(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】モジュール式医療用流体管理アセンブリ、関連する装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/14 20060101AFI20230816BHJP
A61M 1/16 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
A61M1/14
A61M1/16 161
(21)【出願番号】P 2020519127
(86)(22)【出願日】2018-10-02
(86)【国際出願番号】 US2018053978
(87)【国際公開番号】W WO2019070716
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-09-28
(32)【優先日】2017-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(73)【特許権者】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ロス, オレグ
【審査官】杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-519011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/14
A61M 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用流体管理アセンブリであって、
当該医療用流体管理アセンブリが、一体的に封止されて複数の空気圧通路を形成する複数のプレートを含む空気圧マニホールドを備え、前記プレートのうちの少なくとも1つにより空気圧バルブチャンバ及び空気圧ポンプチャンバが形成されており、前記空気圧バルブチャンバが前記空気圧通路のうちの少なくとも1つと空気圧連通しており、前記空気圧ポンプチャンバが前記空気圧通路のうちの少なくとも1つと空気圧連通しており、
当該医療用流体管理アセンブリが、複数の流体経路を含む流体マニホールドを備え、前記流体マニホールドにより流体バルブチャンバ及び流体ポンプチャンバが形成されており、前記流体バルブチャンバが前記流体ポンプチャンバ及び前記流体経路のうちの少なくとも1つと選択的に流体連通
し、(a)前記空気圧バルブチャンバと前記流体バルブチャンバが、少なくとも1つの可撓性バルブチャンバ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜のバルブチャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合しており、(b)前記空気圧ポンプチャンバと前記流体ポンプチャンバが、少なくとも1つの可撓性ポンプ膜又は前記少なくとも1つの共通可撓性膜のポンプチャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合しており、
対応する少なくとも1つの可撓性膜又は少なくとも1つの可撓性膜エリアに圧力をかけるのを助けるように
、(i)前記空気圧バルブチャンバが前記少なくとも1つのプレートから
外側に拡張
していること、(ii)前記空気圧ポンプチャンバ
が前記少なくとも1つのプレートから
外側に拡張
していること、(iii)前記流体バルブチャンバ
が前記
流体マニホールドから
外側に拡張
していること、及び(iv)前記流体ポンプチャンバ
が前記流体マニホールドから
外側に拡張
していること、のうちの少なくとも1つを
含む、医療用流体管理アセンブリ。
【請求項2】
前記複数の空気圧通路が、前記プレートのうちの少なくとも1つに形成され、前記プレート間に圧縮されたガスケットによって封止されている、請求項1に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【請求項3】
前記流体マニホールドが、複数の流体プレートを含み、前記流体プレートのうちの少なくとも1つが前記複数の流体経路を形成しており、前記流体プレートが、一体的に封止されて前記流体経路を封止している、請求項1に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【請求項4】
前記空気圧マニホールドに固定され、前記空気圧通路のうちの少なくとも1つと選択的に空気圧連通する少なくとも1つの電気的作動空気圧ソレノイドバルブを備える、請求項1に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【請求項5】
前記流体マニホールドにより保持された導電性インサートを有する少なくとも1つの導電率センサを備え、前記インサートが前記流体経路のうちの1つに沿って配置されており、前記導電率センサが前記空気圧マニホールドにより保持された導電性導電率プローブをさらに有し、前記導電率プローブが前記導電性インサートと係合している、請求項1に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【請求項6】
前記空気圧バルブチャンバ及び前記流体バルブチャンバが、第1の空気圧バルブチャンバ及び第1の流体バルブチャンバであり、当該医療用流体管理アセンブリが、第2の空気圧バルブチャンバ及び第2の流体バルブチャンバを備え、前記第2の流体バルブチャンバが第1の平衡チャンバと選択的に流体連通し、前記第1の平衡チャンバが少なくとも1つの平衡チャンバ膜又は前記少なくとも1つの共通可撓性膜の平衡チャンバエリアにより第2の平衡チャンバから分離されている、請求項1に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【請求項7】
前記第1の流体バルブチャンバが、前記第2の流体バルブチャンバと選択的に流体連通する、請求項6に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の平衡チャンバ及び前記第2の平衡チャンバが、前記流体マニホールドの一部として提供されている、請求項6に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【請求項9】
水蓄積チャンバを備え、前記水蓄積チャンバが、前記水蓄積チャンバに入っている水が増えた場合に膨張し、かつ前記水蓄積チャンバに入っている水が減った場合に収縮するための、少なくとも1つの水蓄積チャンバ膜又は前記少なくとも1つの共通可撓性膜の水蓄積チャンバエリアを有する、請求項1に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【請求項10】
前記水蓄積チャンバが、前記流体バルブチャンバと選択的に流体連通する、請求項9に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【請求項11】
前記水蓄積チャンバが、前記流体マニホールドの一部として提供されている、請求項9に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【請求項12】
複数の流体入口と流体出口とを有する混合チャンバを備える、請求項1に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【請求項13】
前記混合チャンバが、前記流体バルブチャンバと選択的に流体連通する、請求項12に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【請求項14】
前記混合チャンバが、前記流体マニホールドの一部として提供されている、請求項12に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【請求項15】
(i)前記空気圧マニホールドが第1の空気圧マニホールドであり、当該医療用流体管理アセンブリが、前記流体マニホールドとともに動作する第2の空気圧マニホールドを備えるか、又は(ii)前記流体マニホールドが第1の流体マニホールドであり、当該医療用流体管理アセンブリが、前記空気圧マニホールドとともに動作する第2の流体マニホールドを備える、請求項1に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【請求項16】
前記流体マニホールドが、前記流体ポンプチャンバと選択的に流体連通する
限外ろ過装置を含む、請求項1に記載の医療用流体管理アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
[0001]本願は、2017年10月3日に同時に出願された米国特許出願第15/723,921号及び米国特許出願第15/723,773号に対する優先権を主張するものであり、両者を本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
[0002]本開示は一般的に、流体管理装置、システム、及び方法に関する。より詳細には、本開示は、血液、透析液、置換流体、又は静注薬物送達等、医療用流体送達のための流体管理装置、システム、及び方法に関する。
【0003】
[0003]様々な原因から、人間の腎臓系は機能しなくなる可能性がある。腎不全は、いくつかの生理学的障害を引き起こす。そうなると、水とミネラルとのバランスを取ることも、日々の代謝負荷を抑えることも不可能となる。窒素代謝の有毒な最終生成物(尿素、クレアチニン、尿酸等)が血液及び組織に蓄積し得る。
【0004】
[0004]腎機能障害及び腎機能低下は、透析で治療されている。透析は、正常に機能する腎臓であれば除去できたはずの老廃物、毒素、及び過剰な水を身体から除去する。腎機能の代替となる透析治療は、命を救うことになるため、多くの人々に不可欠である。
【0005】
[0005]腎機能障害療法の一種としては血液透析(「HD」)があり、一般的には、拡散によって、老廃物を患者の身体から除去する。血液と、透析物又は透析液と称する電解質溶液との間の半透過性透析装置で拡散勾配が発生して、拡散を生じさせる。
【0006】
[0006]血液ろ過(「HF」)は、患者の血液からの毒素の対流輸送に依拠した別の腎代替療法である。HFは、治療中に置換又は代替流体(通常は、10~90リットルの流体)を体外回路に追加することによって実現される。置換流体及び治療の間に患者が蓄積した流体は、HF治療中に限外ろ過され、中分子及び大分子の除去において特に有益な対流輸送メカニズムをもたらす(血液透析においては、透析間に得られる流体と併せて微量の老廃物が除去されるが、上記限外ろ過の除去による溶質薬剤では、対流クリアランスの提供に不十分である)。
【0007】
[0007]血液透析ろ過(「HDF」)は、対流クリアランス及び拡散クリアランスを組み合わせた治療様式である。HDFでは、標準的な血液透析と同様に、透析装置を流れる透析液を使用して、拡散クリアランスを提供する。また、置換液が体外回路に直接供給されて、対流クリアランスを提供する。
【0008】
[0008]ほとんどのHD(HF、HDF)治療は、施設で行われる。今日では一部において、毎日実行可能であることから、在宅血液透析(「HHD」)の傾向が存在し、通常は2週間又は3週間に1回行われる施設内血液透析治療に対して治療上有益である。低頻度ながらおそらくは長時間の治療を受ける患者よりも、高頻度の治療の方が多くの毒素及び老廃物を除去可能であることが研究により示されている。高頻度の治療を受ける患者は、治療前に2、3日分の毒素を蓄積する施設内患者ほどのダウンサイクルを経ることがない。特定の地域においては、最も近い透析施設ですら患者の自宅から何マイルも離れていることがあり、ドアツードアの治療時間に一日の大部分を使い切ることになる。HHDは、患者がくつろぐ時間、作業する時間、或いは生産活動をする時間である夜間又は昼間に行うことができる。
【0009】
[0009]別の種類の腎機能障害療法として腹膜透析があるが、これは、カテーテルを介して、透析液とも称する透析溶液を患者の腹膜腔に注入する。透析液は、腹膜腔の腹膜と接触する。老廃物、毒素、及び過剰な水が拡散及び浸透によって、患者の血流から腹膜を通って透析液に至り、すなわち、膜を横切って浸透勾配が発生する。透析における浸透圧性薬剤が浸透勾配をもたらす。使用後又は使用済みの透析液は、患者から排出され、老廃物、毒素、及び過剰な水を患者から除去する。このサイクルは、例えば複数回にわたって繰り返される。
【0010】
[0010]腹膜透析療法には、持続的外来腹膜透析(「CAPD」)、自動腹膜透析(「APD」)、潮汐流透析、及び持続的流動腹膜透析(「CFPD」)等、様々な種類が存在する。CAPDは、手動透析治療である。ここで、患者は、埋め込み型カテーテルをドレインに手動接続して、使用後又は使用済みの透析液の腹膜腔からの排出を可能にする。そして、患者は、カテーテルを未使用透析液バッグに接続して、未使用透析液をカテーテル経由で自身に注入する。患者は、カテーテルを未使用透析液バッグから外し、透析液を腹膜腔内に滞留させて、老廃物、毒素、及び過剰な水を移動させる。滞留期間後、患者は、例えば1日に4回、手動透析手順を繰り返すが、各治療はおよそ1時間にわたる。手動腹膜透析は、患者の膨大な時間及び労力を要するため、改善の余地が十分にある。
【0011】
[0011]自動腹膜透析(「APD」)は、透析治療に排出、充填、及び滞留サイクルを含む点がCAPDと類似する。ただし、APD装置は、通常は患者の睡眠中に、これらのサイクルを自動的に実行する。APD装置によれば、患者は、治療サイクルを手動で実行する必要も、昼間に供給物を輸送する必要もなくなる。APD装置は、埋め込み型カテーテル、未使用透析液供給源若しくはバッグ、並びに流体ドレインと流体接続される。APD装置は、未使用透析液を透析液供給源からカテーテルを通じて患者の腹膜腔へと圧送する。また、APD装置は、透析液の腹膜腔内での滞留並びに老廃物、毒素、及び過剰な水の移動を可能にする。供給源は、複数の滅菌透析溶液バッグを含んでいてもよい。
【0012】
[0012]APD装置は、使用後又は使用済みの透析物を腹膜腔からカテーテルを通じてドレインに圧送する。手動プロセスと同様に、複数の排出、充填、及び滞留サイクルが透析中に発生する。「最終充填」は、APDの最後に発生して、次の治療まで患者の腹膜腔中に残る。
【0013】
[0013]自動化装置を用いた上記様式のいずれかにおいては、安全で信頼性があり、十分に機能し、費用対効果が高く、可能であれば廃棄老廃物を減らすユニットを提供することが望ましい。信頼性及び安全性に関しては、装置が安全限度内で動作する一方、例えば検知パラメータが狭すぎる設定範囲外となることによる一定の警報も中断もなく装置が動作し得るように、安全限度が十分に拡がっていることが望ましい。また、信頼性は、堅牢性によって決まるものであり、例えば、容易に生成され且つ圧力下で持続する作動及び/又はプロセス流体の接続及び封止をもたらす。性能には、治療目標を満たせる可能性と、セットアップ及び制御の容易性等の全体的な実施可能性とを含む。費用対効果及び廃棄老廃物は関連する。多くの場合、装置を用いた治療の支払いには、返済を含む。このような場合は(又は、いずれの場合も)、廃棄物の量の低減及び/又は廃棄物の再利用化によって、廃棄老廃物のコストを低減するのが望ましい。
【0014】
[0014]したがって、上記測定基準のうちの少なくとも一部を改善する自動化医療用流体装置が必要である。例えば、医療用流体装置のより単純化、モジュール式のより高度化、製造のより低廉化、例えば自宅での組み立て若しくは分解のより容易化、並びに/又は保守のより容易化を図るのが望ましいと考えられる。医療用流体装置の構成要素をモジュール化することにより、例えば、将来世代の装置及び関連する製品において、部品及びサブアセンブリを使用可能となる。
【発明の概要】
【0015】
[0015]本明細書に記載の例は、例えばプラズマフェレーシス、血液透析(「HD」)、血液ろ過(「HF」)、血液透析ろ過(「HDF」)、持続的腎代替療法(「CRRT」)、アフェレーシス、自己血輸血、敗血症の場合の血液ろ過、及び模型人工肺(「ECMO」)治療のための流体送達に適用可能な自動化システム及び方法を開示する。また、本明細書に記載のシステム及び方法は、腹膜透析(「PD」)及び静注薬物送達に適用可能であってもよい。これらの様式は、総合的又は大略個別に、医療用流体送達と称する場合がある。
【0016】
[0016]さらに、本明細書に記載のアセンブリ、装置、及び方法はそれぞれ、臨床用途又は在宅用途で使用されるようになっていてもよい。例えば、アセンブリは、一日中動作する施設内HD、HF、又はHDF装置において採用されていてもよい。或いは、アセンブリは、患者の都合で動作する自宅用HD、HF、又はHDF装置と併用されるようになっていてもよい。本開示に従って改良可能な自宅用システムとして、2004年11月4日に出願され、2011年10月4日に発行されて本願の譲受人に付与された米国特許第8,029,454号(454特許)「High Convection Home Hemodialysis/Hemofiltration And Sorbent System」に記載されたものがあり、そのすべての内容を本明細書に援用してこれに依拠する。
【0017】
[0017]本開示においては、モジュール式流体管理アセンブリ、装置、及び方法が提供される。一実施形態において、モジュール式流体アセンブリは、空気圧で動作する。アセンブリは、3つの主要な構成要素すなわちポンプ・バルブコンポーネント(本明細書においては、ポンプ・バルブエンジンと称する場合がある)、空気圧マニホールド、及び流体(例えば、血液、透析液、液体濃縮物、及び/又は水)マニホールドを採用していてもよい。一実施形態において、ポンプ・バルブコンポーネント又はエンジンは、流体及び空気の両者と接触する。一実施形態において、空気圧マニホールドは、空気のみと接触し、流体の漏洩を想定していない。一実施形態において、流体マニホールドは、流体のみと接触し、空気の混入及び漏洩を想定していない。
【0018】
[0018]一実施形態において、ポンプ・バルブエンジンは、可撓性膜(可撓性膜、シート、若しくはダイアフラムのいずれかを表す)又は1つ若しくは複数の剛性構造に対して封止された複数の可撓性膜により分離された空気側及び流体側を含む。空気圧マニホールドは、ポンプ・バルブエンジンの空気側に位置付けられる(例えば、結合される)一方、流体マニホールドは、マニホールドの流体側に位置付けられる(例えば、結合される)。一実施形態において、エンジンの空気側は、空気圧マニホールドにより画定された各ポンプ・バルブ凹部と封止連通するように延びたポンプ・バルブポートを画定する。一実施形態において、エンジンの流体側は、空気圧マニホールドにより画定された各ポンプ・バルブ凹部と封止連通するように延びたポンプ・バルブポートを画定する。ポンプ・バルブエンジンのポート及び凹部並びに空気マニホールド及び/若しくは流体マニホールドの一方若しくは両方が代替として逆転していてもよい。
【0019】
[0019]一実施形態において、空気圧マニホールドは、金属又はプラスチック等の加工又は成形材料で構成され、再利用可能であるが、一般的には使い捨てである。加工空気圧マニホールドは、例えば圧縮可能ガスケットによって一体的に封止された複数の加工プレートを含んでいてもよい。プレートのうちの1つ又は複数は、正負の空気圧をポンプ・バルブエンジンの所望の様々な場所に送る(又は、大気放出する)のに必要な空気圧管類の量を大幅に減らす加工空気圧通路を有していてもよい。空気圧マニホールドが再利用不可能であり、多くの狭隘な加工空気圧通路を含む可能性があることから、流体が空気圧マニホールドへと漏れないようにすることが重要である。このため、ポンプ・バルブエンジンにおいては、複数の可撓性膜が同時に用いられていてもよい。付加的な(1つ又は複数の)可撓性膜は、流体漏洩に対して冗長性をもたらすため、透析液又は水等の流体が空気圧マニホールドに進入する機会を大幅に減らす。
【0020】
[0020]ポンプ・バルブエンジン及び流体マニホールドは、透析液及び/又は水等のプロセス流体に触れるため、使い捨てである。使い捨てとは、1回だけの使用を意味する場合もあるし、各使用間に実行される殺菌処置を伴う複数回の使用を含む場合もある。エンジン及び流体マニホールドは、使い捨てであるため、生体適合性の剛性プラスチック又は他の相対的に安価で液密な材料により構成されることが多く、例えば射出成形等の大量生産法により製造される。前述の通り、ポンプ・バルブエンジンは、圧送及び弁調節機能を実行する1つ又は複数の可撓性膜を有することになる。この1つ又は複数の可撓性膜は、シリコーン又はポリ塩化ビニル(「PVC」)等の可撓性ゴム又はプラスチックで構成されていてもよい。この1つ又は複数の可撓性膜は、ポンプ・バルブエンジンの剛性部に対して、溶剤結合、無線周波数溶接、熱封止、及び/又は機械的締結がなされていてもよい。
【0021】
[0021]ポンプ・バルブエンジンは、平衡チャンバ、水蓄積チャンバ、1つ若しくは複数の混合チャンバ、並びに/又は空気トラップと称する場合もある水若しくは透析液脱気チャンバ等の付加的な流体貯蔵容器を提供していてもよい。平衡チャンバ、水蓄積チャンバ、混合チャンバ、並びに水若しくは透析液脱気チャンバはそれぞれ、空気圧マニホールドに接続されず、その代わりに、流体マニホールドに対する1つ又は複数の接続を含む点において、ポンプ及びバルブとは異なる。平衡チャンバは、血液回路(例えば、透析装置)に対する未使用及び使用後の透析液の流れを平衡させる。未使用及び使用後の流体が血液回路に対して比較的一定に流れるように、2つの平衡チャンバが設けられていてもよい。水蓄積器は、需要が一時的に増加した場合に、一定量の浄化水を貯蔵する。平衡チャンバ及び水蓄積器はそれぞれ、可撓性膜を採用していてもよい。混合チャンバは、水と液体酸濃縮物等の濃縮物とを混合するか、又は、水と酸濃縮物を含む粉末重炭酸塩濃縮物等の濃縮物とを混合する。脱気チャンバは、当該チャンバを流れる水又は透析液から空気を除去及び収集するように成形されている。
