(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】無人搬送車
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20230816BHJP
【FI】
G05D1/02 A
G05D1/02 E
(21)【出願番号】P 2019210470
(22)【出願日】2019-11-21
【審査請求日】2022-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 元太
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-130207(JP,A)
【文献】特開平09-114522(JP,A)
【文献】特開平02-278311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床に延在するガイド線を車載用ガイドセンサで検出しながら前記ガイド線に沿って走行する無人搬送車であって、
走行経路は、途中に前記ガイド線が設けられていない非ガイド線区間を有し、
前記車載用ガイドセンサで第1のガイド線を検出しながら走行する区間から前記車載用ガイドセンサで第2のガイド線を検出しながら走行する区間までの前記非ガイド線区間における前記非ガイド線区間に入ってから前記第2のガイド線を検出するまでの間に前記車載用ガイドセンサによる前記第2のガイド線の検出のための旋回動作を行
い、
前記旋回動作は、旋回走行を連続して行う蛇行走行であり、
前記蛇行走行を行う際に、旋回半径を大きくしていくようにしたことを特徴とする無人搬送車。
【請求項2】
前記蛇行走行を行う際に、前記第1のガイド線の延長線が蛇行中心線となるように旋回走行後の前記延長線までに直線走行を行うようにしたことを特徴とする請求項
1に記載の無人搬送車。
【請求項3】
所定距離を走行した後に前記旋回動作を行うことを特徴とする請求項1
又は請求項2に記載の無人搬送車。
【請求項4】
床に延在するガイド線を車載用ガイドセンサで検出しながら前記ガイド線に沿って走行する無人搬送車であって、
走行経路は、途中に前記ガイド線が設けられていない非ガイド線区間を有し、
前記車載用ガイドセンサで第1のガイド線を検出しながら走行する区間から前記車載用ガイドセンサで第2のガイド線を検出しながら走行する区間までの前記非ガイド線区間における前記非ガイド線区間に入ってから前記第2のガイド線を検出するまでの間に前記車載用ガイドセンサによる前記第2のガイド線の検出のための旋回動作を行
い、
前記旋回動作は、所定距離を直進走行した後に行われる旋回走行であり、機台の姿勢角度が所定の角度となるまで前記機台を旋回させる第1の旋回と、前記第1の旋回に連続し、かつ前記第1の旋回の旋回方向とは逆側へ旋回させて所定の角度となるまで前記機台を旋回させる第2の旋回とを含み、
前記第2の旋回の後に直進走行が行われるようにしたことを特徴とする無人搬送車。
【請求項5】
今回の非ガイド線区間に入ってから前記第2のガイド線を検出するまでの間に行った前記車載用ガイドセンサによる前記第2のガイド線の検出のための旋回動作の処理内容を記憶しておき、
前回の旋回走行の際、前記第2の旋回において前記第2のガイド線を検出した場合に、次回の
旋回走行の際の前記第1の旋回の旋回方向を、記憶された前回の旋回方向と逆側とすることを特徴とする請求項
4に記載の無人搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人搬送車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の自動搬送システムにおいては、
図19に示すように、自動搬送車200の経路中において第1の追従区間と第2の追従区間との間に自動搬送車200が自律走行する自律走行区間が設けられ、自律走行区間の自動搬送車200を第2の追従区間の導線201に復帰させるためのパターンとして自動搬送車200の進行方向に直交する方向の両外側に当たる外縁が自律走行区間側に向かって末広がり状に拡がる復帰パターン202が敷設されており、外縁が検出されたときに自律走行制御から追従走行制御に切り換えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、無人搬送車は予め設定された経路に沿って走行するが、走行経路途中にガイド線を設置できないような一定区間を走行する場合、特許文献1の技術を用いてガイド線に復帰させるために進行方向の左右に末広がり状に拡がる復帰パターンを設けると、復帰パターンに対応する幅で走行できるように左右の両方に車両が走行できるスペースを設ける必要がある。進行方向の左右に末広がり状に拡がる復帰パターンを設けることなく、乗り移り元のガイド線から乗り移り先のガイド線に向かって直進走行すると、車両の機械的誤差等により進行方向に対し左右にばらついてしまい、移り元のガイド線から乗り移り先のガイド線に乗り移ることが難しくなる。
【0005】
