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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/33 20160101AFI20230816BHJP
   H02K 11/40 20160101ALI20230816BHJP
   F16H 57/02 20120101ALI20230816BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20230816BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20230816BHJP
   B60L 3/00 20190101ALN20230816BHJP
【FI】
H02K11/33
H02K11/40
F16H57/02
B60K1/00
B60K11/04 G
B60L3/00 J
B60L3/00 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019080353
(22)【出願日】2019-04-19
(65)【公開番号】P2020178481
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】石川 勇樹
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-043682(JP,A)
【文献】特開2012-239350(JP,A)
【文献】特開2011-187702(JP,A)
【文献】特開2014-143897(JP,A)
【文献】特開2015-149794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/33
H02K 11/40
F16H 57/02
B60K 1/00
B60K 11/04
B60L 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータを収容するハウジングと、
前記モータと電気的に接続されるインバータと、
前記インバータを収容し、前記ハウジングと固定されるインバータケースと、
備え、
前記ハウジングは、
前記ハウジングの外面に配置され、接地用のアース配線を取り付け可能な少なくとも1つのモータ側アース配線取付部と、
前記ハウジングの外面の一部を構成する第1ハウジング外面部と、
を有し、
前記インバータケースは、
前記インバータケースの外面に配置され、接地用のアース配線を取り付け可能な複数のインバータ側アース配線取付部と、
前記インバータケースの外面の一部を構成し、前記第1ハウジング外面部とは異なる方向を向く第1インバータケース外面部と、
前記インバータケースの外面の一部を構成し、前記第1ハウジング外面部および前記第1インバータケース外面部とは異なる方向を向く第2インバータケース外面部と、
を有し、
前記モータ側アース配線取付部は、前記第1ハウジング外面部に配置され、
複数の前記インバータ側アース配線取付部のうち少なくとも1つは、前記第1インバータケース外面部に配置され、
複数の前記インバータ側アース配線取付部のうち少なくとも1つは、前記第2インバータケース外面部に配置される、
駆動装置。
【請求項2】
前記ハウジングと前記インバータケースとは、前記モータのモータ軸と直交する第1方向に並んで配置され、
前記第1ハウジング外面部は、前記第1方向のうち前記インバータケースから前記ハウジングへ向かう方向である第1方向一方側を向き、
前記第1インバータケース外面部は、前記モータ軸の軸方向のうち、軸方向一方側を向き、
前記第2インバータケース外面部は、前記モータ軸の軸方向のうち、軸方向他方側を向く、
請求項に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記モータと前記インバータとを電気的に接続するバスバーを備える、
請求項1または2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記ハウジングに設けられる補機と、
前記補機と前記インバータとを電気的に接続するハーネス部材と、を備え、
前記ハーネス部材は、前記ハウジングの外部かつ前記インバータケースの外部に配置される、
請求項1からのいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記補機はオイルポンプである、
請求項に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータと、モータを収容するハウジングと、モータと電気的に接続されるインバータと、インバータを収容しハウジングと固定されるインバータケースと、を備える駆動装置が知られる。特許文献1には、車輪駆動用のモータに電力を供給するインバータと、モータを収容するドライブトレインとの電気的接続構造が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-97946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の駆動装置は、安定して接地を行う点に改善の余地があった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、安定して接地が行える駆動装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の駆動装置の一つの態様は、モータと、前記モータを収容するハウジングと、前記モータと電気的に接続されるインバータと、前記インバータを収容し、前記ハウジングと固定されるインバータケースと、を備える。前記ハウジングは、前記ハウジングの外面に配置され、接地用のアース配線を取り付け可能な少なくとも1つのモータ側アース配線取付部と、前記ハウジングの外面の一部を構成する第1ハウジング外面部と、を有する。前記インバータケースは、前記インバータケースの外面に配置され、接地用のアース配線を取り付け可能な複数のインバータ側アース配線取付部を有し、前記ハウジングは、前記ハウジングの外面の一部を構成する第1ハウジング外面部を有し、前記インバータケースの外面の一部を構成し、前記第1ハウジング外面部とは異なる方向を向く第1インバータケース外面部と、前記インバータケースの外面の一部を構成し、前記第1ハウジング外面部および前記第1インバータケース外面部とは異なる方向を向く第2インバータケース外面部と、を有し、前記モータ側アース配線取付部は、前記第1ハウジング外面部に配置され、複数の前記インバータ側アース配線取付部のうち少なくとも1つは、前記第1インバータケース外面部に配置され、複数の前記インバータ側アース配線取付部のうち少なくとも1つは、前記第2インバータケース外面部に配置される、
【0007】
本発明の駆動装置の一つの態様は、モータと、前記モータを収容するハウジングと、前記モータと電気的に接続されるインバータと、前記インバータを収容し、導電性を有する固定部材により前記ハウジングと固定されるインバータケースと、前記モータと前記インバータとを電気的に接続し、前記ハウジングの内部と前記インバータケースの内部とにわたって延びるバスバーと、を備える。前記ハウジングは、前記ハウジングの外面に配置され、接地用のアース配線を取り付け可能な少なくとも1つのモータ側アース配線取付部を有する。
【0008】
本発明の駆動装置の一つの態様は、モータと、前記モータを収容するハウジングと、前記モータと電気的に接続されるインバータと、前記インバータを収容し、導電性を有する固定部材により前記ハウジングと固定されるインバータケースと、前記モータと前記インバータとを電気的に接続し、前記ハウジングの内部と前記インバータケースの内部とにわたって延びるバスバーと、を備える。前記インバータケースは、前記インバータケースの外面に配置され、接地用のアース配線を取り付け可能な少なくとも1つのインバータ側アース配線取付部を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの態様の駆動装置によれば、安定して接地が行える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態の駆動装置を搭載した車両を示す図である。
図2図2は、本実施形態の駆動装置を模式的に示す概略構成図である。
図3図3は、本実施形態の駆動装置を示す斜視図である。
図4図4は、本実施形態の駆動装置を左側から見た側面図である。
図5図5は、本実施形態の駆動装置の一部を、モータ軸に垂直な断面として示す断面図である。
図6図6は、本実施形態の駆動装置の補機およびそのハーネス部材近傍を示す斜視図である。
図7図7は、本実施形態の駆動装置の補機およびそのハーネス部材近傍を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、各図に示す実施形態の駆動装置1が水平な路面上に位置する車両100に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向である。+Z側は、鉛直方向上側であり、-Z側は、鉛直方向下側である。以下の説明では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置1が搭載される車両100の前後方向である。以下の実施形態において、+X側は、車両100の前側であり、-X側は、車両100の後側である。本実施形態ではX軸方向を、第1方向と呼ぶ場合がある。Y軸方向は、X軸方向およびZ軸方向と直交する方向であって、車両100の左右方向、すなわち車幅方向である。以下の実施形態において、+Y側は、車両100の左側であり、-Y側は、車両100の右側である。Y軸方向は、第2方向と言い換えてもよい。前後方向(第1方向)および左右方向(第2方向)は、鉛直方向と直交する水平方向である。
