(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20230816BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
G06F3/12 344
G06F3/12 304
G06F3/12 331
B41J29/38 204
(21)【出願番号】P 2019140079
(22)【出願日】2019-07-30
【審査請求日】2022-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】垣鍔 亮太
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-230461(JP,A)
【文献】特開2018-084893(JP,A)
【文献】特開2017-010199(JP,A)
【文献】特開2006-163660(JP,A)
【文献】特開2008-134560(JP,A)
【文献】特開2005-195843(JP,A)
【文献】特開2011-209595(JP,A)
【文献】特開2013-050669(JP,A)
【文献】特開2006-347025(JP,A)
【文献】特開2017-151899(JP,A)
【文献】特開平11-058871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータによって実行されるプログラムであって、
第1印刷処理と、当該第1印刷処理とは異なる第2印刷処理との少なくとも2種類の印刷処理を実行可能なプリンタが送信する情報であって、前記第1印刷処理及び前記第2印刷処理のいずれの印刷処理も実行可能な第1モードと、前記第2印刷処理のみを実行することに決定した第2モードとのうち、少なくとも一方のモードであることを示すモード情報を取得するモード情報取得処理と、
画像データを取得する画像データ取得処理と、
前記モード情報取得処理による前記モード情報の取得結果に基づいて、前記プリンタが前記第1モードであるか前記第2モードであるかを判断する判断処理と、
前記画像データ取得処理によって取得された前記画像データが、前記第1印刷処理及び前記第2印刷処理のどちらにも適した画像データである場合であって、かつ、前記プリンタが前記第1モードであると判断した場合に、取得した前記画像データに基づいて、前記プリンタが前記第1印刷処理を実行するための第1データを生成し、前記画像データ取得処理によって取得された前記画像データが、前記第1印刷処理及び前記第2印刷処理のどちらにも適した画像データである場合であって、かつ、前記プリンタが前記第2モードであると判断した場合、取得した前記画像データに基づいて、前記プリンタが前記第1印刷処理ではなく前記第2印刷処理を実行するための第2データを生成する生成処理と、
前記生成処理によって前記第1データが生成された場合は、生成された前記第1データを、前記プリンタに印刷を実行させるために出力し、前記生成処理によって前記第2データが生成された場合は、生成された前記第2データを、前記プリンタに印刷を実行させるために出力する出力処理と、を前記コンピュータに実行させ
、
前記画像データに基づいて、前記第1データを生成することを指定する第1指定、前記第2データを生成することを指定する第2指定、及び委任を指定する第3指定のいずれかを含む指定情報を取得する指定情報取得処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
取得した前記指定情報が前記第1指定を含むことに基づいて、前記判断処理を実行することなく、前記第1データを生成する前記生成処理を前記コンピュータに実行させ、
取得した前記指定情報が前記第2指定を含むことに基づいて、前記判断処理を実行することなく、前記第2データを生成する前記生成処理を前記コンピュータに実行させ、
取得した前記指定情報が前記第3指定を含むことに基づいて、前記判断処理と、当該判断処理での判断結果に基づいて、前記第1データ或いは前記第2データを生成する前記生成処理と、を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記生成処理は、
取得した前記画像データが含む多色データである第1多色データを、前記プリンタに応じた多色データである第2多色データに変換する処理を、前記第1データを生成する処理のうちに含み、
前記第1多色データを、前記プリンタに応じた単色データに変換する処理を、前記第2データを生成する処理のうちに含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記生成処理は、
第1解像度の前記第1データを生成する処理と、
前記第1解像度よりも低い第2解像度の前記第2データを生成する処理とを含み、
前記出力処理は、
前記第2データを出力する場合、当該出力される第2データが前記第1解像度よりも低い前記第2解像度のデータであることを示す種別情報を当該第2データと対応付けて出力する処理を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、通信インタフェースを備えており、
前記第1データ及び前記第2データの送信先とするプリンタを示すプリンタ情報を取得するプリンタ情報取得処理と、
前
記第1データ或いは前記第2データの作成を指示する指示情報を取得する指示情報取得処理と、を前記コンピュータに実行させ、
前記指示情報取得処理によって前記指示情報が取得されたことに応じて、
取得した前記プリンタ情報が示す前記プリンタが出力する前記モード情報を前記通信インタフェースを通じて受信することで前記モード情報を、前記モード情報取得処理において取得し、
前記モード情報取得処理が取得したモード情報を、前記判断処理において判断し、
前記判断処理における判断結果に基づいて、前記第1データ或いは前記第2データを生成する前記生成処理と、
前記プリンタ情報取得処理で取得した前記プリンタ情報が示すプリンタに、生成した前記第1データ或いは前記第2データを前記通信インタフェースを通じて出力する前記出力処理と、を前記コンピュータに実行させる請求項1から
3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1データ及び前記第2データの送信先とするプリンタを示すプリンタ情報を取得するプリンタ情報取得処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記情報処理装置は、前記モード情報を前記プリンタから取得して、前記モード情報と、当該モード情報を送信したプリンタを示すプリンタ情報とを対応付けてメモリに記憶させるモニタプログラムを実装しており、
前記モード情報取得処理は、
前記プリンタ情報取得処理で取得した前記プリンタ情報と一致する前記プリンタ情報と対応付けられた前記モード情報を前記メモリから読み出して取得する処理である、請求項1から
3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、通信インタフェースを備えており、
前記第1データ及び前記第2データの送信先とするプリンタを示すプリンタ情報を取得するプリンタ情報取得処理と、
取得した前記プリンタ情報が示す前記プリンタに前
記第1データ或いは前記第2データを送信する前記出力処理と、
前
記第1データ或いは前記第2データを前記プリンタに送信したことに基づいて、前記モード情報の返信を要求する要求情報を前記通信インタフェースを通じて当該プリンタに送信する要求送信処理と、
前記要求情報に応じて前記プリンタが送信した前記モード情報を前記通信インタフェースを通じて受信する受信処理と、
受信した前記モード情報を、取得した前記プリンタ情報と対応付けて、前記情報処理装置のメモリに記憶させる記憶処理と、を前記コンピュータに実行させ、
前記モード情報取得処理は、取得した前記プリンタ情報と一致する前記プリンタ情報と対応付けられた前記モード情報を前記メモリから読み出して取得する処理である、請求項1から
3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、通信インタフェースを備えており、
前記モード情報取得処理は、
前記第2モードに決定した前記プリンタが送信した前記モード情報である第1情報を、前記通信インタフェースを通じて受信する第1受信処理と、
前記第2モードから前記第1モードに変更した前記プリンタが送信した前記モード情報である第2情報を、前記通信インタフェースを通じて受信する第2受信処理と、
受信した前記第1情報及び前記第2情報を前記情報処理装置のメモリに記憶させる記憶処理と、を含む、請求項1から
3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記画像データ取得処理は、多色データを有する前記画像データ、或いは単色データを有する前記画像データを取得する処理であり、
該プログラムは、
多色データを有する前記画像データを取得したことに基づいて、前記判断処理と、当該判断処理での判断結果に基づいて、前記第1データ或いは前記第2データを生成する前記生成処理と、を前記コンピュータに実行させ、
