(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】キャップ及びキャップを製造する方法
(51)【国際特許分類】
A42C 1/04 20060101AFI20230816BHJP
A42C 5/02 20060101ALI20230816BHJP
A42B 1/00 20210101ALI20230816BHJP
A42B 1/019 20210101ALI20230816BHJP
【FI】
A42C1/04
A42C5/02 D
A42B1/00 P
A42B1/019 B
(21)【出願番号】P 2021051583
(22)【出願日】2021-03-25
(62)【分割の表示】P 2019501603の分割
【原出願日】2017-07-12
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2016/089914
(32)【優先日】2016-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518012320
【氏名又は名称】シャンハイ パシフィック ハット マニュファクチャリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100123607
【氏名又は名称】渡邊 徹
(72)【発明者】
【氏名】マオ ジェン
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】特許第7200089(JP,B2)
【文献】特表2019-521261(JP,A)
【文献】登録実用新案第3187344(JP,U)
【文献】特開2003-003316(JP,A)
【文献】特表2015-518928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42C 1/04
A42C 5/02
A42B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップを組立てる方法であって、
キャップのための単一パネルのクラウンを、伸張可能な弾性織物の単一シート又は単一ピースから形成することと、
単一パネルのクラウンの後部分を除去して、開口領域を形成することと、
支持層を、単一パネルのクラウンの内側部分に取付けることと、
バイザー及びバンドを、支持層が取付けられた単一パネルのクラウンに取付けることと、を含み、
単一パネルのクラウンを形成することは、弾性織物の一部分のところに半球形状を形成するために、弾性織物の単一シート又は単一ピースを加熱して伸張させることを含み、単一パネルのクラウンは、加熱及び伸張作業の後の弾性織物で形成される、方法。
【請求項2】
更に、材料層を、後部分の除去によって形成された単一パネルのクラウンの後部の縁部に沿って取付けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
バンドは、弾性バンドを含み、弾性バンドは、単一パネルのクラウンの内部リムに沿って単一パネルのクラウンの前記開口領域を横切るように延びる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記バンドは、汗止めバンドを含み、
更に、キャップのサイズを調節するように構成されたアジャスタを、単一パネルのクラウンの底部に且つ前記開口領域を横切るように取付けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
除去された後部分は、アーチ形状又は三角形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
単一パネルのクラウンの後部分を除去することは、
前記開口領域の所望の形状に対応する予め定められた形状を有する材料層を単一パネルのクラウンの後部に取付けることと、
前記材料層の一部分を単一パネルのクラウンと一緒に除去して、所望の形状を有する前記開口領域を形成することと、を含み、前記開口領域を形成することにより、前記材料層のストリップが、前記開口領域の周りに且つ単一パネルのクラウンの後部の縁部に沿って延びる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
弾性織物は、織られた又は不織の材料を含み、2%から5%のスパンデックスを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
支持層は、バックラムを含み、
支持層を取付けることは、接着剤をバックラムの面又は単一パネルのクラウンの内部の前部分に付与することと、バックラムを単一パネルのクラウンの内部の前部分に押圧して、接着剤によりバックラムを単一パネルのクラウンの内部の前部分に結合させることと、バックラムの縁部と単一パネルのクラウンの内面との間に形成された1又は2以上の継ぎ目にわたって結合テープを付与することを含み、
1又は2以上の継ぎ目の各々は、単一パネルのクラウンの内部の中心部分から底縁まで半径方向に延び、結合テープは、1又は2以上の継ぎ目を覆い、バックラムを単一パネルのクラウンに取付ける、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
バイザー及びバンドを取付けることは、バイザー及びバンドを単一パネルのクラウンに縫い合わせることを含み、
バンドは、単一パネルのクラウンの内部の底縁の周りに取付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
弾性織物の単一シート又は単一ピースは、弾性織物の織物ブランクを含み、
単一パネルのクラウンを形成することは、弾性織物の織物ブランクを加熱し且つ伸張させて、半球形状を有する単一パネルのクラウンを形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
キャップを含む帽子であって、キャップは、
伸張可能な弾性織物の単一シート又は単一ピースから形成され、半球形状を有し、開口領域を形成するようにカットされた後部分を有する単一パネルのクラウンと、
単一パネルのクラウンの内側部分に取付けられた支持層と、
単一パネルのクラウンに取付けられたバイザー及びバンドと、を含み、
単一パネルのクラウンは、弾性織物の一部分のところに半球形状を形成するために、弾性織物の単一シート又は単一ピースを加熱して伸張させることを含み、単一パネルのクラウンは、加熱及び伸張作業の後の弾性織物で形成される、帽子。
