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特許7332236インターフェロン‐γ阻害剤としてのトリアジン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】インターフェロン‐γ阻害剤としてのトリアジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/53 20060101AFI20230816BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20230816BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230816BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230816BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20230816BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230816BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20230816BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230816BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
A61K31/53
A61P1/04
A61P3/10
A61P17/00
A61P19/02
A61P25/00
A61P25/08
A61P25/28
A61P43/00 105
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022001492
(22)【出願日】2022-01-07
(62)【分割の表示】P 2017564601の分割
【原出願日】2016-06-10
(65)【公開番号】P2022037243
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2022-02-07
(31)【優先権主張番号】1510356.7
(32)【優先日】2015-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1604394.5
(32)【優先日】2016-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】509012865
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ グリニッジ
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ハーバイジ、 ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】リーチ、 マイケル
【審査官】伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-509992(JP,A)
【文献】特表2012-532857(JP,A)
【文献】特表2009-542792(JP,A)
【文献】特表2012-532858(JP,A)
【文献】特表2006-515326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターフェロンγ(IFN‐γ)産生の阻害により治療可能又は制御可能であり、かつプリオン病、関節リウマチ、炎症性腸疾患、自己免疫性皮膚疾患、乾癬、シェーグレン症候群、クローン病、及びI型糖尿病から選択される病状及び疾患の治療又は制御に使用するための、式4、式5、式6、式7、式8、式9、式13、式14、若しくは式15の化合物;又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む剤。
【化1】

〔式中、
nは1~5の整数であり、
及びRはそれぞれ水素であり、かつ
は、各々独立に、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される。〕
【化2】

〔式中
nは1~3の整数であり、
及びRはそれぞれ水素であり、かつ
は、各々独立に、ハロゲン原子から選択される。〕
【化3】

〔式中、
及びRはそれぞれ水素であり、かつ
は、水素及びフェニル環から選択され、
nは0~5であり、かつ
基は、各々独立に、ハロゲン原子、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される。〕
【請求項2】
式4、式5、又は式6のそれぞれにおいて、nは2~4である、請求項1に記載の剤。
【請求項3】
式4、式5、又は式6のそれぞれにおいて、前記ハロアルキル基がフルオロメチル基である、請求項1又は2に記載の剤。
【請求項4】
式7、式8、又は式9のそれぞれにおいて、nは3である、請求項1~3のいずれか1項に記載の剤。
【請求項5】
式7、式8、又は式9のそれぞれにおいて、全てのR置換基が塩素である、請求項1~4のいずれか1項に記載の剤。
【請求項6】
式13、式14、又は式15のそれぞれにおいて、nは0である、請求項1~5のいずれか1項に記載の剤。
【請求項7】
式13、式14、又は式15のそれぞれにおいて、Rはハロゲンである、請求項1~5のいずれか1項に記載の剤。
【請求項8】
前記化合物、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩が、式4、式5、若しくは式6の化合物であるか、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩である、請求項1~7のいずれか1項に記載の剤。
【請求項9】
前記化合物、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩が、式7、式8、若しくは式9の化合物であるか、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩である、請求項1~7のいずれか1項に記載の剤。
【請求項10】
前記化合物、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩が、式13、式14、若しくは式15の化合物であるか、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩である、請求項1~7のいずれか1項に記載の剤。
【請求項11】
前記化合物、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩が、式4、式7、若しくは式13の化合物であるか、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩である、請求項1~7のいずれか1項に記載の剤。
【請求項12】
前記化合物、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩が、
3,5-ジアミノ-6-(2,5-ビストリフルオロメチルフェニル)-1,2,4-トリアジン[CEN-198];
3,5-ジアミノ-6-(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)-1,2,4-トリアジン[CEN-092];
3,5-ジアミノ-6-[2-(5-クロロチエニル)]-1,2,4-トリアジン[CEN-138]
,5-ジアミノ-6-[2-(3,4,5-トリクロロチエニル)]-1,2,4-トリアジン[CEN-079];
3,5-ジアミノ-6-[2-(5-ブロモチエニル)]-1,2,4-トリアジン[CEN-124];
3,5-ジアミノ-6-[2-(3-ブロモチエニル)]-1,2,4-トリアジン[CEN-125];
3,5-ジアミノ-6-[2-(4,5-ジブロモチエニル)]-1,2,4-トリアジン[CEN-122];
3,5-ジアミノ-6-(ジフェニルメチル)-1,2,4-トリアジン[CEN-130];及び
3,5-ジアミノ-6-(トリフェニルメチル)-1,2,4-トリアジン[CEN-153]、
又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩からなる群より選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の剤。
【請求項13】
前記化合物、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩が、
3,5-ジアミノ-6-[2-(3,4,5-トリクロロチエニル)]-1,2,4-トリアジン[CEN-079];
3,5-ジアミノ-6-(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)-1,2,4-トリアジン[CEN-092];及び
3,5-ジアミノ-6-(ジフェニルメチル)-1,2,4-トリアジン[CEN-130];
又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩からなる群より選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の剤。
【請求項14】
インターフェロンγ(IFN‐γ)産生の阻害により治療可能又は制御可能であり、かつプリオン病、関節リウマチ、炎症性腸疾患、自己免疫性皮膚疾患、乾癬、シェーグレン症候群、クローン病、及びI型糖尿病から選択される病状及び疾患の治療又は制御に使用するための剤であって、
3,5-ジアミノ-6-(2,5-ビストリフルオロメチルフェニル)-1,2,4-トリアジン[CEN-198];
3,5-ジアミノ-6-(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)-1,2,4-トリアジン[CEN-092];
3,5-ジアミノ-6-[2-(5-クロロチエニル)]-1,2,4-トリアジン[CEN-138];
3,5-ジアミノ-6-[3-(2,5-ジクロロチエニル)]-1,2,4-トリアジン[CEN-071];
3,5-ジアミノ-6-[2-(3,4,5-トリクロロチエニル)]-1,2,4-トリアジン[CEN-079];
3,5-ジアミノ-6-[2-(5-ブロモチエニル)]-1,2,4-トリアジン[CEN-124];
3,5-ジアミノ-6-[2-(3-ブロモチエニル)]-1,2,4-トリアジン[CEN-125];
3,5-ジアミノ-6-[2-(4,5-ジブロモチエニル)]-1,2,4-トリアジン[CEN-122];
3,5-ジアミノ-6-(ジフェニルメチル)-1,2,4-トリアジン[CEN-130];及び
3,5-ジアミノ-6-(トリフェニルメチル)-1,2,4-トリアジン[CEN-153];
からなる群より選択される化合物、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩を含む剤。
【請求項15】
治療される対象がヒトである、請求項1~14のいずれか1項に記載の剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターフェロンγ(IFN‐γ)の阻害により治療又は制御され得る病状の治療に使用され得るトリアジン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
