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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】搬送制御システム及び振動式搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/28 20060101AFI20230816BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20230816BHJP
【FI】
B65G47/28 A
G06T7/70 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022005402
(22)【出願日】2022-01-18
(65)【公開番号】P2023104425
(43)【公開日】2023-07-28
【審査請求日】2022-10-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599069507
【氏名又は名称】株式会社ダイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100100055
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 弘明
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 貴大
(72)【発明者】
【氏名】笠井 史弘
(72)【発明者】
【氏名】吉田 朋彦
(72)【発明者】
【氏名】神戸 祐二
(72)【発明者】
【氏名】古田 光
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特許第5936100(JP,B2)
【文献】特許第6335246(JP,B2)
【文献】特許第6154406(JP,B2)
【文献】特開2019-048720(JP,A)
【文献】特開2002-240928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/28
G06T 7/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物が搬送路に沿って搬送される過程で、前記搬送路上の前記搬送物を検出して判定し、その判定結果に応じて前記搬送物の搬送態様を制御するシステムであって、
個々の前記搬送物の検出情報を取得し、前記検出情報を処理することにより前記判定結果を導出する、前記搬送物に対する検出判定処理、及び、前記判定結果に応じて搬送物作用信号を出力し、前記搬送物作用信号に基づいて前記搬送物に作用する搬送物作用機構を動作させる作用制御処理を、独立して実行する搬送物検出判定ユニットと、
前記検出情報、或いは、前記検出判定処理又は前記作用制御処理により得られたその他の情報からなる取得情報を受け取り、前記搬送物検出判定ユニットで行われる前記検出判定処理及び前記作用制御処理と並行して、前記取得情報を処理することによって搬送状況に関連する解析情報を導出可能に構成された管理制御部と、
を具備し、
前記取得情報は、前記搬送物の搬送態様を示すとともに前記搬送物作用機構により作用を受ける前記搬送物の移動態様を示す、所定時間に撮影された複数フレームの画像(Gf)を含む画像データ群(Gg)と、前記画像(Gf)に基づいて前記検出判定処理により得られた検出判定データ(Od)を含む検出判定データ群(Og)とからなり、
前記管理制御部は、画像表示部において前記画像(Gf)を表示可能に構成するとともに、前記画像(Gf)に含まれる、前記搬送物作用機構により作用を受ける前記搬送物の移動態様を示す画像データに基づいて、前記解析情報として、前記搬送物の移動量と移動姿勢を導出する作用解析処理を実行し、さらに、前記搬送物作用機構に対する前記作用制御処理の設定を手動若しくは自動で実施可能に構成する、
搬送制御システム。
【請求項2】
前記搬送物は、前記検出判定処理によって得られた判定結果に応じて、前記搬送路の搬送面に開口する噴気口から吹き付けられる気流によって位置若しくは姿勢が変更され、
前記解析情報としての前記搬送物の移動量と移動姿勢は、前記気流の吹付によって生ずる前記搬送物の飛翔距離、飛翔方向、飛翔姿勢である、
請求項1に記載の搬送制御システム。
【請求項3】
前記管理制御部は、前記作用制御処理の設定情報を導出し、前記作用制御処理の当該設定情報は前記搬送物検出判定ユニットにおける前記作用制御処理に反映される、
請求項1又は2に記載の搬送制御システム。
【請求項4】
前記管理制御部は、前記検出判定処理の設定情報を導出し、前記検出判定処理の当該設定情報は前記搬送物検出判定ユニットにおける前記検出判定処理に反映される、
請求項1-3のいずれか一項に記載の搬送制御システム。
【請求項5】
前記管理制御部は、前記搬送路上で前記搬送物を搬送するための搬送機構を制御する搬送機構制御ユニットに接続され、前記搬送機構制御ユニットを制御可能に構成される、
請求項1-のいずれか一項に記載の搬送制御システム。
【請求項6】
前記管理制御部は、前記搬送機構による前記搬送物の前記搬送路上の搬送態様の制御に用いる設定情報を導出し、当該設定情報は前記搬送機構の稼働状態に反映される、
請求項に記載の搬送制御システム。
【請求項7】
前記取得情報は、前記検出判定処理及び前記作用制御処理と並行して、前記搬送物検出判定ユニットから前記管理制御部へ転送可能に構成され
前記取得情報は、複数の搬送物に関する情報を単位として、定期的に転送される、
請求項1-6のいずれか一項に記載の搬送制御システム。
【請求項8】
前記搬送物検出判定ユニットは、
前記管理制御部との間の入出力制御、及び、前記検出判定処理若しくは前記作用制御処理の設定制御を実施するユニット制御部と、
前記検出判定処理を実行する検出判定回路、及び、前記判定結果に応じて前記搬送物作用信号を前記搬送物作用機構へ出力する信号出力回路を備える検出判定処理部と、
を有する、
請求項1-のいずれか一項に記載の搬送制御システム。
【請求項9】
請求項5又は6に記載の前記搬送制御システムと、前記搬送機構と、を具備し、
前記搬送機構は、前記搬送物を前記搬送路に沿って搬送するための加振機能を備える振動式搬送機構である、
振動式搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送制御システム及び振動式搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パーツフィーダなどの振動式搬送装置としては、電子部品などの搬送物を搬送しながら既定の姿勢で整列させるように構成されたものが知られている。この種の搬送装置では、搬送路上における搬送物の姿勢を外観測定により判別し、その判別結果に応じて、搬送物に対して気流を吹き付けることなどによって、不適格な姿勢の搬送物を搬送路上から排除したり、搬送物を回転させてその姿勢を変更したりすることにより、搬送物の姿勢を揃えるようにしている。
【0003】
ところで、搬送物の姿勢を変更するには、搬送路上を不適切な姿勢で搬送されてくる搬送物を気流によって反転させた姿勢とし、これを、反転させる必要のなかった搬送物からなる元の搬送列に合流させることによって、搬送物の姿勢を揃えるようにする搬送物の姿勢制御方法が知られている(以下の特許文献1参照)。この場合には、搬送物を確実に反転させるために、搬送路上に段差を形成し、気流を受けた搬送物が段差に係止された状態で確実に回転されるようにしていることが多い。また、搬送物の姿勢変更方法としては、搬送物の底部に気流を当てることによって横滑り状に姿勢を変更する方法(以下の特許文献2を参照)や、左右二方向の気流によって搬送物を回転させる方法(以下の特許文献3を参照)などが種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-264430号公報
【文献】特開平7-228332号公報
【文献】特開平10-053320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年の搬送装置においては、特に電子部品などの搬送物の微細化が進むとともに、搬送の高速化、高密度化などの搬送性能の向上が顕著である。このような近年の搬送速度の向上や搬送密度の増大により、搬送物の検出情報を高速に処理する必要があるとともに、検出情報に基づいた判定処理によって搬送制御系の負荷が増大し、コストも増大するという問題がある。
【0006】
また、上記近年の状況において、上述の搬送装置では、搬送物の品種やロットの切替え、空圧機器の圧力変動、搬送処理の長期化などの外乱に起因する、搬送物の表面の変化(汚れなど)、搬送速度の変化、バルブ応答時間の変化などが発生するため、高い搬送性能を維持することが難しく、熟練の技術者による各種設定パラメータの調整作業やティーチングなどの作業負担が問題となっていた。
【0007】
