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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】アプリケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20230816BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20230816BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
G06F3/12 375
G06F3/12 331
G06F3/12 326
G06F3/12 303
G06F3/12 387
B41J29/38 202
H04N1/00 127B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019097632
(22)【出願日】2019-05-24
(65)【公開番号】P2020194207
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】川口 真史
(72)【発明者】
【氏名】浅井 紀彦
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-195847(JP,A)
【文献】特開2014-006814(JP,A)
【文献】特開2007-196485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00-29/70
H04N1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータによって実行可能なアプリケーションプログラムであって、
前記コンピュータに、少なくとも1つの画像データに対する処理を示すデータであるワークフローを登録させる場合、
前記情報処理装置に接続されるデバイスを検索する検索処理と、
前記ワークフローの各処理の設定を、前記情報処理装置の入力デバイスを介して受け付ける設定処理と、
前記検索処理にて検索されたデバイスの中から、前記設定処理にて受け付けられた設定での処理を実行可能なデバイスを抽出する抽出処理と、
前記抽出処理にて抽出されたデバイスの中から、前記ワークフローの各処理を実行するデバイスの選択を、前記入力デバイスを介して受け付ける選択処理と、
を実行させ、
また、前記コンピュータに、
前記設定処理にて受け付けられた設定に対応するデバイスのモデル名を取得する取得処理を実行させ、
さらに、前記コンピュータに、
前記抽出処理にてデバイスが抽出されなかった場合に、前記取得処理にて取得したモデル名を、前記情報処理装置の表示デバイスに表示させるモデル表示処理を実行させる、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記検索処理を前記設定処理よりも先に実行させ、
前記設定処理では、
前記検索処理にて検索されたデバイスのうち少なくとも1つのデバイスで対応する設定の中から、前記ワークフローに示される各処理での設定を受け付ける、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項3】
請求項1に記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記設定処理では、
あらかじめ決められた設定の中から、前記ワークフローに示される各処理での設定を受け付ける、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記抽出処理にて抽出されたデバイスの一覧を、前記情報処理装置の表示デバイスに表示させる表示処理を実行させる、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記設定処理にて前記ワークフローの各処理の設定が変更される度に、前記抽出処理および前記表示処理を実行させる、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項6】
請求項4に記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記設定処理では、
前記ワークフローの各処理の設定を決定する操作である決定操作も受け付け、
前記コンピュータに、
前記設定処理にて前記決定操作を受け付けた後に、前記抽出処理および前記表示処理を実行させる、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれか1つに記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記表示処理では、
前記抽出処理にて抽出されたデバイスの中に、前記情報処理装置のオペレーティングシステムに登録されているデフォルトのデバイスが含まれる場合、そのデバイスを他のデバイスよりも優先的に表示する、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項8】
請求項4から請求項6のいずれか1つに記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記表示処理では、
前記抽出処理にて抽出されたデバイスの中に、前記設定処理にて設定された前記ワークフローの各処理を1つのデバイスで実行可能な場合、そのデバイスを他のデバイスよりも優先的に表示する、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項9】
請求項4から請求項6のいずれか1つに記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記表示処理では、