【0022】
[0022]一実施形態において、剛性(例えば、プラスチック)の流体マニホールドは、可撓性膜を必要としない。流体マニホールドは、入口及び出口ポートにつながる流体経路(例えば、剛性流体経路)を画定する。また、流体マニホールドは、流体管類を可能な限り無くすことを目標に、限外ろ過装置等の流体コンポーネントを封止的且つ取り外し可能に受け入れるようにしてもよい。流体管類は、(i)浄化水入口、(ii)液体濃縮物入口、(iii)体外回路(例えば、透析装置)への未使用透析液入口、(iv)体外回路(例えば、透析装置)からの使用後透析液出口、(v)透析液保持タンクへの未使用透析液入口、(vi)透析液保持タンクからの未使用透析液出口、及び(vii)流体マニホールドに対して別個に代替可能な別個の排出流体マニホールドに接続可能な排出ライン用の管類へと下方最適化され得ると考えられる。
【0023】
[0023]一実施形態において、流体マニホールドは、血液、浄化水、液体濃縮物、及び透析液等の複数の関与するプロセス流体それぞれの単一の流体マニホールドである。代替実施形態においては、別個の流体に対して別個の流体マニホールド(例えば、血液用、浄化水用、液体濃縮物用の別のマニホールド、及び透析液用の第4のマニホールド)が設けられていてもよい。このように、別個の流体マニホールドは、必要に応じて個別に交換されるようになっていてもよい。例えば、透析液マニホールドは、浄化水マニホールド又は液体濃縮物よりも高頻度に交換される。
【0024】
[0024]一実施形態において、ポンプ・バルブエンジンは、血液、浄化水、液体濃縮物、及び透析液等の複数の関与するプロセス流体それぞれの単一のポンプ・バルブエンジンである。代替実施形態においては、別個の流体に対して別個のポンプ・バルブエンジン(例えば、血液用、浄化水用、液体濃縮物用の別のエンジン、及び透析液用の第4のエンジン)が設けられていてもよい。このように、別個のポンプ・バルブエンジンは、必要に応じて個別に交換されるようになっていてもよい。例えば、ポンプ及びバルブチャンバが最も多いポンプ・バルブエンジンは、ポンプ及びバルブチャンバが少ないポンプ・バルブエンジンよりも高頻度に交換される。
【0025】
[0025]一実施形態において、空気圧マニホールドは、血液、浄化水、液体濃縮物、及び透析液等の複数の関与するプロセス流体それぞれの単一の空気圧マニホールドである。単一の空気圧マニホールドが単一の流体マニホールド及び/又は単一のポンプ・バルブエンジンと併用されるようになっていてもよい。或いは、単一の空気圧マニホールドが複数の流体マニホールド及び/又は複数のポンプ・バルブエンジンと併用されるようになっていてもよい。代替実施形態においては、別個の流体に対して別個の空気圧マニホールド(例えば、血液用、浄化水用、液体濃縮物用の別のマニホールド、及び透析液用の第4のマニホールド)が設けられていてもよい。一実施形態において、別個の空気圧マニホールドは、別個の流体マニホールド及び別個のポンプ・バルブエンジンと併用される。ここで、別個のモジュール式アセンブリ(それぞれ、空気圧マニホールド、ポンプ・バルブエンジン、及び流体マニホールドを具備する)は、医療用流体又は透析装置全体の異なる便利な部分に位置付けられていてもよい。
【0026】
[0026]別の代替実施形態においては、単一のモジュール式アセンブリが、複数の流体マニホールド、複数のポンプ・バルブエンジン、及び複数の空気圧マニホールドを具備していてもよい。例えば、2つの流体マニホールドが互いに隣接していてもよい。そして、モジュール式アセンブリの外側に2つの空気圧マニホールドが位置付けられ、内側の流体マニホールドと外側の空気圧マニホールドとの間に2つのポンプ・バルブアセンブリが挟まれていてもよい。別の実施態様においては、2つの空気圧マニホールドが互いに隣接していてもよい。そして、モジュール式アセンブリの外側に2つの流体マニホールドが位置付けられ、内側の空気圧マニホールドと外側の流体マニホールドとの間に2つのポンプ・バルブアセンブリが挟まれていてもよい。
【0027】
[0027]本明細書に開示のモジュール式アセンブリは、異なる流体を一度で圧送するのに用いられるようになっていてもよい。上記の例としては、透析液(未使用及び使用後)、水、及び液体濃縮物が挙げられる。別の例において、モジュール式アセンブリは、代替又は追加として血液を圧送するようにしてもよい。一実施態様においては、ポンプ・バルブエンジン及び血液マニホールド構造の両者を有する血液セットが空気圧マニホールドの片側に封止される。マニホールドの当該側は、対応する装置の前面に位置付けられていてもよく、患者又はユーザは、血液セットを装置の前部に対して取り外し可能に、空気圧マニホールドと封止係合するように位置決め可能である。血液セットは、解除可能なばねクランプによって、装置の前部の適所に保持されるようになっていてもよい。
【0028】
[0028]本開示のモジュール式アセンブリは、ボルト、クランプ、又はこれらの組み合わせによって、封止的且つ解除可能に一体締結及び保持されていてもよい。ポンプ・バルブエンジン及び流体マニホールドの剛性部は、皿座繰りでボルトの頭部を受容するとともに、ボルトの雄ねじ端を受容して亀裂を防止する雌ねじを提供するため、金属挿入物を有していてもよい。加工金属空気圧マニホールドは、ボルトの頭部を皿穴に埋める凹部及び/又はボルトの雄ねじ端を受容する雌ねじを有していてもよい。ポンプ・バルブエンジンの流体及び空気圧通路、ポンプチャンバ、バルブチャンバ、並びに他の構成要素は、ボルトと交差しないように位置付け及び取り回しがなされる。外部クランプは、アセンブリとともに移動するクランプ及び/又は装置の筐体の一部を使用して圧縮締め力を与えるクランプであってもよい。
【0029】
[0029]以下に詳しく論じる通り、代替実施形態において、ポンプ・バルブエンジンは、本明細書に記載の実施態様のいずれかから部分的又は完全に除去される。
【0030】
[0030]本明細書の開示に照らして、本開示を何ら制限することなく、別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第1の態様において、医療用流体管理アセンブリは、(i)複数の空気圧通路及び複数の空気圧コネクタを含む空気圧マニホールドと、(ii)複数のバルブチャンバ及び少なくとも1つのポンプチャンバを含むポンプ・バルブエンジンであり、空気圧マニホールドの空気圧コネクタと封止的及び解除可能に係合した複数の空気圧コネクタを含み、複数の流体コネクタをさらに含む、ポンプ・バルブエンジンと、(iii)複数の流体経路、及びポンプ・バルブエンジンの流体コネクタと封止的及び解除可能に係合した複数の流体コネクタを含む流体マニホールドと、を備える。
【0031】
[0031]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第2の態様において、空気圧マニホールドは、少なくとも1つの空気圧供給源との接続用の少なくとも1つの空気圧供給源コネクタをさらに含む。
【0032】
[0032]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第3の態様において、流体マニホールドは、流体管類への接続用の少なくとも1つの入口/出口コネクタを含む。
【0033】
[0033]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第4の態様において、ポンプ・バルブエンジンの複数の空気圧コネクタは、空気圧マニホールドの、凹部を含む複数の空気圧コネクタと係合するポートである。
【0034】
[0034]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第4の態様と組み合わせ可能な本開示の第5の態様において、空気圧マニホールドは、凹部の周囲又は内部に延びてポンプ・バルブエンジンのポートを封止するOリングシールを提供する。
【0035】
[0035]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第6の態様において、ポンプ・バルブエンジンの複数の流体コネクタは、流体マニホールドの、凹部を含む複数の流体コネクタと係合するポートである。
【0036】
[0036]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第6の態様と組み合わせ可能な本開示の第7の態様において、流体マニホールドは、凹部の周囲又は内部に延びてポンプ・バルブエンジンのポートを封止するOリングシールを提供する。
【0037】
[0037]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第8の態様において、空気圧マニホールドは、一体的に係合した複数のプレートを含み、プレートのうちの少なくとも1つが、空気圧通路を形成する溝を画定する。
【0038】
[0038]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第9の態様において、ポンプ・バルブエンジンは、少なくとも1つの可撓性膜により少なくとも部分的に分離された第1の剛性プレート及び第2の剛性プレートを含む。
【0039】
[0039]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第9の態様と組み合わせ可能な本開示の第10の態様において、第1の剛性プレート及び第2の剛性プレートは、少なくとも1つの可撓性膜によって、ポンプチャンバ及びバルブチャンバを画定するエリアで分離される。
【0040】
[0040]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第10の態様と組み合わせ可能な本開示の第11の態様において、第1の剛性プレート及び第2の剛性プレートは、平衡チャンバ、水蓄積チャンバ、混合チャンバ、水脱気チャンバ、及び透析液脱気チャンバのうちの少なくとも1つをさらに画定する。
【0041】
[0041]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第12の態様において、流体マニホールドは、複数の流体経路を形成する少なくとも1つの剛性プレートを含む。
【0042】
[0042]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第13の態様において、流体マニホールドは、一体的に封止されて複数の流体経路を形成する複数の剛性プレートを含む。
【0043】
[0043]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第14の態様において、医療用流体管理アセンブリは、ポンプ・バルブエンジンの空気圧コネクタと封止的及び解除可能に係合した複数の空気圧コネクタをそれぞれ含む複数の空気圧マニホールドを具備する。
【0044】
[0044]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第15の態様において、医療用流体管理アセンブリは、ポンプ・バルブエンジンの流体コネクタと封止的及び解除可能に係合した複数の流体コネクタをそれぞれ含む複数の流体マニホールドを具備する。
【0045】
[0045]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第16の態様において、医療用流体管理アセンブリは、空気圧マニホールドの空気圧コネクタと封止的及び解除可能に係合した複数の空気圧コネクタをそれぞれ含む複数のポンプ・バルブエンジンを具備する。
【0046】
[0046]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第17の態様において、医療用流体管理アセンブリは、流体マニホールドの流体コネクタと封止的及び解除可能に係合した複数の流体コネクタをそれぞれ含む複数のポンプ・バルブエンジンを具備する。
【0047】
[0047]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第18の態様において、空気圧マニホールドは、第1の空気圧マニホールドであり、ポンプ・バルブエンジンは、第1のポンプ・バルブエンジンであって、複数の空気圧コネクタを含む第2の空気圧マニホールドと、複数の流体コネクタ、及び第2の空気圧マニホールドの空気圧コネクタと係合した複数の空気圧コネクタを含む第2のポンプ・バルブエンジンと、を具備する。
【0048】
[0048]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第18の態様と組み合わせ可能な本開示の第19の態様において、第2のポンプ・バルブエンジンの流体コネクタは、流体マニホールドの流体コネクタと係合している。
【0049】
[0049]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第18の態様と組み合わせ可能な本開示の第20の態様において、流体マニホールドは、第1の流体マニホールドであって、複数の流体コネクタを含む第2の流体マニホールドを具備しており、第2のポンプ・バルブエンジンの流体コネクタが、第2の流体マニホールドの流体コネクタと係合している。
【0050】
[0050]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第21の態様において、流体マニホールドは、第1の流体マニホールドであり、ポンプ・バルブエンジンは、第1のポンプ・バルブエンジンであって、複数の流体コネクタを含む第2の流体マニホールドと、複数の空気圧コネクタ、及び第2の流体マニホールドの流体コネクタと係合した複数の流体コネクタを含む第2のポンプ・バルブエンジンと、を具備する。
【0051】
[0051]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第21の態様と組み合わせ可能な本開示の第22の態様において、ポンプ・バルブエンジンの空気圧コネクタは、空気圧プレートの空気圧コネクタと係合している。
【0052】
[0052]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第23の態様において、医療用流体管理アセンブリは、空気圧プレートに取り付けられた少なくとも1つの空気圧バルブを具備する。
【0053】
[0053]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第24の態様において、医療用流体管理アセンブリは、空気圧プレートに対して取り外し可能に取り付けられた流体圧送カセットを具備する。
【0054】
[0054]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第25の態様において、医療用流体装置は、(i)空気圧供給源と、(ii)浄化水ラインと、(iii)液体濃縮物ラインと、(iv)体外回路導入未使用透析液ラインと、(v)体外回路導出使用後透析液ラインと、(vi)排出ラインと、(vii)(a)空気圧供給源と空気圧連通し、複数の空気圧通路及び複数の空気圧コネクタを含む空気圧マニホールドと、(b)複数のバルブチャンバ及び少なくとも1つのポンプチャンバを含むポンプ・バルブエンジンであり、空気圧マニホールドの空気圧コネクタと封止的及び解除可能に係合した複数の空気圧コネクタを含み、複数の流体コネクタをさらに含む、ポンプ・バルブエンジンと、(c)複数の流体経路、及びポンプ・バルブエンジンの流体コネクタと封止的及び解除可能に係合した複数の流体コネクタを含む流体マニホールドであり、浄化水ライン、液体濃縮物ライン、体外回路導入未使用透析液ライン、体外回路導出使用後透析液ライン、及び排出ラインのうちの少なくとも1つと流体連通した、流体マニホールドと、を具備する医療用流体管理アセンブリと、を備える。
【0055】
[0055]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第25の態様と組み合わせ可能な本開示の第26の態様において、体外回路導出使用後透析液ラインは、透析装置導出ラインであり、任意選択的に、体外回路導入未使用透析液ラインは、透析装置導入ラインである。
【0056】
[0056]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第25の態様と組み合わせ可能な本開示の第27の態様において、流体マニホールドは、浄化水ライン、液体濃縮物ライン、体外回路導入未使用透析液ライン、体外回路導出使用後透析液ライン、及び排出ラインそれぞれと流体連通する。
【0057】
[0057]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第25の態様と組み合わせ可能な本開示の第28の態様において、医療用流体装置は、複数の流体マニホールドを具備し、浄化水ライン、液体濃縮物ライン、体外回路導入未使用透析液ライン、体外回路導出使用後透析液ライン、及び排出ラインがそれぞれ、複数の流体マニホールドのうちの1つと流体連通している。
【0058】
[0058]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第28の態様と組み合わせ可能な本開示の第29の態様において、流体マニホールドそれぞれの流体コネクタは、ポンプ・バルブエンジンの流体コネクタと係合している。
【0059】
[0059]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第28の態様と組み合わせ可能な本開示の第30の態様において、医療用流体装置は、複数の空気圧コネクタ及び複数の流体コネクタをそれぞれ有する複数のポンプ・バルブエンジンを具備しており、流体マニホールドそれぞれの流体コネクタが、ポンプ・バルブエンジンのうちの1つの流体コネクタと係合している。
【0060】
[0060]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第30の態様と組み合わせ可能な本開示の第31の態様において、ポンプ・バルブエンジンそれぞれの空気圧コネクタは、空気圧マニホールドの空気圧コネクタと係合している。
【0061】
[0061]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第30の態様と組み合わせ可能な本開示の第32の態様において、医療用流体装置は、複数の空気圧コネクタをそれぞれ有する複数の空気圧マニホールドを具備しており、ポンプ・バルブエンジンそれぞれの空気圧コネクタが、空気圧マニホールドのうちの1つの空気圧コネクタと係合している。
【0062】
[0062]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第33の態様において、医療用流体装置は、(i)当該医療用流体装置の第1の部分に位置付けられた第1の医療用流体管理アセンブリであり、(a)複数の空気圧通路及び複数の空気圧コネクタを含む第1の空気圧マニホールドと、(b)複数のバルブチャンバ及び少なくとも1つのポンプチャンバを含む第1のポンプ・バルブエンジンであり、第1の空気圧マニホールドの空気圧コネクタと封止的及び解除可能に係合した複数の空気圧コネクタを含み、複数の流体コネクタをさらに含む、第1のポンプ・バルブエンジンと、(c)複数の流体経路、及び第1のポンプ・バルブエンジンの流体コネクタと封止的及び解除可能に係合した複数の流体コネクタを含む第1の流体マニホールドと、を備えた、第1の医療用流体管理アセンブリと、(ii)当該医療用流体装置の第2の部分に位置付けられた第2の医療用流体管理アセンブリであり、(a)複数の空気圧通路及び複数の空気圧コネクタを含む第2の空気圧マニホールドと、(b)複数のバルブチャンバ及び少なくとも1つのポンプチャンバを含む第2のポンプ・バルブエンジンであり、第2の空気圧マニホールドの空気圧コネクタと封止的及び解除可能に係合した複数の空気圧コネクタを含み、複数の流体コネクタをさらに含む、第2のポンプ・バルブエンジンと、(c)複数の流体経路、及び第2のポンプ・バルブエンジンの流体コネクタと封止的及び解除可能に係合した複数の流体コネクタを含む第2の流体マニホールドと、を備えた、第2の医療用流体管理アセンブリと、を備える。
【0063】
[0063]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第34の態様において、医療用流体管理アセンブリは、(i)一体的に封止されて複数の空気圧通路を形成する複数のプレートを備え、プレートのうちの少なくとも1つにより空気圧バルブチャンバ及び空気圧ポンプチャンバが形成され、空気圧バルブチャンバが空気圧通路のうちの少なくとも1つと空気圧連通し、空気圧ポンプチャンバが空気圧通路のうちの少なくとも1つと空気圧連通し、(ii)複数の流体経路を含む流体マニホールドを備え、流体マニホールドにより流体バルブチャンバ及び流体ポンプチャンバが形成され、流体バルブチャンバが流体ポンプチャンバ及び流体経路のうちの少なくとも1つと選択的に流体連通し、(a)空気圧バルブチャンバと流体バルブチャンバが少なくとも1つの可撓性バルブチャンバ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜のバルブチャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合し、(b)空気圧ポンプチャンバと流体ポンプチャンバが、少なくとも1つの可撓性ポンプ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜のポンプチャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合し、(iii)(a)空気圧バルブチャンバが、対応する少なくとも1つの可撓性膜又は少なくとも1つの可撓性膜エリアに圧力をかけるのを助けるように少なくとも1つのプレートから拡張すること、(b)空気圧ポンプチャンバが、対応する少なくとも1つの可撓性膜又は少なくとも1つの可撓性膜エリアに圧力をかけるのを助けるように少なくとも1つのプレートから拡張すること、(c)流体バルブチャンバが、対応する少なくとも1つの可撓性膜又は少なくとも1つの可撓性膜エリアに圧力をかけるのを助けるようにマニホールドから拡張すること、及び(d)流体ポンプチャンバが、対応する少なくとも1つの可撓性膜又は少なくとも1つの可撓性膜エリアに圧力をかけるのを助けるように流体マニホールドから拡張すること、のうちの少なくとも1つを行う。