【0012】
なお、前後方向の位置関係は、以下の実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両100の後側であり、-X側が車両100の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両100の右側であり、-Y側は、車両100の左側である。
【0013】
各図に適宜示すモータ軸J1は、Y軸方向、すなわち車両100の左右方向に延びる。モータ軸J1は、駆動装置1が備えるモータ2の中心軸である。以下の説明においては、特に断りのない限り、モータ軸J1に平行な方向を単に「軸方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする周方向、すなわち、モータ軸J1の軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。本実施形態において第1方向(X軸方向)は、モータ2のモータ軸J1と直交する方向である。なお、本明細書において、「平行な方向」は略平行な方向も含み、「直交する方向」は略直交する方向も含む。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の駆動装置1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、モータ2を動力源とする車両100に搭載され、その動力源として使用される。車両100は、ボディ105と、シャシー102と、駆動装置1と、を備える。駆動装置1は、シャシー102に取り付けられる。シャシー102は、複数の車輪103と、駆動装置1に供給される電力を蓄えるバッテリ104と、バッテリ104と駆動装置1とを電気的に接続するワイヤハーネス107と、駆動装置1とシャシー102とを電気的に接続する接地用のアース配線108,109と、を有する。複数の車輪103のうち少なくとも1つは、駆動装置1により回転させられる。本実施形態では複数の車輪103のうち2つの前輪103が、駆動装置1によって回転する。ワイヤハーネス107は、例えば編組線やシールド線等である。アース配線108,109は、電線等である。アース配線108,109は、複数設けられる。複数のアース配線108,109のうち、駆動装置1の後述するハウジング6に取り付けられるアース配線108は、モータ側アース配線108と言い換えてもよい。複数のアース配線108,109のうち、駆動装置1の後述するインバータケース8に取り付けられるアース配線109は、インバータ側アース配線109と言い換えてもよい。
【0015】
図2図5に示すように、駆動装置1は、モータ2と、減速装置4と、差動装置5と、ハウジング6と、オイルポンプ70と、インバータ7と、インバータケース8と、固定部材81fと、バスバー9と、第1連結部材10と、第2連結部材14と、第1シール部11と、第2シール部12と、第3シール部13と、ハーネス部材60と、を備える。ハウジング6は、内部にモータ2を収容するモータ収容部81と、内部に減速装置4および差動装置5を収容するギヤ収容部82と、を有する。つまりハウジング6は、モータ2を収容する。ギヤ収容部82は、モータ収容部81の左側に位置する。インバータ7は、モータ2と電気的に接続される。インバータケース8は、インバータ7を収容し、ハウジング6と固定される。ハウジング6とインバータケース8とは、第1方向(X軸方向)に並んで配置される。
【0016】
本実施形態においてモータ2は、インナーロータ型のモータである。モータ2は、ロータ20と、ステータ30と、ベアリング26,27と、を備える。ロータ20は、水平方向に延びるモータ軸J1を中心として回転する。ロータ20は、シャフト21と、ロータ本体24と、を有する。図示は省略するが、ロータ本体24は、ロータコアと、ロータコアに固定されるロータマグネットと、を有する。ロータ20のトルクは、減速装置4に伝達される。
【0017】
シャフト21は、モータ軸J1を中心として軸方向に沿って延びる。シャフト21は、モータ軸J1を中心として回転する。シャフト21は、内部に中空部22が設けられた中空シャフトである。シャフト21には、連通孔23が設けられる。連通孔23は、径方向に延びて中空部22とシャフト21の外部とを繋ぐ。
【0018】
シャフト21は、ハウジング6のモータ収容部81とギヤ収容部82とに跨って延びる。シャフト21の左側の端部は、ギヤ収容部82の内部に位置する。シャフト21の左側の端部には、減速装置4の後述する第1のギヤ41が固定される。シャフト21は、ベアリング26,27により回転可能に支持される。
【0019】
ステータ30は、ロータ20と径方向に隙間をあけて対向する。本実施形態ではステータ30が、ロータ20の径方向外側に位置する。ステータ30は、ステータコア32と、コイルアセンブリ33と、を有する。ステータコア32は、モータ収容部81の内周面に固定される。図示は省略するが、ステータコア32は、軸方向に延びる円筒状のコアバックと、コアバックから径方向内側に延びる複数のティースと、を有する。
【0020】
コイルアセンブリ33は、ステータコア32に装着される。コイルアセンブリ33は、複数のコイル31を有する。複数のコイル31は、図示しないインシュレータを介してステータコア32の各ティースにそれぞれ装着される。複数のコイル31は、周方向に並んで配置される。複数のコイル31は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。図示は省略するが、コイルアセンブリ33は、各コイル31を結束する結束部材等を有してもよいし、各コイル31同士を繋ぐ渡り線を有してもよい。
【0021】
コイルアセンブリ33は、ステータコア32から軸方向に突出するコイルエンド33a,33bを有する。コイルエンド33aは、ステータコア32から右側に突出する部分である。コイルエンド33bは、ステータコア32から左側に突出する部分である。コイルエンド33aは、コイルアセンブリ33に含まれる各コイル31のうちステータコア32よりも右側に突出する部分を含む。コイルエンド33bは、コイルアセンブリ33に含まれる各コイル31のうちステータコア32よりも左側に突出する部分を含む。本実施形態においてコイルエンド33a,33bは、モータ軸J1を中心とする円環状である。図示は省略するが、コイルエンド33a,33bは、各コイル31を結束する結束部材等を含んでもよいし、各コイル31同士を繋ぐ渡り線を含んでもよい。
【0022】
ベアリング26,27は、ロータ20を回転可能に支持する。ベアリング26,27は、例えば、ボールベアリングである。ベアリング26は、ロータ20のうちステータコア32よりも右側に位置する部分を回転可能に支持するベアリングである。本実施形態においてベアリング26は、シャフト21のうちロータ本体24が固定される部分よりも右側に位置する部分を支持する。ベアリング26は、モータ収容部81のうちロータ20およびステータ30の右側を覆う壁部に保持される。
【0023】
ベアリング27は、ロータ20のうちステータコア32よりも左側に位置する部分を回転可能に支持するベアリングである。本実施形態においてベアリング27は、シャフト21のうちロータ本体24が固定される部分よりも左側に位置する部分を支持する。ベアリング27は、後述する隔壁61cに保持される。
【0024】
減速装置4は、モータ2に接続される。減速装置4は、シャフト21の左側の端部に接続される。減速装置4は、モータ2の回転速度を減じて、モータ2から出力されるトルクを減速比に応じて増大させる。減速装置4は、モータ2から出力されるトルクを差動装置5へ伝達する。減速装置4は、第1のギヤ41と、第2のギヤ42と、第3のギヤ43と、中間シャフト45と、を有する。
【0025】
第1のギヤ41は、シャフト21の左側の端部における外周面に固定される。第1のギヤ41は、シャフト21とともに、モータ軸J1を中心に回転する。中間シャフト45は、中間軸J2に沿って延びる。本実施形態において中間軸J2は、モータ軸J1と平行である。図4に示すように、本実施形態において中間軸J2は、モータ軸J1よりも下側に位置する。中間軸J2は、モータ軸J1よりも後側(-X側)に位置する。中間シャフト45は、中間軸J2を中心として回転する。
【0026】
図2に示すように、第2のギヤ42および第3のギヤ43は、中間シャフト45の外周面に固定される。第2のギヤ42と第3のギヤ43は、中間シャフト45を介して接続される。第2のギヤ42および第3のギヤ43は、中間軸J2を中心として回転する。第2のギヤ42は、第1のギヤ41に噛み合う。第3のギヤ43は、差動装置5の後述するリングギヤ51と噛み合う。第2のギヤ42の外径は、第3のギヤ43の外径よりも大きい。本実施形態において第2のギヤ42の下側の端部は、減速装置4のうちで最も下側に位置する部分である。
【0027】
モータ2から出力されるトルクは、減速装置4を介して差動装置5に伝達される。より詳細には、モータ2から出力されるトルクは、シャフト21、第1のギヤ41、第2のギヤ42、中間シャフト45および第3のギヤ43をこの順に介して差動装置5のリングギヤ51へ伝達される。各ギヤのギヤ比およびギヤの個数等は、必要とされる減速比に応じて種々変更可能である。本実施形態において減速装置4は、各ギヤの軸芯が平行に配置される平行軸歯車タイプの減速機である。
