(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】符号化回路、復号化回路、符号化方法、復号化方法、伝送装置、及び光伝送システム
(51)【国際特許分類】
H03M 13/25 20060101AFI20230817BHJP
H03M 13/29 20060101ALI20230817BHJP
H04L 1/00 20060101ALI20230817BHJP
H04L 27/34 20060101ALI20230817BHJP
H04B 10/516 20130101ALI20230817BHJP
H04B 10/60 20130101ALI20230817BHJP
【FI】
H03M13/25
H03M13/29
H04L1/00 B
H04L27/34
H04B10/516
H04B10/60
(21)【出願番号】P 2019164914
(22)【出願日】2019-09-10
【審査請求日】2022-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】三上 和真
(72)【発明者】
【氏名】杉山 純一
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0109752(US,A1)
【文献】国際公開第2018/167920(WO,A1)
【文献】Kiichi Sugitani et al.,Partial Multilevel Coding with Probabilistic Shaping for Low-power Optical Transmission,2019 24th OptoElectronics and Communications Conference (OECC) and 2019 International Conference on Photonics in Switching and Computing (PSC),TuB1-5,2019年07月11日
【文献】由利 昌司 他,擬似乱数系列を用いたビット置換符号化変調に対するシェーピング,電子情報通信学会技術研究報告,Vol.118 No.139,2018年07月12日,pp.45-50
【文献】Huawei, HiSilicon,Signal shaping for QAM constellations[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting # 88bis R1-1705061,2017年03月25日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 13/25
H03M 13/29
H04L 1/00
H04L 27/34
H04B 10/516
H04B 10/60
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多値変調方式のコンスタレーション内の複数のシンボルのうち、フレーム内の複数のビット列の各々の値に応じたシンボルを前記複数のビット列に割り当てる割当部と、
前記複数のシンボルのうち、前記コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように、前記複数のビット列のうち、第1ビット列以外の各ビット列の値を変換する変換部と、
前記フレームの周期において、前記複数のビット列の
うち、第2ビット列の誤りを訂正するための第1の誤り訂正符号
のパリティビットを前記複数のビット列
の各々に挿入する第1期間と、前記複数のビット列
の各々に前記第1の誤り訂正符号
のパリティビットを挿入しない第2期間を切り替える切替部と、
前記切替部の切り替えに従って、前記第2期間中、前記複数のビット列のうち、
前記第2ビット列から前記第1の誤り訂正符号
のパリティビットを生成し、前記第1期間中、
前記複数のビット列の各々に挿入する第1挿入部とを有することを特徴とする符号化回路。
【請求項2】
前記複数のビット列の誤りを訂正するための第2の誤り訂正符号
のパリティビットを前記複数のビット列の各々から生成して、前記切替部の切り替えに従って、前記第1期間中、
前記複数のビット列の各々に挿入する第2挿入部を、さらに有し、
前記第1の誤り訂正符号は、
軟判定符号であり、
前記第2の誤り訂正符号は、
硬判定符号であることを特徴とする請求項
1に記載の符号化回路。
【請求項3】
多値変調方式のコンスタレーション内の複数のシンボルの1つが割り当てられたフレーム内の複数のビット列の各値を前記シンボルの1つに基づき軟判定する第1判定部と、
