(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】パイロット弁、パイロット弁取付アセンブリ及び切換弁群
(51)【国際特許分類】
F16K 31/06 20060101AFI20230816BHJP
【FI】
F16K31/06 305J
F16K31/06 305L
F16K31/06 305E
(21)【出願番号】P 2021556298
(86)(22)【出願日】2019-11-16
(86)【国際出願番号】 CN2019119007
(87)【国際公開番号】W WO2020215705
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-11-15
(31)【優先権主張番号】201920580853.5
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920621137.7
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920621120.1
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】陳 建軍
(72)【発明者】
【氏名】孫 俊杰
(72)【発明者】
【氏名】劉 海波
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-057977(JP,A)
【文献】特開2017-025986(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0242987(US,A1)
【文献】特開2016-136068(JP,A)
【文献】特開2010-112437(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/00-11/24
27/00-27/12
31/06-31/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導管(10)と、
前記導管(10)内に収容されているパイロット弁座(20、20a)と、
前記導管(10)内に収容され、且つ前記パイロット弁座(20、20a)の一側に位置するコアアセンブリ(30)と、
コアアセンブリ(30)に固定接続され、且つパイロット弁座(20、20a)に摺動接続されており、コアアセンブリ(30)に追従して導管(10)内部を往復摺動可能なブラケットアセンブリ(50)と、
を含む、パイロット弁(100)であって、
前記パイロット弁(100)はカラー(40、40a)を更に含み、前記カラー(40、40a)は、前記パイロット弁座(20、20a)と前記コアアセンブリ(30)との間に位置する前記導管(10)内に収容され、
前記パイロット弁座(20、20a)の前記コアアセンブリ(30)に向いている端面に当接支持されている第1接続部(41、41a)と、前記第1接続部(41、41a)に接続されている第2接続部(42、42a)とを含み、前記第2接続部(42、42a)は、前記パイロット弁座(20、20a)と対向するように、前記コアアセンブリ(30)から離れる方向に前記第1接続部(41、41a)から伸びており、
前記パイロット弁座(20、20a)は、前記カラー(40、40a)を当接支持して、前記カラー(40、40a)を介して前記コアアセンブリ(30)を位置決めする、パイロット弁(100)。
【請求項2】
前記パイロット弁座(20)の前記コアアセンブリ(30)に向いている端面は、上から下に、上半部領域(23)及び下半部領域(24)に分けられ、前記上半部領域(23)は、前記コアアセンブリ(30)に向かって伸びて
おり、前記下半部領域(24)とずれを形成し、ずれた前記上半部領域(23)と前記下半部領域(24)との間には位置決め段差(22)が形成され、前記パイロット弁座(20)は、前記位置決め段差(22)によって前記カラー(40)
の第1接続部(41)に係合されている、請求項1に記載のパイロット弁。
【請求項3】
前記第1接続部(41)にはカラー開口(411)が
穿設され、前記位置決め段差(22)は前記カラー開口(411)の内壁に当接支持されている、請求項2に記載のパイロット弁。
【請求項4】
前記パイロット弁座(20a)の前記コアアセンブリ(30)に向いている端面は平面であり、前記パイロット弁座(20a)は、前記コアアセンブリ(30)に向いている端面を介して前記カラー(40a)
の第1接続部(41a)を当接支持する、請求項1に記載のパイロット弁。
【請求項5】
カラー(40a)は、
さらに第3接続部(43)を含み、前記第2接続部(42a)は、前記第1接続部(41a)と前記第3接続部(43)との間に接続され、前記第1接続部(41a)、第2接続部(42a)、及び第3接続部(43)は、前記パイロット弁座(20a)と係合する収容領域(44)を形成し、前記パイロット弁座(20a)の一端は前記第1接続部(41a)を当接支持し、他端は前記第3接続部(43)を当接支持する、請求項4に記載のパイロット弁。
【請求項6】
前記第1接続部(41a)及び前記第3接続部(43)は、前記第2接続部(42a)に対して対称的に配置されている、請求項5に記載のパイロット弁。
【請求項7】
前記ブラケットアセンブリ(50)は、ブラケット(51)、スライダ(53)、及びリード(52、52a)を含み、前記ブラケット(51)は前記コアアセンブリ(30)に接続され、前記スライダ(53)は前記ブラケット(51)に設けられ、前記リード(52、52a)は、取付部(521)及び当接部(522)を含み、前記取付部(521)は前記ブラケット(51)に接続されており、前記当接部(522)は前記スライダ(53)を当接支持し、前記当接部(522)の前記スライダ(53)とは反対の他方の側面にはストッパ(523)が設けられており、前記ストッパ(523)は前記当接部(522)の縁に沿って湾曲又は屈曲して伸びる、請求項1に記載のパイロット弁。
【請求項8】
前記リード(52)には前記取付部(521)と前記当接部(522)とを接続するための接続部(524)が更に設けられ、前記接続部(524)は、前記当接部(522)と前記取付部(521)との間に傾いて接続されている、請求項7に記載のパイロット弁。
【請求項9】
前記ストッパ(523)は、前記当接部(522)が存在する平面に対して垂直に設けられている、請求項7に記載のパイロット弁。
【請求項10】
前記ストッパ(523)と前記当接部(522)とは一体成形構造であるか、又は、
前記ストッパ(523)と前記当接部(522)とは別体に設けられている、請求項7に記載のパイロット弁。
【請求項11】
前記当接部(522)の一方の側面には、前記スライダ(3)に向かって伸び、且つ前記スライダ(3)を押圧するために用いられる押圧部(222)が設けられている、請求項7に記載のパイロット弁。