前記抽出処理にて複数のデバイスが抽出された場合に、直近に利用された日時が近いデバイスから優先的に表示する、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記ワークフローに示される前記処理には、前記画像データを入力する入力処理と、前記入力処理にて入力された前記画像データを出力する出力処理と、の少なくとも一方が含まれる、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、情報処理装置のコンピュータが実行可能なアプリケーションプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、少なくとも1つの画像データに対する処理を示すデータであるワークフローを作成するアプリケーションプログラムが知られている。ワークフローを作成する技術を開示した文献としては、例えば特許文献1がある。特許文献1には、ワークフローを作成する場合に、あらかじめデバイスを選択しておき、その後、ワークフローの各処理について、選択されたデバイスの能力に適した設定を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-117195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したようにデバイスを選択した上でそのデバイスで利用可能な範囲で設定を行う手順の場合、そのデバイスで不適切な設定が行われることを回避できるが、ユーザが所望する設定を行うことができない状況が生じ得る。例えばカラースキャンを利用したい場合、カラースキャンに対応していないスキャナをあらかじめ選択してしまうと、カラースキャンの設定を行うことができず、ユーザが困惑する。また、このような状況からカラースキャンの設定を行う場合、ワークフローの作成をデバイスの選択からやり直すことになり、ユーザにとって手間がかかる。
【0005】
本明細書は、ワークフローが作成可能なアプリケーションプログラムであって、ワークフローを作成する際の利便性を向上させる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題の解決を目的としてなされたアプリケーションプログラムは、情報処理装置のコンピュータによって実行可能なアプリケーションプログラムであって、前記コンピュータに、少なくとも1つの画像データに対する処理を示すデータであるワークフローを登録させる場合、前記情報処理装置に接続されるデバイスを検索する検索処理と、前記ワークフローの各処理の設定を、前記情報処理装置の入力デバイスを介して受け付ける設定処理と、前記検索処理にて検索されたデバイスの中から、前記設定処理にて受け付けられた設定での処理を実行可能なデバイスを抽出する抽出処理と、前記抽出処理にて抽出されたデバイスの中から、前記ワークフローの各処理を実行するデバイスの選択を、前記入力デバイスを介して受け付ける選択処理と、を実行させる、ことを特徴とする。
【0007】
本明細書に開示されるアプリケーションプログラムを実行する情報処理装置は、WFを実行するデバイスが選択される前に、ワークフローの各処理の設定を受け付け、その設定での処理を実行可能なデバイスを抽出する。そして、情報処理装置は、抽出されたデバイスの中から各処理を実行するデバイスをユーザに選択させる。これにより、ユーザは所望の設定に対応するデバイスを選択することになり、情報処理装置は、所望の設定を行えない状況を低減できる。
【0008】
上記装置の機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、および当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示される技術によれば、ワークフローが作成可能なアプリケーションプログラムであって、ワークフローを作成する際の利便性を向上させる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本形態のシステムの電気的構成を示すブロック図である。
図2】デバイステーブルの例を示す説明図である。
図3】画面遷移の例を示す説明図である。
図4】パラメータ入力画面の例を示す説明図である。
図5】パラメータ入力画面の例を示す説明図である。
図6】エラーメッセージの例を示す説明図である。
図7】名称設定画面の例を示す説明図である。
図8】WF処理の手順を説明するフローチャートである。
図9】WF作成処理の手順を説明するフローチャートである。
図10】WF作成画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ワークフロー(以下、「WF」とする)を作成するシステムを具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、パーソナルコンピュータ(以下「PC」とする)にて実行されるアプリであって、WFの各処理の設定と、WFの各処理を実行するデバイスの選択と、を受け付けるアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」とする)を開示するものである。
【0012】
本形態のシステムは、図1に示すように、PC1が、プリンタ3と、プリンタ4と、複合機(以下、「MFP」とする)5と、スキャナ6と、クラウドサーバ8に通信可能に接続されることにより、構成されている。PC1とプリンタ3とプリンタ4と複合機5は、ネットワーク2を介して通信可能に接続されている。ネットワーク2は、有線でも無線でもよく、複数の通信方式のものが混在していても良い。PC1とスキャナ6は、USBを介して通信可能に接続されている。PC1とクラウドサーバ8は、インターネット7を介して通信可能に接続されている。PC1は「情報処理装置」の一例である。プリンタ3、プリンタ4、MFP5、スキャナ6は「デバイス」の一例である。
【0013】
まず、PC1について説明する。PC1は、各種のプログラムの実行が可能な装置である。本形態のPC1は、MFP5やスキャナ6やクラウドサーバ8から送信された画像データを入力する機能と、プリンタ3やプリンタ4やMFP5やクラウドサーバ8に画像データを出力する機能と、WFを処理する機能と、を有する。PC1は、例えば、タブレットコンピュータ、スマートフォンであってもよい。
【0014】
本形態のPC1は、図1に示すように、CPU11と、ROM12と、RAM13と、不揮発性メモリ14と、を含むコントローラ10を備えている。さらに、表示部15と、操作部16と、ネットワークインターフェース(以下「ネットワークIF」とする)17と、USBインターフェース(以下「USB-IF」とする)18と、を備え、これらがコントローラ10に電気的に接続されている。CPU11は、「コンピュータ」の一例である。表示部15は、「表示デバイス」の一例である。操作部16は、「入力デバイス」の一例である。
