102とS103とを繰り返し実行して、動作ログを時間順にスキャンし、[リーダ部]読み取りエラーから5秒以内に[認証問い合わせ]入場許可が発生した時刻を探す。
図9に示す動作ログでは、時刻t1(2019/10/11 05:05:06.920)に[リーダ部]読み取りエラーが発生し、その後、時刻t2(2019/10/11 05:05:09.007)に[認証問い合わせ]入場許可が発生している。そして、時刻t1と時刻t2との間隔は、2.087秒で5秒よりも短い。従って、動作パターン生成部16は、時刻t1と時刻t2の動作ログの組み合わせは動作パターン3に該当すると判定する。
【0078】
同様に、
図9の時刻t5と時刻t6との間でも[リーダ部]読み取りエラーが発生してから5秒以内に[認証問い合わせ]入場許可が発生している。従って、動作パターン生成部16は、時刻t5と時刻t6の動作ログの組み合わせは、動作パターン3に該当すると判定する。
【0079】
そして、動作パターン生成部16は、
図8のステップS103でYESと判断して
図8のステップS104に進み、動作パターン2を検出した時刻t2と時刻t6を画像表示部13に出力する。画像表示部13は、時刻t2の動画2と時刻t6の動画6とをディスプレイ105に表示する。
【0080】
動作パターン3のように、[リーダ部]読み取りエラーが発生してから5秒以内に[認証問い合わせ]入場許可が発生する場合には、入場者は、IDカード350を提示した際に読み取りエラーか発生し、再度、IDカード350を提示して入場が許可されている。このことは動画2、動画6に記録されているので、不具合兆候該非信号取得部17には、時刻t2,時刻t6のいずれについても不具合兆候該当信号が入力される。そして、動作パターン生成部16は、
図8のステップS106でYESと判断して
図8のステップS107に進む。
【0081】
動作パターン生成部16は、
図8のステップS107で評価指標値を算出する。動作パターン3の場合、先に述べたように、検出された時刻t2、t6のいずれについても不具合兆候該当信号が入力されるので、評価指標値は、2/2となる。
【0082】
動作パターン3の評価指標値は既存の動作パターン1の評価指標値の3/4以上なので
図8のステップS108でYESと判断して
図8のステップS109に進んで、動作パターン3を新規動作パターンとして動作パターンデータベース19に格納する。
【0083】
次に動作パターン4の生成について説明する。動作パターン4は、
図4に示すように、「(認証問い合わせ入場許可)が発生、且つ、動作パターン1に該当)が最近7秒以内に2回以上」、即ち、認証問い合わせ入場許可があった直近に[リーダ部]読み取りエラーが2回以上発生した場合と規定されている。
図9に示す時刻t4~時刻t6の間のように[リーダ部]読み取りエラーがt4,t5の二回発生し、時刻t4の7秒以内の時刻t6に(認証問い合わせ入場許可)が発生している場合には、時刻t4,時刻t5,時刻t6の動作ログの組み合わせは、動作パターン4を構成する。そして、時刻t6に動作パターン4が検出される。先に説明したように、不具合兆候該非信号取得部17には、時刻t6について不具合兆候該当信号が入力されるので動作パターン生成部16は、
図8のステップS106でYESと判断する。また、動作パターン4は動作パターン2と同様、動作パターン4の検出回数1回に対する動作パターン4が検出された際に不具合兆候該当信号が入力される回数は1回となり、その割合は、1/1となる。このため、動作パターン生成部16は、
図8のステップS108でYESと判断して、動作パターン4を新たな動作パターンとして動作パターンデータベース19に格納する。
【0084】
以上、動作パターン2,3,4の生成について説明したが、他の動作パターンも同様の方法で生成されて動作パターンデータベース19に格納される。
【0085】
次に、
図10、
図11を参照しながら、不具合兆候ルールの生成について説明する。先に説明したように、不具合兆候ルールは、動作パターンデータベース19に格納された動作パターンと機器である入場ゲート200の不具合兆候内容とを対応づけたものである。ここで、不具合兆候内容は、入場ゲート200に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含んでいる。
【0086】
対処実績データベース21には、
図11に示すように、半年~1年位の入場ゲート200の対処時刻と対処内容とが関連付けて格納されている。
【0087】
