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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】波形記録装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 13/22 20060101AFI20230816BHJP
【FI】
G01R13/22 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019199632
(22)【出願日】2019-11-01
(65)【公開番号】P2021071432
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】522193547
【氏名又は名称】株式会社エー・アンド・デイ
(72)【発明者】
【氏名】木谷 甲平
(72)【発明者】
【氏名】中野 博喜
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-92459(JP,A)
【文献】特開2021-71431(JP,A)
【文献】特許第7272741(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 13/00-13/42
G01D 7/00-9/42
G09G 5/00-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録手段のそれぞれに対して記録条件が設定される記録モードを複数の選択肢のなかから選択するモード選択手段を備えた波形記録装置において、
前記モード選択手段は、前記記録モードごとにサンプル画像をモニタに表示して選択させるとともに、
該サンプル画像には、入力波形を模式的に示した入力波形モデルと、前記入力波形モデルに対して前記記録手段に記録される波形の記録位置を示す記録位置情報と、前記記録条件を前記記録位置情報に対応づけて説明する条件説明情報と、が示されることを特徴とする波形記録装置。
【請求項2】
前記記録位置情報として、前記記録手段への記録の開始と終了の位置が前記入力波形モデルに対して示されることを特徴とする請求項1に記載の波形記録装置
【請求項3】
前記条件説明情報として、前記記録手段への記録の開始と終了の条件の説明が示されることを特徴とする請求項1または2に記載の波形記録装置。
【請求項4】
前記条件説明情報として、STARTキーを操作したタイミングが前記入力波形モデルに対して示されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1に記載の波形記録装置。
【請求項5】
前記サンプル画像には、前記記録手段に記録される波形を模式的に示した記録波形モデルが前記記録手段ごとに示されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1に記載の波形記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は波形記録装置に係り、特に波形データの生成・記録・表示を行う波形記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
波形記録装置は一般に、入力信号をA/D変換した後に波形データを生成し、この波形データを画面に表示したり印字したり記録したりする装置であり、様々な測定データの表示や記録に使用されている。
【0003】
このような波形記録装置では、複数の記録手段への処理が同時に行われている。たとえば、プリンタで波形データを印字しつつ、メモリに高速サンプリングで記録を行ったり、SSD等の記録媒体に低速サンプリングで記録を行ったりしている。
【0004】
また、波形記録装置では、様々な記録方法を設定できるようになっており、たとえば、ボタン操作によって記録の開始と終了を行ったり、設定時刻に記録の開始と終了を自動で行ったり、或いは、設定されたトリガ条件に達すると記録の開始または終了を行ったり、さらには設定されたインターバル期間をあけて複数回の記録を行ったりする場合がある。
【0005】
このように波形記録装置は記録手段と記録方法が多数あるため、設定項目が非常に多く、作業者が装置を熟知していないと、適切な条件に設定することができないという問題があった。この問題を解消するため、特許文献1は、使用目的を設定することによって、いくつかの条件を自動的に設定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許5476265号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1は条件を自動的に設定することはできるが、条件の内容が文字で表示されているため、作業者はどの記録手段にどのように記録しているか等の詳細を正確に把握することが難しく、条件設定を適切に行えないおそれがあった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、記録の条件を正確に把握しつつ、簡単に設定することのできる波形記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、複数の記録手段のそれぞれに対して記録条件が設定される記録モードを複数の選択肢のなかから選択するモード選択手段を備えた波形記録装置において、前記モード選択手段は、前記記録モードごとにサンプル画像をモニタに表示して選択させるとともに、該サンプル画像には、入力波形を模式的に示した入力波形モデルと、前記入力波形モデルに対して前記複数の記録手段のそれぞれに記録される波形の記録位置を示す記録位置情報と、前記記録条件を前記記録位置情報に対応づけて説明する条件説明情報と、が示されることを特徴とする波形記録装置を提供する。
