(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】自動心立て式取外し可能エンドフォーム組立体を持つワイヤコイル用巻上げスプール
(51)【国際特許分類】
B65H 67/04 20060101AFI20230816BHJP
B21C 47/02 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
B65H67/04 B
B21C47/02 A
(21)【出願番号】P 2020546381
(86)(22)【出願日】2019-03-01
(86)【国際出願番号】 US2019020221
(87)【国際公開番号】W WO2019173128
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2022-01-17
(32)【優先日】2018-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599133738
【氏名又は名称】リーレックス パッケージング ソリューションズ, インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100196601
【氏名又は名称】酒井 祐市
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ムーア
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特表平08-504725(JP,A)
【文献】国際公開第2010/012574(WO,A1)
【文献】特開平11-278753(JP,A)
【文献】特開昭61-226464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21C 45/00-49/00
B65H 54/00-54/553
B65H 67/00-67/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプールエンドフォーム組立体であって、
回転軸線の周りで回転するように構成される中央カラーを持つエンドフォームと、
取付け構造体上に固定
された向きで取り付けられるように構成されたマウント組立部品と、
を備え、
前記スプールエンドフォーム組立体が、更に前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸に対して前記マウント組立部品の前記固定
された向きの不整列を許容するように構成さ
れ、
前記マウント組立部品が、前記マウント組立部品の前記固定された向きに対応する取付け軸線を中心とする少なくとも1つの環状部材を備え、前記少なくとも1つの環状部材が、前記少なくとも1つの環状部材に対して円形板が所定範囲で半径方向に変位できるように前記円形板を支持し保持するように構成される、スプールエンドフォーム組立体。
【請求項2】
前記円形板が、コネクタ組立部品によって前記エンドフォーム及び中央カラーに結合され、前記少なくとも1つの環状部材に対する前記円形板の半径方向の変位の前記範囲が、前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸線に対する前記マウント組立部品の前記固定された向きの不整列を許容する、請求項
1に記載のスプールエンドフォーム組立体。
【請求項3】
前記少なくとも1つの環状部材が、前記円形板を支持し保持する陥凹部を含み、
前記円形板が、各々ピン及び付勢部材を受け入れる複数の半径方向の穴又は通路を含み、前記ピン及び付勢部材が、前記少なくとも1つの環状部材の前記陥凹部との前記ピンの接触を維持して前記取付け軸線を前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸線と整列させるように構成される、
請求項
2に記載のスプールエンドフォーム組立体。
【請求項4】
前記複数の半径方向の穴又は通路が円周方向に相互に均等の間隔を持つ、
請求項
3に記載のスプールエンドフォーム組立体。
【請求項5】
前記円形板が、前記中央カラーに結合するために前記円形板から前記中央カラーへ向かって延びる中央軸受け支持シャフトを含む、請求項
1に記載のスプールエンドフォーム組立体。
【請求項6】
更に、
前記中央軸受け支持シャフトによって支持される軸受けと、
前記軸受けを取り囲み、前記中央カラーと噛み合って前記中央軸受け支持シャフト及び前記円形板に対する前記回転軸線の周りでの軸受けハウジング、中央カラー及びエンドフォームの回転を支持する、軸受けハウジングと、
を備える、請求項
5に記載のスプールエンドフォーム組立体。
【請求項7】
更に、
前記中央軸受け支持シャフトによって支持される軸受けと、
前記軸受けを捕捉し、かつ前記中央カラーと噛み合って前記中央軸受け支持シャフト及び前記円形板に対する前記回転軸線の周りでの前記軸受けハウジング、前記中央カラー及び前記エンドフォームの回転を支持する、軸受けカラーに結合された開放軸受けフレームと、
を備える、請求項
5に記載のスプールエンドフォーム組立体。
【請求項8】
前記取付け構造体が可動アームである、請求項1に記載のスプールエンドフォーム組立体。
【請求項9】
巻上げスプールであって、
第1端部から第2端部まで中央軸線に沿って長手方向に延びる心棒と、
前記心棒の前記第1端部に接続された第1エンドフォーム組立体と、
前記心棒の前記第2端部に取外し可能に接続するように構成された第2エンドフォーム組立体であって、前記第2エンドフォーム組立体が、回転軸線の周りを回転するように構成される中央カラーを持つエンドフォームと、取付け構造体上に固定
された向きで取り付けられるように構成されたマウント組立部品とを含み、前記第2エンドフォーム組立体が、更に、前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸線に対する前記マウント組立部品の前記固定
された向きの不整列を許容するように構成される、第2エンドフォーム組立体と、を備
え、
前記マウント組立部品が、前記マウント組立部品の前記固定された向きに対応する取付け軸線を中心とする少なくとも1つの環状部材を含み、前記少なくとも1つの環状部材が、前記少なくとも1つの環状部材に対して円形板が所定範囲で半径方向に変位できるように前記円形板を支持し保持するように構成される、巻上げスプール。
【請求項10】
前記円形板が、コネクタ組立部品によって前記エンドフォーム及び中央カラーに結合され、前記少なくとも1つの環状部材に対する前記円形板の半径方向の変位の前記範囲が、前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸線に対する前記マウント組立部品の前記固定
された向きの不整列を許容する、
請求項
9に記載の巻上げスプール。
【請求項11】
前記少なくとも1つの環状部材が前記円形板を支持し保持する陥凹部を含み、
前記円形板が、各々ピン及び付勢部材を受け入れる複数の半径方向の穴又は通路を含み、前記ピン及び付勢部材が前記少なくとも1つの環状部材の前記陥凹部との前記ピンの接触を維持して前記取付け軸線を前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸線と整列させるように構成される、
