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特許7332680ウエハーツーウエハーボンディングのためのメサ形成
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】ウエハーツーウエハーボンディングのためのメサ形成
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/08 20100101AFI20230816BHJP
   H01L 33/46 20100101ALI20230816BHJP
   H01L 33/06 20100101ALI20230816BHJP
   H01L 33/22 20100101ALI20230816BHJP
【FI】
H01L33/08
H01L33/46
H01L33/06
H01L33/22
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021506560
(86)(22)【出願日】2019-08-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 US2019046536
(87)【国際公開番号】W WO2020055537
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】62/729,820
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/436,794
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー, ウィリアム パードリック
(72)【発明者】
【氏名】ボナー, ジェームズ ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】バレンタイン, ガレス
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-526889(JP,A)
【文献】特開2015-195332(JP,A)
【文献】特開2001-085738(JP,A)
【文献】特開2016-178307(JP,A)
【文献】特表2011-517086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の隣接するメサ形状を形成するように半導体材料をエッチングすることであって、前記半導体材料は1つまたは複数のエピタキシャル層を含む、エッチングすることと、
前記複数の隣接するメサ形状間の間隙内にパッシベーション層を形成することと、
前記パッシベーション層および前記半導体材料を平坦化することにより、前記パッシベーション層の表面と、前記半導体材料の第1の表面とを含む平坦な表面を生成することと、
前記平坦な表面上にコンタクト層を形成することと、
前記コンタクト層にベースウエハーをボンディングすることと、を含む方法。
【請求項2】
前記半導体材料の前記第1の表面とは反対側にある前記半導体材料の第2の表面から基板を除去することと
複数の発光ダイオードを形成するように前記隣接するメサ形状の各対間にトレンチをパターニングすることと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の発光ダイオードのうちの1つに対応する前記半導体材料の前記第2の表面の一部にレンズを形成することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
自然放出率を高めるように前記半導体材料の前記第2の表面上に構造を形成することをさらに含み、前記構造は、前記複数の発光ダイオードのうちの1つに対応する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
第1のコンタクトを前記半導体材料上に形成することをさらに含み、前記第1のコンタクトは、第1の極性を有し、前記第1のコンタクトは、前記複数の隣接するメサ形状が形成される前または後に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第2のコンタクトを形成することをさらに含み、前記第2のコンタクトは、前記第1のコンタクトの前記第1の極性とは反対である第2の極性を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のコンタクトは、分散されたコンタクト、または大きい領域のコンタクト、のうちの少なくとも1つである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ベースウエハーを前記半導体材料の前記第1の表面にボンディングする前に
前記半導体材料の前記第1の表面、および前記パッシベーション層上にボンディング層を堆積させること、をさらに含み、
前記ベースウエハーは、前記ボンディング層を介して前記半導体材料の前記第1の表面にボンディングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ベースウエハーは、金属間ボンディングによって前記ボンディング層にボンディングされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ベースウエハーは、共晶ボンディングによって前記ボンディング層にボンディングされる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ベースウエハーは、酸化物ボンディングによって前記ボンディング層にボンディングされる、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記ベースウエハーは、陽極ボンディング、熱圧着ボンディング、紫外線ボンディング、またはフュージョンボンディングのうちの少なくとも1つによって前記ボンディング層にボンディングされる、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記隣接するメサ形状間の間隙内に前記パッシベーション層を形成する前に、前記隣接するメサ形状のそれぞれの側壁に反射層を堆積させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記半導体材料は、順に、n型層、量子井戸層、およびp型層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記半導体材料の前記第1の表面に前記ベースウエハーをボンディングする前に
前記コンタクト層上にボンディング層を堆積させること、をさらに含み、
前記ベースウエハーは、前記コンタクト層および前記ボンディング層を介して前記半導体材料の前記第1の表面にボンディングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ボンディング層および前記コンタクト層は、異なる金属から作られる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ボンディング層および前記コンタクト層は、同じ金属から作られる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記隣接するメサ形状のそれぞれは、非垂直な側壁を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記隣接するメサ形状のそれぞれは、放物線形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記ベースウエハーは、複数のドライバ回路を含み、前記方法は、前記ベースウエハーを前記半導体材料の前記第1の表面にボンディングする間に、前記複数のドライバ回路を前記隣接するメサ形状と位置合わせすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記複数の発光ダイオードのうちの1つに対応する前記半導体材料の前記第2の表面の一部を粗面化することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項22】
前記基板は、前記基板と前記半導体材料との間の界面にレーザビームを集光することによって除去される、請求項2に記載の方法。
【請求項23】
前記トレンチは、リソグラフィによってパターニングされる、請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年6月10日に出願された米国特許出願第16/436,794号、および2018年9月11日に出願された米国特許仮出願第62/729,820号の優先権を主張するものである。米国特許出願第16/436,794号、および第62/729,820号の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は電気エネルギーを光エネルギーに変換する。半導体LEDでは、光は通常、半導体層内の電子およびホールの再結合によって生成される。LEDの分野での課題は、所望の方向に向けて放出された光をできるだけ多く抽出することである。半導体層の形状を調節すること、半導体層の表面を粗面化すること、および追加の光学系を使用して光の向きを変えるまたは集光することなど、さまざまなアプローチを使用してLEDの効率を高めることができる。
【発明の概要】
【0003】
LEDは、1次元配列または2次元配列で形成され得る。ウエハーツーウエハーボンディング技法、またはピックアンドプレース技法などのさまざまな製造方法が、使用され得る。ウエハーツーウエハーボンディングでは、エピタキシャル層を有するLEDウエハーは、ドライバ回路を有するベースウエハーにボンディングされるフリップチップであり得る。2つのウエハーがボンディングされた後に、個々のLEDが単体化される。個々のLEDを抜き取り、配置し、ボンディングすることが不要であるため、ウエハーツーウエハーボンディングによって、ピックアンドプレース技法よりも小さいLEDを製造することができる。例えば、1μmまでのチップ直径を有するLEDは、ウエハーツーウエハーボンディングを用いて製造することができる。しかしながら、関連技術のウエハーツーウエハーボンディング方法では、低い光抽出効率を被ることがある。
【0004】
本開示は、一般に、LEDを製造するためのウエハーツーウエハーボンディングに関する。いくつかの実施形態では、LEDを製造する方法は、複数の隣接するメサ形状を形成するように半導体材料をエッチングすることを含む。半導体材料は、1つまたは複数のエピタキシャル層を含む。方法は、隣接するメサ形状間の間隙内にパッシベーション層を形成すること、および半導体材料の第1の表面にベースウエハーをボンディングすることも含む。
【0005】
方法は、半導体材料の第1の表面と反対側にある半導体材料の第2の表面から基板を除去することと、複数のLEDを形成するように隣接するメサ形状の各対間にトレンチをパターニングすることと、を含んでもよい。方法は、複数のLEDのうちの1つに対応する半導体材料の第2の表面の一部にレンズを形成することを含んでもよい。代替的にはまたはさらに、方法は、自然放出率を高めるように半導体材料の第2の表面の構造を形成することを含んでよく、構造は、複数のLEDのうちの1つに対応する。
【0006】
代替的にはまたはさらに、方法は、第1のコンタクトを半導体材料上に形成することを含んでもよく、第1のコンタクトは、第1の極性を有し、第1のコンタクトは、複数の隣接するメサ形状が形成される前または後に形成される。方法は、第2のコンタクトを形成することを含んでもよく、第2のコンタクトは、第1のコンタクトの第1の極性とは反対である第2の極性を有する。第2のコンタクトは、分散されたコンタクト、および/または大きい領域のコンタクトであってよい。
【0007】
代替的にはまたはさらに、方法は、半導体材料の第1の表面にベースウエハーをボンディングする前に、半導体材料の第1の表面、およびパッシベーション層を平坦化することと、半導体材料の第1の表面上にボンディング層を堆積させることとを含んでもよく、ベースウエハーは、ボンディング層を介して半導体材料の第1の表面にボンディングされる。ベース層は、金属間ボンディングによってボンディング層にボンディングされてよい。代替的にはまたはさらに、ベース層は、共晶ボンディングによってボンディング層にボンディングされてよい。代替的にはまたはさらに、ベース層は、酸化物ボンディングによってボンディング層にボンディングされてよい。代替的にはまたはさらに、ベース層は、陽極ボンディング、熱圧着ボンディング、紫外線ボンディング、および/またはフュージョンボンディングによってボンディング層にボンディングされてよい。
【0008】
代替的にはまたはさらに、方法は、隣接するメサ形状間の間隙内にパッシベーション層を形成する前に、隣接するメサ形状のそれぞれの側壁に反射層を堆積させることを含んでもよい。代替的にはまたはさらに、方法は、半導体材料の第1の表面にベースウエハーをボンディングする前に、半導体材料の第1の表面、およびパッシベーション層上にコンタクト層を堆積させることと、コンタクト層上にボンディング層を堆積させることと、を含んでもよい。ベースウエハーは、コンタクト層およびボンディング層を介して半導体材料の第1の表面にボンディングされてよい。作られたボンディング層およびコンタクト層は、異なる金属または同じ金属から作られてよい。
【0009】
半導体材料は、順に、n型層、量子井戸層、およびp型層を含んでよい。隣接するメサ形状のそれぞれは、非垂直な側壁を有してよい。例えば、隣接するメサ形状のそれぞれは、放物線形状を有してよい。ベースウエハーは、複数のドライバ回路を含んでよく、方法は、ベースウエハーを半導体材料の第1の表面にボンディングする間に、複数のドライバ回路を隣接するメサ形状と位置合わせすることをさらに含んでもよい。
【0010】