【0015】
ROM12には、PC1を起動するための起動プログラム等が記憶されている。RAM13は、各種の処理が実行される際の作業領域として、あるいは、データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。不揮発性メモリ14は、例えば、HDD、フラッシュメモリであり、処理アプリ42を含む各種のプログラム、画像データやWFやデバイス情報等の各種のデータ、各種設定などを記憶する領域として利用される。WFや処理アプリ42の詳細については、後述する。
【0016】
CPU11は、ROM12や不揮発性メモリ14から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。なお、図1中のコントローラ10は、PC1の制御に利用されるハードウェアやソフトウェアを纏めた総称であって、実際にPC1に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。
【0017】
表示部15は、情報の表示を行うハードウェアを含む。また、操作部16は、例えば、キーボード、マウスであり、ユーザによる操作を受け付けるハードウェアを含む。PC1は、表示部15と操作部16との組に代えて、入力機能と出力機能との両方を備えるタッチパネルを備えていても良い。
【0018】
ネットワークIF17は、インターネット7を介してクラウドサーバ8等の外部装置との通信を行うハードウェアを含む。また、ネットワークIF17は、ネットワーク2を介して外部装置と通信を行うためのハードウェアを含む。PC1は、通信方式の異なる複数のネットワークIF17を備えていてもよい。USB-IF18は、スキャナ6との通信を行うためのハードウェアを含む。なお、スキャナ6との通信方式は、ネットワークIF17によるものであってもよい。
【0019】
PC1の不揮発性メモリ14には、オペレーティングシステム(以下「OS」とする)41と、処理アプリ42とを含む、各種プログラムが記憶されている。また、不揮発性メモリ14には、デバイステーブル43を含む、各種データが記憶されている。OS41の一部は、ROM12に含まれていてもよい。処理アプリ42は、WFの各処理を実行するプログラムである。処理アプリ42は、WFの登録・実行機能だけを有するプログラムでも、WF登録・実行機能だけでなく、画像処理や印刷指示なども行うことができるプログラムであってもよい。処理アプリ42は、「アプリケーションプログラム」の一例である。処理アプリ42については後述する。
【0020】
デバイステーブル43は、不揮発性メモリ14内の処理アプリ42用の記憶領域に記憶されている。処理アプリ42は、PC1に接続するデバイスを検索し、発見されたデバイスの情報をデバイスレコードとしてデバイステーブル43に記憶する。デバイスを検索するタイミングは、処理アプリ42をPC1にインストールするときでもよいし、新しいデバイスがPC1に接続されたことをOS41が検知したときでもよい。また例えば、PC1が、処理アプリ42を実行して表示する画面にデバイスを検索するためのデバイス検索アイコンを設け、デバイス検索アイコンが押下されたタイミングでデバイス検索を行うようにしてもよい。
【0021】
図2は、デバイステーブル43の例を示す説明図である。デバイステーブル43は、例えば、デバイス名称511と、モデル名512と、デバイスID513と、カラー/モノクロ印刷514と、用紙サイズ515と、両面印刷516と、クラウド517と、FAX518、スキャン519の情報を含む。
【0022】
デバイス名称511は、デバイスを識別する情報である。モデル名512は、デバイスのモデル名である。デバイスID513は、デバイスを識別する情報であり、Macアドレスやネットワークアドレスなどである。カラー/モノクロ印刷514は、カラー印刷に対応できる場合には「カラー」と「モノクロ」を記憶し、カラー印刷に対応できない場合には「モノクロ」のみを記憶する。用紙サイズ515は、印刷可能な用紙のサイズを記憶する。両面印刷516と、クラウド517と、FAX518と、スキャン519は、対応している場合には「対応」が記憶され、対応していない場合には「非対応」が記憶される。
【0023】
次に、WFについて説明する。本形態のWFは、少なくとも1つの画像データに対する処理を示すデータである。例えば、WFは、少なくとも1つの画像データに対して行う1つ又は複数の処理の機能や設定を予め決めて1つのWFとして所定の記憶領域に登録され、ショートカットアイコンの操作などに応じて所定の記憶領域から読み出されて、予め決められた処理を実行するためのデータである。
【0024】
WFの処理には、例えば、画像データを入力する入力処理と、画像データを出力する出力処理の少なくとも一方が含まれる。つまり、処理には、入力処理と出力処理を組み合わせた処理が含まれる。入力処理には、例えば、画像の読み取り、クラウドサーバに保存されている画像データのダウンロード、が該当する。出力処理には、例えば、画像の印刷、画像データのクラウドサーバへのアップロード、画像データのFAX送信、画像データの電子メール送信、が該当する。例えば、スキャナでスキャンした画像データをメール送信する場合、WFは、スキャンとメール送信の2つの処理について、それぞれ予め設定されたパラメータを、1つのWFとして記憶する。また例えば、スキャナでスキャンした画像データを所定の宛先に送信する場合、WFは、画像データの送信という1つの処理について、予め設定されたパラメータを、1つのWFとして記憶する。例えば、スキャナで画像をスキャンする場合、WFは、スキャンという1つの処理について、予め設定されたパラメータを、1つのWFとして記憶する。
【0025】
また、WFの処理には、複数の処理の組合せであり、処理に順番がある処理が含まれる。例えば、スキャナで画像データを読み取り、読み取った画像データを画像変換し、変換後の画像データを送信する場合、WFは、各処理のパラメータの設定の他、スキャン、画像変換、データ送信という処理の順番を、1つのWFに含めて記憶する。また例えば、MFPを用いてコピーを行う場合、WFは、スキャンと印刷の各パラメータの他、スキャンして印刷する処理の順番を、1つのWFに含めて記憶する。
