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特許7332578狭帯域緑色蛍光体を有する蛍光体変換白色発光ダイオード
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】狭帯域緑色蛍光体を有する蛍光体変換白色発光ダイオード
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20230816BHJP
【FI】
H01L33/50
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2020505415
(86)(22)【出願日】2018-07-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-08
(86)【国際出願番号】 US2018041638
(87)【国際公開番号】W WO2019027643
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-06-23
(31)【優先権主張番号】62/539,233
(32)【優先日】2017-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/679,021
(32)【優先日】2017-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507114761
【氏名又は名称】カレント・ライティング・ソルーションズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100091568
【弁理士】
【氏名又は名称】市位 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】メルマン,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ノードセル,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】バローディ,クリステン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,エバン
(72)【発明者】
【氏名】ゴ,ヨン・ボク
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/098932(WO,A1)
【文献】特開2016-042579(JP,A)
【文献】特開2015-228419(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0073356(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項30】
前記発光デバイスは、約550nm~約590nmに凹みを生成するフィルタを含まない、請求項1に記載の発光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「Phosphor-Converted White Light Emitting Diodes Having Narrow Band Green Phosphors」という名称で2017年8月16日に出願された米国特許出願第15/679,021号、および「Phosphor-Converted White Light Emitting Diodes Having Narrow Band Green Phosphors」という名称で2017年7月31日に出願された米国仮特許出願第62/539,233号の優先権の利益を主張し、上記出願は、両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願はまた、「Phosphors With Narrow Green Emission」という名称で2017年5月10日に出願された米国特許出願第15/591,629号の全体を参照により組み込む。
【0003】
政府支援の記述
本発明は、賞番号1534771による国立科学財団および賞番号DE-EE0007622によるエネルギー省からの連邦政府の支援によりなされた。連邦政府は本発明に一定の権利を有する。本発明は、Kentucky Science and Technology Corporationとの助成金契約KSTC-184-512-17-247により、Kentucky Cabinet for Economic Development,Office of Entrepreneurshipからの支援を受けてなされた。
【0004】
本発明は、一般に、狭帯域緑色蛍光体を含む蛍光体変換白色発光ダイオードに関する。
【背景技術】
【0005】
光源が深赤色をレンダリングする能力は、メトリックR9によって測定される。定義上、フィルタ処理されていない白熱光源は、通常は97を超える非常に良好なレンダリングを行う。白熱光源の代替品は、赤色の忠実な表示に苦労する傾向がある。例えば、高圧ナトリウムランプおよび古い蛍光管は、R9の値が負であることが多く、ほとんどすべての赤色がやや鈍いオレンジ色に見える。初期の発光ダイオード(LED)は、赤色のレンダリングが悪いことで有名であった。状況は非常に重大であったため、LED照明に関連する多くのプログラムはR9>0のみを必要とした。これは、通常CRI>80である一般的な演色評価数(CRT)の要件とは対照的である。
【0006】
一般的に言えば、一般的な照明は、多くの対象物の外観が色落ちする可能性のある黄色光の除去など、赤と緑のコントラストの増加により、より快適にすることができる。この現象は長年にわたって当技術分野で知られており、少なくとも米国特許第4,441,046号「Incandescent lamps with neodymium oxide vitreous coatings」に遡り、これによれば、酸化ネオジムコーティングが緑色と黄色の多くを除去する。この作業に基づいて、1995年にGEは白熱電球のEnrich(登録商標)ラインをリリースし、2001年にラインの名称をReveal(登録商標)に変更した。白熱電球のReveal(登録商標)製品ラインは、更新されたReveal(登録商標)LED製品と共に、今日でも存在しており、ネオジムベースのフィルタをまだ使用している。
【0007】
図1は、Reveal(登録商標)白熱電球(実線)およびReveal(登録商標)A19 LED電球(破線)の正規化された発光スペクトルを示し、これらの製品の酸化ネオジムフィルタの効果を示している。この方法の最大の欠点の1つは、最初にフォトンを生成し、次に生成されたフォトンのかなりの部分を除去することである。これは、60W相当のA19のベンチマーク800ルーメンと比較して、定格60WのReveal(登録商標)白熱電球、520ルーメン、およびReveal(登録商標)LED A19、570ルーメンで確認できる。
【0008】
一般に、約500ナノメートル(nm)から約600nmの領域で比較的平坦で傾斜した連続した発光スペクトルを有する白色発光蛍光体変換LEDを製造することが業界の目標になっている。この一般的な形状は、基準光源、例えば標準白熱灯などの黒体放射体の放射スペクトルを反映している。図1に示すように、Reveal(登録商標)製品で使用される酸化ネオジムフィルタは、黄色領域の発光スペクトルにディップをもたらす。このようなディップは、400nm~700nmの発光スペクトルの最大強度と比較した場合の最小の残留強度、例えば白熱バージョンでは約25%、LED A19バージョンでは約33%によって特徴付けられ得る。
【0009】
赤緑のコントラストは、CRI/Raシステムでは明確なメトリックを有さないが、IES TM-30-15メソッドの色域インデックスメトリック(Rg)によってある程度とらえることができる。出願人は、Reveal(登録商標)白熱電球では109のRgを測定し、フィルタなしの白熱電球では101を測定した。Reveal(登録商標)LED電球も同様に、104の高いRg値が測定される。驚いたことに、良好な色域インデックスにもかかわらず、これらの電球はR9の深赤色のメトリックで比較的不十分に測定される。この方法の欠点は、使用されるネオジムフィルタが生成された光のかなりの量を差し引くことである。これらのネオジムフィルタの影響を受ける波長領域のフォトンは特に明るく、通常は光ワットあたり最大683ルーメンと比較して、光ワットあたり512~625ルーメンの範囲である。Reveal(登録商標)LED電球は、10.5Wを使用して570ルーメンを供給する定格であり、Relax(登録商標)ラインの同様の相関色温度(CCT)およびCRI LED電球は、同じ10.5Wを使用して800ルーメンを供給する。