前記単色データを有する前記画像データを取得したことに基づいて、前記判断処理を実行することなく、前記第2データを生成する前記生成処理を前記コンピュータに実行させる請求項1から
7のいずれかに記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタに入力する印刷データを生成するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、印刷装置(プリンタ)と、この印刷装置に印刷データを提供する印刷制御装置と、を備えた印刷システムを開示する。印刷制御装置は、ユーザが入力した設定値を記憶領域に記憶させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、マゼンタやシアンやイエローやブラックなど、複数の色を用いてシートにカラーの画像を印刷する、いわゆるカラープリンタと称されるプリンタがある。カラープリンタには、ブラック以外の着色材であるカラーの着色材が無くなった場合に、カラーの着色材が補充されるまでは印刷の実行をユーザに許可しないプリンタと、カラーの着色材が補充されるまではブラックの着色材を用いての印刷のみ、すなわち、いわゆるモノクロ印刷のみをユーザに許可するプリンタとがある。
【0005】
プリンタが、カラーの着色材が補充されるまではモノクロ印刷のみをユーザに許可する状態である場合、印刷制御装置が、プリンタの状態に応じた印刷データを生成することは、特許文献1に開示されていない。
【0006】
本発明は、プリンタが特定の状態にある場合など、プリンタの状態に応じた種別のデータを出力する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では様々な開示を行う。開示例のプログラムは、通信インタフェースを有する情報処理装置のコンピュータによって実行される。開示例のプログラムは、第1印刷処理と、当該第1印刷処理とは異なる第2印刷処理との少なくとも2種類の印刷処理を実行可能なプリンタが送信する情報であって、前記第1印刷処理及び前記第2印刷処理のいずれの印刷処理も実行可能な第1モードと、前記第2印刷処理のみを実行することに決定した第2モードとのうち、少なくとも一方のモードであることを示すモード情報を取得するモード情報取得処理と、画像データを取得する画像データ取得処理と、前記モード情報取得処理による前記モード情報の取得結果に基づいて、前記プリンタが前記第1モードであるか前記第2モードであるかを判断する判断処理と、前記画像データ取得処理によって取得された前記画像データが、前記第1印刷処理及び前記第2印刷処理のどちらにも適した画像データである場合であって、かつ、前記プリンタが前記第1モードであると判断した場合に、取得した前記画像データに基づいて、前記プリンタが前記第1印刷処理を実行するための第1データを生成し、前記画像データ取得処理によって取得された前記画像データが、前記第1印刷処理及び前記第2印刷処理のどちらにも適した画像データである場合であって、かつ、前記プリンタが前記第2モードであると判断した場合、取得した前記画像データに基づいて、前記プリンタが前記第1印刷処理を実行可能ではなく前記第2印刷処理を実行するための第2データを生成する生成処理と、前記生成処理によって前記第1データが生成された場合は、生成された前記第1データを、前記プリンタに印刷を実行させるために出力し、前記生成処理によって前記第2データが生成された場合は、生成された前記第2データを、前記プリンタに印刷を実行させるために出力する出力処理と、を前記コンピュータに実行させる。
【0008】
開示例のプログラムは、プリンタが第1モードであると判断すると、取得した画像データに基づいて、プリンタが第1印刷処理を実行するための第1データを生成し、プリンタが第2モードであると判断すると、取得した画像データに基づいて、プリンタが第2印刷処理を実行するための第2データを生成する。したがって、プログラムは、プリンタのモード(状態)に応じた種別のデータを出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】情報処理装置10及びプリンタ11の機能ブロック図である。
【
図2】プログラム37が実行する処理を説明する図である。
【
図3】(A)は、印刷設定画面を示す図であり、(B)は、変形例1の対応テーブルを示す図である。
【
図4】変形例1においてプログラム37が実行する処理を説明する図である。
【
図5】変形例2においてプログラム37が実行する処理を説明する図である。
【
図6】変形例3においてプログラム37が実行する処理を説明する図である。
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更することができる。或いは、後述の処理の一部は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜省略することができる。
【0011】
[第1実施形態]
本実施形態では、
図1に示される情報処理装置10に実装されるプログラム37について説明する。情報処理装置10は、パーソナルコンピュータやタブレットや携帯端末などであって、プリンタ11A、11B、11Cなどであるプリンタ11と通信する機能を有する。情報処理装置10がパーソナルコンピュータである場合、情報処理装置10は、USBケーブルやLANケーブルなどのケーブルや、無線LANによってプリンタ11と通信可能に接続される。情報処理装置10がタブレットや携帯端末である場合、情報処理装置10は、プリンタ11が接続されたローカルネットワークに設けられたアクセスポイントなどを通じてプリンタ11と通信可能に接続される。ローカルネットワークは、例えば、有線LANや無線LANやWANやこれらの組み合わせで構成される。以下では、情報処理装置10がパーソナルコンピュータであって、情報処理装置10及びプリンタ11が、有線LANや無線LANなどであるローカルネットワーク13に接続された例を説明する。
【0012】
情報処理装置10に実装されるプログラム37は、プリンタ11に送信される印刷データを生成するプログラムである。プログラム37は、プリンタ11の状態に応じた種別の印刷データを生成する。印刷データの種別は、プリンタ11に複数の色で描かれたいわゆるカラーの画像を印刷させる印刷データ、及びプリンタ11にブラックの色で描かれたいわゆるモノクロの画像を印刷させる印刷データである。以下、詳しく説明する。
【0013】
プリンタ11は、コントローラ41と、タッチパネル42と、通信I/F43と、印刷エンジン44と、を備える。「I/F」は、「インタフェース」の略である。通信I/F43は、上述のローカルネットワーク13に接続されている。
【0014】
タッチパネル42は、表示パネルと、表示パネルに重畳された透明な膜状のタッチセンサと、を有する。タッチセンサは、表示パネル上の位置を示す位置情報を出力する。タッチセンサが出力した位置情報は、コントローラ41に入力される。コントローラ41は、タッチセンサから入力された位置情報に基づいて、表示パネルに表示させたアイコンなどが選択されたと判断する。
【0015】
印刷エンジン44は、インク滴をシートに吐出することによってシートに画像を印刷する機能を有する。或いは、印刷エンジン44は、トナーをシートに転写することによってシートに画像を印刷する機能を有する。すなわち、プリンタ11は、いわゆるインクジェットプリンタや、レーザプリンタなどである。また、プリンタ11は、刺繍によって布などに画像を形成する、いわゆる刺繍ミシンであってもよいし、レーザ光によって物体に画像を形成するレーザマーカであってもよいし、OM(Organized Mmicrofibrillationの略)技術による構造色で画像を形成するプリンタであってもよい。すなわち、本明細書では、インクジェット、電子写真、サーマル、刺繍、レーザマーカ、構造色など、様々な方法による画像形成を、印刷として扱う。以下では、プリンタ11がインクジェットプリンタである例を説明する。
【0016】
印刷エンジン44は、複数のカートリッジが装着される装着ケース或いはインクを貯留する複数のインクタンクを有している。以下では、印刷エンジン44が装着ケースを有している場合について説明する。
【0017】
各カートリッジは、例えば、マゼンタの色のインク、シアンの色のインク、イエローの色のインク、及びブラックの色のインクをそれぞれ貯留する。すなわち、プリンタ11は、カラーの画像をシートに印刷可能な、いわゆるカラープリンタである。
【0018】
コントローラ41は、情報処理装置10が送信した印刷データを受信し、受信した印刷データを印刷エンジン44に入力して、印刷エンジン44に印刷を実行させる。コントローラ41が受信した印刷データが、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックの各色の色データを含む印刷データであるカラー印刷データである場合、印刷エンジン44は、複数の色のインクを用いてシートに画像を印刷する。コントローラ41が受信した印刷データが、ブラックの色データのみを含む印刷データであるモノクロ印刷データである場合、印刷エンジン44は、ブラックの色のインクを用いて、シートに画像を印刷する。以下では、複数の色のインクで印刷された画像を「カラー画像」と記載し、ブラックの色のインクのみで印刷された画像を「モノクロ画像」と記載して説明する。また、印刷エンジン44がカラー画像をシートに印刷することを、「カラー印刷」と記載し、印刷エンジン44がモノクロ画像をシートに印刷することを、「モノクロ印刷」と記載して説明する。カラー印刷データは、第1データの一例である。モノクロ印刷データは、第2データの一例である。