前記複数のシンボルのうち、前記コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように変換された、第1ビット列以外の各ビット列の値を逆変換する逆変換部と、
前記複数のビット列の
各々に挿入された誤り訂正符号
のパリティビットに基づいて前記第1判定部の軟判定の結果の誤りを訂正する訂正部と、
前記複数のビット列のうち、第2ビット列以外の各ビット列の値を前記シンボルの1つに基づき硬判定する第2判定部と
、
前記複数のビット列のうち、前記第2ビット列以外の各ビット列について、前記誤り訂正符号
のパリティビットにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列、及び前記第2判定部により硬判定されたビット列から、前記逆変換部に入力されるビット列を選択する選択部と、
前記フレームの周期において、
前記複数のビット列の各々に前記誤り訂正符号
のパリティビットが挿入されている第1期間と、
前記複数のビット列の各々に前記誤り訂正符号
のパリティビットが挿入されていない第2期間を前記選択部に通知する通知部とを有し、
前記選択部は、前記通知部の通知に従って、前記第1期間中、前記誤り訂正符号
のパリティビットにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、前記第2期間中、前記第2判定部により硬判定されたビット列を選択することを特徴とする復号化回路。
【請求項4】
多値変調方式のコンスタレーション内の複数のシンボルのうち、フレーム内の複数のビット列の各々の値に応じたシンボルを前記複数のビット列に割り当て、
前記複数のシンボルのうち、前記コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように、前記複数のビット列のうち、第1ビット列以外の各ビット列の値を変換し、
前記フレームの周期において、前記複数のビット列の
うち、第2ビット列の誤りを訂正するための第1の誤り訂正符号
のパリティビットを前記複数のビット列
の各々に挿入する第1期間と、前記複数のビット列
の各々に前記第1の誤り訂正符号
のパリティビットを挿入しない第2期間を切り替え、
該切り替えに従って、前記第2期間中、前記複数のビット列のうち、
前記第2ビット列から前記第1の誤り訂正符号
のパリティビットを生成し、前記第1期間中、
前記複数のビット列の各々に挿入することを特徴とする符号化方法。
【請求項5】
多値変調方式のコンスタレーション内の複数のシンボルの1つが割り当てられたフレーム内の複数のビット列の各値を前記シンボルの1つに基づき軟判定し、
前記複数のシンボルのうち、前記コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように変換された、第1ビット列以外の各ビット列の値を逆変換し、
前記複数のビット列の
各々に挿入された誤り訂正符号
のパリティビットに基づいて
前記軟判定の結果の誤りを訂正し、
前記複数のビット列のうち、第2ビット列以外の各ビット列の値を前記シンボルの1つに基づき硬判定し
、
前記複数のビット列のうち、前記第2ビット列以外の各ビット列について、前記誤り訂正符号
のパリティビットにより
前記軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列、及び
前記硬判定されたビット列から、
前記逆変換するビット列を選択し、
前記フレームの周期において、
前記複数のビット列の各々に前記誤り訂正符号
のパリティビットが挿入されている第1期間と、
前記複数のビット列の各々に前記誤り訂正符号
のパリティビットが挿入されていない第2期間を通知し、
前記逆変換するビット列の選択処理は、該通知に従って、前記第1期間中、前記誤り訂正符号
のパリティビットにより
前記軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、前記第2期間中、
前記硬判定されたビット列を選択することを特徴とする復号化方法。
【請求項6】
送信対象のフレームを復号化する請求項1に記載の符号化回路と、
受信対象のフレームを復号化する請求項
3に記載の復号化回路と、
前記送信対象のフレームを光信号に変換して他の装置に送信し、他の装置から光信号を受信して前記受信対象のフレームに変換する変換回路とを有することを特徴とする伝送装置。
【請求項7】
光信号を送信する第1伝送装置と、
前記光信号を受信する第2伝送装置とを有し、
前記第1伝送装置は、
送信対象のフレームを復号化する請求項1に記載の符号化回路と、
