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特許7331414ポリエチレン樹脂並びにそれを用いた太陽電池封止材および太陽電池モジュール
<図1>
  • 特許-ポリエチレン樹脂並びにそれを用いた太陽電池封止材および太陽電池モジュール 図1
  • 特許-ポリエチレン樹脂並びにそれを用いた太陽電池封止材および太陽電池モジュール 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】ポリエチレン樹脂並びにそれを用いた太陽電池封止材および太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/048 20140101AFI20230816BHJP
   C08F 4/6592 20060101ALI20230816BHJP
   C08F 210/16 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
H01L31/04 560
C08F4/6592
C08F210/16
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019065120
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020164613
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】303060664
【氏名又は名称】日本ポリエチレン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】増村 千晶
(72)【発明者】
【氏名】清水 浩之
【審査官】堀内 建吾
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-113604(JP,A)
【文献】特表2004-507625(JP,A)
【文献】特開2018-109117(JP,A)
【文献】特表2004-502699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/04
C08F 4/6592
C08F 210/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)、(B)および(C1)を含む触媒系を用いて重合を行うことにより得られるエチレン・α-オレフィン共重合体、又は下記成分(A)、(B)および(C2)を含む触媒系を用いて重合を行うことにより得られるエチレン・α-オレフィン共重合体であるポリエチレン樹脂および下記成分(D)を含むポリエチレン樹脂組成物を用いた太陽電池封止材。

成分(A):置換基を有するインデニル骨格を有する架橋系メタロセン化合物
成分(B):一般式(I)で表される、成分(A)と反応してイオン対を形成するホウ素化合物であり、N雰囲気下における重量変化が起こる熱分解温度が200℃未満
成分(C1):一般式(II)または一般式(III)で表される化合物
BR・・・一般式(I)
[一般式(I)中、Bはホウ素原子、R~Rは同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、フッ素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数6~20のハロゲン化アリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基または炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基である。]
【化1】
・・・一般式(II)
[一般式(II)中、R、Rは同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基または炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基であり;
Nに結合する炭素原子は1級炭素であり;
~R10は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基または、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基である。]
【化2】
・・・一般式(III)
[一般式(III)中、R11、R15は同一または異なっていてもよく、それぞれ炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基または、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基であり;
ピリジン環に結合する炭素原子は1級炭素であり;
12~R14は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基または、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基である。]

成分(C2):一般式(IV)または一般式(V)で表される化合物
BR・・・一般式(I)
[一般式(I)中、Bはホウ素原子、R~Rは同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、フッ素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数6~20のハロゲン化アリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基または炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基である。]
【化3】
・・・一般式(IV)
[一般式(IV)中、R16、R17は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基または炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基であり;
18、R19は同一または異なっていてもよく、それぞれ炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基または炭素数6~20のアリール基であって、R18、R19は架橋した環状構造を形成している。]
【化4】
・・・一般式(V)
[一般式(V)中、R20、R21、R22は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基または炭素数6~20のアリール基である。R20、R21、R22は各置換基の任意の位置で架橋した環状構造を形成していても良い。
は炭素数1~10のアルコキシ基または炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基である。]
成分(D):有機過酸化物
【請求項2】
前記成分(A)が、置換基を有するまたは無置換のアリール基を有するインデニル骨格を有する架橋系メタロセン化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池封止材。
【請求項3】
前記成分(A)が、下記一般式(VI)で表されるメタロセン化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池封止材。
【化5】
・・・一般式(VI)
[一般式(VI)中、MはTi、Zr、またはHfであり;
23~R32およびR33~R42は、同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基、-N(R45基、-SR45基、-OSi(R45基又は-P(R45基であり(R45は、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~20のアリール基であり、R45を2以上有する場合は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい)、R23~R32およびR33~R42が隣接するR基同士でそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の芳香族環または脂肪族環を形成してもよく、R27とR28もしくはR27とR32、R37とR38もしくはR37とR42がそれらを連結する原子と一緒になって1つの芳香族環または脂肪族環を形成していてもよく;
はSiまたはCであり;
43とR44は、同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のフルオロアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数6~20のアリール基、炭素数6~10のフルオロアリール基、炭素数6~10のアリールオキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数7~40のアリールアルキル基、炭素数7~40のアルキルアリール基、炭素数8~40のアリールアルケニル基であり、かつ、R43とR44が同時に水素原子ではなく、R43とR44がそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の環を形成してもよく;
とXは、同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数6~20のアリール基、炭素数6~10のアリールオキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数7~40のアリールアルキル基、炭素数7~40のアルキルアリール基、炭素数8~40のアリールアルケニル基、炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~10のアミノ基、OH基、ハロゲン原子又は配位可能な中性配位子であり、XとXが、それらを連結する原子と一緒になって1つの環を形成していてもよい。]
【請求項4】
前記エチレン・α-オレフィン共重合体が、下記(a1)~(a5)の特性を有するエチレン・α-オレフィン共重合体であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の太陽電池封止材。
(a1)エチレンに由来する構成単位の含有割合が80~97mol%であるとともに、炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が3~20mol%
(a2)MFR(190℃、21.18N荷重)が0.1~100g/10分
(a3)密度が0.860~0.920g/cm
(a4)温度23℃、印加電圧500Vで測定される体積抵抗率が1.0×1016Ω・cm以上
(a5)ポリエチレン樹脂中のホウ素残渣濃度(M)が、0<M<1wtppm
成分(D):有機過酸化物
【請求項5】
前記エチレン・α-オレフィン共重合体が、さらに下記(a6)の特性を有することを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池封止材。
(a6)示差走査熱量測定(DSC)の最大融解ピークを示す温度よりも20℃以上高い温度に融解ピークを示さない
【請求項6】
前記エチレン・α-オレフィン共重合体が、さらに下記(a7)の特性を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の太陽電池封止材。
(a7)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めたZ平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比(Mz/Mn)が8.0以下
【請求項7】
前記成分(D)の含有量が、前記ポリエチレン樹脂(A)100重量部に対して、0.2~5重量部であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の太陽電池封止材。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の太陽電池封止材を用いた太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエチレン樹脂、並びにそれを用いた太陽電池封止材及び太陽電池モジュールに関し、より詳しくは、エチレン・α-オレフィン共重合体などからなる、架橋特性、絶縁性、コスト面に優れたポリエチレン樹脂、並びにそれを用いた太陽電池封止材及び太陽電池モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレン樹脂は、加工性、耐湿性、柔軟性、絶縁性が良好なことから、太陽電池、ケーブルなどの電子材料に使用されている。また、これらの用途においては多くの場合、耐熱性、機械的強度を向上させるため、ポリエチレン樹脂を架橋させて使用する。架橋反応は、電子線照射またはラジカル反応性の高い添加剤、例えば有機過酸化物の利用により実施されている。
【0003】
有機過酸化物による架橋構造を付与した樹脂組成物の用途の一つとして、太陽電池封止材が挙げられる。従来では、酢酸ビニル含量の高いエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)の樹脂組成物が用いられてきた(特許文献1参照)。ところが、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)系樹脂は、長期にわたって使用されると黄変、亀裂入り、発泡等の劣化・変質により耐湿性が低下して、太陽電池セルの腐食等による発電量の低下を招いていた。これらはEVA系樹脂が加水分解性の高いエステル構造を有しているために、太陽光や水分の影響を受け易いためによるものと考えられている。
【0004】
そのため、封止材に用いられる樹脂材料として、透明性、耐湿性等に優れるエチレン・α-オレフィン共重合体を用いることが提案されている。例えば、特許文献2では、結晶化度が40%以下の非晶性又は低結晶性のα-オレフィン系共重合体を用いた封止材が開示され、該α-オレフィン共重合体としてエチレンを主成分とする共重合体に架橋剤を配合することが記載されている。
【0005】
また、特許文献3では、封止材として、(a)約0.90g/cc未満の密度、(b)ASTM D-882-02により測定して約150メガパスカル(MPa)未満の2%割線係数、(c)約95℃未満の融点、(d)ポリマーの重量に基づいて少なくとも約15および約50重量%未満のα-オレフィン含量、(e)約-35℃未満のTg、並びに(f)少なくとも約50のSCBDI、の1以上の条件を満たすポリオレフィンコポリマーを含むポリマー材料が開示されている。
【0006】
近年、太陽電池モジュールの需要の増加に伴い、太陽電池モジュールの生産効率の向上が要求され、封止材の架橋工程も短時間化する傾向がある。一般的に、エチレン・α-オレフィン共重合体は、EVAと比較し、有機過酸化物での架橋が容易ではなく、短時間の加熱で高いゲル分率を得にくく、EVAと同程度の架橋効率を得るのが難しい。これはEVAではコモノマーである酢酸ビニル部分が容易にラジカル架橋点となりうるのに対し、一般的なエチレン・α-オレフィン共重合体で用いられるα-オレフィンコモノマー自体はラジカル架橋点にならないためである。
【0007】
一方、高い絶縁性を示すポリエチレン樹脂として、ホウ素含有助触媒を回避する触媒による重合が提案されている(特許文献4参照)。例示されているポリエチレン樹脂に関して、アルモキサン助触媒単独サンプルと比較し、ホウ素含有助触媒由来のホウ素残渣により絶縁性の指標である体積抵抗率が低下することが記載されている。
【0008】
絶縁性が低下することにより、電子材料からの漏れ電流が増加する。例えば、太陽電池の場合、漏れ電流の影響により、発電能力の低下が起こるPID(Potential Induced Degradation)現象の発生が報告される例もある。そこで、体積抵抗率の高い太陽電池封止材を製造することで、PID現象を抑制することができる。
【0009】
しかしながら、メタロセン触媒系を使用する場合、ホウ素含有助触媒はアルモキサンと比較し、高温高圧条件にて高い活性を示すため、ポリエチレン樹脂の生産速度が高くなる(特許文献5参照)。かつ、製造時に必要な助触媒量はホウ素含有助触媒の方が少量であることが知られており、ホウ素含有助触媒の使用は、ポリエチレン樹脂の製造コスト面では有利である。
【0010】
ホウ素含有助触媒として、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロボレートに代表されるボレート化合物が広く用いられている(学術文献1参照)。ボレート化合物は、メタロセン錯体に対して等モル使用するだけで良好な重合活性を得ることが出来るが、ヘキサン、ヘプタン、トルエンなど、通常用いられる有機溶媒に対する溶解度が極端に悪いため、ボレート化合物を均一に溶解されるために多量の有機溶媒を用いる必要があった。
【0011】
一方、ボレート化合物と類似した作用を有する化合物として、トリスペンタフルオロフェニルボランに代表されるボラン化合物がある(非特許文献1)。このボラン化合物は前述の有機溶媒に対する溶解度は向上するものの、メタロセン錯体をカチオン化する能力が低いという問題がある。そのため、メタロセン錯体とボラン化合物を組み合わせた触媒をオレフィン重合に適用した場合、重合活性が低く実用的ではなかった。
【0012】
ペンタフルオロフェニル基を含有するボラン化合物をメタロセン触媒の助触媒として用いた場合の活性向上を目的として、特定構造のピロール化合物を共存される検討が行われている(特許文献6参照)が、重合活性は更なる改良が必要なレベルである。
また、メタロセン錯体とボレート化合物を組み合わせた触媒系に1-ヘキセンなどのα―オレフィンを添加して、有機溶媒に対する触媒成分の溶解度を向上させる試みも行われている(特許文献7参照)。しかしながら、重合活性を向上させる効果、特にメタロセン錯体とボラン化合物を組み合わせた系での活性向上効果は見られていない。
【0013】
