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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】置換されたアニオン性化合物
(51)【国際特許分類】
   C07H 15/04 20060101AFI20230816BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230816BHJP
   A61K 38/28 20060101ALI20230816BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20230816BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230816BHJP
   A61K 47/30 20060101ALI20230816BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
C07H15/04 D CSP
C07H15/04 F
A61K9/08
A61K38/28
A61K47/12
A61K47/26
A61K47/30
A61P3/10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019087751
(22)【出願日】2019-05-07
(62)【分割の表示】P 2017207105の分割
【原出願日】2013-11-13
(65)【公開番号】P2019142955
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2019-06-06
【審判番号】
【審判請求日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】12/60808
(32)【優先日】2012-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】61/725,775
(32)【優先日】2012-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】12/60855
(32)【優先日】2012-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】61/726,349
(32)【優先日】2012-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508090088
【氏名又は名称】アドシア
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】スーラ,オリビエ
(72)【発明者】
【氏名】スーラ,ジェラール
(72)【発明者】
【氏名】ドーティ,エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】シヤルベ,リシヤル
【合議体】
【審判長】瀬良 聡機
【審判官】冨永 保
【審判官】木村 敏康
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-215207(JP,A)
【文献】特表2012-521980(JP,A)
【文献】特表2010-505008(JP,A)
【文献】ORGANIC LETTERS、(2012)、Vol.14、No.6、pp.1464-1467
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式で表される置換されたアニオン性化合物であって、
【化1】
式中、Rは、H、R'又はR-[AA]であり、
-R'は、
【化2】
を表し、
-R-[AA]は、
【化3】
を表し、
ヘキソースの置換度jは、-R-[AA]について、0.3乃至1.8であり、かつ、
ヘキソースの置換度iは、-R'について、0.3乃至3である、
置換されたアニオン性化合物。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換されたアニオン性化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
1980年代初頭の遺伝子工学によるインスリンの製造以来、糖尿病患者は、それらの治療のためのヒトインスリンから恩恵を受けてきた。この製造物は、非ヒトインスリン、特にブタインスリンの使用に関連した免疫学的危険性が解消されるため、その治療を大きく改善してきた。しかしながら、皮下注射されたヒトインスリンは、その後60分間しか血糖値低下作用を有しておらず、このことは、ヒトインスイリンを用いて治療される糖尿病患者が、食事の30分前に注射しなければならないことを意味する。
【0003】
糖尿病患者の健康及び快適さを改善するために解決されるべき問題の1つは、健康人の生理的反応に近い反応が可能であれば、ヒトインスリンよりもより迅速な血糖低下反応を与えるインスリン製剤を用いて、それらを提供することである。健康な個人の内因性インスリンの分泌は、血糖値上昇によって直ちに開始される。この対象は、インスリンの注射と食事の開始との間の遅れを最小にすることである。
【0004】
今や、そのような製剤の提供は、患者が最良の可能な医療を受けるのに使用できると受け入れられている。
【0005】
遺伝子工学は、速効型インスリンアナログの開発に伴う反応の提供を可能にした。これらのインスリンは、皮下注射後に血液中へより迅速に吸収されるように、1種又は2種のアミノ酸で変性されている。これらインスリンである、リスプロ(ヒューマログ(Humalog)(登録商標),リリー(Lilly))社、アスパルト(ノボログ(Novolog)(登録商標),ノボ(Novo)社)及びグルリシン(アピドラ(Apidra)(登録商標),サノフィアベンチス(Sanofi Aventis)社)は、ヒトインスリンよりもより迅速な血糖低下反応を有する、安定なインスリン溶液である。その結果、これら速効型インスリンアナログを用いて治療された患者は、食事のたった15分前にインスリン注射を受けることが可能である。
【0006】
速効型インスリンアナログの原理は、100IU/mLの濃度にてヘキサマーを形成して、市販品中のインスリンの安定性を確実にする一方で、同時に、速効型を得るために、皮下注射後にこれらヘキサマーのモノマーへの非常に急速な解離を促進することである。
【0007】
市販品形態に配合されたヒトインスリンは、モノマー及びダイマー形態において活性であるが、使用濃度(100IU/mL)にて、亜鉛及びフェノール又はm-クレゾールのような他の賦形剤の存在中においては、当該ヒトインスリンは、会合してヘキサマーを形成するため、食事の開始(血糖値上昇)により生ずる生理的反応と動態的に近似する血糖低下反応が得られない。ヒトインスリンは、モノマー形態においては凝集して、そしてその後に繊維状化する非常に高い傾向にあり、それによってその活性を失うため、4℃にて2年間まで安定であるヘキサマー形態に製造される。さらには、この凝集形態においては、ヒトインスリンは、患者に対して免疫学的危険性を与えてしまう。
【0008】
ヘキサマーのダイマーへの解離及びダイマーのモノマーへの解離は、速効型インスリンアナログと比較した場合、ほぼ20分も作用が遅い(非特許文献1)。
【0009】
さらには、インスリンアナログの血液中への通過動態及びそれらの血糖低下動態は最適ではなく、そして、健康人に分泌される内因性インスリンの動態に近づけるようにさらに短い作用時間を有する製剤が真に必要とされている。
【0010】
バイオデル社(Biodel)は、特許文献1に記載されるとおり、EDTA及びクエン酸を含有するヒトインスリン製剤によって、かかる問題に対する解決法を提案した。亜鉛原子と錯体形成するEDTAの性能、及び、クエン酸とインスリン表面に存在するカチオン部分との相互作用が、インスリンのヘキサマー形態を不安定化し、そしてこのことが作用時間を短くする。
【0011】
しかしながら、そのような製剤はとりわけ、薬事法規の安定性要件に合致し得る唯一つの安定形態である、インスリンのヘキサマー形態を解離するという不具合を有している。
【0012】
本出願人の名義のPCT特許文献2が、カルボキシル基を有する置換された多糖類の添加によって上記の種々の問題を解決し得る、ヒトインスリン又はインスリンアナログ製剤を記載していることもまた既知である。
【0013】
しかしながら、そのような製剤の慢性的な且つ集中的な使用又は同様に小児の使用に必要とされる要件によって、当業者は、それらの離脱を促進するように分子量及びサイズを可能な限り小さくした賦形剤を使用することを模索している。
【0014】
賦形剤として特許文献2及び特許文献3に記載される多糖類は、統計的に長さが種々であり、且つタンパク質活性成分との相互作用が可能な部位が非常に豊富である鎖から成る化合物である。この豊富さが、相互作用に関して特異性の欠如を誘発してしまい、そしてより小さく且つより良好に定義された分子が、これに関してより特異的となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】米国特許出願第200839365号
【文献】国際公開第2010/122385号
【文献】米国特許出願公開第2012/094902A1号
【非特許文献】
【0016】
【文献】Brange J.他,Advanced Drug Delivery Review,35,1999,307-335
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
さらには、良好に定義された主骨格を有する分子は、一般的に質量分析における広範で高い背景ノイズを有するシグナルを与えるポリマーと比較して、薬物動態学的又はADME(吸収、分布、代謝、排泄)実験中の生物学的媒体を、一般的によりたやすく追跡し得る(例えば、MS/MS)。
【0018】
対照的に、良好に定義され且つより短い分子が、タンパク質活性要素との相互作用が可能な部位が欠乏していることは、排除されない。とりわけ、それら分子の小さなサイズのため、実験の部の比較例において示されるとおり、ポリマー効果を損失しているために、それらは多糖類型のポリマーと同様の特性を有していない(とりわけ、等電点でのインスリン分解試験及びアルブミンのようなモデルタンパク質との相互作用試験を参照のこと)。
【課題を解決するための手段】
【0019】
これらの残念な結果にもかかわらず、出願人は、ポリアニオン化合物との併用における置換されたアニオン性化合物を使用することにより、インスリン速度を速め得る製剤を開発するのに成功した。
さらには、多糖類の使用の場合と同様に、インスリンのヘキサマーの性質は影響されず、そしてそのため、さらに、本発明に従う置換されたアニオン性化合物の存在中での円偏光二色性による、ヒトインスリンとインスリンアナログとの会合の様態の実施例により確認されるとおり、製剤の安定性が影響されない。
【0020】
本発明は、対応する市販のインスリン製品と比較した場合に、投与後に、ヒトインスリン又はそのアナログの血液への通過を促進し、そしてより迅速に血糖値を低下させ得る、ヒトインスリン又はインスリンアナログ製剤を特に製造することを可能とするので、上記概略した種々の問題を解決することを可能とする。
【0021】
本発明は、ヘキサマー形態にあるインスリン、少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物及び非ポリマー状ポリアニオン性化合物を含有する水溶液組成物から成る。
用語"置換されたアニオン性化合物"とは、同一の又は異なったグリコシド結合を介して結合した、1乃至8の離散数u(1≦u≦8)の同一又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成る化合物であって、前記糖単位が、環状形態にあるか又は開環還元形態にあるヘキソースから成る群より選択され、前記化合物が部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を意味する。
【0022】
一態様において、インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0023】
一態様において、インスリンは、ヒトインスリンである。
【0024】
用語"ヒトインスリン"とは、ペプチド配列が、対立遺伝子変異及びホモログを包含するヒトインスリンの配列である、合成により又は組換えにより得られたインスリンを意味する。
【0025】
一態様において、インスリンは、欧州薬局方及び米国薬局方に記載されているような、組換え体ヒトインスリンである。
【0026】
一態様において、インスリンは、インスリンアナログである。
【0027】
用語"インスリンアナログ"とは、ヒトインスリンの主配列と比較して少なくとも1つの変性基を有する、組換え体インスリンを意味する。
【0028】
一態様において、インスリンアナログは、インスリンリスプロ(ヒューマログ(Humalog)(登録商標))、インスリンアスパルト(ノボログ(Novolog)(登録商標)、ノボラピッド(Novorapid)(登録商標))及びインスリングルリジン(アピドラ(Apidra)(登録商標))から成る群より選択される。
【0029】
一態様において、インスリンアナログは、インスリンリスプロ(ヒューマログ(登録商標))である。
【0030】
一態様において、インスリンアナログは、インスリンアスパルト(ノボログ(登録商標)、ノボラピッド(登録商標))である。
【0031】
一態様において、インスリンアナログは、インスリングルリジン(アピドラ(登録商標))である。
【0032】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、同一の又は異なったグリコシド結合を介して結合した、1乃至8の離散数u(1≦u≦8)の同一又は異なった糖単位から形成された主骨格から成る、単離形態にあるか又は混合物としての置換されたアニオン性化合物より選択され、
前記糖単位は、環状形態にあるか又は開環還元形態にある、ヘキソースから成る群より選択され、前記糖単位は、
a)一般式I:

-[R-[AA] 式I

で表される少なくとも1種の置換基であって前記置換基は、
少なくとも2つの置換基が存在する場合には、同一又は異なっており、
基-[AA]は、アミノ酸残基を表し、
基-R-は単結合であり、その場合にはa=0であり、且つアミノ酸残基-[AA]は官能基Gを介して前記主骨格に直接に結合しているか、又は
2乃至15個の炭素原子をベースとした鎖であり、その場合にはa=1であり、置換されていてもよく、及び/又は、O、N及びSより選択される少なくとも1種のヘテロ原子及び前記アミノ酸との反応前に少なくとも1種の酸官能基を有していてもよく、前記鎖は、前記アミノ酸残基-[AA]と共にアミド官能基を形成し、及び、前記主骨格が有するヒドロキシル官能基と前記基-R-の前駆体が有する官能基又は置換基との間の反応から生じる官能基Fによって前記主骨格に結合しており、
Fは、エーテル官能基、エステル官能基及びカルバメート官能基より選択され、
Gは、カルバメート官能基であり、
mは、1又は2であり、
前記糖単位の置換度jは、-[R-[AA]について、厳密に、0よりも大きく且つ6以下、即ち0<j≦6である、置換基により置換されており、及び
b)1つ以上の置換基-R'であって、
前記置換基は、置換されていてもよく、及び/又はO、N及びSより選択される少なくとも1つ以上のヘテロ原子及びアルカリ金属カチオン塩の形態にある少なくとも1つの酸官能基を有していてもよい、2乃至15個の炭素原子をベースとした鎖であり、前記鎖は、前記主骨格が有するヒドロキシル官能基と前記置換基-R'の前駆体が有する官能基又は置換基との間の反応から生じた官能基F'を介して前記主骨格に結合しており、
F'は、エーテル官能基、エステル官能基又はカルバメート官能基であり、
前記糖単位の置換度iは、-R'について、0乃至6-j、即ち0≦i≦6-jであり、及び
F及びF'は、同一であるか又は異なっており、
F及びGは、同一であるか又は異なっており、
i+j≦6であり、
-R'は、-R-と同一であるか又は異なっており、
置換基-R'が有する遊離の塩化可能な酸官能基は、アルカリ金属カチオン塩の形態にあり、
同一又は異なっていてもよい前記グリコシド結合は、α又はβ配置にある、(1,1)、(1,2)、(1,3)、(1,4)又は(1,6)型のグリコシド結合から成る群より選択される、置換基により置換されていてもよいことを特徴とする。
【0033】
一態様において、単離形態にあるか又は混合物としての置換されたアニオン性化合物は、同一の又は異なったグリコシド結合を介して結合した、1乃至8の離散数u(1≦u≦8)の同一又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成る、置換されたアニオン性化合物より選択され、
前記糖単位は、環状形態にあるか又は開環還元形態にある、ヘキソースから成る群より選択され、前記糖単位は、
a)一般式I:

-[R-[AA] 式I

で表される少なくとも1種の置換基によりランダムに置換されており、前記置換基は、
少なくとも2つの置換基が存在する場合には、同一又は異なっており、
基-[AA]-は、アミノ酸残基を表し、前記アミノ酸は、フェニルアラニン、α-メチルフェニルアラニン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、チロシン、α-メチルチロシン、O-メチルチロシン、α-フェニルグリシン、4-ヒドロキシフェニルグリシン及び3,5-ジヒドロキシフェニルグリシン並びにそれらのアルカリ金属カチオン塩から成る群より選択され、前記誘導体は、L絶対配置又はD絶対配置であり、-[AA]は、リンカーアーム-R-を介して分子の主骨格に結合しているか、又は、官能基Gを介して前記主骨格に直接に結合しており、
基-R-は、単結合であり、その場合にはa=0であり、又は
2乃至15個の炭素原子をベースとした鎖であり、その場合にはa=1であり、置換されていても、及び/又は、前記アミノ酸との反応前に、O、N及びSより選択される少なくとも1種のヘテロ原子及び少なくとも1種の酸官能基を有していてもよく、前記鎖は、前記アミノ酸残基-[AA]と共にアミド官能基を形成し、及び、前記主骨格が有するヒドロキシル官能基とRの前駆体が有する官能基又は置換基との間の反応から生じる官能基Fを介して前記糖主骨格に結合しており、
Fは、エーテル官能基、エステル官能基及びカルバメート官能基より選択され、
Gは、カルバメート官能基であり、
mは、1又は2であり、
置換度jは、-[R-[AA]について、厳密に、0よりも大きく且つ6以下、即ち0<j≦6である、置換基により置換されており、及び
1つ以上の置換基-R'であって、
前記置換基は、置換されていてもよく、及び/又は少なくとも1つ以上のヘテロ原子(O、N及びSより選択される)及びアルカリ金属カチオン塩の形態にある少なくとも1つの酸官能基を有していてもよい、2乃至15個の炭素原子をベースとした鎖であり、前記鎖は、前記主骨格が有するヒドロキシル官能基と-R'の前駆体が有する官能基との間の反応から生じた官能基F'を介して前記主骨格に結合しており、
F'は、エーテル官能基、エステル官能基又はカルバメート官能基であり、
前記置換度iは、-R'について、0乃至6-j、即ち0≦i≦6-jであり、及び
-R'は、-R-と同一であるか又は異なっており、
F及びF'は、同一であるか又は異なっており、
F'及びGは、同一であるか又は異なっており、
遊離の塩化可能な酸官能基は、アルカリ金属カチオン塩の形態にある、置換基により無作為に置換されていてもよく、
b)同一又は異なっていてもよい前記グリコシド結合は、α又はβ配置にある、(1,1)、(1,2)、(1,3)、(1,4)又は(1,6)型のグリコシド結合から成る群より選択され、
c)i+j≦6であることを特徴とする。
【0034】
一態様において、mは、1である。
【0035】
一態様において、同一又は異なっていてもよい-R及び-R'は、2乃至8個の炭素原子をベースとした鎖である。
【0036】
一態様において、同一又は異なっていてもよい-R及び-R'は、2乃至4個の炭素原子をベースとした鎖である。
【0037】
i及びjは統計的な置換度であり、及び糖単位当りの置換基の平均数を表す。各々の糖単位は、異なった反応性の幾つかのヒドロキシル官能基を有しているために、置換されたアニオン性化合物における置換基の分布は、ある糖単位と、同じポリアニオン性化合物との間の他のものとは異なり得る。
【0038】
一態様において、0.3≦iである。
【0039】
一態様において、0.4≦iである。
【0040】
一態様において、i≦3である。
【0041】
一態様において、i≦2.5である。
【0042】
一態様において、0.3≦jである。
【0043】
一態様において、0.4≦jである。
【0044】
一態様において、j≦2である。
【0045】
一態様において、j≦1.8である。
【0046】
一態様において、i及びjは、0<i+j≦6である。
【0047】
一態様において、0<i+j≦5である。
【0048】
一態様において、0<i+j≦4である。
【0049】
一態様において、0<i+j≦3である。
【0050】
一態様において、0<i+j≦2.5である。
【0051】
一態様において、0<i+j≦2である。
【0052】
一態様において、0.5≦i+j≦3である。
【0053】
一態様において、0.5≦i+j≦2.5である。
【0054】
一態様において、0.5≦i+j≦2である。
【0055】
一態様において、0.6≦i+j≦3.5である。
【0056】
一態様において、0.8≦i+j≦2.5である。
【0057】
一態様において、0.7≦i+j≦2.5である。
【0058】
一態様において、0.7≦i+j≦2である。
【0059】
一態様において、1<i+j≦2.5である。
【0060】
一態様において、1<i+j≦2である。
【0061】
一態様において、-R及び-R'は、エーテル結合を介して主骨格に結合している。
【0062】
一態様において、-R-が炭素原子をベースとした鎖である場合、エーテル結合を介して主骨格に直接に結合している。
【0063】
一態様において、-R-が炭素原子をベースとした鎖である場合、O、N及びSから成る群より選択されるヘテロ原子を有していてもよい。
【0064】
一態様において、-R-は、アミノ酸残基AAと共にアミド結合を形成し、且つエーテル官能基Fを介して主骨格に直接に結合している。
【0065】
一態様において、-R-は、アミノ酸残基AAと共にアミド結合を形成し、且つカルバメート官能基Fを介して主骨格に直接に結合している。
【0066】
一態様において、-R-は、アミノ酸残基AAと共にアミド結合を形成し、且つエステル官能基Fを介して主骨格に直接に結合している。
【0067】
一態様において、-R-及び-R'は、式II及びIII
【化1】
(式中、
о及びpは、同一又は異なっていてもよく、1以上12以下であり、及び
-R、-R'、-R及び-R'は、同一又は異なっていてもよく、水素原子、飽和の又は不飽和の、直鎖状の、枝分れ状の又は環状の、炭素原子数1乃至6のアルキル基、ベンジル基、炭素原子数7乃至10のアルキルアリール基から成る群より選択され、並びに、O、N及びSから成る群より選択されるヘテロ原子、又は、カルボン酸、アミン、アルコール及びチオール官能基から成る群より選択される官能基を有していてもよい。)
で表される基より選択される。
【0068】
一態様において、-AA-への結合前の-R-は、-CH-COOHである。
【0069】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、基-R'が-CH-COOHであることを特徴とする。
【0070】
一態様において、-AA-への所望の結合前の-R-は、クエン酸より誘導される。
【0071】
一態様において、-AA-への所望の結合前の-R-は、リンゴ酸より誘導される。
【0072】
一態様において、-R'は、クエン酸より誘導される。
【0073】
一態様において、-R'は、リンゴ酸より誘導される。
【0074】
一態様において、-AA-への所望の結合前の-R-は、下記基
【化2】
(式中、*は、Fに対する結合部位を表す。)
又は、それらの、Na及びKから成る群より選択されるアルカリ金属カチオンとの塩より、選択される。
【0075】
一態様において、-R'1は、下記基
【化3】
(式中、*は、F'に対する結合部位を表す。)
又は、それらの、Na及びKから成る群より選択されるアルカリ金属カチオンとの塩より、選択される。
【0076】
一態様において、基-[AA]-は、L、D又はラセミの絶対配置にある、フェニルアラニンの、及びそれらのアルカリ金属カチオン塩の、残基である。
【0077】
一態様において、基-[AA]-は、L、D又はラセミの絶対配置にある、α-メチルフェニルアラニンの、及びそのアルカリ金属カチオン塩の、残基である。
【0078】
一態様において、基-[AA]は、L、D又はラセミの絶対配置にある、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンの、及びそのアルカリ金属カチオン塩の、残基である。
【0079】
一態様において、基-[AA]は、L、D又はラセミの絶対配置にある、チロシンの、及びそのアルカリ金属カチオン塩の、残基である。
【0080】
一態様において、基-[AA]は、L、D又はラセミの絶対配置にある、α-メチルチロシンの、及びそのアルカリ金属カチオン塩の、残基である。
【0081】
一態様において、基-[AA]は、L、D又はラセミの絶対配置にある、O-メチルチロシンの、及びそのアルカリ金属カチオン塩の、残基である。
【0082】
一態様において、基-[AA]は、L、D又はラセミの絶対配置にある、α-フェニルグリシンの、及びそのアルカリ金属カチオン塩の、残基である。
【0083】
一態様において、基-[AA]は、L、D又はラセミの絶対配置にある、4-ヒドロキシフェニルグリシンの、及びそのアルカリ金属カチオン塩の、残基である。
【0084】
一態様において、基-[AA]は、L、D又はラセミの絶対配置にある、3,5-ジヒドロキシフェニルグリシンの、及びそのアルカリ金属カチオン塩の、残基である。
【0085】
一態様において、基-[AA]は、ラセミ体混合物の形態にあるアミノ酸残基である。
【0086】
一態様において、基-[AA]は、D絶対配置にある単離された異性体の形態にあるアミノ酸残基である。
【0087】
一態様において、基-[AA]は、L絶対配置にある単離された異性体の形態にあるアミノ酸残基である。
【0088】
一態様において、uは、1乃至5である。
【0089】
一態様において、uは、3乃至5である。
【0090】
一態様において、u=8である。
【0091】
一態様において、u=7である。
【0092】
一態様において、u=6である。
【0093】
一態様において、u=5である。
【0094】
一態様において、u=4である。
【0095】
一態様において、u=3である。
【0096】
一態様において、u=2である。
【0097】
一態様において、u=1である。
【0098】
一態様において、ヘキソースは、マンノース、グルコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、プシコース、ガラクトース、アロース、アルトロース、タロース、イドース、グロース、フコース、フクロース、ラムノース、マンニトール、ソルビトール及びガラクチトール(ズルシトール)から成る群より選択される。
【0099】
一態様において、グリコシド結合は、(1,4)又は(1,6)型である。
【0100】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、(1,1)型のグリコシド結合を介して結合したヘキソースより選択される、u=2の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成るアニオン性化合物より選択される。
【0101】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、(1,1)型のグリコシド結合を介して結合したヘキソースより選択される、u=2の離散数の異なった糖単位から形成された糖主骨格から成るアニオン性化合物より選択され、前記糖主骨格は、トレハロース及びスクロースから成る群より選択される。
【0102】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、(1,2)型のグリコシド結合を介して結合したヘキソースより選択される、u=2の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成るアニオン性化合物より選択される。
