(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】直進フィーダ用のトラフ及びこれを備えた組合せ秤
(51)【国際特許分類】
B65G 47/14 20060101AFI20230816BHJP
G01G 19/387 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
B65G47/14 101C
G01G19/387 C
(21)【出願番号】P 2019032291
(22)【出願日】2019-02-26
【審査請求日】2021-11-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】末道 亮
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-082046(JP,A)
【文献】特開平08-188218(JP,A)
【文献】実開平05-037742(JP,U)
【文献】特開2014-224709(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0257062(US,A1)
【文献】特開平10-218334(JP,A)
【文献】特開2002-193425(JP,A)
【文献】実開平03-053523(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00 - 47/20
G01G 19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された物品を振動搬送する直進フィーダ用のトラフであって、
直線状の搬送通路と、
前記直線状の搬送通路を、前記物品の搬送方向に直交する幅方向に複数に分割して、複数の小幅搬送通路を形成する仕切り壁とを備え、
前記仕切り壁は、前記搬送方向に沿って延びており、
前記複数の小幅搬送通路は、前記小幅搬送通路を備えた複数の通路部材を並列して、支持板に載置連結して構成され、
前記複数の各通路部材は、上向きに開口した縦断面形状がコの字形に屈折して形成され、隣り合う各通路部材の側壁が重合わされて前記仕切り壁が構成され、
前記小幅搬送通路は、前記搬送方向の終端に、前記物品を乗り越え可能に止める係止部を備え、
前記係止部は、前記小幅搬送通路の底面の前記終端が、前記搬送方向に向けて先上がり傾斜したものである、
ことを特徴とする直進フィーダ用のトラフ。
【請求項2】
前記小幅搬送通路の前記幅方向の間隔が、前記物品の最大長さより大きい、
請求項1に記載の直進フィーダ用のトラフ。
【請求項3】
前記物品が供給される始端側における前記仕切り壁の高さは、前記搬送方向の上手側ほど低い、
請求項1または2に記載の直進フィーダ用のトラフ。
【請求項4】
前記直線状の搬送通路は、前記搬送方向に向けて先下がりの段差を備えている、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の直進フィーダ用のトラフ。
【請求項5】
前記段差の高さは、前記物品の高さより高い、
請求項4に記載の直進フィーダ用のトラフ。
【請求項6】
トップコーン上に供給される物品を周縁部へ搬送する分散フィーダと、前記分散フィーダの周囲に放射状に配設され、前記分散フィーダによって供給された物品を外方へ振動搬送する複数の直進フィーダと、前記各直進フィーダにそれぞれ対応して設けられ、前記直進フィーダからの前記物品を一時保持して排出する複数の供給ホッパと、前記各供給ホッパにそれぞれ対応して設けられ、前記供給ホッパから排出された物品を一時保持して物品の重量を計量する複数の計量ホッパとを備え、前記計量ホッパで計量される物品の計量値に基づいて組合せ演算を行う組合せ秤であって、
前記複数の直進フィーダの少なくとも一部の直進フィーダは、前記請求項1ないし5のいずれか一項に記載のトラフを備えている、
ことを特徴とする組合せ秤。
【請求項7】
前記分散フィーダの前記トップコーンの周縁部には、外方へ延びて前記物品を案内送出する複数の送出ガイドが、周方向に所定の間隔で立設されており、隣接する前記送出ガイドの中間部位が、前記直進フィーダのトラフの始端部に臨む、
請求項6に記載の組合せ秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菓子などの物品を振動によって直進搬送する直進フィーダ用のトラフ及びこれを備えた組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、組合せ秤においては、分散フィーダで分散搬送した物品を、その周囲に配備した複数の直進フィーダに送り込み、直進フィーダで振動搬送した物品を、供給ホッパを介して計量ホッパに送り込んで計量し、計量ホッパの計量値に基づいて組合せ演算を行って、所定重量となる複数の計量ホッパを選択し、選択した複数の計量ホッパから物品を排出し、包装機で排出された物品を包装するようにしている。
