(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】水検出デバイス
(51)【国際特許分類】
G01N 22/04 20060101AFI20230815BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230815BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20230815BHJP
G01N 22/00 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
G01N22/04 Z
F21V23/00 110
H05B47/19
G01N22/00 V
(21)【出願番号】P 2023502786
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2021069033
(87)【国際公開番号】W WO2022013065
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-03-10
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ダイクスラー ペーター
(72)【発明者】
【氏名】クラインツ ヒューゴ ホセ
(72)【発明者】
【氏名】ブロエルス ハリー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ドリエル ヴィレム ディルク
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-513182(JP,A)
【文献】国際公開第2020/089136(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0071460(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106402754(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0304268(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 22/04
F21V 23/00
H05B 47/19
G01N 22/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースライン条件に対する気相又は液相における水量の変化を検出するための水検出デバイスであって、当該水検出デバイスは、
所定のワイヤレス通信プロトコルに従って少なくとも1つの外部エミッタユニットから無線周波数ワイヤレス通信信号を受信するためのレシーバユニットと、
前記レシーバユニットに接続される信号品質決定ユニットであって、前記少なくとも1つの外部エミッタユニットに関連するそれぞれの信号品質値を決定及び記憶するように構成され、信号品質値は、エミッタユニットとレシーバユニットとの間の信号伝播路に存在する水量と相関がある、信号品質決定ユニットと、
トリガ信号の受信に応答して、ベースライン条件においてそれぞれの外部エミッタユニットによって提供される無線周波数ワイヤレス通信信号から得られる信号品質値を示すそれぞれのベースライン値を決定及び記憶するように構成されるベースライン値決定ユニットと、
前記信号品質決定ユニット及び前記ベースライン値決定ユニットに接続される水検出ユニットであって、信号品質値と対応するベースライン値とを比較する、及びそれぞれの信号品質値が少なくとも所定の水決定タイムスパンの間ベースライン値の所定の許容範囲外にあったと決定するとそれぞれの水検出信号を提供するように構成され、水検出信号は、ベースライン条件における水量に対するそれぞれの信号伝播路における水量のあり得る変化を示す、水検出ユニットと、
を含む、水検出デバイス。
【請求項2】
前記レシーバユニットは、1GHz~100GHzの信号周波数値を有する無線周波数ワイヤレス通信信号を受信するように構成される、請求項1に記載の水検出デバイス。
【請求項3】
前記水検出ユニットは、
受信した信号品質値のシーケンスの周波数領域におけるそれぞれの変換を決定する、及び
前記信号品質値のシーケンスの変換において、50Hz以下の周波数帯における所定の周波数パターンの発生を決定する、
ように構成される周波数評価ユニットを含み、
前記水検出ユニットは、前記所定の周波数パターンの発生にさらに依存して水検出信号を提供するように構成される、請求項1又は2に記載の水検出デバイス。
【請求項4】
ワイヤレス制御可能な照明器具であって、
電力を受ける及び無線周波数ワイヤレス通信信号を介して受ける動作指示に依存してイルミネーションのための光を発するように構成される、照明ユニットと、
通信のための無線周波数ワイヤレス通信信号を提供するためのエミッタユニットと、
当該照明器具における水浸入に起因する当該照明器具内部の水を集めるための集水領域を有するハウジングと、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水検出デバイスと、
を含む、ワイヤレス制御可能な照明器具。
【請求項5】
前記集水領域は、前記エミッタユニットによって提供され、レシーバユニットによって受信されるワイヤレス通信信号の信号伝播路に位置付けられる、請求項4に記載のワイヤレス制御可能な照明器具。
【請求項6】
前記エミッタユニット及び前記レシーバユニットは、単一のトランシーバユニットに統合され、
前記トランシーバユニットは、前記トランシーバユニットの放射パターンの最大値が前記集水領域に向けられるように配置される、請求項4に記載のワイヤレス制御可能な照明器具。
【請求項7】
前記集水領域は、吸水性材料を含む、請求項4乃至6のいずれか一項に記載のワイヤレス制御可能な照明器具。
【請求項8】
照明器具内の水浸入を検出するように構成される照明構成であって、当該照明構成は、
所定の通信プロトコルに従って当該照明構成の他のデバイスと通信するための無線周波数ワイヤレス通信信号を受信及び提供するように構成される、複数のワイヤレス制御可能な照明器具と、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の少なくとも1つの水検出デバイスと、
を含む、照明構成。
【請求項9】
エミッタユニットが、当該照明構成を動作させるために使用される無線周波数ワイヤレス通信信号よりも高い周波数値範囲を有する水センシングに特定の無線周波数ワイヤレス通信信号を提供するように構成される、請求項8に記載の照明構成。
【請求項10】
当該照明構成は、
エミッタユニットとレシーバユニットとの間のそれぞれの信号伝播路における水量のあり得る増加を示すそれぞれの水検出信号を1つ以上の水検出デバイスから受信する、及び
前記水検出信号を使用して、それぞれの照明器具における水浸入の可能性を決定する、及びこのことを示す水浸入信号を提供する、
ように構成される水浸入制御ユニットを含む、請求項8又は9に記載の照明構成。
【請求項11】
水検出デバイスを動作させるための方法であって、当該方法は、
所定のワイヤレス通信プロトコルに従って少なくとも1つのエミッタユニットから無線周波数ワイヤレス通信信号を受信することと、
それぞれの信号品質値を決定及び記憶することであって、信号品質値は、前記無線周波数ワイヤレス通信信号の信号伝播路に存在する水量と相関がある、ことと、
トリガ信号の受信に応答して、それぞれのエミッタユニットによって提供される無線周波数ワイヤレス通信信号から得られる信号品質値を示すそれぞれのベースライン値を決定及び記憶することと、
信号品質値と対応するベースライン値とを比較することと、