そこで、本発明は上記問題を解決するものであり、その課題は、搬送性能を確保しつつ、搬送制御系のコストを抑制するとともに、各種の外乱への対応を容易化することのできる搬送制御システム及び振動式搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る搬送制御システムは、搬送物が搬送路に沿って搬送される過程で、前記搬送路上の前記搬送物を検出して判定し、その判定結果に応じて前記搬送物の搬送態様を制御するシステムである。このとき、個々の前記搬送物の検出情報を取得し、前記検出情報を処理することにより前記判定結果を導出する、前記搬送物に対する検出判定処理、及び、前記判定結果に応じて搬送物作用信号を出力し、前記搬送物作用信号に基づいて前記搬送物に作用する搬送物作用機構を動作させる作用制御処理を、独立して実行する搬送物検出判定ユニットと、前記検出情報、或いは、前記検出判定処理又は前記作用制御処理により得られたその他の情報からなる取得情報を受け取り、前記搬送物検出判定ユニットで行われる前記検出判定処理及び前記作用制御処理と並行して、前記取得情報を処理することによって搬送状況に関連する解析情報を導出可能に構成された管理制御部と、を具備する。ここで、前記取得情報としては、前記検出情報、前記検出判定処理による判定結果、前記作用制御処理に応じた前記搬送物作用機構による前記搬送物の位置若しくは姿勢の変更態様などが挙げられる。また、前記解析情報としては、搬送物に関する、搬送数、搬送速度、搬送密度、検出不良数、搬送物作用機構による制御不良数などが挙げられる。この場合において、前記管理制御部は、前記解析情報を表示機器に出力して表示可能に構成されることが好ましい。また、前記管理制御部は、前記解析情報として、前記検出判定処理若しくは前記作用制御処理に用いられる各種設定値などの設定情報を求め、前記搬送物検出判定ユニットにおいて前記設定情報を反映させることが好ましい。
【0009】
これによれば、個々の搬送物に対しては、搬送物検出判定ユニットにより検出判定処理が行われ、判定結果に応じた搬送物作用信号により搬送物作用機構が搬送物に作用することにより、搬送路上の搬送物の搬送態様が実現される。このとき、管理制御部は、搬送物検出判定ユニットから得られる取得情報に基づいて搬送状況に関連する解析情報を導出する。このように、搬送されてくる搬送物に対する検出判定処理は搬送物検出判定ユニットが独立して実行する一方で、上記取得情報に基づく解析搬送情報の導出を管理制御部が並行して実行可能に構成することによって、リアルタイムに実行されるべき搬送物に関する検出判定処理や搬送物作用機構に対する作用制御処理と、バッチ処理として実行可能な解析情報の導出とを、独立して処理することができる。このように、リアルタイムに処理すべき検出判定処理や作用制御処理と、バッチ処理で足りる取得情報に基づく解析情報の導出とを、搬送物検出判定ユニットと管理制御部とによって別々に並列して処理することができるため、それぞれの処理内容を特性に応じて分担して処理することが可能になることから、搬送性能を確保しつつ、特に、リアルタイム処理の負担を軽減することができ、したがって、制御コストも低減することができる。ここで、上記搬送物検出判定ユニットにおいて検出判定処理及び作用制御処理が独立して実行されるとは、搬送路上を次々に搬送されてくる複数の搬送物に対するリアルタイム処理自体が独立して実行されることをいう。例えば、当該処理及び動作に対する開始や停止の指令を外部から間接的に受けることはあっても、一旦処理や動作が開始されてしまえば、搬送路上を複数の搬送物が次々に搬送されてくるに従って外部からの指令を要せずに上記処理及び動作が連続して行われることをいう。
【0010】
本発明において、前記取得情報は、前記検出判定処理及び前記作用制御処理と並行して、前記搬送物検出判定ユニットから前記管理制御部へ転送可能に構成されることが好ましい。この場合において、前記取得情報は、複数の搬送物に関する情報を単位として、定期的に転送されることが望ましい。
【0011】
本発明において、前記搬送物検出判定ユニットは、前記管理制御部との間の入出力制御、及び、前記検出判定処理若しくは前記作用制御処理の設定制御を実施するユニット制御部と、前記検出判定処理を実行する検出判定回路、及び、前記判定結果に応じて前記搬送物作用信号を前記搬送物作用機構へ出力する信号出力回路を備える検出判定処理部とを有することが好ましい。上記ユニット制御部を設けることによって、管理制御部との間で上記取得情報や上記設定情報のやり取りを容易かつ円滑に行うことができる。
【0012】
本発明において、前記取得情報は前記検出情報を含み、前記検出情報は、前記搬送物の搬送箇所を撮影して得られた画像データを有することが好ましい。
【0013】
本発明において、前記解析情報は、前記搬送物の搬送数であることが望ましく、特に、前記検知データの種類別に分類された前記搬送物の搬送数であることがさらに望ましい。ここで、上記搬送数とは、単位時間内に搬送される前記搬送物の数を含む。
【0014】
本発明において、前記取得情報は、前記搬送物作用機構により作用を受ける前記搬送物の移動態様を示す画像データであり、前記解析情報は、前記搬送物の移動量と移動姿勢であることが好ましい。また、前記解析情報として、前記搬送物作用機構による前記搬送物に対する作用制御処理の設定情報が導出され、当該作用制御処理の設定情報が前記搬送物検出判定ユニットにおいて反映されることが好ましい。特に、当該設定情報としては、前記搬送物に対する作用力と作用タイミングに関する設定値であることが望ましい。ここで、上記作用力は少なくとも上記移動量(姿勢の変化量、回転量を含む。)と相関を有し、上記作用タイミングは少なくとも上記移動姿勢(移動時の姿勢角度)と相関を備える。上記搬送物作用機構が気流により前記搬送物に作用する場合には、上記作用力は気流の吹付圧力、上記作用タイミングは気流の吹付タイミングに相当する。
【0015】
本発明において、前記管理制御部は、前記搬送路上で前記搬送物を搬送するための搬送機構を制御する搬送機構制御ユニットに接続されることが好ましい。特に、前記管理制御部は、前記搬送機構制御ユニットを制御可能に構成されることが好ましい。ここで、前記管理制御部は、前記解析情報に基づいて前記搬送機構による前記搬送物の搬送態様が変化するように、前記搬送機構制御ユニットに対して搬送機構制御信号を出力することが望ましい。また、前記管理制御部は、前記取得情報とともに、前記搬送機構制御ユニットの前記搬送機構に対する制御態様に応じて、前記搬送物作用機構に対する設定情報、例えば、作用力や作用タイミングに関する設定値、を求めることがさらに望ましい。さらに、前記管理制御部は、前記搬送機構制御ユニットから前記搬送機構の駆動態様を取得可能に構成されることが望ましい。
【0016】
次に、本発明に係る振動式搬送装置は、搬送物を搬送路に沿って搬送するための加振機能を備える振動式搬送機構と、個々の前記搬送物の検出情報を取得し、前記検出情報を処理することにより前記判定結果を導出する、前記搬送物に対する検出判定処理、及び、前記判定結果に応じて搬送物作用信号を出力する搬送物に対する作用制御処理を、独立して実行する搬送物検出判定ユニットと、前記搬送物作用信号に基づいて前記搬送物に作用する搬送物作用機構と、前記検出情報、或いは、前記搬送物検出判定ユニットの前記検出判定処理又は前記作用制御処理により得られたその他の情報からなる取得情報を受け取り、前記取得情報を処理することによって搬送状況に関連する解析情報を導出可能に構成された管理制御部と、を具備する。この場合において、前記管理制御部は、前記搬送機構制御ユニットに対して、駆動周波数と駆動出力値を設定可能に構成されることが好ましい。
【0017】
本発明において、前記管理制御部は、前記搬送物検出判定ユニットで行われる前記検出判定処理及び前記作用制御処理と並行して、前記取得情報を処理することによって搬送状況に関連する解析情報を導出可能に構成されることが好ましい。ここで、前記取得情報は、前記搬送物検出判定ユニットで行われる前記検出判定処理及び前記作用制御処理と並行して、前記搬送物検出判定ユニットから前記管理制御部へ転送可能に構成されることが好ましい。この場合において、前記取得情報は、複数の搬送物に関する情報を単位として、定期的に転送されることが望ましい。
【0018】
本発明において、前記搬送機構を制御する搬送機構制御ユニットをさらに具備し、前記管理制御部は、前記搬送機構制御ユニットに接続されることが好ましい。また、前記管理制御部は、前記搬送機構制御ユニットを制御可能に構成されることが望ましい。さらに、前記管理制御部は、前記搬送機構制御ユニットから前記搬送機構の駆動態様を取得可能に構成されることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、搬送性能を確保しつつ、搬送制御系のコストを抑制するとともに、各種の外乱への対応を容易化することのできる搬送制御システム及び振動式搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る搬送制御システム及び振動式搬送装置の実施形態の全体の構成例を模式的に示す概略構成図である。
図2】同実施形態の搬送制御システムの概略構成ブロック図である。
図3】同実施形態の搬送物を排除する箇所における搬送物作用機構の模式的な概念構成図である。
図4】同実施形態の搬送物を反転させる箇所における搬送物作用機構の模式的な概念構成図である。
図5】同実施形態のカメラによって撮像される画像の構成を示す説明図である。
図6】同実施形態の搬送路上の搬送物の検出態様を示す説明図(a)-(d)である。
図7】同実施形態の搬送路上の搬送物の検出態様を示す説明図(a)-(e)である。
図8】同実施形態の搬送物検出工程におけるメモリ(追跡キュー)の記録内容の変遷を示す説明図(a)-(f)である。
図9】同実施形態の搬送物検出判定ユニットで行われる搬送物検出工程の手順例を示す概略フローチャートである。
図10】同実施形態の搬送物検出判定ユニットで行われる搬送物判定工程の手順例を示す概略フローチャートである。
図11】同実施形態の管理制御部において行われる制御手順例を示す概略フローチャートである。