請求項
9に記載の巻上げスプール。
【請求項12】
前記円形板が、前記中央カラーに結合するために前記円形板から前記中央カラーへ向かって延びる中央軸受け支持シャフトを含む、請求項
9に記載の巻上げスプール。
【請求項13】
更に、
前記中央軸受け支持軸によって支持される軸受けと、
前記軸受けを取り囲み、前記中央カラーと噛み合って前記中央軸受け支持シャフト及び前記円形板に対する前記回転軸線の周りでの軸受けハウジング、中央カラー及びエンドフォームの回転を支持する、軸受けハウジングと、
を備える、請求項
12に記載の巻上げスプール。
【請求項14】
更に、
前記中央軸受け支持シャフトによって支持される軸受けと、
前記軸受けを捕捉し、かつ前記中央カラーと噛み合って前記中央軸受け支持シャフト及び前記円形板に対する前記回転軸線の周りでの前記軸受けハウジング、前記中央カラー及び前記エンドフォームの回転を支持する、軸受けカラーに結合された開放軸受けフレームと、
を備える、請求項
12に記載の巻上げスプール。
【請求項15】
前記取付け構造体が可動アームである、請求項
9に記載の巻上げスプー
ル。
【請求項16】
ワイヤ巻上げ機であって、
第1端部から第2端部まで中央軸線に沿って長手方向に延びる心棒と、前記心棒の前記第1端部に接続された第1エンドフォーム組立体と、前記心棒の前記第2端部に取外し可能に接続するように構成された第2エンドフォーム組立体と、を持つ回転式ワイヤ巻上げスプール、
を備え、
前記第2エンドフォーム組立体が、回転軸線の周りで回転するように構成される中央カラーを持つエンドフォームと、取付け構造体上に固定
された向きで取り付けられるように構成されたマウント組立部品と、を含み、
前記第2エンドフォーム組立体が、更に、前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸線に対する前記マウント組立部品の前記固定
された向きの不整列を許容するように構成さ
れ、
前記マウント組立部品が、前記マウント組立部品の前記固定された向きに対応する取付け軸線を中心とする少なくとも1つの環状部材を含み、前記少なくとも1つの環状部材が、前記少なくとも1つの環状部材に対して円形板が所定範囲で半径方向に変位できるように円形板を支持し保持するように構成される、ワイヤ巻上げ機。
【請求項17】
前記円形板がコネクタ組立部品によって前記エンドフォーム及び中央カラーに結合され、前記少なくとも1つの環状部材に対する前記円形板の半径方向の変位の前記範囲が、前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸線に対する前記マウント組立部品の前記固定
された向きの不整列を許容する、
請求項
16に記載のワイヤ巻上げ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤコイルを巻き付けるためのスプール、より具体的には心棒と取外し可能エンドフォーム組立体とを有するスプールに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤ又はケーブル(本明細書において「ワイヤ」と呼ぶ)のコイルは、これまでReelex Packaging Solutions Inc. 社(ニューヨーク州パターソン)が市販する先行技術
図1に示すRSI Variable-Traverse Coiling Machine 100などの巻上げ機に巻き付けられた。この種の機械は、エンドフォーム103及び104を持つ心棒102を有するスプール101を使用する。エンドフォーム104は、心棒102に作動上取外し式に接続され、可動アーム106によって機械100に接続される。ワイヤコイルを形成するために、機械100は、ワイヤの大量供給源(
図1には示さない)からのワイヤが心棒102に巻き付けられるとき、その長手軸線の周りでスプール101を回転させる。この作動において、ワイヤは、移動トラバース105によって案内される。トラバースは、ワイヤを心棒102上でエンドフォーム103と104の間の可変位置に配置する。所定の長さのワイヤが巻かれてコイルになったら、ワイヤコイルはワイヤ供給源から切り離されて、コイル又はワイヤを心棒102を取り外せるようにエンドフォーム104を心棒102から分離することによって、スプール101は一方の端で開放される。ワイヤコイルが心棒102から取り外された後に、機械100は、最初にアーム106を使用してエンドフォーム104を心棒102と軸方向に整列させて、エンドフォーム104を心棒102に再び接続することによって、次のコイルを形成するためにリセットできる。
【0003】
エンドフォーム104の軸線は、可動アーム106に対して固定され、手で調節しなければ容易に位置付けし直せない。しかし、時間が経てば、エンドフォーム104の軸線の位置は、摩耗又は損傷のせいで偶発的に移動する可能性があり、エンドフォーム104と心棒102が接続されたとき軸方向に不整列になる可能性がある。このような不整列は、過剰な軸受け摩耗及び/又は故障を生じて、修理及び/又は調節のために機械の稼働停止に繋がる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本概要は、下でさらに詳しく説明する概念を紹介するためのものである。本概要は、請求対象の内容の主要な特徴を識別するためのものではなく、また、請求対象の内容の範囲を限定する助けとして使用するためのものではない。
【0005】
1つの形態によれば(その詳細は下で説明する)、スプールエンドフォーム組立体は、回転軸線の周りで回転するように構成される中央カラーを持つエンドフォームを含む。スプールエンドフォーム組立体は、更に、取付け構造体(可動アームなど)上に固定向きで据え付けるように構成されたマウント組立部品を含む。スプールエンドフォーム組立体は、更に、エンドフォーム及び中央カラーの回転軸線に対するマウント組立部品の固定向きの不整列を許容するように構成される。
【0006】
実施形態において、取付け構造体の制御された動きを使用して、スプールエンドフォーム組立体をワイヤ巻上げスプールの回転式心棒に接続し、スプールエンドフォーム組立体を回転式心棒から分離できる。エンドフォーム及び中央カラーの回転軸線に対するマウント組立部品の固定向きの不整列を許容することによって、スプールエンドフォーム組立体は、回転式心棒へのスプールエンドフォーム組立体の接続及び回転式心棒からのスプールエンドフォーム組立体の分離を容易にする。
【0007】
実施形態において、エンドフォームの中央カラーは、スプールエンドフォーム組立体がワイヤ巻上げスプールの回転式心棒に接続されたとき、エンドフォーム及び中央カラーが心棒と同調して回転するように中央カラーが回転式心棒を受け入れてこれに係合するように構成できる。
【0008】
実施形態において、マウント組立部品は、マウント組立部品の固定向きに対応する取付け軸線を中心とする少なくとも1つの環状部材を含むことができる。少なくとも1つの環状部材は、少なくとも1つの環状部材に対して円形板が所定範囲で半径方向に変位できるように円形板を支持し保持するように構成できる。円形板は、コネクタ組立部品によってエンドフォーム及び中央カラーに結合できる。この構成において、少なくとも1つの環状部材に対する円形板の半径方向の変位の前記範囲は、エンドフォームおよび中央カラーの回転軸線に対するマウント組立部品の固定向きの不整列を許容できる。
