(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】フラッシュラスト防止剤
(51)【国際特許分類】
C09D 5/08 20060101AFI20230816BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20230816BHJP
C09D 5/00 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
C09D5/08
C09D201/00
C09D5/00 Z
(21)【出願番号】P 2020561197
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 JP2019042900
(87)【国際公開番号】W WO2020129425
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-05-16
(31)【優先権主張番号】P 2018236574
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000106438
【氏名又は名称】サンノプコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112438
【氏名又は名称】櫻井 健一
(72)【発明者】
【氏名】北村 匠
(72)【発明者】
【氏名】元越 佳子
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】特表平4-506527(JP,A)
【文献】特開平8-67772(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0032664(US,A1)
【文献】特開2006-348079(JP,A)
【文献】特開2010-053450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00-201/10
C10M 101/00-177/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪族ジカルボン酸(A)と脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B)との塩(AB)を含有してなることを特徴とするフラッシュラスト防止剤。
【請求項2】
脂肪族ジカルボン酸(A)が直鎖状ジカルボン酸である請求項1に記載のフラッシュラスト防止剤。
【請求項3】
脂肪族ジカルボン酸(A)の炭素数が4~14である請求項1又は2に記載のフラッシュラスト防止剤。
【請求項4】
脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B)を構成する脂肪族モノアミンが炭素数3~18の直鎖状アミン又は炭素数4~12の環状アミンである請求項1~3のいずれかに記載のフラッシュラスト防止剤。
【請求項5】
脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B)を構成するアルキレンオキシドがエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドである請求項1~4のいずれかに記載のフラッシュラスト防止剤。
【請求項6】
脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B)を構成するアルキレンオキシドの付加モル数が脂肪族モノアミン1モルに対して2~18モルである1~5のいずれかに記載のフラッシュラスト防止剤。
【請求項7】
請求項1~6記載のフラッシュラスト防止剤、水及びバインダーを含有することを特徴とする水性塗料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフラッシュラスト防止剤に関する。
【背景技術】
【0002】
「鉄面に直接塗装しても、フラッシュラストと言われる、塗面上に広がる点錆や鉄面錆の発生を防止できる防食性水系塗料組成物を提供する」ことを目的として、「水系塗料100重量部と防錆顔料0.5~5重量部と亜硝酸ソーダ、亜硝酸アンモニウム、亜硝酸カルシウム、亜硫酸ソーダ、安息香酸ナトリウム、安息香酸アンモニウムから選択される1種以上の腐食抑制剤0.05~1.0重量部を含有することを特徴とする防食性水系塗料組成物」が提案されており、腐食抑制剤として、「亜硝酸ソーダ(NaNO2)、亜硝酸アンモニウム(NH4NO2)、亜硝酸カルシウム〔Ca(NO2)2〕、亜硫酸ソーダ(Na2SO3)、安息香酸ナトリウム(C6H5COONa)、安息香酸アンモニウム(C6H5COONH4)」が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で好ましいとされる「亜硝酸ソーダ(NaNO2)、亜硝酸アンモニウム(NH4NO2)、亜硝酸カルシウム〔Ca(NO2)2〕」等の亜硝酸塩は塗料中に含まれる第2級アミンと反応し、発ガン性物質のニトロソアミンを生成するという課題がある。また「亜硫酸ソーダ(Na2SO3)、安息香酸ナトリウム(C6H5COONa)、安息香酸アンモニウム(C6H5COONH4)」はフラッシュラスト防止効果が弱いという課題がある。