IFN‐γは、病原体免疫に関与し、マクロファージ活性化、及び主要組織適合(MHC)抗原クラスI及びIIの上方制御において重要な役割を果たすサイトカインである。IFN‐γは、ナチュラルキラー(NK)T細胞、CD4 Tヘルパー1(T1)細胞、及びCD8細胞傷害性Tリンパ球(CTL)エフェクターT細胞によって産生される。
【0003】
IFN‐γの重要な役割の一つは、免疫調節及び免疫活性化における役割である。自己炎症症状及び自己免疫症状はIFN‐γ分泌の過剰産生又は不均衡と関連している可能性があるが、IFN‐γ自体は慢性肉芽腫症などの免疫不全患者の治療に使用されてきた。例えば、IFN‐γは、アルツハイマー病及びプリオン関連病(Bate et al; Journal of Neuroinflammation; 2006, 3:7, doi: 10.1186/1742-2094-3-7)、多発性硬化症(Traugott et al; Annals of Neurology, 24(2), 1988, 243-251)、並びに癲癇(Sinha et al; Epilepsy Research, 2008, 82(2-3), 171-176)に関係してきた。
【0004】
多数の環状ジアゾ化合物及び環状トリアゾ化合物が、葉酸代謝拮抗薬、及び、例えば国際公開第2008/007149号、国際公開第2009/090431号、国際公開第2011/004195号、及び国際公開第2011/004196号に記載されるような、電圧依存性ナトリウムチャネル遮断薬としてこれまで報告されている。ナトリウムチャネルの遮断により治療可能であると考えられている哺乳類の疾患としては、癲癇、多発性硬化症、緑内障及びぶどう膜炎、脳外傷及び脳虚血、脳卒中、頭部損傷、脊髄損傷、外科的外傷、神経変性疾患、運動ニューロン疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、慢性炎症性疼痛、神経障害性疼痛、片頭痛、双極性障害、気分不安神経症、認知障害、統合失調症、並びに三叉神経・自律神経性頭痛が挙げられる。葉酸代謝拮抗薬は哺乳類の癌を治療するために使用することができ、特にヒトにおいて、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)によるマラリア及び熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)によるマラリアに対する抗マラリア薬としても作用する。
【0005】
炎症性サイトカインIFN‐γの存在又は過剰産生と関連している病状及び疾患を治療又は制御し得るように炎症性サイトカインIFN‐γの産生を調整することができる化合物が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、インターフェロンγ(IFN‐γ)産生の阻害により治療可能又は制御可能な病状及び疾患の治療又は制御に使用するための、式1、式2、若しくは式3の化合物、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩が提供される。
【0007】
【化1】
【0008】
Aは以下から選択される芳香族環である。
i.各々独立に、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基から選択される5個以下の置換基で置換された、フェニル環。
ii.各々独立に、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基から選択される3個以下の置換基で置換されていてもよい、チオフェン環。
iii.C(R基、ここで、Rは、各々独立に、水素、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、3~8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、3~8個の炭素原子を有するハロシクロアルキル基、及びフェニル環であって、各々独立に、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基から選択される5個以下の置換基で置換されていてもよいフェニル環から選択され、ここで、少なくとも1つのRが置換されていてもよいフェニル環である。
【0009】
は、水素、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、及び1又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよい1~6個の炭素原子を有するアルキル‐アルコキシ基から選択され、ただし、Aが1又は複数の直接結合したハロゲン置換基を含むフェニル環である場合、化合物は式2又は式3の化合物であり、Rは水素ではない。
【0010】
は、各々独立に、水素、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される。
【0011】
「置換された」は、フェニル環又はチオフェン環上の1又は複数の水素原子が、特定の基のいずれかで置き換えられていることを意味する。
【0012】
IFN‐γの阻害を介して治療可能又は制御可能な症状としては、アルツハイマー病、プリオン病、多発性硬化症、及び癲癇が挙げられる。その他の症状としては、関節リウマチ、炎症性腸疾患、ぶどう膜炎、自己免疫性皮膚疾患、乾癬、シェーグレン症候群、クローン病、及びI型糖尿病が挙げられる。
【0013】
他の態様では、本発明は、アルツハイマー病、プリオン病、多発性硬化症、癲癇、関節リウマチ、炎症性腸疾患、ぶどう膜炎、自己免疫性皮膚疾患、乾癬、シェーグレン症候群、クローン病、及びI型糖尿病の治療又は制御に使用するための、前述の式1、式2、若しくは式3の化合物、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくはその薬学的に許容可能な塩に関し、ここで、該化合物はIFN‐γの産生を阻害する。
【0014】
本発明はまた、IFN‐γ産生の阻害により治療又は制御され得る病状及び疾患を治療又は制御する方法に関する。この方法は、治療的有効量の前述の式1、式2、若しくは式3の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を患者に投与することを含む。
【0015】
本発明はさらに、IFN‐γ産生の阻害により治療可能又は制御可能な病状及び疾患を治療又は制御するための医薬組成物を製造するための、前述の式1、式2、又は式3の化合物の使用に関する。
【0016】
化合物は、哺乳動物、特にヒトの治療に有用である。
【0017】
添付の図面を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1の平均濃度に基づいた、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)におけるIFN‐γ産生に対するラモトリギン(lamotrigine)の効果を示すグラフである。
図2】実施例1の平均濃度に基づいた、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)におけるIFN‐γ産生に対するシパトリギン(sipatrigine)の効果を示すグラフである。
図3】実施例2の平均濃度に基づいた、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)におけるIFN‐γ産生に対するラモトリギンの効果を示すグラフである。
図4】実施例2の平均濃度に基づいた、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)におけるIFN‐γ産生に対するCEN‐079の効果を示すグラフである。
図5】実施例2の平均濃度に基づいた、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)におけるIFN‐γ産生に対するCEN‐092の効果を示すグラフである。
図6】実施例2の平均濃度に基づいた、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)におけるIFN‐γ産生に対するCEN‐216の効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
治療可能な疾患及び病状
式1、式2、及び式3の化合物及び塩はIFN‐γ産生を阻害することができるので、過剰なIFN‐γの存在又は過剰産生と関連する疾患の治療に適している。
【0020】
IFN‐γは、アミロイド‐β1‐42に応答した神経細胞死を増大することが示されている(Bate et al;上記参照)。アミロイド‐β1‐42はアルツハイマー病の進行に関係しており、IFN‐γ処理された神経細胞はアミロイド‐β1‐42及びHuPrP82‐146(プリオン病に見出される神経毒性ペプチド)の毒性効果に感作されて神経細胞死の割合が増大したので、IFN‐γの阻害はアルツハイマー病及びプリオン関連疾患の治療又は制御に役立つ可能性がある。
【0021】
プリオン関連疾患としては、伝染性海綿状脳症(TSE)が挙げられる。ヒトにおける例としては、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、新変異型CJD(vCJD)、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、致死性家族性不眠症、及び多系統萎縮症(MSA)が挙げられる。動物における例としては、ウシ海綿状脳症(BSE)及びスクレイピーが挙げられる。
【0022】
IFN‐γはまた、多発性硬化症及び癲癇と関連している(Traugott et al; Sinha et al;上記参照)。
【0023】
IFN‐γはT1炎症性応答の代表的なマーカーである。したがって、IFN‐γを阻害することによって、化合物は、過剰なT1介在性応答が関与するT1自己免疫系疾患及びT1自己炎症性疾患を治療するために使用することができる。これらには、多発性硬化症、関節リウマチ、炎症性腸疾患、ぶどう膜炎、自己免疫性皮膚疾患、乾癬、シェーグレン症候群、クローン病、及びI型糖尿病が挙げられる。
【0024】
薬学的に許容可能な塩
式1、式2、及び式3の化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態で提供され得る。好ましい塩は、薬学的に許容可能な酸付加塩である。適切な薬学的に許容可能な酸付加塩としては、例えば、塩酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、マロン酸、コハク酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、グルタミン酸、ナフトエ酸、及びイセチオン酸から形成される、有機酸及び無機酸の両方で形成される塩が挙げられる。エタンスルホン酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩もまた適している。化合物は通常、式1又は式2の化合物から選択される。
【0025】
基A
