IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オートネットワーク技術研究所の特許一覧 ▶ 住友電装株式会社の特許一覧 ▶ 住友電気工業株式会社の特許一覧

特許7331656給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム
<>
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図1
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図2
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図3
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図4
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図5
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図6
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図7
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図8
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図9
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図10
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図11
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図12
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図13
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図14
  • 特許-給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】給電ブロック、配線ユニット、及び配線システム
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20230816BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
H02G3/16
B60R16/02 635
B60R16/02 621Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019210702
(22)【出願日】2019-11-21
(65)【公開番号】P2021083259
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】菊田 高宗
【審査官】鈴木 圭一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-093685(JP,A)
【文献】特開2003-087937(JP,A)
【文献】特開2014-220864(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0089072(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電端子が挿入される第1挿入口及び接続端子が挿入される第2挿入口を有するブロック本体と、
前記ブロック本体の内部に保持され前記給電端子が電気的に接続される導電性の第1通電部材と、
前記ブロック本体の内部に保持され前記ブロック本体の内部で前記第1通電部材と電気的に接続されるとともに前記接続端子が電気的に接続される導電性の第2通電部材とを備えており、
前記ブロック本体は、前記ブロック本体を貫通する接続孔を有し、
前記第1挿入口は、前記接続孔の一方の開口であり、
前記第1通電部材は、前記接続孔の内部に露出している給電ブロック。
【請求項2】
前記接続端子は、ヒューズに備えられる第1ヒューズ端子及び第2ヒューズ端子のうちの前記第1ヒューズ端子であり、
前記第2挿入口は、前記第1ヒューズ端子が挿入される第1ヒューズ端子挿入口である請求項1に記載の給電ブロック。
【請求項3】
請求項2に記載の給電ブロックと、
第1連結ブロック本体、及び前記第1連結ブロック本体の内部に保持された導電性の第3通電部材を有する第1連結ブロックと
を備え、
前記第1連結ブロック本体は、前記第1ヒューズ端子挿入口に前記第1ヒューズ端子が挿入された前記ヒューズに備えられる前記第2ヒューズ端子が挿入される第2ヒューズ端子挿入口を有し、
前記第3通電部材は、前記第2ヒューズ端子挿入口に挿入された前記第2ヒューズ端子が電気的に接続される配線ユニット。
【請求項4】
前記第1連結ブロック本体は、出力端子が挿入される第1出力端子挿入口を有し、
前記第3通電部材は、前記第1出力端子挿入口に挿入された前記出力端子が電気的に接続される請求項に記載の配線ユニット。
【請求項5】
前記給電ブロックを複数備え、
複数の前記給電ブロックのうち少なくとも2つの前記給電ブロックが有する前記第1ヒューズ端子挿入口の各々には、異なる前記ヒューズに備えられる前記第1ヒューズ端子が挿入されており、
前記第1連結ブロックを、少なくとも前記ヒューズと同数備え、
複数の前記第2ヒューズ端子は、それぞれ異なる前記第1連結ブロックが有する前記第2ヒューズ端子挿入口に挿入されている請求項に記載の配線ユニット。
【請求項6】
第2連結ブロック本体、及び前記第2連結ブロック本体の内部に保持された導電性の第4通電部材を有する第2連結ブロックを備え、
前記第1連結ブロック本体は、連結端子が挿入される第1連結口を有し、
前記第2連結ブロック本体は、前記第1連結口に挿入された前記連結端子が挿入される第2連結口と、前記第1出力端子挿入口に挿入された前記出力端子とは別の出力端子が挿入される第2出力端子挿入口とを有し、
前記第3通電部材は、前記第1連結口に挿入された前記連結端子が電気的に接続され、
前記第4通電部材は、前記第2連結口に挿入された前記連結端子と、前記第2出力端子挿入口に挿入された前記出力端子とが電気的に接続される請求項又は請求項に記載の配線ユニット。
【請求項7】
第3連結ブロック本体、及び前記第3連結ブロック本体の内部に保持された導電性の第5通電部材を有する第3連結ブロックを少なくとも1つ備え、
前記第1連結ブロック本体は、前記第1連結ブロック本体を貫通する第1連結孔を有し、
前記第1連結口は、前記第1連結孔の一方の開口であり、
前記第3通電部材は、前記第1連結孔の内部に露出しており、
前記第2連結ブロック本体は、前記第2連結ブロック本体を貫通する第2連結孔を有し、
前記第2連結口は、前記第2連結孔の一方の開口であり、
前記第4通電部材は、前記第2連結孔の内部に露出しており、
前記第3連結ブロック本体は、前記第1出力端子挿入口に挿入された前記出力端子及び前記第2出力端子挿入口に挿入された前記出力端子とは別の出力端子が接続される第3出力端子挿入口と、前記第3連結ブロック本体を貫通する第3連結孔とを有し、
前記第5通電部材は、前記第3連結孔の内部に露出しており、前記第3出力端子挿入口に挿入された前記出力端子が電気的に接続されるものであり、
前記連結端子は、前記第1連結孔、前記第2連結孔及び前記第3連結孔を貫通するとともに、前記第1連結孔の内部で前記第3通電部材と電気的に接続され、前記第2連結孔の内部で前記第4通電部材と電気的に接続され、前記第3連結孔の内部で前記第5通電部材と電気的に接続された請求項に記載の配線ユニット。
【請求項8】
前記第1連結ブロック本体は、絶縁性材料よりなり前記第3通電部材を保持する通電層と、導電性材料よりなりグランド接続されるグランド層とを有し、
前記グランド層は、接地端子が挿入される接地端子挿入口を有し、前記接地端子挿入口に挿入された前記接地端子が電気的に接続される請求項から請求項の何れか1項に記載の配線ユニット。
【請求項9】
前記グランド層は、前記グランド層の内部で前記接地端子を貫通する係止部材が挿入される係止部材挿入口を有する請求項に記載の配線ユニット。
【請求項10】
少なくとも1つの電気機器が設置される設置エリアごとに、請求項から請求項の何れか1項に記載の配線ユニットが配置され、
前記配線ユニットは、前記給電端子から供給された電力を、当該配線ユニットが配置された前記設置エリアに設置された前記電気機器の各々に前記接続端子を介して電力を分配する配線システム。
【請求項11】
異なる前記配線ユニットに備えられる前記給電端子同士を電気的に接続する電線を備えた請求項10に記載の配線システム。
【請求項12】
給電端子が挿入される第1挿入口及び接続端子が挿入される第2挿入口を有するブロック本体と、
前記ブロック本体の内部に保持され前記給電端子が電気的に接続される導電性の第1通電部材と、
前記ブロック本体の内部に保持され前記ブロック本体の内部で前記第1通電部材と電気的に接続されるとともに前記接続端子が電気的に接続される導電性の第2通電部材とを備えており、
前記接続端子は、ヒューズに備えられる第1ヒューズ端子及び第2ヒューズ端子のうちの前記第1ヒューズ端子であり、
前記第2挿入口は、前記第1ヒューズ端子が挿入される第1ヒューズ端子挿入口である給電ブロックと、
第1連結ブロック本体、及び前記第1連結ブロック本体の内部に保持された導電性の第3通電部材を有する第1連結ブロックと
を備え、
前記第1連結ブロック本体は、前記第1ヒューズ端子挿入口に前記第1ヒューズ端子が挿入された前記ヒューズに備えられる前記第2ヒューズ端子が挿入される第2ヒューズ端子挿入口を有し、
前記第3通電部材は、前記第2ヒューズ端子挿入口に挿入された前記第2ヒューズ端子が電気的に接続されており、
前記第1連結ブロック本体は、出力端子が挿入される第1出力端子挿入口を有し、
前記第3通電部材は、前記第1出力端子挿入口に挿入された前記出力端子が電気的に接続されており、
前記給電ブロックを複数備え、
複数の前記給電ブロックのうち少なくとも2つの前記給電ブロックが有する前記第1ヒューズ端子挿入口の各々には、異なる前記ヒューズに備えられる前記第1ヒューズ端子が挿入されており、
前記第1連結ブロックを、少なくとも前記ヒューズと同数備え、
複数の前記第2ヒューズ端子は、それぞれ異なる前記第1連結ブロックが有する前記第2ヒューズ端子挿入口に挿入されている配線ユニット。
【請求項13】
給電端子が挿入される第1挿入口及び接続端子が挿入される第2挿入口を有するブロック本体と、
前記ブロック本体の内部に保持され前記給電端子が電気的に接続される導電性の第1通電部材と、
前記ブロック本体の内部に保持され前記ブロック本体の内部で前記第1通電部材と電気的に接続されるとともに前記接続端子が電気的に接続される導電性の第2通電部材とを備えており、
前記接続端子は、ヒューズに備えられる第1ヒューズ端子及び第2ヒューズ端子のうちの前記第1ヒューズ端子であり、
前記第2挿入口は、前記第1ヒューズ端子が挿入される第1ヒューズ端子挿入口である給電ブロックと、
第1連結ブロック本体、及び前記第1連結ブロック本体の内部に保持された導電性の第3通電部材を有する第1連結ブロックと
を備え、
前記第1連結ブロック本体は、前記第1ヒューズ端子挿入口に前記第1ヒューズ端子が挿入された前記ヒューズに備えられる前記第2ヒューズ端子が挿入される第2ヒューズ端子挿入口を有し、
