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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】透析装置監視システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/14 20060101AFI20230816BHJP
   A61M 1/16 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
A61M1/14 100
A61M1/16 111
A61M1/14 110
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019080152
(22)【出願日】2019-04-19
(65)【公開番号】P2020174958
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】京仲 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】永井 翔
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-155733(JP,A)
【文献】特開2014-004194(JP,A)
【文献】特開2005-333347(JP,A)
【文献】特開2013-220191(JP,A)
【文献】特許第6492221(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/14
A61M 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の透析装置に1対1で対応するように設けられて該複数の透析装置の各々の状態に応じた色で発光する複数の発光部の各々に、1対1で対応するように取り付けられ、前記複数の発光部の各々の発光状態を検出する複数の発光検出部と、
前記複数の発光検出部の各々に1対1で対応するように設けられ、前記複数の発光検出部の各々が特定の発光状態を検出した際に検出信号を送信する複数の通信部と、
前記複数の通信部の各々から送信された前記検出信号を受信可能な複数の携帯端末とを備え、
前記複数の携帯端末の各々は、前記検出信号を受信することにより、振動するとともに、前記複数の発光部のうちの前記特定の発光状態となっている発光部に対応する透析装置を特定する表示画面を表示し、
前記複数の発光部は、警告灯である、透析装置監視システム。
【請求項2】
前記表示画面には、特定されている前記透析装置に対処に行くことを応答するための応答入力部が設けられており、
前記複数の携帯端末の各々は、前記応答入力部から入力信号を受けることにより、応答信号を発信し、
前記複数の通信部のうち、特定されている前記透析装置に設けられている通信部は、前記応答信号を受信することにより、前記検出信号の送信を停止する、請求項1に記載の透析装置監視システム。
【請求項3】
前記複数の通信部の各々は、前記検出信号を送信開始した時点から設定時間が経過した時点までの間に前記応答信号を受信していない場合、前記複数の携帯端末の各々に音を発生させる発音信号を送信する、請求項2に記載の透析装置監視システム。
【請求項4】
前記複数の通信部および前記複数の携帯端末は、無線通信によって互いに送受信可能に構成されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の透析装置監視システム。
【請求項5】
前記複数の通信部と前記複数の携帯端末との間の通信を中継する中継器をさらに備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の透析装置監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透析装置監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
警報表示器監視システムの構成を開示した先行文献として、特開2007-10879号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された警報表示器監視システムは、警報表示器と、警報音発生手段と、警報音検知手段と、撮影手段と、表示部認識手段と、表示情報再現手段と、関連情報表示手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-10879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された警報表示器監視システムにおいては、警報音の検知を動作の開始条件としている。透析装置に警報音発生部が設けられている場合、警報音が騒音となって透析患者のストレスになる場合がある。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、騒音の発生を抑制しつつ複数の透析装置の状態を監視することができる、透析装置監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づく透析装置監視システムは、複数の発光検出部と、複数の通信部と、複数の携帯端末とを備える。複数の透析装置に1対1で対応するように、複数の発光部が設けられている。複数の発光検出部は、複数の透析装置の各々の状態に応じた色で発光する複数の発光部の各々に、1対1で対応するように取り付けられ、複数の発光部の各々の発光状態を検出する。複数の通信部は、複数の発光検出部の各々に1対1で対応するように設けられ、複数の発光検出部の各々が特定の発光状態を検出した際に検出信号を送信する。複数の携帯端末は、複数の通信部の各々から送信された上記検出信号を受信可能に構成されている。複数の携帯端末の各々は、上記検出信号を受信することにより、振動するとともに、複数の発光部のうちの特定の発光状態となっている発光部に対応する透析装置を特定する表示画面を表示する。