それぞれの信号品質値が少なくとも所定の水決定タイムスパンの間ベースライン値の所定の許容範囲外にあったと決定するとそれぞれの水検出信号を提供することであって、水検出信号は、ベースライン条件の水量に対するそれぞれの信号伝播路における水量のあり得る変化を示す、ことと、
を含む、方法。
【請求項12】
当該方法は、
受信した信号品質値のシーケンスの周波数領域におけるそれぞれの変換を決定することと、
前記信号品質値のシーケンスの変換において、50Hz以下の周波数帯における所定の周波数パターンの発生を決定することと、
前記所定の周波数パターンの発生にさらに依存して水検出信号を提供することと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
照明構成のワイヤレス制御可能な照明器具における水浸入を決定するための方法であって、当該方法は、
第1の照明器具のエミッタユニットによって無線周波数ワイヤレス通信信号を提供することと、
前記第1の照明器具の外部の水検出デバイスにおいて、請求項11又は12に記載の方法を実行することと、
を含む、方法。
【請求項14】
エミッタユニットと、レシーバユニットと、前記エミッタユニットと前記レシーバユニットとの間の信号伝播路に位置付けられる集水領域を有するハウジングとを有するワイヤレス制御可能な照明器具における水浸入を決定するための方法であって、当該方法は、
前記照明器具の前記エミッタユニットによって、無線周波数ワイヤレス通信信号を提供することと、
請求項11又は12に記載の方法を実行することと、
を含む、方法。
【請求項15】
コンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムがコンピュータによって実行された場合、前記コンピュータに請求項11又は12に記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水検出デバイス、ワイヤレス制御可能な照明器具、照明構成、水検出デバイスを動作させる方法、照明構成のワイヤレス制御可能な照明器具における水浸入を決定する方法、ワイヤレス制御可能な照明器具における水浸入を決定する方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
US 2011/0304268 A1は、光源と、照明デバイス、とりわけ、光源を水浸入から保護するための湿度センサ等のセンサとを含む照明デバイスを述べている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
デバイスにおける水を検出するための簡便なハードウェアソリューションを提供することは有益である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、水検出デバイス(water-detection device)が述べられる。水検出デバイスは、ベースライン条件(baseline-condition)に対する、気相、液相又は気相と液相の組み合わせにおける、水量(amount of water)の変化を検出するのに適している。水検出デバイスは、所定のワイヤレス通信プロトコルに従って少なくとも1つの外部エミッタユニット(external emitter unit)から無線周波数ワイヤレス通信信号(radio-frequency wireless communication signal)を受信するためのレシーバユニットを含む。水検出デバイスはまた、レシーバユニットに接続される信号品質決定ユニット(signal-quality determination unit)を含む。信号品質決定ユニットは、少なくとも1つの外部エミッタユニットに関連するそれぞれの信号品質値(respective signal-quality value)を決定及び記憶するように構成される。信号品質値は、エミッタユニットとレシーバユニットとの間の信号伝播路(signal-propagation path)に存在する水量と相関がある値である。
【0005】
水検出デバイスはまた、トリガ信号の受信に応答して、それぞれのベースライン値(respective baseline-value)を決定及び記憶するように構成されるベースライン値決定ユニット(baseline-value determination unit)を含む。ベースライン値は、ベースライン条件においてそれぞれの外部エミッタ(respective external emitter)によって提供される無線周波数ワイヤレス通信信号から得られる信号品質値を示す。
【0006】
さらに、水検出デバイスは、信号品質決定ユニット及びベースライン値決定ユニットに接続される水検出ユニット(water-detection unit)を含む。水検出ユニットは、所与の外部エミッタユニットによって提供されるワイヤレス通信信号から得られる信号品質値と、エミッタユニットによって提供される無線周波数ワイヤレス通信信号から決定される対応するベースライン値とを比較するように構成される。水検出ユニットはさらに、それぞれの信号品質値が少なくとも所定の時間(predetermined amount of time)の間ベースライン値の所定の許容範囲(predetermined tolerance-range)外にあったと決定するとそれぞれの水検出信号(respective water-detected signal)を提供するように構成される。それゆえ、ベースライン値は、信号品質値が比較される基準値(reference value)である。これにより、水検出信号は、ベースライン条件において存在する水分量(amount of water content)に対するそれぞれの信号伝播路(respective signal-propagation path)における水量のあり得る増加(possible increase)を示す。
【0007】
それゆえ、水検出デバイスは、信号伝播路における水の存在を推測する(infer)ために信号品質値と記憶されているベースライン値とを比較する。
【0008】
水検出ユニットは、所与のエミッタ又は通信リンクに関連する決定された信号品質値が、少なくとも所定の時間の間それぞれのベースライン値に関連する許容範囲外にあった場合に当該エミッタ又は通信リンクについての水検出信号を提供するように構成される。水検出信号は、一般的な場合、信号伝播路に沿った水量がベースライン条件における水量に対して増加又は減少したというインディケーション(indication)である。水検出信号の提供のセンシティビティ(sensitivity)、すなわち、水検出信号の提供をトリガするために現在又は最近の品質信号値がベースライン値に対してどれだけ変化しなければならないかは、許容範囲及び水決定タイムスパン(water-determination time span)の特定の選択に依存する。
【0009】
斯くして、信号品質値の有利な使用は、専用の湿度センサを必要としない水増加検出(water-increase detection)の代替案を提供し、斯くして、デバイスのハードウェアの複雑さを低減させる。
【0010】
以下、本発明の第1の態様の水検出デバイスの実施形態が述べられる。
【0011】
一実施形態において、決定された信号品質値は、ワイヤレス通信信号の信号強度を示す。受信信号強度インジケータ(RSSI:received signal strength indicator)は、無線周波数(RF:radio-frequency)クライアントデバイスによって受信される無線周波数ワイヤレス信号に存在する電力レベルの推定尺度(estimated measure)として定義される。代替的に、又は追加的に、別の実施形態では、決定された信号品質値は、少なくとも1つの外部エミッタユニットとレシーバユニットとの間のそれぞれのワイヤレス通信リンクのチャネル状態を示す。チャネル状態インジケータ(CSI:channel state indicator)は、ワイヤレス通信リンクの既知のチャネル特性を指し、ワイヤレス通信信号がエミッタユニットとレシーバユニットとの間でどのように伝播するかを示す。これは、例えば、散乱、減衰、フェージング、及び距離に伴う電力減衰等の複合効果(combined effect)を表す。さらに、別の実施形態では、信号品質値は、追加的に又は代替的に、メッセージを提供するために必要な再試行の数、又は受け取り損ねたメッセージの数、又はメッセージ内のエラーの数等、別の適切な信号品質メトリック(signal quality metric)を示すが、これらに限定されるものではない。