本発明の目的は、第1のガイド線から走行経路途中にガイド線が設けられていない非ガイド線区間を経て第2のガイド線に容易に乗り移ることができる無人搬送車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための無人搬送車は、床に延在するガイド線を車載用ガイドセンサで検出しながら前記ガイド線に沿って走行する無人搬送車であって、走行経路は、途中に前記ガイド線が設けられていない非ガイド線区間を有し、前記車載用ガイドセンサで第1のガイド線を検出しながら走行する区間から前記車載用ガイドセンサで第2のガイド線を検出しながら走行する区間までの前記非ガイド線区間における前記非ガイド線区間に入ってから前記第2のガイド線を検出するまでの間に前記車載用ガイドセンサによる前記第2のガイド線の検出のための旋回動作を行い、前記旋回動作は、所定距離を走行した後に行われる旋回走行であり、機台の姿勢角度が所定の角度となるまで前記機台を旋回させる第1の旋回と、前記第1の旋回に連続し、かつ前記第1の旋回の旋回方向とは逆側へ旋回させて所定の角度となるまで前記機台を旋回させる第2の旋回とを含み、前記第2の旋回の後に直進走行が行われるようにしたことを要旨とする。
【0007】
これによれば、車載用ガイドセンサで第1のガイド線を検出しながら走行する区間から車載用ガイドセンサで第2のガイド線を検出しながら走行する区間までの非ガイド線区間における非ガイド線区間に入ってから第2のガイド線を検出するまでの間に車載用ガイドセンサによる第2のガイド線の検出のための旋回動作を行う。単に、第1のガイド線から第2のガイド線に向かって直進走行する場合には、車両の機械的誤差等により進行方向に対し左右にばらついてしまい第2のガイド線を検出しにくいが、旋回動作を行うことにより進行方向に対し左右方向からアプローチすることによって第2のガイド線を検出しやすくなる。その結果、第1のガイド線から走行経路途中にガイド線が設けられていない非ガイド線区間を経て第2のガイド線に容易に乗り移ることができる。
【0009】
また、無人搬送車において、前記蛇行走行を行う際に、前記第1のガイド線の延長線が蛇行中心線となるように旋回走行後の前記延長線までに直線走行を行うようにするとよい。この場合、蛇行中心線を補正することができる。
【0010】
また、無人搬送車において、所定距離を走行した後に前記旋回動作を行うとよい。
上記課題を解決するための無人搬送車は、床に延在するガイド線を車載用ガイドセンサで検出しながら前記ガイド線に沿って走行する無人搬送車であって、走行経路は、途中に前記ガイド線が設けられていない非ガイド線区間を有し、前記車載用ガイドセンサで第1のガイド線を検出しながら走行する区間から前記車載用ガイドセンサで第2のガイド線を検出しながら走行する区間までの前記非ガイド線区間における前記非ガイド線区間に入ってから前記第2のガイド線を検出するまでの間に前記車載用ガイドセンサによる前記第2のガイド線の検出のための旋回動作を行い、前記旋回動作は、所定距離を直進走行した後に行われる旋回走行であり、機台の姿勢角度が所定の角度となるまで前記機台を旋回させる第1の旋回と、前記第1の旋回に連続し、かつ前記第1の旋回の旋回方向とは逆側へ旋回させて所定の角度となるまで前記機台を旋回させる第2の旋回とを含み、前記第2の旋回の後に直進走行が行われるようにしたことを要旨とする。
また、無人搬送車において、今回の非ガイド線区間に入ってから前記第2のガイド線を検出するまでの間に行った前記車載用ガイドセンサによる前記第2のガイド線の検出のための旋回動作の処理内容を記憶しておき、前回の旋回走行の際、前記第2の旋回において前記第2のガイド線を検出した場合に、次回の旋回走行の際の前記第1の旋回の旋回方向を、記憶された前回の旋回方向と逆側とするとよい。この場合、学習機能により第2のガイド線を容易に検出することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1のガイド線から走行経路途中にガイド線が設けられていない非ガイド線区間を経て第2のガイド線に容易に乗り移ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態における無人搬送車の概略平面図。
【
図2】第1の実施形態における無人搬送車のブロック図。
【
図3】第1の実施形態における作用を説明するためのフローチャート。
【
図4】(a),(b)は第1の実施形態における作用を説明するための無人搬送車の走行軌跡を示す概略平面図。
【
図5】第1の実施形態における作用を説明するための無人搬送車の走行軌跡を示す概略平面図。
【
図6】(a),(b),(c)は第1の実施形態における作用を説明するための無人搬送車の走行軌跡を示す概略平面図。
【
図7】比較例における無人搬送車の走行軌跡を示す概略平面図。
【
図8】(a),(b),(c)は第1の実施形態における作用を説明するための無人搬送車の走行軌跡を示す概略平面図。
【
図9】第1の実施形態における作用を説明するための無人搬送車の走行軌跡を示す概略平面図。
【
図10】(a),(b),(c)は第1の実施形態における作用を説明するための無人搬送車の走行軌跡を示す概略平面図。
【
図11】第2の実施形態における無人搬送車のブロック図。
【
図12】第2の実施形態における作用を説明するためのフローチャート。
【
図13】第2の実施形態における作用を説明するための無人搬送車の走行軌跡を示す概略平面図。
【
図14】第2の実施形態における作用を説明するための無人搬送車の走行軌跡を示す概略平面図。