【0003】
かかる組合せ秤では、例えば、特許文献1に示されているように、複数の異なる品種の物品を混合し、混合した物品が所定重量あるいは所定個数となるように計量する、いわゆるミックス計量を行う場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のミックス計量では、品種毎に計量する必要があるので、各品種に割り当てられる計量ホッパの数は少なくなる。
【0006】
このように計量ホッパの数が少なく、目標とする生産量が高い場合には、各計量ホッパに適量の物品を供給しなければ、組合せが成立せず、目標とする生産量を達成するのが困難となる。
【0007】
しかし、従来の一般的な直進フィーダでは、適量の物品を安定して供給ホッパ、したがって、計量ホッパへ供給するのが困難であり、計量ホッパへ供給される物品の量が、過大あるいは過少になる場合がある。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであって、適量の物品を安定して搬送できる直進フィーダ用のトラフ、及び、これを備える組合せ秤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0010】
(1)本発明に係る直進フィーダ用のトラフは、供給された物品を振動搬送する直進フィーダ用のトラフであって、
直線状の搬送通路と、前記直線状の搬送通路を、前記物品の搬送方向に直交する幅方向に複数に分割して、複数の小幅搬送通路を形成する仕切り壁とを備え、前記仕切り壁は、前記搬送方向に沿って延びており、前記複数の小幅搬送通路は、前記小幅搬送通路を備えた複数の通路部材を並列して、支持板に載置連結して構成され、前記複数の各通路部材は、上向きに開口した縦断面形状がコの字形に屈折して形成され、隣り合う各通路部材の側壁が重合わされて前記仕切り壁が構成され、前記小幅搬送通路は、前記搬送方向の終端に、前記物品を乗り越え可能に止める係止部を備え、前記係止部は、前記小幅搬送通路の底面の前記終端が、前記搬送方向に向けて先上がり傾斜したものである。
【0011】
本発明によると、当該トラフの始端部に供給された物品は、振動搬送されながら、並列する複数の小幅搬送通路に振り分けられて、重なり合うことなく複数列に整列搬送され、終端部においては、小幅搬送通路の数に応じた物品が送出される。
更に、本発明によると、各小幅搬送通路の終端に至った物品は、係止部に受止められ、複数の小幅搬送通路の各終端で複数個の物品が横並び状態で一旦止められることになる。従って、当該トラフの振動駆動が休止されている間、物品が不用意に終端から転がり出ることがなく、トラフが振動駆動されると、小幅搬送通路の終端で横並びに止められていた複数個の物品がそれぞれの係止部を乗り越えて送出される。
【0012】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記小幅搬送通路の前記幅方向の間隔が、前記物品の最大長さより大きい。
【0013】
この実施態様によると、物品は最大長さ方向が横向きになっても、小幅搬送通路の側壁間に詰まることがなく、安定した姿勢の整列状態で円滑に振動搬送される。特に、物品が、楕円体状のものである場合、最大長さ方向が横向きとなる安定姿勢に整列されて、各小幅搬送通路に沿って搬送される。
【0014】
(3)本発明の他の実施態様では、前記物品が供給される始端側における前記仕切り壁の高さは、前記搬送方向の上手側ほど低い。
【0015】
この実施態様によると、当該トラフの始端部に供給された直後の物品は、低い仕切り壁を越えて移動することが可能であり、横幅方向へも容易に分散されて、複数の小幅搬送通路に導かれてゆく。また、搬送されるにつれて仕切り壁が高くなるので、横幅方向への移動が制限され、終端部では、小幅搬送通路内で一列に整列されることになる。
【0016】
(4)本発明の更に他の実施態様では、前記直線状の搬送通路は、前記搬送方向に向けて先下がりの段差を備えている。
【0017】
この実施態様によると、小幅搬送通路の始端側で物品が重なり合った状態であっても、その重なりが段差での落下によって崩され、段差を越えた後の小幅搬送通路内では、物品は、重なり無く一列に整列された状態で搬送されてゆく。
【0018】
(5)本発明の一実施態様では、前記段差の高さは、前記物品の高さより高い。
【0019】
