(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】エアバッグ及びエアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
B60R 21/207 20060101AFI20230816BHJP
B60R 21/231 20110101ALI20230816BHJP
B60R 21/2338 20110101ALI20230816BHJP
B60N 2/427 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
B60R21/207
B60R21/231
B60R21/2338
B60N2/427
(21)【出願番号】P 2019140999
(22)【出願日】2019-07-31
【審査請求日】2022-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】318002149
【氏名又は名称】Joyson Safety Systems Japan合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】杉森 栄
(72)【発明者】
【氏名】坂本 浩
(72)【発明者】
【氏名】横田 匡俊
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0161052(US,A1)
【文献】特開2006-008105(JP,A)
【文献】特表2017-537025(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0061675(US,A1)
【文献】国際公開第2019/110705(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/207
B60R 21/231
B60R 21/2338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバックの車幅方向中央側の側部に搭載されるファーサイド用のエアバッグ装置のエアバッグであって、
乗員の側方に膨張する第1膨張部と、
後部が該第1膨張部の上部と乗員頭部との間に膨張し、前部が乗員の肩部の前方に膨張する第2膨張部と、
該第1膨張部内と第2膨張部内を連通する連通部と
を有し、
該第2膨張部の該後部は、エアバッグが膨張した状態において第1膨張部から乗員側へ屈曲し、該第2膨張部の該前部の上部は該後部に対し屈曲状に連な
り、
前記連通部は、前記第1膨張部の上部の後部に位置する第1隘路であり、
前記エアバッグが膨張したときに前記第1膨張部の後部が該第1隘路で乗員側へ屈曲し、
前記第2膨張部の後部は、前記第1隘路を介して第1膨張部内に連通し、前方に延在し、膨張した状態において少なくとも一部が乗員頭部と第1膨張部の上部との間に位置する第1チャンバであり、
下部が前記第1膨張部の前部の乗員側に連通口を介して連通しており、該連通口から上方に膨張する第2チャンバを有し、
前記第2チャンバの上部と前記第1チャンバの前部とが接合されていることを特徴とするエアバッグ。
【請求項2】
前記第1膨張部は、該第1膨張部を周回する環状チャンバと、該環状チャンバで囲まれた非膨張部とを有することを特徴とする請求項1のエアバッグ。
【請求項3】
前記エアバッグが膨張したときに第2膨張部の後部を第1膨張部の上部の乗員側に位置させるための第1テザーを有することを特徴とする請求項1
又は2のエアバッグ。
【請求項4】
前記第1テザーの上端は前記第2膨張部の後部に接続され、第1テザーの下端は前記第1膨張部又はシートバックフレームに接続されている請求項
3のエアバッグ。
【請求項5】
前記エアバッグは請求項2のエアバッグであり、前記第1テザーの下端が前記非膨張部に接続されている請求項
4のエアバッグ。
【請求項6】
前記第1テザーの前端が前記第2膨張部の前部に接続され、後端がシートバックフレーム又は第1膨張部の後部に接続されている請求項
3のエアバッグ。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれかのエアバッグと、該エアバッグを膨張させるインフレータとを有するエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートの車幅方向中央側の側部に搭載されるファーサイド用のエアバッグ及びエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両の側面衝突では、衝突の衝撃力により車両が移動されるのに対し、座席に着座した乗員はその場に留まろうとするため、衝突側に向かうような慣性力を受けることとなり、非衝突側シートの乗員は、車幅方向中央側へ向かって動かされるような力を受ける。そのため、隣り合う座席シートの間に膨張展開されるファーサイド用のエアバッグ装置が提案されている。特許文献1には、乗員の胸部と頭部を拘束するために、ファーサイド用のエアバッグを胸部チャンバーと、その上側のヘッドチャンバーとで構成することが記載されている。
【0003】
