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特許7332816(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の品質評価方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の品質評価方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/88 20060101AFI20230816BHJP
   G01N 30/90 20060101ALI20230816BHJP
   C07D 493/10 20060101ALN20230816BHJP
   A61P 3/00 20060101ALN20230816BHJP
   A61K 31/357 20060101ALN20230816BHJP
【FI】
G01N30/88 C
G01N30/90
C07D493/10
A61P3/00
A61K31/357
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022547030
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-29
(86)【国際出願番号】 KR2021001191
(87)【国際公開番号】W WO2021154019
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0012027
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513000366
【氏名又は名称】ヒュンダイ ファーム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ウン・ファン
(72)【発明者】
【氏名】キュ・ファン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ヨン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ス・キョン・チェ
【審査官】高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-534582(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03207928(EP,A2)
【文献】特表2016-518366(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02987791(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0312455(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00 - 30/96
C07D 493/00 - 497/22
C07D 317/00 - 325/00
A61K 31/33 - 33/44
A61P 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式2:
【化1】
の化合物またはその塩を含む、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を含む医薬品の評価用組成物。
【請求項2】
下記化学式2:
【化2】
の化合物またはその塩を参照標準として用いて、医薬品中の(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の含有量を評価することを含む、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を含む医薬品の品質評価方法。
【請求項3】
下記化学式2:
【化3】
の化合物またはその塩を参照標準として用いて、医薬品中の類縁物質の含有量を評価することを含む、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を含む医薬品の品質評価方法。
【請求項4】
a)サンプルについてクロマトグラフィーを行って、データを収得する段階と、
b)前記データを下記化学式2:
【化4】
の化合物またはその塩のクロマトグラフィーデータと比較する段階と、
を含む、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を含むサンプルを分析する方法。
【請求項5】
前記方法は、
(a)化学式2の化合物またはその塩を含む、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の溶液を、高性能液体クロマトグラフィーにかけて、クロマトグラムを収得する段階と、
(b)前記クロマトグラムで収得されたピークを、化学式2の化合物またはその塩で生成されたピークと比較する段階と、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
(a)化学式2の化合物またはその塩を含む、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の溶液を、薄層クロマトグラフィーにかけて、クロマトグラムを収得する段階と、
(b)前記クロマトグラムで収得されたスポットを、化学式2の化合物またはその塩で生成されたスポットと比較する段階と、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸のクロマトグラフィーカラム保持時間を測定する方法であって、参照標準として下記化学式2:
【化5】
の化合物またはその塩を用いてクロマトグラフィーを行う段階を含む、方法。
【請求項8】
下記化学式2:
【化6】
の化合物またはその塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の類縁物質およびこれを用いた(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の品質評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記化学式1の化合物、すなわち(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸は、代謝性疾患治療剤として開発された薬物である(特許文献1、韓国特許登録第10-1569522号;特許文献2、韓国特許登録第10-1728900号)。