本発明は亜硝酸塩を含有せず、優れたフラッシュラスト防止効果を発揮するフラッシュラスト防止剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のフラッシュラスト防止剤の特徴は、脂肪族ジカルボン酸(A)と脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B)との塩(AB)を含有してなる点を要旨とする。
【0006】
本発明の水性塗料の特徴は上記のフラッシュラスト防止剤、水及びバインダーを含有する点を要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のフラッシュラスト防止剤は優れたフラッシュラスト防止効果を発揮する。また、本発明のフラッシュラスト防止剤には亜硝酸塩を含まないために第2級アミンと反応することがなく、発ガン性物質の発生の恐れもない。
【0008】
本発明の水性塗料は、上記のフラッシュラスト防止剤を含むので、水性塗料を金属面に直接塗装してもフラッシュラストを生じず、美観に優れた塗膜が得られる。また、発がん性物質の発生の心配もない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1、比較例1及びブランクについて、塗膜表面上のフラッシュラストを評価した際に撮影した写真(左から順に、実施例1、比較例1、ブランク)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
脂肪族ジカルボン酸(A)としては、直鎖状ジカルボン酸、分岐状ジカルボン酸及び脂環式ジカルボン酸のいずれも使用できるが、直鎖状ジカルボン酸が好ましい。
【0011】
脂肪族ジカルボン酸(A)の炭素数は、4~14が好ましく、さらに好ましくは6~12、特に好ましくは8~10である。この範囲であると、さらに優れたフラッシュラスト防止効果を発揮する。
【0012】
脂肪族ジカルボン酸(A)は、市場から容易に入手でき、コハク酸(日本触媒株式会社)、グルタル酸(東京化成工業株式会社)アジピン酸(住友化学株式会社)、ピメリン酸(東京化成工業株式会社)、スベリン酸(東京化成工業株式会社)、アゼライン酸(東京化成工業株式会社)セバシン酸(豊国精油株式会社)、ドデカン二酸(宇部興産株式会社)及びテトラデカン二酸(ハイケム株式会社)等が挙げられる。
【0013】
脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B)を構成する脂肪族アミンとしては、炭素数3~18の直鎖状モノアミン、炭素数4~12の環状モノアミン又はこれらの混合物等が使用できる。
【0014】
直鎖状モノアミンとしては、n-プロピルアミン、n-ブチルアミン、n-ペンチルアミン、n-ヘキシルアミン、n-ヘプチルアミン、n-オクチルアミン、n-ノニルアミン、n-デシルアミン、n-ウンデシルアミン、n-ドデシルアミン、n-トリデシルアミン、n-テトラデシルアミン、n-ペンタデシルアミン、n-ヘキサデシルアミン、n-オクタデシルアミン、n-ブテニルアミン、n-ペンテニルアミン、n-ヘキセニルアミン、n-ヘプテニルアミン、n-オクテニルアミン、n-ノネニルアミン、n-デセニルアミン、n-ウンデセニルアミン、n-ドデセニルアミン、n-トリデセニルアミン、n-テトラデセニルアミン、n-ペンタデセニルアミン、n-ヘキサデセニルアミン、n-ヘプタデセニルアミン、n-オクタデセニルアミン、ジメチルアミン、ジn-ノニルアミン、メチルエチルアミン、エチルn-へプチルアミン及びメチルn-ヘプタデセニルアミン等が挙げられる。
【0015】
環状モノアミンとしては、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N-メチルシクロヘキシルアミン、トリメチルシクロヘキシルアミン、(アミノメチル)シクロヘキサン及び1-シクロヘキシルエチルアミン等が挙げられる。
【0016】
脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B)を構成するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドが使用できる。
【0017】
脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B) のアルキレンオキシドの付加モル数は、脂肪族モノアミン1モルに対し、2~18が好ましく、さらに好ましくは4~16、特に好ましくは5~15モルである。この範囲であると、さらに優れたフラッシュラスト防止効果を発揮する。
【0018】
本発明のフラッシュラスト防止剤には、必要により公知の添加剤(消泡剤、粘度調整剤、湿潤剤、防錆剤等:発がん性物質及びこれを誘発する物質を除く。)等を含有できる。これらの含有量は、本発明の効果を阻害しなければ制限はないが、脂肪族ジカルボン酸(A)と脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B)との塩(AB)の重量に基づいて、1~80重量%程度である。
【0019】
本発明のフラッシュラスト防止剤は、水性溶媒の溶液又は分散液として用いることができる。
