(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】フィールド機器
(51)【国際特許分類】
G01F 15/14 20060101AFI20230816BHJP
G01F 1/325 20220101ALI20230816BHJP
G01D 3/028 20060101ALI20230816BHJP
G01D 11/24 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
G01F15/14
G01F1/325 M
G01D3/028 Z
G01D11/24 A
(21)【出願番号】P 2020181674
(22)【出願日】2020-10-29
【審査請求日】2022-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】田口 雅矢
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-166843(JP,A)
【文献】米国特許第6243654(US,B1)
【文献】特開2002-107192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00 - 9/02
G01F15/00 -15/18
G01L 7/00 -23/32
G01L27/00 -27/02
G01D 3/028- 3/036
G01D11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出器から出力されるアナログ信号を伝達するアナログ信号伝達部が挿入可能なアンプシールド室を有する筐体部と、
前記アンプシールド室内に配置され、前記アナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換部と、
前記アンプシールド室内に配置され、前記アナログ信号伝達部と前記信号変換部とを着脱可能に接続するコネクタと、
前記アンプシールド室の内部と外部とを連通させる連通孔と、
前記筐体部の内部であって前記アンプシールド室の外部に配置された本体部と、前記本体部から延び前記連通孔を介して前記アンプシールド室の内部に挿入された挿入部と、を有する基板部と、
前記基板部が通った前記連通孔を閉塞するアンプシールド板と、
を備える、フィールド機器。
【請求項2】
前記アンプシールド板は、前記基板部と共に、前記アンプシールド室の外部において前記筐体部にねじ止めされている、
請求項1に記載のフィールド機器。
【請求項3】
前記筐体部は、前記挿入部の一方側の板面と対向する隔壁部と、前記隔壁部から突出し、前記挿入部の周囲を囲うと共に一部に前記連通孔が形成された周壁部と、を備え、
前記周壁部の前記隔壁部と反対側の開口端縁に載置され、前記挿入部の他方側の板面と対向すると共に、シールドパターンが形成された第2の基板部を有し、
前記アンプシールド室は、前記隔壁部、前記周壁部、前記第2の基板部、及び前記アンプシールド板によって形成されている、
請求項1または2に記載のフィールド機器。
【請求項4】
前記アナログ信号伝達部は、前記検出器と接続された部分と、前記筐体部の内部に挿入された部分とを、前記筐体部の外部において着脱可能に接続する第2のコネクタを備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載のフィールド機器。
【請求項5】
検出器から出力されるアナログ信号を伝達するアナログ信号伝達部が挿入可能なアンプシールド室を有する筐体部と、
前記アンプシールド室内に配置され、前記アナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換部と、
前記アンプシールド室内に配置され、前記アナログ信号伝達部と前記信号変換部とを着脱可能に接続するコネクタと、
を備え、
