(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】基礎杭施工作業計画書作成装置及び基礎杭施工作業計画書作成用プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20230817BHJP
【FI】
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2019072580
(22)【出願日】2019-04-05
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】515277300
【氏名又は名称】ジャパンパイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100193286
【氏名又は名称】圷 正夫
(72)【発明者】
【氏名】細田 光美
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-249985(JP,A)
【文献】特開平04-026878(JP,A)
【文献】特開2003-329448(JP,A)
【文献】特開平09-256635(JP,A)
【文献】特開平09-053324(JP,A)
【文献】建築・土木業向けスマートインフラソリューション スマートフォン活用3D計測ソリューション,Hitachi Social Innovation Forum 2018 ,2018年10月18日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎杭の施工現場における使用する機械の情報、作業者の情報、並びに、前記機械及び前記作業者の配置を示す図面を少なくとも含む作業計画書を作成するための基礎杭施工作業計画書作成装置において、
作成者が前記使用する機械の情報を入力するための機械情報入力欄、前記作成者が前記作業者の情報を入力するための作業者情報入力欄、及び、前記作業計画書の図面に対応する図面欄を有する入力フォームを表示装置に表示する入力フォーム表示機能と、
前記作成者によって前記機械情報入力欄に入力された前記使用する機械の情報に基づいて、第1記憶装置に格納されている機械情報データベースから前記使用する機械の形状情報を読み出し、前記使用する機械の形状を表す機械図形を前記図面欄に表示する機械図示機能と、
前記作成者によって前記作業者情報入力欄に入力された前記作業者の情報に基づいて、
前記作業者に対応する作業者図形を前記図面欄に表示する作業者図示機能と、
第2記憶装置に格納されている杭施工情報データベースから前記基礎杭の位置情報を読み出し、前記基礎杭の施工位置を表す基礎杭図形を前記図面欄に表示する基礎杭図示機能と、
前記図面欄内において前記機械図形及び前記作業者図形を前記作成者が移動させるための図形移動機能と、
ドローンを用いて前記基礎杭の施工現場において撮影された
複数の航空写真のデータから、前記基礎杭の施工現場に置かれている物品の3次元の形状情報を求める物品形状情報作成機能と、
前記物品形状情報作成機能によって求められた前記物品の3次元の形状情報を第3記憶装置に格納されている物品情報データベースに書き込む物品情報書き込み機能と、
前記物品の形状を前記図面欄に表示する物品図示機能と、
をコンピュータに実現させるように構成され
、
前記物品形状情報作成機能によって、前記基礎杭の施工現場に置かれている残土の形状情報が取得され、
前記物品形状情報作成機能よって求められた前記残土の形状が、前記物品図示機能によって前記図面欄に図示される、ことを特徴とする基礎杭施工作業計画書作成装置。
【請求項2】
前記使用する機械の形状情報を前記第1記憶装置に格納されている機械情報データベースに書き込む機械情報書き込み機能をコンピュータに実現させるように構成され、
前記機械情報書き込み機能において、前記機械の形状情報として、前記機械の3次元の形状情報を前記機械情報データベースに書き込み、
前記図面欄の書式として、斜視図を選択可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の基礎杭施工作業計画書作成装置。
【請求項3】
前記入力フォームは、前記基礎杭の施工現場の情報を入力するための現場情報入力欄を含み、
前記基礎杭図示機能において、作成者によって前記現場情報入力欄に入力された前記基礎杭の施工現場の情報に基づいて、前記杭施工情報データベースから前記基礎杭の位置情報を読み込む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の基礎杭施工作業計画書作成装置。
【請求項4】
第3記憶装置に格納されている地質情報データベースから前記基礎杭の施工現場の地質情報を読み出し、前記地質情報を前記作業計画書に表示する地質情報表示機能を前記コンピュータに実現させるように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の基礎杭施工作業計画書作成装置。
【請求項5】
前記物品
には、
更に、前記基礎杭の施工現場に置かれている機械、設備、杭材
又は資材
が含まれる
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の基礎杭施工作業計画書作成装置。