【0009】
実施形態において、円形板は、各々ピン及び付勢部材(バネなど)を受け入れる複数の半径方向の穴又は通路を含むことができる。この構成において、ピン及び付勢部材は、少なくとも1つの環状部材の陥凹部とのピンの接触を維持して取付け軸線をエンドフォームおよび中央カラーの回転軸線と整列させるように構成される。
【0010】
実施形態において、円形板は、中央カラーに結合するために中央板から中央カラーへ向かって延びる中央軸受け支持シャフトを含むことができる。組立体は、更に、中央軸受け支持シャフトによって支持される軸受け、並びに軸受けを取り囲みかつ中央軸受け支持シャフト及び円形板に対する回転軸線の周りでの軸受けハウジング、中央カラー及びエンドフォームの回転を支持するために中央カラーと噛み合う軸受けハウジング、を含むことができる。又は、組立体は、軸受けを捕捉しかつ中央軸受け支持シャフト及び円形板に対する回転軸線の周りでの軸受けハウジング、中央カラー及びエンドフォームの回転を支持するために中央カラーと噛み合う軸受けカラーに結合された開放軸受けフレームを含むことができる。
【0011】
実施形態において、エンドフォームは、ワイヤ巻上げスプールの心棒に対面する凸面内側面を持つことができる。取付け構造体は、ワイヤ巻上げスプールに対して移動可能な可動アームを含むことができる。
【0012】
他の形態によれば、回転式ワイヤ巻上げスプール及びこれに対応するワイヤ巻上げ機は、第1端部から第2端部まで中心軸線に沿って長手方向に延びる心棒と、心棒の第1端部に接続された第1エンドフォーム組立体と、心棒の第2端部に取外し可能に接続するように構成された第2エンドフォーム組立体と、を備える。第2エンドフォーム組立体は、回転軸線の周りで回転するように構成される中央カラーを持つエンドフォームを含む。第2エンドフォーム組立体は、更に、取付け構造体(可動アームなど)上に固定向きに取り付けられるように構成されたマウント組立部品を含む。第2エンドフォーム組立体は、更に、エンドフォーム及び中央カラーの回転軸線に対するマウント組立部品の固定向きの不整列を許容するように構成できる。
【0013】
実施形態において、取付け構造体(例えば可動アーム)の制御された動きを使用して、第2エンドフォーム組立体を回転式巻上げスプールの心棒に接続し、第2エンドフォーム組立体を心棒から分離できる。エンドフォーム及び中央カラーの回転軸線に対するマウント取付け部品の固定向きの不整列を許容することによって、第2エンドフォーム組立体は、心棒への第2エンドフォーム組立体の接続及び心棒からの第2エンドフォーム組立体の分離を容易にする。
【0014】
実施形態において、エンドフォームの中央カラーは、第2エンドフォーム組立体が回転式ワイヤ巻上げスプールの心棒に接続されたとき、エンドフォーム及び中央カラーが心棒と同調して回転するように中央カラーが心棒を受け入れてこれと係合するように構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】先行技術であるReelex Packaging Solutions Inc. 社(ニューヨーク州パターソン)が市販するRSI Variable-Traverse Coiling Machine 100を示す図である。
【
図2】
図1に示すスプールの代替となる、本開示の形態に従ったワイヤコイル用スプールを示す図である。
【
図3a】
図2のスプールの取外し可能エンドフォーム組立体の斜視図である。
【
図3b】
図3aの取外し可能エンドフォーム組立体の分解図である。
【
図3c】フラットプレート状のエンドフォームを持つ別のエンドフォーム組立体を示す。
【
図4】
図2、3a及び3bの取外し可能エンドフォーム組立体の断面図である。
【
図5a】
図2のスプールの一部となり得る取外し可能エンドフォーム組立体の別の実施形態の斜視図である。
【
図5b】
図5aの取外し可能エンドフォーム組立体の分解図である。
【
図6】
図5a及び5bの取外し可能エンドフォーム組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図2は、本開示の1つの形態に従ったワイヤコイル用スプール201の1つの実施形態を示す。スプール201は、スプール101の代わりに先行技術
図1に示す機械100に使用できる。スプール201は、心棒202と、心棒202の第1端部202aに固定された第1エンドフォーム組立体203と、第1端部202aの反対の心棒202の第2端部202bに取外し可能に接続される第2エンドフォーム組立体204と、を含む。心棒202及び第1エンドフォーム組立体203は、心棒202の中心軸線の周りで回転可能である。心棒202は、円周方向に離間した複数の湾曲フォーム202cを含み、湾曲フォームは、心棒202に接続されたときエンドフォーム組立体203と204との間に延びる。心棒の第2端部202bは円筒形を有し、第2端部202bを案内して第2エンドフォーム組立体204と係合させるために外側面取り縁を持つ。第2エンドフォーム組立体204は、先行技術
図1の機械100に関連して上で説明したように、ワイヤをスプール202に巻き付けるために心棒202の第2端部202bに接続するように構成され、更に、心棒から完成ワイヤコイルを取り外すために心棒202の第2端部202bから分離するように構成される。第2エンドフォーム組立体204に対する第2端部202bの整列及び接続は手動で又は自動化手段で実施できることが分かるはずである。
【0017】
第1エンドフォーム組立体203は、巻上げ機例えば
図1の巻上げ機100の駆動軸(図示せず)に接続するように構成されるハブ203aを含む。したがって、第1エンドフォーム組立体203及び心棒202は、ハブ203aを介して巻上げ機(例えば機械100)の回転式駆動軸に固定され、作動上駆動軸からは取り外しできない。
【0018】
他方、第2エンドフォーム組立体204は、可動アーム205の作動によって巻上げ機(例えば機械衣100)の心棒202に取外し可能に接続される(したがって、心棒から分離できる)。特に、可動アーム205の1端は、第2エンドフォーム組立体204を可動アーム205に接続するマウントカラー209を含む。可動アーム205は、第2エンドフォーム組立体204が2つの異なる作動位置の間で作動上移動できるように、軸方向に(矢印Aの方向に2方向に)並進可能であり、かつ軸線A-Aの周りで(矢印Bの方向に2方向に)回転可能である。第1位置において、第2エンドフォーム組立体204は、心棒202に接続される。第2位置において、第2エンドフォーム組立体204は、心棒202から分離される。第1位置において、心棒202が、コイル巻上げ作動時に心棒202及び第1エンドフォーム組立体203の回転に伴い第2エンドフォーム組立体204を回転駆動できるように、心棒202の第2端部202bの外側面取り縁は、第2エンドフォーム組立体204の円筒形内側スリーブ212aによって受け入れられてこれに係合する。コイル巻上げ作動が完了したとき、第2エンドフォーム組立体204は、第2位置へ移動でき、この位置において、第2エンドフォーム組立体204は、アーム205を軸方向に(
