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特許7332171サンドコアを作成するための方法および設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】サンドコアを作成するための方法および設備
(51)【国際特許分類】
   B22C 9/10 20060101AFI20230816BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20230816BHJP
   B29C 64/165 20170101ALI20230816BHJP
   B29C 64/245 20170101ALI20230816BHJP
   B29C 64/25 20170101ALI20230816BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230816BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230816BHJP
【FI】
B22C9/10 E
B28B1/30
B29C64/165
B29C64/245
B29C64/25
B33Y10/00
B33Y30/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020564352
(86)(22)【出願日】2019-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-07
(86)【国際出願番号】 ES2019070407
(87)【国際公開番号】W WO2019238997
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】18382417.6
(32)【優先日】2018-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515275421
【氏名又は名称】ロラメンディ,エセ.クープ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス オリーヴ,ルイス アルフォンソ
【審査官】祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-508240(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105344941(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108007096(CN,A)
【文献】国際公開第2017/152348(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C 9/10
B33Y 10/00
B33Y 30/00
B29C 64/165
B29C 64/245
B29C 64/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互かつ選択的な方式で粒状材料および前記粒状材料を固化する添加剤の複数の層がジョブボックス(1)のプラットフォーム(1.1)に塗布される3D製造によって、前記ジョブボックス(1)によって区切られた内部空間(1.0)で所望の形状で少なくとも1つのコア(9)が生成される生成ステップと、前記生成ステップで生成された前記コア(9)が硬化される硬化ステップと、を備え、
前記生成ステップは、設備(1000)の第1のステーション(101)で前記ジョブボックス(1)によって実施され、
前記硬化ステップは、前記設備(1000)の第2のステーション(102)で実施され、
前記第1のステーション(101)で前記生成ステップが実行された後、前記ジョブボックス(1)は、前記硬化ステップが実施される前記第2のステーション(102)に運搬され、
前記硬化ステップでは、前記生成ステップで生成された前記コア(9)を硬化するために前記コア(9)が配置される前記ジョブボックス(1)の内部空間(1.0)でマイクロ波および乾燥ストリームが加えられ、
前記硬化ステップでは、マイクロ波および前記乾燥ストリームが加えられる前に、前記ジョブボックス(1)の前記内部空間(1.0)は、その上部で密閉式の閉鎖を確立するために構成された蓋(2)により密閉式に閉鎖されており、前記ジョブボックス(1)に向かう前記蓋(2)、または前記蓋(2)に向かう前記ジョブボックス(1)の垂直運動が、前記密閉式の閉鎖を確立するために引き起こされ、
前記ジョブボックス(1)の前記内部空間(1.0)で吸引力を前記内部空間(1.0)の外側から、かつ下部または上部から加えることにより、前記乾燥ストリームが生成され、
前記ジョブボックス(1)の前記内部空間(1.0)に存在する前記蓋(2)と前記材料との間に配置された吸着床(3)を介して前記吸引力が加えられ、かつ前記吸着床(3)は前記材料と接触することを特徴とする、サンドコアを作成するための方法。
【請求項2】
前記マイクロ波は、前記ジョブボックス(1)の前記内部空間(1.0)の外側から、かつ前記蓋(2)を介して加えられ、
前記蓋(2)は、前記ジョブボックス(1)の前記内部空間(1.0)に向けてマイクロ波が誘導される少なくとも1つのスルーホール(2.0)を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記吸引力は、前記蓋(2)および前記吸着床(3)を介して、前記ジョブボックス(1)の内部空間(1.0)の上部から生成され、