【0026】
さらに例えば、WFの処理には、1つのWF実行の結果を、複数のデバイスで連携して行う場合が含まれる。例えば、スキャナでスキャンした画像データを、プリンタに送って印刷することによってコピーを行う場合、スキャナとプリンタの2つのデバイスを使って1つの印刷物が、1つのWF実行の結果として得られる。この場合、WFは、スキャンと印刷の各処理について予め設定されたパラメータを、1つのWFとして記憶する。
【0027】
WFは、ユーザの指示に基づいて、PC1にて作成される。PC1は、処理アプリ42が実行されることで、入力処理と出力処理の少なくとも一方の機能の設定を、操作部16を介して受け付け、さらに、設定された各機能に必要なパラメータの設定を、操作部16を介して受け付ける。PC1は、PC1に接続されるデバイスの中から、WFの各設定での処理を実行可能なデバイスを抽出し、抽出されたデバイスの中から、WFの処理を実行するデバイスの選択を、操作部16を介して受け付ける。
【0028】
図3は、PC1で処理アプリ42が実行され、WFを作成する指示を受け付けた際、表示部15に表示される画面遷移の例を示している。PC1は、処理アプリ42が実行されると、トップ画面D1を表示部15に表示させる。トップ画面D1には、WF作成ボタン101が表示されている。WF作成ボタン101は、WFを作成する指示を受け付けるボタンである。
【0029】
PC1は、WF作成ボタン101が押下されると、機能設定画面DL1を表示部15に表示する。機能設定画面DL1は、WFにて実行する機能の設定を受け付ける画面である。機能設定画面DL1には、例えば、アイコン111~118が表示されている。アイコン111は、ローカルエリアからドキュメントを取得して印刷する機能を選択するためのアイコンである。アイコン112は、ローカルエリアから写真を取得して印刷する機能を選択するためのアイコンである。アイコン113は、クラウドサーバから画像データを取得して印刷する機能を選択するためのアイコンである。アイコン114は、スキャンされた画像データをPC1に保存する機能を選択するためのアイコンである。アイコン115は、スキャンされた画像データをFAX送信する機能を選択するためのアイコンである。アイコン116は、スキャンされた画像データをメール送信する機能を選択するためのアイコンである。アイコン117は、スキャンされた画像データを印刷する機能を選択するためのアイコンである。アイコン118は、スキャンされた画像データをサーバに保存する機能を選択するためのアイコンである。
【0030】
PC1は、アイコン111~118の何れかが選択されることにより、入力処理にて実行される機能と、出力処理にて実行される機能の両方の設定を受け付けることができる。例えば、PC1は、アイコン113が操作部16を用いて選択された場合、入力処理にて実行される機能として、クラウドサーバから画像データを取得する機能が設定され、出力処理にて実行される機能として、入力処理にて取得した画像データを印刷する機能が設定される。なお、機能設定画面DL1は、入力処理にて実行される機能の設定と、出力処理にて実行される機能の設定とを、個別に受け付けてもよい。
【0031】
図4は、パラメータ入力画面D2の例を示す説明図である。PC1は、例えば、アイコン113が押下された場合、表示部15を用いて、例えば図4に示すパラメータ入力画面D2を表示する。パラメータ入力画面D2は、パラメータ入力領域201と、デバイス選択領域202と、モデル提案領域203と、OKアイコン204、キャンセルアイコン205が表示されている。
【0032】
パラメータ入力領域201は、WFの各処理の設定を、操作部16を介して機能別に受け付けるための領域である。デバイス選択領域202は、パラメータ入力領域201に入力された設定での処理が実行可能なデバイスが選択可能に表示され、WFを実行するデバイスの選択を、操作部16を介して受け付けるための領域である。OKアイコン204は、WFの各処理の設定を確定させる指示を受け付けるためのアイコンである。キャンセルアイコン205は、WFの作成を中止する指示を受け付けるためのアイコンである。
【0033】
パラメータ入力領域201には、入力側設定部211と、出力側設定部212が設けられている。入力側設定部211は、入力処理にて実行される入力機能のパラメータを設定する設定領域である。図3に示す機能設定画面DL1においてアイコン113が選択されているため、入力処理は、クラウドからドキュメントの画像データを取得する処理となる。そのため、図4に示す入力側設定部211では、クラウドサーバから取得する画像データの特定が行われる。
【0034】
出力側設定部212は、出力処理にて実行される出力機能のパラメータを設定する設定領域である。図3に示す機能設定画面DL1においてアイコン113が選択されているため、出力処理は、クラウドから取得した画像データを印刷する処理となる。そのため、図4に示す出力側設定部212では、印刷パラメータの設定が行われる。すなわち、出力側設定部212は、印刷設定アイコン220が操作部16を介して操作されることにより、用紙サイズ設定欄231と、カラー設定欄232と、両面印刷設定欄233が表示される。なお、出力側設定部212にて設定可能な印刷パラメータは、これらに限定されず、画質や集約印刷などの項目を含んでもよい。
【0035】
デバイス選択領域202は、デバイスが一覧表示される領域である。処理アプリ42は、パラメータ入力領域201に入力されたパラメータでの処理を実行可能なデバイスをデバイステーブル43から抽出し、抽出されたデバイスをデバイス選択領域202に選択可能に表示する。
【0036】
例えば、図4に示す例のように、用紙サイズ設定欄231に「A4サイズ」、カラー設定欄232に「ON」、両面印刷設定欄233に「ON」に設定されたとする。この場合、図2に示すように、デバイスAとデバイスCは、カラー/モノクロ印刷514に「カラー」が記憶され、用紙サイズ515に「A4」が記憶され、両面印刷516に「対応」が記憶され、図4の例に示す印刷パラメータでの印刷処理を実行できる。しかし、デバイスBは、図2に示すように、カラー/モノクロ印刷514に「カラー」が記憶され、用紙サイズに「A4」が記憶されているが、両面印刷516に「非対応」が記憶され、図4の例に示す印刷パラメータでの印刷処理を実行できない。よって、図4に示すデバイス選択領域202には、デバイスAとデバイスCを含み、デバイスBを含まないデバイス一覧が表示される。