方法は、複数のLEDのうちの1つに対応する半導体材料の第2の表面の一部を粗面化することをさらに含んでもよい。基板は、基板と半導体材料との間の界面にレーザビームを集光することによって除去されてよい。トレンチは、リソグラフィによってパターニングされてよい。
【0011】
この要約は、特許請求される主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図するものでもないし、特許請求される主題の範囲を判断するために分離して使用されることも意図されていない。主題は、本開示の明細書全体の適切な部分、全ての図面またはいずれかの図面、およびそれぞれの特許請求項を参照することにより理解されるものとする。前述の事項については、他の特徴および例と共に、以下の明細書、特許請求の範囲、および添付の図面においてより詳細に後述される。
【0012】
例示的な実施形態について、以下の図を参照して詳細に後述する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ある特定の実施形態による、ニアアイディスプレイを含む例示の人工現実システム環境の簡略化されたブロック図である。
図2】さまざまなセンサを含む簡略化された例示のニアアイディスプレイの斜視図である。
図3】本明細書に開示された例のいくつかを実装するためのヘッドマウントディスプレイ(HMD)デバイスの形態の例示のニアアイディスプレイの斜視図である。
図4】本明細書に開示される例のいくつかを実装するための例示のニアアイディスプレイの例示の電子システムの簡略化されたブロック図である。
図5A-F】LEDを製造するウエハーツーウエハーボンディングの方法を示す図である。
図6A-J】LEDを製造するウエハーツーウエハーボンディングの別の方法を示す図である。
図7A-G】LEDを製造するウエハーツーウエハーボンディングのさらに別の方法を示す図である。
図8A-C】ベースウエハーを半導体ウエハーにボンディングするさまざまな方法を示す図である。
図9A-D】ウエハーツーウエハーボンディングのための表面を形成する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明には、解説の目的で、本開示の例を十分理解してもらうために具体的詳細が示されている。しかしながら、さまざまな例がこれら具体的詳細なく実践可能であることは明らかであろう。例えば、デバイス、システム、構造、アセンブリ、方法、および他の構成要素は、不必要な詳細で例を不明瞭にしないためにブロック図の形態の構成要素として示される場合がある。他の事例では、周知のデバイス、プロセス、システム、構造、および技法は、例を不明瞭にすることを回避するために必要な詳細なく示される場合がある。図および説明は制限することを意図するものではない。本開示で用いられている用語および表現は、説明の条件として使用され、限定するものではなく、示されかつ説明される特徴またはこの一部のいずれの同義語も除外するような用語および表現の使用を意図するものではない。
【0015】
本明細書で使用されるように、可視光は、約400nm~約750nmの波長を有する光を指す場合がある。近赤外(NIR)光は、約750nm~約2500nmの波長を有する光を指す場合がある。所望の赤外(IR)波長範囲は、830nm~860nm、または930nm~980nmなど、適したIRセンサ(例えば、相補的金属酸化物半導体(CMOS)、または電荷結合素子(CCD)センサ)によって検出することができるIR光の波長範囲を指す場合がある。
【0016】
本明細書でまた使用されるように、基板は、チャープグレーティングの配列が内接し得る媒体を指す場合がある。チャープグレーティングは、ピッチ、および向きの角度がグレーティングの広がりにわたって変化するグレーティングを指す場合がある。基板は、ガラス、石英、プラスチック、ポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、水晶、またはセラミックなど、1つまたは複数のタイプの誘電材料を含んでよい。基板の材料の少なくとも1つのタイプは、可視光およびNIR光を透過させてよい。基板の厚さは、例えば、約1mm未満から約10mm未満までの範囲であり得る。本明細書で使用されるように、光ビームが、60%、75%、80%、90%、95%、98%、99%以上よりも大きいような高透過度を有する材料を通過することができ、(例えば、40%、25%、20%、10%、5%、2%、1%以下よりも少ない)ほんの一部の光ビームが材料によって散乱、反射、または吸収され得る場合、材料は、光ビームを「透過」させることができる。透過度(すなわち、透過率)は、波長の範囲にわたる明所視で重み付けされた平均透過度または重み付けがない平均透過度、あるいは可視波長範囲などの波長の範囲にわたる最低透過度のいずれかによって表されてよい。代替的には、基板は、半導体材料を成長させるのに適している媒体を指す場合がある。例えば、基板は、サファイアから作られてよく、半導体材料は、GaNから作られてよい。基板に使用されてよい材料の他の非限定の例は、GaN、シリコン、SiC、GaAs、およびGaPを含む。
【0017】
仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、または複合現実(MR)システムなどの人工現実システムは、電子または光学ディスプレイを介してユーザにコンテンツを提示するように構成されるニアアイディスプレイ(例えば、ヘッドセットまたは1組の眼鏡)を含むことができ、場合によっては、ユーザへの提示のためのコンテンツを生成するように、および生成されたコンテンツを、提示するためのニアアイディスプレイに提供するように構成されるコンソールも含んでよい。提示されたコンテンツとのユーザの対話を改善するために、コンソールは、ユーザが見ている場所に基づいてコンテンツを修正するまたは生成することができ、これはユーザの眼を追跡することによって判断されてよい。眼を追跡することは、眼の瞳の位置および/もしくは形状、ならびに/または眼の回転位置(視線方向)を追跡することを含んでよい。眼を追跡するために、少なくとも1つの実施形態によれば、ニアアイディスプレイは、ニアアイディスプレイに装着されるまたはニアアイディスプレイ内の光源を使用してユーザの眼の表面を照射してよい。ニアアイディスプレイの付近に含まれる画像デバイス(例えば、カメラ)はさらにまた、ユーザの眼のさまざまな表面に反射する光を取り込むことができる。ユーザの眼の角膜から鏡面反射した光は、取り込まれた画像に「グリント」をもたらし得る。瞳のみならずグリントを見るために眼を照射する1つのやり方は、発光ダイオード(LED)の2次元(2D)配列を使用することである。質量中心アルゴリズムなどの技法を使用して取り込まれた画像における眼のグリントの場所を精確に判断することができ、眼の回転位置(例えば、視線方向)はさらにまた、取り込まれた画像内の眼(例えば、瞳の中心)の既知の特徴に対するグリントの場所に基づいて判断されてよい。
【0018】
図1は、ある特定の実施形態による、ニアアイディスプレイ120を含む例示の人工現実システム環境100の簡略化されたブロック図である。図1に示される人工現実システム環境100は、それぞれがコンソール110に結合される、ニアアイディスプレイ120、外部撮像装置150、および入力/出力インターフェース140を含んでよい。図1は、1つのニアアイディスプレイ120、1つの外部撮像装置150、および1つの入力/出力インターフェース140を含む例示の人工現実システム環境100を示すが、これらの構成要素の任意の数が人工現実システム環境100に含まれてよい、または該構成要素のいずれかが省略されてよい。例えば、コンソール110と通信する1つまたは複数の外部撮像装置150によって監視される複数のニアアイディスプレイ120があってよい。代替的な構成では、異なるまたは追加の構成要素が人工現実システム環境100に含まれてよい。
【0019】
ニアアイディスプレイ120は、ユーザにコンテンツを提示するヘッドマウントディスプレイであってよい。ニアアイディスプレイ120によって提示されるコンテンツの例には、1つまたは複数の画像、ビデオ、オーディオ、またはこれらの何らかの組合せが挙げられる。いくつかの実施形態では、オーディオは、ニアアイディスプレイ120、コンソール110、またはこの両方からオーディオ情報を受信し、かつオーディオ情報に基づくオーディオデータを提示する外部デバイス(例えば、スピーカおよび/またはヘッドホン)を介して提示されてよい。ニアアイディスプレイ120は、互いに強固にまたは柔軟に結合され得る1つまたは複数の剛体を含んでよい。剛体間の剛結によって、結合された剛体は単一の剛性エンティティとしての機能を果たすことができる。剛体間の非剛結によって、剛体は互いに対して移動可能になり得る。さまざまな実施形態では、1組の眼鏡を含む、ニアアイディスプレイ120は、任意の適した形状因子で実装可能である。さらに、さまざまな実施形態では、本明細書に説明される機能性は、ニアアイディスプレイ120の外部の環境の画像と、コンソール110から、またはユーザに対するコンテンツを生成しかつ提供する任意の他のコンソールから受信されるコンテンツとを組み合わせるヘッドセットで使用されてよい。従って、ニアアイディスプレイ120、および本明細書に説明される視標追跡のための方法は、ユーザに拡張現実を提示するために生成されたコンテンツ(例えば、画像、ビデオ、音声など)によってニアアイディスプレイ120の外部の物理的な現実世界環境の画像を増大させることができる。
【0020】
さまざまな実施形態では、ニアアイディスプレイ120は、ディスプレイエレクトロニクス122の1つまたは複数、ディスプレイ光学系124、1つまたは複数のロケータ126、1つまたは複数の位置センサ128、視標追跡ユニット130、および慣性計測装置(IMU)132を含んでよい。ニアアイディスプレイ120は、さまざまな実施形態では、これらの要素のいずれかを省略してよい、または追加の要素を含んでよい。さらに、いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ120は、図1と併せて説明されるさまざまな要素の機能を組み合わせた要素を含んでよい。
【0021】
ディスプレイエレクトロニクス122は、コンソール110から受信されたデータに従ってユーザに画像を表示し得る。さまざまな実施形態では、ディスプレイエレクトロニクス122は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ、アクティブマトリックス式OLEDディスプレイ(AMOLED)、透明OLEDディスプレイ(TOLED)、または何らかの他のディスプレイなどの1つまたは複数の表示パネルを含んでよい。例えば、ニアアイディスプレイ120の1つの実装形態では、ディスプレイエレクトロニクス122は、前面TOLEDパネル、後面表示パネル、および前面表示パネルと後面表示パネルとの間の光学部品(例えば、減衰器、偏光子、または回析膜もしくはスペクトル膜)を含んでよい。ディスプレイエレクトロニクス122は、赤、緑、青、白、または黄色などの主色の光を放出するための部分画素を含むことができる。いくつかの実装形態では、ディスプレイエレクトロニクス122は、画像奥行の主観的知覚をもたらすために2次元パネルによって生じたステレオ効果によって3D画像を表示可能である。例えば、ディスプレイエレクトロニクス122は、それぞれ、ユーザの左眼および右眼の正面に位置付けられた左ディスプレイおよび右ディスプレイを含んでよい。左ディスプレイおよび右ディスプレイは、立体感(すなわち、画像を見るユーザによる画像奥行の知覚)をもたらすために互いに対して水平に移行させた画像の複写を提示することができる。
【0022】
ある特定の実施形態では、ディスプレイ光学系124は、光学的に(例えば、光導波管および結合器を使用して)画像コンテンツを表示する、またはディスプレイエレクトロニクス122から受信された画像光を拡大する、または画像光と関係がある光学誤差を補正する、およびニアアイディスプレイ120のユーザに補正された画像光を提示することができる。さまざまな実施形態では、ディスプレイ光学系124は1つまたは複数の光学素子を含んでよい。例示の光学素子には、基板、光導波管、開口、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズ、フィルタ、または、ディスプレイエレクトロニクス122から放出される画像光に影響し得る任意の他の適した光学素子が挙げられ得る。ディスプレイ光学系124は、組み合わせた光学素子の対応する間隔および向きを維持するために異なる光学素子および機械的結合の組合せを含んでよい。ディスプレイ光学系124における1つまたは複数の光学素子は、反射防止膜、反射コーティング、フィルタ用コーティング、または種々の光学コーティングの組合せなどの光学コーティングを有することができる。
【0023】
ディスプレイ光学系124による画像光の拡大によって、ディスプレイエレクトロニクス122を、より大きいディスプレイよりも、物理的に小さくし、軽くし、および電力消費を少なくすることが可能になる。さらに、拡大によって表示されたコンテンツの視野は増大し得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイ光学系124は、ディスプレイエレクトロニクス122によって投影された画像光を拡大するためにディスプレイ光学系124とディスプレイエレクトロニクス122との間の間隔よりも長い効果的な焦点距離を有することができる。ディスプレイ光学系124による画像光の拡大量は、ディスプレイ光学系124から光学素子を追加するまたは除去することによって調節可能である。
【0024】
ディスプレイ光学系124は、2次元光学誤差、3次元光学誤差、またはこれらの組合せなどの1つまたは複数のタイプの光学誤差を補正するように設計されてよい。2次元誤差は、2次元で生じる光学収差を含み得る。2次元誤差の例示のタイプには、たる形歪み、糸巻き形歪み、軸上色収差、および横色収差が挙げられ得る。3次元誤差は3次元で生じる光学誤差を含み得る。3次元誤差の例示のタイプには、球面収差、コマ収差、像面湾曲、および非点収差が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、表示のためにディスプレイエレクトロニクス122に提供されるコンテンツは予歪させてよく、ディスプレイ光学系124は、予歪させたコンテンツに基づいて生成されたディスプレイエレクトロニクス122からの画像光を受ける時、歪みを補正することができる。