【0010】
本発明によれば、記録モードごとにサンプル画像が表示されるので、どの記録手段がどの記録条件で記録されるかを視覚的に把握することができる。
【0011】
請求項2の発明は請求項1において、前記記録位置情報として、前記記録手段への記録の開始と終了の位置が前記入力波形モデルに対して示されることを特徴とする。本発明によれば、入力波形モデルに対して記録の開始と終了の位置が示されるので、どのタイミングで記録が開始され、どのタイミングで記録が終了するかを視覚的に把握することができる。
【0012】
請求項3の発明は請求項1または2の発明において、前記条件説明情報として、前記記録手段への記録の開始と終了の条件の説明が示されることを特徴とする。本発明によれば、記録の開始と終了の条件の説明が記録位置情報に対応づけて示されるので、どの条件で記録が開始され、どの条件で記録が終了するかを視覚的に把握することができる。
【0013】
請求項4の発明は請求項1~3のいずれか1の発明において、前記条件説明情報として、STARTキーを操作したタイミングが前記入力波形モデルに対して示されることを特徴とする。本発明によれば、たとえばトリガー条件で記録を開始する場合など、記録の開始とSTARTキーの操作のタイミングがずれる場合にも、記録モードを容易に理解することができる。
【0014】
請求項5の発明は請求項1~4のいずれか1の発明において、前記サンプル画像には、前記記録手段に記録される波形を模式的に示した記録波形モデルが前記記録手段ごとに示されることを特徴とする。本発明によれば、記録波形モデルが示されるので、より視覚的になり、記録モードの内容を容易に把握することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、記録モードのサンプル画像が表示されるので、どの記録媒体にいつ記録されるのかを視覚的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明が適用された波形記録装置の構成を模式的に示す図
図2】サンプル画像の一例を示す図
図3】サンプル画像の一例を示す図
図4】サンプル画像の一例を示す図
図5】サンプル画像の一例を示す図
図6】サンプル画像の一例を示す図
図7】サンプル画像の一例を示す図
図8】サンプル画像の一例を示す図
図9】サンプル画像の一例を示す図
図10】サンプル画像の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付図面に従って本発明に係る波形記録装置の好ましい実施形態について説明する。図1は波形記録装置10の構成を模式的に示している。
【0018】
図1に示すように波形記録装置10には、複数の接続端子12A、12B、12C(3個のみ図示)が設けられており、この接続端子12A~12Cにそれぞれ外部機器(不図示)が接続される。外部機器からは、電圧、温度、振動、ひずみ、加速度など様々な入力信号がアナログ信号として入力される。各接続端子12A~12Cはアナログ信号入力部14に接続されており、アナログ信号入力部14によって、入力信号が電圧信号に変換され、所定のレベルまで増幅される。
【0019】
アナログ信号入力部14は、接続端子12A~12Cごとに設定された複数のチャンネルを備えており、複数のアナログ信号を同時に処理するように構成される。アナログ信号入力部14で処理されたアナログ信号は、A/D変換部16によってデジタル信号に変換される。このA/D変換部16は、クロックジェネレータ部18からの変換クロックに同期させることによって、全チャンネルの変換を同時に行うように構成される。
【0020】
A/D変換部16から出力されたデジタル信号は、データ収集部20において時系列に収集される。このデータ収集部20は、設定された各チャンネルのON/OFF設定に基づいて、チャンネルデータの選別を行うように構成される。また、データ収集部20は、設定されたサンプリング速度に応じてデータの間引きを行うように構成される。さらに、収録方式としてピークデータを設定している場合には、サンプリング期間内の最大値、最小値を検出し、ピークデータを生成するように構成される。
【0021】
データ収集部20に収集されたデータは、トリガ検出部22において、トリガ条件に達したか否かが判断される。このトリガ検出部22は、トリガ設定部24に予め設定された比較用基準データを用いて、トリガ条件に達したかを判断するように構成される。
