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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】ダイ
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/02 20060101AFI20230816BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
B05C5/02
B05C11/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019150660
(22)【出願日】2019-08-20
(65)【公開番号】P2021030124
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000240341
【氏名又は名称】株式会社ヒラノテクシード
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【弁理士】
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】辻元 謙吾
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-240249(JP,A)
【文献】特開2014-188435(JP,A)
【文献】特開2010-051845(JP,A)
【文献】特開2019-107606(JP,A)
【文献】特表2019-520208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1本体と、
第2本体と、
前記第1本体に形成された塗工液を溜める液溜め部と、
前記第1本体と前記第2本体との間に挟まれた板状の2層シムと、
前記第1本体と前記第2本体との間に前記2層シムを挟むことによって、前記第1本体の先端部と前記第2本体の先端部との間に形成されたスリット状の吐出口と、
を有し、
前記2層シムは、
前記第2本体に接して配され、前記液溜め部の左側部と右側部と後部にそれぞれ対応した第1左シム片と第1右シム片と第1後シム片から構成されたコ字状の第1シム板と、
前記第1本体と前記第1シム板との間に配置され、前記液溜め部の左側部と右側部と前部と後部にそれぞれ対応した第2左シム片と第2右シム片と第2前シム片と第2後シム片から構成された額縁状の第2シム板と、
を有し、
前記第2本体と前記第2前シム片との間であって、前記液溜め部から前記吐出口まで塗工液の液通路が形成され、
前記第2前シム片の後端部の一方の面は前記第1本体に接し、前記後端部の他方の面は後方ほど薄くなる傾斜面が形成されている、
ダイ。
【請求項2】
第1本体と、
第2本体と、
第3本体と、
前記第1本体に形成された塗工液を溜める液溜め部と、
前記第1本体と前記第2本体との間に挟まれた板状の2層シムと、
前記第1本体と前記第2本体との間に前記2層シムを挟むことによって、前記第1本体の先端部と前記第2本体の先端部との間に形成されたスリット状の第1吐出口と、
前記第2本体に形成された塗工液を溜める液溜め部と、
前記第2本体と前記第3本体との間に挟まれた板状のシムと、
前記第2本体と前記第3本体との間に前記シムを挟むことによって、前記第2本体の先端部と前記第3本体の先端部との間に形成されたスリット状の第2吐出口と、
を有し、
前記2層シムは、
前記第2本体に接して配され、前記液溜め部の左側部と右側部と後部に対応した第1左シム片と第1右シム片と第1後シム片から構成されたコ字状の第1シム板と、
前記第1本体と前記第1シム板との間に配置され、前記液溜め部の左側部と右側部と前部と後部にそれぞれ対応した第2左シム片と第2右シム片と第2前シム片と第2後シム片から構成された額縁状の第2シム板と、
を有し、
前記第2本体と前記第2前シム片との間であって、前記液溜め部から前記第1吐出口まで塗工液の液通路が形成され、
前記第2前シム片の後端部の一方の面は前記第1本体に接し、前記後端部の他方の面は後方ほど薄くなる傾斜面が形成されている、
ダイ。
【請求項3】
第1本体と、
第2本体と、
第3本体と、
前記第1本体に形成された塗工液を溜める液溜め部と、
前記第1本体と前記第2本体との間に挟まれた板状のシムと、
前記第1本体と前記第2本体との間に前記シムを挟むことによって、前記第1本体の先端部と前記第2本体の先端部との間に形成されたスリット状の第1吐出口と、
前記第2本体に形成された塗工液を溜める液溜め部と、
前記第2本体と前記第3本体との間に挟まれた板状の2層シムと、
前記第2本体と前記第3本体との間に前記2層シムを挟むことによって、前記第2本体の先端部と前記第3本体の先端部との間に形成されたスリット状の第2吐出口と、
を有し、
前記2層シムは、
前記第3本体に接して配され、前記液溜め部の左側部と右側部と後部に対応した第1左シム片と第1右シム片と第1後シム片から構成されたコ字状の第1シム板と、
前記第2本体と前記第1シム板との間に配置され、前記液溜め部の左側部と右側部と前部と後部にそれぞれ対応した第1左シム片と第2右シム片と第2前シム片と第2後シム片から構成された額縁状の第2シム板と、