水性溶媒としては、水及び水と容易に溶解する有機溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びテトラハイドロフラン等)等が挙げられる。
【0020】
本発明のフラッシュラスト防止剤は優れたフラッシュラスト防止効果を発揮するので、水性塗料用のフラッシュラスト防止剤として適している。
【0021】
本発明の水性塗料は上記のフラッシュラスト防止剤、水及びバインダーを含有する。
バインダーとしては、水性塗料として使用されるものが使用でき、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂及びフッ素原子含有シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0022】
本発明のフラッシュラスト防止剤を水性塗料に適用する場合、この含有量(重量%)は、塗料の用途等により適宜決定できるが、バインダーの重量に基づいて、0.1~20程度が好ましく、さらに好ましくは0.2~10程度、特に好ましくは0.3~5程度である。
【実施例】
【0023】
以下、特記しない限り、部は重量部、%は重量%を意味する。
【0024】
<実施例1>
脂肪族ジカルボン酸(A1:コハク酸、日本触媒株式会社)118部(1モル部)及び脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B1:ブラウノン L-205、ラウリルアミンのエチレンオキシド(EO)5モル付加体、青木油脂工業株式会社、「ブラウノン」は同社の登録商標である。)810部(2モル部)を加熱攪拌しながら60℃まで昇温し、この温度にてさらに2時間加熱攪拌を続けて、本発明のフラッシュラスト防止剤(AB1)を得た。
【0025】
<実施例2>
「脂肪族ジカルボン酸(A1)118部(1モル部)」を「脂肪族ジカルボン酸(A2:スベリン酸、東京化成工業株式会社)174部(1モル部)」に変更したこと、「脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B1)810部(2モル部)」を「脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B2:ブラウノン S-215、ステアリルアミンのエチレンオキシド(EO)15モル付加体、青木油脂工業株式会社)1860部(2モル部)」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のフラッシュラスト防止剤(AB2)を得た。
【0026】
<実施例3>
n-プロピルアミン{東京化成工業株式会社}59部(1モル部)及びN,N-ジメチルホルムアミド{DMF、三菱ガス化学株式会社、以下同じ。}200部を耐圧反応容器に投入した後、窒素ガスを用いて、ゲージ圧で0.2MPaになるまで加圧し0.1MPaになるまで排出する操作を3回繰り返した(以下、この窒素ガスを用いる操作を「窒素ガス置換」と略する。)。その後、攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて、エチレンオキシド(EO)396部(9モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて1時間攪拌を続け、次いでプロピレンオキシド(PO)336部(6モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて2時間攪拌を続けた。次いでDMFを減圧留去し、脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B3)(n-プロピルアミン/EO9モル/PO6モルブロック付加体)を得た。
【0027】
「脂肪族ジカルボン酸(A1)118部(1モル部)」を「脂肪族ジカルボン酸(A3:セバシン酸(豊国精油株式会社)202部(1モル部)」に変更したこと、「脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B1)810部(2モル部)」を「脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B3)1582部(2モル部)」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のフラッシュラスト防止剤(AB3)を得た。
【0028】
<実施例4>
シクロヘキシルアミン{東京化成工業株式会社}99部(1モル部)を耐圧反応容器に投入した後、「窒素ガス置換」した。その後、攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて、エチレンオキシド(EO)88部(2モル部)を1時間かけて滴下し、さらに同温度にて2時間攪拌を続け、脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B4)(シクロヘキシルアミン/EO2モル付加体)を得た。
【0029】
「脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B1)810部(2モル部)」を「脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B4)374部(2モル部)」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のフラッシュラスト防止剤(AB4)を得た。
