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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】レーザー接合検査較正システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/30 20060101AFI20230816BHJP
   G01N 29/24 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
G01N29/30
G01N29/24
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019161277
(22)【出願日】2019-09-04
(65)【公開番号】P2020112538
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】16/245,632
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】アラン・エフ・スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ジョエル・ピール
【審査官】村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-106912(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0128709(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0219014(US,A1)
【文献】特表2010-519540(JP,A)
【文献】特開2013-057521(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0122046(US,A1)
【文献】特開2015-230171(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0131557(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 29/00-29/52
G01B 17/00-17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験構造体(200)の強度を特定するために前記試験構造体(200)の表面にレーザーパルス(132)を印加するように構成されたレーザー接合検査ヘッド(130)を備えるレーザー検査システム(100)の較正結果を決定する方法(500)であって、
較正パネル(410)の第一表面(412)に固定されたアブレーション層(210)に前記レーザー接合検査ヘッド(130)によって印加されるビーム直径(136)を有するレーザーパルス(132)に応答して前記較正パネル(410)内に圧縮波(240)を発生させること(510)であって、前記較正パネル(410)が備える第一表面(412)が所定の厚さ(416)で第二表面(414)から離隔され、前記第一表面(412)が前記第二表面(414)に略平行である、こと(510)と、
前記較正パネル(410)の第二表面(414)から所定の距離で離隔して固定された表面運動センサ(420)を用いて、前記圧縮波(240)を感知すること(520)であって、前記表面運動センサの縦軸(422)が、前記ビーム直径(136)によって定められる許容範囲内で前記レーザー接合検査ヘッド(130)の縦軸(134)と略整列する、こと(520)と、
感知された前記圧縮波の一つ以上の特性に応答して前記レーザー検査システム(100)の較正結果を出力すること(530)と、を備える方法(500)。
【請求項2】
前記表面運動センサ(420)が電磁音響トランスデューサ(EMAT)を備える、請求項1に記載の方法(500)。
【請求項3】
前記レーザー検査システム(100)の較正結果を出力すること(530)が、
感知された前記圧縮波の少なくとも一つの振幅を検出することと、
検出された前記少なくとも一つの振幅に応答して決定された較正結果を出力することと、を備える、請求項2に記載の方法(500)。
【請求項4】
前記表面運動センサ(420)が、前記較正パネル(410)に対して固定された傾斜を有する任意反射体用速度干渉計システム(VISAR)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(500)。
【請求項5】
前記レーザー検査システム(100)の較正結果を出力すること(530)が、
感知された前記圧縮波の一つ以上の特性に応答して前記圧縮波の振幅を決定することと、
決定された前記振幅に応答して較正結果を出力することと、を備える、請求項4に記載の方法(500)。
【請求項6】
前記較正結果を出力すること(530)が、前記レーザー接合検査ヘッド(130)が前記較正パネル(410)に固定された前記アブレーション層(210)に前記レーザーパルス(132)を印加した後一分間未満で較正結果を出力することを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法(500)。
