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<図1>
  • 特許-通信制御装置および通信制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】通信制御装置および通信制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/04 20090101AFI20230815BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20230815BHJP
【FI】
H04W74/04
H04W72/0446
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023100443
(22)【出願日】2023-06-20
【審査請求日】2023-06-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397036309
【氏名又は名称】株式会社インターネットイニシアティブ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【弁理士】
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】柿島 純
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-064909(JP,A)
【文献】特開2007-312129(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112333234(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が任意時刻に発信要求信号を発信する複数の通信端末に対して無線リソースを割り当てる通信制御装置であって、
前記複数の通信端末の各々によって前記発信要求信号が発信された順番を示す第1情報を取得するように構成された第1取得部と、
前記第1情報を未知の入力として学習済みの機械学習モデルに与え、前記学習済みの機械学習モデルの演算を行って、無線リソースを共用する前記複数の通信端末の各々が前記発信要求信号に対応する発信信号を発信する順番であって、前記発信信号を発信する回数および頻度が前記複数の通信端末間で均等となる順番に関する第2情報を出力するように構成された演算部と、
前記複数の通信端末の各々に、前記第2情報を前記無線リソースの割り当て情報として通知するように構成された通信制御部と
を備える通信制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信制御装置において、
さらに、前記発信要求信号が、前記複数の通信端末によって発信されたか否かを、通信端末ごとに順番に確認するように構成された確認部と、
前記確認部で前記発信要求信号が発信されたことが確認された前記通信端末を基準とした順番であって、前記複数の通信端末の各々によって前記発信要求信号が発信された順番に関する第3情報を取得するように構成された第2取得部と、
前記第3情報と、前記無線リソースを共用する前記複数の通信端末の各々が前記発信信号を発信する順番であって、前記通信端末を基準とした場合に、前記発信信号を発信する回数および頻度が前記通信端末以外の前記複数の通信端末間で均等となる順番との関係を、機械学習モデルを用いて学習するように構成された学習部と、
前記学習部によって構築された前記学習済みの機械学習モデルを記憶するように構成された記憶部と
を備え、
前記演算部は、前記記憶部から前記学習済みの機械学習モデルを読み出して、前記学習済みの機械学習モデルの演算を行う
ことを特徴とする通信制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の通信制御装置において、
前記第3情報は、前記複数の通信端末の各々が基準とされた順番である
ことを特徴とする通信制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載の通信制御装置において、
前記演算部は、前記第3情報を前記未知の入力として前記学習済みの機械学習モデルに与え、前記学習済みの機械学習モデルの演算を行って、前記無線リソースを共用する前記複数の通信端末の各々が前記発信信号を発信する順番であって、前記通信端末を基準とした場合に、前記発信信号を発信する回数および頻度が前記通信端末以外の前記複数の通信端末間で均等となる順番を出力する
ことを特徴とする通信制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の通信制御装置において、
前記機械学習モデルは、入力層、隠れ層、および出力層を有するニューラルネットワークである
ことを特徴とする通信制御装置。
【請求項6】
通信制御装置によって実行される、各々が任意時刻に発信要求信号を発信する複数の通信端末に対して無線リソースを割り当てる通信制御方法であって、
前記複数の通信端末の各々によって前記発信要求信号が発信された順番を示す第1情報を取得する第1ステップと、
前記第1情報を未知の入力として学習済みの機械学習モデルに与え、前記学習済みの機械学習モデルの演算を行って、無線リソースを共用する前記複数の通信端末の各々が前記発信要求信号に対応する発信信号を発信する順番であって、前記発信信号を発信する回数および頻度が前記複数の通信端末間で均等となる順番に関する第2情報を出力する第2ステップと、
前記複数の通信端末の各々に、前記第2情報を前記無線リソースの割り当て情報として通知する第3ステップと
を備える通信制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の通信制御方法において、
さらに、前記発信要求信号が、前記複数の通信端末によって発信されたか否かを、通信端末ごとに順番に確認する第4ステップと、
前記第4ステップで前記発信要求信号が発信されたことが確認された前記通信端末を基準とした順番であって、前記複数の通信端末の各々によって前記発信要求信号が発信された順番に関する第3情報を取得する第5ステップと、
前記第3情報と、前記無線リソースを共用する前記複数の通信端末の各々が前記発信信号を発信する順番であって、前記通信端末を基準とした場合に、前記発信信号を発信する回数および頻度が前記通信端末以外の前記複数の通信端末間で均等となる順番との関係を、機械学習モデルを用いて学習する第6ステップと、