【0037】
図4に示すように、デバイス選択領域202は、表示中の各デバイスの横に、チェックボックス242が設けられ、チェックボックス242にチェックを入れることにより、WFを実行するデバイスを選択できるようになっている。よって、ユーザは、出力側設定部212に設定された所望の印刷パラメータでの印刷処理を実行可能なデバイスAとデバイスCの中から、WFを実行するデバイスを選択することができる。これにより、ユーザが両面印刷を含むWFを作成したい場合に、PC1は、デバイスBが選択され、両面印刷を設定できない状況を回避できる。
【0038】
なお、本形態では、PC1は、抽出されたデバイスのみをデバイス選択領域202に表示するが、例えば、デバイステーブル43に記憶されている全てのデバイスをデバイス選択領域202に表示し、抽出されたデバイスを選択可能に表示し、抽出されなかったデバイスをグレー表示等により選択不可能に表示するようにしてもよい。
【0039】
図5は、図2に示す例と異なるパラメータが入力された場合のパラメータ入力画面D2の例である。図5の例に示すように、用紙サイズ設定欄231に「A3サイズ」、カラー設定欄232に「ON」、両面印刷設定欄233に「OFF」が設定されることにより、印刷パラメータは、用紙サイズと両面印刷の設定が図4の例に示す状態から変更される。この場合、図2に示すように、デバイスBとデバイスCは、カラー/モノクロ印刷514に「カラー」が記憶され、用紙サイズ515に「A3」が記憶され、図5の例に示す印刷パラメータでの印刷処理を実行できる。しかし、デバイスAは、図2に示すように、用紙サイズ515に「A3」が記憶されておらず、図5の例に示す印刷パラメータでの印刷処理を実行できない。よって、デバイス選択領域202は、デバイスAとデバイスCを含み、デバイスBを含まないデバイスの一覧表示から、デバイスBとデバイスCを含み、デバイスAを含まないデバイスの一覧表示に切り替えられる。
【0040】
このように、デバイスの一覧は、印刷パラメータが変更される度に、デバイス選択領域202の表示が切り換えられる。よって、ユーザは、PC1に接続するデバイスの中から、所望の印刷パラメータに対応可能なデバイスを容易に把握して選択できる。
【0041】
なお、パラメータ入力画面D2のモデル提案領域203には、パラメータ入力領域201に入力されたパラメータに対応するデバイスのモデル名と、当該デバイスを購入する購入サイトのURLが表示される。PC1は、モデル提案領域203を省略し、PC1に接続されるデバイスの中から、パラメータ入力領域201に入力されたパラメータに対応するデバイスを抽出できなかった場合に、図6に示すエラー通知画面DL2を表示してもよい。エラー通知画面DL2は、エラーメッセージとモデル名とURLを含むダイアログである。これにより、モデル名とURLが毎回表示されることにユーザが煩わしさを感じる機会を低減できる。
【0042】
PC1は、例えば図4の例に示すように、デバイスAのチェックボックス242にチェックを入れることによりデバイスAが選択された状態で、OKアイコン204が押下されると、表示部15を用いて、図7に示す名称設定画面D3を表示する。名称設定画面D3には、名称入力欄301と、キャンセルアイコン302と、OKアイコン303とが表示されている。名称入力欄301は、WFを識別する名称の設定を受け付ける欄である。キャンセルアイコン302は、WFの作成を中止する指示を受け付けるアイコンである。OKアイコン303は、WFを保存する指示を受け付けるアイコンである。
【0043】
PC1は、操作部16を用いて、名称入力欄301に名称が入力された状態でOKアイコン303が押下されると、名称設定画面D3に入力された名称と、図3に示す機能設定画面DL1にて受け付けた機能と、図4に示すパラメータ入力画面D2にて受け付けたパラメータとを関連付けたデータを、WFとして不揮発性メモリ14に記憶する。そして、図3に示すように、記憶したWFのショートカット310を、トップ画面D1に設ける。
【0044】
PC1は、操作部16を用いてショートカット310が操作されると、ショートカット310に関連付けられたWFを不揮発性メモリ14から読み出し、読み出したWFの各処理を実行する。例えば、PC1は、ネットワークIF17を用いてクラウドから画像データを入力し、ネットワークIF17を用いて、用紙サイズ「A4」、カラー印刷「ON」、両面印刷「ON」の印刷パラメータを付した画像データをデバイスAに出力し、デバイスAに印刷を実行させる。
【0045】
続いて、処理アプリ42の制御手順について説明する。図8は、WF処理の手順を説明するフローチャートである。本形態のPC1は、処理アプリ42を起動させるアイコンの操作を受け付けると、CPU11が処理アプリ42を実行し、図8に示すWF処理を実行する。
【0046】
まず、CPU11は、表示部15を用いて、図3の例に示すようなトップ画面D1を表示する(S101)。CPU11は、WF作成指示を受け付けたか否かを判断する(S102)。CPU11は、操作部16を用いて、WF作成ボタン101の操作を受け付けない場合、WF作成指示を受け付けないと判断し(S102:NO)、S103へ進む。一方、CPU11は、WF作成ボタン101の操作を受け付けた場合、WF作成指示を受け付けたと判断し(S102:YES)、WF作成処理を実行した後(S105)、S103へ進む。WF作成処理については後述する。
【0047】
CPU11は、S103において、WF実行指示を受け付けたか否かを判断する。CPU11は、操作部16を用いて、ショートカット310の操作を受け付けない場合、WF実行指示を受け付けないと判断し(S103:NO)、S104に進む。一方、CPU11は、操作部16を用いて、ショートカット310の操作を受け付けた場合、WF実行指示を受け付けたと判断し(S103:YES)、WFを実行してから(S106)、S104に進む。すなわち、CPU11は、ショートカット310に関連付けられたWFを不揮発性メモリ14から読み出して実行する。
【0048】