【請求項7】
前記較正結果が、前記レーザー検査システムが較正されていないことを示す場合に、
前記レーザー検査システム(100)の一つ以上の調整を行った後に、前記較正パネル(410)の前記第一表面(412)に固定された新たなアブレーション層(210)に前記レーザー接合検査ヘッド(130)によって印加される前記ビーム直径(136)を有する第二レーザーパルス(132)に応答して前記較正パネル(410)中に第二圧縮波(240)を発生させることと、
前記表面運動センサ(420)を用いて、前記第二圧縮波(240)を感知することと、
感知された前記第二圧縮波の一つ以上の特性に応答して前記レーザー検査システム(100)の第二較正結果を出力することと
によって較正を繰り返すこと(540)を更に備える請求項1から6のいずれか一項に記載の方法(500)。
【請求項8】
前記較正結果が第一較正結果を備え、前記第二較正結果を出力することが、前記第二圧縮波を発生させた後一分間未満で前記第二較正結果を出力することを備える、請求項7に記載の方法(500)。
【請求項9】
前記較正結果が第一較正結果を備え、
前記較正パネル(410)の前記第一表面(412)に固定された新たなアブレーション層(210)に前記レーザー接合検査ヘッド(130)によって印加される前記ビーム直径(136)を有する第二レーザーパルス(132)に応答して前記較正パネル(410)中に第二圧縮波(240)を発生させることと、
前記表面運動センサ(420)を用いて前記第二圧縮波(240)を感知することと、
感知された前記第二圧縮波の一つ以上の特性に応答して前記レーザー検査システム(100)の第二較正結果を出力することと
によって較正を繰り返すこと(540)を更に備える請求項1からのいずれか一項に記載の方法(500)。
【請求項10】
前記第一較正結果が、前記レーザー検査システム(100)が一つ以上の試験構造体(200)を評価する前の第一時点において得られ、前記第二較正結果が、前記レーザー検査システム(100)が前記一つ以上の試験構造体(200)を評価した後の第二時点において得られる、請求項9に記載の方法(500)。
【請求項11】
前記第一較正結果が、前記レーザー検査システム(100)が第一組の一つ以上の試験構造体(200)を評価する前の第一時点において得られ、前記第二較正結果が、前記レーザー検査システム(100)が第二組の一つ以上の試験構造体(200)を評価する前の第二時点において得られ、前記第二時点が前記第一時点の後である、請求項9に記載の方法(500)。
【請求項12】
試験構造体(200)の強度を特定するために前記試験構造体(200)にレーザーパルス(132)を印加するように構成されたレーザー接合検査ヘッド(130)を備えるレーザー検査システム(100)の較正を決定するための較正システム(400)であって、
第二表面(414)と略平行であり且つ所定の厚さ(416)で第二表面(414)から離隔された第一表面(412)を備える較正パネル(410)と、
所定の距離で前記較正パネル(410)の第二表面(414)から離隔して固定された表面運動センサ(420)であって、前記較正パネル(410)の第一表面(412)に固定されたアブレーション層(210)に印加されるレーザーパルス(132)に応答して前記較正パネル(410)中に発生する圧縮波(240)を感知するように構成された表面運動センサ(420)であって、前記表面運動センサ(420)の縦軸(422)が前記レーザーパルス(132)のビーム直径(136)によって定められる許容範囲内で前記レーザー接合検査ヘッド(130)の縦軸と略整列する、表面運動センサ(420)と、
感知された前記圧縮波の一つ以上の特性に応答して前記レーザー検査システムの較正結果を出力するように構成された処理回路(430)と、を備える較正システム(400)。
【請求項13】
前記表面運動センサ(420)が電磁音響トランスデューサ(EMAT)を備える、請求項12に記載の較正システム(400)。
【請求項14】
前記表面運動センサ(420)が、前記較正パネル(410)に対して固定された傾斜を有する任意反射体用速度干渉計システム(VISAR)を備える、請求項12又は13に記載の較正システム(400)。
【請求項15】
前記表面運動センサ(420)が、
第一所定距離で前記較正パネル(410)の第二表面(414)から離隔して固定された第一表面運動センサ(434)と、
前記第一表面運動センサ(434)に近接し、第二所定距離で前記較正パネル(410)の第二表面(414)から離隔して固定された第二表面運動センサ(436)と、を備える、請求項12から14のいずれか一項に記載の較正システム(400)。
【請求項16】
前記第一表面運動センサ(434)が任意反射体用速度干渉計システム(VISAR)を備え、前記第二表面運動センサ(426)が電磁音響トランスデューサ(EMAT)を備える、請求項15に記載の較正システム(400)。
【請求項17】
前記較正パネル(410)がアルミニウムパネルを備え、前記所定の厚さ(416)が10mm未満である、請求項12から16のいずれか一項に記載の較正システム(400)。
【請求項18】