【0003】
【化1】
【0004】
活性薬学成分(Active Pharmaceutical Ingredient,「API」)は、高い純度で製造されることが好ましいが、活性薬学成分の製造過程で反応生成物の混合物が純粋な単一化合物である場合は非常に珍しく、反応生成物の混合物には、反応の副産物および反応で使用される試薬などの不純物が含まれている。また、活性薬学成分は、製剤化過程または製剤の保管過程でも変形することがあるため、活性薬学成分のうち一部が分解されたり変形されて、不純物を生成することがある。したがって、原料医薬品または完成医薬品の製造、保管、使用時に医薬品中に存在する活性薬学成分の含有量を測定する必要があり、通常、HPLC(High-Performance Liquid Chromatography、高性能液体クロマトグラフィー)またはGC(Gas Chromatography、気体クロマトグラフィー)分析によって活性薬学成分の純度を分析している。医薬品中に含まれた不純物は、類縁物質(related impurityまたはrelated substance)とも呼ばれ、基準値以上の含有量(例えば、0.1%以上)を有する類縁物質の存在の有無を分析することも、医薬品の品質管理のために必須である。
【0005】
不純物は、クロマトグラム(TLC(Thin-Layer Chromatography、薄層クロマトグラフィー)プレート上のスポット)中のピーク位置と関連がある(Strobel p.953)(Strobel,H.A.;Heineman,W.R.,Chemical Instrumentation:A Systematic approach、3Rd dd.(Wiley & Sons:New York 1989))。
【0006】
したがって、不純物は、クロマトグラム中のその位置によって確認でき、これは、「保持時間(retention time)」と知られた、カラム上へのサンプルの注入時刻と特定成分が検出器を通じて溶出した時刻との間の時間として通常測定される。前記時間周期は、装置の状態および多くの他の要因によって毎日変化する。不純物の正確な確認に対してこのような変化がもたらす効果を低減するために、当業者は、「相対保持時間(relative retention time,RRT)」を使って不純物を確認する(Strobel p.922)。不純物のRRTは、任意の参照標準の保持時間で割った不純物の保持時間である。理論上、活性薬学成分それ自体は、参照標準として用いられ得るが、実質的な物質として混合物内に過度な割合で存在してカラムを飽和させる傾向があり、再現不可能な保持時間を招く。したがって、検出可能に十分に顕著な量で混合物内に添加または存在させた、カラムを飽和させないほどの十分に低い含有量の代案的な化合物を選択し、このような化合物を参照標準として使用することが時には好ましい。
【0007】
薬物製造の研究者および開発者は、未知の混合物中の化合物の量を定量するために、相対的に純粋な状態の化合物が「参照標準(reference standard)」として使用できると理解される。化合物が「外部標準」として使用される場合、公知の濃度の化合物の溶液は、非公知の混合物と同じ技術によって分析される(Strobel p.924,Snyder p.549)(Snyder,L.R.;Kirkland,J.J.Introduction to Modern Liquid Chromatography、2版(John Wiley & Sons:New York 1979))。混合物内の化合物の量は、検出器感度の等級を比較して測定できる。
【0008】
参照標準化合物は、また、二つの化合物に対する検出器の感度の差異を補償する「感度係数」がすでに決定された場合、混合物中の他の化合物の量を定量するのに使用できる(Strobel p.894)。前記目的のために、参照標準化合物を混合物に直接添加すえることができるが、この場合、これを「内部標準」(Strobel p.925,Snyder p.552)と称する。
【0009】
参照標準化合物は、未知の混合物が「標準添加」と呼ばれる技法でいくらかの参照標準化合物を含む場合に、内部標準として使用することができ、ここでは、2以上のサンプルは、既知の異なる量の内部標準を添加して調製される(Strobel pp.391-393,Snyder pp.571,572)。混合物中に本来存在していた参照標準化合物に起因した検出器感度の割合は、各サンプルに0まで添加される参照標準化合物の量に対する検出器感度のプロットの外挿によって測定することができる(例えば、Strobel、図11.4 p.392)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】韓国特許登録第10-1569522号公報
【文献】韓国特許登録第10-1728900号公報
【非特許文献】
【0011】
【文献】Strobel,H.A.;Heineman,W.R.,Chemical Instrumentation:A Systematic approach、3Rd dd.(Wiley & Sons:New York 1989)
【文献】Snyder,L.R.;Kirkland,J.J.Introduction to Modern Liquid Chromatography、2版(John Wiley &Sons:New York 1979)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の類縁物質およびこれを用いた(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の品質評価方法を提供しようとする。
【0013】
[この発明を支援した国家研究開発事業]
[課題固有番号]HI17C2529
[部署名]保健福祉部
[研究管理専門機関]韓国保健産業振興院
[研究事業名]先端医療技術開発
[研究課題名](臨床1相)画期的血糖降下効果(HbA1c>1%)を有する低血糖副作用がない強力な(EC50<1nM)糖尿病治療剤HD-6277開発
[寄与率]1/1
[主管機関]現代薬品(株)
[研究期間]20171212~20200630
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の類縁物質である下記化学式2の化合物またはその塩を提供する。