【0103】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、(1,2)型のグリコシド結合を介して結合したヘキソースより選択される、u=2の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成るアニオン性化合物より選択され、前記糖主骨格は、コージビオースである。
【0104】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、(1,3)型のグリコシド結合を介して結合したヘキソースより選択される、u=2の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成るアニオン性化合物より選択される。
【0105】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、(1,3)型のグリコシド結合を介して結合したヘキソースより選択される、u=2の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成るアニオン性化合物より選択され、前記糖主骨格は、ニゲリオース(nigeriose)及びラミナリビオースから成る群より選択される。
【0106】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、(1,4)型のグリコシド結合を介して結合したヘキソースより選択される、u=2の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成るアニオン性化合物より選択される。
【0107】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、(1,4)型のグリコシド結合を介して結合したヘキソースより選択される、u=2の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成るアニオン性化合物より選択され、前記糖主骨格は、マルトース、ラクトース及びセロビオースから成る群より選択される。
【0108】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、(1,6)型のグリコシド結合を介して結合したヘキソースより選択される、u=2の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成るアニオン性化合物より選択される。
【0109】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、(1,6)型のグリコシド結合を介して結合したヘキソースより選択される、u=2の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成るアニオン性化合物より選択され、前記糖主骨格は、イソマルトース、メリビオース及びゲンチオビオースから成る群より選択される。
【0110】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、(1,6)型のグリコシド結合を介して結合したヘキソースより選択される、u=2の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成るアニオン性化合物より選択され、前記糖主骨格は、イソマルトースである。
【0111】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、1つが環状形態にあり且つその他が開環還元形態にある、u=2の離散数の糖単位から形成された糖主骨格から成るアニオン性化合物より選択される。
【0112】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、1つが環状形態にあり且つその他が開環還元形態にある、u=2の離散数の糖単位から形成された糖主骨格から成るアニオン性化合物より選択され、前記糖主骨格は、マルチトール及びイソマルチトールから成るより選択される。
【0113】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格が、3≦u≦8の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成されていることを特徴とする。
【0114】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、3≦u≦8の離散数の糖単位から形成された糖主骨格が構成されている、同一の又は異なった糖単位の少なくとも1種が、同一の又は異なったグリコシド結合を介して結合したヘキソース単位から成る群より選択されることを特徴とする。
【0115】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、3≦u≦8の離散数の糖単位から形成された糖主骨格が構成されている、同一の又は異なった糖単位が、ヘキソースより選択され、且つ少なくとも1種の(1,2)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0116】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、3≦u≦8の離散数の糖単位から形成された糖主骨格が構成されている、同一の又は異なった糖単位が、ヘキソースより選択され、且つ少なくとも1種の(1,3)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0117】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、3≦u≦8の離散数の糖単位から形成された糖主骨格が構成されている、同一の又は異なった糖単位が、ヘキソースより選択され、且つ少なくとも1種の(1,4)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0118】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、3≦u≦8の離散数の糖単位から形成された糖主骨格が構成されている、同一の又は異なった糖単位が、ヘキソースより選択され、且つ少なくとも1種の(1,6)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0119】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格が、u=3の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成されていることを特徴とする。
【0120】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、環状形態にあるヘキソースから成る群より選択される少なくとも1種の糖単位、及び開環形態にあるヘキソースから成る群より選択される少なくとも1種の糖単位を有することを特徴とする。
【0121】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、3つの糖単位が同一であることを特徴とする。
【0122】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、3つの糖単位のうち2つが同一であることを特徴とする。
【0123】
一態様において、本発明に従うアニオン性化合物は、同一の糖単位が、その2つが環状形態にあり且つ1つが開環還元形態にあるヘキソースより選択され、及び(1,4)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0124】
一態様において、本発明に従うアニオン性化合物は、同一の糖単位が、その2つが環状形態にあり且つ1つが開環還元形態にあるヘキソースより選択され、及び(1,6)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0125】
一態様において、本発明に従うアニオン性化合物は、同一の又は異なった糖単位がヘキソースより選択されることを、及び、中心のヘキソースが(1,2)型のグリコシド結合を介して且つ(1,4)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0126】
一態様において、本発明に従うアニオン性化合物は、同一の又は異なった糖単位がヘキソースより選択されることを、及び、中心のヘキソースが(1,3)型のグリコシド結合を介して且つ(1,4)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0127】
一態様において、本発明に従うアニオン性化合物は、同一の又は異なった糖単位がヘキソースより選択されることを、及び、中心のヘキソースが(1,2)型のグリコシド結合を介して且つ(1,6)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0128】
一態様において、本発明に従うアニオン性化合物は、同一の又は異なった糖単位がヘキソースより選択されることを、及び、中心のヘキソースが(1,2)型のグリコシド結合を介して且つ(1,3)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0129】
一態様において、本発明に従うアニオン性化合物は、同一の又は異なった糖単位がヘキソースより選択されることを、及び、中心のヘキソースが(1,4)型のグリコシド結合を介して且つ(1,6)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0130】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がエルロース(erlose)であることを特徴とする。
【0131】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、3つの同一の又は異なった糖単位が、マンノース及びグルコースから成る群より選択されるヘキソース単位であることを特徴とする。
【0132】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がマルトトリオースであることを特徴とする。
【0133】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がイソマルトトリオースであることを特徴とする。
【0134】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格が、u=4の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成されていることを特徴とする。
【0135】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、4つの糖単位が同一であることを特徴とする。
【0136】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、4つの糖単位のうち3つが同一であることを特徴とする。
【0137】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、前記4つの糖単位が、マンノース及びグルコースから成る群より選択されることを特徴とする。
【0138】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がマルトテトラオースであることを特徴とする。
【0139】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、前記同一の又は異なった糖単位がヘキソースより選択されることを、及び、末端のヘキソースが(1,2)型のグリコシド結合を介して結合していることを、及びその他が(1,6)型のグリコシド結合を介して一緒に結合していることを特徴とする。
【0140】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、前記同一の又は異なった糖単位がヘキソースより選択され、且つ(1,6)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0141】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格が、u=5の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成されていることを特徴とする。
【0142】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、5つの糖単位が同一であることを特徴とする。
【0143】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、前記5つの糖単位が、マンノース及びグルコースから成る群より選択されることを特徴とする。
【0144】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、同一の又は異なった糖単位がヘキソースより選択され、且つ(1,4)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0145】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がマルトペンタオースであることを特徴とする。
【0146】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格が、u=6の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成されていることを特徴とする。
【0147】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、6つの糖単位が同一であることを特徴とする。
【0148】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、同一の又は異なった糖単位がヘキソースより選択され、且つ(1,4)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0149】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、6つの同一の又は異なった糖単位が、マンノース及びグルコースから成る群より選択されるヘキソース単位であることを特徴とする。
【0150】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がマルトヘキサオースであることを特徴とする。
【0151】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格が、u=7の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成されていることを特徴とする。
【0152】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、7つの糖単位が同一であることを特徴とする。
【0153】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、同一の又は異なった糖単位がヘキソースより選択され、且つ(1,4)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0154】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、前記7つの糖単位が、マンノース及びグルコースから成る群より選択されるヘキソース単位であることを特徴とする。
【0155】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がマルトヘプタオースであることを特徴とする。
【0156】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格が、u=8の離散数の同一の又は異なった糖単位から形成されていることを特徴とする。
【0157】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、8つの糖単位が同一であることを特徴とする。
【0158】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、同一の又は異なった糖単位がヘキソースより選択され、且つ(1,4)型のグリコシド結合を介して結合していることを特徴とする。
【0159】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、前記8つの糖単位が、マンノース及びグルコースから成る群より選択されるヘキソース単位であることを特徴とする。
【0160】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がマルトオクタオースであることを特徴とする。
【0161】
本発明において、離散数の糖単位を有する置換されたアニオン性化合物は、天然化合物である。
【0162】
本発明において、離散数の糖単位を有する置換されたアニオン性化合物は、合成化合物である。
【0163】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、多糖類の酵素分解、それに続く精製によって得られることを特徴とする。
【0164】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、多糖類の化学分解、それに続く精製によって得られることを特徴とする。
【0165】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、低分子量の前駆体の共有結合によって、化学的に得られることを特徴とする。
【0166】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がソホロースであることを特徴とする。
【0167】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がスクロースであることを特徴とする。
【0168】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がラクツロースであることを特徴とする。
【0169】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がマルツロースであることを特徴とする。
【0170】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がロイクロース(leucrose)であることを特徴とする。
【0171】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がルチノースであることを特徴とする。
【0172】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がイソマルツロースであることを特徴とする。
【0173】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がフコシルラクトースであることを特徴とする。
【0174】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がゲンチアノースであることを特徴とする。
【0175】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がラフィノースであることを特徴とする。
【0176】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がメレジトースであることを特徴とする。
【0177】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がパノースであることを特徴とする。
【0178】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がケストースであることを特徴とする。
【0179】
一態様において、本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格がスタキオースであることを特徴とする。
【0180】
一態様において、ポリアニオン性化合物は、亜鉛に対する親和性が亜鉛に対するインスリンの親和性よりも低く、且つ、解離定数KdCa=[NPP化合物][Ca2+/[(NPP化合物)-(Ca2+]が10-1.5以下である、非ポリマー状ポリアニオン(NPP)化合物である。
【0181】
種々のポリアニオン性化合物のカルシウムイオンに対する解離定数(Kd)は、カルシウムイオンに特異的な電極(メトラー-トレド(Mettler-Toledo))及び参照電極を用いた外部校正により、測定される。全ての測定は、pH7の150mM NaCl中で行われる。遊離のカルシウムイオンの濃度のみが測定され;ポリアニオン性化合物に結合しているカルシウムイオンはいずれの電極電位をも誘発しない。
【0182】
一態様において、ポリアニオン性化合物は、ポリカルボン酸、及びそのNa、K、Ca2+又はMg2+塩から成る群より選択される。
【0183】
一態様において、ポリカルボン酸は、クエン酸及び酒石酸、並びにそれらのNa、K、Ca2+又はMg2+塩から成る群より選択される。
【0184】
一態様において、ポリアニオン性化合物は、ポリリン酸、及びそのNa、K、Ca2+又はMg2+塩から成る群より選択される。
【0185】
一態様において、ポリリン酸は、トリホスフェート、及びそのNa、K、Ca2+又はMg2+塩である。
【0186】
一態様において、ポリアニオン性化合物は、クエン酸、及びそのNa、K、Ca2+又はMg2+塩である。
【0187】
一態様において、ポリアニオン性化合物は、酒石酸、及びそのNa、K、Ca2+又はMg2+塩である。
【0188】
一態様において、ポリアニオン性化合物は、三リン酸、及びそのNa、K、Ca2+又はMg2+塩である。
【0189】
一態様において、ポリアニオン性化合物は、トレハロース、マルトース、ラクトース、スクロース、セロビオース、イソマルトース、マルチトール及びイソマルチトールから成る群より選択される二糖類化合物から得られる、離散数の糖単位から形成された糖主骨格から成る化合物である。
【0190】
一態様において、離散数の糖単位から形成された糖主骨格から成るポリアニオン性化合物は、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、マルトオクタオース及びイソマルトトリオースから成る群より選択される、離散数の糖単位から形成された主骨格から成る化合物から得られる。
【0191】
一態様において、離散数の糖単位から形成された糖主骨格から成るポリアニオン性化合物は、カルボキシメチルマルトトリオース、カルボキシメチルマルトテトラオース、カルボキシメチルマルトペンタオース、カルボキシメチルマルトヘキサオース、カルボキシメチルマルトヘプタオース、カルボキシメチルマルトオクタオース及びカルボキシメチルイソマルトトリオースから成る群より選択される。
【0192】
一態様において、比(ポリアニオン性化合物が有する酸官能基の分子数/アニオン性化合物の分子数)は、3以上である。
【0193】
一態様において、比(ポリアニオン性化合物が有する酸官能基の分子数/アニオン性化合物の分子数)は、4以上である。
【0194】
一態様において、比(糖主骨格から成るポリアニオン性化合物が有する酸官能基の分子数/アニオン性化合物の分子数)は、5以上である。
【0195】
一態様において、比(糖主骨格から成るポリアニオン性化合物が有する酸官能基の分子数/アニオン性化合物の分子数)は、8以上である。
【0196】
一態様において、置換されたアニオン性化合物/インスリンのモル比は、0.6乃至75である。
【0197】
一態様において、前記モル比は、0.7乃至50である。
【0198】
一態様において、前記モル比は、1.4乃至35である。
【0199】
一態様において、前記モル比は、1.9乃至30である。
【0200】
一態様において、前記モル比は、2.3乃至30である。
【0201】
一態様において、置換されたアニオン性化合物/インスリンのモル比は、8である。
【0202】
一態様において、置換されたアニオン性化合物/インスリンのモル比は、12である。
【0203】
一態様において、置換されたアニオン性化合物/インスリンのモル比は、16である。
【0204】
一態様において、置換されたアニオン性化合物/インスリンの質量比は、0.5乃至10である。
【0205】
一態様において、前記質量比は、0.6乃至7である。
【0206】
一態様において、前記質量比は、1.2乃至5である。
【0207】
一態様において、前記質量比は、1.6乃至4である。
【0208】
一態様において、前記質量比は、2乃至4である。
【0209】
一態様において、置換されたアニオン性化合物/インスリンの質量比は、2である。
【0210】
一態様において、置換されたアニオン性化合物/インスリンの質量比は、3である。
【0211】
一態様において、置換されたアニオン性化合物/インスリンの質量比は、4である。
【0212】
一態様において、置換されたアニオン性化合物/インスリンの質量比は、6である。
【0213】
一態様において、置換されたアニオン性化合物の濃度は、1.8乃至36mg/mLである。
【0214】
一態様において、置換されたアニオン性化合物の濃度は、1.8乃至36.5mg/mLである。
【0215】
一態様において、置換されたアニオン性化合物の濃度は、2.1乃至25mg/mLである。
【0216】
一態様において、置換されたアニオン性化合物の濃度は、4.2乃至18mg/mLである。
【0217】
一態様において、置換されたアニオン性化合物の濃度は、5.6乃至15mg/mLである。
【0218】
一態様において、置換されたアニオン性化合物の濃度は、7乃至15mg/mLである。
【0219】
一態様において、置換されたアニオン性化合物の濃度は、7.3mg/mLである。
【0220】
一態様において、置換されたアニオン性化合物の濃度は、10.5mg/mLである。
【0221】
一態様において、置換されたアニオン性化合物の濃度は、14.6mg/mLである。
【0222】
一態様において、置換されたアニオン性化合物の濃度は、21.9mg/mLである。
【0223】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、2乃至150mMである。
【0224】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、2乃至100mMである。
【0225】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、2乃至75mMである。
【0226】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、2乃至50mMである。
【0227】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、2乃至30mMである。
【0228】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、2乃至20mMである。
【0229】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、2乃至10mMである。
【0230】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、5乃至150mMである。
【0231】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、5乃至100mMである。
【0232】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、5乃至75mMである。
【0233】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、5乃至50mMである。