を有し、
前記第3本体と前記第2前シム片との間であって、前記液溜め部から前記第2吐出口まで塗工液の液通路が形成され、
前記第2前シム片の後端部の一方の面は前記第2本体に接し、前記後端部の他方の面は後方ほど薄くなる傾斜面が形成されている、
ダイ。
【請求項4】
前記液溜め部の前面は、前記液溜め部の底部から前記液通路の後端部まで傾斜しており、
前記第2前シム片の後端部は、前記液通路の後端部より前方に配置されている、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項5】
前記第2前シム片の前記傾斜面の傾斜角は、30°~60°である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項6】
前記第2前シム片の前記傾斜面の前後方向の縦断面形状が、直線状である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項7】
前記第2前シム片の前記傾斜面の前後方向の縦断面形状が、曲線状である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項8】
前記第2前シム片の後端部は、左右方向に関して中央部ほど後方に突出したV字状である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項9】
前記第2前シム片の後端部は、左右方向に関して直線状である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項10】
前記第1シム板と前記第2シム板とは、ステンレス製である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のダイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗工装置に用いられるダイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は先に、ウエブに塗工液をダイで塗工する場合に、膜厚の分布を均一にできるダイを提供した。このダイは、第1本体と第2本体と、第1本体に形成された液溜め部と、第1本体と第2本体に挟まれた2層シムを有し、この2層シムは、コの字状の第1シム板と、額縁状の第2シム板とを積層したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5542523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにダイの第1本体と第2本体の間に第1シム板と第2シム板とを重ねて挟んだ場合に、第1本体と第2シム板とが重なった部分に塗工液が流れると、第1本体から第2シムがめくれ上がる現象が発生するという問題点があった。
【0005】
そこで本発明の実施形態は、2層シムにおいて塗工液が流れても第1本体から第2シム板がめくれ上がらない2層シムを有するダイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1本体と、第2本体と、前記第1本体に形成された塗工液を溜める液溜め部と、前記第1本体と前記第2本体との間に挟まれた板状の2層シムと、前記第1本体と前記第2本体との間に前記2層シムを挟むことによって、前記第1本体の先端部と前記第2本体の先端部との間に形成されたスリット状の吐出口と、を有し、前記2層シムは、前記第2本体に接して配され、前記液溜め部の左側部と右側部と後部にそれぞれ対応した第1左シム片と第1右シム片と第1後シム片から構成されたコ字状の第1シム板と、前記第1本体と前記第1シム板との間に配置され、前記液溜め部の左側部と右側部と前部と後部にそれぞれ対応した第2左シム片と第2右シム片と第2前シム片と第2後シム片から構成された額縁状の第2シム板と、を有し、前記第2本体と前記第2前シム片との間であって、前記液溜め部から前記吐出口まで塗工液の液通路が形成され、前記第2前シム片の後端部の一方の面は前記第1本体に接し、前記後端部の他方の面は後方ほど薄くなる傾斜面が形成されている、ダイである。
【0007】
また、本発明は、第1本体と、第2本体と、第3本体と、前記第1本体に形成された塗工液を溜める液溜め部と、前記第1本体と前記第2本体との間に挟まれた板状の2層シムと、前記第1本体と前記第2本体との間に前記2層シムを挟むことによって、前記第1本体の先端部と前記第2本体の先端部との間に形成されたスリット状の第1吐出口と、前記第2本体に形成された塗工液を溜める液溜め部と、前記第2本体と前記第3本体との間に挟まれた板状のシムと、前記第2本体と前記第3本体との間に前記シムを挟むことによって、前記第2本体の先端部と前記第3本体の先端部との間に形成されたスリット状の第2吐出口と、を有し、前記2層シムは、前記第2本体に接して配され、前記液溜め部の左側部と右側部と後部に対応した第1左シム片と第1右シム片と第1後シム片から構成されたコ字状の第1シム板と、前記第1本体と前記第1シム板との間に配置され、前記液溜め部の左側部と右側部と前部と後部にそれぞれ対応した第2左シム片と第2右シム片と第2前シム片と第2後シム片から構成された額縁状の第2シム板と、を有し、前記第2本体と前記第2前シム片との間であって、前記液溜め部から前記第1吐出口まで塗工液の液通路が形成され、前記第2前シム片の後端部の一方の面は前記第1本体に接し、前記後端部の他方の面は後方ほど薄くなる傾斜面が形成されている、ダイである。