【0015】
【化2】
【0016】
本明細書において使用する用語「参照標準(reference standard)」は、活性薬学成分の定量および定性分析の両方に使用できる化合物を指す。例えば、HPLCにおける化合物の保持時間は、相対保持時間の設定を許容して、定性分析を可能にする。HPLCカラムに注入される前の溶液中の化合物の濃度は、HPLCクロマトグラムのピーク下の面積比較を許容して、定量分析を可能にする。
【0017】
参照標準に関して当業界の一部の知識を、この点と関連して一般的に記述するが、当業者であれば検出器感度が、例えば、UV(Ultra Violet、紫外線)または屈折率検出によってHPLCの溶離液(eluent)から、または例えば、火炎イオン化検出または熱伝導性検出によってGCの溶離液から、またはその他の検出器感度、例えば、UV吸光によって蛍光TLCプレート上のスポットの溶離液から得られたクロマトグラムのピーク高さまたは統合されたピーク面積でありうることが理解できる。参照標準の位置は、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸およびその他の不純物に対する相対保持時間を計算するのに使用できる。
【0018】
(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸が、光や、酸、温度、湿度などを用いたストレス条件に曝露されると、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の類縁物質が収得され、この類縁物質は、参照標準として使用することができる。
【0019】
本発明者らは、下記実施例1を通じて(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸合成過程でストレスを加えてこれの類縁物質を収得し、HPLCおよび質量分析の結果から、その類縁物質が下記化学式2の化合物であることを確認した。
【0020】
【化3】
【0021】
前記化学式2の化合物は、参照標準として使用するために化学的合成を通じて製造することができる。これに制限されるものではないが、化学式2の化合物は、例えば、下記反応式1の過程を通じて収得することができる。
【0022】
【化4】
【0023】
具体的な合成方法は、下記の段階を含む。
【0024】
<段階1>(3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)フェニル)メタノールの合成
【化5】
【0025】
(3-(1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-7-エン-8-イル)フェニル)メタノールをエポキシ化して、(3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)フェニル)メタノールを合成する。
【0026】
<段階2>3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]dioxolan]-6-yl)ベンジルメタンスルホナートの合成
【化6】
【0027】
(3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)フェニル)メタノールをメシル化させて、3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)ベンジルメタンスルホナートを合成する。
【0028】
<段階3>(3S)-エチル3-(4-((3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)ベンジル)オキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノアートの合成
【化7】
【0029】
3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)ベンジルメタンスルホナートを(S)-エチル3-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサ-4-イノアートと反応させて、(3S)-エチル3-(4-((3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)ベンジル)オキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノアートを得る。
【0030】
<段階4>(3S)-3-(4-((3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)ベンジル)オキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の合成
【化8】
【0031】
(3S)-エチル3-(4-((3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)ベンジル)オキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノアートを加水分解して、(3S)-3-(4-((3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)ベンジル)オキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を得る。
【0032】
化学式2の化合物は、塩の形態で使用することができる。(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸は、薬学的に許容可能な塩の形態で医薬品中に含まれ得る。したがって、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の類縁物質である化学式2の化合物も、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の薬学的に許容される塩(特許文献1、韓国特許登録第10-1569522号公報参照)に相当する塩の形態で使用可能である。例えば、化学式2の化合物は、参照標準として使用されるとき、薬学的に許容可能な金属塩またはアミノ酸塩の形態で使用可能である。例えば、金属塩としては、ナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩、アミノ酸塩としては、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、バリン、リシン、グルタミン酸などの天然アミノ酸塩が含まれる。