【
図15】第2の実施形態における作用を説明するための無人搬送車の走行軌跡を示す概略平面図。
【
図16】(a),(b)は第2の実施形態における作用を説明するための無人搬送車の走行軌跡を示す概略平面図。
【
図17】第2の実施形態における作用を説明するための無人搬送車の走行軌跡を示す概略平面図。
【
図18】別例を説明するための無人搬送車の走行軌跡を示す概略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、無人搬送システム10は無人搬送車20を有する。無人搬送車20は、例えば、無人牽引車である。無人搬送システム10は、床に延在するガイド線を車載用ガイドセンサで検出しながらガイド線に沿って無人搬送車20を走行させるようになっている。
【0014】
無人搬送車20は、機台21を備える。機台21には、左右一対の駆動輪22,23と、左右一対の従動輪24,25とが備えられている。駆動輪22,23は後輪であり、従動輪24,25は前輪である。駆動輪22,23は向きが変わらない固定車輪である。
【0015】
機台21には、左駆動輪22を回転させるための左駆動輪用モータ26と、右駆動輪23を回転させるための右駆動輪用モータ27が設けられている。走行は、モータ26,27の駆動により左右の駆動輪22,23を同期して回転させることにより行われる。また、操舵は、左右の駆動輪(固定車輪)22,23を別々のモータ26,27で駆動してその速度差で行われる。
【0016】
機台21にはガイドセンサ28が搭載されている。車載用ガイドセンサとしてのガイドセンサ28により、路面である床に延在するガイド線41,42(
図4(a)参照)が検出される。ガイド線41,42として、例えば磁気テープが用いられ、ガイドセンサ28として、磁気センサが用いられる。なお、他にも、ガイド線41,42として、例えば白線を用い、ガイドセンサ28として、光学センサを用いてもよい。
【0017】
図6(a)に示すように、ガイド線41,42を用いて無人搬送車20を予め設定された経路に沿って走行させることができる。走行経路は、途中に、ガイド線41,42を設置できないような一定区間が非ガイド線区間となっている。
【0018】
図1に示すように、機台21にはマークセンサ29が搭載されている。マークセンサ29により、床に設けられたマーク43(
図4(a)参照)が検出される。マーク43は、ガイド線41の端部における横に設けられている。マーク43は、非ガイド線区間の始点、即ち、ガイド線41による走行区間の終点を示している。マーク43として、例えば磁気マークが用いられ、マークセンサ29として、磁気センサが用いられる。
【0019】
図2に示すように、無人搬送車20は、コントローラ30を備える。コントローラ30は機台21に搭載されている。
コントローラ30にはガイドセンサ28とマークセンサ29が接続されている。コントローラ30はガイドセンサ28とマークセンサ29から検出信号を入力する。
【0020】
コントローラ30には左駆動輪用モータ26と右駆動輪用モータ27が接続されている。コントローラ30は左駆動輪用モータ26及び右駆動輪用モータ27を制御して、走行及び操舵を行わせる。そして、コントローラ30は、床に延在するガイド線41,42をガイドセンサ28で検出しながらガイド線41,42に沿って無人搬送車20を走行させることができるようになっている。コントローラ30には、左駆動輪用回転センサ31及び右駆動輪用回転センサ32が接続されている。コントローラ30は、左駆動輪用回転センサ31及び右駆動輪用回転センサ32からの信号により、自己位置推定のための情報であるオドメトリ情報として機台のX軸座標位置、機台のY軸座標位置、機台の姿勢角θを検知することができるようになっている。
【0021】
次に、作用について説明する。
コントローラ30は
図3に示す処理を実行する。
図4(a)、
図4(b)、
図5には無人搬送車20の走行経路の一例を示す。
【0022】
なお、図面において、水平面を、直交するX,Y方向で規定している。
図4(a),(b)、
図5、
図6(a),(b),(c)において、無人搬送車20の走行経路として、Y方向に直線的に延びるガイド線41による走行経路が形成されているとともに、Y方向に直線的に延びるガイド線42による走行経路が形成されている。ガイド線41とガイド線42とは、一直線上に形成されている。無人搬送車20の走行経路は、途中に、ガイド線41,42が設けられていない非ガイド線区間を有する。
【0023】
図1における左右の駆動輪22,23の中心Pcについての走行時の軌跡を
図4(a),(b)、
図5に示す。
図4(a)においてマーク43を検出した地点P1から、地点P2→地点P3→という軌跡を描く。
図4(b)においてマーク43を検出した地点P1から、地点P2→地点P3→という軌跡を描く。
図5においてマーク43を検出した地点P1から、地点P2→地点P3→地点P4→地点P5→という軌跡を描く。
【0024】
図4(a),(b)、
図5において、無人搬送車20を車載用ガイドセンサ28で第1のガイド線41を検出しながら走行する区間から、車載用ガイドセンサ28で第2のガイド線42を検出しながら走行する区間までの非ガイド線区間における非ガイド線区間に入った際に、次のようにする。