このように、従来の技術では、架橋特性、絶縁性、コスト面に優れるポリエチレン樹脂、並びにそれを用いた太陽電池封止材、太陽電池モジュールは得られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】特開昭58-023870号公報
【文献】特開2006-210906号公報
【文献】特表2010-504647号公報
【文献】特表2015-508833号公報
【文献】特表平7-508545号公報
【文献】特表2006-508903号公報
【文献】特表2001-542402号公報
【非特許文献】
【0015】
【文献】Chemical Reviews, 2000, Vol. 100, N0. 4 1431
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、エチレン・α-オレフィン共重合体からなる、架橋特性、絶縁性、コスト面に優れたポリエチレン樹脂、並びにこのポリエチレン樹脂を用いた太陽電池封止材及び太陽電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、メタロセン化合物、特定の種類及び量のホウ素化合物、触媒活性向上剤を含む触媒系を用いて製造されたエチレン・α-オレフィン共重合体、特に好ましくは特定のMFR、密度、ホウ素残渣濃度などの特性を有するエチレン・α-オレフィン共重合体からなるポリエチレン樹脂を含む樹脂組成物を用いた太陽電池封止材は、耐熱性が良好であり、太陽電池からの漏れ電流を抑制するとの知見を得て、本発明を完成させるに至った。
【0018】
即ち、本発明の第1の発明によれば、下記成分(A)、(B)および(C1)を含む触媒系を用いて重合を行うことにより得られるエチレン・α-オレフィン共重合体からなるポリエチレン樹脂が提供される。
成分(A):置換基を有するインデニル骨格を有する架橋系メタロセン化合物
成分(B):一般式(I)で表される、成分(A)と反応してイオン対を形成するホウ素化合物であり、N雰囲気下における重量変化が起こる熱分解温度が200℃未満
成分(C1):一般式(II)または一般式(III)で表される化合物
【0019】
BR 一般式(I)
【0020】
[一般式(I)中、Bはホウ素原子、R~Rは同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、フッ素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数6~20のハロゲン化アリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基または炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基である。]
【0021】
【化1】
【0022】
[一般式(II)中、R、Rは同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基または炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基であり;
Nに結合する炭素原子は1級炭素であり;
~R10は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基または、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基である。]
【0023】
【化2】
・・・一般式(III)
【0024】
[一般式(III)中、R11、R15は同一または異なっていてもよく、それぞれ炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基または、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基であり;
ピリジン環に結合する炭素原子は1級炭素であり;
12~R14は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基または、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基である。]
【0025】
一方、本発明の第2の発明によれば、下記成分(A)、(B)および(C2)を含む触媒系を用いて重合を行うことにより得られるエチレン・α-オレフィン共重合体からなるポリエチレン樹脂が提供される。
成分(A):置換基を有するインデニル骨格を有する架橋系メタロセン化合物
成分(B):一般式(I)で表される、成分(A)と反応してイオン対を形成するホウ素化合物であり、N雰囲気下における重量変化が起こる熱分解温度が200℃未満
成分(C2):一般式(IV)または一般式(V)で表される化合物
【0026】
BR ・・・一般式(I)
[一般式(I)中、Bはホウ素原子、R~Rは同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、フッ素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数6~20のハロゲン化アリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基または炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基である。]
【0027】
【化3】
・・・一般式(IV)
【0028】
[一般式(IV)中、R16、R17は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基または炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基であり;
18、R19は同一または異なっていてもよく、それぞれ炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基または炭素数6~20のアリール基であって、R18、R19は架橋した環状構造を形成している。]
【0029】
【化4】
・・・一般式(V)
【0030】
[一般式(V)中、R20、R21、R22は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基または炭素数6~20のアリール基である。R20、R21、R22は各置換基の任意の位置で架橋した環状構造を形成していても良い。
は炭素数1~10のアルコキシ基または炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基である。]
【0031】
また、本発明の第3の発明によれば、第1または第2の発明において、成分(A)が、置換基を有するまたは無置換のアリール基を有するインデニル骨格を有する架橋系メタロセン化合物であることを特徴とする、ポリエチレン樹脂が提供される。
【0032】
また、本発明の第4の発明によれば、第1~第3の発明において、成分(A)が、下記一般式(VI)で表されるメタロセン化合物であることを特徴とするポリエチレン樹脂が提供される。
【0033】
【化5】
・・・一般式(VI)
【0034】
[一般式(VI)中、MはTi、Zr、またはHfであり;
23~R32およびR33~R42は、同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基、-N(R45基、-SR45基、-OSi(R45基又は-P(R45基であり(R45は、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~20のアリール基であり、R45を2以上有する場合は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい)、R23~R32およびR33~R42が隣接するR基同士でそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の芳香族環または脂肪族環を形成してもよく、R27とR28もしくはR27とR32、R37とR38もしくはR37とR42がそれらを連結する原子と一緒になって1つの芳香族環または脂肪族環を形成していてもよく;
はSiまたはCであり;
43とR44は、同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のフルオロアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数6~20のアリール基、炭素数6~10のフルオロアリール基、炭素数6~10のアリールオキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数7~40のアリールアルキル基、炭素数7~40のアルキルアリール基、炭素数8~40のアリールアルケニル基であり、かつ、R43とR44が同時に水素原子ではなく、R43とR44がそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の環を形成してもよく;
とXは、同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数6~20のアリール基、炭素数6~10のアリールオキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数7~40のアリールアルキル基、炭素数7~40のアルキルアリール基、炭素数8~40のアリールアルケニル基、炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~10のアミノ基、OH基、ハロゲン原子又は配位可能な中性配位子であり、XとXが、それらを連結する原子と一緒になって1つの環を形成していてもよい。]
【0035】
また、本発明の第5の発明によれば、下記(a1)~(a5)の特性を有する前記エチレン・α-オレフィン共重合体であることを特徴とするポリエチレン樹脂が提供される。
(a1)エチレンに由来する構成単位の含有割合が80~97mol%であるとともに、炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が3~20mol%
(a2)MFR(190℃、21.18N荷重)が0.1~100g/10分
(a3)密度が0.860~0.920g/cm
(a4)温度23℃、印加電圧500Vで測定される体積抵抗率が1.0×1016Ω・cm以上
(a5)樹脂中のホウ素残渣濃度(M)が、0<M<1wtppm
【0036】
また、本発明の第6の発明によれば、第1~第5のいずれかの発明において、前記エチレン・α-オレフィン共重合体が、下記(a6)の特性を有することを特徴とするポリエチレン樹脂が提供される。
(a6)示差走査熱量測定(DSC)の最大融解ピークを示す温度よりも20℃以上高い温度に融解ピークを示さない
【0037】
また、本発明の第7の発明によれば、第1~第6のいずれかの発明において、前記エチレン・α-オレフィン共重合体が、下記(a7)の特性を有することを特徴とするポリエチレン樹脂が提供される。
(a7)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めたZ平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比(Mz/Mn)が8.0以下
【0038】
また、本発明の第8の発明によれば、第5~第7のいずれかの発明において、前記エチレン・α-オレフィン共重合体が、第1~第4のいずれかの発明に記載の重合を行うことにより得られるエチレン・α-オレフィン共重合体であることを特徴とするポリエチレン樹脂が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第1~第8のいずれかの発明におけるポリエチレン樹脂を含む架橋用ポリエチレン樹脂組成物が提供される。
【0039】
また、本発明の第10に発明によれば、第1~第8のいずれかの発明におけるポリエチレン樹脂および下記成分(D)を含むポリエチレン樹脂組成物を用いた太陽電池封止材が提供される。
成分(D):有機過酸化物
【0040】
また、本発明の第11の発明によれば、第10の発明において、前記成分(D)の含有量が、前記ポリエチレン樹脂100重量部に対して、0.2~5重量部であることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物を用いた太陽電池封止材が提供される。
【0041】
一方、本発明の第12の発明によれば、第10または第11の発明による太陽電池封止材を用いた太陽電池モジュールが提供される。
【発明の効果】
【0042】
本発明のポリエチレン樹脂は、置換基を有するインデニル骨格を有する架橋系メタロセン化合物、ホウ素化合物および触媒活性向上剤を含む触媒系を用いて重合されることで、より効率的な重合を達成することができ、高い絶縁性(高い体積低効率)および、架橋特性が良く高い耐熱性を示し、しかも透明性に優れる。かつ、特定のMFR、密度、ホウ素残渣濃度などの特性を有するエチレン・α-オレフィン共重合体を主成分とし、これに有機過酸化物を配合したポリエチレン樹脂組成物は架橋用樹脂組成物として好適であり、特にそれを用いた太陽電池封止材シートは、加工する際にエチレン・α-オレフィン共重合体が比較的短時間で架橋でき、PID現象を抑制することができる。また、得られた太陽電池モジュールは、耐熱性、透明性、耐候性に優れるものとなり、長期間安定した変換効率を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランおよびN,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの熱重量分析(TG)の測定結果を示す。
図2】PE-1およびPE-17のDSC測定結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明のポリエチレン樹脂は、置換基を有するインデニル骨格を有する架橋系メタロセン化合物、ホウ素化合物および触媒活性向上剤を含む触媒系を用いて重合したエチレン・α-オレフィン共重合体からなる。また樹脂成分として当該特定のエチレン・α-オレフィン共重合体および有機過酸化物を含むことを特徴とするポリエチレン樹脂組成物を用いた太陽電池封止材及び太陽電池モジュールに係るものである。
なお、本発明の第1~4の発明は、いわゆるプロダクトバイプロセス、すなわち製造方法で規定した物の発明であるが、本願発明のようなポリマーの分野においては、具体的な製造方法により得られるポリマーの特徴物性を全て特定することは難しく、非実際的であることから、発明の特定手段として実質的に発明の明確性要件を満たすものとして認められている形式の発明であり、本願発明においても適用される。
以下、本発明において用いられる各成分および、それらを用いた太陽電池封止材等について詳細に説明する。
【0045】
1.触媒系
本発明のエチレン・α-オレフィン共重合体の重合に用いられている触媒系は、下記成分(A)、(B)および(C1)もしくは(A)、(B)および(C2)を含有するものである。
成分(A):置換基を有するインデニル骨格を有する架橋系メタロセン化合物
成分(B):成分(A)と反応してイオン対を形成するホウ素化合物であり、N雰囲気下における重量変化が起こる200℃未満の熱分解温度を有する
成分(C1):一般式(II)または一般式(III)で表される化合物
成分(C2):一般式(IV)または一般式(V)で表される化合物
【0046】
(1)成分(A)
本発明において用いられる成分(A)は、置換基を有するインデニル骨格を有する架橋系メタロセン化合物である。成分(A)は、好ましくは、置換基を有する又は無置換のアリール基を有するインデニル骨格を有する架橋系メタロセン化合物である。
また、成分(A)は、さらに好ましくは、下記の一般式(VI)で表される特定の置換基を有するメタロセン化合物である。
【0047】
【化6】
・・・一般式(VI)
【0048】
[一般式(VI)中、MはTi、Zr、又はHfであり;
23~R32およびR33~R42は、同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基、-N(R45基、-SR45基、-OSi(R45基または-P(R45基であり(R45は、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~20のアリール基であり、R45を2以上有する場合は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい)、R23~R32およびR33~R42が隣接するR基同士でそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の芳香族環または脂肪族環を形成してもよく、R27とR28もしくはR27とR32、R37とR38もしくはR37とR42がそれらを連結する原子と一緒になって1つの芳香族環または脂肪族環を形成していてもよく;
はSiまたはCであり;
43とR44は、同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のフルオロアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数6~20のアリール基、炭素数6~10のフルオロアリール基、炭素数6~10のアリールオキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数7~40のアリールアルキル基、炭素数7~40のアルキルアリール基、炭素数8~40のアリールアルケニル基であり、かつ、R43とR44が同時に水素原子ではなく、R43とR44がそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の環を形成してもよく;
とXは、同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数6~20のアリール基、炭素数6~10のアリールオキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数7~40のアリールアルキル基、炭素数7~40のアルキルアリール基、炭素数8~40のアリールアルケニル基、炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~10のアミノ基、OH基、ハロゲン原子又は配位可能な中性配位子であり、XとXが、それらを連結する原子と一緒になって1つの環を形成していてもよい。]