前記第6ステップで構築された前記学習済みの機械学習モデルを記憶部に記憶する第7ステップと
を備え、
前記第2ステップは、前記記憶部から前記学習済みの機械学習モデルを読み出して、前記学習済みの機械学習モデルの演算を行う
ことを特徴とする通信制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の通信制御方法において、
前記第3情報は、前記複数の通信端末の各々が基準とされた順番である
ことを特徴とする通信制御方法。
【請求項9】
請求項7に記載の通信制御方法において、
前記第2ステップは、前記第3情報を前記未知の入力として前記学習済みの機械学習モデルに与え、前記学習済みの機械学習モデルの演算を行って、前記無線リソースを共用する前記複数の通信端末の各々が前記発信信号を発信する順番であって、前記通信端末を基準とした場合に、前記発信信号を発信する回数および頻度が前記通信端末以外の前記複数の通信端末間で均等となる順番を出力する
ことを特徴とする通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御装置および通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどのモバイル端末および様々なモノが通信を行うIoT端末の普及により、膨大な数のモバイル端末やIoT端末の通信制御が必要となっている。モバイル端末およびIoT端末などの通信端末単位で通信回線を確保すると、回線数は、例えば、1000回線を超える膨大な数となり、回線の制御や管理が複雑化する。
【0003】
そこで、従来から、多重化技術を応用した多元接続により、1つの回線などを複数の通信端末で共用し、それぞれの通信端末が独立に接続できるように制御されている。例えば、時分割多重(TDM:Time Divsion Multiplexing)を利用した時分割多元接続(TDMA)では、1つの周波数に対して時間を複数に分割し、分割した時間であるタイムスロットを、各通信端末に割り当てて通信を行う。これにより、通信回線の効率が向上し、基地局やコアネットワークにおける設備費用や、通信費用などのコスト削減につながる。
【0004】
しかし、従来の時分割多元接続による通信では、通信端末側と基地局およびコアネットワーク側とでタイムスロットの時間を高精度に同期することが必要であった。例えば、特許文献1は、TSN(Time-Sensitive Networking)のクロックと、基地局および通信端末を含む5Gシステムの動作タイミングとなるクロックとの間における周波数のずれ比率を算出し、算出された周波数のずれに基づいて、2つのクロック間の時間同期のずれを補正する技術を開示している。
【0005】
しかし、特許文献1が開示する技術では、通信端末とネットワーク側との高精度な同期を行うために、システム構成が複雑化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2023-058607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術では、高精度な同期処理を行うことなく、簡易な構成により複数の通信端末に無線リソースを割り当てることができなかった。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、簡易な構成により複数の通信端末に無線リソースを割り当てることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明に係る通信制御装置は、各々が任意時刻に発信要求信号を発信する複数の通信端末に対して無線リソースを割り当てる通信制御装置であって、前記複数の通信端末の各々によって前記発信要求信号が発信された順番を示す第1情報を取得するように構成された第1取得部と、前記第1情報を未知の入力として学習済みの機械学習モデルに与え、前記学習済みの機械学習モデルの演算を行って、無線リソースを共用する前記複数の通信端末の各々が前記発信要求信号に対応する発信信号を発信する順番であって、前記発信信号を発信する回数および頻度が前記複数の通信端末間で均等となる順番に関する第2情報を出力するように構成された演算部と、前記複数の通信端末の各々に、前記第2情報を前記無線リソースの割り当て情報として通知するように構成された通信制御部とを備える。
【0010】
また、本発明に係る通信制御装置において、さらに、前記発信要求信号が、前記複数の通信端末によって発信されたか否かを、通信端末ごとに順番に確認するように構成された確認部と、前記確認部で前記発信要求信号が発信されたことが確認された前記通信端末を基準とした順番であって、前記複数の通信端末の各々によって前記発信要求信号が発信された順番に関する第3情報を取得するように構成された第2取得部と、前記第3情報と、前記無線リソースを共用する前記複数の通信端末の各々が前記発信信号を発信する順番であって、前記通信端末を基準とした場合に、前記発信信号を発信する回数および頻度が前記通信端末以外の前記複数の通信端末間で均等となる順番との関係を、機械学習モデルを用いて学習するように構成された学習部と、前記学習部によって構築された前記学習済みの機械学習モデルを記憶するように構成された記憶部とを備え、前記演算部は、前記記憶部から前記学習済みの機械学習モデルを読み出して、前記学習済みの機械学習モデルの演算を行ってもよい。
【0011】
また、本発明に係る通信制御装置において、前記第3情報は、前記複数の通信端末の各々が基準とされた順番であってもよい。
【0012】
また、本発明に係る通信制御装置において、前記演算部は、前記第3情報を前記未知の入力として前記学習済みの機械学習モデルに与え、前記学習済みの機械学習モデルの演算を行って、前記無線リソースを共用する前記複数の通信端末の各々が前記発信信号を発信する順番であって、前記通信端末を基準とした場合に、前記発信信号を発信する回数および頻度が前記通信端末以外の前記複数の通信端末間で均等となる順番を出力してもよい。
【0013】
また、本発明に係る通信制御装置において、前記機械学習モデルは、入力層、隠れ層、および出力層を有するニューラルネットワークであってもよい。
【0014】