図10のステップS201に示すように、不具合兆候ルール生成部22は、対処実績データベース21の中に入場ゲート200の清掃や部品交換等の対処の実績があるかどうかを判断する。そして不具合兆候ルール生成部22は、
図10のステップS201でYESと判断した場合には、
図10のステップS202に進んで
図11に示すように不具合の対処を行った一の時刻t11を抽出し、時刻t11より前の第1A期間と、時刻t11よりも後の第2A期間とを設定する。なお、
図10のステップS201でNOと判断した場合には、不具合兆候ルール生成部22は、不具合兆候ルールの生成動作を終了する。
【0088】
次に不具合兆候ルール生成部22は、
図10のステップS203で動作ログデータベース15から第1A期間の動作ログを取得する。そして、
図10のステップS204で、取得した動作ログの組み合わせが動作パターンデータベース19に格納された動作パターンの中のいずれかに該当するかを判定する。
図11に示すように、第1A期間では動作パターン1と動作パターン4とが検出されている。動作パターンが検出された場合には、不具合兆候ルール生成部22は、
図10のステップS204でYESと判断して
図10のステップS205に進む。尚、
図10のステップS204でNOと判断した場合には、不具合兆候ルール生成部22は、不具合兆候ルールの生成動作を終了する。
【0089】
図10のステップS205で不具合兆候ルール生成部22は、第1A期間における動作パターン1の検出回数に対する第2A期間における動作パターン1の検出回数の比率が一定比率以下となっているか判断する。ここで、一定比率は、自由に設定できるが、例えば、10%以下のように設定できる。
【0090】
第1A期間では、動作パターン1は2回検出されており、第2A期間では動作パターン1は1回検出されている。そうすると、上記の比率は50%となり、設定値の10%よりも大きくなっている。従って不具合兆候ルール生成部22は、
図10のステップS205でNOと判断して
図10のステップS207に進み、第1A期間に動作パターン1以外の動作パターンがあるかどうか判定する。
【0091】
図11に示すように、第1A期間には、動作パターン4が検出されているので、不具合兆候ルール生成部22は、
図10のステップS207でYESと判断して
図10のステップS205に戻り、動作パターン4の上記の比率が一定比率以下となっているか判断する。
【0092】
図11に示すように、第1A期間には、動作パターン4が2回検出されており、第2A期間では、動作パターン4は検出されていない。従って、上記比率は0%となり、一定比率の10%以下となっている。従って、不具合兆候ルール生成部22は、
図10のS205でYESと判断して
図10のステップS206に進む。
【0093】
不具合兆候ルール生成部22は、
図10のステップS206において、動作パターン4と入場ゲート200に予測される不具合と対処とを対応付けて不具合兆候ルールを生成する。時刻t11の対処内容がリーダ部清掃であり、動作パターン4がリーダ部読み取り不良に関するものであるから、不具合兆候ルール生成部22は、
図7に示すように、動作パターン4に対応する不具合兆候内容を「リーダ部清掃を必要とするリーダ部読み取り不良の兆候」のように設定し、不具合兆候ルール1を生成する。そして、不具合兆候ルール生成部22は、生成した不具合兆候ルール1を不具合兆候ルールデータベース23に格納する。
【0094】
そして、不具合兆候ルール生成部22は、
図10のステップS207に進み、第1A期間に動作パターン1、4以外の動作パターンがあるかどうか判定する。
図11に示すように、第1A期間には、動作パターン1、4以外の動作パターンは検出されていないので、不具合兆候ルール生成部22は、
図10のステップS207でNOと判断して
図10のステップS208に進み、不具合の処理を行った他の時刻があるかどうか判断する。
【0095】
図11に示すように、時刻t11以外にt12~t15の4回、入場ゲート200の対処を行っているので、不具合兆候ルール生成部22は、
図10のステップS208でYESと判断して
図10のステップS202に戻り、時刻t12において、同様の動作を行う。
【0096】
時刻t11の前の第1B期間には、動作パターン1と、動作パターン6と、動作パターン7とが検出されている。動作パターン1は、第1B期間に1回、第2B期間に1回検出されているので、第1B期間における動作パターン1の検出回数に対する第2B期間における動作パターン1の検出回数の比率は100%となり、一定比率の10%以下となっていない。従って、不具合兆候ルール生成部22は、動作パターン1については、