前記第3通電部材は、前記第2ヒューズ端子挿入口に挿入された前記第2ヒューズ端子が電気的に接続されており、
前記第1連結ブロック本体は、出力端子が挿入される第1出力端子挿入口を有し、
前記第3通電部材は、前記第1出力端子挿入口に挿入された前記出力端子が電気的に接続されており、
第2連結ブロック本体、及び前記第2連結ブロック本体の内部に保持された導電性の第4通電部材を有する第2連結ブロックを備え、
前記第1連結ブロック本体は、連結端子が挿入される第1連結口を有し、
前記第2連結ブロック本体は、前記第1連結口に挿入された前記連結端子が挿入される第2連結口と、前記第1出力端子挿入口に挿入された前記出力端子とは別の出力端子が挿入される第2出力端子挿入口とを有し、
前記第3通電部材は、前記第1連結口に挿入された前記連結端子が電気的に接続され、
前記第4通電部材は、前記第2連結口に挿入された前記連結端子と、前記第2出力端子挿入口に挿入された前記出力端子とが電気的に接続される配線ユニット。
【請求項14】
給電端子が挿入される第1挿入口及び接続端子が挿入される第2挿入口を有するブロック本体と、
前記ブロック本体の内部に保持され前記給電端子が電気的に接続される導電性の第1通電部材と、
前記ブロック本体の内部に保持され前記ブロック本体の内部で前記第1通電部材と電気的に接続されるとともに前記接続端子が電気的に接続される導電性の第2通電部材とを備えており、
前記接続端子は、ヒューズに備えられる第1ヒューズ端子及び第2ヒューズ端子のうちの前記第1ヒューズ端子であり、
前記第2挿入口は、前記第1ヒューズ端子が挿入される第1ヒューズ端子挿入口である給電ブロックと、
第1連結ブロック本体、及び前記第1連結ブロック本体の内部に保持された導電性の第3通電部材を有する第1連結ブロックと
を備え、
前記第1連結ブロック本体は、前記第1ヒューズ端子挿入口に前記第1ヒューズ端子が挿入された前記ヒューズに備えられる前記第2ヒューズ端子が挿入される第2ヒューズ端子挿入口を有し、
前記第3通電部材は、前記第2ヒューズ端子挿入口に挿入された前記第2ヒューズ端子が電気的に接続されており、
前記第1連結ブロック本体は、絶縁性材料よりなり前記第3通電部材を保持する通電層と、導電性材料よりなりグランド接続されるグランド層とを有し、
前記グランド層は、接地端子が挿入される接地端子挿入口を有し、前記接地端子挿入口に挿入された前記接地端子が電気的に接続される配線ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給電ブロック、配線ユニット、及び配線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、多数の電気機器が搭載される。そして、各電気機器には、ヒューズボックス、ジャンクションボックス等の電源ボックスを介して、車両に搭載されたバッテリの電力が分配されることがある。例えば特許文献1に記載された電源ボックスは、バッテリから電力の供給を受ける給電端子と、電力の分配先となる相手側の接続端子が接続される複数の端子とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-333583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、異なる車種や異なる車格の車両において、電源ボックスを共用化することが望まれている。特許文献1に記載された電源ボックスは、当該電源ボックスの設計変更を行って端子の数を変更しない限り、接続可能な接続端子の数は増減されない。そのため、特許文献1に記載された電源ボックスを異なる車種や異なる車格の車両に共用化する場合には、電源ボックスに接続される接続端子の数が最も多い場合を想定して端子の数を設定することが考えられる。しかしながら、この場合、車種や車格によっては、使用しない端子が電源ボックスに備えられることになる。更に、使用しない端子を備えている分だけ、必要な数の端子のみを備える電源ボックスに比べて、電源ボックスが大型化されるおそれがある。そのため、特許文献1に記載された電源ボックスは、異なる車種や異なる車格の車両への共用化には適していない。
【0005】
本開示の目的は、異なる車種や異なる車格の車両への共用化に適した給電ブロック、配線ユニット、及び配線システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配線ブロックは、給電端子が挿入される第1挿入口及び接続端子が挿入される第2挿入口を有するブロック本体と、前記ブロック本体の内部に保持され前記給電端子が電気的に接続される導電性の第1通電部材と、前記ブロック本体の内部に保持され前記ブロック本体の内部で前記第1通電部材と電気的に接続されるとともに前記接続端子が電気的に接続される導電性の第2通電部材とを備えた給電ブロックである。
【発明の効果】
【0007】
本開示の給電ブロック、配線ユニット、及び配線システムによれば、異なる車種や異なる車格の車両において共用化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態における配線システムを示す模式図である。
図2図2は、一実施形態における給電ブロックを模式的に示す斜視図である。
図3図3は、一実施形態における給電ブロックを模式的に示す断面図である。
図4図4は、一実施形態における給電ブロックを模式的に示す断面図である。
図5図5は、一実施形態における連結ブロックを模式的に示す斜視図である。
図6図6は、一実施形態における連結ブロックを模式的に示す断面図である。
図7図7は、一実施形態における連結ブロックを模式的に示す断面図である。
図8図8は、一実施形態における連結ブロックを模式的に示す背面図である。
図9図9は、一実施形態における連結ブロックを模式的に示す断面図である。
図10図10は、一実施形態における第1配線ユニットを模式的に示す斜視図である。
図11図11は、一実施形態における連結された給電ブロックを模式的に示す断面図である。
図12図12は、一実施形態における連結された給電ブロック及び連結ブロックを模式的に示す断面図である。
図13図13は、一実施形態における第2配線ユニットを模式的に示す斜視図である。
図14図14は、一実施形態における第4配線ユニットを模式的に示す斜視図である。
図15図15は、一実施形態における連結された給電ブロック及び連結ブロックを模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の給電ブロックは、
(1)給電端子が挿入される第1挿入口及び接続端子が挿入される第2挿入口を有するブロック本体と、前記ブロック本体の内部に保持され前記給電端子が電気的に接続される導電性の第1通電部材と、前記ブロック本体の内部に保持され前記ブロック本体の内部で前記第1通電部材と電気的に接続されるとともに前記接続端子が電気的に接続される導電性の第2通電部材とを備えた給電ブロックである。
【0010】
上記態様によれば、給電端子から電力の供給を受けることができる。そして、給電端子に供給された電力を、第1通電部材、第2通電部材及び接続端子を介して分配可能である。使用する給電ブロックの数を変更することにより、接続可能な接続端子の数を容易に増減することができる。従って、異なる車種や異なる車格の車両への共用化に適した給電ブロックを得られる。
【0011】
(2)前記接続端子は、ヒューズに備えられる第1ヒューズ端子及び第2ヒューズ端子のうちの前記第1ヒューズ端子であり、前記第2挿入口は、前記第1ヒューズ端子が挿入される第1ヒューズ端子挿入口であることが好ましい。
【0012】
上記態様によれば、給電端子に供給された電力を、ヒューズを介して分配可能になる。
(3)前記ブロック本体は、前記ブロック本体を貫通する接続孔を有し、前記第1挿入口は、前記接続孔の一方の開口であり、前記第1通電部材は、前記接続孔の内部に露出していることが好ましい。
【0013】
上記態様によれば、第1通電部材が接続孔の内部に露出しているため、第1挿入口から接続孔の内部に給電端子を挿入することにより、第1通電部材に当該給電端子を電気的に接続可能である。そして、複数の給電ブロックの接続孔を共通の給電端子が貫通することにより、複数の給電ブロックに備えられた第1通電部材の各々に当該給電端子を電気的に接続可能である。従って、1つの給電端子に供給された電力を複数の給電ブロックの各々に分配可能になる。
【0014】
本開示の配線ユニットは、
(4)前記給電ブロックと、第1連結ブロック本体、及び前記第1連結ブロック本体の内部に保持された導電性の第3通電部材を有する第1連結ブロックとを備え、前記第1連結ブロック本体は、前記第1ヒューズ端子挿入口に前記第1ヒューズ端子が挿入された前記ヒューズに備えられる前記第2ヒューズ端子が挿入される第2ヒューズ端子挿入口を有し、前記第3通電部材は、前記第2ヒューズ端子挿入口に挿入された前記第2ヒューズ端子が電気的に接続される配線ユニットである。
【0015】
上記態様によれば、第2通電部材と第3通電部材との間に容易にヒューズを接続することができる。
(5)前記第1連結ブロック本体は、出力端子が挿入される第1出力端子挿入口を有し、前記第3通電部材は、前記第1出力端子挿入口に挿入された前記出力端子が電気的に接続されることが好ましい。
【0016】
上記態様によれば、給電端子に供給された電力を、出力端子を介して当該出力端子に電気的に接続される電気機器等に分配可能になる。
(6)前記給電ブロックを複数備え、複数の前記給電ブロックのうち少なくとも2つの前記給電ブロックが有する前記第1ヒューズ端子挿入口の各々には、異なる前記ヒューズに備えられる前記第1ヒューズ端子が挿入されており、前記第1連結ブロックを、少なくとも前記ヒューズと同数備え、複数の前記第2ヒューズ端子は、それぞれ異なる前記第1連結ブロックが有する前記第2ヒューズ端子挿入口に挿入されていることが好ましい。
【0017】
上記態様によれば、給電ブロック及び第1連結ブロックを組み合わせることにより、配線ユニットに備えられるヒューズの数を容易に変更することができる。従って、配線ユニットは、車種や車格に応じて、ヒューズを必要な数だけ備えることができる。
【0018】
(7)第2連結ブロック本体、及び前記第2連結ブロック本体の内部に保持された導電性の第4通電部材を有する第2連結ブロックを備え、前記第1連結ブロック本体は、連結端子が挿入される第1連結口を有し、前記第2連結ブロック本体は、前記第1連結口に挿入された前記連結端子が挿入される第2連結口と、前記第1出力端子挿入口に挿入された前記出力端子とは別の出力端子が挿入される第2出力端子挿入口とを有し、前記第3通電部材は、前記第1連結口に挿入された前記連結端子が電気的に接続され、前記第4通電部材は、前記第2連結口に挿入された前記連結端子と、前記第2出力端子挿入口に挿入された前記出力端子とが電気的に接続されることが好ましい。
【0019】
上記態様によれば、給電端子に供給された電力を、第1出力端子挿入口に挿入された出力端子、及び第2出力端子挿入口に挿入された出力端子を介して、これら出力端子に電気的に接続される電気機器等に分配可能になる。また、第1出力端子挿入口に挿入された出力端子は、第3通電部材を介してヒューズに接続される。更に、第2出力端子挿入口に挿入された出力端子は、第4通電部材、連結端子、及び第3通電部材を介して同じヒューズに接続される。従って、電線をスプライス接続する構成を設けなくとも、これら出力端子を、同じヒューズに電気的に接続した構成を設けることができる。