【請求項12】
前記開口領域の所望の形状に対応する予め定められた形状を有する材料層が単一パネルのクラウンの後部に取付けられており、前記材料層の一部分が、所望の形状を有する前記開口領域を形成するように単一パネルのクラウンと一緒に除去されており、前記材料層のストリップが、単一パネルのクラウンの後部の縁部に沿って前記開口領域の周りに延びる、請求項11に記載の帽子。
【請求項13】
弾性織物は、織られた又は不織の材料を含み、2%から5%のスパンデックスを含む、請求項12に記載の帽子。
【請求項14】
支持層は、バックラムを含み、バックラムは、接着剤を使用して、単一パネルのクラウンの内部の前部分に熱結合されており、
更に、バックラムの縁部と単一パネルのクラウンの内面との間に形成された1又は2以上の継ぎ目にわたって付与された結合テープを含み、1又は2以上の継ぎ目の各々は、単一パネルのクラウンの内部の中心部分から底縁まで半径方向に延び、結合テープは、1又は2以上の継ぎ目を覆い且つバックラムを単一パネルのクラウンに取付け、
バイザー及びバンドは、単一パネルのクラウンに縫い合わされ、弾性バンドは、単一パネルのクラウンの内部の底縁の周りに取付けられる、請求項11に記載の帽子。
【請求項15】
更に、後部分のカットによって形成された単一パネルのクラウンの後部の縁部に沿って取付けられた材料層を含む、請求項11に記載の帽子。
【請求項16】
バンドは、弾性バンドを含み、弾性バンドは、単一パネルのクラウンの内部リムに沿って単一パネルのクラウンの前記開口領域を横切るように延びる、請求項11に記載の帽子。
【請求項17】
前記バンドは、汗止めバンドを含み、
更に、キャップのサイズを調節するように構成されたアジャスタを含み、アジャスタは、単一パネルのクラウンの底部に且つ前記開口領域を横切るように取付けられる、請求項11記載の帽子。
【請求項18】
カットされた後部分は、アーチ形状又は三角形状を有する、請求項11に記載の帽子。
【請求項19】
キャップを組立てる方法であって、
キャップのための単一パネルのクラウンを、伸張可能な弾性織物の単一シート又は単一ピースから形成することと、
支持層を、単一パネルのクラウンの内側部分に取付けることと、
バイザー及び弾性バンドを、単一パネルのクラウンに取付けられた支持層と一緒に単一パネルのクラウンに取付けることと、を含み、
単一パネルのクラウンを形成することは、弾性織物の一部分のところに半球形状を形成するために、弾性織物の単一シート又は単一ピースを加熱して伸張させることを含み、単一パネルのクラウンは、加熱及び伸張作業の後の弾性織物で形成される、方法。
【請求項20】
加熱し且つ伸張させることは、半球形状の織物モールドを用いて弾性織物の片側だけに熱と押圧力を付与して、弾性織物の前記一部分を半球形状に伸張させることを含む、請求項1又は19に記載の方法。
【請求項21】
弾性織物は、織られた材料である、請求項1、19及び20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
弾性織物の単一シート又は単一ピースは、弾性織物の積層されていない単一のシートである、請求項1、19、20及び21のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連事例〕
本出願は、2016年7月13日に出願されてその全体が本明細書に組み込まれている「キャップ及びキャップを製造する方法」という名称の国際特許出願番号PCT/CN2016/089914に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、キャップ等の帽子を組立て又は製造する方法、及びより具体的には、伸張可能な織物で形成された単一パネルのクラウンを含むキャップアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
帽子は、クラウン及びバイザー(例えば、ひさし)等の様々な構成要素を含む可能性がある。帽子の1つのタイプは、クラウンが特に糸で手編みされない限り織物は平坦であるので、クラウンが従来的に六個(6)のクラウンパネル又は5/4/3/2のクラウンパネルで形成されるキャップ又は野球帽等の帽子である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数のクラウンパネルは、縫い合わせ等の従来の取付け技術を使用して互いに連結される。そのような従来の製造技術は、キャップの構成要素を互いに組立て又は製造する時間、複雑さ、及びコストを増大させる。これらのタイプの従来のキャップはまた、頭部サイズ範囲の観点から制限的であり、すなわち、異なる着用者に適合するように多くの異なるサイズで作らなければならない。更に、これらのキャップにおいて平坦クラウンパネルに使用される材料、特により重い織物を使用するものは、皺が発生しやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示の実施形態により、伸張可能な織物で形成された単一パネルのクラウンを使用するキャップ及びそれを組立てる方法を提供する。例えば、野球帽等のキャップを組立てる方法は、キャップのための単一パネルのクラウンを伸張可能な織物の単一シート又は単一ピースから形成する段階と、クラウンの後部分を除去して開口領域を形成する段階と、支持層を接着剤で単一パネルのクラウンの内部の前部分に取付ける段階と、取付けられた支持層を用いてバイザー及びバンド(弾性(又は伸張可能な)バンド、非弾性バンド、又は汗止めバンド等の)をクラウンに取付ける段階とを伴っている。単一パネルのクラウンは、伸張可能な織物の単一シート又は単一ピースを加熱し且つ伸張させて伸張可能な織物の一部分上に半球形状を形成し、かつキャップのための単一パネルのクラウンを形成するために半球形状部分から又はそれを越えて延びる伸張可能な織物の任意の余分な1つ又は複数の縁部分も裁断することによって形成することができる。伸張可能な織物の片側又は両側に熱を付与することができ、熱が付与される時に、半球形状織物モールドを使用して伸張可能な織物に圧力を付与し、伸張可能な織物のその部分を半球形状に伸張させることができる。一例では、圧力を付与して織物を押圧して伸張させるのに雄モールド部品のみが利用される。伸張可能な織物は、織られた又は不織の材料で作ることができ、かつ2%から5%のスパンデックス、好ましくは約3%のスパンデックスを含む弾性織物(又は弾性特性を有する織物)とすることができる。