【0010】
通常、白色発光蛍光体変換LEDは、2つまたは場合によっては3つの蛍光体混合物を含み、半値全幅(FWHM)が約60~100nmで、ピーク波長が約500~570nmの広い緑色または黄色の蛍光体と、約70~100nmのFWHMおよび約615~670nm、またはより一般的には約625~650nmのピーク波長を有する広い赤色蛍光体と、の組み合わせが用いられる。
【0011】
625~630nmにピーク放射がある赤色蛍光体は、赤色蛍光体発光と典型的な人間の眼の明所視応答曲線とのより良いオーバーラップにより、より高い効率を提供するが、この赤色蛍光体発光の選択は一般にR9を損なう。逆に、ピーク放射が650nmに近い赤色蛍光体は、より優れた赤色レンダリングを提供するが、より長い波長の赤色発光はLEDの全体的な輝度にほとんど寄与しないため、効率が犠牲になる。一般に、R9で測定される光源の深赤色のレンダリングと、スペクトルのスペクトル効率または放射視感度(LER)と、の間には逆の関係がある。
【発明の概要】
【0012】
本発明の一態様では、出願人は、従来の広い緑色蛍光体ではなく、狭い緑色蛍光体を含む蛍光体変換白色光LEDが、所望の赤色レンダリングを維持するために深赤色蛍光体を使用しなくても、高R9、高CRI、および高い放射視感度を同時に示し得ることを見いだした。例えば、そのようなデバイスでは、最長波長の蛍光体ピーク放射は約635nmより短くなり得る。
【0013】
別の態様では、出願人は、従来の広い緑色蛍光体ではなく、狭い緑色蛍光体を含む蛍光体変換白色光LEDが、スペクトルの黄色領域で顕著なディップを示す発光スペクトルを提供し、それによりフィルタを使用せずに高い赤緑のコントラストを提供し得ることを見いだした。この黄色のディップはフィルタによるものではなく、発光にあるため、放射パワーはフィルタにより失われない。さらに、出願人は、狭い緑色蛍光体を使用すると、黄色のディップが従来技術の製品よりも浅くなる可能性があり、したがってデバイスが明るくなり、所望のCRIおよびR9(赤色レンダリング)が維持されることを見いだした。黄色のディップの最小強度は、例えば、約400nm~約700nmのデバイスの全発光スペクトルのピーク強度の約25%より大きくなり得る。
【0014】
本発明のこれらおよび他の実施形態、特徴、および利点は、最初に簡単に説明する添付図面と併せて以下の本発明のより詳細な説明を参照すると、当業者にはより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】Reveal(登録商標)白熱電球(実線)およびReveal(登録商標)A19 LED電球(破線)の正規化された発光スペクトルを示す図である。
【0016】
図2】524nm(点線)、534nm(破線)、および528nm(実線)で35nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の2700K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す図である。
【0017】
図3】520nm(点線)、532nm(破線)、および526nm(実線)で40nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の2700K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す図である。
【0018】
図4A】青色LED、ER6436赤色蛍光体、および532nmにピーク放射を有し、40nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む、シミュレーションによる蛍光体変換LEDのCRIに対するduvのプロットを示す図である。
【0019】
図4B】青色LED、ER6436赤色蛍光体、および528nmにピーク放射を有し、40nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む、シミュレーションによる蛍光体変換LEDのCRIに対するduvのプロットを示す図である。
【0020】
図4C】青色LED、ER6436赤色蛍光体、および526nmにピーク放射を有し、40nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む、シミュレーションによる蛍光体変換LEDのCRIに対するduvのプロットを示す図である。
【0021】
図5】518nm(点線)、530nm(破線)、および524nm(実線)で45nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の2700K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す図である。
【0022】
図6】514nm(長い破線)、516nm(点線)、518nm(破線)、および520nm(実線)で35nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体発光の3000K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す図である。
【0023】
図7】517nmで36nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の3000K LEDのシミュレーションによるスペクトル(実線)と、表4Cで特徴付けられる例示的な蛍光体変換LEDの測定されたスペクトル(破線)と、を示す図である。
【0024】
図8】522nm(点線)、530nm(破線)、および534nm(実線)で40nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の3000K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す図である。
【0025】
図9A】青色LED、ER6436赤色蛍光体、および530nmにピーク放射を有する緑色蛍光体を含む、シミュレーションによる蛍光体変換LEDのCRIに対するduvのプロットを示す図である。
【0026】
図9B】青色LED、ER6436赤色蛍光体、および528nmにピーク放射を有する緑色蛍光体を含む、シミュレーションによる蛍光体変換LEDのCRIに対するduvのプロットを示す図である。
【0027】
図9C】青色LED、ER6436赤色蛍光体、および526nmにピーク放射を有する緑色蛍光体を含む、シミュレーションによる蛍光体変換LEDのCRIに対するduvのプロットを示す図である。
【0028】
図9D】青色LED、ER6436赤色蛍光体、および522nmにピーク放射を有する緑色蛍光体を含む、シミュレーションによる蛍光体変換LEDのCRIに対するduvのプロットを示す図である。
【0029】
図10】20nm(点線)、524nm(破線)、および530nm(実線)で45nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の3000K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す図である。
【0030】
図11】520nm(点線)、518nm(実線)、および516nm(破線)で35nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の3500K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す図である。
【0031】
図12】517nmで36nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の3500K LEDのシミュレーションによるスペクトル(実線)と、表7Cで特徴付けられる例示的な蛍光体変換LEDの測定されたスペクトル(破線)と、を示す図である。
【0032】
図13】532nm(点線)、528nm(実線)、および524nm(破線)で40nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の3500K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す図である。
【0033】