【0028】
差動装置5は、減速装置4に接続される。これにより、差動装置5は、減速装置4を介してモータ2に接続される。差動装置5は、モータ2から出力されるトルクを車両100の車輪103に伝達する装置である。差動装置5は、車両100の旋回時に、左右の車輪103の速度差を吸収しつつ、左右両輪の車軸55に同トルクを伝える。差動装置5は、車軸55を差動軸J3回りに回転させる。これにより、駆動装置1は、車両100の車軸55を回転させる。
【0029】
本実施形態において差動軸J3は、モータ軸J1と平行である。すなわち、本実施形態において差動軸J3の軸方向は、モータ軸J1の軸方向と同じ方向である。図4に示すように、本実施形態において差動軸J3は、モータ軸J1および中間軸J2よりも後側(-X側)に位置する。差動軸J3は、モータ軸J1よりも下側に位置する。差動軸J3は、鉛直方向において中間軸J2とほぼ同じ位置に位置する。差動軸J3は、中間軸J2よりも僅かに上側に位置する。
【0030】
差動装置5は、ギヤ収容部82の内部において減速装置4の後側(-X側)に位置する。差動装置5は、リングギヤ51と、図示しないギヤハウジングと、図示しない一対のピニオンギヤと、図示しないピニオンシャフトと、図示しない一対のサイドギヤと、を有する。リングギヤ51は、差動軸J3回りに回転するギヤである。リングギヤ51は、第3のギヤ43と噛み合う。これにより、リングギヤ51には、モータ2から出力されるトルクが減速装置4を介して伝えられる。リングギヤ51の下側の端部は、減速装置4よりも下側に位置する。本実施形態においてリングギヤ51の下側の端部は、差動装置5のうちで最も下側に位置する。
【0031】
ハウジング6は、駆動装置1の外装筐体の一部を構成する。ハウジング6は、例えば金属製であり、導電性を有する。図3および図4に示すように、ハウジング6は、第1ハウジング外面部6aと、第2ハウジング外面部6bと、第3ハウジング外面部6cと、第4ハウジング外面部6dと、第5ハウジング外面部6eと、少なくとも1つのモータ側アース配線取付部6fと、隔壁61c(図2参照)と、を有する。
【0032】
第1ハウジング外面部6aは、ハウジング6の外面の一部を構成する。第1ハウジング外面部6aは、第1方向(X軸方向)のうちインバータケース8からハウジング6へ向かう方向である第1方向一方側(+X側)を向く。すなわち、第1ハウジング外面部6aは、ハウジング6の外面のうち、前側を向く外面部つまり前面部を構成する。
【0033】
第1ハウジング外面部6aは、ハウジング固定部6iを有する。ハウジング固定部6iは、ハウジング6を図示しない車両100のサブフレーム等に固定する部分である。ハウジング固定部6iは、複数設けられる。複数のハウジング固定部6iは、車幅方向(Y軸方向)および鉛直方向(Z軸方向)に互いに間隔をあけて配置される。ハウジング固定部6iは、固定面部6jと、雌ねじ穴6kと、を有する。固定面部6jは、第1方向(X軸方向)に垂直な方向に拡がる円環面状である。固定面部6jは、第1方向と直交する方向に拡がる平面状である。雌ねじ穴6kは、固定面部6jに開口し、固定面部6jから第1方向他方側(-X側)に窪む。第1方向他方側は、第1方向(X軸方向)のうちハウジング6からインバータケース8へ向かう方向である。雌ねじ穴6kは、内周面に雌ねじ部を有する。
【0034】
第2ハウジング外面部6bは、ハウジング6の外面の一部を構成する。第2ハウジング外面部6bは、モータ軸J1の軸方向(Y軸方向)のうち、軸方向一方側(-Y側)を向く。すなわち、第2ハウジング外面部6bは、ハウジング6の外面のうち、右側を向く外面部つまり右面部を構成する。
【0035】
第3ハウジング外面部6cは、ハウジング6の外面の一部を構成する。第3ハウジング外面部6cは、モータ軸J1の軸方向(Y軸方向)のうち、軸方向他方側(+Y側)を向く。すなわち、第3ハウジング外面部6cは、ハウジング6の外面のうち、左側を向く外面部つまり左面部を構成する。
【0036】
第4ハウジング外面部6dは、ハウジング6の外面の一部を構成する。第4ハウジング外面部6dは、鉛直方向(Z軸方向)のうち、上側(+Z側)を向く。すなわち、第4ハウジング外面部6dは、ハウジング6の外面のうち、上側を向く外面部つまり上面部を構成する。
【0037】
第5ハウジング外面部6eは、ハウジング6の外面の一部を構成する。第5ハウジング外面部6eは、鉛直方向(Z軸方向)のうち、下側(-Z側)を向く。すなわち、第5ハウジング外面部6eは、ハウジング6の外面のうち、下側を向く外面部つまり下面部を構成する。
【0038】
モータ側アース配線取付部6fは、ハウジング6の外面に配置される。本実施形態ではモータ側アース配線取付部6fが、1つ設けられる。モータ側アース配線取付部6fには、接地用のアース配線108を取り付け可能である。図示を省略するが、モータ側アース配線取付部6fには、アース配線108の端子をねじ部材等により固定することができる。本実施形態ではモータ側アース配線取付部6fが、第1ハウジング外面部6aに配置される。モータ側アース配線取付部6fは、ハウジング固定部6iよりも右側に配置される。
【0039】
本実施形態ではモータ側アース配線取付部6fが、モータ側取付面部6gと、モータ側取付穴6hと、を有する。モータ側取付面部6gは、第1方向(X軸方向)に垂直な方向に拡がる円環面状である。モータ側取付面部6gは、第1方向と直交する方向に拡がる平面状である。モータ側取付面部6gの第1方向の位置は、固定面部6jの第1方向の位置と同じである。モータ側取付面部6gは、固定面部6jと面一に配置される。すなわち、モータ側取付面部6gと固定面部6jとは、第1方向に垂直な方向に拡がる同一の仮想平面上に位置する。モータ側取付面部6gと固定面部6jとは、同一の切削工程により形成される。モータ側取付穴6hは、モータ側取付面部6gに開口し、モータ側取付面部6gから第1方向他方側(-X側)に窪む。モータ側取付穴6hは、内周面に雌ねじ部を有する。図示を省略するが、モータ側取付穴6hの雌ねじ部には、アース配線108の端子を固定するねじ部材の雄ねじ部がねじ止めされる。
【0040】
図2に示すように、隔壁61cは、モータ収容部81の内部とギヤ収容部82の内部とを軸方向に区画する。隔壁61cは、隔壁61cを軸方向に貫通する隔壁開口68を有する。モータ収容部81の内部とギヤ収容部82の内部とは、隔壁開口68を通して互いに繋がる。
【0041】
図5に示すように、モータ収容部81は、インバータケース8に対向する壁部81eと、壁部81eを第1方向(X軸方向)に貫通する第2開口孔81cと、頂部81hと、頂部81hを鉛直方向に貫通する作業用孔部81jと、蓋部17と、を有する。つまりハウジング6は、第2開口孔81cを有する。
【0042】
第2開口孔81cは、壁部81eに配置されて第1方向に開口する。第2開口孔81cは、壁部81eを略径方向に貫通する。図示を省略するが、第1方向から見て、第2開口孔81cは長円形状である。第2開口孔81cは、車幅方向(Y軸方向)に延びる長円形状である。すなわち第1方向から見て、第2開口孔81cは、鉛直方向(Z軸方向)の開口寸法よりも車幅方向の開口寸法が大きい。
【0043】
頂部81hは、第4ハウジング外面部6dの一部を構成する。作業用孔部81jは、頂部81hに配置されて鉛直方向に開口する。図示を省略するが、鉛直方向から見て、作業用孔部81jは長円形状である。作業用孔部81jは、車幅方向に延びる長円形状である。すなわち鉛直方向から見て、作業用孔部81jは、第1方向(X軸方向)の開口寸法よりも車幅方向の開口寸法が大きい。作業用孔部81jには、ハウジング6の外部から内部へ向けて、図示しない作業用工具等が挿入可能である。
【0044】
蓋部17は、板状である。鉛直方向(Z軸方向)から見て、蓋部17は、車幅方向(Y軸方向)に延びる長円形状である。鉛直方向から見て、蓋部17は、車幅方向を長軸とし、第1方向(X軸方向)を短軸とする長円形状である。蓋部17は、作業用孔部81jを塞ぐ。蓋部17は、頂部81hに設けられて、作業用孔部81jの上側の開口を塞ぐ。本実施形態では、作業用孔部81jを通してバスバー9を配線作業した後、蓋部17によって作業用孔部81jを塞ぐことができる。
【0045】
図2に示すように、ハウジング6の内部には、オイルOが収容される。すなわち、モータ収容部81の内部およびギヤ収容部82の内部には、オイルOが収容される。ギヤ収容部82の内部における下部領域には、オイルOが溜るオイル溜りPが設けられる。オイル溜りPの油面Sは、リングギヤ51の下側の端部よりも上側に位置する。これにより、リングギヤ51の下側の端部は、ギヤ収容部82内のオイルOに浸漬される。オイル溜りPの油面Sは、差動軸J3および車軸55よりも下側に位置する。
【0046】
オイル溜りPのオイルOは、後述する油路90によってモータ収容部81の内部に送られる。モータ収容部81の内部に送られたオイルOは、モータ収容部81の内部における下部領域に溜まる。モータ収容部81の内部に溜まったオイルOの少なくとも一部は、隔壁開口68を通してギヤ収容部82に移動し、オイル溜りPに戻る。
【0047】
なお、本明細書において「ある部分の内部にオイルOが収容される」とは、モータ2が駆動している最中の少なくとも一部において、ある部分の内部にオイルOが位置していればよく、モータ2が停止している際には、ある部分の内部にオイルOが位置していなくてもよい。例えば、本実施形態においてモータ収容部81の内部にオイルOが収容されるとは、モータ2が駆動している最中の少なくとも一部において、モータ収容部81の内部にオイルOが位置していればよく、モータ2が停止している際においては、モータ収容部81の内部のオイルOがすべて隔壁開口68を通ってギヤ収容部82に移動してしまっていてもよい。なお、後述する油路90によってモータ収容部81の内部へと送られたオイルOの一部は、モータ2が停止した状態において、モータ収容部81の内部に残っていてもよい。