前記プラットフォーム(1.1)は、それを介した空気の通過を許容するが、粒状材料の通過を許容しない少なくとも1つの吸着領域において規定の多孔性を備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記吸着床(3)は、それを介した空気の通過を許容する一方で、粒状材料の通過を許容しない少なくとも1つの吸着領域(3.0)において規定の多孔性を備え、前記吸引力は前記吸着領域(3.0)を介して加えられる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ジョブボックス(1)は、前記第2のステーション(102)の構造(102.1)に連結され、かつ、前記硬化ステップは、前記構造(102.1)に連結されたジョブボックス(1)によって前記第2のステーション(102)で実施され、
前記方法は、前記第2のステーション(102)の前記ジョブボックス(1)で実施される前記硬化ステップの後の清掃ステップを備え、
剰な粒状材料が前記コア(9)から分離され、かつ前記ジョブボックス(1)の前記プラットフォーム(1.1)を介して前記ジョブボックス(1)の前記内部空間(1.0)から前記過剰な粒状材料が放出される、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記ジョブボックス(1)の前記プラットフォーム(1.1)は、前記ジョブボックス(1)の前記内部空間(1.0)から前記過剰な粒状材料を排出するための複数の排出孔(1.1a)を備え、
前記複数の排出孔(1.1a)は、前記排出を許容するために、前記清掃ステップの間、制御された方法で開放され、
前記第2のステーション(102)の前記構造(102.1)は、前記ジョブボックス(1)が前記構造(102.1)に接続されたとき、前記ジョブボックス(1)が配置され、かつ結合される清掃プラットフォーム(102.0)を備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ジョブボックス(1)の前記内部空間(1.0)で加えられた前記乾燥ストリームは、それが前記ジョブボックス(1)の内部に配置された前記コア(9)を強制的に貫通するように生成される、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
サンドコアを作成するために構成された設備であって、
前記設備(100)は、少なくとも1つのコア(9)が生成され、かつプラットフォーム(1.1)を備えるジョブボックス(1)と、
前記ジョブボックス(1)を収納するために構成された第1のステーション(101)と、
前記第1のステーション(101)と関連付けられ、かつ粒状材料および前記粒状材料を固化する添加剤の複数の層が前記ジョブボックス(1)のプラットフォーム(1.1)上で交互かつ選択的な方式で塗布される3D生成により、前記ジョブボックス(1)によって区切られた内部空間(1.0)で前記コア(9)を生成するために構成された作成手段と、
前記ジョブボックス(1)を収納するために構成された第2のステーション(102)と、
前記第1のステーション(101)から前記第2のステーション(102)に前記ジョブボックス(1)を移動するためのコンベア装置と、
前記第2のステーション(102)と関連付けられ、かつ前記第1のステーション(101)で生成されたコア(9)を硬化するために構成された硬化手段と、を備え、
前記硬化手段は、
前記ジョブボックス(1)が前記第2のステーション(102)にあるとき、前記ジョブボックス(1)によって区切られた前記内部空間(1.0)に、それらを適用するための少なくとも1つのマイクロ波生成装置(4)と、
前記ジョブボックス(1)が前記第2のステーション(102)にあるとき、前記内部空間(1.0)で乾燥ストリームを生成するために構成されたストリーム生成装置(5)と、を備え、
前記設備(1000)はさらに、
前記第2のステーション(102)において、その上部で密閉式に前記ジョブボックス(1)の内部空間(1.0)を閉鎖するために構成された蓋(2)と、
前記密閉式の閉鎖を確立するために前記蓋(2)または前記ジョブボックス(1)を垂直に移動させるための移動手段と、
前記蓋(2)に垂直方向の運動が自在に取り付けられた吸着床(3)と、を備え、
前記吸着床(3)は、前記蓋(2)と前記ジョブボックス(1)の前記プラットフォーム(1.1)との間に配置され、
前記ストリーム生成装置(5)は、前記乾燥ストリームを生成するために前記吸着床(3)と前記蓋(2)とを介して前記内部空間(1.0)に吸引力を加えるために構成されていることを特徴とする設備。
【請求項9】
前記マイクロ波生成装置(4)は、それが生成した前記マイクロ波が前記蓋(2)のスルーホール(2.0)を介して前記ジョブボックス(1)の内部空間(1.0)に達するように、前記蓋(2)に取り付けられ、かつ前記蓋(2)の少なくとも1つのスルーホール(2.0)と連通してる、請求項8に記載の設備。
【請求項10】
前記ストリーム生成装置(5)は、前記蓋(2)を介して前記吸着床(3)と連通しており、かつ前記蓋(2)および前記吸着(3)を介して前記内部空間(1.0)の上部から前記吸引力を加えるために構成されている、請求項8または9に記載の設備。
【請求項11】
前記吸着(3)は、中空柱(2.2)によって前記蓋(2)に取り付けられており、
前記蓋(2)は、前記柱(2.2)の空洞と連通したスルーホール(2.1)を備え、かつ前記空洞は、前記吸着(3)と連通しており、
前記ストリーム生成装置(5)は、それが前記スルーホール(2.1)および前記柱(2.2)の空洞を介して前記吸着(3)と連通するように、前記蓋(2)の前記スルーホール(2.1)と連通している、請求項10に記載の設備。
【請求項12】