図14】530nm(点線)、526nm(実線)、および522nm(破線)で45nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の3500K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す図である。
【0034】
図15】青色LED、ER6436赤色蛍光体、および狭い緑色蛍光体を含むシミュレーションによる白色光蛍光体変換LEDの、緑色蛍光体放射ピーク波長(横軸)に対するCRIおよびR9のプロットを示す図である。
【0035】
図16】青色LED、ER6436赤色蛍光体、および532nmのピーク波長と様々なFWHMを有する狭い緑色蛍光体を含むシミュレーションによる白色光蛍光体変換LEDのduvに対するCRIのプロットを示す図である。
【0036】
図17】青色LED、ER6436赤色蛍光体、および522nmのピーク波長と様々なFWHMを有する狭い緑色蛍光体を含むシミュレーションによる白色光蛍光体変換LEDのduvに対するCRIのプロットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、同一の符号は異なる図を通して同様の要素を指す。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、選択的な実施形態を示しており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。詳細な説明は、本発明の原理を限定ではなく例として示している。この説明は、当業者が本発明を作製および使用することを明確に可能にし、本発明のいくつかの実施形態、適応、変形、代替および使用を説明する。本明細書および特許請求の範囲で使用されるLEDという用語は、発光ダイオードおよび半導体レーザーダイオードを含むことを意図している。
【0038】
出願人は、青色発光LEDによって励起され、それに応じて狭帯域の緑色光を放射することができる蛍光体の新しいファミリーを開発した。これらの蛍光体は一般に、約500nmから約550nmのピーク波長で発光し、ピークは約30nmから約50nmのFWHMを有する。これらの蛍光体の例は、本明細書および上記の「Phosphors With Narrow Green Emission」という名称の米国特許出願第15/591,629号にも記載されている。
【0039】
さらに、出願人は、青色LED、青色LEDによって励起される緑色蛍光体、および青色LEDによって励起される赤色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDからの全発光スペクトルをシミュレートした。これらのシミュレーションでは、青色LEDのピーク放射は約455nmにあり、FWHMは約20nmである。緑色蛍光体は、約500nm~約550nmにピーク放射を有し、FWHMは約30nm~約50nmである(本出願人の種々の新しい狭い緑色蛍光体のように)。場合によっては、緑色蛍光体は2つ以上のわずかに異なる蛍光体の混合物であってもよい。いくつかのシミュレーションでは、赤色蛍光体のピーク放射は約630nmであり、FWHMは約90nmで、一般にIntematix CorporationのER6436赤色蛍光体または三菱化学BR-102Cからの放射に対応する。他のシミュレーションでは、赤色蛍光体は約626nmにピーク放射を有し、FWHMは約80nmで、一般に三菱化学BR-102/Q赤色蛍光体からの放射に対応する。シミュレートされたデバイスからの総放射に寄与する他の光源(追加のLEDや追加の蛍光体など)はない。しかしながら、本明細書に記載の白色発光蛍光体変換LEDは、いくつかの実施形態では、追加の蛍光体、例えば追加の緑色発光蛍光体および/または追加の赤色発光蛍光体を任意選択的に含んでもよい。
【0040】
これらのシミュレーションでは、赤色蛍光体のピークと帯域幅を一定に保ち、LED発光のピークと帯域幅を一定に保ち、緑色蛍光体の発光ピークと帯域幅を変化させ、青色LEDの発光強度に対する緑色蛍光体の発光強度の比を変化させ、青色LEDの発光強度に対する赤色蛍光体の発光強度の比を変化させた。(緑色および赤色蛍光体の発光強度と青色LEDの発光強度の比を変えることは、蛍光体濃度と蛍光体変換LEDの負荷を変えることに似ている)。
【0041】
シミュレートされたスペクトルは、例えば、CCT、Duv(プランク軌跡からのCIE色度図における距離)、CRI、R9、R11、LER、および約400nmから約700nmまでの範囲の発光スペクトルの最大強度のパーセンテージとして測定されたスペクトルの黄色領域(例えば、約550nm~約580nm)のディップ(凹み)の最小強度を含む、様々なパラメータを計算することで特徴付けられた。
【0042】
これらのシミュレーションのいくつかの例示的な結果といくつかの関連する測定を以下に示す。
【0043】
CCT 2700K
以下の表1Aは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および524nm、528nm、もしくは534nmのピーク放射と35nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDの3つのシミュレートされたスペクトルを特徴付けている。これらのスペクトルのCCTは2600K~2850Kであって、名目上2700Kであり、CRIは90より大きい。
【表1】
【0044】
35nm FWHMの緑色蛍光体と約90nm FWHMの赤色蛍光体を組み合わせた傾向は、R11が534nmの蛍光体波長で最大になるようである。R11値は、ピーク波長が減少するにつれて減少する。R9値の傾向は、緑色蛍光体のピーク波長だけでなく、CCTおよびduvにも大きく依存している。この特定のCCTとCRIの組み合わせでは、R9は522~524nmの蛍光体で相対最大値を示し、524nmのピークの緑色蛍光体で最高値の94が見られる。532~522nmのピークの場合、CCTが増加するとR9が増加し、duvが減少するとR9が減少する。534nmのピークを有する緑色蛍光体では、CCTが2700K付近である場合、R9はCCTおよびduvの変化を通じてほぼ一定に保持される。
【0045】
以下の表1Bは、青色LED、BR102/Q赤色蛍光体、および522nm、526nm、もしくは532nmのピーク放射と35nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDの3つのシミュレーションによるスペクトルを特徴付けている。これらのスペクトルのCCTは2600K~2850Kであって、名目上は2700Kである。
【表2】
【0046】
より狭い(約80nm FWHM)およびわずかに青色にシフトした(4nm)BR102/Qは、全体のLERを増加させながら、達成可能な最大CRIおよびR9をわずかに低下させると予想される結果がある。さらに、赤色蛍光体スペクトルのシフトは、それとペアになる緑色蛍光体の範囲をシフトし、R9、CRI、およびR11の最大値を与える。上記で概説した様々な傾向は、シフトした赤色蛍光体でも同様であるが、またシフトした。例えば、最大R11値は、532nmのピーク波長の蛍光体で観察される。上記で概説したR9の傾向は、CCTおよびduvでのR9の変化に関しても当てはまり、調査した蛍光体混合物はいずれも、534nmの緑色とER6436で観察された比較的一定のR9を示さない。
【0047】
図2は、524nm(点線)、534nm(破線)、および528nm(実線)で35nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の2700K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す。
【0048】
以下の表2は、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および520nm、526nm、もしくは532nmのピーク放射と40nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDの3つのシミュレートされたスペクトルを特徴付けている。これらのスペクトルのCCTは2600K~2850Kであって、名目上2700Kであり、CRIは90より大きい。
【表3】
【0049】
40nm FWHMの緑色蛍光体の傾向は、532nmの蛍光体波長でR11が最大になるようである。ピーク波長が534nmに移動するか、520nmに減少するにつれて、R11値は減少する。R9値の傾向は、緑色蛍光体のピーク波長だけでなく、CCTおよびduvにも大きく依存している。このCCTとCRIの特定の組み合わせでは、R9は520nmの蛍光体で相対最大値を示し、最高値は96である。534~520nmのピークの場合、CCTが増加するとR9が増加し、duvが減少するとR9が減少する。