この実施態様によると、物品の高さより高い段差を落下する際に、物品の重なりを効果的に崩すことができる。
【0022】
(6)本発明に係る組合せ秤は、トップコーン上に供給される物品を周縁部へ搬送する分散フィーダと、前記分散フィーダの周囲に放射状に配設され、前記分散フィーダによって供給された物品を外方へ振動搬送する複数の直進フィーダと、前記各直進フィーダにそれぞれ対応して設けられ、前記直進フィーダからの前記物品を一時保持して排出する複数の供給ホッパと、前記各供給ホッパにそれぞれ対応して設けられ、前記供給ホッパから排出された物品を一時保持して物品の重量を計量する複数の計量ホッパとを備え、前記計量ホッパで計量される物品の計量値に基づいて組合せ演算を行う組合せ秤であって、
前記複数の直進フィーダの少なくとも一部の直進フィーダは、上記(1)ないし(5)のいずれかのトラフを備えている。
【0023】
前記複数の直進フィーダの全ての直進フィーダを、上記(1)ないし(5)のいずれかのトラフを備える構成とするのが好ましいが、例えば、ミックス計量を行う場合に、物品の品種によっては、前記複数の直進フィーダの一部の直進フィーダを、上記(1)ないし(5)のいずれかのトラフを備える構成としてもよい。
【0024】
本発明によると、少なくとも一部の各直進フィーダから供給ホッパへ送り出される物品の量が安定するので、計量ホッパに過大あるいは過少の物品が供給されることがなく、組合せが不成立となるのを防止することができる。
【0025】
(7)本発明の好ましい実施態様では、前記分散フィーダの前記トップコーンの周縁部には、外方へ延びて前記物品を案内送出する複数の送出ガイドが、周方向に所定の間隔で立設されており、隣接する前記送出ガイドの中間部位が、前記直進フィーダのトラフの始端部に臨んでいる。
【0026】
この実施態様によると、分散フィーダの終端部における隣接する送出ガイドによって、分散フィーダからの物品は、直進フィーダの各トラフの始端部へ案内されて円滑に移載されることになり、直進フィーダの隣接するトラフの境界において、物品が停滞するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る直進フィーダ用のトラフによれば、適量の物品を安定して送り出すことができる。
【0028】
また、本発明に係るトラフを備えた本発明に係る組合せ秤によると、各直進フィーダでの物品搬送量、つまり、計量ホッパへの物品供給量を適量に安定させることができ、これによって、組合せが不成立となるのを防止して、高い生産量を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す模式図である。
【
図3】
図3は直進フィーダ用のトラフの斜視図である。
【
図4】
図4は直進フィーダ用のトラフの分解斜視図である。
【
図5】
図5は直進フィーダ用のトラフの平面図である。
【
図6】
図6は直進フィーダ用のトラフの側面図である。
【
図7】
図7は直進フィーダ用のトラフを搬送終端部側から見た正面図である。
【
図8】
図8は直進フィーダ用のトラフの縦断側面図である。
【
図9】
図9は
図5における各部位で縦断した端面図であり、(a)はA-A端面図、(b)はB-B端面図、(c)はC-C端面図、(d)はD-D端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施の形態に係る組合せ秤の概略構成を示す模式図であり、
図2は、組合せ秤の上部を示す平面図である。
【0032】
この実施形態の組合せ秤は、形状が略同一で比較的硬い複数品種の物品、例えば、ハードコーティングした味の異なる4種類の楕円体状のグミwを、複数個ずつ集めて所定個数になるよう計量して袋詰めする計量包装ラインに利用される。
【0033】
この実施形態の組合せ秤の上部中央には、図示しない供給装置によって搬送されて落下供給された物品wを振動によって放射状に分散搬送する円錐状のトップコーン6を有する分散フィーダ1が設けられている。分散フィーダ1の周囲には、分散フィーダ1の周縁から搬出された物品wを更に外方に向けて直線的に搬送する多数台(この例では24台)の直進フィーダ2が放射状に配設されている。更に、各直進フィーダ2の搬送終端部の下方には、ゲート3aが開閉制御される供給ホッパ3が配設されると共に、各供給ホッパ3の下方には、ゲート4aが開閉制御される計量ホッパ4がそれぞれ配設されている。
【0034】
分散フィーダ1には、加振機構5によって振動駆動される上記のトップコーン6が備えられており、このトップコーン6は、仕切り板7を介して周方向に四つの区画に等分割されている。各区画には、それぞれ品種の異なる物品wが落下供給され、各区画に対応して配備された複数台(この例では6台)の直進フィーダ2に物品wを分散搬送するようになっている。