【0064】
[0064]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第34の態様と組み合わせ可能な本開示の第35の態様において、複数の空気圧通路は、プレートのうちの少なくとも1つに形成され、プレート間に圧縮されたガスケットによって封止される。
【0065】
[0065]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第34の態様と組み合わせ可能な本開示の第36の態様において、流体マニホールドは、複数の流体プレートを含み、流体プレートのうちの少なくとも1つが複数の流体経路を形成しており、流体プレートが、一体的に封止されて流体経路を封止する。
【0066】
[0066]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第34の態様と組み合わせ可能な本開示の第37の態様において、医療用流体管理アセンブリは、空気圧マニホールドに固定され、空気圧通路のうちの少なくとも1つと選択的に空気圧連通した少なくとも1つの電気的作動空気圧ソレノイドバルブを具備する。
【0067】
[0067]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第34の態様と組み合わせ可能な本開示の第38の態様において、医療用流体管理アセンブリは、流体マニホールドにより保持された導電性インサートを有する少なくとも1つの導電率センサを具備し、インサートが流体経路のうちの1つに沿って配置され、導電率センサが空気圧マニホールドにより保持された導電性導電率プローブをさらに有し、導電率プローブが導電性インサートと係合している。
【0068】
[0068]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第34の態様と組み合わせ可能な本開示の第39の態様において、空気圧バルブチャンバ及び流体バルブチャンバは、第1の空気圧バルブチャンバ及び流体バルブチャンバであり、第2の空気圧バルブチャンバ及び第2の流体バルブチャンバを具備し、第2の流体バルブチャンバが第1の平衡チャンバと選択的に流体連通し、第1の平衡チャンバが少なくとも1つの平衡チャンバ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜の平衡チャンバエリアにより第2の平衡チャンバから分離されている。
【0069】
[0069]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第39の態様と組み合わせ可能な本開示の第40の態様において、第1の流体バルブチャンバは、第2の流体バルブチャンバと選択的に流体連通している。
【0070】
[0070]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第39の態様と組み合わせ可能な本開示の第41の態様において、第1の平衡チャンバ及び第2の平衡チャンバは、流体マニホールドの一部として提供される。
【0071】
[0071]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第34の態様と組み合わせ可能な本開示の第42の態様において、医療用流体管理アセンブリは、水蓄積チャンバを備え、水蓄積チャンバが、チャンバ内の水が増えた場合に膨張し、かつチャンバ内の水が減った場合に収縮するための、少なくとも1つの水蓄積チャンバ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜の水蓄積チャンバエリアを有する。
【0072】
[0072]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第42の態様と組み合わせ可能な本開示の第43の態様において、水蓄積チャンバは、流体バルブチャンバと選択的に流体連通している。
【0073】
[0073]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第42の態様と組み合わせ可能な本開示の第44の態様において、水蓄積チャンバは、流体マニホールドの一部として提供される。
【0074】
[0074]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第34の態様と組み合わせ可能な本開示の第45の態様において、医療用流体管理アセンブリは、複数の流体入口と流体出口とを有する混合チャンバを具備する。
【0075】
[0075]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第45の態様と組み合わせ可能な本開示の第46の態様において、混合チャンバは、流体バルブチャンバと選択的に流体連通している。
【0076】
[0076]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第45の態様と組み合わせ可能な本開示の第47の態様において、混合チャンバは、流体マニホールドの一部として提供される。
【0077】
[0077]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第34の態様と組み合わせ可能な本開示の第48の態様においては、(i)空気圧マニホールドが第1の空気圧マニホールドであり、流体マニホールドとともに動作する第2の空気圧マニホールドを含むことと、(ii)流体マニホールドが第1の流体マニホールドであり、空気圧マニホールドとともに動作する第2の流体マニホールドを含むことと、の一方である。
【0078】
[0078]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第34の態様と組み合わせ可能な本開示の第49の態様において、流体マニホールドは、流体ポンプチャンバと選択的に流体連通する浄化フィルタを具備する。
【0079】
[0079]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第50の態様において、医療用流体管理アセンブリは、(i)一体的に封止されて複数の空気圧通路を形成する複数のプレートを含む空気圧マニホールドを備え、プレートのうちの少なくとも1つにより第1の空気圧バルブチャンバ、第2の空気圧バルブチャンバ、及び空気圧ポンプチャンバが形成され、第1の空気圧バルブチャンバが空気圧通路のうちの少なくとも1つと空気圧連通し、第2の空気圧バルブチャンバが空気圧通路のうちの少なくとも1つと空気圧連通し、空気圧ポンプチャンバが空気圧通路のうちの少なくとも1つと空気圧連通し、(ii)複数の流体経路を含む流体マニホールドを備え、流体マニホールドにより第1の流体バルブチャンバ、第2の流体バルブチャンバ、流体ポンプチャンバ、第1の平衡チャンバ、及び第2の平衡チャンバが形成され、第1の流体バルブチャンバが流体ポンプチャンバ及び流体経路のうちの少なくとも1つと選択的に流体連通し、第2の流体バルブチャンバが第1の平衡チャンバ及び流体経路のうちの少なくとも1つと選択的に流体連通し、(a)第1の空気圧バルブチャンバと第1の流体バルブチャンバが、少なくとも1つの第1の可撓性バルブチャンバ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜の第1のバルブチャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合し、(b)第2の空気圧バルブチャンバと第2の流体バルブチャンバが、少なくとも1つの第2の可撓性バルブチャンバ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜の第2のバルブチャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合し、(c)空気圧ポンプチャンバと流体ポンプチャンバが、少なくとも1つの可撓性ポンプ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜のポンプチャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合し、(d)第1の平衡チャンバと第2の平衡チャンバが、少なくとも1つの平衡チャンバ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜の平衡チャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合する。
【0080】
[0080]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第50の態様と組み合わせ可能な本開示の第51の態様において、医療用流体管理アセンブリは、少なくとも1つの第3の可撓性バルブチャンバ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜の第3のバルブチャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合する、第3の空気圧バルブチャンバ及び第3の流体バルブチャンバを含み、第3の流体バルブチャンバが第2の平衡チャンバと選択的に流体連通している。
【0081】
[0081]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第51の態様と組み合わせ可能な本開示の第52の態様において、第1の流体バルブチャンバは、(i)第2の流体バルブチャンバ及び(ii)第3の流体バルブチャンバと選択的に流体連通している。
【0082】
[0082]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第51の態様と組み合わせ可能な本開示の第53の態様において、請求項51の医療用流体管理アセンブリは、(i)少なくとも1つの第4の可撓性バルブチャンバ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜の第4のバルブチャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合する、第4の空気圧バルブチャンバ及び第4の流体バルブチャンバであり、第4の流体バルブチャンバが第1の平衡チャンバと選択的に流体連通する、第4の空気圧バルブチャンバ及び第4の流体バルブチャンバと、(ii)少なくとも1つの第5の可撓性バルブチャンバ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜の第5のバルブチャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合する、第5の空気圧バルブチャンバ及び第5の流体バルブチャンバであり、第5の流体バルブチャンバが第2の平衡チャンバと選択的に流体連通する、第5の空気圧バルブチャンバ及び第5の流体バルブチャンバと、を含む。
【0083】
[0083]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様と組み合わせ可能な本開示の第54の態様において、医療用流体システムは、第1の医療用流体管理アセンブリ及び第2の医療用流体管理アセンブリを備え、(i)第1の医療用流体管理アセンブリが、(a)一体的に封止されて複数の空気圧通路を形成する複数のプレートを含む第1の空気圧マニホールドを備え、プレートのうちの少なくとも1つにより空気圧バルブチャンバ及び空気圧ポンプチャンバが形成され、空気圧バルブチャンバが空気圧通路のうちの少なくとも1つと空気圧連通し、空気圧ポンプチャンバが空気圧通路のうちの少なくとも1つと空気圧連通し、(b)複数の流体経路を含む第1の流体マニホールドを備え、第1の流体マニホールドにより流体バルブチャンバ及び流体ポンプチャンバが形成され、流体バルブチャンバが流体ポンプチャンバ及び流体経路のうちの少なくとも1つと選択的に流体連通し、(c)空気圧バルブチャンバと流体バルブチャンバが、少なくとも1つの可撓性バルブチャンバ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜のバルブチャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合し、(d)空気圧ポンプチャンバと流体ポンプチャンバが、少なくとも1つの可撓性ポンプ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜のポンプチャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合し、(ii)第2の医療用流体管理アセンブリが、(a)一体的に封止されて複数の空気圧通路を形成する複数のプレートを含む第2の空気圧マニホールドを備え、プレートのうちの少なくとも1つにより空気圧バルブチャンバ及び空気圧ポンプチャンバが形成され、空気圧バルブチャンバが空気圧通路のうちの少なくとも1つと空気圧連通し、空気圧ポンプチャンバが空気圧通路のうちの少なくとも1つと空気圧連通し、(b)複数の流体経路を含む第2の流体マニホールドを備え、第2の流体マニホールドにより流体バルブチャンバ及び流体ポンプチャンバが形成され、流体バルブチャンバが流体ポンプチャンバ及び流体経路のうちの少なくとも1つと選択的に流体連通し、(c)空気圧バルブチャンバと流体バルブチャンバが、少なくとも1つの可撓性バルブチャンバ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜のバルブチャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合し、(d)空気圧ポンプチャンバと流体ポンプチャンバが、少なくとも1つの可撓性ポンプ膜又は少なくとも1つの共通可撓性膜のポンプチャンバエリアに圧力をかけるべく一体的に係合する。
【0084】
[0084]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第54の態様と組み合わせ可能な本開示の第55の態様において、第1の流体マニホールドは、浄化水を輸送するように配置及び構成された浄化水マニホールドであり、第2の流体マニホールドは、透析液を輸送するように配置及び構成された透析液マニホールドである。
【0085】
[0085]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第55の態様と組み合わせ可能な本開示の第56の態様において、浄化水マニホールドは、濃縮物供給源に隣り合って配置される一方、透析液マニホールドは、透析液加熱器に隣り合って配置される。
【0086】
[0086]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第54の態様と組み合わせ可能な本開示の第57の態様において、第1の流体マニホールドは、透析液を輸送するように配置及び構成された透析液マニホールドであり、第2の流体マニホールドは、血液を輸送するように配置及び構成された血液マニホールドである。
【0087】
[0087]別段の指定のない限り本明細書に掲載のその他任意の態様との組み合わせで第57の態様と組み合わせ可能な本開示の第58の態様において、血液マニホールドは、透析装置に隣り合って配置される。
【0088】
[0088]本開示の第59の態様においては、
図1~
図19Bに関して開示される構造及び機能のいずれかが、
図1~
図19Bに関して開示されるその他の構造及び機能のいずれかと組み合わされるようになっていてもよい。
【0089】
[0089]本開示及び上記態様に照らして、本開示の利点は、改良された医療用流体管理アセンブリ、装置、及び方法を提供することである。
【0090】
[0090]本開示の別の利点は、モジュール式でスケーラブルな医療用流体管理アセンブリを提供することである。
【0091】
[0091]本開示の別の利点は、構成要素の数が少ない医療用流体管理アセンブリを提供することである。
【0092】
[0092]本開示のさらに別の利点は、使用、保守、組み立て、及び試験が比較的容易な医療用流体管理アセンブリを提供することである。
【0093】
[0093]本開示の別の利点は、堅牢で、装置筐体の必要なく自立可能な医療用流体管理アセンブリを提供することである。
【0094】
[0094]本開示のさらに別の利点は、空気圧及び流体取り回しに関して柔軟な医療用流体管理アセンブリを提供することである。
【0095】
[0095]本明細書に記載の利点は、本明細書に開示の実施形態のうちの1つ又は一部において見られるが、おそらくすべてには見られない。本明細書においては、付加的な特徴及び利点を説明するが、これらは、以下の詳細な説明及び図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【
図1】本開示のモジュール式流体管理システム及び方法のいずれかを採用した腎不全療法の一実施形態の模式図である。
【
図2】本開示の血液セットの一実施形態の斜視図である。
【
図3】本開示の医療用流体管理アセンブリの一実施形態の空気圧作動水、透析液、液体濃縮物、血液、又は他の医療用流体ポンプの側面断面図である。
【
図4】本開示の医療用流体管理アセンブリの別の実施形態の空気圧作動水、透析液、液体濃縮物、血液、又は他の医療用流体ポンプの側面断面図である。
【
図5】本開示の医療用流体管理アセンブリの別の実施形態の空気圧作動水、透析液、液体濃縮物、血液、又は他の医療用流体ポンプの側面断面図である。
【
図6】本開示の医療用流体管理アセンブリのいずれかの平衡チャンバの一実施形態の側面断面図である。
【
図7】本開示の医療用流体管理アセンブリのいずれかの平衡チャンバの別の実施形態の側面断面図である。
【
図8】本開示の医療用流体管理アセンブリのいずれかの水蓄積器の一実施形態の側面断面図である。
【
図9】本開示の医療用流体管理アセンブリのいずれかの混合チャンバの一実施形態の側面断面図である。
【
図10】本開示の例示的な医療用流体管理アセンブリと一体化された導電率プローブの一実施形態及び流体管理アセンブリの様々な構成要素を一体的に保持する一実施形態の側面断面図である。
【
図11】電気的作動空気圧バルブを本開示の例示的な医療用流体管理アセンブリと一体化する一実施形態の側面断面図である。
【
図12】
図3~
図11の構造を取り入れて本開示の医療用流体管理アセンブリのいずれかを構成する一実施形態の模式図である。
【
図13】
図3の医療用流体管理アセンブリの模式立面図である。
【
図14】腎不全療法システムにおいて動作する本開示の医療用流体管理アセンブリの別の実施形態の模式立面図である。
【
図15】代替的な直接的血液又は医療用流体治療を実行する
図14の医療用流体管理アセンブリの模式立面図である。
【
図16】腎不全療法システムにおいて動作する本開示の医療用流体管理アセンブリの別の実施形態の模式立面図である。
【
図17】システムのモジュール方式を示した、本開示の医療用流体管理アセンブリのさらに別の実施形態の模式立面図である。
【
図18A】システムのモジュール方式をさらに示した、本開示の医療用流体管理アセンブリの別の実施形態の模式立面図である。
【
図18B】システムのモジュール方式をさらに示した、本開示の医療用流体管理アセンブリの別の実施形態の模式立面図である。
【
図18C】システムのモジュール方式をさらに示した、本開示の医療用流体管理アセンブリの別の実施形態の模式立面図である。
【
図19A】
図14及び
図15の例示的な医療用流体管理アセンブリと併用される代替的な締結構造を示した模式立面図である。
【
図19B】
図14及び
図15の例示的な医療用流体管理アセンブリと併用される代替的な締結構造を示した模式上面/下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0097】
システムハードウェア
[00115]本明細書に記載の例は、血液、透析液、置換流体、浄化又は滅菌水、液体濃縮物、又は静注薬物を送達する任意の医療用流体療法システムに適用可能である。これらの例は、あらゆる形態の腹膜透析(「PD」)、血液透析(「HD」)、血液ろ過(「HF」)、血液透析ろ過(「HDF」)、及び持続的腎代替療法(「CRRT」)等の腎機能障害療法に特に適しており、本明細書においてこれらは、総合的又は大略個別に、腎不全療法と称する。さらに、本明細書に記載の装置並びにモジュール式流体管理システム及び方法のいずれかは、臨床環境又は自宅環境において使用されるようになっていてもよい。例えば、装置並びにモジュール式流体管理システム及び方法は、実質的に一日中連続して動作する施設内HD装置において採用されるようになっていてもよい。或いは、例えば患者が眠っている夜間に動作可能な自宅用HD装置において使用されるようになっていてもよい。さらに、本明細書に記載の腎不全療法の例はそれぞれ、例えばHD若しくはHDF用の透析装置又はHF用の血液ろ過器等の拡散膜又はフィルタを含んでいてもよい。