【0006】
除去される後部分は、アーチ形状又は三角形状を有する可能性がある。後部分の除去によって形成されたクラウンの後部の縁部に沿って材料層を取付けることができる。この材料層は、クラウンの材料とは異なる、例えば、より剛性である材料で形成することができ、かつ開口領域の周りのクラウンの縁部を補強することができる。更に、除去作業は、開口領域の所望の形状に一致する予め定められた形状を有する材料層をクラウンの後部に取付ける段階と、材料層のストリップが開口領域の周りでクラウンの後部の縁部に沿って延びるように、材料層の一部分をクラウンと一緒に除去して所望の形状を有する開口領域を形成する段階とを伴う可能性がある。
【0007】
支持層は、バックラムで作ることができる。支持層を単一パネルのクラウンに取付けるために、バックラムの面又は単一パネルのクラウンの内部の前部分に接着剤の被膜を付与することができる。バックラムは、次いで、接着剤が単一パネルのクラウンの内部の前部分にバックラムを結合するように、単一パネルのクラウンの内部の前部分に対して押圧することができる(例えば、ヒートプレス)。更に、バックラムの縁部と単一パネルのクラウンの内面との間に形成される1又は2以上の継ぎ目にわたって結合テープを付与することができる。1又は2以上の継ぎ目の各々は、単一パネルのクラウンの内部の中心部分から底縁まで半径方向に延び、結合テープは、1又は2以上の継ぎ目を覆い、かつ更にバックラムを単一パネルのクラウンに連結する。
【0008】
キャップはまた、クラウンの後部で開口領域を横切るようにクラウンの底部に取付けられたアジャスタを含み、又は開口領域を横切るように延びる弾性バンド等のバンドを利用することができる。
【0009】
更に別の例示の実施形態により、異なる前パネルを含むことによって伸張可能な織物で形成された単一パネルのクラウンを修正して修正されたクラウンを形成するキャップ及びそれを組立てる方法を提供する。この例では、例えば野球帽等のキャップを組立てる方法は、伸張可能な織物の単一シート又は単一ピースから初期の単一パネルのクラウンを形成する段階と、初期の単一パネルのクラウンの前部分を除去する段階と、前パネルをクラウンに取付けて除去された前部分を置換し、かつキャップのための修正されたクラウンを形成する段階と、バイザー及びバンドを修正されたクラウンに取付ける段階とを伴っている。前パネルは、除去された前部分を有する初期の単一パネルのクラウンよりも小さいとすることができ、初期のクラウンとは異なる材料で形成することができ、かつその内側に取付けられた支持層を有することができる。支持層は、除去された前部分を有する初期の単一パネルのクラウンに前パネルを取付ける前に前パネルに取付けることができる。伸張可能な織物は、織られた又は不織の材料で作られ、又は2%から5%のスパンデックスを含むことができる。除去された前部分を有する初期の単一パネルのクラウンの縁部は、前パネルの縁部にわたって取付けることができる(又はその逆である)。
【0010】
単一パネルのクラウン又は初期の単一パネルのクラウンを使用する修正されたクラウンを有する様々な例示のキャップは、従来のキャップに優る多くの利益を提供するように設計される。例えば、単一パネルのクラウンは、複数の平坦クラウンパネルを連結することによって又は糸を手編みすることによって形成されるもの等の従来のクラウンと比較して、必要とされる労力が実質的に少なくなる方式で伸張可能な織物から形成することができる。すなわち、本明細書で説明するような単一パネルのクラウン設計を用いて、キャップ(例えば、野球帽)は、従来のキャップと比較してより効率的に、より速く、かつそれほど高価ではない方式で組立て又は製造することが可能である。更に、そのような単一パネルのクラウンを有するキャップは、頭部サイズのより大きい範囲を覆うことができ、従来のキャップでは複数の平坦クラウンパネルを互いに連結するのに通常使用される縫い合わせを不要にすることによって増大又は改善した引裂強度を有し、かつ特に軽い又はより軽い伸張可能な織物をクラウンに使用する時に皺が発生しにくくなる。
【0011】
様々な例示の実施形態の説明を添付図面に関連して解説する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明による例示の実施形態による例示の帽子である、伸張可能な織物の単一シート又は単一ピースから形成された単一パネルのクラウンを含む例示のキャップの斜視図である。
【
図2】
図1のキャップの単一パネルのクラウンの内部又は内面を示す底面図である。
【
図3】
図1に示すようなキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【
図4】
図1に示すようなキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【
図5】
図1に示すようなキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【
図6】
図1に示すようなキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【
図7】
図1に示すようなキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【
図8】
図1に示すようなキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【
図9】
図1に示すようなキャップ等の帽子を組立て又は製造する例示の工程の流れ図である。
【
図10】本発明の更なる実施形態による例示の帽子であるキャップの上方からの斜視図である。
【
図11】本発明の更なる実施形態による例示の帽子であるキャップの背面図である。
【
図12】本発明の更なる実施形態による例示の帽子であるキャップの底面図である。
【
図13】
図10~
図12のキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【
図14】
図10~
図12のキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【
図15】
図10~
図12のキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【