前記レーザー接合検査ヘッド(130)が前記較正パネル(410)に固定されたアブレーション層(210)にレーザーパルス(132)を印加した後一分間未満で較正結果を出力するように構成されている請求項12から17のいずれか一項に記載の較正システム(400)。
【請求項19】
前記較正パネル(410)と前記表面運動センサ(420)が携帯型較正構造体(450)に共に配置され、前記処理回路(430)が、前記携帯型較正構造体(450)から離隔しているが動作可能に接続されている、請求項12から18のいずれか一項に記載の較正システム(400)。
【請求項20】
前記較正パネル(410)と前記表面運動センサ(420)と前記処理回路(430)が携帯型較正構造体(450)に共に配置されている、請求項12から18のいずれか一項に記載の較正システム(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は米国国防総省によって助成された米国政府支援FA8650-17-C-5529で為されたものである。米国政府は本願に一定の権利を有する。
【0002】
本願は、一般的に試験構造体検査に係り、特に試験構造体の強度を評価するのに用いられる検査システムの較正に関する。
【背景技術】
【0003】
レーザー検査システム、例えばレーザー接合検査(LBI,laser bond inspection)システムは、試験構造体の強度を評価する。例えば、LBIシステムは、航空機を構築するのに用いられるユニットパネル等の構造体がプロセス欠陥を有していないかどうか及び/又はその使用目的にとって十分強いものであるかどうかを評価し得る。他の例では、LBIシステムは、二つの構造体を互いに固定する接合が特定の動作条件においてその接合を維持するのに十分強いかどうかを評価し得る。このような強度評価の精度を保証するために、こうした検査システムが較正される。
【0004】
LBIシステム用の従来の較正法には、LBIシステムで用いられる一つ以上のエネルギー計器の第三者による較正、LBIシステムがアブレーション層、例えばアブレーションテープ上に生じさせるスポットサイズの検査及び測定、標準試験パネルの試験が含まれる。一般的に、各試験パネルは60~100回の試験を受け、各試験は超音波検査とデータ分析とを更に含む。結果として、一回の較正プロセスが完了までに典型的には2~3日かかる。較正の結果が、LBIシステムが較正外であることを示す場合には、LBIシステムが較正されるまで、(LBIシステムを調整した後に)較正プロセスが一回以上繰り返され得る。このような大々的な較正法には時間とお金の両方がかかる。更に、従来の較正法はその実施にとても時間がかかるので、使用の度に、又は、一日単位及び/又は週単位でLBIシステムの較正を検証することは現状では不可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様によると、検査システム、特にレーザー接合検査(LBI)システムを較正するための装置、システム及び方法が与えられる。本願の較正システム及び解決策は、顕著に素早く較正結果を提供するので、検査システムの精度及び再現性を改善するようにより頻繁に実施可能である。
【0006】
本開示は、試験構造体の強度を特定するために試験構造体の表面にレーザーパルスを印加するように構成されたレーザー接合検査ヘッドを備えるレーザー検査システムの較正結果を決定する方法を開示する。本方法は、較正パネルの第一表面に固定されたアブレーション層にレーザー接合検査ヘッドが印加するビーム直径を有するレーザーパルスに応答して較正パネル中に圧縮波を発生させることを備える。較正パネルが備える第一表面は所定の厚さで第二表面から離隔され、第一表面は第二表面と略平行である。本方法は、所定の距離で較正パネルの第二表面から離隔して固定された表面運動センサを用いて圧縮波を感知することを更に備え、表面運動センサの縦軸は、ビーム直径によって定められる許容範囲内でレーザー接合検査ヘッドの縦軸と略整列する。本方法は、感知された圧縮波の一つ以上の特性に応答してレーザー検査ヘッドの較正結果を出力することを更に備える。
【0007】
更なる態様によると、表面運動センサは電磁音響トランスデューサ(EMAT)を備える。
【0008】
更なる態様によると、レーザー検査システムの較正結果を出力することは、感知された圧縮波の少なくとも一つの振幅を検出することと、検出された少なくとも一つの振幅に応答して決定された較正結果を出力することと、を備える。
【0009】
更なる態様によると、表面運動センサは、較正パネルに対して固定された傾斜を有する任意反射体用速度干渉計システム(VISAR)を備える。
【0010】
更なる態様によると、レーザー検査システムの較正結果を出力することは、感知された圧縮波の一つ以上の特性に応答して圧縮波の振幅を決定することと、決定された振幅に応答して較正結果を出力することと、を備える。
【0011】
更なる態様によると、較正結果を出力することは、レーザー接合検査ヘッドが較正パネルに固定されたアブレーション層にレーザーパルスを印加した後一分間未満で較正結果を出力することを備える。
【0012】