【0012】
一実施形態において、ベースライン値決定ユニットは、トリガ信号の受信に応答して、所定のベースライン決定タイムスパン中に決定される信号品質値を監視する、及び、監視された信号品質値に関連する統計値としてベースライン品質値を決定するように構成される。好ましい実施形態では、関連する統計値は、平均値である。他の実施形態では、中央値、最頻値又は他の適切な統計的値が使用される。1つ以上の外部エミッタ及び水検出デバイスが、いわゆる乾燥条件、すなわち通常の動作条件にある場合にトリガ信号を提供することが好ましい。
【0013】
信号品質値に対するエミッタユニットと水検出デバイスの間の水蓄積のシグネチャ(signature)又は作用(effect)は、物体がエミッタユニットと水検出デバイスの間で移動するものとは異なる。物体がエミッタユニットと水検出デバイスの間で移動することは、典型的には、信号品質値の急激な変化(通常は低下)をもたらし、物体が無線周波数ワイヤレス通信信号をもはや遮断しなくなると元の値に回復することが後続する。それゆえ、所定の水決定タイムスパンは、信号品質値の変化のあり得る原因を区別する(differentiate)ために選択される。一実施形態において、水決定タイムスパンは1時間~10時間であり、別の実施形態では、水決定タイムスパンは1分~60分であり、別の実施形態では、水決定タイムスパンは5秒~60秒である。1分~10分のオーダの水決定タイムスパンは、無線周波数ワイヤレス通信信号の伝播と干渉するハウジング内部の水滴(water dripping)に起因するエミッタユニット又は水検出ユニットにおける水浸入(water ingress)を検出するのにとりわけ適している。1~2時間のオーダの水決定タイムスパンは、例えば緩やかに低下する温度に起因する凝縮(condensation)を検出するのにとりわけ適している。水決定タイムスパンの特定の選択は、特定の環境及び/又は動作条件/状態に依存する。例えば、水浸入決定(water-ingress determination)がある時点よりも前に行われる必要がある場合、水決定タイムスパンは、水浸入決定が始まる前にベースライン値決定が行われるように適切に選択される。
【0014】
外部エミッタユニットとレシーバユニットとの間の信号伝播路を横切る物体(object)又は対象(subject)の動きも信号品質値に対する作用を有し得る。しかしながら、これらの作用の時間シグネチャ(time signature)は、特に水がエミッタユニットとレシーバユニットとの間の信号伝播路に蓄積している場合、異なる。蓄積された水は、物体が信号伝搬路を横切る場合よりも長い時間続く、信号品質値に対するインパクト(impact)を有する。これにより、予想される環境、すなわち、それぞれの信号伝播路を横切る動きが予想されるかどうかに依存して、適切な水決定タイムスパンが選択される。
【0015】
一実施形態において、許容範囲は、ベースライン値に対して対称的である。許容範囲は、一実施形態では、ベースライン値の10%であり、ゆえに、ベースライン値の90%未満又は110%を超える信号品質値が、決定された信号品質値が所定の水検出タイムスパン(predetermined water-detection time span)の間この許容範囲外に留まる場合、水検出信号の提供をトリガする。代替的な実施形態では、水検出信号を提供する前に生じる必要がある水量の変化に依存して、許容範囲は、ベースライン値の20%、又は30%、又は40%、又は50%、又は60%、又は70%、又は80%又は90%である。より大きな許容範囲は、より大きな水量の変化に関連する。
【0016】
代替的な実施形態では、許容範囲は、ベースライン値に対して対称的ではない。さらに別の実施形態では、ベースライン値は、許容範囲の上限又は下限境界である。
【0017】
別の実施形態では、許容範囲は、RSSI等、信号品質値の3dBの損失及び/又は増加である。別の実施形態では、許容範囲は、信号品質値の5dB、又は10dB、又は15dB、又は20dBの損失及び/又は増加である。20dBよりも高い損失は、無線周波数ワイヤレス通信信号の送信又は受信の完全な崩壊(total collapse)と解釈されるべきである。
【0018】
許容範囲の特定の選択は、水検出デバイスの使用目的、及び信号品質値の予想される変動レベル(expected fluctuation-level)に依存する。好ましくは、許容範囲は、通常動作中に予想される信号品質値の変動よりも大きい。許容範囲がより大きくなると、水検出デバイスはよりセンシティブでなくなり、すなわち、水量のより大きな変化が、水検出信号の提供をトリガするために必要とされる。一方、より大きな許容範囲は、よりロバストな水検出デバイスに関連し、さもなくばフォールスポジティブの結果、すなわち、水量の変化が生じていない場合に水検出信号の提供をもたらす可能性が低くなる。例えば、水浸入に対して動作がよりセンシティブである外部エミッタユニットは、それぞれのベースライン値の1dB~3dB又は20%~50%等、より小さな許容範囲に関連することが好ましい。
【0019】
一実施形態において、水検出ユニットは、信号品質値が所定のタイムスパン中に所定の量だけ対応するベースライン値よりも高いと決定する場合、新しいベースライン値が決定及び記憶され、好ましくは、以前のベースライン値を上書きするようにベースライン値決定ユニットにトリガ信号を提供するように構成される。これは、時間とともに蒸発する過剰な量の水が信号伝播路に沿って存在する場合に先行するベースライン値が決定される場合、特に有利である。
【0020】
一実施形態において、水検出信号は、ベースライン値に対する水の蓄積又は浸入のあり得る発生(possible occurrence)を示すフラグ信号である。別の実施形態では、水検出信号は、信号品質値の現在値を示すデータ、及び、任意選択的に、対応するベースライン値を示すデータも含む。
【0021】
一実施形態において、水検出ユニットは、それぞれの信号品質値が所定の水決定タイムスパンの間ベースライン値を下回ったと決定するとそれぞれの水検出信号を提供するように構成される。別の実施形態では、水検出信号は、信号品質値がベースライン値の所与のパーセンテージ、例えば、90%又は80%又は70%又は60%又は50%を下回ったと決定すると提供される。
【0022】
先の実施形態に関して述べられた特徴の任意の組み合わせを含むことができる、別の実施形態では、レシーバユニットは、1GHz~100GHzの信号周波数値を有する無線周波数ワイヤレス通信信号を受信するように構成される。特定の実施形態では、無線周波数通信信号は、2GHz~6GHzの周波数値を有する所定のワイヤレス通信プロトコルに従って送信される。このようなワイヤレス通信プロトコルの例としては、典型的には2.4GHz及び5GHz周波数帯で動作する、一般にWiFi(登録商標)と呼ばれる、IEEE 802.11、及び一般にZigbee(登録商標)と呼ばれる、IEEE 802.15.4が挙げられるが、これらに限定されるものではない。別の実施形態では、無線周波数通信信号は、50GHz~100GHzの周波数値を有する別の所定のワイヤレス通信プロトコルに従って送信される。