【0049】
一般式(VI)中、Mは、Ti、Zr、又は、Hfであり、好ましくはZr、Hfであり、特に好ましくはHfである。
【0050】
一般式(VI)中、X、Xとして、具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、フェニル基、ベンジル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基又はトリメチルシリル基などを挙げることができる。
これらの中でも好ましくは、塩素原子、メチル基、i-ブチル基、フェニル基、ベンジル基、トリメチルシリル基であり、より好ましくは、塩素原子、メチル基、i-ブチル基、ベンジル基、トリメチルシリル基である。
【0051】
また、XとXが、配位可能な中性配位子であり、それらを連結する原子と一緒になって1つの環を形成した原子団として具体的には、1,3-ブタジエン、1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、1,4-ジベンジル-1,3-ブタジエン、2,4-ヘキサジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ジトリル-1,3-ブタジエン、1,4-ビス(トリメチルシリル)-1,3-ブタジエンなどを挙げることができる。
【0052】
一般式(VI)中、R23~R27、R33~R35は好ましくは水素原子である。
【0053】
一般式(VI)中、R28~R32およびR38~R42のそれぞれは、好ましくは水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数6~10のアリール基である。
【0054】
一般式(VI)中、Yは、生成するエチレン・α-オレフィン共重合体の架橋反応に係る二重結合量の観点から、炭素原子であることが好ましい。
【0055】
一般式(VI)中、好ましいR45基としては、炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~10のアリール基であり、好ましい-N(R45基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基などを挙げることができる。
【0056】
一般式(VI)中、-SR45基として具体的には、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、フェニルスルファニル基などを挙げることができる。
【0057】
-OSi(R45基として具体的には、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシキ基、トリイソプロピルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基、tert-ブチル(ジメチル)シロキシ基などを挙げることができる。
【0058】
一般式(VI)中、-P(R45基として具体的にはジメチルホスフィノ基、ジエチルホスフィノ基、ジイソプロピルホスフィノ基、ジブチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基などを挙げることができる。
【0059】
一般式(VI)中、R43、R44は、好ましくはハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のフルオロアルキル基、炭素数7~10のアリール基、フルオロアリール基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数7~40のアリールアルキル基、炭素数7~40のアルキルアリール基、炭素数8~40のアリールアルケニル基であり、さらに好ましくは、炭素数1~10のアルキル基、炭素数7~10のアリール基、炭素数2~10のアルケニル基であり、加えて、好ましくはR43とR44が含む炭素数の和が3以上である。
また、R43とR44は連結する原子(Y)と一緒になって1つ以上の環を形成するのが好ましく、さらに好ましくは4-5員環を形成するのが好ましい。
【0060】
以下、一般式(VI)に含有されうる各官能基の具体例を示す。
炭素数1~10のアルキル基の具体例としてはメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-デシルなどを挙げることができる。
【0061】
炭素数1~10のハロゲン含有アルキル基は、炭素数1~10のアルキル基の骨格上の水素原子にハロゲンが置換されたものである。炭素数1~10のハロゲン化アルキル基のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1~10のハロゲン化アルキル基の具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2,1,1-テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、5-クロロペンチル、5,5,5-トリクロロペンチル、5-フルオロペンチル、5,5,5-トリフルオロペンチル、6-クロロヘキシル、6,6,6-トリクロロヘキシル、6-フルオロヘキシル、6,6,6-トリフルオロヘキシルを挙げることができる。
【0062】
炭素数6~20のアリール基の具体例としては、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、アセナフチル、フェナントリル、アントリルなどを挙げることができる。
【0063】
炭素数1~10のフルオロアルキル基とは、炭素数1~10のアルキル基の骨格上の水素原子にフッ素原子が置換されたものである。
具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2,1,1-テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタフルオロプロピル、5-フルオロペンチル、5,5,5-トリフルオロペンチル、6-フルオロヘキシル、6,6,6-トリフルオロヘキシルを挙げることができる。
【0064】
炭素数1~10のアルコキシ基の具体例としてはメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ,i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペントキシ,n-ヘキソキシ,シクロプロポキシ、シクロペントキシ、シクロヘキソキシ,n-オクトキシ,n-デトキシ等を挙げることができる。
【0065】
炭素数6~10のフルオロアリール基は、炭素数6~10のアリール基の骨格上の水素原子にフッ素原子が置換されたものである。具体例としては、ペンタフルオロフェニル、2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、4-フルオロフェニル、ジ(トリフルオロメチル)フェニル、ペンタフルオロエチルフェニル、ノナフルオロ-t-ブチルフェニル、1-パーフルオロナフチル、2-パーフルオロナフチル等を挙げることができる。
【0066】
炭素数6~10のアリールオキシ基には、炭素数1~4の炭化水素基が置換されていてもよく、具体例としては、フェノキシ、トリメチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、エチルフェノキシ、t-ブチルフェノキシ、1-ナフトキシ,2-ナフトキシ等を挙げることができる。
【0067】
炭素数2~10のアルケニル基の具体例としては、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、3-ブテニル、5-ヘキセニル、7-オクテニル等を挙げることができる。
【0068】
炭素数7~40のアリールアルキル基には、具体的には、ベンジル、フェニルエチル、(メチルフェニル)メチル、(tert-ブチルフェニル)メチル等を挙げることができる。
【0069】
炭素数7~40のアルキルアリール基には、具体的には、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニル、t-ブチルフェニル等を挙げることができる。
【0070】
炭素数8~40のアリールアルケニル基には、具体的には、ビニルフェニル、(2-プロペニル)フェニル基等を挙げることができる。
【0071】
炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基には、具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリルメチル基、トリフェニルシリルメチル基を挙げることができる。
【0072】
炭素数1~10のアミノ基には、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基を挙げることができる。
【0073】
炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基として、具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチル(ジメチル)シリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
【0074】
(メタロセン化合物の具体例)
一般式(VI)で示される本発明のメタロセン化合物の具体例を以下に示す。これらは代表的な例示である。
【0075】
イソプロピリデン架橋メタロセン化合物:
イソプロピリデンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(4-メトキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(4-イソプロポキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(4-フルオロフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(4-クロロフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(4-ブロモフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(3,5-ジイソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(3,5-ジメトキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(2,3,4,5,6-ペンタメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-ビフェニリル1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(2,6-ジメチルビフェニリル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(2’,6’-ジメチルビフェニリル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(1-ナフチル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-(2-ナフチル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4-フェナントリル-1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0076】
シクロブチリデン架橋メタロセン化合物:
シクロブチリデンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(4-メトキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(4-イソプロポキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(4-フルオロフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(4-クロロフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウムシクロブチリデンビス(4-(4-ブロモフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(3,5-ジイソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(3,5-ジメトキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(2,3,4,5,6-ペンタメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-ビフェニリル1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(2,6-ジメチルビフェニリル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(2’,6’-ジメチルビフェニリル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(1-ナフチル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-(2-ナフチル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロブチリデンビス(4-フェナントリル-1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0077】
シクロペンチリデン架橋メタロセン化合物:
シクロペンチリデンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(4-メトキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(4-イソプロポキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(4-フルオロフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(4-クロロフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(4-ブロモフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(3,5-ジイソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(3,5-ジメトキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(2,3,4,5,6-ペンタメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-ビフェニリル1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(2,6-ジメチルビフェニリル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(2’,6’-ジメチルビフェニリル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(1-ナフチル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-(2-ナフチル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロペンチリデンビス(4-フェナントリル-1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0078】
シクロヘキシリデン架橋メタロセン化合物:
シクロヘキシリデンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、シクロヘキシリデンビス(4-ビフェニリル1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0079】
ジエチルメチレン架橋メタロセン化合物:
ジエチルメチレンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルメチレンビス(4-ビフェニリル-1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0080】
ジ-n-プロピルメチレン架橋メタロセン化合物:
ジ-n-プロピルメチレンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-n-プロピルメチレンビス(4-ビフェニリル1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0081】
ジ-iso-ブチルメチレン架橋メタロセン化合物:
ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ-iso-ブチルメチレンビス(4-ビフェニリル1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0082】
ジベンジルメチレン架橋メタロセン化合物:
ジベンジルメチレンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジベンジルメチレンビス(4-ビフェニリル1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0083】
メチル(エチル)メチレン架橋メタロセン化合物:
