(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】金属シート曲げ機
(51)【国際特許分類】
B21D 5/02 20060101AFI20230816BHJP
B21D 37/04 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
B21D5/02 G
B21D37/04 R
(21)【出願番号】P 2021565906
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(86)【国際出願番号】 IB2020054323
(87)【国際公開番号】W WO2020225761
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-01-05
(31)【優先権主張番号】102019000006656
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】507385752
【氏名又は名称】サルヴァニーニ イタリア エッセ.ピ.ア.
【氏名又は名称原語表記】SALVAGNINI ITALIA S.p.A.
【住所又は居所原語表記】VIA GUIDO SALVAGNINI, 51, I-36040 SAREGO (VI), ITALY
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ファリーナ,ジュリオ
(72)【発明者】
【氏名】メネゲッロ,ロベルト
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-074429(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0006635(US,A1)
【文献】特表2015-517407(JP,A)
【文献】米国特許第07168286(US,B1)
【文献】特表2018-515346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/02
B21D 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの支持ピン(65)を備え、曲げ方向(A)に沿って上部ツール保持クロスピース(4)上に位置合わせされ、相互に配置可能な上部曲げツール(61)の少なくとも1つのセット(60)を設けられ、それを支持する、前記上部ツール保持クロスピース(4)を含むパンチ手段(3)を備える金属シート用の曲げ機(1)であって、前記上部ツール保持クロスピース(4)にはガイド溝(14)が設けられ、前記ガイド溝(14)は、上部曲げツール(61)の前記少なくとも1つのセット(60)を受け入れるための第1の下部開口部(14c)によって底部において開口し、且つ、前記支持ピン(65)を受け入れて支持し、アセンブリ構成(W)において前記上部ツール保持クロスピース(4)にスライド可能に結合された上部曲げツール(61)の前記少なくとも1つのセット(60)を維持し、それによって、前記上部曲げツール(61)の離脱を阻止するように適合された側面支持溝(24)を備え、
- 前記
側面支持溝(24)は、上部曲げツール(61)の前記セット(60)のすべての前記上部曲げツール(61)を同時に、前記上部ツール保持クロスピース(4)から取り外し、および前記上部ツール保持クロスピース(4)へ挿入するために、前記支持ピン(65)を、前記
側面支持溝(24)から離脱させる、および前記
側面支持溝(24)と係合させることができるように、前記曲げ方向(A)に沿って一定長さ(L)を有する単一の第2の下部開口部(24a)を備え、
- 前記パンチ手段(3)は、前記曲げ方向(A)に沿って前記一定長さ(L)を有する単一の閉鎖要素(13)を備え、前記閉鎖要素(13)は、前記上部ツール保持クロスピース(4)に接続され、且つ、前記支持ピン(65)が前記
側面支持溝
(24)に係合されて当該
側面支持溝
(24)によって支持されたままにするために、当該閉鎖要素(13)が前記
側面支持溝(24)の前記第2の下部開口部(24a)を閉鎖する閉位置(C)と、前記閉鎖要素(13)が、前記第2の下部開口部(24a)から離間されており、前記第2の下部開口部(24a)を閉鎖せず、前記支持ピン(65)を離脱させる開位置(D)との間で、直線的に移動可能であることを特徴とする、曲げ機(1)。
【請求項2】
前記第2の下部開口部(24a)および前記閉鎖要素(13)の前記一定長さ(L)は、前記曲げ方向(A)に沿った上部曲げツール(61)の前記セット(60)の長さよりも長いか、または実質的に等しい、請求項1に記載の曲げ機(1)。
【請求項3】
前記閉鎖要素(13)を、前記閉位置(C)と前記開位置(D)との間で、特に、前記曲げ機(1)の支持面(M)に実質的に平行である開口方向(T)に沿って直線的に移動させるための第1の作動手段(23)を備える、請求項1または2に記載の曲げ機(1)。
【請求項4】
前記第1の作動手段は、加圧流体が供給され得る少なくとも1つの第1の弾性導管(23)を含み、前記第1の弾性導管(23)は、前記閉鎖要素(13)と前記上部ツール保持クロスピース(4)の内壁(4a)との間に配置され、前記閉鎖要素(13)を前記閉位置(C)から前記開位置(D)へ移動させることができるように、前記加圧流体が供給されると膨張するように構成されている、請求項3に記載の曲げ機(1)。
【請求項5】
前記ガイド溝(14)は、前記上部ツール保持クロスピース(4)の全長にわたって延びる、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の曲げ機(1)。