上述した課題を解決するために、本発明に係る通信制御方法は、各々が任意時刻に発信要求信号を発信する複数の通信端末に対して無線リソースを割り当てる通信制御方法であって、前記複数の通信端末の各々によって前記発信要求信号が発信された順番を示す第1情報を取得する第1ステップと、前記第1情報を未知の入力として学習済みの機械学習モデルに与え、前記学習済みの機械学習モデルの演算を行って、無線リソースを共用する前記複数の通信端末の各々が前記発信要求信号に対応する発信信号を発信する順番であって、前記発信信号を発信する回数および頻度が前記複数の通信端末間で均等となる順番に関する第2情報を出力する第2ステップと、前記複数の通信端末の各々に、前記第2情報を前記無線リソースの割り当て情報として通知する第3ステップとを備える。
【0015】
また、本発明に係る通信制御方法において、さらに、前記発信要求信号が、前記複数の通信端末によって発信されたか否かを、通信端末ごとに順番に確認する第4ステップと、前記第4ステップで前記発信要求信号が発信されたことが確認された前記通信端末を基準とした順番であって、前記複数の通信端末の各々によって前記発信要求信号が発信された順番に関する第3情報を取得する第5ステップと、前記第3情報と、前記無線リソースを共用する前記複数の通信端末の各々が前記発信信号を発信する順番であって、前記通信端末を基準とした場合に、前記発信信号を発信する回数および頻度が前記通信端末以外の前記複数の通信端末間で均等となる順番との関係を、機械学習モデルを用いて学習する第6ステップと、前記第6ステップで構築された前記学習済みの機械学習モデルを記憶部に記憶する第7ステップとを備え、前記第2ステップは、前記記憶部から前記学習済みの機械学習モデルを読み出して、前記学習済みの機械学習モデルの演算を行ってもよい。
【0016】
また、本発明に係る通信制御方法において、前記第3情報は、前記複数の通信端末の各々が基準とされた順番であってもよい。
【0017】
また、本発明に係る通信制御方法において、前記第2ステップは、前記第3情報を前記未知の入力として前記学習済みの機械学習モデルに与え、前記学習済みの機械学習モデルの演算を行って、前記無線リソースを共用する前記複数の通信端末の各々が前記発信信号を発信する順番であって、前記通信端末を基準とした場合に、前記発信信号を発信する回数および頻度が前記通信端末以外の前記複数の通信端末間で均等となる順番を出力してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、学習済みの機械学習モデルの演算を行って、無線リソースを共用する複数の通信端末の各々が発信要求信号に対応する発信信号を発信する順番であって、発信信号を発信する回数および頻度が複数の通信端末間で均等となる順番に関する第2情報を出力する。そのため、より簡易な構成により複数の通信端末に無線リソースを割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る通信制御装置を含む通信制御システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本実施の形態に係る通信制御装置の概要を説明するための図である。
図3図3は、本実施の形態に係る学習部による学習処理を説明するための図である。
図4図4は、本実施の形態に係る学習部による学習処理を説明するための図である。
図5図5は、本実施の形態に係る通信制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6図6は、本実施の形態に係る通信制御装置の動作を示すフローチャートである。
図7図7は、本実施の形態に係る通信制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1から図7を参照して詳細に説明する。
【0021】
[通信制御システムの構成]
まず、本発明の実施の形態に係る通信制御装置1を備える通信制御システムの概要について説明する。図1に示すように、通信制御システムは、通信制御装置1、複数の通信端末2T,2T,・・・,2T(n=1,2,・・・)、基地局3、およびコアネットワーク4を備える。通信制御システムは、例えば、アップリンク方向において、複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tが一つの周波数などの無線リソースを共用する場合に、複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tが発信信号を発信する順番を制御する。
【0022】
図1に示すように、通信端末2T,2T,・・・,2Tは、SIMを備えるスマートフォンなどの携帯通信端末、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ(いわゆる、ノートパソコン)により実現される。また、通信端末2T,2T,・・・,2Tは、固有のIPアドレスを持ちインターネットに接続可能なIoTデバイスによっても実現される。
【0023】
通信端末2T,2T,・・・,2Tは、それぞれ、SIMを識別する加入者識別番号であるIMSI(International Mobile Subscriber Identity)により一意に識別される。
【0024】
通信端末2T,2T,・・・,2Tは、通信を開始する際やデータ信号などの発信信号の送受信を開始するために、基地局3に発信要求信号を発信する。発信要求信号は、通信端末2T,2T,・・・,2Tが、タイムスロットなどの無線リソースのリソースブロックを要求するためのチャネル要求信号(Channel Request Signal)である。
【0025】
通信端末2T,2T,・・・,2Tが、発信要求信号を基地局3に発信すると、基地局3によって未使用のタイムスロットなど利用可能な無線リソースが割り当てられる。タイムスロットなどの無線リソースが割り当てられた通信端末2T,2T,・・・,2Tは、割り当てられた無線リソースを使用して通信を開始し、データ信号などの発信信号を発信する。本実施の形態では、通信端末2T,2T,・・・,2Tがデータ信号などの発信信号を発信する順番が、タイムスロットの割り当てに対応する情報として通知される。
【0026】
例えば、発信要求信号の発信に応じて、無線リソースであるタイムスロットが割り当てられた通信端末2T,2T,・・・,2Tは、C-Plane(Control Plane)で処理される制御信号や、U-Plane(User Plane)で処理されるデータ信号である発信信号を、基地局3を介してコアネットワーク4に発信する。データ信号には、通信端末2T,2T,・・・,2Tが送信するテキスト、音声、画像などのユーザーデータが含まれる。なお、以下において通信端末2T,2T,・・・,2Tを区別しない場合には、通信端末2Tと総称する場合がある。