式1、式2、及び式3の化合物において、基Aは、置換フェニル環又は置換されていてもよいチオフェン環のいずれかの芳香族環であり得る。
【0026】
ある実施形態では、環Aは、1又は複数のハロゲン置換基、ハロアルキル置換基、又はハロアルコキシ置換基を含む。他の実施形態では、A上の全ての置換基がハロゲン置換基、ハロアルキル置換基、又はハロアルコキシ置換基であり、さらに他の実施形態ではA上の全ての置換基がハロゲン又はハロアルキルである。
【0027】
環Aがフェニル環である場合、本発明の化合物は式4、式5、及び式6で表され得る。
【0028】
【化2】
【0029】
これらの実施形態において、nは1~5の整数であり、Rは、各々独立に、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基から選択される。R及びRは、式1、式2、及び式3について上記で定義される定義を有する。
【0030】
ある実施形態では、nは2~4であり、好ましくは2である。
【0031】
ある実施形態では、化合物は式4の化合物及び式5の化合物から選択される。
【0032】
ある実施形態では、少なくとも1つの置換基がハロアルキル又はハロアルコキシである。他の実施形態では、全ての置換基がハロアルキル又はハロアルコキシである。さらに他の実施形態では、全ての置換基がハロアルキルである。
【0033】
ある実施形態では、ハロアルキル置換基、アルコキシ置換基、又はハロアルコキシ置換基は1個の炭素原子を有する。他の実施形態では、少なくとも1つの置換基がトリフルオロメチルである。
【0034】
ある実施形態では、アルコキシ置換基及びハロアルコキシ置換基の総数は3未満である。他の実施形態では、アルコキシ置換基又はハロアルコキシ置換基は存在しない。
【0035】
環Aの例としては、2,5‐ビストリフルオロメチルフェニル、3,5‐ビストリフルオロメチルフェニル、3,4,5‐トリメトキシフェニル、2‐ジフルオロメトキシフェニル、2‐トリフルオロメトキシフェニル、2‐(1,1,2,2‐テトラフルオロエトキシ)フェニル、3‐(1,1,2,2‐テトラフルオロエトキシ)フェニル、2,5‐ビス(2,2,2‐トリフルオロエトキシ)フェニル、3,5‐ビス(2,2,2‐トリフルオロエトキシ)フェニルが挙げられる。
【0036】
好ましい実施形態では、フェニル環Aは3,5‐ビス(トリフルオロメチル)フェニルである。
【0037】
別の実施形態では、Aはフェニル環であって、少なくとも1つのRがハロゲン原子である。これらの実施形態では、化合物は式5又は式6の化合物であって、Rは水素を含まない。少なくとも1つのRがハロゲン原子である実施形態では、nは1~3又は2~3であるか、又はn=2であってもよい。ある実施形態では、化合物は式5の化合物である。
【0038】
他の実施形態では、全ての存在するRがハロゲン原子である。このような実施形態ではnは通常1~3であり、他の実施形態ではnは2である。n=3の場合、ハロゲン置換基は好ましくは2位、3位、及び5位に存在する。n=2の場合、ハロゲン置換基は好ましくは2位及び3位に存在する。1位は、トリアジン環に直接結合するフェニル環の炭素原子を表す。
【0039】
ハロゲン原子は、通常、(それぞれの存在について)フッ素、塩素、及び臭素から選択される。ある実施形態では、少なくとも1つのRが塩素である。他の実施化形態では、全てのRが塩素であり、nは2又は3であり、好ましくは2である。
【0040】
ある実施形態では、nが2以上であり、且つRが少なくとも1つのハロゲン原子及び少なくとも1つの他の置換基を有する場合、他の置換は少なくとも1つのハロゲン原子を有する。
【0041】
ハロゲン置換基を有するフェニル環Aの例としては、2,3,4‐トリフルオロフェニル、2,3,4,5‐テトラフルオロフェニル、2,3,4,5,6‐ペンタフルオロフェニル、2,3‐ジクロロフェニル、2,5‐ジクロロフェニル、3,5‐ジクロロフェニル、2,6‐ジクロロフェニル、2,3,5‐トリクロロフェニル、2,3,6‐トリクロロフェニル、2‐ブロモフェニル、3‐ブロモフェニル、2‐フルオロ‐3‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルフェニル、2‐クロロ‐4,5‐ジフルオロフェニル、2‐クロロ‐3‐トリフルオロメチルフェニル、3‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルフェニル、5‐クロロ‐2‐トリフルオロメチルフェニル、2,3‐ジクロロ‐6‐トリフルオロメチルフェニルが挙げられる。
【0042】
ある実施形態では、フェニル環Aは、2,3‐ジクロロフェニル又は2,3,5‐トリクロロフェニルなど、2,3‐ジハロ‐置換フェニル又は2,3,5‐トリハロ‐置換フェニルである。
【0043】
Aが置換されていてもよいチオフェン環である場合、チオフェン環は、トリアジン環と2位又は3位の炭素原子を介して結合していてもよく、ここで硫黄原子が1位を表す。式7、式8、及び式9(2位で置換)、並びに式10、式11、及び式12(3位で置換)の構造を以下に示す。
【0044】
【化3】
【0045】
好ましい実施形態では、式7、式8、及び式9で表されるように、チオフェン環が2位の炭素原子を介して結合している。ある実施形態では、化合物は式7又は式8の化合物から選択される。
【0046】
ある実施形態では、nは0であってもよい。他の実施形態では、nは1~3の整数である。
【0047】
n>0の場合、Rは、各々独立に、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基から選択される。R及びRは、式1、式2、及び式3について上記で定義される定義を有する。
【0048】
いくつかの実施形態では、全てのR置換基が、通常、フッ素、塩素、及び臭素から選択されるハロゲン原子である。他の実施形態では、少なくとも1つのハロゲンR置換基が塩素であり、さらに他の実施形態では、すべてのハロゲンR置換基が塩素である。
【0049】
ある実施形態では、アルコキシ置換基及びハロアルコキシ置換基の総数は2未満である。他の実施形態では、アルコキシ置換基及びハロアルコキシ置換基は存在しない。
【0050】
チオフェン環をベースとする場合のAの例としては、5‐クロロチエニル、2,5‐ジクロロチエニル、3,4,5‐トリクロロチエニル、3‐ブロモチエニル、5‐ブロモチエニル、4,5‐ジブロモチエニルが挙げられる。
【0051】
好ましい実施形態では、Aは3,4,5‐トリクロロチエニルである。
【0052】
他の実施形態では、基AはC(Rであってもよい。Rは、各々独立に、水素、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、3~8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、3~8個の炭素原子を有するハロシクロアルキル基、及び置換されていてもよいフェニル環から選択される。
【0053】
この実施形態は以下の式13、式14、及び式15で表される
【0054】
【化4】
【0055】
この式ではnは0であってもよく、1~5の範囲の整数であってもよい。
【0056】
この場合の任意のR置換基は、各々独立に、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基から選択される。
【0057】
ある実施形態では、少なくとも1つのRが非置換のフェニル環である。他の実施形態は、少なくとも1つのRが水素である。さらに他の実施形態では、少なくとも1つのRが置換フェニル環であり、少なくとも1つまたは全てのR置換基が独立にアルキル基及びアルコキシ基から選択される。さらに他の実施形態では、2つのRが、置換されていてもよいフェニル環である。
【0058】
ある実施形態では、化合物は式13又は式14の化合物である。
【0059】
式13、式14、及び式15の範囲内である化合物の例としては、
3,5‐ジアミノ‐6‐(ジフェニルメチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐130]、
3,5‐ジアミノ‐6‐(1,1‐ジフェニルエチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐147]、
5(3)‐アミノ‐6‐(1,1‐ジフェニルエチル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐メチル‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐149]、
3,5‐ジアミノ‐6‐(トリフェニルメチル)‐1,2,4‐トリアジン[R3=R4=R5=Ph][CEN‐153]、
3,5‐ジアミノ‐6‐(1‐シクロペンチル‐1‐フェニルメチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐163]、
3,5‐ジアミノ‐6‐(1‐イソプロピル‐1‐フェニルメチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐201]、
3,5‐ジアミノ‐6‐[1,1‐ビス‐(4‐クロロフェニル)メチル]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐213]が挙げられる。
【0060】
基R
は、上記式2及び式3(及び対応する式5、式6、式8、式9、式11、式12、式14、及び式15)における1,2,4‐トリアジン環の2位の窒素上の置換基である。
【0061】
は、水素、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、及び1又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよい1~6個の炭素原子を有するアルキル‐アルコキシ基から選択される。
【0062】
Aが、少なくとも1つの直接結合したハロゲン置換基を有しないフェニル環、又は置換チオフェン環である場合、化合物は、好ましくは式1の化合物、すなわち、Rが存在しないか、又は式2又は式3の化合物であってRは好ましくは水素である。
【0063】
Aが、直接結合したハロゲン置換基を有するフェニル環である場合、Rは存在するが水素ではない。この実施形態では、Rは好ましくはハロアルキル基又はアルコキシ置換アルキル基であって、ここでアルキル基又はアルコキシ基は少なくとも1つのハロゲン置換基を含んでいてもよい。
【0064】
好ましい実施形態では、Rは1~4個の炭素原子、例えば2~3個の炭素原子を有するハロアルキル基である。他の実施形態では、Rはトリハロメチル基を含む。さらに他の実施形態では、トリアジン窒素に隣接する炭素原子は非置換である。
【0065】
Aがハロゲン置換フェニルである場合のRの例としては、2,2‐ジフルオロエチル、2,2‐ジクロロエチル、2,2‐ジブロモエチル、2,2,2‐トリフルオロエチル、2,2,2‐トリクロロエチル、2,2,2‐トリブロモエチル、3,3‐ジフルオロプロピル、2,2,3,3‐テトラフルオロプロピル、2,2,3,3,3‐ペンタフルオロプロピルが挙げられる。
【0066】
好ましい実施形態では、Rは2,2,2‐トリハロエチル、例えば、2,2,2‐トリクロロエチルである。
【0067】
基R
は、トリアジン環の3位又は5位のアミノ基又はイミン基上の置換基である。
【0068】