前記吸着床(3)は、それを通した空気の通過を許容するが、粒状材料の通過を許容しない少なくとも1つの吸着領域(3.0)において規定の多孔性を備え、
前記蓋(2)は、前記ストリーム生成装置(5)と連通し、かつ前記吸着領域(3.0)と連通する少なくとも1つのスルーホール(2.0)を備える、請求項10または11に記載の設備。
【請求項13】
前記第2のステーション(102)は、清掃プラットフォーム(102.0)を有する構造(102.1)を備え、
前記ジョブボックス(1)および前記清掃プラットフォーム(102.0)は、前記乾燥ストリームを生成するために、それらの間での結合を許容するよう構成されており、
前記プラットフォーム(1.1)は、過剰な粒状材料が前記ジョブボックス(1)の内部空間(1.0)から放出される制御された開口を有する複数の排出穴(1.1a)を備え、
前記設備(1000)は、前記開口を生成するための手段を前記第2のステーション(102)に備える、請求項8~12のいずれかに記載の設備。
【請求項14】
前記ストリーム生成装置(5)は、前記ジョブボックス(1)の内部空間(1.0)に加えられた前記乾燥ストリームに、前記ジョブボックス(1)の内部に配置された前記コア(9)を強制的に貫通させるのに適している、請求項8~13のいずれかに記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサンドコアを作成するための方法および設備に関し、特に3D製造(付加製造としても知られる)を用いた製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サンドコアは一般的に従来のサンド作成機械において作成され、ここでは型が各作成サイクルにおいて作成されるべきコア(または複数のコア)の形状を規定する。コアを作成するのに使用される材料は次に型に注がれ、その材料は固化された結果を生むために硬化またはキュアされる。その結果物がサンドコアである。使用された材料は少なくとも1つの添加剤または結合剤(例えば、樹脂の一種)と混合された粒状材料である。サンドコアがこのような方法で作成される機械の例は、EP0494762A2およびEP2907601A1で確認することができ、例えば、後者は本発明の出願人に属する。
【0003】
サンドコアを作成するための他の方法の使用、すなわち3D製造(付加製造としても知られる)が近年増えている。3D製造において、物体(コア)は、粒状材料(通常砂)と、生成ステップで粒状材料を固化するための添加剤により作成される。粒状材料と添加剤は、プラットフォームのジョブボックスまたはジョブボックスの底に交互かつ選択的な方式で塗布された層で配置され、添加剤の層は対象の粒状材料上においてのみ塗布される(そして作成されるべき物体の形状にも依存する)。処理の最後では、添加剤によって作成され、かつ固化された物体はジョブボックスに存在するが、添加剤の浸透しなかった粒状材料(非固化の粒状材料または過剰な粒状材料)も同様である。したがって、そのような過剰な粒状材料から物体を分離することが一般的であり、このことより物体を清掃しなければならない。
【0004】
このような方法で作成された物体が固体状態であっても、これらは一般的にもろく、これらを壊す高いリスクがあるため、過剰な粒状材料から、これらを分離するために安易に何度も扱うことはできない。したがって、物体がより壊れにくくなるため、生成ステップの後、これらを清掃する前に物体に適用される硬化ステップを加えることが一般的である。硬化ステップの後、物体を清掃することがより安全である。
【0005】
CN105344941Aは、3D製造によって作成されたコアを硬化するステップを開示している。最後に、ジョブボックスはマイクロ波オーブンに導入され、先に作成された物体(コア)は乾燥されて前記マイクロ波オーブンで硬化される。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、請求項で定義されるように、サンドコアを作成するための方法および設備を提供することにある。
【0007】
本発明の第1の態様は、サンドコアを作成するための方法に関する。この方法は、すなわち3D製造(付加製造としても知られる)によって少なくとも1つのコアが所望の形状で生成される生成ステップを備える。3D製造では、粒状材料とコアを生成するために必要な材料との複数の層が交互かつ選択的な方式で塗布される。この方法では、前記層はジョブボックスの内部空間内、ジョブボックスのプラットフォーム上で塗布される。
【0008】
この方法は、さらに生成ステップで生成されたコアが硬化され、コアはジョブボックスの内部空間に配置される硬化ステップを備える。生成ステップは設備の第1のステーションのジョブボックスによって実施され、硬化ステップは設備の第2のステーションで実施される。第1のステーションで生成ステップが実行された後、ジョブボックスは硬化ステップが実施される第2のステーションに運搬される。硬化ステップでは、生成ステップで生成された前記コアを硬化するためにコアが配置されるジョブボックスの内部空間でマイクロ波および乾燥ストリームが加えられる。
【0009】
コアを生成するのに使用される材料は水を含み、マイクロ波は前記水の粒子を問題無く移動させ、それを蒸発させる。前記乾燥に貢献するのに加え、乾燥ストリームは蒸発したコアの周囲の領域から排出された水を取り込む。それによってマイクロ波と乾燥ストリームの組み合わせは、コアの乾燥効率、ひいてはコア硬化の増大に関係するため、より安全な次の清掃ステップを許容する。さらに、この組み合わせは、その効率性の結果、硬化ステップの時間の減少を許容し、コア作成の生産性を増大させる結果となる。
【0010】