【0234】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、5乃至30mMである。
【0235】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、5乃至20mMである。
【0236】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、5乃至10mMである。
【0237】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、0.5乃至30mg/mLである。
【0238】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、0.5乃至25mg/mLである。
【0239】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、0.5乃至10mg/mLである。
【0240】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、0.5乃至8mg/mLである。
【0241】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、1乃至30mg/mLである。
【0242】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、1.5乃至25mg/mLである。
【0243】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、2乃至25mg/mLである。
【0244】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、2乃至10mg/mLである。
【0245】
一態様において、ポリアニオン性化合物の濃度は、2乃至8mg/mLである。
【0246】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、ナトリウムフェニルアラニネートにより変性されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート(u=3、i=0.65、j=1.0)である。
【0247】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、ナトリウムフェニルアラニネートにより変性されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート(u=3、i=1.05、j=0.65)である。
【0248】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、ナトリウムフェニルアラニネートにより変性されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート(u=3、i=0.46、j=1.2)である。
【0249】
一態様において、置換されたアニオン性化合物は、ナトリウムフェニルアラニネートにより変性されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート(u=3、i=0.35、j=0.65)である。
【0250】
一態様において、ポリアニオン性化合物は、ナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレートである。
【0251】
一態様において、ポリアニオン性化合物は、クエン酸ナトリウムである。
【0252】
一態様において、ポリアニオン性化合物は、ナトリウム塩の若しくはカリウム塩の形態にある酸形態又は塩基形態にある三リン酸である。
【0253】
一態様において、ポリアニオン性化合物は、ナトリウム塩の若しくはカリウム塩の形態にある酸形態又は塩基形態にある酒石酸塩である。
【0254】
本発明はまた、本発明に従う組成物を含有するインスリン医薬製剤であって、前記インスリンがヘキサマー形態にある、製剤にも関する。
【0255】
一態様において、本発明は、インスリン濃度が240乃至3000μM(40乃至500IU/mL)であることを特徴とする、医薬製剤に関する。
【0256】
一態様において、本発明は、インスリン濃度が600乃至3000μM(100乃至500IU/mL)であることを特徴とする、医薬製剤に関する。
【0257】
一態様において、本発明は、インスリン濃度が600乃至2400μM(100乃至400IU/mL)であることを特徴とする、医薬製剤に関する。
【0258】
一態様において、本発明は、インスリン濃度が600乃至1800μM(100乃至300IU/mL)であることを特徴とする、医薬製剤に関する。
【0259】
一態様において、本発明は、インスリン濃度が600乃至1200μM(100乃至200IU/mL)であることを特徴とする、医薬製剤に関する。
【0260】
一態様において、本発明は、インスリン濃度が600μM(100IU/mL)であることを特徴とする、医薬製剤に関する。
【0261】
一態様において、本発明は、インスリン濃度が1200μM(200IU/mL)であることを特徴とする、医薬製剤に関する。
【0262】
一態様において、本発明は、インスリン濃度が1800μM(300IU/mL)であることを特徴とする、医薬製剤に関する。
【0263】
一態様において、本発明は、インスリン濃度が2400μM(400IU/mL)であることを特徴とする、医薬製剤に関する。
【0264】
一態様において、本発明は、インスリン濃度が3000μM(500IU/mL)であることを特徴とする、医薬製剤に関する。
【0265】
本発明は、少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は、同一の又は異なったグリコシド結合を介して結合した、1乃至8の離散数u(1≦u≦8)の同一又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成り、前記糖単位は、環状形態にあるか又は開環還元形態にあるヘキソースから成る群より選択され、前記化合物は、部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基がヒトインスリン医薬製剤を調製できるように塩化されている、前記置換されたアニオン性化合物と、ポリアニオン性化合物との併用であって、置換されたアニオン性化合物及び任意のアニオン性化合物が存在しない製剤と比較した場合に、投与後に血液中へのインスリンの通過を促進し、そしてより迅速に血糖値を低下させることを可能にする、併用に関する。
【0266】
一態様において、本発明は、少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は、部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基がヒトインスリン医薬製剤を調製できるように塩化されている、前記置換されたアニオン性化合物と、ポリアニオン性化合物との併用であって、置換されたアニオン性化合物及び任意のアニオン性化合物が存在しない製剤と比較した場合に、投与後に血液中へのインスリンの通過を促進し、そしてより迅速に血糖値を低下させることを可能にする、併用に関する。
【0267】
一態様において、本発明は、少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は、部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基がインスリンアナログ製剤を調製できるように塩化されている、前記置換されたアニオン性化合物と、ポリアニオン性化合物との併用であって、置換されたアニオン性化合物及び任意のアニオン性化合物が存在しない製剤と比較した場合に、投与後に血液中へのインスリンの通過を促進し、そしてより迅速に血糖値を低下させることを可能にする、併用に関する。
【0268】
一態様において、インスリンは、ヒトインスリンである。
【0269】
用語"ヒトインスリン"とは、対立遺伝子変異及びホモログを包含する、ペプチド配列がヒトインスリンの配列である、合成により又は組換えにより得られたインスリンを意味する。
【0270】
一態様において、インスリンは、欧州薬局方及び米国薬局方に記載されているような、組換え体ヒトインスリンである。
【0271】
一態様において、インスリンは、インスリンアナログである。
【0272】
用語"インスリンアナログ"とは、ヒトインスリンの主配列と比較して少なくとも1つの変性基を有する、組換え体インスリンを意味する。
【0273】
一態様において、インスリンアナログは、インスリンリスプロ(ヒューマログ(登録商標))、インスリンアスパルト(ノボログ(登録商標)、ノボラピッド(登録商標))及びインスリングルリジン(アピドラ(登録商標))から成る群より選択される。
【0274】
一態様において、インスリンアナログは、インスリンリスプロ(ヒューマログ(登録商標))である。
【0275】
一態様において、インスリンアナログは、インスリンアスパルト(ノボログ(登録商標)、ノボラピッド(登録商標))である。
【0276】
一態様において、インスリンアナログは、インスリングルリジン(アピドラ(登録商標))である。
【0277】
一態様において、本使用は、置換されたアニオン性化合物が、同一の又は異なったグリコシド結合を介して結合した、1乃至8の離散数u(1≦u≦8)の同一又は異なった糖単位から形成された主骨格から成る、単離形態にあるか又は混合物としての置換されたアニオン性化合物より選択され、
前記糖単位は、環状形態にあるか又は開環還元形態にある、ヘキソースから成る群より選択され、前記糖単位は、
a)一般式I:

-[R-[AA] 式I

で表される少なくとも1種の置換基であって前記置換基は、
少なくとも2つの置換基が存在する場合には、同一又は異なっており、
基-[AA]は、アミノ酸残基を表し、
基-R-は単結合であり、その場合にはa=0であり、且つアミノ酸残基-[AA]は官能基Gを介して前記主骨格に直接に結合しているか、又は
2乃至15個の炭素原子をベースとした鎖であり、その場合にはa=1であり、置換されていても、及び/又は、前記アミノ酸との反応前に、O、N及びSより選択される少なくとも1種のヘテロ原子及び少なくとも1種の酸官能基を有していてもよく、前記鎖は、前記アミノ酸残基-[AA]と共にアミド官能基を形成し、及び、前記主骨格が有するヒドロキシル官能基と前記基-R-の前駆体が有する官能基又は置換基との間の反応から生じる官能基Fによって前記主骨格に結合しており、
Fは、エーテル官能基、エステル官能基及びカルバメート官能基より選択され、
Gは、カルバメート官能基であり、
mは、1又は2であり、
前記糖単位の置換度jは、-[R-[AA]について、厳密に、0よりも大きく且つ6以下、即ち0<j≦6である、置換基により置換されており、及び
b)1つ以上の置換基-R'であって、
前記置換基は、置換されていても、及び/又はO、N及びSより選択される少なくとも1つ以上のヘテロ原子及びアルカリ金属カチオン塩の形態にある少なくとも1つの酸官能基を有していてもよい、2乃至15個の炭素原子をベースとした鎖であり、前記鎖は、前記主骨格が有するヒドロキシル官能基と前記置換基-R'の前駆体が有する官能基又は置換基との間の反応から生じた官能基F'を介して前記主骨格に結合しており、
F'は、エーテル官能基、エステル官能基又はカルバメート官能基であり、
前記糖単位の置換度iは、-R'について、0乃至6-j、即ち0≦i≦6-jであり、及び
F及びF'は、同一であるか又は異なっており、
F及びGは、同一であるか又は異なっており、
i+j≦6であり、
-R'は、-R-と同一であるか又は異なっており、
置換基-R'が有する遊離の塩化可能な酸官能基は、アルカリ金属カチオン塩の形態にあり、
同一又は異なっていてもよい前記グリコシド結合は、α又はβ配置にある、(1,1)、(1,2)、(1,3)、(1,4)又は(1,6)型のグリコシド結合から成る群より選択される、置換基により置換されていてもよいことを特徴とする。
【0278】
一態様において、本使用は、単離形態にあるか又は混合物としての置換されたアニオン性化合物は、同一の又は異なったグリコシド結合を介して結合した、1乃至8の離散数u(1≦u≦8)の同一又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成る、置換されたアニオン性化合物より選択され、
前記糖単位は、環状形態にあるか又は開環還元形態にある、ヘキソースから成る群より選択され、前記糖単位は、
a)一般式I:

-[R-[AA] 式I

で表される少なくとも1種の置換基によりランダムに置換されており、前記置換基は、
少なくとも2つの置換基が存在する場合には、同一又は異なっており、
基-[AA]-は、アミノ酸残基を表し、前記アミノ酸は、フェニルアラニン、α-メチルフェニルアラニン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、チロシン、α-メチルチロシン、O-メチルチロシン、α-フェニルグリシン、4-ヒドロキシフェニルグリシン及び3,5-ジヒドロキシフェニルグリシン並びにそれらのアルカリ金属カチオン塩から成る群より選択され、前記誘導体は、L絶対配置又はD絶対配置であり、-[AA]は、リンカーアーム-R-を介して分子の主骨格に結合しているか、又は、官能基Gを介して前記主骨格に直接に結合しており、
基-R-は、単結合であり、その場合にはa=0であり、又は
2乃至15個の炭素原子をベースとした鎖であり、その場合にはa=1であり、置換されていてもよく、及び/又は、前記アミノ酸との反応前に、O、N及びSより選択される少なくとも1種のヘテロ原子及び少なくとも1種の酸官能基を有していてもよく、前記鎖は、前記アミノ酸残基-[AA]と共にアミド官能基を形成し、及び、前記主骨格が有するヒドロキシル官能基とRの前駆体が有する官能基又は置換基との間の反応から生じる官能基Fを介して前記糖主骨格に結合しており、
Fは、エーテル官能基、エステル官能基及びカルバメート官能基より選択され、
Gは、カルバメート官能基であり、
mは、1又は2であり、
置換度jは、-[R-[AA]について、厳密に、0よりも大きく且つ6以下、即ち0<j≦6である、置換基により置換されており、及び
1つ以上の置換基-R'であって、
前記置換基は、置換されていても、及び/又は少なくとも1つ以上のヘテロ原子(O、N及びSより選択される)及びアルカリ金属カチオン塩の形態にある少なくとも1つの酸官能基を有していてもよい、2乃至15個の炭素原子をベースとした鎖であり、前記鎖は、前記主骨格が有するヒドロキシル官能基と-R'の前駆体が有する官能基との間の反応から生じた官能基F'を介して前記主骨格に結合しており、
F'は、エーテル官能基、エステル官能基又はカルバメート官能基であり、
前記置換度iは、-R'について、0乃至6-j、即ち0≦i≦6-jであり、及び
-R'は、-R-と同一であるか又は異なっており、
F及びF'は、同一であるか又は異なっており、
F'及びGは、同一であるか又は異なっており、
遊離の塩化可能な酸官能基は、アルカリ金属カチオン塩の形態にある、置換基により無作為に置換されていてもよく、
b)同一又は異なっていてもよい前記グリコシド結合は、α又はβ配置にある、(1,1)、(1,2)、(1,3)、(1,4)又は(1,6)型のグリコシド結合から成る群より選択され、
c)i+j≦6であることを特徴とする。
【0279】
一態様において、mは、1である。
【0280】
一態様において、同一又は異なっていてもよい-R及び-R'は、2乃至8個の炭素原子をベースとした鎖である。
【0281】
一態様において、同一又は異なっていてもよい-R及び-R'は、1乃至4個の炭素原子をベースとした鎖である。
【0282】
一態様において、同一又は異なっていてもよい-R及び-R'は、1又は2個の炭素原子をベースとした鎖である。
【0283】
インスリンの作用の遅延がインスリン濃度に依存することは、当業者に既知である。100IU/mLの製剤についての作用評価の遅延のみが立証されている。
【0284】
600μM(100IU/mL)の濃度の市販の"正規の"ヒトインスリン製剤は、ヒトにおいて、50乃至90分の作用遅延、及び360乃至420分の作用限度を有する。血液中の最大のインスリン濃度に達するまでの時間は、ヒトにおいて90乃至180分である。
【0285】
600μM(100IU/mL)の濃度の市販の速効型インスリンアナログ製剤は、ヒトにおいて、30乃至60分間の作用遅延、及び240乃至300分の作用限度を有する。血液中の最大のインスリン濃度に達するまでの時間は、ヒトにおいて50乃至90分である。
【0286】
本発明はまた、240乃至3000μM(40乃至500IU/mL)のインスリン濃度を有するヒトインスリン製剤の調製方法であって、置換されたアニオン性化合物及びポリアニオン性化合物が存在していない同様のインスリン濃度の参照製剤よりも、ヒトにおける作用遅延がより小さい製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0287】
一態様において、インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0288】
本発明はまた、600乃至1200μM(100乃至200IU/mL)のインスリン濃度を有するヒトインスリン製剤の調製方法であって、置換されたアニオン性化合物及びポリアニオン性化合物が存在していない同様のインスリン濃度の参照製剤よりも、ヒトにおける作用遅延がより小さい製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0289】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0290】
本発明はまた、ヒトにおける作用遅延が60分未満である、600μM(100IU/mL)のインスリン濃度を有するヒトインスリン製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0291】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0292】
本発明はまた、1200μM(200IU/mL)のインスリン濃度を有するヒトインスリン製剤の調製方法であって、同様の濃度(200IU/mL)の且つ置換されたアニオン性化合物及びポリアニオン性化合物が存在していないヒトインスリン製剤よりも、ヒトにおける作用遅延が少なくとも10%小さい製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0293】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0294】
本発明はまた、1800μM(300IU/mL)のインスリン濃度を有するヒトインスリン製剤の調製方法であって、同様の濃度(300IU/mL)の且つ置換されたアニオン性化合物及びポリアニオン性化合物が存在していないヒトインスリン製剤よりも、ヒトにおける作用遅延が少なくとも10%小さい製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0295】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0296】
本発明はまた、2400μM(400IU/mL)のインスリン濃度を有するヒトインスリン製剤の調製方法であって、同様の濃度(400IU/mL)の且つ置換されたアニオン性化合物及びポリアニオン性化合物が存在していないヒトインスリン製剤よりも、ヒトにおける作用遅延が少なくとも10%小さい製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0297】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0298】
本発明はまた、3000μM(500IU/mL)のインスリン濃度を有するヒトインスリン製剤の調製方法であって、同様の濃度(500IU/mL)の且つ置換されたアニオン性化合物及びポリアニオン性化合物が存在していないヒトインスリン製剤よりも、ヒトにおける作用遅延が少なくとも10%小さい製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0299】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0300】
本発明はまた、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、速効型ヒトインスリン製剤の調製方法を構成する。
【0301】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0302】
本発明はまた、ヒトにおける作用遅延が60分未満の、好ましくは45分未満の、及びより好ましくは30分未満の、600μM(100IU/mL)のインスリン濃度を有するヒトインスリン製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0303】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0304】
本発明はまた、240乃至3000μM(40乃至500IU/mL)のインスリン濃度を有するインスリンアナログ製剤の調製方法であって、置換されたアニオン性化合物及びポリアニオン性化合物が存在していない同様のインスリン濃度の参照製剤よりも、ヒトにおける作用遅延が小さい製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0305】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0306】
本発明はまた、600乃至1200μM(100乃至200IU/mL)のインスリン濃度を有するインスリンアナログ製剤の調製方法であって、置換されたアニオン性化合物及びポリアニオン性化合物が存在していない同様のインスリンアナログ濃度の参照製剤よりも、ヒトにおける作用遅延が小さい製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0307】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0308】
本発明はまた、ヒトにおける作用遅延が30分未満である、600μmol/L(100IU/mL)のインスリン濃度を有するインスリンアナログ製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0309】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0310】
本発明はまた、ヒトにおける作用遅延が、置換されたアニオン性化合物及びポリアニオン性化合物が存在していないインスリンアナログ製剤よりも少なくとも10%小さい、1200μM(200IU/mL)のインスリン濃度を有するインスリンアナログ製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0311】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0312】
本発明はまた、ヒトにおける作用遅延が、置換されたアニオン性化合物及びポリアニオン性化合物が存在していないインスリンアナログ製剤よりも少なくとも10%小さい、1800μM(300IU/mL)のインスリン濃度を有するインスリンアナログ製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0313】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0314】
本発明はまた、ヒトにおける作用遅延が、置換されたアニオン性化合物及びポリアニオン性化合物が存在していないインスリンアナログ製剤よりも少なくとも10%小さい、2400μM(400IU/mL)のインスリン濃度を有するインスリンアナログ製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0315】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0316】
本発明はまた、ヒトにおける作用遅延が、置換されたアニオン性化合物及びポリアニオン性化合物が存在していないインスリンアナログ製剤よりも少なくとも10%小さい、3000μM(500IU/mL)のインスリン濃度を有するインスリンアナログ製剤の調製方法であって、(1)少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階、及び(2)少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加する段階、から成ることを特徴とする、前記方法にも関する。
【0317】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0318】
本発明は、超速効型インスリンアナログ製剤の調製であって、少なくとも1種の置換されたアニオン性化合物であって、前記化合物は部分的に置換されたカルボキシル官能基を有し、未置換のカルボキシル官能基は塩化可能である、化合物を、前記製剤に添加する段階から成ることを特徴とする、前記調製に存する。
【0319】
一態様において、本調製は、少なくとも1種のポリアニオン性化合物を前記製剤に添加することを含む。
【0320】
一態様において、前記インスリンは、ヘキサマー形態にある。
【0321】
一態様において、前記インスリンアナログは、 インスリンリスプロ(ヒューマログ(登録商標))、インスリンアスパルト(ノボログ(登録商標)、ノボラピッド(登録商標))及びインスリングルリジン(アピドラ(登録商標))から成る群より選択される。
【0322】
一態様において、前記インスリンアナログは、インスリンリスプロ(ヒューマログ(登録商標))である。
【0323】
一態様において、前記インスリンアナログは、インスリンアスパルト(ノボログ(登録商標)、ノボラピッド(登録商標))である。
【0324】
一態様において、前記インスリンアナログは、インスリングルリジン(アピドラ(登録商標))である。
【0325】
一態様において、前記インスリンは、欧州薬局方及び米国薬局方に記載されているような、組換え体ヒトインスリンである。
【0326】
一態様において、前記インスリンは、インスリンリスプロ(ヒューマログ(登録商標))、インスリンアスパルト(ノボログ(登録商標)、ノボラピッド(登録商標))及びインスリングルリジン(アピドラ(登録商標))から成る群より選択されるインスリンアナログである。
【0327】
本組成物は、混合物としての、ヒトインスリンの又はインスリンアナログの水溶液及び置換されたアニオン性化合物の水溶液を、ポリアニオン性化合物と簡単に混合することにより、さらに調製され得る。
【0328】
一態様において、本組成物は、ヒトインスリンの又はインスリンアナログの水溶液、置換されたアニオン性化合物の水溶液、及び溶液又は凍結乾燥物形態にあるポリアニオン性化合物を簡単に混合することにより、調製され得る。
【0329】
一態様において、本組成物は、ヒトインスリンの又はインスリンアナログの水溶液、凍結乾燥物形態にある置換されたアニオン性化合物、及び溶液又は凍結乾燥物形態にあるポリアニオン性化合物を簡単に混合することにより、調製され得る。
【0330】
好ましくは、本組成物は、注射可能な溶液の形態にある。
【0331】
一態様において、ヒトインスリン又はインスリンアナログの濃度は、240乃至3000μM(40乃至500IU/mL)である。
【0332】
一態様において、ヒトインスリン又はインスリンアナログの濃度は、600乃至3000μM(100乃至500IU/mL)である。
【0333】
一態様において、ヒトインスリン又はインスリンアナログの濃度は、600乃至2400μM(100乃至400IU/mL)である。
【0334】
一態様において、ヒトインスリン又はインスリンアナログの濃度は、600乃至1800μM(100乃至300IU/mL)である。
【0335】
一態様において、ヒトインスリン又はインスリンアナログの濃度は、600乃至1200μM(100乃至200IU/mL)である。
【0336】
一態様において、ヒトインスリン又はインスリンアナログの濃度は、600μM(100IU/mL)である。
【0337】