【0098】
[00116]ここで
図1を参照して、この図は、本明細書に記載のモジュール式流体管理アセンブリ及び方法のいずれかを採用し、HD装置90を用いた腎不全療法システム10の一実施形態を示している。全体として、システム10は、透析液又はプロセス液送達回路の簡略タイプを有するように示している。また、血液回路も簡略化している。当然のことながら、本開示の説明を容易化するために回路を簡略化しており、システムの実装の場合は、上記援用の公報に見られるような別の構造及び機能を有することになる。
【0099】
[00117]
図1のシステム10は、血液回路20を具備する。血液回路20は、患者12から血液を引き出して、患者12に返す。血液は、動脈ライン14によって患者12から引き出され、静脈ライン16によって患者に返される。動脈ライン14には、患者12と採血流連通した動脈ニードル14bにつながる動脈ラインコネクタ14aを含む。静脈ライン16には、患者と返血流連通した静脈ニードル16bにつながる静脈ラインコネクタ16aを含む。また、動脈ライン14及び静脈ライン16には、ラインクランプ18a及び18vを含むが、これらとしては、ばね仕掛けのフェイルセーフ機械式把持クランプが可能である。一実施形態において、ラインクランプ18a及び18vは、緊急状況において自動的に閉じられる。
【0100】
[00118]また、動脈ライン14及び静脈ライン16にはそれぞれ、空気又は気泡検出器22a及び22vを含むが、これらとしては、超音波空気検出器が可能である。空気又は気泡検出器20a及び20vはそれぞれ、動脈ライン14及び静脈ライン16において空気を探す。空気検出器22a及び22vのうちの1つにより空気が検出された場合、システム10は、ラインクランプ18a及び18vを閉じ、血液及び透析液ポンプを一時停止させ、空気を除去して治療を再開できるように患者に指示する。
【0101】
[00119]図示の実施形態において、動脈ライン14には、血液ポンプ30が位置付けられている。図示の実施形態において、血液ポンプ30は、第1の血液ポンプチャンバ30a及び第2の血液ポンプチャンバ30bを具備する。血液ポンプチャンバ30aは、入口バルブ32i及び出口バルブ32oとともに動作する。血液ポンプチャンバ30bは、入口バルブ34i及び出口バルブ34oとともに動作する。一実施形態において、血液ポンプチャンバ30a及び30bはそれぞれ、可撓性ダイアフラムが内部に位置付けられてダイアフラムポンプを構成する(例えば、球状の)硬質外殻を含む血液レセプタクルである。各ダイアフラムの一方側が血液を受容する一方、各ダイアフラムの他側は、正負の空気圧によって動作する(又は、大気放出される)。或いは、血液ポンプ30は、動脈ライン14のチューブとともに動作する蠕動ポンプである。
【0102】
[00120]図示の実施形態において、血液ポンプ30と血液フィルタ40(例えば、透析装置)との間には、ヘパリンバイアル24及びヘパリンポンプ26が位置付けられている。ヘパリンポンプ26としては、空気圧ポンプ又は注射器ポンプ(例えば、ステッピングモータ駆動の注射器ポンプ)が可能である。ヘパリンを血液フィルタ40の上流に供給することは、血液フィルタ膜の凝固の防止に役立つ。
【0103】
[00121]制御ユニット50は、1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを具備する。制御ユニット50は、空気検出器22a及び22v(並びに、温度センサ、血液漏洩検出器、導電率センサ、圧力センサ、及びアクセス切断トランスデューサ92等、システム10の他のセンサ)から空気検出信号を受信し、ラインクランプ18a及び18v、血液ポンプ30、ヘパリンポンプ26、及び透析液ポンプ等の構成要素を制御する。
【0104】
[00122]静脈ライン16によって血液フィルタ40から出た血液は、空気トラップ28を流れる。空気トラップ28は、以下に詳しく論じる通り、透析された血液が静脈ライン16によって患者12に返される前に、血液から空気を除去する。
【0105】
[00123]
図1のシステム10の血液透析タイプでは、血液フィルタ40の膜の外側に沿って透析液が圧送される一方、血液フィルタの膜の内側を通って血液が圧送される。水浄化ユニット60を介した水の浄化を起点として、未使用透析液が用意される。好適な水浄化ユニットとしては、2011年4月25日に出願された米国特許出願公開第2011/0197971号「Water Purification System and Method」に記載されたものがあり、そのすべての内容を本明細書に援用してこれに依拠する。一実施形態において、水浄化ユニットは、一実施態様において水が0.03エンドトキシン単位/ml(「EU/ml」)を下回るとともに0.1コロニー形成単位/ml(「CFU/ml」)を下回るように水道水を浄化する(例えば、病原菌及び塩素等のイオンを除去する)フィルタ等の構造を含む。水浄化ユニット60は、血液回路20及び透析液回路70を含む血液透析装置のハウジングとは別個のハウジングに設けることができる。
【0106】
[00124]図示の実施形態において、透析液回路70には、水蓄積チャンバ42を含む。浄化ユニット60からの浄化水が水蓄積チャンバ42に貯蔵される。水蓄積チャンバ42は、何らかの理由で浄化水の需要が増加した場合の水ポンプ44に対する余剰水を提供する。
【0107】
[00125]一実施形態において、水浄化ユニット60からの浄化水は、水ライン62に沿って水蓄積チャンバ42及び重炭酸塩カートリッジ72を通るように圧送される。コンテナ74からの酸は、重炭酸水が重炭酸塩カートリッジ72から流れる状態で酸ラインに沿って混合チャンバ52へと圧送され、電解及び生理適合性の透析溶液を構成する。浄化水の重炭酸塩及び酸との適正な混合に用いられるポンプ及び温度補償導電率センサについては、次に論じる。
【0108】
[00126]透析液回路70は、血液フィルタ導入又は未使用透析液ポンプ64を提供する。一実施形態において、未使用透析液ポンプ64は、血液ポンプ30と同様に構成されている。未使用透析液ポンプ64は、ポンプ30と同様に、それぞれが入口バルブチャンバ68i及び出口バルブチャンバ68oとともに動作する一対のポンプチャンバ(1つのポンプチャンバ66として示しており、この場合も、球状に構成可能)を含む。ポンプチャンバ66は、血液ポンプ30と同様に、一方のポンプチャンバ66にHD透析液が充填される一方、他方のポンプチャンバ66がHD透析液を放出するように、交互に動作する。
【0109】
[00127]ポンプ64は、血液フィルタ導入透析液ポンプである。一実施形態においては、排出ライン82又はその前に、ポンプ64と同様の第2の二重チャンバポンプ94が位置付けられて、使用後透析液をドレインへと押し出す。使用後透析液ポンプ94は、それぞれが入口バルブチャンバ98i及び出口バルブチャンバ98oとともに動作する二重のチャンバ96(一方のみを示す)を含む。
【0110】
[00128]ポンプ浄化水を水蓄積チャンバ42から重炭酸塩カートリッジ72を通って圧送する第3のチャンバポンプ44が設けられている。また、浄化水ポンプ44は、それぞれが入口バルブチャンバ48i及び出口バルブチャンバ48oとともに動作する2つのポンプチャンバ46(一方のみを示す)を含んでいてもよい。
【0111】
[00129]酸を酸コンテナ74から酸ラインへと圧送する第4のチャンバポンプ54が設けられている。酸ポンプ54は、入口バルブチャンバ58i及び出口バルブチャンバ58oとともに動作するポンプチャンバ56を含んでいてもよい。酸ポンプ54は、1つのポンプチャンバ56だけを有していてもよい。一実施形態においては、混合チャンバ52と血液フィルタ導入透析液ポンプ64との間に設けられた緩衝用透析液タンク53による少なくとも部分的な寄与のため、酸ラインでは連続圧送がそれほど重要ではないためである。
【0112】
[00130]排出ライン82に設けられた第5のポッドポンプ104は、HD療法が提供される場合に、既知の量の限外ろ過(「UF」)を除去するのに用いられる。UFポンプ104は、入口バルブチャンバ108i及び出口バルブチャンバ108oとともに動作するポンプチャンバ106を含む。システム10は、患者から除去される限外ろ過の量を制御するとともに把握するようにUFポンプ104を制御及び監視する。システム10は、治療が終わるまでに、所要量の限外ろ過が患者から除去されるようにする。
【0113】
[00131]或いは、上述のポンプのうちのいずれか1つ又は複数は、チューブとともに動作する蠕動ポンプであってもよい。
【0114】
[00132]また、
図1は、透析液が未使用透析液ライン76に沿って圧送され、加熱器78及び限外ろ過装置80を通って血液フィルタ40に達した後、使用後透析液が排出ライン82によってドレインへと圧送されることを示している。加熱器78は、透析液を体温すなわちおよそ37℃まで加熱する。限外ろ過装置80は、血液フィルタ40に達する前の透析液をさらに清浄化及び浄化して、例えば重炭酸塩カートリッジ72又は酸コンテナ74によって導入される雑菌又は汚染物質を透析液から取り除く。
【0115】
[00133]また、図示の実施形態において、透析液回路70には、サンプルポート84を含む。透析液回路70は、血液漏洩検出器(図示はしないが、血液フィルタ40の繊維が裂けたか否かの検出に用いられる)をさらに含んでいてもよい。
【0116】
[00134]図示の実施形態においては、平衡チャンバ86a及び86b並びに対応するバルブ88によって、透析装置40に対する流体平衡化が実行される。使用後透析液が平衡チャンバ86a及び86bの一方を充填して同じ量の未使用透析液を透析装置40へと押し出す一方、未使用透析液が平衡チャンバ86a及び86bの他方を充填して同じ量の使用後透析液を排出ライン82へと押し出すように、バルブが配列されている。その後、2つの平衡チャンバ86a及び86bの役割が逆転して、透析装置40への未使用流体の流れと排出ライン82への使用後流体の流れとが比較的一定に維持される。平衡チャンバ86a及び86bは大方の場合、透析装置40への未使用流体の量及び排出ライン82への使用後流体の量が等しくなるようにする。UFポンプ104は、透析装置40から通じる平行な排出ライン(図示せず)に配置されている。一実施形態において、UFポンプは、より小型で高精度のポンプチャンバを使用することにより、患者12からのUFの正確な量を測定する。
【0117】
[00135]図示の実施形態において、血液透析システム10は、透析液を血液フィルタに一回通した後、使用後透析液をドレインへと圧送するオンライン通過システムである。血液回路20及び透析液回路70はともに、再利用可能となるように、各治療後に熱水殺菌されるようになっていてもよい。一実施態様において、血液フィルタ40を含む血液回路20は、熱水殺菌され、およそ1カ月にわたって毎日再利用される一方、透析液回路70は、熱水殺菌され、およそ6カ月にわたって再利用される。殺菌及びプライミング等の他の手順を実行するため、一実施形態において、動脈ライン14及び静脈ライン16はいずれも、排出ライン82に位置付けられた排出カセット102に接続される。動脈ライン14及び静脈ライン16が排出カセット102に差し込まれると、透析装置40の両側で血液回路20及び透析液回路70の全体にわたって、殺菌用の水及びプライミング用の透析液が循環されることにより、完全な殺菌又はプライミングがなされるようになっていてもよい。
【0118】
[00136]代替実施形態において、例えばCRRTの場合は、滅菌透析液の複数のバッグ又は注入器材が一体的にグループ化され、交互に使用される。このような場合、空の供給バッグは、排出又は使用済み流体バッグとして機能し得る。他の代替実施形態においては、透析装置40の代わりに、体外回路20の動脈ライン14及び静脈ライン16に向かって直接、平衡チャンバ86a及び86bからの置換流体が流れるようになっていてもよい。
【0119】
[00137]システム10の装置90は、
図1の点線により示されるような筐体を含む。装置90の筐体は、治療が施設内治療であるか自宅治療であるか、透析液/注入器材の供給がバッチ型(例えば、袋詰め)であるかオンラインであるか等、治療の種類によって決まる。
図1には示していないものの、装置90の筐体の前部には、空気トラップ28を解除可能に締結するように構成された構造を有していてもよい。
【0120】
[00138]
図2は、
図1のシステム10の装置90が血液セット100とともに動作し得ることをさらに示している。血液セット100には、動脈ライン14、静脈ライン16、ヘパリンバイアル24及びヘパリンポンプ26/血液ポンプ30、血液フィルタ40(例えば、透析装置)、並びに空気トラップ28を含む。空気トラップ28は、静脈ライン16に位置付けられて、患者12に返される前の血液から空気を除去するようにしてもよい。この代替又は追加として、水ライン62、未使用透析液ライン76、及び/又は透析液回路70中のいずれかの場所に1つ又は複数の空気トラップ28が位置付けられ、混合精度の向上及び/又はフィルタすなわち透析装置40に達する前の未使用透析液ラインからの空気の除去を行うようにしてもよい。一実施形態においては、大方の場合、透析液回路コンポーネント70が装置90の内側に位置付けられ得る一方、血液セット100が装置の外側に取り付けられ得る。
【0121】
[00139]
図1を見直して、システム10の装置90の主要な浄化水コンポーネントとしては、水蓄積チャンバ42及び水ポンプ44が挙げられる。システム10の装置90の主要な混合コンポーネントとしては、重炭酸塩カートリッジ72、混合チャンバ52が挙げられる(なお、酸コンテナ74は装置90に保持されていないものの、代替実施形態においては保持も可能である)。システム10の装置90の主要な透析液コンポーネントとしては、透析液保持タンク53、未使用透析液ポンプ64、加熱器78、限外ろ過装置80、平衡チャンバ86a及び86b、並びに使用後透析液ポンプ94が挙げられる。血液セット100の主要な血液移動コンポーネントとしては、透析装置40、空気トラップ28、及び血液ポンプ/ヘパリンポンプ30/26が挙げられる。
【0122】
[00140]一実施形態においては、浄化水コンポーネント、混合コンポーネント、及び透析液コンポーネントのすべてを収容する単一の医療用流体管理アセンブリを提供するとともに、
図2に示すように血液セット100を分離して動作させることが考えられる。代替実施形態においては、浄化水コンポーネント、混合コンポーネント、及び透析液コンポーネントのすべてに対して、血液セット100を動作させる単一の医療用流体管理アセンブリが提供される。別の代替実施形態においては、浄化水コンポーネント及び混合コンポーネントに対して第1の医療用流体管理アセンブリが提供され、透析液コンポーネントに対して第2の医療用流体管理アセンブリが提供される一方、
図2に示すように、血液セット100が分離されて動作する。別の代替実施形態においては、浄化水コンポーネント及び混合コンポーネントに対して第1の医療用流体管理アセンブリが提供され、透析液コンポーネントに対して第2の医療用流体管理アセンブリが提供される一方、第1及び第2の医療用流体管理アセンブリの一方とともに、血液セット100が動作する。さらに別の代替実施形態においては、浄化水コンポーネントに対して第1の医療用流体管理アセンブリが提供され、混合コンポーネントに対して第2の医療用流体管理アセンブリが提供され、透析液コンポーネントに対して第3の医療用流体管理アセンブリが提供される一方、
図2に示すように、血液セット100が分離されて動作する。さらに別の代替実施形態においては、浄化水コンポーネントに対して第1の医療用流体管理アセンブリが提供され、混合コンポーネントに対して第2の医療用流体管理アセンブリが提供され、透析液コンポーネントに対して第3の医療用流体管理アセンブリが提供される一方、第1、第2、及び第3の医療用流体管理アセンブリのうちの1つとともに、血液セット100が動作する。或いは、透析液コンポーネントに対して別個の医療用流体管理アセンブリが提供される上述の実施形態のいずれかにおいて、当該医療用流体管理アセンブリは、別個の未使用透析液アセンブリ及び使用後流体アセンブリへとさらに分割されるようになっていてもよい。
【0123】
[00141]一実施形態において、ポンプはそれぞれ、入口バルブ及び出口バルブとともに動作する空気圧作動ポンプである。特に、浄化水ポンプ44は、入口バルブチャンバ48i及び出口バルブチャンバ48oとともに動作し、酸ポンプ54は、入口バルブチャンバ58i及び出口バルブチャンバ58oとともに動作する。未使用透析液ポンプ64は、入口バルブチャンバ68i及び出口バルブチャンバ68oとともに動作する。使用後透析液ポンプ94は、入口バルブチャンバ98i及び出口バルブチャンバ98oとともに動作する。血液ポンプ30は、入口バルブチャンバ32i/34i及び出口バルブチャンバ32o、34oとともに動作する。一実施形態においては、図示しないUFポンプも同じように動作するようになっていてもよい。
【0124】
[00142]上記ポンプはそれぞれ、同サイズのポンプチャンバ46、56、66、96、106、及び30a、30bを有していてもよい。或いは、ポンプチャンバ46、56、66、96、106、及び30a、30bのいずれかが異なるサイズであってもよい。例えば、液体酸ポンプ44及びUFポンプ104のポンプチャンバは、その他のポンプチャンバより小さくてもよい。これとは関係なく、ポンプ44、54、64、94、30、及び104はそれぞれ、
図3~
図5のいずれかに見られるように設けられていてもよい。すなわち、ポンプ44、54、64、94、30、及び104はそれぞれ、
図3~
図5のいずれかに関して論じる構造、機能、及び代替物のいずれかを有していてもよい。ポンプごとに、入口バルブが開き、出口バルブが閉じる一方、ポンプ膜に負圧が印加されて、流体がポンプに引き込まれる。入口バルブが閉じ、出口バルブが開く一方、ポンプ膜に正圧が印加されて、流体がポンプから放出される。
【0125】
[00143]水ライン62、濃縮物ライン、透析液ライン76、使用後透析液すなわち排出ライン82、動脈血ライン14、及び/又は静脈血ラインのいずれかは、ポンプ44、54、64、94、30、及び104と関連付けられた入口バルブ及び出口バルブに加えて設けられた空気圧バルブを含んでいてもよい。例えば、平衡チャンバ86a及び86bは、対応するバルブ88を含む。これらの付加的なバルブのいずれかは、
図3~
図5の空気圧作動バルブに関して論じる構造、機能、及び代替物のいずれかを有していてもよい。
【0126】
[00144]水蓄積チャンバ42、重炭酸塩カートリッジ72、混合チャンバ52、透析液保持タンク53、加熱器78、限外ろ過装置80、平衡チャンバ86a及び86b、透析装置40、並びに空気トラップ28等、システム10の装置90の他の主要な構成要素は、空気作動ではない。これらの構成要素のうち、重炭酸塩カートリッジ72、透析液保持タンク53、及び加熱器は、装置90とともに設けられるが、システム10の1つ又は複数の医療用流体管理アセンブリの外側でこれと流体連通しても受けられる。限外ろ過装置80は、以下により詳しく論じる通り、1つ又は複数の医療用流体管理アセンブリとともに設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。
【0127】
[00145]ここで
図3を参照して、この図は、本開示の医療用流体管理アセンブリ110aの一実施形態のポンプ部26、30、44、54、64、94、及び104の断面図である。図示の実施形態における医療用流体管理アセンブリ110aは、3つの主要な構成要素すなわち空気圧マニホールド120a、ポンプ・バルブエンジン160a、及び流体マニホールド200aを具備する。
【0128】
[00146]一実施形態において、空気圧マニホールド120aは、金属板又は金属片122a、124a、126a、128a、及び130aを含み、これらは、機械加工されたアルミニウム、鋼、ステンレス鋼、及びこれらの組み合わせであってもよい。或いは、金属板又は金属片122a、124a、126a、128a、及び130aは、成形プラスチック等のプラスチック材料で構成されていてもよい。金属板又は金属片122a、124a、126a、128a、及び130aは、隣接された場合、ボルト及びナット並びに/又は係合用雌ねじを用いて一体的に、取り外し可能にボルト固定されるようになっていてもよい。
【0129】
[00147]金属板又は金属片122a及び124aは一体的に、ポンプ26、30、44、54、64、94、及び104の空気圧ポンプチャンバに対して選択的に正負の圧力を運ぶ(又は、大気放出する)空気圧圧送溝132aを画定する。金属板128aは、ポンプ26、30、44、54、64、94、及び104の入口空気圧バルブチャンバに対して選択的に正負の圧力を運ぶ(又は、大気放出する)入口バルブ溝134aを画定する。金属片126aは、ポンプ26、30、44、54、64、94、及び104の出口空気圧バルブチャンバに対して選択的に正負の圧力を運ぶ(又は、大気放出する)出口バルブ溝136aを画定する。
【0130】
[00148]金属板128aは、入口バルブOリング144を封止的に保持する入口バルブOリング座部138aを画定する。金属片126aは、出口バルブOリング144を封止的に保持する出口バルブOリング座部139aを画定する。金属片122aは、ポンプチャンバOリング144を封止的に保持するポンプチャンバOリング座部142aを画定する。
【0131】