図12】同実施形態の管理制御部において構成される表示用画面の主画面の例を示す画面説明図である。
図13】同実施形態の管理制御部において構成される表示用画面の設定画面の例を示す画面説明図である。
図14】同実施形態の管理制御部において構成される表示用画面の解析情報画面の例を示す画面説明図である。
図15】同実施形態の管理制御部において解析情報を導出する方法の一例に用いられる解析エリアの構成を示す説明図である。
図16】同実施形態の管理制御部において解析情報を導出する方法の一例に用いられる搬送物の姿勢角度を説明するための説明図である。
図17】同実施形態の管理制御部において解析情報を導出する方法の一例に用いられるパターンモデルの構成を示す説明図である。
図18】同実施形態の管理制御部において解析情報を導出する方法の一例の手順を示す概略フローチャートである。
図19】同実施形態の取得情報である搬送物の飛翔態様を示す画像データの説明図である。
図20】同実施形態の解析情報である飛翔距離と飛翔姿勢を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。最初に、図1を参照して本発明に係る搬送システムを構成する振動式搬送装置を説明する。この振動式搬送装置100は、パーツフィーダ、リニアフィーダ、平行フィーダ、循環式フィーダなどの振動式の搬送機構110と、この搬送機構110を制御する搬送機構制御ユニット120とを有する。また、搬送機構110には、電磁駆動体や圧電駆動体などからなる加振機能を備えた駆動部111と、この駆動部111によって振動する搬送体112が設けられる。搬送体112には、図3図4及び図5に示すように、搬送路112aが設けられ、この搬送路112a上に搬送物P(製品)が搬送されていくように、搬送体112に対して、搬送方向Fに向けて斜め上方に往復動する振動が加えられる。
【0022】
搬送路112aには、搬送物Pの位置や姿勢を変更するための搬送物作用箇所S1,S2,S3,S4が設けられる。搬送物作用箇所としては、不要な搬送物Pを搬送路112a上から排除したり、不適切な姿勢にある搬送物Pを適宜の角度だけ回転させたり、搬送物Pを搬送路112aの分岐部で適切な方向へ分配したりする場合が含まれる。本実施形態の搬送物作用箇所S1-S4としては、一例として、S1-S3が、図3に示すように、それぞれ搬送物Pを側方へ90度反転させる搬送物反転箇所であり、S4が、図4に示すように、不適切な姿勢にある搬送物Pを搬送路112a上から排除する搬送物排除箇所である場合が挙げられる。
【0023】
上記搬送物作用箇所S1-S4では、搬送路112a上の搬送物Pの位置や姿勢を制御する搬送物作用機構130が設けられる。この搬送物作用機構130は、特に限定されないが、本実施形態の場合、搬送物Pに対して気流の圧力を作用させることにより、搬送物Pの位置や姿勢を変更する。この搬送物作用機構130は、本実施形態の場合には、コンプレッサ等の気圧源131に接続された基端側配管132を有し、この基端側配管132に接続された開閉弁133を介して先端側配管134により搬送体112の搬送路112aに向けて開口する噴気口112b(図3及び図4参照)から搬送物Pに対して気流を吹き付け可能に構成される。開閉弁133としては、弁駆動回路135から出力される駆動信号によって開閉制御される電磁バルブや圧電バルブが用いられることが好ましい。
【0024】
上記搬送路112aの搬送物作用箇所S1-S4には、CCDカメラなどの撮像手段140が設けられる。図示例では、撮像手段140は、搬送物作用箇所S1とS2をそれぞれ撮像範囲に収める光学系を備える第1の撮像機器141と、搬送物作用箇所S3とS4をそれぞれ撮像範囲に収める光学係を備える第2の撮像機器142とを有する。これらの撮像機器141,142は、図5に示すように、搬送物作用箇所S1(S3)を撮像範囲とする画像部分Gfaと、搬送物作用箇所S2(S4)を撮像範囲とする画像部分Gfbとを一体化した画像Gfを生成する。このように、相互に離隔した二つの範囲の画像部分を一体化した画像を形成する構造としては、それぞれの視野に配置した鏡で相互に隣接する領域に向けて反射させた光を、当該隣接する領域に配置した二つの鏡で同方向に進む光束になるように反射させる光学系が挙げられる。なお、上記画像部分Gfa,Gfbや画像Gfは、本発明に係る搬送物Pの上記検出情報である画像データに相当する。
【0025】
本実施形態では、搬送物検査判定手段150が設けられる。図示例では、搬送物検査判定ユニット151が、搬送物作用機構130の搬送物作用箇所S1とS2に対応する弁駆動回路135の駆動部D1及びD2と、撮像手段140の搬送物作用箇所S1とS2に対応する撮像機器141の画像出力部C1に接続されている。また、搬送物検査判定ユニット152が、搬送物作用機構130の搬送物作用箇所S1とS2に対応する弁駆動回路135の駆動部D3及びD4と、撮像手段140の搬送物作用箇所S3とS4に対応する撮像機器142の画像出力部C2に接続されている。
【0026】
搬送物検査判定手段150(搬送物検査判定ユニット151,152)は、撮像手段140(撮像機器141,142)に接続され、撮像手段140から搬送物作用箇所S1-S4における搬送物Pの画像Gfを受け取り、当該画像Gfを処理して検出した搬送物Pの姿勢に基づいて判定を行う。また、この判定結果に応じて、上記弁駆動回路135(D1-D4)に搬送物作用信号を出力し、開閉弁133(V1-V4)の開閉駆動を実施し、搬送物作用機構130の作用(気流の吹付)により搬送物Pの位置又は姿勢を変更する。
【0027】
本実施形態では、コンピュータなどのMPU(マイクロプロセッサユニット)により構成される管理制御部160が設けられる。この管理制御部160は、上記搬送機構制御ユニット120や上記搬送物検査判定手段150(搬送物検査判定ユニット151,152)に接続され、これらとの間で、データや指令のやりとりを行う。また、管理制御部160には、液晶ディスプレイなどの各種のモニタからなる表示機器171やキーボードやマウスなどの入力機器172といった周辺機器170が接続される。なお、本実施形態の搬送制御システム101は、搬送制御ユニット120、搬送物検出判定手段150、管理制御部160及び周辺機器170によって構成される。
【0028】
図2は、管理制御部160と搬送物検査判定手段150(搬送物検査判定ユニット151,152)の関係を示す機能ブロック図である。搬送物検査判定手段150は、搬送物検査判定ユニット全体を制御するユニット制御部153と、このユニット制御部153によってそれぞれ制御される、撮像手段140(撮像機器141,142)にトリガ信号Tgを出力する撮像制御部154、撮像手段140から出力された画像Gfのデータを一時的に保持するフレームバッファメモリ155、画像Gfを処理して搬送物Pの検出判定処理を実行する検出判定処理部156、画像Gfをフレーム画像として含む動画データを、フレーム及び/又は画素を間引くことにより、表示用画像Gf′をフレーム画像として含む動画データを生成する画像抽出部157、及び、画像抽出部157から出力される動画データを送信する送信部158、を有する。
【0029】
一方、管理制御部160は、必要に応じて入力機器171からの操作により、後述する動作プログラムを実行することによって機能的に構成される制御実行部161と、この制御実行部161によってそれぞれ制御される、機能実現手段としての、複数の異なる態様の解析部163-166を含む解析手段162、各解析部163-166での処理のための解析対象となる元データである取得情報Rgを保持するバッファメモリ167、上記表示用画像Gf′を含む動画データを受信する受信部168、及び、解析手段162から出力された解析情報Agを、上記表示用データGf′とともに処理して、表示用画面を構成する表示構成部169を有する。ただし、管理制御部160は、物理的には、CPU(中央演算ユニット)、バス、メモリ、入出力回路などにより構成されることが好ましい。
【0030】
搬送物検出判定手段150(搬送物検出判定ユニット151,152)は、上記撮像制御部154から出力されるトリガ信号Tgによって撮像手段140(撮像機器141,142)により各搬送物作用箇所S1-S4において搬送路112a上において搬送されていく1又は複数の搬送物Pを撮像し、その撮像データ(検出情報及び画像データに相当する。)である画像Gfがフレームバッファメモリ155へ出力される。画像Gfはフレームごとに検出判定処理部156へ送られるとともに、バッファへ蓄積される。このバッファに蓄積された所定フレーム数の画像Gfは、画像データ群Ggとして、まとめて管理制御部160のバッファメモリ167へ送られる。
【0031】
また、画像Gf(検出情報)に基づいて検出判定処理部156において行われる処理により得られた検出判定データOdも、バッファへ蓄積される。このバッファに蓄積された所定フレーム数の検出判定データOdは、検出判定データ群Ogとして、まとめて管理制御部160のバッファメモリ167へ送られる。ここで、上記撮像データ群Ggと上記検出判定データ群Ogは、本発明に係る上記取得情報Rgを構成する。また、検出判定処理部156からは、判定結果に応じて、搬送物作用信号Ovが弁駆動回路135(D1-D4)に出力される。この搬送物作用信号Ovは、上記判定結果において搬送物Pの搬送姿勢がNGである場合に、所定のタイミングで出力され、開閉弁133(V1-V4)を動作させる。なお、搬送物作用機構130において、噴気口112bにおける気流の吹付が常時行われ、正常な搬送物Pが到来した場合にのみ気流を停止させる場合には、開閉弁133の構成にもよるが、上記搬送物作用信号Ovは、正常な搬送物Pが到来したときに停止されるようにしてもよい。