前記送信対象のフレームを前記光信号に変換する第1変換回路とを有し、
前記第2伝送装置は、
受信対象のフレームを復号化する請求項
3に記載の復号化回路と、
前記光信号を受信して前記受信対象のフレームに変換する第2変換回路とを有することを特徴とする光伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、符号化回路、復号化回路、符号化方法、復号化方法、伝送装置、及び光伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光伝送装置の伝送容量の増加に伴い、例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、及び64QAMなどの多値変調方式が用いられている。多値変調方式では、コンスタレーション内に配置された各シンボルのうち、変調対象のフレーム信号内の各ビット列の値に応じたシンボルがビット列に割り当てられることにより、シンボルに従った位相及び強度の光信号が生成される。
【0003】
プロバブリスティックシェーピング(PS: Probabilistic Shaping)の技術(以下、「PS」と表記)は、コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるようにビット列の値を変換することによりシンボル割り当ての確率分布を形成する。これにより、フレームから生成した信号光のノイズ耐力が向上する。
【0004】
PSには、例えばビット列のマーク率を50(%)より大きいレート(例えば80(%))に増加させるDM(Distribution Matching)処理が用いられる。これにより、コンスタレーションを区切る第1~第4象限のうち、特定の象限内だけでシンボル割り当ての確率がコンスタレーションの中心寄りに偏る。その後、第1~第4象限から、割り当て対象のシンボルが位置する象限が決定される。
【0005】
象限の決定には、FEC(Forward Error Correction)などの誤り訂正符号のパリティビットを用いることもできる(例えば非特許文献1を参照)。誤り訂正符号のマーク率は50(%)近くに維持されるため、第1~第4象限がほぼ同一の確率で選択され、全象限にわたってコンスタレーションの中心に偏った確率分布が形成される。
【0006】
誤り訂正符号の符号化方法としては、例えばビットインターリーブド符号化変調(BICM: Bit-Interleaved Coded Modulation)及びマルチレベル符号化(MLC: Multilevel Coding)が挙げられる(例えば特許文献1及び非特許文献2-4を参照)。BICMは、各ビット列をレベル(MSB(Most Significant Bit)やLSB(Least Significant Bit))で区別せずに一括して符号化する符号化方法である。MLCは、ビット列をレベルごとに分けて個別に誤り訂正符号を生成する符号化方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【非特許文献】
【0008】
【文献】F. Buchali, et al., “Rate Adaptation and Reach Increase by Probabilistically Shaped 64-QAM: An Experimental Demonstration,”, JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, VOL., 34, NO. 7, APRIL 1, 2016
【文献】U. Wachsmann, et al., “Multilevel Codes: Theoretical Concepts and Practical Design Rules”, IEEE TRANSACTIONS ON INFORMATION THEORY, VOL. 45, NO. 5, JULY 1999
【文献】A. Bisplinghoff, et al., “Low-Power, Phase-Slip Tolerant, Multilevel Coding for M-QAM”, JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, VOL., 35, NO. 4, FEBRUARY 15, 2017