前記硬化ステップでは、さらに、マイクロ波および乾燥ストリームが加えられる前に、ジョブボックスの内部空間は、その上部で当該目的のために構成された蓋により密閉式に閉鎖されており、ジョブボックスに向かう蓋の、または蓋に向かうジョブボックスの垂直運動が前記密閉式の閉鎖を確立するために引き起こされる。
【0011】
ジョブボックスの内部空間で吸引力を加えることにより、前記内部空間の外側かつ下部または上部から乾燥ストリームが生成され、ジョブボックスの内部空間に存在する蓋と材料との間に配置された吸着床を介して前記吸引力が加えられ、かつ前記吸着床は前記材料と接触する。前記接触とともに吸引力を加えることで乾燥ストリームが生成されたときに粒状材料が内部空間で動き回ることを防ぐことができ、効率の減少を防ぐことができる。
【0012】
本発明の第2の態様はサンドコアの作成のために構成された設備に関する。この設備は、コアが生成されかつプラットフォームを備えるジョブボックスと、ジョブボックスを収納するために構成された第1のステーションと、第1のステーションと関連付けられかつ粒状材料および粒状材料を固化する添加剤の複数の層が前記ジョブボックスのプラットフォーム上で交互かつ選択的な方式で塗布される3D生成により、ジョブボックスによって区切られた内部空間でコアを生成するために構成された作成手段と、ジョブボックスを収納するために構成された第2のステーションと、第1のステーションから第2のステーションにジョブボックスを移動するためのコンベア装置と、第2のステーションと関連付けられかつ前記生成されたコアを硬化するために構成された硬化手段と、を備える。
【0013】
硬化手段は、ジョブボックスによって区切られた内部空間でマイクロ波を加えるための少なくとも1つの装置と、前記内部空間で乾燥ストリームを生成するために構成された装置と、を備える。
【0014】
設備はさらに、第2のステーションにおいて、その上部で密閉式にジョブボックスの内部空間を閉鎖するために構成された蓋と、前記密閉式の閉鎖を確立するために蓋またはジョブボックスを垂直に移動させるための移動手段と、蓋に垂直方向の運動が自在に取り付けられた吸着床と、を備える。ジョブボックスが第2のステーションにあるとき、前記吸着床は蓋とジョブボックスのプラットフォームとの間に配置される。ストリーム生成装置は吸着床と蓋とを介して内部空間に吸引力を加えるために構成されている。
【0015】
本方法のために説明されてきた利点は設備によっても得ることができる。
【0016】
本発明のこれらの、および他の利点、並びに特徴は、図面および本発明の詳細な説明を参照して明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明の設備の好ましい実施形態を、そのいくつかの要素を伴わず模式的かつ単純化された方式で示す。
図2図2図1の設備の第1のステーションで生成された複数のコアとともにジョブボックスを示す。
図3図3図1の設備の第1のステーションを模式的かつ単純化された方式で示す。
図4図4図1の設備の第2のステーションを模式的かつ単純化された方式で示す。
図5図5はジョブボックスで規定された内部空間の密閉式の閉鎖を提供する、図1の設備の第2のステーションの蓋を示す。
図6図6は構造体に配置された図2のジョブボックスおよび前記設備の第2のステーションの清掃プラットフォームを示す。
図7a図7aは図2のジョブボックスのプラットフォームを、前記プラットフォームの穴が閉じた状態でさらに詳細に示す。
図7b図7bは図2のジョブボックスのプラットフォームを、前記プラットフォームの穴が開いた状態でさらに詳細に示す。
図8図8は構造体に配置された図2のジョブボックスおよび傾動されている前記設備の第2のステーションの清掃プラットフォームを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1の態様は、例えば図1に示すもののように、サンドコアを作成するのに適した設備1000で実施される、サンドコアを作成するための方法に関する。
【0019】
その態様のいずれかにおいて、本方法は少なくとも以下のステップを備える。交互かつ選択的な方式で粒状材料(好ましくは砂)および粒状材料を固化する添加剤の複数の層がジョブボックス1のプラットフォーム1.1に塗布される3D製造(付加剤製造としても知られる)によって、図2に例示されるようにジョブボックス1によって区切られた内部空間1.0で所望の形状でコア9が生成される生成ステップ、および生成ステップで生成されたコア9が硬化される硬化ステップ。
【0020】
生成ステップでは、単一のコア9がジョブボックス1で生成できるか、または複数のコア9が前記ジョブボックス1で同時に生成できる。生成ステップは図1および3で示される設備1000の第1のステーション101でさらに実施される。
【0021】
ジョブボックス1は、内部空間1.0が区切られるプラットフォームとフレーム1.2を備える。好ましくは、ジョブボックス1はプラットフォーム1.1および4つの実質的に垂直な壁を備え、内部空間1.0はプラットフォーム1.1上で4つの壁の間で区切られている。
【0022】
硬化ステップでは、ジョブボックス1からコア9を取り出すことなく生成ステップで生成されたコア9を硬化するため、マイクロ波および少なくとも1つの乾燥ストリーム、好ましくは気流(例えば窒素といった他のガス状流体が使用できる)が、前記コア9が配置されるジョブボックス1の内部空間1.0に加えられる。マイクロ波および乾燥ストリームの組み合わせは前記コア9の迅速な乾燥、および結果的にそこでの硬化を生じる。マイクロ波および/または乾燥ストリームの印加時間は生成されたコア9の条件、および/または対応する生成ステップで生成されたコア9の形状および/または総体積に依存し、(条件および必要に応じて)双方の方法は同時に行われてもよいし行われなくてもよい。
【0023】