一態様において、ヒトインスリン又はインスリンアナログの濃度は、1200μM(200IU/mL)である。
【0338】
一態様において、600μM(100IU/mL)のヒトインスリン又はインスリンアナログの濃度は、特に小児に適用する為に、簡単な希釈により低下され得る。
【0339】
一態様において、ヒトインスリン又はインスリンアナログの濃度は、1800μM(300IU/mL)である。
【0340】
一態様において、ヒトインスリン又はインスリンアナログの濃度は、2400μM(400IU/mL)である。
【0341】
一態様において、ヒトインスリン又はインスリンアナログの濃度は、3000μM(500IU/mL)である。
【0342】
本発明はまた、乾燥することにより、及び/又は凍結乾燥することにより得られることを特徴とする、本発明に従う医薬製剤にも関する。
【0343】
一態様において、本発明に従う組成物はまた、0乃至500μMの濃度の亜鉛塩の添加を含む。
【0344】
一態様において、本発明に従う組成物はまた、0乃至300μMの濃度の亜鉛塩の添加を含む。
【0345】
一態様において、本発明に従う組成物はまた、0乃至200μMの濃度の亜鉛塩の添加を含む。
【0346】
一態様において、本発明に従う組成物は、0乃至100mM、好ましくは0乃至50mM又は15乃至50mMの濃度の緩衝液を含有する。
【0347】
一態様において、前記緩衝液は、トリスである。
【0348】
一態様において、本発明に従う組成物は、保存剤もまた含有する。
【0349】
一態様において、前記保存剤は、単独又は混合物としての、m-クレゾール及びフェノールから成る群より選択される。
【0350】
一態様において、前記保存剤の濃度は、10乃至50mMである。
【0351】
一態様において、前記保存剤の濃度は、10乃至40mMである。
【0352】
本発明に従う組成物はまた、等張化剤、例えば、グリセロール、塩化ナトリウム(NaCl)、マンニトール及びグリシンのような添加剤を含有し得る。
【0353】
本発明に従う組成物はまた、薬局方に従う添加剤、例えば界面活性剤、例えばポリソルベートを含有し得る。
【0354】
本発明に従う組成物はまた、実施濃度で使用されるインスリンと適合性がある、薬局方に従ういかなる賦形剤も含有し得る。
【0355】
局所的放出及び全身的放出の場合、想定される投与の様式は、静脈内、皮下、皮内又は筋肉内である。
【0356】
経皮、口腔、経鼻、膣内、眼球、口腔又は肺投与の経路がまた想定される。
【0357】
本発明はまた、インプラント可能な又は移送可能なインスリンポンプを意図した、100IU/mLの濃度にあるヒトインスリン又はインスリンアナログ溶液の製剤のための、本発明に従う組成物の使用にも関する。
【0358】
本発明はまた、インプラント可能な又は移送可能なインスリンポンプを意図した、200IU/mLの濃度にあるヒトインスリン又はインスリンアナログ溶液の製剤のための、本発明に従う組成物の使用にも関する。
【0359】
本発明はまた、置換されたアニオン性化合物であって、同一の又は異なったグリコシド結合を介して結合した、1乃至8の離散数u(1≦u≦8)の同一又は異なった糖単位から形成された糖主骨格から成る、単離形態にあるか又は混合物としての置換されたアニオン性化合物より選択され、
前記糖単位は、環状形態にあるか又は開環還元形態にある、ヘキソースから成る群より選択され、前記糖単位は、
a)一般式I:

-[R-[AA] 式I

で表される少なくとも1種の置換基であって前記置換基は、
少なくとも2つの置換基が存在する場合には、同一又は異なっており、
基-[AA]-は、アミノ酸残基を表し、
基-R-は単結合であり、その場合にはa=0であり、且つアミノ酸残基-[AA]-は官能基Gを介して前記主骨格に直接に結合しているか、又は
2乃至15個の炭素原子をベースとした鎖であり、その場合にはa=1であり、置換されていても、及び/又は、前記アミノ酸との反応前に、O、N及びSより選択される少なくとも1種のヘテロ原子及び少なくとも1種の酸官能基を有していてもよく、前記鎖は、前記アミノ酸残基-[AA]と共にアミド官能基を形成し、及び、前記主骨格が有するヒドロキシル官能基と前記基-R-の前駆体が有する官能基又は置換基との間の反応から生じる官能基Fによって前記主骨格に結合しており、
Fは、エーテル官能基、エステル官能基及びカルバメート官能基より選択され、
Gは、カルバメート官能基であり、
mは、1又は2であり、
前記糖単位の置換度jは、-[R-[AA]について、厳密に、0よりも大きく且つ6以下、即ち0<j≦6である、置換基により置換されており、及び
b)1つ以上の置換基-R'であって、
前記置換基は、置換されていてもよく、及び/又はO、N及びSより選択される少なくとも1つ以上のヘテロ原子及びアルカリ金属カチオン塩の形態にある少なくとも1つの酸官能基を有していてもよい、2乃至15個の炭素原子をベースとした鎖であり、前記鎖は、前記主骨格が有するヒドロキシル官能基と前記置換基-R'の前駆体が有する官能基又は置換基との間の反応から生じた官能基F'を介して前記主骨格に結合しており、
F'は、エーテル官能基、エステル官能基又はカルバメート官能基であり、
前記糖単位の置換度iは、-R'について、0乃至6-j、即ち0≦i≦6-jであり、及び
F及びF'は、同一であるか又は異なっており、
F及びGは、同一であるか又は異なっており、
i+j≦6であり、
-R'は、-R-と同一であるか又は異なっており、
置換基-R'が有する遊離の塩化可能な酸官能基は、アルカリ金属カチオン塩の形態にあり、
同一又は異なっていてもよい前記グリコシド結合は、α又はβ配置にある、(1,1)、(1,2)、(1,3)、(1,4)又は(1,6)型のグリコシド結合から成る群より選択される、置換基により置換されていてもよい、前記置換されたアニオン性化合物にも関する。
【0360】
上記式中、種々の変数は上記数値を有する。
【0361】
本発明に従う置換されたアニオン性化合物は、糖主骨格への置換基のランダムクラフトにより得られ得る。
【0362】
一態様において、式I又はIIで表される置換基により置換されているアニオン性化合物より選択される、置換されたアニオン性化合物は、主骨格が天然に有するアルコール基又はカルボン酸基の保護/脱保護の段階を包含するプロセスを介して、糖単位
の正確な位置に置換基をグラフトすることによって、得られ得ることを特徴とする。当該ストラテジーによって、主骨格への置換基の選択的なグラフト、とりわけ位置選択的なグラフトが可能となる。保護基は、PGM Wuts他が記載したテキストである、Green's Protective Group in Organic Synthesis 2007に記載されたものを包含するが、これらに限定されない。
【0363】
糖主骨格は、高分子量多糖類の分解により得られ得る。分解経路は、化学分解及び/又は酵素分解を包含するが、これらに限定されない。
【0364】
糖骨格はまた、酵素的な又は化学的なカップリングストラテジーを用いて、単糖類分子又はオリゴ糖分子の間のグリコシド結合の形成により得られ得る。カップリングストラテジーは、刊行物 Smooth J.T.他,Advances in Carbohydrate Chemistry and Biochemistry 2009,62,162-250に、及び刊行物 Lndhorst T.K.,Essentials of Carbohydrate Chemistry and Biochemistry 2007,157-208に記載されるものを包含する。カップリング反応は、溶液中で又は固体支持体上で行われ得る。カップリング前の糖分子は、所望の置換基を有していても、及び/又は、互いに無作為に又は位置選択的にカップリングされた官能化されたものであってもよい。
【0365】
以下、実施例によれば、本発明に従う化合物は、下記プロセス:
・糖主骨格への置換基のランダムグラフト;
・置換基を有する単糖類分子又はオリゴ糖類分子の間の、1つ以上のグリコシル化段階;
・置換基を有する1つ以上の単糖類又はオリゴ糖類と、1つ以上の単糖類分子又はオリゴ糖類分子との間の、1つ以上のグリコシル化段階;
・糖主骨格が天然に有するアルコール又は酸へ保護基を導入する1つ以上の段階、それに続く置換基をグラフトさせる1つ以上の反応、最終的に、保護基を除去する段階;
・糖主骨格が天然に有するアルコール又は酸への保護基を有する1つ以上の単糖類分子又はオリゴ糖類分子間の、1つ以上のグリコシル化段階、得られた糖主骨格に置換基をグラフトさせる1つ以上の段階、その後の、保護基を除去する段階;
・糖主骨格が天然に有するアルコール又は酸への保護基を有する1つ以上の単糖類分子又はオリゴ糖類分子と、1つ以上の単糖類又はオリゴ糖類分子との間の、1つ以上のグリコシル化段階、置換基をグラフトさせる1つ以上の段階、及びその後の、保護基を除去する段階;
の1つに従い、得られ得る。
【0366】
単離されたか又は混合物としての本発明に従う化合物は、特に上記プロセスによって得られた後に、種々の方法において、分離され及び/又は精製され得る。
【0367】
特に"調製可能な"とは、
・特にシリカ上のフラッシュクロマトグラフィー、及び
・HPLC(高速液体クロマトグラフィー)型、特に、RP-HPLC(逆相HPLC)
のようなクロマトグラフィー法により作られ得ることに言及する。
【0368】
選択的な沈澱法がまた用いられ得る。
【0369】
本発明はまた、下記実施例によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0370】
図1図1は、実施例B2及びB8に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を示したグラフである。
図2図2は、実施例B2及びB8に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を示したグラフである。
図3図3は、実施例B2及びB10に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を示したグラフである。
図4図4は、実施例B2及びB10に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を示したグラフである。
図5図5は、実施例B2及びB7に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を示したグラフである。
図6図6は、実施例B2及びB7に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を示したグラフである。
図7図7は、実施例B1及びB3に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を示したグラフである。
図8図8は、実施例B1及びB3に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を示したグラフである。
図9図9は、実施例B1及びB39に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を示したグラフである。
図10図10は、実施例B1及びB39に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を示したグラフである。
図11】251nmでのCDシグナルを示すグラフである。
図12】275nmでのCDシグナルを示すグラフである。
図13図13は、実施例B2及びB11に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を示したグラフである。
図14図14は、実施例B2及びB11に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を示したグラフである
図15図15は、実施例B1及びB38に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を示したグラフである。
図16図16は、実施例B1及びB38に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を示したグラフである。
図17図17は、実施例B1及びB53に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を示したグラフである。
図18図18は、実施例B1及びB53に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を示したグラフである。
図19図19は、化合物1乃至11の存在中のリスプロインスリンの会合状態を示す、251nmでのCDシグナルを示すグラフである。
図20図20は、化合物1乃至11の存在中のリスプロインスリンの会合状態を示す、275nmでのCDシグナルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0371】
実施例
本発明に従う置換されたアニオン性化合物の構造を、表1に示す。多糖類比較例の構造を、表2に与える。
AA 置換されたアニオン性化合物
【表1】
【表2】

【表3】

表1

AB 多糖類比較例
【表4】

【表5】
表2
【0372】
AA1.化合物1:ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート
水素化ホウ素ナトリウムの0.6g(16mmol)を、65℃にて水に溶解したマルトトリオース(カルボシンス(CarboSynth)社)の8g(ヒドロキシル官能基の143mmol)中に添加した。30分間撹拌した後、クロロ酢酸ナトリウムの28g(238mmol)を添加した。その後、当該溶液に、10N NaOHの24mL(24mmol)を滴下添加し、そしてその後、当該混合物を、65℃にて90分間加熱した。その後、当該反応媒体にクロロ酢酸ナトリウムの16.6g(143mmol)を添加し、同様に10N NaOHの14mL(14mmol)を滴下添加した。1時間加熱した後、当該混合物を水で希釈し、酢酸で中和し、そしてその後、水に対する1kDa PESメンブランでの限外濾過によって、精製した。乾燥抽出物によって最終溶液の化合物濃度を決定し、そしてその後、50/50(v/v)水/アセトン混合物中で酸/塩基アッセイを行って、メチルカルボキシレートによる置換度を決定した。
乾燥抽出物に従うと:[化合物]=32.9mg/gであった。
【0373】
酸/塩基アッセイに従うと、メチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り1.65であった。
【0374】
プロライト(Purolite)(アニオン性)樹脂でナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート溶液を酸性化して、マルトトリオースメチルカルボン酸を得、その後、18時間凍結乾燥した。
【0375】
マルトトリオースメチルカルボン酸の10g(63mmolのメチルカルボン酸官能基)をDMF中に可溶化し、そしてその後、0℃に冷却した。DMF中のエチルフェニルアラニネート塩酸塩(8.7g;38mmol)の混合物を調製した。トリエチルアミンの3.8g(38mmol)を当該混合物に添加した。その後、NMM(6.3g;63mmol)とEtOCOCl(6.8g,63mmol)との溶液を0℃にて当該混合物に添加した。その後、エチルフェニルアラニネート溶液を添加し、そして当該混合物を10℃にて撹拌した。イミダゾール水溶液を添加し、そしてその後、当該混合物を30℃に加熱した。当該媒体を水で希釈し、そしてその後、得られた溶液を、0.1N NaOH、NaCl及び水に対する1kDa PESメンブランでの限外濾過によって精製した。乾燥抽出物によって最終溶液の分子濃度を決定した。溶液の試料を凍結乾燥し、そしてDO中でH NMRによって解析して、ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度を決定した。
【0376】
乾燥抽出物に従うと:[化合物1]=29.4mg/gであった。
【0377】
酸/塩基アッセイに従うと、メチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.65であった。
【0378】
H NMRに従うと:ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り1.0であった。
【0379】
AA2.化合物2:ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート
化合物1の調製に用いたのと同様のプロセスを用いて、ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースカルボキシレートを得た。
酸/塩基アッセイに従うと、ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り1.0であった。
【0380】
乾燥抽出物に従うと:[化合物2]=20.2mg/gであった。
【0381】
H NMRに従うと:ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.65であった。
【0382】
AA3.化合物3:ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート
化合物1の調製に用いたのと同様のプロセスを用いて、ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースカルボキシレートを得た。
酸/塩基アッセイに従うと、ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.46であった。
【0383】
乾燥抽出物に従うと:[化合物3]=7.2mg/gであった。
【0384】
H NMRに従うと:ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り1.2であった。
【0385】
AA4.化合物4:ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート
化合物1の調製に用いたのと同様のプロセスを用いて、ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースカルボキシレートを得た。
酸/塩基アッセイに従うと、ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.35であった。
【0386】
乾燥抽出物に従うと:[化合物4]=3.1mg/gであった。
【0387】
H NMRに従うと:ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.65であった。
【0388】
AA5.化合物5:ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート
化合物1の調製に用いたのと同様のプロセスを用いて、ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレートを得た。
【0389】
乾燥抽出物に従うと:[化合物5]=10.9mg/gであった。
【0390】
H NMRに従うと:ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.40であった。
【0391】
ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り1.25であった。
【0392】
AA6.化合物6:ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート
水素化ホウ素ナトリウムの0.6g(16mmol)を、65℃にて水に溶解したマルトトリオース(カルボシンス社)の8g(143mmolのヒドロキシル官能基)中に添加した。30分間撹拌した後、クロロ酢酸ナトリウムの28g(237mmol)を添加した。その後、当該溶液に、10N NaOHの24mL(240mmol)を滴下添加した。65℃にて90分間加熱した後、当該混合物を水で希釈し、酢酸で中和し、そしてその後、水に対する1kDa PESメンブランでの限外濾過によって、精製した。乾燥抽出物によって最終溶液の化合物濃度を決定し、そしてその後、50/50(v/v)水/アセトン混合物中で酸/塩基アッセイを行って、ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度を決定した。
【0393】
乾燥抽出物に従うと:[化合物]=14.5mg/gであった。
【0394】
酸/塩基アッセイに従うと、ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り1.45であった。
【0395】
プロライト(アニオン性)樹脂でナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート溶液を酸性化して、マルトトリオースメチルカルボン酸を得、その後、18時間で凍結乾燥した。
【0396】
化合物1の調製に用いたのと同様のプロセスを用いて、ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレートを得た。
【0397】
乾燥抽出物に従うと:[化合物6]=10.8mg/gであった。
【0398】
H NMRに従うと:ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.65であった。
【0399】
ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.8であった。
【0400】
AA7.化合物7:ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート
化合物1の調製で記載されているのと同様のプロセスを用いて、1.76のナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度を特徴とするナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレートの8gを合成しそして凍結乾燥した。
【0401】
当該凍結乾燥物の8g(58mmolのヒドロキシル官能基)及びクロロ酢酸ナトリウムの15g(129mmol)を、65℃の水に溶解した。当該溶液に、10N NaOHの13mL(130mmol)を滴下添加し、そしてその後、当該混合物を、65℃にて90分間加熱した。その後、当該反応媒体にクロロ酢酸ナトリウムの9g(78mmol)を添加し、同様に10N NaOHの8mL(80mmol)を滴下添加した。1時間加熱した後、当該混合物を水で希釈し、酢酸で中和し、そしてその後、水に対する1kDa PESメンブランでの限外濾過によって、精製した。乾燥抽出物によって最終溶液の化合物濃度を決定し、そしてその後、50/50(v/v)水/アセトン混合物中での酸/塩基アッセイを行って、ナチリウムメチルカルボキシレートによる置換度を決定した。
【0402】
乾燥抽出物に従うと:[化合物]=11.7mg/gであった。
【0403】
酸/塩基アッセイに従うと、ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り3.30であった。
【0404】
プロライト(アニオン性)樹脂でナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート溶液を酸性化して、マルトトリオースメチルカルボン酸を得、その後、18時間で凍結乾燥した。
【0405】
化合物1の調製に用いたのと同様のプロセスを用いて、ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレートを得た。
【0406】
乾燥抽出物に従うと:[化合物7]=14.9mg/gであった。
【0407】
H NMRに従うと:ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.65であった。
【0408】
ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り2.65であった。
【0409】
AA8.化合物8:ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトペンタオースメチルカルボキシレート
マルトペンタオース(カルボシンス社)を用いて行った他は、化合物1の調製について記載したのと同様のプロセスを用いて、糖単位当り1.75のメチルカルボン酸による置換度を有するマルトペンタオースメチルカルボン酸の10gを得、そしてその後、凍結乾燥した。
【0410】
化合物1の調製に用いたのと同様のプロセスを用いて、ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトペンタオースメチルカルボキシレートを得た。
【0411】
乾燥抽出物に従うと:[化合物8]=7.1mg/gであった。
【0412】
H NMRに従うと:ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.75であった。
【0413】
ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り1.0であった。
【0414】
AA9.化合物9:ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトオクタオースメチルカルボキシレート
マルトオクタオース(カルボシンス社)を用いて行った他は、化合物1の調製について記載したのと同様のプロセスを用いて、糖単位当り1.65のメチルカルボン酸による置換度を有するマルトオクタオースメチルカルボン酸の10gを得、そしてその後、凍結乾燥した。
【0415】
化合物1の調製に用いたのと同様のプロセスを用いて、ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムマルトオクタオースメチルカルボキシレートを得た。
【0416】
乾燥抽出物に従うと:[化合物9]=26.3mg/gであった。
【0417】
H NMRに従うと:ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.65であった。
【0418】
ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り1.0であった。
【0419】
AA10.化合物10:ナトリウムL-チロシネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート
メチルL-チロシネート塩酸塩(バケム(Bachem)社)を用いて行った他は、化合物1の調製について記載したのと同様のプロセスを用いて、糖単位当り1.64のナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度を特徴とするナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレートを、ナトリウムL-チロシネートにより官能化した。
【0420】
乾燥抽出物に従うと:[化合物10]=9.1mg/gであった。
【0421】
H NMRに従うと:ナトリウムL-チロシネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.81であった。
ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.83であった。
【0422】
AA11.化合物11:ナトリウムα-フェニルグリシネートにより官能化されたナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート
化合物1の調製について記載したのと同様のプロセスを用いて、糖単位当り1.64のメチルカルボン酸による置換度を有するマルトトリオースメチルカルボン酸の10gを得、そしてその後、凍結乾燥した。
【0423】