図6(b),(c)に示すように、車載用ガイドセンサ28で第1のガイド線41を検出しながら走行する区間から車載用ガイドセンサ28で第2のガイド線42を検出しながら走行する区間までの非ガイド線区間における非ガイド線区間に入ってから第2のガイド線42を検出するまでの間に車載用ガイドセンサ28による第2のガイド線42の検出のための旋回動作を行う。また、旋回動作は、旋回走行を連続して行う蛇行走行である。また、1回目の走行内容を2回目の走行に反映させる学習機能を有し、今回の非ガイド線区間に入ってから第2のガイド線42を検出するまでの間に行った車載用ガイドセンサ28による第2のガイド線42の検出のための旋回動作の処理内容を記憶しておき、次回の非ガイド線区間に入ってから第2のガイド線42を検出するまでの間に行う車載用ガイドセンサ28による第2のガイド線42の検出のための旋回動作に反映する。
【0025】
具体的には、
図3において、コントローラ30は、マークを検出するとステップS100において旋回パラメータとして旋回方向、旋回半径、旋回角度の設定を行う。コントローラ30は、ステップS101においてオドメトリ情報を取得してオドメトリから自己位置(機台のX軸座標位置、機台のY軸座標位置、機台の姿勢角θ)を算出する。コントローラ30は、ステップS102において乗り移り元のガイド線41を延長したときの仮想ガイド線Lg1(
図8(a),(b),(c)参照)からの横ずれを補正するように旋回指令を出す。つまり、オドメトリから算出する進行方向のガイドセンサ位置とのずれ量を仮想的に算出し、ずれ量が小さくなるよう誘導する。コントローラ30は、ステップS103において走行距離A(
図4(a),(b)、
図5参照)だけ走行したか否か判定し、走行していないとステップS101に戻り、走行しているとステップS104に移行する。これにより、ガイド線がない区間の走行が終了する。
【0026】
コントローラ30は、ステップS104において直進走行終了後の乗り移り先のガイド線42を検出したか否か判定して、検出できないとステップS105に移行する。
コントローラ30は、ステップS105においてステップS101と同様にオドメトリ情報を取得してオドメトリから自己位置(機台のX軸座標位置、機台のY軸座標位置、機台の姿勢角θ)を算出する。コントローラ30は、ステップS106においてステップS102と同様に乗り移り元のガイド線41を延長したときの仮想ガイド線Lg1からの横ずれを補正するように旋回指令を出す。
図3のステップS102及びステップS106において、自己位置推定においてマーク検出時において機台の姿勢角θをゼロ度としてそこから左右の車輪が回った分の距離及びそれに生じる機台の角度を逐次計算してガイドセンサ28がガイド線41の延長線上にくるように補正する。
【0027】
コントローラ30は、ステップS107において走行距離B(
図4(a),(b)、
図5参照)だけ走行したか否か判定し、走行していないとステップS104に戻り、走行しているとステップS108に移行する。コントローラ30は、ステップS104において乗り移り先のガイド線42が検出できるとステップS116に移行して、ステップS116においてガイド線42による走行に復帰する。
【0028】
コントローラ30は、ステップS108において旋回中において乗り移り先のガイド線42を検出したか否か判定して、検出できないとステップS109に移行する。
図4(a)は、マーク43を検出した地点P1から距離Aだけ直線走行した地点P2から更に距離Bだけ直線走行した地点P3までにおいて直進走行のみで乗り移り先のガイド線42に乗り移ることができた場合を示している。
図4(b)及び
図5は、マーク43を検出した地点P1から距離Aだけ直線走行した地点P2から更に距離Bだけ直線走行した地点P3までにおいて直進走行のみで乗り移り先のガイド線42に乗り移ることができなかった場合を示している。
【0029】
コントローラ30は、ステップS109において、直進走行のみでは乗り移り不可と判断し、ステップS100で算出した旋回方向および旋回半径で旋回を指令する。コントローラ30は、ステップS110において所定の旋回角度となることにより乗り移り元のガイド線41に対する機台姿勢角θがC度となったか否か判定して、なっていないとステップS108に戻り、なっているとステップS111に移行する。
【0030】
コントローラ30は、ステップS108において乗り移り先のガイド線42が検出できるとステップS116に移行して、ステップS116においてガイド線42による走行に復帰する。
【0031】
図4(b)は、地点P3から旋回して乗り移り元のガイド線41に対する機台姿勢角θがC度になるまでに乗り移り先のガイド線42に乗り移ることができた場合を示している。
図5は、地点P3から旋回して機台姿勢角θがC度になる地点P4までに乗り移り先のガイド線42に乗り移ることができなかった場合を示している。
【0032】
コントローラ30は、ステップS111において旋回中において乗り移り先のガイド線42を検出したか否か判定し、検出できないとステップS112に移行する。
コントローラ30は、ステップS112においてステップS109での旋回方向とは逆側へ旋回するよう左右旋回を指令する。
図5では、それまでの右旋回から左旋回にする。