【0032】
管理制御部160のバッファ167に保持された取得情報Rgである画像データ群Ggと検出判定データ群Ogは、上記解析手段162によって様々な解析処理を受ける。図示例では、解析部163は計数処理を実行し、解析情報Agである搬送物Pの搬送数を計数する。ここで、上記検出判定データ群Ogに含まれる搬送物Pの判別結果を参照することによって搬送数を計数してもよい。しかし、後述するように、解析手段162において、上記画像データ群Ggから改めて検出判定し、その結果を元に、解析情報である搬送物Pの姿勢ごとの搬送数を計数することができる。これにより、高精度の計数処理が可能になる。
【0033】
また、解析部164は設定情報処理を実行する。この設定情報処理では、解析情報Agとして、上記検出判定処理部156の各種処理の設定情報(レシピ)Gsを導出する。この導出された設定情報Gsは、制御実行部161により搬送物検出判定手段150へ出力され、搬送物検出判定手段150内でユニット制御部153により検出判定処理部156の各種設定情報が上記導出された設定情報Gsに置き換えられる。
【0034】
さらに、解析部165は作用解析処理を実行する。この作用解析処理では、上記画像データ群Ggから搬送物作用機構130の作用による搬送物Pの位置若しくは姿勢の変化を解析し、解析情報Agとして搬送物Pの移動量と移動姿勢を導出する。後述するように、本実施形態では、搬送物作用機構130の気流の吹付により搬送物Pが作用を受けるので、具体的には、搬送物Pの飛翔距離と飛翔姿勢が導出される。そして、このような搬送物作用機構130による搬送物Pの移動態様に応じて、搬送物に対する作用制御処理の設定情報Cp、例えば、弁駆動回路135の駆動出力値や駆動波形に相当する搬送物作用信号Ovの内容、を導出し、検出判定処理部156における作用制御処理に反映させることができる。
【0035】
なお、解析手段162により行われる解析処理は、上記に限定されるものではなく、解析部166に示すように、画像データ群Ggや検出判定データ群Ogなどの取得情報Rgに基づくものであれば、他の種々の解析処理を行うことができる。例えば、解析情報Agの一つとして、搬送物Pの搬送路112a上での通常の搬送姿勢の安定性を示す指標を導出し、これに基づいて、搬送姿勢の安定性を高めるように、搬送制御ユニット120の設定情報を変更してもよい。
【0036】
次に、図6図10を参照して、搬送物検出判定手段150(搬送物検出判定ユニット151,152)における上記検出判定処理部156による、検出判定処理、及び、搬送物作用機構130に対する作用制御処理について説明する。
【0037】
図6及び図7は、搬送路122a上の搬送物Pの搬送態様を、搬送物Pの検出判定処理と照らし合わせて説明するための図である。ここで、図6(a)に示すように、検出エリアDaは、搬送路112a上の固定された領域となるように、搬送路112aの上記搬送物作用箇所S1-S4の画像Gf上において、搬送路112aに固定されたマーク112cに対して常に同じ位置関係にあるように設定される。特に、本実施形態では、搬送機構110は振動式の搬送機構であることから、搬送体112は常に搬送方向Fに往復振動している様子が個々の画像Gfをフレーム画像とする動画として撮像される。このため、搬送路112a上で固定された領域に検出エリアDaを設定するためには、上記マーク112cの図示左右への往復移動と同期したタイミングで同期した移動量だけ、画像Gf上において検出エリアDaの位置(枠線)を修正して表示する。
【0038】
また、画像Gf上では、作用出力判定位置Pxと、追跡サーチ終了位置Pyが、搬送方向Fと直交する線によって示される。これらの位置を示す表示は、上記検出エリアDaと同様に、マーク112cに同期したタイミング及び移動量で修正され、搬送路112aに対して常に固定された位置に設定される。ここで、バルブ出力判定位置Pxとは、検出された搬送物Pの中心(重心)点などの対応部位がこの位置Pxを通過するタイミングで、搬送物検出判定手段150(搬送物検出判定ユニット151,152)から弁駆動回路135(D1-D4)に対して搬送物作用信号Ovが出力される場合の基準位置(バルブ出力判定位置)とされる。また、上記追跡サーチ終了位置Pyとは、搬送物Pの先端等の対応部位がこの位置Pyに達したタイミングで、当該搬送物Pに対しては、後述する追跡サーチ過程を終了する場合の基準位置とされる。
【0039】
なお、上記の作用出力判定位置Pxや追跡サーチ終了位置Pyに対して搬送物Pが到達したとする搬送物Pの対応部位の位置(先端や重心など)は、適宜に設定することができるので、特に限定されない。また、例えば、或る搬送物PがNG判定にラベル付けされたものであるときには、上記作用出力判定位置Pxに当該搬送物Pの対応部位が到達したときに、検出判定処理部156から搬送物作用信号Ovが出力されるようになっている。このとき、フレーム画像のいずれかにおいて、当該搬送物Pが作用出力判定位置Pxにぴったりと配置されるとは限らないので、例えば、当該搬送物Pの対応部位が、上記作用出力判定位置Pxの搬送方向Fの前後に後述する移動量βの範囲内で前後に近接しているときに、搬送物作用信号Ovを出力する。このとき、上記対応部位と作用出力判定位置Pxとの搬送方向Fの前後のずれ量に応じて、搬送物作用信号Ovの出力タイミングを基準タイミングに対して早めたり遅延させたりすることで、より正確な作用タイミングで搬送物Pに作用力を与えることができる。
【0040】
ここで、検出エリアDaは、搬送路112aの搬送方向Fに沿って作用出力判定位置Pxよりも上流側に、好ましくは、上記移動量βよりも離隔した位置に設定される。また、作用出力判定位置Pxは、噴気口112bよりも上流側の近接(隣接)した位置に配置される。なお、噴気口112bと作用出力判定位置Pxとの間隔は、上記搬送物作用信号Ovの出力時点と、弁駆動回路135(D1-D4)を介した開閉弁133(V1-V4)の作動時点との間の遅延時間によって調整できる。
【0041】
検出エリアDaは、搬送路112a上の搬送物Pの搬送方向Fの長さLと、上記トリガ信号Tgによって撮像手段140(撮像機器141,142)の撮像が行われるタイミングとに関係している。ここで、撮影周期をTs[sec]、搬送物Pの搬送方向Fの長さをL[mm]、搬送物Pの搬送速度をVs[mm/sec]とした場合、全ての搬送物Pの画像が必ずいずれかのフレームの画像Gfの上記検出エリアDa内に含まれるようにするためには、検出エリアDaの搬送方向Fの長さ(範囲)DLを以下の式(1)のように設定する。
DL≧L+β=L+Ts・Vs…(1)
例えば、搬送物Pの搬送方向Fの長さLが0.6[mm]、搬送速度Vsが50[mm/sec]、撮影周期Tsが1[msec]であるとすれば、L=0.6[mm]、1フレームの画像間の移動量β=0.05[mm]であり、LD≧0.65[mm]となる。また、撮影周期Tsを0.5[msec]とすれば、L=0.6[mm]、β=0.025[mm]とすることで、DL≧0.625[mm]となる。
【0042】
実際には、搬送物Pの搬送速度には、個体ごとに、場所により、或いは、経時的に、ばらつきが存在するため、搬送物Pの全体若しくは一部が2回以上、好ましくは3回以上の画像データに撮影されるように設定することが望ましい。一般的には、n(nは自然数)回以上の画像データに撮影されるようにするには、
DL≧L+n・β=L+n・Ts・Vs…(2)
が成立するように、検出エリアDaの搬送方向Fの長さDLを設定する。本実施形態の場合には、nを3-7の範囲になるように設定している。これは、nが小さくなると搬送速度のばらつきによる搬送物CAの撮影漏れが生ずる虞が高くなり、逆にnが大きくなると画像処理の負荷が増大するからである。一般的には、自然数nは1-10の範囲内であることが好ましい。なお、本実施形態では画像処理時間は一般的に150-300μsec程度である。また、撮影間隔Tsは500-840[μsec]程度である。
【0043】
ただし、検出エリアDaの長さDLが搬送物Pの長さLの2倍を超えると、検出エリアDa内の検出サーチ過程において同時に二つ以上の搬送物Pが検出される可能性があるため、画像処理が複雑化し、高速化が難しくなる。このため、DL≦L×2であることが好ましく、特に、DL<L×2が成立することが望ましい。
【0044】
図6(a)と(b)では、搬送物P1が検出エリアDa内でそれぞれ検出される。検出エリアDa内での検出サーチ過程は、本実施形態ではパターンマッチング処理により行われる。このパターンマッチング処理は、一般にグレーサーチモジュールなどの処理により濃淡画像に対するパターンの類似度の高い箇所を特定することによって実行される。検出サーチ過程に用いられる基準パターンは、上記設定情報Gsに含まれる。基準パターンは、例えば、正規の搬送姿勢の搬送物Pの画像とされる。この検出サーチ過程において、検出エリアDa内の画像と基準パターンとの整合性が閾値より高くなることによって、搬送物Pが検出されたとされる。具体的には、例えば、正規化相関サーチであれば、基準パターンとの間の相関係数などの類似度や相違度を算出し、それが閾値を越えた場合に、基準パターンと類似した搬送物Pが検出されたことになる。ここで、類似度や相違度を示す指標としては、NCC(正規化相互相関)やSSD(画素値の差の二乗の合計)、SAD(画素値の差の絶対値の合計)、Z-NCC(画素値の平均値を減算したNCC)など、各種の指標を用いることができる。なお、上記のようなピクセル画像をベースとする相関サーチではなく、幾何学形状パターンマッチング技術を用いてもよい。
【0045】