【0023】
表面(surface)が、送信ワイヤレスノードと受信ワイヤレスノードとの間のワイヤレス信号伝播路の空間ボリューム(spatial volume)に存在し得る。本発明者らは、信号伝播路に沿って水の蓄積がある場合、水検出に用いられるメトリクス、例えば、受信信号強度インジケータ(RSSI)、及び/又はチャネル状態インジケータ(CSI)の変化が、信号品質値の変動(variation)の観点で異なる低周波を示す挙動を示すことを認識した。例えば、乾燥した表面の存在下では、時間領域におけるRSSI値は、ランダムに分布したピークトゥピーク値を示し、一方、湿った表面の存在下では、時間領域におけるRSSI値は、所定の周波数パターン有するピークトゥピーク値、例えば、ある周波数、典型的には50Hz以下の周波数を有する、経時的な正弦波ピークトゥピーク値を示す。それゆえ、本発明の第1の態様による一実施形態では、信号品質評価ユニットがさらに、受信した信号品質値のシーケンスの周波数領域におけるそれぞれの変換を決定する、及び、信号品質値のシーケンスの変換において、50Hz以下、好ましくは10Hz以下、より好ましくは5Hz以下の周波数帯における所定の周波数パターンの発生を決定するように構成される周波数評価ユニット(frequency-evaluation unit)を含む。水検出ユニットは、所定の周波数パターンの発生にさらに依存して水検出信号を提供するように構成される。水検出信号を提供するための周波数領域分析のさらなる使用は、水検出の信頼性を向上させる。
【0024】
本発明の第2の態様は、電力を受ける及び所定のワイヤレス通信プロトコルに従って無線周波数ワイヤレス通信信号を介して受ける動作指示に依存してイルミネーションのための光を発するように構成される、照明ユニットを含むワイヤレス制御可能な照明器具(wirelessly controllable luminaire)によって形成される。照明器具はまた、他のデバイスとの通信のための無線周波数ワイヤレス通信信号を提供するためのエミッタユニットを含む。照明器具は、当該照明器具における水浸入に起因する当該照明器具内部の水を集めるための集水領域(water-collection region)を有するハウジングを含む。照明器具はまた、本発明の第1の態様による水検出デバイスを含む。
【0025】
斯くして、本発明の第2の態様のワイヤレス制御可能な照明器具は、第1の態様及びその実施形態のいずれかの水検出デバイスの利点を共有する。
【0026】
以下では、第2の態様のワイヤレス制御可能な照明器具の実施形態が述べられる。
【0027】
集水領域は、照明器具内部で凝縮した又は照明器具内に漏れた、水が、典型的には重力によって、集められる領域である。一実施形態において、窪み(sinkhole)が、照明器具内のモイスチャ(moisture)を集めるためにハウジングに形成される。別の実施形態では、コールドスポット凝縮表面(cold-spot condensation surface)が、信号品質値に影響を与え、好ましくは、照明器具の動作に最小限にしか影響を与えない照明器具の部分に水の蓄積が最初に発生するように照明器具のハウジングに含まれる。照明器具内部の温度が急速に低下する場合、ハウジング内部の相対湿度が、内部の水蒸気が照明器具の外部の環境と十分に速く交換されることができない場合に増加する。ハウジングによって画定される総容積、及び経験した温度低下に依存して、照明器具内部の凝縮が発生する。凝縮は最も低い温度を有する表面で最初に発生し、これは、通常、ヒートシンクの底部又は周囲と直接接触しているハウジングの部分である。冷たい表面における凝縮の結果、大抵、水滴が生じ、集水領域に水たまり(puddle)を形成することになる。
【0028】
一実施形態において、エミッタユニット若しくはレシーバユニット、又は単一のトランシーバユニットの一部を形成する、エミッタ及びレシーバユニットの両方は、提供される又は受信される無線周波数ワイヤレス通信信号が、照明器具内部のコールドスポット凝縮又は集水によって著しく影響を受けるような位置で照明器具内に配置される。例えば、凝縮が、光出口窓等、特定のコールドスポット凝縮表面で最初に発生すると予想される場合、エミッタユニット、又はレシーバユニット、又はトランシーバユニットは、無線周波数信号伝播路がコールドスポット凝縮表面の一部をカバーするように配置される。さらに、一実施形態において、照明器具は、有利には、凝縮が、エミッタユニット、レシーバユニット又はトランシーバユニットのすぐ近傍の場所で発生するように設計される。代替的に、一実施形態において、エミッタユニット又はレシーバユニットのアンテナは、例えば、ワイヤアンテナ、プリント回路基板に組み込まれるトラックアンテナ等を用いることにより、照明器具の最も冷たいスポットのすぐ近傍に配置される。
【0029】
照明器具内部の水浸入を決定するのに適した、特定の実施形態において、集水領域は、エミッタユニットによって提供され、レシーバユニットによって受信されるワイヤレス通信信号の信号伝播路に位置付けられる。一実施形態において、エミッタユニット及び/又はレシーバユニットは、無線周波数ワイヤレス通信信号を提供及び受信するように構成されるトランシーバユニットである。これらの実施形態において、無線周波数ベースの水検出は、集水領域の両側に配置されるエミッタユニット及びレシーバユニットの間で行われる。特定の実施形態において、照明器具は、例えば、エミッタユニット及びレシーバユニット、又は2つのトランシーバユニットが接続されるフィクスチャ(fixture)の上部及び下部において、2つのZhagaソケットを含む。Zhagaソケットのロケーション、それゆえ、エミッタユニット及びレシーバユニットのロケーションは、上部通信モジュール及び下部通信モジュール、すなわち、エミッタ及びレシーバ間の無線周波数ワイヤレス通信信号の無線周波数伝送が、水を集めるための窪み又は凝集表面等、集水領域を通過するように設計される。
【0030】
この実施形態は、有利には、水が集水領域に蓄積しているかどうかを決定するように構成される。好ましくは、水検出信号は、水検出信号に依存して照明ユニットの動作を制御するように構成される、照明器具制御ユニットに提供される。例えば、照明器具制御ユニットは、水関連の安全に関する事故が発生する前に、回路ブレーカをトリガして照明器具の電力を積極的に下げるように構成される。
【0031】
一実施形態において、水浸入イベントを決定すると、水検出信号は、例えば、連続した時間窓において決定された信号品質値の平均値に基づいて、照明器具における水浸入の進展(evolution)を監視するように構成されるリスクアセスメントユニット(risk-assessment unit)に提供される。これは、照明器具における水蓄積の進行速度(progression speed)の決定を可能にする。水浸入の影響を受ける照明器具を示すユーザ出力データが、リスクアセスメントユニットによって提供される。
【0032】
別の実施形態では、エミッタユニット及びレシーバユニットは、単一のトランシーバユニットに統合され、トランシーバユニットは、トランシーバユニットの放射パターンの最大値が集水領域に向けられるように配置される。これは、本発明の第3の態様に関して以下で述べられるように、複数のワイヤレス制御可能な照明器具を有する照明構成で用いるのにとりわけ有利である。
【0033】