【0025】
ロケータ126は、互いに対して、およびニアアイディスプレイ120上の基準点に対して、ニアアイディスプレイ120上の特定の位置に位置する物体であってよい。コンソール110は、人工現実ヘッドセットの位置、向き、またはこの両方を判断するために外部撮像装置150によって取り込まれた画像におけるロケータ126を特定し得る。ロケータ126は、発光ダイオード(LED)、コーナーキューブリフレクタ、反射マーカ、ニアアイディスプレイ120が動作する環境と対照をなす光源のタイプ、またはこれらの何らかの組合せであってよい。ロケータ126が能動素子(例えば、LED、または他のタイプの発光デバイス)である実施形態では、ロケータ126は、可視帯(例えば、約380nm~750nm)において、赤外(IR)帯(例えば、約750nm~1mm)において、紫外帯(例えば、約10nm~約380nm)において、電磁スペクトルの別の一部において、または電磁スペクトルの一部の任意の組合せにおいて、光を放出してよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、ロケータ126は、ニアアイディスプレイ120の外面の真下に位置し得る。ロケータ126とニアアイディスプレイ120の外部のエンティティ(例えば、外部撮像装置150、ニアアイディスプレイ120の外面を見ているユーザ)との間のニアアイディスプレイ120の一部は、ロケータ126によって放出されるまたはこれに反射する光の波長を透過させてよい、またはロケータ126によって放出されるまたはこれに反射する光を実質的に減衰させないほど薄い。いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ120の外面または他の一部は、可視帯で不透明であり得るが、IR帯では透明であり、ロケータ126は、外面の下にあってよく、かつIR帯で光を放出してよい。
【0027】
外部撮像装置150は、コンソール110から受信した較正パラメータに基づいて低速較正データを生成してよい。低速較正データは、外部撮像装置150によって検出可能なロケータ126の観測された位置を示す1つまたは複数の画像を含んでよい。外部撮像装置150は、1つもしくは複数のカメラ、1つもしくは複数のビデオカメラ、ロケータ126の1つまたは複数を含む画像を撮像することが可能な任意の他のデバイス、またはこれらの何らかの組合せを含むことができる。さらに、外部撮像装置150は、(例えば、信号対雑音比を高めるために)1つまたは複数のフィルタを含んでよい。外部撮像装置150は、ロケータ126から放出または反射した光を外部撮像装置150の視野において検出するように構成されてよい。ロケータ126が受動素子(例えば、再帰反射器)を含む実施形態では、外部撮像装置150は、ロケータ126のうちのいくつかまたは全てを照射する光源を含んでよく、ロケータ126は、外部撮像装置150における光源に光を再帰反射し得る。低速較正データは、外部撮像装置150からコンソール110に通信されてよく、外部撮像装置150は、コンソール110から1つまたは複数の較正パラメータを受信して、1つまたは複数の画像パラメータ(例えば、焦点距離、焦点、フレームレート、センサ温度、シャッタ速度、開口など)を調節可能である。
【0028】
位置センサ128は、ニアアイディスプレイ120の動きに応答して1つまたは複数の測定信号を生成してよい。位置センサ128の例には、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、他の動き検出もしくは誤差補正センサ、またはこれらの何らかの組合せが挙げられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、位置センサ128は、並進運動(例えば、前方/後方、上/下、または左/右)を測定するための複数の加速度計、および回転運動(例えば、ピッチ、ヨー、または横揺れ)を測定するための複数のジャイロスコープを含むことができる。いくつかの実施形態では、さまざまな位置センサは互いに直角に配向されてよい。
【0029】
IMU132は、位置センサ128の1つまたは複数から受信された測定信号に基づいて高速較正データを生成する電子デバイスであってよい。位置センサ128は、IMU132の外部に、IMU132の内部に、またはこの何らかの組合せで位置してよい。1つまたは複数の位置センサ128からの1つまたは複数の測定信号に基づいて、IMU132は、ニアアイディスプレイ120の初期位置に対するニアアイディスプレイ120の推定位置を指示する高速較正データを生成することができる。例えば、IMU132は、速度ベクトルを推定するために加速度計から受信される測定信号を経時的に統合し、かつニアアイディスプレイ120上の基準点の推定位置を判断するために速度ベクトルを経時的に統合することができる。代替的には、IMU132は、サンプリングされた測定信号をコンソール110に提供してよく、コンソール110は、高速較正データを判断することができる。基準点は一般的に、空間のある点として定められ得、さまざまな実施形態では、基準点はニアアイディスプレイ120内のある点(IMU132の中心)として定められてもよい。
【0030】
視標追跡ユニット130は、コンソール110における視標追跡モジュール118がユーザの眼を追跡するために使用可能である視標追跡データを取り込むように設定される1つまたは複数の画像装置を含んでよい。視標追跡データは視標追跡ユニット130によって出力されるデータを指す場合がある。例示の視標追跡データには、視標追跡ユニット130によって取り込まれる画像、または視標追跡ユニット130によって取り込まれる画像から導出される情報を含んでよい。視標追跡は、ニアアイディスプレイ120に対する眼の向きおよび場所を含む眼の位置を判断することを指す場合がある。例えば、視標追跡モジュール118は、視標追跡ユニット130によって取り込まれた眼の画像に基づいて眼のピッチおよびヨーを出力してよい。さまざまな実施形態では、視標追跡ユニット130は、眼に反射する電磁エネルギーを測定し、かつ測定された電磁エネルギーを視標追跡モジュール118に通信することができ、視標追跡モジュール118はさらにまた、測定された電磁エネルギーに基づいて眼の位置を判断してよい。例えば、視標追跡ユニット130は、ユーザの眼に反射する、可視光、赤外光、電波、マイクロ波、電磁スペクトルの任意の他の部分における波、またはこれらの組合せを測定してよい。
【0031】
視標追跡ユニット130は1つまたは複数の視標追跡システムを含んでよい。視標追跡システムは、1つまたは複数の眼を映し出す画像システムを含んでよく、オプションとして、眼に反射する光が画像システムによって取り込み可能であるように眼に向けられる光を生成することができる発光体を含んでよい。例えば、視標追跡ユニット130は、可視スペクトルまたは赤外スペクトルにおいて光を放出するコヒーレント光源(例えば、VCSEL)、およびユーザの眼に反射する光を取り込むカメラを含んでよい。別の例として、視標追跡ユニット130は、小型レーダユニットによって放出された、反射した電波を取り込むことができる。視標追跡ユニット130は、眼を傷つけないまたは身体的不快感を引き起こさない周波数および強度で光を放出する低電力発光体を使用し得る。視標追跡ユニット130は、視標追跡ユニット130によって取り込まれた眼の画像におけるコントラストを高めながら、視標追跡ユニット130によって消費される電力全体を低減する(例えば、視標追跡ユニット130に含まれる発光体および画像システムによって消費される電力を低減する)ように配置されてよい。例えば、いくつかの実装形態では、視標追跡ユニット130は100ミリワット未満の電力を消費し得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、視標追跡ユニット130は、ユーザの眼のそれぞれを追跡するために1つの発光体および1つのカメラを含んでよい。他の実施形態では、視標追跡ユニット130は、ユーザの眼のそれぞれを追跡するために複数の発光体および1つのカメラを含んでよい。視標追跡ユニット130は、視標追跡精度および応答性を改善させるように共に動作する種々の視標追跡システムを含んでもよい。例えば、視標追跡ユニット130は、高速応答時間による高速視標追跡システム、およびより遅い応答時間による低速視標追跡システムを含んでよい。高速視標追跡システムは、基準眼位に対する眼の位置を判断するために視標追跡モジュール118によって使用されるデータを取り込むために眼を頻繁に測定し得る。低速視標追跡システムは、先に判断された眼位と無関係に基準眼位を判断するように視標追跡モジュール118によって使用されるデータを取り込むために単独で眼を測定してよい。低速視標追跡システムによって取り込まれたデータによって、視標追跡モジュール118は、高速視標追跡システムによって取り込まれたデータから判断される眼の位置よりも高い精度で基準眼位を判断できるようにしてよい。さまざまな実施形態では、低速視標追跡システムは、高速視標追跡システムより低い周波数で視標追跡モジュール118に視標追跡データを提供し得る。例えば、低速視標追跡システムは、少ない頻度で動作してよい、または電力を保存するためにより遅い応答時間を有してよい。
【0033】
視標追跡ユニット130は、ユーザの眼の向きを推定するように構成されてよい。眼の向きは、ニアアイディスプレイ120内のユーザの視線の方向に対応し得る。ユーザの眼の向きは、窩(光受容体が最も集中した眼の網膜上の領域)と、眼の瞳の中心との間の軸である中心窩軸の方向として定められてよい。一般に、ユーザの眼がある点に固定される時、ユーザの眼の中心窩軸はその点を交差する。眼の瞳孔軸は、瞳の中心を通過し、かつ角膜表面に垂直である軸として定められ得る。一般に、瞳孔軸および中心窩軸が瞳の中心で交差しても、瞳孔軸は中心窩軸と直接的に揃わない場合がある。例えば、中心窩軸の向きは、瞳孔軸から、横におよそ-1度~8度、縦に約±4度オフセットされ得る。中心窩軸は、眼の後ろに位置する窩に従って定められるため、中心窩軸はいくつかの視標追跡実施形態において直接測定することが困難であるまたは不可能である場合がある。それ故に、いくつかの実施形態では、瞳孔軸の向きは検出可能であり、中心窩軸は検出された瞳孔軸に基づいて推定され得る。
【0034】
一般に、眼の移動は、眼の角回転だけでなく、眼の並進、眼の捻転の変化、および/または眼の形状の変化にも対応する。視標追跡ユニット130はまた、眼窩に対する眼の位置の変化であり得る眼の並進を検出するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、眼の並進は、直接検出されるのではなく、検出される角度配向からのマッピングに基づいて概算されてよい。視標追跡ユニットに対する眼の位置の変化に対応する眼の並進も検出可能である。このタイプの並進は、例えば、ユーザの頭上のニアアイディスプレイ120の位置の移行により生じ得る。視標追跡ユニット130はまた、眼の捻転および瞳孔軸周りの眼の回転を検出することができる。視標追跡ユニット130は、瞳孔軸から中心窩軸の向きを推定するために検出された眼の捻転を使用してよい。視標追跡ユニット130はまた、スキュー、またはスケーリング線形変換、または(例えば、ねじれ変形による)捻り変形として概算され得る眼の形状の変化を追跡してよい。視標追跡ユニット130は、瞳孔軸の角度配向、眼の並進、眼の捻転、および眼の現在の形状のいくつかの組合せに基づいて中心窩軸を推定してよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、視標追跡ユニット130は、眼の全ての部または一部上に構造化された光パターンを投影することができる複数のエミッタまたは少なくとも1つのエミッタを含んでよい。構造化された光パターンは、オフセット角から見られる時の眼の形状により歪む場合がある。視標追跡ユニット130はまた、眼に投影される構造化された光パターンの歪み(ある場合)を検出することができる少なくとも1つのカメラを含んでよい。カメラは、エミッタと異なる眼に対する軸において配向されてよい。眼の表面上の構造化された光パターンの変形を検出することによって、視標追跡ユニット130は、構造化された光パターンによって照射される眼の一部の形状を判断してよい。従って、取り込まれた歪んだ光パターンは眼の照射された一部の3D形状を指示するものであってよい。眼の向きは、そのように、眼の照射された一部の3D形状から導出可能である。視標追跡ユニット130はまた、カメラによって取り込まれた歪んだ構造化された光パターンの画像に基づいて、瞳孔軸、眼の並進、眼の捻転、および眼の現在の形状を推定できる。
【0036】
ニアアイディスプレイ120は、眼の向きを使用して、例えば、ユーザの瞳孔間距離(IPD)を判断する、視線方向を判断する、奥行手掛かり(例えば、ユーザの主要な視線の外側のボケ画像)を取り入れる、VRメディアにおけるユーザの対話での発見的方法を収集する(例えば、受けた刺激に応じて任意の特定の被写体、物体、またはフレームにおいて費やされた時間)、ユーザの眼の少なくとも1つの向きに部分的に基づくいくつかの他の機能、またはこれらの何らかの組合せを行うことができる。ユーザの両眼に対する向きが判断され得るため、視標追跡ユニット130はユーザがどこを見ているかを判断可能にし得る。例えば、ユーザの視線の方向を判断することは、ユーザの左眼および右眼の判断された向きに基づいて集束点を判断することを含んでよい。集束点は、ユーザの眼の2つの中心窩軸が交差する点(または、2つの軸の間の最近点)であってよい。ユーザの視線の方向は、ユーザの眼の瞳の間の集束点および中間点を通過する線方向であってよい。
【0037】