【請求項6】
前記パンチ手段(3)は、前記上部ツール保持クロスピース(4)に関連付けられ、且つ、前記上部曲げツールの、特に前記曲げ方向(A)に対する横方向および前記曲げ方向(A)に沿った長手方向の、あらゆる動きを阻止するために、前記上部曲げツール(61)を前記上部ツール保持クロスピースへロックするために選択的に作動可能なロック手段(40)を備える、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の曲げ機(1)。
【請求項7】
前記ロック手段(40)は複数のロック要素(41)を備え、前記ロック要素(41)は、移動可能であり、前記上部ツール保持クロスピース(4)に収容され、且つ、前記上部曲げツールのあらゆる動きを阻止するために、ロック構成(G)において、上部曲げツールの少なくとも前記セット(60)の前記上部曲げツール(61)に係合して上部曲げツールの少なくとも前記セット(60)の前記上部曲げツール(61)を前記ガイド溝(
14)内にブロックするように構成されている、請求項6に記載の曲げ機。
【請求項8】
前記ロック構成(G)と、前記ロック要素(
41)が、前記上部曲げツール(61)に係合せず、特に、前記上部曲げツール(61)のロック凹部(66)に当接して係合しない解放構成(H)との間で前記ロック要素(
41)を直線的に移動させるための第2の作動手段(25、26)を備える、請求項7に記載の曲げ機(1)。
【請求項9】
上部曲げツール(61)の前記少なくとも1つのセット(60)のうちの各上部曲げツール(61)は、前記ガイド溝(14)に挿入されるように構成された接続端(61a)と、ワークピースと相互作用するように適合された反対側の動作端(61b)とを備え、それぞれの前記支持ピン(65)は、前記接続端(61a)に固定され、前記接続端(61a)から横方向に突出し、特に、前記曲げ機(1)の支持面(M)に実質的に平行であり、且つ、前記曲げ方向(A)に直交するように構成されている、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の曲げ機(1)。
【請求項10】
上部曲げツール(61)の前記セット(60)は、所定数の上部曲げツール(61)を備え、上部曲げツールの複数の異なるセットのうちの1つと交換可能であり、特に、上部曲げツールの前記異なるセットは、前記曲げ機(1)のツールマガジン(10)に収容される、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の曲げ機(1)。
【請求項11】
前記曲げ機(1)の作動構成において前記上部ツール保持クロスピース(4)にスライド可能に結合された上部曲げツール(61)の複数のセット(60)を備え、ワークピースにそれぞれの機械加工を実行するように適合された曲げツールの一定の構成を形成するために、上部曲げツール(61)の前記複数のセット(60)のうちの前記上部曲げツール(61)は、前記曲げ方向(A)に沿って相互に配置可能であり、特に、上部曲げツール(61)の前記セット(60)は、交換可能である、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の曲げ機(1)。
【請求項12】
部品を機械加工するために前記パンチ手段(3)と相互作用するように構成されたダイ手段(5)を備え、特に、前記曲げ機(1)は、前記曲げ方向(A)に沿って整列且つ配置可能な、前記ダイ手段(5)の下部ツール保持クロスピース(6)に結合することができる、複数の下部曲げツール(51)を備える、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の曲げ機(1)。
【請求項13】
上部曲げツール(61)の前記少なくとも1つのセット(60)のうちの前記上部曲げツール(61)すべてを同時に留め、前記ガイド溝(14)から取り外し、および前記ガイド溝(14)へ挿入するように構成された把持手段(21,22)を備える、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の曲げ機(1)。
【請求項14】
上部曲げツール(61)の前記少なくとも1セット(60)のうちの各上部曲げツール(61)は、それぞれのクラスプシート(62)を備え、前記把持手段は、移動可能であり且つ第1の把持位置(P1)において上部曲げツール(61)の前記セット(60)のうちのすべての前記上部曲げツール(61)の前記クラスプシート(62)に係合およびロックするように構成された一対の把持要素(21、22)を備える、請求項13に記載の曲げ機(1)。
【請求項15】
前記把持手段(21、22)を支持し、且つ、少なくとも、前記曲げ方向(A)に実質的に直交し、前記曲げ機(1)の支持面(M)に平行な第1の作
動方向(X)に沿って、および、前記第1の作動方向(X)および前記曲げ方向(A)に実質的に直交する第2の作
動方向(R)に沿って前記把持手段(21、22)を移動させるための移動手段(30)を備え、特に、前記第2の作動方向(R)は、取り外し/挿入方向(V)に平行であり、前記取り外し/挿入方向(V)に沿って、上部曲げツール(61)の前記セット(60)は、前記上部ツール保持クロスピース(4)の前記ガイド溝(14)から取り外され、および前記上部ツール保持クロスピース(4)の前記ガイド溝(14)へ挿入される、請求項13または請求項14に記載の曲げ機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半製品および/または完成品を得るために、金属ストリップ、シート、プロファイルを曲げおよび成形するように構成された曲げ機に関する。特に、本発明は、曲げツールを交換するためのシステムを設けられた曲げ機に関する。曲げプレスとも呼ばれる曲げ機は、ワークピースが配置されるダイと呼ばれる下部ツールに当接するように、パンチと呼ばれる上部ツールを動かすことができる機械的または油圧動作のプレスを含むことが知られている。パンチは、上部および下部ツールの構成によって決定される角度にしたがって、ピースを変形および曲げることができる力をピースに加える。