前記アナログ信号伝達部は、前記検出器と接続された部分と、前記筐体部の内部に挿入された部分とを、前記筐体部の外部において着脱可能に接続する第2のコネクタを備える、フィールド機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィールド機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フィールド機器の一つとして、下記特許文献1に記載の渦流量計が知られている。この渦流量計は、筒状の側壁と、この側壁の中央部分に設けられた隔壁と、を有する容器を備える。この容器の内部は、側壁と隔壁とによって端子箱室とアンプ室とに区分けされている。端子箱室には、信号端子部と電源端子部とを有する端子箱部が設けられている。アンプ室には、入力信号と電源入力を処理するアンプ部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、アンプ室には、電源ノイズ等のノイズの影響を受けないようにするために、アンプシールド室が形成されている。このアンプシールド室には、例えば、検出部の検出結果であるアナログ信号を伝達する信号線が収容される。従来、この信号線は、アンプシールド室に配置された基板にねじ止めされていた。信号線を基板にねじ止めすると、アンプシールド室にねじを配置するスペースのみならず、ねじ回しするためのスペースを確保する必要があった。このため、アンプシールド室が広くなっており、アンプシールド室の外部の設計自由度が限定されていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アンプシールド室を小型化できるフィールド機器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様に係るフィールド機器は、検出器から出力されるアナログ信号を伝達するアナログ信号伝達部が挿入可能なアンプシールド室を有する筐体部と、前記アンプシールド室の内部に配置され、前記アナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換部と、前記アンプシールド室の内部に配置され、前記アナログ信号伝達部と前記信号変換部とを着脱可能に接続するコネクタと、を備える。
【0007】
(2)上記(1)に記載されたフィールド機器であって、前記アンプシールド室の内部と外部とを連通させる連通孔と、前記筐体部の内部であって前記アンプシールド室の外部に配置された本体部と、前記本体部から延び前記連通孔を介して前記アンプシールド室の内部に挿入された挿入部と、を有する基板部と、前記基板部が通った前記連通孔を閉塞するアンプシールド板と、を有してもよい。
【0008】
(3)上記(2)に記載されたフィールド機器であって、前記アンプシールド板は、前記基板部と共に、前記アンプシールド室の外部において前記筐体部にねじ止めされていてもよい。
【0009】
(4)上記(2)または(3)に記載されたフィールド機器であって、前記筐体部は、前記挿入部の一方側の板面と対向する隔壁部と、前記隔壁部から突出し、前記挿入部の周囲を囲うと共に一部に前記連通孔が形成された周壁部と、を備え、前記周壁部の前記隔壁部と反対側の開口端縁に載置され、前記挿入部の他方側の板面と対向すると共に、シールドパターンが形成された第2の基板部を有し、前記アンプシールド室は、前記隔壁部、前記周壁部、前記第2の基板部、及び前記アンプシールド板によって形成されていてもよい。
【0010】
(5)上記(1)~(4)のいずれかに記載されたフィールド機器であって、前記アナログ信号伝達部は、前記検出器と接続された部分と、前記筐体部の内部に挿入された部分とを、前記筐体部の外部において着脱可能に接続する第2のコネクタと、を備えてもよい。
【発明の効果】
【0011】
上記本発明の一態様によれば、アンプシールド室を小型化できるフィールド機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係るフィールド機器を示す斜視図である。
【
図2】一実施形態に係るフィールド機器を示す断面構成図である。
【
図4】一実施形態に係る第2の基板部を取り去った状態のアンプシールド室を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るフィールド機器について詳細に説明する。以下では、まず本発明の一実施形態の概要について説明し、続いて本発明の一実施形態の詳細について説明する。
【0014】
〔概要〕
上述した特許文献1の渦流量計は、管路内に置かれた渦発生体から放出されるカルマン渦の周波数を測定することで、流速、流量を測定する計測器である。渦周波数を検出する方式として応力検出方式があり、渦発生体の上部若しくは内部に応力検出素子を配置し、渦発生体に働く交番揚力を検出し、カルマン渦の周波数を測定する。応力検出素子からのセンサアナログ信号は、センサリード線で検出器から変換器に信号伝達する。変換器に伝達されたアナログ信号は、アンプシールド室でデジタル信号に変換する。アンプシールド室では、変換器の金属容器とアンプシールド板により外部ノイズおよび電源ノイズからシールドしている。