【0033】
一具体例において、本発明は、下記化学式2の化合物またはその塩を含む、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を含む医薬品の評価用組成物を提供する。
【0034】
【化9】
【0035】
上記で説明したように、化学式2の化合物またはその塩は、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を含む原料医薬品または完成医薬品の品質を評価するための参照標準として使用することができる。換言すれば、医薬品中の(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸またはこれの類縁物質の含有量を分析して、医薬品製造過程での医薬品の純度や貯蔵安定性などを評価するための参照標準として使用することができる。
【0036】
本発明は、また、下記化学式2の化合物またはその塩を参照標準として用いて医薬品中の(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の含有量を評価することを含む、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を含む医薬品の品質評価方法を提供する。
【0037】
化学式2の化合物またはその塩を参照標準として、医薬品または原料医薬品中の(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の含有量を分析する方法は、特に制限されず、組成物中の物質分析のための公知の方法を用いることができる。
【0038】
例えば、前記分析方法には、HPLCを使用することができる。また、物質をLC/MS(Liquid Chromatography/Mass Spectrometry)、LC/MS/MS(Liquid Chromatography/Tandem Mass Spectrometry)、NMR(Nuclear Magnetic Resonance)またはこれらのうち一つ以上を用いて定性分析する段階をさらに含んでもよい。
【0039】
例えば、HPLCを用いてサンプルを分析する場合、検出器から出る電気的信号によりX軸を時間、Y軸を信号の大きさにしてピークで示す。分離した物質のピーク高さおよび面積などから濃度に対する相対的結果を得ることができる。X軸の時間(RT:retention time)は、既知の参照標準と比較した定性的要因となり、Y軸を高さとし、ピークのX軸を底辺とするピークの面積(peak area,peak height)が定量性の要因となる。検出されたピーク面積のうちの総和分の各ピークの面積値で純度(Area%:領域%)を計算する。
【0040】
前記医薬品の品質評価方法において、含有量評価の対象が必ず活性有効成分に限定される必要はない。例えば、活性有効成分の他に含まれている他の類縁物質も、化学式2の化合物またはその塩を参照標準としてこれらの含有量を分析することができる。
【0041】
したがって、本発明は、また、下記化学式2の化合物またはその塩を参照標準として用いて医薬品中の類縁物質の含有量を評価することを含む、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を含む医薬品の品質評価方法を提供する。
【0042】
一具体例において、医薬品の長期保管条件(5℃±3℃下で36ヶ月)の間に類縁物質が0.5%未満である場合、品質基準に適したものと判定する。
【0043】
他の具体例において、医薬品の長期保管条件(25℃±2℃±5%RH)下で36ヶ月保管時に、類縁物質が0.5%未満である場合、品質基準に適したものと判定する。
【0044】
さらに他の具体例において、医薬品の加速保管条件(40℃±2℃±5%RH)下で24ヶ月保管時に、類縁物質が0.5%未満である場合、品質基準に適したものと判定する。
【0045】
一具体例において、本発明は、
a)サンプルについてクロマトグラフィーを行って、データを収得する段階と、
b)前記データを下記化学式2の化合物またはその塩のクロマトグラフィーデータと比較する段階と、
を含む、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を含むサンプルを分析する方法を提供する。
【0046】
【化10】
【0047】
例えば、前記方法は、
(a)化学式2の化合物またはその塩を含む(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の溶液を高性能液体クロマトグラフィーにかけて、クロマトグラムを収得する段階と、
(b)クロマトグラムで収得されたピークを化学式2の化合物またはその塩から生成されたピークと比較する段階と、
を含んでもよい。
【0048】
または、前記方法は、
(a)化学式2の化合物またはその塩を含む(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の溶液を薄層クロマトグラフィーにかけて、クロマトグラムを収得する段階と、
(b)クロマトグラムで収得されたスポットを化学式2の化合物またはその塩で生成されたスポットと比較する段階と、
を含んでもよい。
【0049】
また、本発明は、(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸のクロマトグラフィーカラム保持時間を測定する方法であって、参照標準として下記化学式2の化合物またはその塩を用いてクロマトグラフィーを行う段階を含む方法を提供する。
【0050】
【化11】
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、化学式2の化合物またはその塩を参照標準(reference standard)として用いて(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を含む医薬組成物の品質および安定性などを評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】化学式2の化合物のIRデータを示す図である。