【背景技術】
【0002】
曲げ機の一種は、ピースを曲げることができるように、パンチと相互作用するように適合された長手のシートまたは溝を設けられた反対側のダイ上に適切に配置された金属片を、事前に定義された折り畳み線に沿って変形させることが可能な、曲げブレードまたはエッジによって形成されたパンチを備える。
【0003】
一般に、パンチは、モジュール式パンチを形成できるように、上部の垂直に移動可能なツール保持クロスピースまたはテーブルに、スライド可能に取り付けられた上部曲げツールまたはセグメントのセットによって形成される。実際、上部ツールの数、サイズ(幅)および位置は、行われる曲げの長さおよび/またはワークピースの寸法に応じて選択される一方、ツールのタイプは、曲げのタイプ(角度、形状)に応じて選択される。
【0004】
同様に、ダイは、モジュール式ダイを形成できるように、下部の全体的に固定されたツール保持クロスピースまたはテーブルに取り付けられた下部曲げツールまたはセグメントのセットによって形成され得る。下部ツールの数、サイズ(幅)、および位置は、一定長さの曲げを実現できるように、上部ツールの数、サイズ、および位置にそれぞれ対応する。
【0005】
ワークピースに、一定長さの曲げを実行するために、上下のクロスピースに取り付けられたツールのセットにおいて、必要な長さを正確に取得できるサイズ(幅)を有する近傍のツールを選択し、その後、それぞれのクロスピースに沿ってツールをスライドさせることにより、ワークピースに適切にツールを構成および配置することが必要である。
【0006】
しかしながら、ツールの寸法は標準化されており、事前に定義されたサイズ(幅)に応じて不連続に(通常は10mmピッチで)可変であるため、現在クロスピースに取り付けられているツールのセットで必要な曲げを行うことが常に可能であるとは限らない。したがって、連続した異なる機械加工サイクルを実行するためには、しばしば、クロスピースに取り付けられた曲げツールを少なくとも部分的に交換する必要がある。
【0007】
この目的のために、既知の曲げ機は、一般に、ツールマガジンと、自動ツール交換システムとを設けられ、自動ツール交換システムは、マガジンから取り出されたツールを、ツール保持クロスピースにおける所望の位置に取り付け、且つ、ツールを交換してツール保持クロスピースからマガジンに挿入するためにツールを分解することができる、把持および移送手段を含む。
【0008】
ツールマガジンは、通常は、異なるサイズおよび形状を有するツールのセットまたはグループを収容するように適合された複数の支持体またはガイドを備える。
【0009】
ツールマガジンは、曲げ機の外側、通常はその片側に、曲げ機の側面直立物に隣接して、外側に配置できる、または、曲げ機の2つの側面直立物の間のコンパートメントまたは体積内に、内側に配置できる。
【0010】
内側マガジンの場合、内側マガジンは一般に、上部ツール保持クロスピースおよび/または下部ツール保持クロスピースまたは側面直立物の内部壁に全体的に固定された複数のツールホルダを備え、交換システムは、必要なツール構造を作るために、クロスピースにツールを挿入し、またはクロスピースからツールを取り外し、クロスピースに沿ってツールを移動させることができる、マニピュレータまたは関節機構などの把持および移送手段を備える。
【0011】
ツールを、長手方向にスライドさせ、ツール保持クロスピース上に配置および/またはグループ化するために、ツール保持クロスピースは、それぞれ長手方向ガイド溝を含み、長手方向ガイド溝の内側に、ワークと相互作用する動作端の反対側にある曲げツールの接続端が、垂直に挿入できる。
【0012】
上部曲げツールを上部クロスピースに固定し、上部曲げツールが重力によって垂直方向に分離することを阻止するために、上部曲げツールには、ガイド溝の側壁または内部の側壁に作成された側面支持溝にスライド可能に係合することを目的とされた、横方向および側面に突出する、それぞれの支持ピンが設けられる。より正確には、各曲げツールの接続端は、前記支持溝と係合する少なくとも1つの突出する(水平に配置され、クロスピースに沿ったツールの長手スライド方向に実質的に直交する)横方向ピンを有する。このようにして、上部曲げツールは、ツール保持クロスピースに沿ってスライドできる。
【0013】
ロックシステムは、ツール保持クロスピースに設けられ、曲げ動作の品質と、オペレータの安全との両方を保証するために、機械動作中の曲げツールの動きを阻止できるように、曲げツールを、ガイド溝内側のクロスピースにしっかりとロックするために選択的にアクティブ化される。
【0014】
ツールの交換、すなわちガイド溝からの取り外しまたはガイド溝への挿入を可能にするために、横方向ピンは移動可能であり、すなわち、側面の支持溝から離脱できるか、または係合できるように、ツール本体内に後退させるか、またはツール本体外に延ばすことができる。支持溝からの横方向ピンの後退またはロック解除動作は、ツールの内側に設けられ、オペレータによって手動で、または機械のツール交換システムの把持手段によって自動的に動作可能な適切な機構によって実行される。弾性要素がツールの内側に配置され、外部作用がない場合、縦方向ピンを、側面の支持溝への拡張された係合またはロック位置に戻し、維持する。