CPU11は、S104において、WF処理を終了させる終了指示を受け付けたか否かを判断する。例えば、トップ画面D1が閉じられない場合、CPU11は、終了指示を受け付けないと判断し(S104:NO)、S102に戻る。一方、トップ画面D1が閉じられた場合、CPU11は、終了指示を受け付けたと判断し(S104:YES)、WF処理を終了する。
【0049】
上述したWF作成処理について、図9を参照して説明する。図9は、WF作成処理の手順を説明するフローチャートである。WF作成指示を受け付けたCPU11は、デバイスを検索するタイミングか否かを判断する(S201)。例えば、デバイスを検索するタイミングは、例えば、WF作成指示を受け付けた時でも、OS41が新しいデバイスを検知した時でも、定期的でもよい。
【0050】
CPU11は、デバイスを検索するタイミングであると判断する場合(S201:YES)、ネットワークIF17とUSB-IF18を用いて、PC1に接続されるデバイスを検索する(S202)。S202の処理は「検索処理」の一例である。デバイス検索を行ったCPU11は、検索により発見されたデバイスの情報をデバイステーブル43に記憶する(S203)。すなわち、CPU11は、発見されたデバイスの名称、モデル名、デバイスIDを取得する。また、CPU11は、カラー印刷への対応可否、印刷可能な用紙サイズ、両面印刷への対応可否、クラウドへの対応可否、FAXへの対応可否、スキャンへの対応可否などの能力情報をデバイスから取得する。CPU11は、デバイスから取得した情報を関連付けたデバイスレコードをデバイス毎に作成し、デバイステーブル43に登録する。その後、CPU11は、S204に進む。
【0051】
なお、CPU11は、例えば、デバイスを検索するタイミングでないと判断する場合(S201:NO)、S202,S203の処理を実行せずに、S204に進む。
【0052】
S204において、CPU11は、WFの各処理の設定を受け付ける。S204は「設定処理」の一例である。WFの各処理の設定には、機能の設定とパラメータの設定とが含まれる。例えば、CPU11は、図3の例に示すような機能設定画面DL1を表示部15に表示する。CPU11は、操作部16を用いてアイコン111~118の何れかが選択されることにより、WFの入力処理の機能と出力処理の機能の設定を受け付ける。そして、例えば、CPU11は、機能設定画面DL1にてアイコン113の操作を受け付けると、図4の例に示すようなパラメータ入力画面D2を表示部15に表示させる。そして、CPU11は、操作部16を用いて、入力機能と出力機能のパラメータがパラメータ入力画面D2のパラメータ入力領域201に入力されると、入力されたパラメータの設定を受け付ける。
【0053】
処理アプリ42は、機能設定画面DL1とパラメータ入力画面D2を表示する場合に、デバイス検索にて検索されたデバイスのうち少なくとも1つのデバイスで対応する機能とパラメータを抽出し、機能設定画面DL1とパラメータ入力画面D2に表示するとよい。具体的に、例えば、図2に示すように、PC1に接続されるデバイスA~Cが何れもFAXに対応しない場合、図3に示すように、機能設定画面DL1のFAXに関連するアイコン115をグレー表示し、選択できないようにしてもよい。これによれば、PC1に接続されるデバイスA~Cが対応できないFAX機能が出力処理の機能として設定されることを回避できる。また例えば、パラメータ入力画面D2についても、PC1に接続されるデバイスA~Cの何れも対応しないパラメータは表示しないようにしてもよい。これによれば、PC1に接続されるデバイスA~Cが対応できないパラメータが設定されることを回避できる。
【0054】
なお、S204では、予め決められた設定の中から、WFに示される各処理での機能とパラメータの設定を受け付けるようにしてもよい。つまり、例えば、アイコン115を選択可能に表示し、出力処理の機能としてFAX機能を設定できるようにしてもよい。この場合、例えば、PC1がオフラインで作業し、S202にてFAX機能に対応するデバイスを検索できなかった場合でも、出力処理の機能にFAXを設定したWFを作成することができる。これによれば、PC1に接続されるデバイスに対応する機能やパラメータを抽出する必要がなく、処理がシンプルになる。
【0055】
本形態では、機能設定画面DL1とパラメータ入力画面D2の別画面を用いて機能とパラメータの設定を受け付けるが、一画面で機能とパラメータの設定を受け付けるようにしてもよい。
【0056】
パラメータの設定を受け付けたCPU11は、パラメータ入力領域201に入力されたパラメータに対応可能なデバイスを、デバイステーブル43から抽出する(S205)。S205の処理は「抽出処理」の一例である。そして、CPU11は、抽出に成功したか否かを判断する(S206)。
【0057】
図4に示す例では、用紙サイズ設定欄231に「A4サイズ」、カラー設定欄232に「ON」、両面印刷設定欄233に「ON」が設定されている。そこで、CPU11は、デバイステーブル43から、カラー/モノクロ印刷514に「カラー」、用紙サイズ515に「A4」、両面印刷516に「対応」が記憶されているデバイスAとデバイスCを抽出する(S205)。この場合、CPU11は、抽出に成功したと判断し(S206:YES)、表示部15を用いて、抽出したデバイスAとデバイスCを含み、デバイスBを含まないデバイスの一覧を、デバイス選択領域202に表示する(S207)。S207の処理は「表示処理」の一例である。つまり、CPU11は、設定を受け付けた機能およびパラメータの設定に応じて、PC1に接続されるデバイスの中から選択可能なデバイスを絞って表示する。デバイスの一覧を表示したCPU11は、S208に進む。
【0058】
このように、設定された機能及びパラメータに応じて抽出されたデバイスが表示部15に一覧表示されることで、ユーザは、各デバイスの能力を意識しなくても、所望の機能及びパラメータに対応するデバイスを選択しやすくなる。なお、本形態では、抽出したデバイスAとデバイスCを表示部15に表示し、デバイスBを非表示としているが、例えば、PC1に接続されるデバイスA~Cを表示部15に全て表示し、デバイスAとデバイスCを選択可能に表示し、デバイスBをグレー表示等により選択不可能に表示してもよい。
【0059】