入力/出力インターフェース140は、ユーザがコンソール110へのアクション要求を送ることができるデバイスであってよい。アクション要求は特定のアクションを行うための要求であってよい。例えば、アクション要求は、アプリケーションを開始もしくは終了すること、またはアプリケーション内の特定のアクションを行うことであってよい。入力/出力インターフェース140は1つまたは複数の入力デバイスを含んでよい。例示の入力デバイスには、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、グローブ、ボタン、タッチスクリーン、またはアクション要求を受信しかつ受信したアクション要求をコンソール110に通信するための任意の他の適したデバイスが挙げられ得る。入力/出力インターフェース140によって受信されるアクション要求はコンソール110に通信されてよく、コンソール110は要求されたアクションに対応するアクションを行うことができる。いくつかの実施形態では、入力/出力インターフェース140は、コンソール110から受信された命令に従ってユーザに触覚フィードバックを提供することができる。例えば、入力/出力インターフェース140は、アクション要求が受信される時、またはコンソール110が要求されたアクションを行い、かつ入力/出力インターフェース140に命令を通信する時、触覚フィードバックを提供し得る。
【0038】
コンソール110は、外部撮像装置150、ニアアイディスプレイ120、および入力/出力インターフェース140のうちの1つまたは複数から受信される情報に従ってユーザに提示するためのコンテンツをニアアイディスプレイ120に提供してよい。図1に示される例では、コンソール110は、アプリケーションストア112、ヘッドセット追跡モジュール114、仮想現実エンジン116、および視標追跡モジュール118を含んでよい。コンソール110のいくつかの実施形態は、図1と併せて説明されるものと異なるまたは追加のモジュールを含んでよい。さらに後述される機能は、ここで説明されるのとは異なるやり方でコンソール110の構成要素の間で分散させてよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、コンソール110は、プロセッサ、および、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含んでよい。プロセッサは、命令を並列に実行する複数の処理ユニットを含んでよい。コンピュータ可読記憶媒体は、ハードディスクドライブ、取り外し可能メモリ、またはソリッドステートドライブ(例えば、フラッシュメモリまたはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))などの任意のメモリであってよい。さまざまな実施形態では、図1と併せて説明されるコンソール110のモジュールは、プロセッサによって実行される時、プロセッサにさらに後述される機能を実行させる、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体における命令として符号化されてよい。
【0040】
アプリケーションストア112はコンソール110による実行のための1つまたは複数のアプリケーションを記憶してよい。アプリケーションは、プロセッサによって実行される時、ユーザへの提示のためのコンテンツを生成する命令群を含んでよい。アプリケーションによって生成されるコンテンツは、ユーザの眼の移動によってユーザから受信される入力、または入力/出力インターフェース140から受信される入力に応答するものであってよい。アプリケーションの例には、ゲームアプリケーション、会議アプリケーション、ビデオ再生アプリケーション、または他の適したアプリケーションが挙げられ得る。
【0041】
ヘッドセット追跡モジュール114は、外部撮像装置150からの低速較正情報を使用してニアアイディスプレイ120の移動を追跡し得る。例えば、ヘッドセット追跡モジュール114は、低速較正情報からの観測されるロケータおよびニアアイディスプレイ120のモデルを使用してニアアイディスプレイ120の基準点の位置を判断してよい。ヘッドセット追跡モジュール114はまた、高速較正情報からの位置情報を使用してニアアイディスプレイ120の基準点の位置を判断してよい。さらに、いくつかの実施形態では、ヘッドセット追跡モジュール114は、高速較正情報、低速較正情報、またはこれらの何らかの組合せの一部を使用して、ニアアイディスプレイ120の今後の場所を予測し得る。ヘッドセット追跡モジュール114は、ニアアイディスプレイ120の推定されたまたは予測された今後の位置をVRエンジン116に提供してよい。
【0042】
ヘッドセット追跡モジュール114は、1つまたは複数の較正パラメータを使用して人工現実システム環境100を較正してよく、かつ、ニアアイディスプレイ120の位置を判断する際の誤差を低減するために1つまたは複数の較正パラメータを調節し得る。例えば、ヘッドセット追跡モジュール114は、ニアアイディスプレイ120上の観測されるロケータに対してより精確な位置を得るために外部撮像装置150の焦点を調節可能である。さらに、ヘッドセット追跡モジュール114によって行われる較正は、IMU132から受信される情報も考慮し得る。さらに、ニアアイディスプレイ120の追跡が失われる(例えば、外部撮像装置150が少なくとも閾値の数のロケータ126の見通し線を失う)場合、ヘッドセット追跡モジュール114は較正パラメータの一部または全てを再較正してよい。
【0043】
VRエンジン116は、人工現実システム環境100内のアプリケーションを実行し、かつニアアイディスプレイ120の位置情報、ニアアイディスプレイ120の加速情報、ニアアイディスプレイ120の速度情報、ニアアイディスプレイ120の予測される今後の位置、またはこれらの何らかの組合せをヘッドセット追跡モジュール114から受信してよい。VRエンジン116はまた、推定眼位および配向情報を視標追跡モジュール118から受信してよい。受信した情報に基づいて、VRエンジン116は、ユーザへの提示のためにニアアイディスプレイ120に提供するためのコンテンツを判断してよい。例えば、受信した情報が、ユーザが左を見たことを指示する場合、VRエンジン116は、仮想環境におけるユーザの眼の移動をミラーリングするニアアイディスプレイ120に対するコンテンツを生成してよい。さらに、VRエンジン116は、入力/出力インターフェース140から受信されたアクション要求に応答してコンソール110上で実行するアプリケーション内のアクションを行い、かつアクションが行われていることを指示するフィードバックをユーザに提供してよい。フィードバックは、ニアアイディスプレイ120を介した視覚フィードバックもしくは音声フィードバック、または入力/出力インターフェース140を介した触覚フィードバックであってよい。
【0044】
視標追跡モジュール118は、視標追跡ユニット130から視標追跡データを受信し、かつ視標追跡データに基づいてユーザの眼の位置を判断してよい。眼の位置は、ニアアイディスプレイ120またはこの任意の要素に対する眼の向き、場所、またはこの両方を含んでよい。眼の回転軸はこの眼窩の眼の場所に応じて変化するため、眼窩における眼の場所を判断することによって、視標追跡モジュール118は眼の向きをより精確に判断することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、視標追跡ユニット130は眼の画像を含む視標追跡データを出力可能であり、視標追跡モジュール118はこの画像に基づいて眼の位置を判断することができる。例えば、視標追跡モジュール118は、視標追跡ユニット130によって取り込まれた画像と眼の位置との間のマッピングを記憶して、視標追跡ユニット130によって取り込まれた画像から基準眼位を判断することができる。代替的にはまたはさらに、視標追跡モジュール118は、基準眼位が判断される画像を、更新済み眼位が判断される画像と比較することによって、基準眼位に対する更新済み眼位を判断してよい。視標追跡モジュール118は、種々の画像デバイスまたは他のセンサからの測定値を使用して眼位を判断してよい。例えば、上述されるように、視標追跡モジュール118は、低速視標追跡システムからの測定値を使用して、基準眼位を判断した後、低速視標追跡システムからの測定値に基づいて次の基準眼位が判断されるまで、高速視標追跡システムからの基準眼位に対する更新済み位置を判断してよい。
【0046】
視標追跡モジュール118はまた、視標追跡の精密さおよび精度を改善するために眼較正パラメータを判断してよい。眼較正パラメータは、ユーザがニアアイディスプレイ120を身につけるまたは調節する時はいつでも変化し得るパラメータを含んでよい。例示の眼較正パラメータには、視標追跡ユニット130の構成要素と、眼の中心、瞳、角膜境界、または眼の表面上のある点など、眼の1つまたは複数の部分との間の推定される距離が挙げられ得る。他の例示の眼較正パラメータは、特定のユーザに固有のものであってよく、かつ、推定される平均眼半径、平均角膜半径、平均強膜半径、眼表面上の特徴のマップ、および推定される眼表面輪郭を含んでよい。(いくつかの拡張現実アプリケーションのように)ニアアイディスプレイ120からの光が眼に達し得る実施形態では、較正パラメータはニアアイディスプレイ120の外部からの光の変動による強度および色バランスに対する補正因子を含んでよい。視標追跡モジュール118は、視標追跡ユニット130によって取り込まれる測定値によって視標追跡モジュール118が精確な眼位を判断可能になるかどうかを判断するために眼較正パラメータを使用してよい(本明細書では「有効測定」ともいう)。視標追跡モジュール118が精確な眼位を判断できない場合がある無効な測定は、ユーザのまばたき、ヘッドセットの調節、またはヘッドセットの除去によって引き起こされる場合がある、および/またはニアアイディスプレイ120が外部光による照射の閾値変化よりも多く体験することによって引き起こされる場合がある。
【0047】
図2は、さまざまなセンサを含む簡略化された例示のニアアイディスプレイ200の斜視図である。ニアアイディスプレイ200は図1のニアアイディスプレイ120の具体的な実装形態であってよく、仮想現実ディスプレイ、拡張現実ディスプレイ、および/または複合現実ディスプレイとして動作するように構成されてよい。ニアアイディスプレイ200は、フレーム205およびディスプレイ210を含んでよい。ディスプレイ210は、ユーザにコンテンツを提示するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイ210はディスプレイエレクトロニクスおよび/またはディスプレイ光学系を含んでよい。例えば、図1のニアアイディスプレイ120に関して上述されるように、ディスプレイ210は、LCD表示パネル、LED表示パネル、または光表示パネル(例えば、導波管ディスプレイアセンブリ)を含んでよい。
【0048】
ニアアイディスプレイ200はさらに、フレーム205上にまたは内にさまざまなセンサ250a、250b、250c、250d、および250eを含んでよい。いくつかの実施形態では、センサ250a~250eは、1つまたは複数の深度センサ、運動センサ、位置センサ、慣性センサ、または環境光センサを含んでよい。いくつかの実施形態では、センサ250a~250eは、異なる方向における異なる視野を表す画像データを生成するように構成される1つまたは複数の画像センサを含んでよい。いくつかの実施形態では、センサ250a~250eは、ニアアイディスプレイ200の表示されたコンテンツを制御するまたはこれに影響を与えるための、および/またはインタラクティブなVR/AR/MR体験をニアアイディスプレイ200のユーザに提供するための入力デバイスとして使用可能である。いくつかの実施形態では、センサ250a~250eはまた、立体映像に使用されてよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ200は、光を物理的環境に投影するための1つまたは複数の照明器230をさらに含んでよい。投影された光は、種々の周波数帯(例えば、可視光、赤外光、紫外光など)と関係がある場合があり、さまざまな目的にかなう場合がある。例えば、照明器230は、暗い環境で(または、低強度の赤外光、紫外光などによる環境で)光を投影して、暗い環境内の異なる物体の画像を取り込む際にセンサ250a~250eを支援することができる。いくつかの実施形態では、照明器230は、環境内の物体上にある特定の光パターンを投影するために使用可能である。いくつかの実施形態では、照明器230は、図1に関して上述されるロケータ126などのロケータとして使用されてよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ200は、高解像度カメラ240も含んでよい。カメラ240は、視野における物理的環境の画像を取り込むことができる。取り込まれた画像は、例えば、取り込まれた画像に仮想物体を追加する、または取り込まれた画像における物体を修正するために仮想現実エンジン(例えば、図1の仮想現実エンジン116)によって処理されてよく、処理された画像はARまたはMRアプリケーションのためにディスプレイ210によってユーザに表示可能である。
【0051】