別の実施形態では、照明器具は、外部屋外照明コントローラ(OLC:outdoor lighting controller)を含む。外部OLCは、SiLabs社のZigBee/BLEデュアルラジオ、又は、代替的に、Zigbeeオンリーラジオと組み合わされるセルラーラジオを使用する。プラスチックハウジングを有する照明器具の場合、OLCによって送信されるワイヤレス信号は、照明器具の内部に容易に入り込む(penetrate)ことができ、したがって、蓄積された水は、ワイヤレスマルチパス信号に影響を及ぼすことになる。例えば、OLCから照明器具を介した床へのCSIパスは、蓄積された水によって大きく変化することになる。金属部分を含むハウジングを有する照明器具の場合、インパクトは、無線信号がどの程度、蓄積された水に到達するか(及び照明器具の金属エクステリアハウジングによって既に最初に反射されていないか)に依存する。この場合、照明器具ハードウェアは、ハウジングの外部に取り付けられる、OLCから照明器具キャビティに無線信号の一部を通すように設計される。
【0034】
特定の実施形態において、ワイヤレス制御可能な照明器具の集水領域は、吸水性材料を含む。照明器具内部に過剰なモイスチャが存在する場合、吸水性材料は過剰なモイスチャを吸収する。吸水性材料の結果としての変化は、水検出デバイスによって決定される信号品質値に影響を与える。任意選択的に、別の実施形態では、吸水性材料は、水を吸収して膨張する場合に無線周波数ワイヤレス通信信号とのインタラクションを最大にするために金属粒子でコーティングされる、又は金属粒子を含む。
【0035】
本発明の第3の態様は、照明構成を形成する照明器具内の水浸入を検出するように構成される照明構成(lighting arrangement)によって形成される。照明構成は、所定の通信プロトコルに従って照明構成の他の照明器具と通信するための無線周波数ワイヤレス通信信号を受信及び提供するように構成される、複数のワイヤレス制御可能な照明器具を含む。第3の態様の照明構成はまた、第1の態様に関して述べられた少なくとも1つの水検出デバイスを含み、それゆえ、その利点を共有する。
【0036】
以下では、第3の態様の照明構成の実施形態が述べられる。
【0037】
一実施形態において、水検出デバイスは、1つ以上の照明器具、とりわけ、すべての照明器具に含まれる。斯くして、水検出デバイスを含むこれらの照明器具は、本発明の第2の態様によるものである。
【0038】
動作中、水検出デバイスは、好ましくは乾燥条件、すなわち照明器具における水浸入のない条件で得られる信号品質値を示すベースライン値を決定及び記憶するように構成される。ベースライン値は、好ましくは、レシーバユニットによって受信される無線周波数ワイヤレス通信信号を提供するすべてのエミッタユニットについて決定及び記憶される。
【0039】
インターネットオブシングスベースの(Internet of Things-based)又はコネクテッド(connected)照明器具を含む照明構成の特定の実施形態において、ベースライン値は、照明構成管理システム又はクラウドベースのサービスによって記憶される。一実施形態において、これは、同様の条件にさらされる近隣の照明器具との直接比較を行うことによって実行される。例えば、雨の日の場合、これは、実質的に同様に通信信号に影響を与えるであろう。別の実施形態では、同様の環境条件を有する期間が、例えば、気象サービス等を介して見出される。これらの期間中に決定される信号品質値がベースライン値決定に使用される。
【0040】
照明器具、特にハイベイ照明器具又は街灯の周辺は典型的にはかなり一定しているので、特定のエミッタに関連する決定された信号品質値のいかなる偏差も、凝結又は水浸入がエミッタ又は水検出デバイスを含む照明器具内で発生したという信頼できるインジケータとみなされる。照明器具内部の凝結又は水漏れという水浸入イベントが発生すると、照明器具内のワイヤレスマルチパス信号は、乾燥状態のベースライン値と比較して、大きく変化する。ワイヤレス信号の伝播路が変化するので、送信側照明器具の外部に発せられるワイヤレスビームも影響を受け、これにより、水浸入を被る照明器具のエミッタユニットから提供されるワイヤレス通信信号から決定される信号品質値の観察可能な(observable)差異が生じる。それゆえ、複数の照明器具に関連する信号品質値の評価が、どの照明器具に水が蓄積しているかを決定するために有利である。
【0041】
特定の実施形態において、ワイヤレス制御可能な照明器具は、所与の照明器具によって提供されるワイヤレス通信信号が、隣接する照明器具よりも多くの照明器具によって受信されるように密に離間される。水の蓄積は、ターゲット照明器具を受動的に(passively)通過する任意の無線周波数通信のワイヤレス信号伝播路にも影響を与えるので、水の存在が、2つの照明器具がターゲット照明器具に隣接している状態でRFセンシングを行うことにより検出されることができる。この場合、水の検出は、ターゲット照明器具が水決定プロセスに積極的に参加することなく2つの隣接する照明器具によって行われる。
【0042】
第3の態様の照明構成の別の実施形態では、エミッタユニットが、照明構成を動作させるために使用される無線周波数ワイヤレス通信信号よりも高い周波数値範囲を有する水センシングに特定の(water-sensing specific)無線周波数ワイヤレス通信信号を提供するように構成される。水等の大気水象(hydrometeor)に起因する無線周波数ワイヤレス信号の減衰は、ワイヤレス信号の送信周波数の増加に伴って増加するので、エミッタユニットは、通信目的で提供される信号よりも高い周波数範囲において水センシングに特定の無線周波数ワイヤレス通信信号を提供するように構成される。例えば、IEEE 802.15.4通信プロトコルに従って通信するように構成される照明構成において、エミッタユニットは、他の照明器具との通信、とりわけ、動作及び状態通信の目的のために2.4GHzの周波数帯でワイヤレス通信信号を提供するように構成される。また、エミッタユニットは、5GHzのより高い周波数帯で水センシングに特化した無線周波数ワイヤレス通信信号を提供するように構成される。水浸入は典型的にはゆっくりと発生するため、エミッタは、低い周波数帯の通信メッセージを、より高い、好ましくは可能な限り高い周波数で送信されるRFセンシングに特定のメッセージとインターリーブされて繰り返すように構成される。
【0043】
一実施形態において、ワイヤレス制御可能な照明器具は、マルチ周波数帯アンテナを含む。照明器具は、有利には、水の存在による影響が少ない第1の周波数帯で他のデバイスと通信するためのワイヤレス通信信号を提供するように構成される。診断目的のために、照明器具は、第1の周波数帯よりも水の存在による影響が大きい第2の周波数帯に切り替わるように構成される。斯くして、信号品質値の相対比較が、水浸入に対する洞察(insight)を与える。
【0044】
別の実施形態では、照明構成はさらに、エミッタユニットとレシーバユニットとの間のそれぞれの信号伝播路における水量のあり得る増加(possible increase)を示すそれぞれの水検出信号を1つ以上の水検出デバイスから受信する、及び、水検出信号を使用して、それぞれの照明器具における水浸入の可能性(likelihood)を決定する、及びこのことを示す(indicative thereof)水浸入信号を提供するように構成される。
【0045】
一実施形態において、水浸入制御ユニットは、照明器具のうちの1つにおいて、好ましくは当該照明器具が水浸入を被っているという、予め定められた光効果を引き起こすことによって水浸入の問題をユーザに知らせるように構成される。追加的に、又は代替的に、水浸入が安全上の危険(safety hazard)とみなされる場合、水浸入信号は、水浸入を被っていると考えられる照明器具の照明器具制御ユニットに提供され、該照明器具制御ユニットは、水浸入信号の受信に依存して照明ユニットの動作を制御するように構成される。例えば、照明器具制御ユニットは、水関連の安全に関する事故が発生する前に、回路ブレーカをトリガして照明器具の電力を積極的に下げ、任意選択的に、照明制御クラウドバックエンドに故障モードについて通知する又はライトをオフにするかどうかをクラウドバックエンドと協議するように構成される。