【0048】
また、本明細書において「リングギヤ51の下側の端部がギヤ収容部82内のオイルOに浸漬される」とは、モータ2が駆動している最中の少なくとも一部において、リングギヤ51の下側の端部がギヤ収容部82内のオイルOに浸漬されればよく、モータ2が駆動している最中またはモータ2が停止している間の一部において、リングギヤ51の下側の端部がギヤ収容部82内のオイルOに浸漬されなくてもよい。例えば、オイル溜りPのオイルOが後述する油路90によってモータ収容部81の内部に送られた結果として、オイル溜りPの油面Sが下がり、一時的にリングギヤ51の下側の端部がオイルOに浸漬しない状態となってもよい。
【0049】
オイルOは、後述する油路90内を循環する。オイルOは、減速装置4および差動装置5の潤滑用として使用される。また、オイルOは、モータ2の冷却用として使用される。オイルOとしては、潤滑油および冷却油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
【0050】
ギヤ収容部82の底部82aおよびモータ収容部81の底部81aは、第5ハウジング外面部6eを構成する。図2に示すように、ギヤ収容部82の底部82aは、モータ収容部81の底部81aよりも下側に位置する。そのため、ギヤ収容部82内からモータ収容部81内に送られたオイルOが隔壁開口68を通してギヤ収容部82内に流れやすい。図4に示すように、ギヤ収容部82は、第1方向(X軸方向)に延びる。ギヤ収容部82は、モータ収容部81の左側の端部から後側に突出する。ギヤ収容部82は、第1収容部82cと、第2収容部82dと、を有する。第1収容部82cは、ギヤ収容部82のうちモータ収容部81の左側に位置する部分である。第1収容部82cは、車幅方向(Y軸方向)から見て、モータ収容部81と重なる。第2収容部82dは、ギヤ収容部82のうちモータ収容部81よりも後側に突出する部分である。第1収容部82cは、第2収容部82dよりも左側に突出する。第1収容部82cの内部には、減速装置4が収容される。第2収容部82dの内部には、差動装置5が収容される。差動装置5の前側の一部は、第1収容部82cの内部に位置する。
【0051】
第1収容部82cは、減速装置4の左側に位置する第1側壁部82fを有する。第2収容部82dは、差動装置5の左側に位置する第2側壁部82gを有する。すなわち、ギヤ収容部82は、第1側壁部82fと、第2側壁部82gと、を有する。第1側壁部82fは、第2側壁部82gよりも左側に位置する。第1側壁部82fおよび第2側壁部82gは、第3ハウジング外面部6cを構成する。
【0052】
第2側壁部82gは、第2側壁部82gを軸方向に貫通する孔部82eを有する。孔部82eは、差動軸J3を中心とする円形状の孔である。孔部82eには、車軸55が通される。第2側壁部82gのうち孔部82eの周縁部85は、左側に突出する。周縁部85は、差動軸J3を中心とする略円環状である。
【0053】
図2に示すように、駆動装置1には、ハウジング6の内部においてオイルOが循環する油路90が設けられる。油路90は、オイル溜りPからオイルOをモータ2に供給し、再びオイル溜りPに導くオイルOの経路である。油路90は、モータ収容部81の内部とギヤ収容部82の内部とに跨って設けられる。
【0054】
なお、本明細書において「油路」とは、オイルの経路を意味する。したがって、「油路」とは、定常的に一方向に向かうオイルの流動を作る「流路」のみならず、オイルを一時的に滞留させる経路およびオイルが滴り落ちる経路をも含む概念である。オイルを一時的に滞留させる経路とは、例えば、オイルを貯留するリザーバ等を含む。
【0055】
油路90は、第1の油路91と、第2の油路92と、を有する。第1の油路91および第2の油路92は、それぞれハウジング6の内部でオイルOを循環させる。第1の油路91は、かき上げ経路91aと、シャフト供給経路91bと、シャフト内経路91cと、ロータ内経路91dと、を有する。また、第1の油路91の経路中には、第1のリザーバ93が設けられる。第1のリザーバ93は、ギヤ収容部82内に設けられる。
【0056】
かき上げ経路91aは、差動装置5のリングギヤ51の回転によってオイル溜りPからオイルOをかき上げて、第1のリザーバ93でオイルOを受ける経路である。第1のリザーバ93は、上側に開口する。第1のリザーバ93は、リングギヤ51がかき上げたオイルOを受ける。また、モータ2の駆動直後などオイル溜りPの液面が高い場合等には、第1のリザーバ93は、リングギヤ51に加えて第2のギヤ42および第3のギヤ43によってかき上げられたオイルOも受ける。
【0057】
シャフト供給経路91bは、第1のリザーバ93からシャフト21の中空部22にオイルOを誘導する。シャフト内経路91cは、シャフト21の中空部22内をオイルOが通過する経路である。ロータ内経路91dは、オイルOがシャフト21の連通孔23からロータ本体24の内部を通過して、ステータ30に飛散する経路である。
【0058】
シャフト内経路91cにおいて、ロータ20の内部のオイルOには、ロータ20の回転に伴い遠心力が付与される。これにより、オイルOは、ロータ20から径方向外側に連続的に飛散する。また、オイルOの飛散に伴い、ロータ20内部の経路が負圧となり、第1のリザーバ93に溜るオイルOが、ロータ20の内部に吸引され、ロータ20内部の経路にオイルOが満たされる。
【0059】
ステータ30に到達したオイルOは、ステータ30と熱交換することでステータ30から熱を奪う。ステータ30を冷却したオイルOは、下側に滴下され、モータ収容部81内の下部領域に溜る。モータ収容部81内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁61cに設けられた隔壁開口68を通してギヤ収容部82に移動する。以上のようにして、第1の油路91は、オイルOをロータ20およびステータ30に供給する。
【0060】
第2の油路92においてオイルOは、オイル溜りPからステータ30の上側まで引き上げられてステータ30に供給される。すなわち、第2の油路92は、オイルOをステータ30の上側からステータ30に供給する。第2の油路92には、オイルポンプ70と、クーラー97と、第2のリザーバ94と、が設けられる。第2の油路92は、第1の流路92aと、第2の流路92bと、第3の流路92cと、を有する。
【0061】
第1の流路92aは、オイル溜りPとオイルポンプ70とを繋ぐ図示しないストレーナの内部を通るオイルOの経路である。第2の流路92bおよび第3の流路92cは、ハウジング6の壁部に設けられる。第2の流路92bは、オイルポンプ70とクーラー97とを繋ぐ。第3の流路92cは、クーラー97から上側に延びる。第3の流路92cは、モータ収容部81の壁部に設けられる。図示は省略するが、第3の流路92cは、ステータ30の上側においてモータ収容部81の内部に開口する供給口を有する。この供給口は、モータ収容部81の内部にオイルOを供給する。
【0062】
オイルポンプ70は、駆動装置1の補機である。つまり本実施形態において補機は、オイルポンプ70である。補機は、ハウジング6に設けられる。オイルポンプ70は、電気により駆動する電動オイルポンプである。オイルポンプ70は、第1の流路92aを介してオイル溜りPからオイルOを吸い上げて、第2の流路92b、クーラー97、第3の流路92cおよび第2のリザーバ94を介して、オイルOをモータ2に供給する。
【0063】
クーラー97は、第2の油路92を通過するオイルOを冷却する。クーラー97には、第2の流路92bおよび第3の流路92cが接続される。第2の流路92bおよび第3の流路92cは、クーラー97の内部流路を介して繋がる。クーラー97には、図示しないラジエータで冷却された冷却水を通過させる冷却水用配管97jが接続される。クーラー97の内部を通過するオイルOは、冷却水用配管97jを通過する冷却水との間で熱交換されて冷却される。なお、冷却水用配管97jの経路の一部は、インバータケース8内に配置される。冷却水用配管97jを通過する冷却水は、インバータ7を冷却する。
【0064】
第2のリザーバ94は、第2の油路92の一部を構成する。第2のリザーバ94は、モータ収容部81の内部に位置する。第2のリザーバ94は、ステータ30の上側に位置する。第2のリザーバ94は、ステータ30によって下側から支持され、モータ2に設けられる。第2のリザーバ94は、例えば樹脂製である。
【0065】
本実施形態において第2のリザーバ94は、上側に開口する樋状である。第2のリザーバ94は、オイルOを貯留する。本実施形態において第2のリザーバ94は、第3の流路92cを介してモータ収容部81内に供給されたオイルOを貯留する。第2のリザーバ94は、コイルエンド33a,33bにオイルOを供給する供給口94aを有する。これにより、第2のリザーバ94に貯留されたオイルOをステータ30に供給できる。
【0066】
第2のリザーバ94からステータ30に供給されたオイルOは、下側に滴下され、モータ収容部81内の下部領域に溜る。モータ収容部81内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁61cに設けられた隔壁開口68を通してギヤ収容部82に移動する。以上のようにして、第2の油路92は、オイルOをステータ30に供給する。