【請求項6】
基礎杭の施工現場における使用する機械の情報、作業者の情報、並びに、前記機械及び前記作業者の配置を示す図面を少なくとも含む作業計画書を作成するための基礎杭施工作業計画書作成
用プログラムにおいて、
作成者が前記使用する機械の情報を入力するための機械情報入力欄、前記作成者が前記作業者の情報を入力するための作業者情報入力欄、及び、前記作業計画書の図面に対応する図面欄を有する入力フォームを表示装置に表示する入力フォーム表示機能と、
前記作成者によって前記機械情報入力欄に入力された前記使用する機械の情報に基づいて、第1記憶装置に格納されている機械情報データベースから前記使用する機械の形状情報を読み出し、前記使用する機械の形状を表す機械図形を前記図面欄に表示する機械図示機能と、
前記作成者によって前記作業者情報入力欄に入力された前記作業者の情報に基づいて、
前記作業者に対応する作業者図形を前記図面欄に表示する作業者図示機能と、
第2記憶装置に格納されている杭施工情報データベースから前記基礎杭の位置情報を読み出し、前記基礎杭の施工位置を表す基礎杭図形を前記図面欄に表示する基礎杭図示機能と、
前記図面欄内において前記機械図形及び前記作業者図形を前記作成者が移動させるための図形移動機能と、
ドローンを用いて前記基礎杭の施工現場において撮影された
複数の航空写真のデータから、前記基礎杭の施工現場に置かれている物品の3次元の形状情報を求める物品形状情報作成機能と、
前記物品形状情報作成機能によって求められた前記物品の3次元の形状情報を第3記憶装置に格納されている物品情報データベースに書き込む物品情報書き込み機能と、
前記物品の形状を前記図面欄に表示する物品図示機能と、
をコンピュータに実現させるように構成され
、
前記物品形状情報作成機能によって、前記基礎杭の施工現場に置かれている残土の形状情報が取得され、
前記物品形状情報作成機能よって求められた前記残土の形状が、前記物品図示機能によって前記図面欄に図示される、
ことを特徴とする基礎杭施工作業計画書作成用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は基礎杭施工作業計画書作成装置及び基礎杭施工作業計画書作成用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
揚重機等の特定の機械を用いる作業にあたっては、作業者の安全を確保するために、労働安全衛生規則等によって作業計画書を作成することが求められる(特許文献1参照)。
この種の作業計画書を作成可能な装置として、特許文献2は発電所の建設計画装置を開示している。当該発電所の建設計画装置は、建設工程に即した建設状態および工事状態の状況を時系列的に確認できるものであり、CADデータ格納部に発電所の建設工事に必要な揚重機の2次元あるいは3次元CADデータを格納しておき、演算処理装置が建設工程データに基づいて建設工程に対応した揚重機状態データを作成し出力装置に出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-252226号公報
【文献】特開2002-266498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2は、揚重機を用いる発電所の建設計画装置を開示しているが、基礎杭施工のための作業計画書作成装置を開示していない。また、特許文献2が開示する発電所の建設計画装置では、建設工程データを予め用意しておかねばならず、作業計画書の作成が煩雑である。基礎杭施工のための作業計画書は、施工期間中ほぼ毎日作成する必要があり、容易に作成可能であることが求められる。
また、特許文献2は、CADデータ格納部に予め登録されていない機械等が施工現場に搬入された場合、如何に対応するかについてまでは開示しておらず、特許文献2が開示する発電所の建設計画装置では、このような場合に正確な作業計画書の作成が困難になる虞がある。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態の目的は、基礎杭施工のための作業計画書を正確且つ容易に作成可能な基礎杭施工作業計画書作成装置及び基礎杭施工作業計画書作成用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る基礎杭施工作業計画書作成装置は、
基礎杭の施工現場における使用する機械の情報、作業者の情報、並びに、前記機械及び前記作業者の配置を示す図面を少なくとも含む作業計画書を作成するための基礎杭施工作業計画書作成装置において、
作成者が前記使用する機械の情報を入力するための機械情報入力欄、前記作成者が前記作業者の情報を入力するための作業者情報入力欄、及び、前記作業計画書の図面に対応する図面欄を有する入力フォームを表示装置に表示する入力フォーム表示機能と、
前記作成者によって前記機械情報入力欄に入力された前記使用する機械の情報に基づいて、第1記憶装置に格納されている機械情報データベースから前記使用する機械の形状情報を読み出し、前記使用する機械の形状を表す機械図形を前記図面欄に表示する機械図示機能と、