[00149]金属片122aと金属板128aとの間にはガスケット146aが圧縮されて、金属片122a及び/又は金属板128aに形成された空気圧溝又は通路(例えば、溝又は通路134a)を封止する。金属片122aと金属板120aとの間にはガスケット148aが圧縮されて、金属片122a及び/又は金属板120aに形成された空気圧溝又は通路(例えば、溝又は通路132a)を封止する。金属片124aと金属片126aとの間にはガスケット150aが圧縮されて、金属片124a及び/又は金属片126aに形成された空気圧溝又は通路(例えば、溝又は通路132a及び136a)を封止する。ガスケット146a、148a、及び150aは、例えば圧縮可能なシリコーンであってもよい。ガスケット146a、148a、及び150aは、個々のガスケットであってもよいし、他のガスケット又はガスケットエリアを構成する共通可撓性シート又は膜の一部として設けられていてもよい。
【0132】
[00150]空気圧溝又は通路は、通電しない場合にばね仕掛けで閉じ、通電する場合に開き得る電気的作動空気圧ソレノイドバルブ(図示せず)に通じる。電気的作動空気圧ソレノイドバルブは、制御ユニット50(
図1)による電気的制御下で選択的に、正のオン/オフ圧力、負のオン/オフ圧力、正の可変圧力、及び/又は正の可変圧力が入口空気圧バルブチャンバ、出口空気圧バルブチャンバ、又は空気圧ポンプチャンバに達し得る(又は、大気放出し得る)ようにする。電気的作動空気圧ソレノイドバルブは、空気圧マニホールド120aに取り付けられていてもよい。
【0133】
[00151]医療用流体管理アセンブリ110aの一実施形態のポンプ部26、30、44、54、64、94、及び104のポンプ・バルブエンジン160aは、空気圧キャップ162a、164a、及び166a並びに流体片180aを含む。キャップ162a、164a、及び166a並びに流体片180aはそれぞれ、ポリエチレン(「PE」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート(「PC」)、アクリル、シクロオレフィン共重合体(「COC」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリオレフィン等の剛性且つ医療的に安全なプラスチックで構成されていてもよい。本明細書においては全体として、金属断面が均一なハッチングを有する一方、プラスチック断面が細線/太線ハッチングを有するものとして示している。血液又は透析物に接触する材料は、生体適合性であり、必要に応じて殺菌又は滅菌される。
【0134】
[00152]空気圧キャップ162a、164a、及び166aは、医療用流体管理アセンブリ110aの一実施形態のポンプ部26、30、44、54、64、94、及び104の入口空気圧バルブチャンバ、出口空気圧バルブチャンバ、及び空気圧ポンプチャンバをそれぞれ構成する。空気圧キャップ162a、164a、及び166aはそれぞれ、各Oリング144に封止的に嵌合するとともに係合用溝又は通路(例えば、溝134a、溝136a、及び溝132a)に隣接して、ポンプ・バルブエンジン160aと空気圧マニホールド120aとの間に気密接続を与える図示のような空気圧ポートを画定する。
【0135】
[00153]図示の実施形態において、流体片180aは、係合用流体チャンバ182a、184a、及び186aを提供する。入口流体バルブチャンバ182aは、入口空気圧バルブキャップ162aと係合する。出口流体バルブチャンバ184aは、出口空気圧バルブキャップ164aと係合する。流体ポンプチャンバ186aは、空気圧ポンプキャップ166aと係合する。入口流体バルブチャンバ182a、出口流体バルブチャンバ184a、及び流体ポンプチャンバ186aはそれぞれ、各Oリング144に封止的に嵌合するとともに流体マニホールド200aの係合用流体経路に隣接して、ポンプ・バルブエンジン160aと流体マニホールド200aとの間に液密接続を与える図示のような流体ポートを画定する。
【0136】
[00154]図示の実施形態において、流体片180aには、流体管部188a、すなわち、入口流体バルブチャンバ182a及び流体ポンプチャンバ186aを連結する第1の流体管部188aと、流体ポンプチャンバ186a及び出口流体バルブチャンバ184aを連結する第2の流体管部188aとが形成されている。一実施形態において、入口流体バルブチャンバ182a、出口流体バルブチャンバ184a、流体ポンプチャンバ186a、及び流体管部188aは、単一構造として成形されている。例えば、血液ポンプ30、水ポンプ44、透析液ポンプ64及び94用の大きなサイズと、ヘパリンポンプ26、酸ポンプ54、及びUFポンプ104用の小さなサイズという2つのサイズが存在していてもよい。或いは、3つ以上の異なるサイズ(例えば、ヘパリンポンプ26用のさらに小さな第3のサイズ)が与えられていてもよい。
【0137】
[00155]当然のことながら、ポンプ及びバルブチャンバは、図示の容易化のため、球状であるものとして示しているが、ポンプ及びバルブチャンバのいずれか又はすべては、楕円形又は長円形等の代替形状を有することも可能である。
【0138】
[00156]空気圧キャップ162a、164a、及び166aと流体片180aとの間には、1つ又は複数の可撓性膜又はシート190、192が位置付けられている。膜又はシート190、192は、例えばポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリエチレン、クレイトン若しくはポリオレフィンで構成されていてもよいし、別の医療的に安全な可撓性プラスチック又はゴムで構成されていてもよい。膜又はシート190、192は、平坦且つ作動時に伸長するようになっていてもよいし、伸長する代わりに前後にはためくように、プレフォーム又はプレドームによって、空気圧キャップ162a、164a、及び166a並びに/又は入口流体バルブチャンバ182a、出口流体バルブチャンバ184a、及び流体ポンプチャンバ186aと同一又は同様の形状を有していてもよい。
【0139】
[00157]流体の空気圧マニホールド120aへの漏洩を防止することが重要である。したがって、一方が裂けた場合、ピンホールが開いた場合、位置ずれした場合等に備えて、2つ以上の層又はシート190、192を提供することが考えられる。また、空気圧キャップ162a、164a、及び166aの内側に正の空気圧を印加し、空気圧キャップ162a、164a、及び166aに通じる空気圧ラインを隔離し、隔離エリアの圧力をモニタリングして圧減衰を探すことにより、各治療前に各膜190、192を圧力検査することが考えられる。このように、医療用流体が流体片180aに導入される前に、漏洩膜又はシート190、192を検出可能である。
【0140】
[00158]治療中に発生する流体漏洩を捕捉するため、(i)空気圧溝若しくは通路132a、134a、136aにおいて絶縁ハウジング(図示せず)中に形成された電気的接触センサ(回路を満たす透析液又は血液等の導電性液体の有無が検知される)、(ii)空気圧溝若しくは通路132a、134a、136aにおける容量性若しくは誘導性センサ(図示せず)(電界を変化させる水、透析液、又は血液等の液体の有無が検知される)、又は(iii)非漏洩膜190、192が空気圧キャップ162a、164a、及び166aに密着した場合に発生する既知の圧力スパイクを格納したメモリ(膜190、192の漏洩又は位置ずれが発生した場合の当該圧力スパイクの偏差が検知される)のうちのいずれか1つ又は複数を提供することが考えられる。
【0141】
[00159]1つ又は複数の膜190、192が空気圧キャップ162aで正の空気圧下に置かれて入口流体バルブチャンバ182aに密着することにより、入口バルブを閉じる。1つ又は複数の膜190、192が空気圧キャップ162aで負の空気圧下に置かれるか、又は、大気放出されることにより、入口流体バルブチャンバ182aを開ける(又は、開放可能にする)。1つ又は複数の膜190、192が空気圧キャップ164aで正の空気圧下に配置されて出口流体バルブチャンバ184aに密着することにより、出口バルブを閉じる。1つ又は複数の膜190、192が空気圧キャップ164aで負の空気圧下に置かれるか、又は、大気放出されることにより、出口流体バルブチャンバ184aを開ける(又は、開放可能にする)。
【0142】
[00160]1つ又は複数の膜190、192が空気圧キャップ166aで正の空気圧下に置かれて流体ポンプチャンバ186aに密着することにより、(入口バルブチャンバが閉じ、出口バルブチャンバが開いた状態で)送出ストロークを生じさせる。1つ又は複数の膜190、192が空気圧キャップ166aで負の空気圧下に置かれて流体ポンプチャンバ186aを開くことにより、(入口バルブチャンバが開き、出口バルブチャンバが閉じた状態で)送入ストロークを生じさせる。
【0143】
[00161]医療用流体管理アセンブリ110aの一実施形態のポンプ部26、30、44、54、64、94、及び104の流体マニホールド200aは、カバー板220aに対して加熱封止、音響封止、又は溶剤結合された流体経路板202aを含む。プレート202a及び220aはそれぞれ、ポリエチレン(「PE」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート(「PC」)、アクリル、シクロオレフィン共重合体(「COC」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリオレフィン等の剛性且つ医療的に安全なプラスチックで構成されていてもよい。
【0144】
[00162]流体経路板202aは、入口流体経路204a及び出口流体経路206aを具備又は画定する。流体経路板202aは、入口バルブOリング144を封止的に保持する入口バルブOリング座部208aをさらに画定する。流体経路板202aは、出口バルブOリング144を封止的に保持する出口バルブOリング座部210aをさらに画定する。出口流体経路206a等、本明細書に記載の如何なる流体経路も、一方向バルブ又はチェックバルブ212と嵌合可能である。流体は、
図3の左から右に流れる。一方向バルブ又はチェックバルブ212は、流体が右から左へ、流体ポンプチャンバ186aに逆流することを防止する。
【0145】
[00163]一実施形態においては、カバー板220aが流体経路板202aに対して永久に封止されるため、入口流体経路204a又は出口流体経路206aの封止に別個のガスケットは不要である。カバー板220aは、チェックバルブ212を適所に保持及び封止するのに役立つ隆起部又は強化部222aを含んでいてもよい。図示の実施形態において、入口流体バルブチャンバ182a及び出口流体バルブチャンバ184aはそれぞれ、各Oリング144に封止的に嵌合するとともに係合用流体経路(例えば、入口流体経路204a及び出口流体経路206a)に隣接して、ポンプ・バルブエンジン160aと流体マニホールド200aとの間に液密接続を与える流体ポートを画定する。
【0146】
[00164]水、液体濃縮物、透析液、又は血液等の流体は、負圧下で入口流体経路204aから入口バルブチャンバ182aに流れ、第1の流体管部188aを通って流体ポンプチャンバ186aに流れ込み、正圧下で流体ポンプチャンバ186aから、第2の流体管部188a及び出口バルブチャンバ184aを通って、入口流体経路206aから所望の目的地へと流れる。血液ポンプ30、水ポンプ44、並びに透析液ポンプ64及び94等、連続流又は略連続流の恩恵を受ける流体圧送の場合は、
図3に関して説明した構造が二重になるため、一方の流体ポンプチャンバ186aに血液、水、又は透析液が充填される場合、他方の流体ポンプチャンバ186aは、血液、水、又は透析液を放出可能である。ヘパリンポンプ26、酸ポンプ54、及びUFポンプ104等の場合の特定の圧送には、連続圧送が不要なため、
図3の単一の流体ポンプチャンバ186a等の構造で十分となる。
【0147】
[00165]ここで
図4を参照して、この図は、本開示の医療用流体管理アセンブリ110bの別の実施形態のポンプ部26、30、44、54、64、94、及び104の断面図である。図示の実施形態における医療用流体管理アセンブリ110bは、この場合も、3つの主要な構成要素すなわち空気圧マニホールド120b、ポンプ・バルブエンジン160b、及び流体マニホールド200bを具備する。
【0148】
[00166]一実施形態において、空気圧マニホールド120bは、金属板又は金属片122b、124b、及び126bを含む。特に、金属板又は金属片126bは、
図3の金属片126bよりもはるかに大きく、
図3のポンプ・バルブエンジン160aの上半分を不要にしてその役割を果たす。金属板又は金属片122b、124b、及び126bは、この場合も、機械加工されたアルミニウム、鋼、ステンレス鋼、及びこれらの組み合わせであってもよい。金属板又は金属片122b、124b、及び126bは、隣接された場合、ボルト及びナット並びに/又は係合用雌ねじを用いて一体的に、取り外し可能にボルト固定されるようになっていてもよい。
【0149】
[00167]金属板126bは、ポンプ26、30、44、54、64、94、及び104の空気圧ポンプチャンバに対して選択的に正負の圧力を運ぶ(又は、大気放出する)空気圧圧送溝132aを画定する。また、金属板126bは、ポンプ26、30、44、54、64、94、及び104の入口空気圧バルブチャンバに対して選択的に正負の圧力を運ぶ(又は、大気放出する)入口バルブ溝134bを画定する。金属板126bは、ポンプ26、30、44、54、64、94、及び104の出口空気圧バルブチャンバに対して選択的に正負の圧力を運ぶ(又は、大気放出する)出口バルブ溝136bをさらに画定する。
【0150】
[00168]空気圧マニホールド120bは、上側Oリング座部及び関連するOリング144を不要とする。
図3と同様に、金属板122bと金属板126bとの間にはガスケット146bが圧縮されて、金属片122b及び/又は金属板126bに形成された空気圧溝又は通路(例えば、溝又は通路134b)を封止する。金属板130bと金属板126bとの間にはガスケット148bが圧縮されて、金属板130b及び/又は金属板126bに形成された空気圧溝又は通路(例えば、溝又は通路132b)を封止する。金属板124bと金属板126bとの間にはガスケット150bが圧縮されて、金属板124b及び/又は金属板126bに形成された空気圧溝又は通路(例えば、溝又は通路136b)を封止する。ガスケット146b、148b、及び150bは、この場合も、例えば圧縮可能なシリコーンであってもよい。空気圧溝又は通路は、通電しない場合にばね仕掛けで閉じ、通電する場合に開き得る(
図3で上述したような)電気的作動空気圧ソレノイドバルブに通じる。
【0151】
[00169]医療用流体管理アセンブリ110bの一実施形態のポンプ部26、30、44、54、64、94、及び104のポンプ・バルブエンジン160bは、空気圧キャップ162a、164a、及び166aを不要にしているが、流体片180bについては依然として提供する。流体片180bは、この場合も、ポリエチレン(「PE」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート(「PC」)、アクリル、シクロオレフィン共重合体(「COC」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリオレフィン等の剛性且つ医療的に安全なプラスチックで構成されていてもよい。
【0152】
[00170]
図3の空気圧キャップ162a、164a、及び166aはそれぞれ、医療用流体管理アセンブリ110bのポンプ部26、30、44、54、64、94、及び104の入口空気圧バルブチャンバ136b、出口空気圧バルブチャンバ138b、及び空気圧ポンプチャンバ140bで置き換えられている。Oリング144による封止が不要とされており、都合が良い。
【0153】
[00171]図示の実施形態において、流体片180bは、
図3の流体片180aと同じであり(すべての代替物を含む)、係合用流体チャンバ182b、184b、及び186bを提供する。入口流体バルブチャンバ182bは、入口空気圧バルブチャンバ136bと係合する。出口流体バルブチャンバ184bは、出口空気圧バルブチャンバ138bと係合する。流体ポンプチャンバ186aは、空気圧ポンプチャンバ140bと係合する。入口流体バルブチャンバ182b、出口流体バルブチャンバ184b、及び流体ポンプチャンバ186bはそれぞれ、各Oリング144に封止的に嵌合するとともに流体マニホールド200bの係合用流体経路に隣接して、ポンプ・バルブエンジン160bと流体マニホールド200bとの間に液密接続を与える図示のような流体ポートを画定する。
【0154】
[00172]上記と同様に、流体片180bには、流体管部188b、すなわち、入口流体バルブチャンバ182b及び流体ポンプチャンバ186bを連結する第1の流体管部188bと、流体ポンプチャンバ186b及び出口流体バルブチャンバ184bを連結する第2の流体管部188bとが形成されている。一実施形態において、入口流体バルブチャンバ182b、出口流体バルブチャンバ184b、流体ポンプチャンバ186b、及び流体管部188bは、単一構造として成形され、必要に応じてサイズ設定されている。この場合も当然のことながら、ポンプ及びバルブチャンバは、図示の容易化のため、球状であるものとして示しているが、ポンプ及びバルブチャンバのいずれか又はすべては、楕円形又は長円形等の代替形状を有することも可能である。
【0155】
[00173]空気圧チャンバ136b、138b、及び140bと流体片180bとの間には、1つ又は複数の可撓性膜又はシート190、192が位置付けられている。膜又はシート190、192は、例えばポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリエチレン、クレイトン若しくはポリオレフィンで構成されていてもよいし、別の医療的に安全な可撓性プラスチック又はゴムで構成されるとともに、
図3において上述した代替物のいずれかを有していてもよい。さらに、この場合も、(i)圧力検査、(ii)電気的接触センサ、(ii)容量性若しくは誘導性センサ、又は(iii)非漏洩膜190、192の場合に発生する既知の圧力スパイクを格納したメモリのうちのいずれか1つ又は複数の使用により、漏洩流体が空気圧マニホールド120bに進入することを防止するようにしてもよい。空気圧圧送は、
図3と同じように動作する。
【0156】
[00174]医療用流体管理アセンブリ110bの一実施形態のポンプ部26、30、44、54、64、94、及び104の流体マニホールド200bは、上記と同じであり(すべての代替物を含む)、カバー板220bに対して加熱封止、音響封止、又は溶剤結合された流体経路板202bを含む。プレート202b及び220bはそれぞれ、ポリエチレン(「PE」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート(「PC」)、アクリル、シクロオレフィン共重合体(「COC」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリオレフィン等の剛性且つ医療的に安全なプラスチックで構成されていてもよい。
【0157】
[00175]流体経路板202bは、入口流体経路204b及び出口流体経路206bを具備又は画定する。流体経路板202bは、入口バルブOリング144を封止的に保持する入口バルブOリング座部208bをさらに画定する。流体経路板202bは、出口バルブOリング144を封止的に保持する出口バルブOリング座部210bをさらに画定する。この場合も、本明細書に記載の任意の流体経路が一方向バルブ又はチェックバルブ212と嵌合可能である。
【0158】
[00176]一実施形態においては、カバー板220bが流体経路板202bに対して永久に封止されるため、別個のガスケットは不要である。カバー板220bは、この場合も、チェックバルブ212を適所に保持及び封止するのに役立つ隆起部又は強化部222bを含んでいてもよい。入口流体バルブチャンバ182b及び出口流体バルブチャンバ184bはそれぞれ、この場合も、各Oリング144に封止的に嵌合するとともに係合用流体経路に隣接して、ポンプ・バルブエンジン160aと流体マニホールド200aとの間に液密接続を与える空気圧ポートを画定していてもよい。
【0159】
[00177]この場合も、血液ポンプ30、水ポンプ44、並びに透析液ポンプ64及び94等、連続流又は略連続流の恩恵を受ける流体圧送の場合は、
図4に関して説明した構造が二重になるため、一方の流体ポンプチャンバ186bに血液、水、又は透析液が充填される場合、他方の流体ポンプチャンバ186bは、血液、水、又は透析液を放出可能である。ヘパリンポンプ26、酸ポンプ54、及びUFポンプ104等の場合の特定の圧送には、連続圧送が不要なため、
図4の単一の流体ポンプチャンバ186b等の構造で十分となる。
【0160】
[00178]ここで
図5を参照して、この図は、本開示の医療用流体管理アセンブリ110cの別の実施形態のポンプ部26、30、44、54、64、94、及び104の断面図である。図示の実施形態における医療用流体管理アセンブリ110cは、2つの主要な構成要素すなわち空気圧マニホールド120c及び流体マニホールド200cを具備する。ポンプ・バルブエンジンは、不要とされている。
【0161】
[00179]一実施形態において、空気圧マニホールド120cは、
図4の空気圧マニホールド120bと同じであり(すべての代替物を含む)、金属板又は金属片122c、124c、及び126cを含み、これらはこの場合も、機械加工されたアルミニウム、鋼、ステンレス鋼、及びこれらの組み合わせであってもよい。金属板又は金属片122c、124c、及び126cは、隣接された場合、ボルト及びナット並びに/又は係合用雌ねじを用いて一体的に、取り外し可能にボルト固定されるようになっていてもよい。