【0027】
基地局3は、LTE方式の無線通信に対応した無線基地局、および5G方式に対応した無線基地局で構成される。基地局3は、在圏する通信端末2T,2T,・・・,2Tとコアネットワーク4との間の通信を中継する。本実施の形態では、通信制御装置1と基地局3とは、コアネットワーク4およびネットワーク(NW)を介して通信可能に接続されている。さらに、基地局3は、通信端末2T,2T,・・・,2Tが発信する発信要求信号の発信タイムスタンプ(ms単位)を保持している。
【0028】
コアネットワーク4は、5GのSA(Stand Alone)方式、およびNSA(Non Stand Alone)方式のコアネットワークで構成される。コアネットワーク4は、通信端末2T,2T,・・・,2Tが基地局3を介して送信する制御信号やデータ信号などの発信信号の処理、通信プロトコルやセキュリティ機能の管理、通信速度など通信の品質や安全性を確保する機能を有する。
【0029】
図2の(a)は、従来例に係る通信制御システムによる、複数の通信端末2Tに対する無線リソースの割り当てを示す模式図である。図2の(b)は、本実施の形態に係る通信制御装置1を備える通信制御システムが、複数の通信端末2Tに無線リソースを割り当てる構成を表した模式図である。
【0030】
図2の(a)および(b)において、左側に示す「端末側」とは、通信端末2T側から見たタイムスロットの割り当てである。一方、右側に示す「ネットワーク側」とは、基地局3およびコアネットワーク4、すなわち、本実施の形態に係る通信制御システムから見た通信端末2Tに対するタイムスロットの割り当てを示す。また、図2の(a)および(b)に示す数字「1,2,3,・・・,l,・・・,m,・・・n」は、n台の通信端末2T,2T,・・・,2Tのインデックス番号を示す。
【0031】
図2の(a)に示す、従来例に係る通信制御システムでは、TDMA方式により1つの周波数がn分割された時間に対応するn個のタイムスロットが各通信端末2Tに固定的に割り当てられている。図2の(a)では、各タイムスロットに対して、通信端末2Tと基地局3との信号の送受信のタイミングが割り当てられ、通信端末2Tと基地局3との発信信号の送受信タイミングが一致するように制御される。
【0032】
一方、図2の(b)に示す、本実施の形態に係る通信制御装置1は、n台の通信端末2T,2T,・・・,2Tが1つの周波数を共用する場合に、1つの回線をn個のタイムスロットに分割し、n台の通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々が発信要求信号を発信するタイミングを巡回してチェックする。さらに、発信要求信号を発信した通信端末2T(例えば、通信端末2T)が所定の条件を満たす場合には、その通信端末2Tには最も若い番号のタイムスロットが割り当てられ、通信端末2Tは最初に発信信号を送信することができる。
【0033】
また、本実施の形態に係る通信制御システムでは、ネットワーク側に設けられた通信制御装置1が、学習済みの機械学習モデルを用いて、発信要求信号を発信した複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tが制御信号やデータ信号などの発信信号を発信する順番を決定する。通信端末2T,2T,・・・,2Tに指定される発信信号を発信する順番は、連続するn個のタイムスロットのタイムスロット番号に対応する。
【0034】
本実施の形態に係る通信制御システムでは、n台の通信端末2T,2T,・・・,2Tを、例えばインデックス値1~nの順に1台ずつ巡回していく。例えば、通信端末2Tを巡回している期間に、通信端末2Tが発信要求信号を発信したか否かが確認され、同様に、通信端末2Tを巡回している期間に、通信端末2Tが発信要求信号を発信したか否かが確認される。
【0035】
ここで、通信端末2T~2Tを1回ずつ確認する第1回目の巡回において、巡回中の通信端末2T,2T,・・・,2Tのうち、最も早い時刻で発信要求信号の発信が確認された通信端末2Tに対して、最も若いタイムスロット番号のタイムスロットを割り当てるとする。この場合に、連続するn個のタイムスロットをn台の通信端末2T,2T,・・・,2Tの全てに割り当てる順番の組み合わせは、n!通り存在する。
【0036】
しかし、タイムスロットを割り当てる順番の組み合わせの数であるn!通り全てを用いて発信制御を行うことは、基地局3およびコアネットワーク4側の負担となる。また、例えば、通信端末2Tを巡回している期間に通信端末2Tが発信要求信号を発信したことを検出した場合であっても、同じ期間に他の通信端末2Tも発信要求信号を発信している場合も存在し得る。このような場合には、通信端末2T、2T間で発信順序を調整する必要がある。
【0037】
本実施の形態に係る通信制御システムでは、巡回中の所定の通信端末2Tが発信要求信号を発信した場合に、タイムスロット番号が最も若いタイムスロットを割り当てることを基本としつつ、データ信号などの発信信号を発信する機会がn台の通信端末2T,2T,・・・,2T間で公平に与えられるように、通信端末2T,2T,・・・,2Tが発信信号を発信する順番、すなわち、タイムスロットが割り当てられる順番を決定する。
【0038】
より具体的には、本実施の形態に係る通信制御システムでは、ネットワーク側に設けられた通信制御装置1が学習済みの機械学習モデルを用いて、複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tが発信信号を発信する順番を決定する。
【0039】
学習済みの機械学習モデルは、各々が任意のタイミングで発信要求信号を発信する通信端末2T,2T,・・・,2Tが発信要求信号を発信した順番と、1つの回線を共用する通信端末2T,2T,・・・,2T間でデータ信号などの発信信号を発信する回数および頻度が均等となる順番との関係を事前に学習したモデルである。n!通りあるタイムスロットの割り当ての組み合わせのうち、通信端末2T,2T,・・・,2T間で通信の機会が公平に与えられる、例えば、所定のn通りの組み合わせのみを用いることで、基地局3およびコアネットワーク4側の発信制御の処理負担を低減できる。
【0040】