【0020】
(8)第3連結ブロック本体、及び前記第3連結ブロック本体の内部に保持された導電性の第5通電部材を有する第3連結ブロックを少なくとも1つ備え、前記第1連結ブロック本体は、前記第1連結ブロック本体を貫通する第1連結孔を有し、前記第1連結口は、前記第1連結孔の一方の開口であり、前記第3通電部材は、前記第1連結孔の内部に露出しており、前記第2連結ブロック本体は、前記第2連結ブロック本体を貫通する第2連結孔を有し、前記第2連結口は、前記第2連結孔の一方の開口であり、前記第4通電部材は、前記第2連結孔の内部に露出しており、前記第3連結ブロック本体は、前記第1出力端子挿入口に挿入された前記出力端子及び前記第2出力端子挿入口に挿入された前記出力端子とは別の出力端子が接続される第3出力端子挿入口と、前記第3連結ブロック本体を貫通する第3連結孔とを有し、前記第5通電部材は、前記第3連結孔の内部に露出しており、前記第3出力端子挿入口に挿入された前記出力端子が電気的に接続されるものであり、前記連結端子は、前記第1連結孔、前記第2連結孔及び前記第3連結孔を貫通するとともに、前記第1連結孔の内部で前記第3通電部材と電気的に接続され、前記第2連結孔の内部で前記第4通電部材と電気的に接続され、前記第3連結孔の内部で前記第5通電部材と電気的に接続されたことが好ましい。
【0021】
上記態様によれば、連結端子は、第1連結孔、第2連結孔及び第3連結孔を貫通することにより、第3通電部材、第4通電部材及び第5通電部材と電気的に接続される。従って、第3通電部材、第4通電部材及び第5通電部材と連結端子とを電気的に容易に接続できる。更に、給電端子、第1通電部材、第2通電部材、ヒューズ及び第3通電部材を介して連結端子に分配された電力を、第4通電部材及び第5通電部材を介して複数の電気機器等に分配できる。
【0022】
(9)前記第1連結ブロック本体は、絶縁性材料よりなり前記第3通電部材を保持する通電層と、導電性材料よりなりグランド接続されるグランド層とを有し、前記グランド層は、接地端子が挿入される接地端子挿入口を有し、前記接地端子挿入口に挿入された前記接地端子が電気的に接続されることが好ましい。
【0023】
上記態様によれば、第1連結ブロックにおいて、グランド層を介して接地端子をグランド接続できる。
(10)前記グランド層は、前記グランド層の内部で前記接地端子を貫通する係止部材が挿入される係止部材挿入口を有することが好ましい。
【0024】
上記態様によれば、係止部材挿入口に挿入された係止部材によって接地端子がグランド層から抜けることを抑制できる。
本開示の配線システムは、
(11)少なくとも1つの電気機器が設置される設置エリアごとに、前記配線ユニットが配置され、前記配線ユニットは、前記給電端子から供給された電力を、当該配線ユニットが配置された前記設置エリアに設置された前記電気機器の各々に前記接続端子を介して電力を分配する配線システムである。
【0025】
上記態様によれば、給電ブロック及び第1連結ブロックは、異なる設置エリアに配置される配線ユニットにおいて、共用可能である。従って、異なる設置エリアに配置される配線ユニットごとにそれぞれ部品を設計しなくとも、給電ブロック及び第1連結ブロック等を組み合わせることにより、各設置エリアに適した配線ユニットを形成可能である。そして、給電ブロック及び第1連結ブロック等を組み合わせることにより、ヒューズの数を各設置エリアに適した数にできる。従って、各設置エリアに配置される配線ユニットは、各設置エリアに設置される電気機器に応じてヒューズを過不足なく備えることができる。
【0026】
(12)異なる前記配線ユニットに備えられる前記給電端子同士を電気的に接続する電線を備えたことが好ましい。
上記態様によれば、配線ユニットの給電端子から別の配線ユニットの給電端子へ、電線を介して電力を供給できる。従って、共通のバッテリから複数の配線ユニットに電力を分配できる。
【0027】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の配線ブロック、配線ユニット、及び配線システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、添付図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。添付図面において、構成要素の寸法比率は、実際のものと、または別の図中のものと異なる場合がある。
【0028】
以下、配線ブロック、配線ユニット、及び配線システムの一実施形態について説明する。
図1は、自動車等の車両に搭載される配線システム1を模式的に示している。車両には、電気機器10が配置される複数の設置エリアが設定される。設置エリアの数は、車種や車格に応じて任意に設定することができるが、例えば、2~十数個のエリアが設定される。本実施形態では、車両には、第1設置エリアA1、第2設置エリアA2、第3設置エリアA3、及び第4設置エリアA4の4つのエリアが設定されている。また、設置エリアの場所も、車種や車格に応じて任意に設定することができる。第1及び第2設置エリアA1,A2は、例えば、車両の前方側のエンジンルーム付近に設定される。一方、第3及び第4設置エリアA3,A4は、例えば、第1及び設置エリアA1,A2よりも車両の後方側に設定される。
【0029】
配線システム1は、車両に搭載されるバッテリ20の電力を各電気機器10に分配するものである。即ち、配線システム1は、バッテリ20と各電気機器10とを電気的に接続するものである。配線システム1は、バッテリ20の電力の分配先である電気機器10の設置エリアA1~A4ごとに配置された第1~第4配線ユニット21~24を有する。第1配線ユニット21は、第1設置エリアA1に配置されている。第2配線ユニット22は、第2設置エリアA2に配置されている。第3配線ユニット23は、第3設置エリアA3に配置されている。第4配線ユニット24は、第4設置エリアA4に配置されている。
【0030】
各配線ユニット21~24は、給電ブロック30と、連結ブロック50との2種類の配線ブロックを組み合わせて構成されている。
[給電ブロックの構成]
まず、給電ブロック30の構成について説明する。
【0031】
図2図4に示すように、給電ブロック30は、ブロック本体31と、ブロック本体31の内部に保持される導電性の第1通電部材32と、ブロック本体31の内部に保持される導電性の第2通電部材33とを有する。
【0032】
ブロック本体31は、絶縁性樹脂材料よりなる。本実施形態のブロック本体31は、立方体状をなしている。ブロック本体31は、同ブロック本体31を貫通する第1貫通孔34を有する。本実施形態では、第1貫通孔34が「接続孔」に該当する。第1貫通孔34は、ブロック本体31の外面のうち平行な一対の面と垂直をなすように同ブロック本体31を貫通している。第1貫通孔34は、同第1貫通孔34の貫通方向と直交する断面の形状が円形状をなしている。第1貫通孔34の両端の開口のうち一方の開口は、第1挿入口35である。図2図4においては、第1貫通孔34の左側の開口が第1挿入口35である。第1貫通孔34の他方の開口は、第1接続口36である。図2図4においては、第1貫通孔34の右側の開口が第1接続口36である。
【0033】
第1貫通孔34の内周面には、第1通電部材32が保持されている。第1通電部材32は、導電性材料よりなる。例えば、第1通電部材32は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性に優れた金属材料よりなる。第1通電部材32は、円筒状をなしている。第1通電部材32の軸方向の長さは、第1貫通孔34の貫通方向の長さよりも短い。そして、第1通電部材32は、同第1通電部材32の方向と第1貫通孔34の貫通方向とが一致するように設けられている。更に、第1通電部材32は、第1貫通孔34に対して同第1貫通孔34の貫通方向の中央部に配置されている。そのため、第1通電部材32の軸方向の両端部は、ブロック本体31の外部に突出しない。また、第1貫通孔34における第1通電部材32の軸方向の両側に位置する部分の内径は、第1通電部材32の内径と等しくなるように形成されている。第1通電部材32は、第1貫通孔34の内部に同第1通電部材32の内周面が露出している。
【0034】
ブロック本体31は、同ブロック本体31を貫通する第2貫通孔37を有する。第2貫通孔37は、ブロック本体31の外面のうち第1挿入口35が開口した面及び第1接続口36が開口した面とは別の平行をなす一対の面と垂直をなすように同ブロック本体31を貫通している。第1貫通孔34の貫通方向と垂直な方向であって、第2貫通孔37の貫通方向と垂直な方向から見ると、第1貫通孔34の貫通方向と第2貫通孔37の貫通方向とは直交している。
【0035】
ここで、給電ブロック30は、任意の向きに配置できるものであるが、本実施形態では、第1貫通孔34の貫通方向を左右方向、第2貫通孔37の貫通方向を上下方向、第1貫通孔34の貫通方向と直交し且つ第2貫通孔37の貫通方向と直交する方向を前後方向として説明する。なお、図中では、左から右に向かう方向をX方向、前から後ろに向かう方向をY方向、下から上に向かう方向をZ方向として図示している。
【0036】
本実施形態では、第2貫通孔37は、上下方向から見て、ブロック本体31の中央部に形成されている。第2貫通孔37は、同第2貫通孔37の貫通方向と直交する断面の形状が円形状をなしている。第2貫通孔37の両端の開口のうち一方の開口は、第2接続口38である。図2及び図3においては、第2貫通孔37の上側の開口が第2接続口38である。第2貫通孔37の他方の開口は、第3接続口39である。図2及び図3においては、第2貫通孔37の下側の開口が第3接続口39である。
【0037】
第2貫通孔37は、第1貫通孔34よりも前方側に位置する。また、上下方向に見て、第1貫通孔34と第2貫通孔37とは、互いに接する。詳しくは、第1貫通孔34における貫通方向の中央部と、第2貫通孔37における貫通方向の中央部とが接している。そのため、第1通電部材32の外周面は、第1貫通孔34の貫通方向の中央部において第2貫通孔37の内部に露出している。
【0038】
第2貫通孔37の内周面には、第2通電部材33が保持されている。第2通電部材33は、導電性材料よりなる。例えば、第2通電部材33は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性に優れた金属材料よりなる。第2通電部材33は、円筒状をなしている。第2通電部材33の軸方向の長さは、第2貫通孔37の貫通方向の長さよりも短い。そして、第2通電部材33は、同第2通電部材33の方向と第2貫通孔37の貫通方向とが一致するように設けられている。更に、第2通電部材33は、第2貫通孔37に対して同第2貫通孔37の貫通方向の中央部に配置されている。そのため、第2通電部材33の軸方向の両端部は、ブロック本体31の外部に突出しない。また、第2貫通孔37における第2通電部材33の軸方向の両側に位置する部分の内径は、第2通電部材33の内径と等しくなるように形成されている。
【0039】
第1貫通孔34における貫通方向の中央部と、第2貫通孔37における貫通方向の中央部とが接しているため、第2通電部材33の外周面は、第2貫通孔37の貫通方向の中央部において第1貫通孔34の内部に露出している。そして、第2貫通孔37の内部に露出した第1通電部材32の第1通電部材32の外周面と、第1貫通孔34の内部に露出した第2通電部材33の外周面とが接触している。これにより、第1通電部材32と第2通電部材33とが電気的に接続されている。