【請求項12】
第1架台(300)、第2架台(400)、及び請求項1から11のいずれか一項に記載のパイロット弁(100)を含み、
前記第1架台(300)の一方側には、前記パイロット弁(100)に溶接固定される少なくとも1つの第1固定部(301)が設けられ、前記第1架台(300)の前記第1固定部(301)に対向する他方側には第1溶接面(23)が設けられ、前記第1溶接面(23)には位置決め
突起(303)が設けられ、
前記第2架台(400)の一方側には
、切換弁(201)に溶接固定される
ための少なくとも1つの第2固定部(401)が設けられ、前記第2架台(400)の前記第2固定部(401)に対向する他方側には第2溶接面(404)が設けられ、前記第2溶接面(404)には、位置決め
突起(303)を通過させるための位置決め孔(403)が
穿設され、
前記位置決め
突起(303)は前記位置決め孔(403)内に嵌め込まれ、且つ前記第1溶接面(23)は前記第2溶接面(404)に溶接固定されている、パイロット弁取付アセンブリ(202)。
【請求項13】
前記位置決め
突起(303)は楕円形をなし、前記位置決め孔(403)は前記位置決め
突起(303)に対応する楕円形孔である、請求項12に記載のパイロット弁取付アセンブリ(202)。
【請求項14】
前記第1固定部(301)の前記パイロット弁(100)が溶接固定される側の表面は第1接続面(302)であり、前記第1接続面(302)は、弧形をなし、パイロット弁(100)の管壁の外面とフィットし、及び/又は、
前記第2固定部(401)の前記切換弁(201)が溶接固定される側の表面は第2接続面(402)として定義され、前記第2接続面(402)は、弧形をなし、前記切換弁(201)の管壁の外面とフィットする、請求項12に記載のパイロット弁取付アセンブリ(202)。
【請求項15】
前記第1固定部(301)の数は3つ以上であり、3つ以上の前記第1固定部(301)は、2組に分かれて、前記位置決め
突起(303)の対向する両側にそれぞれ位置し、又は、
前記第2固定部(401)の数は3つ以上であり、3つ以上の前記第2固定部(401)は、2組に分かれて、前記位置決め孔(403)の対向する両側にそれぞれ位置する、請求項12に記載のパイロット弁取付アセンブリ(202)。
【請求項16】
前記第1架台(300)は、少なくとも1つの第1底板(305)、及び少なくとも2つの第1接続板(306)を含み、前記位置決め
突起(303)は前記第1底板(305)の一方側に固定され、前記第1底板(305)の前記位置決め
突起(303)とは反対の他方側は2つの前記第1接続板(306)に固定接続され、2つの前記第1接続板(306)には、2つの第1固定部(301)がそれぞれ固定されている、請求項12に記載のパイロット弁取付アセンブリ(202)。
【請求項17】
前記第2架台(400)は、少なくとも1つの第2底板(405)、及び少なくとも2つの第2接続板(406)を含み、前記位置決め孔(403)は前記第2底板(405)に
穿設され、前記第2底板(405)には2つの前記第2接続板(406)が固定され、2つの前記第2接続板(406)には、2つの前記第2固定部(401)がそれぞれ固定接続されている、請求項12に記載のパイロット弁取付アセンブリ(202)。
【請求項18】
切換弁(201)、及び前記切換弁に接続されるパイロット弁取付アセンブリを含む切換弁群(200)であって、前記パイロット弁取付アセンブリは、請求項1
2から1
7のいずれか一項に記載のパイロット弁取付アセンブリ(202)である、切換弁群(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本出願は、2019年4月25日に出願された、出願番号が201920621120.1であり、名称が「パイロット弁のコア位置決め構造及び電磁四方切換弁」である中国特許出願、2019年4月30日に出願された、出願番号が201920621137.7であり、名称が「パイロット弁及び主弁の固定構造、並びに電磁四方切換弁」である中国特許出願、2019年4月25日に出願された、出願番号が201920580853.5であり、名称が「四方弁のパイロット弁」である中国特許出願の優先権を請求しており、その全文は参照としてここに援用される。
【0002】
[002] 本出願は流体制御の技術分野に関し、特に、パイロット弁、パイロット弁取付アセンブリ及び切換弁群に関する。
【背景技術】
【0003】
[003] 切換弁群は、冷却システムにおける重要な部材であり、切換弁群中の切換弁は、通常、パイロット弁の補助制御の作用下で、自身の媒体流路に対する切換作用によって、冷却システムの加熱及び冷却機能に対する切り換えを実現する。しかし、現在の切換弁群は、多くの性能において冷却システムの全ての要件を満たすことができない。例えば、切換弁群中のパイロット弁は、製造コストが依然として比較的高く、寿命も比較的短い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[004] これを考慮すると、製造コストが低く、寿命が延長されて、幅広い用途が見込まれる改良されたパイロット弁、パイロット弁取付アセンブリ及び切換弁群を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[005] 本出願は、
[006] 導管と、
[007] 導管内に収容されるパイロット弁座と、
[008] 導管内に収容され、且つパイロット弁座の一方側に位置するコアアセンブリと、
[009] コアアセンブリに固定接続され、且つパイロット弁座に摺動接続され、コアアセンブリを追従して、導管内で往復摺動することができるブラケットアセンブリと、を含むパイロット弁であって、
[010] パイロット弁はカラーを更に含み、カラーは、パイロット弁座とコアアセンブリとの間に位置する導管内に収容され、パイロット弁座は、カラーを当接支持して、カラーを介してコアアセンブリを位置決めするパイロット弁を提供する。
【0006】
[011] 更に、パイロット弁座のコアアセンブリに向いている端面は、上から下に、上半部領域及び下半部領域に分けられ、上半部領域は、コアアセンブリに向かって伸びて、下半部領域とずれを形成し、ずれた上半部領域と下半部領域との間には位置決め段差が形成され、パイロット弁座は、位置決め段差によってカラーに係合される。
【0007】
[012] 更に、カラーは、第1接続部、及び第1接続部に接続される第2接続部を含み、第1接続部にはカラー開口が開設され、位置決め段差はカラー開口の内壁に当接支持される。
【0008】
[013] 更に、パイロット弁座のコアアセンブリに向いている端面は平面であり、パイロット弁座は、コアアセンブリに向いている端面を介してカラーを当接支持する。