【0030】
<実施例5>
「n-プロピルアミン59部(1モル部)」を「シクロブチルアミン71部(1モル部)」に変更したこと、「エチレンオキシド(EO)396部(9モル部)」を「エチレンオキシド(EO)132部(3モル部)」に変更したこと及び「プロピレンオキシド(PO)336部(6モル部)」を「プロピレンオキシド(PO)112部(2モル部)」に変更したこと以外、実施例3と同様にして、脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B5)(シクロブチルアミン/EO3モル/PO2モルブロック付加体)を得た。
【0031】
「脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B1)810部(2モル部)」を「脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B5)630部(2モル部)」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のフラッシュラスト防止剤(AB5)を得た。
【0032】
<実施例6>
「n-プロピルアミン59部(1モル部)」を「ジシクロヘキシルアミン181部(1モル部)」に変更したこと、「エチレンオキシド(EO)396部(9モル部)」を「エチレンオキシド(EO)616部(14モル部)」に変更したこと及び「プロピレンオキシド(PO)336部(6モル部)」を反応させなかったこと以外、実施例3と同様にして、脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B6)(ジシクロヘキシルアミン/EO14モル付加体)を得た。
【0033】
「脂肪族ジカルボン酸(A1)118部(1モル部)」を「脂肪族ジカルボン酸(A4:テトラデカン二酸、東京化成工業株式会社)258部(1モル部)」に変更したこと、「脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B1)810部(2モル部)」を「脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加体(B6)1594部(2モル部)」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のフラッシュラスト防止剤(AB6)を得た。
【0034】
<比較例1>
特許文献1(特開平8-73776号公報)の実施例6の記載に基づいて、安息香酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社)をフラッシュラスト防止剤(H1)とした。
【0035】
以下のように、評価用水性塗料を調製してフラッシュラスト防止性について評価した。
【0036】
(1)エマルションベース塗料の調製
下表の原料組成にて、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザー(日本精器株式会社、モデルED)を用いて、グラインディング及びレットダウンしてエマルションベース塗料を得た。
【0037】
【0038】
※1 増粘剤、サンノプコ株式会社
※2 湿潤剤、サンノプコ株式会社
※3 分散剤、サンノプコ株式会社
※4 水系溶剤、ザ ダウ ケミカルコンパニー、「ダワノール」は同社の登録商標である。
※5 タルク、日本タルク株式会社
※6 酸化チタン、石原産業株式会社、「タイペーク」は同社の登録商標である。
※7 リン酸亜鉛、東邦顔料工業株式会社、「エキスパート」は同社の登録商標である。
※8 水系エポキシ樹脂、三菱ケミカル株式会社、固形分55%、樹脂固形分当たりのエポキシ当量1018g/eq、「jER」は同社の登録商標である。
※9 増粘剤、サンノプコ株式会社
【0039】
(2)水性塗料の調製
エマルションベース塗料84部に、硬化剤jERキュアWD11M60(変性ポリアミドアミン、三菱ケミカル株式会社、固形分60%、樹脂固形分当たりの活性水素当量540g/eq、「jER」は同社の登録商標である。)16部、フラッシュラスト防止剤(AB1)~(AB6)及び(H1)のいずれかを1.0部加えて、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて15~25℃、2000rpm、5分間攪拌混合して評価用水性塗料1~7を得た。また、フラッシュラスト防止剤を添加しないこと以外、上記と同様にして、評価用水性塗料(ブランク)を得た。
【0040】
(3)フラッシュラスト防止性の評価
アプリケータを用いて評価用エマルション塗料を構造用鋼板SS400(TP技研株式会社、15cm×7cm×1.6cm、JIS G3101:2015)上にウェット膜厚150μmになるように塗装し、恒温恒湿槽(温度50℃、相対湿度90%)に3時間放置し、乾燥後、塗膜表面上のフラッシュラストを目視で評価し、その結果を下表に示した。
【0041】
【表2】
○:フラッシュラスト無し
×:フラッシュラストが部分的に有り
××:フラッシュラストが全体的に有り
【0042】
本発明のフラッシュラスト防止剤を用いた水性塗料は、比較用のフラッシュラスト防止剤を用いたものに比べて、フラッシュラスト防止性に優れていた。