は各々独立に水素、又は1又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよい1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。ある実施形態では、このアルキル基は非置換である。
【0069】
好ましい実施形態では、各窒素上の少なくとも1つのRが水素である。最も好ましい実施形態では、存在する全てのRが水素である。
【0070】
医薬組成物
式1、式2、若しくは式3の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩が、医薬組成物に含まれていてもよい。
【0071】
化合物は治療的有効量で、すなわち、インビボで疾患に対して十分に効果的である量で、存在している。
【0072】
医薬組成物は、式1、式2、又は式3の化合物を、化合物の薬学的に有利な効果を損なうことなく、患者への投与に適した形態に調整するために使用可能な、薬学的に許容可能な担体を含んでいてもよい。
【0073】
ある実施形態では、医薬組成物は、経口投与、非経口投与、局所投与、又は座薬として投与されてもよい。
【0074】
医薬組成物は、例えば、皮内経路、筋内経路、腹腔内経路、静脈内経路、皮下経路、鼻腔内経路、又は経口経路で患者に投与され得る。これらは、例えば、点滴若しくはボーラス投与、又は上皮層若しくは粘膜皮膚層(例えば、口腔粘膜、胃粘膜、直腸粘膜、腸粘膜)を介した吸収など、任意の都合の良い手段で投与される。
【0075】
経口投与については、医薬組成物は、丸薬、錠剤、トローチ、カプセル、粉末、顆粒、シロップ、溶液、懸濁液、又はエマルションなどの固形製剤又は液体製剤に製剤化され得る。
【0076】
使用される場合、微粒子又は細粒は希釈剤、分散剤、及び/又は界面活性剤を含んでいてもよい。望ましい場合、又は必要な場合、香味剤、防腐剤、懸濁化剤、又は増粘剤が含まれ得る。これらは、乾燥形態に製剤化され得る。例えば、乾燥粉末又乾燥顆粒が、小袋で提供されてもよく、カプセル内に含まれていてもよく、又は圧縮されて錠剤化されてもよい。あるいは、これらは、シロップとして、ドラフト(draught)として、又は水性懸濁液若しくは非水性懸濁液として製剤化されてもよい。懸濁化剤が含まれていてもよい。
【0077】
含まれていてもよいその他の添加剤及び賦形剤としては、例えば、医学的に不活性な成分、例えば、錠剤若しくはカプセルのためのラクトース、デンプン、又はリン酸カルシウムなどの固体希釈剤又は液体希釈剤;ソフトカプセルのためのオリーブ油又はオレイン酸エチル;懸濁液またはエマルションのための水又は植物油;タルク又はステアリン酸マグネシウムなどの充滑剤;コロイダル粘土などのゲル化剤;トラガカント・ゴム又はアルギン酸ナトリウムなどの増粘剤;及びそのような製剤における担体として有用な、保湿剤、防腐剤、緩衝液、及び抗酸化剤など、他の薬学的に許容可能な補助的成分が挙げられる。
【0078】
医薬組成物は、式1、式2、又は式3の化合物を薬学的な許容可能な担体と混合することにより調製してもよい。必要に応じて従来の医薬品賦形剤を混合してもよい。適した製剤の例は、米国特許第4,649,139号に記載されている。
【0079】
注射については、化合物は、例えば、水、生理食塩水、水混和性溶液(デキストロース、エタノール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなど)、及び植物油又は動物油などの非水性溶媒など、滅菌水性注射溶液中に存在していてもよい。任意に、pHは6~8の範囲、例えば、6.5~7.5である。任意に、クエン酸塩、酢酸塩、又はリン酸塩などの緩衝液が存在していてもよい。任意に、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤が存在していてもよい。任意に、シクロデキストリン、リゾレクチン、オレイン酸、ステアリン酸、及びデキストリンなどの可溶化剤及び安定化剤が存在していてもよい。任意に、リグノカイン塩酸塩及びプロカイン塩酸塩などの局所麻酔剤が存在していてもよい。米国特許出願公開第2004/0029934号に記載されるようなホスファチジルコリン及びホスファチジルエタノールアミンを含む製剤、及び米国特許出願公開第2004/0053888号に記載されるようなシクロデキストリンを含む製剤を使用し得る。
【0080】
医薬組成物は、そのような用量で、又は複数用量として、効果がある量の式1、式2、又は式3の化合物を都合よく含んでいてもよい個別の単位で提供され得る。通常、個々の用量単位(例えば、各錠剤、丸剤、小袋、又は5mL用量の液体)は、化合物又はその薬学的に許容可能な塩を5mg~500mgの範囲で、例えば、2mg~250mgの範囲で含む。個々の用量の例としては、2mg、5mg、25mg、50mg、100mg、及び200mgの化合物又はその薬学的に許容可能な塩が挙げられる。
【0081】
化合物又はその塩は、1用量、又は2以上の用量、例えば1日に2~8用量の範囲、例えば1日に2~4用量又は2~3用量で提供され得る。
【0082】
組み合わせ
化合物又はその塩は、同じ又は異なる疾患に対して活性のある1又は複数の他の化合物と組み合わせて投与され得る。
【0083】
投与は、同時、連続的、又は別個であってもよい。活性成分は、単一用量中に組み合わせてもよく、別個の用量の2又は複数の活性成分を含むキットの形態で提供されてもよい。
【0084】
合成
式1、式2、及び式3のトリアジン化合物は、国際公開第2008/007149号、国際公開第2009/090431号、国際公開第2011/004195号、及び国際公開第2011/004196号、欧州特許第0021121号、米国特許第4,649,139号に記載の方法を用いて調製することが出来る。
【0085】
化合物例
A=ハロゲン置換フェニルを有し、式5又は式6の定義の範囲内である化合物の例としては、以下が挙げられる。
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2‐フルオロエチル)‐1,2,4‐トリアジン
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2‐ジフルオロエチル)‐1,2,4‐トリアジン
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐067]
5‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3‐ジヒドロ‐3‐イミノ‐2‐(3,3,3‐トリフルオロプロピル)‐1,2,4‐トリアジン
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,3,3‐テトラフルオロプロピル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐218]
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,3,3,3‐ペンタフルオロプロピル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐217]
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,2‐トリクロロエチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐216]
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2‐イソプロピル)エチル‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐091]
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3,5‐トリクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2‐フルオロエチル)‐1,2,4‐トリアジン
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3,5‐トリクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2‐ジフルオロエチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐085]
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3,5‐トリクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(3,3,3‐トリフルオロプロピル)‐1,2,4‐トリアジン
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3,5‐トリクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,2‐トリクロロエチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐248]
5(3)‐アミノ‐6‐(3‐クロロ‐2‐フルオロ‐5‐トリフルオロメチルフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,3,3‐テトラフルオロプロピル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐210]
5(3)‐アミノ‐6‐(3‐クロロ‐2‐フルオロ‐5‐トリフルオロメチルフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,3,3,3‐ペンタフルオロプロピル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐211]
【0086】
置換基としてハロアルキルを有する化合物が好ましい。最も好ましくは、化合物は、5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,2‐トリクロロエチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐216]である。これは、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸塩として提供され得る。
【0087】
A=直接結合したハロゲンを有しないフェニルであって、式4、式5、及び式6の定義の範囲内である化合物の例としては、以下が挙げられる。
3,5‐ジアミノ‐6‐(2,5‐ビストリフルオロメチルフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐198]
3,5‐ジアミノ‐6‐(3,5‐ビストリフルオロメチルフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐092]
3,5‐ジアミノ‐6‐(3,4‐ジメトキシフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐115]
3,5‐ジアミノ‐6‐(3,5‐ジメトキシフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐192]