【0015】
従来は、応力検出素子によって渦発生体に働く交番揚力を検出し、検出したセンサアナログ信号をセンサリード線で直接、アンプシールド室の基板にねじ止め接続している。この構造で外部電気ノイズからシールド性を確保する場合には、ねじ止め接続箇所を含むアンプシールド室のエリアが広くなり、基板設計の自由度が限定されてしまう。
また、センサリード線を基板に固定するため、変換器内部にアクセスし、センサリード線を外さないと変換器を本体から取り外せず、変換器の向きの変更もできず、メンテナンス性に優れていない。
【0016】
本発明の一実施形態は、フィールド機器において、センサリード線を変換器内部でコネクタ接続することにより、アンプシールド室を小型化するものである。また、本発明の一実施形態は、検出器と変換器の間に中継部を作り、センサリード線を変換器外部でコネクタ接続することにより、変換器内部にアクセスせずに、変換器の取り外しや変換器の向き変更を可能とするものである。
【0017】
〔実施形態〕
図1は、一実施形態に係るフィールド機器1を示す斜視図である。
図2は、一実施形態に係るフィールド機器1を示す断面構成図である。
図1に示すように、フィールド機器1は、配管検出器2(検出器)と、変換器3と、を備えている。配管検出器2は、
図2に示すように、配管部4と、検出部20と、を備えている。
【0018】
なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。X軸方向は、配管検出器2において流体が流れる方向とする。Z軸方向は、上記X軸方向に直交する方向において、配管検出器2に変換器3が接続される方向とする。Y軸方向は、上記X軸方向及び上記Z軸方向と直交する方向とする。
【0019】
配管部4は、
図1に示すように、X軸方向に延びる円筒状に形成されている。配管部4の両端には、図示しない外部配管と接続可能なフランジ5が設けられている。フランジ5には、配管部4の中心軸回りの周方向において間隔をあけて複数の接続孔5aが形成されている。配管部4の周面には、Z軸方向に台座部6が立設している。台座部6の上面には、変換器3を支持するホルダ10が接続されている。
【0020】
検出部20は、
図2に示すように、ロッド状に形成されている。検出部20は、台座部6の上面から配管部4に向かってZ軸方向に延びると共に配管部4を貫通する貫通孔7に挿入されている。台座部6の上面には、検出部20を固定する固定ブロック13が、ボルト13aを介してねじ止めされている。
【0021】
検出部20の内部には、応力検出素子21が設けられている。応力検出素子21は、配管部4の内部に配置された検出部20の渦発生体に働く交番揚力を検出し、カルマン渦の周波数を測定すると共に、該周波数から流体の流速、流量を測定するものである。なお、検出部20は、流速、流量の検出だけでなく、例えば、温度、湿度、圧力、振動、加速度、回転数などの各種の物理的パラメータを検出するセンサを備えてもよい。
【0022】
検出部20(応力検出素子21)から出力される検出信号(アナログ信号)は、アナログ信号伝達部40を介して変換器3に伝達される。ホルダ10は、固定ブロック13をY軸方向で跨ぐ一対の脚部11と、一対の脚部11に支持され、変換器3を支持する支持部12と、を備えている。一対の脚部11は、台座部6の上面に、ボルト11aを介してねじ止めされている。
【0023】
支持部12は、Z軸方向に開口する有底筒状に形成されている。支持部12には、変換器3に設けられた装着筒部31dが挿入されると共に、ボルト12aを介して装着筒部31dがねじ止めされている。支持部12の底部は、Z軸方向に貫通しており、当該貫通部には、アナログ信号伝達部40を保持する保持部品12bが設けられている。
【0024】
装着筒部31dには、アナログ信号伝達部40が挿入されるアンプシールド室30Aに連通する連通孔31cが形成されている。連通孔31cの下端開口には、後述する第2のコネクタ43が着脱可能に接続される接続基板部57が配置されている。なお、連通孔31cには、アナログ信号伝達部40を保持する保持部品や、連通孔31cをシールするシール部品が設けられていても構わない。
【0025】