【文献】Y. Koganei, et al., “Multilevel Coding with Spatially-Coupled Codes for beyond 400Gbps Optical Transmission”, OFC, 2018, Tu3C.2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
例えば64QAMを用いる場合、BICMを用いたフレームでは、3つのビット列から生成された誤り訂正符号のパリティビットが最上位のみに挿入されている。他の2つのビット列はDM処理対象であり、最上位のビット列の値に応じて決定されたコンスタレーションの象限内のシンボルのうち、DM処理された2つのビット列の値に応じたシンボルが割り当てられる。
【0010】
このとき、誤り訂正符号として、例えばターボ符号や低密度パリティ検査符号(LDPC: Low-Density Parity-check Code)などの軟判定符号(SD(Soft Decision)-FEC)によって、全てのビット列に対して符号化が行われる。軟判定符号は、BCH符号やリードソロモン符号などの硬判定符号(HD(Hard Decision)-FEC)と比較すると、訂正能力が高いが、符号化及び復号化の消費電力が大きい。
【0011】
これに対し、MLCを用いて軟判定符号の符号化対象を最下位のビット列のみにした場合、BICMを用いたフレームの場合より消費電力が低減される。
【0012】
しかし、通常のMLCの手法では、最下位のビット列には、DM処理できない誤り訂正符号のパリティビットが挿入されるため、BICMを用いたフレームの場合と比べると、PSによるノイズ耐力低減の効果が低下するおそれがある。
【0013】
そこで本件は、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる符号化回路、復号化回路、符号化方法、復号化方法、伝送装置、及び光伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1つの態様では、符号化回路は、多値変調方式のコンスタレーション内の複数のシンボルのうち、フレーム内の複数のビット列の各々の値に応じたシンボルを前記複数のビット列に割り当てる割当部と、前記複数のシンボルのうち、前記コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように、前記複数のビット列のうち、第1ビット列以外の各ビット列の値を変換する変換部と、前記フレームの周期において、前記複数のビット列のうち、第2ビット列の誤りを訂正するための第1の誤り訂正符号のパリティビットを前記複数のビット列の各々に挿入する第1期間と、前記複数のビット列の各々に前記第1の誤り訂正符号のパリティビットを挿入しない第2期間を切り替える切替部と、前記切替部の切り替えに従って、前記第2期間中、前記複数のビット列のうち、前記第2ビット列から前記第1の誤り訂正符号のパリティビットを生成し、前記第1期間中、前記複数のビット列の各々に挿入する第1挿入部とを有する。
【0015】
1つの態様では、復号化回路は、多値変調方式のコンスタレーション内の複数のシンボルの1つが割り当てられたフレーム内の複数のビット列の各値を前記シンボルの1つに基づき軟判定する第1判定部と、前記複数のシンボルのうち、前記コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように変換された、第1ビット列以外の各ビット列の値を逆変換する逆変換部と、前記複数のビット列の各々に挿入された誤り訂正符号のパリティビットに基づいて前記第1判定部の軟判定の結果の誤りを訂正する訂正部と、前記複数のビット列のうち、第2ビット列以外の各ビット列の値を前記シンボルの1つに基づき硬判定する第2判定部と、前記複数のビット列のうち、前記第2ビット列以外の各ビット列について、前記誤り訂正符号のパリティビットにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列、及び前記第2判定部により硬判定されたビット列から、前記逆変換部に入力されるビット列を選択する選択部と、前記フレームの周期において、前記複数のビット列の各々に前記誤り訂正符号のパリティビットが挿入されている第1期間と、前記複数のビット列の各々に前記誤り訂正符号のパリティビットが挿入されていない第2期間を前記選択部に通知する通知部とを有し、前記選択部は、前記通知部の通知に従って、前記第1期間中、前記誤り訂正符号のパリティビットにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、前記第2期間中、前記第2判定部により硬判定されたビット列を選択する。
【0016】