【0040】
ブロック本体31は、2つの第1ヒューズ端子挿入口41,42を有する。ブロック本体31には、ブロック本体31の前面から後方側に凹設された2つの第1挿入穴43,44が形成されている。第1挿入穴43,44は、給電ブロック30を前後方向に見て、第2通電部材33の外周面と接する位置に形成されている。また、2つの第1挿入穴43,44は、上下方向に離れて並んでいる。第2通電部材33は、各第1挿入穴43,44の内部に露出している。なお、下側に位置する第1挿入穴43の開口が第1ヒューズ端子挿入口41である。また、上側に位置する第1挿入穴44の開口が第1ヒューズ端子挿入口42である。本実施形態では、第1ヒューズ端子挿入口41が「第2挿入口」に該当する。
【0041】
給電ブロック30は、例えば、インサート成形により形成することができる。ただし、給電ブロック30の製造方法はこれに限らない。
[連結ブロックの構成]
次に、連結ブロック50の構成について説明する。
【0042】
図5に示すように、連結ブロック50は、連結ブロック本体51と、連結ブロック本体51の内部に保持される導電性の第3通電部材52とを有する。なお、連結ブロック50は、任意の向きで配置できるものであるが、本実施形態の連結ブロック50が給電ブロック30に直接又は間接的に組み付けられた場合における、給電ブロック30の左右方向、上下方向、及び前後方向を、連結ブロック50の左右方向、上下方向、及び前後方向として説明する。
【0043】
本実施形態の連結ブロック本体51は、給電ブロック30のブロック本体31と同じ大きさの立方体状をなしている。連結ブロック本体51は、絶縁性材料よりなり第3通電部材52を保持する通電層53と、導電性材料よりなりグランド接続されるグランド層54とを有する。本実施形態では、通電層53の下端面にグランド層54が一体的に設けられている。通電層53は、例えば、ブロック本体31と同様の絶縁性樹脂材料よりなる。グランド層54は、例えば、導電性樹脂材料よりなる。通電層53及びグランド層54は、それぞれ直方体状をなしている。そして、一体化された通電層53及びグランド層54は、全体で直方体状をなす。
【0044】
図5図7に示すように、連結ブロック本体51は、同連結ブロック本体51を貫通する第3貫通孔55を有する。第3貫通孔55は、通電層53及びグランド層54をそれぞれ貫通するように、連結ブロック本体51を上下方向に貫通している。本実施形態では、第3貫通孔55は、上下方向から見て、連結ブロック本体51の中央部に形成されている。第3貫通孔55は、同第3貫通孔55の貫通方向と直交する断面の形状が円形状をなしている。第3貫通孔55の両端の開口のうち一方の開口は、第1連結口56である。図5及び図6においては、第3貫通孔55の下側の開口が第1連結口56である。第3貫通孔55の他方の開口は、第2連結口57である。図5及び図6においては、第3貫通孔55の上側の開口が第2連結口57である。
【0045】
第3貫通孔55の内周面には、第3通電部材52が保持されている。第3通電部材52は、導電性材料よりなる。例えば、第3通電部材52は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性に優れた金属材料よりなる。第3通電部材52は、円筒状をなしている。第3通電部材52の軸方向の長さは、第3貫通孔55の貫通方向における通電層53の長さ、即ち通電層53の上下方向の長さよりも短い。そして、第3通電部材52は、同第3通電部材52の方向と第3貫通孔55の貫通方向とが一致するように設けられている。更に、第3通電部材52は、第3貫通孔55に対して通電層53の上下方向の中央部に配置されている。そのため、第3通電部材52の軸方向の両端部は、連結ブロック本体51の外部に突出しない。また、第3貫通孔55における第3通電部材52の軸方向の両側に位置する部分の内径は、第3通電部材52の内径と等しくなるように形成されている。
【0046】
グランド層54における第3貫通孔55の内周面には、図示しない絶縁膜が設けられている。当該絶縁膜は、例えば、塗布、塗装、めっき等により形成される。また、当該絶縁膜は、二色成形により、グランド層54における第3貫通孔55の内周面に設けられてもよい。
【0047】
図5及び図6に示すように、連結ブロック本体51は、第2ヒューズ端子挿入口58及び第3ヒューズ端子挿入口59を有する。連結ブロック本体51には、連結ブロック本体51の前面から後方側に凹設された2つの第2挿入穴61,62が形成されている。第2挿入穴61,62は、通電層53に設けられている。第2挿入穴61,62は、連結ブロック50を前後方向に見て、第3通電部材52の外周面と接する位置に形成されている。また、2つの第2挿入穴61,62は、上下方向に離れて並んでいる。第3通電部材52は、各第2挿入穴61,62の内部に露出している。なお、上側に位置する第2挿入穴61の開口が第2ヒューズ端子挿入口58である。また、下側に位置する第2挿入穴62の開口が第3ヒューズ端子挿入口59である。
【0048】
図5図6図8及び図9に示すように、連結ブロック本体51は、出力端子挿入口63を有する。連結ブロック本体51には、連結ブロック本体51の後面から前方側に凹設された第3挿入穴64が形成されている。第3挿入穴64は、通電層53に設けられている。連結ブロック50を前後方向に見て、第3挿入穴64の上下方向の位置は、2つの第2挿入穴61,62の間である。また、第3通電部材52は、第3挿入穴64の内部に露出している。そして、第3挿入穴64の開口が出力端子挿入口63である。
【0049】
図7図8及び図9に示すように、グランド層54は、接地端子挿入口65を有する。グランド層54には、グランド層54の後面から前方側に凹設された第4挿入穴66を有する。第4挿入穴66は、第3貫通孔55よりも前方側まで凹設されている。そのため、第3貫通孔55と第4挿入穴66とは、左右方向から見て交差している。そして、第3貫通孔55は、第4挿入穴66を介して連結ブロック本体51を貫通している。また、第4挿入穴66における、第3貫通孔55の貫通方向と直交し且つ第4挿入穴66の凹設方向と直交する方向の幅、即ち第4挿入穴66の左右方向の幅は、第3貫通孔55の内径よりも広い。第4挿入穴66の凹設方向における底面は、半円状に湾曲している。そのため、第4挿入穴66を上下方向から見た場合における第4挿入穴66の内周面の形状は、U字状をなしている。この第4挿入穴66の開口が接地端子挿入口65である。
【0050】
連結ブロック50は、例えば、インサート成形により第3通電部材52を保持した通電層53を形成した後に、二色成形により通電層53にグランド層54を一体に形成することにより形成される。但し、連結ブロック50の製造方法はこれに限らない。
【0051】
[配線ユニットの構成]
次に、第1~第4配線ユニット21~24の構成について説明する。
図10に示すように、第1配線ユニット21は、2つの給電ブロック30と、2つの連結ブロック50とを有する。2つの給電ブロック30は、左右方向に隣り合って配置されている。そして、各給電ブロック30の下方にそれぞれ連結ブロック50が1つずつ配置されている。更に、2つの連結ブロック50は、左右方向に隣り合って配置されている。なお、本実施形態の第1配線ユニット21においては、各給電ブロック30の下方に配置された連結ブロック50の各々が「第1連結ブロック」に該当する。また、本実施形態の第1配線ユニット21においては、各連結ブロック50が有する連結ブロック本体51が「第1連結ブロック本体」に該当する。更に、本実施形態の第1配線ユニット21においては、各連結ブロック50が有する出力端子挿入口63が「第1出力端子挿入口」に該当する。
【0052】
図11は、隣り合って配置された2つの給電ブロック30の断面図である。2つの給電ブロック30は、一方の給電ブロック30の第1貫通孔34と他方の給電ブロック30の第1貫通孔34とが同軸上に配置されるように、即ち2つの給電ブロック30の2つの第1通電部材32が同軸上に配置されるように並べられている。そして、図11において、右側の給電ブロック30の第1挿入口35と、左側の給電ブロック30の第1接続口36とが対向している。また、左側に位置する給電ブロック30のブロック本体31の右側端面と、右側に位置する給電ブロック30のブロック本体31の左側端面とが当接している。
【0053】
並べて配置された2つの給電ブロック30に対して、左側の給電ブロック30の第1挿入口35から第1給電端子71が挿入されている。第1給電端子71は、導電性材料よりなる。第1給電端子71は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性に優れた金属材料よりなる。第1給電端子71は、棒状をなしている。本実施形態では、第1給電端子71は、円柱状をなしている。第1給電端子71の外径は、第1通電部材32に第1給電端子71を挿入したときに第1給電端子71の外周面と第1通電部材32の内周面とが接触することにより電気的に接続可能な大きさである。且つ、第1給電端子71の外径は、第1通電部材32の内側を第1給電端子71が貫通可能な大きさである。
【0054】
第1給電端子71は、左側の給電ブロック30の第1挿入口35から同給電ブロック30の第1貫通孔34内に挿入され、更に、同給電ブロック30の第1通電部材32を貫通した後に、同給電ブロック30の第1接続口36から同給電ブロック30の外部に突出する。そして、左側の給電ブロック30の第1接続口36から突出した第1給電端子71は、右側の給電ブロック30の第1挿入口35から同給電ブロック30の第1貫通孔34内に挿入され、更に、同給電ブロック30の第1通電部材32を貫通した後に、同給電ブロック30の第1接続口36から同給電ブロック30の外部に露出する。
【0055】
第1給電端子71は、同第1給電端子71の外周面が2つの第1通電部材32の各々の内周面と接触することにより、これら第1通電部材32と電気的に接続されている。そして、2つの給電ブロック30においては、第1給電端子71を介して供給される電力は、各給電ブロック30の第1通電部材32に分配される。
【0056】
図12は、隣り合って配置された1つの給電ブロック30と1つの連結ブロック50との断面図である。図10において、左側で上下方向に並ぶ給電ブロック30及び連結ブロック50と、右側で上下方向に並ぶ給電ブロック30及び連結ブロック50とは同様の態様で連結されている。そこで、左側で上下方向に並ぶ給電ブロック30及び連結ブロック50についてのみ連結の態様を詳述して、右側で上下方向に並ぶ給電ブロック30及び連結ブロック50については連結の態様の説明を省略する。
【0057】
給電ブロック30と連結ブロック50とは、第2貫通孔37と第3貫通孔55とが同軸上に配置されるように、即ち第2通電部材33と第3通電部材52とが同軸上に配置されるように並べられている。そして、給電ブロック30の第3接続口39と連結ブロック50の第2連結口57とが対向している。また、ブロック本体31の下端面と連結ブロック本体51の上端面とが当接している。
【0058】