図3に例示される生成ステップは、設備1000の第1のステーションのジョブボックス1で実施され、図4に例示される硬化ステップは前記設備1000の第2のステーションで実施される。この方法では、生成ステップが第1のステーション101で実施された後、ジョブボックス1は前記硬化ステップが実施される第2のステーション102に運搬される。
【0024】
生成ステップの間、粒状材料および対応する添加剤は、プラットフォーム1.1上のジョブボックス1の内部空間1.0で、コア9は前記生成ステップの後に生成されるため、すなわちジョブボックス1のプラットフォーム1.1上の内部空間1.0で加えられる。硬化ステップでは、マイクロ波および乾燥ストリームを加える前に、前記内部空間1.0がその中に位置する生成されたコア9とともに、その上部で、その目的のために構成された蓋2によって密閉式に閉鎖される。密閉式の閉鎖の結果、続いて加えられるマイクロ波と乾燥ストリームはコア9上で効果的にふるまう。好ましくは蓋2のジョブボックス1に向かう垂直運動は密閉式の閉鎖を提供するために蓋2が前記ジョブボックス1と接触するまで引き起こされる(図5に示す状態)。密閉式の閉鎖を確保するため、蓋2は好ましくはジョブボックス1の上で(ジョブボックス1のフレーム1.2の上で)支持され、前記フレーム1.2と前記蓋2との間には(図示しない)封止ガスケットが存在する(例えば、封止ガスケットは蓋2に取り付けられるか関連づけられている)。
【0025】
したがって、例えば先端技術で生じるように、マイクロ波オーブンを組み込む必要はなく、ジョブボックス1自体はマイクロ波受信機として利用され、低コストかつマイクロ波から生じる利点を犠牲にしない設備1000となる。
【0026】
好ましい実施形態では、マイクロ波は少なくとも1つのマイクロ波生成装置4、例えばマグネトロンなどによって蓋2を介して加えられ、前記蓋2は内部空間1.0がマイクロ波生成装置4と連通されかつマイクロ波がジョブボックス1の内部空間1.0に向けて誘導される少なくとも1つのスルーホール2.0を備える。マイクロ波生成装置4はそれが外部から隔離されるようにスルーホール2.0と連通している。すなわち、例えば好ましくは導管4.0によるこの連通は、ジョブボックス1の内部空間1.0の蓋2により提供される密閉を阻害しない。
【0027】
乾燥ストリームはジョブボックス1の内部空間1.0上に吸引力を加えることによって生成される。この吸引力は下部から(ジョブボックス1のプラットフォーム1.1の下部から)生じさせることができるが、好ましい実施形態ではそれは上部から加えられる。
【0028】
上述した後者の好ましい実施形態において、乾燥ストリームの生成を可能にし、プラットフォーム1.1の下に存在する空気を捉えるため、プラットフォーム1.1の下でジョブボックス1の外部へ接近する手段がさらに必要である。したがってプラットフォーム1.1は空気の通過を許容するが粒状材料の通過を許容しない多孔質を、少なくとも1つの吸引エリア内(図示せず)に備える。したがって、内部空間1.0の上部から吸引力が加えられると、プラットフォーム1.1の下部からの空気は前記プラットフォームを介して吸収され、乾燥ストリームが前記内部空間1.0を介して下から上に生成される。
【0029】
吸引力は蓋2とジョブボックス1の内部空間1.0に存在する材料との間に配置される吸着床3を介して加えられ、吸引力は好ましくは材料と接触する吸着床3によって加えられる。接触によって吸引力を加えることにより内部空間1.0で粒状材料が動き回ることが防止され、効率の低下が防止される。
【0030】
吸着床3は柱2.2によって、好ましくは垂直運動自在に蓋2に取り付けられている。これは蓋2が移動してジョブボックス1の内部空間1.0の密閉閉鎖を引き起こすときに、この移動が終了する前に前記内部空間1.0に存在する材料と吸着床3が接触する場合、蓋2が移動し続けたとしても前記吸着床3が移動を止めることを許容する。これにより内部空間1.0の内部に存在する材料の過剰な詰込みおよび結果的にコア9の破壊が防がれる。他の実施形態において、吸着床3は運動自在でなく蓋2に固定される。これらの実施形態において、ジョブボックス1の内部空間1.0の密閉閉鎖が確立された時点で、前記内部空間1.0に存在する材料が前記吸着床3に接触するまでプラットフォーム1.1は吸着床3に向けて移動する。前記接触が達成された時点で、前記プラットフォーム1.1は静止させられ乾燥ストリームが生成される。
【0031】
プラットフォーム1.1に面する吸着床3の表面領域はプラットフォーム1.1の類似の表面領域と比較して等しいか小さいが、それは好ましくはコア9を格納するジョブボックス1の表面領域を少なくとも覆う。コア9を覆わないより小さい領域と比較してコア9のより効果的な吸引がそれによって実施される。さらに、吸着床3の効率がより一層改善されるべきである場合、ジョブボックス1に関して所定の位置に吸着床3を固定しかつ前記吸着床3とジョブボックス1のプラットフォーム1.1との間(コア9が位置する空間)に密閉環境を生成するため吸着床3は密閉閉鎖が確立された時点で流体(例えば空気)によって膨張される輪郭に沿ったチャンバー(図示せず)を備えてもよい。チャンバーが膨張した時点で吸引が加えられるであろう。
【0032】
好ましくは、吸引は、この目的のために構成されたストリーム生成装置5(例えば吸引ポンプ)によって吸着床3、および蓋2を介して加えられる。そのため、蓋2は少なくとも1つのスルーホール2.1を備え、かつ柱2.2は中空であり、ストリーム生成装置5は、スルーホール2.1および柱2.2の空洞を介して吸着床3と連通している。ジョブボックス1と吸着床3との間で区切られた空間から吸着床3を介して過剰または固化していない粒状材料が出ていき、ストリーム生成装置5に向かうこと(これは、ストリーム生成装置5の不具合、またはストリーム生成装置5の劣化となりうる)を防ぐため、吸着床3は少なくとも1つの吸引領域3.0に、そこを介した空気の通過を許容する一方で粒状材料の通過は許容しない規定の多孔性を備えており、吸引領域3.0を介して吸引力が加えられる(かつ吸着床3の残りには加えられない)。