マルトトリオースメチルカルボン酸の8g(50mmolのメチルカルボン酸官能基)をDMF中に溶解し、そしてその後、0℃に冷却した。ナトリウムα-フェニルグリシネート(バケム社,5g;33mmol)及びトリエチルアミン(33mmol)の混合物を、水中に調製した。その後、NMM溶液(4.9g;49mmol)及びEtOCOCl溶液(5.3g,49mmol)を、0℃にてマルトトリオースメチルカルボン酸溶液に添加した。その後、ナトリウムα-フェニルグリシネート及びトリエチルアミンの溶液を添加し、そして当該混合物を30℃にて撹拌した。90分後にイミダゾール水溶液(340g/L)を添加した。当該媒体を水で希釈し、そしてその後、得られた溶液を、pH10.4の150mM NaHCO/NaCO緩衝液、0.9%NaCl及び水に対する1kDa PESメンブランでの限外濾過によって精製した。乾燥抽出物によって最終溶液の分子濃度を決定した。溶液の試料を凍結乾燥し、そしてDO中でのH NMRによって解析して、ナトリウムα-フェニルグリシネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度を決定した。
【0424】
乾燥抽出物に従うと:[化合物11]=9.1mg/gであった。
【0425】
H NMRに従うと:ナトリウムα-フェニルグリシネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.52であった。
【0426】
ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り1.12であった。
【0427】
AB 多糖類比較例
AB1.多糖類1:ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート
多糖類1は、仏国特許第2914305号の番号で公開されている、特許出願仏国特許第07/02316号に記載されるプロセスに従い、10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(DP=39,ファルマコスモス社)から得られた、ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートである。酸/塩基アッセイに従うと、ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.6であった。
【0428】
H NMRに従うと:ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.46であった。
【0429】
当該多糖類は、仏国特許出願第09/01478号の多糖類1に相当する。
【0430】
AB2.多糖類2:ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート
多糖類2は、仏国特許第2914305号の番号で公開されている、特許出願仏国特許第07/02316号に記載されるプロセスに従い、5kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(DP=19,ファルマコスモス社)から得られた、ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートである。酸/塩基アッセイに従うと、ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り1.01であった。
【0431】
H NMRに従うと:ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.64であった。
【0432】
AB3.多糖類3:ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート
多糖類3は、仏国特許第2914305号の番号で公開されている、特許出願仏国特許第07/02316号に記載されるプロセスに従い、5kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(DP=19,ファルマコスモス社)から得られた、ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートである。酸/塩基アッセイに従うと、ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.65であった。
【0433】
H NMRに従うと:ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.45であった。
【0434】
AB4.多糖類4:ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート
多糖類4は、仏国特許第2914305号の番号で公開されている、特許出願仏国特許第07/02316号に記載されるプロセスに従い、10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(DP=39,ファルマコスモス社)から得られた、ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートである。酸/塩基アッセイに従うと、ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り1.01であった。
【0435】
H NMRに従うと:ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.64であった。
【0436】
AB5.多糖類5:ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート
多糖類5は、仏国特許第2914305号の番号で公開されている、特許出願仏国特許第07/02316号に記載されるプロセスに従い、5kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(DP=19,ファルマコスモス社)から得られた、ナトリウムL-フェニルアラニネートにより官能化されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートである。酸/塩基アッセイに従うと、ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.45であった。
【0437】
H NMRに従うと:ナトリウムL-フェニルアラニネートで官能化されたメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り0.65であった。
【0438】
AC ポリアニオン性化合物
ポリアニオン性化合物1:ナトリウムマルトトリオースメチルカルボキシレート
水素化ホウ素ナトリウムの0.6g(16mmol)を、65℃にて水中に溶解したマルトトリオース(カルボシンス社)の8g(143mmolのヒドロキシル官能基)に添加した。30分間撹拌した後、クロロ酢酸ナトリウムの28g(238mmol)を添加した。その後、当該溶液に、10N NaOHの24mL(240mmol)を滴下添加し、そしてその後、65℃にて90分間加熱した。その後、当該反応媒体にクロロ酢酸ナトリウムの16.6g(143mmol)を添加し、同様に10N NaOHの14mL(140mmol)を滴下添加した。1時間加熱した後、当該混合物を水で希釈し、酢酸で中和し、そしてその後、水に対する1kDa PESメンブランでの限外濾過によって、精製した。乾燥抽出物によって最終溶液の化合物濃度を決定し、そしてその後、50/50(v/v)水/アセトン混合物中での酸/塩基アッセイを行って、ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度を決定した。
【0439】
乾燥抽出物に従うと:[ポリアニオン性化合物1]=32.9mg/gであった。
【0440】
酸/塩基アッセイに従うと、ナトリウムメチルカルボキシレートによる置換度は、糖単位当り1.65であった。
【0441】
B 溶液の調製
B1.100IU/mLの、速効型インスリンアナログであるノボログ(登録商標)の溶液
当該溶液は、ノボログ(登録商標)の名称の下でノボ ノルディスク(Novo Nordisk)社から販売されている、市販のアスパルトインスリン溶液である。当該製品は、速効型アスパルトインスリンアナログである。
【0442】
B2.100IU/mLの、速効型インスリンアナログであるヒューマログ(登録商標)の溶液
当該溶液は、ヒューマログ(登録商標)の名称の下でエリ リリー(Eli Lilly)社から販売されている、市販のリスプロインスリン溶液である。当該製品は、速効型インスリンアナログである。
【0443】
B3.100IU/mLの、中間型ヒトインスリンであるアクトラピッド(Actrapid)(登録商標)の溶液
当該溶液は、アクトラピッド(登録商標)の名称の下でノボ ノルディスク社から販売されている、市販のヒトインスリン溶液である。当該製品は、中間型ヒトインスリンである。
【0444】
B4.100IU/mLの、中間型ヒトインスリンであるヒュームリン(Humulin)(登録商標)Rの溶液
当該溶液は、ヒュームリン(登録商標)Rの名称の下でエリ リリー社から販売されている、市販のヒトインスリン溶液である。当該製品は、中間型ヒトインスリンである。
【0445】
B5.賦形剤溶液の調製
非ポリマー状ポリアニオン性化合物は、カルシウムイオンについて、及びインスリンのヘキサマー形態を不安定化しない性能について、それらの解離定数を測定することによって、選択される。
【0446】
カルシウムイオンについての解離定数に関しては、下記のとおり決定される。
【0447】
CaClの2.5mM、NaClの150mM及び濃度を増加させたポリアニオン性化合物(0乃至20mM)を含有する溶液を調製した。これら製剤全ての電位を測定し、そして製剤中の遊離のカルシウムイオンの濃度を決定した。スカッチャード法(Scatchard method)による直線化後、解離定数を確定した。これらのデータによって、Caに対する種々のポリアニオン性化合物のカルボン酸塩及びリン酸塩の親和性を比較することが可能となった。
【0448】
インスリンのヘキサマー形態を不安定化しないそれらの性能に関し、円偏光二色性によって、インスリン単独(アニオン性化合物又はポリアニオン性化合物が存在しない)と比較した特性を測定した(実験の部Dの実験プロトコルを参照のこと)。
【0449】
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液の調製
目盛付きフラスコ中の水25mL中にクエン酸ナトリウムの9.0811g(30.9mmol)を溶解することによって、クエン酸ナトリウム溶液を得た。1M HClの1mLを添加することによって、pHを正確に7.4に調節した。当該溶液を、0.22μmのフィルタに通して濾過した。
【0450】
130mMのm-クレゾール溶液の調製
1Lの目盛付きフラスコ中での水986.4mL中にm-クレゾールの14.114g(130mmol)を溶解することによって、m-クレゾール溶液を得た。
【0451】
m-クレゾール及びグリセロール(96.6mMのm-クレゾール及び566mMのグリセロール)の溶液の調製
130mMのm-クレゾール溶液の73.3gをグリセロールの5.26gに添加し、そして水22.25gの添加によって希釈した。得られたm-クレゾール及びグリセロール溶液を30分間均質化し、そしてその後、0.22μmのメンブランに通して濾過した。
【0452】
32.7mMのトゥイーン20(Tween20)溶液の調製
目盛付きフラスコ中の水50mL中にトゥイーン20の2.0079g(1.636mmol)を溶解することによって、トゥイーン20溶液を得た。当該溶液を0.22μmのメンブランに通して濾過した。
【0453】
B6.500IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
水15gをヒトインスリンの563.6mgに添加し、そしてその後、0.1N HClの5.98gを添加することによって、pHを酸性pHに低下させた。酸性pHにてインスリンの全てが溶解した後、当該溶液を、0.1N NaOHの8.3mLを添加することにより、pH7.2に中和した。その後、水0.76gを添加することにより、濃度を500IU/mLに調節した。最終的に、当該溶液を0.22μmのメンブランに通して濾過した。
【0454】
B7.化合物1の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物1 730mg
100IU/mLのヒューマログ(商標登録)市販溶液 100mL
【0455】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0456】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0457】
B8.化合物1及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物1 730mg
100IU/mLのヒューマログ(登録商標)市販溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0458】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0459】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0460】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0461】
B9.化合物1及びポリアニオン性化合物1の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物1]/[ポリアニオン性化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2.0/2.0/1を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物1 730mg
凍結乾燥したポリアニオン性化合物1 730mg
100IU/mLのヒューマログ(登録商標)市販溶液 100mL
【0462】
ポリアニオン性化合物1は、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0463】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0464】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0465】
B10.化合物1及びポリアニオン性化合物1の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物1]/[ポリアニオン性化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2.0/5.5/1を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物1 730mg
凍結乾燥したポリアニオン性化合物1 2000mg
100IU/mLのヒューマログ(登録商標)市販溶液 100mL
【0466】
ポリアニオン性化合物1は、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0467】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0468】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0469】
B11.化合物2及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物2]/[リスプロインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物2 730mg
100IU/mLのヒューマログ(登録商標)市販溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0470】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0471】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0472】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0473】
B12.化合物2及びポリアニオン性化合物1の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物2]/[ポリアニオン性化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2.0/2.0/1を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物2 730mg
凍結乾燥したポリアニオン性化合物1 730mg
100IU/mLのヒューマログ(登録商標)市販溶液 100mL
【0474】
ポリアニオン性化合物1は、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0475】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0476】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0477】
B13.化合物2及びポリアニオン性化合物1の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物2]/[ポリアニオン性化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2.0/5.5/1を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物2 730mg
凍結乾燥したポリアニオン性化合物1 2000mg
100IU/mLのヒューマログ(登録商標)市販溶液 100mL
【0478】
ポリアニオン性化合物1は、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0479】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0480】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0481】
B14.化合物1の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物1]/[リスプロインスリン]質量比4を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥形態にある化合物1 1460mg
100IU/mLのヒューマログ(登録商標)市販溶液 100mL
【0482】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0483】
B15.化合物2の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物2]/[リスプロインスリン]質量比4を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥形態にある化合物2 1460mg
100IU/mLのヒューマログ(登録商標)市販溶液 100mL
【0484】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0485】
B16.化合物1及び酒石酸ナトリウムの存在下での100IU/mLのリスプロインスリンアナログ溶液の調製
[化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2.0及び80mMの酒石酸ナトリウム濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥形態にある化合物1 730mg
100IU/mLのヒューマログ(登録商標)市販溶液 100mL
酒石酸ナトリウム 1.552g
【0486】
酒石酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0487】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0488】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0489】
B17.化合物1及びポリアニオン性化合物1の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物1]/[ポリアニオン性化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2/4/1を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥形態にある化合物1 730mg
凍結乾燥形態にあるポリアニオン性化合物1 1460mg
100IU/mLのヒューマログ(登録商標)市販溶液 100mL
【0490】
ポリアニオン性化合物1は、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0491】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0492】
B18.化合物1及び三リン酸ナトリウムの存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥形態にある化合物1 730mg
三リン酸ナトリウム 184mg
100IU/mLのヒューマログ(登録商標)市販溶液 100mL
【0493】
三リン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0494】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0495】
B19.化合物2及び酒石酸ナトリウムの存在下での100IU/mLのリスプロインスリンアナログ溶液の調製
[化合物2]/[リスプロインスリン]質量比2.0及び80mMの酒石酸ナトリウム濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥形態にある化合物2 730mg
100IU/mLのヒューマログ(登録商標)市販溶液 100mL
酒石酸ナトリウム 1.552g
【0496】
酒石酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0497】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0498】
B20.化合物2及びポリアニオン性化合物1の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物2]/[ポリアニオン性化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2/4/1を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥形態にある化合物2 730mg
凍結乾燥形態にあるポリアニオン性化合物1 1460mg
100IU/mLのヒューマログ(登録商標)市販溶液 100mL
【0499】
ポリアニオン性化合物1は、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0500】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0501】
B21.化合物2及び三リン酸ナトリウムの存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥形態にある化合物2 730mg
三リン酸ナトリウム 184mg
100IU/mLのヒューマログ(登録商標)市販溶液 100mL
【0502】
三リン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0503】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0504】
B22.200IU/mLのインスリンアナログ(リスプロインスリン)溶液の調製
リスプロインスリンの市販製剤(ヒューマログ(登録商標))を、3kDaカットオフ値を有するアミコンウルトラ-15(Amicon Ultra-15)遠心分離管を用いて濃縮した。最初にアミコン管を12mLの脱イオン水を用いて洗浄した。市販製剤の12mLを、20℃にて4000gにて、35分間、遠心分離した。濃縮液の容量を測定し、そして濃度を推定した。全ての濃縮液を集め、そして全体の濃度を推定した(>200IU/mL)。
【0505】
当該濃縮したリスプロインスリン溶液の濃度を、市販のリスプロインスリン製剤(ヒューマログ(登録商標))を添加することによって、200IU/mLに調節した。濃縮したリスプロインスリン製剤は、100IU/mLの市販製剤と同様の賦形剤(m-クレゾール、グリセロール、リン酸塩)の濃度を有していた。
【0506】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0507】
B23.化合物1及びクエン酸塩の存在下での200IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
200IU/mLのリスプロインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 1460mg
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 1566μL
【0508】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0509】
B24.化合物1及びポリアニオン性化合物1の存在下での200IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物1]/[ポリアニオン性化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2/2/1を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
200IU/mLのリスプロインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 1460mg
ポリアニオン性化合物1の凍結乾燥物 1460mg
【0510】
ポリアニオン性化合物1は、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0511】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0512】
B25.化合物1及びポリアニオン性化合物1の存在下での200IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物1]/[ポリアニオン性化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2/4/1を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
200IU/mLのリスプロインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 1460mg
ポリアニオン性化合物1の凍結乾燥物 2920mg
【0513】
ポリアニオン性化合物1は、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0514】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0515】
B26.化合物2及びポリアニオン性化合物1の存在下での200IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物2]/[ポリアニオン性化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2/4/1を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
200IU/mLのリスプロインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 1460mg
ポリアニオン性化合物1の凍結乾燥物 2920mg
【0516】