上述のように検出された搬送物P1に対しては、その検出パターンの上面部分P1u内にマークPmが配置され、このマークPmが所定の位置(図示例では、搬送方向Fの後方)に配置されているか否かによって正常か否かが判定される。例えば、エッジモジュールによる処理により、上面部分P1uにマークPmの境界が存在した場合、二つのエリアモジュールによる処理により、上面部分P1uの搬送方向Fの後方にマークPmがあり、搬送方向Fの前方にマークPmがないことを確認し、正規姿勢(両品)であることを判定する。
【0046】
図示例の場合、検出エリアDaの搬送方向Fの長さDL=L+nβを、n=3としているため、長さLの同じ搬送物Pは、検出エリアDa内で少なくとも2回検出される。このように、長さDLをn=2以上とする場合、検出エリアDa内で同じ搬送物Pが複数回検出されることとなるが、このように複数回同じ搬送物Pを検出し、その度に判定処理を行うことで、判定結果の精度を向上させることができる。
【0047】
上記のように、同じ搬送物Pに対して複数回の検出と判定を行うことによって、判定結果の精度向上と、搬送物Pの姿勢精度の向上を図ることができる。本実施形態では、特定の搬送物Pを正規の姿勢OK判定であると確定する場合(OK判定のラベル付けをする場合)の判定回数を示す閾値を設定することができ、また、特定の搬送物Pを正規の姿勢以外の姿勢NG判定であると確定する場合(NG判定のラベル付けをする場合)の判定回数を示す閾値も設定できるように構成される。例えば、OKとする場合のOK判定回数の閾値を3回、NGとする場合のNG判定回数の閾値を2回とするなどである。この場合、一つの搬送物Pに対する判定回数の上限を制限することにより、判定回数が上限に達してもラベル付けができないときにOK判定とNG判定のいずれのラベル付けを行った場合と同等の処理を行うかによって、システムの特性を設定できる。なお、判定回数の上限値は、OK判定とNG判定のうちいずれか大きな方の閾値以上(例えば3回以上)とする必要がある。このとき、上述のように検出エリアDaの長さLDにおいてnの数を増加させて同じ搬送物Pが検出エリアDa内で検出される回数を増やすことにより判定回数を回数閾値以上とすることもできる。しかし、以下の追跡サーチ過程を実行することによって、判定回数を検出エリアDa内における検出回数以上とすることができる。また、検出エリアDaの長さDLのnが2以下であっても(同じ搬送物Pの検出回数が1回しか保証されない場合であっても)、追跡サーチ過程により、複数の判定回数を確保することができる。
【0048】
本実施形態では、図6(b)のフレーム画像において、検出エリアDa内で検出された搬送物P1の検出位置に応じて次の移動量βだけ搬送方向Fに移動させた予測範囲を、図6(c)の次のフレーム画像において、追跡エリアTaとし、この追跡エリアTa内をサーチすることによって、上記と同じ搬送物P1を検出する追跡サーチ過程を実行する。このとき、図6(b)のフレーム画像における搬送物P1の検出位置(検出範囲の重心)を中心として移動量βだけ搬送方向Fに移動させた追跡エリアTaを予測範囲として設定する(上記検出位置が追跡エリアTaの中心位置となる。)ことで、追跡エリアTa内において同じ搬送物P1が検出される可能性を高めることができる。その後、図6(d)に示されるフレーム画像でも移動量βだけ移動させた追跡エリアTaが設定され、この追跡エリアTa内で同じ搬送物P1が検出される。このとき、追跡エリアTa内でのサーチ処理は、上記の検出サーチ過程と同様に行うことができる。
【0049】
また、図7(a)に示すように、搬送物P1の対応部位(先端)が作用出力判定位置Pxを越えると、搬送物P1が最終的に正規姿勢でない場合(例えば、NG判定が2回続いて出された場合)には、搬送物P1に対する追跡サーチはそれ以上行われない。また、本実施形態では、OK判定のラベル付けが行われていない搬送物P(NG判定のラベル付けが行われているもの及びラベル付けが行われていないもの)を正規姿勢の搬送物ではないとして、搬送物作用機構130による作用を実施するようにしている。このときには、図7(b)に示すように、搬送物P1の対応部位、例えば、中心(重心)が作用出力判定位置Pxを越えたときに検出判定処理部156から搬送物作用信号Ovが出力され、噴気口112bから気流が搬送物P1に吹き付けられる。また、この場合の搬送物は、それ以降、追跡サーチ過程の対象から外される。ただし、図示例の場合では、OK判定が3回出され、搬送物P1が正規姿勢と判断されてOK判定のラベル付けがなされたため、上記作用制御処理は実行されない。また、OK判定のラベル付けがなされた搬送物P1の追跡サーチ過程による検出自体は作用出力判定位置Pxを通過した後でも続けられ、図7(c)及び(d)に示すように、搬送物P1が噴気口112bの傍らを通過し、図7(e)に示すように、噴気口112bを過ぎるまで、搬送物P1に対する搬送物検出工程が実行される。そして、搬送物P1の対応部位(先端)が追跡サーチ終了位置Pyに到達すると、搬送物P1に対しては、それ以上の追跡サーチ過程は行われない。このように、良品である搬送物P1に対して噴気口112bを通過し終えるまで検出するのは、次の搬送物P2が良品でない場合に、噴気口112bから気流の吹付を開始するタイミングを、搬送物P1に気流が影響を与えない時点まで遅らせる必要がある場合を想定しているからである。すなわち、本実施形態では、OK判定がラベル付けされた搬送物Pが噴気口112bを通過し、噴気口112bから吹き付けられる気流による影響を受けなくなった時点以降に、NG判定がラベル付けされた搬送物Pに対する気流を噴気口112bから吹き付けるようにすることが好ましい。
【0050】
図8は、上記検出サーチ過程及び追跡サーチ過程を含む搬送物検出工程の実行方法を示すメモリ(追跡キュー)の管理手順を示す説明図、図9は、搬送物検出工程の手順を示す概略フローチャートである。この搬送物検出工程では、図8(a)に示すように、フレームごとの画像Gf内の上記検出エリアDaにおいて検出された搬送物P1の検出オブジェクトD1の検出データが、所定の条件を満たすことにより、検出判定処理部156に設けられたメモリである追跡キューに登録される。ここで、検出オブジェクトD1の検出データとしては、検出オブジェクトD1の位置若しくは範囲(座標値など)、判定ラベルの有無、OK判定の回数、NG判定の回数、判定回数、判定処理の要否(判定フラグの有無)などが挙げられる。ここで、検出オブジェクトD1は、相関係数などの基準パターンとの類似度や相違度を示す値、例えば、NCC(正規化相互相関)値によって、図8(b)に示すように、或る程度の類似性が認められる値であれば、追跡キューに登録され、登録オブジェクトT1(第1検出情報)となる。これは、類似度がかなり低い検出オブジェクトの場合には、何等かの誤検出が生じている可能性が高いことから、追跡サーチ過程から排除する必要があるためである。また、本実施形態では、検出オブジェクトの登録条件として、最後に検出された登録オブジェクトの位置若しくは範囲に対して、今回の検出オブジェクトの位置若しくは範囲が部分的に重なることを許容する割合(例えば、搬送方向Fに10%)を設定することもできる。これは、誤検出されたオブジェクトが登録されることを回避するとともに、逆に、検出されるべきオブジェクトを誤検出により排除してしまうことを防止するためのものでもある。
【0051】
上記の登録オブジェクトT1は、次のフレームの画像Gfにおいてもサーチされる。ここで、前述のように、次の画像Gfでも、図8(b)に示すように、登録オブジェクトT1が検出エリアDa内にて検出される場合には、検出サーチ過程を再度行って、その位置若しくは範囲が、前のフレーム画像の位置若しくは範囲に対して、撮像間隔に対応する移動量βに近い値であれば、同一の登録オブジェクトT1であるとする。ただし、一度検出され、登録されたオブジェクトの場合には、検出エリアDa内に存在するように予測される場合でも、上記検出サーチ過程ではなく、その都度、予測範囲である追跡エリアTaを設定してサーチする、通常の追跡サーチ過程を実行するようにしてもよい。いずれにしても、前のフレーム画像と同じ搬送物P1に対する登録オブジェクトT1が今回のフレーム画像において再度検出されると、図8(c)に示すように、追跡キュー内の位置若しくは範囲の情報を更新し、登録オブジェクトT1(第2検出情報)とする。なお、図8では、各登録オブジェクトの情報が何番目の更新情報であるのかを、各登録オブジェクトの情報が更新されるたびに加算される丸付き数字で示している。
【0052】
追跡サーチ過程では、図9に示すように、登録オブジェクトが追跡キュー内に記録されていれば、まず、全ての登録オブジェクトについて追跡サーチを実行し、位置若しくは範囲の情報を更新する。この追跡サーチは、前述のように、既に登録されている前のフレーム画像で検出されたオブジェクトの位置若しくは範囲に基づいて、今回のフレーム画像における追跡エリアTaを設定し、パターンマッチング処理などによって再度、同じ搬送物Pに対応するオブジェクトを検出する。その後、同じフレーム画像に対して、検出エリアDa内で検出サーチを実行する。このとき、検出エリアDa内で新たなオブジェクトが検出され、当該検出オブジェクトが登録条件を満たしていれば、新たな登録オブジェクトとして追跡キューに登録する。その後、追跡キューに登録されている登録オブジェクトのうち、判定処理を要するとされている登録オブジェクト(例えば、判定フラグが設定されているもの)に対して判定処理が実行される。そして、いずれかの登録オブジェクトがNG判定にラベル付けされており、しかも、当該登録オブジェクトの対応部位が上記作用出力判定位置Pxに対応する位置に達するタイミングになれば、搬送物作用信号Ovが出力される。搬送物作用信号Ovの対象となった登録オブジェクトは、追跡キューから排除され、その後の追跡サーチの対象から外される。なお、本明細書では、或る搬送物Pについて、OK判定若しくはNG判定がラベル付けされているという文言は、当該判定が確定している状態を示すものとして用いる。