【0022】
トリガ検出部22から出力されたデータは、記録/非記録切替部26によってデータの出力先が切り替えられる。記録/非記録切替部26には、「保存(記録)」または「非保存(非記録)」が設定されており、たとえば「非保存」に設定された場合にはデータが波形画像生成部34に直接出力され、保存せずに信号処理するようになっている。逆に「保存」に設定されていた場合にはデータが記録処理部28を経て記録媒体30に出力される。記録処理部28は、記録媒体30の書込み状態に応じてデータを記録媒体30に出力し、記録媒体に記録させる。記録媒体30の種類は特に限定するものでは無いが、たとえばSSD、HDD、DVD、メモリ(RAM)、USBメモリ等のなかから複数の種類が用いられる。本実施の形態では、低速・中速用の記録媒体30としてのSSDと、高速用の記録媒体30としてのメモリ(RAM)が用いられる。
【0023】
記録媒体30に記録されたデータは、再生処理部32によって読み出される。再生処理部32は、後述のモニタ表示やプリンタ印字のために記録媒体30からデータを読み出して一旦バッファメモリ(不図示)に保存した後、波形画像生成部34に出力するように構成される。
【0024】
波形画像生成部34は、入力されたデータから、モニタ表示用の波形データやプリンタ印字用の波形データを生成するように構成される。また、波形画像生成部34は、設定条件に応じて、波形の色等の表示条件や背景等の表示条件に合わせて各種の処理を行うように構成される。たとえば、波形データの生成と同時に、グリッドパタンの合成やテキストの合成を行ったり、モニタ表示用の場合にチャンネルごとに異なる指定色で波形データを表示したり、プリンタ印字用データの場合には白/黒の2値データで波形を生成したりするように構成される。
【0025】
波形画像生成部34で生成された波形データは、モニタ制御部36やプリンタ制御部38に送信される。モニタ制御部36は、波形データをモニタ40に表示するための各種の処理を行っている。たとえば、波形データを動画として表示するようにモニタ40にデータを出力したり、波形データを静止画として表示するようにモニタ40にデータを出力したりする。
【0026】
プリンタ制御部38は、設定された印字条件に基づいて印字が行われるように、プリンタ42に印字用波形データを出力する。たとえば、設定された印字速度に応じて印字用波形データをプリンタ42へ出力する。
【0027】
上述したデータ収集部20、トリガ検出部22、トリガ設定部24、記録/非記録切替部26、記録処理部28、記録媒体30、再生処理部32、波形画像生成部34は、データの処理を行うデータ処理部44であり、制御部46によって制御される。
【0028】
制御部46は、入力操作部48からの操作信号に応じて制御信号をデータ処理部44やアナログ信号入力部14に送信し、これらを制御するように構成される。たとえば、アナログ信号入力部14のチャンネルを設定したり、データ収集部20のチャンネルやサンプリング速度や収録方式を設定する。また、トリガ設定部24のトリガ条件を設定したり、記録/非記録切替部26の「記録」と「非記録」を設定する。
【0029】
制御部46に操作信号を入力するための入力操作部48は、操作キーやタッチパネルの操作、外部からの通信(LAN、RS232Cなど)、接点信号入力等によって操作情報を入力するようになっている。
【0030】
ところで、制御部46内のROMには、複数の「記録モード」が予め記録されている。「記録モード」は、複数の記録手段に対して、いつどのような条件で記録を行うかを設定したものであり、少なくとも記録手段に対して記録の開始と終了の条件が設定される。本実施の形態では、記録手段として、記録媒体30のSSDとメモリ、プリンタ42による印字が用意されており、各記録手段に対して記録の開始と終了の条件が設定される。記録の開始の条件としては、たとえば、「STARTキー」を操作した際なのか、設定した「開始時刻」になった際なのか、設定した「トリガー条件」が発生した際なのか等が選択され、必要に応じて「開始時刻」や「トリガー条件」が設定される。記録の終了の条件としては、たとえば「STOPキー」を操作した際なのか、設定した「記録時間」になった際なのか、設定した「トリガー条件」になった際なのか等が選択され、必要に応じて「記録時間」や「トリガー条件」が設定される。また、複数回の記録を行う場合には、記録の開始と終了の他に、記録回数やインターバル時間等が設定され、設定した記録回数になるまで記録を繰り返したり、設定したインターバル時間になった後に次の記録を開始したり、様々な条件を追加することができる。
【0031】
上述した「記録モード」の選択や設定は、入力操作部48からによって行われる。その際、モニタ40に各「記録モード」のサンプル画像が表示され、そのサンプル画像を見ながら「記録モード」を選択できるようになっている。
【0032】
図2は、記録モードのサンプル画像の例を示している。同図に示すサンプル画像は、上部に記録モードの名称表示50が示されている。たとえば図2の例では名称表示50として「通常」が表示されており、「通常」の記録時に用いられる記録モードのサンプル画像であることが分かる。なお、名称表示50の代わりに記録モードの番号等を表示するようにしてもよい。