【0019】
コントローラ41は、中央演算処理装置であるCPU51と、メモリ52と、バス53と、を備える。CPU51は、いわゆるマルチタスク処理により、後述のOS56や制御プログラム57などの複数のプログラムを疑似的に並行して実行する。後述のCPU31についても同様である。
【0020】
CPU51及びメモリ52と、上述のタッチパネル42、通信I/F43、及び印刷エンジン44とは、バス53に接続されている。すなわち、CPU51は、バス53を通じてメモリ52に情報やデータを記憶させ、或いは情報やデータをメモリ52から読み出すことができる。また、CPU51は、バス53を通じてタッチパネル42のタッチセンサから位置情報を入力され、或いは、タッチパネル42の表示パネルに画面データを入力して、画面データが示す画面を表示パネルに表示させる。また、CPU51は、バス53、通信I/F43、及び上述のローカルネットワーク13を通じて情報処理装置10に情報やデータを送信し、情報処理装置10が送信した情報やデータを、ローカルネットワーク13、通信I/F43、及びバス53を通じて受信する。また、CPU51は、バス53を通じて、印刷データを印刷エンジン44に入力する。
【0021】
メモリ52は、プログラムが記憶されるプログラム記憶領域54と、当該プログラムの実行に必要なデータが記憶されるデータ記憶領域55と、を有する。メモリ52は、例えば、ROMや、RAMや、HDDや、USBメモリなどの可搬記憶媒体や、EEPROMや、CPU51が備えるバッファ等である。後述のメモリ32についても同様である。
【0022】
メモリ52は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。後述のメモリ32についても同様である。
【0023】
プログラム記憶領域54は、オペレーティングシステムであるOS56と、制御プログラム57と、を記憶する。制御プログラム57は、印刷データを印刷エンジン44に入力して印刷エンジン44に印刷を実行させる印刷処理をCPU51に実行させるプログラムである。
【0024】
データ記憶領域55は、プリンタ識別情報と、プリンタ名と、モード情報と、日時情報と、閾値期間と、を記憶する。プリンタ識別情報は、例えば、プリンタ11に予め付与されたMACアドレスや、ローカルネットワーク13においてプリンタ11に付与されたプライベートIPアドレスなどであって、ローカルネットワーク13においてプリンタ11A、11B、11Cを識別可能な情報である。プリンタ名は、プリンタ11のモデル名や、ユーザがプリンタ11に付与した名称などである。
【0025】
モード情報は、第1モード情報或いは第2モード情報を示す情報である。第1モード情報は、プリンタ11がカラー画像を印刷する処理であるカラー印刷処理及びモノクロ画像を印刷する処理であるモノクロ印刷処理のいずれの印刷処理も実行可能な状態であることを示す。第2モード情報は、プリンタ11がカラー印刷処理を実行できず、モノクロ印刷処理を実行可能な状態であることを示す。以下では、プリンタ11がカラー印刷処理及びモノクロ印刷処理のいずれの印刷処理も実行可能な状態を第1モードと記載し、プリンタ11がカラー印刷処理を実行できず、モノクロ印刷処理を実行可能な状態を、第2モードと記載して説明する。カラー印刷処理は、第1印刷処理の一例である。モノクロ印刷処理は、第2印刷処理の一例である。
【0026】
日時情報は、制御プログラム57が第2モード情報をデータ記憶領域55に記憶させたときの日時を示す情報である。閾値期間については後述する。
【0027】
情報処理装置10は、コントローラ21と、ユーザI/F22と、通信I/F23と、ディスプレイ24と、を備える。ユーザI/F22は、例えば、マウスやキーボードやマイクロフォンであり、ユーザの入力を受け付ける。通信I/F22は、上述のローカルネットワーク13に接続されている。
【0028】
コントローラ21は、中央演算処理装置であるCPU31と、メモリ32と、バス33と、を備える。CPU31及びメモリ32と、上述のユーザI/F22、通信I/F23、及びディスプレイ24とは、バス33に接続されている。
【0029】
メモリ32は、プログラムが記憶されるプログラム記憶領域34と、当該プログラムの実行に必要なデータが記憶されるデータ記憶領域35と、を有する。プログラム記憶領域34は、オペレーティングシステムであるOS36と、プログラム37と、画像生成プログラム38と、を記憶する。なお、
図1に示されたモニタプログラム39及び対応テーブルについては、後述の変形例1において説明する。
【0030】
OS36は、例えば、Windows(登録商標)や、MacOS(登録商標)や、Unix(登録商標)や、Linux(登録商標)などである。情報処理装置10が携帯端末やタブレットである場合、OS36は、WindowsPhone(登録商標)や、iOS(登録商標)や、AndroidOS(登録商標)や、BLACKBerryOS(登録商標)などである。
【0031】
画像生成プログラム38は、文書ファイルを作成するソフトウエアや、写真や地図などの画像を編集するソフトウエアなどであって、画像データを生成、或いは編集するプログラムである。
【0032】
データ記憶領域35は、プリンタ11A、11B、11Cのプリンタ識別情報を、プリンタ名と対応付けて記憶する。例えば、OS36は、プリンタ識別情報及びプリンタ名を返信することを要求するコマンドを通信I/F23を通じてローカルネットワーク13にマルチキャストする。そして、OS36は、プリンタ11A、11B、11Cがそれぞれ返信したプリンタ識別情報及びプリンタ名を対応付けてメモリ32に記憶させる。そして、OS36は、プリンタ名でプログラム37をレジストリに登録する。
【0033】
プログラム37は、画像生成プログラム38が生成した画像データに基づいて印刷データを生成するプログラムである。画像生成プログラム38が生成する画像データは、テキストデータや、写真データや、地図データや、イラストデータなどである。
【0034】
以下、プログラム37が、画像生成プログラム38から画像データを取得し、取得した画像データと、上述したプリンタ11の状態とに応じた種別の印刷データを生成し、生成した印刷データをプリンタ11に送信する処理について説明する。なお、プログラム37は、プリンタ11A、11B、11Cが印刷処理を実行可能な印刷データを生成するプログラムである。例えば、プリンタ11A、11B、11Cは、同一のモデル、或いは同一のシリーズに属するプリンタである。
【0035】
なお、本明細書では、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU31の処理を説明する。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」、「設定」等の処理は、CPU31の処理を表している。CPU31による処理は、OS36を介したハードウェア制御も含む。なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU31が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU31がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。「命令」「応答」「要求」等の処理は、「命令」「応答」「要求」等を示す情報を通信することにより行われる。また、「命令」「応答」「要求」等の文言を、「命令」「応答」「要求」等を示す情報そのものという意味で記載してもよい。
【0036】
また、プログラムに記述された命令に従ったCPU31の処理を、省略した文言で記載することがある。例えば、「CPU31が行う」「コントローラ21が行う」「プログラムが行う」のように記載することがある。
【0037】
また、CPU31による、情報Aは事柄Bであることを示しているか否かを判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか否かを判断する」のように概念的に記載することがある。CPU31による、情報Aが事柄Bであることを示しているか、事柄Cであるかを示しているかを判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか事柄Cであるかを判断する」のように概念的に記載することがある。
【0038】
また、本明細書中の「データ」と「情報」とは、コンピュータによって取り扱い可能なビット或いはビット列である点において共通する。「データ」とは、各ビットが示す意味内容をコンピュータが考慮することなく取り扱えるものを指す。これに対して、「情報」とは、各ビットが示す意味内容によってコンピュータの動作が分岐するものを指す。さらに、「指示」は、送信先の装置に対して次の動作を促すための制御信号であって、情報を含んでいることもあるし、それ自体が情報としての性質を有していることもある。