図16】本発明の別の実施形態による例示の帽子であるキャップの上方からの斜視図である。
【
図17】本発明の別の実施形態による例示の帽子であるキャップの背面図である。
【
図18】本発明の別の実施形態による例示の帽子であるキャップの底面図である。
【
図19】
図16~
図18のキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【
図20】
図16~
図18のキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【
図21】本発明の更なる実施形態による例示の帽子であるキャップの上方からの斜視図である。
【
図22】本発明の更なる実施形態による例示の帽子であるキャップの背面図である。
【
図23】本発明の更なる実施形態による例示の帽子であるキャップの底面図である。
【
図24】本発明の更なる実施形態による例示の帽子であるキャップの上方からの斜視図である。
【
図25】本発明の更なる実施形態による例示の帽子であるキャップの背面図である。
【
図26】本発明の更なる実施形態による例示の帽子であるキャップの底面図である。
【
図27】
図24~
図26のキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【
図28】
図24~
図26のキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【
図29】
図24~
図26のキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【
図30】
図24~
図26のキャップを組立て又は製造する例示の工程に伴う作業を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び2は、キャップ100等の帽子を示す。
図1に示すように、キャップ100は、単一パネルのクラウン110を含む。頂部ボタン112及びバイザー120が、クラウン110に取付けられる(又は連結される)。単一パネルのクラウン110は、半球形状(例えば、ドーム形状)を有し、伸張可能な織物で形成され、伸張可能な織物は、好ましくは、軽い又は比較的軽い伸張可能な織物である。織物は、織られた材料であってもよいし、不織材料であってもよく、また、弾性織物であってもよく、弾性織物は、例えば、スパンデックス(spandex)(例えば、2%と5%の間のスパンデックス、好ましくは、約3%のスパンデックス)を用いて形成される。後でより詳細に説明するように、適切な織物成形モールド又は織物モールド(例えば、半球形状織物モールド)を有するヒートプレスシステム又はヒートプレストランスファーマシンを使用して、伸張可能な織物の単一シート又は単一ピースを加熱し且つ伸張させて半球形状にすることによって、単一パネルのクラウン110を形成することができる。
【0014】
図2に更に示すように、キャップ100はまた、支持層230と弾性バンド260を含む。支持層230は、単一パネルのクラウン110の内部又は内面に取付けられ、キャップ100の単一パネルのクラウン110の1つ又は複数の所望の部分のための構造的支持を提供する。この例では、支持層230は、単一パネルのクラウン110の内部の前部分に取付けられる。
【0015】
支持層230は、単一パネルとして形成されてもよいし、複数の支持パネルを連結することによって形成されてもよい。例えば、
図2に示すように、支持層230は、2つの支持パネル230A、230Bを含み、支持パネル230A、230Bは、継ぎ目に沿って互いに連結され、かかる連結は、縫い合わせる(sew,stitch)ことによって、結合テープを用いて、接着剤を用いて、又はそれらの組合せによって行われる。この例では、2つの支持パネル230A、230Bは、結合テープ又は織物のストリップ240と一緒に縫い合わされ、ストリップ240は、支持パネル230A、230Bの間の継ぎ目を覆う。支持層230は、バックラム(buckram)等の剛性材料で形成されてもよい。
【0016】
支持層230は、接着剤(例えば、織物接着剤)並びに結合テープを使用する熱伝達技術によって、単一パネルのクラウン110の内部又は内面に取付けられてもよい。
図2に示すように、結合テープの2つのストリップ250A、250Bが、支持層230の外縁又は外周と単一パネルのクラウン110の内部との間のそれぞれの継ぎ目に沿って付与される。結合テープのストリップ250A、250Bは更に、支持層230を単一パネルのクラウン110に取付け、それらの間において単一パネルのクラウン110の中心部分から底縁(又はリム)114まで半径方向に延びるそれぞれの継ぎ目を覆う。結合テープは、本明細書で使用するとき、片面又は両面の熱結合テープであってもよいし、接着剤テープ(例えば、感圧接着剤テープ)であってもよい。接着剤は、本明細書で使用するとき、熱を使用して又は使用しないで、2又は3以上の構成要素を互いに結合するように付与される織物接着剤であるのがよい。
【0017】
弾性バンド260は、取付けられた支持層230と一緒に、単一パネルのクラウン110の底縁114の内部の周りに取付けられる。弾性バンド260は、汗止めバンドであるのがよい。バイザー120及び弾性バンド260が、それらを単一パネルのクラウン110に縫い合わせることによって、単一パネルのクラウン110に取付けられるのがよい(例えば、
図1の縫い合わせ部116を参照されたい)。
【0018】
図3~
図8は、
図1に示すような単一パネルのクラウンを有するキャップを組立て又は製造する例示の段階的工程を示す。
図3及び
図4に示すように、伸張可能な織物310の単一シート又は単一ピースを準備する。伸張可能な織物310は、弾性織物であるのがよい。伸張可能な織物310の一部分を加熱し、(ヒートプレストランスファーマシン又はヒートプレスシステムの)半球形状織物モールド10によって十分な力でプレスして、織物310に半球形状、すなわち、半球形状部分410を形成する。加熱及び伸張工程において使用される力の量、温度、及び時間は、加熱及び伸張作業における伸張可能な織物310の特性に従って変化し得る。モールド10のサイズ及び形状は、異なるタイプのキャップ及び頭部サイズ又は頭部サイズ範囲に適合するように望むように変化し得る。
【0019】