【0050】
図3は、520nm(点線)、532nm(破線)、および526nm(実線)で40nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の2700K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す。
【0051】
特定の蛍光体混合物の色点がCIE色空間で低くなると、通常、duvの減少を特徴とする白色発光蛍光体変換LEDのCRIが増加することが一般に受け入れられている。図4Aは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および532nmにピーク放射を有し、40nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む、シミュレーションによる蛍光体変換LEDのCRI(横軸)に対するduv(縦軸)のプロットを示す。これらのスペクトルのCCTは2600K~2850Kであって、名目上は2700Kである。このプロットは、duvが約90~約94のCRI範囲にわたって減少するにつれて、CRIが増加するという予想される傾向を示している。
【0052】
図4Bは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および528nmにピーク放射を有し、40nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む、シミュレーションによる蛍光体変換LEDのCRI(横軸)に対するduv(縦軸)のプロットを示す。これらのスペクトルのCCTは2600K~2850Kであって、名目上は2700Kである。このプロットは、「白色光」とみなされる範囲全体で約93~約94の比較的一貫したCRIを示している。
【0053】
図4Cは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および526nmにピーク放射を有し、40nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む、シミュレーションによる蛍光体変換LEDのCRI(横軸)に対するduv(縦軸)のプロットを示す。これらのスペクトルのCCTは2600K~2850Kであって、名目上は2700Kである。このプロットもまた、「白色光」とみなされる範囲全体で約93~約94の比較的一貫したCRIを示している。
【0054】
以下の表3は、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および518nm、524nm、もしくは530nmのピーク放射と45nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDの3つのシミュレートされたスペクトルを特徴付けている。これらのスペクトルのCCTは2600K~2850Kであって、名目上2700Kであり、CRIは90より大きい。
【表4】
【0055】
45nm FWHMの緑色蛍光体の傾向は、530nmの蛍光体波長でR11が最大になるようである。ピーク波長が532nmに移動するか、518nmに減少するにつれて、R11値は減少する。R9値の傾向は、緑色蛍光体のピーク波長だけでなく、CCTおよびduvにも大きく依存している。このCCTとCRIの特定の組み合わせでは、R9は518nmの蛍光体で相対最大値を示し、最高値は96である。532~518nmのピークの場合、CCTが増加するとR9が増加し、duvが減少するとR9が減少する。
【0056】
図5は、518nm(点線)、530nm(破線)、および524nm(実線)で45nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の2700K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す。
【0057】
40nm FWHMの発光の緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDのシミュレーションについて上記で説明したCRI対duvの傾向と同様に、530nm~536nmのピーク放射と45nm FWHMを有する緑色蛍光体を含むシミュレーションによる白色発光蛍光体変換LEDは、2700K白色領域全体でCRI範囲が4の予想される傾向を示している。528nm付近の緑色ピーク放射では、CRI範囲が狭くなり始め、526nmの蛍光体では、混合物は白色領域にわたって1ポイント以内のCRIのみを生成する。緑色蛍光体のピーク放射波長が522nmに減少すると、混合物は、duvの増加と共にCRIを増加させる特性を示し、CRIは白色領域にわたって約3ポイントの範囲になる。
【0058】
CCT 3000K
以下の表4Aは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および514nm、516nm、518nm、もしくは520nmのピーク放射と35nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDの4つのシミュレートされたスペクトルを特徴付けている。これらのスペクトルのCCTは2850K~3250Kであって、名目上3000Kであり、CRIは80より大きい。
【表5】
【0059】
以下の表4Bは、457nmのピーク放射と21nmのFWHMを有する青色LED、BR102/Q赤色蛍光体、および517nmのピーク放射と36nmのFWHMを有する、緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDのシミュレーションによるスペクトルを特徴付けている。このスペクトルのCCTは2850K~3250Kであって、名目上は3000Kである。
【表6】
【0060】
以下の表4Cは、457nmのピーク放射と21nmのFWHMを有する青色LED、BR102/Q赤色蛍光体、および517nmのピーク放射と36nmのFWHMを有する緑色蛍光体(サンプルKB3-170-545)を含む、例示的な白色発光蛍光体変換LED(サンプル番号JM388F9-28ma)の測定されたスペクトルの特性を特徴付けている。このスペクトルのCCTは2850K~3250Kであって、名目上は3000Kである。
【表7】
【0061】
35nm FWHMの緑色蛍光体の傾向は、520nmの蛍光体波長でR11が最大になるようである。R11値は、ピーク波長が減少するにつれて減少する。R9値の傾向は、緑色蛍光体のピーク波長だけでなく、CCTおよびduvにも大きく依存している。520~516nmのピークでは、duvが増加し、CCTが減少するにつれてR9が増加する。514nmのピークを有する緑色蛍光体では、CCTが3000K付近である場合、R9はCCTおよびduvの変化を通じてほぼ一定に保持される。最も高いR9値は、ピークが520nmの蛍光体で得られ、一部は518nmの蛍光体で得られた(R9>90)。
【0062】
図6は、514nm(長い破線)、516nm(点線)、518nm(破線)、および520nm(実線)で35nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体発光の3000K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す。
【0063】
図7は、517nmで36nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の3000K LEDのシミュレーションによるスペクトル(実線)と、表4Cで特徴付けられる例示的な蛍光体変換LEDの測定されたスペクトル(破線)と、を示す。
【0064】
以下の表5Aは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および522nmのピーク放射と40nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDのシミュレートされたスペクトルを特徴付けている。これらのスペクトル特性を有する緑色蛍光体は、サンプル番号YBG170620-1(521-41)として調製された。このスペクトルのCCTは2850K~3250Kであって、名目上3000Kであり、CRIは90より大きい。
【表8】
【0065】