【0015】
縦方向ピンのロックを解除/ロックできるようにするために、多かれ少なかれ様々な異なる複雑なソリューションが開発されており、したがって、曲げツールを、上部のツール保持クロスピースに挿入したり、上部のツール保持クロスピースから取り外したりすることができる。
【0016】
これらのソリューションは一般に非常に複雑であり、したがって、実施に費用がかかり、いずれの場合も、曲げプロセスにおいて、ツールを使用している間に、横方向ピンの移動/ロック解除メカニズムが受ける機械的応力のために、誤動作が発生する可能性がある。
【0017】
さらに、前述の機構を収容するための多かれ少なかれ拡張された内部空洞またはチャンバを有する同じ曲げツールは、そのような機構のない従来のツールよりも機械的応力に対する構造的抵抗が著しく低い。
【0018】
最後に、既知のツール交換システムでは、一度に1つの曲げツールを交換でき、そのため、(マガジンにピックアップおよび/または保管する必要がある)ツールのセットまたはグループの組立および/または分解動作には、曲げ機を停止しなければならない長い期間を要し、それによって、その生産を中断し、その結果、その生産性を低下させる。
【0019】
特許文献1は、曲げ機の上部および下部曲げツールを、上部および下部ツール保持クロスピースへ係合、および、上部および下部ツール保持クロスピースから解放するためのシステムを開示している。ツール保持クロスピースは、曲げツールをスライド可能に受け入れるように構成されたそれぞれの長手の溝を含む。各長手の溝は、それぞれの曲げツールの支持歯を受け入れるように適合された長手方向側面の凹部を備え、曲げツールを、ツール保持クロスピースに結合したままにし、曲げツールが垂直方向に沿って外れることを阻止する。長手方向側面の凹部は、複数の規則的な間隔の開口部を有し、これにより、支持歯を離脱させ、それぞれの曲げツールを、ツール保持クロスピースから取り外したり、ツール保持クロスピースに挿入することが可能となる。長手方向側面の凹部の開口部は、それぞれの締結部材によって選択的に開閉される。締結部材は、ツール保持クロスピースに回転可能に接続され、閉位置と開位置との間で回転可能である。閉位置では、各締結部材は、長手方向側面の凹部のそれぞれの開口部を閉鎖して、支持歯を長手方向側面の凹部に係合させ、上部曲げツールを、ツール保持クロスピースに結合されたままにする。開位置では、各締結部材は、それぞれの開口部を閉鎖しないように回転され、支持歯の離脱および上部曲げツールの取り外し/挿入を可能にする。締結部材は、適切な圧力部分を押すことにより、開位置でオペレータによって手動で動作され、一度に1つの曲げツールを手動で取り外し/挿入することを可能にする。したがって、自動化されていないことに加えて、ツールのグループまたはセットの組立および/または分解動作は、1人または複数のオペレータの直接介入を必要とし、その結果、曲げ機の停止が必要な長い期間を必要とし、製造を中断させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【文献】特開2005-074429号公報
【文献】伊国特許出願公開第102018000009371号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、モジュール式パンチおよびダイを設けられた既知の曲げ機、すなわち、ツール保持クロスピースにスライド可能に取り付けられた曲げツールのセットによって形成され且つツールマガジンおよび曲げツール交換システムを備えた既知の曲げ機を改良することである。
【0022】
別の目的は、曲げツール、特に上部曲げツールを、自動、高速、単純、かつ正確な方式で交換し、曲げ機の停止時間を最小限に抑えることができる曲げ機を得ることである。
【0023】
さらなる目的は、効果的で信頼性の高い機能を備えた、単純でコンパクトな構造を有する曲げ機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
これらおよび他の目的は、以下に記載される特許請求の範囲のいずれか1つにしたがって、曲げ機によって達成される。
【0025】
本発明は、その例示的かつ非限定的な実施形態を例示する添付の図面を参照することにより、よりよく理解され、実施され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】特にツールマガジンおよび曲げツール交換装置を示す
図1の曲げ機の部分背面斜視図である。
【
図3】組み立てられた構成で上部曲げツールを支持し、交換装置の把持手段によって留められた、パンチ手段の上部ツール保持クロスピースの拡大部分断面図である。
【
図4】上部曲げツールが離脱され、把持手段によって上部ツール保持クロスピースから部分的に取り外された、
図3のものと同様の断面図である。
【
図6】把持手段によって留められ、組み立て構成で上部ツール保持クロスピースに固定された上部曲げツールと、分解および交換ステップにおいて、把持手段によって上部ツール保持クロスピースから取り外された同じ上部曲げツールとを破線で示す
図1の曲げ機の断面図である。
【
図7】特に、上部ツール保持クロスピースおよび前記上部ツール保持クロスピースのガイド溝の閉鎖要素を示す、
図1の曲げ機のパンチ手段の割込概略背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1から
図8を参照して示すように、パンチ手段3およびダイ手段5が接続された支持フレーム2を備えた、本発明に係る金属シートのための曲げ機1が図示される。
【0028】
支持フレーム2、パンチ手段3、およびダイ手段5は、曲げ機1の内部コンパートメント7を規定する。