【0033】
あるいは、生成装置5は、ジョブボックス1の下に配置される(ジョブボックス1の下部から吸引力が加えられる実施形態のため)。いずれかの実施形態において、生成装置5がジョブボックス1の下に配置され、かつ吸引力が吸着床3を介して加えられたとき、吸着床3を通過する乾燥ストリームは、先にジョブボックス1を通過しており、その一方で生成装置5がジョブボックス1の上に配置されかつ吸引力が吸着床3を介して加えられたとき、吸着床3を通過する乾燥ストリームは先にジョブボックス1を通過しておらず、ジョブボックス1は吸着床3を通過した後に乾燥ストリームを受け取る。
【0034】
好ましくは、蓋2はマイクロ波のエネルギーを蓋2ではなく、内部空間1.0に存在するコア9に伝えるように、マイクロ波に耐えるのに適した材料、例えばテフロンまたは高密度ポリエチレンといった誘電性またはマイクロ波透過性の材料から作成されている。これは、一方では蓋2の特性は変えられることはなく、蓋2は長い耐用年数を有する。他方、蓋2自体は熱くならず、マイクロ波からのエネルギーを捕捉せず、マイクロ波からの最大限可能な量のエネルギーがコア9の乾燥または固化に利用される。好ましくは、同様に、ジョブボックス1および/または吸着床3もマイクロ波に耐えるのに適した材料から作成されており、ジョブボックス1が作成されるのと同じ材料とすることができる。
【0035】
好ましい実施形態において、この方法は、硬化ステップの後に清掃ステップを備える。この清掃ステップでは、コア9の周囲に存在する過剰または固化しない粒状材料がジョブボックス1から排出される。先の硬化ステップの結果、コア9を破壊する危険なく効果的な清掃ステップが可能となる。
【0036】
清掃ステップを実施するため、ジョブボックス1は、設備1000の第3のステーションに運搬されることができるが、前述した好ましい実施形態では、清掃ステップは設備1000の第2のステーション102で実施され、硬化ステップと同様に処理時間を減らす。
【0037】
前述した好ましい実施形態では、マイクロ波および乾燥ストリームの双方がジョブボックス1の下で活動せず、かつ空間が空となるように、蓋2を介して内部空間1.0に導入される。過剰な材料は、こうしてジョブボックス1の下部から排出されることができ、そのためジョブボックス1のプラットフォーム1.1は、過剰な、または固化されない粒状材料がジョブボックス1の内部空間1.0から排出される複数の排出穴1.1aを備える。排出穴1.1aは、生成および硬化ステップの間は閉じられており、過剰な粒状材料の排出を可能とするために、清掃ステップの間は開かれている。排出を可能にするために、排出穴1.1aの大きさは、粒状材料の粒のサイズよりも明らかに大きい。したがって、排出穴1.1aは制御された方式で開かれる。
【0038】
図6および7に示したように、前述した好ましい実施形態において、第2のステーション102は、構造102.1と、構造102.1に配置され、かつ構造102.1に取り付けられた清掃プラットフォーム102.0と、を備える。清掃プラットフォーム102.0は中空のフレームである。ジョブボックス1が第2のステーション102に運搬されたときに、ジョブボックス1は、清掃プラットフォーム102.0上に配置され、かつそれは清掃プラットフォーム102.0と接続される。清掃ステップの間、開放されているプラットフォーム1.1の排出穴1.1aに加えて、いくつかの実施形態において異なる方向のジョブボックス1の傾動を生じさせる。それにより、ジョブボックス1の内部空間1.0に存在する過剰な粒状材料の移動が生じるため、異なる方向への清掃プラットフォーム102.0の制御された傾動が生じさせられて、排出穴1.1aを介した排出をより一層容易にする(例えば、清掃プラットフォーム102.0の下に配置された容器102.3に排出する)。傾動を生じさせるために、清掃プラットフォーム102.0の制御された移動が生成される。清掃プラットフォーム102.0は、第2のステーションの複数の支持領域上で支持されており、高さ方向に移動可能であり、上述の傾動を生じるため支持領域の制御された垂直の移動が生成される。
【0039】
傾動を生じさせるために、設備1000は、構造102.1と清掃プラットフォーム102.0との間に配置され、清掃プラットフォーム102.0の異なる領域と各々接触するように配置された複数の膨張可能な要素102.2を第2のステーション102内に備える。各膨張可能な要素102.2は、清掃プラットフォーム102.0が支持される少なくとも1つの支持領域を備え、清掃プラットフォーム102.0および清掃プラットフォーム102.0に接続されたジョブボックス1の所望の傾動を生じさせるために、各膨張可能な要素102.2の制御された膨張および収縮が生じさせられる。膨張可能な要素102.2は、独立した方式で制御され、各要素102.2は、好ましくは単一の個別支持領域を備える。
【0040】
清掃プラットフォーム102.0は、ジョブボックス1と同一の形状を有する底を備え、好ましい実施形態では矩形であり、清掃プラットフォーム102.0はそれにより好ましい実施形態で4つの支持領域により支持される。各支持領域は、清掃プラットフォーム102.0の角の1つに近接するか、または下部にあり、上記のもののような膨張可能な要素102.2は、各支持領域に対応する。
【0041】