【0039】
また、「データ」及び「情報」は、形式(例えば、テキスト形式、バイナリ形式、フラグ形式等)がコンピュータ毎に変更されたとしても、同一の意味内容と認識される限り、同一のデータ及び情報として取り扱われる。例えば、「2つ」であることを示す情報が、あるコンピュータではASCIIコードで”0x32”というテキスト形式の情報として保持され、別のコンピュータでは二進数表記で”10”というバイナリ形式の情報として保持されてもよい。
【0040】
但し、上記の「データ」及び「情報」の区別は厳密なものではなく、例外的な取り扱いも許容される。例えば、データが一時的に情報として扱われてもよいし、情報が一時的にデータとして扱われてもよい。また、ある装置ではデータとして扱われるものが、他の装置では情報として扱われてもよい。さらには、データの中から情報が取り出されてもよいし、情報の中からデータが取り出されてもよい。
【0041】
また、本明細書中の「に基づいて」及び「に応じて」は、当該文字列の前に記載された条件が満たされた場合に、当該文字列の後に記載された処理が実行されることを示す。なお、処理が実行されるタイミングは、条件が満たされた後であればよく、当該条件が満たされた直後である必要は必ずしもない。
【0042】
また、以下では、マゼンタ、シアン、及びイエローの色のインクを、まとめてカラーインクと記載して説明する。また、以下では、マゼンタの色のインクを「M」と記載し、シアンの色のインクを「C」と記載し、イエローの色のインクを「Y」と記載し、ブラックの色のインクを「K」と記載して説明することがある。
【0043】
プリンタ11の制御プログラム57は、第1モード情報或いは第2モード情報をメモリ52のデータ記憶領域55に記憶させる処理を実行する。詳しく説明すると、制御プログラム57は、
図2に示されるように、第1モード情報をメモリ52のデータ記憶領域55に記憶させる(S71)。そして、制御プログラム57は、インクエンプティを検出したか否かを判断する(S72)。具体的には、制御プログラム57は、カートリッジに貯留されたカラーインクが無くなったこと、或いはカラーインクの量が少なくなったことを検出したか否かを判断する。
【0044】
制御プログラム57は、インクエンプティを検出していないと判断すると(S72:No)、後述のステップS72からS76までの処理をスキップする。制御プログラム57は、インクエンプティを検出したと判断すると(S72:Yes)、第2モードを指定するユーザの設定入力を受け付けたか否かを判断する(S73)。制御プログラム57は、ユーザの設定入力を受け付けたと判断すると(S73:Yes)、第2モード情報をメモリ52のデータ記憶領域55に記憶させる(S74)。例えば、第2モード情報は「ON」の値のモードフラグであり、第1モード情報は「OFF」の値のモードフラグである。なお、制御プログラム57は、インクエンプティを検出したことに基づいて(S72:Yes)、設定入力がされたか否かに拘わらず、第2モード情報をメモリ52のデータ記憶領域55に記憶させてもよい。
【0045】
プリンタ11は、第2モードの指定を受け付けて第2モードで動作することにより、印刷に用いるインクなどの資源の消費を抑制することができる。例えば、第2モードで動作するプリンタ11は、装着された可搬記憶媒体から入力された画像データが示す画像をモノクロ画像として印刷することにより、カラーインクの消費を抑制する。また、プリンタ10が複合機であって、スキャナやファックス装置を有している場合、第2モードで動作するプリンタ11は、スキャナが生成した画像データやファックス装置が受信した画像データをモノクロ画像として印刷することにより、カラーインクの消費を抑制する。なお、可搬記録媒体やスキャナやファックス装置から入力される画像データは、制御プログラム57が印刷データに変更可能な形式のデータである。
【0046】
また、制御プログラム57は、日時情報をメモリ52のデータ記憶領域55に記憶させる(S74)。例えば、制御プログラム57は、不図示のクロックICが出力する日時情報をデータ記憶領域55に記憶させる。一方、制御プログラム57は、ユーザの設定入力を受け付けていないと判断すると(S73:No)、ステップS74の処理をスキップする。
【0047】
フローチャートには示されていないが、制御プログラム47は、データ記憶領域55に記憶された日時情報から現在日時までの「経過期間」を算出し、算出した「経過期間」が、データ記憶領域55に予め記憶された閾値期間を超えたことに基づいて、「エンプティ情報」をデータ記憶領域55に記憶させる。閾値期間は、例えば60日である。制御プログラム57は、「エンプティ情報」がデータ記憶領域55に記憶されていることに基づいて、印刷エンジン44への印刷データの出力を停止させる。なお、制御プログラム57は、算出した「経過期間」が閾値期間を超えたことに基づいて、第2モード情報に代えて第3モード情報をモード情報としてデータ記憶領域55に記憶させてもよい。第3モード情報は、プリンタ11が、カラー印刷処理及びモノクロ印刷処理を実行できない状態である第3モードであることを示す。
【0048】
次に、制御プログラム57は、インクが無くなったカートリッジが新しいカートリッジに交換されたか否かを判断する(S75)。制御プログラム57は、インクが無くなったカートリッジが新しいカートリッジに交換されたと判断すると(S75:Yes)、第1モード情報をメモリ52のデータ記憶領域に記憶させる(S76)。制御プログラム57は、インクが無くなったカートリッジが新しいカートリッジに交換されていないと判断すると(S75:No)、ステップS76の処理をスキップする。制御プログラム57は、ステップS71からS76までの処理を繰り返し実行する。
【0049】
一方、情報処理装置10のユーザは、画像生成プログラム38を起動し、ユーザI/F22を介した操作によって、画像生成プログラム38に画像データを生成させる。画像生成プログラム38は、ユーザI/F22を介した操作によって、プリンタ名の選択を受け付ける(S13)。画像生成プログラム38は、選択されたプリンタ名が示す印刷データ生成プログラムが提供する印刷設定画面をディスプレイ24に表示させる。例えば、画像生成プログラム38は、選択されたプリンタ名を含むコマンドをOS36に入力する。当該コマンドを入力されたOS36は、印刷設定画面を示す画面データを、コマンドに含まれるプリンタ名が示す印刷データ生成プログラムが提供するAPIを呼び出して取得する。そして、OS36は、取得した印刷設定画面データが示す印刷設定画面をディスプレイ24に表示させる。以下では、ユーザが、印刷データ生成プログラムとしてプログラム37を選択した場合について説明する。
【0050】
印刷設定画面は、
図3(A)に示されるように、「カラー/モノクロ」の文字と、「カラー/モノクロ」の文字の右側に配置されたプルダウンメニュー61と、OKアイコン62と、を有する。プルダウンメニュー61は、選択可能な項目として、「カラー」、「モノクロ」、及び「オート」の選択項目を有する。情報処理装置10のユーザは、プルダウンメニュー61を用いて、「カラー」、「モノクロ」、及び「オート」のいずれかを選択する。なお、プルダウンメニュー61のデフォルト値は、ユーザが前回選択した値である。詳しくは後述する。「カラー」は、第1指定の一例である。「モノクロ」は、第2指定の一例である。「オート」は、第3指定の一例である。
【0051】
プルダウンメニュー61における「カラー」は、カラー印刷処理の指定を受け付ける選択項目である。プルダウンメニュー61における「モノクロ」は、モノクロ印刷処理の指定を受け付ける選択項目である。プルダウンメニュー61における「オート」は、プリンタ11がカラー印刷処理を実行するかモノクロ印刷処理を実行するかをプログラム37に委任することを指定する選択項目である。
【0052】
画像生成プログラム38は、印刷設定画面の各プルダウンメニューにおいて、ユーザの選択を受け付ける(S15)。また、画像生成プログラム38は、印刷設定画面において、OKアイコン62の選択を受け付ける(S16)。画像生成プログラム38は、OKアイコン62の選択を受け付けたことに基づいて、印刷設定画面の各プルダウンメニューにおいて選択された設定値である印刷設定と、画像データと、プリンタ名とを、OS36を通じてプログラム37に受け渡す(S17)。例えば、画像生成プログラム38は、印刷設定、プリンタ名、及び画像データを示すファイルパスを含むコマンドをOS36に入力する。コマンドを入力されたOS36は、GDI(Graphic Device Interface)などを用いて、ファイルパスが示す画像データをEMファイルなどのメタファイルに変換し、変換したメタファイルを示すファイルパス、印刷設定、プリンタ名、及び指示コマンドを、上記コマンドに含まれるプリンタ名が示すプログラム37に受け渡す。指示コマンドは、プログラム37に印刷データの生成を指示するコマンドである。指示コマンドは、指示情報の一例である。
【0053】