【0009】
[014] 更に、カラーは、第1接続部、第2接続部、及び第3接続部を含み、第2接続部は、第1接続部と第3接続部との間に接続され、第1接続部、第2接続部、及び第3接続部は、パイロット弁座と係合する収容領域を形成し、パイロット弁座の一端は第1接続部を当接支持し、他端は第3接続部を当接支持する。
【0010】
[015] 更に、第1接続部及び第3接続部は、第2接続部に対して対称的に分布される。
【0011】
[016] 更に、ブラケットアセンブリは、ブラケット、スライダ、及びリードを含み、ブラケットはコアアセンブリに接続され、スライダはブラケットに設けられ、リードは取付部及び当接部を含み、取付部はブラケットに接続され、当接部はスライダを当接支持し、当接部のスライダとは反対の他方の側面にはストッパが設けられ、ストッパは当接部の縁に沿って湾曲又は屈曲して伸びる。
【0012】
[017] 更に、リード上には取付部と当接部とを接続するための接続部が更に設けられ、接続部は、当接部と取付部との間に傾いて接続される。
【0013】
[018] 更に、ストッパは、当接部が存在する平面に対して垂直に設けられる。
【0014】
[019] 更に、ストッパと当接部とは一体成形構造であるか、又は、
[020] ストッパと当接部とは別体に設けられる。
【0015】
[021] 更に、当接部の一方の側面には、スライダに向かって伸び、且つスライダを押圧するために用いられる押圧部が設けられる。
【0016】
[022] 本出願は、第1架台、第2架台、及び上記のいずれか一項に記載のパイロット弁を含み、
[023] 第1架台の一方側には、パイロット弁に溶接固定される少なくとも1つの第1固定部が設けられ、第1架台の第1固定部に対向する他方側には第1溶接面が設けられ、第1溶接面には位置決め突起が設けられ、
[024] 第2架台の一方側には、切換弁に溶接固定される少なくとも1つの第2固定部が設けられ、第2架台の第2固定部に対向する他方側には第2溶接面が設けられ、第2溶接面には、位置決め突起を通過させるための位置決め孔が開設され、
[025] 位置決め突起は位置決め孔内に嵌め込まれ、且つ第1溶接面は第2溶接面に溶接固定される、パイロット弁取付アセンブリを更に提供する。
【0017】
[026] 更に、位置決め突起は楕円形をなし、位置決め孔は位置決め突起に対応する楕円形孔である。
【0018】
[027] 更に、第1固定部のパイロット弁が溶接固定される側の表面は第1接続面であり、第1接続面は、弧形をなし、パイロット弁の管壁の外面とフィットし、及び/又は、
[028] 第2固定部の切換弁が溶接固定される側の表面は第2接続面として定義され、第2接続面は、弧形をなし、切換弁の管壁の外面とフィットする。
【0019】
[029] 更に、第1固定部の数は3つ以上であり、3つ以上の第1固定部は、2組に分かれて、位置決め突起の対向する両側にそれぞれ位置し、又は、
[030] 第2固定部の数は3つ以上であり、3つ以上の第2固定部は、2組に分かれて、位置決め孔の対向する両側にそれぞれ位置する。
【0020】
[031] 更に、第1架台は、少なくとも1つの第1底板、及び少なくとも2つの第1接続板を含み、位置決め突起は第1底板の一方側に固定され、第1底板の位置決め突起とは反対の他方側は2つの第1接続板に固定接続され、2つの第1接続板には2つの第1固定部がそれぞれ固定される。
【0021】
[032] 更に、第2架台は、少なくとも1つの第2底板、及び少なくとも2つの第2接続板を含み、位置決め孔は第2底板に開設され、第2底板には2つの第2接続板が固定され、2つの第2接続板には、2つの第2固定部がそれぞれ固定接続される。
【0022】
[033] 本出願は、切換弁、及び切換弁に接続されるパイロット弁取付アセンブリを含む切換弁群であって、パイロット弁取付アセンブリは、上記のいずれか一項に記載のパイロット弁取付アセンブリである、切換弁群を更に提供する。
【0023】
[034] 本出願によって提供されるパイロット弁は、コアアセンブリとパイロット弁座との間にカラーが増設されることによって、カラーのカラー開口の内壁を利用して、コアアセンブリの位置決めに対して案内作用を発揮して、コアアセンブリを組み立てる際の位置決めの精度を高めた。同時に、長期にわたる作業過程において、コアアセンブリとパイロット弁座との間で直接接触が発生することを防ぐとともに、一定の緩衝作用を発揮することができ、コアアセンブリの位置決めの安定性を確保し、使用寿命を延長させた。
【0024】
[035] 本発明の上記及び他の有益な効果は、次の説明において更に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】[036] 本出願の第1の実施態様におけるパイロット弁の断面構成模式図である。
【
図2】[037]
図1に示すパイロット弁座の立体構成模式図である。
【
図3】[038]
図1に示すパイロット弁におけるカラーの構成模式図である。
【
図4】[039] 本出願の第2の実施態様におけるパイロット弁の構成模式図である。
【
図5】[040]
図4に示すパイロット弁におけるカラーの立体構成模式図である。
【
図6】[041] 本出願の第3の実施態様におけるパイロット弁の構成模式図である。
【
図7】[042]
図6に示すパイロット弁におけるリードの立体構成模式図である。
【
図8】[043]
図6に示すリードの別の視角での立体構成模式図である。
【
図9】[044] 本出願の第4の実施態様におけるパイロット弁で採用されたリードの立体構成模式図である。
【
図10】[045] 本出願によって提供される切換弁群の構成模式図である。
【
図11】[046]
図10に示す切換弁群における第1架台の構成模式図である。
【
図12】[047]
図10に示す切換弁群における第2架台の構成模式図である。
【
図13】[048] 本出願の第5の実施態様における切換弁群の構成模式図である。
【
図14】[049] 本出願の第6の実施態様における切換弁群の構成模式図である。
【0026】