以下の表5Bは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および530nmのピーク放射と40nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDのシミュレートされたスペクトルを特徴付けている。これらのスペクトル特性を有する緑色蛍光体は、サンプル番号KB3-123-486(530-39)として調製された。このスペクトルのCCTは2850K~3250Kであって、名目上は3000Kである。
【表9】
【0066】
以下の表5Cは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および534nmのピーク放射と40nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDのシミュレートされたスペクトルを特徴付けている。これらのスペクトル特性を有する緑色蛍光体は、サンプル番号ELT-069(533-41)として調製された。このスペクトルのCCTは2850K~3250Kであって、名目上は3000Kである。
【表10】
【0067】
40nm FWHMの緑色蛍光体の傾向は、532nmの蛍光体波長でR11が最大になるようである。ピーク波長が534nmに増加するか、または522nmに減少すると、R11値は減少する。R9値の傾向は、緑色蛍光体のピーク波長だけでなく、CCTおよびduvにも大きく依存している。534~524nmのピークでは、duvが減少し、CCTが増加するにつれてR9が増加する。522nmのピークを有する緑色蛍光体では、CCTが3000K付近である場合、R9はCCTとduvの変化を通じてほぼ一定に保たれ、これは得られた最高のR9値のいくつかに対応する(R9>95)。
【0068】
図8は、522nm(点線)、530nm(破線)、および534nm(実線)で40nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の3000K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す。
【0069】
図9Aは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および530nmにピーク放射を有する緑色蛍光体を含む、シミュレーションによる蛍光体変換LEDのCRI(横軸)に対するduv(縦軸)のプロットを示す。白色範囲のほとんどを通じて、CRIの範囲は92~94で、duvが減少するにつれて増加する。
【0070】
図9Bは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および528nmにピーク放射を有する緑色蛍光体を含む、シミュレーションによる蛍光体変換LEDのCRI(横軸)に対するduv(縦軸)のプロットを示す。CRIは、3000Kの白色領域全体で約1ポイントの範囲でのみ非常に一貫している。
【0071】
図9Cは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および526nmにピーク放射を有する緑色蛍光体を含む、シミュレーションによる蛍光体変換LEDのCRI(横軸)に対するduv(縦軸)のプロットを示す。このプロットは、図9Bと同様なCRI値の厳密なグループ化を示している。
【0072】
図9Dは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および522nmにピーク放射を有する緑色蛍光体を含む、シミュレーションによる蛍光体変換LEDのCRI(横軸)に対するduv(縦軸)のプロットを示す。このプロットでは、duvが増加するにつれてCRIが増加する。
【0073】
以下の表6Aは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および520nm、もしくは524nmのピーク放射と45nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDの2つのシミュレートされたスペクトルを特徴付けている。これらのスペクトルのCCTは2850K~3250Kであって、名目上3000Kであり、CRIは90より大きい。
【表11】
【0074】
以下の表6Bは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および530nmのピーク放射と45nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDのシミュレートされたスペクトルを特徴付けている。これらのスペクトル特性を有する緑色蛍光体は、サンプル番号ELT047C(531-45)およびYBG 170403-4B(530-44)として調製された。これらのスペクトルのCCTは2850K~3250Kであって、名目上は3000Kである。
【表12】
【0075】
ここでの傾向は、R11が蛍光体波長530および532nmで最大になるようである。ピーク波長が534nmに増加するか、518nmに減少するにつれてR11値が減少する。R9値の傾向は、緑色蛍光体のピーク波長だけでなく、CCTおよびduvにも大きく依存している。532~524nmのピークでは、duvが減少し、CCTが増加するにつれてR9が増加する。522および520nmのピークを有する緑色蛍光体では、CCTが3000K付近である場合、R9はCCTとduvの変化を通じてほぼ一定に保たれ、これは得られた最高のR9値のいくつかに対応する(R9>95)。
【0076】
図10は、20nm(点線)、524nm(破線)、および530nm(実線)で45nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の3000K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す。
【0077】
CCT 3500K
以下の表7Aは、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および516nm、518nm、もしくは520nmのピーク放射と35nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDの3つのシミュレートされたスペクトルを特徴付けている。これらのスペクトルのCCTは3250K~3750Kであって、名目上は3500Kであり、CRIは80より大きい。
【表13】
【0078】
以下の表7Bは、457nmのピーク放射と21nmのFWHMを有する青色LED、BR102/Q赤色蛍光体、および517nmのピーク放射と36nmのFWHMを有する、緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDのシミュレーションによるスペクトルを特徴付けている。これらのスペクトルのCCTは3250K~3750Kであって、名目上は3500Kである。
【表14】
【0079】
下の表7Cは、457nmのピーク放射と21nmのFWHMを有する青色LED、BR102/Q赤色蛍光体、および517nmのピーク放射と36nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む、例示的な白色発光蛍光体変換LED(サンプルJM388-E3-59)の測定されたスペクトルの特性を特徴付けている。このスペクトルのCCTは3250K~3750Kであって、名目上は3500Kである。
【表15】
【0080】
例えば、下の表8に示すように、ここでの傾向は、R9がプランク軌跡の上の距離と共に増加し、R9もCCTの減少と共に増加するように見える。蛍光体のピーク波長が516nm~520nmの場合、R11が増加し、蛍光体の波長が増加するという明確な傾向がある。表8に、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および520nmのピーク放射と35のFWHMを有する緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDのシミュレートされたスペクトルの選択されたCCTおよびduvのR9値を示す。
【表16】
【0081】
図11は、520nm(点線)、518nm(実線)、および516nm(破線)で35nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の3500K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す。
【0082】