前記作成者によって前記作業者情報入力欄に入力された前記作業者の情報に基づいて、
前記作業者に対応する作業者図形を前記図面欄に表示する作業者図示機能と、
第2記憶装置に格納されている杭施工情報データベースから前記基礎杭の位置情報を読み出し、前記基礎杭の施工位置を表す基礎杭図形を前記図面欄に表示する基礎杭図示機能と、
前記図面欄内において前記機械図形及び前記作業者図形を前記作成者が移動させるための図形移動機能と、
ドローンを用いて前記基礎杭の施工現場において撮影された複数の航空写真のデータから、前記基礎杭の施工現場に置かれている物品の3次元の形状情報を求める物品形状情報作成機能と、
前記物品形状情報作成機能によって求められた前記物品の3次元の形状情報を第3記憶装置に格納されている物品情報データベースに書き込む物品情報書き込み機能と、
前記物品の形状を前記図面欄に表示する物品図示機能と、
をコンピュータに実現させるように構成され、
前記物品形状情報作成機能によって、前記基礎杭の施工現場に置かれている残土の形状情報が取得され、
前記物品形状情報作成機能よって求められた前記残土の形状が、前記物品図示機能によって前記図面欄に図示される。
【0007】
上記構成(1)によれば、作業計画書の作成に際し、図面欄内において、機械図形及び作業者図形を作成者が移動させることができるので、予め作業工程データを用意しておかなくても、容易に作業計画書を作成することができる。
また、上記構成(1)によれば、形状に関する情報を予め有さない物品が施工現場に置かれていたとしても、物品形状情報作成機能によって、ドローンを用いて撮影された複数の航空写真のデータから物品の3次元形状を得ることができるので、正確な作業計画書を作成することができる。
そして上記構成(1)によれば、形状に関する情報を予め有さない残土が基礎杭の施工現場に置かれていたとしても、正確な作業計画書を作成することができる。特に、基礎杭の施工現場においては、杭穴の掘削により排出される残土の量は日々変化するため形状の把握が困難であるが、物品形状情報作成機能によって、残土の正確な形状を作業計画書に描くことができる。
【0008】
(2)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記使用する機械の形状情報を前記第1記憶装置に格納されている機械情報データベースに書き込む機械情報書き込み機能をコンピュータに実現させるように構成され、
前記機械情報書き込み機能において、前記機械の形状情報として、前記機械の3次元の形状情報を前記機械情報データベースに書き込み、
前記図面欄の書式として、斜視図を選択可能である。
【0009】
上記構成(2)によれば、使用する機械の3次元の形状を斜視図に示すことで、基礎杭の施工現場の状況を瞬時に的確に把握可能な作業計画書を容易に作成することができる。
【0010】
(3)幾つかの実施形態では、上記構成(1)又は(2)において、
前記入力フォームは、前記基礎杭の施工現場の情報を入力するための現場情報入力欄を含み、
前記基礎杭図示機能において、作成者によって前記現場情報入力欄に入力された前記基礎杭の施工現場の情報に基づいて、前記杭施工情報データベースから前記基礎杭の位置情報を読み込む。
【0011】
上記構成(3)によれば、作成者によって入力された基礎杭の施工現場の情報に基づいて、コンピュータが杭施工情報データベースから基礎杭の位置情報を読み込むので、作成者が杭施工情報データベースの中から必要な基礎杭の施工情報を選択する作業を省略することができ、作業計画書を容易に作成することができる。
【0012】
(4)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(3)の何れか1つにおいて、
第3記憶装置に格納されている地質情報データベースから前記基礎杭の施工現場の地質情報を読み出し、前記地質情報を前記作業計画書に表示する地質情報表示機能を前記コンピュータに実現させるように構成されている。
【0013】
上記構成(4)によれば、地質情報を作業計画書に表示することで、作業計画書を見た者が、作業内容をより詳細に把握することができる。
【0014】
(5)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(4)の何れか1つにおいて、
前記物品には、更に、前記基礎杭の施工現場に置かれている機械、設備、杭材又は資材が含まれる。
【0015】
上記構成(5)によれば、形状に関する情報を予め有さない機械、設備、杭材又は資材が基礎杭の施工現場に置かれていたとしても、正確な作業計画書を作成することができる。
【0016】
(6)本発明の少なくとも一実施形態に係る基礎杭施工作業計画書作成用プログラムは、
基礎杭の施工現場における使用する機械の情報、作業者の情報、並びに、前記機械及び前記作業者の配置を示す図面を少なくとも含む作業計画書を作成するための基礎杭施工作業計画書作成用プログラムにおいて、
作成者が前記使用する機械の情報を入力するための機械情報入力欄、前記作成者が前記作業者の情報を入力するための作業者情報入力欄、及び、前記作業計画書の図面に対応する図面欄を有する入力フォームを表示装置に表示する入力フォーム表示機能と、