メチル(エチル)メチレンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(エチル)メチレンビス(4-ビフェニリル1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0084】
メチル(n-プロピル)メチレン架橋メタロセン化合物:
メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(n-プロピル)メチレンビス(4-ビフェニリル1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0085】
メチル(iso-ブチル)メチレン架橋メタロセン化合物:
メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(iso-ブチル)メチレンビス(4-ビフェニリル1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0086】
メチル(ベンジル)メチレン架橋メタロセン化合物:
メチル(ベンジル)メチレンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、メチル(ベンジル)メチレンビス(4-ビフェニリル1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0087】
ジ(4-メチルフェニル)メチレン架橋メタロセン化合物:
ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジ(4-メチルフェニル)メチレンビス(4-ビフェニリル1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0088】
ジメチルシリレン架橋メタロセン化合物:
ジメチルシリレンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(4-メトキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(4-イソプロポキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(4-フルオロフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(4-クロロフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(4-ブロモフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(3,5-ジイソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(3,5-ジメトキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(2,3,4,5,6-ペンタメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-ビフェニリル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(2,6-ジメチルビフェニリル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(2’,6’-ジメチルビフェニリル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(1-ナフチル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-(2-ナフチル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4-フェナントリル-1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0089】
ジエチルシリレン架橋メタロセン化合物:
ジエチルシリレンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(4-メトキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(4-イソプロポキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(4-フルオロフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(4-クロロフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(4-ブロモフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(3,5-ジイソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(3,5-ジメトキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(2,3,4,5,6-ペンタメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-ビフェニリル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(2,6-ジメチルビフェニリル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(2’,6’-ジメチルビフェニリル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(1-ナフチル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-(2-ナフチル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジエチルシリレンビス(4-フェナントリル-1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0090】
トリメチレンシリレン架橋メタロセン化合物:
トリメチレンシリレンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(4-メトキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(4-イソプロポキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(4-フルオロフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(4-クロロフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(4-ブロモフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(3,5-ジイソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(3,5-ジメトキシフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(2,3,4,5,6-ペンタメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-ビフェニリル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(2,6-ジメチルビフェニリル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(2’,6’-ジメチルビフェニリル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(1-ナフチル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-(2-ナフチル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、トリメチレンシリレンビス(4-フェナントリル-1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0091】
テトラメチレンシリレン架橋メタロセン化合物:
テトラメチレンシリレンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、テトラメチレンシリレンビス(4-ビフェニリル-1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0092】
ジフェニルシリレン架橋メタロセン化合物:
ジフェニルシリレンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(3-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(3-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(3-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(4-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(4-イソプロピルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(4-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(4-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(2-メチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(2-エチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(3,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(3,5-ジトリメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(2,3-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(2,5-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(2,6-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-(4-tert-ブチル-2-メチル-フェニル)-1-インデニル)ジメチルハフニウム、ジフェニルシリレンビス(4-ビフェニリル-1-インデニル)ジメチルハフニウム
【0093】
例示したメタロセン化合物中、生成するエチレン・α-オレフィン共重合体の架橋反応に係る二重結合量の観点から、Yが炭素原子である化合物が好ましい。
【0094】
例示したメタロセン化合物中、高分子量のエチレン・α-オレフィン共重合体を製造することができるという観点から、R23およびR33は、水素原子である化合物が好ましい。
【0095】
また、例示したメタロセン化合物中、Mが、ハフニウムの代わりに、チタン、ジルコニウムに代わった化合物や、XおよびXが、メチル基の代わりに、片方、もしくは両方が塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フェニル基、ベンジル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、トリメチルシリルメチル基などに代わった化合物も、例示することができる。
【0096】
(メタロセン化合物の合成法)
本発明で用いるメタロセン化合物の合成法としては、特に限定されず、置換基ないし結合の様式によって、任意の方法によって合成することができる。以下に、代表的な合成経路の一例を示す。
【0097】
【化7】
【0098】
上記合成経路において、1とフェニルボロン酸を、パラジウム触媒の存在下でカップリング反応を行うことにより、2が得られる。2から3の架橋反応は、文献(特許第3835846号公報)に記載の方法などにより行うことができ、水酸化カリウムなどで2をアニオン化したあと、アセトンとの反応で3が得られる。3を2等量のn-ブチルリチウムなどでジアニオン化した後、四塩化ハフニウムとの反応でメタロセン化合物4を得られる。一般的に、4はラセミ体とメソ体の混合物が得られ、精製により触媒性能に優れるラセミ体を濃縮する。また、文献(WO2000/017213)記載の方法などにより、メソ体をラセミ体に異性化し、ラセミ体の収率を向上させることが出来る。ジメチル体5は4を2当量以上のMeMgBrなどで処理することで得ることが出来る。
置換基を導入したメタロセン化合物の合成は、対応した置換原料を使用することにより合成することができ、フェニルボロン酸のかわりに、対応するボロン酸、たとえば4-イソプロピルフェニルボロン酸、3,5-ジメチルフェニルボロン酸などを用いることにより、インデニル環の4位のフェニル基上に(R28-R32、R38-R42)置換基を導入することができる。
架橋基上の置換基が異なるメタロセン化合物の合成は、対応した置換原料を使用することにより合成することができ、アセトンの代わりに対応するケトン類、たとえばシクロブタノン、4-ヘプテノンなどを用いることにより、架橋基上に置換基(R32、R42)を導入することができる。
【0099】
(2)成分(B)
成分(B)としては、一般式(I)で表される、成分(A)と反応してイオン対を形成するホウ素化合物であり、200℃未満の熱分解温度を有する化合物である。このような化合物としてはボラン化合物などを挙げることができる。
【0100】
BR・・・一般式(I)
ぞれ水素原子、フッ素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化[一般式(I)中、Bはホウ素原子、R~Rは同一または異なっていてもよく、それアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数6~20のハロゲン化アリール基、炭
【0101】
素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基または炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基である。]
【0102】
一般式(I)中、好ましくはR,R,Rの少なくとも1つが炭素数6~20のハロゲン化アリール基であり、より好ましくはR,R,Rの少なくとも1つが炭素数6~20のフッ素化アリール基であり、さらに好ましくはR,R,Rが炭素数6~20のフッ素化アリール基である。R,R,Rとして特に好ましい基は、ペンタフルオロフェニル基である。
【0103】
ボラン化合物として具体的に例示すると、トリフェニルボラン、トリ(o-トリル)ボラン、トリ(p-トリル)ボラン、トリ(m-トリル)ボラン、トリ(o-フルオロフェニル)ボラン、トリス(p-フルオロフェニル)ボラン、トリス(m-フルオロフェニル)ボラン、トリス(2,5-ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(4-トリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(2,6-ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニリル)ボラン、トリス(パーフルオロアントリル)ボラン、トリス(パーフルオロビナフチル)ボラン等が挙げられる。
これらの中でも、トリス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(2,6-ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニリル)ボラン、トリス(パーフルオロアントリル)ボラン、トリス(パーフルオロビナフチル)ボランがより好ましく、さらに好ましくはトリス(2,6-ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニリル)ボラン等が挙げられる。
【0104】
(3)成分(C1)
本発明において、触媒活性向上剤として成分(C1)を用いる。成分(C1)は、一般式(II)または一般式(III)で表される化合物である。
【0105】
【化8】
【0106】
[一般式(II)中、R、Rは同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基または炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基であり;
Nに結合する炭素原子は1級炭素であり;
~R10は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基または、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基である。]
【0107】
【化9】
・・・一般式(III)
【0108】
[一般式(III)中、R11、R15は同一または異なっていてもよく、それぞれ炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基または、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基であり;
ピリジン環に結合する炭素原子は1級炭素であり;
12~R14は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基または、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基である。]
【0109】
(一般式(II)で表される化合物)
一般式(II)で表される化合物は、アニリンまたはその誘導体である。芳香環に結合している窒素原子に水素以外の置換基が結合している場合、その置換基は、1級炭素で窒素原子に結合している。