図10及び図12に示すように、給電ブロック30の第1ヒューズ端子挿入口41から第1挿入穴43の内部にヒューズ81の第1ヒューズ端子82が挿入されている。本実施形態では、第1ヒューズ端子82が「接続端子」に該当する。このヒューズ81は、第1ヒューズ端子82と第2ヒューズ端子83との2つのヒューズ端子を備えている。第1ヒューズ端子82は、第1挿入穴43の内部で第2通電部材33の外周面に接触することにより、同第2通電部材33と電気的に接続されている。また、第2ヒューズ端子83は、連結ブロック50の第2ヒューズ端子挿入口58から第2挿入穴61の内部に挿入されている。そして、第2ヒューズ端子83は、第2挿入穴61の内部で第3通電部材52の外周面に接触することにより、同第3通電部材52と電気的に接続されている。即ち、第2通電部材33と第3通電部材52とは、ヒューズ81を介して電気的に接続されている。
【0059】
また、連結ブロック50の出力端子挿入口63から第3挿入穴64の内部に、第1設置エリアA1に設置された電気機器11に電気的に接続された出力端子91が挿入されている。出力端子91は、第3挿入穴64の内部で第3通電部材52の外周面に接触することにより、同第3通電部材52と電気的に接続されている。
【0060】
また、図7及び図12に示すように、連結ブロック50の接地端子挿入口65から第4挿入穴66の内部に、当該電気機器11に電気的に接続された接地端子92が挿入されている。本実施形態では、接地端子92は、導電性を有する導電部93と、導電部93の先端部に設けられた係止部94とを有する。
【0061】
導電部93は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性に優れた金属よりなる。そして、本実施形態の導電部93は、第4挿入穴66に挿入された状態において第4挿入穴66への接地端子92の挿入方向と垂直な方向に付勢力を発生させる板ばね形状をなしている。なお、第4挿入穴66への接地端子92の挿入方向は、第4挿入穴66の凹設方向に同じである。
【0062】
係止部94は円環状をなしている。係止部94は、第4挿入穴66の凹設方向における半円状の底面に応じた大きさの円環状をなしている。係止部94の表面は絶縁性を有している。係止部94は、例えば、絶縁性樹脂材料よりなり導電部93の先端部に一体に設けられたものとすることができる。また例えば、係止部94は、同係止部94の表面に塗装、塗布、めっき等により形成された絶縁性の絶縁層を有するものであってもよい。
【0063】
接地端子92は、第4挿入穴66の凹設方向における底面に係止部94が当接するまで第4挿入穴66の内部に挿入されている。そして、第4挿入穴66の内部で、導電部93が上下方向の両側で第4挿入穴66の内周面に接触することにより、導電部93、即ち接地端子92はグランド層54に接触して同グランド層54に電気的に接続される。なお、板ばね形状をなす導電部93は、第4挿入穴66への接地端子92の挿入方向と垂直な方向に第4挿入穴66の内周面を付勢する。本実施形態では、導電部93は、同導電部93の上下方向の両側で第4挿入穴66の内周面を上下方向の両側に付勢する。
【0064】
また、連結ブロック50の第1連結口56から第3貫通孔55の内部に係止部材95が挿入されている。本実施形態では、第1連結口56が「係止部材挿入口」に該当する。この係止部材95は、導電性材料よりなる。係止部材95は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性に優れた金属よりなる。係止部材95は、第3通電部材52の内部に至るまで第3貫通孔55に挿入されている。このとき、係止部材95は、接地端子92の係止部94の内側を貫通することにより、接地端子92を貫通している。詳しくは、係止部材95は、接地端子92が第4挿入穴66から抜ける方向と垂直な方向に係止部94を貫通している。係止部材95は、同係止部材95の外周面が第3通電部材52の内周面と接触することにより、第3通電部材52と電気的に接続されている。更に、係止部材95の下端部は、第1連結口56から露出している。
【0065】
このように連結された給電ブロック30及び連結ブロック50では、第1通電部材32に分配された電力は、第2通電部材33、ヒューズ81、第3通電部材52を介して電気機器11に供給される。また、第3通電部材52において、電気機器11の他に、係止部材95に分配される。
【0066】
なお、図10における右側で上下方向に並ぶ給電ブロック30及び連結ブロック50においては、係止部材95は、必ずしも導電性材料よりなるものでなくてもよい。即ち、当該係止部材95は、絶縁性材料よりなるものであってもよい。
【0067】
図10に示すように、第1配線ユニット21において、2つの給電ブロック30及び2つの連結ブロック50は、全体として一体となるように連結されている。例えば、隣り合う給電ブロック30同士、隣り合う連結ブロック50同士、隣り合う給電ブロック30及び連結ブロック50同士がそれぞれ互いに固定されていてもよい。また、例えば、隣り合う給電ブロック30同士、並びに隣り合う給電ブロック30及び連結ブロック50同士がそれぞれ互いに固定される一方で、隣り合う連結ブロック50同士は固定されない構成とすることもできる。なお、給電ブロック30同士の固定、連結ブロック50同士の固定、並びに、給電ブロック30及び連結ブロック50同士の固定は、係合爪と係合凸部とによるスナップフィット係合、凹凸嵌合、接着等、公知の方法で行うことができる。
【0068】
図13に示すように、第2配線ユニット22は、3つの給電ブロック30と、3つの連結ブロック50とを有する。これらの給電ブロック30及び連結ブロック50は、第1配線ユニット21と同様にして連結されている。なお、本実施形態の第2配線ユニット22においては、各給電ブロック30の下方に配置された連結ブロック50の各々が「第1連結ブロック」に該当する。
【0069】
第2配線ユニット22において、左右方向に並ぶ3つの給電ブロック30の第1貫通孔34には、第1給電端子71と外径が等しく且つ第1給電端子71よりもブロック本体31の左右方向の長さ分だけ長い第2給電端子72が挿入される。そして、第2配線ユニット22が備える連結ブロック50の各々には、第2設置エリアA2に設置される電気機器12が、第1配線ユニット21と同様の態様で接続されている。
【0070】
図1及び図10に示すように、第3配線ユニット23は、第1配線ユニット21と同様の構成である。なお、第3配線ユニット23に備えられる2つの連結ブロック50の各々において、第1連結口56から第3貫通孔55に挿入される係止部材95は、導電性材料よりなるものであってもよいし、絶縁性材料よりなるものであってもよい。そして、第3配線ユニット23が備える連結ブロック50の各々には、第3設置エリアA3に設置される電気機器13が、第1配線ユニット21と同様の態様で接続されている。
【0071】
図14に示すように、第4配線ユニット24は、2つの給電ブロック30と、5個の連結ブロック50とを有する。第4配線ユニット24においては、2つの給電ブロック30は、左右方向に隣り合って配置されている。そして、左側に位置する給電ブロック30の下方に1つの連結ブロック50が配置されている。当該連結ブロック50は、「第1連結ブロック」に該当する。更に、右側に位置する給電ブロック30の下方に4つの連結ブロック50が上下方向に並んで配置されている。2つの給電ブロック30、及びこれら2つの給電ブロック30に連結された2つの連結ブロック50は、第1配線ユニット21に備えられた2つの給電ブロック30及び2つの連結ブロック50と連結の態様が同様である。
【0072】
図15は、図14において右側に位置する給電ブロック30と、同給電ブロック30に連結された4つの連結ブロック50との断面図である。ここで、給電ブロック30の下方で同給電ブロック30と隣り合う連結ブロック50を第1連結ブロック50aとする。また、第1連結ブロック50aの下方で同第1連結ブロック50aと隣り合う連結ブロック50を第2連結ブロック50bとする。更に、第2連結ブロック50bの下方に連結された2つの連結ブロック50を第3連結ブロック50cとする。なお、第2連結ブロック50bが有する連結ブロック本体51は、「第2連結ブロック本体」に該当する。更に、第2連結ブロック50bが有する連結ブロック本体51の内部に保持された第3通電部材52は、「第4通電部材」に該当する。また、第3連結ブロック50cが有する連結ブロック本体51は、「第3連結ブロック本体」に該当する。更に、第3連結ブロック50cが有する連結ブロック本体51の内部に保持された第3通電部材52は、「第5通電部材」に該当する。また、第1連結ブロック50aの連結ブロック本体51が有する第3貫通孔55は、「第1連結孔」に該当する。第2連結ブロック50bの連結ブロック本体51が有する第3貫通孔55は、「第2連結孔」に該当する。第3連結ブロック50cの連結ブロック本体51が有する第3貫通孔55は、「第3連結孔」に該当する。また、第1連結ブロック50aが有する出力端子挿入口63は、「第1出力端子挿入口」に該当する。第2連結ブロック50bが有する出力端子挿入口63は、「第2出力端子挿入口」に該当する。第3連結ブロック50cが有する出力端子挿入口63は、「第3出力端子挿入口」に該当する。
【0073】
給電ブロック30と第1連結ブロック50aとは、第1配線ユニット21に備えられた給電ブロック30と連結ブロック50と同様の態様で連結されている。第1連結ブロック50aの下方に同第1連結ブロック50aと隣り合って配置された第2連結ブロック50bは、互いの第3貫通孔55が同軸上に配置されるように、互いの第3通電部材52が同軸上に配置されるように並べられている。そして、第1連結ブロック50aの第1連結口56と第2連結ブロック50bの第2連結口57とが対向している。また、第1連結ブロック50aの連結ブロック本体51の下端面と第2連結ブロック50bの連結ブロック本体51の上端面とが当接している。
【0074】
第2連結ブロック50bと、同第2連結ブロック50bの下方に同第2連結ブロック50bと隣り合って配置された一方の第3連結ブロック50cとは、第1連結ブロック50aと第2連結ブロック50bと同様にして配置されている。更に、一方の第3連結ブロック50cと、当該一方の第3連結ブロック50cの下方に当該一方の第3連結ブロック50cと隣り合って配置された他方の第3連結ブロック50cとは、第1連結ブロック50aと第2連結ブロック50bと同様にして配置されている。従って、第1連結ブロック50a、第2連結ブロック50b及び2つの第3連結ブロック50c、即ち4つの連結ブロック50は、4つの第3貫通孔55が同軸上に配置されるように並べられている。また、4つの連結ブロック50は、4つの第3通電部材52が同軸上に配置されるように並べられている。
【0075】
第1連結ブロック50a、第2連結ブロック50b及び2つの第3連結ブロック50cの第3通電部材52には、連結端子96が挿入されている。連結端子96は、導電性材料よりなる。連結端子96は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性に優れた金属材料よりなる。連結端子96は、棒状をなしている。本実施形態では、連結端子96は、円柱状をなしている。連結端子96の外径は、第3通電部材52に連結端子96を挿入したときに連結端子96の外周面と第3通電部材52の内周面とが接触することにより電気的に接続可能な大きさである。且つ、連結端子96の外径は、第3通電部材52の内側を連結端子96が貫通可能な大きさである。
【0076】