変換器3は、アナログ信号伝達部40が挿入されるアンプシールド室30Aを有する筐体部30を備えている。アンプシールド室30Aには、アナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換部50と、アナログ信号伝達部40と信号変換部50とを着脱可能に接続するコネクタ60と、が配置されている。
【0026】
筐体部30は、Y軸方向に延びる筒状の筐体本体31と、筐体本体31の一端側(-Y側)に装着された第1のカバー32と、筐体本体31の他端側(+Y側)に装着された第2のカバー33と、を備えている。筐体本体31の内部には、Y軸方向の略中間位置に隔壁部31aが設けられている。なお、筐体部30のうち、筐体本体31は少なくとも電気ノイズを遮断できる材質であればよく、例えば金属製であるとよい。第1のカバー32及び第2のカバー33は、樹脂製であってもよい。
【0027】
筐体部30において隔壁部31aより左側(-Y側)の空間は、アンプ室になっており、第1の基板部51、第2の基板部52、第3の基板部53、第4の基板部54、及び表示装置55が配置されている。第1のカバー32には、表示装置55の表示面を露出させる窓部32aが設けられている。表示装置55は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどであり、例えば、流体の流速や流量などを表示する。
【0028】
筐体部30において隔壁部31aより右側(+Y側)の空間は、端子箱室になっており、端子箱56が配置されている。端子箱56には、筐体本体31に形成された外部配線導入孔34から導入された図示しない外部配線が接続されている。この外部配線には、電源線や信号線が含まれている。なお、フィールド機器1が外部電力で動作しない場合は、端子箱室に電源や無線通信機器が配置されていても構わない。
【0029】
信号変換部50は、アナログ信号伝達部40とコネクタ60を介して接続され、アナログ信号をデジタル信号に変換する。なお、信号変換部50は、アンプシールド室30Aの内部であれば、第1の基板部51(の後述する挿入部51B)や第2の基板部52に設けられていても構わない。また、信号変換部50は、モジュールとしてパッケージ化されていなくてもよく、例えば、第1の基板部51や第2の基板部52に設けられた信号変換回路であっても構わない。つまり、第1の基板部51及び第2の基板部52のいずれか一方が、信号変換部50を含むものであっても構わない。
【0030】
第1の基板部51は、筐体部30の内部であってアンプシールド室30Aの外部に配置された本体部51Aと、本体部51Aから延びアンプシールド室30Aの連通孔31b1(後述する
図3参照)を介してアンプシールド室30Aの内部に挿入された挿入部51Bと、を有している。挿入部51Bは、アンプシールド室30Aの内部において、コネクタ60を介してアナログ信号伝達部40と接続されると共に、コネクタ61を介して第2の基板部52と接続されている。
【0031】
第2の基板部52は、アンプシールド室30Aの外部において、コネクタ62を介して第1の基板部51の本体部51Aと接続されている。また、本体部51Aは、隔壁部31aを貫通する接続端子63を介して、端子箱56と接続されている。アナログ信号伝達部40から伝達されたアナログ信号は、アンプシールド室30Aにおいてデジタル信号に変換され、第2の基板部52、コネクタ62、本体部51A、及び接続端子63を介して端子箱56に伝達される。そして、端子箱56に伝達されたデジタル信号は、端子箱56に接続された図示しない信号線を介して例えば外部装置などに伝達される。
【0032】
図3は、
図2に示す矢視A図である。
図4は、一実施形態に係る第2の基板部52を取り去った状態のアンプシールド室30Aを示す斜視図である。
図5は、
図3に示すV-V断面図である。
図5に示すように、アンプシールド室30Aは、筐体本体31に設けられた隔壁部31a及び周壁部31b、第2の基板部52、及びアンプシールド板80によって形成されている。
【0033】
隔壁部31aは、挿入部51Bの一方側(+Y側)の板面と対向している。周壁部31bは、隔壁部31aから-Y側に突出し、
図3に示すように挿入部51Bの周囲を囲うと共にその一部に連通孔31b1が形成されている。連通孔31b1には、上述したように第1の基板部51の挿入部51Bが通されている。アンプシールド板80は、