一般式(II)中、好ましくはR,Rが、各々独立して、水素原子または炭素数1~10の1級アルキル基であり、より好ましくはR,Rが、各々独立して、メチル基、エチル基またはn-プロピル基である。
【0110】
~R10は、非置換即ち水素原子であってもよく、先に定義したとおりの水素原子以外の基であってもよい。また、R~R10の置換基のうち少なくとも2つは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。R~R10のうち隣接する2つで環状構造を形成することが好ましい。当該環状構造は、非芳香族であってもよく、芳香族性を有していてもよい。また、R~R10の少なくとも2つで形成される環は、縮合環を更に有し3環以上からなる構造を形成していてもよい。
【0111】
一般式(II)で表される化合物として具体的に例示すると、アニリン、トルイジン、2,6-ジメチルアニリン、1,3,5-トリメチルアニリン、1-ナフチルアミン、2-ナフチルアミン、1-アミノフルオレン、9-アミノフェナンスレンなどの芳香族アミン;N-メチルアニリン、N-エチルアニリン、N-プロピルアニリン、N-メチル-1-ナフチルアミン、N-メチル-2-ナフチルアミンなどの窒素上の水素が1つ置換されたアニリン誘導体;N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジベンジルアニリン、N,N-ジメチル-1-ナフチルアミンなどの窒素上の水素が2つ置換されたアニリン誘導体等が挙げられる。
【0112】
(一般式(III)で表される化合物)
一般式(III)で表される化合物は、ピリジンの誘導体であり、ピリジン環の2および6位が、1級炭素でピリジン環に結合する置換基を有するものである。
一般式(III)中、好ましくはR11,R15が、各々独立して、炭素数1~10の1級アルキル基であり、より好ましくはR11,R15が、各々独立して、メチル基、エチル基または、n-プロピル基である。
【0113】
12~R14は、非置換即ち水素原子であってもよく、先に定義したとおりの水素原子以外の基であってもよい。また、R12~R14の置換基のうち少なくとも2つは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。R12~R14のうち隣接する2つで環状構造を形成することが好ましい。当該環状構造は、非芳香族であってもよく、芳香族性を有していてもよい。また、R12~R14の少なくとも2つで形成される環は、縮合環を更に有し3環以上からなる構造を形成していてもよい。
【0114】
一般式(III)で表される化合物として具体的に例示すると、2,6-ジメチルピリジン;2,6-ジエチルピリジン;2,4,6-トリメチルピリジン;テトラメチルピリジン、1,3-ジメチルイソキノリン;1,3,6-トリメチルイソキノリン等が挙げられる。
【0115】
(4)成分(C2)
本発明において、触媒活性向上剤として成分(C1)の代わりに成分(C2)を用いることができる。成分(C2)は、一般式(IV)または一般式(V)で表される化合物である。
【0116】
【化10】
・・・一般式(IV)
【0117】
[一般式(IV)中、R16、R17は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基または炭素数1~6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基であり;
18、R19は同一または異なっていてもよく、それぞれ炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基または炭素数6~20のアリール基であって、R18、R19は架橋した環状構造を形成している。]
【0118】
【化11】
・・・一般式(V)
【0119】
[一般式(V)中、R20、R21、R22は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基または炭素数6~20のアリール基である。R20、R21、R22は各置換基の任意の位置で架橋した環状構造を形成していても良い。
は炭素数1~10のアルコキシ基または炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基である。]
【0120】
(一般式(IV)で表される化合物)
一般式(IV)で表される化合物は、C=C二重結合を環構造の中に有する環状化合物である。一般式(IV)におけるC=C二重結合と基R18、R19から構成される環構造の中には、当該環構造の任意の二点が架橋されていることが好ましい。特に、ノルボルネン骨格を有することが好ましい。
【0121】
一般式(IV)中、好ましくはR16,R17が、各々独立して、水素原子または炭素数1~10のアルキル基であり、より好ましくはR16,R17が水素原子である。
【0122】
一般式(IV)において環構造の一部をなす基R18、R19は、上記要件を満足するものであれば、任意の構造をとることができる。基R18、R19が一緒になって形成する構造の例としては、エチレン(-CHCH-)、プロピレン(-(CH-)、ブテン(-(CH-)、ペンテン(-(CH-)、ヘキセン(-(CH-)、並びに上記構造のCHのうち任意の二点が、直接結合または炭素数1~10の炭化水素基で架橋された構造などが挙げられる。また、上記構造のうち1点以上のCHが、シクロヘキシレン(-C10-)、フェニレン(-C-)、ナフチレン(-C-)などのアリーレン基を含む2価の環構造で置き換わった構造および上記環構造を含む任意の二点が、直接結合または炭素数1~10の炭化水素基で架橋された構造も同様に、基R18、R19が一緒になって形成する構造の例として挙げることができる。
【0123】
一般式(IV)で表される化合物として具体的に例示すると、ノルボルネン:1,2-ジメチルノルボルネン;7,7-ジメチルノルボルネン;2,5-ノルボルナジエン;シクロヘキセン;1,3-シクロヘキサジエン;シクロヘプテン;フルベン;シクロオクタテトラエン;ビシクロ[2,2,2]オクタ-2-エン;ビシクロ[3,2,1]オクタ-2-エン;ジシクロペンタジエン;2a,3,4,5-テトラヒドロアセナフチレン;3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロインデン;1,2-ジヒドロナフタレン;1,2,3,4,4a,5,6,8a-オクタヒドロナフタレン;1,3a,4,5,6,7,8,8a-オクタヒドロアズレン;α-ピネン、δ-3-カレン、ツジェンなどの複環式モノテルペン等が挙げられる。なお、入手の容易性等から、ノルボルネンまたはその誘導体を用いることが好ましく、ノルボルネンがより好ましい。
【0124】
(一般式(V)で表される化合物)
一般式(V)で表される化合物は、ビニルシランの構造を有する化合物である。シリル基に対応する前記一般式(V)におけるYが、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基であることが好ましい。
【0125】
一般式(V)中、R20、R21、R22は、それぞれ水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~10の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基または炭素数6~20のアリール基である。より好ましくは、前記一般式(V)におけるR20、R21、R22は、それぞれ水素原子である。また、R20、R21、R22は、その任意の2点以上において結合して環を形成していてもよく、架橋結合を有していてもよい。R20、R21、R22のいずれか2つにより環を形成する場合、環を構成する元素には上記一般式(V)の規定を満足する限り酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子が含まれていてもよく、環はC=C二重結合と合わせて芳香環を形成していてもよい。
【0126】
一般式(V)で表される化合物で表される化合物として具体的に例示すると、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリエチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン;trans-1-トリメチルシリル-1-ヘキセン、trans-3-トリメチルシリル-3-ヘキセンなどのアルケン誘導体;1-トリメチルシリルシクロヘキセン、1-トリメチルシリルシクロオクテン、1-トリメチルシリルノルボルネンなどの環状オレフィン;ならびにこれらの幾何異性体が挙げられる。入手・調製の容易性から、トリメチルビニルシランのようなビニルシランまたはその誘導体を用いることが好ましい。
【0127】
上記成分(A)、(B)または(C)に包含される化合物が光学中心を有している場合、あるいは(B)または(C)に包含される化合物が軸不斉を有している場合、それら化合物は、異性体のうちどれか単一の1種であってもよく、ラセミ体など複数種の異性体の混合物であってもよい。
【0128】
(5)触媒の調製法
本発明に係る触媒系の調製法においては、成分(A)、成分(B)および成分(C1)もしくは(A)、(B)および(C2)の接触方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
【0129】
成分(A)、成分(B)および成分(C1)を含む触媒系を用いる場合、成分(A)と成分(B)とのモル比は、好ましくは1:0.05~1:100、より好ましくは1:0.1~1:50、さらに好ましくは1:0.2~1:20の範囲で用いられる。成分(A)と成分(C1)とのモル比は、好ましくは1:0.05~1:100、より好ましくは1:0.1~1:50、さらに好ましくは1:0.2~1:20の範囲で用いられる。この使用比率は、通常の割合例を示すものであって、触媒が本発明の目的に沿うものとなっておれば、上に述べた使用比率の範囲によって、本発明が限定されることにはならない。
【0130】
一方、成分(A)、成分(B)および成分(C2)を含む触媒系を用いる場合、成分(A)と成分(B)とのモル比は、好ましくは1:0.05~1:100、より好ましくは1:0.1~1:50、さらに好ましくは1:0.2~1:20の範囲で用いられる。成分(A)と成分(C2)とのモル比は、好ましくは1:1~1:10000、より好ましくは1:10~1:5000の範囲で用いられる。
【0131】
上記触媒系の使用比率は、通常の割合例を示すものであって、触媒が本発明の目的に沿うものとなっておれば、上に述べた使用比率の範囲によって、本発明が限定されることにはならない。
【0132】
2.エチレン・α-オレフィン共重合体の重合条件
本発明は、上記の触媒系を使用して共重合を行うことにより、太陽電池封止材用のポリエチレン樹脂材料として適したエチレン・α-オレフィン共重合体を製造する。
以下、各重合条件について説明する。
【0133】
(1)重合方法
本発明において、重合方法は、前記一般式(VI)で示されるメタロセン化合物を含む重合用触媒とモノマーが効率よく接触し、オレフィンの重合または共重合を行うことができるならば、特に限定されず、高圧イオン重合法、気相法、溶液法、スラリー法等を用いることができる。
【0134】
本発明において、重合温度は一般的に40~300℃が利用される。
気相重合法、スラリー重合法においては、好ましい重合温度は40~120℃、より好ましくは50~110℃であり、好ましい重合圧力は0.1MPa~10MPa、好ましくは1~5MPaである。
溶液重合において好ましい重合温度は50~170℃、より好ましくは120~170℃であり、好ましい重合圧力は0.1~10MPa、より好ましくは1~5MPaである。
【0135】
高圧イオン重合において好ましい重合温度は125~300℃であり、より好ましくは160~280℃、さらに好ましくは、180~280℃であり、好ましい重合圧力は40~150MPaであり、より好ましくは50~125MPaである。
これらの中でも、架橋特性に係る二重結合量を調整したエチレン・オレフィン共重合体を得るためには高温で重合を行うことが望ましいため、高圧イオン重合法を利用するのが好ましい(「ポリエチレン技術読本」第4章、松浦一雄・三上尚孝 編著、2001年)。
【0136】
(2)その他の条件
また、重合系中に、水分除去を目的とした成分、いわゆるスカベンジャーを加えても、何ら支障なく実施することができる。
なお、かかるスカベンジャーとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物、前記有機アルミニウムオキシ化合物、前記有機アルミニウム化合物をアルコール類またはフェノール類で変性した変性有機アルミニウム化合物、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛などの有機亜鉛化合物、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウムなどの有機マグネシウム化合物、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリドなどのグリニャール化合物などが使用される。これらのなかでは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムが好ましく、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムが特に好ましい。
【0137】
生成重合体の分子量は、重合温度、オレフィンモノマーの濃度、触媒のモル比等の重合条件を変えることにより調節可能である。また、重合反応系に水素や上記スカベンジャー類などを連鎖移動剤として添加することでも効果的に分子量調節を行うことができる。
【0138】
水素濃度、モノマー量、重合圧力、重合温度等の重合条件が互いに異なる2段階以上の段階重合方式にも、支障なく適用することができる。
【0139】
重合方式は、連続重合、回分式重合、または予備重合を行う方法も適用される。また、重合形式の組み合わせは、特に制限はなく、溶液重合2段、バルク重合2段、バルク重合後気相重合、気相重合2段といった様式も可能であり、さらには、それ以上の重合段数で製造することも可能である。
【0140】
3.ポリエチレン樹脂
本発明のポリエチレン樹脂は、エチレンとα-オレフィンの1種以上を共重合してなり、下記(a1)~(a5)の特性を有するエチレン・α-オレフィン共重合体である。
(a1)エチレンに由来する構成単位の含有割合が80~97mol%であるとともに、炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が3~20mol%
(a2)MFR(190℃、21.18N荷重)が0.1~100g/10分
(a3)密度が0.860~0.920g/cm
(a4)温度23℃、印加電圧500Vで測定される体積抵抗率が1.0×1016Ω・cm以上
(a5)樹脂中のホウ素残渣濃度(M)が0<M<1wtppm
本発明のポリエチレン樹脂は、上記特性を満たすことにより、良好な架橋特性および絶縁性を有する。
【0141】
(1)ポリエチレン樹脂のモノマー構成
本発明におけるポリエチレン樹脂は、エチレンから誘導される構成単位を主成分としたエチレンとα-オレフィンのランダム共重合体である。
コモノマーとして用いられるα-オレフィンは、炭素数3~20であり、好ましくは炭素数3~12のα-オレフィンである。具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ヘプテン、4-メチル-ペンテン-1、4-メチル-ヘキセン-1、4,4-ジメチルペンテン-1等を挙げることができる。かかるエチレン・α-オレフィン共重合体の具体例としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1-ブテン共合体、エチレン・1-ヘキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、エチレン・4-メチル-ペンテン-1共重合体等が挙げられる。なかでも、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-ヘキセン共重合体が好ましい。また、α-オレフィンは1種または2種以上の組み合わせでもよい。2種のα-オレフィンを組み合わせて三元共重合体とする場合は、エチレン・プロピレン・1-ヘキセン三元共重合体、エチレン・1-ブテン・1-ヘキセン三元共重合体、エチレン・プロピレン・1-オクテン三元共重合体、エチレン・1-ブテン・1-オクテン三元共重合体等が挙げられる。
コモノマーとして、1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエン、1,7-オクタジエン、1,8-ノナジエン、及び1,9-デカジエン等のジエン化合物を、α-オレフィンに少量配合してもよい。これらのジエン化合物を配合すると、長鎖分岐ができるので、エチレン・α-オレフィン共重合体の結晶性を低下させ、透明性、柔軟性、接着性等が良くなり、分子間の架橋剤ともなるので、機械的強度が増加する。また長鎖分岐の末端基は、不飽和基であるから、有機過酸化物による架橋反応や、酸無水物基含有化合物若しくはエポキシ基含有化合物との共重合反応やグラフト反応を容易におこすことができる。
【0142】
(a1)エチレンおよびα-オレフィン由来構成単位の含有割合
本発明におけるポリエチレン樹脂は、そのα-オレフィンの含有割合が3~20mol%である。この範囲であれば、シート等の柔軟性と架橋後の耐熱性が良好になる。α-オレフィンの含有割合が3mol%を下回ると、ポリエチレンの柔軟性が悪化することがある。一方、20mol%を上回ると、ポリエチレンの軟化点が下がりすぎるため、得られたシート等のブロッキングが悪くなり、取り扱い性に欠けるものとなる。
【0143】
(2)ポリエチレン樹脂の特性
(a2)MFR
本発明におけるポリエチレン樹脂は、MFRが0.1~100g/10分であり、好ましくは1~50g/10分、さらに好ましくは2~40g/10分で ある 。ポリエチレン樹脂のMFRが0.1g/10分未満では、分子量が高すぎて混練時に押出が困難になり、一方、MFRが100g/10分を超えると溶融粘度が低くなりすぎて、取り扱い性に欠けるものとなる。ポリエチレン樹脂のMFRは、JIS-K6922-2:1997附属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定する。