1つの態様では、符号化方法は、多値変調方式のコンスタレーション内の複数のシンボルのうち、フレーム内の複数のビット列の各々の値に応じたシンボルを前記複数のビット列に割り当て、前記複数のシンボルのうち、前記コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように、前記複数のビット列のうち、第1ビット列以外の各ビット列の値を変換し、前記フレームの周期において、前記複数のビット列のうち、第2ビット列の誤りを訂正するための第1の誤り訂正符号のパリティビットを前記複数のビット列の各々に挿入する第1期間と、前記複数のビット列の各々に前記第1の誤り訂正符号のパリティビットを挿入しない第2期間を切り替え、該切り替えに従って、前記第2期間中、前記複数のビット列のうち、前記第2ビット列から前記第1の誤り訂正符号のパリティビットを生成し、前記第1期間中、前記複数のビット列の各々に挿入する方法である。
【0017】
1つの態様では、復号化方法は、多値変調方式のコンスタレーション内の複数のシンボルの1つが割り当てられたフレーム内の複数のビット列の各値を前記シンボルの1つに基づき軟判定し、前記複数のシンボルのうち、前記コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように変換された、第1ビット列以外の各ビット列の値を逆変換し、前記複数のビット列の各々に挿入された誤り訂正符号のパリティビットに基づいて前記軟判定の結果の誤りを訂正し、
前記複数のビット列のうち、第2ビット列以外の各ビット列の値を前記シンボルの1つに基づき硬判定し、前記複数のビット列のうち、前記第2ビット列以外の各ビット列について、前記誤り訂正符号のパリティビットにより前記軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列、及び前記硬判定されたビット列から、前記逆変換するビット列を選択し、前記フレームの周期において、前記複数のビット列の各々に前記誤り訂正符号のパリティビットが挿入されている第1期間と、前記複数のビット列の各々に前記誤り訂正符号のパリティビットが挿入されていない第2期間を通知し、前記逆変換するビット列の選択処理は、該通知に従って、前記第1期間中、前記誤り訂正符号のパリティビットにより前記軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、前記第2期間中、前記硬判定されたビット列を選択する方法である。
【発明の効果】
【0018】
1つの側面として、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】BICMを用いる符号化回路の一例を示す構成図である。
【
図4】BICMを用いる復号化回路の一例を示す構成図である。
【
図7】XOR前後のシンボル割り当ての確率分布の一例を示す図である。
【
図8】MLCを用いる符号化回路の一例を示す構成図である。
【
図9】MLCを用いる復号化回路の一例を示す構成図である。
【
図10】シンボルマッピングの他の例を示す図である。
【
図11】XOR前後のシンボル割り当ての確率分布の一例を示す図である。
【
図12】第1実施例の符号化回路が出力する出力信号のフレームフォーマットを示す図である。
【
図13】第1実施例の符号化回路を示す構成図である。
【
図14】第1実施例の復号化回路を示す構成図である。
【
図15】第2実施例の符号化回路が出力する出力信号のフレームフォーマットを示す図である。
【
図16】第2実施例の符号化回路を示す構成図である。
【
図17】第2実施例の復号化回路を示す構成図である。
【
図18】第3実施例の符号化回路が出力する出力信号のフレームフォーマットを示す図である。
【
図19】第3実施例の符号化回路を示す構成図である。
【
図20】第3実施例の復号化回路を示す構成図である。
【
図21】第4実施例の符号化回路が出力する出力信号のフレームフォーマットを示す図である。
【
図22】第4実施例の符号化回路を示す構成図である。
【
図23】第4実施例の復号化回路を示す構成図である。
【
図24】第5実施例の符号化回路が出力する出力信号のフレームフォーマットを示す図である。
【
図25】第5実施例の符号化回路を示す構成図である。
【
図26】第5実施例の復号化回路を示す構成図である。
【
図27】第6実施例の符号化回路が出力する出力信号のフレームフォーマットを示す図である。
【
図28】第6実施例の符号化回路を示す構成図である。
【
図29】第6実施例の復号化回路を示す構成図である。
【