【0033】
サンプル画像の中央付近には、入力波形モデル52が示されている。入力波形モデル52は、入力波形をモデル化して示したものであり、正弦波状の波形が連続して左右方向に長く表示されている。この入力波形モデル52は、入力データが連続して入力されることを意味している。なお、入力波形モデル52の形状は特に限定するものではなく、方形波や三角波など別の形状であってもよい。
【0034】
入力波形モデル52は、その一部分が矩形の枠体54で囲まれている。枠体54は、記録手段に記録される波形の位置を入力波形モデル52に対して示す記録位置情報であり、これにより、連続する入力波形モデル52の一部分が記録されることが示される。なお、本実施の形態では、枠体54で囲むようにしたが、これに限定するものでは無く、入力波形モデル52の上方または下方にバーで表示したり、入力波形モデル52の該当部分の色を変えたりしてもよい。また、複数回の記録を行う場合には、記録位置情報を複数箇所に示すようにしてもよい。なお、本実施の形態は、枠体54を1つのみ示したが、複数の記録手段ごとに記録位置が異なる場合には、記録手段ごとに別の枠体54で囲むようにしてもよい。
【0035】
入力波形モデル52の上方には、条件説明情報56が示されている。条件説明情報56は、記録の条件を説明する情報であり、少なくとも記録の開始と終了の条件の内容が枠体54の位置に合わせて示されている。たとえば図2の例では、枠体54の左端(すなわち記録の開始の位置)に合わせて、下向き矢印と「STARTキー押下」が示されている。したがって、STARTキーを押下した際に記録が開始されることが分かる。また、枠体54の右端(すなわち記録の終了の位置)に合わせて、下向き矢印と「記録終了」が示され、さらに記録開始から記録終了までの水平方向の矢印上に「記録時間」が示されている。したがって、設定した記録時間になると記録が終了することが分かる。
【0036】
入力波形モデル52の下方には、記録波形モデル62、63、64が示されている。記録波形モデル62、63、64は、記録手段に記録される波形をモデル化したものであり、記録手段ごとに示されている。本実施の形態では、3種類の記録手段(プリンタ、SSD、メモリ)が用意されているので、それぞれの記録手段に対して記録波形モデル62、63、64が示されている。このうち、プリンタの記録波形モデル62とSSDの記録波形モデル63は、2つの記録手段で同じタイミングで記録の開始と終了を行うので、同じ形状で示されている。一方、メモリの入力波形モデル64は、「トリガ発生」を示す簡略図が3個示されている。したがって、メモリには、トリガー条件が発生した際に記録を開始し、所定の期間で終了し、これを繰り返すことが分かる。
【0037】
入力波形モデル52上の枠体54と記録波形モデル62~64との間には、互いの位置関係(時間関係)を示すための引き出し線66が記載されている。したがって、記録波形モデル62~64が入力波形モデル52に対して、どの位置関係になっているかを一目で把握することができる。なお、本実施の形態では、プリンタとSSDが同じタイミングで記録を行うので、プリンタの記録波形モデル62からのみに引き出し線66を引いたが、プリンタとSSDが異なるタイミングで記録を行う場合には、それぞれの記録波形モデル62、63から引き出し線を引くようにしてもよい。
【0038】
サンプル画像の下部には、選択の決定ボタン68として「OK」のボタンが表示されており、この「OK」のボタンを押すことによって、記録モードが表示中のサンプル画像のものに決定される。記録モードの決定後は、その記録モードに必要な情報の入力画面(不図示)に移行する。たとえば図2の場合には、記録時間の設定と、メモリのトリガー条件が必要になるので、その入力画面に移行する。なお、入力画面に移行する代わりに、サンプル画像上に別のウインドウ画面を表示し、記録時間等の情報を入力してもよい。
【0039】
上述したサンプル画面では図を省略したが、サンプル画像に他の情報を表示してもよい。たとえば、各記録モードを説明する文字情報を表示したり、他の記録モードのサンプル画像に移動するためのボタンを表示したりしてもよい。
【0040】
次に図2とは異なる「記録モード」のサンプル画像を例示して説明する。ただし、同じ部分については説明を省略する。
【0041】
図3は「開始時刻」の記録モードのサンプル画像を示している。このサンプル画像では、条件説明情報56として、枠体54の左端に合わせて、下向き矢印と「開始時刻」が表示されている。したがって、設定した「開始時刻」になると、記録が開始されることが分かる。また、図3の条件説明情報56は、記録の開始位置よりも左側に(すなわち記録の開始前となる位置に)下向き矢印と「STARTキー押下」が示されている。これにより、「STARTキー」を押しても記録が開始されないことが明確になる。このように、条件説明情報56として、記録の開始と終了の条件以外の情報を記載してもよい。
【0042】