特許文献2には、乗員の頭部よりも上方まで膨張展開するエアバッグを有したサイドエアバッグ装置が記載されている。このエアバッグの上部は、乗員の頭部の前方に回り込むように膨張するエアバッグ突出部を有している。このエアバッグ突出部は、車両に対する斜め前方からの衝突時に乗員頭部を拘束する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2019/016052号明細書
【文献】特開2006-8105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2のエアバッグにあっては、車両が側面衝突すると、ファーサイド乗員の肩、腕、胸及び胴がファーサイド用エアバッグを押すことにより、エアバッグが乗員頭部から離反移動してしまい、乗員頭部の拘束が不足する。
【0006】
特許文献1のファーサイド用エアバッグは、ヘッドチャンバの後部のみが胸部チャンバ上部の後部に連なっているので、胸部チャンバが乗員身体に押されて衝突側へ移動しても、ヘッドチャンバが原位置に残るようになり、ヘッドチャンバが乗員頭部を拘束する。
【0007】
本発明は、乗員の頭部及び上半身の拘束性能に優れたファーサイド用のエアバッグ及びエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のエアバッグは、シートバックの車幅方向中央側の側部に搭載されるファーサイド用のエアバッグ装置のエアバッグであって、乗員の側方に膨張する第1膨張部と、後部が該第1膨張部の上部と乗員頭部との間に膨張し、前部が乗員の肩部の前方に膨張する第2膨張部と、該第1膨張部内と第2膨張部内を連通する連通部とを有し、該第2膨張部の該後部は、エアバッグが膨張した状態において第1膨張部から乗員側へ屈曲し、該第2膨張部の該前部の上部は該後部に対し屈曲状に連なるものである。
【0009】
本発明の一態様では、前記第1膨張部は、該第1膨張部を周回する環状チャンバと、該環状チャンバで囲まれた非膨張部とを有する。
【0010】
本発明の一態様では、前記連通部は、前記第1膨張部の上部の後部に位置する第1隘路であり、前記エアバッグが膨張したときに前記第1膨張部の後部が該第1隘路で乗員側へ屈曲する。
【0011】
本発明の一態様では、前記第2膨張部の後部は、前記第1隘路を介して第1膨張部内に連通し、前方に延在し、膨張した状態において少なくとも一部が乗員頭部と第1膨張部の上部との間に位置する第1チャンバである。
【0012】
本発明の一態様では、前記第2膨張部の前記前部は、上部が前記第1チャンバの前部に連通しており、膨張した状態において、前記第1チャンバの前部から下方に膨張し、乗員の肩の前方に位置する第2チャンバを有しており、該第2チャンバの下部が前記第1膨張部の前部に接合されている。
【0013】
本発明の一態様では、前記第1チャンバと第2チャンバとの間に第2隘路が設けられており、前記エアバッグが膨張したときに、第2膨張部が該第2隘路で屈曲する。
【0014】
本発明の一態様では、前記第2膨張部は、下部が前記第1膨張部の前部の上下方向途中部分の連通部を介して該第1膨張部内に連通し、上方に向って膨張する第2チャンバと、該第2チャンバの上部に対して前部が第2隘路を介して連通した第1チャンバとを有する。
【0015】
本発明の一態様では、前記第1チャンバの後部が前記第1膨張部の上部の後部に接合されている。
【0016】
本発明の一態様では、下部が前記第1膨張部の前部の乗員側に連通口を介して連通しており、該連通口から上方に膨張する第2チャンバを有する。
【0017】
本発明の一態様では、前記第2チャンバの上部と前記第1チャンバの前部とが接合されている。
【0018】
本発明の一態様では、前記エアバッグが膨張したときに第2膨張部の後部を第1膨張部の上部の乗員側に位置させるための第1テザーを有する。
【0019】
本発明の一態様では、前記第1テザーの上端は前記第2膨張部の後部に接続され、第1テザーの下端は前記第1膨張部又はシートバックフレームに接続されている。
【0020】
本発明の一態様では、前記第1テザーの下端が前記非膨張部に接続されている。
【0021】
本発明の一態様では、前記第1テザーの前端が前記第2膨張部の前部に接続され、後端がシートバックフレーム又は第1膨張部の後部に接続されている。
【0022】
本発明のエアバッグ装置は、かかる本発明のエアバッグと、該エアバッグを膨張させるためのインフレータとを有する。
【発明の効果】
【0023】
本発明のエアバッグでは、側面衝突時に第1膨張部の上部と乗員頭部との間に第2膨張部が介在することにより、乗員頭部の傾動が拘束される。
【0024】
本発明の一態様では、側面衝突時に第2膨張部の第1チャンバが第1膨張部の上部と乗員頭部との間に介在する。
【0025】
本発明の一態様では、斜め前方からの側面衝突時に第2膨張部が乗員の頭部やさらには肩付近を拘束する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施の形態に係るエアバッグの非膨張時の構成図である。
【
図2】実施の形態に係るエアバッグの膨張完了状態の側面図である。
【