なお、指示情報は、画像生成プログラム38がプログラム37に入力する情報であって、印刷データの生成を指示する情報であってもよい。或いは、指示情報は、印刷設定画面(
図3(A))においてOKアイコン62が選択されたことを示す情報であって、プログラム37が画像生成プログラム38を通じて取得する情報、或いはプログラム37が印刷設定画面を通じて直接取得する情報であってもよい。すなわち、プログラム37は、指示情報を、どのような経路で取得してもよいし、どのような形態の指示情報を取得してもよい。例えば、ユーザが、ディスプレイ24に表示された画像ファイルのアイコンをマウスを用いてい右クリックし、送るアイコンを選択し、ディスプレイ24に表示された複数のプログラム名からプログラム37を示すプリンタ名を選択した場合、当該画像ファイルのファイルパスと、印刷を指示する上述の指定情報とが、OS36を通じてプログラム37に受け渡される。この場合、OS36によって起動されたプログラム37が、OS36を通じて印刷設定画面(
図3(A))をディスプレイ24に表示させ、ユーザI/F22を介した操作によって印刷設定を取得してもよい。
【0054】
プログラム37は、印刷設定と、画像データと、プリンタ名と、指示コマンドと、を取得する(S17)。プログラム37が画像データを取得するステップS17の処理は、画像データ取得処理の一例である。「カラー」、「モノクロ」、「オート」の何れかを含む印刷設定は、指定情報の一例である。プログラム37が印刷設定を取得するステップS17の処理は、指定情報取得処理の一例である。プリンタ名は、プリンタを示すプリンタ情報の一例である。プログラム37がプリンタ名を取得するステップS17の処理は、プリンタ情報取得処理の一例である。なお、プログラム37は、ファイルパスではなく、画像データ自体を画像生成プログラム38から受け渡されてもよい。
【0055】
プログラム37は、取得した印刷設定をメモリ32に記憶させる(S18)。ステップS18で記憶された印刷設定は、次に印刷設定画面がディスプレイ24に表示される場合のデフォルト値として用いられる。具体的には、プログラム37は、メモリ32に記憶された印刷設定を含む印刷設定画面データをOS36に受け渡してディスプレイ24に表示させる。
【0056】
プログラム37は、ステップS17で取得した印刷設定が「オート」を含むか否かを判断する(S19)。プログラム37は、印刷設定が「カラー」或いは「モノクロ」を含み、「オート」を含まないと判断すると(S19:No)、印刷設定が「カラー」を含むか「モノクロ」を含むかを判断する(S20)。
【0057】
プログラム37は、印刷設定が「カラー」を含むと判断すると(S20:カラー)、ステップS17で取得した画像データに基づいて、カラー印刷データを生成する(S21)。詳しく説明すると、プログラム37は、取得した画像データが示す画像を、取得した印刷設定に基づいて拡大或いは縮小し、或いは当該画像を回転する処理を実行する。次に、プログラム37は、画像データにおいてRGBで表現された多色データである第1多色データを、MCYKで表現された多色データである第2多色データに変換する処理を実行し、カラー印刷データを生成する。第2多色データは、上述のマゼンタの色データ、シアンの色データ、イエローの色データ、及びブラックの色データである。
【0058】
プログラム37は、ステップS17で取得した印刷設定が「モノクロ」を含むと判断すると(S20:モノクロ)、モノクロ印刷データを生成する(S22)。詳しく説明すると、プログラム37は、画像データにおいてRGBで表現された多色データである第1多色データを、RBGのブラックで表現されたモノクロデータに変換する第1変換処理を実行する。そして、プログラム37は、RBGのブラックで表現されたモノクロデータを、K(ブラック)で表現された色データである単色データに変換する第2変換処理を実行し、モノクロ印刷データを生成する。プログラム37が、カラー印刷データを生成するステップS21の処理及びモノクロ印刷データを生成するステップS22の処理は、生成処理の一例である。
【0059】
プログラム37は、ステップS19において、印刷設定が「オート」を含むと判断すると(S19:オート)、ステップS17で取得した画像データが示す画像が、視覚的に複数の色で表現されたカラーの画像であるか、一の色で表現された単色の画像であるかを判断する(S23)。例えば、プログラム37は、カラーの画像であることを示す第1情報が、取得した画像データに付与されていること、或いは単色の画像であることを示す第2情報が、取得した画像データに付与されていないことに基づいて、取得した画像がカラーの画像であると判断する。或いは、プログラム37は、第1情報が画像データに付与されていないこと、或いは第2情報が画像データに付与されていることに基づいて、取得した画像が単色の画像であると判断する。第1情報或いは第2情報は、例えば、画像データに付与されたヘッダ情報に含まれる。
【0060】
或いは、プログラム37は、取得した画像データのデータ形式がJPGやBMPやPNGなどの特定のデータ形式であることに基づいて、画像データが示す画像がカラーの画像であると判断し、取得した画像データのデータ形式が特定のデータ形式でないことに基づいて、画像データが示す画像が単色の画像であると判断してもよい。或いは、プログラム37は、取得した画像データが文字コードを含むテキストデータであることに基づいて、画像データが示す画像が単色の画像であると判断し、取得した画像データがテキストデータでないことに基づいて、画像データが示す画像がカラーの画像であると判断してもよい。或いは、ステップS17で取得した印刷設定に、印刷する画像がカラーの画像であることを示す「写真」などの設定が含まれるていることに基づいて、画像データが示す画像がカラーの画像であると判断し、印刷する画像が単色の画像であることを示す「文章」などの設定が印刷設定に含まれるていることに基づいて、画像データが示す画像が単色の画像であると判断してもよい。「写真」や「文章」などの設定は、プログラム37が表示パネル24に表示させた画面において入力されてもよい。或いは、プログラム37は、画像データが含む色データを解析し、画像データが示す画像がカラーの画像であるか単色の画像であるかを判断してもよい。
【0061】
単色の画像であることを示す情報を含む画像データ、或いはカラーの画像であることを示す情報を含まない画像データは、単色データを有する画像データの一例である。カラーの画像であることを示す情報を含む画像データ、或いは単色の画像であることを示す情報を含まない画像データは、多色データを有する画像データの一例であり、また、第1印刷処理及び第2印刷処理のどちらにも適した画像データの一例である。
【0062】
プログラム37は、画像データが示す画像が単色の画像であると判断すると(S23:モノクロ)、モノクロ印刷データを生成する上述のステップS23の処理を実行する。
【0063】
プログラム37は、取得した画像データが複数の色で表現された画像であると判断すると(S23:カラー)、モード情報を返信することの要求を示す要求情報を、通信I/F23及びローカルネットワーク13を通じてプリンタ11に送信する(S24)。詳しく説明すると、プログラム37は、ステップS17で取得したプリンタ名と対応付けられたプリンタ識別情報をメモリ32から読み出す。次に、プログラム37は、モード情報の返信を要求するコマンドを、読み出したプリンタ識別情報が示すプリンタ11(例えばプリンタ11A)に対して、通信I/F23及びローカルネットワーク13を通じて送信する。
【0064】
プリンタ11の制御プログラム57は、情報処理装置10が送信した要求情報を、通信I/F43を通じて受信する(S24)。制御プログラム57は、上記要求情報を受信したことに基づいて、メモリ52に記憶されたモード情報を、通信I/F43及びローカルネットワーク13を通じて情報処理装置10に送信する(S25)。なお、制御プログラム57は、情報処理装置10が送信した要求情報を受信するごとに(S24)、モード情報の送信を繰り返し実行する(S25)。
【0065】
情報処理装置10のプログラム37は、プリンタ11が送信したモード情報を、通信I/F23を通じて受信する(S25)。プログラム37がモード情報を受信するステップS25の処理は、モード情報取得処理の一例である。
【0066】
情報処理装置10のプログラム37は、受信したモード情報が、第1モード情報を示すか第2モード情報を示すかを判断する(S26)。すなわち、プログラム37は、プリンタ11が、カラー印刷処理及びモノクロ印刷処理の両方の印刷処理を実行可能な第1モードであるか、モノクロ印刷処理のみを実行可能な第2モードであるかを判断する。プログラム37が、プリンタ11の状態が第1モードであるか第2モードであるかを判断するステップS26の処理は、判断処理の一例である。
【0067】
プログラム37は、受信したモード情報が第1モード情報を示すと判断すると(S26:第1モード情報)、カラー印刷データを生成する上述のステップS21の処理を実行する。すなわち、ユーザが指定した設定が「オート」である場合であって(S19:Yes)、かつプリンタ11がカラー印刷処理を実行可能な第1モードである場合、プログラム37は、カラー印刷データを生成する。