図4は「STARTトリガ」の記録モードのサンプル画像を示している。このサンプル画像では、条件説明情報56として、枠体54の左端に合わせて、下向き矢印と「STARTトリガ発生」が表示されている。したがって、設定した「STARTトリガ」の条件が発生すると、記録が開始されることが分かる。
【0043】
図5は「インターバル時間」の記録モードのサンプル画像を示している。このサンプル画像では、条件説明情報56として、枠体54の左端に合わせて、下向き矢印と「STARTキー押下」が表示されている。したがって、STARTキーを押下操作することによって、記録が開始されることが分かる。また、枠体54の左端から右端までの水平方向矢印の上に「記録時間」が示され、その矢印の下に「1回目」が示されており、設定した記録時間になると1回目の記録を終了することが分かる。また、枠体54の左端から枠体54の右端を超えた位置までの水平方向矢印の上に「インターバル時間」が表示され、さらにその右端位置からの水平方向矢印の上に「記録時間」が示されており、設定したインターバル時間後に記録を再開し、設定した記録時間で記録を行うことが分かる。さらに、「記録時間」の下には「N回目」が示されるとともに右側の下向き矢印の上に「記録終了」が示されており、N回目の記録の後に記録を終了することが分かる。
【0044】
図6は「ウィンドウ記録」の記録モードのサンプル画像を示している。このサンプル画像では、条件説明情報56として、枠体54の左端よりも左側に(すなわち記録開始位置よりも前の位置に)合わせて、下向き矢印と「STARTキー押下」が表示されている。また、枠体54の右端の位置にあわせて、下向き矢印と「STOPキー押下」が示されている。したがって、STARTキーを押下操作することによって起動し、STOPキーを押下操作することによってその直前の一定期間のデータが記録手段に残ることが分かる。
【0045】
図7図10は、上述した記録モードを組み合わせた記録モードのサンプル画像である。図7は「開始時刻+STARTトリガ」のサンプル画像であり、図8は「開始時刻+インターバル時間」のサンプル画像であり、図9は「STARTトリガ+インターバル時間」のサンプル画像であり、図10は「開始時刻+STARTトリガ+インターバル時間」のサンプル画像である。いずれの場合にも、サンプル画像を見るだけで、どの条件で記録を開始し、どの条件で記録を終了するのか、さらにはどの条件で記録を再開するのかなどを視覚的に把握することができる。なお、図2図10に示したサンプル画像は多数ある記録モードの一例であり、記録モードの種類や数はこれに限定するものでは無い。
【0046】
次に上述した波形記録装置10の作用について説明する。図2図10に示したように、波形記録装置10には多数の記録モードが設定されている。作業者は、この多数の記録モードのなかから選択することによって、全ての記録条件を手動で設定するよりも簡単に適切な設定を行うことができる。
【0047】
しかしながら、記録モードが多数あるために、その内容を完全に理解することが難しく、使いこなすには熟練を要する。そこで本実施形態の波形記録装置10は、記録モードを選択する際にサンプル画像を表示している。サンプル画像には、入力波形モデル52に対する記録位置を示す記録位置情報と、記録条件を説明する条件説明情報とが示されている。したがって、いつどのように記録を開始し、いつどのように記録を終了するのかをサンプル画像から視覚的に把握することができる。また、本実施の形態では、サンプル画像に決定ボタン68が設けられており、サンプル画像を見ながら記録モードを決定するようにしたので、記録モードの選択間違いを無くすことができる。
【0048】
さらに本実施の形態では、図3図4に示すように、記録の開始の条件が「STARTキー押下」では無い場合に、その「STARTキー押下」の情報を記録開始位置よりも前に表示するようにしている。したがって、STARTキーを押しても記録が開始されないことを視覚的に把握することができる。同様に、図7に示すように、記録の開始条件が「開始時刻」で無い場合に、その「開始時刻」の情報を記録開始位置よりも前に表示するようにしている。したがって、設定した開始時刻になっても記録が開始されないことを視覚的に把握することができる。このように本実施の形態では、記録の開始や終了に関係無い条件であっても、その条件説明情報56を入力波形モデル52や枠体54の位置に対応付けて表示するようにしたので、作業者が視覚的に把握することができる。
【符号の説明】
【0049】
10…波形記録装置、12A~12C…接続端子、14…アナログ信号入力部、16…A/D変換部、18…クロックジェネレータ部、20…データ収集部、22…トリガ検出部、24…トリガ設定部、26…記録/非記録切替部、28…記録処理部、30…記録媒体、32…再生処理部、34…波形画像生成部、36…モニタ制御部、38…プリンタ制御部、40…モニタ、42…プリンタ、50…名称表示、52…入力波形モデル、54…枠体、56…条件説明情報、62~64…記録波形モデル、66…引き出し線、68…決定ボタン

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10