図10のステップS205でNOと判断し、
図10のステップS207でYESと判断して
図10のステップS205に戻り、動作パターン6について上記の比率の判断を行う。動作パターン6は、第1B期間に2回、第2B期間に1回検出されているので、上記の比率は50%となり、一定比率の10%以下となっていない。従って、
図10のステップS205でNOと判断し、
図10のステップS207でYESと判断して
図10のステップS205に戻って、動作パターン7について上記の比率の判断を行う。
【0097】
動作パターン7は、第1B期間に2回検出され、第2B期間には検出されていないので上記の比率は0%となり、一定比率の10%以下となっている。このため、不具合兆候ルール生成部22は、
図10のステップS206に進んで、動作パターン7と入場ゲート200に予測される不具合と対処とを対応付けて不具合兆候ルールを生成する。時刻t12の対処内容がフラッパ交換であり、動作パターン7がフラッパ202の動作不良に関するものであるから、不具合兆候ルール生成部22は、
図7に示すように、動作パターン7に対応する不具合兆候内容を「フラッパ交換を必要とするフラッパ動作不良の兆候」のように設定し、不具合兆候ルール2を生成する。そして、不具合兆候ルール生成部22は、生成した不具合兆候ルール2を不具合兆候ルールデータベース23に格納する。
【0098】
不具合兆候ルール生成部22は
図10のステップS208でYESと判断して
図10のステップS202に戻り、時刻t13の前後に第1C期間、第2C期間を設定し、上記と同様の動作を実行する。第1C期間には、動作パターン1と動作パターン4とが検出されるが、いずれの動作パターンも、上記の比率が一定比率以下となっていないので、
図10のステップS205でNOと判断して不具合兆候ルールの設定は行わない。次の時刻t14の第1D期間、第2D期間においても同様である。
【0099】
時刻t15の前の第1E期間では動作パターン1,4,5,6が検出されている。この内、動作パターン5においては、第1E期間で2回検出され、第2E期間で検出されていないので、上記の比率は0%となり、一定比率の10%以下となっている。従って、不具合兆候ルール生成部22は、
図23に示すように、動作パターン5と、「リーダ部交換を必要とするリーダ部読み取り不良の兆候」の不具合兆候内容とを対応付けた不具合兆候ルール3を生成して不具合兆候ルールデータベース23に格納する。
【0100】
以上説明したように、対処前の第1期間に検出された動作パターンの回数に対して対処の後に検出された動作パターンの回数が一定比率以下となった場合に、動作パターンと対処内容とを対応付けた不具合兆候ルールを生成するので、動作パターンが検出された際に、入場ゲート200に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を出力することができる。
【0101】
次に
図12を参照しながら、不具合兆候ルールを用いて入場ゲート200に予測される不具合とその不具合の発生を防止するための対処とを通知する動作について説明する。この動作は、2~3か月毎に1回実行するようにしてもよいし、毎月実行するようにしてもよい。
【0102】
不具合兆候判定部24は、
図12のステップS301に示すように、2~3か月、1か月等の所定期間の動作ログを動作ログデータベース15から取得する。そして、
図12のステップS302において、取得した動作ログの組み合わせが不具合兆候ルールに含まれる動作パターンに該当するかどうかを判断する。例えば、先に説明したように、動作パターン4は、
図9に示す時刻t6に検出される。動作パターン4は、
図7に示すように不具合兆候ルール1に含まれる動作パターンである。このため、不具合兆候判定部24は、取得した動作ログの組み合わせが不具合兆候ルール1に含まれる動作パターンに該当すると判断し、ステップS302でYESと判断して
図12のステップS303に進む。そして、不具合兆候判定部24は、
図12のステップS303において、動作パターン4に対応する不具合兆候ルール1不具合兆候内容に含まれる予測される不具合の兆候があり、不具合兆候内容に含まれる対処が必要であると判定する。つまり、不具合兆候判定部24は、