また、本実施の形態に係る通信制御システムでは、通信端末2T,2T,・・・,2Tが発信要求信号を発信したかどうかを巡回して確認することに基づいて決定された発信信号を発信する順番に応じてタイムスロットの割り当てを行う。そのため、従来例において必要とされていた通信端末2Tと基地局3との高精度の同期は必要とされない。
【0041】
[通信制御装置の機能ブロック]
通信制御装置1は、確認部10、取得部11、学習部12、演算部13、機械学習(ML)モデル記憶部14、通信制御部15、および提示部16を備える。通信制御装置1は、学習済みの機械学習モデルの演算を行って、無線リソースを共用する複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々が発信信号を発信する順番を決定する。
【0042】
確認部10は、複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々が任意時刻に発信する発信要求信号が、複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tによって発信されたか否かを、通信端末2T,2T,・・・,2Tごとに順番に確認する。より詳細には、確認部10は、図2の(b)の円の矢印に示すように、例えば、1つの周波数を共用するn台の通信端末2T,2T,・・・,2Tを1台ずつ巡回し、発信要求信号が発信されたか否かを確認する。
【0043】
取得部11(第1取得部)は、複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々によって発信要求信号が発信された順番を示す情報(第1情報)を取得する。取得部11によって取得された第1情報は、後述の演算部13が学習済みの機械学習モデルを演算する際の未知の入力として用いられる。
【0044】
また、取得部11(第2取得部)は、確認部10で発信要求信号が発信されたことが確認された通信端末2Tを基準とした順番であって、複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々によって発信要求信号が発信された順番に関する情報(第3情報)を取得する。
【0045】
取得部11によって取得された第3情報は、後述の学習部12において機械学習モデルの学習処理を行う際の教師データを構成するデータとして用いられる。なお、後述の演算部13は、学習済みの機械学習モデルを演算する際の未知の入力として第1情報だけでなく第3情報を用いることができる。
【0046】
第3情報に関し、例えば、複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tのうち、確認部10が通信端末2Tを巡回している期間に、通信端末2Tが発信要求信号を発信したことが確認される。この場合、通信端末2Tを、発信信号を発信する順番である1番目~n番目までのうちの第1番目と定める。取得部11は、通信端末2Tを第1番目とした場合の、第2番目から第n番目までの順番の組み合わせを取得する。したがって、n台のうち通信端末2Tを代表とした場合には、(n-1)!通りの順番の組み合わせが存在する。
【0047】
このように、通信端末2Tを基準とした順番とは、確認部10の巡回で発信要求信号を発信したことが確認された通信端末2Tに対して最も若い番号のタイムスロットを割り当てた場合の、順列による第1番目から第n番目までの通信端末2Tの順番の組み合わせを意味する。さらに、取得部11は、n台の通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々を1回ずつ基準とした順番の組み合わせを取得する。
【0048】
取得部11によって取得される、発信要求信号を発信した順番に関する情報は、例えば、第1番目:通信端末2T、第2番目:通信端末2T、・・・、第n番目:通信端末2T等、順番を示す値あるいはタイムスロット番号に各通信端末2Tの識別番号が関連付けられた情報である。
【0049】
取得部11は、発信要求信号の発信日時である発信タイムスタンプ(ms単位)に基づいて、発信された順番を取得することができる。例えば、取得部11は、ネットワークNWを介して、基地局3に保持されている発信要求信号の発信タイムスタンプを取得することができる。
【0050】
学習部12は、第3情報と、無線リソースを共用する通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々が発信要求信号に係るデータ信号などの発信信号を発信する順番であって、確認部10によって発信要求信号の発信が確認された通信端末2Tを基準とした場合に、発信信号を発信する回数および頻度が通信端末2T以外の通信端末2T,・・・,2T間で均等となる順番との関係を、機械学習モデルを用いて学習する。
【0051】
学習部12は、通信端末2T,2T,・・・,2Tが発信要求信号を発信した順番の組み合わせについて、データ信号などの発信信号を発信する回数および頻度が通信端末2T,2T,・・・,2T間で均等となる順番の組み合わせとなるように、機械学習モデルを学習する。
【0052】
発信信号を発信する回数および頻度が均等となる通信端末2T,2T,・・・,2Tの順番とは、n台の通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々が、第1番目、第2番目、・・・、第n番目に発信する回数および頻度が均等となる順番の組み合わせをいう。なお、前述したように発信信号を発信する順番はタイムスロット番号に相当する。
【0053】
例えば、第1番目の通信端末2Tは、第1番目のタイムスロットを用いて、最も早い時刻に発信信号を発信する。第2番目の通信端末2Tは、第2番目のタイムスロットを用いて、通信端末2Tが発信信号を発信した後に発信信号を発信する。同様に、第3番目から第n番目の通信端末2T~通信端末2Tについても、直前の通信端末2Tの発信信号の発信に続いて、順次発信信号を発信することができる。
【0054】
図3は、学習部12が学習処理で用いる教師データを説明するための図である。図3の左欄は、学習部12が機械学習モデルに与える入力値を示している。図3の右欄は、学習部12が学習処理で用いる教師データの正解ラベルを示している。図3の例では、通信端末2T,2T,・・・,2Tが4台(n=4)である場合において、4台の通信端末2T,2T,2T,2Tが通信を行う順番の組み合わせを順列で示している。図3の数字「1」「2」「3」「4」は、4台の通信端末2T,2T,2T,2Tのインデックスの値を示している。
【0055】