ポリアニオン性化合物1は、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0517】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0518】
B27.化合物1及び酒石酸塩の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物1]/[ヒトインスリン]質量比2及び酒石酸塩の80mMを有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
500IU/mLのヒトインスリン 20mL
化合物1の36.01mg/mL溶液 20.27mL
96.6mMのm-クレゾール/566mMのグリセロール溶液 30mL
水 28.95mL
酒石酸ナトリウム 1.552g
【0519】
酒石酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0520】
最終的なpHは7.4±0.4であった。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして+4℃にて保管した。
【0521】
B28.化合物1及び三リン酸塩の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
500IU/mLのヒトインスリン 20mL
化合物1の36.01mg/mL溶液 20.27mL
96.6mMのm-クレゾール/566mMのグリセロール溶液 30mL
水 28.95mL
三リン酸ナトリウム 184mg
【0522】
三リン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0523】
最終的なpHは7.4±0.4であった。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして+4℃にて保管した。
【0524】
B29.化合物2及び酒石酸塩の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物2]/[ヒトインスリン]質量比2及び酒石酸塩の80mMを有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
500IU/mLのヒトインスリン 20mL
化合物2の36.01mg/mL溶液 20.27mL
96.6mMのm-クレゾール/566mMのグリセロール溶液 30mL
水 28.95mL
酒石酸ナトリウム 1.552g
【0525】
酒石酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0526】
最終的なpHは7.4±0.4であった。
【0527】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして+4℃にて保管した。
【0528】
B30.化合物2及び三リン酸の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
500IU/mLのヒトインスリン 20mL
化合物2の36.01mg/mL溶液 20.27mL
96.6mMのm-クレゾール/566mMのグリセロール溶液 30mL
水 28.95mL
三リン酸ナトリウム 184mg
【0529】
三リン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0530】
最終的なpHは7.4±0.4であった。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして+4℃にて保管した。
【0531】
B31.200IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
ヒトインスリンの市販製剤(ヒュームリン(登録商標)R)を、3kDaカットオフ値を有するアミコンウルトラ-15遠心分離管を用いて濃縮した。最初にアミコン管を12mLの脱イオン水を用いて洗浄した。市販製剤の12mLを、20℃にて4000gにて、35分間、遠心分離した。濃縮液の容量を測定し、そして濃度を推定した。全ての濃縮液を集め、そして全体の濃度を推定した(>200IU/mL)。
【0532】
当該濃縮したヒトインスリン溶液の濃度を、市販のヒトインスリン製剤(ヒュームリン(登録商標)R)を添加することによって、200IU/mLに調節した。濃縮したヒトインスリン製剤は、100IU/mLの市販製剤と同様の賦形剤(m-クレゾール、グリセロール)の濃度を有していた。
【0533】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0534】
B32.化合物1及びクエン酸塩の存在下での200IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物1]/[ヒトインスリン]質量比2を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
200IU/mLのヒトインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 1460mg
1.188Mクエン酸ナトリウム溶液 1566μL
【0535】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0536】
B33.化合物1及びポリアニオン性化合物1の存在下での200IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物1]/[ポリアニオン性化合物1]/[ヒトインスリン]質量比2/2/1を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
200IU/mLのヒトインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 1460mg
ポリアニオン性化合物1の凍結乾燥物 1566mg
【0537】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0538】
B34.化合物1及びポリアニオン性化合物1の存在下での200IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物1]/[ポリアニオン性化合物1]/[ヒトインスリン]質量比2/4/1を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
200IU/mLのヒトインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 1460mg
ポリアニオン性化合物1の凍結乾燥物 2920mg
【0539】
ポリアニオン性化合物1は、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0540】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0541】
B35.化合物2及びクエン酸塩の存在下での200IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物2]/[ヒトインスリン]質量比2を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
200IU/mLのヒトインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 1460mg
1.188Mクエン酸ナトリウム溶液 1566μL
【0542】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0543】
B36.化合物2及びポリアニオン性化合物1の存在下での200IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物2]/[ポリアニオン性化合物1]/[ヒトインスリン]質量比2/2/1を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
200IU/mLのヒトインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 1460mg
ポリアニオン性化合物1の凍結乾燥物 1460mg
【0544】
ポリアニオン性化合物1は、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0545】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0546】
B37.化合物2及びポリアニオン性化合物1の存在下での200IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物2]/[ポリアニオン性化合物1]/[ヒトインスリン]質量比2/4/1を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
200IU/mLのヒトインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 1460mg
ポリアニオン性化合物1の凍結乾燥物 2920mg
【0547】
ポリアニオン性化合物1は、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0548】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0549】
B38.化合物2及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物2]/[ヒトインスリン]質量比2及び9.3mMのクエン酸塩を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
500IU/mLのヒトインスリン 20mL
化合物2の36.01mg/mL溶液 20.27mL
96.6mMのm-クレゾール/566mMのグリセロール溶液 30mL
水 28.95mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0550】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0551】
最終的なpHは7.4±0.4であった。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0552】
B39.化合物1及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物1]/[ヒトインスリン]質量比2及び9.3mMのクエン酸塩を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
500IU/mLのヒトインスリン 20mL
化合物1の36.01mg/mL溶液 27mL
96.6mMのm-クレゾール/566mMのグリセロール溶液 30mL
水 28.95mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0553】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0554】
最終的なpHは7.4±0.4であった。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0555】
B40.化合物1及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのアスパルトインスリン溶液の調製
[化合物1]/[アスパルトインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
凍結乾燥した化合物1 730mg
100IU/mLの市販のノボログ(登録商標)溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0556】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0557】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0558】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0559】
B41.速効型インスリンアナログであるアピドラ(登録商標)の100IU/mL溶液
当該溶液は、アピドラ(登録商標)の名称の下でサノフィアベンチス社から販売されている、市販のグルリジンインスリン溶液である。
【0560】
B42.化合物1及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのグルリジンインスリン溶液の調製
[化合物1]/[グルリジンインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物1 730mg
100IU/mLの市販のアピドラ(登録商標)溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0561】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0562】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0563】
B43.化合物2及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのアスパルトインスリン溶液の調製
[化合物2]/[アスパルトインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物2 730mg
100IU/mLの市販のノボログ(登録商標)溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0564】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0565】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0566】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0567】
B44.化合物2及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのグルリジンインスリン溶液の調製
[化合物2]/[グルリジンインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物2 730mg
100IU/mLの市販のアピドラ(登録商標)溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0568】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0569】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0570】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0571】
B45.化合物5及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物5]/[リスプロインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物5 730mg
100IU/mLの市販のヒューマログ(登録商標)溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0572】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0573】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0574】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0575】
B46.化合物6及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物6]/[リスプロインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物6 730mg
100IU/mLの市販のヒューマログ(登録商標)溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0576】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0577】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0578】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0579】
B47.化合物7及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物7]/[リスプロインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物7 730mg
100IU/mLの市販のヒューマログ(登録商標)溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0580】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0581】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0582】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0583】
B48.化合物8及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物8]/[リスプロインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物8 730mg
100IU/mLの市販のヒューマログ(登録商標)溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0584】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0585】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0586】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0587】
B49.化合物9及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物9]/[リスプロインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物9 730mg
100IU/mLの市販のヒューマログ(登録商標)溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0588】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0589】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0590】
B50.化合物5及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物5]/[ヒトインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物5 730mg
100IU/mLの市販のヒュームリン(登録商標)R溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0591】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0592】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0593】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0594】
B51.化合物6及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物6]/[ヒトインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物6 730mg
100IU/mLの市販のヒュームリン(登録商標)R溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0595】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0596】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0597】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0598】
B52.化合物7及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物7]/[ヒトインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物7 730mg
100IU/mLの市販のヒュームリン(登録商標)R溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0599】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0600】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0601】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0602】
B53.化合物8及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物8]/[ヒトインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物8 730mg
100IU/mLの市販のヒュームリン(登録商標)R溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0603】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0604】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0605】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0606】
B54.化合物9及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物9]/[ヒトインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物9 730mg
100IU/mLの市販のヒュームリン(登録商標)R溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0607】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0608】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0609】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0610】
B55.化合物2の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物2]/[ヒトインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物2 730mg
100IU/mLの市販のヒュームリン(登録商標)R溶液 100mL
【0611】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0612】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0613】
B56.化合物7の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物7]/[ヒトインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物7 730mg
100IU/mLの市販のヒュームリン(登録商標)R溶液 100mL
【0614】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0615】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0616】
B57.化合物10及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物10]/[リスプロインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物10 730mg
100IU/mLの市販のヒューマログ(登録商標)R溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0617】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0618】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0619】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0620】
B58.化合物11及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物11]/[リスプロインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物11 730mg
100IU/mLの市販のヒューマログ(登録商標)R溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0621】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0622】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0623】
B59.化合物10及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物10]/[ヒトインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物10 730mg
100IU/mLの市販のヒュームリン(登録商標)R溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0624】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0625】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0626】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0627】
B60.化合物11及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物11]/[ヒトインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物11 730mg
100IU/mLの市販のヒュームリン(登録商標)R溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0628】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0629】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0630】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0631】