【0144】
(a3)密度
本発明におけるポリエチレン樹脂は、密度が0.860~0.920g/cmであり、好ましくは0.865~0.915g/cm、さらに好ましくは0.870~0.900g/cmである。ポリエチレン樹脂の密度が0.860g/cm未満では、加工後のシートがブロッキングしてしまい、一方、密度が0.920g/cmを超えると加工後のシートの剛性が高すぎて、取り扱い性に欠けるものとなる。
ポリマーの密度を調節するには、例えばα-オレフィン含有量、重合温度、触媒量など適宜調節する方法がとられる。なお、ポリエチレン樹脂の密度は、JIS-K6922-2:1997附属書(低密度ポリエチレンの場合)に準拠して測定する(23℃)。
【0145】
(a4)体積抵抗率
本発明におけるポリエチレン樹脂は、温度23℃、印加電圧500Vで測定される体積抵抗率が1.0×1016Ω・cm以上、好ましくは1.3×1016Ω・cm以上、更に好ましくは1.5×1016Ω・cm以上である。体積抵抗率が1.0×1016Ω・cm以上のポリエチレン樹脂は絶縁性能に優れており、例えば、太陽電池封止材用途では、n型セルを使用した太陽電池モジュールにおいて、PIDの発生を抑制することができる。
【0146】
(a5)ホウ素残渣濃度
本発明におけるポリエチレン樹脂中に含まれるホウ素化合物の残渣の濃度(M)は0<M<1wtppmを満たす。
ホウ素残渣の濃度は、エチレン・α-オレフィン共重合体の重合過程において助触媒として添加するホウ素化合物の種類と、その使用濃度に依存する。ホウ素残渣濃度が上記範囲以下の場合は、エチレン・α-オレフィン共重合体の重合過程におけるホウ素化合物助触媒の濃度が小さく、触媒活性が十分発現しない。一方、ホウ素残渣濃度が上記範囲以上の場合は、絶縁性が悪化する傾向にある。
【0147】
本願発明の特徴は、更に前記のホウ素残渣が、N雰囲気下における重量変化が起こる熱分解温度が200℃未満であるホウ素化合物の被熱履歴物であることにある。すなわち、重合時に助触媒として添加するホウ素化合物として、200℃未満の熱分解温度を有するホウ素化合物を選択し、約180~230℃の重合時の熱履歴を受けた後の被熱履歴物を含有することを意味する。好ましくは180℃未満の熱分解温度を有するホウ素化合物の被熱履歴物である。200℃未満の熱分解温度を有するホウ素化合物を用いることにより、製造時の熱履歴により元のホウ素化合物の化学構造が失われることで、ホウ素による絶縁性の悪化を防ぐ効果が得られる。
【0148】
なお、ホウ素化合物の熱分解温度測定は熱重量分析(TG)で行い、測定条件は次の通りである。
装置:セイコーインスツルメンツ社製 EXSTAR6000・TG/DTA6200
測定温度範囲:30~400℃
昇温速度:10℃/分
サンプル10mgを秤量し、N雰囲気下において上記温度範囲にて昇温し、重量減少が起こる温度を重量変化およびベースラインから測定した。
【0149】
また、ホウ素残渣の濃度(M)は、例えば下記の測定条件により測定することができる。
ポリエチレン樹脂約10gをテフロンTM製容器に採取し、硝酸を加えマイクロウェーブ分解装置にて分解し、分解液を定容し、ICP-MSにて測定する。
装置:Milestone General製 ETHOS One型
Perkin Elmer社製 NexION300S型
【0150】
(a6)融解ピーク
本発明で用いるエチレン・α-オレフィン共重合体は、透明性を必要とする用途に用いられる場合は、示差走査熱量測定(DSC)により測定した最大融解ピークを示す温度よりも20℃以上高い温度に融解ピークを示さないことが好ましい。主成分よりも高融点の成分が存在しないことにより、樹脂中に高結晶成分が存在しないため、透明性が高くなる。最大融解ピークを示す温度よりも20℃以上高い温度に融解ピークを示さないように調整するには、適当な触媒系を選択する方法等によることができる。
【0151】
なお、融解ピークの測定は、示差走査熱量測定(DSC)で行い、測定条件は次の通りである。
装置:セイコーインスツルメンツ社製DSC7020
昇降温条件:第一昇温 30℃~200℃、40℃/分
降温 200℃~-30℃、10℃/分
第二昇温 -30℃~200℃、10℃/分
温度保持時間:第一昇温後5分間、降温後5分間
サンプル量:5mg
温度校正:インジウム
リファレンス:アルミニウム
【0152】
(a7)Z平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比(Mz/Mn)
本発明で用いるエチレン・α-オレフィン共重合体は、透明性を必要とする用途に用いられる場合は、ゲルパーミエーションクロマグラフィー(GPC)により求めたZ平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比(Mz/Mn)が8.0以下であり、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下である。また、Mz/Mnは、2.0以上、好ましくは2.5以上、より好ましくは3.0以上である。ただし、Mz/Mnが8.0を超えると透明性が悪化する。Mz/Mnを所定の範囲に調整するには、適当な触媒系を選択する方法等によることができる。
【0153】
なお、Mz/Mnの測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で行い、測定条件は次の通りである。
装置:ウオーターズ社製GPC 150C型
検出器:MIRAN社製 1A赤外分光光度計(測定波長、3.42μm)
カラム:昭和電工製AD806M/S 3本(カラムの較正は、東ソー製単分散ポリスチレン(A500,A2500,F1,F2,F4,F10,F20,F40,F288の各0.5mg/ml溶液)の測定を行い、溶出体積と分子量の対数値を2次式で近似した。また、試料の分子量は、ポリスチレンとポリエチレンの粘度式を用いてポリエチレンに換算した。ここでポリスチレンの粘度式の係数は、α=0.723、logK=-3.967であり、ポリエチレンはα=0.733、logK=-3.407である。)
測定温度:140℃
濃度:20mg/10mL
注入量:0.2ml
溶媒:オルソジクロロベンゼン
流速:1.0ml/分
【0154】
なお、Z平均分子量(Mz)は、高分子量成分の平均分子量への寄与が大きいので、Mz/Mnは、Mw/Mnに比べて高分子量成分の存在を確認しやすい。高分子量成分は、透明性に影響を与える要因であり、高分子量成分が多いと透明性は悪化する。よって、透明性が必要な用途について、Mz/Mnは小さい方が好ましい。
【0155】
(3)エチレン・α-オレフィン中の二重結合
本発明で用いるエチレン・α-オレフィン共重合体は、二重結合(ビニル、ビニリデン、シス-ビニレン、トランス-ビニレン、三置換-ビニレン)を含む。
本発明においては、エチレン・α-オレフィン共重合体中のビニル、ビニリデン、シス-ビニレン、トランス-ビニレン、三置換-ビニレンの合計量が0.22(個/total 1000C)以上のものが好ましい。ここで、ビニル、ビニリデン、シス-ビニレン、トランス-ビニレン、三置換-ビニレンの個数は、NMRで測定した主鎖、側鎖の合計1000個の炭素数あたりの数である。合計量は、0.25以上がより好ましく、0.30以上がさらに好ましく、0.40以上が特に好ましく、0.50以上が最も好ましい。 二重結合の合計数を調整する方法としては適当な触媒の選択、重合温度、コモノマーの種類を適宜調節する方法などが挙げられる。
これらの基は不飽和結合を有することから、エチレン・α-オレフィン共重合体中に存在することにより、架橋特性を高めることができる。
【0156】
ここで、二重結合数は、H-NMR法によって測定することができる。
ポリマー中のビニル、ビニリデン、シス・トランス-ビニレンの合計、三置換-ビニレンは、H-NMRにより測定し、主鎖及び側鎖合計1000個の炭素あたりの個数で求める。
具体的には化学シフト0.4~2.8ppmの間に現れる飽和アルキル鎖由来のピーク面積と4.7ppm付近のビニリデン由来のピーク面積の比から炭素数1000個当たりのビニリデン数を算出した。なお、ビニルについては4.9ppm付近、三置換ビニレンについては5.2ppm付近、シス及びトランス-ビニレンについては5.4ppm付近の各特性ピークの強度を用いる。
【0157】
4.ポリエチレン樹脂組成物
本発明のポリエチレン樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)は、上記ポリエチレン樹脂および下記有機過酸化物(D)を含有することを特徴とする。
【0158】
(1)成分(D)
本発明における成分(D)の有機過酸化物は、主にポリエチレン樹脂を架橋するために用いられる。
有機過酸化物としては、分解温度(半減期が1時間である温度)が70~180℃、特に90~160℃の有機過酸化物を用いることができる。このような有機過酸化物として、例えば、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキシル-2,5-ジパーオキシベンゾエート、t-ブチルハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p-クロルベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシイソブチレート、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、ジクロヘキサノンパーオキサイドなどが挙げられる。
【0159】
成分(D)の配合割合は、ポリエチレン樹脂を100重量部としたときに、好ましくは0.2~5重量部であり、より好ましくは0.5~3重量部、さらに好ましくは1~2重量部である。成分(D)の配合割合が上記範囲よりも少ないと、架橋しないかまたは架橋に時間がかかる。また、上記範囲よりも大きいと、分散が不十分となり架橋度が不均一になりやすい。
【0160】
(2)ヒンダードアミン系光安定化剤
本発明において、樹脂組成物にはヒンダードアミン系光安定化剤を配合することができる。ヒンダードアミン系光安定化剤は、ポリマーに対して有害なラジカル種を捕捉し、新たなラジカルを発生しないようにするものである。ヒンダードアミン系光安定化剤には、低分子量のものから高分子量のものまで多くの種類の化合物があるが、従来公知のものであれば、特に制限されずに用いることができる。
【0161】
低分子量のヒンダードアミン系光安定化剤としては、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル、1,1-ジメチルエチルヒドロパーオキサイド及びオクタンの反応生成物(分子量737)70重量%とポリプロピレン30重量%からなるもの;ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート(分子量685);ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート及びメチル-1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケート混合物(分子量509);ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート(分子量481);テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート(分子量791);テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート(分子量847);2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレートとトリデシル-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレートの混合物(分子量900);1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレートとトリデシル-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレートの混合物(分子量900)などが挙げられる。
【0162】
高分子量のヒンダードアミン系光安定化剤としては、ポリ[{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}](分子量2,000~3,100);コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールの重合物(分子量3,100~4,000);N,N’,N”,N”’-テトラキス-(4,6-ビス-(ブチル-(N-メチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)-トリアジン-2-イル)-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン(分子量2,286)と上記コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールの重合物の混合物;ジブチルアミン・1,3,5-トリアジン・N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-1,6-ヘキサメチレンジアミンとN-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物(分子量2,600~3,400)、並びに、4-アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-アクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、4-アクリロイルオキシ-1-エチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-アクリロイルオキシ-1-プロピル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-アクリロイルオキシ-1-ブチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-メタクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-メタクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルペリジン、4-メタクリロイルオキシ-1-エチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-メタクリロイルオキシ-1-ブチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-クロトノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-クロトノイルオキシ-1-プロピル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン等の環状アミノビニル化合物とエチレンとの共重合体などが挙げられる。上述したヒンダードアミン系光安定化剤は、一種単独で用いられてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
【0163】
これらの中でも、ヒンダードアミン系光安定化剤としては、ポリ[{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}](分子量2,000~3,100);コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールの重合物(分子量3,100~4,000);N,N’,N”,N”’-テトラキス-(4,6-ビス-(ブチル-(N-メチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)-トリアジン-2-イル)-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン(分子量2,286)と上記コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールの重合物の混合物;ジブチルアミン・1,3,5-トリアジン・N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-1,6-ヘキサメチレンジアミンとN-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物(分子量2,600~3,400)環状アミノビニル化合物とエチレンとの共重合体を用いるのが好ましい。製品使用時に経時でのヒンダードアミン系光安定剤のブリードアウトが妨げられるからである。また、ヒンダードアミン系光安定化剤は、融点が、60℃以上であるものを用いるのが、組成物の作製しやすさの観点から好ましい。
【0164】
本発明において、ヒンダードアミン系光安定化剤の含有量は、前記エチレン・α-オレフィン共重合体100重量部に対して、0.01~2.5重量部とし、好ましくは0.01~1.0重量部、より好ましくは0.01~0.5重量部、さらに好ましくは0.01~0.2重量部、最も好ましくは0.03~0.1重量部とするのがよい。
前記含有量を0.01重量部以上とすることにより安定化への効果が十分に得られ、2.5重量部以下とすることによりヒンダードアミン系光安定化剤の過剰な添加による樹脂の変色を抑えることができる。
また、本発明において、前記有機過酸化物(D)と前記ヒンダードアミン系光安定化剤との重量比を、1:0.01~1:10とし、好ましくは1:0.02~1:6.5とする。これにより、樹脂の黄変を顕著に抑制することが可能となる。
【0165】
(3)架橋助剤
また、本発明の樹脂組成物には架橋助剤を配合することができる。架橋助剤は、架橋反応を促進させ、エチレン・α-オレフィン共重合体の架橋度を高めるのに有効であり、その具体例としては、ポリアリル化合物やポリ(メタ)アクリロキシ化合物のような多不飽和化合物を例示することができる。