【0162】
[00180]金属板126cは、ポンプ26、30、44、54、64、94、及び104の空気圧ポンプチャンバに対して選択的に正負の圧力を運ぶ(又は、大気放出する)空気圧圧送溝132cを画定する。また、金属板126cは、ポンプ26、30、44、54、64、94、及び104の入口空気圧バルブチャンバに対して選択的に正負の圧力を運ぶ(又は、大気放出する)入口バルブ溝134cを画定する。金属板126cは、ポンプ26、30、44、54、64、94、及び104の出口空気圧バルブチャンバに対して選択的に正負の圧力を運ぶ(又は、大気放出する)出口バルブ溝136bをさらに画定する。
【0163】
[00181]金属板122cと金属板126cとの間にはガスケット146cが圧縮されて、金属板122c及び/又は金属板126cに形成された空気圧溝又は通路(例えば、溝又は通路134c)を封止する。金属板130cと金属板126cとの間にはガスケット148cが圧縮されて、金属板130c及び/又は金属板126cに形成された空気圧溝又は通路(例えば、溝又は通路132c)を封止する。金属板124cと金属板126cとの間にはガスケット150cが圧縮されて、金属板124c及び/又は金属板126cに形成された空気圧溝又は通路(例えば、溝又は通路135c)を封止する。ガスケット146c、148c、及び150cは、この場合も、例えば圧縮可能なシリコーンであってもよい。空気圧溝又は通路は、通電しない場合にばね仕掛けで閉じ、通電する場合に開き得る(
図3で上述したような)電気的作動空気圧ソレノイドバルブに通じる。
【0164】
[00182]ポンプ・バルブエンジン160a及び160bは、完全に不要とされている。この場合も、
図3の空気圧キャップ162a、164a、及び166aはそれぞれ、空気圧マニホールド120cの入口空気圧バルブチャンバ136c、出口空気圧バルブチャンバ138c、及び空気圧ポンプチャンバ140cで置き換えられており、気密接続のためのOリング144による封止が不要とされている。
図5においては、
図4の流体片180bも完全に不要とされている。
【0165】
[00183]
図4の入口流体バルブチャンバ182bは、入口空気圧バルブチャンバ136bと係合する流体マニホールド200cの入口流体バルブチャンバ224cにより置き換えられている。
図4の出口流体バルブチャンバ184bは、出口空気圧バルブチャンバ138bと係合する流体マニホールド200cの出口流体バルブチャンバ226cにより置き換えられている。
図4の流体ポンプチャンバ186aは、流体マニホールド200cの流体ポンプチャンバ228cにより置き換えられている。図示のような入口流体バルブチャンバ224c、出口流体バルブチャンバ226c、及び流体ポンプチャンバ228cはそれぞれ、流体経路板202bに形成されており、流体マニホールド200cにおいて、別個の流体ポート、Oリング座部、及びOリング144が不要とされている。
【0166】
[00184]流体経路板202bは、流体管部230c、すなわち、入口流体バルブチャンバ224c及び流体ポンプチャンバ228cを連結する第1の流体管部230cと、流体ポンプチャンバ228c及び出口流体バルブチャンバ226cを連結する第2の流体管部230cとを構成する。一実施形態において、入口流体バルブチャンバ224c、出口流体バルブチャンバ226c、流体ポンプチャンバ228c、及び流体管部230cは、単一構造として成形され、必要に応じてサイズ設定されている。この場合も当然のことながら、ポンプ及びバルブチャンバは、図示の容易化のため、球状であるものとして示しているが、ポンプ及びバルブチャンバのいずれか又はすべては、楕円形又は長円形等の代替形状を有することも可能である。
【0167】
[00185]空気圧チャンバ136c、138c、及び140cと流体チャンバ224c、226c、及び228cとの間にはそれぞれ、1つ又は複数の可撓性膜又はシート190、192が位置付けられている。膜又はシート190、192は、この場合も、例えばポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリエチレン、クレイトン若しくはポリオレフィンで構成されていてもよいし、別の医療的に安全な可撓性プラスチック又はゴムで構成されるとともに、
図3において上述した代替物のいずれかを有していてもよい。さらに、この場合も、(i)圧力検査、(ii)電気的接触センサ、(ii)容量性若しくは誘導性センサ、又は(iii)非漏洩膜190、192の場合に発生する既知の圧力スパイクを格納したメモリのうちのいずれか1つ又は複数の使用により、漏洩流体が空気圧マニホールド120bに進入することを防止するようにしてもよい。空気圧圧送は、
図3と同じように動作する。
【0168】
[00186]流体マニホールド200cは、流体経路板202cに対して加熱封止、音響封止、又は溶剤結合されたカバー板220cを含むため、別個のガスケットは不要である。プレート202c及び220cはそれぞれ、ポリエチレン(「PE」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート(「PC」)、アクリル、シクロオレフィン共重合体(「COC」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリオレフィン等の剛性且つ医療的に安全なプラスチックで構成されていてもよい。流体経路板202cは、入口流体バルブチャンバ224cに通じる入口流体経路204c及び出口流体バルブチャンバ226cから通じる出口流体経路206cを具備又は画定する。この場合も、本明細書に記載の任意の流体経路が一方向バルブ又はチェックバルブ212と嵌合可能である。カバー板220cは、この場合も、チェックバルブ212を適所に保持及び封止するのに役立つ隆起部又は強化部222cを含んでいてもよい。
【0169】
[00187]この場合も、血液ポンプ30、水ポンプ44、並びに透析液ポンプ64及び94等、連続流又は略連続流の恩恵を受ける流体圧送の場合は、
図5に関して説明した構造が二重になるため、一方の流体ポンプチャンバ228cに血液、水、又は透析液が充填される場合、他方の流体ポンプチャンバ228cは、血液、水、又は透析液を放出可能である。ヘパリンポンプ26、酸ポンプ54、及びUFポンプ104等の場合の特定の圧送には、連続圧送が不要なため、
図5の単一の流体ポンプチャンバ228c等の構造で十分となる。
【0170】
[00188]ここで
図6を参照して、この図は、上述の流体管理アセンブリ110a~110cのいずれかとともに具備する平衡チャンバ部86a、86bの一実施形態の断面図である。図示の実施形態において、
図6の平衡チャンバ部86a、86bは、3つの主要な構成要素すなわち空気圧マニホールド240a、バルブエンジン260a、及び流体マニホールド300aを具備する。
【0171】
[00189]一実施形態において、空気圧マニホールド240aは、金属板又は金属片242a、244a、及び246aを含み、これらは、機械加工されたアルミニウム、鋼、ステンレス鋼、及びこれらの組み合わせであってもよい。金属板又は金属片242a、244a、及び246aは、隣接された場合、ボルト及びナット並びに/又は係合用雌ねじを用いて一体的に、取り外し可能にボルト固定されるようになっていてもよい。
【0172】
[00190]金属板242aは、平衡チャンバ86a、86bのバルブエンジン260aの空気圧バルブチャンバに対して選択的に正負の圧力を運ぶ(又は、大気放出する)空気圧バルブ溝248aを画定する。金属板244aは、平衡チャンバ86a、86bのバルブエンジン260aの空気圧バルブチャンバに対して選択的に正負の圧力を運ぶ(又は、大気放出する)空気圧バルブ溝250aを画定する。平衡チャンバ86a、86bの上側平衡チャンバ290aに対する空気圧接続は存在しない。上側平衡チャンバ290aは、液体を運ぶためである。
【0173】
[00191]金属板242aは、バルブOリング144を封止的に保持するバルブOリング座部252aを画定する。金属板244aは、出口バルブOリング144を封止的に保持するバルブOリング座部254aを画定する。
【0174】
[00192]金属板242aと金属板246aとの間にはガスケット256aが圧縮されて、金属板242a及び/又は金属板246aに形成された空気圧溝又は通路(例えば、溝又は通路248a)を封止する。金属板244aと金属板246aとの間にはガスケット258aが圧縮されて、金属板244a及び/又は金属板246aに形成された空気圧溝又は通路(例えば、溝又は通路250a)を封止する。ガスケット256a及び258aは、例えば圧縮可能なシリコーンであってもよい。空気圧溝又は通路は、通電しない場合にばね仕掛けで閉じ、通電する場合に開き得る上述の電気的作動空気圧ソレノイドバルブ(図示せず)に通じる。電気的作動空気圧ソレノイドバルブは、空気圧マニホールド240aに取り付けられていてもよい。
【0175】
[00193]医療用流体管理アセンブリ110a、110b、又は110cの平衡チャンバ部86a、86bのバルブエンジン260aは、空気圧キャップ262a及び264a並びに流体片280aを含む。キャップ262a、264a及び流体片280aはそれぞれ、ポリエチレン(「PE」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート(「PC」)、アクリル、シクロオレフィン共重合体(「COC」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリオレフィン等の剛性且つ医療的に安全なプラスチックで構成されていてもよい。
【0176】
[00194]空気圧キャップ262a及び264aは、ポンプ部平衡チャンバ86a、86bの第1の空気圧バルブチャンバ及び第2の空気圧バルブチャンバを構成する。空気圧キャップ262a及び264aはそれぞれ、各Oリング144に封止的に嵌合するとともに係合用溝又は通路(例えば、溝248a及び溝250a)に隣接して、バルブエンジン260aと空気圧マニホールド240aとの間に気密接続を与える図示のような空気圧ポートを画定する。
【0177】
[00195]図示の実施形態において、流体片280aは、係合用流体チャンバ282a、284a、及び286aを提供する。流体バルブチャンバ282aは、空気圧バルブキャップ262aと係合する。流体バルブチャンバ284aは、空気圧バルブキャップ264aと係合する。流体平衡チャンバ286aは、
図6に示す流体片280aの背後に位置付けられた第2の流体片280aの第2の流体平衡チャンバ290と係合する。流体バルブチャンバ282a及び流体バルブチャンバ284aはそれぞれ、各Oリング144に封止的に嵌合するとともに流体マニホールド300aの係合用流体経路に隣接して、バルブエンジン260aと流体マニホールド300aとの間に液密接続を与える図示のような流体ポートを画定する。
【0178】
[00196]図示の実施形態において、流体片280aには、2つの流体管部288a、すなわち、流体バルブチャンバ282a及び下側の流体平衡チャンバ286aを連結する第1の流体管部288aと、下側の流体平衡チャンバ286a及び流体バルブチャンバ284aを連結する第2の流体管部288aとが形成されている。また、
図6に見られる流体片280aの背後に位置付けられた第2の流体片280aは、2つの流体管部288a、すなわち、流体バルブチャンバ282a(
図6において不可視)及び上側の流体平衡チャンバ290aを連結する第1の流体管部288aと、上側の流体平衡チャンバ290a及び流体バルブチャンバ284a(
図6において不可視)を連結する第2の流体管部288aとを含む。
【0179】
[00197]一実施形態において、
図6の第1及び第2の流体片280aは、別個の流体片として形成されているため、一部隠れた流体片280a(上側の流体平衡チャンバ290aを備える)が流体マニホールド300aに挿入される前に、完全に見える流体片280a(下側の流体平衡チャンバ286aを備える)が流体マニホールド300aに挿入されるようになっていてもよく、これにより、上側の流体平衡チャンバ290aが下側の流体平衡チャンバ286aと係合する。一実施形態において、流体バルブチャンバ282a、流体バルブチャンバ284a、流体平衡チャンバ286a又は290a、及び流体管部188aは、流体片280aを構成する単一構造として成形されている。
【0180】
[00198]代替実施形態において、
図6の第1及び第2の流体片280aは、単一片として形成又は成形される。ここで、上側の流体平衡チャンバ290aは、下側の流体平衡チャンバ286aに対して永久封止(例えば、音響溶接、加熱封止、又は溶剤結合)されており、平衡チャンバ間に可撓性膜190、192を捕捉する。そして、4つのバルブ(
図6においては2つが見え、2つが隠れている)が接続された平衡チャンバ286a、290aが同時に、流体マニホールド300aのOリング144へと封止的に挿入される。
【0181】
[00199]この場合も当然のことながら、平衡及びバルブチャンバは、図示の容易化のため、球状であるものとして示しているが、平衡及びバルブチャンバのいずれか又はすべては、楕円形又は長円形等の代替形状を有することも可能である。
【0182】
[00200]空気圧キャップ262a、264aと上側の流体平衡チャンバ290a及び流体片280aの各チャンバとの間には、1つ又は複数の可撓性膜又はシート190、192が位置付けられている。膜又はシート190、192は、例えばポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリエチレン、クレイトン若しくはポリオレフィンで構成されていてもよいし、別の医療的に安全な可撓性プラスチック又はゴムで構成されていてもよい。膜又はシート190、192は、平坦且つ作動時に伸長するようになっていてもよいし、伸長する代わりに前後にはためくように、プレフォーム又はプレドームによって、空気圧キャップ262a、264a、及び/又は流体バルブチャンバ282a、284aと同一又は同様の形状を有していてもよい。一実施形態において、平衡チャンバ286a、290a用の膜又はシート190、192は、平坦である。
【0183】
[00201]この場合も、(i)圧力検査、(ii)電気的接触センサ、(ii)容量性若しくは誘導性センサ、又は(iii)非漏洩膜190、192の場合に発生する既知の圧力スパイクを格納したメモリのうちのいずれか1つ又は複数の使用により、漏洩流体が空気圧マニホールド240aに進入することを防止するようにしてもよい。バルブの空気圧作用は、
図3と同じように動作する。
【0184】
[00202]医療用流体管理アセンブリ110a、110b、又は110cの平衡チャンバ部86a、86bの流体マニホールド300aは、カバー板320aに対して加熱封止、音響封止、又は溶剤結合された流体経路板302aを含む。プレート302a及び320aはそれぞれ、ポリエチレン(「PE」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート(「PC」)、アクリル、シクロオレフィン共重合体(「COC」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリオレフィン等の剛性且つ医療的に安全なプラスチックで構成されていてもよい。
【0185】
[00203]流体経路板302aは、第1の流体経路304a及び第2の流体経路306aを具備又は画定する。流体経路板302aは、第1のバルブOリング144を封止的に保持する第1のバルブOリング座部308aをさらに画定する。流体経路板302aは、第2のバルブOリング144を封止的に保持する第2のバルブOリング座部310aをさらに画定する。出口流体経路306a等、本明細書に記載の如何なる流体経路も、一方向バルブ又はチェックバルブ212と嵌合可能である。
【0186】
[00204]一実施形態においては、カバー板320aが流体経路板302aに対して永久に封止されるため、第1の流体経路304a又は第2の流体経路306aの封止に別個のガスケットは不要である。カバー板320aは、チェックバルブ212を適所に保持及び封止するのに役立つ隆起部又は強化部322aを含んでいてもよい。図示の実施形態において、第1の流体バルブチャンバ282a及び第2の流体バルブチャンバ284aはそれぞれ、各Oリング144に封止的に嵌合するとともに係合用流体経路(例えば、第1の流体経路304a及び第2の流体経路306a)に隣接して、バルブエンジン260aと流体マニホールド300aとの間に液密接続を与える流体ポートを画定する。
【0187】
[00205]水、液体濃縮物、透析液、又は血液等の流体は、以下のように平衡チャンバ86a、86bを流れる。上述の通り、膜190、192により分離された平衡チャンバ286a及び290aは、4つのバルブ(
図6において見られる左右のバルブ及び
図6において見られるバルブの背後の左右のバルブ)と関連付けられている。左右の可視バルブの一方は、下側平衡チャンバ286aへの入口バルブであり、左右の可視バルブの他方は、下側平衡チャンバ286aへの出口バルブである。同じことが隠れバルブにも当てはまるが、これは、上側平衡チャンバ290aの場合である。左右の隠れバルブの一方は、上側平衡チャンバ290aへの入口バルブであり、左右の隠れバルブの他方は、上側平衡チャンバ290aへの出口バルブである。医療用流体管理アセンブリ110a、110b、又は110cの他の構成要素に対する平行チャンバ86a、86bの位置に応じて、(i)左側の両バルブを入口バルブ、右側の両バルブを出口バルブにすること、(ii))左側の両バルブを出口バルブ、右側の両バルブを入口バルブにすること、(iii)左側の可視バルブを入口バルブ、右側の可視バルブを出口バルブ、左側の隠れバルブを出口バルブ、右側の隠れバルブを入口バルブにすること、又は(iv)左側の可視バルブを出口バルブ、右側の可視バルブを入口バルブ、左側の隠れバルブを入口バルブ、右側の隠れバルブを出口バルブにすることがより好都合と考えられる。
【0188】
[00206]ここで
図7を参照して、この図は、上述の流体管理アセンブリ110a~110cのいずれかとともに具備する平衡チャンバ部86a、86bの別の実施形態の断面図である。図示の実施形態において、
図7の平衡チャンバ部86a、86bは、2つの主要な構成要素すなわち空気圧マニホールド240b及び流体マニホールド300bを具備する。
図6のバルブエンジン260aは、不要とされている。
【0189】
[00207]一実施形態において、空気圧マニホールド240bは、金属板又は金属片242b、244b、及び246bを含み、これらは、機械加工されたアルミニウム、鋼、ステンレス鋼、及びこれらの組み合わせであってもよい。金属板又は金属片242b、244b、及び246bは、隣接された場合、ボルト及びナット並びに/又は係合用雌ねじを用いて一体的に、取り外し可能にボルト固定されるようになっていてもよい。
【0190】
[00208]金属板242bは、当該金属板242bにより画定された第1の空気圧バルブチャンバ245bに対して選択的に正負の圧力を運ぶ(又は、大気放出する)空気圧バルブ溝248bを画定する。金属板244bは、当該金属板244bにより画定された第2の空気圧バルブチャンバ247bに対して選択的に正負の圧力を運ぶ(又は、大気放出する)空気圧バルブ溝250bを画定する。この場合も、平衡チャンバ86a、86bの上側平衡チャンバ290bに対する空気圧接続は存在しない。上側チャンバ290bは、液体を運ぶためである。
【0191】
[00209]
図6のすべての空気圧Oリング座部及び関連するOリング144は、不要とされている。
【0192】
[00210]金属板242bと金属板246bとの間にはガスケット256bが圧縮されて、金属板242b及び/又は金属板246bに形成された空気圧溝又は通路(例えば、溝又は通路248b)を封止する。金属板244bと金属板246bとの間にはガスケット258bが圧縮されて、金属板244b及び/又は金属板246bに形成された空気圧溝又は通路(例えば、溝又は通路250b)を封止する。ガスケット256b及び258bは、例えば圧縮可能なシリコーンであってもよい。空気圧溝又は通路は、通電しない場合にばね仕掛けで閉じ、通電する場合に開き得る上述の電気的作動空気圧ソレノイドバルブ(図示せず)に通じる。電気的作動空気圧ソレノイドバルブは、空気圧マニホールド240bに取り付けられていてもよい。
【0193】
[00211]医療用流体管理アセンブリ110a、110b、又は110cの平衡チャンバ部86a、86bの流体マニホールド300bは、カバー板320bに対して加熱封止、音響封止、又は溶剤結合された流体経路板302bを含む。プレート302b及び320bはそれぞれ、ポリエチレン(「PE」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート(「PC」)、アクリル、シクロオレフィン共重合体(「COC」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリオレフィン等の剛性且つ医療的に安全なプラスチックで構成されていてもよい。
【0194】
[00212]流体経路板302bは、第1の流体経路304b及び第2の流体経路306bを具備又は画定する。
図6の流体バルブOリング座部及び関連するOリング144は、不要とされている。出口流体経路306a等、本明細書に記載の如何なる流体経路も、一方向バルブ又はチェックバルブ212と嵌合可能である。一実施形態においては、カバー板320bが流体経路板302bに対して永久に封止されるため、第1の流体経路304b又は第2の流体経路306bの封止に別個のガスケットは不要である。カバー板320bは、チェックバルブ212を適所に保持及び封止するのに役立つ隆起部又は強化部322bを含んでいてもよい。