前記作成者によって前記機械情報入力欄に入力された前記使用する機械の情報に基づいて、第1記憶装置に格納されている機械情報データベースから前記使用する機械の形状情報を読み出し、前記使用する機械の形状を表す機械図形を前記図面欄に表示する機械図示機能と、
前記作成者によって前記作業者情報入力欄に入力された前記作業者の情報に基づいて、前記作業者に対応する作業者図形を前記図面欄に表示する作業者図示機能と、
第2記憶装置に格納されている杭施工情報データベースから前記基礎杭の位置情報を読み出し、前記基礎杭の施工位置を表す基礎杭図形を前記図面欄に表示する基礎杭図示機能と、
前記図面欄内において前記機械図形及び前記作業者図形を前記作成者が移動させるための図形移動機能と、
ドローンを用いて前記基礎杭の施工現場において撮影された複数の航空写真のデータから、前記基礎杭の施工現場に置かれている物品の3次元の形状情報を求める物品形状情報作成機能と、
前記物品形状情報作成機能によって求められた前記物品の3次元の形状情報を第3記憶装置に格納されている物品情報データベースに書き込む物品情報書き込み機能と、
前記物品の形状を前記図面欄に表示する物品図示機能と、
をコンピュータに実現させるように構成され、
前記物品形状情報作成機能によって、前記基礎杭の施工現場に置かれている残土の形状情報が取得され、
前記物品形状情報作成機能よって求められた前記残土の形状が、前記物品図示機能によって前記図面欄に図示される。
【0017】
上記構成(6)によれば、作業計画書の作成に際し、図面欄内において、機械図形及び作業者図形を作成者が移動させることができるので、予め作業工程データを用意しておかなくても、容易に作業計画書を作成することができる。
また、上記構成(6)によれば、形状に関する情報を予め有さない残土が施工現場に置かれていたとしても、物品形状情報作成機能によって、ドローンを用いて撮影された画像から物品の3次元形状を得ることができるので、正確な作業計画書を作成することができる。特に、基礎杭の施工現場においては、杭穴の掘削により排出される残土の量は日々変化するため形状の把握が困難であるが、物品形状情報作成機能によって、残土の正確な形状を作業計画書に描くことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、基礎杭施工のための作業計画書を正確且つ容易に作成可能な基礎杭施工作業計画書作成装置及び基礎杭施工作業計画書作成用プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の少なくとも一実施形態に係る基礎杭施工作業計画書作成装置の構成を概略的に示す図である。
【
図2】作成装置によって作成される作業計画書の構成を概略的に示す図である。
【
図3】作業計画書の図面欄に表示される図面の一例を概略的に示す図である。
【
図4】作成装置が有する機能を説明するための図である。
【
図5】作業計画書の図面に記載される斜視図の一例を示す図である。
【
図6】作業計画書の図面に記載される斜視図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0021】
図1は、本発明の少なくとも一実施形態に係る基礎杭施工作業計画書作成装置(以下、作成装置ともいう)1の構成を概略的に示す図である。
図2は、作成装置1によって作成される作業計画書(基礎杭施工作業計画書)3の構成を概略的に示す図である。
図3は、作業計画書3の図面欄に表示される図面5の一例を概略的に示す図である。
【0022】
作業計画書3は、一般的に、労働安全衛生規則等により基礎杭の施工業者に作成が求められているものであり、基礎杭の施工期間中、略毎日作成が求められるものである。
図2に示すように、作業計画書3は、作業計画欄及び図面欄を含んでいる。作業計画欄は、更に分別すると、例えば、作業条件欄、使用する機械の機種・性能欄、人員配置欄、立入禁止措置欄、場内運行通路欄、転倒防止措置欄、合図方法欄及び玉掛けロープ欄等を含んでいる。
【0023】
また、作業計画書3の図面欄に描かれる図面は、
図3に一例を示すように、基礎杭の配置、使用する機械の配置、及び、人員(作業者)の配置を示すものである。従って、作業計画書3は、基礎杭の施工現場における使用する機械の情報、作業者(玉掛作業者、合図者、誘導者等)の情報、並びに、基礎杭、機械、及び作業者の配置を示す図面を少なくとも含むものである。使用する機械(建機)は、例えば、クローラクレーン、杭打機、アースドリル機、全周回転機、バックホウ、及び、トラック等である。
なお、作業計画書3の書式は、
図2に示すものに限定されることはなく、必要な情報が含まれていればよい。
【0024】
図3に示す図面は、例えば平面図であり、基礎杭の施工現場における基礎杭の配置(杭伏図)と、クローラクレーンと、杭打機と、バックホウと、ミキシングプラントと、水槽と、サイロと、詰所(現場事務所の建屋)と、立入禁止措置としてのパイロン及びコーンバーと、杭材置場と、資材置場と、残土と、作業者としての玉掛作業者、合図者及び誘導者と、建機の転倒防止措置としての敷鉄板とが記載されている。
【0025】
図1に示すように、作成装置1は、コンピュータ7及び印刷装置8を備えている。コンピュータ7は、例えば、CPU(中央演算処理装置)9、メモリ11、記憶装置13、表示装置15、通信部17及び入出力部19を有している。