清掃ステップの間、蓋2は密閉閉鎖を提供し続ける。その場合、清掃プラットフォーム102.0と同じ程度、そしてジョブボックスと同じ程度に傾動されるため、蓋2は、構造104によって清掃プラットフォームに取り付けられるか、あるいは蓋2は、ジョブボックス1から分離されることができる(その場合、構造104は要求されない)。
【0042】
清掃のために、固化されない粒状材料を移動させるため、ジョブボックス1単独の振動、またはジョブボックス1の傾動と組み合わされた振動を生成させることができる。
【0043】
この方法の他の実施形態では、上述のように、乾燥ストリームがジョブボックス1の下部からプラットフォーム1.1を介して吸引力を加えることによって生成される。これらの実施形態では、設備1000は硬化ステップの後に、ジョブボックス1が運搬される第3のステーションを備え、清掃ステップは、第3のステーションで実施される。
【0044】
本発明の一部でない実施形態では、乾燥ストリームは、吸引力の代わりに、空気または他のガス状流体の注入によって生成されるか、または他の実施形態では、それは注入および吸引の組み合わせによって生成される。
【0045】
いずれかの実施形態において、ジョブボックス1の内部空間1.0に加えられた乾燥ストリームは、それがジョブボックス1の内部に配置されたコア9を強制的に貫通するように生成することができる。したがって、乾燥ストリームは、コア9の外部表面上で効果的にふるまうだけでなく、単なる空気供給が内部空間に加えられたときも同様に生じ、コアの乾燥がさらに効果的に実行される。
【0046】
本発明の第2の態様は、サンドコア9を作成するために構成された設備1000に関する。設備1000は、コア(9)が生成されかつプラットフォーム(1.1)を備えるジョブボックス(1)と、ジョブボックス1を収納するために構成された第1のステーション101と、第1のステーション101と関連付けられ、かつ粒状材料および粒状材料を固化する添加剤の複数の層が前記ジョブボックス1のプラットフォーム1.1上で交互かつ選択的な方式で塗布される3D生成により、ジョブボックス1によって区切られた内部空間1.0においてコア9を生成するために構成された作成手段と、ジョブボックス1を収納するために構成された第2のステーション102と、第1のステーション101から第2のステーション102にジョブボックス1を移動するためのコンベア装置(図示せず)と、第2のステーション102と関連付けられ、かつ生成されたコア9を硬化するために構成された硬化手段と、を備える。
【0047】
第1のステーション101は、ジョブボックス1が配置された少なくとも1つの構造101.1(ジョブボックス1は好ましくは構造101.1に接続されている)を備える。第1のステーション101と関連付けられた作成手段は、第1のステーション101に配置されており、第1のステーション101は、作成手段を備える。作成手段は少なくとも2つのヘッド101.2および101.3を備えており、第1のヘッド101.2は粒状材料の層を加えることを担当しており、第2のヘッド101.3は添加剤の層を加えることを担当している。好ましくは、両ヘッド101.2および101.3は、水平方向Xに移動可能となるように、第1のステーション101の第2の構造101.4に接続されている。第2の構造101.4は、さらに作成手段の中に備えられていてもよい。
【0048】
硬化手段は、少なくとも1つのマイクロ波生成装置4と、乾燥ストリームを生成するために構成されたストリーム生成装置5と、を備える。両装置4および5は、ジョブボックス1が第2のステーション102に配置されているときに、ジョブボックス1の内部空間1.0と連通するのに適している。
【0049】
設備1000は、第2のステーション102において、本方法のために説明したもののような蓋2と、ジョブボックス1と蓋2との間で密閉式の閉鎖を確立するために、ジョブボックス1に向かって蓋2を移動させるか、または蓋2に向かってジョブボックス1を移動させるための移動手段(図示せず)と、を備える。密閉式の閉鎖に関して本方法のために提供された説明内容は、設備1000についても有効であり、その実施形態および/または構成のいずれにおいても、設備1000のための再度の説明は省略する。
【0050】
マイクロ波生成装置4は、さらに蓋2を介してジョブボックス1の内部空間1.0へマイクロ波を誘導するために構成されており、蓋2は、少なくとも1つのスルーホール2.0を備えており、そこを介して内部空間1.0に向けたマイクロ波の通過を可能とする。蓋2は、好ましくは本方法のために説明されたようなマイクロ波に耐えるのに適した材料を備える。マイクロ波4とスルーホール2.0との間の連通は、例えばその目的のために構成された導管4.0によって確立されることができる。マイクロ波生成装置4は、マグネトロンを備えていてもよく、固定方式で第2のステーション102に配置されてもよい。上述の密閉式の閉鎖を生成するために移動されるのが蓋2である場合、それはマイクロ波生成装置4を移動するスルーホール2.0と連通させる導管4.0である(したがって、導管4.0は柔軟である)。
【0051】
設備1000は、好ましくは蓋2に水平方向に移動自在に取り付けられた吸着床3を備え、ジョブボックス1が第2のステーション102にある場合、吸着床3は蓋2とジョブボックス1のプラットフォーム1.1との間に配置される。ストリーム生成装置5は、吸着床3および蓋2を介して内部空間1.0に吸引力を(内部空間1.0の上部または下部から)加えるために構成される。本方法のために吸着床3に関して提供された記述は、設備1000に対しても有効であり、いずれかの実施形態および/または構成において、設備1000のために再び説明されることはなく、生成装置5は、好ましくは、内部空間1.0に存在する材料と接触する吸着床3によって吸引力を加えるよう構成される。
【0052】