【0067】
インバータ7は、モータ2に電力を供給する。図5に示すように、インバータ7は、バスバー9を介してステータ30と電気的に接続され、ステータ30に電力を供給する。インバータ7は、モータ2に供給される電流を制御する。図示を省略するが、インバータ7は、回路基板と、コンデンサと、を有する。
【0068】
図3図5に示すように、インバータケース8は、駆動装置1の外装筐体の一部を構成する。インバータケース8は、例えば金属製であり、導電性を有する。インバータケース8は、モータ収容部81とモータ軸J1の径方向に隣り合って配置される。インバータケース8とモータ収容部81とは、第1方向(X軸方向)に並んで配置される。つまりインバータケース8とハウジング6とは、水平方向に接続される。本実施形態によれば、駆動装置1の鉛直方向の外形寸法が小さく抑えられる。このため、駆動装置1を車両100の限られた設置スペースに収容しやすい。インバータケース8は、有底筒状のケース本体8dと、ケース蓋部8eと、を有する。
【0069】
図5に示すように、ケース本体8dは、モータ収容部81に対向する壁部8bと、壁部8bを第1方向(X軸方向)に貫通する第1開口孔8cと、ケース鍔部8aと、ワイヤハーネス取付部8s(図3参照)と、を有する。つまりインバータケース8は、第1開口孔8cを有する。第1開口孔8cは、壁部8bに配置されて第1方向に開口する。第1開口孔8cは、壁部8bを略径方向に貫通する。図示を省略するが、第1方向から見て、第1開口孔8cは長円形状である。第1開口孔8cは、車幅方向(Y軸方向)に延びる長円形状である。すなわち第1方向から見て、第1開口孔8cは、鉛直方向(Z軸方向)の開口寸法よりも車幅方向の開口寸法が大きい。
【0070】
第1開口孔8cは、第1方向において第2開口孔81cと対向する。すなわち、第1開口孔8cと第2開口孔81cとは、第1方向に互いに対向して配置される。本実施形態では、第1開口孔8cの第1方向に垂直な断面の形状と、第2開口孔81cの第1方向に垂直な断面の形状とが、互いに略同じである。第1方向から見て、第1開口孔8cの形状(内周の輪郭)と、第2開口孔81cの形状とは、互いに略一致する。
【0071】
ケース鍔部8aは、壁部8bの上側の端部から第1方向一方側(+X側)に突出する板状である。本実施形態ではケース鍔部8aが、壁部8bの上端部に車幅方向(Y軸方向)に互いに間隔をあけて複数設けられる。ケース鍔部8aの板面は、鉛直方向(Z軸方向)を向く。ケース鍔部8aは、ケース鍔部8aを鉛直方向に貫通するネジ挿入孔8fを有する。ネジ挿入孔8fは、各ケース鍔部8aにそれぞれ設けられる。つまりネジ挿入孔8fは、複数設けられる。複数のネジ挿入孔8fは、図5に示すように鉛直方向に沿って延びるネジ挿入孔8fと、特に図示しないが下側(-Z側)へ向かうに従い第1方向一方側(+X側)に向けて延びるネジ挿入孔8fと、を有する。
【0072】
ネジ挿入孔8fには、固定部材81fが挿入される。固定部材81fは、ハウジング6とインバータケース8とを固定する。つまりインバータケース8は、固定部材81fによりハウジング6と固定される。インバータケース8は、モータ収容部81の径方向外側を向く外周面に固定される。本実施形態において、固定部材81fはボルト等のネジ部材である。固定部材81fは、例えば金属製であり、導電性を有する。固定部材81fは、モータ収容部81の頂部81hのネジ穴81iにねじ止めされる。ハウジング6とインバータケース8とは、固定部材81fを介して導通する。なお本実施形態では、ハウジング6とインバータケース8とが、固定部材81f以外の部分(ケース鍔部8a等)を介しても導通する。固定部材81fは、複数設けられる。図3に示すように、複数の固定部材81fは、車幅方向(Y軸方向)に互いに間隔をあけて配置され、各ネジ挿入孔8fにそれぞれ挿入される。複数の固定部材81fは、図3および図5に示すように鉛直方向に沿って延びる固定部材81fと、図3に示すように下側(-Z側)へ向かうに従い第1方向一方側(+X側)に向けて延びる固定部材81fと、を有する。
【0073】
ケース蓋部8eは、ケース本体8dの上側の端部に固定される。ケース蓋部8eは、ケース本体8dの上側の開口を塞ぐ。ケース蓋部8eは、板面が鉛直方向を向く板状である。ワイヤハーネス取付部8sは、ケース本体8dの外面から突出する。ワイヤハーネス取付部8sには、ワイヤハーネス107が取り付けられる。
【0074】
図3および図4に示すように、インバータケース8は、第1インバータケース外面部8gと、第2インバータケース外面部8hと、第3インバータケース外面部8iと、第4インバータケース外面部8jと、少なくとも1つのインバータ側アース配線取付部8k,8mと、を有する。
【0075】
第1インバータケース外面部8gは、インバータケース8の外面の一部を構成する。第1インバータケース外面部8gは、モータ軸J1の軸方向(Y軸方向)のうち、軸方向一方側(-Y側)を向く。すなわち、第1インバータケース外面部8gは、インバータケース8の外面のうち、右側を向く外面部つまり右面部を構成する。第1インバータケース外面部8gは、第1ハウジング外面部6aとは異なる方向を向く。また第1インバータケース外面部8gは、第3ハウジング外面部6c、第4ハウジング外面部6dおよび第5ハウジング外面部6eとは異なる方向を向く。第1インバータケース外面部8gは、ケース本体8dに配置される。
【0076】
第2インバータケース外面部8hは、インバータケース8の外面の一部を構成する。第2インバータケース外面部8hは、モータ軸J1の軸方向(Y軸方向)のうち、軸方向他方側(+Y側)を向く。すなわち、第2インバータケース外面部8hは、インバータケース8の外面のうち、左側を向く外面部つまり左面部を構成する。第2インバータケース外面部8hは、第1ハウジング外面部6aおよび第1インバータケース外面部8gとは異なる方向を向く。また第2インバータケース外面部8hは、第2ハウジング外面部6b、第4ハウジング外面部6dおよび第5ハウジング外面部6eとは異なる方向を向く。第2インバータケース外面部8hは、ケース本体8dに配置される。
【0077】
第3インバータケース外面部8iは、インバータケース8の外面の一部を構成する。第3インバータケース外面部8iは、第1方向他方側(-X側)を向く。すなわち、第3インバータケース外面部8iは、インバータケース8の外面のうち、後側を向く外面部つまり後面部を構成する。第3インバータケース外面部8iは、第1ハウジング外面部6a、第1インバータケース外面部8gおよび第2インバータケース外面部8hとは異なる方向を向く。また第3インバータケース外面部8iは、第2ハウジング外面部6b、第3ハウジング外面部6c、第4ハウジング外面部6dおよび第5ハウジング外面部6eとは異なる方向を向く。第3インバータケース外面部8iは、ケース本体8dに配置される。
【0078】
第4インバータケース外面部8jは、インバータケース8の外面の一部を構成する。第4インバータケース外面部8jは、鉛直方向(Z軸方向)のうち、上側(+Z側)を向く。すなわち、第4インバータケース外面部8jは、インバータケース8の外面のうち、上側を向く外面部つまり上面部を構成する。第4インバータケース外面部8jは、第1ハウジング外面部6a、第1インバータケース外面部8g、第2インバータケース外面部8hおよび第3インバータケース外面部8iとは異なる方向を向く。また第4インバータケース外面部8jは、第2ハウジング外面部6b、第3ハウジング外面部6cおよび第5ハウジング外面部6eとは異なる方向を向く。第4インバータケース外面部8jは、ケース蓋部8eに配置される。
【0079】
インバータ側アース配線取付部8k,8mは、インバータケース8の外面に配置される。本実施形態ではインバータ側アース配線取付部8k,8mが、複数設けられる。インバータ側アース配線取付部8k,8mには、接地用のアース配線109を取り付け可能である。図示を省略するが、インバータ側アース配線取付部8k,8mには、アース配線109の端子をねじ部材等により固定することができる。
【0080】
本実施形態によれば、ハウジング6にモータ側アース配線取付部6fが1つ以上設けられ、インバータケース8にインバータ側アース配線取付部8k,8mが1つ以上設けられる。このため、モータ2とインバータ7とでアース容量を分けることができ、モータ側アース配線108およびインバータ側アース配線109の各電線の線径を小さく抑えられ、細い電線によって接地することができる。また、仮に、ハウジング6とインバータケース8との導通が十分でない場合があっても、モータ2およびインバータ7をそれぞれ安定して接地できる。すなわち、例えばハウジング6とインバータケース8との接続界面に錆等が生じて導通が不安定になった場合でも、モータ2およびインバータ7の各アースが安定して確保される。またワイヤハーネス107が、インバータケース8を介して接地される。また、モータ側アース配線取付部6fに取り付けられるアース配線108、および、インバータ側アース配線取付部8k,8mに取り付けられるアース配線109のいずれかが断線した場合であっても、駆動装置1の接地を安定して確保することができる。また、車両100に搭載される駆動装置1の周囲の部材の配置等に合わせて、モータ側アース配線取付部6fとインバータ側アース配線取付部8k,8mとを選択的に用いて接地することも可能である。したがって本実施形態の駆動装置1によれば、安定して接地が行える。
【0081】