コンピュータ7は、作業計画書3の作成者が直接操作可能なものであればよく、例えば、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、又はタブレット型コンピュータによって構成される。コンピュータ7は、作業計画書の作成者が直接操作可能なクライアントコンピュータと、クライアントコンピュータと通信可能なサーバコンピュータによって構成されていてもよい。また、表示装置15は、コンピュータ7とは別に設けられていてもよい。
【0026】
記憶装置13には、基礎杭施工作業計画書作成用プログラム(以下、作業計画書作成用プログラムともいう)21が格納されており、作業計画書3を作成しようとする作成者は、コンピュータ7を操作して作業計画書作成用プログラム21を実行させ、必要な事項を入力することにより、作業計画書3を作成・印刷することができる。
【0027】
記憶装置13には、作業計画書作成用プログラム21が実行中に必要に応じて読み込み又は書き込み可能なデータベース(DB)が格納されている。
例えば、記憶装置13には、現場情報DB23、杭情報DB25、杭施工情報DB27、機械情報DB29、設備情報DB30、資材情報DB31、残土情報DB32、作業者情報DB33、立入禁止措置情報DB34、転倒防止措置情報DB35、及び、地質情報DB36が格納されている。
【0028】
現場情報DB23には、基礎杭の施工現場に関する情報が記録されており、基礎杭の施工現場の位置情報(経度、緯度等)が記録されている。
杭情報DB25には、使用される杭材(既製杭)の名称(杭材名)や仕様(直径、長さ等)が記録されている。
杭施工情報DB27には、基礎杭(杭穴)の位置(経度、緯度等)、杭穴毎の基礎杭の仕様(本数、長さ、杭径、種類、形状等)、及び、各杭穴の仕様(掘削径、拡大掘削径、深さ等)が記録されている。
【0029】
機械情報DB29には、使用される機械(クローラクレーン、杭打機、アースドリル機、全周回転機、バックホウ、トラック等)の名称(機種名)、仕様(寸法形状、定格総荷重、最大地上揚程、最大作業半径、バケット容量、最大吊上げ荷重等)が記録されている。
設備情報DB30には、基礎杭の施工現場に置かれる設備(ミキシングプラント、水槽、サイロ、詰所(現場事務所の建屋)等)の情報(設備名、形状情報等)が記録されている。
【0030】
資材情報DB31には、使用される資材(掘削ヘッド、ヤットコ、ドリル管、立入禁止措置用のロープ・パイロン・コーンバー等)の情報(資材名、形状情報等)が記録されている。
残土情報DB32には、基礎杭の施工現場に置かれている残土の情報(形状情報、土の種類(薬液の含有の有無)等)が記録されている。
作業者情報DB33には、基礎杭を施工する作業者(玉掛者、合図者、誘導者等)の情報が記録されている。
【0031】
立入禁止措置情報DB34には、立入禁止措置(バリケード、パイロン、コーンバー、ロープ)等の情報が記録されている。
転倒防止措置情報DB35には、建機の転倒防止措置(敷鉄板、敷角、敷板等)の情報が記録されている。
地質情報DB36には、基礎杭の施工現場の地質に関する情報が記録されている。例えば、地質情報DB36には、位置情報と関連付けて、地質情報(地質データ、N値データ、支持層深さ、地下水位)、地質調査条件、及び、地質調査担当者等が記録されている。
【0032】
また、記憶装置13には、物品の複数の画像から当該物品の3次元の形状情報を作成可能な物品形状情報作成用プログラム22が格納されている。
物品形状情報作成用プログラム22は、例えば、SfM(Structure from Motion)/MVS(Multi-View Stereo)解析プログラムであり、複数の画像(航空写真)から、物品の3次元の形状情報を作成することができる。
複数の画像は、ドローン(無人航空機)を用いて撮影することができる。ドローンは、撮影装置内蔵型のものであってもよいし、撮影装置を後付けしたものであってもよい。撮影装置によって撮影された画像データは、通信によってコンピュータ7に送信されてもよいし、記録媒体を介してコンピュータ7に受け渡ししてもよい。
【0033】
図4は、作成装置1が有する機能を説明するための図である。
図4に示したように、作成装置1は、いずれもコンピュータ7によって実現される入力フォーム表示機能と、機械図示機能と、作業者図示機能と、基礎杭図示機能と、図形移動機能と、物品形状情報作成機能と、物品情報書き込み機能と、物品図示機能と、印刷機能とを少なくとも備えている。作成装置1は、立入禁止措置図示機能と、転倒防止措置図示機能(敷鉄板図示機能)と、地質情報表示機能と、設備図示機能と、杭材図示機能と、資材図示機能と、残土図示機能とを更に備えているのが好ましい。
【0034】
入力フォーム表示機能は、少なくとも、作業計画書3の作成者が使用する機械の情報を入力するための機械情報入力欄、及び、作成者が作業者(人員)の情報を入力するための作業者情報入力欄を有する入力フォームを表示装置15に表示する機能である。入力フォームは、更に、作業計画書3の図面欄に対応する作成者が編集可能な図面欄を有している。また、入力フォームは、作成者が、作業計画書3の図面欄に表示される立入禁止措置を入力するための立入禁止措置入力欄や、作業計画書3の図面欄に表示される転倒防止措置を入力するための転倒防止措置入力欄や、作業計画書3の図面欄に表示される物品を入力する図示物品入力欄等を更に有していてもよい。