更なる態様によると、較正結果がレーザー検査システムが較正されていないことを示す場合に、本方法は、レーザー検査システムに一つ以上の調整を行った後に、較正パネルの第一表面に固定された新たなアブレーション層にレーザー接合検査ヘッドが印加するビーム直径を有する第二レーザーパルスに応答して較正パネル中に第二圧縮波を発生させることと、表面運動センサを用いて第二圧縮波を感知することと、感知された第二圧縮波の一つ以上の特性に応答してレーザー検査システムの第二較正結果を出力することと、によって、較正を繰り返すことを備える。
【0013】
更なる態様によると、前記較正結果は第一較正結果を備え、第二較正結果を出力することが、第二圧縮波を発生させた後一分間未満に第二較正結果を出力することを備える。
【0014】
更なる態様によると、前記較正結果は第一較正結果を備え、本方法が較正を繰り返すことを更に備える。例えば、本方法は、較正パネルの第一表面に固定された新たなアブレーション層にレーザー接合検査ヘッドが印加するビーム直径を有する第二レーザーパルスに応答して較正パネル中に第二圧縮波を発生させることと、表面運動センサを用いて第二圧縮波を感知することと、感知された第二圧縮波の一つ以上の特性に応答してレーザー検査システムの第二較正結果を出力することとによって、較正を繰り返す。
【0015】
更なる態様によると、第一較正結果は、レーザー検査システムが一つ以上の試験構造体を評価する前の第一時点において得られ、第二較正結果は、レーザー検査システムが一つ以上の試験構造体を評価した後の第二時点において得られる。
【0016】
更なる態様によると、第一較正結果は、レーザー検査システムが第一組の一つ以上の試験構造体を評価する前の第一時点において得られ、第二較正結果は、レーザー検査システムが第二組の一つ以上の試験構造体を評価する前の第一時点において得られ、第二時点が第一時点の後である。
【0017】
本開示は、試験構造体の強度を特定するために試験構造体にレーザーパルスを印加するように構成されたレーザー接合検査ヘッドを備えるレーザー検査システムの較正を決定するための較正システムを開示する。較正システムは、較正パネルと、表面運動センサと、処理回路とを備える。較正パネルは、第二表面と略平行であり且つ所定の厚さで第二表面から離隔された第一表面を備える。表面運動センサは、所定の距離で較正パネルの第二表面から離隔して固定される。更に、表面運動センサは、表面運動センサの縦軸がビーム直径によって定められる許容範囲内でレーザー接合検査ヘッドの縦軸と略整列している間に、較正パネルの第一表面に固定されたアブレーション層にレーザー接合検査ヘッドが印加するビーム直径を有するレーザーパルスに応答して較正パネル中に発生する圧縮波を感知するように構成される。処理回路は、感知された圧縮波の一つ以上の特性に応答してレーザー検査システムの較正結果を出力するように構成される。
【0018】
更なる態様によると、表面運動センサは電磁音響トランスデューサ(EMAT)を備える。
【0019】
更なる態様によると、表面運動センサは、較正パネルに対して固定された傾斜を有する任意反射体用速度干渉計システム(VISAR)を備える。
【0020】
更なる態様によると、表面運動センサは、第一所定距離で較正パネルの第二表面から離隔して固定された第一表面運動センサと、第一表面運動センサに近接し且つ第二所定距離で較正パネルの第二表面から離隔して固定された第二表面運動センサとを備える。
【0021】
更なる態様によると、第一表面運動センサは任意反射体用速度干渉計システム(VISAR)を備え、第二表面運動センサは電磁音響トランスデューサ(EMAT)を備える。
【0022】
更なる態様によると、較正パネルはアルミニウムパネルを備え、所定の厚さは10mm未満である。
【0023】
更なる態様によると、較正システムは、レーザー接合検査ヘッドが較正パネルに固定されたアブレーション層にレーザーパルスを印加した後一分間未満で較正結果を出力するように構成される。
【0024】
更なる態様によると、較正パネルと表面運動センサは携帯型較正構造体に共に配置され、処理回路は携帯型較正構造体から離隔されるが動作可能に接続される。
【0025】
更なる態様によると、較正パネルと表面運動センサと処理回路は携帯型較正構造体に共に配置される。
【0026】
上述の特徴、機能及び利点は、多様な態様において独立して達成可能であり、又は、更に他の態様において組み合わせ可能でもあり、それらの詳細については以下の説明及び図面を参照して理解可能である。
【0027】
以上本開示のバリエーションを概説してきたが、以下では必ずしも縮尺通りには描かれていない添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】例示的なレーザー検査システムのブロック図である。
図2図1に示される例示的なレーザー検査システムの追加的な詳細を示す。
図3図3A図3Cは、図1のレーザー検査システムによって実施される供試構造体の例示的な検査を示す。
図4】本開示の態様に係る例示的な較正システムのブロック図を示す。
図5図1のレーザー検査システムで実施される図4の例示的な較正システムを示す。
図6】本開示の態様に係る例示的な較正方法を示す。
図7】本開示の態様に係るレーザー検査システムの例示的な較正を示す。
図8図8A図8Dは、図4の較正システムの整列例を示す。