【0046】
本発明の第4の態様によれば、水検出デバイスを動作させるための方法が述べられる。方法は、
所定のワイヤレス通信プロトコルに従って少なくとも1つのエミッタユニットから無線周波数ワイヤレス通信信号を受信することと、
とりわけ、少なくとも1つのエミッタユニットとレシーバユニットとの間のそれぞれのワイヤレス通信リンクのチャネル状態若しくはワイヤレス通信信号の信号強度、又は任意の他の適切な信号品質メトリックを示す、それぞれの信号品質値を決定及び記憶することであって、信号品質値は、無線周波数ワイヤレス通信信号の信号伝播路に存在する水量と相関がある、ことと、
トリガ信号の受信に応答して、それぞれのエミッタユニットによって提供される無線周波数ワイヤレス通信信号から得られる信号品質値を示すそれぞれのベースライン値を決定及び記憶することと、
信号品質値と対応するベースライン値とを比較することと、
それぞれの信号品質値が少なくとも所定の時間の間所定の許容範囲外にあったと決定するとそれぞれの水検出信号を提供することであって、水検出信号は、ベースライン値の決定時の水分量に対するそれぞれの信号伝播路における水分量のあり得る増加又は減少を示す、ことと、
を含む。
【0047】
斯くして、第4の態様の方法は、本発明の第1の態様又はその実施形態のいずれかの水検出デバイスの利点を共有する。
【0048】
特定の実施形態において、方法は、
受信した信号品質値のシーケンスの周波数領域におけるそれぞれの変換を決定することと、
信号品質値のシーケンスの変換において、50Hz以下、好ましくは10Hz以下、より好ましくは5Hz以下の周波数帯における所定の周波数パターンの発生を決定することと、
所定の周波数パターンの発生にさらに依存して水検出信号を提供することと、
を含む。
【0049】
本発明の第5の態様は、照明構成のワイヤレス制御可能な照明器具における水浸入を決定するための方法によって形成される。方法は、
第1の照明器具のエミッタユニットによって無線周波数ワイヤレス通信信号を提供することと、
第1の照明器具の外部の水検出デバイスにおいて、本発明の第4の態様の方法を実行することと、
を含む。
【0050】
本発明の第6の態様は、エミッタユニットと、レシーバユニットと、エミッタユニットとレシーバユニットとの間の信号伝播路に位置付けられる集水領域を有するハウジングとを有するワイヤレス制御可能な照明器具における水浸入を決定するための方法によって形成される。方法は、
照明器具のエミッタユニットによって、無線周波数ワイヤレス通信信号を提供することと、
本発明の第4の態様による方法を実行することと、
を含む。
【0051】
第7の態様は、コンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムがコンピュータによって実行された場合、コンピュータに第4の態様による方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラムによって形成される。
【0052】
請求項1に記載の水検出デバイス、請求項4に記載のワイヤレス制御可能な照明器具、請求項7に記載の照明構成、請求項11に記載の水検出デバイスを動作させるための方法、請求項13に記載の照明構成のワイヤレス制御可能な照明器具における水浸入を決定するための方法、請求項14に記載のワイヤレス制御可能な照明器具における水浸入を決定するための方法及び請求項15に記載のコンピュータプログラムは、同様及び/又は同一の好適な実施形態、とりわけ、従属請求項に記載されるような実施形態を有することを理解されたい。
【0053】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項又は上記の実施形態とそれぞれの独立請求項との任意の組み合わせであり得ることも理解されたい。
【0054】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】
図1は、照明器具の外部エミッタから無線周波数ワイヤレス通信信号を受信する水検出デバイスの一実施形態の概略ブロック図を示す。
【
図2】
図2は、水検出デバイスの他の実施形態の概略ブロック図を示す。
【
図3】
図3は、ワイヤレス制御可能な照明器具の一実施形態の概略ブロック図を示す。
【
図4】
図4は、ワイヤレス制御可能な照明器具の他の実施形態の概略ブロック図を示す。
【
図5】
図5は、照明構成の一実施形態の概略ブロック図を示す。
【
図7】
図7は、水検出デバイスを動作させるための方法の一実施形態のフロー図を示す。
【
図8】
図8は、照明構成のワイヤレス制御可能な照明器具における水浸入を決定する方法の一実施形態のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、ワイヤレス制御可能である、ハイベイ照明器具又は街路灯等、照明器具105のエミッタ104から無線周波数ワイヤレス通信信号Sを受信している例示的な水検出デバイス100の概略ブロック図を示している。水検出デバイス100は、以下に述べられるように、無線周波数(RF)センシング技術を使用して水量の増加又は減少を検出するのに好適である。検出されるべき水は、気相、液相、又は気相及び液相の両方の組み合わせであることができる。
【0057】
水検出デバイスは、所定のワイヤレス通信プロトコルに従って、エミッタユニット104等、外部エミッタユニットから無線周波数ワイヤレス通信信号Sを受信するように構成されるレシーバユニット102を含む。適切なワイヤレス通信プロトコルとしては、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Low energy Bluetooth、Thread、及びWiFi(登録商標)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。典型的には、RFワイヤレス通信信号は、例えば、可視波長領域における信号と比較した場合、水が吸収に起因して信号の伝送により強いインパクトを与える、1~100GHzの間の周波数範囲内で提供される。一例として、60GHz帯で伝送されるWiFi信号は約5mmの波長を有し、これは、約1041/mの吸水率(water absorption coefficient)に相当する。場合によっては、照明器具に蓄積された水は汚れており(dirty or soiled)、これは、ワイヤレス信号の吸収のさらなる増加をもたらす。しかしながら、水の蓄積は必ずしも信号品質値を低下させるとは限らない。例えば、水の存在は、例えば水面での反射を通して、より多くのワイヤレスエネルギがレシーバに到達し、斯くして、受信信号強度がより高くなるように、2つのノード間のワイヤレスマルチパスの変化をもたらす。
【0058】
信号品質決定ユニット106は、レシーバユニットに接続され、例えば、エミッタユニット104とレシーバユニット102との間のそれぞれのワイヤレス通信リンクのチャネル状態(CSI)若しくはワイヤレス通信信号Sの信号強度(RSSI)、又は水によって影響を受け得る任意の他の適切な信号品質メトリックを示す、それぞれの信号品質値を決定及び記憶するように構成される。それゆえ、信号品質値は、エミッタユニット104とレシーバユニット102との間の信号伝播路に存在する水量Wと相関がある。
【0059】
ベースライン値決定ユニット108は、トリガ信号Tの受信に応答して、いわゆるベースライン条件においてエミッタユニット104によって提供される無線周波数ワイヤレス通信信号Sから得られる信号品質値を示すそれぞれのベースライン値を決定及び記憶するように構成される。
【0060】