【0035】
入力方法としては、作成者が機械情報入力欄、作業者情報入力欄、立入禁止措置入力欄、転倒防止措置入力欄、及び図示物品入力欄に直接テキスト入力できるようにするほか、プルダウンメニューから選択するようにしてもよい。プルダウンメニューから選択する場合、機械情報DB29、設備情報DB30、杭情報DB25、資材情報DB31、作業者情報DB33、立入禁止措置情報DB34に、及び転倒防止措置情報DB35に登録されている機種名、設備名、杭材名、資材名、人名立入禁止措置名、転倒防止措置名がプルダウンメニュー中に表示されるように構成される。
【0036】
なお、入力フォームに入力欄が無い事項については、作業計画書3の印刷後に作成者が手書きにより書き込んでもよい。また入力フォームの様式は、入力が必要な欄を一括して表示するものであってもよいが、一つの欄の入力が終了する毎に次の欄を表示するというように入力欄を順次表示するものであってもよい。
【0037】
また、作成装置1は、コンピュータ7によって実現される予測入力機能(1つの欄が入力されると当該欄と関連する他の欄が自動的に入力される機能)を有しているのが好ましい。例えば、入力フォーム中の機械の機種欄が入力された場合、機械情報DB27から機種に対応する性能(定格総荷重や作業半径等)が読み込まれ、入力フォームの性能欄に自動的に入力されるのが好ましい。
【0038】
機械図示機能は、作成者によって機械情報入力欄に入力された使用する機械の情報に基づいて、記憶装置13に格納されている機械情報DB27から使用する機械の形状情報を読み出し、使用する機械の形状を表す機械図形を入力フォームの図面欄に表示する機能である。機械図示機能によって表示される機械図形の図面欄内での位置は、予め設定された任意の位置である。なお、機械図示機能は、機械図形の周りに、クレーン等のブームが届く作業半径を示す線(点線等)を機械図形とともに表示するように構成されていてもよい。この場合、機械図示機能は、機械情報DB27に格納されている作業半径の情報を自動的に読み込み、作業半径を図示するように構成されているのが好ましい。
【0039】
作業者図示機能は、作成者によって作業者情報入力欄に入力された作業者の情報に基づいて、作業者に対応する作業者図形を入力フォームの図面欄に表示する機能である。作業者図示機能によって表示される作業者図形の図面欄内での位置は、予め設定された任意の位置である。なお、作業者図形は、人型であってもよいが、平面図の場合は単なる円等であってもよく、作業者の担当に応じて、合図者、玉掛け者又は誘導者を表す文字として、合、玉又は誘という文字を円内に含むものであってもよい。
【0040】
基礎杭図示機能は、記憶装置13に格納されている杭施工情報DB27から基礎杭の位置情報を読み出し、基礎杭の施工位置を表す基礎杭図形を入力フォームの図面欄に表示する機能である。基礎杭図示機能によって表示される基礎杭図形の図面欄内での位置は、基礎杭の位置情報に基づいて設定される。
なお、図面欄における杭伏図の縮尺は、図面欄の大きさ応じて適宜設定可能であってもよく、あるいは、作業計画に係る杭伏図の一部だけが表示されるように設定可能であってもよい。また、施工が完了した箇所の基礎杭図形のみを自動又は手動で非表示にしたり色を変えるような設定が可能であってもよい。更に、施工する基礎杭の掘削径や拡大比によって基礎杭図形の形を変えられるように設定可能であってもよい。例えば、基礎杭図形は、円に限定されることはなく、他の図形を選択可能であってもよい。
【0041】
立入禁止措置図示機能は、作成者によって入力フォームの立入禁止措置欄に入力された立入禁止措置の情報に基づいて、記憶装置13に格納されている立入禁止措置情報DB34から使用する立入禁止措置の形状情報を読み出し、立入禁止措置に対応する立入禁止措置図形を入力フォームの図面欄に表示する機能である。立入禁止措置図示機能によって表示される立入禁止措置図形の図面欄内での位置は、予め設定された任意の位置である。
【0042】
転倒防止措置図示機能は、作成者によって入力フォームの転倒防止措置欄に入力された転倒防止措置の情報に基づいて、記憶装置13に格納されている転倒防止措置情報DB35から使用する転倒防止措置の形状情報を読み出し、転倒防止措置に対応する転倒防止措置図形を入力フォームの図面欄に表示する機能である。転倒防止措置図示機能によって表示される転倒防止措置図形の図面欄内での位置は、予め設定された任意の位置である。
【0043】
設備図示機能は、作成者によって入力フォームの図示物品入力欄に入力された設備の情報に基づいて、記憶装置13に格納されている設備情報DB30から基礎杭の施工現場に置かれる設備の形状情報を読み出し、設備の形状を表す設備図形を入力フォームの図面欄に表示する機能である。設備図示機能によって表示される設備図形の図面欄内での位置は、予め設定された任意の位置である。
【0044】