本発明の実施形態は、人工現実システムと併せて含まれまたは実装されてよい。人工現実は、例えば、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)、混成現実、または、これらの何らかの組合せおよび/もしくは派生形を含んでよい、ユーザへの提示前に何らかのやり方で調節されている現実の形態である。人工現実コンテンツは、完全に生成されたコンテンツ、または取り込まれた(例えば、実世界の)コンテンツと組み合わせて生成されたコンテンツを含んでよい。人工現実コンテンツは、ビデオ、オーディオ、触覚フィードバック、もしくはこれらの何らかの組合せ、および(見る人に対して3次元効果を生じさせるステレオビデオなど)単一のチャネルまたは複数のチャネルにおいて提示されてよいもののいずれかを含んでよい。さらに、いくつかの実施形態では、人工現実はまた、例えば、人工現実においてコンテンツを作成するために使用される、および/または、その他の場合、人工現実において使用される(例えば、人工現実においてアクティビティを行う)、アプリケーション、製品、アクセサリ、サービス、またはこれらの何らかの組合せと関連していてよい。人工現実コンテンツを提供する人工現実システムは、ホストコンピュータシステムに接続されるヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スタンドアロンHMD、モバイル機器もしくはコンピューティングシステム、または、一人または複数人の見る人に人工現実コンテンツを提供することが可能な任意の他のハードウェアプラットフォームを含む、さまざまなプラットフォーム上で実装されてよい。
【0052】
図3は、本明細書に開示された例示のニアアイディスプレイのいくつかを実装するためのヘッドマウントディスプレイ(HMD)デバイス300の形態の例示のニアアイディスプレイ(例えば、ニアアイディスプレイ120)の斜視図である。HMDデバイス300は、例えば、仮想現実(VR)システム、拡張現実(AR)システム、複合現実(MR)システム、またはこれらの何らかの組合せの一部分であってよい。HMDデバイス300は本体320およびヘッドストラップ330を含んでよい。図3は、斜視図において、本体320の上側323、前側325、および右側327を示す。ヘッドストラップ330は調節可能なまたは拡張可能な長さを有してよい。ユーザがユーザの頭上にHMDデバイス300を装着できるようにするためにHMDデバイス300の本体320とヘッドストラップ330との間に十分な空間があってよい。さまざまな実施形態では、HMDデバイス300は、追加の、より少ない、または異なる構成要素を含んでよい。例えば、いくつかの実施形態では、HMDデバイス300は、ヘッドストラップ330ではなく、眼鏡のテンプルおよびモダンを含んでよい。
【0053】
HMDデバイス300は、コンピュータ生成要素による、物理的な現実世界環境の仮想ビューおよび/または拡張ビューを含むユーザ媒体に提示することができる。HMDデバイス300によって提示される媒体の例には、画像(例えば、2次元(2D)または3次元(3D)画像)、ビデオ(例えば、2Dまたは3Dビデオ)、オーディオ、またはこれらの何らかの組合せが挙げられ得る。画像およびビデオは、HMDデバイス300の本体320に収納される1つまたは複数のディスプレイアセンブリ(図3には図示せず)によってユーザのそれぞれの眼に提示可能である。さまざまな実施形態では、1つまたは複数のディスプレイアセンブリは、単一の電子表示パネルまたは複数の電子表示パネル(例えば、ユーザのそれぞれの眼用の1つの表示パネル)を含むことができる。電子表示パネルの例には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、無機発光ダイオード(ILED)ディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ、アクティブマトリックス式有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイ、透明有機発光ダイオード(TOLED)ディスプレイ、何らかの他のディスプレイ、またはこれらの何らかの組合せが挙げられ得る。HMDデバイス300は2つのアイボックス領域を含んでよい。
【0054】
いくつかの実装形態では、HMDデバイス300は、深度センサ、運動センサ、位置センサ、および視標追跡センサなどのさまざまなセンサ(図示せず)を含んでよい。これらのセンサのいくつかは検知するための構造化された光パターンを使用してよい。いくつかの実装形態では、HMDデバイス300は、コンソールと通信するための入力/出力インターフェースを含んでよい。いくつかの実装形態では、HMDデバイス300は、HMDデバイス300内のアプリケーションを実行し、かつHMDデバイス300の、深度情報、位置情報、加速情報、速度情報、予測される今後の位置、またはこれらの何らかの組合せをさまざまなセンサから受信可能である仮想現実エンジン(図示せず)を含んでよい。いくつかの実装形態では、仮想現実エンジンによって受信される情報は、1つまたは複数のディスプレイアセンブリへの信号(例えば、表示命令)を生じさせるために使用されてよい。いくつかの実装形態では、HMDデバイス300は、互いに対するおよび基準点に対する本体320上の固定位置に位置するロケータ(図示せず、ロケータ126など)を含んでよい。ロケータのそれぞれは、外部画像装置によって検出可能な光を放出してよい。
【0055】
図4は、本明細書に開示される例のいくつかを実装するための例示のニアアイディスプレイ(例えば、HMDデバイス)の例示の電子システム400の簡略ブロック図である。電子システム400は、HMDデバイス1000の電子システムとしてまたは上述される他のニアアイディスプレイとして使用されてよい。この例では、電子システム400は、1つまたは複数のプロセッサ410およびメモリ420を含んでよい。プロセッサ410は、いくつかの構成要素において動作を行うための命令を実行するように構成されてよく、例えば、ポータブル電子デバイス内の実装に適した汎用プロセッサまたはマイクロプロセッサとすることができる。プロセッサ410は、電子システム400内の複数の構成要素と通信可能に結合されてよい。この通信結合を実現するために、プロセッサ410はバス440にわたって他の例証される構成要素と通信してよい。バス440は電子システム400内のデータを転送するように適応される任意のサブシステムであってよい。バス440は、データを転送するために、複数のコンピュータバスと、追加の回路構成とを含んでよい。
【0056】
メモリ420はプロセッサ410に結合されてよい。いくつかの実施形態では、メモリ420は、短期記憶と長期記憶の両方を与えてよく、いくつかのユニットに分割されてよい。メモリ420は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)および/またはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)といった揮発性、および/または、読み出し専用メモリ(ROM)およびフラッシュメモリなどといった不揮発性であってよい。さらに、メモリ420は、セキュアデジタル(SD)カードなどの取り外し可能記憶デバイスを含んでよい。メモリ420は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および電子システム400に対する他のデータの記憶を提供してよい。いくつかの実施形態では、メモリ420は種々のハードウェアモジュール内に分散されてよい。命令セットおよび/またはコードはメモリ420上に記憶され得る。命令は、電子システム400によって実行可能であってよい実行可能コードの形を成す場合がある、および/または(例えば、さまざまな一般に入手可能なコンパイラ、インストールプログラム、圧縮/展開ユーティリティなどのいずれかを使用して)電子システム400上にコンパイルおよび/またはインストールされると、実行可能コードの形を成してよい、ソースコードおよび/またはインストール可能コードの形を成す場合がある。
【0057】
いくつかの実施形態では、メモリ420は、任意の数のアプリケーションを含んでよい、複数のアプリケーションモジュール422~424を記憶してよい。アプリケーションの例は、ゲームアプリケーション、会議アプリケーション、ビデオ再生アプリケーション、または他の適したアプリケーションを含んでよい。アプリケーションは、深さ検知機能または視標追跡機能を含んでよい。アプリケーションモジュール422~424は、プロセッサ410によって実行される特定の命令を含んでよい。いくつかの実施形態では、ある特定のアプリケーションまたはアプリケーションモジュール422~424の一部は、他のハードウェアモジュール480によって実行可能であってよい。ある特定の実施形態では、メモリ420は、セキュア情報に対する複写または他の不正アクセスを防止するための追加のセキュリティ制御を含んでよいセキュアメモリをさらに含んでよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、メモリ420は、ロードされるオペレーティングシステム425を含んでよい。オペレーティングシステム425は、アプリケーションモジュール422~424によって提供される命令の実行を開始する、および/または他のハードウェアモジュール480のみならず、1つまたは複数の無線トランシーバを含んでよい無線通信サブシステム430とのインターフェースを管理するように動作可能であってよい。オペレーティングシステム425は、スレッディング、リソース管理、データ記憶制御、および他の同様の機能性を含む電子システム400の構成要素にわたって他の動作を行うように適応されてよい。
【0059】
無線通信サブシステム430は、例えば、赤外線通信デバイス、無線通信デバイスおよび/もしくはチップセット(Bluetooth(登録商標)デバイス、IEEE802.11デバイス、Wi-Fiデバイス、WiMaxデバイス、セルラー通信設備など)、ならびに/または同様の通信インターフェースを含んでよい。電子システム400は、無線通信サブシステム430の一部として、または該システムの任意の部分に結合される別個の構成要素としての無線通信のための1つまたは複数のアンテナ434を含んでよい。所望の機能性に応じて、無線通信サブシステム430は、無線広域ネットワーク(WWAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、または無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)などの種々のデータネットワークおよび/またはネットワークタイプと通信することを含んでよい、無線基地局装置、および他の無線デバイス、およびアクセスポイントと通信するための別個のトランシーバを含んでよい。WWANは、例えば、WiMax(IEEE802.16)ネットワークであってよい。WLANは、例えば、IEEE802.11xネットワークであってよい。WPANは、例えば、Bluetoothネットワーク、IEEE802.15x、または何らかの他のタイプのネットワークであってよい。本明細書に説明される技法は、WWAN、WLAN、および/またはWPANの任意の組合せに使用されてもよい。無線通信サブシステム430は、データが、ネットワーク、他のコンピュータシステム、および/または本明細書に説明される任意の他のデバイスと交換されることを可能にしてよい。無線通信サブシステム430は、アンテナ434および無線リンク432を使用して、HMDデバイスの識別子、位置データ、地図、ヒートマップ、写真、またはビデオなどのデータを送信または受信するための手段を含んでよい。無線通信サブシステム430、プロセッサ410、およびメモリ420は共に、本明細書に開示されるいくつかの機能を行うための手段の1つまたは複数の少なくとも一部を含んでよい。
【0060】
電子システム400の実施形態はまた、1つまたは複数のセンサ490を含んでよい。センサ490は、例えば、画像センサ、加速度計、圧力センサ、温度センサ、近接センサ、磁力計、ジャイロスコープ、慣性センサ(例えば、加速度計およびジャイロスコープを組み合わせるモジュール)、環境光センサ、または深さセンサまたは位置センサなど、感覚出力を提供するおよび/または感覚入力を受信するように動作可能な任意の他の同様のモジュールを含んでよい。例えば、いくつかの実装形態では、センサ490は、1つまたは複数の慣性計測装置(IMU)および/または1つまたは複数の位置センサを含んでよい。IMUは、位置センサの1つまたは複数から受信される測定信号に基づいて、HMDデバイスの初期位置に対するHMDデバイスの推定位置を指示する較正データを生成してよい。位置センサは、HMDデバイスの動きに応答して1つまたは複数の測定信号を生成してよい。位置センサの例には、1つまたは複数の加速度計、1つまたは複数のジャイロスコープ、1つまたは複数の磁力計、動きを検出する別の適したタイプのセンサ、IMUのエラー訂正に使用されるあるタイプのセンサ、またはこれらの何らかの組合せが挙げられ得るが、これらに限定されない。位置センサは、IMUの外部に、IMUの内部に、またはこれらの何らかの組合せで位置してよい。少なくともいくつかのセンサは検知するための構造化された光パターンを使用してよい。
【0061】
電子システム400は、ディスプレイモジュール460を含んでよい。ディスプレイモジュール460は、ニアアイディスプレイであってよく、電子システム400からの画像、ビデオ、およびさまざまな命令などの情報を、ユーザに図で提示してよい。このような情報は、1つまたは複数のアプリケーションモジュール422~424、仮想現実エンジン426、1つまたは複数の他のハードウェアモジュール480、これらの組合せ、または、(例えば、オペレーティングシステム425によって)ユーザに対してグラフィックコンテンツを解釈するための任意の他の適した手段から導出されてよい。ディスプレイモジュール460は、液晶ディスプレイ(LCD)技術、(例えば、OLED、ILED、mLED、AMOLED、TOLEDなどを含む)発光ダイオード(LED)技術、発光ポリマーディスプレイ(LPD)技術、または何らかの他のディスプレイ技術を使用することができる。
【0062】