図30】第7実施例の符号化回路が出力する出力信号のフレームフォーマットを示す図である。
【
図31】第7実施例の符号化回路を示す構成図である。
【
図32】第7実施例の復号化回路を示す構成図である。
【
図33】第8実施例の符号化回路が出力する出力信号のフレームフォーマットを示す図である。
【
図34】第8実施例の符号化回路を示す構成図である。
【
図35】第8実施例の復号化回路を示す構成図である。
【
図36】第9実施例の符号化回路が出力する出力信号のフレームフォーマットを示す図である。
【
図37】第9実施例の符号化回路を示す構成図である。
【
図38】第9実施例の復号化回路を示す構成図である。
【
図39】第10実施例の符号化回路が出力する出力信号のフレームフォーマットを示す図である。
【
図40】第10実施例の符号化回路を示す構成図である。
【
図41】第10実施例の復号化回路を示す構成図である。
【
図42】比較例及び第4~第10実施例のビット列ごとのSD-FECパリティ及びHD-FECパリティのデータ量を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、光伝送システムの一例を示す構成図である。光伝送システムは、光ファイバなどの伝送路60,61を介して接続された一組の波長多重光伝送装置7a,7bを含む。波長多重光伝送装置7a,7bは、波長の異なる複数の光信号が波長多重された波長多重光信号Sを互いに送受信する。
【0021】
波長多重光伝送装置7aは、複数のトランスポンダ1a、光合波部30a、光分波部31a、光アンプ50a,51a、及び管理部6aを有する。また、波長多重光伝送装置7bは、複数のトランスポンダ1b、光合波部30b、光分波部31b、光アンプ50b,51b、及び管理部6bを有する。
【0022】
トランスポンダ1a,1bは、それぞれ、第1及び第2伝送装置の一例であり、光信号を送受信する。光信号は、一例としてITU-T勧告G.709に規定されたOTUCnフレームの形式を有する。
【0023】
トランスポンダ1a,1bは、クライアントネットワーク側のルータなどのネットワーク(NW)機器9と接続されている。トランスポンダ1a,1bは、ネットワーク機器9との間で複数のクライアント信号を送受信する。トランスポンダ1a,1bは、ネットワーク機器9からの複数のクライアント信号を共通のフレームに収容して光合波部30a,30bに出力し、光分波部31a,31bからのフレームから複数のクライアント信号を取り出してネットワーク機器9に送信する。
【0024】
光合波部30a,30bは、例えば光選択スイッチや光フィルタであり、複数のトランスポンダ1a,1bから入力された光信号を波長多重光信号に波長多重して光アンプ50a,50bに出力する。光アンプ50a,50bは波長多重光信号を増幅して伝送路60,61に出力する。
【0025】
光アンプ51a,51bには伝送路61,60から波長多重光信号が入力される。光アンプ51a,51bは波長多重光信号を増幅して光分波部31a,31bに出力する。
【0026】
光分波部31a,31bは、例えば光選択スイッチや光フィルタであり、波長多重光信号を波長ごとの光信号に分離する。光信号は、光分波部31a,31bから複数のトランスポンダ1a,1bに入力される。
【0027】
管理部6a,6bは、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを備えた回路であり、波長多重光伝送装置7a,7bを制御する。管理部6a,6bは、例えば、光アンプ50a,50bに対してゲインを設定し、光合波部30a,30bに対して波長多重対象のフレームを設定する。また、管理部6a,6bは、例えば、光分波部31a,31bに対して分離対象の光信号を設定し、トランスポンダ1a,1bに対してフレーム内のクライアント信号の収容に関する設定を行う。
【0028】
図2は、トランスポンダ1a,1bの一例を示す構成図である。トランスポンダ1a,1bは、複数の送受信モジュール10、フレーマチップ11、DSP(Digital Signal Processor)12、アナログ-デジタル変換部(DA/AD)13、ACO(Analog Coherent Optics)14、及び設定処理部15を有する。
【0029】
送受信モジュール10は、例えば電気コネクタを介し、フレーマチップ11が実装された回路基板に対して着脱自在な光モジュールである。送受信モジュール10は、ネットワーク機器9との間でクライアント信号を送受信する。クライアント信号のフレーム形式としては、例えばSONET(Synchronous Optical Network)フレームやGbE(Gigabit Ethernet(登録商標))フレームが挙げられるが、これに限定されない。