連結端子96は、下端に位置する第3連結ブロック50cの第1連結口56から第1連結ブロック50a、第2連結ブロック50b及び2つの第3連結ブロック50cの第3貫通孔55に挿入されている。これにより、連結端子96は、第1連結ブロック50a、第2連結ブロック50b及び2つの第3連結ブロック50cの連結ブロック本体51を貫通している。また、連結端子96は、第1連結ブロック50a、第2連結ブロック50b及び2つの第3連結ブロック50cの第3通電部材52を貫通している。そして、連結端子96は、同連結端子96の外周面が4つ第3通電部材52の各々の内周面と接触することにより、これら第3通電部材52と電気的に接続されている。また、連結端子96は、第1~第3連結ブロック50a~50cの各々において、出力端子挿入口63に挿入された接地端子92の係止部94を第3貫通孔55の貫通方向に貫通している。第4配線ユニット24においては、連結端子96が「係止部材」を兼ねている。
【0077】
なお、第1~第3連結ブロック50a~50cに連結端子96を貫通させる場合、第1連結ブロック50a、第2連結ブロック50b、2つの第3連結ブロック50cの順に並んだ状態になるのであれば、第1~第3連結ブロック50a~50c及び連結端子96の組み立て順序は問わない。例えば、第1連結ブロック50aの第1連結口56から同第1連結ブロック50aの第3貫通孔55に連結端子96の上端部を挿入する。その後、第2連結ブロック50bの第2連結口57に連結端子96の下端部を挿入する。そして、第2連結ブロック50bを、同第2連結ブロック50bの第3貫通孔55に連結端子96を貫通させながら、第1連結ブロック50aと隣り合う位置まで移動させる。その後、2つの第3連結ブロック50cに対して、第2連結ブロック50bと同様に連結端子96を貫通させる。また、第1~第3連結ブロック50a~50cを、第1連結ブロック50a、第2連結ブロック50b、2つの第3連結ブロック50cの順に並べた後に、第1~第3連結ブロック50a~50cの第3貫通孔55に連結端子96を挿入してもよい。
【0078】
なお、第1連結ブロック50a、第2連結ブロック50b及び各第3連結ブロック50cの各々には、第4設置エリアA4に設置された電気機器14が、第1配線ユニット21と同様の態様で接続されている。
【0079】
図14及び図15に示すように、第4配線ユニット24においては、右側の給電ブロック30の第1通電部材32に分配された電力は、第2通電部材33、ヒューズ81、第1連結ブロック50aの第3通電部材52を介して電気機器14に供給される。また、第3通電部材52において、電気機器14の他に、連結端子96に分配される。そして、連結端子96に分配された電力は、連結端子96から、第2連結ブロック50b及び第3連結ブロック50cの各第3通電部材52を介して、各第3通電部材52に電気的に接続された各電気機器14に分配される。
【0080】
[配線システムの構成]
次に、配線システム1の構成について説明する。
図1に示すように、配線システム1は、バッテリ20と第1配線ユニット21に備えられる第1給電端子71とを電気的に接続する第1電線101を有する。配線システム1は、第1配線ユニットに備えられる第1給電端子71と、第2配線ユニット22に備えられる第2給電端子72とを電気的に接続する第2電線102有する。配線システム1は、第2配線ユニット22に備えられる第2給電端子72と、第3配線ユニット23に備えられる第1給電端子71とを電気的に接続する第3電線103を有する。更に、配線システム1は、第1配線ユニット21に備えられる第1給電端子71と、第4配線ユニット24に備えられる第1給電端子71とを電気的に接続する第4電線104を有する。第4電線104における第1配線ユニット21側の端部は、導電性の係止部材95に電気的に接続されている。即ち、第4電線104における第1配線ユニット21側の端部は、第1配線ユニット21における左側の連結ブロック50の係止部材95、第3通電部材52、ヒューズ81、左側の給電ブロック30の第2通電部材33、第1通電部材32を介して間接的に第1配線ユニット21に備えられる第1給電端子71に電気的に接続されている。
【0081】
本実施形態の作用について説明する。
バッテリ20から第1電線101を介して第1配線ユニット21に供給された電力は、第1配線ユニット21において、第1設置エリアA1に設置された各電気機器11に分配される。更に、第1電線101を介して第1配線ユニット21に供給された電力は、第2電線102を介して第2配線ユニット22に分配されるとともに、第4電線104を介して第4配線ユニット24に分配される。そして、第2配線ユニット22に分配された電力は、第2配線ユニット22において、第2設置エリアA2に設置された各電気機器12に分配される。同様に、第4配線ユニット24に分配された電力は、第4配線ユニット24において、第4設置エリアA4に設置された各電気機器14に分配される。更に、第2電線102を介して第2配線ユニット22に供給された電力は、第3電線103を介して第3配線ユニット23に分配される。そして、第3配線ユニット23に分配された電力は、第3配線ユニット23において、第3設置エリアA3に設置された各電気機器13に分配される。
【0082】
本実施形態の効果について説明する。
(1)給電ブロック30は、第1給電端子71もしくは第2給電端子72が挿入される第1挿入口35及び第1ヒューズ端子82が挿入される第1ヒューズ端子挿入口41を有するブロック本体31を備えている。また、給電ブロック30は、ブロック本体31の内部に保持され第1給電端子71もしくは第2給電端子72が電気的に接続される導電性の第1通電部材32を備えている。更に、給電ブロック30は、ブロック本体31の内部に保持されブロック本体31の内部で第1通電部材32と電気的に接続されるとともに第1ヒューズ端子82が電気的に接続される導電性の第2通電部材33を備えている。
【0083】
上記態様によれば、給電ブロック30は、第1挿入口35に挿入された第1給電端子71もしくは第2給電端子72から電力の供給を受けることができる。そして、第1給電端子71もしくは第2給電端子72に供給された電力を、第1通電部材32、第2通電部材33及び第1ヒューズ端子82を介して分配可能である。使用する給電ブロック30の数を変更することにより、接続可能な第1ヒューズ端子82の数を容易に増減することができる。従って、異なる車種や異なる車格の車両への共用化に適した給電ブロック30を得られる。
【0084】
(2)給電ブロック30を使用することにより、第1給電端子71もしくは第2給電端子72に供給された電力を、ヒューズ81を介して分配できる。
(3)ブロック本体31は、ブロック本体31を貫通する第1貫通孔34を有し、第1挿入口35は、第1貫通孔34の一方の開口である。第1通電部材32は、第1貫通孔34の内部に露出している。
【0085】
上記態様によれば、第1通電部材32が第1貫通孔34の内部に露出しているため、第1挿入口35から第1貫通孔34の内部に第1給電端子71もしくは第2給電端子72を挿入することにより、第1通電部材32に第1給電端子71もしくは第2給電端子72を電気的に接続可能である。そして、複数の給電ブロック30の第1貫通孔34を共通の第1給電端子71が貫通することにより、複数の給電ブロック30に備えられた第1通電部材32の各々に当該第1給電端子71を電気的に接続可能である。従って、1つの第1給電端子71に供給された電力を複数の給電ブロック30の各々に分配可能になる。同様に、複数の給電ブロック30の第1貫通孔34を共通の第2給電端子72が貫通することにより、複数の給電ブロック30に備えられた第1通電部材32の各々に当該第2給電端子72を電気的に接続可能である。従って、1つの第2給電端子72に供給された電力を複数の給電ブロック30の各々に分配可能になる。
【0086】
(4)第1配線ユニット21は、給電ブロック30と、連結ブロック本体51、連結ブロック本体51の内部に保持された導電性の第3通電部材52を有する連結ブロック50とを備えている。連結ブロック本体51は、第1ヒューズ端子挿入口41に第1ヒューズ端子82が挿入されたヒューズ81に備えられる第2ヒューズ端子83が挿入される第2ヒューズ端子挿入口58を有する。第3通電部材52は、第2ヒューズ端子挿入口58に挿入された第2ヒューズ端子83が電気的に接続される。
【0087】
上記態様によれば、第2通電部材33と第3通電部材52との間に容易にヒューズ81を接続することができる。第2~第4配線ユニット22~24においても、同様の効果が得られる。
【0088】
(5)第1配線ユニット21において、連結ブロック本体51は、出力端子91が挿入される出力端子挿入口63を有する。第3通電部材52は、出力端子挿入口63に挿入された出力端子91が電気的に接続される。
【0089】
上記態様によれば、第1配線ユニット21において、第1給電端子71に供給された電力を、出力端子91を介して当該出力端子91に電気的に接続される電気機器11等に分配可能になる。第2~第4配線ユニット22~24においても、同様の効果が得られる。
【0090】
(6)第1配線ユニット21は、給電ブロック30を複数備え、複数の給電ブロック30が有する第1ヒューズ端子挿入口41の各々には、異なるヒューズ81に備えられる第1ヒューズ端子82が挿入されている。更に、第1配線ユニット21は、連結ブロック50をヒューズ81と同数備えている。複数の第2ヒューズ端子83は、それぞれ異なる連結ブロック50が有する第2ヒューズ端子挿入口58に挿入されている。
【0091】
上記態様によれば、給電ブロック30及び連結ブロック50を組み合わせることにより、第1配線ユニット21に備えられるヒューズ81の数を容易に変更することができる。従って、第1配線ユニット21は、車種や車格に応じて、ヒューズ81を必要な数だけ備えることができる。第2~第4配線ユニット22~24においても、同様の効果が得られる。
【0092】
(7)第4配線ユニット24は、連結ブロック本体51、及び連結ブロック本体51の内部に保持された導電性の第3通電部材52を有する第2連結ブロック50bを備えている。第4配線ユニット24において、第1連結ブロック50aが有する連結ブロック本体51は、連結端子96が挿入される第1連結口56を有する。第4配線ユニット24において、第2連結ブロック50bが有する連結ブロック本体51は、第1連結口56に挿入された連結端子96が挿入される第2連結口57と、第1連結ブロック50aの出力端子挿入口63に挿入された出力端子91とは別の出力端子91が挿入される出力端子挿入口63とを有する。第1連結ブロック50aが有する第3通電部材52は、第1連結口56に挿入された連結端子96が電気的に接続されている。第2連結ブロック50bが有する第3通電部材52は、第2連結口57に挿入された連結端子96と、第2連結ブロック50bの出力端子挿入口63に挿入された出力端子91とが電気的に接続される。
【0093】
上記態様によれば、第4配線ユニット24において、第1給電端子71に供給された電力を、第1連結ブロック50aの出力端子挿入口63に挿入された出力端子91、及び第2連結ブロック50bの出力端子挿入口63に挿入された出力端子91を介して、これら出力端子91に電気的に接続される電気機器14等に分配可能になる。また、第1連結ブロック50aの出力端子挿入口63に挿入された出力端子91は、第1連結ブロック50aが有する第3通電部材52を介してヒューズ81に接続される。更に、第2連結ブロック50bの出力端子挿入口63に挿入された出力端子91は、第2連結ブロック50bが有する第3通電部材52、連結端子96、及び第1連結ブロック50aが有する第3通電部材52を介して同じヒューズ81に接続される。従って、電線をスプライス接続する構成を設けなくとも、これら出力端子91を、同じヒューズ81に電気的に接続した構成を設けることができる。