【0068】
プログラム37は、受信したモード情報が第2モード情報を示すと判断すると(S26:第2モード情報)、モノクロ印刷データを生成する上述のステップS22の処理を実行する。すなわち、ユーザが指定した設定が「オート」である場合であって(S19:Yes)、かつプリンタ11がカラー印刷処理を実行できず、モノクロ印刷処理を実行可能な第2モードである場合、プログラム37は、モノクロ印刷データを生成する。
【0069】
プログラム37は、ステップS21或いはステップS22の処理の実行後、ステップS21で生成したカラー印刷データ或いはステップS22で生成したモノクロ印刷データを、通信I/F23及びローカルネットワーク13を通じて、ステップS24と同様にしてプリンタ11に送信する(S27)。プログラム37が印刷データをプリンタ11に送信するステップS27の処理は、出力処理の一例である。
【0070】
プリンタ11の制御プログラム57は、通信I/F43を通じて、情報処理装置10が送信した印刷データを受信する(S27)。制御プログラム57は、受信した印刷データを印刷エンジン44に入力して、印刷データが示す画像を印刷エンジン44に印刷させる印刷処理を実行する(S28)。具体的には、制御プログラム57は、カラー印刷データを受信したことに基づいて、カラー印刷処理を印刷エンジン44に実行させ、モノクロ印刷データを受信したことに基づいて、モノクロ印刷処理を印刷エンジン44に実行させる。なお、制御プログラム57は、印刷データを受信するごとに(S27)、印刷処理を実行する(S28)。
【0071】
なお、プログラム37は、ユーザが指定した印刷設定が「カラー」である場合(S19:NoかつS20:カラー)、プリンタ11が第1モードであるか第2モードであるかに拘わらずカラー印刷データを生成し(S21)、生成したカラー印刷データをプリンタ11に送信する(S27)。プリンタ11の制御プログラム57は、カラー印刷処理を実行可能な第1モードである場合、受信したカラー印刷データを印刷エンジン44に入力する。制御プログラム57は、カラー印刷処理を実行できない第2モードである場合、受信した印刷データに、マゼンタやシアンやイエローの色データが含まれることに基づいて、例えば、「カラー印刷を実行できません。カートリッジを交換してください。」の文字を有する第1エラー画面をタッチパネル42に表示させる。当該第1エラー画面を視認したユーザは、プリンタ11において、カートリッジの交換を行う。カートリッジを交換されたプリンタ11は、受信したカラー印刷データを印刷エンジン44に入力して、カラー画像の印刷を印刷エンジン44に実行させる。
【0072】
また、フローチャートには示されていないが、プログラム37は、ステップS25で受信したモード情報が上述の第3モード情報を示すと判断すると、例えば、「インクがありません。カートリッジを交換してください。」の文字を含む第2エラー画面を、ディスプレイ24に表示させる。
【0073】
[実施形態の作用効果]
プログラム37は、プリンタ11が第1モードであると判断すると、取得した画像データに基づいて、プリンタ11がカラー印刷処理を実行可能なカラー印刷データを生成し、プリンタ11が第2モードであると判断すると、取得した画像データに基づいて、プリンタ11がモノクロ印刷処理を実行可能なモノクロ印刷データを生成する。したがって、プログラム37は、プリンタ11のモード(状態)に応じた印刷データをプリンタ11に送信して、プリンタ11に印刷を行わせることができる。
【0074】
また、プログラム37は、ユーザが指定した印刷設定が「オート」であって、かつプリンタ11が第1モードである場合にカラー印刷データを生成し、ユーザが指定した印刷設定が「オート」であって、かつプリンタ11が第2モードである場合にモノクロ印刷データを生成する。したがって、ユーザが指定した印刷設定が「カラー」であってユーザがカラー印刷処理を希望している場合に、プリンタ11がモノクロ印刷処理を実行してしまうことが抑制される。
【0075】
プログラム37は、画像データを取得すると、モード情報の返信を要求する要求情報を、取得したプリンタ名が示すプリンタ11に送信し、プリンタ11が送信したモード情報を受信する。プログラム37は、受信したモード情報に基づいてステップS23の判断処理を実行する。したがって、プログラム37は、プリンタ11が第1モードであるか第2モードであるかを確実に判断することができる。
【0076】
[変形例1]
上述の実施形態では、プログラム37が、画像データを取得したことに基づいて、モード情報の返信を要求する要求情報をプリンタ11に送信し、プリンタ11が送信したモード情報を受信して取得する例を説明した。本変形例では、プログラム37が、モニタプログラム39がプリンタ11から取得してメモリ32に記憶させたモード情報を、メモリ32から読み出して取得する例を説明する。
【0077】
以下、
図4を参照して本変形例について説明する。なお、プリンタ11の構成及び情報処理装置10の構成であって、上述した構成以外の構成は、第1実施形態で説明した構成と同じである。また、プリンタ11の制御プログラム57及び情報処理装置10のプログラム37が実行する処理であって、以下で説明する処理以外の処理は、第1実施形態で説明した処理と同じである。第1実施形態と同一の構成には、同一の符号を付し、第1実施形態と同一の処理には、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【0078】
情報処理装置10のメモリ32のプログラム記憶領域34は、
図1に示されるように、モニタプログラム39を記憶する。モニタプログラム39は、プリンタ11からモード情報を取得し、取得したモード情報をメモリ32に記憶された対応テーブル(
図3(B))に登録する
図4のステップS31、S32、S33の処理を実行する。詳しく説明すると、モニタプログラム39は、メモリ32に記憶されたプリンタ識別情報が示すプリンタ11に対して、モード情報を含むステータス情報を返信することの要求を示す要求情報を、通信I/F23及びローカルネットワーク13を通じて送信する(S31)。当該要求情報は、例えば、一乃至複数のコマンドである。ステータス情報は、モード情報の他、プリンタ11が印刷を行ったシートの枚数や、カートリッジに貯留されたインクの残量などの情報が含まれていてもよい。
【0079】
プリンタ11の制御プログラム57は、情報処理装置10が送信した要求情報を、通信I/F43を通じて受信する(S31)。制御プログラム57は、受信した要求情報に基づいて、モード情報を含むステータス情報を、通信I/F43及びローカルネットワーク13を通じて情報処理装置10に送信する(S32)。プリンタ11は、ステップS31、S32の処理を繰り返し実行する。
【0080】
情報処理装置10のモニタプログラム39は、プリンタ11が送信したステータス情報を、通信I/F23を通じて受信する(S32)。モニタプログラム39は、受信したステータス情報に含まれるモード情報を、メモリ32が記憶する対応テーブルに登録する(S33)。対応テーブルにおいて、モード情報は、当該モード情報を送信したプリンタ11を示すプリンタ識別情報或いはプリンタ名と対応付けられる。
図3(B)に示す対応テーブルでは、モード情報は、プリンタ名と対応付けられている。図示例では、プリンタ名「A001」と、モード情報「第2モード」とが対応付けられている。なお、プログラム39は、ステップS31、S32、S33の処理を、例えば定期的に繰り返し実行する。
【0081】
情報処理装置10の画像生成プログラム38は、上述のS11からS17までの処理を実行する。プログラム37は、上述のステップS17からS23までの処理を実行する。プログラム37は、ステップS17で取得した画像データがカラー印刷データであると判断すると(S23:カラー)、ステップS17で取得したプリンタ名と対応付けられたモード情報を対応テーブルにおいて特定し、特定したモード情報を取得する(S34)。プログラム37がモード情報を取得するステップS34の処理は、モード情報取得処理の一例である。
【0082】
プログラム37は、取得したモード情報が第1モード情報であるか第2モード情報であるかを判断し(S26)、判断結果に基づいて、カラー印刷データを生成し(S21)、或いはモノクロ印刷データを生成する(S22)。そして、プログラム37は、生成した印刷データをプリンタ11に送信し(S27)、プリンタ11に印刷処理(S28)を実行させる。
【0083】
本変形例では、プログラム37は、モード情報をメモリ32から読み出して取得する(S34)。したがって、本変形例では、プログラム37がプリンタ11と通信を行ってモード情報を取得する場合(
図2のS24、S25)に比べ、プリンタ11との通信に要する時間の分だけ、画像データを取得してから印刷データを生成するまでに要する時間が短くなる。その結果、プログラム37は、ユーザが印刷の実行を指示してからプリンタ11が印刷処理の実行を開始するまでに要する時間を、第1実施形態に比べ短縮することができる。
【0084】
[変形例2]
本変形例では、プログラム37が、印刷データをプリンタ11に送信した後に、プリンタ11からモード情報を取得する例を説明する。
【0085】