【0008】
また、本発明は、第1本体と、第2本体と、第3本体と、前記第1本体に形成された塗工液を溜める液溜め部と、前記第1本体と前記第2本体との間に挟まれた板状のシムと、前記第1本体と前記第2本体との間に前記2層シムを挟むことによって、前記第1本体の先端部と前記第2本体の先端部との間に形成されたスリット状の第1吐出口と、前記第2本体に形成された塗工液を溜める液溜め部と、前記第2本体と前記第3本体との間に挟まれた板状の2層シムと、前記第2本体と前記第3本体との間に前記2層シムを挟むことによって、前記第2本体の先端部と前記第3本体の先端部との間に形成されたスリット状の第2吐出口と、を有し、前記2層シムは、前記第3本体に接して配され、前記液溜め部の左側部と右側部と後部に対応した第1左シム片と第1右シム片と第1後シム片から構成されたコ字状の第1シム板と、前記第2本体と前記第1シム板との間に配置され、前記液溜め部の左側部と右側部と前部と後部にそれぞれ対応した第1左シム片と第2右シム片と第2前シム片と第2後シム片から構成された額縁状の第2シム板と、を有し、前記第3本体と前記第2前シム片との間であって、前記液溜め部から前記第2吐出口まで塗工液の液通路が形成され、前記第2前シム片の後端部の一方の面は前記第2本体に接し、前記後端部の他方の面は後方ほど薄くなる傾斜面が形成されている、ダイである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第2シム板の第2前シム片の後端部に傾斜面が形成されているため、この傾斜面に沿って塗工液が流れ、第2シム前片の後端部がめくれ上がらない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態1の塗工装置の説明図と、ダイの一部拡大縦断面図である。
図2】ダイの分解斜視図である。
図3】バックアップロールの側方に配したダイの横断面図である。
図4】実施形態2の2層ダイの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態のダイ10を用いた塗工装置1について図面に基づいて説明する。本実施形態の塗工装置1は、リチウム二次電池で用いられる電極を製造するものであり、金属箔よりなる長尺状のウエブWに塗工液を塗工する。ウエブWは、アルミニウム又は銅よりなり、アルミニウムの場合はその厚さが15~20μmであり、銅の場合は約10μmである。また、このウエブWの幅は60cm~70cmであり、このウエブWの上に50μmの塗工液を塗工する。
【実施形態1】
【0012】
以下、本発明の実施形態1の塗工装置1におけるダイ10について図1図3に基づいて説明する。
【0013】
(1)塗工装置1の構造
塗工装置1の構造について図1図3に基づいて説明する。
【0014】
塗工装置1は、図1に示すようにバックアップロール2にウエブWを抱かせて走行させ、このバックアップロール2の横に水平方向に配置されたダイ10から塗工液を塗工する。バックアップロール2によって走行するウエブWの走行速度Vは、V=5~30m/分であり、好ましくは20m/分である。
【0015】
ダイ10は、図2に示すように金属製の第1本体12、金属製の第2本体14、ステンレス製の板状の2層シム16とより構成されている。
【0016】
第1本体12は、平面形状が長方形状であり、上面に液溜め部18が凹部状に形成され、この液溜め部18は、図2に示すように第1本体12の後部19、左側部20、右側部22、前部23及び底部24を残して形成されている。液溜め部18の前面18aは、第1本体の底部24からなだらかに傾斜した傾斜面によって形成されている。液溜め部18における幅方向の中央部には、塗工液を送液するための送液口30が開口している。第1本体12の下面の先端部は、先端部側にいく程細く、縦断面が三角形状に形成されている。
【0017】
第2本体14は、図2に示すように平面形状が長方形状であって第1本体12と同じ大きさであり、この第2本体14の下面は、平らな面に形成されている。第2本体14の上面の先端部は、先端部側にいく程細く、縦断面が三角形状に形成されている。
【0018】
図1に示すように第1本体12の上面と第2本体14の下面との間には、板状の2層シム16が挟まれている。
【0019】
(2)2層シム16
次に、2層シム16について図2図3を参照して説明する。2層シム16は、板状のステンレス製の第1シム板26と板状のステンレス製の第2シム板28を積層したものである。このときに、図2に示すように、第1本体12、第2シム板28、第1シム板26、第2本体14の順番に重ねる。
【0020】
第1シム板26は、図2に示すように液溜め部18の外左側部に対応した第1左シム片36と、液溜め部18の外右側部に対応した第1右シム片38と、液溜め部18の後部に対応した第1後シム片40とより構成された平面形状がコの字状の金属板である。