図3の左欄に示すように、n台の通信端末2T,2T,・・・,2Tを順番に組み合わせた順列Pは、P={n×(n-1)×(n-2)・・・×1}通りあり、n=4台の場合には、24通りある。また、n台の通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々が第1番目に発信する機会を確保する場合、順番の組み合わせは、{(n-1)×(n-2)・・・×1}で表される。n=4台の場合において、通信端末2Tを第1番目と定めた場合には、6通りの順番の組み合わせがある。
【0056】
本実施の形態では、n台全ての通信端末2T,2T,・・・,2Tが必ず1回は第1番目に指定される順番の組み合わせを、図3の右欄に示す正解ラベルとして用いる。さらに、第2番目以降の順番においては、第1番目に指定された通信端末2T以外の通信端末2Tが、それぞれ1回ずつ、第2番目から第n番目に指定される。すなわち、{(n-1)×(n-2)・・・×1}通りの順番の組み合わせから、n台の通信端末2T,2T,・・・,2T間で発信信号を発信する機会が均等となるように選択された代表の組み合わせを正解ラベルとする。
【0057】
図4は、学習部12が学習を行う機械学習モデルの一例として採用する、ニューラルネットワーク構造を示す。ニューラルネットワークは、入力層x、隠れ層h、および出力層yを備える。図4の例では入力ノードおよび出力ノードの数は同数であり、これらは、1つの回線を共用する通信端末2T,2T,・・・,2Tの台数nの値が設定される。入力ノードおよび出力ノードの数として採用される通信端末2Tの台数nは、基地局3やコアネットワーク4の設備容量などに応じて設定することができる。
【0058】
学習部12は、各々が任意時刻に発信する発信要求信号が、通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々によって発信された順番をニューラルネットワークの入力層に与え、入力の重み付け総和に活性化関数を適用し、閾値処理により決定された出力を出力層に渡す。図3の例を用いると、入力層の各入力ノードx~xには、「入力値」で示される、第1番目に発信要求信号を発信した通信端末2Tの識別情報の値から第n番目に発信要求信号を発信した通信端末2Tの識別情報の値が入力される。出力層の各出力ノードy~yは、「入力値」に対するニューラルネットワークの出力値である。
【0059】
隠れ層hのレイヤ数、およびニューラルネットワークのノード間の結合の疎密を含む機械学習モデルのサイズや要素は、十分な推論精度が得られる設計であれば限定されず、例えば、ノード間の結合として全結合あるいはスパース化した構造であってもよい。
【0060】
学習部12は、さらに、正解ラベルの値とニューラルネットワークの出力値yとの間の誤差を評価する目的関数を導入することで、n台の通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々が任意時刻に発信要求信号を発信した通信端末2T,2T,・・・,2Tの順番が、正解ラベルの順番となるように、ニューラルネットワークのパラメータを学習する。図3の例を用いて説明すると、学習部12は、破線の四角で囲われた「入力値」に対して、左欄の「正解ラベル」を付与した教師データを用いてニューラルネットワークを学習する。
【0061】
このように、教師データにおける「入力値」は、確認部10によって発信要求信号が発信されたことが確認された通信端末2Tを基準とした場合の、複数の通信端末2T,・・・,2Tの各々によって発信要求信号が発信された順番に関する情報(第3情報)である。つまり、図3の例によると、通信端末2Tを第1番目と定めた場合のn番目までの通信端末2T,・・・,2Tの順番の組み合わせを1つの入力値のグループとして扱うことができる。
【0062】
また、「正解ラベル」は、例えば、通信端末2Tを第1番目と定めた場合のn番目までの通信端末2T,・・・,2Tの順番の組み合わせにおいて、通信端末2T,・・・,2T間での発信信号を発信する機会が公平に与えられる順番の組み合わせである。したがって、図3の例によると、通信端末2Tを第1番目と定めた場合のn番目までの通信端末2T,・・・,2Tの順番の組み合わせを1つの入力値のグループに対して正解ラベルが付与されることになる。
【0063】
学習部12は、目的関数が最小、つまり0となるように、ニューラルネットワークの重みパラメータを調整する。学習部12は、誤差逆伝搬法や確率的勾配降下法などを用いて、目的関数を勾配法で最適化することができる。学習部12によって構築された学習済みの機械学習モデルは、後述のMLモデル記憶部14に記憶される。
【0064】
図1に戻り、演算部13は、取得部11で取得された、通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々によって発信要求信号が発信された順番に関する情報(第1情報)を未知の入力として学習済みの機械学習モデルに与える。
【0065】
演算部13は、学習済みの機械学習モデルの演算を行って、無線リソースを共用する通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々が発信要求信号に対応するデータ信号などの発信信号を発信する順番であって、通信端末2T,2T,・・・,2T間で発信信号を発信する回数および頻度が均等となる順番に関する情報(第2情報)を出力する。
【0066】
演算部13が未知の入力として与える、発信要求信号が発信された順番に関する情報は、通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々がランダムなタイミングで発信要求信号を発信した順番である。したがって、学習済みの機械学習モデルに未知の入力として与えられる値は、無線リソースを共用する通信端末2T,2T,・・・,2T間で、発信要求信号が発信された回数および頻度に未知の偏りを有する。例えば、特定の通信端末2Tに偏ってタイムスロットが割り当てられる場合がある。
【0067】
演算部13は、学習済みの機械学習モデルの演算により、発信信号を発信する回数および頻度が通信端末2T,2T,・・・,2T間で均等となる発信の順番の組み合わせを出力することができる。
【0068】
また、演算部13は、第1情報を未知の入力として学習済みの機械学習モデルに与える場合の他に、第3情報を未知の入力として学習済みの機械学習モデルに与える構成とすることができる。この場合、演算部13は、確認部10が巡回を行って発信要求信号の発信が確認された通信端末2Tを第1番目とした、n番目までの発信要求信号の発信の順序を未知の入力として用いることができる。