水検出デバイス100は、信号品質決定ユニット106及びベースライン値決定ユニット108に接続される水検出ユニット110を含む。水検出ユニットは、信号品質決定ユニットによって決定される信号品質値と、ベースライン条件において決定される対応するベースライン値とを比較するように構成される。水検出ユニットは、それぞれの信号品質値が少なくとも所定の水決定タイムスパンの間所定の許容範囲外にあったと決定すると水検出信号WDを提供するように構成され、水検出信号は、ベースライン値の決定時の水分量に対するそれぞれの信号伝播路における水分量のあり得る増加を示す。許容範囲は、特定の例では、ベースライン値の20%であり、ゆえに、所定の水検出タイムスパンの間、ベースライン値の80%未満又は120%を超える信号品質値が検出される場合、水検出信号が提供される。他の例示的な水検出デバイスでは、許容範囲は、ベースライン値に対して対称的ではない。さらに別の例示的な水検出デバイスでは、ベースライン値は、許容範囲の上限又は下限境界である。
【0061】
動作中、好ましくは照明器具105の設置後、トリガ信号が提供され、エミッタ104又はエミッタ104とレシーバとの間のワイヤレス通信リンクについて、ベースライン値が決定される。
【0062】
動作中に水Wが照明器具内部に漏れる又は照明器具内部で凝結する場合、水Wは、主に重力によって、照明器具の集水領域に集められる。エミッタは、有利には、無線周波数ワイヤレス通信信号の放射パターンが集水領域に向けられる最大値を有するように位置付けられる。放射パターンは、エミッタ自体のアンテナの放射パターンだけでなく、照明器具によって誘発されるあり得るマルチパス伝播も示す。エミッタによって提供されるワイヤレス通信信号のエネルギの一部は、蓄積された水によって吸収又は散乱され、決定された信号品質値、すなわち、RSSI又はCSIは、時間と共に相応に減少する。信号品質値が所定の水決定タイムスパンの間所定の許容範囲外にあった場合、水検出信号WDが提供される。それゆえ、水検出信号の提供は、ベースライン条件における水量に対するそれぞれの信号伝播路における水量のあり得る増加を示す。
【0063】
また、水検出デバイス100は、複数の外部エミッタユニットから無線周波数ワイヤレス通信信号を受信するように構成される。特定の水検出デバイスにおいて、トリガ信号Tの受信は、外部エミッタユニットのうちの1つに各々関連する、それぞれのベースライン値の決定を引き起こす。代替的に、ベースライン値決定ユニット108は、エミッタユニットのそれぞれ(respective one)又はサブセットのための専用のトリガ信号を受信するように構成される。
【0064】
信号品質決定ユニット106は、それぞれのエミッタユニットによって提供されるRFワイヤレス通信信号から信号品質値を決定及び記憶するように構成される。斯くして、水検出ユニット110は、エミッタユニットの各々又はそれぞれのエミッタユニットと水検出デバイス100のレシーバユニット102との間のワイヤレス通信リンクについて水量の増加を検出するように構成される。
【0065】
図2は、水検出デバイス200の他の実施形態の概略ブロック図を示している。以下では、
図1の水検出デバイス100と
図2の水検出デバイス200との相違点に着目して述べられる。同様の技術的特徴は、水検出デバイス100については「1」であり、水検出デバイス200については「2」である第1の桁を除き、同一の数字を用いて参照される。
【0066】
水検出デバイス200において、水検出ユニット210はさらに、周波数評価ユニット212を含む。周波数評価ユニットは、1つ以上のエミッタユニットに関連する受信信号品質値を用いて、時間領域におけるそれぞれの信号品質値のシーケンスを生成するように構成される。シーケンスは、所与のタイムスパンについての、経時的な信号品質値の変化を示す。また、周波数評価ユニットは、周波数領域における信号品質値のシーケンスのそれぞれの変換を決定する、及び、信号品質値のシーケンスの変換において、50Hz以下の周波数帯における所定の周波数パターンの発生を決定するように構成される。例えば、所定の周波数パターンは、2~5Hzの所定の周波数範囲内の正弦波ピークトゥピーク成分の出現である。
【0067】
水検出ユニット210は、所定の周波数パターンの発生にさらに依存して水検出信号WDを提供するように構成される。時間領域における信号品質値に基づくメトリックと、これらの値の周波数分析に基づくメトリックとを併用することは、水検出の信頼性をさらに高める。
【0068】
図3は、
図1又は
図2を参照して述べられた水検出ユニット300を含む、ワイヤレス制御可能な照明器具320の一実施形態の概略ブロック図を示している。
【0069】
ワイヤレス制御可能な照明器具320はまた、電力を受ける及び無線周波数ワイヤレス通信信号を介して受ける動作指示に依存してイルミネーションのための光を発するように構成される照明ユニット322を含む。照明器具320はまた、通信のための無線周波数ワイヤレス通信信号を提供するためのエミッタユニットを含む。ワイヤレス制御可能な照明器具320の動作及び/又は状態は、限定されるものではないが、Zigbee、Bluetooth、low-energy Bluetooth、Thread、又はWiFi等の適切なワイヤレス通信プロトコルを通じて指示を提供することによって制御される。照明器具320はまた、照明器具内部の水を集めるための集水領域328を含むハウジング326を含む。水は、照明器具内の水浸入又は凝結に起因してハウジング内部に蓄積し得る。
【0070】
必ずしもそうである必要はないが、好適には、集水領域328及びエミッタユニットは、エミッタユニット324の放射パターンRの最大値が集水領域328に方向付けられるように配置される。
【0071】
図4は、ワイヤレス制御可能な照明器具420の他の実施形態の概略ブロック図を示している。以下では、
図3の照明器具320と
図4の照明器具420との相違点に着目して述べられる。同様の技術的特徴は、照明器具320については「3」であり、照明器具420については「4」である第1の桁を除き、同一の数字を用いて参照される。
【0072】
ワイヤレス制御可能な照明器具420において、集水領域428は、エミッタユニット424によって提供され、レシーバユニット402によって受信されるワイヤレス通信信号Sの信号伝播路に位置付けられる。それゆえ、この照明器具は、水が集水領域に蓄積しているかどうかを決定するように有利に構成される。好ましくは、この特定の照明器具において、水検出信号は、水検出信号に依存して照明ユニットの動作を制御するように構成される、照明器具制御ユニットに提供される。例えば、照明器具制御ユニットは、水関連の安全に関する事故が発生する前に、回路ブレーカをトリガして照明器具の電力を積極的に下げるように構成される。
【0073】
図5は、複数のワイヤレス制御可能な照明器具552、554、及び556と、照明器具の外部の水検出デバイス500とを含む照明構成550の一実施形態の概略ブロック図を示している。水検出デバイスは、1つ以上のトリガ信号を受信すると、ベースライン条件においてそれぞれの照明器具552、554、556によって提供される無線周波数ワイヤレス通信信号から得られる信号品質値を示すそれぞれのベースライン値を決定及び記憶するように構成される。また、水検出デバイスは、
図1に関して上述したように、信号品質決定ユニットによって決定され、所与の照明器具に関連する信号品質値と、対応するベースライン値とを比較する、及び、それぞれの水検出信号WDを提供するように構成される。代替的に、水検出デバイスは、照明器具552、554、又は556のいずれか1つ以上に組み込まれることができる。
【0074】
図6A及び