複数のインバータ側アース配線取付部8k,8mのうち、インバータ側アース配線取付部(第1のインバータ側アース配線取付部)8kは、第1インバータケース外面部8gに配置される。すなわち、複数のインバータ側アース配線取付部8k,8mの少なくとも1つは、第1インバータケース外面部8gに配置される。第1のインバータ側アース配線取付部8kは、第1のインバータ側取付面部8nと、第1のインバータ側取付穴8pと、を有する。第1のインバータ側取付面部8nは、モータ軸J1の軸方向(Y軸方向)と直交する方向に拡がる平面状である。第1のインバータ側取付穴8pは、第1のインバータ側取付面部8nに開口し、第1のインバータ側取付面部8nから軸方向他方側(+Y側)に窪む。第1のインバータ側取付穴8pは、内周面に雌ねじ部を有する。図示を省略するが、第1のインバータ側取付穴8pの雌ねじ部には、アース配線109の端子を固定するねじ部材の雄ねじ部がねじ止めされる。
【0082】
本実施形態では、ハウジング6の第1ハウジング外面部6aが向く方向と、インバータケース8の第1インバータケース外面部8gが向く方向とが、互いに異なる。このため、車両100に搭載される駆動装置1の周囲の部材の配置等に合わせて、第1ハウジング外面部6aのモータ側アース配線取付部6fと、第1インバータケース外面部8gのインバータ側アース配線取付部8kとを選択的に用いて接地する自由度が高められる。
【0083】
複数のインバータ側アース配線取付部8k,8mのうち、インバータ側アース配線取付部(第2のインバータ側アース配線取付部)8mは、第2インバータケース外面部8hに配置される。すなわち、複数のインバータ側アース配線取付部8k,8mの少なくとも1つは、第2インバータケース外面部8hに配置される。第2のインバータ側アース配線取付部8mは、第2のインバータ側取付面部8qと、第2のインバータ側取付穴8rと、を有する。第2のインバータ側取付面部8qは、モータ軸J1の軸方向(Y軸方向)と直交する方向に拡がる平面状である。第2のインバータ側取付穴8rは、第2のインバータ側取付面部8qに開口し、第2のインバータ側取付面部8qから軸方向一方側(-Y側)に窪む。第2のインバータ側取付穴8rは、内周面に雌ねじ部を有する。図示を省略するが、第2のインバータ側取付穴8rの雌ねじ部には、アース配線109の端子を固定するねじ部材の雄ねじ部がねじ止めされる。
【0084】
本実施形態では、ハウジング6の外面のうち、第1方向一方側(+X側)を向く第1ハウジング外面部6aにモータ側アース配線取付部6fが配置され、インバータケース8の外面のうち、軸方向一方側(-Y側)を向く第1インバータケース外面部8gおよび軸方向他方側(+Y側)を向く第2インバータケース外面部8hに、インバータ側アース配線取付部8k,8mが配置される。このため、駆動装置1の外面のうち、互いに異なる3方向を向く複数の外面部6a,8g,8hのいずれか1つ以上に、1つまたは複数のアース配線108,109を取り付けることができる。したがって、駆動装置1の接地の選択の自由度が高められる。
【0085】
図5に示すように、バスバー9は、モータ2とインバータ7とを電気的に接続する。バスバー9は、ステータ30の配線部材34と、インバータ7とを電気的に接続する。バスバー9は、板状であり、第1方向(X軸方向)に延びる。バスバー9の一対の板面は、鉛直方向(Z軸方向)を向く。なおバスバー9は、例えば断面円形等の棒状でもよい。バスバー9は、複数設けられる。複数のバスバー9は、モータ軸J1の軸方向(Y軸方向)に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態ではバスバー9が、軸方向に並んで3つ設けられる。3つのバスバー9は、各バスバー9を流れる電流の位相が互いに異なる。3つのバスバー9に流れる電流の位相は、U相、V相およびW相のいずれかである。
【0086】
バスバー9は、第1開口孔8cと第2開口孔81cとに挿入される。バスバー9は、ハウジング6の内部とインバータケース8の内部とにわたって延びる。バスバー9は、第1連結部材10に支持される。バスバー9は、第1連結部材10に埋め込まれる部分を有する。バスバー9は、第1連結部材10を介してインバータケース8に固定される。バスバー9は、第2連結部材14に通されて、ハウジング6内に挿入される。バスバー9は、第2連結部材14の後述するガイド筒部14a内に挿入される。
【0087】
本実施形態では、インバータ7からバスバー9を介してモータ2に電力が供給される。このため、バスバー9からも電子ノイズが生じる可能性がある。本実施形態によれば、バスバー9が、接地可能なハウジング6の内部および接地可能なインバータケース8の内部に配置されるので、バスバー9から生じた電子ノイズが、駆動装置1の外部の電子機器等に影響を及ぼすことが抑制される。
【0088】
バスバー9は、バスバー貫通孔9cを有する。バスバー貫通孔9cは、バスバー9を鉛直方向に貫通し、バスバー9の一対の板面に開口する。バスバー貫通孔9cは、バスバー9の第1方向一方側(+X側)の端部に配置される。バスバー貫通孔9cは、鉛直方向から見て、配線部材34の貫通孔34aと重なって配置される。バスバー貫通孔9cおよび貫通孔34aには、配線ネジ18が挿入される。配線ネジ18は、ネジ部材であり、鉛直方向に延びる。配線ネジ18は、後述するナット19にねじ止めされる。バスバー9と配線部材34とは、配線ネジ18およびナット19により鉛直方向から挟まれて、互いに固定される。
【0089】
ハウジング6の作業用孔部81jは、バスバー9のバスバー貫通孔9cおよび配線部材34の貫通孔34aに向けて開口する。本実施形態では図示しない作業用工具等を用い、作業用孔部81jからバスバー貫通孔9cおよび貫通孔34aに配線ネジ18を通して、ナット19に締め込むことにより、ハウジング6の内部においてバスバー9と配線部材34とを接続し固定できる。
【0090】
第1連結部材10は、例えば樹脂製である。第1連結部材10は、例えばエラストマー成分を含有するPPS樹脂等からなる。第1連結部材10は、例えば、バスバー9の材料と略同じ熱膨張率(熱膨張係数)を有する材料等からなる。第1連結部材10は、ケース本体8dの壁部8bに取り付けられて、第1開口孔8cの第1方向一方側(+X側)の開口を塞ぐ。つまり第1連結部材10は、インバータケース8に取り付けられて、第1開口孔8cを塞ぐ。第1連結部材10は、図示しない複数のネジ部材により、インバータケース8に固定される。
【0091】
本実施形態では第1連結部材10が、バスバー9をインサート部品とするインサート成形により作られる。第1連結部材10は、軸方向(Y軸方向)に並ぶ3つのバスバー9と固定される。第1連結部材10は、仕切り部10dと、取付け筒部10aと、挿入部10bと、バスバー固定部10cと、第1溝部10eと、第1フランジ部10hと、ナット保持部10fと、絶縁壁部10gと、を有する。
【0092】
仕切り部10dは、第1方向(X軸方向)に垂直な方向に拡がる板状である。第1方向から見て、仕切り部10dは、モータ軸J1の軸方向(Y軸方向)に延びる長円形状である。第1方向から見て、仕切り部10dは、軸方向を長軸とし、鉛直方向(Z軸方向)を短軸とする長円形状である。仕切り部10dは、第1開口孔8cを塞ぐ。仕切り部10dには、バスバー9の一部が埋め込まれて固定される。バスバー9は、仕切り部10dを第1方向に貫通して設けられる。
【0093】
取付け筒部10aは、仕切り部10dから第1方向他方側(-X側)に延びる筒状である。第1方向から見て、取付け筒部10aは、モータ軸J1の軸方向を長軸とし、鉛直方向を短軸とする長円形状である。第1方向から見て、バスバー9は、取付け筒部10aの内側に、取付け筒部10aから離れて配置される。取付け筒部10aは、第1開口孔8c内に挿入される。本実施形態では取付け筒部10aが、第1開口孔8c内に嵌合する。取付け筒部10aが第1開口孔8c内に嵌合することにより、第1連結部材10とインバータケース8とが位置決めされて組み立てられる。これによりバスバー9と、インバータケース8内に配置される端子台等との位置決めが正確に行える。また第1連結部材10と第2連結部材14とを組み合わせる際の位置合わせが安定して行え、バスバー9と、モータ2の配線部材34との接続も容易である。
【0094】
挿入部10bは、仕切り部10dから第1方向一方側(+X側)に向けて延びる筒状である。なお挿入部10bは、仕切り部10dから第1方向一方側に延びる柱状でもよい。第1方向から見て、挿入部10bは、モータ軸J1の軸方向に延びる長円形状である。第1方向から見て、挿入部10bは、軸方向を長軸とし、鉛直方向を短軸とする長円形状である。挿入部10bは、第2連結部材14の後述するガイド筒部14a内に挿入される。挿入部10bは、第3溝部10kを有する。
【0095】
第3溝部10kは、挿入部10bの外周面のうちガイド筒部14aの内周面と対向する部分に配置される。本実施形態では第3溝部10kが、挿入部10bの外周面のうち、第1方向一方側(+X側)の端部と第1方向他方側(-X側)の端部との間の中間部分に配置される。第1方向から見て、第3溝部10kは、挿入部10bの外周面に沿って延びる長円形状である。第3溝部10kは、第1方向から見て、挿入部10bの外周面に沿って延びる環状である。
【0096】
バスバー固定部10cは、バスバー9と固定される。バスバー固定部10cの数は、バスバー9の数と同じであり、本実施形態では複数(3つ)設けられる。3つのバスバー固定部10cは、モータ軸J1の軸方向に並んで配置される。バスバー固定部10cは、仕切り部10dから第1方向一方側に向けて延びる部分を有する。バスバー固定部10cは、仕切り部10dから第1方向他方側に向けて延びる部分を有する。バスバー固定部10cは、仕切り部10dと固定される。バスバー固定部10cには、バスバー9の一部が埋め込まれる。本実施形態では、バスバー9とバスバー固定部10cとが互いに密着して固定されるため、バスバー9とバスバー固定部10cとの間のシール性が確保される。また仕切り部10dによって、ハウジング6内のオイルO等が、第2開口孔81cおよび第1開口孔8cを通してインバータケース8内に入ることが抑制される。第1開口孔8cが、簡素な構造により封止される。