[050] 100 パイロット弁、10 導管、20 パイロット弁座、20a パイロット弁座、21 パイロット弁口、22 位置決め段差、23 上半部領域、24 下半部領域、30 コアアセンブリ、31 コア、32 吸引子、33 弾性要素、40 カラー、40a カラー、41 第1接続部、42 第2接続部、41a 第1接続部、42a 第2接続部、411 カラー開口、43 第3接続部、44 収容領域、50 ブラケットアセンブリ、51 ブラケット、52 リード、53 スライダ、54 固定座、521 取付部、522 当接部、523 ストッパ、524 接続部、525 押圧部、52a リード、523a ストッパ、522a 当接部、60 毛細管アセンブリ、61 E毛細管、62 S毛細管、63 C毛細管、64 D毛細管、200 切換弁群、201 切換弁、202 パイロット弁取付アセンブリ、300 第1架台、301 第1固定部、304 第1溶接面、303 位置決め突起、305 第1底板、306 第1接続板、302 第1接続面、400 第2架台、401 第2固定部、404 第2溶接面、403 位置決め孔、405 第2底板、406 第2接続板、402 第2接続面、301a 第1固定部、401a 第2固定部、301b 第1固定部、401b 第2固定部。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[051] 以下、本出願の実施例における図面を参照して本出願の実施例における技術態様について明確且つ完全に説明するが、説明される実施例は本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力なしに得られる全ての他の実施例は、何れも本出願の保護の範囲に属する。
【0028】
[052] なお、アセンブリが別のアセンブリに「組み込まれる」とされる場合、別のアセンブリに直接組み込まれてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが存在してもよい。1つのアセンブリが別のアセンブリに「設けられる」とみなされる場合、別のアセンブリに直接設けられてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが同時に存在してもよい。1つのアセンブリが別のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、別のアセンブリに直接固定されてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが同時に存在してもよい。
【0029】
[053] 特に定義しない限り、本文で使用される全ての技術や科学用語は、本出願の当業者によって一般に理解される意味と同じである。本文において、本出願の明細書に使用される用語は、単に実施例の目的を具体的に説明するためのものであり、本出願を制限するものではない。本文で使用される「又は/及び」という用語は、関連する項目の任意及び全ての組み合わせを1つ又は複数含む。
【0030】
[054] 本出願は、外部制御弁の開閉を駆動するためのパイロット弁100を提供する。
【0031】
[055] 本実施態様において、パイロット弁100は冷却システムに適用され、この場合の外部制御弁は冷却システム中の切換弁であり、パイロット弁100は、冷却システム中の切換弁に対するパイロット式制御によって、切換弁を駆動して自身の動作状態を変えて、冷却システム中の冷媒の流れ方向を切り換える。
【0032】
[056] 他の実施態様において、パイロット弁100は冷却システム以外の管路システムに適用されてもよく、この管路システムに本出願によって提供されるパイロット弁100が適用可能であればよいことが理解され得る。
【0033】
[057] 具体的には、パイロット弁100は、導管10、パイロット弁座20、コアアセンブリ30、カラー40、ブラケットアセンブリ50、及び毛細管アセンブリ60を含む。パイロット弁座20、コアアセンブリ30、カラー40、及びブラケットアセンブリ50は何れも導管10の内部に設けられ、パイロット弁座20とコアアセンブリ30とは、対向して設けられ、且つ導管10及び毛細管アセンブリ60に固定接続され、カラー40は、パイロット弁座20とコアアセンブリ30との間に設けられ、ブラケットアセンブリ50はコアアセンブリ30に固定接続され、毛細管アセンブリ60は、導管10に固定接続され、且つ外部切換弁に連通される。
【0034】
[058] 導管10は、パイロット弁座20、コアアセンブリ30、カラー40、及びブラケットアセンブリ50を収容するためのものであり、パイロット弁座20は、毛細管アセンブリ60を固定し、且つブラケットアセンブリ50の一部を支えるためのものであり、コアアセンブリ30は、ブラケットアセンブリ50を動かして往復摺動させるためのものであり、カラー40は、コアアセンブリ30を位置決めし、且つコアアセンブリ30とパイロット弁座20との間の直接的な衝突を回避するためのものであり、ブラケットアセンブリ50は、毛細管アセンブリ60内の流体媒体の動作状態を制御及び調節するためのものである。
【0035】
[059] コアアセンブリ30が電源オフ状態と非通電状態とで切り換えられる場合、コアアセンブリ30の導管10内での往復摺動によってブラケットアセンブリ50が動かされて導管10内で同様に往復摺動され、ブラケットアセンブリ50のパイロット弁座20上での位置変化によって毛細管アセンブリ60内の異なる毛細管の流通関係が変化されることによって、流体媒体の流通方向に対する変更及び外部切換弁の状態の調節に対する駆動を実現する。
【0036】
[060] 本実施例において、導管10は、横断面が環状をなす管体であり、導管10の内部は、中空であり、且つ円筒状をなし、導管10はステンレス材料からなる。他の実施態様において、導管10の横断面は、正方形等の環状以外の他の形状を採用してもよく、導管10の材質は、黄銅等のステンレス以外の他の材料を採用してもよく、この導管10の形状及び材質はパイロット弁100の基本的な機能の実現に影響しなければよいことが理解され得る。
【0037】
[061] また、
図2を参照すると、
図2は、
図1に示すパイロット弁座20の立体構成模式図である。パイロット弁座20は、導管10の内壁に突き当てられ、且つ毛細管アセンブリ60に固定接続される。パイロット弁座20には複数のパイロット弁口21が開設され、パイロット弁口21は毛細管アセンブリ60中の毛細管に連通され、ブラケットアセンブリ50がパイロット弁座20の表面で摺動し続けると、ブラケットアセンブリ50は、異なるパイロット弁口21が連通されるようにすることができることによって、毛細管アセンブリ60中の異なる毛細管を連通させ、更には、毛細管アセンブリ60内の流体媒体に対する制御機能を実現する。
【0038】
[062] 本実施態様において、パイロット弁口21の数は3つであり、3つのパイロット弁口21の間は間隔をおいて設けられる。他の実施態様において、パイロット弁口21の数は、作業条件によって、3つ超の数に調整してもよいことが理解され得る。
【0039】
[063] パイロット弁座20は、横断面が略半円形をなし、縦断面が略矩形をなす。本実施例において、導管10との適合性を高めるために、パイロット弁座20もステンレス材料からなる。勿論、他の実施態様において、パイロット弁座20は、黄銅等のステンレス以外の他の材料を採用してもよい。
【0040】