図2において左向き矢印Aによって示す軸方向に沿って)アーム205を並進させることによって心棒202から分離される。これは、アーム205のマウントカラー209に結合された第2エンドフォーム組立体204を軸方向に軸線A-Aに対して平行に心棒202から離れる方向に移動して、第2エンドフォーム組立体204の内側スリーブ212aから心棒202を分離する。更に、第2エンドフォーム組立体204全体は、軸線A-Aの周りでアーム205を回転することによって心棒202から回して外すことができるので、心棒202によって支持された完成ワイヤコイル(図示せず)は、軸方向に軸線A-Aに対して平行に心棒202から離れる方向にワイヤコイルを引っ張ることによって外すことができる。
【0019】
図3bを見ると、第2エンドフォーム組立体204は、図示するようにエンドフォーム204aの中心に機械的に固定されたカラー212を持つエンドフォーム204aを含む。図示するエンドフォーム204aは、テーパー状(例えば凸面又は円錐台形)内側面(
図2において心棒202に対面する面)と、反対側のテーパー状(例えば凹面又は円錐台形)外側面(
図2において心棒202の反対側の面)とを有する。エンドフォーム204aはテーパー状に示されるが、
図3cに示す第2エンドフォーム組立体204’の少なくとも1つの実施形態において、エンドフォーム204a’は平坦な内側及び外側面を持つことができる。
【0020】
カラー212は、図示するように回転軸線C-Cと同心に整列する内部スリーブ212aを有する。内部スリーブ212aは、摩擦嵌め又は締まり嵌めなどによってカラー212に固定できる交換可能な摩耗ブッシング(例えばナイロンブッシング)とすることができる。カラー212の外側部分は、円周方向に離間する複数の穴212cを形成するフランジ212bを持つ。穴は、ネジ切り締結具310を受け入れるためにネジ切りできる。内部スリーブ211aは、上述のように第2エンドフォーム組立体204が心棒202に接続されたとき心棒202の端部202bを受け入れてこれに係合するように構成される空洞(
図4において212e)を形成する。このようにして、回転軸線C-Cは、心棒202の中央回転軸線と整列する。
図2及び3aに示す実施形態において、内部スリーブ212aと心棒202の端部202bとの間の係合は、第2エンドフォーム組立体204が心棒202に接続されたときスリーブ212aと端部202bとの間の軸線C-Cに沿った相対的回転を防止する摩擦嵌め又は締まり嵌めである。それに代えて又はそれに加えて、他の実施形態において、内部スリーブ212aと心棒202の端部202bは、スプライン接続によって係合できる。第2エンドフォーム組立体204は、更に、外側マウント組立部品206並びに内側コネクタ組立部品208を含み、その両方は、図示するように、カラー212に対してエンドフォーム204aの外側(
図2において心棒202の反対側)に位置付けられる。
【0021】
内側コネクタ組立部品208は、回転軸線C-Cに沿って同軸に延びる。内側コネクタ組立部品208は、カラー212のフランジ212bに機械的に固定され、エンドフォーム204aと同調して回転するように構成される。この構成において、内側コネクタ組立部品208は、本明細書において説明するように第2エンドフォーム組立体204が心棒202に接続されたとき心棒202及び第1エンドフォーム組立体203とも同調して回転する。
【0022】
可動アーム205のマウントカラー209は、固定取付け軸線D-Dを画定する。取付け軸線は、
図2に示すようにアーム205の回転軸線A-Aに対して平行でかつこれからオフセットすることが好ましい。外側マウント組立部品206は、固定取付け軸線の周りでマウントカラー209に固定され、組立の際内側コネクタ組立部品208と噛み合う。外側マウント組立部品206が内側コネクタ組立部品208と噛み合った状態のとき、外側マウント組立部品206は、本明細書において説明するように、回転軸線C-Cの周りでの内側コネクタ組立部品208及びエンドフォーム204aの回転のための軸受け支持面を与える。更に、外側マウント組立部品206及び内側コネクタ組立部品208は、本明細書において説明するように第2エンドフォーム組立体204を心棒202に接続する際取付け軸線D-Dと回転軸線C-Cの不整列を許容しかつこれを補正できる自動心立てハブ配列を与えるように構成される。
【0023】
図3bに示すように、外側マウント組立部品206は、1つの組立体として固定的に結合するように構成される支持板301とカラー302を含む。支持板301は、取付け軸線D-Dと整列する中央取付け穴301a並びに取付け軸線D-Dの周りに円周方向に離間する複数の穴301bを形成する。中央取付け穴301aは、支持板301を可動アーム205のマウントカラー209に締結する締結具210(
図2)を受け入れるように構成される。支持板301の円周方向に離間する穴301bは、カラー302と係合するために穴を通過する締結具(ネジ切り締結具301cなど)を受け入れるように構成される。実施形態において、カラー302は、半円形又はc字形とすることができ、締結具301を受け入れてこれと係合してカラー302を支持板301cに固定するために円周方向に離間する複数の穴を形成することができる。この構成において、カラー302は、取付け軸線D-Dを中心とする。カラー302は噛み合って、円形支持板303を支持し保持する環状陥凹部304(
図4)を持つ環状又はリング状部材を形成する。
【0024】
図3b及び4から分かるように、円形支持板303の外径は、円形支持板303を支持し保持する陥凹部304の内径より小さい。1つの実施形態において、これらの直径の間の差は、約0.25インチ(6.35mm)である。したがって、円形支持板303がカラー302の中心にあるとき、陥凹部304の内径円筒面307と円形支持板303の外径面との間に空間を与えることができる。この空間は、カラー302に対して円形支持板303が所定範囲で半径方向に変位できるようにする。
【0025】
円形支持板303は、半径方向に延びる穴即ち支持板303の外周縁から半径方向内向きに延びる通路303cを形成する。
図3bに示す実施形態において、支持板303は、円周方向に相互に90度離間する4つの穴303cを有する。各穴303cは、少なくとも部分的にバネ305及びピン306を収容する。ピン306は、それぞれの穴303cの中でバネ305の半径方向外側に配置される。バネ305は、ピン306を付勢して又は押して、カラー302の陥凹部304の内側円筒面307と係合させるように構成される。バネ305及びピン306は、円形支持板303に対して、円形支持板303をカラー302に対して中心位置へ押す力を加えることができる。円形支持板303は、又、内側コネクタ組立部品208へ向かって延びる中央軸受け支持シャフト303aを含むことができる。軸受け支持シャフト303aの端部は、内側コネクタ組立部品208を軸受け支持シャフト303aの周りに噛み合わせるためのスナップリング308を受け入れるスナップリングスロットを形成する。
【0026】