【0053】
再び図8に戻って説明を続ける。図8(c)に示すように、さらに次のフレーム画像に対して、搬送物P1の登録オブジェクトT1が追跡サーチにより三度目の検出を受けることにより、図8(d)に示すように、登録オブジェクトT1(第3登録情報)に更新される。また、検出エリアDaでは、図8(c)に示すように、新たな搬送物P2についてオブジェクトD2が検出される。この検出オブジェクトD2についても、上記登録条件を満たすか否かが確認され、当該登録条件が充足されていれば、図8(d)に示すように、登録オブジェクトT2(第1登録情報)として追跡キュー内に記録される。その後、さらに次のフレーム画像に関し、図8(d)に示すように、登録オブジェクトT1が再度サーチされ、また、登録オブジェクトT2も再度サーチされると、図8(e)に示すように、追跡キューでは、登録オブジェクトT1(第4登録情報)及び登録オブジェクトT2(第2登録情報)に更新される。これ以降、上記と同様に、図8(e)に示すように、追跡サーチにおいて登録オブジェクトT1及び登録オブジェクトT2が検出され、また、検出エリアDa内の検出サーチにおいて搬送物P3の新たなオブジェクトD3が検出される。これらによって、図8(f)に示すように、追跡キューには、登録オブジェクトT1(第5登録情報)及び登録オブジェクトT2(第3登録情報)に更新されるとともに、検出オブジェクトD3が上記登録条件を充足していれば、新たな登録オブジェクトT3(第1登録情報)が登録される。
【0054】
なお、さらに次のフレーム画像において、図8(f)に示すように、追跡サーチにより登録オブジェクトT2及びT3が再度検出されるが、例えば、登録オブジェクトT1については、第5登録情報において既に位置若しくは範囲が追跡サーチ終了位置Pyに到達するか、次回の撮像時において既に到達しているかの状態にあるため、追跡キュー内から削除され、図8(g)に示すように、これ以上の追跡サーチは実行されない。図8(g)に示す態様では、図8(f)で再度サーチされた登録オブジェクトT2及びT3により追跡キュー内に更新された登録オブジェクトT2(第4登録情報)及び登録オブジェクトT3(第2登録情報)が記録され、さらに次のフレーム画像に対して、登録オブジェクトT3の再サーチと、検出エリアDa内で新たなオブジェクトD4が検出される様子を表している。
【0055】
図10は、図9に示す搬送物検出工程において上記追跡キューに登録された登録オブジェクトのうち、判定結果を導出することが必要なもの(判定処理を要する旨の情報を備えるもの、例えば、判定フラグが設定されているもの)について実行する、搬送物判定工程のモジュール部分を示す概略フローチャートである。この部分では、まず、登録オブジェクトの情報を読み出して、判定処理を要しないという情報を備える(判定フラグが設定されていない)登録オブジェクトを抽出し、この登録オブジェクトの位置若しくは範囲や、ラベル付けの有無などから判定処理を要するものか否かを判断して、条件を充足した登録オブジェクトにおいては、判定処理を要するとする情報を付加する(判定フラグを設定する)。ここで、OK判定が確定している登録オブジェクトであって、対応部位が作用出力判定位置Pxを通過したものは、判定処理を要しないため、判定フラグを設定しない。なお、以下の説明において、判定処理を要するとする情報が付加された(判定フラグが設定された)登録オブジェクトを「判定登録オブジェクト」という。
【0056】
次に、登録オブジェクトのうち、上記判定登録オブジェクトについて、前述の判定処理を実施する。この判定処理により、OKの判定結果が得られた場合には、判定結果がOKであるOK回数と、判定回数とを一つずつ加算し、OK回数が閾値(例えば、3回)を越えるときには、この判定登録オブジェクトにおいて、OKのラベル付けを行う。一方、OK回数が閾値を越えないときには、判定回数の上限値を越えていれば、それ以上の判定処理を実施しないために、判定フラグを解除する。判定回数の上限値を越えていなければ、そのまま、次の処理(他の判定登録オブジェクトの判定処理)に進む。
【0057】
これに対して、上記判定処理によりNGの判定結果が得られた場合には、判定結果がNGのNG回数を一つ加算し、また、OK回数を0に設定する。そして、この判定登録オブジェクトにおいて、NGの判定結果が連続して(2回)得られたときには、判定フラグを解除し、次の処理(他の判定登録オブジェクトの判定処理)に進む。なお、以上の説明は、OK判定のみをラベル付けする場合、NG判定が連続して得られたときにそれ以上の判定を行わず、OK判定のラベル付けがない場合にはNG判定のラベル付けがあるとするケースについて行った。ただし、判定処理における複数回判定の取り扱いについては、種々の閾値を設定することができ、また、OK判定とともにNG判定をラベル付けするようにしてもよいなど、適宜に設定することができる。例えば、図10の手順とは異なり、NGの判定結果が得られた場合に、2回連続NG判定か否かを判断する代わりに、OK判定の場合と同様に、NG回数が閾値を越えたときには、NG判定のラベル付けを行い、判定フラグを解除し、NG回数が閾値を越えないときには、判定回数が上限を越えたら判定フラグを解除し、判定回数が条件を越えなければそのまま他の処理に進む、といった処理手順を選択することができる。なお、NG判定が確定した搬送物(登録オブジェクト)については、対応部位が作用出力判定位置Pxを超えたときに、登録オブジェクトを削除することにより、それ以上の搬送物検出工程の実施を回避できる。
【0058】
なお、図8では、図示の都合上、登録オブジェクトT1を第5登録情報に更新した後に、メモリより削除することにより、それ以上の搬送物検出工程(追跡サーチ過程)が行われないようにしているが、実際には、確定された判定結果に応じて、図示とは異なる処理がなされることに注意されたい。すなわち、図6及び図7に示す搬送物P1では、OK判定が確定することにより、対応部位がPxに到達した以降は、判定フラグを解除することで、搬送物検出工程は継続して実施するものの、搬送物判定工程は実施されないようにしている。また、搬送物P1の対応部位がPyに到達した以降は、登録オブジェクトをメモリから削除して登録オブジェクトを解除し、搬送物検出工程も実施されないようにしている。一方、NG判定が確定する搬送物P(OK判定が確定されない搬送物も含む。)については、対応部位がPxに到達した以降は、登録オブジェクトをメモリから削除して登録オブジェクトを解除し、搬送物検出工程が実施されないようにしている。
【0059】
次に、図11図20を参照して、上記管理制御部160の動作について説明する。本実施形態の管理制御部160では、MPUによって実行される特定の動作プログラムに従って後述する手順に沿って処理が実施される。管理制御部160には、管理する外部機器として、搬送機構110を制御する搬送制御機構120と、搬送路112a上の搬送物Pに作用し、搬送物Pの位置若しくは姿勢を変更させる搬送物作用機構130と、撮像手段140(撮像機器141,142)を含む、搬送物検出判定手段150(搬送物検出判定ユニット151,152)と、がそれぞれ接続される。また、管理制御部160は、上記搬送制御機構120を介して上記の搬送機構110自体の起動や停止、稼働時における動作態様を制御することができる。
【0060】
図11に示すように、管理制御部160は、起動後に、管理制御部160内の各構成(CPU、メモリ、バス、入出力回路、表示機器171、入力装置172などの各内部構成と、上記搬送機構110、搬送制御機構120、搬送物作用機構130、及び、搬送物検出判定手段150などの外部機器との接続状態を確認し、また、必要に応じて、外部機器の動作状態を確認する。次に、入力機器172などからの各種の設定操作などの操作入力を確認し、当該操作入力があった場合には、その操作入力に対応する各種の情報の読み出し、基準値や閾値などの設定、その他の処理を実行する。また、搬送の開始操作の入力の有無を確認し、搬送の開始操作が入力された場合には、上記搬送制御ユニット120及び上記搬送物検出判定手段150(搬送物検出判定ユニット151,152)を起動し、搬送制御ユニット120を介して搬送機構110を起動する。
【0061】
各部が起動すると、搬送機構110では、搬送制御ユニット120の制御下で搬送物Pの搬送が開始され、搬送物検出判定手段150による撮像手段140での撮像動作と、その撮像による画像Gf(検出情報)に基づく検出判定処理部156における検査判定処理とが実行される。また、この検査判定処理による判定結果次第では、作用制御処理により、搬送物作用信号Ovが搬送物作用機構130の弁駆動回路135(D1-D4)に出力され、これによって生ずる開閉弁133(V1-V4)の開閉動作によって、搬送物Pに対して搬送路112aの噴気口112bから気流が吹き付けられる。
【0062】