3,5‐ジアミノ‐6‐(3,4,5‐トリメトキシフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐095]
3,5‐ジアミノ‐6‐(2‐ジフルオロメトキシフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐142]
3,5‐ジアミノ‐6‐(2‐トリフルオロメトキシフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐056]
3,5‐ジアミノ‐6‐[3‐(1,1,2,2‐テトラフルオロエトキシ)フェニル]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐108]
3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(1,1,2,2‐テトラフルオロエトキシ)フェニル]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐137]
3,5‐ジアミノ‐6‐[2,5‐ビス(2,2,2‐トリフルオロエトキシ)フェニル]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐140]
3,5‐ジアミノ‐6‐[3,5‐ビス(2,2,2‐トリフルオロエトキシ)フェニル]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐193]
【0088】
フェニル環上に1又は複数のRハロアルキル置換基を有する化合物が好ましい。好ましくは、すべてのR置換基がハロアルキルである。好ましい化合物は、3,5‐ジアミノ‐6‐(3,5‐ビストリフルオロメチルフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐092]である。
【0089】
Aはチオフェン環(チエニル)であって、式7、式8、及び式9の定義の範囲内である化合物の例としては、以下が挙げられる。
3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(5‐クロロチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐138]
3,5‐ジアミノ‐6‐[3‐(2,5‐ジクロロチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐071]
3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(3,4,5‐トリクロロチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐079]
3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(5‐ブロモチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐124]
3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(3‐ブロモチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐125]
3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(4,5‐ジブロモチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐122]
【0090】
好ましい化合物としては、チエニル基が少なくとも1つのハロゲンR置換基を含む化合物が挙げられる。好ましくは、チエニル基上の全ての置換基がハロゲンである。好ましい化合物は、3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(3,4,5‐トリクロロチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐079]である。
【0091】
溶媒和物
式1、式2、又は式3の化合物は、例えば、それらが調製される溶液に由来する、溶媒和分子を包含し得る。例えば、水性媒体中で調製される場合、それらは水和物の形態で調製され得る。
【0092】
互変異体
上記式1、式2、又は式3の化合物は、互変異体として存在し得る。
【0093】
例えば、化合物が式1の化合物であって、トリアジン環の3位又は5位の窒素上のR置換基の少なくとも1つが水素原子である場合、以下の互変異体が潜在的に生じ得る。
【0094】
【化5】
【0095】
したがって、式1、式2、及び式3の化合物の互変異体形態もまた、本発明の範囲内である。
【0096】
回転異性体
基A上の基及び置換基の性質並びにトリアジン環上の基に依存して、例えば、トリアジン環及び基Aとの間の結合に関して回転が制限されることがあり、これによって潜在的に異なった回転異性体の形態/異性体が生じ得、これは分離可能でもある。
【0097】
したがって、式1、式2、及び式3の化合物の全ての回転異性体形態もまた、本発明の範囲内である。
【実施例
【0098】
ヒト末梢血単核細胞(PBMC)におけるIFN‐γ産生の抑制に対する種々の化合物のエクスビボでの活性を調べた。
【0099】
実施例1
血液試料(40~50mL)を、20~40歳の5人の健康なボランティア白人対象(男性4人、女性1人)から採取した。彼らは結果を妨害し得る他の処方薬物療法を受けていなかった。
【0100】
ヘパリンナトリウム塩(50mLの血液に対して300~500μLのリン酸緩衝食塩水(PBS)中に希釈した37.5mgのヘパリン粉末)を含む50mLの遠心チューブ(米国、Corning)に血液を移し、2000rpmで10分間遠心し、血漿部分を分離した。血漿をさらに3000rpmで10分間遠心し、上清を分離して後の使用のために保存した。
【0101】
最初の遠心分離からの血液細胞を等容量のRPMI‐1640(英国、Sigma)中に希釈し、25mlのユニバーサルチューブ(英国、Bibby Sterlin)中のLymphoprep(ノルウェー、Axis‐Shield)上に重層(2:1)して、2500rpmで30分間、密度勾配遠心した。
【0102】
次にPBMC(リンパ球及び単球)を界面から除去し、等容量のRPMI‐1640中に希釈し、3000rpmで10分間遠心して2回洗浄した。
【0103】
試験のため、2mMのL‐グルタミン、100Uのペニシリン、及び100μgのストレプトマイシン(英国、Sigma)を添加したRPMI‐1640を含有する既知の容量の培地中にPBMCを再懸濁した。
【0104】
10μlの細胞懸濁液を用いて血球計算器を使用して細胞カウントを決定した。5つのランダムな1mm四方におけるカウントに基づいて細胞数を決定した。
【0105】
次に、添加RPMI‐1640培地で細胞溶液を希釈して、1mLあたり2×10個の細胞カウントを確保した。
【0106】
0.04%トリパンブルー溶液(10倍のPBSで希釈した0.4%トリパンブルー溶液(英国、Sigma))を用いて、トリパンブルー色素排除によって細胞生存率を確認した。10μlのトリパンブルー溶液を10μlの細胞懸濁液と混合し、5分後に血球計算器にマウントした。3つの1mm四方において、細胞総数及び生細胞(無色)の総数を計数した。全ての場合で生存率は85%以上であった。
【0107】
5%自家血漿、T‐リンパ球IFN‐γ産生を刺激するための5μg/mlのフィトヘマグルチニン(PHA)、及び種々の濃度の試験対象化合物を含む溶液を含む組織培養チューブ(英国、Bibby Sterlin)にPBMC懸濁液を添加した。化合物を含まない対照もまた各対象について培養した。
【0108】
この実験において、使用された化合物はラモトリギン(lamotrigine)(3,5‐ジアミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐1,2,4‐トリアジン)及びシパトリギン(sipatrigine)(4‐アミノ‐2‐(4‐メチル‐1‐ピペリジニル)‐(2,3,5‐トリクロロフェニル)‐ピリミジンであった。これらの構造は以下のようである。
【0109】
【化6】
【0110】
これらの化合物は式1、式2、又は式3の範囲内ではないので、これらを用いた実験は比較であった。
【0111】
ラモトリギンの場合、イセチオン酸塩を用い、PRMI‐1640中に希釈し、100μM溶液、30μM溶液、10μM溶液、及び3μM溶液を産生して、最初の3人の対象由来のPBMCについて試験した。残りの2人の対象由来のPBMCを用いて、300μM溶液もまた試験した。
【0112】
シパトリギンについては、メシル酸塩を用い、PRMI‐1640中に希釈して、30μM溶液、10μM溶液、3μM溶液、及び1μM溶液を産生した。それを最初の3人の対象由来のPBMCについて試験した。
【0113】
チューブを37℃、5%CO雰囲気下で24時間インキュベートした。インキュベート後、細胞(トリパンブルー試験による生存率が>75%)を3000rpmで10分間遠心し、細胞を含まない上清を回収し、IFN‐γについて解析するまで-70℃で保存した。
【0114】
ヒトIFN‐γについてのDuoSet ELISA Development system(英国、RD Systems)を15.6~1000pg/mlの感度で用いて、PBMCによるIFN‐γ産生のレベルを決定した。
【0115】
捕捉抗体、検出抗体、標準物質、及びストレプトアビジン‐HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼに結合したストレプトアビジン)を用意した。96ウェルマイクロタイタープレート(英国、Corning CoStar、平底、ポリスチレン、高結合マイクロタイタープレート)を、1ウェルあたり100μlの捕捉抗体(4.0μg/mlのマウス抗ヒトIFN‐γ)でコーティングし、密封して一晩インキュベートした。未結合の捕捉抗体を、洗浄緩衝液(PBS中の0.05%ツイーン20)を用いてウェルから3回洗い流した。次に、ブロック緩衝液(PBS中の1%ウシ血清アルブミン(BSA))を添加した。1時間インキュベートした後、ウェルを洗浄し、試料培養上清又は標準物質を添加した。試薬希釈液(トリス緩衝生理食塩水(20mM トリス(Trizma)塩基、150mM NaCl)中の0.1%BSA、0.05%ツイーン20)中への2倍連続希釈法を用いた120ng/mlの組換えヒトIFN‐γから、7点検量線(15.6~1000pg/mlの範囲)を作成した。密封したプレートを2時間インキュベートした。
【0116】
さらに洗浄した後、検出抗体(175ng/mlのビオチン化ヤギ抗ヒトIFN‐γ)を添加し、プレートを密封してさらに2時間インキュベートした。洗浄後、ストレプトアビジン‐HRPをウェルに添加し、カバーしたプレートを、直射日光を避けて20分間インキュベートした。ウェルを再び洗浄し、基質溶液(発色試薬A(H)とB(TMB、テトラメチルベンジジン)の1:1混合物)を添加して、プレートを、直射日光を避けてさらに20分間インキュベートした。停止溶液(硫酸)を添加して反応を停止させ、マイクロタイタープレートリーダー(Thermo Labsystems社のMultiscan EX)で450nmでの吸光度を測定した。
【0117】