図7に示すように、入場ゲート200のリーダ部201の清掃を必要とするリーダ部201の読み取り不良の兆候があると判定する。そして、不具合兆候判定部24は判定結果を不具合兆候通知部25に出力する。
【0103】
図12のステップS304において、不具合兆候通知部25は、通知器106を用いて不具合兆候判定部24から入力された判定結果を通知する。尚、不具合兆候判定部24が
図12のステップS302でNOと判断した場合には、不具合兆候の通知動作を終了する。
【0104】
以上、説明したように、不具合兆候判定部24が、複数の動作ログを組み合わせた動作パターンに基づいて入場ゲート200に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含む不具合兆候内容を検出し、不具合兆候通知部25が予測される不具合の兆候とその不具合の発生を防止するために必要な対処とを通知するので、入場ゲート200の不具合発生前に機器に予想される不具合を起こさないような対処が可能となり、不具合の発生回数を低減することができる。
【0105】
以上の説明では、動作ログに基づいて動作パターンを生成し、不具合兆候ルールは、動作パターンと不具合兆候内容とを対応付けたものとして説明したが、動作パーンを生成せず、1つの動作ログあるいは複数の動作ログの組み合わせを動作ログデータとし、動作ログデータと不具合兆候内容とを対応付けて不具合兆候ルールとしてもよい。
【0106】
例えば、[リーダ部]読み取りエラー2回という動作ログデータと「リーダ部読み取り不良の兆候」という不具合兆候内容とを対応付けて不具合兆候ルールとしてもよい。この場合、不具合兆候内容として対処内容の検出を行うことは難しいが、簡便に構成で不具合兆候の通知をすることができる。
【0107】
以上の説明では、動作パターンの生成動作において、カメラ302の撮像した動作パターンが検出された時刻の前後の期間の動画をディスプレイ105に表示し、エンジニアがこの動画に基づいて
図8のステップS106で生成した動作パターンが入場ゲート200に予測される不具合の兆候を示すかどうかの判定を行うこととして説明したが、この際、エンジニアがその動画から入場ゲート200に不具合が発生したことが明らかであり、対処が必要と判断した場合、不具合解消を目的とした対処を行うようにしてもよい。
【0108】
次に、
図13から
図16を参照しながら他の実施形態の機器不具合兆候通知装置150について説明する。機器不具合兆候通知装置150は、動作ログ、又は、動作ログと画像データを入力とし、機器の不具合兆候内容を出力とする不具合兆候推論モデルを用いて機器の不具合兆候内容を推論し、推論した不具合兆候内容を通知するものである。先に
図1から
図12を参照して説明した機器不具合兆候通知装置100と同様の部位には、同様の符号を付して説明は省略する。
【0109】
図13に示すように、機器不具合兆候通知装置150は、
図1を参照して説明した機器不具合兆候通知装置100の不具合兆候ルール生成部22と、不具合兆候ルールデータベース23と、不具合兆候判定部24と、に代えて、不具合兆候推論モデル生成部26と、不具合兆候推論モデルデータベース27と、不具合兆候推論部28とを備えるものである。
【0110】
不具合兆候推論モデル生成部26は、動作ログデータベース15と、画像データベース12とを参照して学習により、一定期間の動作ログ、又は、動作ログと画像データとの入力に対して不具合兆候内容又は不具合兆候なしを出力とする不具合兆候推論モデルを生成する。不具合兆候推論モデルデータベース27は、不具合兆候推論モデル生成部26が生成した不具合兆候推論モデルを格納するデータベースである。不具合兆候推論部28は、不具合兆候推論モデルを用いて、不具合兆候内容の推論を行い、推論結果を不具合兆候通知部25に出力する。
【0111】
機器不具合兆候通知装置150の不具合兆候通知動作について説明する前に、
図14、
図15を参照しながら不具合兆候推論モデルの生成について説明する。先に不具合兆候ルールの生成動作で説明したと同様、対処実績データベース21には、
図11に示すように、半年~1年位の入場ゲート200の対処時刻と対処内容とが関連付けて格納されている。
【0112】
図14のステップS401に示すように、不具合兆候推論モデル生成部26は、対処実績データベース21の中に入場ゲート200の清掃や部品交換等の対処の実績があるかどうかを判断する。そして不具合兆候推論モデル生成部26は、
図14のステップS401でYESと判断した場合には、
図14のステップS402に進んで不具合の対処を行った一の時刻t21(