【0007】
本発明の一形態においては、上記表示画面には、特定されている透析装置に対処に行くことを応答するための応答入力部が設けられている。複数の携帯端末の各々は、応答入力部から入力信号を受けることにより、応答信号を発信する。複数の通信部のうち、特定されている透析装置に設けられている通信部は、上記応答信号を受信することにより、上記検出信号の送信を停止する。
【0008】
本発明の一形態においては、複数の通信部の各々は、上記検出信号を送信開始した時点から設定時間が経過した時点までの間に上記応答信号を受信していない場合、複数の携帯端末の各々に音を発生させる発音信号を送信する。
【0009】
本発明の一形態においては、複数の通信部および複数の携帯端末は、ブルートゥース(登録商標)規格による無線通信によって互いに送受信可能に構成されている。
【0010】
本発明の一形態においては、複数の通信部と複数の携帯端末との間の通信を中継する中継器をさらに備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、騒音の発生を抑制しつつ複数の透析装置の状態を監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムが設けられた透析室内において、複数の透析装置が配置された状態を示す平面図である。
図2】本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムにおいて透析装置の周囲に配置される構成を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムに含まれる発光検出部および通信部の配置を示す側面図である。
図4】本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムの動作を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムに含まれる携帯端末が検出信号を受信した状態を示す正面図である。
図6】本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムに含まれる携帯端末が発音信号を受信した状態を示す正面図である。
図7】本発明の実施形態2に係る透析装置監視システムが設けられた透析室内において、複数の透析装置が配置された状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の各実施形態に係る透析装置監視システムについて図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0014】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムが設けられた透析室内において、複数の透析装置が配置された状態を示す平面図である。図2は、本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムにおいて透析装置の周囲に配置される構成を示す斜視図である。図3は、本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムに含まれる発光検出部および通信部の配置を示す側面図である。
【0015】
図1,2に示すように、透析室1内において、患者が位置するベッド4とベッド4の隣に配置された透析装置5とからなる複数の透析ユニットが、複数の列をなすように配置されている。透析室1内に、後述するように携帯端末を所持している医療従事者2が配置されている。なお、透析室1内における透析ユニットの配置は、上記に限られない。
【0016】
図1図3に示すように、本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムは、複数の発光検出部7と、複数の通信部8と、複数の携帯端末とを備える。複数の透析装置に1対1で対応するように、複数の発光部6が設けられている。複数の発光部6の各々は、複数の透析装置5の各々の状態に応じた色で発光する。
【0017】
発光部6は、いわゆるパトランプである。発光部6は、たとえば、透析装置5が正常状態であるときは緑色に発光し、透析装置5が異常状態であるときは赤色に発光し、患者が医療従事者2を呼び出したときは黄色に発光し、透析が終了したときは青色に発光する。
【0018】
複数の発光検出部7は、複数の発光部6の各々に1対1で対応するように取り付けられている。複数の発光検出部7は、複数の発光部6の各々の発光状態を検出する。複数の発光検出部7の各々は、外光の検出を抑制するため、外側を覆われた状態で、対応する発光部6に密着するように取り付けられている。
【0019】
複数の発光検出部7の各々は、光センサおよび制御部を有している。光センサとしては、たとえば、硫化カドミウムセルなどのフォトレジスタを含んでいる。制御部としては、たとえば、Arduino(登録商標)M0などのマイコンボードを含んでいる。
【0020】
複数の通信部8は、複数の発光検出部7の各々に1対1で対応するように設けられている。具体的には、通信部8は、パトランプのポールに取り付けられており、配線によって発光検出部7と電気的に接続されている。複数の通信部8は、複数の発光検出部7の各々が特定の発光状態を検出した際に検出信号を送信する。
【0021】