杭材図示機能は、作成者によって入力フォームの図示物品入力欄に入力された杭材の情報に基づいて、記憶装置13に格納されている杭情報DB25から基礎杭の施工現場に置かれる杭材の形状情報を読み出し、杭材の形状を表す杭材図形を入力フォームの図面欄に表示する機能である。杭材図示機能によって表示される杭材図形の図面欄内での位置は、予め設定された任意の位置である。
【0045】
資材図示機能は、作成者によって入力フォームの図示物品入力欄に入力された資材の情報に基づいて、記憶装置13に格納されている資材情報DB31から基礎杭の施工現場に置かれる資材の形状情報を読み出し、資材の形状を表す資材図形を入力フォームの図面欄に表示する機能である。資材図示機能によって表示される資材図形の図面欄内での位置は、予め設定された任意の位置である。
【0046】
残土図示機能は、作成者によって入力フォームの図示物品入力欄に残土が入力された場合に、記憶装置13に格納されている残土情報DB32から基礎杭の施工現場に置かれる残土の形状情報を読み出し、残土の形状を表す残土図形を入力フォームの図面欄に表示する機能である。残土図示機能によって表示される残土図形の図面欄内での位置は、予め設定された任意の位置である。
【0047】
図形移動機能は、入力フォームの図面欄内に表示された図形、すなわち機械図示機能によって図示された機械図形、作業者図示機能によって図示された作業者図形、及び立入禁止措置図示機能によって図示された立入禁止措置図形等を作成者が移動させるための機能である。図形移動機能を使用することで、作成者は、図面欄内における機械図形、作業者図形及び立入禁止措置図形等を適当な位置に配置することができる。
【0048】
例えば、機械図形、作業者図形、立入禁止措置図形及び転倒防止措置図形等は、表示装置15の画面上においてポインティングデバイスで指定してドラッグすることにより、移動させることができる。機械図形、作業者図形及び立入禁止措置図形等の指定及びドラッグを容易にするため、機械図形、作業者図形、立入禁止措置図形及び転倒防止措置図形等は、それぞれ他の図形が表示されているレイヤーから独立したレイヤーに表示されるのが好ましい。
【0049】
物品形状情報作成機能は、ドローン(無人航空機)を用いて基礎杭の施工現場において撮影された複数の画像(航空写真)のデータから、基礎杭の施工現場に置かれている物品の3次元の形状情報を求める機能であり、物品形状情報作成用プログラム22を実行することにより実現される。画像のデータは、ドローンの撮影装置から通信又は記録媒体を介してコンピュータ7に渡され、必要に応じて記録装置13に保存される。
【0050】
物品情報書き込み機能は、物品形状情報作成機能によって求められた物品の3次元の形状情報を、物品の種類に応じて記憶装置13に格納されている適当なDB(例えば機械情報DB29等)に書き込む機能である。
【0051】
物品図示機能は、物品形状情報作成機能によって求められた物品の形状を図面欄に表示する機能である。例えば、作成者は、物品情報書き込み機能によって機械情報DB29に登録されている機械を選択して、当該機械の形状を図面欄に表示させることができる。この場合の物品図示機能は、機械図示機能と同一である。
【0052】
印刷機能は、作成者による入力フォームへの必要事項の入力、及び、作成者による図形移動機能による機械図形及び作業者図形の移動が完了した後、印刷装置8に作業計画書を印刷させる機能である。
【0053】
上記構成の作成装置1によれば、作業計画書3の作成に際し、入力フォームの図面欄内において、機械図形及び作業者図形を作成者が移動させることができるので、予め作業工程データを用意しておかなくても、容易に作業計画書3を作成することができる。
また、上記構成の作成装置1によれば、形状に関する情報を予め有さない物品が施工現場に置かれていたとしても、物品形状情報作成機能によって、ドローンを用いて撮影された画像から物品の3次元形状を得ることができるので、正確な作業計画書3を作成することができる。
【0054】
幾つかの実施形態では、作成装置1は、
図4に示したように、機械情報書き込み機能を更に備えている。
機械情報書き込み機能によれば、作成者の命令により、使用する機械の形状情報を記憶装置13に格納されている機械情報DB29に書き込むことができる。当該機械情報書き込み機能によれば、機械情報DB29に登録されていない機械が基礎杭の施工現場に持ち込まれたときに、後から当該機械の形状情報を取得し、図面欄に機械図形を表示可能である。
なお、機械の形状情報は、例えば、作成者が機械メーカのサイトから通信網を介してダウンロードすることによって入手することができる。
あるいは、機械の形状情報は、物品形状情報作成機能を用いて入手することができる。この場合、機械情報書き込み機能は、物品情報書き込み機能と同じである。
【0055】
幾つかの実施形態では、機械情報書き込み機能において、機械の形状情報として、機械の3次元の形状情報を機械情報DB29に書き込むことができる。そして、作業計画書3の図面の書式、すなわち入力フォームの図面欄の様式として、平面図の外、斜視図を選択可能である。斜視図の視点は、任意に選択可能であるのが好ましい。また、入力フォームの図面欄の様式として、平面図及び斜視図の外、側面図や断面図を選択可能であるのが好ましい。更に、図面中の一部の構成を切除又は透明化し、必要な部分を表示することができるのが好ましい。
【0056】