【0029】
パンチ手段3は、実質的に上部テーブルを備え、曲げ機1の支持面Mに直交する作業方向に沿って、すなわち実質的な垂直方向に沿って、既知であるが図示されていない作動手段によって移動可能であるように、支持フレーム2にスライド可能に接続される。
【0030】
曲げ機1は、特に動作ステップにおいて、上部曲げツール61の少なくとも1つのセット60を備える。より正確には、パンチ手段3は、上部ツール保持クロスピース4を含み、上部ツール保持クロスピース4は、それぞれの支持ピン65を有し、特に長手状で支持面Mに平行である曲げ方向Aに沿って前記上部保持クロスピース4上に整列されて相互に配置可能な上部曲げツール61の少なくとも1つのセット60を設けられ、それを支持する。
【0031】
上部ツール保持クロスピース4には、支持面Mに面する第1の下部開口部14cによって底部において開口し、上部曲げツール61のセット60をスライド可能に受け入れるように適合されたガイド溝14が設けられている。ガイド溝14は、曲げ方向Aに平行である。
【0032】
パンチ手段3は、ワークピースの曲げ動作の品質および精度の両方と、曲げ機を使用するオペレータの安全性とを保証するように、曲げ機1の動作中、特に、上部曲げツール61の曲げ方向Aを横断する、および前記上部曲げツール61の曲げ方向Aに沿った長手(longitudinal)方向の任意の変位を阻止するために、上部ツール保持ワークピース4に関連付けられ、前記上部曲げツール61を上部ツール保持クロスピースに確実にロックするように選択的に動作可能なロック手段40を備える。上部曲げツール61のセット60は、適切に配置することによりワークピースに対して複数の異なる動作を実行することを可能にする、所定数の上部曲げツール61を含む。上部曲げツール61のセット60は交換可能であり、すなわち、特に、曲げ機1の内部コンパートメント7に設けられたツールマガジン10に収容された、複数の異なる上部曲げツール61のセットのうちの1つと交換可能である。
【0033】
特に、曲げ機1の作業構成において、パンチ手段3の上部ツール保持クロスピース4は、上部曲げツール61の複数の、たとえば3つの、同じく交換可能であるセット60を設けられ、支持し、これらは、ピースへの、最小値から始まる規定されたピッチで連続的に変化する長さの特定の(一定の形状、角度、および曲げ形状を有する)曲げを可能にする曲げツールの完全な構成を形成する。実際、ツールは、一定のツール構成を形成するように、曲げ方向Aに沿って相互に配置可能である。
【0034】
ガイド溝14は、上部ツール保持クロスピース4の全長にわたって延び、アセンブリ構成Wにおいて、各上部曲げツール61の支持ピン65を、上部ツール保持クロスピース4に、スライド可能に接続したままにし、特に、支持面Mに実質的に直交する抜取方向Vに沿った上部曲げツールの離脱を阻止するように、各上部曲げツール61の支持ピン65を受け入れて支持するように構成された側面支持溝24を含む。より正確には、支持溝14は、上部ツール保持クロスピース4に取り付けられた上部曲げツール61のセット60のすべての支持ピン65を受け入れる。
【0035】
支持溝24はさらに、特に支持面Mに面する単一の第2の下部開口部24aを有し、これは、上部曲げツール61を、上部ツール保持クロスピース4から取り外す、および上部ツール保持クロスピース4に挿入するために、それぞれの上部曲げツール61の支持ピン65を、抜取方向Vに沿って、支持溝24から離脱すること、および支持溝24と係合することを可能にする。より正確には、支持溝24の第2の下部開口部24aは、セット60のすべての上部曲げツール61の支持ピン65を離脱/係合を可能にするように、したがって、セット60のすべての上部曲げツール61を、上部ツール保持クロスピース4から取り外し、および上部ツール保持クロスピース4内に挿入することを、同時に可能にするように、曲げ方向Aに沿った一定長さLを有する。一定長さLは、上部曲げツール61のセット60の長さよりも長く、または実質的に等しく、たとえば、900から1100mmの間であり、特に1020mmに等しい。第2の下部開口部24aは、好ましくは、上部ツール保持クロスピース4の中央に配置される。
【0036】
パンチ手段3は、上部ツール保持クロスピース4に接続され、閉位置Cと開位置Dとの間で移動可能な単一の閉鎖要素13をさらに備える。閉位置Cでは、閉鎖要素13は、支持ピン65が前述の支持溝24内に係合されて保持され、したがって、上部曲げツール61が、取付構成Wにおいて、上部ツール保持クロスピース4にスライド可能に接続されるように、支持溝24の第2の下部開口部24aを閉鎖する。開位置Dでは、閉鎖要素13は、第2の下部開口部24aから離間しており、第2の下部開口部24aを閉鎖せず、取り外し方向Vに沿った支持ピン65の、したがって、上部ツール保持クロスピース4からのそれぞれの上部曲げツール61の離脱を可能にする。
【0037】
特に、閉鎖要素13は、支持面Mに実質的に平行な開口方向Tに沿って、閉位置Cと開位置Dとの間で直線的に移動可能であるように、上部ツール保持クロスピース4に接続されている。
【0038】
閉鎖要素13は、下部開口部24aと実質的に同じ一定長さLを有し、上部曲げツール61のセット60のうちのすべての上部曲げツール61を同時に、上部ツール保持クロスピース4から取り外し、および/または、上部ツール保持クロスピース4へ挿入することを可能にする。
【0039】
第1の作動手段は、閉鎖要素13を開口方向Tに沿って両移動方向に移動させるために設けられる。
【0040】