[064] 本実施態様において、パイロット弁座20のコアアセンブリ30に比較的に近い端面は、上から下に、上半部領域23及び下半部領域24に分けられ、上半部領域23は、コアアセンブリ30に向かって伸びて、下半部領域24とずれを形成し、ずれた上半部領域23と下半部領域24との間には位置決め段差22が形成される。
【0041】
[065] 本実施態様によって提供されるパイロット弁座20における位置決め段差22は、パイロット弁座20の上半部領域23と下半部領域24とがずれて形成され、位置決め段差22を導管10の内壁又は弁体(従来の構造では、導管10と別体に設けられ、且つ毛細管アセンブリ50を支えるために用いられる部材)の内壁に直接突出して設ける態様と比べて、弁体自身の加工の難易度を効率的に低減させるとともに、位置決め段差22の加工をパイロット弁座20の加工に直接頼らせることができ、例えば、打抜成形等のプロセスを採用することができ、便利なだけでなく、加工効率も高めることができる。
【0042】
[066] コアアセンブリ30は、コア31、吸引子32、及び弾性要素33を含み、コア31は、導管10の内壁に突き当てられ、且つブラケットアセンブリ50に接続され、弾性要素33の一端は吸引子32に当接支持され、他端はコア31に当接支持される。
【0043】
[067] 吸引子32が通電状態にある場合、吸引子32は、自身の磁力によってコア31を吸引して、弾性要素33の抵抗を克服して吸引子32に向かって移動させ、このとき、コア31がブラケットアセンブリ50を一緒に動かして、吸引子32に向かって移動させて、ブラケットアセンブリ50が吸引子32に近づく方向に向かってパイロット弁座20上で摺動するように表される。
【0044】
[068] 吸引子32が非通電状態にある場合、弾性要素33の圧迫されてからの反発は、コア31を駆動して吸引子32から離れる方向に向かって移動させることができ、このとき、コア31がブラケットアセンブリ50を一緒に動かして、吸引子32から離れる方向に向かって移動させて、ブラケットアセンブリ50が吸引子32から離れる方向に向かってパイロット弁座20上で摺動するように見せる。
【0045】
[069] 本実施態様において、弾性要素33はバネである。他の実施態様において、弾性要素33は、弾性ボール等のバネ以外の他の要素であってもよいことが理解され得る。
【0046】
[070] また、
図3を参照すると、
図3は、
図1に示すパイロット弁100におけるカラー40の構成模式図である。カラー40は、導管10のパイロット弁座20とコアアセンブリ30との間の部分に収容され、カラー40は、互いに接続された第1接続部41及び第2接続部42を含む。
【0047】
[071] 第1接続部41は、本体の横断面が環状をなす環状体であり、第1接続部41と導管10の内壁との間は溶接等の方法によって互いに固定されてもよく、第1接続部41の中央には中空のカラー開口411が開設され、且つ第1接続部41は、水平方向に沿って、上部カラー領域及び下部カラー領域に等分される。
【0048】
[072] 本実施態様において、第1接続部41の下部カラー領域は、位置決め段差22の外縁に係合固定され、且つパイロット弁座20のずれた上半部領域23が環状体のカラー開口411内に挿入されるようにし、これは、係合リング及び環状の係合ブロックの構造に類似する。
【0049】
[073] 本実施態様において、第1接続部41は環状である。第1接続部41とパイロット弁座20と位置決め段差22との間の組み立てに影響を及ぼさない限り、第1接続部41は、四角い環状等の他の形状であってもよい。
【0050】
[074] 本実施態様において、第2接続部42は、本体が半円筒状をなす筒体である。第2接続部42は、パイロット弁座20の頂部に対面して設けられ、且つ溶接等の方法によって導管10の管壁に固定されることによって、全体の安定性を高めることができる。第2接続部42は、第1接続部41の上部カラー領域に固定され、且つコアアセンブリ30から比較的に離れた側に位置する。
【0051】
[075] 本実施態様における第1接続部41と第2接続部42との間の接続方法は、一体式の打抜成形であってもよく、別体式の溶接固定であってもよく、カラー40と位置決め段差22との間の組み立てに影響を及ぼさない限り、他の接続方法であってもよい。
【0052】
[076] 組み立てる際に、先に、位置決め段差22を有するパイロット弁座20を導管10内に取り付けた後、カラー40と位置決め段差22とを組み立て、更に、第1接続部41の下部カラー領域を位置決め段差22の外縁に近づけた後、パイロット弁座20の上半部領域23を第1接続部41のカラー開口411内に挿入して、第1接続部41と位置決め段差22との係合固定を完成させた後、カラー40と導管10との間を溶接等の方法で固定し、更に、次の他の各部材の間の組み立てを行うことができる。
【0053】
[077] ブラケットアセンブリ50は、コアアセンブリ30に固定され、且つほぼ導管10の軸方向に沿ってパイロット弁座20まで伸びる。ブラケットアセンブリ50は、ブラケット51、リード52、スライダ53、及び固定座54を含み、ブラケット51の一端はコア31に固定接続され、スライダ53及び固定座54は、何れもブラケット51に嵌合され且つ固定接続され、リード52の一端は、ブラケット51と固定座54との間に挟設され、他端は、固定座54の押え作用下でスライダ53の表面に突き当てられることによって、スライダ53をパイロット弁座20の表面に押し当てる。
【0054】
[078] コア31の導管10内での往復摺動は、ブラケット51を介してスライダ53を動かしてパイロット弁座20上で摺動させ、スライダ53がパイロット弁座20上で摺動すると、スライダ53に開設された貫通孔は、毛細管アセンブリ60中の異なる毛細管を連通させる。
【0055】
[079] 本実施態様において、スライダ53は、開口が下向きのスライドボウルである。他の実施態様において、スライダ53は、図示される以外の他の構造を採用してもよく、スライダ53が異なる毛細管の間の連通を実現することができればよい。
【0056】
[080] 毛細管アセンブリ60は、毛細管を4つ含み、それぞれ、E毛細管61、S毛細管62、C毛細管63、及びD毛細管64である。これに対応して、パイロット弁座20には、E毛細管61、S毛細管62、及びC毛細管63のそれぞれに対応するE毛細管接続口、S毛細管接続口、及びC毛細管接続口がそれぞれ開設される。D毛細管64は、導管10のコアアセンブリ30から離れた一端に挿入して接続され、且つ導管10内に連通されて、D毛細管64をより導管10に適合する管形状にする。
【0057】
[081] 本出願は、毛細管の具体的な数に対する制限はなく、毛細管の具体的な数は、実際の製造需要に応じて選択することができる。
【0058】