図5に示すように、引き続いて必要であれば、半球形状部分410を越えて延びる任意の余分な縁部分510を除去するように、伸張可能な織物310をカット又はトリミングする。このように、単一パネルのクラウン110を、伸張可能な織物310の半球形状部分410から形成する。変形例として、加熱及び伸張工程の後のトリミング又はカット作業を実行する必要性を回避するために、伸張可能な織物310を、適切なサイズ及び形状を有する織物ブランク(例えば、伸張可能な織物310の円形又は長円形ブランク)に事前にカットしてもよい。例えば、本明細書で説明するように、織物ブランクを加熱及び伸張させて、半球形状を有する単一パネルのクラウン110を形成する。
【0020】
図6に示すように、支持層230は、単一パネルのクラウン110の内部又は内面に取付けられるものであり、このことを参照符号600によって注目する。この例では、支持層230は、2つの支持パネル230A、230B(例えば、三角形パネル)で形成され、支持パネル230A、230Bは、それらをそれらの隣接した外縁によって形成される継ぎ目に沿って縫い合わせることによって連結されている。例えば、支持パネル230A、230Bの間の継ぎ目にわたって付与された織物又は結合テープのストリップ240を縫い合わせることによって取付け、又は、支持パネル230A、230Bをストリップ240と一緒に取付ける。しかしながら、支持パネル230A、230Bを他の方法、例えば、接着剤(例えば、織物接着剤)、結合テープ等を使用して取付けてもよい。
【0021】
図7において参照符号700によって示すように、接着剤630(例えば、織物接着剤)を使用して、支持層230を単一パネルのクラウン110の内部又は内面に取付けるのがよい。例えば、接着剤630のコーティングを支持層230の片側又は片面に付与する。その後、支持層230を単一パネルのクラウン110に挿入し、次いで、単一パネルのクラウン110の内部の前部分に押圧して、支持層230を単一パネルのクラウン110に取付ける。
図8に示すように、結合テープの2つのストリップ250A、250Bを、支持層230の外縁又は外周と単一パネルのクラウン110の内部との間のそれぞれの継ぎ目に沿って付与する(「シームレステープ留め」とも呼ばれる)。結合テープのストリップ250A、250Bは、更に、支持層230を単一パネルのクラウン110に取付け、それらの間において単一パネルのクラウン110の中心部分から底縁(又はリム)114まで半径方向に延びるそれぞれの継ぎ目を覆う。また、頂部ボタン112を、金属スナップ等を用いて、単一パネルのクラウン110の中心部分又は中心に取付ける。
【0022】
図8に更に示すように、バイザー120、弾性バンド260を、支持層230と一緒に単一パネルのクラウン110に取付ける。例えば、弾性バンド260を、取付けられた支持層230と一緒に、単一パネルのクラウン110の底縁114の内部の周りに取付ける。バイザー120及び弾性バンド260を単一パネルのクラウン110に一緒に(例えば、
図1の縫い合わせ部116を参照されたい)又は別々に縫い合わせることによって、バイザー120及び弾性バンド260を単一パネルのクラウン110に取付けるのがよい。
【0023】
図9は、例えば
図1に示すキャップである帽子を、単一パネルのクラウンを用いて組立て且つ製造する例示の工程900の流れ図である。工程900は、参照符号902のところの伸張可能な織物の単一シート又は単一ピースの準備から始まるのがよい。伸張可能な織物を、織られた又は不織の材料で作るのがよく、伸張可能な織物は、好ましくは、軽い又は比較的軽い伸張可能な織物である。前に述べたように、伸張可能な織物は、スパンデックスを含む弾性織物であるのがよく、スパンデックスは、例えば2%から5%の間のスパンデックス、又は、好ましくは約3%のスパンデックスである。
【0024】
参照符号904において、伸張可能な織物を、その少なくとも一部分が半球形状(例えば、ドーム又は半球体形状)を形成するように加熱し且つ伸張させる。伸張可能な織物を所望の形状(又は寸法)にヒートプレスし、かくして、伸張させるのに、ヒートプレストランスファーマシン又はヒートプレスシステムの半球形状織物モールド又は他の適切な織物モールドを使用するのがよい。伸張可能な織物を伸張させるとき、伸張可能な織物の片側を加熱してもよいし、両側を加熱してもよい。
【0025】
参照符号906において、キャップのための単一パネルのクラウンを形成するために、半球形状部分から又はそれを越えて延びる伸張可能な織物の任意の余分な縁部分をカット又はトリミングする。
【0026】
参照符号908において、支持層を単一パネルのクラウンの内側又は内面に取付ける。野球帽又はそれと類似するキャップのために、支持層を単一パネルのクラウンの内部の前部分に取付けてもよい。前に述べたように、支持層をバックラムで作ってもよいし、1又は2以上の支持パネルで形成してもよく、2以上の支持パネルは、例えば、縫い合わせ、接着剤(例えば、織物接着剤)、結合テープ、又はそれらの組合せ、又は他の従来の取付け技術によって互いに取付けられる。例えば、最初、支持層を接着剤で単一パネルのクラウンに取付け、次いで、支持層の外縁又は外周と単一パネルのクラウンの内部との間の継ぎ目にわたって結合テープを付与する。
【0027】
参照符号910において、バイザー及び弾性バンド(例えば、汗止めバンド)を、例えば、縫い合わせることによって、単一パネルのクラウンに取付ける。バイザー及び弾性バンドを、単一パネルのクラウンに別々に取付けてもよいし、一緒に(例えば、同じ時間に又は同時に)取付けてもよい。
【0028】
参照符号912において、キャップをカスタマイズする他のキャップ製造工程を実行してもよい。例えば、これら及び他の従来のキャップ製造工程は、ロゴをキャップに刺繍すること、ロゴ、例えば、印刷ロゴをキャップに印刷することを含む。
【0029】
図10、
図11、及び
図12はそれぞれ、更に別の実施形態によるキャップ1000等の例示の帽子の上方からの斜視図、背面図、及び底面図である。
図10の例に示すように、キャップ1000は、単一パネルのクラウン110を含む。頂部ボタン112及びバイザー120が、クラウン110に取付けられる(又は連結される)。単一パネルのクラウン110は、半球形状(例えば、ドーム形状)を有し、かつ伸張可能な織物、好ましくは、軽い又はより軽い伸張可能な織物で形成される。織物は、織られた材料であってもよいし、不織の材料であってもよく、また、弾性織物であってもよく、弾性織物は、例えばスパンデックス(例えば、2%と5%の間のスパンデックス、好ましくは、約3%のスパンデックス)を用いて形成される。