図9】本開示の態様に係る他の例示的な較正システムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、試験構造体(本願においては供試構造体(SUT,structure under test)とも称する)200を検査するように構成された例示的なレーザー接合検査(LBI)システム100を示す。LBIシステム100は、レーザーシステム110と、チューブ120と、LBIヘッド130とを備える。レーザーシステム110は、入力制御に応答してレーザービームと、オーバーレイ(例えば、水流)と、真空とを発生させる。例えば、水流は、SUT200中の圧縮波の振幅を増強する機能を果たすタンピング層をアブレーション層の上に提供し、一方で、真空は、プロセス中に使用された水の大部分を除去するのに用いられ得る。チューブ120は、レーザーシステム110からLBIヘッド130にレーザービームとオーバーレイと真空とを伝えるための一つ以上のパイプ又はチャネルを備える。LBIヘッド130は、発生させたレーザービームを、例えば図2に示されるようにSUT200に印加されるレーザーパルス132として成形する。より具体的には、LBIヘッド130は、SUT200の表面に固定又は適用されたアブレーション層210(例えば、アブレーションテープ(例えば、3M社の471テープ)や黒色塗料等)にレーザーパルス132を印加して、SUT200中に圧縮波を発生させる。例示的なLBIヘッド130は、100~300nsのパルス持続時間と、1~40Jのパルスエネルギーと、1054nmの波長とを有するレーザーパルス132を発生させる。図2に示されるように、レーザーパルス132の縦軸134はアブレーション層210の中心と略整列するが、これは必須ではないことを理解されたい。代わりに、他の実施形態では、レーザーパルス132がアブレーション層210の外に行かないようにレーザーパルス132がアブレーション層210の一部に当たることを保証し得る。いずれの場合でも、SUT200が圧縮波にどのように応答するのかに基づいて、SUT200の特性、例えば、強度、欠陥等が決定される。
【0030】
図3A図3Bは、第二層230に接合された第一層220を備えるSUT200に適用されるLBIプロセスを示す。図3Aに示されるように、非破壊評価装置300、例えば超音波装置が、SUT200の非破壊評価(NDE,non‐destructive evaluation)事前試験を行う。例えば、NDE装置300は、SUT200に超音波を印加する。発生した超音波はSUT200を通り、何らかの境界、例えば第一層220と第二層230との間の境界で跳ね返る。NDE装置300は、反射波を捕捉して、境界の画像を含むSUT200の画像を生成する。このNDE事前試験は、構造体試験が完了した際の比較用の基準として機能するSUT200の基準値を与える。
【0031】
図3Bでは、LBIヘッド130が、発生したレーザーパルス132をアブレーション層210に印加して、SUT200中に圧縮波240を発生させる。図3Bに示されるように、レーザーパルス132は一般的にはアブレーション層を損傷させて、アブレーション層210の一部210’のみが残るようになる。圧縮波240は、第一層220を通り、第一層と第二層との間の境界を通り、第二層230を通り、最終的には、第二層230の遠位境界で反射する引張波250を生じさせる。図示されていないが、圧縮波の一部は第一層220と第二層230との間の境界で反射し得て、第二層230中の圧縮波の振幅を減少させる。プライ同士の間の層間界面からの散乱や欠陥(例えば、第一層及び/第二層中の空隙、及び/又は、第一層と第二層を接合するのに用いられた接着層中の空隙)に起因して、更なる振幅損失が生じ得る。損失(例えば、反射、散乱、欠陥等に起因する損失)の大きさは、第一層及び第二層を製造するのに用いられた物質の性質に依存し、また、第一層と第二層を互いに接合する接着剤の音響特性に依存する。LBIシステム110が適切に機能している場合には、圧縮波240に起因する引張波250は、SUT200の十分に強靭な部分が試験の影響を受けないようにしたままでSUT200中の脆弱性を露わにするのに十分強い。次いで、NDE装置300がNDE事後試験(図3C)を行い、NDE事前試験と比較して物質中に何らかの変化が存在していないかどうかを調べる。例えば、第一層220及び第二層230が、また、第一層220と第二層230との間の接合が、試験領域において十分強い(例えば、強度仕様を満たす)場合、例えば、図3C1に示されるように、SUT200には欠陥が存在せず、NDE事後試験はNDE事前試験と一致する。層220と層230の一方が脆弱性を有する場合には、例えば図3C2に示されるように、引張波250は、その脆弱性の箇所に欠陥260を生じさせて、その欠陥がNDE事後試験によって検出される。同様に、第一層と第二層との間の接合が脆弱性を有する場合には、例えば図3C3に示されるように、引張波250が、その脆弱性の領域に欠陥270を生じさせて、その欠陥がNDE事後試験によって検出される。図3C2及び図3C3にはそれぞれSUT200の特定の領域中の単一の脆弱性欠陥しか示していないが、LBI試験が、層220と層230の一方又は両方、及び/又は、層220と層230との間の接合領域の複数の欠陥を露わにし得ることは理解されたい。
【0032】