【0035】
この直進フィーダ2は、物品wを載置して搬送するトラフ21と、このトラフ21を振動駆動する加振機構22とを備えている。
【0036】
供給ホッパ3は、直進フィーダ2の終端から落下排出された物品wを受け取って一時保持し、その下方に配置された計量ホッパ4が空になると、物品wを落下排出して計量ホッパ4へ投入する。また、各計量ホッパ4には、ホッパ内の物品wの重量を計測するロードセル等の重量センサ8が連結され、各重量センサ8による計量データは制御装置15へ出力される。
【0037】
計量ホッパ4から排出された物品wは、集合シュート9によって装置中心下方へ案内され、そのシュート下端に配備された集合ファネル10を介して集合ホッパ11に集められ、一時保持される。
【0038】
各部を制御する制御装置15は、品種毎に組合せ演算を行って、設定されている組合せ条件を満足する複数の計量ホッパ4を選択し、選択された計量ホッパ4から物品wが集合ホッパ11へ排出されて一旦保持される。図示しない包装機から制御装置15へ排出要求信号の入力があると、集合ホッパ11のゲート11aが開放制御され、保持されている物品wが排出されて包装機へ投入される。
【0039】
この実施形態では、直進フィーダ2によって、適量の物品を安定して搬送できるようにしている。
【0040】
図3は直進フィーダ2のトラフ21の斜視図であり、
図4はその分解斜視図である。
【0041】
このトラフ21は、物品wを載置して一定幅の直線状の搬送通路Fに沿って搬送するものである。
【0042】
この実施形態のトラフ21は、一定小幅の搬送通路fを備えた3つの通路部材23a、23b、23cを並列し、厚板材からなる支持板24に載置連結して構成されている。
【0043】
通路部材23a、23b、23cは、薄板材を上向きに開口する縦断面形状がコの字形に屈折して形成されている。中間の通路部材23bにおける左右の側壁と、左右外側の通路部材23a、23cにおける内方の側壁とが重合されて、幅広の搬送通路Fをその全長に亘って3つの小幅搬送通路fに区分する仕切り壁25となっている。
【0044】
この実施形態のトラフ21によると、通路部材23a、23b、23cの側壁同士を重ねてなる仕切り壁25が、搬送方向に長い縦リブとして機能し、薄板材からなるトラフ21を剛性の高いものとすることができる。また、板材を屈折して通路部材23a、23b、23cを形成することで、底面とその両端で起立する側壁との境界に、部材の継ぎ目の無い小幅搬送通路fを搬送方向に沿って一連に形成することができ、物品屑などが継ぎ目に引っ掛かったり、詰まったりすることがなく、搬送を円滑に行うことができる。また、小幅搬送通路fの清掃や洗浄が容易となる。
【0045】
図5はトラフ21の平面図であり、
図6はその側面図であり、
図7はトラフ21を搬送終端部側から見た正面図であり、
図8はトラフ21の縦断側面図であり、
図9は
図5における各部位で縦断した端面図であり、(a)はA-A端面図、(b)はB-B端面図、(c)はC-C端面図、(d)はD-D端面図である。
【0046】
トラフ21の上記の直線状の搬送通路Fにおける中間部には、搬送方向に先下がりの段差dが形成されている。この段差dより搬送上手側であるトラフ21の始端側においては、仕切り壁25が搬送上手側ほど低く形成されると共に、段差d、及び、その搬送下手側においては、仕切り壁25が一定高さに形成されている。
【0047】
ここで、小幅搬送通路fの内幅は、横倒れ安定姿勢になった物品wの長さ、つまり、物品の最大長さより若干(例えば、1mm程度)大きく設定されている。また、段差dより搬送下手側における仕切り壁25の高さは、横倒れ安定姿勢になった物品wの高さより少し高く、また、段差dの高さも、横倒れ安定姿勢になった物品wの高さより少し高く設定されている。
【0048】
各小幅搬送通路fの終端底面には、先上がり傾斜した舌片状の係止部26が屈折形成されている。この係止部26は、搬送終端に至った物品wを軽く係止して一旦保留し、かつ、トラフ21が振動駆動されると物品wが係止部26を乗り越え通過する角度(例えば、5~10度程度)に先上がり傾斜されている。
【0049】
トラフ21の支持板24は、厚板材を屈折形成して構成されており、トラフ21と加振機構22との脱着に用いられる。支持部材24の下面には、大径頭部を備えた係止ピン27と、一対の位置決めピン28と、フック29とが備えられている。係止ピン27を、