特に、第1の作動手段は、たとえば油のような加圧流体を供給された、たとえばエラストマ材料で作られた、フレキシブルホースのような第1の弾性導管23を備える。第1の弾性導管23は、閉鎖要素13の適切な長手(longitudinal)のシート13aに挿入され、閉鎖要素13と、上部ツール保持クロスピース4の内壁または後壁4aとの間に配置される。加圧された油が、第1の弾性導管23を通って流れるとき、第1の弾性導管23が膨張し、閉鎖要素13を閉位置Cから開位置Dへ移動させる。この移動の長さまたはストロークは小さく、たとえば2から5mmの範囲であり、特に3mmである。
【0041】
第1の作動手段は、弾性導管23にもはや加圧された油が供給されなくなったときに、閉鎖要素13を開位置Dから閉位置Cに戻すように閉鎖要素13に作用する第1の弾性手段をさらに備える。第1の弾性手段は、たとえば、閉鎖要素5の外壁13bと、上部ツール保持クロスピース4の内壁4aに固定された締結プレート44との間に配置された、既知のタイプであり、図示されていない複数の圧縮ばねを備える。
【0042】
あるいは、第1の作動手段は、上部ツール保持クロスピース4に接続され、開口方向Tに沿って閉鎖要素13を開位置Dと閉位置Cとの間で移動させることが可能な、たとえば空気圧、液圧、電気的なアクチュエータなどの既知のタイプの1つまたは複数の線形アクチュエータを備え得る。
【0043】
各上部曲げツール61は、第1の下部開口部14cを介してガイド溝14に挿入できる上部接続端61aと、ワークピースと相互作用するように適合された反対側の下部動作端61bとを備える。支持ピン65は、接続端61aから突出するように接続端61aに横方向に固定され、支持面Mに実質的に平行に配置され、曲げ方向Aに直交するように構成される。支持ピン65は、好ましくは、ガイド溝14内の対応する上部曲げツール61の曲げ方向Aに沿った滑りを容易にするために円筒形状を有する。
【0044】
上部曲げツール61のガイド溝14内への滑りをさらに容易にするために、それぞれの長手方向軸の周りを自由に回転させることができるように、支持ピン65を上部曲げツール61に回転可能に固定することも可能である。
【0045】
ガイド溝14は、第1の下部開口部14cに対向し、支持面Mに実質的に平行な第1の底壁14aと、平行であり且つ第1の底壁14aに実質的に直交する、互いに向きあう一対の第1の側壁14bとを備える。支持溝24は、第1の側壁14bのうちの1つ、特に上部ツール保持クロスピース4の内壁4aに最も近いものに作られる。
【0046】
支持溝24は、ガイド溝14の全長にわたって側面に延び、支持面Mに実質的に直交する第2の底壁24bと、平行であり且つ第2の底壁24bに実質的に直交する、互いに向かい合う一対の第2の側壁24cとを含む。支持溝24の第2の下部開口部24aは、支持ピン65に当接して当該支持ピン65を支持するように構成された第2の側壁24c上、すなわち下部の第2の側壁24cに作られる。
【0047】
例示される実施形態では、支持溝24の第2の底壁24bは、上部ツール保持クロスピース4に固定され、支持溝24の第2の下部開口部24aの全長に沿って延びる長手(longitudinal)アバットメント要素43によって形成される。横方向アバットメント要素43は、閉鎖要素13を支持し、開口方向Tに沿ってスライド可能にガイドする。
【0048】
ロック手段40は、前記上部曲げツールのいかなる動きも阻止できるように、たとえば、上部ツール保持クロスピース4に収容され、特に、曲げ方向Aに沿ってその上に規則的に間隔を置いて配置され、ロック構成Gのセット60の上部曲げツール61と係合してロックするように構成された複数の移動可能なロック要素41を備える。より正確には、上部ツール保持クロスピース4のそれぞれのシートに収容されるロック要素41は、ロック構成Gと解放構成Hとの間を、第2の作動手段25、26によって、線形的に、特に開口方向Tに平行に駆動され、解放構成Hでは、前記ロック要素は、上部曲げツール61を係合およびロックせず、特に、上部曲げツールのロック凹部66に当接および係合しない。
【0049】
各ロック部材41は、(曲げ方向Aおよび支持面Mに直交する)断面にしたがって実質的に「T」形状を有し、開口方向Tに平行な第1の部分45と、第1の部分45に対して実質的に垂直であり、ロック構成Gの上部曲げツール66のロック凹部66と係合するように成形および適合された自由端を有する第2の部分46と、第1の部分45に実質的に垂直で、かつ第2の部分46に平行であり、第2の作動手段によって当接されるように構成された第3の部分47とを備える。
【0050】
第2の部分46は、自由端に、ロック凹部66の形状と相補的な形状を有するロック歯46aを備える。
【0051】
第2の作動手段は、たとえば油のような、加圧流体を供給された、たとえば、エラストマ材料で作られたフレキシブルホースのような第2の弾性導管25を備える。第2の弾性導管25は、上部ツール保持クロスピース4の適切な長手(longitudinal)のシート17に挿入される。第1の弾性導管23は、加圧された油が供給されると膨張し、すべてのロック要素41を解放位置Hからロック位置Gへ変位させる。
【0052】
第2の作動手段は、第2の弾性導管25に、加圧された油が供給されなくなったときに、ロック要素41をロック位置Gから解放位置Hに戻すことができるように、ロック要素41に作用する第2の弾性手段26をさらに備える。第2の弾性手段は、たとえば、おのおのが、それぞれのロック要素41の第1の部分45に作用する複数の圧縮ばね26を備える。
【0053】
各上部曲げツール61のロック凹部66は、支持ピン65の上方の接続端61a上に作られる。
【0054】