【0021】
第2シム板28は、図2に示すように液溜め部18の左側部に対応した第2左シム片42と、液溜め部18の右側部に対応した第2右シム片44と、液溜め部18の前部に対応した第2前シム片46と、液溜め部18の後部に対応した第2後シム片48とより構成された平面形状が額縁状の金属板である。
【0022】
第2前シム片46の後端部は中央ほど後方に突出した平面形状がV字状に形成されている。また、図1の拡大図に示すように、第2前シム片46の後端部には、上面が直線状の傾斜面50が形成されている。この傾斜面50は、第1シム板26と第2シム板28を積層した状態で、第1本体12に接した状態で後方に行くほど薄くなるような傾斜面である。傾斜面50の傾斜角θ°としては、30°~60°が好適である。
【0023】
また、この第2前シム片46の最も後方に突出した後端部の中央は、図3に示すように液溜め部18よりも前方に位置し、傾斜して形成された液溜め部18の前面18aよりも前方に位置している。
【0024】
第1シム板26と第2シム板28を積層した2層シム16を、第1本体12と第2本体14とで挟んだ場合に、第1本体12と第2シム板28との間には左右方向にスリット状の吐出口32が形成される。また、液溜め部18の前面18aからこの吐出口32までの位置であって、第2前シム片46の位置には塗工液が流れる液通路34が形成される。
【0025】
(3)塗工方法
次に、塗工装置1の塗工方法について図1図3を参照して説明する。
【0026】
図1に示すように、ウエブWをバックアップロール2に抱かせて走行させる。この場合に、ダイ10の送液口30から、一定圧の塗工液が液溜め部18に、不図示のポンプから供給される。
【0027】
図1に示すように、液溜め部18に至った塗工液は、液溜め部18の傾斜した前面18aに沿って流れ、液通路34に至る。液通路34に流れ込んだ塗工液は、スリット状の吐出口32から吐出され、バックアップロール2を走行するウエブWの表面に塗工される。
【0028】
図1の拡大図に示すように、液溜め部18の傾斜した前面18aから液通路34に至るときに、第2前シム片46の傾斜面50を通過する。第2前シム片46の後端部には、傾斜面50が形成されているため、塗工液の吐出圧が傾斜面50を押圧する方向に働き、第2前シム片46の後端部がめくれ上がるのを防止できる。そのため、第1本体12に対する第2前シム片46の密着性が向上する。
【0029】
(4)効果
本実施形態によれば、第2前シム片46の後端部に傾斜面50が形成されているため、この後端部が第1本体12からめくれ上がることがないので塗工液の流れを妨げることなく、塗工液の吐出がスムーズになり、ウエブWに対する塗工厚さをより均一にできる。
【0030】
また、塗工液は、液溜め部18の傾斜した前面18aから第2前シム片46の傾斜面50を通過するので、その流れがスムーズである。
【0031】
(5)変更例
上記実施形態では、第2前シム片46の後端部にある傾斜面50の上面は、直線状に形成したが、これに代えて曲線形状に形成してもよい。
【実施形態2】
【0032】
次に、実施形態2のダイ10について図4を参照して説明する。
【0033】
本実施形態のダイ10と、実施形態1のダイ10との異なる点は、実施形態1のダイ10では第1本体12と第2本体14より構成されていたが、本実施形態では、図4に示すように、第1本体52の上に、2層シム16が配され、それを挟むようにして第2本体54が設けられ、第2本体54の上に第3本体56がシム58を挟んでさらに載置されている。
【0034】
第1本体52には、図4の拡大図に示すように、液溜め部18が形成され、実施形態1と同様の2層シム16が配されている。
【0035】
第2本体54の上面にも図4に示すように、液溜め部60が形成されている。そして、シム58は、実施形態1の第1シム板26と同様の構造を有している。
【0036】
本実施形態のダイ10は、塗工液を2層で塗工することができ、この場合に第1本体52と第2本体54の間から塗工液が吐出された場合に、塗工厚をより均一でき、また、第2前シム片46が、第1本体52からめくれ上がらない。
【0037】
本実施形態の変更例としては、第2本体54と第3本体56の間にあるシム58に代えて、2層シム16を設け、逆に第1本体52と第2本体54との間にシム58を設けてもよい。
【0038】
また、第1本体52と第2本体54の間に2層シム16を配置し、第2本体54と第3本体56との間にも2層シム16を配置してもよい。
【変更例】
【0039】
上記実施形態では、ダイ10は水平方向に配置したが、これ以外にバックアップロール2の真下に配置してもよい。
【0040】
上記実施形態では、第2前シム片46の後部は、V字状であったが、これに代えて直線状もよい。
【0041】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1・・・塗工装置、2・・・バックアップロール、10・・・ダイ、12・・・第1本体、14・・・第2本体、16・・・2層シム、18・・・液溜め部、34・・・液通路、46・・・第2前シム片、50・・・傾斜面
図1
図2
図3
図4