B61.200IU/mLのアスパルトインスリン溶液の調製
アスパルトインスリンの市販製剤(ノボログ(登録商標))を、3kDaカットオフ値を有するアミコンウルトラ-15遠心分離管を用いて濃縮した。最初にアミコン管を12mLの脱イオン水を用いて洗浄した。市販製剤の12mLを、20℃にて4000gにて、35分間、遠心分離した。濃縮液の容量を測定し、そして濃度を推定した。全ての濃縮液を集め、そして全体の濃度を推定した(>200IU/mL)。
【0632】
当該濃縮したアスパルトインスリン溶液の濃度を、市販のアスパルトインスリン製剤(ノボログ(登録商標))を添加することによって、200IU/mLに調節した。濃縮したアスパルトインスリン製剤は、100IU/mLの市販製剤と同様の賦形剤(m-クレゾール、グリセロール)の濃度を有していた。
【0633】
遠心分離時間及び市販製剤についての最終希釈度を改変することにより、同様の手法で、300、400又は500IU/mLのアスパルトインスリン製剤を調製することが可能である。
【0634】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0635】
B62.200IU/mLのグルリジンインスリン溶液の調製
グルリジンインスリンの市販製剤(アピドラ(登録商標))を、3kDaカットオフ値を有するアミコンウルトラ-15遠心分離管を用いて濃縮した。最初にアミコン管を12mLの脱イオン水を用いて洗浄した。市販製剤の12mLを、20℃にて4000gにて、35分間、遠心分離した。濃縮液の容量を測定し、そして濃度を推定した。全ての濃縮液を集め、そして全体の濃度を推定した(>200IU/mL)。
【0636】
当該濃縮したグルリジンインスリン溶液の濃度を、市販のグルリジンインスリン製剤(アピドラ(登録商標))を添加することによって、200IU/mLに調節した。濃縮したアスパルトインスリン製剤は、100IU/mLの市販製剤と同様の賦形剤(m-クレゾール、NaCl、TRIS)の濃度を有していた。
【0637】
遠心分離時間及び市販製剤についての最終希釈度を改変することにより、同様の手法で、300、400又は500IU/mLのグルリジンインスリン製剤を調製することが可能である。
【0638】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0639】
B63.14.6mg/mLの化合物1及び18.6mMのクエン酸塩の存在下での200IU/mLのアスパルトインスリン溶液の調製
[化合物1]/[アスパルトインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
化合物1の凍結乾燥物 1460mg
200IU/mLのアスパルトインスリン 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 1566μL
【0640】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0641】
B64.300、400及び500IU/mLの、ヒトインスリン、リスプロインスリン、アスパルトインスリン又はグルリジンインスリン溶液の調製
200IU/mLのグルリジンインスリン溶液の調製に関する実施例B62のプロトコルに基づき、300IU/mL、400IU/mL及び500IU/mLの(及びまた、中間濃度の)、ヒトインスリン、リスプロインスリン、アスパルトインスリン又はグルリジンインスリンの濃縮製剤を調製した。市販のインスリン製剤を、3kDaカットオフ値を有するアミコンウルトラ-15遠心分離管を用いて濃縮した。最初にアミコン管を12mLの脱イオン水を用いて洗浄した。市販製剤の12mLを、20℃にて4000gにて、遠心分離した。遠心分離時間を改変することにより、製剤中のインスリンの最終濃度を調節することを可能とした。濃縮液の容量を測定し、そして濃度を推定した。全ての濃縮液を集め、そして全体の濃度を推定した(>300、400又は500IU/mL)。
【0642】
当該濃縮したインスリン溶液の濃度を、インスリン製剤(ヒュームリン(登録商標)R、ノボログ(登録商標)又はアピドラ(登録商標))を添加することによって、所望の濃度(例えば、300IU/mL、400IU/mL又は500IU/mL)に調節した。濃縮したインスリン製剤は、100IU/mLの市販製剤と同様の賦形剤濃度を有していた。
【0643】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0644】
B65.化合物1及びクエン酸塩の存在下での200IU/mLのグルリジンインスリン溶液の調製
[化合物1]/[グルリジンインスリン]質量比2を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を混合した。
化合物1の凍結乾燥物 1460mg
200IU/mLのグルリジンインスリン 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 1566μL
【0645】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0646】
B66.化合物1及びクエン酸塩の存在下での300IU/mLのアスパルトインスリン溶液の調製
[化合物1]/[アスパルトインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
300IU/mLのアスパルトインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 2190mg
クエン酸ナトリウム 720mg
【0647】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0648】
B67.化合物1及びクエン酸塩の存在下での300IU/mLのグルリジンインスリン溶液の調製
[化合物1]/[グルリジンインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
300IU/mLのグルリジンインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 2190mg
クエン酸ナトリウム 720mg
【0649】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0650】
B68.化合物1及びクエン酸塩の存在下での400IU/mLのアスパルトインスリン溶液の調製
[化合物1]/[アスパルトインスリン]質量比2を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
400IU/mLのアスパルトインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 2920mg
クエン酸ナトリウム 960mg
【0651】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0652】
B69.化合物1及びクエン酸塩の存在下での400IU/mLのグルリジンインスリン溶液の調製
[化合物1]/[グルリジンインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
400IU/mLのグルリジンインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 2920mg
クエン酸ナトリウム 960mg
【0653】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0654】
B70.化合物1及びクエン酸塩の存在下での500IU/mLのアスパルトインスリン溶液の調製
[化合物1]/[アスパルトインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
500IU/mLのアスパルトインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 3650mg
クエン酸ナトリウム 1200mg
【0655】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0656】
B71.化合物1及びクエン酸塩の存在下での500IU/mLのグルリジンインスリン溶液の調製
[化合物1]/[グルリジンインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
500IU/mLのグルリジンインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 3650mg
クエン酸ナトリウム 1200mg
【0657】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0658】
B72.化合物1及びクエン酸塩の存在下での300IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物1]/[ヒトインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
300IU/mLのヒトインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 2190mg
クエン酸ナトリウム 720mg
【0659】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0660】
B73.化合物1及びクエン酸塩の存在下での300IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
300IU/mLのリスプロインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 2190mg
クエン酸ナトリウム 720mg
【0661】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0662】
B74.化合物1及びクエン酸塩の存在下での400IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物1]/[ヒトインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
400IU/mLのヒトインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 2920mg
クエン酸ナトリウム 960mg
【0663】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0664】
B75.化合物1及びクエン酸塩の存在下での400IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
400IU/mLのリスプロインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 2920mg
クエン酸ナトリウム 960mg
【0665】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0666】
B76.化合物1及びクエン酸塩の存在下での500IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物1]/[ヒトインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
500IU/mLのヒトインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 3650mg
クエン酸ナトリウム 1200mg
【0667】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0668】
B77.化合物1及びクエン酸塩の存在下での500IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物1]/[リスプロインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
500IU/mLのリスプロインスリン 100mL
化合物1の凍結乾燥物 3650mg
クエン酸ナトリウム 1200mg
【0669】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0670】
B78.化合物2及びクエン酸塩の存在下での200IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物2]/[リスプロインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
200IU/mLのリスプロインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 1460mg
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 1566μL
【0671】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0672】
B79.化合物2及びクエン酸塩の存在下での200IU/mLのアスパルトインスリン溶液の調製
[化合物2]/[アスパルトインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
200IU/mLのアスパルトインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 1460mg
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 1566μL
【0673】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0674】
B80.化合物2及びクエン酸塩の存在下での200IU/mLのグルリジンインスリン溶液の調製
[化合物2]/[グルリジンインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
200IU/mLのグルリジンインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 1460mg
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 1566μL
【0675】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0676】
B81.化合物2及びクエン酸塩の存在下での300IU/mLのアスパルトインスリン溶液の調製
[化合物2]/[アスパルトインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
300IU/mLのアスパルトインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 2190mg
クエン酸ナトリウム 720mg
【0677】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0678】
B82.化合物2及びクエン酸塩の存在下での300IU/mLのグルリジンインスリン溶液の調製
[化合物2]/[グルリジンインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
300IU/mLのグルリジンインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 2190mg
クエン酸ナトリウム 720mg
【0679】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0680】
B83.化合物2及びクエン酸塩の存在下での400IU/mLのアスパルトインスリン溶液の調製
[化合物2]/[アスパルトインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
400IU/mLのアスパルトインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 2920mg
クエン酸ナトリウム 960mg
【0681】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0682】
B84.化合物2及びクエン酸塩の存在下での400IU/mLのグルリジンインスリン溶液の調製
[化合物2]/[グルリジンインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
400IU/mLのグルリジンインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 2920mg
クエン酸ナトリウム 960mg
【0683】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0684】
B85.化合物2及びクエン酸塩の存在下での500IU/mLのアスパルトインスリン溶液の調製
[化合物2]/[アスパルトインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
500IU/mLのアスパルトインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 3650mg
クエン酸ナトリウム 1200mg
【0685】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0686】
B86.化合物2及びクエン酸塩の存在下での500IU/mLのグルリジンインスリン溶液の調製
[化合物2]/[グルリジンインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
500IU/mLのグルリジンインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 3650mg
クエン酸ナトリウム 1200mg
【0687】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0688】
B87.化合物2及びクエン酸塩の存在下での300IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物2]/[ヒトインスリン]質量比2を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
300IU/mLのヒトインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 2190mg
クエン酸ナトリウム 720mg
【0689】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0690】
B88.化合物2及びクエン酸塩の存在中の300IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製下で
[化合物2]/[リスプロインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
300IU/mLのリスプロインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 2190mg
クエン酸ナトリウム 720mg
【0691】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0692】
B89.化合物2及びクエン酸塩の存在下での400IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物2]/[ヒトインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
400IU/mLのヒトインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 2920mg
クエン酸ナトリウム 960mg
【0693】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0694】
B90.化合物2及びクエン酸塩の存在下で中の400IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物2]/[リスプロインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
400IU/mLのリスプロインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 2920mg
クエン酸ナトリウム 960mg
【0695】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0696】
B91.化合物2及びクエン酸塩の存在下での500IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物2]/[ヒトインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
500IU/mLのヒトインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 3650mg
クエン酸ナトリウム 1200mg
【0697】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0698】
B92.化合物2及びクエン酸塩の存在下での500IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物2]/[リスプロインスリン]質量比2.0を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量で、種々の試薬を混合した。
500IU/mLのリスプロインスリン 100mL
化合物2の凍結乾燥物 3650mg
クエン酸ナトリウム 1200mg
【0699】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0700】
B93.化合物3及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物3]/[リスプロインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物3 730mg
500IU/mLの市販のヒューマログ(登録商標)溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0701】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0702】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0703】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0704】
B94.化合物4及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのリスプロインスリン溶液の調製
[化合物4]/[リスプロインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物4 730mg
100IU/mLの市販のヒューマログ(登録商標)溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0705】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0706】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0707】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0708】
B95.化合物3及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物3]/[ヒトインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物3 730mg
100IU/mLの市販のヒュームリン(登録商標)R溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0709】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0710】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0711】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0712】
B96.化合物4及びクエン酸塩の存在下での100IU/mLのヒトインスリン溶液の調製
[化合物4]/[ヒトインスリン]質量比2.0及び9.3mMのクエン酸塩濃度を有する100mLの最終容量の製剤のために、下記に特定した量及び下記の配合で、種々の試薬を添加した。
凍結乾燥した化合物4 730mg
100IU/mLの市販のヒュームリン(登録商標)溶液 100mL
1.188Mのクエン酸ナトリウム溶液 783μL
【0713】
クエン酸塩については、注射用製剤に適合性のある、ナトリウム塩、カリウム塩又はその他の塩の形態にある酸形態又は塩基形態で使用され得る。
【0714】
最終的なpHを7.4±0.4に調節した。
【0715】
0.22μmメンブランに通して清澄な溶液を濾過し、そして4℃にて保管した。
【0716】
C 薬力学及び薬物動態
C1:インスリン溶液の薬力学を測定するためのプロトコル
事前に頸静脈内にカテーテル挿入した、およそ50kgの体重の12頭の国産ブタを、2.5時間絶食させ、その後に実験を開始した。インスリン注射に先立って、3つの血液試料を採取して、グルコース及びインスリンの基礎濃度を決定した。
【0717】
31Gのニードル付きのノボペン(Novopen)インスリンペンを用いて、前記動物の耳下の頸に、リスプロインスリンについて0.09IU/kgの投与量での、及びヒトインスリン及びアスパルトインスリンついて0.125IU/kgの投与量でのインスリンを、皮下注射した。
【0718】
その後、血液試料を、4分毎に20分間、そしてその後、10分毎に3時間まで、採取した。各々の試料を採取した後、カテーテルを、希釈ヘパリン溶液を用いて洗浄した。
【0719】
一滴の血液をとり、血糖計を用いて血糖値を決定した。
【0720】
その後、薬力学曲線をプロットし、そして各々のブタについて血液中の最小グルコース濃度に達するのに要した時間を決定し、そしてグルコースTminとして記録した。その後、グルコースTmin値の平均値を算出した。
【0721】
残った血液を乾燥したチューブに集め、そして遠心分離して血清を単離した。各々のブタについて、サンドイッチ式ELISA免疫酵素法を用いて血清試料中のインスリン濃度を測定した。
【0722】
その後、薬物動態曲線をプロットした。各々のブタについて血清中の最大インスリン濃度に達するのに要した時間を、インスリンTmaxとして決定し、そして記録した。その後、インスリンTmax値の平均値を算出した。
【0723】
C2:実施例B2及びB8のインスリン溶液についての、薬力学及び薬物動態結果
【表6】
実施例B2及びB8に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を、図1に示す。本発明に従うと、これら曲線の解析は、賦形剤として化合物1及び9.3mMのクエン酸塩を含有する実施例B8の製剤(実施例B8に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=30±11分)によって、実施例B2の市販のヒューマログ(登録商標)製剤(実施例B2に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=44±14分)を用いて得られたよりも、より迅速な作用を得られたことを、示した。
【0724】