内側コネクタ組立部品208は、図示するように軸受け312(例えば玉軸受け)を受け入れるための内部スリーブを形成する軸受けハウジング309を含む。軸受けハウジング309は、図示するように締結具310(ネジ切り締結具など)によってカラー212のフランジ212bに機械的に固定される。軸受け312は、軸受け支持シャフト303aと境界を接して、保持リング313及び軸受け支持シャフト303aのスナップリングスロットの中に設置されるスナップリング308によってこの位置に保持される。
【0027】
巻上げ機の作動時に、エンドフォーム204a及び内側コネクタ組立部品208が心棒202に接続されて回転軸線C-Cに沿って回転するとき、軸受け支持シャフト303a及び軸受け312は、内側コネクタ組立部品208及びエンドフォーム204aの回転を案内するように構成される。この回転時に、取付け軸線D-Dが回転軸線C-Cと整列しないような位置に外側マウント組立部品206が在る場合、バネ305は、その場所及び円形板303の移動方向に応じて圧縮又は引張りに耐えることができるので、取付け軸線D-Dと回転軸線C-Cの不整列を許容できる又はこれに対処できる。更に、バネ305の付勢作用は、回転軸線C-Cの周りでの内側コネクタ組立部品208及びエンドフォーム204aの回転時に円形支持板303を心立てし直して取付け軸線D-Dを回転軸線C-Cと整列させる回復力を発生できる。
【0028】
更に、取付け軸線D-Dに対する円形支持板303の半径方向の偏向の範囲は、本明細書において説明するように第2エンドフォーム組立体204を心棒202に接続する際外側マウント組立部品206及び可動アーム205に対する内側コネクタ組立部品208及びエンドフォーム204aの所定範囲の不整列を許容する。更に、バネ305の付勢作用は、本明細書において説明するように第2エンドフォーム組立体204を心棒202に接続する際支持板303を心立てし直して取付け軸線D-Dを回転軸線C-Cと整列する回復力を発生できる。
【0029】
図4は、組立て済みの第2エンドフォーム組立体204の断面図である。
図4に示すように、軸受けハウジング309は、その外側端に、軸受け312の半径方向外側部分即ちリングに当接するフランジ309bを有する。また、保持リング313は、軸受け312の半径方向外側部分312aに当接する半径方向内側環状縁を有し、かつフランジ212bから外向きに延びるカラー212の突出リップ212dに当接する半径方向外側環状縁を有する。軸受け312の半径方向内側部分312b即ちリングは、中央軸受け支持シャフト303aに形成されたショルダ303a’及び軸受けハウジング309のフランジ309bによって保持される。スナップリング308は、中央軸受け支持シャフト303aに接続されて、軸受け312の反対側を保持する。組み立てられたとき、エンドフォーム204aは、軸受けハウジング309、カラー212及びエンドフォーム204aが軸受け312及び軸受け支持シャフト303aからの支持を受けて回転軸線C-Cの周りで一緒に回転できるように軸受けハウジング309に固定される。
【0030】
図3b及び4に示すように、エンドフォーム204aの内側面は、エンドフォーム204aの中央開口部を取り囲み回転軸線C-Cと同軸の環状板315に接続される。環状板315は、複数の締結具316でエンドフォーム204aに固定できる。環状板315は、第2エンドフォーム組立体204が心棒202に接続されたとき心棒フォーム202c(
図2)の端部に対する摩耗保護を与えるように構成できる。環状板315は、また、第2エンドフォーム組立体204を心棒202に接続する際第2エンドフォーム組立体204の内側スリーブ212aの中へ心棒202の外側端部202bを案内するのを助けることができる。
【0031】
図4に示す第2エンドフォーム組立体204は、外側マウント組立部品206が内側コネクタ組立部品208に対して半径方向に移動できるようにする。具体的には、上述のように、バネ305とピン306及び支持板303とカラー302との間の環状空隙は、外側マウント組立部品206の固定取付け軸線D-Dが内側コネクタ組立部品208の回転軸線C-Cに対して半径方向に移動できるようにする。したがって、第2エンドフォーム組立体204を心棒202に接続する際、取付け軸線D-Dを回転軸線C-C(したがって心棒202の軸線)と正確に整列する必要がない。更に、機械の巻上げ作動時に、内側コネクタ組立部品208及びエンドフォーム204aが回転軸線C-Cの周りで心棒202と同調して回転するとき、軸受け312は、取付け軸線D-Dと回転軸線C-Cが不整列でも不均等の負荷を受けない。
【0032】
図5a、5b及び6は、
図2の第2エンドフォーム組立体204の代わりとなり、第1エンドフォーム組立体203と一緒に使用して本開示の1つの形態に従ったワイヤコイル用スプール201を完成できる、第2エンドフォーム組立体504の別の実施形態を示す。第2エンドフォーム組立体504は、第2エンドフォーム組立体204と同様に機能する。但し、第2エンドフォーム組立体504は、第2エンドフォーム組立体504の下記の説明から分かるように、その質量及び重量が小さくなる点で第2エンドフォーム組立体204と構造的に異なる。
【0033】
第2エンドフォーム組立体504は、
図2の第2エンドフォーム組立体204の代わりとする場合、エンドフォーム組立体204に関連して上で説明するのと同様に可動アーム205の作動によって巻上げ機(例えば機械100)の心棒202に取外し可能に接続でき(したがって、心棒から分離でき)る。例えば、第1位置において、第2エンドフォーム組立体504は心棒202に接続され、第2位置において、第2エンドフォーム組立体204は、心棒202から分離される。具体的には、第1位置において、心棒202の第2端部202bの外側面取り縁は、コイル巻上げ作動時に心棒202が心棒202及び第1エンドフォーム組立体203の回転により第2エンドフォーム組立体504の回転を駆動できるように、第2エンドフォーム組立体504の円筒形内側スリーブ512a(例えばナイロンで作られた摩耗ブッシングとすることができる)によって受け入れられて、これに係合する。コイル巻上げ作動が完了したら、第2エンドフォーム組立体504は、アーム205を軸方向に(
図2において左向き矢印によって示す軸方向に沿って)並進することによって、第2エンドフォーム組立体504が心棒202から分離される第2位置へ移動できる。並進によって、アーム205のマウントカラー209に結合された第2エンドフォーム組立体504を軸方向に軸線A-Aに対して平行に心棒202から離れる方向に移動して、心棒202を第2エンドフォーム組立体504の内側スリーブ212aから分離する。更に、第2エンドフォーム組立体504全体は、軸線A-Aの周りでアーム205を回転することによって心棒202から回して外すことができるので、心棒202によって支持される完成ワイヤコイル(図示せず)は、軸方向に軸線A-Aに対して平行に心棒202から離れる方向にワイヤコイルを引っ張ることによって、外すことができる。
【0034】
図5bを見ると、第2エンドフォーム組立体504は、エンドフォーム504aを含み、図示するようにカラー512がエンドフォーム504aの中央に機械的に固定される。エンドフォーム504aは、テーパー状(例えば凸面又は円錐台形)内側面(