【0030】
まず、送受信モジュール10からACO14に向かう上り方向の処理を説明する。
【0031】
送受信モジュール10は、ネットワーク機器9から受信したクライアント信号を光-電気変換してフレーマチップ11に出力する。フレーマチップ11は、各送受信モジュール10から入力されたクライアント信号をフレームに収容する。本例では、フレームの一例としては、OTUCnフレームが挙げられるが、これに限定されず、他のフレームが用いられてもよい。
【0032】
フレーマチップ11はフレームをDSP12に出力する。DSP12は、フレームの誤り訂正符号を生成し、フレームを多値変調方式で変調してアナログ-デジタル変換部13に出力する。アナログ-デジタル変換部13はフレームをデジタル信号からアナログ信号に変換してACO14に出力する。ACO14はフレームを電気信号から光信号に変換して光合波部30a,30bに出力する。
【0033】
次にACO14から送受信モジュール10に向かう下り方向の処理を説明する。
【0034】
ACO14は、光信号を受信して電気信号に変換し、アナログ-デジタル変換部13に出力する。なお、電気信号は上記のフレーム構造を備える。アナログ-デジタル変換部13は、電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してDSP12に出力する。DSP12は、電気信号を復調処理してフレームを再生し誤り訂正して、フレーマチップ11に出力する。なお、ACO14は第1及び第2変換回路の一例である。
【0035】
フレーマチップ11は、フレームからクライアント信号を取り出して送受信モジュール10に出力する。送受信モジュール10は、クライアント信号を電気信号から光信号に変換してネットワーク機器9に送信する。
【0036】
また、設定処理部15は、管理部6a,6bの指示に従って、フレーマチップ11、DSP12、及びACO14に各種の設定を行う。
【0037】
また、DSP12は、上り方向のフレーム内の複数のビット列を符号化する符号化回路120と、下り方向のフレーム内の複数のビット列を復号化する復号化回路121とを有する。各ビット列はフレームのシリアルデータをパラレル変換して得られた一例のビット値である。
【0038】
(BICMによる符号化及び復号化)
図3は、BICMを用いる符号化回路120の一例を示す構成図である。符号化回路120は、PS変換部29、HD-FEC生成部24、SD-FEC生成部25、及びシンボルマッピング部27とを有する。PS変換部29は、DM処理部21a,21b及び排他的論理和(XOR)演算器23を有する。なお、本例では多値変調方式として64QAMを挙げるが、これに限定されない。
【0039】
フレーマチップ11から入力されたフレーム信号Sinは、例えばシリアル-パラレル変換によりレベル-0~レベル-2の3つのビット列に分けられる。ここで、レベル-2のビット列はMSBであり、レベル-0はLSBである。レベル-0~レベル-2の各ビット列は個別のレーン上に伝送される。
【0040】
PS変換部29は、レベル-0~レベル-2の各ビット列に対するシンボル割り当ての確率分布をPSにより形成する。DM処理部21aはレベル-1のビット列をDM処理し、DM処理部21bはレベル-0のビット列をDM処理する。これにより、レベル-0,1の各ビット列のマーク率が50(%)より大きいレート(例えば80(%))に増加し、レベル-0,1の各ビット列の値は「0」より「1」が多くなる。
【0041】
XOR演算器23は、レベル-0のビット列の値をレベル-1のビット列の値とXORする。これにより、レベル-0のビット列の値は、元のレベル-0のビット列の値とレベル-1のビット列の値をXORした値となる。各ビット列はPS変換部29からHD-FEC生成部24に出力される。
【0042】
HD-FEC生成部24は、レベル-0~レベル-2の各ビット列から、硬判定符号であるHD-FECパリティを生成する。HD-FEC生成部24は、HD-FECパリティをレベル-2のビット列に挿入する。各ビット列はHD-FEC生成部24からSD-FEC生成部25に出力される。なお、HD-FECパリティは第2の誤り訂正符号の一例である。
【0043】
SD-FEC生成部25は、レベル-0~レベル-2の各ビット列から、軟判定符号であるSD-FECパリティを生成する。SD-FEC生成部25は、SD-FECパリティをレベル-2のビット列に挿入する。各ビット列はSD-FEC生成部25からシンボルマッピング部27に出力される。