【0069】
MLモデル記憶部14は、学習部12によって構築された学習済みのパラメータを記憶する。
【0070】
通信制御部15は、通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々に、演算部13によって出力された発信信号を発信する順番に関する情報を無線リソースの割り当て情報として通知する。例えば、通信制御部15は、所定の通信規格のコアネットワーク4および基地局3を介して、通信端末2T,2T,・・・,2Tに対して、発信信号を発信する順番に基づいたタイムスロット番号を通知することができる。
【0071】
通信制御部15から発信信号を発信する順番に関する情報の通知を受けた通信端末2T,2T,・・・,2Tは、指定された順番に従って発信信号を発信する。具体的には、通信端末2T,2T,・・・,2Tは、指定された順番に対応するタイムスロットにおいてそれぞれが発信信号を発信することができる。
【0072】
提示部16は、通信制御部15によって通信端末2T,2T,・・・,2Tに通知される、発信信号を発信する順番に関する情報を提示する。また、提示部16は、タイムスロットの割り当てなどの通信制御に関する情報を提示することができる。
【0073】
[通信制御装置のハードウェア構成]
次に、上述した機能を有する通信制御装置1を実現するハードウェア構成の一例について、図5を用いて説明する。
【0074】
図5に示すように、通信制御装置1は、例えば、バス101を介して接続されるプロセッサ102、主記憶装置103、通信インターフェース104、補助記憶装置105、入出力I/O106を備えるコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。
【0075】
主記憶装置103には、プロセッサ102が各種制御や演算を行うためのプログラムが予め格納されている。プロセッサ102と主記憶装置103とによって、図1に示した確認部10、取得部11、学習部12、演算部13、通信制御部15など通信制御装置1の各機能が実現される。
【0076】
通信インターフェース104は、通信制御装置1と各種外部電子機器との間をネットワーク接続するためのインターフェース回路である。
【0077】
補助記憶装置105は、読み書き可能な記憶媒体と、その記憶媒体に対してプログラムやデータなどの各種情報を読み書きするための駆動装置とで構成されている。補助記憶装置105には、記憶媒体としてハードディスクやフラッシュメモリなどの半導体メモリを使用することができる。
【0078】
補助記憶装置105は、通信制御装置1が実行する通信制御プログラムを格納するプログラム格納領域を有する。また、補助記憶装置105は、機械学習モデルの学習を行うための学習プログラムを格納する領域を有する。補助記憶装置105によって、図1で説明したMLモデル記憶部14が実現される。さらには、例えば、上述したデータやプログラムなどをバックアップするためのバックアップ領域などを有していてもよい。
【0079】
入出力I/O106は、外部機器からの信号を入力したり、外部機器へ信号を出力したりする入出力装置である。
【0080】
[通信制御装置の動作]
次に、上述した構成を有する通信制御装置1の動作を、図6および図7のフローチャートを参照して説明する。図6は、通信制御装置1による学習処理を示すフローチャートである。図7は、学習済みの機械学習モデルの演算により、複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tに対して無線リソースを割り当てる通信制御処理を示すフローチャートである。
【0081】
まず、図6に示すように、学習部12は、教師データを用意する(ステップS1)。より詳細には、まず、確認部10が複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tを巡回し、発信要求信号の発信の有無を確認する。その後、取得部11は、発信要求信号の発信が確認された通信端末2T(例えば、通信端末2T)を基準とした順番であって、複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々によって発信要求信号が発信された順番に関する情報(第3情報)を取得する。学習部12は、取得部11によって取得された順番に関する第3情報を、教師データを構成する入力値として用いる。また、前述したように、第3情報はn個存在する。
【0082】
さらに、学習部12は、複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々が発信信号を発信する順番であって、確認部10で確認された通信端末2Tを基準とした場合に、発信信号を発信する回数および頻度が該通信端末2T以外の複数の通信端末2T,・・・,2T間で均等となる順番を正解ラベルとして入力値に付与する。
【0083】
学習部12は、n台全ての通信端末2T,2T,・・・,2Tが必ず1回は第1番目に指定され、第2番目以降の順番においては、第1番目に指定された通信端末2T以外の通信端末2Tが、それぞれ1回ずつ、第2番目から第n番目に指定される順番の組み合わせを正解ラベルとして用いる。
【0084】
また、学習部12は、機械学習モデルとしてニューラルネットワークを採用し、入力層、隠れ層、および出力層の設定、並びに重みパラメータおよび閾値その他のパラメータの初期値を設定する。
【0085】
次に、学習部12は、ステップS1で用意された教師データを用いて学習処理を行う(ステップS2)。学習部12は、通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々によって発信要求信号が発信された順番と、無線リソースを共用する通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々が発信要求信号に対応する発信信号を発信する順番であって、発信信号を発信する回数および頻度が通信端末2T,2T,・・・,2T間で均等となる順番との関係を、ニューラルネットワークを用いて学習する。
【0086】