ここで、
図5及び
図6は、作業計画書3の図面に記載される斜視図の一例を示している。
図5の斜視図は、基礎杭の施工現場を上空から見たものである。
図6の斜視図は、逆打工法を用いた基礎杭の施工現場における、構台より下方の地下空間の様子を示すものである。
【0057】
上記構成によれば、使用する機械の3次元の形状を作業計画書3の斜視図に示すことで、基礎杭の施工現場の状況を瞬時に的確に把握可能な作業計画書3を容易に作成することができる。特に、逆打工法の場合、地下空間の状況の把握は困難であるが、斜視図で表示することにより、地下空間の状況を容易に把握することができる。
【0058】
幾つかの実施形態では、作成装置1は、
図4に示したように、任意文字・図形作図機能を更に備えている。任意文字・図形作図機能は、作成者がコンピュータ7を操作して任意のテキスト又は図形を入力フォームの図面欄に記載するための機能である。
基礎杭の施工現場では、基礎杭の施工者以外の作業者(例えばボーリング調査担当者や根切り担当者等)が作業をしているエリアがあり、これらのエリアでは基礎杭の施工を行うことはできない。任意文字・図形作図機能を使用すれば、基礎杭の施工可能な領域(施工可能ヤード)を、当該領域を囲む線や色分け表示等などにより明確にすることで、基礎杭の施工現場の状況を容易に把握可能となり、現場の打合せなどで活用できる。
【0059】
幾つかの実施形態では、入力フォームは、基礎杭の施工現場の情報を入力するための現場情報入力欄(不図示)を含む。そして、基礎杭図示機能において、作成者によって現場情報入力欄に入力された基礎杭の施工現場の情報に基づいて、杭施工情報DB27から基礎杭の位置情報を読み込む。
【0060】
上記構成によれば、作成者によって入力された基礎杭の施工現場の情報に基づいて、コンピュータ7が杭施工情報DB27から基礎杭の施工情報(位置情報等)を読み込むので、作成者が杭施工情報DB27の中から必要な基礎杭の施工情報を選択する作業を省略することができ、作業計画書3を容易に作成することができる。
【0061】
幾つかの実施形態では、記憶装置13に格納されている地質情報DB36から基礎杭の施工現場の地質情報を読み出し、地質情報を作業計画書3に表示する地質情報表示機能をコンピュータ7に実現させるように構成されている。
【0062】
上記構成によれば、地質情報(例えば支持層深さ)を作業計画書3に表示することで、作業計画書3を見た者が、作業内容をより詳細に把握することができる。
【0063】
幾つかの実施形態では、物品形状情報作成機能によって形状情報を取得する対象となる物品は、基礎杭の施工現場に置かれている機械、設備、杭材、資材又は残土である。
機械は、例えば、クローラクレーン、杭打機、アースドリル機、全周回転機、バックホウ及びトラック等である。
設備は、ミキシングプラント、水槽、サイロ、及び、詰所(現場事務所の建屋)等である。
杭材は、杭穴に埋設される前の既製杭である。
資材は、基礎杭の構築現場に必要な物品(ヤットコ、ドリル管、立入禁止措置用のロープ・パイロン・コーンバー等)である。
残土は、杭穴の掘削等により排出された土である。
【0064】
上記構成によれば、形状に関する情報を予め有さない機械、設備、杭材、資材又は残土が基礎杭の施工現場に置かれていたとしても、正確な作業計画書を作成することができる。特に、基礎杭の施工現場においては、杭穴の掘削により排出される残土の量は日々変化するため形状の把握が困難であるが、物品形状情報作成機能によって、残土の正確な形状を作業計画書3に描くことができる。
【0065】
最後に本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変更を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した実施形態では、作業計画書作成用プログラム21及び全てのDBがコンピュータ7の記憶装置13に格納されていたが、いずれか一方又は両方が外付けの記憶装置に格納されていてもよい。あるいは、作業計画書作成用プログラム21及び全てのDBのうちいずれか一方又は両方が、コンピュータ7と通信可能に接続されたサーバコンピュータ(不図示)の記憶装置に格納されていてもよい。つまり、作業計画書作成装置1は、複数のコンピュータによって構成されていてもよく、記憶装置13も1台の記憶装置(この場合、第1記憶装置=第2記憶装置=第3記憶装置)によって構成されていてもよいし、複数の記憶装置によって構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 基礎杭施工作業計画書作成装置
3 作業計画書
5 図面
7 コンピュータ
8 印刷装置
9 CPU
11 メモリ
13 記憶装置
15 表示装置
17 通信部
19 入出力部
21 基礎杭施工作業計画書作成用プログラム
22 物品形状情報作成用プログラム
23 現場情報データベース
25 杭情報データベース
27 杭施工情報データベース
29 機械情報データベース
30 設備情報データベース
31 資材情報データベース
32 残土情報データベース
33 作業者情報データベース
34 立入禁止措置情報データベース
35 転倒防止措置情報データベース
36 地質情報データベース