より具体的には、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエートのようなポリアリル化合物、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートのようなポリ(メタ)アクリロキシ化合物、ジビニルベンゼンなどを挙げることができる。架橋助剤は、ポリエチレン樹脂100重量部に対し、0~5重量部程度の割合で配合することができる。
【0166】
(4)紫外線吸収剤
本発明の樹脂組成物には、紫外線吸収剤を配合することができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系など各種タイプのものを挙げることができる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクタデシルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-5-クロロベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノンなどを挙げることができる。
【0167】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニル置換ベンゾトリアゾール化合物であって、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-メチル-4-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-メチル-5-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、などを挙げることができる。またトリアジン系紫外線吸収剤としては、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチルオキシ)フェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシルオキシ)フェノールなどを挙げることができる。サリチル酸エステル系としては、フェニルサリチレート、p-オクチルフェニルサリチレートなどを挙げることができる。
これら紫外線吸収剤は、エチレン・α-オレフィン共重合体100重量部に対し0~2.0重量部配合し、好ましくは0.05~2.0重量部、より好ましくは0.1~1.0重量部、さらに好ましくは0.1~0.5重量部、最も好ましくは0.2~0.4重量部配合するのがよい。
【0168】
(5)シランカップリング剤
本発明の樹脂組成物には、樹脂を改質させる目的でシランカップリング剤を用いることができる。
本発明におけるシランカップリング剤としては、例えばγ-クロロプロピルトリメトキシシラン;ビニルトリクロルシラン;ビニルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン;ビニル-トリス-(β-メトキシエトキシ)シラン;γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン;β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン;γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;ビニルトリアセトキシシラン;γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン;γ-アミノプロピルトリメトキシシラン;N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。好ましくは、ビニルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
これらのシランカップリング剤は、エチレン・α-オレフィン共重合体100重量部に対して0~5重量部使用し、好ましくは0.01~4重量部、より好ましくは0.01~2重量部、さらに好ましくは、0.05~1重量部で使用される。
【0169】
(6)他の添加成分
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を著しく損なわない範囲で、他の付加的任意成分を配合することができる。このような任意成分としては、通常のポリオレフィン系樹脂材料に使用される酸化防止剤、結晶核剤、透明化剤、滑剤、着色剤、分散剤、充填剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を挙げることができる。
【0170】
また、本発明の樹脂組成物には、柔軟性等を付与するため、本発明の目的を損なわない範囲で、潤滑油、チーグラー系またはメタロセン系触媒によって重合された結晶性のエチレン・α-オレフィン共重合体および/またはEBR、EPR等のエチレン・α-オレフィンエラストマーもしくはSEBS、水添スチレンブロック共重合体等のスチレン系エラストマー等のゴム系化合物を3~75重量部配合することもできる。さらに、溶融張力等を付与するため、高圧法低密度ポリエチレンを3~75重量部配合することもできる。
【0171】
5.太陽電池封止材及び太陽電池
本発明の太陽電池封止材(以下、単に「封止材」ともいう)は、上記樹脂組成物をペレット化し、あるいはシート化したものである。この太陽電池封止材を用いれば、太陽電池素子を上下の保護材とともに固定することにより太陽電池モジュールを製作することができる。このような太陽電池モジュールとしては、種々のタイプのものを例示することができる。例えば上部透明保護材/封止材/太陽電池素子/封止材/下部保護材のように太陽電池素子の両側から封止材で挟む構成のもの、下部基板保護材の内周面上に形成させた太陽電池素子上に封止材と上部透明保護材を形成させるような構成のもの、上部透明保護材の内周面上に形成させた太陽電池素子、例えばフッ素樹脂系透明保護材上にアモルファス太陽電池素子をスパッタリング等で作成したものの上に封止材と下部保護材を形成させるような構成のものなどを挙げることができる。
【0172】
太陽電池素子としては、特に制限されず、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系、ガリウム-砒素、銅-インジウム-セレン、カドミウム-テルルなどのIII-V族やII-VI族化合物半導体系等の各種太陽電池素子を用いることができる。本発明においては、基板としてガラスを用いたものが好ましい。
【0173】
太陽電池モジュールを構成する上部保護材としては、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂などを例示することができる。また、下部保護材としては、金属や各種熱可塑性樹脂フィルムなどの単体もしくは多層のシートであり、例えば、錫、アルミ、ステンレススチールなどの金属、ガラス等の無機材料、ポリエステル、無機物蒸着ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィンなどの1層もしくは多層の保護材を例示することができる。このような上部及び/又は下部の保護材には、封止材との接着性を高めるためにプライマー処理を施すことができる。本発明においては、上部保護材としてガラスが好ましい。
【0174】
本発明の太陽電池封止材は、ペレットとして使用してもよいが、通常、0.1~1mm程度の厚みのシート状に成形して使用される。0.1mmよりも薄いと強度が小さく、接着が不十分となり、1mmよりも厚いと透明性が低下して問題になる場合がある。好ましい厚さは、0.1~0.8mmである。
【0175】
シート状太陽電池封止材は、T-ダイ押出機、カレンダー成形機などを使用する公知のシート成形法によって製造することができる。例えばエチレン・α-オレフィン共重合体に、架橋剤を添加し、必要に応じて、ヒンダードアミン系光安定化剤、さらには架橋助剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の添加剤を予めドライブレンドしてT-ダイ押出機のホッパーから供給し、80~150℃の押出温度において、シート状に押出成形することによって得ることができる。これらドライブレンドに際して、一部または全部の添加剤は、マスターバッチの形で使用することができる。またT-ダイ押出やカレンダー成形において、予め非晶性α-オレフィン系共重合体に一部または全部の添加剤を、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて溶融混合して得た樹脂組成物を使用することもできる。成形されたシートは、容易に保管および輸送するために紙管に巻き取られるが、このときにシート同士が密着(ブロッキングが発生)することがある。ブロッキングが発生してしまうと、次の工程でシートを繰り出して使用する際に、安定して繰り出すことができず、生産性が低下してしまう 。そのため、シート表面を荒らす、または凹凸構造を作製することで、ブロッキングを回避することが一般的に行われている。
【0176】
太陽電池モジュールを製造するに当たっては、本発明の封止材のシートを予め作っておき、封止材の樹脂組成物が溶融する温度、例えば150~200℃で圧着するという方法によって、前記のような構成のモジュールを形成することができる。また本発明の封止材を押出コーティングすることによって太陽電池素子や上部保護材あるいは下部保護材と積層する方法を採用すれば、わざわざシート成形することなく一段階で太陽電池モジュールを製造することが可能である。したがって本発明の封止材を使用すれば、モジュールの生産性を格段に改良することができる。
【0177】
一方、太陽電池モジュールを製造する際、有機過酸化物が実質的に分解せず、かつ本発明の封止材料が溶融するような温度で、太陽電池素子や保護材に該封止材を仮接着し、次いで昇温して充分な接着とエチレン・α-オレフィン共重合体の架橋を行うこともできる。この場合は、封止材層の融点(DSC法)が85℃以上、150℃の貯蔵弾性率が103Pa以上の耐熱性が良好な太陽電池モジュールを得るために、封止材層におけるゲル分率(試料1gをキシレン100mlに浸漬し、110℃、24時間加熱した後、400メッシュ金網で濾過し未溶融分の質量分率を測定)が50~98%、好ましくは70~95%程度になるように架橋するのがよい。
【0178】
太陽電池素子の封止作業では、太陽電池素子を上記本発明の封止材でカバーした後、有機過酸化物が分解しない程度の温度に数分から10分程度加熱して仮接着し、次に、オーブン内において有機過酸化物が分解する150~200℃程度の高温で5分から30分間加熱処理して接着させる等の方法がある。
【実施例
【0179】
以下、本発明を実施例によって、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例、比較例で用いた評価方法及び使用樹脂は、以下の通りである。
【0180】
1.樹脂物性の評価方法
(1)メルトフローレート(MFR)
前述の通り、エチレン・α-オレフィン共重合体のMFRは、JIS-K6922-2:1997附属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定した。
(2)密度
前述の通り、エチレン・α-オレフィン共重合体の密度は、JIS-K6922-2:1997附属書(23℃、低密度ポリエチレンの場合)に準拠して測定した。
(3)Mz/Mn
前述の通り、GPCにより測定した。
(4)融解ピーク
前述の通り、DSCにより測定した。
【0181】
(5)体積抵抗率
厚み0.7mmのプレスシートを10cm×10cmのサイズに裁断し、IEC60093に準拠し、次の条件にて測定した 。
装置:エーディーシー社製 微小電流計R8340A
エーディーシー社製 測定チャンバー12704A
温度:23℃
印加電圧:500V
【0182】
(6)ホウ素残渣濃度
ポリエチレン樹脂約10gをテフロン製容器に採取し、硝酸を加えマイクロウェーブ分解装置にて分解した。分解液を定容し、ICP-MSにて測定した。
装置:Milestone General製 ETHOS One型
Perkin Elmer社製 NexION300S型
【0183】
(7)コモノマー量および二重結合数
コモノマー量は、13C-NMRにより、二重結合数(ビニル、ビニリデン、シス・トランス-ビニレンの合計、三置換-ビニレン)は、H-NMRにより、次の条件で測定し、主鎖及び側鎖の合計1000個の炭素あたりの個数で求めた。
装置:ブルカー・バイオスピン(株)AVANCE III cryo-400MHz
溶媒:o-ジクロロベンゼン/重化ブロモベンゼン=8/2混合溶液
<試料量>
460mg/2.3ml
13C-NMR>
Hデカップル、NOEあり
・積算回数:256scan
・フリップ角:90°
・パルス間隔20秒・AQ(取り込み時間)=5.45s D1(待ち時間)=14.55s
H-NMR>
・積算回数:1400scan
・フリップ角:1.03°
・AQ(取り込み時間)=1.8s D1(待ち時間)=0.01s
【0184】
2.押出成形物(シート)の評価方法
(1)HAZE
厚み0.7mmのプレスシートを用いて、JIS-K7136-2000に準拠して測定した。流動パラフィン(関東化学製)で満たしたセルにプレスシート片をセットし測定した。プレスシートは、150℃の条件で熱プレス機に30分間保管し、架橋させ準備した。HAZE値は、小さいほど良い。
【0185】
(2)光線透過率
厚み0.7mmのプレスシートを用いて、JIS-K7361-1-1997に準拠して測定した。流動パラフィン(関東化学製)で満たしたセルにプレスシート片をセットし測定した。プレスシートは、150℃の条件で熱プレス機に30分間保管し、架橋させ準備した。光線透過率は、80%以上であり、好ましくは、85%以上、さらに好ましくは90%以上である。
【0186】
(3)架橋特性・耐熱性(ゲル分率30分/%)
得られたペレットを、150℃-0kg/cmの条件で、1分予熱した後、150℃-100kg/cmの条件で29分加圧(150℃で30分間プレス成形)し、その後、30℃に設定された冷却プレスに100kg/cmの加圧の条件で、10分間冷却することで、厚み0.7mmの架橋済シートを作製した。厚み0.7mmのシートのゲル分率で評価した。ゲル分率が高いほど架橋が進行しており、耐熱性が高いと評価できる。ゲル分率が70wt%以上のものを、耐熱性評価「○」とした。尚、ゲル分率は、当該シートを、約1gを切り取り精秤して、キシレン100ccに浸漬し110℃で24時間処理し、ろ過後残渣を乾燥し精秤して、処理前の重量で割りゲル分率を算出する。
【0187】
3.ポリエチレン樹脂の製造
(1)成分(A):メタロセン化合物の合成
【0188】
・メタロセン化合物a:シクロブチリデンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウムの合成
【0189】
【化12】
・・・一般式(VII)
【0190】
(i)4-フェニル-インデンの合成
【0191】
特開2008-101034号公報記載の方法に従って合成した。
【0192】
(ii)1,1-ビス(4-フェニル-インデン-1-イル)シクロブタンの合成
500mLのガラス製反応容器に、4-フェニル-インデン22.4g(116mmol)、1,2-ジメトキシエタン(DME)150mL,水酸化カリウム13.0g(233mmol)を加え、90℃で1時間加熱還流した。反応液を0℃に冷却し、シクロブタノン4.00g(57.2mmol)を加えた後、90℃で10時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、蒸留水200mLを加えた後、分液ロートに移して酢酸エチルで3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧で留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、石油エーテル)で精製することで、1,1-ビス(4-フェニル-インデン-1-イル)シクロブタンを薄黄色固体として10.0g得た(収率40%)。
H-NMR(400MHz,CDCl):δ7.51(dd,4H),7.46-7.39(m,6H),7.36-7.22(m,2H),7.24(t,2H),7.14(dd,2H),6.07(t,2H),3.49(d,4H),2.78(t,4H),2.11(quint,2H).
【0193】
(iii)ラセミ-シクロブチリデンビス(4-フェニル-1-インデニル)ハフニウムジクロリドの合成
300mLのガラス製反応容器に、1,1-ビス(4-フェニル-インデン-1-イル)シクロブタン4.37g(10.0mmol)、ジエチルエーテル100mLを加え、ドライアイス-ヘプタン浴で-70℃まで冷却した。ここに1.59mol/Lのn-ブチルリチウム-n-ヘキサン溶液12.8mL(20.4mmol)を滴下し、室温で4時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧で留去し、トルエン100mLを加え、ドライアイス-ヘプタン浴で-70℃まで冷却した。そこに、四塩化ハフニウム3.20g(10.0mmol)を加えた。その後、徐々に室温に戻しながら17時間撹拌した。このときのラセミ体とメソ体の生成比率は48:52であった。
反応液の溶媒を減圧で留去し、そこにDME26mLを加えて、60℃で5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、ガラスフリットでろ過し、固体をDME3mLで2回洗浄した。得られた粗成生物をジクロロメタン150mLで抽出し、セライトろ過した後、溶媒を減圧留去することでラセミ-1,1-シクロブチリデンビス(4-フェニル-インデニル)ハフニウムジクロリドのラセミ体を橙色固体として4.84g得た(収率71%)。
H-NMR(400MHz,C):δ7.57(d,4H),7.52(d,2H),7.42(t,4H),7.35(t,2H),7.27(d,2H),7.09(dd,2H),6.66(d,2H),6.07(d,2H),3.60(quartet,2H),3.17(quartet,2H),2.49(quintet,2H).