【0094】
(8)第4配線ユニット24は、連結ブロック本体51、及び連結ブロック本体51の内部に保持された導電性の第3通電部材52を有する第3連結ブロック50cを2つ備えている。第1連結ブロック50aが有する連結ブロック本体51は、同連結ブロック本体51を貫通する第3貫通孔55を有する。第1連結口56は、第1連結ブロック50aの連結ブロック本体51が有する第3貫通孔55の一方の開口である。第1連結ブロック50aが有する第3通電部材52は、第1連結ブロック50aの連結ブロック本体51が有する第3貫通孔55の内部に露出している。第2連結ブロック50bが有する連結ブロック本体51は、同連結ブロック本体51を貫通する第3貫通孔55を有する。第2連結口57は、第2連結ブロック50bの連結ブロック本体51が有する第3貫通孔55の一方の開口である。第2連結ブロック50bが有する第3通電部材52は、第2連結ブロック50bの連結ブロック本体51が有する第3貫通孔55の内部に露出している。第3連結ブロック50cが有する連結ブロック本体51は、第1連結ブロック50aの出力端子挿入口63に挿入された出力端子91及び第2連結ブロック50bの出力端子挿入口63に挿入された出力端子91とは別の出力端子が接続される出力端子挿入口63と、同連結ブロック本体51を貫通する第3貫通孔55とを有する。第3連結ブロック50cの連結ブロック本体51が有する第3通電部材52は、同連結ブロック本体51の第3貫通孔55の内部に露出しており、同連結ブロック本体51の出力端子挿入口63に挿入された出力端子91が電気的に接続される。連結端子96は、第1~第3連結ブロック50a~50cの各第3貫通孔55を貫通するとともに、各第3貫通孔55の内部で第3通電部材52と電気的に接続されている。
【0095】
上記態様によれば、第4配線ユニット24において、連結端子96は、第1~第3連結ブロック50a~50cの各第3貫通孔55を貫通することにより、第1~第3連結ブロック50a~50cの第3通電部材52の各々と電気的に接続される。従って、第1~第3連結ブロック50a~50cの第3通電部材52の各々と連結端子96とを電気的に容易に接続できる。更に、第1給電端子71、第1通電部材32、第2通電部材33、ヒューズ81及び第1連結ブロック50aの第3通電部材52を介して連結端子96に分配された電力を、第2連結ブロック50bの第3通電部材52及び第3連結ブロック50cの第3通電部材52を介して複数の電気機器14に分配できる。
【0096】
(9)連結ブロック本体51は、絶縁性材料よりなり第3通電部材52を保持する通電層53と、導電性材料よりなりグランド接続されるグランド層54とを有する。グランド層54は、接地端子92が挿入される接地端子挿入口65を有し、接地端子挿入口65に挿入された接地端子92が電気的に接続される。
【0097】
上記態様によれば、各連結ブロック50において、グランド層54を介して接地端子92をグランド接続できる。
(10)グランド層54は、グランド層54の内部で接地端子92を貫通する係止部材95もしくは連結端子96が挿入される第1連結口56を有する。
【0098】
上記態様によれば、第1連結口56に挿入された係止部材95もしくは連結端子96によって接地端子92がグランド層54から抜けることを抑制できる。
(11)配線システム1においては、少なくとも1つの電気機器10が設置される設置エリアA1~A4ごとに、配線ユニット21~24が配置されている。即ち、第1設置エリアA1には第1配線ユニット21が配置されるとともに、第2設置エリアA2には第2配線ユニット22が配置されている。更に、第3設置エリアA3には第3配線ユニット23が配置されるとともに、第4設置エリアA4には第4配線ユニット24が配置されている。配線ユニット21~24は、第1給電端子71もしくは第2給電端子72から供給された電力を、当該配線ユニットが配置された設置エリアに設置された電気機器10の各々に第1ヒューズ端子82を介して電力を分配する。
【0099】
上記態様によれば、給電ブロック30及び連結ブロック50は、異なる設置エリアA1~A4に配置される配線ユニット21~24において、共用可能である。従って、異なる設置エリアA1~A4に配置される配線ユニット21~24ごとにそれぞれ部品を設計しなくとも、給電ブロック30及び連結ブロック50等を組み合わせることにより、各設置エリアA1~A4に適した配線ユニット21~24を形成可能である。そして、給電ブロック30及び連結ブロック50等を組み合わせることにより、ヒューズ81の数を各設置エリアA1~A4に適した数にできる。従って、各設置エリアA1~A4に配置される配線ユニット21~24は、各設置エリアA1~A4に設置される電気機器10に応じてヒューズ81を過不足なく備えることができる。
【0100】
(12)配線システム1は、異なる配線ユニット21~24に備えられる給電端子71,72同士を電気的に接続する電線102~104を備えている。
上記態様によれば、第1配線ユニット21の第1給電端子71から第2配線ユニット22の第2給電端子72へ、第2電線102を介して電力を供給できる。第2配線ユニット22の第2給電端子72から第3配線ユニット23の第1給電端子71へ、第3電線103を介して電力を分配できる。第1配線ユニット21の第1給電端子71から第4配線ユニット24の第1給電端子71へ、第4電線104を介して電力を供給できる。従って、共通のバッテリ20から複数の配線ユニット21~24に電力を分配できる。
【0101】
(13)連結ブロック本体51は、通電層53及びグランド層54をそれぞれ貫通するように連結ブロック本体51を貫通する第3貫通孔55を有する。第3通電部材52は、第3貫通孔55の内部に露出している。係止部材95は、第3貫通孔55の一方の開口である第1連結口56から第3貫通孔55に挿入されて接地端子92を貫通している。
【0102】
上記態様によれば、第3通電部材52を内部に露出させる第3貫通孔55を利用して、接地端子92がグランド層54から抜けることを抑制できる。
(14)接地端子92は、第4挿入穴66に挿入された状態において第4挿入穴66への接地端子92の挿入方向と垂直な方向に付勢力を発生させる板ばね形状をなす導電部93を有する。そのため、導電部93は、第4挿入穴66の内周面に押し付けられることになる。従って、車両走行時等に連結ブロック50が振動したとしても、接地端子92とグランド層54とを安定して電気的に接続することができる。
【0103】
(15)第1~第4配線ユニット21~24のうちのどの配線ユニットも、給電ブロック30と連結ブロック50との2種類の配線ブロックを使用して形成されている。従って、少ない種類の部品で第1~第4配線ユニット21~24を形成できる。また、部品管理が容易になる。
【0104】
(16)車両の設計変更があったとしても、給電ブロック30及び連結ブロック50の組み合わせを変更することにより、当該設計変更に対応可能である。従って、車両の設計変更があっても、新たに金型を作成する等の工程を行わなくてもよいため、製造コストを低減できる。
【0105】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、配線システム1は、異なる配線ユニット21~24に備えられる給電端子71,72同士を電気的に接続する電線102~104を備えている。しかしながら、配線システム1は、各配線ユニット21~24の給電端子71,72がそれぞれ電線を介してバッテリに電気的に接続される構成であってもよい。例えば、上記実施形態において、一端が第2配線ユニット22の第2給電端子72に接続された第2電線102の他端を、第1配線ユニット21の第1給電端子71ではなくバッテリ20に接続してもよい。第3電線103及び第4電線104についても同様に変更してもよい。
【0106】
・上記実施形態では、配線システム1は、第1~第4配線ユニット21~24の4つの配線ユニットを備えている。しかしながら、配線システム1が備える配線ユニットの数は、4つに限らない。配線システム1は、電気機器10が設置される設置エリアの数に応じて、少なくとも1つの配線ユニットを備えたものであればよい。
【0107】
・上記実施形態では、第3貫通孔55に挿入される係止部材95もしくは連結端子96が、接地端子92の係止部94を貫通することにより、接地端子92がグランド層54から抜けることが抑制されている。しかしながら、接地端子92がグランド層54から抜けることを抑制する構成は、これに限らない。例えば、第3貫通孔55とは別に、第4挿入穴66と交差する抜け止め穴をグランド層54に設けて、接地端子92を貫通するように当該抜け止め穴に係止部材95を挿入してもよい。また、上記実施形態では、第3貫通孔55の一方の開口である第1連結口56を「係止部材挿入口」としたが、他方の開口を第2連結口57を「係止部材挿入口」とすることもできる。また、連結ブロック50は、接地端子92がグランド層54から抜けることを抑制する構成を必ずしも備えなくてもよい。
【0108】
・接地端子92の形状は、上記実施形態の形状に限らない。例えば、導電部93は、グランド層54に接触して同グランド層54と電気的に接続可能な形状であれば、必ずしも板ばね状をなさなくてもよい。また例えば、係止部94の表面は、導電性を有していてもよい。この場合、係止部94を介して連結端子96がグランド層54と電気的に接続されることを防止するために、第4挿入穴66における係止部94が配置される部分、即ち第4挿入穴66において導電部93が配置される部分よりも同第4挿入穴66の底部側の部分の内周面に、塗装、塗布、めっき等により形成された絶縁性の絶縁層を設ける。なお、第4挿入穴66の内周面に設けられる当該絶縁層は、上記実施形態の連結ブロック50に更に設けてもよい。また、接地端子92は、係止部94を必ずしも備えなくてもよい。
【0109】
・上記実施形態では、グランド層54における第3貫通孔55の内周面に絶縁膜が設けられることにより、連結端子96とグランド層54とが絶縁されている。連結端子96とグランド層54とを絶縁する構成は、これに限らない。例えば、連結端子96におけるグランド層54に配置される部分の外周面に絶縁膜が施されてもよい。この場合、グランド層54における第3貫通孔55の内周面には、絶縁膜が設けられてもよいし、設けられなくてもよい。
【0110】
・上記実施形態では、グランド層54は、通電層53の下端面に設けられている。しかしながら、連結ブロック本体51において、グランド層54が設けられる位置はこれに限らない。例えば、グランド層54は、通電層53の上端面に設けられてもよい。また、連結ブロック本体51が有するグランド層54の数は、1つに限らず、複数であってもよい。また、連結ブロック本体51は、必ずしもグランド層54を備えなくてもよい。
【0111】
・第1~第4配線ユニット21~24の各々に備えられる給電ブロック30の数、連結ブロック50の数、これら給電ブロック30及び連結ブロック50の配置及び接続態様は適宜変更してもよい。また、第1~第4配線ユニット21~24の各々においては、給電ブロック30の数、連結ブロック50の数、これら給電ブロック30及び連結ブロック50の配置及び接続態様を変更することにより、ヒューズ81の数や接続位置を変更可能である。
【0112】