上述のように、LBIシステム100は、SUT200が脆弱性を有すれば、SUT200中に欠陥を生じさせるのに十分な振幅を有するが、十分強力な(例えば強度要求を満たしている)物質及び/又は接合を損傷させる振幅は有さない圧縮/引張波を発生させるように設計される。圧縮/引張波の振幅は、どのくらいのレーザーエネルギー(例えば、レーザーパルス132のパワー及びサイズに基づく)がアブレーション層210に入射するのか、アブレーション層210の状態、オーバーレイの種類(例えば、水等)、及び/又は、オーバーレイの厚さの影響を受ける。その目的を達成するために、(サイズ及びパワーの両方について)所望の圧縮波が達成される所望のビームサイズ及びパワーを有するパルス波を発生させるようにLBIシステムを較正する。従来の較正法は、正確ではあるが、時間がかかり、例えば、較正の完了までに少なくとも2~3日かかり、またコストがかかる。本開示の解決策の態様は、数分間、場合によっては数秒間で較正結果を与えることができる較正システム及び方法を提供することによって、従来の手法に対する顕著な改善を与える。更に、本開示の較正システムの態様は、携帯型パッケージで実施可能であり、第三者による較正の必要性を排除し得る。
【0033】
図4は、本開示の解決策の態様に係る較正システム400の例示的なブロック図を示す。較正システム400は、較正パネル410と、センサ420と、処理回路430とを備える。較正パネル410とセンサ420は、センサ420と較正パネル410との間の所望の整列/間隔を与えるように較正構造体450に配置される。単純で明確にするため、図4は、較正パネル420、センサ420及び較正構造体450を機械的に固定する取り付けハードウェアを示していないが、較正システム400がこのような取り付けハードウェアを含むことを当業者は理解されたい。図4に示されるように、処理回路430は、較正パネル410及びセンサ420と同じく較正構造体450に含まれ得て、又は、較正構造体450から遠隔配置され得る。いずれの場合でも、処理回路430は、適切なワイヤ/コネクタ(図示せず)を介してセンサ420に接続する。
【0034】
較正パネル410は、略平行に対向する表面412と表面414によって定められる厚さ416を有する。例示的な較正パネル510として、ラミネートパネル、アルミニウムパネル(例えば、アルミニウム6061)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例示的な一態様では、較正パネル410は、厚さ2~8mmのアルミニウム製である。例示的な一態様では、較正パネル410は、LBIヘッド130よりも大きい寸法、例えば、5インチ×8インチの寸法を有する矩形である。一部態様によると、較正パネル410は、所望のレーザーパルス132、例えばSUT200を試験するためのパルスに対する既知の応答を有するあらゆる既知の物質及びサイズを備え得る。
【0035】
較正パネル410の一方の表面、例えば、第一表面412は、第一表面412の少なくとも一部がアクセス可能であるように、例えば外気に晒されるようにして較正構造体450に対して構成される。一例では、較正パネル410のアクセス可能な領域のサイズは、少なくとも所望のアブレーション層210のサイズであり、つまりは、LBIヘッド130が発生させるレーザーパルス132よりも少なくとも僅かに大きい。第一表面412のより大きな領域(第一表面412全体を含む)が外気に晒され得ることは理解されたい。例示的な態様では、LBIヘッド130は、アブレーション層210の箇所に限定されて、センサ420と同軸となり、LBIヘッド130が第一表面412(又は第一表面412の少なくとも一部)と接する。図4は、較正構造体450の外部境界のうちの一つと第一表面412が揃っているものとして示されているが、これが必須ではないことを理解されたい。他の実施形態では、第一表面412が較正構造体450の外縁の外側/上に延伸するように較正パネル410が較正構造体450に取り付けられ得て、一方、更に他の実施形態では、第一表面412が較正構造体450の外縁の内側/下に存在するように較正パネル410が較正構造体450に取り付けられ得る。図示されていないが、較正パネルは、較正パネル410及びセンサ420とLBIヘッドを整列させるのに有用な整列マーク又は構造(例えば、物理的ガイド)を含み得る。
【0036】
センサ420は、較正パネル410の第二表面414から離隔して固定される。センサ420は、第二表面414の表面運動を検出することができるあらゆるセンサを含み得る。一部態様では、センサ420は、第二表面414に固定して取り付けられた筐体内に配置される。センサ420は、較正パネル410に直接取り付けられるか、較正パネル410とは独立して取り付けられるかに応じて、較正パネル410の第二表面414に対して固定された間隔と、較正パネル410に対して固定された整列とを有し、その間隔と整列の具体的な要件は、センサ420として用いられるセンサの種類に依存する。本開示の態様について、センサ420は、圧縮波の全ての所望の特性を検出するのに十分な帯域幅、例えば1~200MHzを有することが好ましい。