CPU11は、デバイスの一覧を表示する場合、デバイスを優先順位に従って表示してもよい。例えば、OS41に登録されているデフォルトのデバイスは、ユーザが選択する可能性が高い。そこで、抽出したデバイスの中にデフォルトのデバイスがある場合には、そのデバイスを他のデバイスよりも優先的に表示するようにする。例えば、デバイスAがデフォルトのデバイスとしてOS41に登録されている場合、デバイスの一覧の先頭にデバイスAを表示することにより、デバイスAをデバイスCより優先的に表示する。これによれば、ユーザがデバイスAを選択しやすくなり、使い勝手が良い。なお、優先的な表示は、選択のためのカーソルを合わせること、推奨のコメント等を付すこと、などにより行ってもよい。
【0060】
また例えば、抽出された複数のデバイスの中に、WFに設定された機能とパラメータを1つのデバイスで実行可能なデバイスがあれば、そのデバイスを他のデバイスよりも優先的にデバイスの一覧に表示するようにしてもよい。例えば、図3の機能設定画面DL1において、コピーのアイコン117が操作され、WFの入力処理の機能としてスキャンが、WFの出力処理の機能として印刷が、設定されたとする。図2の例では、デバイスCが、入力処理としてのスキャンと、出力処理としての印刷を1台で実行できる。一方、デバイスA,Bは、スキャン519に「非対応」が記憶され、コピーを行う際には別のスキャナが必要になる。この場合、デバイスCをデバイスAとデバイスBより優先的に表示する。これにより、PC1は、複数のデバイスに分けてWFを実現する機会が低減され、ユーザのWFの処理毎にデバイスを選択する手間が軽減される。
【0061】
また例えば、複数のデバイスが抽出された場合に、直近に利用された日時が近いデバイスから優先的に表示するようにしてもよい。例えば、デバイスAが直近の日時で利用され、デバイスAの前にデバイスCが利用された場合、デバイスAを先頭、2番目にデバイスCを表示する。直近で利用されたデバイスAは、ユーザが最も利用しやすいデバイスの可能性が高い。よって、上記のように、直近に利用された日時が近いデバイスAから優先的に表示することで、処理アプリ42の使い勝手が向上する。なお、利用日時は、処理アプリ42で管理してもよいし、OS41から取得できる場合は取得してもよい。
【0062】
CPU11は、デバイスを抽出できなかった場合、抽出に成功しなかったと判断し(S206:NO)、S207を実行せずに、S208に進む。
【0063】
CPU11は、S208において、パラメータ入力領域201に入力されたパラメータに対応するデバイスのモデル名を取得し(S208)、表示部15を用いて取得したモデル名をモデル提案領域203に表示する(S209)。S208は「取得処理」の一例、S209は「モデル表示処理」の一例である。モデル名は、処理アプリ42に登録されているデータベースから抽出して取得してもよいし、メーカのサーバに問い合わせて取得してもよい。このように設定に対応するデバイスのモデル名を表示部15に表示することで、ユーザはその設定に対する好適なモデル名を把握しやすい。なお、CPU11は、表示するモデルを購入できるURLも取得して、モデル提案領域203に表示する。
【0064】
CPU11は、WFを実行するデバイスの選択を受け付ける(S210)。S210は「選択処理」の一例である。すなわち、CPU11は、操作部16を用いて、チェックボックス242にチェックが入れられたデバイスを、WFを実行するデバイスとして受け付ける。CPU11は、操作部16を用いて、OKアイコン204が押下されたか否かを判断する(S211)。OKアイコン204が押下されないと判断した場合(S211:NO)、CPU11は、操作部16を用いて、パラメータの変更操作を受け付けたか否かを判断する(S214)。CPU11は、パラメータの変更操作を受け付けたと判断すると(S214:YES)、S205に戻り、デバイスを再抽出する。CPU11は、抽出に成功すると(S206:YES)、抽出したデバイスを表示する(S207)。
【0065】
例えば、図4図5に示す例のように、カラー設定欄232の設定を変更しない状態で、用紙サイズ設定欄231の設定が「A4サイズ」から「A3サイズ」に変更され、両面印刷設定欄233の設定が「ON」から「OFF」に変更された場合、CPU11は、パラメータの変更操作を受け付けたと判断する(S214:YES)。この場合、CPU11は、図2に示すデバイステーブル43から、これらのパラメータを満たすデバイスBとデバイスCを抽出し、表示部15に表示する。つまり、CPU11は、デバイス選択領域202の表示を、デバイスAとデバイスCを一覧表示する状態から、デバイスBとデバイスCを一覧表示する状態に切り替える。このように、パラメータが変更される度にデバイスの一覧表示が切り替わるので、ユーザは、設定したパラメータでの処理を実行可能なデバイスを把握しやすい。また、パラメータの設定を追加することにより、デバイス選択領域202に表示されるデバイスが絞られるので、ユーザは、各デバイスの能力を意識しなくても、所望の機能やパラメータの実行に適したデバイスを認識できる。
【0066】
CPU11は、パラメータの変更操作を受け付けないと判断した場合(S214:NO)、キャンセル操作を受け付けたか否かを判断する(S215)。CPU11は、操作部16を用いてキャンセルアイコン205の操作を受け付けた場合(S215:YES)、WF作成処理を終了し、図3の処理に戻る。一方、CPU11は、操作部16を用いてキャンセルアイコン205の操作を受け付けない場合(S215:NO)、S211に戻り、OKアイコン204が操作されたか否かを判断する。
【0067】
CPU11は、操作部16を用いてOKアイコン204が操作されたと判断した場合(S211:YES)、操作部16を用いてWFの名称の設定を受け付ける(S212)。例えば、CPU11は、表示部15を用いて、図7の例に示す名称設定画面D3を表示する。CPU11は、操作部16を介して、名称入力欄301にWFの名称が入力された状態でOKアイコン303が操作されると、名称の設定を受け付ける。それから、CPU11は、S204にて受け付けたWFの各処理の機能およびパラメータの設定と、S210にて選択を受け付けたデバイスと、S212にて受け付けたWFの名称と、を関連付けてWFを作成し、不揮発性メモリ14の所定の領域に記憶する(S213)。CPU11は、不揮発性メモリ14に記憶したWFのショートカット310をトップ画面D1に設ける。その後、CPU11は、WF作成処理を終了する。