【0033】
コントローラ30は、ステップS113において所定の旋回角度となることにより乗り移り元のガイド線41に対する機台姿勢角θが2倍のC度になったか否か判定して、なっていないとステップS111に戻り、なっているとステップS114に移行する。
【0034】
コントローラ30は、ステップS111において乗り移り先のガイド線42が検出できるとステップS116に移行して、ステップS116においてガイド線42による走行に復帰する。
【0035】
コントローラ30は、ステップS114において乗り移り先のガイド線42を検出したか否か判定して、検出できないとステップS115に移行する。
図5では、乗り移り元のガイド線41に対する機台姿勢角θが2倍のC度になる地点P5でも乗り移り先のガイド線42に乗り移ることができない場合を示している。
【0036】
コントローラ30は、ステップS115において旋回を中断し直進走行を指令してステップS114に戻る。コントローラ30はステップS114において乗り移り先のガイド線42が検出できるとステップS116に移行して、ステップS116においてガイド線42による走行に復帰する。
【0037】
図5では地点P5から直線走行して移り先のガイド線42に乗り移ることができた場合を示している。
ガイド線42を検出した場所を記憶することで、次回の無人搬送車20の動作を修正することができる。
【0038】
具体的には、コントローラ30は、前回動作によって、ガイド線42の検出時の旋回方向を判定する。具体的には、ステップS104では旋回無しのため記憶不要であるが、ステップS108では旋回開始方向を記憶する。ステップS111では旋回開始方向と逆を記憶する。
【0039】
図6(b)に示すように、1回目の走行において、
図3のステップS114においてガイド線42への乗り移りが完了したとすると、次回の走行時においては旋回方向を逆側から開始する。また、
図6(c)に示すように、1回目の走行において、
図3のステップS108においてガイド線42への乗り移りが完了したとする。この場合は、次回の走行時は旋回方向を今回と同じにする。このようにして乗り移りまでの旋回回数を減らすことができる。
【0040】
図8(a),(b),(c)に示すように、前回動作時のガイド線42の検出の有無によって、非ガイド線区間の走行時の仮想ガイド線Lg1を修正することもできる。つまり、
図8(a)に示すように、1回目の走行において、仮想ガイド線Lg1を乗り移り元のガイド線41から延長線上に引いたとき
図3のステップS108においてガイド線42に乗り移ったとする。このとき、走行軌跡は直進誘導によって乗り移り先のガイド線42より右側にずれている。
【0041】
図8(b)に示すように、2回目の走行において、仮想ガイド線Lg1を少し左にずらすべく仮想ガイド線Lg1を乗り移り元のガイド線41の延長線上から左に傾けて引いたとき
図3のステップS108においてガイド線42に乗り移ったとする。このときの仮想ガイド線Lg1の傾きを記憶する。このようにして仮想ガイド線Lg1の引き方を修正する。
【0042】
仮想ガイド線Lg1を更に左にずらすべく
図8(c)に示すように、3回目の走行において、仮想ガイド線Lg1を前回角度からさらに左に傾けて引いたとき、
図3のステップS104において乗り移ることができる。このときの仮想ガイド線Lg1の傾きを記憶する。このようにして仮想ガイド線Lg1の引き方を更に修正できる。
【0043】
図7は比較例である。
図7において、ガイド線41,42が設けられていない非ガイド線区間を、ガイド線41がガイドセンサ28で検出されなくなってからガイド線42をガイドセンサ28で検出するまで、直線的に走行する場合を考えると、ばらつき方向が左右方向となる。車両は進行方向であるY方向に直進しようとするが、X方向に、ばらついてしまいガイドセンサ28でガイド線42を検出できない。
【0044】
図6(a),(b),(c)は本実施形態であり、ばらつき方向が前後方向となる。このようにして
図7に示す比較例では、ばらつき方向が左右方向であったものが、
図6(b),(c)に示す本実施形態では前後方向になり、前後方向(Y方向)に延びるガイド線42をガイドセンサ28で検出することができる。
【0045】
図6(a),(b),(c)において、ガイド線41,42が設けられていない非ガイド線区間を、ガイド線41がガイドセンサ28で検出されない場合には、
図6(b)に示すように最初に右に旋回する。それでもガイド線42を検出できないと最初に右に旋回した後に左に旋回してガイド線42をガイドセンサ28で検出する。即ち、車両は右旋回あるいは左旋回においてY方向に、ばらつくがガイドセンサ28でガイド線41を検出できる。
【0046】
このように、非ガイド線区間において、単純に直進走行した場合には機台直進性のばらつきにより目標のガイド位置へ到達できない場合がある。本実施形態では、
図6(a)に示すように、非ガイド線区間での走行において、オドメトリによる自己位置推定と直進補正誘導を実施することで、機台直進性のばらつきを減少させる。さらに、直線走行で乗り移りができない場合、即ち、直進走行での乗り移りが不可であると判断した場合には、
図6(b)に示すように、蛇行開始後の旋回方向の切り替え後にガイド線42を検出した場合や