図2】化学式2の化合物のDSC-TGAデータを示す図である。
図3】化学式2の化合物のXRDデータを示す図である。
図4】対照群と苛酷サンプルのHPLC分析結果を比較して示す図である。図面で青色は対照群を示し、緑色(*)は苛酷サンプルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、これは、本発明を説明するためのものに過ぎず、実施例によって本発明の範囲が何ら限定されるものではない。
【実施例
【0054】
[実施例]
実施例1:類縁物質の分離
冷蔵条件(5℃±3℃)で約2年ほど保管された(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸含有物質約35mgを正確に測量して、50ml容量のフラスコに入れた後、希釈液(diluent)を2/3ほど入れ、よく混ぜた。その後、HPLC(Agilent Technologies 1200 Series)を用いて類縁物質を分析した。
【0055】
<HPLC条件>Operation Parameters
Column:Kinetex EVO C18、5um、4.6×250mm
Column temperature:25℃
Flow rate:1.0ml/min
Injection volume:5μl
Sample concentration:0.7mg/ml
Wavelength:220nm
Mobile Phase A:0.01M KHPO(pH7)
Mobile Phase B:AN
Diluent:HO/AN(80/20)
Gradient:
【表1】
Wavelength:220(or 260nm)。
【0056】
分析結果を下記に示した。
【表2】
【0057】
HPLC分析した類縁物質(RRT:0.93,Area% 0.26%)が含有された物質をQ-TOF-LC/MS systemでMS scanおよびproduct ion scanで定性分析した。LC-MS/MS systemは、Agilent 1290 Infinity HPLC systemとAgilent 6550 Q-TOF質量分析計を使って定性分析した。分析条件は、下記の通りである。
【0058】
<HPLC条件>
Column:Phenomenex SecurityGuard C18 guard column(4×20mm)を備えたYMC-Pack Pro C18 column(4.6×150mm,5μm)
Mobile Phase A:of 0.1% formic acid in H2O/MeOH=60/40
Mobile Phase B:0.1% formic acid in acetonitrile/MeOH=60/40
Flow rate:1ml/min(over 34min)
Injection volume:10μl
Diluent:HO/ACN=10/90
【表3】
Wavelength:220(or 260nm)。
【0059】
<質量分析計条件>
Capillary voltage:3500V
Ionization:Electrospray Ionization,Positive(ESI+)
Drying gas:14
Nebulizer gas:50
Sheath gas:12
Sheath gas temperature:400℃
Drying gas temperature:250℃
Full scan MS,MS/MS mode:(m/z 100-1000)。
【0060】
検出段階で分離された分析物質が、質量分析計に流入するように設定し、この際、類縁物質の検出イオンを、質量スペクトルの特性イオン[M+Na]を選定することによって定性的に分析した。
【0061】
分析結果、三つの予想化合物が導き出され、それぞれの予想化合物を合成してMS分析した。その結果、RRT 0.93で現れる類縁物質の化学構造が下記化学式2の構造を有することを確認した。
【0062】
【化12】
【0063】
(3S)-3-(4-((3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)ベンジル)オキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸((3S)-3-(4-((3-(7-oxaspiro[bicyclo[4.1.0]heptane-3,2’-[1,3]dioxolan]-6-yl)benzyl)oxy)phenyl)hex-4-ynoic acid)
【0064】
実施例2:化学式2の化合物の合成
化学式2の化合物は、下記反応式1によって下記のように合成した。
【0065】
【化13】
【0066】
<段階1>(3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)フェニル)メタノールの合成
【化14】
【0067】
フラスコにメタクロロ過安息香酸(MCPBA)(365.40mmol)を添加し、エチルアセテート(450ml)中に溶解させた。撹拌しつつ、内部温度を0℃に冷却した。(3-(1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-7-エン-8-イル)フェニル)メタノール(DS-PMA)(30g、121.80mmol)をエチルアセテート(150ml)に溶かして0℃で添加した。添加後、常温で撹拌後、TLCでチェックして、反応が終結したことを確認した。反応物を1N水酸化ナトリウム水溶液(300mlx3)、精製水(300mlx2)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過して、減圧濃縮した。シリカカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n-ヘキサン=1:2→エチルアセテート:n-ヘキサン=1:1)によって分離し、減圧濃縮して、固体化合物を得た。
【0068】
<段階2>3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)ベンジルメタンスルホナートの合成
【化15】
【0069】