図1を参照して説明した実施形態と同様に、適切な織物成形モールド又は織物モールド(例えば、半球形状織物モールド)を有するヒートプレスシステム又はヒートプレストランスファーマシンを使用して、伸張可能な織物の単一シート又は単一ピースを加熱し且つ伸張さて半球形状にすることによって、初期の単一パネルのクラウン110を形成することができる。
【0030】
図11に示すように、単一パネルのクラウン110は、キャップ1000のクラウン110の後部に開口領域1160を設けるために除去された(例えば、カットされた)部分、例えば後部分を有する。この例では、開口領域1160は、アーチ形状(例えば、半円又はドーム形状)を有する。1つ又は複数のストリップ1170が、縁部を補強して仕上げるために、開口領域1160の周りに且つクラウン110の連続縁部に沿って取付けられ、ストリップ1170をクラウン110に連結するために、接着剤裏当てを有する材料で作られるのがよい。
【0031】
図11に更に示すように、アジャスタ1180も、キャップ1000のクラウン110の底縁114に沿って開口領域1160を横切るようにクラウン110に連結される。アジャスタ1180は、キャップ1000のサイズを調節することを可能にするように構成される。この例では、アジャスタ1180は、スナップオン又はスナップイン構成要素、例えば、第2のプラスチック部材上の列に沿って配置された雄部品(例えば、突起)を受入れるように構成された雌部品(例えば、孔又は開口部)の列を有する第1のプラスチック部材を有するファスナであるスナップアジャスタである。しかしながら、アジャスタ1180は、バックルアジャスタ(例えば、バックル調節式ハットに使用されるような)、弾性バンド、又は織物フックを有するストラップなど等の他のサイズ調節機構の形態を有していてもよい。アジャスタ1180又はその構成要素は、(この例におけるように)継ぎ目1182等の縫い合わせ、接着剤、及び/又は他の取付け方法/媒体、又はそれらの組合せによって、クラウン110に連結される。
【0032】
図12に示すように、キャップ1000はまた、支持層230とバンド1260を含む。支持層230は、キャップ100の単一パネルのクラウン110の1つ又は複数の所望の部分に対する構造的支持を提供するように単一パネルのクラウン110の内部又は内面に取付けられる。この例では、支持層230は、単一パネルのクラウン110の内部の前部分に取付けられる。
【0033】
支持層230は、単一パネルとして形成されてもよいし、複数の支持パネルを連結することによって形成されてもよく、かつ接着剤(例えば、織物接着剤)を使用して並びに結合テープを使用して熱伝達技術を通して単一パネルのクラウン110の内部又は内面に取付けることができる。例えば、
図2における例の場合と同様に、2つの支持パネル230は、結合テープ又は織物のストリップ240と一緒に縫い合わされ、ストリップ240は、
図12の支持パネル230間の継ぎ目を覆う。支持層230は、バックラム等の剛性材料で形成されるのがよい。結合テープの2つのストリップ250A、250Bは、支持層230の外縁又は外周と単一パネルのクラウン110の内部との間のそれぞれの継ぎ目に沿って付与される。結合テープのストリップ250A、250Bは、更に、支持層230を単一パネルのクラウン110に取付けられ、それらの間における単一パネルのクラウン110の中心部分から底縁(又はリム)114まで半径方向に延びるそれぞれの継ぎ目を覆う。結合テープは、本明細書で使用するとき、片面又は両面の熱結合テープであってもよいし、接着剤テープ(例えば、感圧接着剤テープ)であってもよい。接着剤は、本明細書で使用するとき、熱を使用して又は使用しないで、2又は3以上の構成要素を互いに結合するように付与される織物接着剤であるのがよい。
【0034】
バンド1260は、取付けられた支持層230と一緒にクラウン110の底縁114の内部の周りに又はそれに沿って取付けられる。バンド1260は、弾性バンドであってもよいし、非弾性バンドであってもよいし、汗止めバンドであってもよい。バイザー120及びバンド1260は、それらをクラウン110に縫い合わせることによってクラウン110に取付けられるのがよい(例えば、
図1及び
図10の継ぎ目又は縫い合わせ部116を参照されたい)。
【0035】
図13~
図15は、
図10~
図12のキャップ1000を組立て又は製造する例示の段階的工程を示す。
図13に示すように、支持層230を有するクラウン110を準備する。クラウン110は、
図3~
図5を参照して前に述べた工程と同じ又は類似の工程を使用して形成されるのがよい。1つ又は複数の材料の1つ又は複数の層1300が、クラウン110の外側の後部分に取付けられる。材料は、織られた又は不織の材料であってもよいし、他の基材であってもよい。層1300は、その裏当てに接着剤(例えば、接着剤裏当てを有する材料)を有していてもよいし、層1300をクラウン110に連結する前に接着剤をクラウン110の裏当て又は後部分に付与してもよい。層1300は、クラウン110の材料よりも剛性である材料(例えば、より大きい剛性)で形成されるのがよい。
【0036】
この例では、層1300は、クラウン110に設けられる開口領域の所望の形状に一致する例えばアーチ形状(例えば、半球形状又はドーム形状など)等の予め定められた形状を有する。層1300が位置合わせされ、次にクラウン110の後部分に取付けられた後(例えば、クラウン110の破線外形を参照されたい)、それに対応するクラウン110の部分と一緒に層1300の一部分1310を除去する(例えば、カットする)。
図13に示すように、部分1310は、より小さいアーチ形状を有し、これは、除去された時に、開口領域1160をクラウン110の後部分に残し、かつクラウン110の1つ又は複数の縁部に沿って延びる層1300のストリップ1170を開口領域1160の周りに残す。
【0037】
図14及び