図15参照)を抽出し、時刻t21より前の第1期間と、時刻t21よりも後の第2期間とを設定する。なお、
図14のステップS401でNOと判断した場合には、不具合兆候推論モデル生成部26は、不具合兆候推論モデルの生成動作を終了する。
【0113】
次に不具合兆候推論モデル生成部26は、
図14のステップS403で動作ログデータベース15から第1期間の動作ログを取得する。そして、
図14のステップS404で、取得した動作ログの組み合わせが動作パターンデータベース19に格納された動作パターンの中のいずれかに該当するかを判定する。
図15に示すように、第1期間では動作パターン1、動作パターン4、動作パターン5、動作パターン6が検出されている。動作パターンが検出された場合には、不具合兆候推論モデル生成部26、
図14のステップS404でYESと判断して
図14のステップS405に進む。尚、
図14のステップS404でNOと判断した場合には、不具合兆候推論モデル生成部26は、不具合兆候推論モデルの生成動作を終了する。
【0114】
図14のステップS405で不具合兆候推論モデル生成部26は、第1期間における動作パターン1の検出回数に対する第2期間における動作パターン1の検出回数の比率が一定比率以下となっているか判断する。ここで、一定比率は、自由に設定できるが、例えば、10%以下のように設定できる。
【0115】
第1期間では、動作パターン1は2回検出されており、第2期間では動作パターン1は2回検出されている。そうすると、上記の比率は100%となり、設定値の10%よりも大きくなっている。従って不具合兆候推論モデル生成部26は、
図14のステップS405でNOと判断して
図14のステップS410に進み、第1期間に動作パターン1以外の動作パターンがあるかどうか判定する。第1期間では、動作パターン1の他に動作パターン4,5,6が検出されているので、不具合兆候推論モデル生成部26は、
図14のステップS410でYESと判断して
図14のステップS405に戻り、動作パターン4について動作パターン1と同様に上記の比率が一定比率以下となっているかどうか判断する。
【0116】
図15に示すように、動作パターン4は、第1期間で3回検出されており、第2期間で1回検出されている。したがって、動作パターン4では、上記の比率は33%となり、一定比率の10%以下となっていない。従って、不具合兆候推論モデル生成部26は、
図14のステップS405でNOと判断し、
図14のステップS410でYESと判断して
図14のステップS405に戻り、動作パターン5について、動作パターン1,4と同様に上記の比率が一定比率以下となっているか判断する。
【0117】
図15に示すように、第1期間では、動作パターン5は3回検出されているが第2期間では動作パターン5は検出されていない。従って、上記の比率は、0%となり一定比率の10%以下となっている。従って、不具合兆候推論モデル生成部26は、
図14のステップS405でYESと判断して
図14のステップS406に進む。
【0118】
不具合兆候推論モデル生成部26は、
図14のステップS406で
図15に示すように、第1期間の動作ログ、又は、動作ログと画像データとを入力とし、不具合兆候内容を出力とする不具合兆候有りの第1教師データを生成する。ここで、動作パターン5は、
図4に示すように、「(動作パターン4に該当)が発生、且つ、(動作パターン4に該当)が最近60日以内に5回以上」として規定されている。つまり、動作パターン5は、「(認証問い合わせ入場許可)が発生、且つ、[リーダ部]読み取りエラーが最近7秒以内に2回以上」で規定される動作パターン4が最近60日以内に5回以上発生として規定される。このように、動作パターン5は、リーダ部の読み取り不良の発生の兆候を示すものである。また、時刻t21の対処内容は、リーダ部交換処理である。従って、不具合兆候推論モデル生成部26は、第1教師モデルの不具合兆候内容を「リーダ部交換を必要とするリーダ部読み取り不良の兆候」と規定する。そして、不具合兆候推論モデル生成部26は、
図14のステップS407に進んで第3期間を設定する。
図15に示すように、第3期間は、第1期間と第2期間とのいずれとも重複しない期間である。
【0119】
そして、不具合兆候推論モデル生成部26は、
図14のステップS408に進んで、
図15に示すように、第3期間の動作ログ、又は、動作ログと画像データとを入力とし、不具合の兆候がないことを出力とする不具合兆候無しの第2教師データを生成する。そして、第2教師データの生成が終了したら