図2において心棒202に対面する面)と、反対側のテーパー状(例えば、凹面又は円錐台形)外側面(
図2において心棒202と反対側の面)とを有する。カラー512は、図示するように回転軸線C-Cと同心に整列する内部スリーブ512aを有する。カラー512の外側部分は、円周方向に離間する複数の穴512cを形成するフランジ512bを有する。穴は、ネジ切り締結具610を受け入れるためにネジ切ることができる。内部スリーブ512aは、第2エンドフォーム組立体504が上述のように心棒202に接続されたとき心棒202の端部202bを受け入れてこれに係合するように構成される空洞(
図6の512e)を形成する。このようにして、回転軸線C-Cは、心棒202の中央回転軸線と整列する。
【0035】
内部スリーブ512aは、摩耗ブッシングとして形成でき、係合時に心棒202の端部202bを案内するために導入面取り(lead-in chamfer)を持つことができる。スリーブ512aは、ナイロンなどのプラスチックで形成できる。内部スリーブ512aと心棒202の端部202bとの間の係合は、第2エンドフォーム組立体504が心棒202に接続されたときスリーブ512aと端部202bとの間の軸線C-Cに沿った相対的回転を防止する摩擦嵌め又は締まり嵌めである。それに代えて又はそれに加えて、他の実施形態において、内部スリーブ512aと心棒202の端部202bは、スプライン又はキー接続によって係合できる。又、内部スリーブ512aとカラー512の外側部分との間の係合は、スリーブ512aとカラー512の外側部分との間の軸線C-Cに沿った相対的回転を防止する摩擦又は締まり嵌め又はスプライン接続とすることができる。
【0036】
第2エンドフォーム組立体504は、更に、外側マウント組立部品506並びに内側コネクタ組立部品508を含み、両方とも、図示するようにカラー512に対してエンドフォーム504aの外側面(
図2において心棒202の反対側)に位置付けられる。
【0037】
内側コネクタ組立部品508は、回転軸線C-Cに沿って同軸に延びる。内側コネクタ組立部品508は、カラー512のフランジ512bに機械的に固定され、エンドフォーム504aと同調して回転するように構成される。この構成において、内側コネクタ組立部品508は、本明細書において説明するように第2エンドフォーム組立体504が心棒202に接続されたとき、心棒202及び第1エンドフォーム組立体203とも同調して回転する。
【0038】
可動アーム205のマウントカラー209は、固定取付け軸線D-Dを画定し、取付け軸線は、
図2に示すようにアーム205の回転軸線A-Aに対して平行でかつこれからオフセットすることが好ましい。外側マウント組立部品506は、固定取付け軸線D-Dの周りでマウントカラー209に固定され、組立時に内側コネクタ組立部品508と噛み合う。外側マウント組立部品506が内側コネクタ組立部品508と噛み合った状態のとき、外側マウント組立部品506は、本明細書において説明するように、回転軸線C-Cの周りでの内側コネクタ組立部品508及びエンドフォーム504aの回転のための軸受け支持面を与える。更に、外側マウント組立部品506及び内側コネクタ組立部品508は、本明細書において説明するように第2エンドフォーム組立体504を心棒202に接続する際取付け軸線D-Dと回転軸線C-Cの不整列を許容しこれを補正する自動心立てハブ配列を与えるように構成される。
【0039】
図5bに示すように、外側マウント組立部品506は、一緒に1つの組立体として固定的に結合されるように構成される支持板601とカラー602とを含む。支持板601は、取付け軸線D-Dと整列する中央取付け穴601a並びに取付け軸線D-Dの周りで円周方向に離間する複数の穴601bを形成する。中央取付け穴601aは、支持板601を可動アーム205のマウントカラー209に締結する締結具210(
図2)を受け入れるように構成される。支持板601の円周方向に離間する穴601bは、カラー602と係合するために穴を通過するネジ切り締結具601cなどの締結具を受け入れるように構成される。支持板601は、支持板601の質量及び重量を小さくするために複数の貫通開口601dを形成する。
【0040】
実施形態において、カラー602は、半円形又はc字形とすることができ、締結具601cを受け入れてこれに締結してカラー602を支持板601に固定するために円周方向に離間する複数の穴を形成できる。この構成において、カラー602は、取付け軸線D-Dを中心とする。カラー602は噛み合って、円形支持板603を支持し保持する環状陥凹部604(
図5b及び6)を持つ環状又はリング状部材を形成する。
【0041】
図5b及び6に示すように、円形支持板603の外径は、円形支持板603を支持し保持する陥凹部604の内径より小さい。1つの実施形態において、これらの直径の差は訳0.25インチ(6.35mm)である。したがって、円形支持板603がカラー602の中心に在るとき、陥凹部604の内径円筒面607と円形支持板603の外径との間に空間ができる。この空間は、カラー602に対して円形支持板603が所定範囲で半径方向に変位できるようにする。
【0042】
円形支持板603は、半径方向に延びる穴即ち支持板603の外周縁から半径方向内向きに延びる通路603cを形成する。
図5bに示す実施形態において、支持板603は、円周方向に相互に90度離間する4つの穴603cを有する。各穴603cは、少なくとも部分的にバネ605及びピン606を収容する。ピン606は、それぞれの穴603cの中でバネ605の半径方向外側に配置される。バネ605は、ピン606を付勢して又は押してカラー602の凹部604の内側円筒面607と係合させるように構成される。バネ605及びピン606は、円形支持板603をカラー602に対して中心位置へ押す力を円形支持板603に加えることができる。円形支持板603は、また、内側コネクタ組立部品508へ向かって延びる中央軸受け支持シャフト603aも含む。軸受け支持シャフト603aの端部は、軸受け支持シャフト603aの周りに内側コネクタ組立部品508を噛み合せるためのスナップリング608を受け入れるスナップリングスロットを形成する。支持板603は、支持板603の質量及び重量を小さくするために貫通穴603bを形成する。
【0043】
内側コネクタ組立部品508は、軸受け612をその間に捕捉するために締結具617で一緒に接続されるように構成される軸受けフレーム609と軸受けカラー618とを含む。軸受け612は、軸方向に軸受けフレーム609と軸受けカラー618との間で保持される。軸受けフレーム609は、中央環状プラットフォーム609aと、プラットフォーム609aから内部スリーブ512aへ向かって延びる円周方向に離間する複数の脚609bと、を有する。プラットフォーム609aは、軸受けフレーム609が軸受けカラー618に固定されたとき、軸受け612の半径方向外側部分612a(
図6)に当接してこれを支持するように構成される。
【0044】
軸受け支持シャフト603aは、軸受けカラー618の中央開口部及び軸受け612を貫通するように構成される。軸受け612の半径方向内側部分612b(
図6)は、