吸光度の値が最高標準値1000pg/mlを超えると分かった場合、上清をRPMI‐1640で希釈した。次にELISAを繰り返し、希釈係数に従って結果を調整した。
【0118】
標準物質のデータからの線形最良適合(linear best fit)から吸光度/IFN‐γ高度の関係を決定した。
【0119】
対応のあるスチューデントt検定を用いて対照値と試験値を比較し、P<0.05である場合を統計的に有意であるとみなした。
【0120】
表1は、対照と比較した種々の対象におけるIFN‐γ産生に対する化合物の効果を示す。
【0121】
【表1】

【0122】
これらの結果はまた図1及び図2のグラフにも示される。エラーバーは平均濃度±SEM(平均値の標準誤差)に基づく。
【0123】
ラモトリギンは、PBMCにより産生されるIFN‐γの量を阻害し、ラモトリギン濃度が高いほど阻害が高まるという明白な傾向があり、10~100μMの濃度で統計的に有意(にP<0.05)減少する。
【0124】
対象3は、IFN‐γ産生が最も顕著に減少し、100μMのラモトリギンを用いた場合に75%の減少が観察された。この結果が他の4人の対象からの結果の有意性に影響しなかったことを保証するため、対象3からの結果を含めずに有意性(スチューデントt検定)の値を再計算した。それでもやはり、結果により10μM、30μM、及び100μMのラモトリギンでIFN‐γ産生の阻害の統計的有意性(P<0.05)が確認された。対象のうちの2人のみからの血液が試験されたので、300μMのラモトリギンを用いた結果について有意な値は計算されなかった。しかし、有効なデータにより、300μMでさらに阻害が増加する継続的な傾向が示される。
【0125】
ラモトリギンはPBMCの生存率を変化させないようであった。
【0126】
シパトリギンはIFN‐γ産生を阻害しなかった。いくらかの変動が観察されたようであったが、p<0.05レベルまでの統計的有意性はなかった。
【0127】
ラモトリギン及びシパトリギンは共にカルシウムチャンネル阻害剤であるので、カルシウムチャンネル阻害活性との相関はないようである。
【0128】
実施例2
同様の一連の試験を行って、CEN‐079(3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(3,4,5‐トリクロロチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン)、CEN‐092(3,5‐ジアミノ‐6‐(3,5‐ビストリフルオロメチルフェニル)‐1,2,4‐トリアジン)、及びCEN‐216(3,5‐ジアミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,2‐トリクロロエチル)‐1,2,4‐トリアジン)として知られている3種の化合物をラモトリギンと比較した。CEN‐079、CEN‐092、及びCEN‐216は、式1、式2、及び式3の範囲内である。
【0129】
3人の健康な成人ドナーから、静脈穿刺によりヘパリン化チューブ中に50mlの血液を採取した。血液試料を3000rpmで15分間遠心した。遠心チューブ中に上清血漿を回収し、3000rpmでさらに10分間遠心した。次に上清をプレインチューブに回収し、後に使用するまで-70℃で保存した。
【0130】
最初に遠心したヘパリン化チューブからの細胞をRPMI‐1640中に1:1に希釈し、複数回反転させて混合した。次に、滅菌プラスチック3mlピペットを用いて、25mlユニバーサルチューブ中にLymphoprep(Nycomed)を細胞/RPMI‐1640:Lymphoprepが2:1の割合で含むチューブ壁に沿って、細胞混合物をゆっくりと積層した。混合物を2400rpmで30分間遠心し、20分間静置した。滅菌プラスチックピペットを用いて境界面からPBMCをゆっくりと除去し、15mlの遠心チューブに回収した。
【0131】
2mMのL‐グルタミン、100U/mlのペニシリン、及び100μg/mlのストレプトマイシンを含むRPMI‐1640中に1:1に希釈することによって、細胞を2回洗浄した。混合物を3000rpmで15分間遠心し、上清をデカントした。次にPBMCを2mMのL‐グルタミン、100U/mlのペニシリン、及び100μg/mlのストレプトマイシンを含むRPMI‐1640中に希釈し、対象1及び2については6ml、並びに対象3については9mlの量とした。
【0132】
光学顕微鏡上でノイバウエル改良型(Improved Neubauer)血球計算器(英国、Hawksley)を用いて細胞を計数した。滅菌プラスチックピペットを用いて10μlの細胞懸濁液を血球計算器にロードした。25個の1mm四方のうちの5個における細胞を計数し、これから合計細胞カウントを計算した。
【0133】
等容量の細胞及びトリパンブルーを用いて、トリパンブルー色素排除によって細胞生存率を決定した。
【0134】
5μg/mlのPHAをIFN‐γ産生のためのT細胞活性化剤として用いた。10μM、30μM、及び300μMの濃度の4種の試験化合物(ラモトリギン、CEN‐079、CEN‐092、CEN‐216)でPBMCを処理して、刺激されたT細胞によるIFN‐γ産生に対する効果を評価した。
【0135】
1mlあたり2×10個のPBMC、25μlの5%自家血漿、及び2.63μlの5μg/ml PHAを用いて、実施例1と同様に試験を行った。次に、1つの対象例以外には、各濃度の試験化合物を添加した。
【0136】
化合物の5mM溶液1.05μlを前述のPBMC含有溶液に添加して10μM溶液を得た。化合物の5mM溶液3.15μlを添加して30μM溶液を得た。化合物の50mM溶液3.15μlを前述のPBMC含有溶液に添加して300μM溶液を得た。
【0137】
チューブをカバーし、穏やかに振盪して内容物を混合し、37℃で24時間インキュベートした。次に、チューブを2500rpmで10分間遠心した。3mlプラスチックピペット中に上清を回収し、解析するまで一定分量を-70℃で保存した。
【0138】
トリパンブルー色素排除によって細胞生存率を決定した。
【0139】
IFN‐γの定量測定は実施例1と同様の方法、すなわち、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA、R&D Systems Europe Ltd)で行った。供給業者の説明書に基づいて試験を実施した。ドナーの試料をリン酸緩衝食塩水(PBS)中に1:1に希釈し、IFN‐γ標準試料と同時に2連でアッセイした。標準曲線は、15.6pg/ml~1000pg/mlの範囲であった。
【0140】
捕捉抗体(720μg/mlのマウス抗ヒトIFN‐γ)をPBS中に4.0μg/mlの作業濃度に希釈することにより、96ウェルのマルチウェルマイクロプレート(高結合Costar)を準備した。各ウェルに100μlを直ちにコートし、室温で一晩置いた。マイクロプレート自動洗浄装置(LT‐3000、Lab Tech International Ltd)を用いて、ウェルを洗浄緩衝液中で3回洗浄した。ウェル中の洗浄緩衝液の残りを、清潔な紙タオルで吸い取って除去した。300μlのBlock緩衝液(PBS中の1%BSA)を各ウェルに添加することによってプレートをブロックし、室温で1時間インキュベートした。前述同様に、プレートをさらに3回洗浄した。標準物質(120ng/ml 組換えヒトIFN‐γ)を試薬希釈液(1%BSA、トリス緩衝生理食塩水中の0.05%Tween20)中に15.6pg/ml~1000pg/mlの濃度範囲に2倍連続希釈法により希釈した。
【0141】
プレートを3回洗浄した後、100μlの標準物質、ブランク、及び刺激されたPBMCの上清を2連でウェルに添加した。プレートを粘着テープでカバーし、室温で2時間インキュベートした。次に前述同様に3回洗浄し、100μlの検出抗体(1mlの試薬希釈液で再構築した9μg/mlビオチン化ヤギ抗ヒトIFN‐γ)を各ウェルに添加した。プレートを粘着テープで密封し、室温で2時間インキュベートした。次にウェルを3回洗浄し、1ウェルにつき100μlのストレプトアビジン‐HRP作業希釈液を添加した。直射日光を避けてプレートを室温で20分間インキュベートした。
【0142】
次にプレートを3回洗浄し、100μlの基質溶液(1:1 H:テトラメチルベンジジン)を各ウェルに添加し、室温で20分間インキュベートした。次に各ウェルに50μlの停止溶液(2%HSO)を添加した。
【0143】
マイクロプレートリーダー(Multiscan EX、Thermo Lab Systems)を用いて、各ウェルの450nmでの吸光度を決定した。IFN‐γの濃度(pg/ml)は、標準物質の吸光度の結果の正の線形回帰計算に基づいて算出した。
【0144】
3人の対象の細胞生存率は、試験前は94.4%以上であり、試験化合物の処置後は87.1%以上であった。
【0145】
IFN‐γ阻害に対する化合物の能力の結果を表2に示す。
【0146】
図3~6は、対象に対するIFN‐γ濃度の平均割合で示す。
【0147】
【表2】

【0148】
以下の表3は、ラモトリギン、CEN‐079、及びCEN‐092に対するIC50値(IFN‐γ産生を50%まで阻害するための濃度)を示す。これらのデータから、IFN‐γ産生の阻害には、ラモトリギンと比較してより少ない(低濃度の)CEN‐079及びCEN‐092が必要とされることが確認された。
【0149】
【表3】
【0150】
従来通り、ラモトリギンはPBMCにおけるIFN‐γ産生の阻害剤であることが示される。しかし、CEN‐079、CEN‐092、及びCEN‐216は、ラモトリギンと比較して顕著により効果的な阻害剤であることが示される。したがって、これらの化合物は、IFN‐γの阻害により治療可能又は制御可能な疾患又は病状を治療するための潜在的候補として機能し得るようである。
【0151】
(付記)
本開示は以下の態様を含む。
<1>
インターフェロンγ(IFN‐γ)産生の阻害により治療可能又は制御可能な病状及び疾患の治療又は制御に使用するための、式1、式2、若しくは式3の化合物、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩。
【0152】
【化1】
【0153】
〔式中、
Aは以下から選択され、
i.各々独立に、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基から選択される5個以下の置換基で置換された、フェニル環、及び
ii.各々独立に、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基から選択される3個以下の置換基で置換されていてもよい、チオフェン環、及び
iii.C(R基、ここで、Rは、各々独立に、水素、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、及びフェニル環であって、各々独立に、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基から選択される5個以下の置換基で置換されたフェニル環から選択され、ここで、少なくとも1つのR基が置換されていてもよいフェニル環であり、
は、水素、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、及び1又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよい1~6個の炭素原子を有するアルキル‐アルコキシ基から選択され、ただし、Aが1又は複数の直接結合したハロゲン置換基を含むフェニル環である場合、化合物は式2又は式3の化合物であり、Rは水素ではなく、