この起動状態では、後述する設定に応じて、搬送物検出判定ユニット151,152から、所定時間(例えば、30秒間)に撮像された複数(例えば、2000)フレームの画像Gfを含む画像データ群Ggと、これらの画像Gfに基づいて上記検出判定処理部156により得られた検出判定データOdを含む検出判定データ群Ogとからなる取得情報Rgの転送を上記所定時間ごとに要求する。これにより、管理制御部160は、搬送物検出判定ユニット151,152から送信された上記取得情報Rgを受け取る。そして、当該取得情報Rgに基づいて、後述するデータ解析を実行し、その結果として導出された解析情報Agを表示したり、必要に応じて、解析情報Agとして各種の設定情報Gsを導出したりする。これらの設定情報Gsは、搬送物検出判定ユニット151,152の検出判定処理部156などの各種の設定値や閾値などに反映され、また、上記搬送物作用信号Ovの設定値や信号波形などに反映される。また、上記設定情報Gsは、搬送制御ユニット120における搬送機構110の制御に用いる設定値などにも反映され、間接的に搬送機構110の稼働状態に反映される。
【0063】
上記の処理過程は、停止操作が入力されるまで繰り返し実行される。停止操作が入力されると、前述とは逆に、搬送機構110が停止され、上記搬送制御ユニット120及び上記搬送物検出判定手段150(搬送物検出判定ユニット151,152)も停止される。また、システム全体の終了操作が入力されるまで、前述の手順が繰り返し実行される。
【0064】
図12には、管理制御部160が動作しているときの表示機器171により表示される表示用画面の一つである主画面200の概略を示す。この主画面200には、画面切替用操作部201と、搬送制御システム100の各部の設定を表示するとともに操作可能に構成する状態表示操作部210と、上記搬送物検出判定ユニット151,152が取得したフレーム画像Gfから導出された表示用画像Gf′をリアルタイムで表示するとともに、検出判定処理部156によって検出、判定された結果や処理内容を示す作用表示操作部220とを備える。作用表示操作部220は、管理制御部160の表示構成部169によって構成される主画面200の内部において、搬送物検出判定ユニット151,152の処理状況を表示する表示用画像Gf′を主体とするスーパーインポーズ(画像挿入)領域として構成される。
【0065】
図示例では、上記状態表示操作部210において、現在の搬送物の品種、サイズ、供給予定数、供給済数などを表示する表示部211、画像機器1,2として上記撮像手段140の撮像機器141,142の作動状況を表示し、起動や停止を操作する表示操作部212、PF制御器として上記搬送機構110を制御する搬送制御手段(ユニット)120の作動状況を表示し、起動や停止を操作する表示操作部213、バルブ機器1,2として搬送物作用機構130の開閉弁133のV1,V2とV3,V4及び弁駆動回路135のD1,D2とD3,D4の作動状況を表示する表示部214などが設けられる。
【0066】
図示例では、上記作用表示操作部220において、搬送物検出判定ユニット151と152の制御により撮像手段140(撮像機器141,142)により撮像されたフレーム画像Gfに適宜の間引き処理を施した表示用画像Gf′が表示される画像表示部221が設けられる。この画像表示部221では、上記表示用画像Gf′とともに、検出エリアDaや追跡エリアTaを示す枠線、上記の作用出力判定位置Pxや追跡サーチ終了位置Pyを示す縦線、噴気口112bの位置若しくは範囲を示す枠線などの、検出判定処理部156によって行われた処理に伴って設定される付随的な情報が付加された状態で表示可能である。また、上記検出判定処理部156によって得られた判定結果を表示する判定表示部222、判定に要する処理時間などを表示する情報表示部223、及び、画像の拡大、縮小などの操作用のボタン224などが設けられる。
【0067】
この作用表示操作部220には、前述の搬送物検出工程の検出サーチ過程の状態や設定欄を示す検出サーチ表示操作部225、追跡サーチ過程の状態や設定欄を示す追跡サーチ表示操作部226が設けられる。また、例えば、搬送物判定工程の閾値などの設定情報を表示し、操作するための表示操作部などのその他の表示操作部を設けることもできる。なお、主画面200では、二つの搬送物検出判定ユニット151と152の作用表示操作部220を示しているが、いずれか一つの作用表示操作部220のみを表示することも可能である。
【0068】
図13には、上記主画面200から上記画面切替用操作部201を操作することによって切り替えられる設定画面300の概略を示す。この設定画面300では、設定する項目を選択するための図示左側の設定選択部310と、この設定選択部310で選択された項目に対応する設定表示操作部320とが設けられる。設定選択部310によって選択可能な項目としては、搬送制御システム100の全体に関わる設定を行う「システム」、搬送物検出判定ユニット151,152と管理制御部160の間の取得情報Rgの転送内容を設定する「画像転送」、搬送物の計数処理を設定する「カウント」のうち、画像機器1で行う内容を設定する「画像機器1」、同じく画像機器2で行う内容を設定する「画像機器2」、搬送物作用機構130における気流の圧力やタイミングを設定する「バルブ制御」のうち、搬送物作用箇所S1,S2における設定を行う「バルブ機器1」、搬送物作用箇所S3,S4における設定を行う「バルブ機器2」などが設けられる。
【0069】
図示例では、設定選択部310で「カウント」の「画像機器1」を選択したときの設定表示操作部320を示してある。「カウント」は、管理制御部160で行われる各種の解析処理のうち、搬送物の計数処理を行うときの設定内容である。この設定表示操作部320では、図示左側に、搬送物の姿勢を分類する複数のモデルのパターンに相当する登録された画像を表示する画像表示欄321aと、各モデルの画像の種別(例えば、正規姿勢か否か)を示す種別表示欄321bとを備えたモデル表示部321と、その右側に取得情報Rgに含まれる画像Gfを表示する画像表示部322が設けられ、その下方に、画像表示部322の再生操作部323が設けてある。また、さらにその下方には、画像の計測範囲を設定する設定操作部324と、各モデルの画像の登録を行うモデル設定部325とが設けられる。
【0070】
図14には、管理制御部160による解析処理のうちの上記の計数処理の結果を示す解析結果画面400を示す。この解析結果画面400では、図13の設定画面300によって設定された計数処理「カウント」の「画像機器1」における搬送物のうち「良」(正規姿勢)のモデルに対応する搬送数、「不良」の4つのモデルにそれぞれ対応する搬送数を、画像転送によって定期的に転送された複数の取得情報Rgの転送単位ごとに分類して計数するとともに、「良」と「不良」の搬送数の小計及び合計を表形式によって表示している。
【0071】
なお、管理制御部160による解析処理の一つである上記計数処理は、上記取得情報のうちの検出判定データ群Ogをそのまま用いて計数してもよい。ただし、本実施形態では、管理制御部160において、画像データ群Ggのみを用いて、当該画像データ群Ggに対して搬送物の検出と判定を別途施し、その結果導出された判定結果を用いて、計数処理を実施している。このようにすると、搬送物検出判定ユニット151,152において行われるリアルタイム処理とは異なり、時間的に余裕をもって処理することが可能になるので、上記リアルタイム処理において生じる誤検出や誤判定を低減した状態若しくは方法によって計数することができるため、より精度の高い解析を行うことができる。
【0072】
図15図17は、上記計数処理の方法を説明するための説明図である。図15に示すように、取得情報Rgに含まれる画像Gfの一部に解析エリアAaを設定し、この解析エリアAa内でパターンマッチングと類似度若しくは相違度の算出を行い、搬送物Pの検出を行う。なお、解析エリアAaは、上記検出エリアDaや追跡エリアTaと同様の態様で画像Gf内で設定される。ここで、解析エリアAaは、搬送物Pの長さL、幅Wの場合、搬送方向Fの長さAL=a・L、幅AW=b・Wとしたとき、a=1.7、b=1.3程度とする。これは、解析エリアAaの範囲は、搬送物Pが包含される大きさである必要があるものの、誤検出を防止するために、二つ以上の搬送物Pが含まれないようにする必要があるとともに、全ての搬送物Pが必ず同じ解析エリアAa内で検出されるようにするためである。したがって、検出エリアDaに関する上記の記述は解析エリアAaにも適用される。上記aの数値は一例であり、解析エリアAaの長さALは、前述の検出エリアDaの長さDLと同様に設定することができる。また、解析エリアAaの幅Wは、搬送物Pの振動による搬送中の位置や姿勢の変動量を考慮して設定される。
【0073】
解析エリアAa内には、領域RaとRbが設定される。図示例では、搬送方向Fの上流側の長さ0.4ALの部分よりも下流側で、下流側の長さ0.25ALの部分よりも上流側の部分を領域Raとし、この領域Raよりも下流側の下流端までの長さ0.25ALの部分を領域Rbとする。ここで、領域Raは、解析エリアAa内に配置される搬送物Pが最初に検出されたときにQ点(対応部位、以下同様。)が配置される領域に設定される。また、領域Rbは、搬送物Pが2回目以降に解析エリアAa内で検出される範囲に設定される。すなわち、解析エリアAa内に配置される搬送物Pは、必ず最初にQ点が領域Ra内に配置される位置で検出され、その後、Q点が領域Rb内に配置される位置でも検出されるように設定されている。
【0074】
図16は、解析エリアAa内における搬送物Pの検出を、上述の検出判定処理の場合よりも高精度に実行するために、搬送物Pの搬送姿勢の姿勢角度θに関するモデルパターンを用意することを示している。本実施形態の場合には、搬送物Pが搬送体112の振動によって搬送されていくため、搬送物Pも搬送路112a上で姿勢角度θを少しずつ変えながら搬送されていく。したがって、解析エリアAa内の搬送物Pのオブジェクトも種々の姿勢角度θを備えた搬送姿勢にあるはずである。このため、この計数処理では、搬送物Pの異なる姿勢角度をn個に分類しておく。このようにすると、姿勢角度θの異なる複数のモデルパターンによってパターンマッチング処理を実行できるので、姿勢角度θを考慮しない場合に比べて、類似度の高い搬送物検出を行うことができる。