[082] パイロット弁100は、吸引子32が電源オフの場合に、弾性要素33がコア31を動かして位置決め段差22に向かって摺動させて、カラー40に接触させ、このとき、カラー40の第1接続部41は、コア31に対して一定の緩衝作用を発揮するとともに、コア31と位置決め段差22とが直接接触して損傷することを防ぐ。これと同時に、コア31は、ブラケット51及びスライダ53を動かして位置決め段差22に向かって摺動させて、E毛細管61とS毛細管62とを連通させ、且つC毛細管63とD毛細管64とを連通させる。
【0059】
[083] パイロット弁100は、吸引子32が通電される場合に、吸引子32がコア31を吸引して位置決め段差22から離れる方向に向かって摺動させて、カラー40の第1接続部41とコア31とを分離させ、コア31がブラケット51及びスライダ53を動かして位置決め段差22から離れる方向に向かって摺動させて、S毛細管62とC毛細管63とを連通させ、且つE毛細管61とD毛細管64とを連通させる。
【0060】
[084] 本出願の第1の実施態様によって提供されるパイロット弁100は、パイロット弁座20、コアアセンブリ30の両方を同一の導管10内に収容することによって、装置全体の体積を小さくし、加工難易度及び製造コストを低減させた。同時に、従来のパイロット弁における弁体と導管との間の溶接密封性が悪いという問題が発生することも回避した。
【0061】
[085] 同時に、位置決め段差22をパイロット弁座20に設けて、加工難易度を効率的に低減させた。同時に、コアアセンブリ30とパイロット弁座20との間にカラー40が増設されることによって、カラー40のカラー開口411の内壁を利用して、コアアセンブリ30の位置決めに対して案内作用を発揮して、コアアセンブリ30を組み立てる際の位置決めの精度を高めた。同時に、長期にわたる作業過程において、コアアセンブリ30とパイロット弁座20との間で直接接触が発生することを防ぐとともに、一定の緩衝作用を発揮することができ、コアアセンブリ30の位置決めの安定性を確保し、使用寿命を延長させた。
【0062】
[086] また、
図4及び
図5を参照すると、
図4は、本出願の第2の実施態様におけるパイロット弁100の構成模式図であり、
図5は、
図4に示すパイロット弁100におけるカラー40aの立体構成模式図である。
【0063】
[087] 本出願の第2の実施態様は、本出願の第1の実施態様と比べて、本出願の第2の実施態様におけるパイロット弁座20a及びカラー40aが本出願の第1の実施態様におけるパイロット弁座20及びカラー40と異なる点で区別される。
【0064】
[088] 本出願の第2の実施態様におけるパイロット弁座20aは、コアアセンブリ30に向いている端面の上半部領域23及び下半部領域24が同程度に伸び、且つパイロット弁座20aの上半部領域23と下半部領域24との延在長さが同じである。即ち、パイロット弁座20aには位置決め段差22がもはや存在せず、パイロット弁座20aのコアアセンブリ30に向いている端面は平面であり、このとき、パイロット弁座20aは、上半部領域23及び下半部領域24(即ち、コアアセンブリ30に向いている端面)を介してカラー40aを同時に当接支持する。
【0065】
[089] 同時に、カラー40a内には第3接続部43が1つ増設されている。第3接続部43は、横断面が環状をなし、且つ第1接続部41aと略一致する環状体である。第3接続部43は、第2接続部42aの第1接続部41aから離れた側に固定される。
【0066】
[090] 本実施態様において、第3接続部43は環状であり、四角い環状であってもよく、第3接続部43が自身とパイロット弁座20aとの間の組み立てに影響を及ぼさない限り、他の形状であってもよい。第3接続部43及び第1接続部41aは、形状及びサイズが一致することが好ましい。
【0067】
[091] 第1接続部41a、第2接続部42a、及び第3接続部43は、互いに接続されて、パイロット弁座20aと係合する収容領域44を形成する。このとき、カラー40aは、全体として、左右対称の構造であり、安定性がより高い。第1接続部41a、第2接続部42a、及び第3接続部43が接続されて構成される収容領域44と、本出願の第2の実施態様におけるパイロット弁座20aとは、互いにより良く係合され、パイロット弁座20aとカラー40aとの間に相対的な摺動が発生することを防ぐことができる。
【0068】
[092] 本実施態様における第1接続部41aと、第2接続部42aと、第3接続部43との間の接続方法は、一体式の打抜成形であってもよく、別体式の溶接固定であってもよく、カラー40aとパイロット弁座20aとの間の組み立てに影響を及ぼさない限り、他の接続方法であってもよい。
【0069】
[093] 本出願の第2の実施態様によって提供されるパイロット弁100は、パイロット弁座20aのカラー40aに対する当接支持、及びカラー40aのコアアセンブリ30に対する当接支持によって、コアアセンブリ30を位置決めし、カラー40aの位置決め機能を利用して、弁体又は導管10の内壁にカムを突出して設ける必要性を同様に回避し、パイロット弁100の加工難易度を効率的に低減させた。
【0070】
[094] そして、カラー40aの対称的な構造は、パイロット弁座20aのカラー40a内における接続安定性を更に高め、使用寿命を延長させた。
【0071】
[095] また、
図6から
図8を参照すると、
図6は、本出願の第3の実施態様におけるパイロット弁100の構成模式図であり、
図7は、
図6に示すパイロット弁100におけるリード52の立体構成模式図であり、
図8は、
図6に示すリード52の別の視角での立体構成模式図である。
【0072】
[096] 本出願の第3の実施例で採用されたリード52は、本出願の
図6に示すパイロット弁100にしか適用されないが、本出願の第3の実施態様によって提供されるリード52は、本出願の第1の実施例(
図1)、及び第2の実施例(
図4)に適用することができることが理解され得る。
【0073】
[097] リード52は、取付部521及び当接部522を含み、取付部521とブラケット51とが接続され、当接部522の一方の側面は、スライダ53の頂部に接触して、スライダ53を押し付け、リード52は、一定の弾性を持ち、且つスライダ53が取付孔の軸線方向に沿って摺動して取付孔から脱離することを防ぐために用いられ、パイロット弁100が正常に動作することができるようにする。
【0074】
[098] リード52の作用及び経済効果をまとめて考えると、リード52の材質には、一般に弾性性能の良い金属が選択され、簡単な打抜き及び折り曲げによって薄肉状のリード52を形成することによって、リード52がスライダを押し付けて、スライダがブラケットから脱離することを防ぐこともでき、コストを節約して、経済効果を高めることもできる。
【0075】