は、各々独立に、水素、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される。〕
<2>
治療的有効量の<1>に定義される式1、式2、若しくは式3の化合物、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、IFN‐γ産生の阻害により治療可能又は制御可能な病状及び疾患を治療又は制御する方法。
<3>
IFN‐γ産生の阻害により治療可能又は制御可能な病状及び疾患の治療又は制御のための医薬組成物の製造のための、<1>に定義される式1、式2、若しくは式3の化合物、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩の使用。
<4>
前記病状及び疾患が、アルツハイマー病、プリオン病、癲癇、多発性硬化症、関節リウマチ、炎症性腸疾患、ぶどう膜炎、自己免疫性皮膚疾患、乾癬、シェーグレン症候群、クローン病、及びI型糖尿病から選択される、使用のための<1>に記載の化合物、<2>に記載の方法、<3>に記載の使用。
<5>
基Aが、少なくとも1つのハロゲン置換基、ハロアルキル置換基、又はハロアルコキシ置換基を含む芳香族環である、<1>~<4>のいずれか一項に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<6>
芳香族環A上の全ての置換基が、ハロゲン又原子はハロアルキル基から選択される、<5>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<7>
前記化合物が、式4、式5、若しくは式6の化合物であるか、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩である、<1>~<4>のいずれか一項に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
【0154】
【化2】
【0155】
〔式中、
nは1~5の整数であり、
及びRは<1に定義される通りであり、且つ
は、各々独立に、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基から選択される。〕
<8>
nが2~4である、<7>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<9>
n=2である、<8>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<10>
少なくとも1つのR置換基が、ハロアルキル基又はハロアルコキシ基である、<7>~<9>のいずれか一項に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<11>
全てのR置換基がハロアルキル基から選択される、<10>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<12>
前記ハロアルキル基がフルオロメチル基である、<11>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<13>
前記化合物が式4の化合物であるか、又はRが水素である、<7>~<12>のいずれか一項に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<14>
前記化合物が、式5若しくは式6の化合物であるか、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは薬学的に許容可能な塩である、<1>~<4>のいずれか一項に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
【0156】
【化3】
【0157】
〔式中、
nは1~5の整数であり、
は、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、及び1又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよい1~6個の炭素原子を有するアルキル‐アルコキシ基から選択され、
は<1>に定義される通りであり、且つ
少なくとも1つのRがハロゲン原子であり、ここで、追加のRは、各々独立に、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基から選択される。〕
<15>
nが1~3である、<14>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<16>
全てのRがハロゲン原子である、<14>又は<15>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<17>
各Rの前記ハロゲン原子が、フッ素、塩素、及び臭素から選択される、<14>~<16>のいずれか一項に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<18>
全てのR置換基が塩素である、<17>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<19>
がハロアルキルから選択される、<18>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<20>
前記化合物が、式7、式8、式9、式10、式11、若しくは式12の化合物であるか、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは塩である、<1>~<4>のいずれか一項に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
【0158】
【化4】
【0159】
〔式中
nは1~3の整数であり、
及びRは<1>に定義される通りであり、且つ
は、各々独立に、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基から選択される。〕
<21>
各ハロゲン原子が、フッ素、塩素、及び臭素から選択される、<20>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<22>
すべてのR置換基がハロゲン原子である、<20>又は<21>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<23>
すべてのR置換基が塩素である、<22>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<24>
前記化合物が、式7、式8、又は式9の化合物である、<20>~<23>のいずれか一項に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<25>
前記化合物が式7の化合物であるか、又はRが水素である、<24>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<26>
前記置換フェニル環Aが、
2,5‐ビストリフルオロメチルフェニル;
3,5‐ビストリフルオロメチルフェニル;
3,4,5‐トリメトキシフェニル;
2‐ジフルオロメトキシフェニル;
2‐トリフルオロメトキシフェニル;
2‐(1,1,2,2‐テトラフルオロエトキシ)フェニル;
3‐(1,1,2,2‐テトラフルオロエトキシ)フェニル;
2,5‐ビス(2,2,2‐トリフルオロエトキシ)フェニル;及び
3,5‐ビス(2,2,2‐トリフルオロエトキシ)フェニル
から選択される、<7に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<27>
前記置換フェニル環が、
2,3,4‐トリフルオロフェニル;
2,3,4,5‐テトラフルオロフェニル;
2,3,4,5,6‐ペンタフルオロフェニル;
2,3‐ジクロロフェニル;
2,5‐ジクロロフェニル;
3,5‐ジクロロフェニル;
2,6‐ジクロロフェニル;
2,3,5‐トリクロロフェニル;
2,3,6‐トリクロロフェニル;
2‐ブロモフェニル;
3‐ブロモフェニル;
2‐フルオロ‐3‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルフェニル;
2‐クロロ‐4,5‐ジフルオロフェニル;
2‐クロロ‐3‐トリフルオロメチルフェニル;
3‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルフェニル;
5‐クロロ‐2‐トリフルオロメチルフェニル;及び
2,3‐ジクロロ‐6‐トリフルオロメチルフェニル
から選択される、<14に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<28>
前記置換チオフェン環が、
5‐クロロチエニル;
2,5‐ジクロロチエニル;
3,4,5‐トリクロロチエニル;
3‐ブロモチエニル;
5‐ブロモチエニル:及び
4,5‐ジブロモチエニル
から選択される、<20>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<29>
すべてのRが水素である、<1>~<28>のいずれか一項に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<30>
前記化合物が、
3,5‐ジアミノ‐6‐(2,5‐ビストリフルオロメチルフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐198]
3,5‐ジアミノ‐6‐(3,5‐ビストリフルオロメチルフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐092]
3,5‐ジアミノ‐6‐(3,4‐ジメトキシフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐115]
3,5‐ジアミノ‐6‐(3,5‐ジメトキシフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐192]
3,5‐ジアミノ‐6‐(3,4,5‐トリメトキシフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐095]
3,5‐ジアミノ‐6‐(2‐ジフルオロメトキシフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐142]
3,5‐ジアミノ‐6‐(2‐トリフルオロメトキシフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐056]
3,5‐ジアミノ‐6‐[3‐(1,1,2,2‐テトラフルオロエトキシ)フェニル]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐108]
3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(1,1,2,2‐テトラフルオロエトキシ)フェニル]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐137]