電子システム400はユーザ入力/出力モジュール470を含んでよい。ユーザ入力/出力モジュール470は、ユーザが、電子システム400にアクション要求を送ることを可能にしてよい。アクション要求は、特定のアクションを行うための要求であってよい。例えば、アクション要求は、アプリケーションを開始または終了すること、またはアプリケーション内の特定のアクションを行うことであってよい。ユーザ入力/出力モジュール470は、1つまたは複数の入力デバイスを含んでよい。例示の入力デバイスは、タッチスクリーン、タッチパッド、マイクロホン、ボタン、ダイアル、スイッチ、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、または、アクション要求を受信し、かつ受信したアクション要求を電子システム400に通信するための任意の他の適したデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザ入力/出力モジュール470は、電子システム400から受信された命令に従ってユーザに触覚フィードバックを提供することができる。例えば、触覚フィードバックは、アクション要求が受信されるまたは実行された時に提供されてよい。
【0063】
電子システム400は、例えば、ユーザの眼の位置を追跡するために、ユーザの写真またはビデオを撮るために使用可能であるカメラ450を含んでよい。カメラ450はまた、例えば、VR、AR、またはMRアプリケーションに対して、環境の写真またはビデオを撮るために使用されてよい。カメラ450は、例えば、数百万または数千万の画素を有する相補的金属酸化物半導体(CMOS)画像センサを含んでよい。いくつかの実装形態では、カメラ450は3-D画像を取り込むために使用されてよい2つ以上のカメラを含んでよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、電子システム400は、複数の他のハードウェアモジュール480を含んでよい。他のハードウェアモジュール480のそれぞれは、電子システム400内の物理モジュールであってよい。他のハードウェアモジュール480のそれぞれは構造として恒久的に構成可能であるが、他のハードウェアモジュール480のいくつかは、具体的な機能を行うように一時的に構成されてよいまたは一時的にアクティブ化されてよい。他のハードウェアモジュール480の例には、例えば、オーディオ出力および/または入力モジュール(例えば、マイクロホンまたはスピーカ)、近距離無線通信(NFC)モジュール、再充電バッテリ、バッテリ管理システム、有線/無線バッテリ充電システムなどが挙げられ得る。いくつかの実施形態では、他のハードウェアモジュール480の1つまたは複数の機能はソフトウェアで実装されてよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、電子システム400のメモリ420はまた、仮想現実エンジン426を記憶してよい。仮想現実エンジン426は、電子システム400内のアプリケーションを実行し、かつ、さまざまなセンサからのHMDデバイスの、位置情報、加速情報、速度情報、予測される今後の位置、または、これらの何らかの組合せを受信してよい。いくつかの実施形態では、仮想現実エンジン426によって受信される情報は、ディスプレイモジュール460に対して信号(例えば、表示命令)を生じさせるために使用されてよい。例えば、受信した情報が、ユーザが左を見ていることを指示する場合、仮想現実エンジン426は、HMDデバイスが、仮想環境におけるユーザの移動をミラーリングするようにコンテンツを生成してよい。さらに、仮想現実エンジン426は、ユーザ入力/出力モジュール470から受信されたアクション要求に応答してアプリケーション内のアクションを行い、かつフィードバックをユーザに提供してよい。提供されたフィードバックは、可視、可聴、または触覚フィードバックであってよい。いくつかの実装形態では、プロセッサ410は、仮想現実エンジン426を実行することができる1つまたは複数のGPUを含んでよい。
【0066】
さまざまな実装形態では、上述されるハードウェアおよびモジュールは、有線接続または無線接続を使用して互いに通信可能である単一のデバイス上でまたは複数のデバイス上で実装されてよい。例えば、いくつかの実装形態では、GPU、仮想現実エンジン426、およびアプリケーション(例えば、追跡アプリケーション)などのいくつかの構成要素またはモジュールは、ヘッドマウントディスプレイデバイスと別個のコンソール上に実装されてよい。いくつかの実装形態では、1つのコンソールは複数のHMDに接続されてよいまたはこれをサポートしてよい。
【0067】
代替的な構成では、種々のおよび/または追加の構成要素は電子システム400に含まれてよい。同様に、構成要素の1つまたは複数の機能性は、上述されるやり方と異なるやり方で構成要素の間で分散可能である。例えば、いくつかの実施形態では、電子システム400は、ARシステム環境および/またはMR環境などの他のシステム環境を含むように改良されてよい。
【0068】
上に論じられるように、LEDは、ディスプレイエレクトロニクス122、ロケータ126、および視標追跡ユニット130など、人工現実システムのさまざまな部分における光源として使用されてよい。さらに、LEDは、ヘッドアップディスプレイ、テレビディスプレイ、スマートフォンディスプレイ、腕時計ディスプレイ、ウェアラブルディスプレイ、およびフレキシブルディスプレイなどのさまざまなディスプレイ技術において使用可能である。LEDは、モノのインターネット(IOT)などの多くのアプリケーションにおける複数のセンサと組み合わせて使用可能である。本明細書に説明されるLEDは、紫外光、可視光、または赤外光など、任意の所望の波長を有する光を放出するように構成可能である。また、本明細書に説明されるLEDは、平面、縦型、円錐形、半放物線形状、放物線形状、またはこれらの組合せなどの任意の適したメサ形状を有するように構成可能である。本明細書に説明されるLEDは、50μm未満、20μm未満、または10μm未満である線寸法を有する活性発光領域を有するマイクロLEDであってよい。例えば、線寸法は、線寸法は2μmまたは4μmほどの大きさしかない場合がある。
【0069】
図5a~図5Fは、LEDを製造するウエハーツーウエハーボンディングの方法を示す。図5Aに示されるように、方法は、基板515および半導体材料501を有する構造で始まる。半導体材料501は、基板515上に任意の適したエピタキシャル法によって成長させる複数のエピタキシャル層を含んでよい。例えば、半導体材料501は、n型層525、量子井戸層530、およびp型層535を含んでよい。基板515は、半導体材料501を成長させるのに適している任意の材料から作られてよい。例えば、基板515は、サファイアから作られてよく、半導体材料501は、GaNから作られてよい。基板515とn型層525との間のバッファ層など、他の層が、含まれていてもよい。バッファ層は、多結晶のGaNまたはAlNなどの任意の適した材料から作られてよく、かつ50nm未満の厚さを有してよい。
【0070】
図5Bに示されるように、コンタクト層540は、半導体材料501のp型層535上に堆積可能である。コンタクト層540は、金属など、半導体材料501に電気コンタクトを提供するための任意の適した材料から作られてよい。さらに、コンタクト層540は、高反射率を有するように最適化可能である。ボンディング層545は、コンタクト層540上に堆積可能である。ボンディング層545は、金属など、半導体材料501にボンディングを提供するための任意の適した材料から作られてよい。コンタクト層540およびボンディング層545は、異なる材料または同じ材料から作られてよい。コンタクト層540およびボンディング層545は、p型層535上に堆積される単一層に含まれてよく、またはコンタクト層540およびボンディング層545は、図5Bに示されるように、別個の層であってよい。
【0071】
図5Cに示されるように、ベースウエハー505およびボンディング層510を含む別の構造が、設けられてよい。ベースウエハー505は、特定用途向け集積回路(ASIC)ウエハーであってよく、かつ複数のドライバ回路580を含んでよい。ボンディング層510は、金属など、ベースウエハー505にボンディングを提供するための任意の適した材料から作られてよい。
【0072】
図5Dに示されるように、ベースウエハー505は、ボンディング層510および/またはボンディング層545を介して半導体材料501にボンディング可能である。ボンディング層510およびボンディング層545は、同じ材料から作られてよい。この例は、ボンディング層510およびボンディング層545の組合せが、ボンディング層550として示される、図5Dに示される。代替的には、ボンディング層510およびボンディング層545は、異なる材料から作られてよい。以下にさらに詳細に論じられるように、ベースウエハー505は、さまざまな方法によって半導体材料501にボンディング可能である。
【0073】
図5Eに示されるように、基板515は、半導体材料501から除去されてよい。基板515は、レーザリフトオフ(LLO)など、任意の適した方法によって除去されてよい。例えば、基板515は、基板515と半導体材料501との間の界面にレーザビームを集光することによって除去されてよい。代替的にはまたはさらに、基板515は、基板515を加熱すること、および/または基板515に水平力を適用することによって除去されてよい。
【0074】
図5Fに示されるように、トレンチ570は、半導体材料501、コンタクト層540、ボンディング層550、およびベースウエハー505の一部分によって形成されてよい。トレンチ570は、リソグラフィなどの任意の適した方法によって形成されてよい。トレンチ570がドライバ回路580と干渉せず、ドライバ回路580と垂直方向に揃わないように、トレンチ570のパターニングがドライバ回路580の場所に基づいてよい。結果として得られる構造は、トレンチ570によって別個にされる複数のLEDを含む。図5Fに示されるように、LEDは、垂直な側壁を有してよい。例えば、LEDは、円筒形メサを有してよい。
【0075】
図6A図6Iは、LEDを製造するウエハーツーウエハーボンディングの別の方法を示す。図6Aに示されるように、方法は、基板615および半導体材料601を有する構造で始まる。半導体材料601は、基板615上に任意の適したエピタキシャル法によって成長させる複数のエピタキシャル層を含んでよい。例えば、半導体材料601は、n型層625、量子井戸層630、およびp型層635を含んでよい。基板615は、半導体材料601を成長させるのに適している任意の材料から作られてよい。例えば、基板615は、サファイアから作られてよく、半導体材料601は、GaNから作られてよい。基板615とn型層625との間のバッファ層など、他の層が含まれていてもよい。バッファ層は、多結晶のGaNまたはAlNなどの任意の適した材料から作られてよく、かつ50nm未満の厚さを有してよい。
【0076】
図6Bに示されるように、複数の隣接するメサ形状690は、半導体材料601に複数の間隙650をパターニングすることによって形成されてよい。パターニングは、異方性エッチングなどの任意の適した方法によって行われてよい。メサ形状690の形状は、LEDの製造が完了すると、対応するLEDから抽出される光量を増大または最適化させるように選定され得る。例えば、メサ形状690は、放物線形状、または別の非垂直な形状を有するように形成されてよい。反射層655は、各メサ形状690の少なくとも1つの側壁上に形成されてよい。反射層655は、銀または金などの任意の適した材料から作られてよい。反射層655は、蒸発またはスパッタリングなどの任意の適した方法によって形成されてよい。
【0077】
図6Cに示されるように、パッシベーション層660は、隣接するメサ形状690間の間隙650内に形成されてよい。パッシベーション層660は、酸化物などの任意の適した材料から作られてよい。パッシベーション層660は、平らなボンディング面を提供するように使用されてよい。例えば、パッシベーション層660が間隙650内に堆積された後、パッシベーション層660は、平らであるように、かつp型層635を露出させるようにポリッシュバックされてよい。代替的には、パッシベーション層660およびp型層635の薄層は、平らなボンディング面を形成するように除去されてよい。他の実施形態では、研磨および/または化学エッチングが、平らなボンディング面を形成するように使用されてよい。代替的にはまたはさらに、任意の他の適した方法は、パッシベーション層660およびp型層635を平坦化するように使用されてよい。
【0078】
図6Dに示されるように、コンタクト層640は、半導体材料601のp型層635、およびパッシベーション層660上に堆積可能である。コンタクト層640は、金属など、半導体材料601に電気コンタクトを提供するための任意の適した材料から作られてよい。さらに、コンタクト層640は、高反射率を有するように最適化可能である。代替策として、コンタクト層640は、メサ形状690の形成より先に堆積可能である。この例では、パッシベーション層660は、平らであるように、かつコンタクト層640を露出させるようにポリッシュバックされてよい。ボンディング層645は、コンタクト層640上に堆積可能である。ボンディング層645は、金属など、半導体材料601にボンディングを提供するための任意の適した材料から作られてよい。コンタクト層640およびボンディング層645は、異なる材料または同じ材料から作られてよい。コンタクト層640およびボンディング層645は、p型層635およびパッシベーション層660上に堆積される単一層に含まれてよく、またはコンタクト層640およびボンディング層645は、図6Dに示されるように、別個の層であってよい。
【0079】
図6Eに示されるように、ベースウエハー605およびボンディング層610を含む別の構造が、設けられてよい。ベースウエハー605は、ASICウエハーであってよく、複数のドライバ回路680を含んでよい。ボンディング層610は、金属など、ベースウエハー605にボンディングを提供するための任意の適した材料から作られてよい。
【0080】