図6に示される加振機構22の振動プレート22aの係止孔(図示せず)の孔縁に上方へ抜け出し不能に係止すると共に、位置決めピン28を振動プレート22aの位置決め孔(図示せず)に挿入する。この状態で、振動プレート22aに備えられたバックル型連結金具30の係止レバー30aの先端をフック29に係止し、死点を越えて揺動操作することで、トラフ21を振動プレート22aに連結固定することができ、また、係止レバー30aを逆向きに死点越え操作してフック29から離脱することで、トラフ21を加振機構22の振動プレート22aから取り外すことができる。
【0050】
また、分散フィーダ1におけるトップコーン6の外周部上面には、外方に向けて搬送される物品wを各直進フィーダ2のトラフ21の始端部に案内送出するための多数の送出ガイド31が、周方向に所定の間隔で立設されている。
【0051】
送出ガイド31は、分散フィーダ1の中心に向けて先細りで、外方に向けて先上がりの中空山形に形成されている。この送出ガイド31が直進フィーダ2におけるトラフ21の始端部において、トラフ側壁部の始端部に被さるように設けられている。隣接する送出ガイド31の中間部位が、直進フィーダ2の各トラフ21の始端部に臨んでおり、隣接する送出ガイド31の間に導いた物品wを、トラフ21における搬送通路Fの始端部に円滑に案内するようになっている。
【0052】
本実施形態では、組合せ秤の上部に個別に搬入された4種の物品wは、分散フィーダ1に形成された4つの区画の中心付近にそれぞれ落下供給され、区画ごとに分散搬送された後、直進フィーダ2及び供給ホッパ3を介して計量ホッパ4に供給される。つまり、1品種あたり6台の計量ホッパ4を用いての組合せ計量が行われる。
【0053】
ここで、直進フィーダ2では、以下のようにして物品の搬送が行われる。
【0054】
分散フィーダ1の外周部まで分散搬送された物品wは、隣接する送出ガイド31の間に導かれ、直進フィーダ2におけるトラフ21の始端部側壁に引っ掛かることなく直線状の搬送通路Fの始端部に送り込まれる。
【0055】
搬送通路Fの始端側では、搬送上手側ほど仕切り壁25が低いため、重なり合った物品wは径路横幅方向への移動が可能である。加振されているうちに物品wの重なりが崩され、多くの物品wは並列した3つの小幅搬送通路fのいずれかに導かれる。
【0056】
小幅搬送通路fに導かれた物品wは、振動搬送されているうちに安定した横倒れ姿勢となり、各小幅搬送通路fに沿って縦一列状に整列されながら搬送されてゆく。
【0057】
物品wが上段の小幅搬送通路fの中間部にまで搬送されてくると、段差dにおいて下段の小幅搬送通路fに滑落する。この時、上段の小幅搬送通路fで物品wの重なりが発生していても、段差dでの滑落によってその重なりが崩され、下段の小幅搬送通路fでは物品wが一列状に整列される。
【0058】
段差dの高さは、物品wの重なりを崩すためには、物品wの高さより高いのが好ましく、この実施形態では、段差dの高さを、物品wの高より少し高くしている。
【0059】
トラフ21の終端に至った物品wは、加振駆動されている間は、係止部26を乗り越えて供給ホッパ3に送出されるが、加振駆動が休止制御されると、トラフ終端の物品wは係止部26を乗り越えることなく、横倒れ姿勢のまま一旦停止する。そして、供給ホッパ3の排出作動に伴ってトラフ21の加振駆動が再開されると、係止部26に一旦停止していた先頭の物品wが係止部26を乗り越えて送出される。これによって、トラフ終端からの物品こぼれ出しが阻止され、1回の送出によって3個前後の個数だけ物品wが供給ホッパ3に送り込まれる。
【0060】
以上のように本実施形態によれば、直進フィーダ2のトラフ21の始端部に供給された物品wは、振動搬送されながら、並列する3列の小幅搬送通路fに振り分けられて、重なり合うことなく3列に整列搬送され、終端部においては、小幅搬送通路fの数に応じて、適量である3個前後の物品wを、安定して供給ホッパ3に供給することができ、この供給ホッパ3を介して計量ホッパ4に3個前後の適量の物品wを安定して供給することができる。
【0061】
これによって、各計量サイクルの組合せ演算において、組合せが不成立となるのを防止して、高い生産量を達成することができる。
【0062】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0063】
(1)トラフ21の直線状の搬送通路Fを、それより幅の狭い2列、あるいは、4列以上の小幅搬送通路fに分割して実施することもできる。
【0065】
(2)物品wの種類によっては、段差dを備えない形態で実施することもできる。
【符号の説明】
【0067】
1 分散フィーダ
2 直進フィーダ
3 供給ホッパ
4 計量ホッパ
6 トップコーン
7 仕切り板
21 トラフ
23a、23b、23c 通路部材
25 仕切り壁
26 係止部
d 段差
F 搬送通路
f 小幅搬送通路
w 物品