例示的なセンサは非接触センサを含み得て、電磁音響トランスデューサ(EMAT,electro‐magnetic acoustic transducer)、任意反射体用速度干渉計システム(VISAR,velocity interferometer system for any reflector)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。EMATの場合には、第二表面414からの距離が注意深く制御され(例えば、0.01インチ)、VISARの場合には、第二表面414に対する距離(例えば、0.25インチ~1インチ)と傾斜との両方が注意深く制御される。また、例示的なセンサは、第二表面414に直接接触する接触センサ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)センサや、較正パネル410に埋め込まれ得る光ファイバ等を含んでもよい。一部のセンサ(例えば、一部の接触型や埋め込み型のセンサ)は高圧縮波振幅の影響を受け易く、乱されたり損傷したりし得るので、用いられるセンサの種類が、較正に使用可能な試験圧縮波の振幅に直接影響し得ることを理解されたい。
【0037】
処理回路430は、センサ420の出力を処理して、センサ420によって検出された運動の一つ以上の特性に応答して較正結果を決定する。例示的な一態様では、処理回路430は、センサの出力を処理して、センサ420によって検出された運動のピーク振幅を決定する。処理回路430によって決定される例示的な他の特性として、周波数、一つ以上の周波数成分の振幅、及び/又は、時間特性(例えば、ピーク振幅の持続時間、圧縮波の持続時間等)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら一つ以上の特性から、処理回路430は較正結果を決定し得る。
【0038】
処理回路430は、較正結果を出力するように更に構成され得る。一部態様では、処理回路430は単純に合格/不合格(例えば、緑色/赤色)の表示を出力し得る。他の態様では、処理回路430は、追加的な較正情報、例えば、相対的な較正表示、例えば、10%較正外といった表示を出力し得るが、これに限定されるものではない。例えば、処理回路430は、センサ420によって検出された運動のピークの振幅及び時間幅(例えば、パルス幅)を出力し得る。追加的に又は代替的に、処理回路430は、その振幅及びパルス幅を較正振幅及びパルス幅と比較して、検出された振幅及びパルス幅が、許容可能な較正範囲内にあるかどうか、例えば、較正振幅及びパルス幅の10%以内であるかどうかを決定し得る。較正範囲内である場合には、処理回路430は、合格/不合格の表示に加えて、実際のパーセントを出力し得る。
【0039】
図5図7は、較正システム400によって実施される較正プロセスの例示的な態様を示す。具体的には、図5は、LBIヘッド130に対する例示的な較正システム400を示し、図6は例示的な較正方法500を示し、図7は、システム整列に関する例示的な較正プロセスと、それに関与する構成要素を示す。LBIヘッド130は、アブレーション層210にレーザーパルス132を印加し、較正パネル410内に圧縮波を発生させる(ブロック510)。レーザーパルス132の衝撃はアブレーション層210を損傷させて、ビームのフットプリントを示し得るマークが付いたアブレーション層210’をもたらす。センサ420は、圧縮波240によって生じた第二表面の運動255を感知し、ここで、センサ420の縦軸422は、ビーム直径によって定められる許容範囲内においてLBヘッド130の縦軸134と略整列している(ブロック520)。処理回路430は、感知された圧縮波の一つ以上の特性に応答してLBIシステム100の較正結果を出力する(ブロック530)。較正が完了していると、本較正方法が終了する(ブロック550)。
【0040】
本開示の較正プロセスは、ビームが発生させたスポットの分析とは対照的に、レーザーパルス132の衝撃によって発生する圧縮波の検出及び評価に因るものであるので、較正結果を、従来の手法よりも顕著に素早く、例えば、レーザーパルス132の印加の数秒以内に取得し得る。較正システム400をLBIヘッド130と整列させるのに必要な時間を考慮しても、全較正プロセスを数分間で遂行し得る。例えば、大幅な手作業でのデータの移動及び/又は操作を含む研究室で設定された較正システム400の実験的な実施でも、数分間で較正結果が与えられた。その手動態様の全てではないにしろ大半が自動化される集積システムは、レーザーパルス132の印加後15秒間以下で較正結果を与えることが予測される。例えば、集積較正システムは試験を行い、検出された振幅及びパルス幅を較正振幅及びパルス幅と比較し、レーザーパルス132の印加後15秒間以下で関連する結果を出力し得る。ここで、較正方法500のブロック510~ブロック530は、必要であればいつでもいくらでも繰り返され得る(ブロック540)。例えば、較正結果が、LBIシステム100が較正外であることを示す場合、較正方法500のブロック510~ブロック530を繰り返して、較正結果を確かめること、及び/又は、LBIシステム100の調整後にその調整がLBIシステム100を較正内にしたかどうかを決定することができる。代替的に又は追加的に、較正方法500のブロック510~ブロック530を所望の時点及び/又は間隔で繰り返し得て、例えば、シフトの開始時、シフトの終了時、一定回数の試験後(例えば、500回~1000回の試験後)、試験されるSUT200の種類の変更後等に繰り返し得る。