図12は、517nmで36nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の3500K LEDのシミュレーションによるスペクトル(実線)と、表7Cで特徴付けられる例示的な蛍光体変換LEDの測定されたスペクトル(破線)と、を示す。
【0083】
以下の表9は、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および524nm、528nm、もしくは532nmのピーク放射と40nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDの3つのシミュレートされたスペクトルを特徴付けている。これらのスペクトルのCCTは3250K~3750Kであって、名目上は3500Kであり、CRIは90より大きい。
【表17】
【0084】
ここでの傾向は、R9がプランク軌跡の上の距離と共に増加し、R9もCCTの減少と共に増加するように見える。このCCTとCRIの特定の組み合わせでは、R9は528nmの蛍光体で相対最大値を示す。蛍光体のピーク波長が524nm~532nmの場合、R11が増加し、蛍光体の波長が増加するという明確な傾向がある。CRI対duvは、540~532nmなどの長波長の蛍光体のduvが減少し、CRIが増加するという予想される傾向に従い、一般に白色とみなされる領域は4ポイントの範囲である。CRI範囲は約2まで圧縮され、ピーク波長526および528nmの蛍光体については、duvと実際の相関はない。より短い波長の蛍光体は、より広い範囲のCRIを示すが、duvが増加するとCRIが増加するという逆の傾向がある。
【0085】
図13は、532nm(点線)、528nm(実線)、および524nm(破線)で40nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の3500K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す。
【0086】
下記の表10は、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および530nm、526nm、もしくは522nmのピーク放射と45nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む白色発光蛍光体変換LEDの3つのシミュレートされたスペクトルを特徴付けている。これらのスペクトルのCCTは3250K~3750Kであって、名目上は3500Kであり、CRIは90より大きい。
【表18】
【0087】
ここでの傾向は、R9がプランク軌跡の上の距離と共に増加し、R9もCCTの減少と共に増加するように見える。このCCTとCRIの特定の組み合わせでは、R9は526nmの蛍光体で相対最大値を示す。蛍光体のピーク波長が522nm~532nmの場合、R11が増加し、蛍光体の波長が増加するという明確な傾向があり、ピーク波長が530nmの蛍光体ではわずかに相対最大値を有する。
【0088】
図14は、530nm(点線)、526nm(実線)、および522nm(破線)で45nm FWHMのピークを有する緑色蛍光体放射の3500K LEDの正規化したシミュレーションによるスペクトルを示す。
【0089】
図15は、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および狭い緑色蛍光体を含むシミュレーションによる白色光蛍光体変換LEDの、緑色蛍光体放射ピーク波長(横軸)に対するCRIおよびR9のプロットを示す。これらのシミュレートされたデバイスのCCTは、名目上3000Kであり、duvは+0.003である。緑色蛍光体の発光のFWHMは変化する。このプロットは、短いピーク波長の緑色蛍光体を使用すると、R9の値が高くなることを示している。
【0090】
図16は、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および532nmのピーク波長と様々なFWHMを有する狭い緑色蛍光体を含むシミュレーションによる白色光蛍光体変換LEDのduvに対するCRIのプロットを示す図である。これらのシミュレートされたデバイスのCCTは名目上3000Kである。このプロットは、緑色蛍光体のこの波長で、duvが減少するにつれて一般にCRIが増加することを示している。この傾向は、一般に受け入れられている傾向に従う。さらに、プロットは、FWHMの減少と共に、得られたCRI値の範囲が減少することを示している。
【0091】
図17は、青色LED、ER6436赤色蛍光体、および522nmのピーク波長と様々なFWHMを有する狭い緑色蛍光体を含むシミュレーションによる白色光蛍光体変換LEDのduvに対するCRIのプロットを示す。これらのシミュレートされたデバイスのCCTは名目上3000Kである。このプロットは、緑色蛍光体のこの波長で、duvが増加するにつれて一般にCRIが増加することを示している。この傾向は、duvが増加するにつれてCRIが一般に低下するという一般に受け入れられている傾向とは逆である。さらに、プロットは、FWHMの減少と共に、得られたCRI値の範囲が減少することを示している。
【0092】
以下の表11は、450nm~470nmのピーク放射波長を有する青色LED、公称620nmのピーク波長と90nmのFWHMを有する赤色蛍光体、および508nm~534nmのピーク放射と40nm~50nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む、白色発光蛍光体変換LEDのいくつかのシミュレートされたスペクトルを特徴付ける。これらのスペクトルのCCTは2850K~3250Kであって、名目上は3000Kである。
【表19】
【0093】
以下の表12は、430nm~455nmのピーク放射波長を有する青色LED、公称620nmのピーク波長と90nmのFWHMを有する赤色蛍光体、および504nm~524nmのピーク放射と35nm~50nmのFWHMを有する緑色蛍光体を含む、白色発光蛍光体変換LEDのいくつかのシミュレートされたスペクトルを特徴付ける。これらのスペクトルのCCTは3750K~4250Kであって、名目上は4000Kである。
【表20】
【0094】
下の表13は、出願人が購入してテストした市販のLEDの属性を示す。これらのLEDは、本明細書で開示されているものよりも大幅に広い緑黄色蛍光体を利用しているため、発光スペクトルに谷は表示されない。
【表21】
【0095】
例示的な狭い緑色蛍光体
KB3-170-545、ピーク517nm、FWHM 36nm。0.523gのEu、0.106gのCaS、0.886gのAl、0.174gのGa、0.110gのSおよび0.090gのAlClを粉砕し、次いで4つの石英管に分割し、真空下で密封した。管を一緒に1時間400℃に加熱し、次いで温度を900℃に上げて6時間保持した。炉は毎時50℃で冷却された。管は不活性雰囲気下で開かれ、一緒に粉砕されて結合された。
【0096】
KB3-163-537、ピーク527nm、FWHM 41nm。0.562gのEu、0.446gのAl、0.412gのGa、0.112gのS、および0.075gのAlClを粉砕し、次いで4つの石英管に分割し、真空下で密封した。管を一緒に1時間400℃に加熱し、次いで温度を900℃に上げて6時間保持した。炉は毎時50℃で冷却された。管を不活性雰囲気下で開き、内容物を一緒に粉砕して結合した。
【0097】
KB3-117-475a、ピーク529nm、FWHM 41nm。0.225gのEu、0.166gのAl、0.209gのGa、0.020gのS、および0.045gのAlClを粉砕し、次いで2つの石英管に分割し、真空下で密封した。管のうちの1つを400℃に1時間加熱し、次いで温度を900℃に上げて6時間保持した。炉は毎時50℃で冷却された。
【0098】
KB3-123-486、ピーク530nm、FWHM 39nm。0.562gのEu、0.416gのAl、0.522gのGa、0.050gのS、および0.115gのAlClを粉砕し、次いで4つの石英管に分割し、真空下で密封した。管を一緒に1時間400℃に加熱し、次いで温度を900℃に上げて6時間保持した。炉は毎時50℃で冷却された。管を不活性雰囲気下で開き、内容物を一緒に粉砕して結合した。
【0099】
KB3-117-476a、ピーク539nm、FWHM 42nm。0.215gのEu、0.115gのAl、0.270gのGa、0.020gのS、および0.045gのAlClを粉砕し、次いで2つの石英管に分割し、真空下で密封した。管のうちの1つを400℃に1時間加熱し、次いで温度を900℃に上げて6時間保持した。炉は毎時50℃で冷却された。