【0195】
[00213]図示の実施形態において、流体経路板302bは、第1の流体バルブチャンバ312b及び第2の流体バルブチャンバ314bを画定する。第1の流体バルブチャンバ312bは、第1の空気圧バルブチャンバ245bと係合する。第2の流体バルブチャンバ314bは、第2の空気圧バルブチャンバ247bと係合する。第1の流体バルブチャンバ312bは、第1の流体管部318bを介して、下側平衡チャンバ316bと流体連通する。一方、第2の流体バルブチャンバ314bは、第2の流体管部318bを介して、下側平衡チャンバ316bと流体連通する。図示の実施形態において、下側平衡チャンバ316b、第1及び第2の流体管部318bはそれぞれ、流体経路板302bにより形成されるか、又は、流体経路板302b中に形成されている。
【0196】
[00214]第1及び第2の隠れ流体バルブチャンバは、第1及び第2の可視チャンバ312b及び314bの背後に位置付けられている。第1の隠れ流体バルブチャンバは、第3の流体管部318bを介して、上側平衡チャンバ319bと流体連通する。一方、第2の隠れ流体バルブチャンバは、第4の流体管部318bを介して、上側平衡チャンバ319bと流体連通する。一実施形態において、第3及び第4の流体管部318bはそれぞれ、流体経路板302b及び上側平衡チャンバ319bに対して加熱封止、音響溶接、又は溶剤結合されており、その後、下側平衡チャンバ316bに対して加熱封止、音響溶接、又は溶剤結合されている。代替実施形態において、第3及び第4の流体管部318bは、流体経路板302bに嵌合されたOリング144(図示せず)へと封止的に押し込まれており、このため、(第3及び第4の流体管部318bに対して永久に溶接、加熱封止、又は付着された)上側平衡チャンバ319bは、下側平衡チャンバ316b上に封止的に押し付けられ、プレート246bによって適所に保持される。
【0197】
[00215]この場合も当然のことながら、平衡及びバルブチャンバは、図示の容易化のため、球状であるものとして示しているが、平衡及びバルブチャンバのいずれか又はすべては、楕円形又は長円形等の代替形状を有することも可能である。
【0198】
[00216]空気圧バルブチャンバ245b、247bと上側の流体平衡チャンバ319b及び流体経路板302bの各チャンバ312b、314b、及び316bとの間には、1つ又は複数の可撓性膜又はシート190、192が位置付けられている。膜又はシート190、192は、例えばポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリエチレン、クレイトン若しくはポリオレフィンで構成されていてもよいし、別の医療的に安全な可撓性プラスチック又はゴムで構成されていてもよい。膜又はシート190、192は、平坦且つ作動時に伸長するようになっていてもよいし、伸長する代わりに前後にはためくように、プレフォーム又はプレドームによって、空気圧バルブチャンバ245b、247b、及び/又は流体バルブチャンバ312a、314aと同一又は同様の形状を有していてもよい。一実施形態において、平衡チャンバ316b、319b用の膜又はシート190、192は、平坦であるが、代替としてプレドーム又はプレフォームであってもよい。
【0199】
[00217]この場合も、(i)圧力検査、(ii)電気的接触センサ、(ii)容量性若しくは誘導性センサ、又は(iii)非漏洩膜190、192の場合に発生する既知の圧力スパイクを格納したメモリのうちのいずれか1つ又は複数の使用により、漏洩流体が空気圧マニホールド240bに進入することを防止するようにしてもよい。バルブの空気圧作用は、
図3と同じように動作する。
【0200】
[00218]水、液体濃縮物、透析液、又は血液等の流体は、
図6に関して上述した通り、平衡チャンバ86a、86bを流れる。ただし、
図7の平衡チャンバ316b及び319bはそれぞれ、
図6の平衡チャンバ286a及び290aを置き換えたものである。
【0201】
[00219]ここで
図8を参照して、この図は、上述の流体管理アセンブリ110a~110cのいずれかとともに具備する水蓄積部42の一実施形態の断面図である。図示の実施形態において、
図8の水蓄積部42は、流体マニホールド330のみを含む。流体マニホールド330は、カバー板340に対して封止された流体経路板332を含む。流体経路板332は、水チャンバ336に通じる入口水経路334及び水チャンバ336から通じる出口水経路338を画定する。水チャンバ336は、空気チャンバ板342により永久封止又は封止圧縮されている。
【0202】
[00220]流体経路板332、カバー板340、及び空気チャンバ板342はそれぞれ、ポリエチレン(「PE」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート(「PC」)、アクリル、シクロオレフィン共重合体(「COC」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリオレフィン等の剛性且つ医療的に安全なプラスチックで構成されていてもよい。流体経路板332は、カバー板340及び空気チャンバ板342の両者に対して、加熱封止、音響封止、又は溶剤結合されていてもよい。或いは、空気チャンバ板342は、水チャンバ336上で圧縮保持されていてもよい。いずれの場合も、水チャンバ336と空気チャンバ板342との間では、1つ又は複数の可撓性膜190、192に圧力がかけられる。
【0203】
[00221]可撓性膜190、192は、上述の材料のいずれかで構成されていてもよく、伸縮することによって、水チャンバ336に入る水量を増減可能である。また、可撓性膜190、192は、装置90の混合部への水流中で、脈動性を減衰させる傾向にある。
【0204】
[00222]ここで
図9を参照して、この図は、上述の流体管理アセンブリ110a~110cのいずれかとともに具備する混合チャンバ52の一実施形態の断面図である。図示の実施形態において、
図9の混合チャンバ部52は、流体マニホールド350のみを含む。流体マニホールド350は、上述の任意の様態でカバー板370に対して封止された流体経路板352を含む。流体経路板352は、混合チャンバハウジング358に通じる入口水/重炭酸塩混合経路354及び入口液体酸経路356と、混合チャンバハウジング358から所望の目的地に通じる出口混合透析液経路360とを画定する。
【0205】
[00223]流体経路板352、カバー板360はそれぞれ、ポリエチレン(「PE」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート(「PC」)、アクリル、シクロオレフィン共重合体(「COC」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリオレフィン等の剛性且つ医療的に安全なプラスチックで構成されていてもよい。流体経路板352は、カバー板360に対して、加熱封止、音響封止、又は溶剤結合されていてもよい。ここで、可撓性膜190、192は使用されない。
【0206】
[00224]混合チャンバによれば、重炭酸塩(例えば、乾燥重炭酸塩粉末)と予備混合された水は、計量液体酸と混ざり合って、装置90内で使用する未使用透析液を生じる。
【0207】
[00225]ここで
図10を参照して、この図は、導電率センサ36を本開示の医療用流体管理アセンブリに組み込む一実施形態を示している。導電率センサ36は、以下の
図12に関して付加的に示している。導電率センサ36は、
図5の流体管理アセンブリ110cに組み込まれたものとして示している。
図10に示す要素番号はそれぞれ、
図5にも示しているが、
図5に関して上述したすべての構造、機能、及び代替物又は
図5の記載に援用したすべての構造、機能、及び代替物を含む。また同様に、当然のことながら、導電率センサ36は、
図10に関して上述した様態で、
図3及び
図4の流体管理アセンブリ110a及び110bにそれぞれ組み込まれていてもよい。
【0208】
[00226]
図10は、流体経路206cが入口又は出口ポート214cに通じることを示しており、図示の実施形態においては、ホースバーブ接続によって、チューブと封止的につながっている。
図12及び導電率センサ36の例示的な配置を見るに、チューブは、例えば浄化水ライン62、酸ポンプ74からのチューブ、又は水ポンプ52に通じるチューブ若しくは水ポンプ52から通じるチューブであってもよい。図示の実施形態において、導電率センサ36は、出口空気圧バルブチャンバ138c/出口流体バルブチャンバ226cと入口又は出口ポート214cとの間で出口流体経路206cに配置されている。代替実施形態において、導電率センサ36は、入口ポート214cの上流又は出口ポート214cの下流に位置付けられている。
【0209】
[00227]図示の実施形態において、導電率センサ36は、圧縮Oリング216cによって流体経路板202cと封止係合で配置されたインサート36a(例えば、何らかの円錐又は円錐状インサート)を含む。或いは、インサート36aは、プレート202cとして成形されていてもよい。一実施形態において、インサート36aは、マニホールド200cが廃棄される場合に廃棄されるが、これは、1回の使用又は複数回の使用(例えば、1カ月分の使用)後であってもよい。インサート36aは、ステンレス鋼又はチタン等、医療的に安全な導電性材料で構成されている。
【0210】
[00228]代替として、空気圧マニホールド120cの金属板又は金属片126cが導電率プローブ36bを有する。プローブ36bは同様に、銅、鋼、アルミニウム、又はステンレス鋼等の導電性材料で構成されている。プローブ36bは、医療用流体又は本明細書に記載の流体のいずれかと接触することを意図していない。プローブ36bは、インサート36aと接触して一致する円錐又は円錐状のインサート端36cを含む。導電率プローブ36bは、空気圧マニホールド120cの金属板又は金属片126cにおいて係合用ねじが穿孔に形成された場所にねじ込まれるねじ端36dを含む。検知リード36eがねじ端36dから制御ユニット50(
図1)に通じる。プローブ36bは、適正に動作する限りにおいて、再利用可能である。このため、小さくて薄い導電率プローブ36aのみを廃棄する必要があるが、この場合も、複数回の使用後であってもよい。したがって、本開示の導電率センサ36は、廃棄コストが大幅に増えることはない。
【0211】
[00229]流体経路206cを通る流体の導電率は、制御ユニット50まで延びた導電性リードを有する導電性プローブロッド36bと接触したインサート36aによって検出可能である。一実施形態において、
図12に示す各導電率センサ36は実際のところ、センサ対(例えば、
図10に示すセンサ36のうちの2つ)である。対の一方のセンサは、係合用導電性インサート36aと導電率プローブ36bとの間に圧縮されて、導電率測定値が得られる点で流体温度を検知するサーミスタ又は熱電対線をさらに具備する。このように、制御ユニット50は、関連する流体温度を入力することにより、温度補償導電率測定値を与えるようにしてもよい。
【0212】
[00230]また、
図10は、空気圧マニホールド120c及び流体マニホールド200cを一体的に固定することにより、ガスケット146c、148c、150c、並びに可撓性膜190及び192に圧力をかけて、気密且つ液密の流体管理アセンブリ110cを提供する実施形態を示している。また、
図10に関して論じる実施形態では、
図3及び
図4に示すガスケット144を圧縮して、気密且つ液密の流体管理アセンブリ110a及び110bを提供する。
【0213】
[00231]図示の実施形態においては、空気圧マニホールド120cが様々な金属板又は金属片で構成されることで、ねじ式であってもよい。
図10は、ボルト又は締結具390のねじが金属板又は金属片124cを通過して、プレート126cに形成されたねじ孔127cの係合用雌ねじに達し得るようにする貫通孔を金属板又は金属片124cが画定することを示している。ボルト又は締結具390は、一方又は両方の平坦なロックワッシャ392とともに締結されるようになっていてもよい。必要に応じて複数のボルト又は締結具390が提供され、ガスケット146c、148c、150cを圧縮することにより、
図10に示す通路135c等の空気圧通路を封止する。ボルト又は締結具390は、例えば通路135c等の空気圧通路への流体漏洩等に際して保守が必要な場合にのみ、空気圧マニホールド120cから取り外せばよい。
図3及び
図4の空気圧マニホールド120a及び120bはそれぞれ、ボルト又は締結具390を用いて同様に、一体的に保持されていてもよい。
【0214】
[00232]種々実施形態において、
図3、
図4、
図5、及び
図10の流体マニホールド200a、200b、及び200cはそれぞれ、加熱封止、音響封止、又は溶剤結合によって、一体的に保持される。(i)
図3におけるポンプ・バルブエンジン160a(空気圧マニホールド120a及び流体マニホールド200aに対するポンプ・バルブエンジン160a)、(ii)
図4におけるポンプ・バルブエンジン160b(流体マニホールド200bに対するポンプ・バルブエンジン160b)、並びに(iii)
図5及び
図10における空気圧マニホールド120c及び流体マニホールド200cの一体封止は、
図10に示す長いボルト又は締結具394を用いて実行される。この場合も、
図10は、状況(iii)(空気圧マニホールド120cの流体マニホールド200cに対する封止)を示している。
【0215】
[00233]
図10において、空気圧マニホールド120cのプレート126cは、穿孔又は開口部142cを画定する。一方、流体マニホールド200cの流体経路板202cは、係合用穿孔又は開口部218cを画定する。係合用穿孔又は開口部142c及び218cは、ボルト又は締結具394を受け入れる。一実施形態において、流体マニホールド200cの外側には、装置90にボルト固定或いは接続されている間に、ユーザが急速に解除して空気圧マニホールド120cから流体マニホールド200cを引き出せるように、急速切断部396(例えば、自転車型の急速クランプ)が設けられている。急速切断部396によって複数の締結具394(平坦なロックワッシャ392の一方又は両方を含む)が結合されることにより、ユーザは、切断部396を急速に戻し、必要に応じて流体マニホールド200cを取り換えることができる。一実施形態においては、新たな膜に新たなマニホールド200cが設けられるように、可撓性膜190及び192に流体マニホールド200cが設けられている。流体管理アセンブリ110a及び110bにより、急速切断部396の解除に際して、ポンプ・バルブエンジン及び流体マニホールドが取り換えられることになる。
【0216】
[00234]当然のことながら、他種の急速切断部が用いられるようになっていてもよい。さらに、この代替として、急速切断部がナット又はロックナットで置き換えられてもよく、ユーザは、工具を用いてナットを取り外すことにより、適当なポンプ・バルブエンジン及び/又は流体マニホールドを取り換える。
【0217】
[00235]ここで
図11を参照して、この図は、電気的作動空気圧バルブ400を本開示の医療用流体管理アセンブリに組み込む一実施形態を示している。電気的作動空気圧バルブ400は、
図5の流体管理アセンブリ110cに組み込まれたものとして示している。
図11に示す要素番号はそれぞれ、
図5にも示しているが、
図5に関して上述したすべての構造、機能、及び代替物又は
図5の記載に援用したすべての構造、機能、及び代替物を含む。また同様に、当然のことながら、電気的作動空気圧バルブ400は、
図11に関して上述した様態で、
図3及び
図4の流体管理アセンブリ110a及び110bにそれぞれ組み込まれていてもよい。
【0218】
[00236]この場合も、正又は負の空気圧をプレート126cの空気圧バルブチャンバ138c(入口又は出口)に送る空気圧通路135cが設けられている。
図11においては、バルブ400が正又は負の空気圧を空気圧通路135c及び空気圧バルブチャンバ138cに供給し得るように、正の溝又は通路137c及び負の溝又は通路139cが追加されている。当然のことながら、負の溝又は通路139cは代替として、大気に通じる通路であってもよい。すなわち、負圧を用いて可撓性膜190及び192を開く代わりに、正圧によって閉じた後の膜が大気放出され、膜の他側の正の流体圧がバルブを開放可能となっていてもよい。ただし、溝又は通路139cが負圧に対して使用される場合は、負圧容器又は負圧マニホールド等の負圧供給源に対して通路が空気圧接続される。同様に、正の溝又は通路137cは、正圧容器又は正圧マニホールド等の正圧供給源に空気圧接続される。
【0219】
[00237]電気的作動空気圧バルブ400は、異なる形態であってもよい。空気圧バルブチャンバ138c等の空気圧バルブチャンバの場合、空気圧バルブ400は、正圧又は負圧(又は、放出)となるように空気圧通路135c及び空気圧バルブチャンバ138cを開放又は閉鎖する電気的作動ソレノイド412を使用したオン/オフ型のバルブであってもよい。一実施形態において、電気的作動ソレノイド412は、通常閉であり、バルブチャンバ138cを開いて正圧又は負圧とするには、電気エネルギーが必要である。このように、停電に際しては、何も作動しなくなる。上述の通り、可撓性膜190及び192は、プレフォーム又はプレドームであってもよく、また、停電時に流体バルブチャンバ226cに対して閉鎖されるように配置されていてもよい。
【0220】
[00238]
図5の空気圧ポンプチャンバ140c等の空気圧ポンプチャンバの場合、空気圧バルブ400は、様々な量の正又は負の空気圧が空気圧ポンプチャンバ140cに対して送られ得るように制御ユニット50(
図1)により命令される可変オリフィスバルブであってもよい。使用されるバルブ400の種類に関わらず、
図11の正圧は、正の溝又は通路137c、正のバルブ入口408及びバルブ出口406を通じて、空気圧通路135c及び空気圧バルブチャンバ138cに供給される。同様に、使用されるバルブ400の種類に関わらず、
図11の負圧は、負の溝又は通路139c、負のバルブ入口通路410及びバルブ出口通路406を通じて、空気圧通路135c及び空気圧バルブチャンバ138cに供給される。
【0221】
[00239]
図11は、
図5及び
図11の流体管理アセンブリ110c等、本開示の流体管理アセンブリに対して、空気圧バルブ400が封止的且つ直接取り付け可能であることを示している。図示のように、この構成によれば、バルブ400とそれぞれの空気圧チャンバ(例えば、チャンバ138c)との間の空気圧通路(例えば、通路135c)を可能な限り短くすることができる。正の通路137c及び負の通路139cは、多くのバルブを供給するマニホールドラインであってもよい。このように、本開示の流体管理アセンブリの空気圧取り回しは、最小限に抑えられ得る。
【0222】
[00240]ここで
図12を参照して、この図は、
図6又は
図7に係る平衡チャンバ、
図8に係る水蓄積器、及び
図9に係る混合チャンバをいずれかが採用した流体管理アセンブリ110a(
図3に係るポンプを使用)、110b(
図4に係るポンプを使用)、又は110c(
図5に係るポンプを使用)の一実施形態の全体図である。流体管理アセンブリ110a~110cは、以下に論じる他の流体経路の画定と併せて、上述の流体マニホールド200a/200b/200c、300a/300b、330、及び350の組み合わせ又は融合と考えられる全体的流体マニホールド380を含む。
【0223】
[00241]一実施形態においては、
図9に従って設けられた水蓄積器42において、未使用水が浄化水ライン62によって全体的流体マニホールド380に導入される。浄化水は、
図3~
図5のいずれかに従って設けられた水ポンプ44によって、装置90内で流体マニホールド380から離れて位置付けられた重炭酸塩カートリッジ72に圧送される。同時に、
図3~
図5のいずれかに従って設けられた液体酸ポンプ54は、装置90内で流体マニホールド380から離れて位置付けられたコンテナ74から液体酸濃縮物を圧送する。
【0224】
[00242]
図12は、得られる未使用透析液の導電率が設定範囲内となる水ライン62中、重炭酸塩カートリッジ72の下流、液体酸ライン中、及び混合チャンバ52の下流等の適当な場所で導電率センサ36が流体の導電率を測定する空間を流体マニホールド380が提供することを示している。導電率センサ36は、破線によって、制御ユニット50(
図1)と情報をやり取りすることを示している。制御ユニット50は、導電率プローブからの信号によって、透析液が適正に混合されたかを評価するとともに、透析液が適正に混合されたことを保証する。
【0225】
[00243]未使用透析液は、装置90内で流体マニホールド380から離れて位置付けられた透析液保持タンク53に圧送される。
図3~
図5のいずれかに従って設けられた未使用透析液ポンプ64は、保持タンク53から、流体マニホールド380に取り付けられ、流体マニホールド380に位置付けられた流体と液密連通して配置された限外ろ過装置78を通じて未使用透析液を圧送する。図示のように、限外ろ過装置78は、浄化透析液を加熱器80に対して別途出力するとともに、透析液保持タンク53に戻る透析液の一部を拒絶する。加熱器80は、装置90内で流体マニホールド380から離れて位置付けられている。
【0226】
[00244]加熱された未使用透析液は、未使用透析液ポンプ64によって、平行チャンバ86a及び86bに圧送される。平行チャンバ86a及び86bは、
図6及び