【0097】
第1溝部10eは、第1連結部材10のうちインバータケース8と対向する面に設けられる。第1溝部10eは、仕切り部10dの外周部に配置され、壁部8bに第1方向一方側(+X側)から対向する。第1溝部10eは、仕切り部10dの外周部に沿って延びる。第1溝部10eは、仕切り部10dの外周部において、第1方向他方側(-X側)を向く面に配置され、第1方向他方側に開口する。第1方向から見て、第1溝部10eは、第1開口孔8cを囲む環状である。第1溝部10eは、第1方向から見て、モータ軸J1の軸方向に長い長円形状である。
【0098】
第1フランジ部10hは、第1方向から見て、第1溝部10eの外側に位置する。第1フランジ部10hは、第1方向から見て、仕切り部10dの外周部の外側に配置され、仕切り部10dの外周部と繋がる。第1フランジ部10hは、第1方向に垂直な方向に拡がる板状である。図示を省略するが、第1フランジ部10hは、複数の第1ネジ孔部を有する。複数の第1ネジ孔部は、第1フランジ部10hを第1方向に貫通し、第1開口孔8cの孔周りに、第1開口孔8cの内周に沿って互いに間隔をあけて配置される。各第1ネジ孔部には、第1連結部材10をインバータケース8に固定する各ネジ部材が挿入される。
【0099】
ナット保持部10fは、バスバー9のうち、仕切り部10dよりも第1方向一方側(+X側)に位置する部分に沿って延びる。ナット保持部10fは、ナット保持部10fの第1方向一方側の端部にナット19を保持する。ナット19は、ナット保持部10fに、第1方向他方側(-X側)に向けて差し込まれる。ナット19は、バスバー貫通孔9cに下側から対向する。本実施形態では、配線部材34の貫通孔34aおよびバスバー貫通孔9cに配線ネジ18を通し、ナット保持部10fが保持するナット19に締め込むことにより、モータ2の配線部材34とバスバー9とを接続できる。すなわち、第1連結部材10を端子台として利用でき、簡素な構造によりバスバー9と配線部材34とを接続できる。
【0100】
絶縁壁部10gは、仕切り部10dから第1方向一方側に向けて延びる。絶縁壁部10gは、モータ軸J1の軸方向(Y軸方向)に垂直な方向に拡がる板状である。絶縁壁部10gは、軸方向に隣り合うバスバー9間に配置されて、第1方向(X軸方向)に延びる。絶縁壁部10gは、軸方向に並んで複数(2つ)設けられる。絶縁壁部10gによって、隣り合うバスバー9同士の間の絶縁が確保される。
【0101】
第2連結部材14は、例えば樹脂製である。第2連結部材14は、例えばエラストマー成分を含有するPPS樹脂等からなる。第2連結部材14は、第1連結部材10と同じ材料からなる。第2連結部材14は、モータ収容部81の壁部81eに取り付けられる。つまり第2連結部材14は、ハウジング6に取り付けられる。第2連結部材14は、複数のネジ部材16により、ハウジング6に固定される。第2連結部材14は、第1方向においてハウジング6とインバータケース8との間に位置し、第2開口孔81cに設けられる。第2連結部材14には、バスバー9が通される。バスバー9は、第2連結部材14に第1方向一方側(+X側)へ向けて挿入される。バスバー9の第1方向一方側の端部は、第2連結部材14から第1方向一方側に突出する。
【0102】
第1方向から見て、第2連結部材14は、鉛直方向(Z軸方向)の長さが、モータ軸J1の軸方向(Y軸方向)の長さよりも小さい。つまり第2連結部材14は、軸方向に延びる。本実施形態では、複数のバスバー9が軸方向に配列し、これに応じて第2連結部材14は、鉛直方向の外形寸法よりも軸方向の外形寸法が大きくされている。第2連結部材14は、取付け壁部14bと、ガイド筒部14aと、内筒部14cと、連結壁部14dと、第2溝部14eと、第2フランジ部14fと、を有する。
【0103】
取付け壁部14bは、第1方向(X軸方向)に垂直な方向に拡がる板状である。取付け壁部14bは、第2開口孔81cの内周に沿って延びる環状である。第1方向から見て、取付け壁部14bは、モータ軸J1の軸方向を長軸とし、鉛直方向を短軸とする長円形状である。取付け壁部14bの内周部以外の部分は、壁部81eのうち第2開口孔81cの孔周りの部分の全周にわたって、第1方向他方側(-X側)から対向する。なお「第2開口孔81cの孔周りの部分」とは、壁部81eのうち第2開口孔81cの外側に位置して第2開口孔81cの内周に沿って延びる環状の部分である。
【0104】
ガイド筒部14aは、取付け壁部14bから第1方向一方側(+X側)に延びる筒状である。ガイド筒部14aは、取付け壁部14bの内周部から第1方向一方側に延びる。第1方向から見て、ガイド筒部14aは、モータ軸J1の軸方向を長軸とし、鉛直方向を短軸とする長円形状である。第1方向から見て、バスバー9は、ガイド筒部14aの内側に、ガイド筒部14aから離れて配置される。ガイド筒部14aは、第2開口孔81c内に挿入される。本実施形態ではガイド筒部14aが、第2開口孔81c内に嵌合する。ガイド筒部14aが第2開口孔81c内に嵌合することにより、第2連結部材14とハウジング6とが位置決めされて組み立てられる。これにより、第2連結部材14と第1連結部材10とを組み合わせる際の位置合わせが安定して行え、組み立てが容易となる。
【0105】
ガイド筒部14aは、受け入れテーパ面14hを有する。受け入れテーパ面14hは、ガイド筒部14aの内周面のうち、第1方向他方側(-X側)の端部に位置する開口部に配置される。受け入れテーパ面14hは、第1方向他方側へ向かうにしたがい、第1方向から見て第2開口孔81cの外側へ向けて延びる傾斜面である。本実施形態によれば、ガイド筒部14aの第1方向他方側の開口部に受け入れテーパ面14hが設けられるので、ガイド筒部14aの内側に、挿入部10bを挿入しやすい。したがって、インバータケース8に装着された第1連結部材10と、ハウジング6に装着された第2連結部材14とを、組み立てやすい。
【0106】
内筒部14cは、ガイド筒部14aの内側に配置される。第1方向から見て、内筒部14cは、ガイド筒部14aから内側に離れて配置される。第1方向から見て、内筒部14cの形状と、ガイド筒部14aの形状とは、互いに略相似である。第1方向から見て、バスバー9は、内筒部14cの内側に、内筒部14cから離れて配置される。
【0107】
連結壁部14dは、内筒部14cの第1方向一方側(+X側)の端部と、ガイド筒部14aの第1方向一方側の端部とを繋ぐ。連結壁部14dは、第2開口孔81cの内周に沿って延びる環状である。連結壁部14dは、第1方向に垂直な方向に拡がる板状である。本実施形態によれば、挿入部10bの内側に内筒部14cが設けられ、挿入部10bの第1方向一方側に連結壁部14dが設けられるので、ラビリンス構造により、挿入部10bとガイド筒部14aとの間に、ハウジング6内のオイルO等が到達しにくい。このため、挿入部10bとガイド筒部14aとの間を通して、ハウジング6の内部から外部へオイルO等が漏れ出すことを抑制できる。また、後述する第3シール部13の劣化を抑制して、第3シール部13の部品寿命を延ばすことができる。なお、挿入部10bが第1方向に延びる柱状である場合には、内筒部14cおよび連結壁部14dは設けられなくてもよい。
【0108】
第2溝部14eは、第2連結部材14のうちハウジング6と対向する面に設けられる。第2溝部14eは、取付け壁部14bに配置される。第2溝部14eは、取付け壁部14bに沿って延びる環状である。第2溝部14eは、取付け壁部14bの第1方向一方側(+X側)を向く面に配置され、第1方向一方側に開口する。第1方向から見て、第2溝部14eは、第2開口孔81cを囲む環状である。第2溝部14eは、第1方向から見て、モータ軸J1の軸方向に長い長円形状である。
【0109】
第2フランジ部14fは、第1方向から見て、第2溝部14eの外側に位置する。第2フランジ部14fは、第1方向から見て、取付け壁部14bの外周部の外側に配置され、取付け壁部14bの外周部と繋がる。第2フランジ部14fは、第1方向に垂直な方向に拡がる板状である。図示を省略するが、第2フランジ部14fは、複数の第2ネジ孔部を有する。複数の第2ネジ孔部は、第2フランジ部14fを第1方向に貫通し、第2開口孔81cの孔周りに、第2開口孔81cの内周に沿って互いに間隔をあけて配置される。各第2ネジ孔部には、第2連結部材14をハウジング6に固定する各ネジ部材16が挿入される。
【0110】
第1シール部11は、第1方向においてインバータケース8と第1連結部材10との間に配置され、インバータケース8および第1連結部材10に接触する。第1シール部11は、弾性変形可能である。第1シール部11によって、インバータケース8と第1連結部材10との間が封止される。第1シール部11がインバータケース8と第1連結部材10との間で第1方向に挟まれるので、第1連結部材10をインバータケース8に固定する図示しない複数のネジ部材による第1方向の押し付け力を、第1シール部11全体に均等に作用させることができる。このため、第1シール部11によるシール機能が安定する。組み立て時に、第1シール部11にねじれや損傷等が生じることを抑制できる。第1シール部11によって、インバータケース8の外部から内部に水やオイル等の液体および異物などが入ることを抑えられる。第1シール部11により、第1開口孔8cのシール性が確保される。