(3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)フェニル)メタノール(4.25g、16.20mmol)をエチルアセテート(42.5ml)に溶解させた後、常温でトリエチルアミン(3.38ml、24.30mmol)を加えた。30分間撹拌しつつ、温度を低減し、0℃でメシルクロリド(1.63ml、21.06mmol)をゆっくり滴加した。5℃で撹拌した。反応終結をTLCで確認した。5℃で精製水(42.5ml)を入れて撹拌した。有機層を抽出した後、精製水(42.5ml)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム(50g)で乾燥し、ろ過して、濃縮なしに次の反応を進めた。
【0070】
<段階3>(3S)-エチル3-(4-((3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)ベンジル)オキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノアートの合成
【化16】
【0071】
メシル化(Mesylation)した物質を収得率100%で計算して、5.51gでS2反応を進めた。
【0072】
3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)ベンジルメタンスルホナート(5.51g、16.20mmol)、(S)-エチル3-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサ-4-イノアート(3.57g、15.39mmol)をフラスコに入れ、アセトニトリル(64ml)に溶解させた。常温で第三リン酸カリウム(212.27g、32.405mmol)を添加した後、1時間30分間74~76℃で加熱しつつ撹拌した。反応終結をTLCで確認した後、温度を常温に下げた。精製水(30ml)、エチルアセテート(30ml)を入れ、撹拌した後、有機層と水層を分離した。有機層を5%塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過した。ろ過した有機層を減圧濃縮して、固体化合物を得た。
【0073】
<段階4>(3S)-3-(4-((3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)ベンジル)オキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の合成
【化17】
【0074】
2反応段階で収得率を100%で計算して、7.11gで加水分解反応を進めた。
(3S)-エチル3-(4-((3-(7-オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]-6-イル)ベンジル)オキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノアート(7.11g、14.92mmol)にテトラヒドロフラン(36ml)、メタノール(36ml)を入れ、撹拌した。水酸化カリウム(4.92g、74.59mmol)を精製水(36ml)に溶解して添加し、30℃で30分間撹拌した。反応終結をTLCで確認した後、減圧濃縮した。精製水を入れ、撹拌した後、水層をエチルアセテートで2回洗浄した。内部温度を0~5℃に冷却した後、2N塩酸水溶液で酸性化して、有機層を抽出した。有機層を5%塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥後に減圧濃縮して、化合物を得た。
【0075】
合成された物質をHPLCおよび質量分析によって確認し、化学式2の構造を有することを確認した。また、この物質のNMRおよびIRスペクトルを分析した。1H NMR、13C NMRおよびIR(図1)の分析結果を下記に示す。
1H NMR(300MHz、DMSO-d6):12.27(br、1H)、7.43(1H)、7.37(1H)、7.32-7.27(m、3H)、6.96(d、2H)、5.09(s、1H)、3.95-3.81(m、5H)、3.12(d、1H)、2.61-2.51(m、3H)、2.16(t、2H)、2.01(d、1H)、1.79(s、3H)、1.68-1.56(m、2H)
13C NMR(DMSO d6)171.85、157.18、141.11、137.27、133.48、128.45、128.29、126.73、124.68、124.39、114.64、105.44、80.58、78.16、69.14、63.84、63.52、59.88、59.27、42.81、34.72、32.70、27.91、25.45、3.14ppm
吸収スペクトル(FT-IR、KBr):2912cm-1、1706.14cm-1、1508.03cm-1、1111.62cm-1
【0076】
また、XRDおよびDSC/TGAを分析し、その結果を、それぞれ図2および図3に示した。XRD、DSC/TGA分析条件は、下記の通りである。合成された物質は、無定形であることが確認された。
<XRD条件>
Model:D8 Advance(Bruker)
Power:40mA、40kV、
Time range:3min-45min(6deg/min*3)
<DSC/TGA条件>
Model:TGA Q5000 IR/SDT Q600(TA)
Temperature range:40℃~600℃
Rate:20℃。
【0077】
実施例3:類縁物質としての化学式2の化合物の確認
類縁物質の生成を確認するために、酸化剤を用いてストレスを加えた苛酷サンプルを製造した。冷蔵条件(5℃±3℃)で約2年ほど保管された(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸含有物質を約35mgを正確に測量して、50ml容量のフラスコに入れた。希釈液(diluent)を2/3ほど入れ、よく混ぜた。そこへ3%過酸化水素溶液2mlを入れた後、よく混ぜ、希釈液で標線した。苛酷サンプルを室温に放置し、24時間後、HPLC(Agilent Technologies 1200 Series)を用いて類縁物質を分析した。実施例1と同じ条件で分析した。その結果、苛酷サンプルで類縁物質が生成したことを確認した(RRT 0.93、Area 3.83%)。実施例1のサンプルを対照群として二つのサンプルのHPLCデータを比較して、図4に示した(青色:対照群、緑色:苛酷サンプル)。対照群と比較して、苛酷サンプルにおいて化学式2の類縁物質の生成が増加することを確認した。
図1
図2
図3
図4