図4に示すように、第1の基板部51の挿入部51Bが通った連通孔31b1を閉塞する。アンプシールド板80は、電気ノイズを遮断できる材質であればよく、例えば金属板である。
【0034】
図5に示すように、第2の基板部52は、周壁部31bの隔壁部31aと反対側の開口端縁に載置され、挿入部51Bの他方側(-Y側)の板面と対向している。第2の基板部52には、シールドパターン52aが形成されている。シールドパターン52aは、コネクタ61を除く部分であって、少なくとも周壁部31bの開口端及びアンプシールド板80の先端部81が当接する環状部分に形成されているとよい。なお、
図5に示すシールドパターン52aは、第2の基板部52の-Y側の表面にも形成され、上記環状部分の内側の領域を覆っているが、当該環状部分の内側の領域を覆う部分は、第2の基板部52の内部(内層)に形成されていてもよい。
【0035】
アンプシールド板80は、アンプシールド室30Aの内側に向かって折り曲げられた先端部81と、アンプシールド室30Aの外側に向かって折り曲げられた固定部82と、を有している。先端部81は、第2の基板部52のシールドパターン52aに当接し、同じくシールドパターン52aと当接する周壁部31b(筐体本体31)と同じグランド電位に落ちている。また、先端部81は、周壁部31bと同等のノイズ遮断機能を有するために、周壁部31bの厚みと同等の長さを有する。なお、アンプシールド板80の先端部81は、アンプシールド室30Aの外側に向かって折り曲げられていても構わない。
【0036】
固定部82は、第1の基板部51と共に、アンプシールド室30Aの外部において筐体本体31にボルト73を介してねじ止めされている。隔壁部31aには、ボルト73を螺合するためのねじ台座部31a1が形成されている。第1の基板部51は、
図3に示すように、アンプシールド室30Aの近傍でボルト73を介してねじ止めされると共に、ボルト73と略対角線上に配置されたボルト72によって筐体本体31にねじ止めされている。つまり、第1の基板部51は、2本のボルト72,73によって筐体本体31にねじ止めされている。
【0037】
なお、筐体本体31のボルト73の近傍には、
図2に示す第3の基板部53や第4の基板部54を支持する支持ロッド70が螺合する第2のねじ台座部31eが形成されている。ねじ台座部31eは、X軸方向に離間して一対で設けられている。
【0038】
図2に示すように、アナログ信号伝達部40は、検出部20と接続された第1部分41と、筐体部30の内部に挿入された第2部分42と、第1部分41と第2部分42とを、筐体部30の外部において着脱可能に接続する第2のコネクタ43と、を備えている。第1部分41は、例えば、一端部が応力検出素子21と接続され、他端部に第2のコネクタ43が設けられて接続基板部57に接続されたフレキシブルなセンサリード線である。第1部分41は、保持部品12bを介してホルダ10に保持されている。
【0039】
第2部分42は、例えば、一端部が接続基板部57に接続され、他端部にコネクタ60が設けられて信号変換部50に接続された回路基板である。第2部分42は、リジット基板でもフレキシブル基板であっても構わない。
【0040】
第2のコネクタ43は、ホルダ10の支持部12と、筐体部30(筐体本体31)の装着筒部31dによって囲まれた空間に配置されている。この構成によれば、ボルト12aを取り外し、支持部12から装着筒部31dを抜き出すことで、第2のコネクタ43にアクセスすることができる。
【0041】
上記構成のフィールド機器1においては、
図3に示すように、アナログ信号を伝達するアナログ信号伝達部40が、アンプシールド室30Aにおいてコネクタ60を介して、信号変換部50と着脱可能に接続される。このため、アンプシールド室30Aの内部にねじを配置する必要がなく、アンプシールド室30Aを小型化することができる。したがって、アンプシールド室30Aの外部スペースが広くなり、アンプシールド室30Aの外部の設計自由度が向上する。
【0042】
このように、上述した本実施形態のフィールド機器1によれば、配管検出器2から出力されるアナログ信号を伝達するアナログ信号伝達部40が挿入可能なアンプシールド室30Aを有する筐体部30と、アンプシールド室30Aの内部に配置され、アナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換部50と、アンプシールド室30Aの内部に配置され、アナログ信号伝達部40と信号変換部50とを着脱可能に接続するコネクタ60と、を備える、という構成を採用することによって、アンプシールド室30Aを小型化することができる。