図6Fに示されるように、ベースウエハー605は、ボンディング層610および/またはボンディング層645を介して半導体材料601にボンディング可能である。ボンディング層610およびボンディング層645は、同じ材料から作られてよい。この例は、ボンディング層610およびボンディング層645の組合せがボンディング層695として示される、図6Fに示される。代替的には、ボンディング層610およびボンディング層645は、異なる材料から作られてよい。以下にさらに詳細に論じられるように、ベースウエハー605は、さまざまな方法によって、半導体材料601にボンディング可能である。ボンディング中、ベースウエハー605は、ドライバ回路680が隣接するメサ形状690と位置合わせされるように、半導体材料601と位置合わせされてよい。
【0081】
図6Gに示されるように、基板615は、半導体材料601から除去されてよい。基板615は、レーザリフトオフ(LLO)など、任意の適した方法によって除去されてよい。例えば、基板615は、基板615と半導体材料601との間の界面にレーザビームを集光することによって除去されてよい。代替的にはまたはさらに、基板615は、基板615を加熱すること、および/または基板615に水平力を適用することによって除去されてよい。
【0082】
図6Hに示されるように、トレンチ670は、半導体材料601、コンタクト層640、およびボンディング層695によって形成されてよい。トレンチ670は、リソグラフィなどの任意の適した方法によって形成されてよい。トレンチ670は、LEDを単体化するために使用されてよく、トレンチ670がドライバ回路680と干渉せず、ドライバ回路680と縦方向に揃えられないように形成されてよい。結果として得られる構造は、トレンチ670によって別個にされる複数のLEDを含む。図6Hに示されるように、LEDは、非垂直な側壁を有してよい。
【0083】
図6Iに示されるように、レンズ675は、各LEDの光出口表面に形成されてよい。レンズ675は、光抽出効率を増大させ、LEDの放射コーンを減少させることができる。例えば、図6Iに示された各LEDの光抽出効率は、少なくとも85%であってよく、ビーム角は、40°未満であってよい。代替的には、他の光抽出特徴は、光出口表面の粗面化など、各LEDの光出口表面に形成されてよい。他の光抽出特徴のいくつかの例は、グレーデッドインデックスオプティクス、フレネルレンズ、回折格子、フォトニック結晶、および反射防止(AR)膜を含む。代替的には、他の特徴が、自然放出率を増大させるために形成されてよい。
【0084】
図6Jは、ベースウエハー605に使用されてよい2T1C画素構造の一例を示す。2T1C画素構造は、コンデンサC1と共に2つのトランジスタM1およびM2を含んでよい。2T1C画素構造は、ドライバ回路680の一例である。
【0085】
図7A図7Fは、LEDを製造するウエハーツーウエハーボンディングのさらに別の方法を示す。図7Aに示されるように、方法は、基板715および半導体材料701を有する構造で始まる。半導体材料701は、基板715上に任意の適したエピタキシャル法によって成長させる複数のエピタキシャル層を含んでよい。例えば、半導体材料701は、n型層725、量子井戸層730、およびp型層735を含んでよい。基板715は、半導体材料701を成長させるのに適している任意の材料から作られてよい。例えば、基板715は、サファイアから作られてよく、半導体材料701は、GaNから作られてよい。基板715とn型層725との間のバッファ層720など、他の層が、含まれていてもよい。バッファ層720は、多結晶のGaNまたはAlNなどの任意の適した材料から作られてよく、かつ50nm未満の厚さを有してよい。
【0086】
図7Bに示されるように、複数の低抵抗率領域と交互する複数の高抵抗率領域は、半導体材料701のp型層735をパターニングすることによって形成されてよい。高抵抗率領域は、低抵抗率領域よりも高い抵抗率を有する。p型層735がパターニングされると、p型層735は、複数の高抵抗率領域780と交互する(低抵抗率領域に対応する)複数の発光体790を含む。パターニングは、プラズマ処理またはイオン注入など、任意の適した方法によって行われてよい。例えば、リソグラフィは、それらの領域内で抵抗率を増大させるために、プラズマを用いてp型層735の選択領域を処理するように使用されてよい。処理の奥行は、p層735全体を通じて及ぶことができ、量子井戸層730の中に及ばなくてよい。発光体790は、発光体790を上で説明される光抽出特徴と位置合わせすることによって構造の光抽出を増大させるように設計されてよい。p型層735は、平らなボンディング面を与えるために平らであるようにポリッシュバックされてよい。代替的には、p型層735の薄いスライスは、平らなボンディング面を形成するように除去されてよい。他の実施形態では、研磨および/または化学エッチングが、平らなボンディング面を形成するように使用されてよい。代替的にはまたはさらに、任意の他の適した方法は、p型層735を平坦化するように使用されてよい。矢印795は、電流の流れを表し、電流は隣接する発光体790間に流れないことを示す。
【0087】
図7Cに示されるように、コンタクト層740は、半導体材料701のp型層735上に堆積可能である。コンタクト層740は、金属など、半導体材料701に電気コンタクトを提供するための任意の適した材料から作られてよい。代替策として、コンタクト層740は、発光体790の形成より先に堆積可能である。さらに、コンタクト層740は、高反射率を有するように最適化可能である。ボンディング層745は、コンタクト層740上に堆積可能である。ボンディング層745は、金属など、半導体材料701にボンディングを提供するための任意の適した材料から作られてよい。コンタクト層740およびボンディング層745は、異なる材料または同じ材料から作られてよい。コンタクト層740およびボンディング層745は、p型層735上に堆積される単一層に含まれてよく、またはコンタクト層740およびボンディング層745は、図7Cに示されるように、別個の層であってよい。
【0088】
図7Dに示されるように、ベースウエハー705は、ボンディング層750を介して半導体材料701にボンディング可能である。ベースウエハー705は、ASICウエハーであってよく、複数のドライバ回路785を含んでよい。ボンディング層745およびボンディング層750は、同じ材料から作られてよい。ボンディング層750は、ボンディング層745を含んでよい。以下にさらに詳細に論じられるように、ベースウエハー705は、さまざまな方法によって半導体材料701にボンディング可能である。ボンディング中、ドライバ回路785が、隣接する発光体790と位置合わせされるように、ベースウエハー705は、半導体材料701と位置合わせされてよい。
【0089】
図7Eに示されるように、基板715は、半導体材料701から除去されてよい。基板715は、レーザリフトオフ(LLO)など、任意の適した方法によって除去されてよい。例えば、基板715は、基板715と半導体材料701との間の界面にレーザビームを集光することによって除去されてよい。代替的にはまたはさらに、基板715は、基板715を加熱すること、および/または基板715に水平力を適用することによって除去されてよい。
【0090】
図7Fに示されるように、トレンチ770は、LEDを単体化するために、半導体材料701、コンタクト層740、ボンディング層750、およびベースウエハー705によって形成されてよい。代替的には、トレンチ770が、LEDを単体化するためにベースウエハー705を通じて一部分だけ形成されてよい。別の代替策として、ベースウエハー705は、LED配列サイズを判断するために一部分だけエッチングされてよく、各LED配列を分離するために初めから終わりまでエッチングされてよい。トレンチ770は、個々のLEDが形成されるように、隣接する発光体790間に形成されてよい。トレンチ770は、リソグラフィなどの任意の適した方法によって形成されてよい。結果として得られる構造は、トレンチ770によって別個にされる複数のLEDを含む。図7Fに示されるように、LEDは、垂直な側壁を有してよい。
【0091】
図7Gに示されるように、レンズ775が、各LEDの光出口表面に形成されてよい。レンズ775は、光抽出効率を増大させ、LEDの放射コーンを減少させることができる。代替的には、他の光抽出特徴は、光出口表面の粗面化など、各LEDの光出口表面に形成されてよい。他の光抽出特徴のいくつかの例は、グレーデッドインデックスオプティクス、フレネルレンズ、回折格子、および反射防止(AR)膜を含む。代替的には、フォトニック結晶または光アンテナなど、他の特徴が、自然放出率を増大させるように形成されてよい。
【0092】
図8A図8Cは、ベースウエハーを半導体ウエハーにボンディングするさまざまな方法を示す。図8Aに示されるように、金属間ボンディングのための構造は、基板815および半導体材料801を含んでよい。半導体材料801は、基板815上に任意の適したエピタキシャル法によって成長させる複数のエピタキシャル層を含んでよい。例えば、半導体材料801は、n型層825、量子井戸層830、およびp型層835を含んでよい。基板815は、半導体材料801を成長させるのに適している任意の材料から作られてよい。例えば、基板815は、サファイアから作られてよく、半導体材料801は、GaNから作られてよい。基板815とn型層825との間のバッファ層820など、他の層が、含まれていてもよい。バッファ層820は、多結晶のGaNまたはAlNなどの任意の適した材料から作られてよく、かつ50nm未満の厚さを有してよい。
【0093】
複数の低抵抗率領域と交互する複数の高抵抗率領域は、半導体材料801のp型層835をパターニングすることによって形成されてよい。高抵抗率領域は、低抵抗率領域よりも高い抵抗率を有し得る。p型層835がパターニングされると、p型層835は、複数の高抵抗率領域880と交互する(低抵抗率領域に対応する)複数の発光体890を含む。パターニングは、プラズマ処理またはイオン注入など、任意の適した方法によって行われてよい。例えば、リソグラフィが、それらの領域内で抵抗率を増大させるために、プラズマを用いてp型層835の選択領域を処理するように使用されてよい。処理の奥行は、p型層835全体を通じて及ぶことができ、量子井戸層830の中に及ばなくてよい。p型層835は、平らなボンディング面を与えるために平らであるようにポリッシュバックされてよい。代替的には、p型層835の薄いスライスは、平らなボンディング面を形成するように除去されてよい。他の実施形態では、研磨および/または化学エッチングが、平らなボンディング面を形成するように使用されてよい。代替的にはまたはさらに、任意の他の適した方法は、p型層835を平坦化するように使用されてよい。
【0094】
コンタクト層840は、半導体材料801のp型層835上に堆積可能である。コンタクト層840は、金属などの半導体材料801に電気コンタクトを提供するための任意の適した材料から作られてよい。さらに、コンタクト層840は、高反射率を有するように最適化可能である。ボンディング層845は、コンタクト層840上に堆積可能である。ボンディング層845は、金属などの半導体材料801にボンディングを提供するための任意の適した材料から作られてよい。コンタクト層840およびボンディング層845は、異なる材料または同じ材料から作られてよい。コンタクト層840およびボンディング層845は、p型層835上に堆積される単一層に含まれてよく、またはコンタクト層840およびボンディング層845は、図8Aに示されるように、別個の層であってよい。ボンディング層845は、金属間ボンディングに使用されてよく、ボンディング層845は、Tiまたは任意の他の適した金属から作られてよい。ボンディング層845および別の金属ボンディング層が共に押される時に、ボンディング層845が別の金属ボンディング層に共にくっつくように、ボンディング層845は、実質的に平らでよい。
【0095】
図8Bに示されるように、共晶ボンディングのための構造は、基板815と、n型層825、量子井戸層830、およびp型層835を含む半導体材料801とを含んでよい。基板815は、半導体材料801を成長させるのに適している任意の材料から作られてよい。例えば、基板815は、サファイアから作られてよく、半導体材料801は、GaNから作られてよい。基板815とn型層825との間のバッファ層820など、他の層が、含まれていてもよい。バッファ層820は、多結晶のGaNまたはAlNなどの任意の適した材料から作られてよく、かつ50nm未満の厚さを有してよい。複数の低抵抗率領域と交互する複数の高抵抗率領域は、半導体材料801のp型層835をパターニングすることによって形成されてよい。高抵抗率領域は、低抵抗率領域よりも高い抵抗率を有してよい。p型層835がパターニングされると、p型層835は、複数の高抵抗率領域880と交互する(低抵抗率領域に対応する)複数の発光体890を含む。パターニングは、プラズマ処理またはイオン注入など、任意の適した方法によって行われてよい。例えば、リソグラフィは、それらの領域内で抵抗率を増大させるために、プラズマを用いてp型層835の選択領域を処理するように使用されてよい。処理の奥行は、p型層835全体を通じて及ぶことができ、量子井戸層830の中に及ばなくてよい。p型層835は、平らなボンディング面を与えるために平らであるようにポリッシュバックされてよい。代替的には、p型層835の薄いスライスは、平らなボンディング面を形成するように除去されてよい。他の実施形態では、研磨および/または化学エッチングが、平らなボンディング面を形成するように使用されてよい。代替的にはまたはさらに、任意の他の適した方法は、p型層835を平坦化するように使用されてよい。共晶ボンディング層885は、半導体材料801のp型層835上に堆積可能である。共晶ボンディング層885は、CuSnまたはAuTiなど、半導体材料801に共晶ボンドを提供するための任意の適した材料から作られてよい。共晶ボンディング層885および別の金属ボンディング層が共に加熱され、押される時に、共晶ボンディング層885が別の金属ボンディング層に共にくっつくので、共晶ボンディング層885は、実質的に平らである必要はない。
【0096】