図6(c)に示すように、蛇行開始後の旋回方向の切り替えポイントに来る前にガイド線42を検出することができる。即ち、ガイドセンサ28が左右ばらつき範囲を通過するよう旋回走行を組み合わせることにより、機台直進性のばらつきによらずガイド線42へ乗り移ることを可能となる。
【0047】
その結果、
図19で示すようなガイドを特殊な形状での施工する必要がなく、また、ガイド設置長を減らすことができる。さらに、
図9に示すように、ガイド線41からガイド線42への乗り移り、及び、ガイド線42からガイド線41への乗り移りを行うことができ、往復の走行に対応可能となる。
【0048】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)車載用ガイドセンサ28で第1のガイド線41を検出しながら走行する区間から車載用ガイドセンサ28で第2のガイド線42を検出しながら走行する区間までの非ガイド線区間における非ガイド線区間に入ってから第2のガイド線42を検出するまでの間に車載用ガイドセンサ28による第2のガイド線42の検出のための旋回動作を行うようにした。特に、第1のガイド線41から第2のガイド線42に向かって直進走行して第2のガイド線42があるであろう所に行っても第2のガイド線42を検出できないと旋回走行を行う。
【0049】
よって、単に、第1のガイド線41から第2のガイド線42に向かって直進走行する場合には、車両の機械的誤差等により進行方向に対し左右にばらついてしまい第2のガイド線42を検出しにくい。直進時のばらつき範囲が広がっていく部分に対し旋回動作を行うことにより進行方向に対し左右方向からアプローチすることによって第2のガイド線42を検出しやすくなる。その結果、第1のガイド線から走行経路途中にガイド線が設けられていない非ガイド線区間を経て第2のガイド線に容易に乗り移ることができる。
【0050】
(2)旋回動作は、旋回走行を連続して行う蛇行走行である。よって、第2のガイド線42を検出しやすくなる。
(3)所定距離(予め定めた距離)Aを走行した後に旋回動作を行うことにより、第1のガイド線41を離れた直後から旋回動作を行うと走行距離が増え、非ガイド線区間を通過する時間が増えるが、所定距離真っすぐ進んだ後に旋回動作を行うことで通過時間を短くすることができる。
【0051】
(4)今回の非ガイド線区間に入ってから第2のガイド線42を検出するまでの間に行った車載用ガイドセンサ28による第2のガイド線42の検出のための旋回動作の処理内容を記憶しておき、次回の非ガイド線区間に入ってから第2のガイド線42を検出するまでの間に行う車載用ガイドセンサ28による第2のガイド線42の検出のための旋回動作に反映する。
【0052】
例えば、
図6(c)に示すように、1回目の走行において予め決めておいたように右旋回してガイド線42を検出する場合には左にずれていたことが分かる。また、
図6(b)に示すように、1回目の走行において右旋回後に左旋回してガイド線42を検出する場合には右にずれていたことが分かる。
【0053】
学習する場合は、マーク43の検出により学習区間であることを判断する。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○
図10(a),(b),(c)に示すように、仮想ガイド誘導でガイド線42へ乗り移れなかった時に旋回動作は、その場旋回とすることも可能である。詳しくは、
図10(a)の状態から乗り移りができない場合はその場旋回を行う。このとき、
図10(b)に示すように右旋回でも検出できない場合は
図10(c)に示すように左旋回を行う。このようにしてその場旋回中にガイド線42を検出するとガイド線42による誘導に復帰する。
【0054】
このように、旋回動作は、その場旋回であると、走行することなく第2のガイド線42を検出することができる。
〇 非ガイド線区間において自己位置推定を行ってずれていたならば真っすぐ進むようにすべく補正したが、自己位置推定を行うことなく所定距離だけ走行してもよい。
【0055】
〇 学習機能はなくてもよく、この場合、マーク43なしでもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0056】
本実施形態でも
図1と同じ構成である。
図2に代わり本実施形態では
図11に示すように、無人搬送車20は、コントローラ30を備える。コントローラ30は機台21に搭載されている。コントローラ30にはガイドセンサ28とマークセンサ29が接続されている。コントローラ30はガイドセンサ28とマークセンサ29から検出信号を入力する。コントローラ30には左駆動輪用モータ26と右駆動輪用モータ27が接続されている。コントローラ30は左駆動輪用モータ26及び右駆動輪用モータ27を制御して、走行及び操舵を行わせる。そして、コントローラ30は、床に延在するガイド線41,42をガイドセンサ28で検出しながらガイド線41,42に沿って無人搬送車20を走行させることができるようになっている。
【0057】
次に、作用について説明する。
コントローラ30は
図12に示す処理を実行する。
図13、
図14には無人搬送車20の走行経路の一例を示す。
【0058】
なお、図面において、水平面を、直交するX,Y方向で規定している。
図13、