例えば、図14に図示した上記実施形態の第4配線ユニット24において、右側に位置する給電ブロック30が有する第2通電部材33と、同給電ブロック30の下方に配置された第1連結ブロック50aが有する第3通電部材52との間に接続されるヒューズ81を省略することが考えられる。この場合、給電ブロック30の第2貫通孔37、第1~第3連結ブロック50a~50cの第3貫通孔55を貫通する連結端子96によって、給電ブロック30の第2通電部材33及び第1~第3連結ブロック50a~50cの第3通電部材52を電気的に接続できる。なお、この場合には、第2貫通孔37の下側の開口が「第2挿入口」に該当するとともに、連結端子96が「接続端子」に該当する。
【0113】
また例えば、図14に図示した上記実施形態の第4配線ユニット24において、2つの第3連結ブロック50cが有する第3通電部材52の間にヒューズ81を接続してもよい。この場合、上側の第3連結ブロック50cの第3ヒューズ端子挿入口59にヒューズ81の第1ヒューズ端子82が挿入される。更に、下側の第3連結ブロック50cの第2ヒューズ端子挿入口58に同ヒューズ81の第2ヒューズ端子83が挿入される。そして、連結端子96は、第3連結ブロック50cの第3貫通孔55には挿入されず、第1連結ブロック50aの第3貫通孔55及び第2連結ブロック50bの第3貫通孔55にのみ挿入される。
【0114】
また例えば、給電ブロック30に対して、上下方向の両側に連結ブロック50を配置してもよい。
・連結端子96の形状は、円柱状に限らない。例えば、連結端子96は、連結ブロック50の第3貫通孔55を貫通可能な棒状をなすことが好ましい。例えば、連結端子96は、円筒状であってもよい。また、連結端子96は、第3貫通孔55の内径より小さい外径を有する棒状部と、当該棒状部に一体に設けられ棒状部よりも外径が大きく第3通電部材52の内周面に接触可能な接続部とを有するものであってもよい。
【0115】
・第1通電部材32は、第1通電部材32の軸方向の両端部がブロック本体31の外部に突出しないように配置されるのであれば、必ずしも第1貫通孔34の貫通方向の中央部に配置されなくてもよい。即ち、第1通電部材32は、ブロック本体31の内部に保持されて、第1挿入口35に挿入された第1給電端子71もしくは第2給電端子72が電気的に接続可能であれば、ブロック本体31の内部の何れの位置に配置されてもよい。
【0116】
・第2通電部材33は、第2通電部材33の軸方向の両端部がブロック本体31の外部に突出しないように配置されるのであれば、必ずしも第2貫通孔37の軸方向の中央部に配置されなくてもよい。即ち、第2通電部材33は、ブロック本体31の内部に保持されてブロック本体31の内部で第1通電部材32と電気的に接続されるとともに、第1ヒューズ端子挿入口41に挿入された第1ヒューズ端子82が電気的に接続可能であれば、ブロック本体31の内部の何れの位置に配置されてもよい。
【0117】
・上記実施形態では、ブロック本体31の内部で第1通電部材32と第2通電部材33とを電気的に接続するために、第1貫通孔34における貫通方向の中央部と、第2貫通孔37における貫通方向の中央部とが接している。しかしながら、第1貫通孔34は、同第1貫通孔34における貫通方向の中央部からずれた位置で第2貫通孔37に接してもよい。また、第2貫通孔37は、同第2貫通孔37における貫通方向の中央部からずれた位置で第1貫通孔34に接してもよい。この場合、第1通電部材32の外周面は、第1貫通孔34の貫通方向の中央部に限らず、第1貫通孔34における第2貫通孔37と接する部分から第2貫通孔37の内部に露出する。同様に、第2通電部材33の外周面は、第2貫通孔37の貫通方向の中央部に限らず、第2貫通孔37における第1貫通孔34と接する部分から第1貫通孔34の内部に露出する。そして、第2貫通孔37の内部に露出した第1通電部材32の外周面と、第1貫通孔34の内部に露出した第2通電部材33の外周面とが接触することにより、第1通電部材32と第2通電部材33とが電気的に接続される。
【0118】
・ブロック本体31における第1貫通孔34及び第2貫通孔37の位置は、上記実施形態の位置に限らない。第1貫通孔34及び第2貫通孔37は、第1貫通孔34の内部に配置された第1通電部材32と、第2貫通孔37の内部に配置された第2通電部材33とが、ブロック本体31の内部で電気的に接続される位置に設けられればよい。
【0119】
・連結ブロック本体51における第3貫通孔55の位置は、上記実施形態の位置に限らない。第3貫通孔55は、第2ヒューズ端子挿入口58に挿入された第2ヒューズ端子83、第3ヒューズ端子挿入口59に挿入された第1ヒューズ端子82、及び出力端子挿入口63に挿入された出力端子91が、第3貫通孔55の内部に配置された第3通電部材52に電気的に接続可能となる位置に設けられればよい。
【0120】
・第3通電部材52は、第3通電部材52の軸方向の両端部が連結ブロック本体51の外部に突出しないように配置されるのであれば、必ずしも第3貫通孔55において通電層53の上下方向の中央部となる位置に配置されなくてもよい。即ち、第3通電部材52は、連結ブロック本体51の内部に保持されて、第2ヒューズ端子挿入口58に挿入された第2ヒューズ端子83や第3ヒューズ端子挿入口59に挿入された第1ヒューズ端子82が電気的に接続可能であれば、連結ブロック本体51の内部の何れの位置に配置されてもよい。更に、第3通電部材52は、出力端子挿入口63に挿入された出力端子91が電気的に接続可能な位置に配置されることが好ましい。但し、第3通電部材52は、グランド層54とは電気的に接続されない。
【0121】
・第1~第4配線ユニット21~24のうち少なくとも1つの配線ユニットに、出力端子挿入口63を備えない連結ブロック50が含まれてもよい。
・第1~第4配線ユニット21~24のうち少なくとも1つの配線ユニットに、第2ヒューズ端子挿入口58及び第3ヒューズ端子挿入口59の少なくとも一方を備えない連結ブロック50が含まれてもよい。
【0122】
・第1通電部材32、第2通電部材33、及び第3通電部材52は、必ずしも円筒状でなくてもよい。第1通電部材32は、第1挿入口35に挿入された第1給電端子71もしくは第2給電端子72が電気的に接続可能な形状であればよい。また、第2通電部材33は、第1通電部材32と電気的に接続され、且つ、第1ヒューズ端子挿入口41に挿入された第1ヒューズ端子82が電気的に接続可能な形状であればよい。また、第3通電部材52は、第3貫通孔55に挿入された連結端子96が電気的に接続可能な形状であればよい。例えば、第1~第3通電部材32,33,52は、多角筒状、楕円筒状等、円筒状以外の筒状であってもよい。また例えば、第1通電部材32は、第1貫通孔34の貫通方向から見た形状が、環状をなさなくてもよい。また例えば、第1通電部材32は、第1貫通孔34の内周面に露出する板状をなすものであってもよい。第2通電部材33及び第3通電部材52についても同様に変更してもよい。
【0123】
・第1~第4配線ユニット21~24のうち少なくとも1つの配線ユニットに、第1接続口36が閉塞された給電ブロック30が含まれてもよい。第1接続口36が閉塞された給電ブロック30は、例えば、配線ユニットが有する給電ブロック30の数が1つである場合に用いることができる。また例えば、第3配線ユニット23や第4配線ユニット24において、並べて配置された複数の給電ブロック30のうち一方の端に位置する給電ブロック30を、第1接続口36が閉塞された給電ブロック30とすることができる。
【0124】
・給電ブロック30が有する第1ヒューズ端子挿入口41,42の数は、適宜変更してもよい。また、第1~第4配線ユニット21~24のうち少なくとも1つの配線ユニットに、第1ヒューズ端子挿入口41,42を備えない給電ブロック30が含まれてもよい。
【0125】
・第1給電端子71及び第2給電端子72の形状は、円柱状に限らない。第1及び第2給電端子71,72は、給電ブロック30の第1貫通孔34を貫通可能な棒状をなすことが好ましい。例えば、第1及び第2給電端子71,72は、円筒状であってもよい。また、第1及び第2給電端子71,72は、第1貫通孔34の内径より小さい外径を有する棒状部と、当該棒状部に一体に設けられ棒状部よりも外径が大きく第1通電部材32の内周面に接触可能な接続部とを有するものであってもよい。
【0126】
・上記実施形態では、第1通電部材32と第2通電部材33とは、互いの外周面が接触することにより電気的に接続されている。しかしながら、第1通電部材32と第2通電部材33とを電気的に接続する方法は、これに限らない。例えば、第1通電部材32と第2通電部材33とは、ブロック本体31の内部に設けられる導電性の接続部材を介して電気的に接続されてもよい。また、第1通電部材32と第2通電部材33とは、一体に形成されることにより電気的に接続されてもよい。
【0127】
・ブロック本体31の形状は、立方体状に限らない。ブロック本体31の形状は、例えば、直方体状、円錐台形状、多角錐台形状等であってもよい。
・連結ブロック本体51の形状は、立方体状に限らない。連結ブロック本体51の形状は、例えば、直方体状、円錐台形状、多角錐台形状等であってもよい。
【0128】
・給電ブロック30において、第1挿入口35、第1ヒューズ端子挿入口41,42等の開口の位置は、適宜変更してもよい。
・連結ブロック50において、第1連結口56、第2連結口57、第2ヒューズ端子挿入口58、第3ヒューズ端子挿入口59、出力端子挿入口63等の開口の位置は適宜変更してもよい。
【0129】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記第1連結ブロック本体は、前記通電層及び前記グランド層をそれぞれ貫通するように前記第1連結ブロック本体を貫通する第1連結孔を有し、前記第3通電部材は、前記第1連結孔の内部に露出しており、前記係止部材挿入口は、前記第1連結孔の一方の開口である請求項10に記載の配線ユニット。
【0130】
上記態様によれば、第3通電部材を内部に露出させる第1連結孔を利用して、接地端子がグランド層から抜けることを抑制できる。
【符号の説明】
【0131】
1 配線システム
10 電気機器
11 電気機器
12 電気機器
13 電気機器
14 電気機器
20 バッテリ
21 第1配線ユニット
22 第2配線ユニット
23 第3配線ユニット
24 第4配線ユニット
30 給電ブロック
31 ブロック本体
32 第1通電部材
33 第2通電部材
34 第1貫通孔
35 第1挿入口
36 第1接続口
37 第2貫通孔
38 第2接続口
39 第3接続口
41 第1ヒューズ端子挿入口
42 第1ヒューズ端子挿入口
44 第1挿入穴
50 連結ブロック
50a 第1連結ブロック
50b 第2連結ブロック
50c 第3連結ブロック
51 連結ブロック本体
52 第3通電部材
53 通電層
54 グランド層
55 第3貫通孔
56 第1連結口
57 第2連結口
58 第2ヒューズ端子挿入口
59 第3ヒューズ端子挿入口
61 第2挿入穴
62 第2挿入穴
63 出力端子挿入口
64 第3挿入穴
65 接地端子挿入口
66 第4挿入穴
71 第1給電端子
72 第2給電端子
81 ヒューズ
82 第1ヒューズ端子
83 第2ヒューズ端子
91 出力端子
92 接地端子
93 導電部
94 係止部
95 係止部材
96 連結端子
101 第1電線
102 第2電線
103 第3電線
104 第4電線
A1 第1設置エリア
A2 第2設置エリア
A3 第3設置エリア
A4 第4設置エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15