【0043】
また、本実施形態では、
図3に示すように、アンプシールド室30Aには、筐体部30の内部であって、アンプシールド室30Aの内部と外部とを連通させる連通孔31b1が形成され、筐体部30の内部であってアンプシールド室30Aの外部に配置された本体部51Aと、本体部51Aから延び連通孔31b1を介してアンプシールド室30Aの内部に挿入された挿入部51Bと、を有する第1の基板部51と、第1の基板部51が通った連通孔31b1を閉塞するアンプシールド板80と、を有している。この構成によれば、アンプシールド室30Aの内部に配置される基板部(挿入部51B)と、アンプシールド室30Aの外部に配置される基板部(本体部51A)とを一体化し、部品点数を削減できる。また、アンプシールド板80を連通孔31b1に設置することで、アンプシールド室30Aのシールド性を保つことができる。
【0044】
また、本実施形態では、アンプシールド板80は、第1の基板部51と共に、アンプシールド室30Aの外部において筐体部30にねじ止めされている。この構成によれば、ボルト73によって、第1の基板部51とアンプシールド板80とを共締めでき、アンプシールド室30Aの外部のボルトの設置数を削減し、アンプシールド室30Aの外部の設計自由度を向上させることができる。
【0045】
また、本実施形態では、
図5に示すように、筐体部30は、挿入部51Bの一方側の板面と対向する隔壁部31aと、隔壁部31aから突出し、挿入部51Bの周囲を囲うと共に一部に連通孔31b1が形成された周壁部31bと、を備え、周壁部31bの隔壁部31aと反対側の開口端縁に載置され、挿入部51Bの他方側の板面と対向すると共に、シールドパターン52aが形成された第2の基板部52を有し、アンプシールド室30Aは、隔壁部31a、周壁部31b、第2の基板部52、及びアンプシールド板80によって形成されている。この構成によれば、筐体部30の隔壁部31a及び周壁部31bに、第2の基板部52及びアンプシールド板80を組み合わせて小型のアンプシールド室30Aを形成できる。
【0046】
また、本実施形態では、
図2に示すように、アナログ信号伝達部40は、検出部20と接続された第1部分41と、筐体部30の内部に挿入された第2部分42と、第1部分41と第2部分42とを、筐体部30の外部において着脱可能に接続する第2のコネクタ43と、を備えている。この構成によれば、変換器3の内部にアクセスせずに、配管検出器2(ホルダ10)から変換器3を取り外すことができ、また、変換器3の向きの変更も可能となる。
【0047】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0048】
例えば、上記実施形態では、アンプシールド室30Aの内部の基板部(挿入部51B)と、アンプシールド板80の外部の基板部(本体部51A)とが一体化されている構成について説明したが、アンプシールド室30Aの内部の基板部が、アンプシールド板80の外部の基板部と分離していてもよい。この場合、周壁部31bの連通孔31b1は無くても構わない。つまり、周壁部31bがアンプシールド室30Aの全周を覆う(囲む)ように形成されていてもよい。この場合、アンプシールド室30Aの内部の基板部(挿入部51B)が第2の基板部と接続されることによって固定されてもよく、その他の固定手段によって固定されても構わない。
【0049】
また、例えば、上記実施形態では、筐体部30を配管検出器2に接続したフィールド機器1について説明したが、コネクタ60によってアナログ信号伝達部40が筐体部30から着脱可能となったため、フィールド機器1は少なくとも筐体部30を備える構成であればよく、配管検出器2や他の検出器に接続されている構成に限定されない。例えば、圧力伝送器や温度伝送器が、上述した筐体部30を備えていても構わない。
【符号の説明】
【0050】
1 フィールド機器
2 配管検出器(検出器)
20 検出部
30 筐体部
30A アンプシールド室
31a 隔壁部
31b 周壁部
31b1 連通孔
40 アナログ信号伝達部
41 第1部分
42 第2部分
43 第2のコネクタ
50 信号変換部
51 第1の基板部(基板部)
51A 本体部
51B 挿入部
52 第2の基板部
52a シールドパターン
60 コネクタ(第1のコネクタ)
80 アンプシールド板