図14において、無人搬送車20の走行経路として、Y方向に直線的に延びるガイド線41による走行経路が形成されているとともに、Y方向に直線的に延びるガイド線42による走行経路が形成されている。ガイド線41とガイド線42とは、一直線上に形成されている。無人搬送車20の走行経路は、途中に、ガイド線41,42が設けられていない非ガイド線区間を有する。
【0059】
図1における左右の駆動輪22,23の中心Pcについての走行時の軌跡を
図13に示す。
図13においてマーク43を検出した地点P11から地点P12までの左旋回、地点P12から地点P13までの右旋回、地点P13から地点P14までの直線走行、地点P14から地点P15までの左旋回、地点P15から地点P16までの右旋回、地点P16から地点P17までの左旋回という軌跡を描く。
【0060】
図13、
図14において、無人搬送車20を車載用ガイドセンサ28で第1のガイド線41を検出しながら走行する区間から、車載用ガイドセンサ28で第2のガイド線42を検出しながら走行する区間までの非ガイド線区間における非ガイド線区間に入った際に、次のようにする。
図13、
図14に示すように、車載用ガイドセンサ28で第1のガイド線41を検出しながら走行する区間から車載用ガイドセンサ28で第2のガイド線42を検出しながら走行する区間までの非ガイド線区間における非ガイド線区間に入ってから第2のガイド線42を検出するまでの間に車載用ガイドセンサ28による第2のガイド線42の検出のための旋回動作を行う。また、旋回動作は、旋回走行を連続して行う蛇行走行である。蛇行走行を行う際に、旋回半径R11,R12,R13,R14を大きくしていく。蛇行走行を行う際に、
図13の地点P13から地点P14において第1のガイド線41の延長線Lexが蛇行中心線となるように旋回走行後の延長線Lexまでに直線走行を行う。
【0061】
具体的には、
図12において、コントローラ30は、マーク43を検出するとステップS200において旋回パラメータとして初期旋回方向、初期旋回半径、旋回角度の設定を行う。コントローラ30は、ステップS201において左右旋回指令としてステップS200で算出した旋回方向、旋回半径となるよう左右輪速度を指令する。コントローラ30は、ステップS202においてステップS200で算出した旋回角度であるA度になったか否か、即ち、所望の切替距離だけ走行したか否か判定して、なっていないとステップS201に戻り、なっているとステップS203に移行する。
【0062】
図13で説明すると、地点P11から地点P12までの左旋回が終了するまでの処理である。
コントローラ30は、ステップS203においてステップS201での旋回方向とは逆側へ旋回するように指令する。コントローラ30は、ステップS204においてステップS200で算出した旋回角度であるA度の2倍になったか否か、即ち、所望の切替距離だけ走行したか否か判定して、なっていないとステップS203に戻り、なっているとステップS205に移行する。
【0063】
図13で説明すると、地点P12から地点P13までの右旋回が終了するまでの処理である。
コントローラ30は、ステップS205において直進走行を指令する。コントローラ30は、ステップS206においてマーク43を検出した地点での姿勢角である延長線Lex上まで走行したか否か判定して、走行していないとステップS205に戻り、走行しているとステップS207に移行する。
【0064】
図13で説明すると、地点P13から地点P14までの直進が終了するまでの処理である。
コントローラ30は、ステップS207において旋回半径が徐々に大きくなるように旋回半径データをセットする。コントローラ30は、ステップS208において乗り移り先のガイド線42を検出したか否か判定して、検出しないとステップS209に移行する。コントローラ30は、ステップS209において、ステップS203での旋回方向とは逆側へ旋回するよう左右旋回を指令する。
図13で説明すると、地点P14において左旋回を開始する。
【0065】
コントローラ30は、ステップS210においてステップS200で算出した旋回角度であるA度の2倍になったか否か、即ち、所望の切替距離だけ走行したか否か判定する。
図13で説明すると、地点P14において左旋回を開始して地点P15で旋回が終了するまでの処理である。
【0066】
コントローラ30は、ステップS210においてステップS200で算出した旋回角度であるA度の2倍になっていないとステップS208に戻り、なっているとステップS207に移行して旋回半径が徐々に大きくなるように旋回半径データをセットする。
【0067】
以降、旋回半径データが更新されるたびに旋回は方向が逆にされる。
コントローラ30は、ステップS208において乗り移り先のガイド線42が検出できるとステップS211に移行して、ステップS211においてガイド線42による走行に復帰する。
【0068】
図13で説明すると、地点P15から地点P16までの右旋回、その後の地点P16から地点P17までの左旋回である。
このようにして、地点P11から地点P12までの左旋回、地点P12から地点P13までの右旋回、地点P13から地点P14までの直線走行、地点P14から地点P15までの左旋回、地点P15から地点P16までの右旋回、地点P16から地点P17までの左旋回が行われる。