[099] 当接部522のスライダ53とは反対側の側面にはストッパ523が更に設けられ、管路を流れる媒体の圧力が大きすぎると、媒体はスライダ53と衝突し、媒体のスライダ53と衝突する力がリード52のスライダ53を押し付ける力を超えると、スライダ53は、リード52を動かして導管10の内壁の方向に向かって移動し、媒体のスライダ53に作用する力が大きくなるにつれて、リード52上のストッパ523が導管10の内壁に当接されて、リード52の更なる移動を制限し、スライダ53が更に移動して、ブラケット51から脱離することを防ぐ。リード52と導管10の内壁とが当接する又は衝突する力が大きいと、ストッパ523は変形する可能性があり、これにより、リード52は、スライダ53がブラケット51から脱離することを制限する目的を失ってしまう。従って、ストッパ523は、当接部522の縁に沿って湾曲又は屈曲して伸び、このようにすることで、ストッパ523が湾曲又は屈曲して伸びる構造であることから、その構造の剛度は平らでまっすぐな薄肉構造より増加され、ストッパ523と導管10の内壁とが衝突する際に、ストッパ523の変形を効率的に減少させることができる。
【0076】
[0100] 本実施態様において、当接部522の縁部には弧形セグメントを有し、ストッパ523は、当接部522の縁に沿って湾曲して伸びることによって、当接部522に対して半囲み構造を形成し、更には、ストッパ523の強度を補強し、リード52が大きな衝撃力を受ける際に、ストッパ523と導管10の内壁とが衝突して、ストッパ523が屈曲する現象を防ぎ、リード52がスライダ53をより良く押し付けることに有利となり、更には、パイロット弁100が正常に動作するようにする。
【0077】
[0101] 本実施態様において、ストッパ523は、当接部522の隣接する3つの辺に沿って湾曲して伸びることによって、半囲み構造のストッパ523を形成しているが、他の実施態様において、ストッパ523は、当接部522の隣接する2つの辺に沿って湾曲して伸びて形成される半囲み構造、又は当接部522に対して形成される全囲み構造であってもよく、具体的な限定はされず、湾曲して伸びるストッパ523を設けることによって、ストッパ523の衝撃変形に対する剛度が補強されて、ストッパ523と導管10の内壁とが衝突する際に折り曲げが発生しなければよい。
【0078】
[0102] 更に、リード52は接続部524を更に含み、接続部524は、取付部521と当接部522との間に設けられ、接続部524の一端は取付部521に接続され、接続部524の他端は当接部522に接続され、接続部524は、取付部521と当接部522との間に傾いて接続されることによって、当接部522の水平位置を取付部521の水平位置より高くする。
【0079】
[0103] このように設けることで、当接部522をスライダ53に係合して押し付けることに有利となる。リード52が一定の弾性を持つため、媒体のスライダ53に作用する力が当接部522のスライダ53に作用する力より大きいと、リード52は弾性変形され、傾いて設けられた接続部524は、変形部位として、力の作用下で傾く度合が増すようになる。媒体のスライダ53に作用する力が徐々に小さくなって、当接部522のスライダ53に作用する力より小さくなると、変形された接続部524は元の形状に戻り、これにより、当接部522がスライダ53を常に押し付けることを実現して、スライダ53がブラケット51から脱離することを確実に防ぐ。
【0080】
[0104] 当接部522に設けられたストッパ523は、当接部522が存在する平面に対して基本的に垂直に設けられ、媒体の圧力が大きすぎるままスライダ53と衝突すると、スライダ53の衝撃力の影響を受けて、当接部522は上方に向かって押し上げられる。当接部522がある程度押し上げられた後に、ストッパ523と導管10の内壁とが当接され、ストッパ523は当接部522が存在する平面と基本的に垂直であるため、導管10の内壁がストッパ523に向かって力を加えるとき、ストッパ523には他の角度の屈曲が発生しにくく、パイロット弁100が正常に動作することに有利となる。
【0081】
[0105] 本実施態様において、ストッパ523は、当接部522によってフランジ形成された一体成形構造であるため、ストッパ523の加工が容易であり、大量生産に有利である。勿論、他の実施態様において、ストッパ523と当接部522とは別体構造であってもよく、ストッパ523は、当接部522に接着接続又は溶接固定され、具体的な限定はされない。
【0082】
[0106] 更に、リード52は、当接部522がスライダ53を押し付ける側に押圧部525を更に含み、当接部522は、押圧部525を介してスライダ53を押し付け、これは、当接部522がスライダ53に対してより良く力を加えることに有利となり、更には、スライダ53がブラケット51から脱離することを防ぐ。
【0083】
[0107] また、
図9を参照すると、
図9は、本出願の第4の実施態様におけるパイロット弁100で採用されたリード52aの立体構成模式図である。
【0084】
[0108] 本出願の第4の実施態様におけるリード52aの構造は、本出願の第3の実施態様におけるリード52と比べて、当接部522aの縁部は何れも直線セグメントであり、ストッパ523aは、当接部522aの縁部に沿って屈曲して伸び、ストッパ523aの強度を同様に補強することができ、ストッパ523aは屈曲する点で区別される。
【0085】
[0109] 勿論、ストッパ523aが、当接部522aの隣接する3つの辺に沿って屈曲して延在することは、同様に具体的な限定ではなく、他の実施態様において、上記のように、ストッパ523aは、当接部522aの隣接する2つの辺に沿って湾曲して延在し、当接部522aに対して形成された半囲み構造、又は当接部522aの縁部に沿って伸びる全囲み構造であってもよい。
【0086】
[0110] また、
図10から
図12を参照すると、
図10は、本出願によって提供される切換弁群200の構成模式図であり、
図11は、
図10に示す切換弁群200における第1架台300の構成模式図であり、
図12は、
図10に示す切換弁群200における第2架台400の構成模式図である。
【0087】
[0111] 切換弁群200は、切換弁201、及び切換弁201に取り付けるパイロット弁取付アセンブリ202を含む。パイロット弁取付アセンブリ202は、上記のパイロット弁100、第1架台300、及び第2架台400を含む。パイロット弁100は、第1架台300及び第2架台400を介して切換弁201に取り付けられる。
【0088】
[0112] 本出願によって提供される切換弁群200は、その切換弁201とパイロット弁100との間がもはや従来の機械的なかしめ構造ではなく、切換弁201は、第1架台300と第2架台400との間の嵌合によって、パイロット弁100との間の固定接続を実現し、従来の切換弁群200における、組み立てが困難であり、かしめがずれやすく、共振周波数が低いという技術的欠点を克服することができる。