図15に示すように、バイザー120、アジャスタ1180、及びバンド1260は、(支持層230が取付けられている)クラウン110に取付けられる。この例では、バンド1260は、汗止めバンド等の弾性又は非弾性バンドとすることができる。バンド1260は、2つの対向する末端部分1262を含み、各末端部分1262は、内向きに折り曲げてアジャスタ1180の端部を受入れるポケットを形成することができるフラップ1264を有する。バンド1260は、(支持層230が取付けられている)クラウン110の底縁114の内部の周りに取付けられる。この例では、アジャスタ1180は、開口領域1160のそれぞれの対向する側でクラウン110に取付けられた対向する端部を有する。例えば、アジャスタ1180の各対向する端部は、それに対応するバンド1260の末端部分1262の下に、その内部に、又はその周りに配置され、かつクラウン110及びバンド1260の両方に取付けられる。バイザー120、アジャスタ1180、及びバンド1260は、それらを単一パネルのクラウン110に縫い合わせることにより(例えば、
図10~
図12及び他の図において継ぎ目又は縫い合わせ部116、1182及び他の縫い合わせを参照されたい)、及び/又は他の取付け方法/媒体を用いてクラウン110に取付けることができる。頂部ボタン112も、金属スナップなどを用いて単一パネルのクラウン110の中心部分又は中心に取付けられる。
【0038】
図16、
図17、及び
図18はそれぞれ、別の実施形態によるキャップ1600等の例示の帽子の上方からの斜視図、背面図、及び底面図である。キャップ1600は、キャップ1600がアジャスタ1180及びバンド1260の組合せの代わりに弾性バンド260等のバンドを含むことを除き、上述したキャップ1000(例えば、
図10~
図18を参照されたい)と同じ又は類似のいくつかの構成要素及び特徴を含む。この例では、バンド260は、クラウン110の後部分で開口領域1160を横切るように延びる。
【0039】
図19及び
図20は、
図16~
図18のキャップ1600を組立て又は製造する例示の工程に伴う様々な作業を示す。
図19に示すように、支持層230とクラウン110の後部分にアーチ形状を有する開口領域1160とを含むクラウン110を準備する。クラウン110のためのこの構成は、例えば、
図13を参照してキャップ1000に関して上述した工程を使用して組立て又は製造することができる。その後に、例えば弾性バンド260等のバンドが、クラウン110の底縁114の内部の周りにおいてクラウン110に取付けられる。この例では、バンド260は、縫い合わせることによってクラウンに取付けられる。
図20に更に示すように、次いで、バイザー120が、クラウン110(支持層230を有する)に取付けられる。この例では、バイザー120は、縫い合わせることによってクラウンに取付けられる。
【0040】
上記は、キャップ1600を組立て又は製造する一例示の工程を説明したものである。しかしながら、キャップ1600の様々な構成要素を、異なる順序で組立ててもよく、及び/又は工程内で異なる作業を組合せてもよい。例えば、バイザー120及び弾性バンド260は、それらを一緒に単一パネルのクラウン110に(例えば、
図1において継ぎ目又は縫い合わせ部116を参照されたい)取付けられてもよいし、別々に単一パネルのクラウン110に縫い合わせることによってクラウン110に取付けられてもよい。
【0041】
図21、
図22、及び
図23はそれぞれ、更に別の実施形態によるキャップ2100等の例示の帽子の上方からの斜視図、背面図、及び底面図である。キャップ2100は、キャップ2100がアーチ形状(例えば、
図13において開口領域1160を参照されたい)ではなく三角形状を有するクラウン110の後部分において開口領域1160Aを有することを除き、上述したキャップ1000(例えば、
図10~
図18を参照されたい)と同じ又は類似のいくつかの構成要素及び特徴を含むことができる。従って、キャップ2100は、一般的に上述のキャップ1000に使用される同じ又は類似の工程を使用して組立て又は製造することができる。この例では、クラウン110の後部に取付けられた材料の1つ又は複数の層は、アーチ形状(例えば、
図13において層1300を参照されたい)の代わりに三角形状を有するであろう。三角形状を有する1つ又は複数の取付けられた層及びクラウン110のより小さい部分が除去され、開口領域1160Aの周りでクラウン110の縁部に沿って延びる材料のストリップ1170Aを与える。
【0042】
図24、
図25、及び
図26はそれぞれ、更に別の実施形態によるキャップ2400等の例示の帽子の上方からの斜視図、背面図、及び底面図である。この例では、キャップ2400は、初期のクラウン110を修正して、キャップ2400のための修正されたクラウン110Aを形成するように前パネル2410(例えば、外側前パネル)を含むことを除き、
図1~
図8のキャップ100と同じ又は類似のいくつかの構成要素を含む。初期のクラウン110は、例えば物理的及び/又は視覚的特徴を含む前パネル2410のものとは異なる特性を有する。例えば、初期のクラウン110は、前パネル2410とは異なる材料(例えば、異なる織物、異なる媒体など)で作られる。前パネル2410は、単一パネルとして形成されてもよいし、テープ、継ぎ目、及び/又は他の取付け方法/媒体を使用して互いに連結された2又は3以上のパネルから形成されてもよい。
【0043】
図27~
図30は、
図24~
図26のキャップ2400を組立て又は製造する例示の工程に伴う様々な作業を示す。
図27に示すように、
図3~
図5を参照してキャップ100に関して上述した例示の組立て又は製造工程を使用して形成することができる初期のクラウン、例えば、単一パネルのクラウン110を準備する。
図27では、初期のクラウン110の前部分2700を除去し、例えばカットする。前パネル2410を準備し、支持層230を、接着剤(例えば、接着剤630のコーティング)又は他の取付け方法/媒体を使用するなどで前パネルの後部又は内側に取付ける。
【0044】
図28に示すように、前パネル2410は、クラウン110に取付けられて初期のクラウン110の除去された前部分2700と置換され、修正されたクラウン110Aを形成する。支持層230を有する前パネル2410は、継ぎ目2720によって示すように構成要素を互いに縫い合わせることによって初期のクラウン110に取付けられる。更に、結合テープ250A、250Bの2つのストリップが、前パネル2410と初期のクラウン110の間の内部継ぎ目にわたって付与される。初期のクラウン110の縁部(除去された前部分2700の周りの)は、前パネル2410の縁部にわたって位置決めされる(又は上に重なる)か又はその逆である。
【0045】
その後、