図6Bは、照明構成650a及び650bの代替的な実施形態の概略ブロック図を示している。例えば、照明構成650aは、園芸で使用される照明器具等、密に離間された照明器具652、654a、656aに特に適している。照明構成650aは、第3の照明器具654aにおける水浸入を検出するために2つの照明器具652、656aを用いて上述したようなRFベースの水センシング機能を実行するのに適している。照明器具654a内部に蓄積される水Wは、該照明器具を受動的に通過する任意の無線周波数ワイヤレス通信信号のワイヤレスマルチパスも変化させる。必ずしもワイヤレス制御可能な照明器具である必要はない、照明器具654aにおける水浸入について、この場合照明器具652に組み込まれている、水検出デバイス600において、照明器具656aのエミッタユニットによって提供されるRFワイヤレス通信信号の信号品質値を決定することが行われる。斯くして、RFベースの水センシング機能は、ターゲット照明器具654aが積極的に参加していることなく照明器具656a及び652によって単に実行される。任意選択的に、RFベースの水センシングプロセスは、(複数の)ターゲット照明器具を横切る伝播路をたどる他の照明器具によって提供される信号から得られる他の信号品質値の評価及び比較を集約する。
【0075】
図6Bの例示的な照明構成650bにおいて、照明器具654b及び656bがまた、ベースライン状態において他の照明器具に関連するそれぞれのベースライン値を既に決定及び記憶しているそれぞれの水検出デバイス600を含む。
図6Bの照明器具654b等、照明器具のいずれか1つ以上において水が蓄積すると、これは、幾通りかで信号品質値に影響を与える。まず、照明器具654bによって提供されるRFワイヤレス通信信号が、集水領域に蓄積される水によって影響を受ける。また、照明器具654bによって受信されるRFワイヤレス通信信号も、水の蓄積によって影響を受ける。例えば、
図6Bに示される状況において、照明器具656bによって提供され、照明器具654bで受信される信号の信号品質値は許容範囲外にあり、これは、両照明器具間の信号伝播路における水蓄積のインディケーションである。同じことが、照明器具656bによって提供される信号から照明器具654bで決定される信号品質値でも起こる。原理的に、2つの照明器具を有する場合、どの特定の照明器具が水浸入を被っているかの決定は、簡単なことではない。このために、照明構成650bによって提供されるシンプルな解決策は、他の照明器具によって決定される信号品質値を考慮に入れることである。例えば、照明器具656bによって提供され、照明器具652によって受信される信号の信号品質値は、許容範囲内に留まっている。この結果、照明器具656bではなく、照明器具654bにおいて水浸入が起きていると判断することができる。
【0076】
照明構成650bはまた、上述したように、エミッタユニットとレシーバユニットとの間のそれぞれの信号伝播路における水量のあり得る増加を示すそれぞれの水検出信号を1つ以上の水検出デバイス600から受信する、及び、水検出信号を使用して、それぞれの照明器具における水浸入の可能性を決定する、及びこのことを示す水浸入信号を提供するように構成される水浸入制御ユニット658を含む。
【0077】
なお、信号品質値の低下は、例えば、物体が信号伝播路を横切り、放射エネルギの一部を吸収又は散乱させる等、他の問題によって引き起こされることがある。しかしながら、これらの作用の時間シグネチャは、水蓄積によって引き起こされるものとは異なる。
【0078】
図7は、水検出デバイスを動作させるための方法700の一実施形態のフロー図を示している。方法は、ステップ702において、所定のワイヤレス通信プロトコルに従って少なくとも1つのエミッタユニットから無線周波数ワイヤレス通信信号を受信することを含む。方法は、ステップ704において、少なくとも1つのエミッタユニットとレシーバユニットとの間のそれぞれのワイヤレス通信リンクのチャネル状態若しくはワイヤレス通信信号の信号強度、又は任意の他の適切な信号品質メトリックを示す、それぞれの信号品質値を決定及び記憶することであって、信号品質値は、無線周波数ワイヤレス通信信号の信号伝播路に存在する水量と相関がある、ことを含む。方法は、ステップ706において、トリガ信号の受信に応答して、それぞれのエミッタユニットによって提供される無線周波数ワイヤレス通信信号から得られる信号品質値を示すそれぞれのベースライン値を決定及び記憶することを含む。方法は、ステップ708において、信号品質値と対応するベースライン値とを比較することと、ステップ710において、それぞれの信号品質値が少なくとも所定の水決定タイムスパンの間所定の許容範囲外にあったと決定するとそれぞれの水検出信号を提供することであって、水検出信号は、ベースライン値の決定における水量に対するそれぞれの信号伝播路における水分量のあり得る増加又は減少を示す、ことを含む。
【0079】
任意選択的に、方法はまた、ステップ712において、受信した信号品質値を用いて、時間領域における信号品質値のそれぞれのシーケンスを生成することと、ステップ714において、周波数領域における信号品質値のシーケンスのそれぞれの変換を決定することと、ステップ716において、信号品質値のシーケンスの変換において、50Hz以下の周波数帯における所定の周波数パターンの発生を決定することを含む。この変形例において、水検出信号の提供は、所定の周波数パターンの発生にさらに依存して行われる。
【0080】
図8は、照明構成のワイヤレス制御可能な照明器具における水浸入を決定する方法の一実施形態のフロー図を示している。方法は、ステップ802において、第1の照明器具のエミッタユニットによって無線周波数ワイヤレス通信信号を提供することを含む。方法はさらに、第1の照明器具の外部の水検出デバイスにおいて、請求項11又は12に記載の
図7の方法700を実行することを含む。
【0081】
図8の方法800は、有利には、エミッタユニットと、レシーバユニットと、エミッタユニットとレシーバユニットとの間の信号伝播路に位置付けられる集水領域を有するハウジングとを有するワイヤレス制御可能な照明器具における水浸入を決定するために適合されることができる。この場合、方法は、照明器具のエミッタユニットによって、無線周波数ワイヤレス通信信号を提供することと、
図7の方法700を実行することとを含む。
【0082】
要約すると、本発明は、ベースライン条件に対する水量の変化を検出するための水検出デバイスに関する。水検出デバイスは、信号品質値とベースライン値とを比較するように構成される。信号品質値は、信号伝播路に存在する水量と相関がある信号品質メトリックを示す。ベースライン値は、ベースライン条件において無線周波数ワイヤレス通信信号から得られる信号品質値を示す。水検出デバイスは、専用の水センサ(water sensor)を必要とせず、それぞれの信号品質値が所定量のスパンの間ベースライン値の許容範囲外にあったと決定するとそれぞれの信号伝播路における水量のあり得る変化を示す水検出信号を提供するように構成される。
【0083】
図面、本開示、及び添付の請求項の検討によって、開示される実施形態に対する他の変形形態が、当業者により理解されることができ、また、特許請求される発明を実施する際に実行されることができる。
【0084】
請求項では、単語「含む」は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。
【0085】
単一のユニット又はデバイスが、請求項において列挙される、いくつかの項目の機能を果たしてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0086】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、又は他のハードウェアの一部として供給される、光学記憶媒体又は固体媒体等の、好適な媒体において記憶/頒布されてもよいが、インターネット、又は他の有線若しくは無線の電気通信システム等を介して、他の形態で頒布されてもよい。
【0087】
請求項中のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。