【0089】
[0113] 第1架台300の一方側には、パイロット弁100を溶接するための少なくとも1つの第1固定部301が設けられ、第1架台300の第1固定部301に対向する他方側には第1溶接面304が設けられ、且つ第1溶接面304には位置決め突起303が設けられる。
【0090】
[0114] 第2架台400の一方側には、切換弁201を溶接するための少なくとも1つの第2固定部401が設けられ、第2架台400の第2固定部401に対向する他方側には第2溶接面404が設けられ、且つ第2溶接面404には、位置決め突起303を通過させるための位置決め孔403が開設される。
【0091】
[0115] ここで、位置決め突起303は位置決め孔403内に嵌め込まれ、且つ第1溶接面304は第2溶接面404に溶接固定される。他の実施例において、第1溶接面304と第2溶接面404とはレーザ溶接によって接続及び固定することができ、位置決め突起303は楕円形をなし、位置決め孔403も対応して楕円形孔である。
【0092】
[0116] 本出願によって提供されるパイロット弁取付アセンブリ202は、パイロット弁100及び切換弁201のそれぞれに対して架台を設計し、更に、対応する架台との溶接固定によってパイロット弁100と切換弁201との間の機械的なかしめ構造のない間接固定を実現することによって、従来の構造における、組み立てが困難であり、かしめがずれやすく、共振周波数が低いという技術的欠点を克服することができる。
【0093】
[0117] 第1固定部301とパイロット弁100の管壁の外面とがより良くフィットすることができるようにするために、第1固定部301のパイロット弁100が溶接固定される側の表面は第1接続面302として定義され、第1接続面302は、弧形をなし、パイロット弁100の管壁の外面とフィットする。
【0094】
[0118] 第2固定部401と切換弁201の管壁の外面とがより良くフィットすることができるようにするために、第2固定部401の切換弁201が溶接固定される側の表面は第2接続面402として定義され、第2接続面402は、弧形をなし、切換弁201の管壁の外面とフィットする。
【0095】
[0119] 本実施例において、第1固定部301の数は2つであり、2つの第1固定部301は、位置決め突起303に対向する両側にそれぞれ位置し、第2固定部401の数も2つであり、2つの第2固定部401は、位置決め孔403に対向する両側にそれぞれ位置する。勿論、第1固定部301の数は1つ以上であってもよく、第2固定部401の数も1つ以上であってもよい。
【0096】
[0120] 本実施例において、第1架台300は、第1底板305、2つの第1接続板306、2つの第1固定部301、及び位置決め突起303を含んでもよい。位置決め突起303は第1底板305の一方側に固定され、第1底板305の反対の他方側には2つの第1接続板306が固定される。2つの第1接続板306は、対向して第1底板305に設けられ、且つ2つの第1固定部301がそれぞれ固定されてもよい。
【0097】
[0121] 第2架台400は、第2底板405、2つの第2接続板406、2つの第2固定部401、及び位置決め孔403を含んでもよい。位置決め孔403は第2底板405に開設され、第2底板405には2つの第2接続板406が固定される。2つの第2接続板406は、対向して第2底板405に設けられ、且つ2つの第2固定部401がそれぞれ固定されてもよい。
【0098】
[0122] なお、パイロット弁と切換弁との固定構造の構造強度を高めるために、2つの架台は何れも一体成形構造を採用することができる。
【0099】
[0123] パイロット弁100と切換弁201とを固定する際には、以下のような実施ステップを採用することができる。
【0100】
[0124] 第1架台300とパイロット弁100とを、レーザ溶接、炉中ロウ付等の方法によって互いに溶接固定し、
[0125] 第2架台400と切換弁201とを、レーザ溶接、炉中ロウ付等の方法によって互いに溶接固定し、
[0126] 第1架台300の位置決め突起303を第2架台400の位置決め孔403内に組み込み、
[0127] 更に、第1架台300の第1溶接面304と第2架台400の第2溶接面404とをレーザ溶接等によって接続する。
【0101】
[0128] また、
図13を参照すると、
図13は、本出願の第5の実施態様における切換弁群200の構成模式図である。
【0102】
[0129] 本実施態様において、切換弁群200における第1架台300の第1固定部301aの数は1つであり、この第1固定部301aは、
図11における2つの第1固定部301が相対的に伸びて一体に形成されたものに相当する。このとき、第1固定部301aは、大きい面積でパイロット弁100に溶接されることができる。
【0103】
[0130] 同様に、第2架台400における第2固定部401aの数は1つであり、この第2固定部401aは、
図12における2つの第2固定部401が相対的に伸びて一体に形成されたものに相当する。このとき、第2固定部401aは、大きい面積でパイロット弁100に溶接されることができる。
【0104】
[0131] また、
図14を参照すると、
図14は、本出願の第6の実施態様における切換弁群200の構成模式図である。
【0105】
[0132] 本実施態様において、切換弁群200における第1架台300の第1固定部301bの数は3つであり、3つの第1固定部301bは、2組に分かれて、位置決め突起303の対向する両側にそれぞれ位置し、
[0133] 第2固定部401bの数も複数であり、複数の第2固定部401bは、2組に分かれて、位置決め孔403の対向する両側にそれぞれ位置する。
【0106】
[0134] 本出願によって提供されるパイロット弁取付アセンブリ202、及びこのパイロット弁取付アセンブリ202を有する切換弁群200は、切換弁201とパイロット弁100との間の安定した接続を実現することができ、従来の構造における、組み立てが困難であり、かしめがずれやすく、共振周波数が低いという技術的欠点を克服することができ、幅広い用途が見込まれる。
【0107】
[0135] 上述した実施例の各技術特徴は、任意の組み合わせが可能であり、説明を簡潔にするために、上記の実施例における各技術特徴の可能な組み合わせについては全て説明されていないが、これらの技術特徴の組み合わせに矛盾がない限り、何れも本明細書に記載された範囲とみなされるべきである。
【0108】
[0136] 当業者は、以上の実施態様は、本出願を説明するためのものにすぎず、本出願に対する限定として用いられるものではなく、本出願の実質的な精神の範囲内で、以上の実施態様についてなされた適度な変更及び変化は、何れも本出願が保護を求めている範囲内に入ることを認識すべきである。