図14のステップS409に進む。
【0120】
不具合兆候推論モデル生成部26は、
図14のステップS409で、第1教師データと第2教師データを用いた学習により、一定期間の動作ログ、又は、動作ログと画像データとの入力に対して不具合兆候内容又は不具合兆候なしを出力とする不具合兆候推論モデルを生成する。そして、不具合兆候推論モデル生成部26は、生成した不具合兆候推論モデルを不具合兆候推論モデルデータベース27に格納する。
【0121】
不具合兆候推論モデル生成部26は、
図14のステップS410に進み、他の動作パターンがあるかどうか判断する。まだ、動作パターン6が残っているので、不具合兆候推論モデル生成部26は、
図14のステップS410でNOと判断して
図14のステップS405に戻って動作パターン6の上記の比率が一定比率以下となっているが判断する。
図15に示すように動作パターン6は、第1期間で1回検出され、第2期間で1回検出されている。従って、上記の比率は100%となり一定比率の10%以下となっていない。従って、不具合兆候推論モデル生成部26は、
図14のステップS405でNOと判断する。また、動作パターン6が上記比率の判断を行う最後の動作パターンなので、
図14のステップS410でNOと判断して
図14のステップS411に進む。そして、不具合兆候推論モデル生成部26は、他の対処を行った時刻が有るかどうかを判断し、他の対処を行った時刻が有れば、
図14のステップS402に戻って上記と同様の動作を繰り返して実行する。また、他の対処を行った他の時刻がない場合には、
図14のステップS411でNOと判断して不具合兆候推論モデルの生成動作を終了する。
【0122】
次に、
図16を参照しながら、不具合兆候推論モデルを用いて不具合兆候内容の通知を行う動作について説明する。先に説明した不具合兆候ルールを用いて不具合兆候内容の通知を行う場合と同様、この動作は、2~3か月毎に1回実行するようにしてもよいし、毎月実行するようにしてもよい。
【0123】
図16のステップS501に示すように、不具合兆候推論部28は、2~3か月、1か月等の所定期間の動作ログを動作ログデータベース15から取得又は、所定期間の動作ログを動作ログデータベース15から取得すると共に所定期間の画像データを画像データベース12から取得する。
【0124】
図16のステップS502に示すように、不具合兆候推論部28は、不具合兆候推論モデルデータベース27から不具合兆候推論モデルを読み出し、不具合兆候推論モデルに所定期間の動作ログ、又は、所定期間の動作ログと画像データを入力し、不具合兆候内容の推論を行わせる。そして、不具合兆候推論部28は、不具合内容の推論結果の出力があった場合には、
図16のステップS503でYESと判断して
図16のステップS504に進む。
【0125】
不具合兆候通知部25は、
図16のステップS504で不具合兆候推論部28から出力された不具合内容を通知器106から通知する。
【0126】
不具合兆候推論部28は、不具合内容の出力が無く、不具合の兆候がないとの推論結果が出力された場合には、
図16のステップS503でNOと判断して不具合兆候の通知動作を終了する。
【0127】
ここで、通知される不具合兆候内容は、第1教師モデルの生成の場合に規定した、「リーダ部交換を必要とするリーダ部読み取り不良の兆候」のように、入場ゲート200に予測される不具合と、予測される不具合の発生を防止するための対処と、を含むものである。従って、入場ゲート200の不具合発生前に機器に予想される不具合を起こさないような対処が可能となり、不具合の発生回数を低減することができる。
【0128】
次に、
図17~
図19を参照しながら、他の不具合兆候推論モデルの生成動作と他の不具合兆候推論モデルを用いた不具合兆候内容の推論と通知について説明する。先に
図14~
図16を参照して説明した不具合兆候推論モデルの生成動作と、その不具合兆候推論モデルを用いた不具合兆候内容の推論と通知と同様の動作には、同様の符号を付して説明は、省略する。
【0129】
図17に示すように、他の不具合兆候推論モデルの生成方法は、
図14のステップS406、ステップS408、ステップS409において、対処実績データを入力項目に追加したものである。
【0130】
図17のステップS601では、
図18に示すように、不具合兆候推論モデル生成部26は、第1期間の動作ログと対処実績データ、又は、動作ログと対処実績データと画像データとを入力とし、不具合兆候内容を出力とする不具合兆候有りの第1教師データを生成する。また、不具合兆候推論モデル生成部26は、