ワークピース上で機械加工を実行するために、パンチ手段3と相互作用するように構成されたダイ手段5は、曲げ方向Aに沿って整列且つ配置可能な、複数の下部曲げツール51を支持するように適合された下部ツール保持クロスピース6を備えた例示された実施形態において設けられた下部テーブルを実質的に備える。特に、下部ツール保持クロスピース6は、たとえば、下部曲げツール51のセット50を形成する複数の下部曲げツール51をスライド可能に収容するように適合された、上部が開いたさらなるガイド溝58を設けられ、上部曲げツール61のセット60と協調して、ワークピースに対して複数の異なる動作を実行する。
【0055】
下部曲げツール51のセット50は、特に曲げ機1のツールマガジン10に収容された、複数の異なる下部曲げツールのセットのうちの1つと交換可能である。
【0056】
特に、曲げ機1の作業構成において、ダイ手段5の下部ツール保持クロスピース6は、曲げツールの一定の構成を形成して、部品にそれぞれの機械加工を実行できるように、曲げ方向Aに沿って相互に配置可能である下部曲げツール51の、たとえば3つのような複数のセット50を支持する。本発明の曲げ機1は、上部曲げツール61のセット60のすべての上部曲げツール61を同時に留めて移動させるために、特に、上部曲げツール61の前記セット60を、取り外し/挿入方向Vに沿って、ガイド溝14から取り外す、およびガイド溝14へ挿入するために構成された把持手段21、22をさらに備える。把持手段21、22はまた、下部曲げツール51のセット50を同時に移動させるために、特に、セット50のすべての下部曲げツール51を、取り外し/挿入方向Vに沿って、さらなるガイド溝58から取り外す、またはさらなるガイド溝58へ挿入するために構成される。
【0057】
把持手段は、移動可能であり、第1の把持位置P1において、上部曲げツール61のセット60のすべての上部曲げツール61のクラスプシート62、または、下部曲げツールのセット50のすべての下部曲げツール51の対応するクラスプシート52と、係合してロックするように構成された一対の把持要素21、22を備える。
【0058】
例示された実施形態では、それぞれの上部曲げツール61のクラスプシート62は、ツールの内部側面に(すなわち、内部コンパートメント7に面して)固定された接続要素63上に作られた対応する成形キャビティを備える。
【0059】
図2に例示するように、把持要素21、22は、曲げ方向Aに沿って細長く、実質的に前記長さLを有する上部曲げツールのセット60を交換(取り外しまたは挿入)できるように、支持溝24の下部開口部24aの長さに実質的に対応する長さを有する要素である。
【0060】
把持要素21、22は、閉鎖された挿入構成の曲げツールのセット50、60の曲げツールのクラスプシート52、62に適合し、次に、第1の把持位置P1においてクラスプシート52、62において係合およびロックして、曲げツール50、60のセット全体を把持し、次に持ち上げて移すことを可能にするように適合されたそれぞれの成形端部21a、22aを有する。
【0061】
把持要素21、22は、既知のタイプの、詳細には示されていないそれぞれの作動手段によって、閉鎖された挿入構成と、開いた把持構成との間で移動する、すなわち、互いに離れるか、または互いに近づく。特に、作動手段は、2つの把持要素21、22を移動させ、取り外し/挿入方向Vに実質的に平行な方向に沿って直線的に互いに近づけたり遠ざけたりする。
【0062】
曲げ機1は、少なくとも、実質的に曲げ方向Aに直交し、支持面Mに平行な第1の作動方向Xに沿って、および、実質的に第1の作動方向Xおよび曲げ方向Aに直交する、すなわち、取り外し/挿入方向Vに平行である第2の作動方向Yに沿って、把持手段21、22を支持および移動させるように構成された移動手段30を備える。
【0063】
把持手段21、22および移動手段30は、本発明の曲げ機1の交換装置20を形成し、これは、内部コンパートメント7の内側に配置され、曲げツール51、61を、ツールマガジン10から取り外してパンチ手段3および/またはダイ手段5に取り付けるように、またその逆、すなわち、曲げツール51、61の完全なセット50、60を、パンチ手段3およびダイ手段5から取り外し、それらをツールマガジン10に移すように構成される。
【0064】
この目的のために、移動手段30は、把持手段21、22を、内部コンパートメント7内において、第1の把持位置P1と第2の把持位置P2との間で移動させるようにさらに構成される。第1の把持位置P1において、把持手段21、22は、曲げツールのセット50、60を、パンチ手段3および/またはダイ手段5から取り出すか、または、パンチ手段3および/またはダイ手段5へ移すことができ、第2の把持位置P2において、把持手段21、22は、曲げツールのセット50、60を、ツールマガジン10へ移すか、または、ツールマガジン10から取り出すことができる。
【0065】
ツールマガジン10は、内部コンパートメント7の内側に配置され、たとえば、下部および上部曲げツールのそれぞれのセット50、60を収容するように適合され、曲げ方向Aおよび支持面Mに隣接して平行に配置された複数の支持ガイド11を備える。ツールマガジン10はさらに、移送キャリッジ15が、曲げツールのセット50、60を、把持手段21、22から受け取る、または把持手段21、22へ与えるための交換装置20に隣接している交換位置Sと、おのおのにおいて、移送キャリッジ15が、曲げツールのセット50、60を、前記支持ガイド11へ移す、または前記支持ガイド11から受け取るためのそれぞれの支持ガイド11と実質的に位置合わせされている複数のローディング位置Lとの間を、第1の作動方向Xに沿って移動可能な、前記移送キャリッジ15を備える。
【0066】