【0068】
以上詳細に説明したように、本形態の処理アプリ42を実行するPC1は、WFを実行するデバイスが選択される前に(S210)、WFの各処理の機能及びパラメータの設定を受け付け(S204)、その設定での処理を実行可能なデバイスを抽出する(S205)。そして、PC1は、抽出されたデバイスの中から各処理を実行するデバイスをユーザに選択させる(S210)。これにより、ユーザは所望の設定に対応するデバイスを選択することになり、PC1は、所望の設定を行えない状況が低減される。つまり、ユーザは、WFを実行するデバイスとして選択したデバイスが所望の機能や設定に対応せず、デバイスの選択をやり直す手間が、低減される。その結果、本形態によれば、WFが作成可能な処理アプリ42であって、WFを作成する際の利便性を向上させることができる処理アプリ42を提供することができる。
【0069】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。上記形態では、WFを実行するデバイスは、プリンタやMFP等の印刷処理を実行できるデバイスに限らず、画像データを読み取る機能を有するスキャナでも、画像データをFAX送信する機能を有するファクシミリ装置でも、メール送信機能を有する情報処理装置でもよい。
【0070】
図9のS202に示すデバイス検索は、S204にてWFの各処理の設定を受け付けた後に行ってもよい。例えば、処理アプリ42がスマートフォンにインストールされ、WF作成指示を受け付けた場合、図10に示すWF作成画面400をスマートフォンのタッチパネルに表示させる。WF作成画面400は、機能設定欄401と、パラメータ設定欄402と、デバイス検索ボタン403と、デバイス選択欄404と、を備える。スマートフォンは、機能とパラメータの設定が決定された状態でデバイス検索ボタン403がタップされると、当該スマートフォンに接続されるデバイスを検索し、検索されたデバイスの中から、設定された機能とパラメータでの処理を実行可能なデバイスを抽出する。デバイス検索ボタン403の操作は「決定操作」の一例である。スマートフォンは、デバイス検索ボタン403の操作前は、デバイス選択欄404を空欄にしておき、デバイス検索ボタン403の操作後に、抽出されたデバイスをデバイス選択欄404に表示する。これによれば、ユーザがWFの各処理の設定を決定してから、当該設定での処理を実行可能なデバイスを抽出して表示を行うので、例えば、パラメータが変更される度にデバイスを抽出して表示を切り替える必要がなく、処理がシンプルになる。
【0071】
例えば、機能設定画面DL1とパラメータ入力画面D2にて設定される機能とパラメータは、デバイスが選択された後、そのデバイスに対応する機能とパラメータに選択肢を限定されてもよい。例えば、デバイスAがデバイスBやデバイスCにない特有の機能を有するとする。この場合、図4の例に示すように、デバイスAが選択された場合、パラメータ入力領域201の表示にデバイスAの能力を反映させ、デバイスAでは対応できない設定項目を省略し、デバイスAの特有な機能に対応する設定項目を追加表示してもよい。これにより、ユーザは、デバイスAを用いる処理の設定を詳細に行うことができる。
【0072】
デバイステーブル43は、ネットワーク2に設けられたネットワークサーバなど、外部の記憶領域に設けられてもよい。また、処理アプリ42は、デバイステーブル43を不揮発性メモリ14に備えず、処理アプリ42を実行する度にデバイス検索を行うようにしてもよい。但し、デバイステーブル43を備えることにより処理時間を短縮できる。
【0073】
例えば、図4に示すパラメータ入力領域201にデバイスの一覧表示を指示する一覧表示用アイコンを設け、一覧表示用アイコンの操作を受け付けた場合にデバイス選択領域202に、抽出したデバイスを一覧表示するようにしてもよい。この場合、処理アプリ42は、一覧表示用アイコンが操作された場合にデバイスを抽出する処理を行ってもよい。また、処理アプリ42は、パラメータが変更される度にデバイスを抽出し、一覧表示用アイコンが表示された場合のみ、抽出したデバイスをデバイス選択領域202に一覧表示するようにしてもよい。つまり、パラメータが変更される度に、デバイスの表示を切り替えなくてもよい。これによれば、デバイスを抽出したり、デバイスの表示を切り替えたりする処理を省略し、処理をシンプルにすることができる。なお、パラメータが変更される度にデバイスの表示を切り替えることにより、ユーザは、任意の時点でデバイスの選択を行うことができ、便利である。つまり、例えば、印刷パラメータの全項目について設定を行う前に、WFを実行するデバイスを選択できる。
【0074】
図9のS208,S209の処理は、省略してもよい。また、S208、S209の処理は、S205にてデバイスを抽出できず、デバイスの抽出に成功しなかったと判断した場合に(S206:NO)、行うようにしてもよい。また、処理アプリ42は、モデル名を毎回表示するモードと、設定に対応するデバイスを抽出できなかった場合のみ表示するモードと、モデル名を表示しないモードとを選択できるようにし、ユーザの好みに応じてモデル名を表示するようにしてもよい。
【0075】
例えば、図4に示す印刷設定アイコン220を省略し、印刷パラメータのデフォルト値又は直近のパラメータを出力側設定部212に表示し、操作部16を用いてパラメータを変更するようにしてもよい。
【0076】
また、実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。例えば、図9では、S204に示すWFの各処理の設定を受け付ける設定処理の前に、デバイスを検索する検索処理を実行したが、設定処理の後に検索処理を実行してもよい。また例えば、図9のS208,S209に示す処理は、S205に示すデバイスを抽出する処理の前に行ってもよい。
【0077】
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 PC
11 CPU
16 操作部
42 処理アプリ
A~C デバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10