図17のステップS602では、
図18に示すように、第3期間の動作ログと対処実績データ、又は、動作ログと対処実績データと画像データとを入力とし、不具合の兆候がないことを出力とする不具合兆候無しの第2教師データを生成する。そして、不具合兆候推論モデル生成部26は、
図17のステップS603では、
図18に示すように、第1教師データと第2教師データを用いた学習により、一定期間の動作ログと対処実績データ、又は、動作ログと対処実績データと画像データとの入力に対して不具合兆候内容又は不具合兆候なしを出力とする他の不具合兆候推論モデルを生成する。不具合兆候推論モデル生成部26は、生成した他の不具合兆候推論モデルを不具合兆候推論モデルデータベース27に格納する。
【0131】
このように、学習に用いる第1教師データが対処実績データを入力としているので、過去の対処実績データと動作ログとを関連付けて学習することができる。このため、例えば、交換が必要な不具合の兆候と推論するのか、清掃によりエラーが減ったのか、大して変わらなかったのかを材料に学習することができる。これにより、他の不具合兆候推論モデルは、交換が必要な不具合の兆候なのか清掃が必要な不具合の兆候なのかを分けて推論することができるモデルとして生成される。
【0132】
上記のようにして生成した他の不具合兆候推論モデルを用いた不具合兆候内容の推論、通知の動作について
図19を参照して説明する。先に
図16を参照して説明した動作と同様の動作には、同様の符号を付して説明は省略する。
【0133】
図19のステップS701に示すように、不具合兆候推論部28は、所定期間の動作ログを動作ログデータベース15から取得し、所定期間の対処実績データを対処実績データベース21から取得する。又は、不具合兆候推論部28は、所定期間の動作ログを動作ログデータベース15から取得し、所定期間の対処実績データを対処実績データベース21から取得すると共に所定期間の画像データを画像データベース12から取得する。
【0134】
図19のステップS702に示すように、不具合兆候推論部28は、不具合兆候推論モデルデータベース27から他の不具合兆候推論モデルを読み出し、他の不具合兆候推論モデルに所定期間の動作ログと対処実績データ、又は、所定期間の動作ログと対処実績データと画像データを入力し、不具合兆候内容の推論を行わせる。そして、不具合兆候推論部28は、不具合内容の推論結果の出力があった場合には、
図19のステップS503でYESと判断して
図19のステップS504で不具合兆候内容を通知する。
【0135】
以上説明した他の不具合兆候推論モデルを用いた不具合兆候内容の推論と通知の動作は、先に説明した不具合兆候推論モデルによる推論と通知の動作と同様の効果を奏する。
【0136】
以上の説明では、不具合兆候ルールを用いて不具合内容の検出を行い、検出した不具合兆候内容の通知を行う機器不具合兆候通知装置100と、不具合兆候推論モデルを用いて不具合兆候内容を推論し、推論した不具合兆候内容を通知する機器不具合兆候通知装置150とについて説明したが、不具合兆候ルールを用いて不具合内容の検出を行い、検出した不具合兆候内容の通知を行う動作と、不具合兆候推論モデルを用いて不具合兆候内容を推論し、推論した不具合兆候内容を通知する動作の両方の動作を行うことができる機器不具合兆候通知装置としてもよい。
【符号の説明】
【0137】
11 画像データ取得部、12 画像データベース、13 画像表示部、14 動作ログ取得部、15 動作ログデータベース、16 動作パターン生成部、17 不具合兆候該非信号取得部、18 不具合兆候該非信号データベース、19 動作パターンデータベース、20 対処実績データ取得部、21 対処実績データベース、22 不具合兆候ルール生成部、23 不具合兆候ルールデータベース、24 不具合兆候判定部、25 不具合兆候通知部、26 不具合兆候推論モデル生成部、27 不具合兆候推論モデルデータベース、28 不具合兆候推論部、100,150 機器不具合兆候通知装置、102,204 CPU、103 記憶装置、104,206 外部通信I/F、105 ディスプレイ、106 通知器、107 操作器、200 入場ゲート、201 リーダ部、202 フラッパ、203 ゲート制御部、205 メモリ、301 サーバ、302 カメラ、303 通信回線、350 IDカード、500 入室管理システム。