【0100】
KB3-080-430、ピーク528nm、FWHM 47nm。0.006gのMg、0.113gのSrS、0.010gのEu、0.023gのAl、0.198gのGa、および0.071gのSを粉砕して石英管に入れ、真空下で密封した。サンプルを一緒に6時間400℃に加熱し、次いで温度を800℃に上げて12時間保持した。炉は6時間で冷却された。サンプルは不活性雰囲気下で開かれ、粉砕され、新しい石英管に密封された。24時間950℃に加熱し、6時間かけて室温に冷却した。
【0101】
KB3-121-481、ピーク533nm、FWHM 44nm。0.117gのEu、0.048gのAl、0.114gのGa、0.031gのSおよび0.023gのAlClを粉砕し、次いで真空下で石英管に密封した。サンプルを400℃に1時間加熱した後に、温度を850℃に上げて6時間保持した。炉は毎時25℃で冷却された。
【0102】
YBG170620-1、521nmピーク、41nm FWHM。化学量論量のEu、Al、Ga、およびEu(Al1.85Ga0.26)S4.37を形成する15wt%過剰のSを、グローブボックス内で乳棒により乳鉢中で完全に粉砕し、真空下で石英管に密封した。混合物を乾燥したシリカ管に入れ、シリカ管を真空にして、約5インチの長さで密封した。反応は、箱型炉で実施した。温度を400℃まで上げて2時間保持し、再び900℃まで上げて8~12時間保持した後に、6時間で室温まで冷却した。
【0103】
ELTEAGS-012-B-2、ピーク516nm、FWHM 36nm。試薬CaS、Eu、Al、およびSを化学量論量で結合させて、公称組成CaAl5.05:8.5%Euを取得し、水平管炉内のアルミナるつぼに装填した。Arで30分間パージした後に、混合物を400℃に加熱し、その時点でHSガスの流れを開始した。400℃で1時間後に、炉を1000℃に2時間加熱した。冷却してから、HSガスを止め、生成物をArを流しながら室温まで冷却した。
【0104】
ELTA1S-067-B、ピーク516nm、FWHM 35nm。Eu(Al1-xGa5.05+yは、化学量論比でEu、Al、Ga、およびSを組み合わせて調製した。焼成前に、3wt%のAlClと10mgの過剰なSを添加した。混合物を真空シリカ管に密封し、400℃で2時間加熱した後に、850℃で6時間加熱した。サンプルは、約50℃/時間で室温まで冷却した。
【0105】
ELTA1S-073、ピーク520nm、FWHM 36nm。CaS、Eu、Al、およびSを化学量論量で組み合わせて、公称組成CaAl2 75.05:8.5%Euを得た。混合物をAr下で乳鉢と乳棒で均質化し、次いで炭素被覆シリカ管に装填し、続いて真空に排気し密封した。合成は、290℃(17時間)、770℃(24時間)、870℃(24時間)の段階的な加熱手法で行い、20時間かけて徐冷した。生成物を回収し、手動で再粉砕してから新しい炭素被覆シリカ管に戻し、400℃(6時間)および1000℃(3時間)に加熱した
【0106】
ELTEAGS-013-A-2、ピーク520nm、FWHM 40nm。CaS、EuF、Al、GaおよびSを化学量論的に組み合わせて、ターゲット組成CaAl2.565Ga0.1355.05:%8.5Eu(5%Ga)を得た。サンプルをAr下で均質化した後に、アルミナるつぼに装填し、水平管炉に入れた。Arを流しながら30分間パージした後に、混合物を400℃に加熱し、その時点でHSガスの流れを開始した。400℃で1時間保持した後に、サンプルを1000℃に2時間加熱した。HSガスは、2時間かけて室温まで冷却する間、800℃でオフにされた。
【0107】
ELTEAGS-016-A-2、ピーク522nm、FWHM 39nm。CaAl2.43Gao.275.05:8.5%Euは、化学量論量のCaS、EuF、Al、GaおよびSからHS/Arを流しながら調製した。サンプルをAr雰囲気で均質化した後に、アルミナボートに装填し、水平管炉に入れた。Arを流して1時間パージした後に、混合物を400℃に1時間加熱し、その時点でHSガスの流れを開始した。次いで、サンプルを1000℃に2時間加熱し、室温に冷却した。冷却中、HSガスは800℃でオフにされた。
【0108】
ELTA1S-035-G、ピーク533nm、FWHM 41nm EuAlGaSは、Arの下で化学量論量でEu、Al、Ga、Sを組み合わせて合成された。混合物を真空石英管に密封し、400℃(6時間)に加熱してから800℃(12時間)に加熱した。生成物を粉砕し、50mgの過剰なSを加えた後に、2回目の熱処理に続いて400℃(6時間)、次に1000℃(6時間)まで加熱した。
【0109】
ELTA1S-069、ピーク533nm、FWHM 41nm。試薬Eu、Al、Ga、およびSを化学量論的に組み合わせて、EuAl1.35Ga1.355.05を調製した。混合物の均質化は、乳鉢と乳棒のAr雰囲気で行われた。3wt%AlClをフラックスとして使用し、サンプルを真空石英管に密封した。石英アンプルを400℃(1時間)、次に900℃(6時間)に加熱して反応させた。生成物を回収し、乳鉢と乳棒で手動で粉砕した。
【0110】
ELTA1S-036-F、ピーク528nm、FWHM 45nm。EuAl0.9Ga1.1は、化学量論量のEu、Al、Ga金属、およびSから合成された。反応物はAr下で混合され、真空石英管に密封された。最終生成物を得るために2つの熱処理が続いて行われた。加熱1:400℃(12時間)、800℃(12時間)。加熱2:400℃(12時間)、1000℃(6時間)。サンプルは、50mgの過剰Sで再粉砕され、中間ステップ中に真空石英管に密封された。
【0111】
ELTA1S-036-E、ピーク534nm、FWHM 45nm。EuAl0.8Ga1.2は、化学量論量のEu、Al、Ga金属、およびSから合成された。反応物はAr下で混合され、真空石英管に密封された。最終生成物を得るために2つの熱処理が続いて行われた。加熱1:400℃(12時間)、800℃(12時間)。加熱2:400℃(12時間)、1000℃(6時間)。サンプルは、50mgの過剰Sで再粉砕され、中間ステップ中に真空石英管に密封された。
【0112】
ELTA1S-042E&F、ピーク536nm、FWHM 45nm。Eu(Al0.4Ga0.6は、化学量論量のEu、Al、Ga、およびSの予め焼成された混合物から合成された。生成物を0.12gのI(15wt%)および0.16gのS(20wt%)と組み合わせてから、2つの部分に分離し、2つの真空石英管に密封した。両方のサンプルを950℃(2時間)に加熱し、空気または水で急冷した。
【0113】
ELTA1S-037-B、ピーク550nm、FWHM 51nm CaAl0.675Ga2.0255.05:8.5%Euは、CaS、Eu、Al、Ga、およびSを化学量論量で組み合わせて合成された。混合物を、乳鉢および乳棒を用いてAr下で均質化し、次いで炭素被覆シリカ管に装填し、続いてシリカ管を真空に排気して密封した。合成は、290℃(17時間)、770℃(24時間)、870℃(24時間)の段階的な加熱手法で行い、9時間かけて室温まで冷却した。生成物を回収し、50mg Sで手動で再粉砕した後に、別の炭素被覆シリカ管に加え、400℃(6時間)および1000℃(3時間)に加熱した。
【0114】
蛍光体スラリーは、Dow Corning OE-6550 2パートシリコーン、赤色蛍光体、BR102/Q、およびKB3-163-537などの緑色蛍光体を組み合わせて作製された。蛍光体変換LEDは、このスラリーの一部を使用して製造され、Power Opto Co.の2835 PLCCパッケージに適用され、シリコーンは約100℃で一晩で硬化した。
【0115】
様々な実施形態が以下の番号を付した条項に記載されている。
【0116】
条項1。青色光を放射する半導体光源と、
半導体光源により放射された青色光によって励起され、それに応答して約500nmから約550nmにピーク放射を有し、半値全幅が約30nmから約50nmの緑色光を放射するように構成された第1の蛍光体と、
半導体光源により放射された青色光によって励起され、それに応答して約635nm以下の波長でピーク放射を有する赤色光を放射するように構成された第2の蛍光体と、
を含み、
発光デバイスからの全発光スペクトルは、約550nm~約580nmに凹みを有し、凹みの最小強度は、約400nmから約700nmの範囲の全発光スペクトルの最大強度の約25%以上かつ約75%以下である、発光デバイス。
【0117】
条項2。約550nm~約580nmの発光デバイスからの全発光スペクトルの最小値は、約400nmから約700nmの範囲の全発光スペクトルの最大強度の約30%以上、約35%以上、約40%以上、約45%以上、約50%以上、約55%以上、約60%以上、または、約65%以上の最小強度を有する、条項1に記載の発光デバイス。