本実施形態においては、発光検出部7が発光部6の赤色の発光状態を検出した際に、この発光検出部7に配線で接続されている通信部8が検出信号を送信する。なお、発光検出部7が発光部6の黄色または青色の発光状態を検出した際に、この発光検出部7に配線で接続されている通信部8が他の検出信号を送信してもよい。すなわち、通信部8は、透析装置5の異常を検出した際と、患者が医療従事者2を呼び出した際と、透析が終了した際とにおいて、互いに異なる検出信号を送信してもよい。
【0022】
複数の医療従事者2の各々は、携帯端末を所持している。複数の医療従事者2が所持している、複数の携帯端末は、複数の通信部8の各々から送信された上記検出信号を受信可能に構成されている。本実施形態においては、複数の通信部8および複数の携帯端末は、ブルートゥース(登録商標)規格による無線通信によって互いに送受信可能に構成されている。なお、複数の通信部8および複数の携帯端末は、他の通信規格による無線通信によって互いに送受信する構成であってもよい。
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る透析装置監視システムの動作について説明する。
図4は、本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムの動作を示すフローチャートである。図4に示すように、本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムにおいては、発光検出部7が発光部6の特定の発光状態を検出する(工程S1)。特定の発光状態を検出した発光検出部7に対応する通信部8から検出信号が送信される(工程S2)。
【0024】
図5は、本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムに含まれる携帯端末が検出信号を受信した状態を示す正面図である。図4および図5に示すように、複数の携帯端末3の各々は、上記検出信号を受信することにより、振動するとともに、複数の発光部6のうちの特定の発光状態となっている発光部6に対応する透析装置5を特定する表示画面3Sを表示する(工程S3)。図5においては、異常状態になっている透析装置として、No.1の透析装置が特定されている。
【0025】
図5に示すように、表示画面3Sには、特定されている透析装置に対処に行くことを応答するための応答入力部3Rが設けられている。また、表示画面3Sには、特定されている透析装置に対処に行くことができないことを入力するための保留入力部3Nが設けられている。
【0026】
複数の携帯端末3の各々は、応答入力部3Rから入力信号を受けることにより、応答信号を発信する。複数の携帯端末3の各々は、保留入力部3Nから入力信号を受けることにより、保留信号を発信する。
【0027】
複数の通信部8のうち、表示画面3Sに特定されている透析装置5に設けられている通信部8は、上記応答信号を受信することにより、上記検出信号の送信を停止する。複数の通信部8のうち、表示画面3Sに特定されている透析装置5に設けられている通信部8は、上記保留信号を受信した場合も含めて上記応答信号を受信するまで、上記検出信号の送信を維持する。
【0028】
すなわち、図4に示すように、上記検出信号を発信している通信部8は、携帯端末3から発信された応答信号を受信したかどうかを判断する(工程S4)。応答信号を受信した場合、上記検出信号を発信している通信部8は、検出信号の送信を停止する(工程S5)。
【0029】
複数の通信部8の各々は、上記検出信号を送信開始した時点から設定時間が経過した時点までの間に上記応答信号を受信していない場合、複数の携帯端末3の各々に音を発生させる発音信号を送信する。
【0030】
すなわち、図4に示すように、応答信号を受信していない場合、上記検出信号を発信している通信部8は、検出信号を送信開始した時点から設定時間経過したかどうかを設定時間経過するまで繰り返し判断する(工程S6)。設定時間経過している場合、上記検出信号を発信している通信部8は、複数の携帯端末3の各々に発音信号を送信する(工程S7)。
【0031】
図6は、本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムに含まれる携帯端末が発音信号を受信した状態を示す正面図である。図4および図6に示すように、複数の携帯端末3の各々は、上記発音信号を受信することにより、発音するとともに、複数の発光部6のうちの特定の発光状態となっている発光部6に対応する透析装置5を特定する表示画面3Sを表示する(工程S8)。
【0032】
複数の通信部8のうち、表示画面3Sに特定されている透析装置5に設けられている通信部8は、上記応答信号を受信することにより、上記発音信号の送信を停止する。複数の通信部8のうち、表示画面3Sに特定されている透析装置5に設けられている通信部8は、上記保留信号を受信した場合も含めて上記応答信号を受信するまで、上記発音信号の送信を維持する。
【0033】
すなわち、図4に示すように、上記発音信号を発信している通信部8は、携帯端末3から発信された応答信号を受信したかどうかを判断する(工程S9)。応答信号を受信した場合、上記発音信号を発信している通信部8は、発音信号の送信を停止する(工程S10)。
【0034】
上記のように、本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムにおいては、複数の携帯端末3の各々は、上記検出信号を受信することにより、振動するとともに、複数の発光部6のうちの特定の発光状態となっている発光部6に対応する透析装置5を特定する表示画面3Sを表示する。これにより、騒音の発生を抑制しつつ医療従事者2に異常発生している透析装置5を知らせることができる。その結果、騒音の発生を抑制しつつ複数の透析装置5の状態を監視することができる。