【0069】
図7を用いて説明したように比較例では、ばらつき方向が左右方向となる。
図15は本実施形態である。
図15において、ガイド線41,42が設けられていない非ガイド線区間を、ガイド線41がガイドセンサ28で検出されなくなってから蛇行走行してガイド線42をガイドセンサ28で検出する。車両は蛇行走行においてY方向に、ばらつき、ばらつき方向が前後方向となる。
【0070】
このようにして
図7に示す比較例では、ばらつき方向が左右方向であったものが、
図15に示す本実施形態では前後方向になり、前後方向(Y方向)に延びるガイド線42をガイドセンサ28で検出することができる。
【0071】
このようにして、
図16(a),(b)に示すように、非ガイド線区間の長さに応じて旋回回数を増やしていけば乗り移る距離を調整でき、非ガイド線区間の長さに応じた走行ルートを設定することができる。つまり、非ガイド線区間の走行距離を、設定データを変えることなく変更可能である。即ち、
図16(a),(b)に示すように、非ガイド線区間の長さを変更しても運行情報を変更することなく対応することができる。
【0072】
その結果、非ガイド線区間の走行専用の自己位置推定センサが不要となるため、安価に実現できる。また、
図19で示すようなガイドを特殊な形状での施工する必要がなく、また、ガイド設置長を減らすことができる。さらに、
図17に示すように、ガイド線41からガイド線42への乗り移り、及び、ガイド線42からガイド線41への乗り移りを行うことができ、往復の走行に対応可能となる。
【0073】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(5)車載用ガイドセンサ28で第1のガイド線41を検出しながら走行する区間から車載用ガイドセンサ28で第2のガイド線42を検出しながら走行する区間までの非ガイド線区間における非ガイド線区間に入ってから第2のガイド線42を検出するまでの間に車載用ガイドセンサ28による第2のガイド線42の検出のための旋回動作を行うようにした。特に、第2のガイド線42に向かって走行を開始すると直ちに旋回を繰り返しながら走行する。
【0074】
よって、単に、第1のガイド線41から第2のガイド線42に向かって直進走行する場合には、車両の機械的誤差等により進行方向に対し左右にばらついてしまい第2のガイド線42を検出しにくい。直進時のばらつき範囲が広がっていく部分に対し旋回動作を行うことにより進行方向に対し左右方向からアプローチすることによって第2のガイド線42を検出しやすくなる。その結果、第1のガイド線から走行経路途中にガイド線が設けられていない非ガイド線区間を経て第2のガイド線に容易に乗り移ることができる。
【0075】
(6)旋回動作は、旋回走行を連続して行う蛇行走行である。よって、第2のガイド線42を検出しやすくなる。
(7)蛇行走行を行う際に、旋回半径を大きくしていくようにした。よって、効率よく第2のガイド線42を検出することができる。
【0076】
(8)蛇行走行を行う際に、第1のガイド線41の延長線Lexが蛇行中心線となるように旋回走行後の延長線Lexまでに直線走行を行うようにした。よって、蛇行の中心線をずらす目的で直線走行することにより蛇行中心線を補正して、第1のガイド線41の延長線Lexに沿って蛇行することができ、第2のガイド線42を検出しやすくなる。
【0077】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 第2の実施形態において、所定距離(予め定めた距離)を走行した後に旋回動作を行うようにしてもよい。第1のガイド線41を離れた直後から旋回動作を行うと走行距離が増え、非ガイド線区間を通過する時間が増えるが、所定距離真っすぐ進んだ後に旋回動作を行うことで通過時間を短くすることができる。特に、第2の実施形態のように蛇行走行を行う場合であっても、少しの間は旋回動作を行わないことで通過時間を短くできる。
【0078】
○
図18に示すように、乗り移り先のガイド線42は必ずしも乗り移り元のガイド線41に対して直線上になくてもよい。
図12のステップS206において直進走行距離を延長することで乗り移り元のガイド線41と乗り移り先のガイド線42の直線上外に設置することが可能となる。
【0079】
つまり、
図4(a),(b)、
図5、あるいは、
図13においては、ガイド線41とガイド線42とは、一直線上に形成されていたが、これに限らない。例えば、
図18に示すように、Y方向に延びるガイド線41とY方向に延びるガイド線42とはX方向において距離ΔXだけずれていてもよく、乗り移り先のガイド線42は必ずしも乗り移り元のガイド線41に対して直線上になくてもよい。
【0080】
○ 車両の足回りとして、操舵は左右の固定車輪を別々のモータで駆動してその速度差で操舵を行うようにしたが(二輪速度差方式であったが)、操舵は旋回輪をステアリングモータで旋回させてもよい(操舵輪方式でもよい)。つまり、駆動および旋回のための駆動車輪を1輪以上備えるとともに、安定走行のための従動車輪を1輪以上備えているとよい。
【0081】
〇 無人搬送車は無人牽引車でなくてもよい。
【符号の説明】
【0082】
10…無人搬送車、28…車載用ガイドセンサ、41,42…ガイド線、R1,R2,R3…旋回半径。