図3】実施の形態に係るエアバッグの膨張完了状態の正面図である。
【
図4】実施の形態に係るエアバッグの膨張完了状態の背面図である。
【
図5】実施の形態に係るエアバッグの膨張完了状態の斜視図である。
【
図8】別の実施の形態に係るエアバッグの膨張完了状態の側面図である。
【
図9】別の実施の形態に係るエアバッグの膨張完了状態の側面図である。
【
図10】別の実施の形態に係るエアバッグの膨張完了状態の背面図である。
【
図11】別の実施の形態に係るエアバッグの膨張完了状態の側面図である。
【
図12】
図12aは別の実施の形態に係るエアバッグの一部の拡大図、
図12bは
図12aのXIIb-XIIb線断面図である。
【
図13】別の実施の形態に係るエアバッグの膨張完了状態の斜視図である。
【
図14】別の実施の形態に係るエアバッグの膨張完了状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態において、前後・上下・左右の方向は、特に断らない限り、車両の前後・上下・左右の方向と一致するものである。FR、UP及びCENTERは、それぞれ、車両の前方向、上方向、車幅方向の中央側を示す。
【0028】
[第1の実施形態]
図1~7は、本発明の第1の実施形態に係るエアバッグ1を示すものであり、
図1は膨張前のエアバッグ1を平たく広げた状態を示している。
図2~7はエアバッグが膨張展開した状態を示すものである。
【0029】
本実施形態に係るエアバッグ装置は、いわゆるファーサイドエアバッグ装置であり、車両用シートの車幅方向中央側の側部に搭載されている。本実施形態では、シートは車両の左側シートであり、エアバッグ装置はシートの右側部に搭載されている。
【0030】
シートは、シートクッション、シートバック及びヘッドレストを備えている。シートバックは、その骨格となるシートバックフレームを有する。
【0031】
本実施形態では、シートバックフレームにエアバッグ装置が取り付けられる。
【0032】
エアバッグ装置は、シートバック内に折り畳まれて収納されるエアバッグ1と、エアバッグ1に膨張用ガスを供給するインフレータ2とを備えている。
【0033】
エアバッグ1は、2枚のパネル(
図6,7に示す第1パネル31及び第2パネル32)の周縁部を縫目33によって縫合し、第1膨張部10の中央部を縫目34によって縫合したものである。エアバッグ1は、乗員の頭部、肩部、胸部及び腹部を拘束し得る大きさとなっている。
【0034】
図1の通り、エアバッグ1は、インフレータ2からのガスが最初に流入して膨張する、下側の第1膨張部10と、該第1膨張部10の上側に配置されており、第1膨張部10から流入するガスによって膨張する第2膨張部20とを有している。
【0035】
第1膨張部10は、インフレータ2の差込口11と、該差込口11に連通した、膨張可能な環状チャンバ12と、該環状チャンバ12で囲まれた非膨張部13とを有している。
【0036】
図1の通り、エアバッグ1は、エアバッグ1の後部を略上下方向に延在する後辺1aと、後辺1aに連なり、略前後方向に延在する上辺1bと、該上辺1bに連なり、略上下方向に延在する上部前辺1cと、該上部前辺1cに連なり、略前後方向に延在する上側切込辺1dと、該上側切込辺1dに連なり、略前後方向に延在する下側切込辺1eと、該下側切込辺1eに連なり、略上下方向に延在する下部前辺1fと、該下部前辺1fに連なり、後方に延在する下辺1gと、後辺1aの下部に連なり、後方に延在する延出辺1hとを有している。
【0037】
前記縫目33は、これらの辺1a~1hに沿って設けられている。辺1g,1hは略平行であり、それらの後端同士の間がインフレータ2の差込口11となっている。インフレータ2の代りに、インフレータに連なるガスダクトパイプの一端が差込口11に差し込まれてもよい。
【0038】
上側切込辺1dと下側切込辺1eとの間は切込部4となっている。切込部4は、エアバッグ1の前辺の上部から後方に向って延在している。
【0039】
この切込部4よりも下側が第1膨張部10となっており、切込部4よりも上側が第2膨張部20となっている。
【0040】
第1膨張部10は、中央部に環状の縫目34が設けられ、縫目34と前記縫目33との間が環状チャンバ12となっている。縫目34の内側が非膨張部13となっている。
【0041】
縫目33のうち、上側切込辺1d及び下側切込辺1eに沿う部分33d,33eは、エアバッグ1の前辺1c,1fから後辺1a近くにまで延在している。縫目33d,33eの後端部に鳩目状縫目35が設けられている。鳩目状縫目35付近と後辺1aに沿う縫目33との間が、第1膨張部10と第2膨張部20とを連通する第1隘路14となっている。
【0042】
第2膨張部20は、縫目33によって囲まれた、略前後方向に延在するチャンバを有している。縫目33のうち前記切込辺1dに沿う縫目33dは、鳩目状縫目35の近傍において、上辺1bに接近する接近部33d’となっており、この接近部33d’と上辺1bに沿う縫目33との間が第2隘路23となっている。
【0043】
第2膨張部20のチャンバは、第2隘路23よりも第1隘路14側の第1チャンバ21と、第2隘路23よりも前方側の第2チャンバ22とで構成されている。