実施例B2及びB8に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を、図2に示す。本発明に従うと、これら曲線の解析は、賦形剤として化合物1及び9.3mMのクエン酸塩を含有する実施例B8の製剤(実施例B8に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=11±6分)が、実施例B2の市販のヒューマログ(登録商標)製剤(実施例B2に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=18±8分)よりも、リスプロインスリンのより迅速な吸収を誘発し得たことを、示した。
【0725】
C3:実施例B2及びB10のインスリン溶液についての、薬力学及び薬物動態結果
【表7】
実施例B2及びB10に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を、図3に示す。本発明に従うと、これら曲線の解析は、賦形剤として化合物1及び20mg/mLのポリアニンオン化合物1を含有する実施例B10の製剤(実施例B10に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=33±13分)によって、実施例B2の市販のヒューマログ(登録商標)製剤(実施例B2に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=44±14分)よりも、より迅速な作用を得られたことを、示した。
【0726】
実施例B2及びB10に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を、図4に示す。本発明に従うと、これら曲線の解析は、賦形剤として化合物1及び20mg/mLのポリアニンオン化合物1を含有する実施例B10の製剤(実施例B10に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=15±9分)が、実施例B2の市販のヒューマログ(登録商標)製剤(実施例B2に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=18±8分)よりも、リスプロインスリンのより迅速な吸収を誘発し得たことを、示した。
【0727】
C4:実施例B2及びB7のインスリン溶液についての、薬力学及び薬物動態結果
【表8】
実施例B2及びB7に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を、図5に示す。本発明に従うと、これら曲線の解析は、賦形剤として化合物1を含有する実施例B7の製剤(実施例B7に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=41±16分)は、実施例B2の市販のヒューマログ(登録商標)製剤(実施例B2に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=50±14分)を用いて得られたよりも、より迅速な作用の発現を誘発したことを、示した。
【0728】
実施例B2及びB7に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を、図6に示す。これら曲線の解析は、賦形剤として化合物1を含有する製剤(実施例B2に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=21±10分)が、実施例B2の市販のヒューマログ製剤(登録商標)(実施例B2に相当する、三角形を用いてプロットした曲線(インスリンTmax=20±9分))を用いたよりも、リスプロインスリンのより迅速な吸収を誘発しなかったことを、示した。それ故、化合物1単独では、リスプロインスリンの薬物動態の有意な促進を引き起こすのに不十分であった。
【0729】
C5:実施例B1及びB3のインスリン溶液についての、薬力学及び薬物動態結果
【表9】
実施例B1及びB3に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を、図7に示す。これら曲線の解析は、実施例B3の製剤(実施例B3に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=61±31分)は、実施例B1の市販のアスパルトインスリン製剤(実施例B1に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=44±13分)よりも、より遅い作用を実際に有していたことを、示した。
【0730】
実施例B1及びB3に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を、図8に示す。これら曲線の解析は、実施例B3のヒトインスリン単独の製剤(実施例B3に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=36±33分)が、実施例B1の市販のアスパルトインスリン製剤(ノボログ(登録商標))(実施例B1に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=28±13分)よりも、より遅い吸収を実際に誘発したことを、示した。
【0731】
これらの結果は、ヒトインスリンと比較して、速効型インスリンアナログについての、血糖値低下の促進及びインスリンの吸収の促進について、文献の結果に従っていた。
【0732】
C6:実施例B1及びB39のインスリン溶液についての、薬力学及び薬物動態結果
【表10】
実施例B1及びB39に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を、図9に示す。これら曲線の解析は、賦形剤として化合物1及び9.3mMのクエン酸塩を含有する実施例B39のヒトインスリンをベースとした製剤(実施例B39に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=46±9分)によって、実施例B1の市販のアスパルトインスリン製剤(ノボログ(登録商標))(実施例B1に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=53±24分)を用いて得られたのと同様の作用を得られたことを、示した。
【0733】
実施例B1及びB39に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を、図10示す。これら曲線の解析は、賦形剤として化合物1及び9.3mMのクエン酸塩を含有する実施例B39の製剤(実施例B39に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=20±7分)が、実施例B1の市販のアスパルトインスリン製剤(ノボログ(登録商標))(実施例B1に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=22±10分)を用いて得られたのと同様のインスリン吸収を誘発したことを、示した。
【0734】
実施例C5とC6との間の、アスパルトインスリン(ノボログ(登録商標))についての時間パラメータが同様であるため、実施例B39の製剤が、市販のヒトインスリン製剤(実施例B3)と比較して、血糖値の低下及びヒトインスリンの吸収の促進を誘発したという外挿が推定され得る。
【0735】
C7:実施例B2及びB11のインスリン溶液についての、薬力学及び薬物動態結果
【表11】
実施例B2及びB11に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を、図13に示す。本発明に従うと、これら曲線の解析は、賦形剤として化合物2及び9.3mMのクエン酸塩を含有する実施例B11の製剤(実施例B11に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=32±10分)によって、実施例B2の市販のヒューマログ(登録商標)製剤(実施例B2に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=41±21分)を用いて得られたよりもより迅速な作用が得られたことを、示した。
【0736】
実施例B2及びB11に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を、図14に示す。本発明に従うと、これら曲線の解析は、賦形剤として化合物2及び9.3mMのクエン酸塩を含有する実施例B11の製剤(実施例B11に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=13±5分)が、実施例B2の市販のヒューマログ(登録商標)製剤(実施例B2に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=22±13分)よりも、リスプロインスリンのより迅速な吸収を誘発したことを、示した。
【0737】
C8:実施例B1及びB38のインスリン溶液についての、薬力学及び薬物動態結果
【表12】
実施例B1及びB38に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を、図15に示す。これら曲線の解析は、賦形剤として化合物2及び9.3mMのクエン酸塩を含有する実施例B38のヒトインスリンをベースとした製剤(実施例B102に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=47±30分)によって、実施例B1の市販のアスパルトインスリン製剤(ノボログ(登録商標))(実施例B1に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=47±15分)を用いて得られたのと同様の作用が得られたことを、示した。
【0738】
実施例B1及びB38に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を、図16に示す。これら曲線の解析は、賦形剤として化合物2及び9.3mMのクエン酸塩を含有する実施例B38の製剤(実施例B38に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=22±21分)が、実施例B1の市販のアスパルトインスリン製剤(ノボログ(登録商標))(実施例B1に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=19±12分)を用いて得られたのと同様のヒトインスリン吸収を誘発したことを、示した。
【0739】
実施例C5とC8との間の、アスパルトインスリン(ノボログ(登録商標))についての時間パラメータが同様であるため、実施例B38の製剤が、市販のヒトインスリン製剤(実施例B3)と比較して、血糖値の低下及びヒトインスリンの吸収の促進を誘発したという外挿が推定され得る。
【0740】
C9:実施例B1及びB53のインスリン溶液についての、薬力学及び薬物動態結果
【表13】
実施例B1及びB53に記載の製剤を用いて得られた薬力学結果を、図17に示す。これら曲線の解析は、賦形剤として化合物8及び9.3mMのクエン酸塩を含有する実施例B53のヒトインスリンをベースとした製剤(実施例B53に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=63±36分)によって、実施例B1の市販のアスパルトインスリン製剤(ノボログ(登録商標))(実施例B1に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,グルコースTmin=53±19分)を用いて得られたのと実質的に同様の迅速な作用が得られたことを、示した。
【0741】
実施例B1及びB53に記載の製剤を用いて得られた薬物動態結果を、図18に示す。これら曲線の解析は、賦形剤として化合物8及び9.3mMのクエン酸塩を含有する実施例B53の製剤(実施例B53に相当する、四角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=19±12分)が、実施例B1の市販のアスパルトインスリン製剤(ノボログ(登録商標))(実施例B1に相当する、三角形を用いてプロットした曲線,インスリンTmax=19±6分)を用いて得られたのと同様のヒトインスリン吸収を誘発したことを、示した。
【0742】
実施例C5とC9との間の、アスパルトインスリン(ノボログ(登録商標))についての時間パラメータが同様であるため、実施例B53の製剤が、市販のヒトインスリン製剤(実施例B3)と比較して、血糖値の低下及びヒトインスリンの吸収の促進を誘発したという外挿が推定され得る。
【0743】
D 円偏光二色性
D1:、円偏光二色性により評価した、化合物1の存在下でのリスプロインスリンの会合状態
円偏光二色性によって、インスリンの二次構造及び四次構造を観察することができた。インスリンモノマーは、ダイマーとして、及びヘキサマーとして、形成されている。ヘキサマーは、インスリンの物理学的に又は化学的に最も安定した形態である。2つのヘキサマー形態は、R6形態及びT6形態が存在する。リスプロインスリンは、R6ヘキサマー形態(最も安定な形態である)の特徴である、251nmでの強いCDシグナルを有している。251nmでのCDシグナルの損失は、ヘキサマーの不安定化に関連する(そしてそのため、ダイマーへのヘキサマーの転換の第一の兆候である)。
【0744】
EDTA及びEDTA/クエン酸塩混合物は、リスプロインスリンのR6形態を完全に破壊した(図11)。従って、EDTAは、ヘキサマーに顕著な影響を及ぼした。
【0745】
対照的に、クエン酸塩単独、化合物1単独、及びまた、化合物1/クエン酸塩混合物及び化合物1/ポリアニオン性化合物1混合物は、251nmでのCDシグナルに対して、実質的に何らの影響も有していなかった。それ故これら化合物は、ヘキサマーのR6構造に対して何らの影響も有しておらず、及びヘキサマー構造に対して僅かの影響しか有していなかった。
【0746】
D2:円偏光二色性により評価した、化合物1の存在中のヒトインスリンの会合状態
円偏光二色性によって、インスリンの二次構造及び四次構造を観察することができた。インスリンモノマーは、ダイマーとして、及びヘキサマーとして、形成されている。ヘキサマーは、インスリンの物理学的に又は化学的に最も安定した形態である。275nmでのCDシグナルが、インスリンのヘキサマー形態の特徴である(およそ-300°ではヘキサマーについてのシグナルであり、-200°乃至-250°ではダイマーについてのシグナルであり、そして-200°以下ではモノマーについてのシグナルである)。それ故、275nmでのCDシグナルの損失は、ダイマー又はモノマーへのヘキサマーの不安定化の特性である。
【0747】
EDTA及びEDTA/クエン酸塩混合物は、ヒトインスリンのヘキサマー構造に対して非常に顕著な影響を有していた(ダイマーへのヘキサマーの全体的な解離,図12)。対照的に、クエン酸塩単独、化合物1単独、ポリアニオン性化合物1単独、並びにまた、化合物1/クエン酸塩混合物及び化合物1/ポリアニオン性化合物1混合物は、ヒトインスリンのヘキサマー構造に対して影響を及ぼさなかった。EDTAと異なり、化合物1及びクエン酸塩又はポリアニオン性化合物1を含有するヒトインスリン製剤は、ヒトインスリンヘキサマーのいかなる解離も示さなかった。
【0748】
D3:円偏光二色性により評価した、化合物1乃至11の存在下でのリスプロインスリンの会合状態
円偏光二色性によって、インスリンの二次構造及び四次構造を観察することができた。インスリンモノマーは、ダイマーとして、及びヘキサマーとして、形成されている。ヘキサマーは、インスリンの物理学的に又は化学的に最も安定した形態である。2つのヘキサマー形態は、R6形態及びT6形態が存在する。リスプロインスリンは、R6ヘキサマー形態(最も安定な形態である)の特徴である、251nmでの強いCDシグナルを有している。251nmでのCDシグナルの損失は、ヘキサマーの不安定化に関連する(そしてそのため、ダイマーへのヘキサマーの転換の第一の兆候である)。得られた結果を、図19に示す。当該図は、x軸については、
A:リスプロインスリン(100IU/mL)
B:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物2
C:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物2+9.3mMのクエン酸塩
D:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物1
E:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物1+9.3mMのクエン酸塩
F:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物3
G:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物3+9.3mMのクエン酸塩
H:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物4
I:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物4+9.3mMのクエン酸塩
J:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物5
K:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物5+9.3mMのクエン酸塩
L:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物6
M:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物6+9.3mMのクエン酸塩
N:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物7
O:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物7+9.3mMのクエン酸塩
P:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物8
Q:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物8+9.3mMのクエン酸塩
R:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物9
S:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物9+9.3mMのクエン酸塩
T:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物10
U:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物10+9.3mMのクエン酸塩
V:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物11
W:リスプロインスリン+7.3mg/mLの化合物11+9.3mMのクエン酸塩
を記載しており、そしてy軸については、251nmでの円偏光二色性シグナル(deg・cm・dmol-1)を記載している。
【0749】
化合物1乃至11単独、及びまた、化合物1乃至11とクエン酸塩との混合物は、リスプロインスリンについての251nmでのCDシグナルにおいて影響を有していなかった。それ故、化合物1乃至11は、ヘキサマーのR6構造に対して何らの影響も有しておらず、及びヘキサマー構造に対して僅かの影響しか有していなかった。
【0750】
D4:円偏光二色性により評価した、化合物1乃至11の存在中のリスプロインスリンの会合状態
円偏光二色性によって、インスリンの二次構造及び四次構造を観察することができた。インスリンモノマーは、ダイマーとして、及びヘキサマーとして、形成されている。ヘキサマーは、インスリンの物理学的に及び化学的に最も安定した形態である。275nmでのCDシグナルが、インスリンのヘキサマー形態の特徴である(およそ-300°ではヘキサマーについてのシグナルであり、-200°乃至-250°ではダイマーについてのシグナルであり、そして-200°以下ではモノマーについてのシグナルである)。それ故、275nmでのCDシグナルの損失は、ヘキサマーのダイマー又はモノマーへの不安定化の特性である。得られた結果を、図20に示す。当該図は、x軸については、
A:ヒトインスリン(100IU/mL)
B:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物2
C:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物2+9.3mMのクエン酸塩
D:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物1
E:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物1+9.3mMのクエン酸塩
F:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物3
G:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物3+9.3mMのクエン酸塩
H:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物4
I:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物4+9.3mMのクエン酸塩
J:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物5
K:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物5+9.3mMのクエン酸塩
L:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物6
M:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物6+9.3mMのクエン酸塩
N:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物7
O:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物7+9.3mMのクエン酸塩
P:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物8
Q:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物8+9.3mMのクエン酸塩
R:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物9
S:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物9+9.3mMのクエン酸塩
T:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物10
U:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物10+9.3mMのクエン酸塩
V:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物11
W:ヒトインスリン+7.3mg/mLの化合物11+9.3mMのクエン酸塩
を記載しており、そしてy軸については、275nmでの円偏光二色性シグナル(deg・cm・dmol-1)を記載している。
【0751】
化合物1乃至11単独、及びまた、化合物1乃至11とクエン酸塩との混合物は、ヒトインスリンについての275nmでのCDシグナルにおいて影響を有していなかった。それ故、化合物1乃至11は、ヒトインスリンのヘキサマー構造に対して何らの影響も有していなかった。
【0752】
E 等電点におけるヒトインスリン及びインスリンナアナログの溶解
E1.等電点におけるヒトインスリンの溶解
ヒトインスリンは、5.3にて等電点を有する。このpH5.3において、ヒトインスリンは、沈澱する。ヒトインスリンと種々の化合物との複合体の形成を証明する試験を、等電点にて行った。相互作用が存在すれば、等電点にてインスリンを溶解させることが可能である。
【0753】
200IU/mLのヒトインスリン溶液を調製した。異なった濃度(8、30又は100mg/mL)の化合物の水溶液を調製した。ヒトインスリン溶液と化合物溶液との等容量(50/50)混合物を調製して、100IU/mLのヒトインスリン及び所望の濃度の化合物(4、15又は50mg/mL)を含有する溶液とした。200mM酢酸を添加することにより、当該種々の溶液のpHを、pH5.3に調節した。
【0754】
当該溶液の外観を記録した。溶液が混濁している場合には、当該試験濃度の化合物は、ヒトインスリンを溶解することが出来ていない。当該溶液が半透明である場合には、当該試験濃度にてヒトインスリンを溶解することが出来ている。この方法において、等電点でヒトインスリンを溶解するのに要する化合物の濃度が決定され得た。当該濃度が低いほど、ヒトインスリンに対する化合物の親和性がより大きい。
【0755】
得られた結果を表3に示す。当該結果は、化合物及び多糖類が、ヒトインスリンの溶解に関して、同様の特性を有していないことを示した。
【表14】
【0756】
E2.等電点でのリスプロインスリンの溶解
リスプロインスリンは、5.3にて等電点を有する。このpH5.3において、リスプロインスリンは、沈澱する。リスプロインスリンと種々の化合物との複合体の形成を証明する試験を、等電点にて行った。相互作用が存在すれば、等電点にてリスプロインスリンを溶解させることが可能である。
【0757】
リスプロインスリンの市販の製剤(ヒューマログ(登録商標))を、1mM PO緩衝液(pH7)に対して透析した。透析後、リスプロインスリン濃度はおよそ90IU/mLとなった。凍結乾燥した化合物を計量し、そしてリスプロインスリン溶液中に溶解して、90IU/mLのリスプロインスリン及び所望の濃度(4、15又は50mg/mL)の当該化合物を含有する製剤とした。これら溶液のpHを、200mM酢酸を添加することによって、pH5.3に調節した。
【0758】
当該溶液の外観を記録した。溶液が混濁している場合には、当該試験濃度の化合物は、リスプロインスリンを溶解することが出来ていない。当該溶液が半透明である場合には、当該試験濃度にてリスプロインスリンを溶解することが出来ている。この方法において、等電点でリスプロインスリンを溶解するのに要する化合物の濃度が決定され得た。当該濃度が低いほど、リスプロインスリンに対する化合物の親和性がより大きい。
【0759】
得られた結果を表4に示す。当該結果は、化合物及び多糖類が、リスプロインスリンの溶解に関して、同様の特性を有していないことを示した。
【表15】
【0760】
F アルブミンとの相互作用
F1:種々の多糖類又は化合物と、アルブミンのようなモデルタンパク質との間の相互作用を決定するために、セントリコン試験(Centricon test)(50kDaのカットオフ閾値を有するメンブラン)を行った。7.3mg/mLの多糖類の又は化合物の溶液を、20mg/mLのBSA(ウシ血清アルブミン)のPBS溶液中で3倍に希釈した(当該混合物中の濃度:多糖類の又は化合物の2.43mg/mL、アルブミンの13.3mg/mL及び塩の100mM)。
【0761】
当該混合物をセントリコンで遠心分離して、メンブランに通しておよそ半分の容量とした。アルブミンがセントリコンメンブラン上に定量的に残った。分析された多糖類及び化合物は、その大部分がメンブランを単独で通過した(最大分子量を有する多糖類については、当該多糖類のおよそ20%が残った)。
【0762】
遠心分離後、多糖類又は化合物を、濾液中でUVによりアッセイした。アルブミンに結合した多糖類又は化合物の百分率を、下記式によって算出した。
(1-[アルブミン存在中の濾液中の多糖類又は化合物]/[アルブミンなしの濾液中の多糖類又は化合物])×100
【0763】
得られた結果を表5に示す。当該試験において、分子量5乃至15kDaの多糖類は、アルブミンに対して強く保持されたことが非常に明らかに観察された。対照的に、当該試験において、より低分子量の本発明の化合物は、アルブミンに対してより少なく保持された。
【表16】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20