3,5‐ジアミノ‐6‐[2,5‐ビス(2,2,2‐トリフルオロエトキシ)フェニル]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐140]
3,5‐ジアミノ‐6‐[3,5‐ビス(2,2,2‐トリフルオロエトキシ)フェニル]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐193]、並びに
その溶媒和物、互変異性体、及び薬学的に許容可能な塩
から選択される、<7>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<31>
前記化合物が、
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2‐フルオロエチル)‐1,2,4‐トリアジン
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2‐ジフルオロエチル)‐1,2,4‐トリアジン
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐067]
5‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3‐ジヒドロ‐3‐イミノ‐2‐(3,3,3‐トリフルオロプロピル)‐1,2,4‐トリアジン
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,3,3‐テトラフルオロプロピル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐218]
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,3,3,3‐ペンタフルオロプロピル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐217]
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,2‐トリクロロエチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐216]
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2‐イソプロピル)エチル‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐091]
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3,5‐トリクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2‐フルオロエチル)‐1,2,4‐トリアジン
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3,5‐トリクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2‐ジフルオロエチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐085]
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3,5‐トリクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(3,3,3‐トリフルオロプロピル)‐1,2,4‐トリアジン
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3,5‐トリクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,2‐トリクロロエチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐248]
5(3)‐アミノ‐6‐(3‐クロロ‐2‐フルオロ‐5‐トリフルオロメチルフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,3,3‐テトラフルオロプロピル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐210]
5(3)‐アミノ‐6‐(3‐クロロ‐2‐フルオロ‐5‐トリフルオロメチルフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,3,3,3‐ペンタフルオロプロピル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐211]、並びに
その溶媒和物、互変異性体、及び薬学的に許容可能な塩
から選択される、<14>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<32>
前記化合物が、
3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(5‐クロロチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐138]
3,5‐ジアミノ‐6‐[3‐(2,5‐ジクロロチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐071]
3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(3,4,5‐トリクロロチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐079]
3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(5‐ブロモチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐124]
3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(3‐ブロモチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐125]
3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(4,5‐ジブロモチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐122]、並びに
その溶媒和物、互変異性体、及び薬学的に許容可能な塩
から選択される、<20>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<33>
前記化合物が、
3,5‐ジアミノ‐6‐[2‐(3,4,5‐トリクロロチエニル)]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐079]
3,5‐ジアミノ‐6‐(3,5‐ビストリフルオロメチルフェニル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐092]
5(3)‐アミノ‐6‐(2,3‐ジクロロフェニル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐(2,2,2‐トリクロロエチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐216]、並びに
その溶媒和物、互変異性体、及び薬学的に許容可能な塩
から選択される、<30>~<32>のいずれか一項に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<34>
前記化合物が、式13、式14、若しくは式15の化合物であるか、又はその溶媒和物、互変異性体、若しくは塩である、<1>~<4>のいずれか一項に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
【0160】
【化5】
【0161】
〔式中、
は<1>に定義される通りであり、
は、各々独立に、水素、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、3~8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、3~8個の炭素原子を有するハロシクロアルキル基、及び5個以下のR置換基で置換されていてもよいフェニル環から選択され、
nは0~5であり、且つ
基は、各々独立に、ハロゲン原子、1~4個の炭素原子を有するアルキル基、1~4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、及び1~4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基から選択される。〕
<35>
前記化合物が、
3,5‐ジアミノ‐6‐(ジフェニルメチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐130];
3,5‐ジアミノ‐6‐(1,1‐ジフェニルエチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐147];
5(3)‐アミノ‐6‐(1,1‐ジフェニルエチル)‐2,3(2,5)‐ジヒドロ‐3(5)‐イミノ‐2‐メチル‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐149];
3,5‐ジアミノ‐6‐(トリフェニルメチル)‐1,2,4‐トリアジン[R3=R4=R5=Ph][CEN‐153];
3,5‐ジアミノ‐6‐(1‐シクロペンチル‐1‐フェニルメチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐163];
3,5‐ジアミノ‐6‐(1‐イソプロピル‐1‐フェニルメチル)‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐201];及び
3,5‐ジアミノ‐6‐[1,1‐ビス‐(4‐クロロフェニル)メチル]‐1,2,4‐トリアジン[CEN‐213]
から選択される、<34>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<36>
前記疾患又は病状が、アルツハイマー病、プリオン病、多発性硬化症、癲癇、関節リウマチ、炎症性腸疾患、ぶどう膜炎、自己免疫性皮膚疾患、乾癬、シェーグレン症候群、クローン病、及びI型糖尿病から選択される、<1>~<35>のいずれか一項に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<37>
前記化合物がIFN‐γの産生を阻害する、<36>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<38>
前記治療される対象が哺乳類である、<1>~<37>のいずれか一項に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
<39>
前記治療される対象がヒトである、<38>に記載の、使用のための化合物、方法、又は使用。
図1
図2
図3
図4
図5
図6