【0044】
第2膨張部20の先端(
図1の前端)は第1膨張部10の前部に縫合により接合されている。
【0045】
図2の通り、この実施の形態では、テザー5,6,7が設けられている。第1テザー5は、膨張した第1チャンバ21を乗員P(
図3)側に位置させるためのものである。テザー5の上端は、上辺1bのうち第1チャンバ21部分に縫着されている。テザー5の下端は、非膨張部13の上部に縫着されている。
【0046】
第2テザー6は、膨張した第1膨張部10の前側が乗員から右方向へ退動することを抑制するためのものである。テザー6の前縁は切込辺1eの前部付近に縫着されている。テザー6の後端は、シートバックフレームに連結される。
【0047】
第3テザー7の上端は、後辺1aの上下方向中間付近に縫着され、下端は前辺1fの下部に縫着されている。
【0048】
このように構成されたエアバッグ1を有するエアバッグ装置を備えた車両が右側から側面衝突された場合、インフレータ2がガス発生作動する。インフレータ2から第1膨張部10に供給されたガスは、環状チャンバ12を膨張させると共に、第1隘路14を介して第2膨張部20に供給され、第1チャンバ21及び第2チャンバ22を膨張させる。
【0049】
テザー5によって引っ張られることにより、膨張した第1チャンバ21は
図2~6の通り、第1隘路14付近で乗員P側へ屈曲し、膨張した第1膨張部10の上部と乗員Pの頭部Hとの間に介在する。
【0050】
また、第2膨張部20は、第2隘路23付近で屈曲し、第2チャンバ22は第1チャンバ21の前端から下方に膨張する。この第2チャンバ22は、乗員Pの右肩の前側に位置し、右肩付近を拘束する。
【0051】
このように、第1チャンバ21が第1膨張部10の上部と乗員頭部Hとの間に位置するので、乗員頭部Hの傾動が拘束される。
【0052】
また、第2チャンバ22が乗員Pの頭部前方から右肩付近の前側にかけて膨張展開するので、右斜め前方からの側面衝突の際における乗員頭部Hの右前方への動きが拘束される。
【0053】
[別の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、第1チャンバ21を乗員P側へ屈曲させるためのテザー5が、上辺1bと非膨張部13との間に架設されているが、
図8のエアバッグ1Aのように、テザー5の下端を第1膨張部10の後辺1aに縫着してもよい。
【0054】
また、
図9のエアバッグ1Bのように、テザー5の後端をシートバックフレームに連結してもよい。
【0055】
また、
図10のエアバッグ1Cのように、テザー5の代わりに、膨張した第1チャンバ21の後面と膨張した環状チャンバ12の上部後面とに跨がるテザークロス41を設けてもよい。
【0056】
図11のエアバッグ1Dのように、テザー5の前端を第2チャンバ22に接続し、後端をシートバックフレーム又は第1膨張部10の後部に連結してもよい。
【0057】
図8~11のエアバッグ1A~1Dのその他の構成はエアバッグ1と同一であり、同一符号は同一部分を示している。
【0058】
本発明は、
図12a,12bのエアバッグ1’のように、鳩目状縫目35付近において、パネル31,32に略前後方向に延在するスリット42を設け、パネル31,32のうちスリット42の上側の部分と下側の部分とを重ね合わせて乗員P側へ延出させ、縫目43によって、重ね合わせ部分を縫着してもよい。
【0059】
上記エアバッグ1,1’,1A~1Dでは、第1膨張部10と第2膨張部20とを連通する第1隘路14は第1膨張部10の上部に位置するが、
図13のエアバッグ1Eのように、第1隘路15を第1膨張部10の前部に位置させ、該第1隘路15によって第2チャンバ22と環状チャンバ12とが連通する構成としてもよい。第1隘路15は、第1膨張部10の上下方向の途中に位置する。
【0060】
図13では、第1チャンバ21と環状チャンバ12とを連通する第1隘路14は設けられていない。第1チャンバ21の後部は第1膨張部10の上部の後部に縫合等により接続されている。
【0061】
図14のエアバッグ1Fでは、第1隘路14によって第1チャンバ21の後部と環状チャンバ12の上部とが連通し、第1隘路15によって第2チャンバ22の下部と環状チャンバ12の前部とが連通している。第1チャンバ21と第2チャンバ22とを連通する第2隘路23は設けられておらず、第1チャンバ21と第2チャンバ22とは直接には連通していない。第1チャンバ21の前部と第2チャンバ22の上部とは縫合等により接続されている。
【0062】
図13,14のエアバッグ1E,1Fのその他の構成はエアバッグ1と同一であり、同一符号は同一部分を示している。
【0063】
上記実施の形態は、いずれも本発明の一形態を示すものであり、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0064】
1,1’,1A~1F エアバッグ
2 インフレータ
4 切込部
5,6,7 テザー
10 第1膨張部
12 環状チャンバ
13 非膨張部
14,15 第1隘路
20 第2膨張部
21 第1チャンバ
22 第2チャンバ
23 第2隘路
31,32 パネル
33,34,35,43 縫目