図7のいずれかに従って設けられたものであってもよい。使用後透析液は、透析装置40から使用後透析液ポンプ94によって、平行チャンバ86a及び86bに圧送される。透析装置40は、装置90内で流体マニホールド380から離れて位置付けられている。使用後透析液ポンプ94は、
図3~
図5のいずれかに従って設けられている。平行チャンバ86a及び86bに入った使用後透析液によって、同量の未使用透析液が透析装置40に運ばれる。平行チャンバ86a及び86bに入った未使用透析液によって、同量の使用後透析液が排出ライン82によってドレインに運ばれる。
【0227】
[00245]
図3~
図5のいずれかに従って設けられたUFポンプ104は、排出ライン82へのUFとして、正確な所定量の使用後透析液を測定する。排出ライン82は、排出カセット102まで延び、その後、排出カセットから屋内ドレインまで延びている。また、排出カセット82は、血液管類コネクタ103と流体接続している。血液管類コネクタ103(ユーザが容易にアクセスできるように装置90の前部に設けられていてもよい)は、患者12(
図1)につながっていない動脈ライン14及び静脈ライン16を受け入れるため、透析液回路及び血液回路の一体接続によって、殺菌及びプライミングを行うことができる。患者の血液を運んだ血液ライン14及び16に殺菌及びプライミング流体が接触するとともに、これらの流体が排出カセット102に達し得ることから、排出カセットは流体マニホールド380から分離して設けられ、このため、装置90が異なる患者に用いられる場合は、小さな排出カセット102のみを交換すればよく、マニホールド380はそのままにすることができる。このため、流体が排出カセットから流体マニホールド380に逆流しないように、チェックバルブ212は、排出カセットの上流で排出ライン82に配置される。上述の通り、他のチェックバルブ212が全体的流体マニホールド380に組み込まれていてもよい。
【0228】
[00246]また、
図12は、流体管理アセンブリ110a~110cが血液ポンプ30及びヘパリンポンプ26(それぞれ、
図3~
図5のいずれかに従って設けられていてもよい)も具備し得ることを示している。血液ポンプ30は、患者12に接続された場合に動脈ライン14から血液を引き出すとともに、患者12に接続された場合に透析装置40及び静脈ライン16を通じて、矢印(血液が破線、透析液が実線)に従って血液を押し出す。一実施形態において、ヘパリンは、矢印(ヘパリンが一点鎖線)に従って、ヘパリンポンプによりバイアル24から動脈ライン14に圧送される。
【0229】
[00247]したがって、
図12は、装置90の流体接触するほぼすべての構成要素が単一の流体マニホールド380上に配置可能であることを示している。装置10の前部の外側に存在する
図12に記載の構成要素は、透析装置40、ヘパリンバイアル24、動脈ライン14、静脈ライン16、及び血液管類コネクタ103のみであるため、装置の外観が滑らかで簡素化されると考えられる。水ライン62及び排出ライン82は、装置90の後部から延び出ていてもよい。また、代替実施形態において、血液ポンプ30は、装置90の前部から視認可能である。ヘパリンバイアル24が治療ごとに新たなバイアルと交換される一方、血液セット100は、毎月およそ1回、殺菌、再利用、及び交換されるものと考えられる。流体マニホールド380のその他の構成要素は、およそ数カ月(例えば、6カ月)ごとに交換されるようになっていてもよい。
【0230】
[00248]
図3~
図9に照らして
図12を見るに、当然のことながら、水ポンプ44、酸ポンプ54、未使用透析液ポンプ64、平行チャンバ86a、86b、使用後透析液ポンプ94、UFポンプ104、血液ポンプ30、及びヘパリンポンプ26は、流体マニホールド380の流体コンポーネントに対応する空気圧コンポーネントを有する。水蓄積器42、混合チャンバ52、及び限外ろ過装置78は、対応する空気圧コンポーネントを有していない。したがって、一実施形態においては、
図12のアセンブリ110a~110cと異なる流体管理アセンブリに水蓄積器42、混合チャンバ52、及び限外ろ過装置78を設けることにより、流体管理アセンブリが空気圧作動を必要とする場合にのみ空気圧が効率的に作用するようにすることが考えられる。代替実施形態において、異なる流体管理アセンブリは、用途(例えば、水・混合か、透析液圧送か、血液圧送か)に応じて区別される。さらに、この代替又は追加として、異なる流体管理アセンブリは、使い捨ての部品を含むか再利用可能な部品を含むかに応じて区別される。
【0231】
[00249]
図12の流体マニホールド380の12個の流体コンポーネントは、直線状すなわち12×1のアレイにレイアウトされている。代替実施形態において、
図12の流体マニホールド380の12個の流体コンポーネントは、依然として一体的に設けられるものの、6×2のアレイ(限外ろ過装置78の後に分割)又は4×3のアレイ(混合チャンバ52及び平行チャンバ86a、86bの後に分割)でレイアウトされる。
【0232】
[00250]さらに別の代替実施形態において、
図12の流体マニホールド380の12個の流体コンポーネントは、例えば機能に応じて互いに物理的に分割されることにより、別個のマニホールド及び対応する流体管理アセンブリが装置90内の所望の場所に配置されていてもよい。例えば、水蓄積器42、水ポンプ44、酸ポンプ54、及び混合チャンバ52を含む第1の水・混合流体管理アセンブリは、装置90内の第1の場所(例えば、重炭酸塩カートリッジ72及び酸コンテナ74の近く)に設けられていてもよい。未使用透析液ポンプ64、限外ろ過装置78、平行チャンバ86a、86b、使用後透析液ポンプ94、及びUFポンプ104を含む第2の透析液管理アセンブリは、装置90内の第2の場所(例えば、透析液保持タンク53の近く)に設けられていてもよい。血液ポンプ30、ヘパリンポンプ26、及びヘパリンバイアル24を含む第3の血液流体管理アセンブリは、装置90内の第3の場所(例えば、透析装置40及び/又は血液管類コネクタ103の近く)に設けられていてもよい。
【0233】
[00251]ここで
図13を参照して、この図は、
図3に関して上述した流体管理アセンブリ110aの模式断面図である。医療用流体管理アセンブリ110aは、すべての構造、機能、及び代替物を含めて上述した通り、空気圧マニホールド120a、ポンプ・バルブエンジン160a、及び流体マニホールド200aを具備する。種々実施形態において、空気圧マニホールド120aは、装置90(
図1)の筐体に固定されていてもよく、一方、ポンプ・バルブエンジン160a及び流体マニホールド200aは、定期交換のため、空気圧マニホールド120aから取り外される。ポンプ・バルブエンジン160a及び流体マニホールド200aは、例えば装置90の前側、後側、又は左右の一方側からアクセス可能である。
【0234】
[00252]ここで
図14を参照して、この図は、システム10(
図1)等の腎不全療法システムにおいて動作する別の代替的な流体管理アセンブリ110dの一実施形態を模式的に示している。ここでは、二重の流体マニホールド200d1及び200d2が背中合わせに位置合わせされている。第1の流体マニホールド200d1は、本明細書に提供の本開示のいずれかに係る第1の空気圧マニホールド120d1及び第1のポンプ・バルブエンジン160d1とともに動作する。一方、第2の流体マニホールド200d2は、本明細書に提供の本開示のいずれかに係る第2の空気圧マニホールド120d2及び第2のポンプ・バルブエンジン160d2とともに動作する。代替実施形態において、第1のポンプ・バルブエンジン160d1及び第2のポンプ・バルブエンジン160d2の一方又は両方の一部又は全部は、
図4及び
図5に従って取り外される。
【0235】
[00253]第1の空気圧マニホールド120d1及び第2の空気圧マニホールド120d2は、互いに離れる方向にヒンジ動作して、それぞれのポンプ・バルブエンジン及び流体マニホールドが互いに離れることで交換可能となるように、装置90の筐体にヒンジ接続されていてもよい。第1の空気圧マニホールド120d1及び第2の空気圧マニホールド120d2は、交換後、ヒンジで一体化される。図示の実施形態において、第1の空気圧マニホールド120d1及び第2の空気圧マニホールド120d2は、バルブ動作及びセンサ読み出しのため、制御ユニット50に対して動作可能に接続されている。
【0236】
[00254]
図14において、第1の流体マニホールド200d1は、水、酸、及び重炭酸塩を取り込むものであり、
図12の左端から限外ろ過装置78までのすべての構成要素を含むことによって、浄化透析液を透析装置40に出力する。第2の流体マニホールド200d2は、透析装置40から使用後透析液を取り込むものであり、
図12の平行チャンバ86a、86bからUFポンプ104までのすべての構成要素を含むことによって、使用後透析液をドレインに出力する。流体管理アセンブリ110dとは別個に血液セット100(
図2)が設けられており、これは、負圧下で患者12から動脈ライン14に沿って、透析装置40を通るように血液を圧送し(一実施形態においては透析液の逆流)、正圧下で静脈ライン16によって、血液を患者12に返す。
【0237】
[00255]ここで
図15を参照して、(
図14に記載のすべての構造、機能、及び代替物又は
図14において上記援用したすべての構造、機能、及び代替物を含む)同じ流体管理アセンブリ110dが異なる血液治療(例えば、敗血症に対する血液ろ過の提供)に用いられるようになっていてもよい。この場合も、流体管理アセンブリ110dとは別個に血液セット100(
図2)が設けられており、これは、負圧下で患者12から動脈ライン14に沿って、血液を第2の流体マニホールド200d2に圧送し、第2の流体マニホールド200d2は、敗血症フィルタ440を通じて血液を第1の流体マニホールド200d1へと圧送し、正圧下で静脈ライン16によって、血液を患者12に返す。
【0238】
[00256]ここで
図16を参照して、この図は、システム10(
図1)等の腎不全療法システムにおいて動作するさらに別の代替的な流体管理アセンブリ110eの一実施形態を模式的に示している。この場合も、二重の流体マニホールド200e1及び200e2が背中合わせに位置合わせされている。第1の流体マニホールド200e1は、本明細書に提供の本開示のいずれかに係る第1の空気圧マニホールド120e1及び第1のポンプ・バルブエンジン160e1とともに動作する。一方、第2の流体マニホールド200e2は、本明細書に提供の本開示のいずれかに係る第2の空気圧マニホールド120e2及び第2のポンプ・バルブエンジン160e2とともに動作する。代替実施形態において、第1のポンプ・バルブエンジン160e1及び第2のポンプ・バルブエンジン160e2の一方又は両方の一部又は全部は、
図4及び
図5に従って取り外される。
【0239】
[00257]この場合も、第1の空気圧マニホールド120e1及び第2の空気圧マニホールド120e2は、構成要素の交換のため、装置90の筐体にヒンジ接続されていてもよい。図示の実施形態において、第1及び第2の空気圧マニホールド120e1及び120e2は、バルブ動作及びセンサ読み出しのため、制御ユニット50に対して動作可能に接続されている。
図16において、第1の流体マニホールド200e1は、水、酸、及び重炭酸塩を受容するものであり、
図12の左端から限外ろ過装置78までのすべての構成要素を含むことによって、浄化透析液を透析装置40に出力する。第2の流体マニホールド200e2は、透析装置40から使用後透析液を受容するものであり、平行チャンバ86a、86bから
図12の右端までのすべての構成要素(血液ポンプ30及びヘパリンポンプ24を含む)を含む。ここで、血液セット100(
図2)は、流体管理アセンブリ110eに組み込まれている。組み込まれた血液ポンプ30は、負圧下で患者12から動脈ライン14に沿って、透析装置40を通るように血液を圧送し(一実施形態においては透析液の逆流)、正圧下で静脈ライン16によって、血液を患者12に返す。
【0240】
[00258]一実施形態において、第1の空気圧マニホールド120e1及び第2の空気圧マニホールド120e1は、互いに離れる方向に摺動し得るように、装置90(
図1)の筐体に取り付けられている。第1の空気圧マニホールド120e1が第1のポンプ・バルブエンジン160e1及び第1の流体マニホールド200e1を有する一方、第2の空気圧マニホールド120e2は、一度離れた場合、(i)第1のポンプ・バルブエンジン160e1及び第1の流体マニホールド200e1が必要に応じて交換され、(ii)第2のポンプ・バルブエンジン160e2、第2の流体マニホールド200e2、並びに血液セットの構成要素30及び24が必要に応じて交換され得るように、第2のポンプ・バルブエンジン160e2、第2の流体マニホールド200e2、並びに血液セットの構成要素30及び24を有する。第1の空気圧マニホールド120e1及び第2の空気圧マニホールド120e2は、交換完了後、筐体に沿って一体的に摺動後退する。
【0241】
[00259]また、
図16は、血液セット100e(
図2に示す血液セット100に関して上述したすべての構造、機能、及び代替物を含む)を示している。血液セット100eは、流体管理アセンブリ110eの外側で、空気圧マニホールド120e2に係合した状態を示している。このような構成によって、構成の簡素化、部品点数の削減等が図られる。血液セット100eは、頻繁に交換され得るため、装置90の筐体の外側(例えば、視認可能且つアクセス可能(例えば、適所への出し入れ可能)な壁又はドア)に配置されていてもよい。流体管理アセンブリ110eのポンプ・バルブエンジン160e1及び160e2並びに空気圧マニホールド120e1及び120e2は、永久に使用されてもよいし、低頻度(例えば、6カ月以上に1回)交換されるようになっていてもよく、このため、装置90の筐体内に位置付けられている。
【0242】
[00260]ここで
図17を参照して、この図は、さらに別の代替的な流体管理アセンブリ110fの一実施形態を模式的に示している。この場合も、二重の流体マニホールド200f1及び200f2が背中合わせに位置合わせされている。第1の流体マニホールド200f1は、本明細書に提供の本開示のいずれかに係る第1の空気圧マニホールド120f1並びに複数のポンプ・バルブエンジン160f2、160f3、及び160f4とともに動作する。一方、第2の流体マニホールド200f2は、本明細書に提供の本開示のいずれかに係る第2の空気圧マニホールド120f2及び第1のポンプ・バルブエンジン160f1とともに動作する。代替実施形態において、第1から第4のポンプ・バルブエンジン160f1~160f4のうちの1つ、複数、又はすべての一部又は全部は、
図4及び
図5に従って取り外される。
【0243】
[00261]第1の空気圧マニホールド120f1及び第2の空気圧マニホールド120f2は、上述の通り構成要素の取り外しのため、装置90の筐体にヒンジ接続されていてもよい。図示の実施形態において、第1の空気圧マニホールド120d1及び第2の空気圧マニホールド120d2は、バルブ動作及びセンサ読み出しのため、制御ユニット50に対して動作可能に接続されている。制御ユニット50は、装置90及びシステム10全体の電気的機能及び信号機能を制御するようにしてもよい。
【0244】
[00262]
図17は、空気圧マニホールド、ポンプ・バルブエンジン、及び流体マニホールドが1対1の関係である必要がないことを示した断面図である。単一の空気圧マニホールドの場合は、(i)単一の流体マニホールド、(ii)単一の流体マニホールド及び単一のポンプ・バルブエンジン、(iii)単一の流体マニホールド及び複数のポンプ・バルブエンジン、(iv)複数の流体マニホールド及び単一のポンプ・バルブエンジン、並びに(v)複数の流体マニホールド及び複数のポンプ・バルブエンジンが存在していてもよい。単一のポンプ・バルブエンジンの場合は、(i)単一の空気圧マニホールド及び複数の流体マニホールド、(ii)複数の空気圧マニホールド及び単一の流体マニホールド、並びに(iii)複数の空気圧マニホールド及び複数の流体マニホールドが存在していてもよい。単一の流体マニホールドの場合は、(i)単一の空気圧マニホールド及び複数のポンプ・バルブエンジン、(ii)複数の空気圧マニホールド及び単一のポンプ・バルブエンジン、並びに(iii)複数の空気圧マニホールド及び複数のポンプ・バルブエンジンが存在していてもよい。
【0245】
[00263]
図17は、流体管理アセンブリ110fのモジュール方式を示している。図示のように、異なるポンプ・バルブエンジンが同じ流体マニホールドに取り付けられて、異なる機能を実現していてもよい。
【0246】
[00264]ここで
図18A~
図18Cを参照して、これらの図は、流体管理アセンブリ110g1~100g3によって、本開示の流体管理アセンブリのモジュール方式を模式的に示している。流体管理アセンブリ110g1~110g3はそれぞれ、異なる流体マニホールド200g1、200g2、及び200g3を含む。流体管理アセンブリ110g1~110g3はそれぞれ、同じ第1のポンプ・バルブエンジン160g1を含む。また、流体管理アセンブリ110g1は、第2及び第3のポンプ・バルブエンジン160g2及び160g3を含む。また、流体管理アセンブリ110g2は、第2及び第4のポンプ・バルブエンジン160g2及び160g4を含む。また、流体管理アセンブリ110g3は、第2、第3、及び第4のポンプ・バルブエンジン160g2、160g3、及び160g4を含む。したがって、当然のことながら、同じ空気圧マニホールド、同じポンプ・バルブエンジン、及び同じ流体マニホールドのうちの1つずつがモジュール式に混合及び照合されて、全体が異なる流体管理アセンブリ(それぞれ、所望の機能を有する)が生成されるようになっていてもよい。
【0247】
[00265]ここで
図19A及び
図19Bを参照して、この図は、付加的な取り付け詳細とともに上述の流体管理アセンブリ110dを示しており、これは、本開示の医療用流体管理アセンブリのいずれかに適用可能である。
図10及び関連する本文は、本開示の流体管理アセンブリを一体的に解除可能に保持するのに用いられるボルト又は締結具390及び394を記載している。
図19Aは、空気圧マニホールド、ポンプ・バルブエンジン、及び流体マニホールドのいずれかの2つ以上を一体的に保持するのに、複数のボルト又は締結具390a~390fを使用可能であることをさらに記載している。ボルト又は締結具390a~390fがプラスチックの構成要素にねじ込まれる場合は、ねじ込まれた金属インサートがプラスチックの構成要素に形成又は付着し得るため、プラスチックの構成要素の亀裂なく、所望の締め付け量が実現され得る。
【0248】
[00266]図示の実施形態において、ボルト又は締結具390aは、空気圧マニホールド120d1、ポンプ・バルブエンジン160d1、及び流体マニホールド200d1を一体的に解除可能に保持する。ボルト又は締結具390bは、ポンプ・バルブエンジン160d1、流体マニホールド200d1、流体マニホールド200d2、及びポンプ・バルブエンジン160d2を一体的に解除可能に保持する。ボルト又は締結具390cは、空気圧マニホールド120d1及びポンプ・バルブエンジン160d1を一体的に解除可能に保持する。ボルト又は締結具390dは、流体マニホールド200d1及び流体マニホールド200d2を一体的に解除可能に保持する。ボルト又は締結具390eは、空気圧マニホールド120d2、ポンプ・バルブエンジン160d2、及び流体マニホールド200d2を一体的に解除可能に保持する。ボルト又は締結具390fは、空気圧マニホールド120d2及びポンプ・バルブエンジン160d2を一体的に解除可能に保持する。
【0249】
[00267]外側のボルト又は締結具390a、390c、390e、及び390fを取り外すことにより、内側のボルト又は締結具390b及び390dにアクセス可能となる。この順序で、流体管理アセンブリ110dを容易に分解して、任意の必要な構成要素を交換することができる。この順序を逆転することにより、構成要素を交換した流体管理アセンブリ110dを容易に再構成可能である。
図19Bは、流体管理アセンブリ110dの上面又は底面図であって、例えば規則的なパターンで空気圧マニホールド120d1又は120d2の外側から、ボルト又は締結具のアレイを挿入することにより、流体管理アセンブリ全体に沿って十分な空気圧が一様に分散して、すべてのガスケット及びOリングシールが適切に圧縮されて適正な封止がもたらされ得ることを示している。
【0250】
[00268]
図19A及び
図19Bは、機械的な高速解除クランプ398a、398b、398c、及び398dの使用によって、空気圧マニホールド120d1、120d2、ポンプ・バルブエンジン160d1、160d2、及び流体マニホールド200d1、200d2をxy方向で一体的に解除可能に保持することにより(ただし、ボルト又は締結具390a~390fはz方向に締結される)、締結具390a~390f並びに/又は
図10に関して論じた構造及び方法によるz方向の締結に先立って、様々なチャンバ、可撓性膜190、192、Oリング144、及びシートガスケットが適所に解除可能に、適正に位置合わせされ得ることをさらに示している。高速解除クランプ398a、398b、398c、及び398dは、排他的に使用されていてもよいし、ボルト及び/又は他の締結具とともに使用されていてもよい。
【0251】
[00269]当業者には、本明細書に記載の好適な実施形態の種々変更及び改良が明らかであろうことが了解されるものとする。このような変更及び改良は、本主題の主旨及び範囲から逸脱することなく、また、その意図する利点を縮減することなく、実施可能である。したがって、このような変更及び改良は、添付の特許請求の範囲による網羅が意図される。