プログラム37は、
図2に示す処理に代えて、
図5に示す処理を実行する。なお、プリンタ11の構成及び情報処理装置10の構成であって、以下に説明する構成以外の構成は、第1実施形態で説明した構成と同じである。また、プリンタ11の制御プログラム57及び情報処理装置10のプログラム37が実行する処理であって、以下で説明する処理以外の処理は、第1実施形態で説明した処理と同じである。第1実施形態と同一の構成には、同一の符号を付し、第1実施形態と同一の処理には、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【0086】
情報処理装置10の画像生成プログラム38は、上述のS11からS17までの処理を実行する。プログラム37は、上述のステップS17からS23までの処理を実行する。プログラム37は、ステップS17で取得した画像データがカラー印刷データであると判断すると(S23:カラー)、変形例1で説明したステップS34の処理と同様にして、対応テーブル(
図3(B))に基づいてモード情報を取得する(S34)。ただし、本変形例では、モード情報は、プログラム37が実行する後述のステップS35、S36、S37の処理によって対応テーブルに登録される。プログラム37がモード情報をメモリ32から読み出して取得するステップS34の処理は、モード情報取得処理の一例である。
【0087】
プログラム37は、ステップS34で取得したモード情報が第1モード情報であるか第2モード情報であるかを判断し(S26)、判断結果に基づいて、カラー印刷データを生成し(S21)、或いはモノクロ印刷データを生成する(S22)。そして、プログラム37は、生成した印刷データをプリンタ11に送信し(S27)、プリンタ11に印刷処理(S28)を実行させる。プログラム37が印刷データをプリンタ11に送信するステップS27の処理は、出力処理の一例である。
【0088】
プログラム37は、通信I/F23及びローカルネットワーク13を通じてプリンタ11に印刷データを送信したことに基づいて、モード情報を返信することの要求を示す要求情報を、通信I/F23及びローカルネットワーク13を通じてプリンタ11に送信する(S35)。当該要求情報は、上述のステップS24と同様に、例えばコマンドである。プログラム37が要求情報をプリンタ11に送信するステップS35の処理は、要求送信処理の一例である。
【0089】
次に、情報処理装置10のプログラム37は、上述のステップS25と同様に、プリンタ11が送信したモード情報を、通信I/F23及びローカルネットワーク13を通じて受信する(S36)。プログラム37がモード情報を取得するステップS36の処理は、受信処理の一例である。
【0090】
プログラム37は、受信したモード情報を上述のステップS33と同様にして対応テーブルに登録する(S37)。対応テーブルに登録されたモード情報は、次にプログラム37が画像データを取得して印刷データの生成を指示された場合(S17)の印刷データの生成に用いられる(S34)。プログラム37が、受信したモード情報を対応テーブルに登録するステップS37の処理は、記憶処理の一例である。
【0091】
本変形例では、プログラム37は、モード情報をメモリ32から読み出して取得する(S34)。したがって、本変形例では、プログラム37がプリンタ11と通信を行ってモード情報を取得する場合に比べ、プリンタ11との通信に要する時間の分だけ、画像データを取得してから印刷データを生成するまでに要する時間が短くなる。その結果、プログラム37は、ユーザが印刷の実行を指示してからプリンタ11が印刷処理の実行を開始するまでに要する時間を、第1実施形態に比べ短縮することができる。
【0092】
[変形例3]
本変形例では、プリンタ11の制御プログラム57が、第1モード情報或いは第2モード情報をメモリ52に記憶したことに基づいて、モード情報を情報処理装置10に送信する例を説明する。
【0093】
情報処理装置10のプログラム37及びプリンタ11の制御プログラム57は、
図2に示す処理に代えて、
図6に示す処理を実行する。なお、プリンタ11の構成及び情報処理装置10の構成であって、以下に説明する構成以外の構成は、第1実施形態で説明した構成と同じである。また、プリンタ11の制御プログラム57及び情報処理装置10のプログラム37が実行する処理であって、以下で説明する処理以外の処理は、第1実施形態で説明した処理と同じである。第1実施形態と同一の構成には、同一の符号を付し、第1実施形態と同一の処理には、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【0094】
プリンタ11の制御プログラム57は、上述のステップS71、S72、S73の処理を実行したことに基づいて、第2モード情報をメモリ52のデータ記憶領域55に記憶させる(S74)。制御プログラム57は、第2モード情報をメモリ52に記憶させたことに基づいて、通信I/F43及びローカルネットワーク13を通じて第2モード情報を情報処理装置10に送信する(S77)。また、制御プログラム57は、インクがなくなったカートリッジが新しいカートリッジに交換されたことに基づいて(S75:Yes)、第1モード情報をメモリ52のデータ記憶領域55に記憶させる(S76)。制御プログラム57は、第1モード情報をメモリ52に記憶させたことに基づいて、通信I/F43及びローカルネットワーク13を通じて第1モード情報を情報処理装置10に送信する(S78)。第2モード情報は、第1情報の一例である。第1モード情報は、第2情報の一例である。なお、制御プログラム57は、ステップS71からS78までの処理を繰り返し実行する。
【0095】
情報処理装置10に実装されたモニタプログラム39は、通信I/F23を通じて第2モード情報を受信する(S77)。また、モニタプログラム39は、通信I/F23を通じて第1モード情報を受信する(S78)。モニタプログラム39は、モード情報を受信したことに基づいて、受信したモード情報を、メモリ52に記憶された対応テーブル(
図1、
図3(B))に登録する(S79)。
【0096】
情報処理装置10のプログラム37は、上述の実施形態と同様にステップS17からS23までの処理、及びステップS34の処理を実行し、ステップS34の処理において、メモリ32に記憶された対応テーブルからモード情報を取得する。そして、プログラム37は、取得したモード情報に基づいてステップS26の処理を実行し、カラー印刷データ或いはモノクロ印刷データを生成する(S21、S22)。プログラム37は、生成した印刷データをプリンタ11に送信し(S27)、印刷処理をプリンタ11に実行させる(S28)。プログラム37がモード情報を取得するステップS34の処理は、モード情報取得処理の一例である。
【0097】
本変形例では、プログラム37は、モード情報をメモリ32から読み出して取得する(S34)。したがって、本変形例では、プログラム37がプリンタ11と通信を行ってモード情報を取得する場合に比べ、プリンタ11との通信に要する時間の分だけ、画像データを取得してから印刷データを生成するまでに要する時間が短くなる。その結果、プログラム37は、ユーザが印刷の実行を指示してからプリンタ11が印刷処理の実行を開始するまでに要する時間を、第1実施形態に比べ短縮することができる。
【0098】
[第2実施形態]
本実施形態では、プリンタ11が、ドラフト印刷を実行可能な機能を有し、情報処理装置10のプログラム37が、プリンタ11がドラフト印刷を実行する状態である場合に、プリンタ11に入力するドラフト印刷データを生成する例を説明する。なお、プリンタ11の構成及び情報処理装置10の構成であって、以下で説明する構成以外の構成は、第1実施形態で説明した構成と同じである。また、プリンタ11の制御プログラム57及び情報処理装置10のプログラム37が実行する処理であって、以下で説明する処理以外の処理は、第1実施形態や変形例で説明した処理と同じである。
【0099】
プリンタ11は、ドラフト印刷を実行する機能であるドラフト印刷機能を有する。ドラフト印刷とは、印刷する画像の解像度を低下させて印刷を行う機能である。例えば、プリンタ11の制御プログラム57は、入力された印刷データが示す画像の各画素を一定の割合で削除することにより、ドラフト印刷に用いられる印刷データであるドラフト印刷データを生成する。以下では、制御プログラム57が印刷データからドラフト印刷データを生成する処理を、ドラフト印刷データ生成処理と記載して説明する。
【0100】
第1実施形態では、プリンタ11の制御プログラム57は、モノクロ印刷処理を実行する場合に、第2モード情報をメモリ53に記憶させる(S74)。本実施形態では、制御プログラム57は、ドラフト印刷を実行する場合に、第2モード情報をメモリ53に記憶させる。具体的には、制御プログラム57は、まず、ドラフト印刷を実行しないことを示す第1モード情報をメモリ53に記憶させる(S71)。そして、制御プログラム57は、ドラフト印刷を実行することを示すユーザの指示を受け付けたことに応じて(S73)、第2モード情報をメモリ53に記憶させる(S74)。また、制御プログラム57は、ドラフト印刷を実行しないことを示すユーザの指示を受け付けたことに応じて(S75:Yes)、第1モード情報をメモリに記憶させる(S76)。制御プログラム57は、第1モード情報或いは第2モード情報を示すモード情報を、第1実施形態や変形例と同様にして、情報処理装置10のプログラム37或いはモニタプログラム39に送信する。