【0194】
(iv)ラセミ-シクロブチリデンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウムの合成
100mLのガラス製反応容器に、1,1-シクロブチリデンビス(4-フェニル-インデニル)ハフニウムジクロリド1.50g(2.19mmol)、トルエン60mLを加えた。ここに3.0mol/Lの臭化メチルマグネシウム-ジエチルエーテル溶液6.55mL(19.7mmol)を室温で滴下した後、80℃で5時間攪拌した。反応液を氷浴で0℃に冷却した後、クロロトリメチルシラン2.4mL(19.0mmol)を加え、室温で30分攪拌し、続けて1,4-ジオキサン5.0mL(58.4mmol)を加え、室温でさらに30分攪拌した。懸濁液をセライトろ過した後、溶媒を減圧で留去した。得られた黄色固体をヘキサン5mLで懸濁し、ガラスフリットでろ過し、固体をさらに5mLのヘキサンで2回洗浄することで、ラセミ-シクロブチリデンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウムのラセミ体を黄色固体として1.37g得た(収率97%)。
H-NMR(400MHz,C):δ7.70(dd,4H),7.23(t,4H),7.18-7.08(m,6H),6.80(dd,2H),6.78(d,2H),5.52(d,2H),3.05(quartet,2H),2.60(quartet,2H),2.07(quintet,2H),-1.02(s,6H)
【0195】
・メタロセン化合物b:ジメチルシリレンビスインデニルハフニウムジメチルの合成
特開平10-218921号公報に記載された方法で調製した。
【0196】
【化13】
・・・一般式(VIII)
(2)エチレン・α-オレフィン共重合体の製造
【0197】
下記製造方法により製造したエチレン・α-オレフィン共重合体(PE-1~PE-5
【0198】
)を実施例、PE-6~PE-13を比較例として用いた。物性を表1に示す。
【0199】
(i)PE-1の重合方法
・触媒溶液の調製
メタロセン化合物a(シクロブチリデンビス(4-フェニル-1-インデニル)ジメチルハフニウム)をトルエンに溶解して0.04mol/Lになるよう触媒溶液Aを調製した。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(熱分解温度:166℃;熱重量分析(TG)のグラフを図1に示す。)と活性向上剤のN,N-ジメチルアニリンをそれぞれ0.04mol/L、0.06mol/Lの濃度になるようにトルエン中で接触させ触媒溶液Bを調製した。
・連続高圧イオン重合
十分に乾燥し、窒素で置換した5.0Lのステンレス製オートクレーブ反応器(攪拌装置付)中で、約80MPaの重合圧力でかつ213℃で連続的に重合を行った。重合系には原料ガス55kg/h(エチレン:51.9wt%、プロピレン:25.2wt%、1-ヘキセン:22.9wt%)を供給し、圧力調整弁で重合圧力を制御した。また、スカベンジャーとして15g/Lに調製したトリ(n-オクチル)アルミニウム/ヘプタン溶液を0.07L/hで連続的に供給した。そこへ触媒溶液Aと触媒溶液Bを配管中で混合しながら重合系に連続供給することにより重合を行った。メタロセン化合物と助触媒の供給速度は、重合系が所定の温度になる速度に調節した。重合結果は表1に記載した。
【0200】
(ii)PE-2の重合方法
活性向上剤にN,N-ジエチルアニリンを用い、重合温度を220℃に変えた以外はPE-1と同様の重合を行い、PE-2を得た。重合結果は表1に記載した。
【0201】
(iii)PE-3の重合方法
活性向上剤に2,6-ジメチルピリジンを用い、重合温度を235℃に変えた以外はPE-1と同様の重合を行い、PE-3を得た。重合結果は表1に記載した。
【0202】
(iv)PE-4の重合方法
活性向上剤にトリメチルビニルシランを用い、重合温度を240℃に変えた以外はPE-1と同様の重合を行い、PE-4を得た。重合結果は表1に記載した。
【0203】
(v)PE-5の重合方法
活性向上剤に2-ノルボルネンを用い、重合温度を245℃、原料ガスの組成をエチレン:52.8wt%、プロピレン:32.9wt%、1-ヘキセン:14.3wt%に変えた以外はPE-1と同様の重合を行い、PE-5を得た。重合結果は表1に記載した。
【0204】
(vi)PE-6の重合方法
重合温度を230℃、原料ガスの組成をエチレン:50.9wt%、プロピレン:16.4wt%、1-ヘキセン:32.7wt%に変えた以外はPE-1と同様の重合を行い、PE-6を得た。重合結果は表1に記載した。
【0205】
(vii)PE-7の重合方法
重合温度を230℃、原料ガスの組成をエチレン:50.0%、プロピレン:50.0wt%に変えた以外はPE-1と同様の重合を行い、PE-7を得た。重合結果は表1に記載した。
【0206】
(viii)PE-8の重合方法
PE-1の活性向上剤N,N-ジメチルアニリンを使用せず、重合温度を240℃にしてPE-1と同様の重合を行い、PE-8を得た。重合結果は表1に記載した。
【0207】
(ix)PE-9の重合方法
PE-1の活性向上剤N,N-ジメチルアニリンの代わりにピリジンを用いたところ、重合活性はなくポリマーは得られなかった。
【0208】
(x)PE-10の重合方法
PE-1の活性向上剤N,N-ジメチルアニリンの代わりに2,6-ジ-t-ブチルピリジンを用いたところ、重合活性はなくポリマーは得られなかった。
【0209】
(xi)PE-11の重合方法
PE-1の活性向上剤N,N-ジメチルアニリンの代わりにN-メチルピロールを用い、重合温度を240℃にした以外はPE-1と同様の重合を行い、PE-11を得た。重合結果は表1に記載した。
【0210】
(xii)PE-12の重合方法
PE-1の活性向上剤N,N-ジメチルアニリンの代わりにN,N-ジドデシルメチルアミンを用い、重合温度を240℃にした以外はPE-1と同様の重合を行い、PE-12を得た。重合結果は表1に記載した。
【0211】
(xiii)PE-13の重合方法
PE-1の活性向上剤N,N-ジメチルアニリンの代わりに1-ヘキセンを用い、重合温度を230℃にした以外はPE-1と同様の重合を行い、PE-13を得た。重合結果は表1に記載した。
【0212】
(xiv)PE-14の重合方法
ホウ素化合物をN,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(熱分解温度:263℃)に変え、重合温度を220℃に変えた以外はPE-1と同様の重合を行い、PE-14を得た。重合結果は表1に記載した。
【0213】
(xv)PE-15の重合方法
ホウ素化合物をN,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(熱分解温度:263℃)に変え、活性向上剤を使用せず、重合温度を220℃に変えた以外はPE-1と同様の重合を行い、PE-15を得た。重合結果は表1に記載した。
【0214】
(xvi)PE-16の重合方法
メタロセン化合物aをメタロセン化合物b(ジメチルシリレンビスインデニルハフニウムジメチル)に変え、重合温度を215℃に変えた以外はPE-1と同様の重合を行い、PE-16を得た。重合結果は表1に記載した。
【0215】
(xvii)PE-17の重合方法
メタロセン化合物aをメタロセン化合物b(ジメチルシリレンビスインデニルハフニウムジメチル)に変え、活性向上剤を使用せず、重合温度を215℃に変えた以外はPE-1と同様の重合を行い、PE-17を得た。重合結果は表1に記載した。
【0216】
(3)有機過酸化物:t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート(アルケマ吉富社製、ルペロックスTBEC)
(4)ヒンダードアミン系光安定剤:コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールの重合物(BASF社製、TINUVIN 622LD)
(5)紫外線吸収剤:2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン(サンケミカル社製、CYTEC UV531)
(6)シランカップリング剤:γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM503)
(7)酸化防止剤:n-オクタデシル-3-(3‘,5’-ジ-t-ブチル-4‘-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(BASF社製、IRGANOX1076)
【0217】
(実施例1)
ポリエチレン樹脂(PE-1)100重量部に対して、有機過酸化物として、t-ブチルパーオキシ-2-エチルへキシルカーボネイト(アルケマ吉富社製、TBEC)を1.0重量部、ヒンダードアミン系光安定化剤として、コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールの重合物(BASF社製、TINUVIN 622LD)0.05重量部、紫外線吸収剤として、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン(サンケミカル社製 CYTEC UV531)0.3重量部、シランカップリング剤として、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM503)0.3重量部、酸化防止剤として、n-オクダデシル-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(BASF社製 IRGANOX1076)0.025重量部を配合した。これを十分に混合し、40mmφ単軸押出機を用いて設定温度100℃、押出量(17kg/時)の条件でペレット化した。
得られたペレットを、150℃-0kg/cmの条件で、3分予熱した後、150℃-100kg/cmの条件で27分加圧(150℃で30分間プレス成形)し、その後、30℃に設定された冷却プレスに100kg/cmの加圧の条件で、10分間冷却することで、厚み0.7mmの架橋済みシート を作製した。シートのHAZE、光線透過率、耐熱性、機械的強度を測定、評価した。
また、ポリエチレン樹脂(PE-1)のDSCのグラフを図2に示す。
【0218】
(実施例2)
実施例1において、PE-1に替えて、PE-2を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表1に示す。
【0219】
(実施例3)
実施例1において、PE-1に替えて、PE-3を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表1に示す。
【0220】
(実施例4)
実施例4において、PE-1に替えて、PE-4を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表1に示す。
【0221】
(実施例5)
実施例5において、PE-1に替えて、PE-5を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表1に示す。
【0222】
(実施例6)
実施例6において、PE-1に替えて、PE-6を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表1に示す。
【0223】
(実施例7)
実施例7において、PE-1に替えて、PE-7を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表1に示す。
【0224】
(比較例1)
比較例1において、PE-1に替えて、PE-8を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表2に示す。
【0225】
(比較例2)
比較例2において、PE-1に替えて、PE-9を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表2に示す。
【0226】
(比較例3)
比較例3において、PE-1に替えて、PE-10を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表2に示す。
【0227】
(比較例4)
比較例4において、PE-1に替えて、PE-11を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表2に示す。
【0228】
(比較例5)
比較例5において、PE-1に替えて、PE-12を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表2に示す。
【0229】
(比較例6)
比較例6において、PE-1に替えて、PE-13を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表2に示す。
【0230】
(比較例7)
比較例7において、PE-1に替えて、PE-14を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表2に示す。
【0231】
(比較例8)
比較例8において、PE-1に替えて、PE-15を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表2に示す。
【0232】
(比較例9)
比較例9において、PE-1に替えて、PE-16を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表2に示す。
【0233】
(比較例10)
比較例10において、PE-1に替えて、PE-17を用いた以外は、実施例1と同様にシートを作製した。評価結果を表2に示す。
また、PE-17のDSCのグラフを図2に示す。
【0234】
【表1】
【0235】
【表2】
【0236】
(評価)
この結果、表1から明らかなように、実施例1~7では、本発明のポリエチレン樹脂組成物を用いているために、これを押出成形して得られたシートは、架橋特性がよくHAZEが小さく、光線透過率が大きく、耐熱性に優れており、漏れ電流を抑制している。
これに対して、比較例1、4~6では、触媒活性が低く、ホウ素残渣濃度が高い結果となった。比較例2,3では触媒活性が低すぎて求める重合体が殆ど得られなかった。比較例7、8では、触媒活性、架橋特性、透明性、耐熱性は良いものの、ポリエチレン樹脂の体積抵抗率が低いことから漏れ電流が発生する結果となった。比較例9、10では、架橋特性、耐熱性が良く、体積抵抗率が高いものの、融解ピークが2つあることから透明性が低い結果となった。
【産業上の利用可能性】
【0237】
本発明のポリエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂組成物は高い絶縁性および、架橋特性が良く高い耐熱性を持ち、しかも透明性に優れるので架橋用樹脂組成物や太陽電池封止材として好ましく利用される。
図1
図2