【0075】
また、図17に示すように、搬送路112a上を搬送されていく搬送物Pの搬送姿勢としては、いずれの側面が上方を向くかによって異なる4種のモデルがあり、この4種のモデルのそれぞれに、いずれの端部が前方を向くかによって2種ずつ異なるモデルがあるため、合計8種のモデルが存在し得る。一般的には、搬送物Pの形状によって搬送姿勢の数は異なるので、ここでは、合計m個の搬送姿勢のモデルがあると設定する。このようにして、搬送物Pのモデルには、このm個の搬送姿勢と、前述のn個の姿勢角度とによって、m×n個のパターンが設けられる。
【0076】
上記のようなモデルパターンを用意し、図18に示す解析手順によって、搬送物Pの計数処理が実行される。まず、上記取得情報Rgの画像データ群Ggの画像Gfを取得し、当該画像Gfから解析エリアAaを抽出し、検出された搬送物Pに対して前述のm×nのモデルパターンを適用して、類似度若しくは相違度を算出することによって、予め設定された閾値よりも類似度の高い適合モデルが存在するか否かを導出する。このとき、適合モデルがあれば、その中の最も類似度の高い適合モデルを特定し、図15に示す搬送方向Fの先端のQ点を求める。このとき、Q点が解析エリアAaの領域Ra内に存在すれば、搬送物Pが解析エリアAa内において最初に検出されたものとして、準備フラグを設定し、次のフレーム画像を取得して、前述の手順を繰り返す。その後、Q点が領域Raに存在しなくなり、準備フラグが設定されているときには、Q点が領域Rbにあれば、特定されている適合モデルのカウンタを1つ加算し、準備フラグの設定を解除する。以上の手順を繰り返すことによって、解析エリアAa内に検出された搬送物Pを全てカウントすることができ、しかも、適合モデルを特定することで、搬送姿勢ごとに搬送数や搬送割合を算出できる。また、姿勢角度の分布も導出可能である。
【0077】
図19及び図20は、管理制御部160により実行される別の解析処理の一例である搬送物の作用解析処理(解析部163)を説明するための説明図である。図19に示すように、搬送物Pは、前述の検出判定処理によって得られた判定結果に応じて(例えば、判定結果がNG判定で確定された場合において)、搬送体112に設けられた搬送路112aの搬送面に開口する噴気口112bから吹き付けられる気流によって、位置若しくは姿勢が変更される。
【0078】
図19に示す例では、図4と同様に、搬送物Pに気流を吹き付けることによって回転させ、姿勢を変更させる場合を示してある。特に限定されるものではないが、搬送路112a上の搬送物Pを気流によって回転させ、隣接する別の搬送路112dに配置することによって、搬送方向Fを軸線として90度反転させ、異なる側面が上方を向くようにする。このとき、画像Gfには、図示点線で示すように、噴気口112bから吹き付けられる気流によって搬送物が移動する様子が記録されている。なお、この解析処理の例では、図示例だけでなく、気流を吹き付けることによって搬送路112a上から搬送物Pを排除したり、搬送路112aの分岐部で異なる方向に分配したりする場合でも同様に適用できるため、以下では、搬送物Pの具体的な位置及び姿勢の変更態様を特定せずに説明する。
【0079】
図20は、或るフレームの画像Gfから、図19に示す搬送物P(オブジェクト)の重心の移動態様に基づいて導出した飛翔距離ΔYと、搬送物P(オブジェクト)の飛翔中の姿勢角度θを解析した結果を示すグラフである。ここで、図19に示すように、搬送方向FにX軸をとり、気流の吹付方向をYとしている。図20に示す飛翔距離ΔYは、気流の吹付によって搬送物Pが気流の吹付方向に移動した移動量(図示例では、搬送物Pが通常の搬送状態に戻るまでの移動量)を示す。また、このグラフから、搬送物Pの飛翔方向の角度φも算出できる。飛翔距離ΔYは、気流による搬送物Pの移動軌跡を示すものであり、例えば、以下の数1に示す指標によって定量化される。ここで、フレーム間のY軸座標の差分値をdyとしている。また、x=s(Start)は、飛翔の開始点のX軸座標、x=e(End)は、飛翔の終了点のX軸座標である。
【0080】
【数1】
【0081】
また、飛翔方向の角度φは、dyの平均値などの代表値によって表すことができる。さらに、飛翔後の搬送物Pの位置の安定性は、例えば、以下の数2によって示すことができる。
【0082】
【数2】
【0083】
また、飛翔姿勢を示す角度θについては、例えば、以下の数3のような指標によって表すことができる。ただし、以下の指標は一例であり、これに限定されるものではない。
【0084】
【数3】
【0085】
以上のような各指標によって、気流の吹付によって生ずる搬送物Pの飛翔距離、飛翔方向、飛翔姿勢(姿勢角度)に応じて、気流の圧力の大小、気流の吹付時間、吹付タイミングなどに関する作用制御処理の設定情報Cpを勘案し、手動で設定することができる。また、これらの設定情報Cpを、上記の飛翔距離、飛翔方向、飛翔姿勢に関する種々の指標に対応させて自動的に算出し、これを搬送物検出判定手段150(搬送物検出判定ユニット151,152)に送って、検出判定処理部156から出力される搬送物作用信号Ovのレシピを変更するようにしてもよい。なお、図13に示す設定画面のバルブ制御の項目で操作することにより、上記の搬送物作用信号Ovのレシピを変更するようにしてもよい。
【0086】
以上説明した本実施形態によれば、個々の搬送物Pに対しては、搬送物検出判定ユニット151,152により検出判定処理が行われ、判定結果に応じた搬送物作用信号Ovにより搬送物作用機構130が搬送物Pに作用することにより、搬送路112a上の搬送物Pの搬送態様が実現される。このとき、管理制御部160は、搬送物検出判定ユニット151,152から得られる取得情報Rg(Gg,Og)に基づいて搬送状況に関連する解析情報Agを導出する。このように、搬送されてくる搬送物に対する検出判定処理は搬送物検出判定ユニットが独立して実行する一方で、上記取得情報Rgに基づく解析情報Agの導出を管理制御部160が実行することによって、リアルタイムに実行されるべき搬送物Pに関する検出判定処理や、搬送物作用機構に対する搬送物作用信号Ovの出力といった作用制御処理と、バッチ処理として実行可能な解析情報Agの導出とを、独立して処理することができる。このように、リアルタイムに処理すべき検出判定処理や作用制御処理と、バッチ処理で足りる複数の搬送物に関する取得情報Rgに基づく解析情報Agの導出とを、搬送物検出判定ユニット151,152と管理制御部160とによって別々に並列して処理することが可能となるため、それぞれの処理内容を特性に応じて分担して処理することが可能になることから、搬送性能を確保しつつ、特に、リアルタイム処理の負担を軽減することができ、したがって、制御コストも低減することができる。
【0087】
なお、本発明の搬送制御システム及び振動式搬送装置は、上述の図示例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、搬送物検出判定ユニットにはユニット制御部153を設けて、ユニット内の処理態様の自由度を確保しているが、ユニット制御部153を設けずに、自動的に検出情報Gfを取得し、検出判定処理や作用制御処理を自動的に実行するように構成された処理回路のみで構成することも可能である。
【0088】
また、上記実施形態では、正規姿勢の搬送物PをOK判定とし、誤姿勢のNG判定が確定した搬送物Pに対して気流の吹付による作用を生じさせているが、搬送物作用手段(機構)130の構成は任意であり、例えば、常時は気流の吹付を継続し、正規姿勢のOK判定が確定した搬送物Pが通過する際に気流を停止させるようにしてもよい。
【0089】
さらに、上記実施形態では、振動式搬送装置100に適用した例を示しているが、搬送制御システム101としては、振動式の搬送機構110だけでなく、それ以外の各種の搬送機構にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0090】
100…振動式搬送装置、101…搬送制御システム、110…搬送機構、111…搬送駆動部、112…搬送体、112a…搬送路、112b…噴気口、120…搬送機構制御手段(ユニット)、130…搬送物作用手段(機構)、131…気流源、132…基端側配管、133…開閉弁、134…先端側配管、135…弁駆動回路、140…撮像手段、141,142…撮像機器、150…搬送物検出判定手段、151,152…搬送物検出判定ユニット、153…ユニット制御部、154…撮像制御部、155…フレームバッファメモリ、156…検出判定処理部、157…画像抽出部、158…送信部、160…管理制御部、161…制御実行部、162…解析手段、163-166…解析部、167…バッファメモリ、168…受信部、169…表示構成部、170…周辺機器、171…表示機器、172…入力機器、Gf…画像(検知データ)、Gg…画像データ群(検知データ群)、Od…検出判定データ、Og…検出判定データ群、Rg…取得情報、Ag…解析情報、Ov…搬送物作用信号、Da…検出エリア、Px…作用出力判定位置、Py…追跡サーチ終了位置、追跡エリア…Ta、L…長さ、W…幅、H…高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
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