【0035】
本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムにおいては、複数の通信部8のうち、特定されている透析装置5に設けられている通信部8は、上記応答信号を受信することにより、上記検出信号の送信を停止する。これにより、異常発生している透析装置5に医療従事者2が早期に対処に来るように促すことができる。
【0036】
本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムにおいては、複数の通信部8の各々は、上記検出信号を送信開始した時点から設定時間が経過した時点までの間に上記応答信号を受信していない場合、複数の携帯端末3の各々に音を発生させる発音信号を送信する。これにより、携帯端末3の振動では異常発生に気づかない医療従事者2に、携帯端末の発音によって異常発生を気づかせることができる。よって、携帯端末の発音機会を少なくして、携帯端末3の発音による騒音の発生を抑制することができる。
【0037】
本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムにおいては、複数の通信部8および複数の携帯端末3は、ブルートゥース(登録商標)規格による無線通信によって互いに送受信可能に構成されている。これにより、異常状態にある透析装置5の近くにいる医療従事者2に検出信号および発音信号を送信することができる。その結果、異常発生している透析装置5の近くにいる医療従事者2に早期に対処させることができる。
【0038】
なお、複数の透析装置5において続けて異常が発生した場合は、携帯端末3の表示画面3Sには、異常発生した透析装置5の各々が特定されるとともに、異常発生した透析装置5の各々に対応して応答入力部3Rおよび保留入力部3Nが表示される。
【0039】
また、通信部8が、透析装置5の異常を検出した際と、患者が医療従事者2を呼び出した際と、透析が終了した際とにおいて、互いに異なる検出信号を送信する場合、携帯端末3の表示画面3Sに、患者が医療従事者2を呼び出している透析装置5、および、透析が終了した透析装置5などが特定されるとともに、これらの各々に対応して応答入力部3Rおよび保留入力部3Nが表示される。
【0040】
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2に係る透析装置監視システムについて図面を参照して説明する。なお、本発明の実施形態2に係る透析装置監視システムは、中継器をさらに備える点が主に、本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムと異なるため、本発明の実施形態1に係る透析装置監視システムと同様である構成については説明を繰り返さない。
【0041】
図7は、本発明の実施形態2に係る透析装置監視システムが設けられた透析室内において、複数の透析装置が配置された状態を示す平面図である。図7に示すように、透析室1内において、患者が位置するベッド4とベッド4に隣接して配置された透析装置5とからなる複数の透析ユニットが、複数の列をなすように配置されている。透析室1の角部には、医療従事者2が常駐するスタッフルーム9が配置されている。透析室1内には、複数の通信部8と複数の携帯端末3との間の通信を中継する複数の中継器10が配置されている。
【0042】
すなわち、本発明の実施形態2に係る透析装置監視システムは、複数の通信部8と複数の携帯端末3との間の通信を中継する中継器10をさらに備えている。中継器10は、複数の通信部8の各々から送信された検出信号および発音信号を受信して転送する。中継器10は、複数の携帯端末3の各々から送信された応答信号および保留信号を受信して転送する。
【0043】
スタッフルーム9に常駐している医療従事者2は、中継器10から転送された検出信号または発音信号を携帯端末3が受信することにより、携帯端末3の表示画面3Sに特定された透析装置5に処置に向かうことができる。
【0044】
透析装置5に処置に向かう医療従事者2が携帯端末3の応答入力部3Rに入力することにより携帯端末3から送信された応答信号が、中継器10によって転送されて検出信号または発音信号を送信している通信部8に受信されることによって、検出信号または発音信号の送信が停止する。これにより、透析装置5に処置に向かう医療従事者2が透析室1内を移動する際には、携帯端末3の振動または発音を停止させておくことができるため、携帯端末3の発音による騒音の発生を抑制することができる。
【0045】
本発明の実施形態2に係る透析装置監視システムにおいては、透析装置5と携帯端末3とが互いに直接通信できる距離を超えて配置されている場合においても、騒音の発生を抑制しつつ複数の透析装置の状態を監視することができる。
【0046】
なお、中継器10は、透析室1に既設の装置であってもよい。すなわち、透析装置監視システムが中継器10を含むのではなく、複数の携帯端末3が、複数の通信部8の各々から送信された上記検出信号または上記発音信号を透析室1に既設の中継器10を介して受信可能に構成されていてもよい。
【0047】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1 透析室、2 医療従事者、3 携帯端末、3N 保留入力部、3R 応答入力部、3S 表示画面、4 ベッド、5 透析装置、6 発光部、7 発光検出部、8 通信部、9 スタッフルーム、10 中継器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7