【0101】
プログラム37は、ステップS26において、取得したモード情報が第1モード情報であるか第2モード情報であるかを判断する。プログラム37は、取得したモード情報が第2モード情報であると判断すると、ステップS22の処理に代えて、ドラフト印刷データを生成する処理を実行する。プログラム37は、ドラフト印刷データを生成したことに基づいて、生成したドラフト印刷データと、送信する印刷データがドラフト印刷データであることを示す種別情報とを対応付けて、通信I/F23及びローカルネットワーク13を通じてプリンタ11に送信する。ドラフト印刷データと種別情報とを対応付けるとは、種別情報をドラフト印刷データに含めることや、種別情報をドラフト印刷データとともにプリンタ11に送信することや、種別情報とドラフト印刷データとに同一の識別情報を付与することや、種別情報とドラフト印刷データとを連続してプリンタ11に送信することなど、ドラフト印刷データと種別情報とが対応していることをプリンタ11の制御プログラム57が認識可能な全ての方法が含まれることを意味する。
【0102】
プリンタ11の制御プログラム57は、第2モード情報がメモリ53に記憶されている場合、取得した印刷データに対応付けられた種別情報があるか否かを判断し、種別情報がないと判断すると、受信した印刷データに基づいてドラフト印刷データを生成してドラフト印刷を実行する。制御プログラム57は、種別情報があると判断すると、取得したドラフト印刷データに基づいて、印刷処理を実行する。すなわち、制御プログラム57は、ドラフト印刷データ生成処理を実行することなく、ドラフト印刷を実行する。
【0103】
本実施形態では、情報処理装置10のプログラム37は、プリンタ11がドラフト印刷を実行する状態である場合、ドラフト印刷データを生成し、生成したドラフト印刷データ及び上述の種別情報をプリンタ11に送信する。したがって、プリンタ11は、ドラフト印刷データ生成処理を実行することなくドラフト印刷を実行することができる。その結果、プログラム37は、ドラフト印刷データ生成処理の実行に要する時間の分だけ、プリンタ11が印刷データを取得してからシートへの印刷が開始されるまでに要する期間を短縮することができる。なお、通常は、情報処理装置10のCPU31の処理速度の方が、プリンタ11のCPU51の処理速度よりも速い。したがって、情報処理装置10においてドラフト印刷データ生成処理を実行する方が、プリンタ11においてドラフト印刷データ生成処理を実行するよりも、短い時間でドラフト印刷データを生成することができる。よって、プログラム37は、ユーザが印刷の実行を指示してから、プリンタ11が印刷処理の実行を開始するまでに要する時間を短縮することができる。
【0104】
[第3実施形態]
本実施形態では、プリンタ11が、モノカラー印刷を実行可能なモノカラー印刷機能を有し、情報処理装置10のプログラム37が、プリンタ11がモノカラー印刷を実行する状態である場合に、プリンタ11に入力するモノカラー印刷データを生成する例を説明する。モノカラー印刷とは、マゼンタ或いはシアン或いはイエローの一のカラーインクを用いてシートに画像を印刷する印刷である。モノカラー印刷データとは、マゼンタ或いはシアン或いはイエローの一の色データを含み、他の色の色データを含まない印刷データである。
【0105】
なお、プリンタ11の構成及び情報処理装置10の構成であって、以下で説明する構成以外の構成は、第1実施形態で説明した構成と同じである。また、プリンタ11の制御プログラム57及び情報処理装置10のプログラム37が実行する処理であって、以下で説明する処理以外の処理は、第1実施形態や変形例で説明した処理と同じである。
【0106】
第1実施形態では、プリンタ11の制御プログラム57は、モノクロ印刷処理を実行する場合に、第2モード情報をメモリ53に記憶させる(S74)。本実施形態では、制御プログラム57は、モノカラー印刷を実行する場合に、第2モード情報をメモリ53に記憶させる。具体的には、制御プログラム57は、まず、モノカラー印刷を実行しないことを示す第1モード情報をメモリ53に記憶させる(S71)。そして、制御プログラム57は、モノカラー印刷を実行することを示すユーザの指示を受け付けたことに応じて(S73)、第2モード情報をメモリ53に記憶させる(S74)。また、制御プログラム57は、モノカラー印刷を実行しないことを示すユーザの指示を受け付けたことに応じて、或いはカートリッジが交換されたことに応じて(S75:Yes)、第1モード情報をメモリに記憶させる(S76)。制御プログラム57は、第1モード情報或いは第2モード情報を示すモード情報を、第1実施形態や変形例と同様にして、情報処理装置10のプログラム37或いはモニタプログラム39に送信する。
【0107】
プログラム37は、ステップS26において、取得したモード情報が第1モード情報であるか第2モード情報であるかを判断する。プログラム37は、取得したモード情報が第2モード情報であると判断すると、ステップS22の処理に代えて、モノカラー印刷データを生成する処理を実行する。
【0108】
本実施形態では、プログラム37は、プリンタ11がモノカラー印刷を実行しない状態であると判断すると、取得した画像データに基づいて、プリンタ11がカラー印刷を実行可能なカラー印刷データを生成し、プリンタ11がモノカラー印刷を実行する状態であると判断すると、取得した画像データに基づいて、プリンタ11がモノカラー印刷を実行可能なモノカラー印刷データを生成する。したがって、プログラム37は、プリンタ11の状態に応じた印刷データをプリンタ11に送信することができる。
【0109】
[その他の変形例]
上述の第1実施形態では、プリンタ11が第1モード情報或いは第2モード情報を示すモード情報を情報処理装置10に送信する例を説明した。しかしながら、プリンタ11は、第2モード情報を情報処理装置10に送信し、第1モード情報を情報処理装置10に送信しなくてもよい。情報処理装置10のプログラム37は、ステップS26の判断処理において、第2モード情報を取得しないことに基づいて、プリンタ11が第1モードであると判断し(S26:第1モード情報)、第2モード情報を取得したことに基づいて、プリンタ11が第2モードであると判断する(S26:第2モード情報)。第2実施形態におけるドラフトフラグ、及び第3実施形態におけるカラーモードフラグについても同様である。
【0110】
上述の各実施形態では、プログラム37が印刷データをプリンタ11に送信する例を説明した。しかしながら、プログラム37は、生成した印刷データを、OS36や不図示の他のプログラムに受け渡してもよい。その場合、印刷データは、OS36や当該他のプログラムにより、プリンタ11に送信される。
【0111】
上述の各実施形態では、プログラム37が、取得した画像データに基づいて印刷データを生成する例を説明した。しかしながら、プログラム37は、取得した画像データに基づいて、印刷データを生成するためのデータを生成してもよい。印刷データを生成するためのデータとは、例えば、画像データが示す画像を拡大、縮小、或いは回転させた画像を示すデータや、第1変換処理を実行して生成するモノクロデータなどである。この場合プログラム37は、生成したデータを不図示の他のプログラムに受け渡す。当該他のプログラムは、受け渡されたデータに基づいて印刷データを生成し、生成した印刷データをさらに他のプログラムやOS36やプログラム37などを通じてプリンタ11に送信する。或いは、当該他のプログラムは、生成した印刷データをローカルネットワーク13を通じて不図示の端末装置に送信する。当該端末装置は、受信した印刷データをローカルネットワーク13を通じてプリンタ11に送信する。画像データが示す画像を拡大、縮小、或いは回転させた画像を示すデータは、第1データの一例である。第1変換処理によって生成されるモノクロデータは、第2データの一例である。
【0112】
上述の各実施形態では、情報処理装置10がパーソナルコンピュータであって、プログラム37がパーソナルコンピュータに実装された例を説明した。しかしながら、情報処理装置10は、携帯端末やタブレットなどの無線通信機能を有した端末装置であってもよい。その場合、プログラム37は、カラー印刷データ或いはモノクロ印刷データを生成して出力してもよいし、画像データが示す画像を拡大、縮小、或いは回転させた画像を示すデータや、第1変換処理を実行して生成するモノクロデータなどを、印刷データを生成するためのプログラムに対して出力してもよい。また、情報処理装置10が携帯端末やタブレットなどである場合、プログラム37は、OS36が提供する共有機能によって画像データを取得してもよい。OS36は、上述の送るアイコンが選択された場合と同様にして、画像データを示すファイルパスをプログラム37に受け渡す。
【符号の説明】
【0113】
10・・・情報処理装置
11・・・プリンタ
23・・・通信インタフェース
31・・・CPU
32・・・メモリ
37・・・プログラム
39・・・モニタプログラム