図6により詳細に示すように、軸受け支持シャフト603a上で軸方向に支持シャフト603aのフランジ603a’と軸受け支持シャフト603aのスナップリングスロットの中に設置されるスナップリング608との間に位置付けられる。支持シャフト603aと軸受け612の半径方向内側部分612bとの間の接続は、支持シャフト603aと軸受け612の半径方向内側部分612bが軸線C-Cの周りで一緒に回転できるような接続である。更に、軸受けフレーム609が締結具617で軸受けカラー618に固定されたとき、軸受け612の半径方向外側部分612aは、軸受けカラー618及び軸受けフレーム609のプラットフォーム609aに当接して、軸受けフレーム609、軸受けカラー618及び軸受け612の半径方向外側部分612aは、軸線C-Cの周りで一緒に回転するように構成される。
【0045】
脚609bの端部は、図示するように締結具610(ネジ切り締結具など)によってカラー512のフランジ512bに機械的に固定されるように構成される。
図5bに示す実施形態において、脚609bは、脚609bがカラー512のフランジ512bに固定されたとき
図6により明白に示すように内側スリーブ512aのテーパー状外側縁を覆って延びてこれにぴったり合うように、軸線C-Cに対して非ゼロのテーパー角度で延びる。軸受けカラー618と軸受けフレーム609は、一緒に、第2エンドフォーム組立体204の軸受けハウジング309と保持リング313と同様に機能することが分かるはずである。但し、軸受けフレーム609と軸受けカラー618の構造は、軸受けハウジング309と保持リング313より小さい質量及び重量で形成される。
【0046】
図6は、組立て済みの第2エンドフォーム組立体504の断面図である。
図6に示すように、軸受けカラー618は、その外側端に、軸受け612の半径方向外側部分612aに当接するフランジ618aを有する。又、軸受けフレーム609のプラットフォーム609aは、軸受け612の半径方向外側部分612aに当接する半径方向内側環状縁を有し、かつ、軸受けカラー618の対向する環状フランジ618bに当接する半径方向外側環状フランジを有する。締結具617は、軸受けカラー618の環状フランジ618bを軸受けフレーム609のプラットフォーム609aの半径方向外側フランジに接続する。軸受け612の半径方向内側部分612bは、軸方向に、中央軸受け支持シャフト603aに形成されたショルダ又はフランジ603aと中央軸受け支持シャフト303aに接続されるスナップリング308との間に保持される。組み立てられたとき、エンドフォーム204aは、軸受けフレーム609、軸受けカラー618、カラー512及びエンドフォーム504aが軸受け612及び軸受け支持シャフト603aからの支持を受けて回転軸線C-Cの周りを一緒に回転できるように、軸受けフレーム609に固定される。
【0047】
図5b及び6に示すように、エンドフォーム504aの内側面は、エンドフォーム504aの中央開口部を取り囲み回転軸線C-Cと同軸の環状板615に接続される。環状板615は、複数の締結具616でエンドフォーム504aに固定できる。環状板615は、第2エンドフォーム組立体504が心棒202に接続されたとき心棒フォーム202c(
図2)の端部に対する摩耗保護を与えるように構成される。環状板615は、また、第2エンドフォーム組立体504を心棒202に接続する際第2エンドフォーム組立体504の内側スリーブ512aの中へ心棒202の外側端部202bを案内するのを助けることができる。
【0048】
巻上げ機の作動時に、エンドフォーム504a及び内側コネクタ組立部品508が心棒202に接続されて回転軸線C-Cに沿って回転すると、軸受け支持シャフト603a及び軸受け612は、内側コネクタ組立部品508及びエンドフォーム504aの回転を案内するように構成される。この回転時に、取付け軸線D-Dが回転軸線C-Cと整列しないような位置に外側マウント組立部品506が在る場合、バネ605は、バネの場所及び円形板603の移動方向に応じて圧縮又は引張りに耐えることができるので、取付け軸線D-Dと回転軸線C-Cの不整列を許容できる又はこれに対処できる。更に、バネ605の付勢作用は、回転軸線C-Cの周りでの内側コネクタ組立部品508及びエンドフォーム504aの回転時に円形支持板603を心立てし直して取付け軸線D-Dを回転軸線C-Cと整列させる回復力を発生できる。
【0049】
更に、取付け軸線D-Dに対する円形支持板603の半径方向の偏向の範囲は、本明細書において説明するように第2エンドフォーム組立体504を心棒202に接続する際外側マウント組立部品506及び可動アーム205に対する内側コネクタ組立部品508及びエンドフォーム504aの所定範囲の不整列を許容する。更に、バネ605の付勢作用は、本明細書に説明するように第2エンドフォーム組立体504を心棒202に接続する際支持板603を心立てし直して取付け軸線D-Dを回転軸線C-Cと整列させる回復力を発生できる。
【0050】
図6に示す第2エンドフォーム組立体504は、外側マウント組立部品506が内側コネクタ組立部品508に対して半径方向に移動できるようにする。具体的には、上述のように、バネ605とピン606及び支持板603とカラー602との間の環状空隙は、外側マウント組立部品506の固定取付け軸線D-Dが内側コネクタ組立部品508の回転軸線C-Cに対して半径方向に移動できるようにする。したがって、取付け軸線D-Dは、第2エンドフォーム組立体504を心棒202に接続する際回転軸線C-C(したがって心棒202の軸線)と正確に整列する必要がない。更に、機械の巻上げ作動時に、内側コネクタ組立部品508及びエンドフォーム504aが回転軸線C-Cの周りで心棒202と同調して回転するとき、軸受け612は、取付け軸線D-Dと回転軸線C-Cが不整列でも不均等な負荷を受けない。
【0051】
本明細書において、自動心立てエンドフォーム及び心棒の実施形態について説明した。特定の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることを意図せず、本発明は技術上許容される広義の範囲とし、明細書はそのように解釈されることを意図する。したがって、特定の付勢部材について開示するが、他の付勢部材も使用できることが分かるはずである。更に、特定のタイプのバネ及び軸受けを開示するが、他のバネ及び軸受けを使用できることが分かるはずである。したがって、当業者は、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、提示される発明に更に他の修正を加えることができることが分かるはずである。本発明の態様の一部を以下記載する。
[態様1]
スプールエンドフォーム組立体であって、
回転軸線の周りで回転するように構成される中央カラーを持つエンドフォームと、
取付け構造体上に固定向きで取り付けられるように構成されたマウント組立部品と、
を備え、
前記スプールエンドフォーム組立体が、更に前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸に対して前記マウント組立部品の前記固定向きの不整列を許容するように構成される、
スプールエンドフォーム組立体。
[態様2]