ツールマガジン10はまた、曲げ方向Aおよび支持面Mに平行に互いに隣接して構成された複数の支持ガイド11を支持するように構成され、曲げ機1の支持フレーム2のベース面8にスライド可能に固定された、少なくとも1つのツール保持トレイ12を備える。ツール保持トレイ12は、支持ガイド11が、曲げツール51、61のセット50、60を、移送キャリッジ15から受け取るか、または、移送キャリッジ15へ与えることを可能にするために、内部コンパートメント7内の曲げ機1の完全に内側に前記ツール保持トレイが存在する動作位置B1と、曲げツールのセット50、60の支持ガイド11への挿入と、曲げツールのセット50、60の支持ガイド11からの取り外しとを可能にするために、ツールトレイ11が、曲げ機1および内部コンパートメント7の外側に存在する非動作位置B2との間を、第1の作動方向Xに沿って移動可能である。
【0067】
本発明の曲げ機1の内部コンパートメント7に挿入された交換装置20およびツールマガジン10は、同一出願人によって出願された特許文献2に記載されている。
【0068】
本発明の曲げ機1の動作は、パンチ手段3から、規定された長さLを有する上部曲げツール61のセットまたはシリーズまたはグループ60を、分解するための手順を提供する。この目的のために、把持手段21、22は、曲げツールの前記セット60のすべての上部曲げツール61を留めることができるように、第1の作動方向Xおよび第2の作動方向Rに沿って、移動手段30によって移動される。より正確には、閉構成において構成された把持要素21、22の成形端部21a、22aは、最初に、セット60のすべての上部曲げツール61のクラスプシート62に挿入され、次に、開構成において把持要素21、22を移動させることにより、第1の把持位置P1において、クラスプシート62に係合およびロックされる。
【0069】
上部ツール保持クロスピース4から、(現在は把持手段21、22によって支持されている)上部曲げツール61のセット60全体を抜き取るまたは取り外すために、セット60の上部曲げツール61を、上部ツール保持クロスピース4のガイド溝14からロック解除できるように、パンチ手段3のロック手段40が非アクティブ化される。より正確には、第2の作動手段の第2の弾性導管25が非アクティブ化され、その結果、第2の弾性手段26は、すべての停止要素41を解放構成Hに戻す。
【0070】
続いて、または同時に、閉鎖要素13は、支持溝24の第2の下部開口部24aをクリアできるように、第1の作動手段によって、閉位置Cから開口方向Tに沿って開位置Dに移動される。このようにして、第2の下部開口部24aを介して、支持ピン65は、取り外し/挿入方向Vに沿って支持溝24から出て離脱でき、セット60のそれぞれの上部曲げツール61は、ガイド溝14から抜き取られ、または取り外される。
【0071】
閉鎖要素13が開位置Dにおいて構成されると、把持手段21、22は、上部曲げツール61のセット60全体を、上部ツール保持クロスピース4から取り外し、次に、セットを、ツール保持マガジン10に移すことができるように、第2の作動方向Rに沿って、取り外し/挿入方向Vに平行に移動される。
【0072】
上部曲げツール61のセット60を取り付ける手順は、上部曲げツール61の接続端61aを、第1の下部開口部14cを介してガイド溝14に挿入し、それぞれの支持ピン65を、開位置Dに構成された閉鎖要素13によって開いたままにされた第2の下部開口部24aを介して支持溝24に挿入できるように、ツールマガジン10から取り出された上部曲げツール61のセット60を支持する把持手段21、22が(第2の作動方向Rに沿って、最終ステップにおいて)移動されることを規定する。
【0073】
セット60の上部曲げツール61の接続端61aが、ガイド溝14の内側に完全に挿入されると、閉鎖要素13は、第1の作動手段によって閉位置Cに移動され、第2の下部開口部24aを閉鎖し、支持溝24の内側の支持ピン65を閉鎖して、上部曲げツール61を、上部ツール保持クロスピース4にスライド可能に結合されたままにする。
【0074】
この時点において、把持手段21、22は、上部曲げツール61を解放して、曲げ機1が、計画された曲げ動作を進めることを可能にすることができる。
【0075】
したがって、本発明の曲げ機1のおかげで、パンチ手段3およびダイ手段5に取り付けられた曲げツール51、61を迅速かつ効率的に交換することが可能であり、曲げ機の停止時間を最小限に抑えることができる。
【0076】
特に、上部曲げツール61の支持ピン65の通過を可能にするために、支持溝24の第2の下部開口部24aを介して、把持手段21、22によってパンチ手段3の上部ツール保持クロスピース4から取り外したり、または挿入したりできる上部曲げツール61の完全なセット60を、1回の動作で交換することが可能であり、第2の下部開口部24aは、可動式閉鎖要素13によって選択的に閉鎖することができる。第2の下部開口部24aおよび閉鎖要素13の長さLは、取り付けられる曲げツール61のセット60の長さに等しい。
【0077】
このソリューションのおかげで、ツール本体の内側に後退させることができない固定支持ピン65を設けられた上部曲げツール61、すなわち、支持ピンを移動させるための内側手段および機構を有する曲げツールよりもはるかに安価で強力な曲げツールを、本発明の曲げ機1において使用することが可能であることに留意されたい。
【0078】
支持溝24の第2の下部開口部24aを開閉するために選択的に移動可能な閉鎖要素13と、上部曲げツール61をガイド溝14にロックまたはガイド溝14から解放するために選択的に移動可能な複数のロック要素41を備えるロック手段40とが設けられたパンチ手段3の上部ツール保持クロスピース4は、効果的かつ信頼性の高い動作を有する特に単純でコンパクトな構造を有することにも留意されたい。