図8Cに示されるように、金属酸化物ボンディングのための構造は、基板815と、n型層825、量子井戸層830、およびp型層835を含む半導体材料801とを含んでよい。基板815は、半導体材料801を成長させるのに適している任意の材料から作られてよい。例えば、基板815は、サファイアから作られてよく、半導体材料801は、GaNから作られてよい。基板815とn型層825との間のバッファ層820など、他の層が、含まれていてもよい。バッファ層820は、多結晶のGaNまたはAlNなどの任意の適した材料から作られてよく、かつ50nm未満の厚さを有してよい。複数の低抵抗率領域と交互する複数の高抵抗率領域は、半導体材料801のp型層835をパターニングすることによって形成されてよい。高抵抗率領域は、低抵抗率領域よりも高い抵抗率を有し得る。p型層835がパターニングされると、p型層835は、複数の高抵抗率領域880と交互する(低抵抗率領域に対応する)複数の発光体890を含む。パターニングは、プラズマ処理またはイオン注入など、任意の適した方法によって行われてよい。例えば、リソグラフィが、それらの領域内で抵抗率を増大させるために、プラズマを用いてp型層835の選択領域を処理するように使用されてよい。処理の奥行は、p型層835全体を通じて及ぶことができ、量子井戸層830の中に及ばなくてよい。p型層835は、平らなボンディング面を提供するためにポリッシュバックされてよい。代替的には、p型層835の薄いスライスは、平らなボンディング面を形成するように除去されてよい。他の実施形態では、研磨および/または化学エッチングが、平らなボンディング面を形成するように使用されてよい。代替的にはまたはさらに、任意の他の適した方法は、p型層835を平坦化するように使用されてよい。
【0097】
金属層895は、発光体890のそれぞれに形成されてよい。金属層895は、LEDデバイスのためのコンタクトであってよい。高抵抗率領域880は、別の基板をボンディングするために、酸化物層の機能を果たし得る。代替的には、酸化物層899は、高抵抗率領域880のそれぞれに形成されてよい。金属層895は、別のボンディング層とボンディングするために使用されてもよい。高抵抗率領域880または酸化物層899は、酸化物領域および金属領域の交互するパターニングも有する別の基板とのイニシャルボンドをもたらすように使用されてよい。基板が位置合わせされ、酸化物間ボンドが形成される。酸化物間ボンドは、室温で形成されてよい。さらにまた、金属層895は、電気接続を提供し、第1のボンドの強度を高めるために、第2のボンドをもたらすように使用されてよい。金属間ボンドは、2つの基板の金属領域間の間隙を閉じるように基板を加熱することによって形成されてよく、それによって導電性経路をもたらす。さらにまた、ボンディングされた基板は、外部圧力を加えることなく、金属領域を圧縮するようにさらに加熱されてよい。
【0098】
代替的にはまたはさらに、さまざまな他のボンディング方法が、使用されてよい。例えば、陽極ボンディング、熱圧着ボンディング、紫外線(UV)ボンディング、および/またはフュージョンボンディングが、使用されてよい。さらに、2ステップボンディングプロセスが、使用されてよく、程よい強度を有するイニシャルボンドがもたらされ、さらにまた、基板が除去された後、およびLEDが単体化される前に、イニシャルボンドが強化される。
【0099】
図9A図9Dは、ウエハーツーウエハーボンディングのための表面を形成する方法を示す。図9Aに示されるように、ウエハーツーウエハーボンディングのための構造は、基板915および半導体材料901を含んでよい。半導体材料901は、基板915上に任意の適したエピタキシャル法によって成長させる複数のエピタキシャル層を含んでよい。基板915は、半導体材料901を成長させるのに適している任意の材料から作られてよい。例えば、基板915は、サファイアから作られてよく、半導体材料901は、GaNから作られてよい。上述されたものなど、他の層が、含まれていてもよい。
【0100】
図9Bに示されるように、コンタクト940は、半導体材料901上に堆積可能である。コンタクト940は、金属など、半導体材料901に電気コンタクトを提供するための任意の適した材料から作られてよい。さらに、コンタクト940は、高反射率を有するように最適化可能である。
【0101】
図9Cに示されるように、パッシベーション層960は、半導体材料901およびコンタクト940上に堆積可能である。パッシベーション層960は、酸化物など、任意の適した材料から作られてよい。
【0102】
図9Dに示されるように、パッシベーション層960の一部は、ボンディングのためにコンタクト940およびパッシベーション層960を有する表面を提供するために除去されてよい。パッシベーション層960は、平らなボンディング面を提供するように使用されてよい。例えば、パッシベーション層960は、平らであるように、かつコンタクト940を露出させるようにポリッシュバックされてよい。代替的には、パッシベーション層960の薄層、およびコンタクト940は、平らなボンディング面を形成するように除去されてよい。他の実施形態では、研磨および/または化学エッチングが、平らなボンディング面を形成するように使用されてよい。代替的にはまたはさらに、任意の他の適した方法は、パッシベーション層960およびコンタクト940を平坦化するように使用されてよい。平らなボンディング面は、上述されるように、金属酸化物ボンディングによって基板915を別のウエハーにボンディングするために使用されてよい。
【0103】
上に開示される方法、システム、およびデバイスは例である。さまざまな実施形態は、必要に応じてさまざまな手順または構成要素を、省略、代用、または追加可能である。例えば、代替的な構成では、説明した方法は、説明したものと異なる順序で行われてよい、および/またはさまざまな段階は、追加、省略、および/または組み合わせ可能である。また、ある特定の実施形態に関して説明される特徴は、さまざまな他の実施形態で組み合わせられてよい。実施形態の種々の態様および要素は同様のやり方で組み合わせられてよい。また、技術は発展しているため、要素の多くは、本開示の範囲をこれらの具体的な例に限定しない例である。
【0104】
実施形態を十分に理解してもらうために本明細書に具体的詳細を挙げている。しかしながら、実施形態はこれら具体的詳細なく実践可能である。例えば、周知の回路、プロセス、システム、構造、および技法は、実施形態を不明瞭にすることを回避するために不必要な詳細なしで示されている。本明細書は例示の実施形態のみを提供しており、本発明の範囲、応用性、または構成を限定することを意図するものではない。もっと正確に言えば、実施形態の前述の説明は、当業者に、さまざまな実施形態を実施するための実施可能な説明を提供するであろう。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置においてさまざまな変更がなされてよい。
【0105】
また、いくつかの実施形態はフロー図またはブロック図として描写されるプロセスとして説明された。それぞれは、動作を逐次プロセスとして説明するものであり得るが、動作の多くは並列にまたは同時に行われてよい。さらに、動作の順序は再編成されてよい。プロセスは図に含まれない追加のステップを有する場合がある。また、方法の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはこれらの任意の組合せによって実装されてよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードで実装される時、関連しているタスクを行うためのプログラムコードまたはコードセグメントは、記憶媒体などのコンピュータ可読媒体に記憶されてよい。プロセッサは関連しているタスクを行ってよい。
【0106】
具体的な要件に従って大きく変化させてもよいことは、当業者には明らかであろう。例えば、カスタマイズされたまたは専用のハードウェアも使用されてよい、および/または特定の要素は、ハードウェア、(アプレットなどのポータブルソフトウェアを含む)ソフトウェア、またはこの両方で実装される場合がある。さらに、ネットワーク入力/出力デバイスなどの他のコンピューティングデバイスへの接続が用いられてよい。
【0107】
添付の図を参照すると、メモリを含むことができる構成要素は、非一時的な機械可読媒体を含むことができる。本明細書で使用されるような「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械を具体的なやり方で動作させるデータを提供する際に関与する任意の記憶媒体を指す。以上に提供される実施形態において、さまざまな機械可読媒体は、命令/コードを処理ユニットおよび/または実行するための他のデバイスに提供する際に関与し得る。さらにまたは代替的に、機械可読媒体は、このような命令/コードを記憶するおよび/または伝えるために使用され得る。多くの実装形態では、コンピュータ可読媒体は物理記憶媒体および/または有形記憶媒体である。このような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形を成してよい。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、コンパクトディスク(CD)もしくはデジタル多用途ディスク(DVD)などの磁気媒体および/または光媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、フラッシュEPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、以降で説明されるような搬送波、または、コンピュータが命令および/またはコードを読み出すことができる任意の他の媒体を含む。コンピュータプログラム製品は、手順、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、アプリケーション(アプリ)、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、または、命令、データ構造、またはプログラム文の任意の組合せを表すことができるコードおよび/または機械実行可能命令を含んでよい。
【0108】
本明細書に説明されるメッセージを通信するために使用される情報および信号がさまざまな種々の技術および技法のいずれかを使用して表され得ることを、当業者は理解するであろう。例えば、上記の説明全体を通して言及され得る、データ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはこれらの任意の組合せによって表され得る。
【0109】
本明細書で使用されるような用語、「および(and)」および「または(or)」は、このような用語が使用される文脈に少なくとも部分的に左右されることも予想されるさまざまな意味を含み得る。典型的には、A、B、また、Cのようなリストを関連付けるために使用される場合の「または(or)」は、本明細書において排他的な意味で使用されるA、B、またはCと共に、本明細書において包含的な意味で使用されるA、B、およびCを意味することが意図されている。さらに、本明細書で使用されるような「1つまたは複数の」という用語は、単数形の任意の特徴、構造、または特性を説明するために使用され得る、または、特徴、構造、または特性の何らかの組合せを説明するために使用され得る。しかしながら、これは単に例示的な例であり、特許請求される主題はこの例に限定されないことは留意されるべきである。さらに、A、B、または、Cのようなリストを関連付けるために使用される場合の「少なくとも1つの」という用語は、A、AB、AC、BC、AA、ABC、AAB、AABBCCCなどのようなA、B、および/またはCの任意の組合せを意味するように解釈可能である。
【0110】
さらに、ある特定の実施形態がハードウェアおよびソフトウェアの特定の組合せを使用して説明されているが、ハードウェアおよびソフトウェアの他の組合せも可能であることは認識されるべきである。ある特定の実施形態は、ハードウェアのみで、またはソフトウェアのみで、またはこれらの組合せを使用して実装されてよい。1つの例では、ソフトウェアは、本開示に説明されるステップ、動作、またはプロセスのいずれかまたは全てを行うために1つまたは複数のプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムコードまたは命令を含有するコンピュータプログラム製品で実装されてよく、ここで、コンピュータプログラムは非一時的なコンピュータ可読媒体上に記憶されてよい。本明細書に説明されるさまざまなプロセスは、同じプロセッサ上に、または種々のプロセッサの任意の組合せで実装可能である。
【0111】
デバイス、システム、構成要素、またはモジュールがある特定の動作または機能を行うように構成されるとして説明される場合、このような構成は、例えば、動作を行うように電子回路を設計することによって、コンピュータ命令またはコードを実行するなどによって動作を行うための(マイクロプロセッサなどの)プログラム可能電子回路、または非一時的なメモリ媒体上に記憶されるコードまたは命令を実行するようにプログラミングされるプロセッサもしくはコアをプログラミングすることによって、またはこれらの任意の組合せによって、成し遂げられ得る。プロセスは、プロセス間通信のための従来の技法を含むがこれに限定されないさまざまな技法を使用して通信でき、異なるプロセス対が異なる技法を使用してよい、または、同じプロセス対がその時々で異なる技術を使用してよい。
【0112】
本明細書および図面は、それに応じて、限定的意味ではなく例示的意味でみなされるべきである。しかしながら、特許請求の範囲に示されるようなより広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、追加、代用、削除、ならびに他の改良および変更がなされてよいことは明らかであろう。よって、具体的な実施形態が説明されているが、これらは限定することを意図するものではない。さまざまな改良および等価物は以下の特許請求の範囲内にあるとする。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図9D