【0118】
条項3。半導体光源によって放射された青色光は、約430nmから約465nmにピークを有し、約10nmから約35nmの半値全幅を有する、条項1または条項2に記載の発光デバイス。
【0119】
条項4。第1の蛍光体によって放射された緑色光は、約45nm以下、約40nm以下、または約35nm以下の半値全幅を有する、条項1~3のいずれかに記載の発光デバイス。
【0120】
条項5。第2の蛍光体によって放射された赤色光は、約70nmから約100nmの半値全幅を有する、条項1~4のいずれかに記載の発光デバイス。
【0121】
条項6。発光デバイスからの全発光スペクトルは、約40以上、約50以上、約60以上、約70以上、約80以上、約90以上、または約95以上のR9演色値を有する、条項1~5のいずれかに記載の発光デバイス。
【0122】
条項7。発光デバイスからの全発光スペクトルは、約80以上、約85以上、約90以上、または約95以上のCRIを有する、条項1~6のいずれかに記載の発光デバイス。
【0123】
条項8。発光デバイスからの全発光スペクトルは、約280以上の放射視感度を有する、条項1~7のいずれかに記載の発光デバイス。
【0124】
条項9。発光デバイスからの全発光スペクトルは、約50以上のR9演色値および約300以上の放射視感度を有する、条項1~8のいずれかに記載の発光デバイス。
【0125】
条項10。発光デバイスは、約635nm以上のピーク放射を有する光を放射する蛍光体を含まない、条項1~9のいずれかに記載の発光デバイス。
【0126】
条項11。第1の蛍光体は、約500nmから約540nmにピーク放射を有する緑色光を放射し、
発光デバイスからの全発光スペクトルのR9演色値は約40以上である、条項1に記載の発光デバイス。
【0127】
条項12。第1の蛍光体は、約520nmから約540nmにピーク放射を有する緑色光を放射する、条項11に記載の発光デバイス。
【0128】
条項13。約550nm~約580nmの発光デバイスからの全発光スペクトルの最小値は、約400nmから約700nmの範囲の全発光スペクトルの最大強度の約30%以上、約35%以上、約40%以上、約45%以上、約50%以上、約55%以上、約60%以上、または、約65%以上の最小強度を有する、条項11または条項12に記載の発光デバイス。
【0129】
条項14。半導体光源によって放射された青色光は、約430nmから約465nmにピークを有し、約10nmから約35nmの半値全幅を有する、条項11~13のいずれかに記載の発光デバイス。
【0130】
条項15。第1の蛍光体によって放射された緑色光は、約45nm以下、約40nm以下、または約35nm以下の半値全幅を有する、条項11~14のいずれかに記載の発光デバイス。
【0131】
条項16。第2の蛍光体によって放射された赤色光は、約70nmから約100nmの半値全幅を有する、条項11~15のいずれかに記載の発光デバイス。
【0132】
条項17。発光デバイスからの全発光スペクトルは、約50以上、約60以上、約70以上、約80以上、約90以上、または約95以上のR9演色値を有する、条項11~16のいずれかに記載の発光デバイス。
【0133】
条項18。発光デバイスからの全発光スペクトルは、約80以上、約85以上、約90以上、または約95以上のCRIを有する、条項11~17のいずれかに記載の発光デバイス。
【0134】
条項19。発光デバイスからの全発光スペクトルは、約280以上の放射視感度を有する、条項11~18のいずれかに記載の発光デバイス。
【0135】
条項20。発光デバイスからの全発光スペクトルは、約50以上のR9演色値および約300以上の放射視感度を有する、条項11~19のいずれかに記載の発光デバイス。
【0136】
条項21。発光デバイスは、約635nm以上のピーク放射を有する光を放射する蛍光体を含まない、条項11~20のいずれかに記載の発光デバイス。
【0137】
条項22。第1の蛍光体は、約500nmから約540nmにピーク放射を有する緑色光を放射し、
第2の蛍光体は、約620nm以下のピーク放射を有する緑色光を放射し、
発光デバイスからの全発光スペクトルは、約0以上のR9演色値を有する、条項1に記載の発光デバイス。
【0138】
条項23。約550nm~約580nmの発光デバイスからの全発光スペクトルの最小値は、約400nmから約700nmの範囲の全発光スペクトルの最大強度の約30%以上、約35%以上、約40%以上、約45%以上、約50%以上、約55%以上、約60%以上、または、約65%以上の最小強度を有する、条項22に記載の発光デバイス。
【0139】
条項24。半導体光源によって放射された青色光は、約430nmから約465nmにピークを有し、約10nmから約35nmの半値全幅を有する、条項22または条項23に記載の発光デバイス。
【0140】
条項25。第1の蛍光体によって放射された緑色光は、約45nm以下、約40nm以下、または約35nm以下の半値全幅を有する、条項22~24のいずれかに記載の発光デバイス。
【0141】
条項26。第2の蛍光体によって放射された赤色光は、約70nmから約100nmの半値全幅を有する、条項22~25のいずれかに記載の発光デバイス。
【0142】
条項27。発光デバイスからの全発光スペクトルは、約10以上、約20以上、約30以上、約40以上、約50以上、約60以上、約70以上、約80以上、約90以上、または約95以上のR9演色値を有する、条項22~26のいずれかに記載の発光デバイス。
【0143】
条項28。発光デバイスからの全発光スペクトルは、約80以上、約85以上、約90以上、または約95以上のCRIを有する、条項22~27のいずれかに記載の発光デバイス。
【0144】
条項29。発光デバイスからの全発光スペクトルは、約280以上の放射視感度を有する、条項22~28のいずれかに記載の発光デバイス。
【0145】
条項30。発光デバイスからの全発光スペクトルは、約50以上のR9演色値および約300以上の放射視感度を有する、条項22~29のいずれかに記載の発光デバイス。
【0146】
条項31。発光デバイスは、約635nm以上のピーク放射を有する光を放射する蛍光体を含まない、条項22~30のいずれかに記載の発光デバイス。
【0147】
条項32。第1の蛍光体は量子ドットを含まない、または第2の蛍光体は量子ドットを含まない、または第1の蛍光体は量子ドットを含まず、かつ第2の蛍光体は量子ドットを含まない、条項1~31のいずれかに記載の発光デバイス。
【0148】
条項33。第1の蛍光体は量子ドットを含む、または第2の蛍光体は量子ドットを含む、または第1の蛍光体と第2の蛍光体は量子ドットを含む、条項1~31のいずれかに記載の発光デバイス。
【0149】
条項34。第1の蛍光体は、半導体光源上に直接配置される、条項1~31のいずれかに記載の発光デバイス。
【0150】
条項35。発光デバイスは、約550nm~約580nmまたは590nmに凹みを生成するフィルタを含まない、条項1~34のいずれかに記載の発光デバイス。
【0151】
本開示は例示であり、限定ではない。本開示を考慮すれば、さらなる修正が当業者には明らかであり、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。例えば、本明細書に記載の発光デバイスは、可視スペクトルの緑または赤の部分で発光する量子ドットを任意選択的に含んでもよい。そのような使用に適した量子ドットには、例えば、硫化カドミウムおよび硫化亜鉛シェルを備えたセレン化カドミウムコアを有する量子ドット、ならびに硫化亜鉛シェルを備えたリン化インジウムコアを有する量子ドットが含まれる。発光ピーク波長は、主に量子ドットのサイズによって決まる。セレン化カドミウムでは、直径が約2.5ナノメートルの場合は緑色発光になり、直径が約6nmの場合は赤色発光になる(例えば、http://www.nn-labs.com/wp-content/uploads/2017/06/CSE-Tech-Specs.pdfを参照)。リン化インジウムでは、直径約7nmの場合は緑色発光の量子ドットが得られ、直径約15nmの場合は赤色発光の量子ドットが得られる(例えば、Journal of Nanomaterials Volume 2012,Article ID 869284,1 1 pages doi:10.1 155/2012/869284を参照)。
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