図29に示すように、例えば弾性バンド260等のバンドが、クラウン110Aの底縁114の内部の周りで修正されたクラウン110に取付けられる。この例では、バンド260は、縫い合わせることによってクラウンに取付けられる。
図29に更に示すように、バイザー120が、その後に修正されたクラウン110に取付けられる。この例では、バイザー120は、縫い合わせることによってクラウンに取付けられる。
【0046】
上記は、キャップ2400を組立て又は製造する一例示の工程を説明したものである。しかしながら、キャップ2400の様々な構成要素は、異なる順序で組立てることができ、及び/又は異なる作業は組み合わせることができる。例えば、バイザー120及び弾性バンド260は、それらを一緒に(例えば、
図1において継ぎ目又は縫い合わせ部116を参照されたい)又は別々に単一パネルのクラウン110に縫い合わせることによってクラウン110に取付けることができる。支持層230はまた、前パネル2410をクラウン110に取付けた後に取付けられてもよい。更に、キャップ2400は、クラウン110Aの後部分に開口領域を含むように修正されてもよい。キャップ240はまた、連続バンドの代わりに様々なキャップ例に関して本明細書で説明するもの等のバンド及びアジャスタの組合せを含むように修正することができる。
【0047】
図を参照して図示して上述した帽子及びそれを組立てる方法は、単に例として提供したものである。帽子は、異なる又は変動するサイズ、形状、及び構成を有するクラウンを含むことができることを理解しなければならない。
図1及び
図2、並びに
図10~
図12、
図16~
図18、
図21~
図23、及び
図24~
図26における帽子は、野球帽等の特定のタイプのキャップとして示されているが、本明細書で説明するクラウン製造技術は、バイザー(例えば、ひさし)を備え、かつ異なる又は変動する寸法(例えば、サイズ及び形状)を有する他のタイプのキャップを組立て又は製造するのに使用することができる。一般的に、帽子構成要素(本明細書で説明するものを含む)、材料又はアクセサリの層(例えば、単一パネルのクラウンのための裏地、ライナ、又は裏当てなど)も、縫い合わせ、接着剤(例えば、織物接着剤)、結合テープ、又はそれらの組合せ、及び/又は帽子の構成要素を互いに取付けるための他の従来技術等の様々な取付け方法/媒体を使用して取付ける又は連結することができる。更に、組立て作業は、異なる順序で実行することができ、かつ単一パネルのクラウンを用いてキャップを組立てるために一部の作業を省略する又は他の作業を追加する場合がある。更に、クラウンの開口領域(又は除去された後部分)は、アーチ又は三角形状以外の他の形状及び形態を取ることができ、本明細書で説明する例示のキャップは、異なるタイプのアジャスタ又は調節構成を含むことができる。
【0048】
本明細書で述べたように、伸張可能な織物は、織物モールドを使用するヒートプレストランスファーマシン又はヒートプレスシステムを用いて所望の形状に加熱し且つ伸張させることができる。織物モールドは、雄モールド部品(例えば、
図3及び
図4においてモールド10)と、それに対応する雌モールド部品とを含むことができ、それらが係合した時にそれらの間に配置された伸張可能な織物を、モールド部品の形状(例えば、半球形状)に従って所望の形状に伸張させる。これに代えて、織物モールドは、伸張可能な織物がそれに対して押圧されて伸張される雄モールド部品のみを含む場合がある。
【0049】
「約」及び「実質的に」等の程度の言語は、「言及する状況において固有の製造、設計、及び材料公差が与えられた時にそこで又はほぼそこで」の意味に本明細書で使用され、かつ正確な又は絶対的な数値及び作業的又は構造的関係が本発明を理解する助けとして言及される場合に無節操な侵害者が本発明の開示を不当に利用することを防止するのに使用されている。
【0050】
本発明による特定の実施形態及び応用を図示して説明したが、本発明の開示が本明細書に開示した構造及び構成の通りには限定されないこと、及び様々な修正、変更、及び変形が本発明から逸脱することなく以上の説明から明らかとすることができることは理解されるものとする。
【0051】
本発明は、以下のような形態であってもよい。
〔形態26〕
キャップを組立てる方法であって、
初期の単一パネルのクラウンを伸張可能な織物の単一シート又は単一ピースから形成することと、
初期の単一パネルのクラウンの前部分を除去することと、
除去された前部分と置換される前パネルを、単一パネルのクラウンに取付けて、キャップのための修正されたクラウンを形成することと、を含み、前パネルは、初期の単一パネルのクラウンと異なる材料で形成され、前パネルの内側に取付けられた支持層を有し、
更に、バイザー及びバンドを修正されたクラウンに取付けることを含む、方法。
〔形態27〕
前パネルを、除去された前部分を含む初期の単一パネルのクラウンに取付ける前に、支持層は、前パネルに取付けられる、形態26に記載の方法。
〔形態28〕
伸張可能な織物は、織られた又は不織の材料を含む、形態26に記載の方法。
〔形態29〕
伸張可能な織物は、2%から5%のスパンデックスを含む、形態28に記載の方法。
〔形態30〕
除去された前部分を含む初期の単一パネルのクラウンの縁部が、前パネルの縁部にわたって取付けられる、形態26に記載の方法。
〔形態31〕
前パネルは、除去された前部分を含む初期の単一パネルのクラウンよりも小さい、形態26に記載の方法。
〔形態32〕
クラウンを含み、クラウンは、伸張可能な織物の単一シート又は単一ピースから形成され且つ前部分が除去された初期の単一パネルのクラウンと、前部分と置換されるように初期の単一パネルのクラウンに取付けられた前パネルと、を含み、前パネルは、初期の単一パネルのクラウンと異なる材料で形成され、前パネルの内部に取付けられた支持層を有し、
更に、修正されたクラウンに取付けられたバイザー及びバンドを含む、帽子。
〔形態33〕
支持層は、前パネルを初期の単一パネルのクラウンに取付ける前に、前パネルに取付けられる、形態32に記載の帽子。
〔形態34〕
前記伸張可能な織物は、織られた又は不織の材料を含む、形態32に記載の帽子。
〔形態35〕
前記伸張可能な織物は、2%から5%のスパンデックスを含む、形態34に記載の帽子。
〔形態36〕
除去された前部分を含む初期の単一パネルのクラウンの縁部が、前パネルの縁部にわたって取付けられる、形態32に記載の帽子。
〔形態37〕
前パネルは、除去された前部分を含む初期の単一パネルのクラウンよりも小さい、形態32に記載の帽子。