吸着床3と蓋2との間の接続は、例えば柱2.2によって確立されることができ、吸着床3は前記柱2.2に関して移動されることができる。
【0053】
本方法で説明されたように、ストリーム生成装置5は、吸着床3を介して吸引力を加えるよう構成されている。さらに、好ましい実施形態では、ストリーム生成装置5は、密閉式の閉鎖が確立された後内部空間1.0の外部に配置されており、かつその目的のために構成された導管5.0によって蓋2と連通している。蓋2はさらに吸着床3を介した吸引力の生成を許容するために、ストリーム生成装置5と連通するスルーホール2.1を備える。さらに、柱2.2は、部分的に中空であり、スルーホール2.1と連通しており(それは好ましくはスルーホール2.1と整列されている)、ストリーム生成装置5がジョブボックス1によって区切られた内部空間1.0に達するように、吸引領域3.0は柱2.2(柱2.2の中空空間によって)と連通している。他の実施形態において、生成装置5は、ジョブボックス1の下に配置されている(吸引力がジョブボックス1の下部から加えられている実施形態に関して)。生成装置5がジョブボックス1の下に配置され、かつ吸引力が吸着床3を介して加えられる実施形態では、吸着床3を通過する乾燥ストリームは、先にジョブボックス1を通過しており、その一方、生成装置5がジョブボックス1の上に配置され、かつ吸引力が吸着床3を介して加えられる実施形態では、吸着床3を通過する乾燥ストリームは、先にジョブボックス1を通過しておらず、ジョブボックス1は吸着床3を通過した後に乾燥ストリームを受け取る。
【0054】
本方法のために説明したように、1つの好ましい実施形態において装置4および5はジョブボックス1の下で干渉しない。好ましい実施形態において、装置1000の第2のステーション102は、第2のステーション102の構造102.1の上に配置されている清掃プラットフォーム102.0を備え、ジョブボックス1および清掃プラットフォーム102.0は、互いに接続可能なように構成されている。本方法のために説明されたように(この説明は設備1000に対しても有効である)、ジョブボックス1のプラットフォーム1.1は、制御された開口を備える複数の排出穴1.1aを備え、そこを介して粒状材料がジョブボックス1の内部空間1.0から排出されることができる。清掃プラットフォーム102.0は、ジョブボックス1に接続されたものであるフレームを備え、フレームは中空(または部分的に中空)であり、プラットフォーム1.1の排出穴1.1aを介してジョブボックス1から排出される過剰な粒状材料が同じところを突き抜けて、それが(処分されるため、または可能なら再利用されるためでも)必要であればどこにでも向けて引き続き運搬されるために回収されることを可能にする。
【0055】
前述した好ましい実施形態において、プラットフォーム1.1は複数、好ましくは、1つが他のモノの上にサンドイッチ状に配置された計3つの平行な板1.10で形成される。各板1.1bは複数のスルーホール1.11を備え、プラットフォーム1.1の穴1.1aを開けるため板1.10の少なくとも1つの動きは、図7bに例示するように、異なる板1.10の穴1.11が整列されプラットフォーム1.1を介して固化しない結合材料の通過を許容するように横断方向Tに生じさせられる。したがって、異なる板1.10の穴1.11が整列されたとき、穴1.1aは開いていると言え、そのためジョブボックス1からそれらを介した固化しない粒状材料の通過が許容される。
【0056】
本方法のために説明されたように、清掃プラットフォーム102.0は制御可能かつ独立した方式で高さ方向に移動可能な複数の支持領域の上で支持されており、図8で例示したようにジョブボックス1の制御された異なる方向の傾動は支持領域の制御された動きによって生成される。清掃プラットフォーム102.0は4つの支持領域の上で支持されており、各支持領域は清掃プラットフォーム102.0の隅の1つに近接するかまたは下にある。
【0057】
第2のステーション102は、構造102.1と清掃プラットフォーム102.0との間に配置された複数の膨張可能な要素102.2を備え、各膨張可能な要素102.2は、清掃プラットフォーム102.0が支持される少なくとも1つの支持領域を備え、膨張可能な要素102.2は、独立した方式で制御されるように構成され、対応する支持領域の垂直の移動を生じるために制御された方式で膨張または収縮される。
【0058】
固化しない粒状材料を動かすようなジョブボックス1の振動を生じるために、設備は振動発生装置(図示せず)を備えてもよい。装置は単独で使用されることができるか、またはジョブボックス1を傾動するための手段と組み合わせることができる。
【0059】
清掃に関して、いずれかの実施形態において、ストリーム生成装置5は、ジョブボックス1の内部空間1.0内で加えられた乾燥ストリームがジョブボックス1の内部空間1.0に配置されたコア9を強制的に貫通するのに適している。したがって、乾燥ストリームがコアの外部表面上でのみ効果的に働くだけでなく、単なる空気供給が内部空間に加えられたときに生じるように、コアの乾燥がより効果的に実施される。
【0060】
本発明の設備1000は、その実施形態および/または構成のいずれかにおける本発明に係る方法の実施を可能にするように構成されており、逆も然りである。設備1000は、本方法の必要な構成または実施形態を実施するために必要な構成を備えることになり、逆も然りである。したがって、本方法に関して提供された記述は、設備1000の対応する実施形態/構成にも有効であり、そして設備1000に関して提供された記述は本方法の対応する実施形態/構成にも有効である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8