【0041】
センサ420の効率は、レーザーパルス132に対する、及び較正パネル410に対するセンサの位置に依存する。従って、較正パネル410に対する角度向き及び/又は第二表面414からの間隔が重要であるだけではなくて、レーザーパルス132に対するセンサ420の縦軸422の整列も重要である。図8Aは、縦軸134及びビーム直径136(例えば少なくとも8mm)を有する例示的なレーザーパルス132を示す。センサ420の効率を改善するため、センサ420の縦軸422は、レーザーパルス132のビーム直径内にあり、好ましくはLBIヘッド130の縦軸134から2~3mm内にあることが望ましい。これは、図8Bに示されるように、センサ420の縦軸422をLBIヘッド130の縦軸と整列させることを意味し得る。代わりに、これは、図8C及び図8Dに示されるように、センサ420の縦軸422をビーム直径136内でLBIヘッド130の縦軸134に近接させて、例えば縦軸134から2~3mmの半径内で整列させることを意味し得る。例えば、センサ420がVISARを備える場合、図8Bに示されるように又は可能な限り近付けてVISARの縦軸422を整列させることが好ましい。他方、EMATはより大きな感知領域を有するので、その整列の要件は、例えば、図8C図8Dに示されるようにより緩和される。必須ではないが、例示的な一部態様では、較正パネル410は、作業者が較正プロセス用にセンサ420に対してLBIヘッド130を整列させるのに役立つ整列マーク又は構造を含み得る。
【0042】
本開示の解決策の態様は、ビーム直径136内でLBIヘッド130と略整列させた長軸422を有する単一のセンサを備えるセンサ420に関して説明されている。しかしながら、本解決策は単一のセンサに限定されるものではない。図9は、センサ420が第一センサ424及び第二センサ426を備え、対応するLBIヘッド130が各センサに付随している例示的な態様を示す。例えば、第一センサ424はVISARを備え得て、第二センサ426はEMATを備え得る。図9に示されるように、第一センサ424の縦軸422と第二センサ426の縦軸422の各々は、対応するLBIヘッド130の縦軸134とビーム直径136内で略整列する。図9は、第一センサ424と第二センサ426が較正パネル410の第二表面414から同じ間隔を有する様子を示すが、このような等しい間隔は必須ではない。他の態様は二つよりも多くのセンサを含み得る。このように、本開示の解決策の態様は、例えば異なるセンサの性能に起因して、圧縮波に関する異なる種類のデータを収集することを可能にする。
【0043】
本開示の解決策の態様は、LBIと、レーザーパルス132を印加するLBIヘッド130に関して説明されている。しかしながら、本開示の態様はLBIシステムに限定されるものではない。SUT200の強度を試験するのに用いられる圧縮波240は、衝撃波(これがSUT200中に圧縮波を発生させる)を発生させるあらゆる手段を用いて発生可能であり、本開示の較正法は、このような強度試験に用いられる圧縮波240を発生させるあらゆる手段に適用される。このような衝撃波を発生させるLBIではない例示的な手段として、較正パネルの第一表面412上に物体を飛ばすフライヤー「銃」や、起爆縁つなぎ線(exploding bridge wire)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
本開示の態様は、上述のように多様な方法及びプロセスを更に含み、上記で与えられている広範な記載からは具体的な詳細が異なるように構成された多様なハードウェア構成を用いて実施される。例えば、多様な手法に対する設計とコストとのトレードオフ、及び/又は本開示の範囲外のシステムレベル要求に応じて、上述の処理機能のうちの一つ以上を、専用ハードウェアではなくて、プログラム命令を備えて構成された汎用マイクロプロセッサを用いて実施し得る。
【0045】
実際には、本開示の態様の本質的な特徴から逸脱せずに、本願に与えられている具体的な態様以外の方法で、本開示の態様を実施することができることは勿論である。本開示の態様は、例示的で非限定的なものとして全ての点で考慮されるものであり、添付の特許請求の範囲の意味及び等価な範囲内にある全ての変更は、特許請求の範囲に含まれるものである。特に、本願に記載の特定のプロセスや方法のステップは特定の順番や時系列順序で示され記載されているが、こうしたプロセスや方法のステップは、特に断らない限り、特定の順番や順序で行われるものに限定されない。実際には、こうしたプロセスや方法のステップは、本開示の範囲内にありながら本開示の特定の態様に応じた多種多様な順番や順序で概して行われるものである。
【符号の説明】
【0046】
100 レーザー検査システム
110 レーザーシステム
120 チューブ
130 レーザー接合検査(LBI)ヘッド
132 レーザーパルス
200 試験構造体(SUT)
210 アブレーション層
300 非破壊評価(NDE)装置
400 較正システム
410 較正パネル
420 センサ
430 処理回路
450 較正構造体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9