前記マウント組立部品が、前記マウント組立部品の前記固定向きに対応する取付け軸線を中心とする少なくとも1つの環状部材を備え、前記少なくとも1つの環状部材が、前記少なくとも1つの環状部材に対して円形板が所定範囲で半径方向に変位できるように前記円形板を支持し保持するように構成される、態様1に記載のスプールエンドフォーム組立体。
[態様3]
前記円形板が、コネクタ組立部品によって前記エンドフォーム及び中央カラーに結合され、前記少なくとも1つの環状部材に対する前記円形板の半径方向の変位の前記範囲が、前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸線に対する前記マウント組立部品の前記固定向きの不整列を許容する、態様2に記載のスプールエンドフォーム組立体。
[態様4]
前記少なくとも1つの環状部材が、前記円形板を支持し保持する陥凹部を含み、
前記円形板が、各々ピン及び付勢部材を受け入れる複数の半径方向の穴又は通路を含み、前記ピン及び付勢部材が、前記少なくとも1つの環状部材の前記陥凹部との前記ピンの接触を維持して前記取付け軸線を前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸線と整列させるように構成される、
態様3に記載のスプールエンドフォーム組立体。
[態様5]
前記複数の半径方向の穴又は通路が円周方向に相互に均等の間隔を持つ、
態様4に記載のスプールエンドフォーム組立体。
[態様6]
前記円形板が、前記中央カラーに結合するために前記円形板から前記中央カラーへ向かって延びる中央軸受け支持シャフトを含む、態様2に記載のスプールエンドフォーム組立体。
[態様7]
更に、
前記中央軸受け支持シャフトによって支持される軸受けと、
前記軸受けを取り囲み、前記中央カラーと噛み合って前記中央軸受け支持シャフト及び前記円形板に対する前記回転軸線の周りでの軸受けハウジング、中央カラー及びエンドフォームの回転を支持する、軸受けハウジングと、
を備える、態様6に記載のスプールエンドフォーム組立体。
[態様8]
更に、
前記中央軸受け支持シャフトによって支持される軸受けと、
前記軸受けを捕捉し、かつ前記中央カラーと噛み合って前記中央軸受け支持シャフト及び前記円形板に対する前記回転軸線の周りでの前記軸受けハウジング、前記中央カラー及び前記エンドフォームの回転を支持する、軸受けカラーに結合された開放軸受けフレームと、
を備える、態様6に記載のスプールエンドフォーム組立体。
[態様9]
前記取付け構造体が可動アームである、態様1に記載のスプールエンドフォーム組立体。
[態様10]
巻上げスプールであって、
第1端部から第2端部まで中央軸線に沿って長手方向に延びる心棒と、
前記心棒の前記第1端部に接続された第1エンドフォーム組立体と、
前記心棒の前記第2端部に取外し可能に接続するように構成された第2エンドフォーム組立体であって、前記第2エンドフォーム組立体が、回転軸線の周りを回転するように構成される中央カラーを持つエンドフォームと、取付け構造体上に固定向きで取り付けられるように構成されたマウント組立部品とを含み、前記第2エンドフォーム組立体が、更に、前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸線に対する前記マウント組立部品の前記固定向きの不整列を許容するように構成される、第2エンドフォーム組立体と、
を備える、巻上げスプール。
[態様11]
前記マウント組立部品が、前記マウント組立部品の前記固定向きに対応する取付け軸線を中心とする少なくとも1つの環状部材を含み、前記少なくとも1つの環状部材が、前記少なくとも1つの環状部材に対して円形板が所定範囲で半径方向に変位できるように前記円形板を支持し保持するように構成される、態様10に記載の巻上げスプール。
[態様12]
前記円形板が、コネクタ組立部品によって前記エンドフォーム及び中央カラーに結合され、前記少なくとも1つの環状部材に対する前記円形板の半径方向の変位の前記範囲が、前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸線に対する前記マウント組立部品の前記固定向きの不整列を許容する、
態様11に記載の巻上げスプール。
[態様13]
前記少なくとも1つの環状部材が前記円形板を支持し保持する陥凹部を含み、
前記円形板が、各々ピン及び付勢部材を受け入れる複数の半径方向の穴又は通路を含み、前記ピン及び付勢部材が前記少なくとも1つの環状部材の前記陥凹部との前記ピンの接触を維持して前記取付け軸線を前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸線と整列させるように構成される、
態様12に記載の巻上げスプール。
[態様14]
前記円形板が、前記中央カラーに結合するために前記円形板から前記中央カラーへ向かって延びる中央軸受け支持シャフトを含む、態様11に記載の巻上げスプール。
[態様15]
更に、
前記中央軸受け支持軸によって支持される軸受けと、
前記軸受けを取り囲み、前記中央カラーと噛み合って前記中央軸受け支持シャフト及び前記円形板に対する前記回転軸線の周りでの軸受けハウジング、中央カラー及びエンドフォームの回転を支持する、軸受けハウジングと、
を備える、態様14に記載の巻上げスプール。
[態様16]
更に、
前記中央軸受け支持シャフトによって支持される軸受けと、
前記軸受けを捕捉し、かつ前記中央カラーと噛み合って前記中央軸受け支持シャフト及び前記円形板に対する前記回転軸線の周りでの前記軸受けハウジング、前記中央カラー及び前記エンドフォームの回転を支持する、軸受けカラーに結合された開放軸受けフレームと、
を備える、態様14に記載の巻上げスプール。
[態様17]
前記取付け構造体が可動アームである、態様10に記載の巻上げスプール組立体。
[態様18]
ワイヤ巻上げ機であって、
第1端部から第2端部まで中央軸線に沿って長手方向に延びる心棒と、前記心棒の前記第1端部に接続された第1エンドフォーム組立体と、前記心棒の前記第2端部に取外し可能に接続するように構成された第2エンドフォーム組立体と、を持つ回転式ワイヤ巻上げスプール、
を備え、
前記第2エンドフォーム組立体が、回転軸線の周りで回転するように構成される中央カラーを持つエンドフォームと、取付け構造体上に固定向きで取り付けられるように構成されたマウント組立部品と、を含み、
前記第2エンドフォーム組立体が、更に、前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸線に対する前記マウント組立部品の前記固定向きの不整列を許容するように構成される、
ワイヤ巻上げ機。
[態様19]
前記マウント組立部品が、前記マウント組立部品の前記固定向きに対応する取付け軸線を中心とする少なくとも1つの環状部材を含み、前記少なくとも1つの環状部材が、前記少なくとも1つの環状部材に対して前記円形板が所定範囲で半径方向に変位できるように円形板を支持し保持するように構成される、態様18に記載のワイヤ巻上げ機。
[態様20]
前記円形板がコネクタ組立部品によって前記エンドフォーム及び中央カラーに結合され、前記少なくとも1つの環状部材に対する前記円形板の半径方向の変位の前記範囲が、前記エンドフォーム及び中央カラーの前記回転軸線に対する前記マウント組立部品の前記固定向きの不整列を許容する、
態様19に記載のワイヤ巻上げ機。