より詳細には、学習部12は、取得部11によって取得された情報(第3情報)と、無線リソースを共用する通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々がデータ信号などの発信信号を発信する順番であって、確認部10で発信要求信号が発信されたことが確認された通信端末2T(例えば、通信端末2T)を基準とした場合に、発信信号を発信する回数および頻度が通信端末2T以外の通信端末2T,・・・,2T間で均等となる順番との関係を、機械学習モデルを用いて学習する。
【0087】
また、学習部12は、例えば、図4に示すニューラルネットワーク構造の機械学習モデルを採用し、各入力ノードx~xに入力される、第1番目に発信要求信号を発信した通信端末2Tから第n番目に発信要求信号を発信した通信端末2Tの識別情報の値が、正解ラベルの値となるように、目的関数を最小とする重みパラメータを調整および更新を繰り返し、重みパラメータの値を決定する。
【0088】
その後、MLモデル記憶部14は、ステップS2の学習処理により得られた学習済みの重みパラメータを記憶する(ステップS3)。
【0089】
次に、図7を参照して、学習済みのニューラルネットワークを用いた制御処理を説明する。まず、取得部11は、学習済みのニューラルネットワークに与える未知の入力値を取得する(ステップS10)。より詳細には、取得部11は、通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々によって発信要求信号が発信された順番に関する情報を未知の入力値として取得する。
【0090】
あるいは、取得部11は、確認部10による巡回によって発信要求信号の発信が確認された通信端末2Tを第1番目とした第n番目までの発信の順番を未知の入力値として取得する構成としてもよい。
【0091】
次に、演算部13は、MLモデル記憶部14から学習済みのパラメータをロードする(ステップS11)。その後、演算部13は、ステップS10で取得された未知の入力値を、
学習済みのニューラルネットワークに与え、学習済みのニューラルネットワークの演算を行う(ステップS12)。
【0092】
演算部13は、学習済みのニューラルネットワークの演算により、無線リソースを共用する通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々がデータ信号などの発信信号を発信する順番であって、発信信号を発信する回数および頻度が通信端末2T,2T,・・・,2T間で均等となる順番に関する情報を出力する。
【0093】
次に、通信制御部15は、ステップS12で出力された、通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々が発信信号を発信する順番を、タイムスロットの割り当て情報として通信端末2T,2T,・・・,2Tに通知する(ステップS13)。
【0094】
その後、提示部16は、ステップS13での通信制御に関する情報を外部のサーバ等に提示する(ステップS14)。
【0095】
なお、上述の実施の形態では、LTEおよび5Gに準拠する通信制御システムである場合を例示した。しかし、所定の通信規格とは、LTEおよび5Gに限定されるものではなく、6Gに準拠する通信制御システムであってもよい。
【0096】
また、上述した実施の形態では、学習部12が、ニューラルネットワークを機械学習モデルとして用いて学習処理を行う場合について説明した。しかし、機械学習モデルは、上述したニューラルネットワークモデルの他、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、決定木等、さらにニューラルネットワークを多層化したディープラーニングを用いてもよい。また、これらの教師あり学習の他、教師なし学習を行う機械学習モデルとして、敵対的生成ネットワークや変分オードエンコーダ等の生成モデルを用いてもよい。
【0097】
また、説明した実施の形態では、学習処理を行う学習部12、および学習済みの機械学習モデルに基づいて、通信端末2T,2T,・・・,2Tが発信信号を発信する順番を演算する演算部13、および通信制御部15の全てが通信制御装置1に搭載される場合について説明した。しかし、学習部12、演算部13、および通信制御部15は同一のハードウェア構成として設けられている場合の他、複数のサーバ等によっても学習処理と通信制御処理とをネットワークNW上の別のサーバ等により分散することもできる。
【0098】
以上説明したように、本実施の形態に係る通信制御装置1によれば、学習済みの機械学習モデルの演算を行って、無線リソースを共用する複数の通信端末2T,2T,・・・,2Tの各々がデータ信号などの発信信号を発信する順番であって、発信信号を発信する回数および頻度が複数の通信端末2T,2T,・・・,2T間で均等となる順番を出力する。そのため、より簡易な構成により複数の通信端末に無線リソースを割り当てることができる。
【0099】
以上、本発明の通信制御装置および通信制御方法における実施の形態について説明したが、本発明は説明した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に記載した発明の範囲において当業者が想定し得る各種の変形を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0100】
1…通信制御装置、10…確認部、11…取得部、12…学習部、13…演算部、14…MLモデル記憶部、15…通信制御部、16…提示部、2T、2T,2T,・・・,2T…通信端末、3…基地局、4…コアネットワーク、101…バス、102…プロセッサ、103…主記憶装置、104…通信インターフェース、105…補助記憶装置、106…入出力I/O、NW…ネットワーク。
【要約】
【課題】簡易な構成により複数の通信端末に無線リソースを割り当てることを目的とする。
【解決手段】
各々が任意時刻に発信要求信号を発信する複数の通信端末2Tに対して無線リソースを割り当てる通信制御装置1であって、複数の通信端末2Tの各々によって発信要求信号が発信された順番を示す第1情報を取得する取得部11と、第1情報を未知の入力として学習済みの機械学習モデルに与え、学習済みの機械学習モデルの演算を行って、無線リソースを共用する複数の通信端末2Tの各々が発信要求信号に対応する発信信号を発信する順番であって、発信信号を発信する回数および頻度が複数の通信端末2T間で均等となる順番に関する第2情報を出力する演算部13と、複数の通信端末2Tの各々に、第2情報を無線リソースの割り当て情報として通知する通信制御部15とを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7