【0111】
第1シール部11は、第1方向から見て、第1開口孔8cを囲む環状である。第1方向から見て、第1シール部11は、モータ軸J1の軸方向に長い長円形状である。本実施形態では第1シール部11が、第1連結部材10とは別部材として設けられるOリング等である。第1シール部11は、第1溝部10eに配置される。本実施形態によれば、第1連結部材10への第1シール部11の取り付けが容易であり、駆動装置1の組み立て時および組み立て後の第1シール部11の位置ずれが抑制される。第1溝部10eにより、第1シール部11のシール性が安定して確保される。
【0112】
第2シール部12は、第1方向においてハウジング6と第2連結部材14との間に配置され、ハウジング6および第2連結部材14に接触する。第2シール部12は、弾性変形可能である。第2シール部12によって、ハウジング6と第2連結部材14との間が封止される。第2シール部12がハウジング6と第2連結部材14との間で第1方向に挟まれるので、第2連結部材14をハウジング6に固定する複数のネジ部材16による第1方向の押し付け力を、第2シール部12全体に均等に作用させることができる。このため、第2シール部12によるシール機能が安定する。組み立て時に、第2シール部12にねじれや損傷等が生じることを抑制できる。第2シール部12によって、ハウジング6の外部から内部に水等の液体および異物などが入ることや、ハウジング6の内部から外部へオイルO等が漏れ出すことを抑えられる。第2シール部12により、第2開口孔81cのシール性が確保される。
【0113】
第2シール部12は、第1方向から見て、第2開口孔81cを囲む環状である。第1方向から見て、第2シール部12は、モータ軸J1の軸方向に長い長円形状である。本実施形態では第2シール部12が、第2連結部材14とは別部材として設けられるOリング等である。第2シール部12は、第2溝部14eに配置される。本実施形態によれば、第2連結部材14への第2シール部12の取り付けが容易であり、駆動装置1の組み立て時および組み立て後の第2シール部12の位置ずれが抑制される。第2溝部14eにより、第2シール部12のシール性が安定して確保される。なお本実施形態では、第1方向から見て、第2シール部12と第1シール部11とが、互いに重なって配置される。すなわち、第1方向から見て、第2溝部14eと第1溝部10eとが、互いに重なって配置される。
【0114】
第3シール部13は、ガイド筒部14aの内周面と、この内周面に対向する挿入部10bの外周面との間に配置される。第3シール部13は、ガイド筒部14aの内周面および挿入部10bの外周面に接触する。第3シール部13は、弾性変形可能である。本実施形態によれば、第3シール部13によって、第1連結部材10と第2連結部材14との間が封止される。詳しくは、駆動装置1の組み立て時に、第1連結部材10の挿入部10bが、第2連結部材14のガイド筒部14a内に挿入されることで、第3シール部13が、挿入部10bの外周面とガイド筒部14aの内周面とに接触して、これらの周面同士の間がシールされる。第3シール部13によって、ハウジング6の外部から内部に水等の液体および異物などが入ることや、ハウジング6の内部から外部へオイルO等が漏れ出すことを抑えられる。第3シール部13により、第1連結部材10と第2連結部材14との間のシール性を確保することで、第2開口孔81cのシール性が確保される。
【0115】
第3シール部13は、第1方向から見て、挿入部10bの外周面に沿って延びる環状である。第3シール部13は、第1方向から見て、モータ軸J1の軸方向に長い長円形状である。本実施形態では、第3シール部13が、挿入部10bとは別部材として設けられるOリング等である。第3シール部13は、第3溝部10kに配置される。本実施形態によれば、挿入部10bへの第3シール部13の取り付けが容易であり、駆動装置1の組み立て時および組み立て後の第3シール部13の位置ずれが抑制される。第3溝部10kにより、第3シール部13のシール性が安定して確保される。なお本実施形態では、第1連結部材10および第2連結部材14が樹脂製であるので、第3シール部13の損傷等を抑制できる。すなわち、挿入部10bの外周面およびガイド筒部14aの内周面に、第3シール部13が引っ掛かるような硬いエッジ等が設けられることが抑えられ、第3シール部13にねじれや損傷等が生じることを抑制できる。したがって、第3シール部13のシール機能が安定する。
【0116】
ハーネス部材60は、補機とインバータ7とを電気的に接続する。本実施形態ではハーネス部材60が、補機であるオイルポンプ70と、インバータ7とを電気的に接続する。図6および図7に示すように、ハーネス部材60は、ハウジング6の外部かつインバータケース8の外部に配置される。具体的にハーネス部材60は、第5ハウジング外面部6e、第2ハウジング外面部6bおよび第1インバータケース外面部8gにわたって延びる。本実施形態ではハーネス部材60が、冷却水用配管97jの一部に沿って引き回される。本実施形態によれば、ハーネス部材60が、接地可能なハウジング6および接地可能なインバータケース8の外部に配置されるので、ハーネス部材60が、モータ2、インバータ7およびバスバー9から生じる電子ノイズの影響を受けることを抑制できる。
【0117】
ハーネス部材60は、インバータケース8のコネクタ28に接続される第1コネクタ61と、ハウジング6の下部に位置するオイルポンプ70のコネクタ29に接続される第2コネクタ62と、第1コネクタ61と第2コネクタ62とを接続する電線63と、を有する。コネクタ28は、インバータケース8の第1インバータケース外面部8gに配置される。コネクタ28は、インバータ7と電気的に接続される。図3に示すように、コネクタ28および第1コネクタ61は、側面コネクタカバー86により覆われる。図7に示すように、コネクタ29は、オイルポンプ70の電源および信号入力用としてオイルポンプ70に設けられる。図6に示すように、コネクタ29および第2コネクタ62は、下面コネクタカバー87により覆われる。
【0118】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
【0119】
前述の実施形態では、モータ側アース配線取付部6fが、第1ハウジング外面部6aに配置される例を挙げたが、これに限らない。モータ側アース配線取付部6fは、第2ハウジング外面部6b、第3ハウジング外面部6c、第4ハウジング外面部6dおよび第5ハウジング外面部6eのいずれかに配置されてもよい。
【0120】
前述の実施形態では、インバータ側アース配線取付部(第1のインバータ側アース配線取付部)8kが、第1インバータケース外面部8gに配置され、インバータ側アース配線取付部(第2のインバータ側アース配線取付部)8mが、第2インバータケース外面部8hに配置される例を挙げたが、これに限らない。インバータ側アース配線取付部8kは、第2インバータケース外面部8h、第3インバータケース外面部8iおよび第4インバータケース外面部8jのいずれかに配置されてもよい。インバータ側アース配線取付部8mは、第1インバータケース外面部8g、第3インバータケース外面部8iおよび第4インバータケース外面部8jのいずれかに配置されてもよい。ただしモータ側アース配線取付部6fとインバータ側アース配線取付部8k,8mとは、互いに異なる方向を向く各外面部に配置されることが好ましい。
【0121】
前述の実施形態では、駆動装置1の補機としてオイルポンプ70が設けられる例を挙げたが、これに限らない。図示を省略するが、補機としてオイルポンプ70以外に、例えばパーキングロック機構の電動アクチュエータが設けられてもよい。電動アクチュエータは、ハウジング6に設けられる。電動アクチュエータとインバータ7とを電気的に接続するハーネス部材は、ハウジング6の外部かつインバータケース8の外部に配置される。この場合、このハーネス部材が、モータ2、インバータ7およびバスバー9から生じる電子ノイズの影響を受けることを抑制できる。
【0122】
前述の実施形態では、ハウジング6がモータ2を囲い、インバータケース8がインバータ7を囲い、ハウジング6およびインバータケース8がバスバー9を囲う。またハウジング6とインバータケース8とが、導電性を有する固定部材81fにより固定されている。つまり固定部材81fを介して、ハウジング6とインバータケース8との導通が確保されている。この場合、モータ側アース配線取付部6fおよびインバータ側アース配線取付部8k,8mのいずれかが設けられなくてもよい。この駆動装置においても、安定して接地が行える。またモータ2、インバータ7およびバスバー9から生じた電子ノイズが、駆動装置の外部に漏れ出ることが抑制される。
【0123】
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例およびなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0124】
1…駆動装置、2…モータ、6…ハウジング、6a…第1ハウジング外面部、6f…モータ側アース配線取付部、7…インバータ、8…インバータケース、8g…第1インバータケース外面部、8h…第2インバータケース外面部、8k,8m…インバータ側アース配線取付部、9…バスバー、60…ハーネス部材、70…オイルポンプ、81f…固定部材、108…モータ側アース配線(アース配線)、109…インバータ側アース配線(アース配線)J1…モータ軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7