【0044】
シンボルマッピング部27は、64QAMのコンスタレーション内の複数のシンボルのうち、レベル-0~レベル-2の各ビット列の値に応じたシンボルをビット列に割り当てる。シンボルマッピング部27は、割り当てたシンボルに応じた出力信号Soutをアナログ-デジタル変換部13に出力する。
【0045】
符号90は、シンボルマッピング部27に入力されるフレーム内の各ビット列の内容を示す。レベル-0,1の各ビット列には、DM処理済みのデータ#0,#1がそれぞれ含まれる。
【0046】
また、レベル-2のビット列には、DM処理されていないデータ#2、HD-FECパリティ、及びSD-FECパリティが含まれる。HD-FECパリティ及びSD-FECパリティはフレームの周期T内の期間Taに挿入され、データ#2は、フレームの周期T内の期間Tbに挿入されている。期間Ta,Tbは、HD-FECパリティ及びSD-FECパリティが例えばフレーム全体のデータ量の20(%)程度となるように設定される。
【0047】
図4は、BICMを用いる復号化回路121の一例を示す構成図である。復号化回路121は、軟判定部41、SD-FEC復号部42、HD-FEC復号部45、及びPS逆変換部49を有する。PS逆変換部49は、XOR演算器47及びInverse-DM(IDM)処理部48a,48bを含む。
【0048】
軟判定部41は、アナログ-デジタル変換部13から入力された入力信号Sin’からレベル-0~2の各ビット列の値を軟判定することにより復元する。軟判定部41は、入力信号Sin’が示すシンボルからビット列の値「0」,「1」の確からしさを判定する。レベル-0~2の各ビット列は個別のレーンに伝送される。軟判定部41は、レベル-0~2の各ビット列の値をSD-FEC復号部42に出力する。
【0049】
SD-FEC復号部42は、SD-FECパリティに基づきレベル-0~2のビット列の値を訂正する。つまり、SD-FEC復号部42は、SD-FECパリティを用いて復号化を行う。SD-FEC復号部42は、レベル-0~2の各ビット列をHD-FEC復号部45に出力する。
【0050】
HD-FEC復号部45は、HD-FECパリティに基づきレベル-0~2の各ビット列の値を訂正する。つまり、HD-FEC復号部45は、HD-FECパリティを用いて復号化を行う。HD-FEC復号部45はレベル-0~2の各ビット列をPS逆変換部49に出力する。
【0051】
PS逆変換部49は、レベル-0~2の各ビット列に対しPS変換部29とは逆の変換を行う。XOR演算器47は、レベル-0のビット列の値をレベル-1のビット列の値とXORする。これにより、レベル-0のビット列の値は、復号化回路121のXOR演算器23によりXORされる前の元のレベル-0のビット列の値となる。
【0052】
レベル-1のビット列は、IDM処理部48aに入力され、レベル-0のビット列は、XOR演算器47からIDM処理部48bに入力される。
【0053】
IDM処理部48a,48bは、DM処理部21a,21bのDM処理の逆変換処理であるInverse-DM処理をレベル-0,1のビット列に対してそれぞれ行う。これにより、レベル-0,1の各ビット列は、符号化回路120内のPS変換部29のDM処理部21a,21bにより変換される前の値となる。レベル-0~2のビット列は出力信号Sout’としてフレーマチップ11に出力される。
【0054】
符号化回路120のPS変換部29は、64QAMのコンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように、レベル-0,1の各ビット列の値を変換する。これにより、コンスタレーションの中心に近いほど、シンボル割り当ての確率が高くなる確率分布が形成される。
【0055】
図5は、PSの処理の一例を示す図である。本例では、説明の便宜上、16QAMのコンスタレーションを挙げる。コンスタレーション内には、信号点であるシンボルP11~P14,P21~P24,P31~P34,P41~P44が第1~第4象限に均等に分かれて配置されている。
【0056】
各シンボルP11~P14,P21~P24,P31~P34,P41~P44を示す丸の大きさはシンボル割り当ての確率の値を示す。PS前のシンボル割り当ての確率は、各シンボルP11~P14,P21~P24,P31~P34,P41~P44の間で等しい。
【0057】
PS後のシンボル割り当ての確率が、中心点Oに近いシンボルP11~P14,P21~P24,P31~P34,P41~P44ほど高くなる。例えば、中心点Oからの距離が最短であるシンボルP22,P23,P32,P33のシンボル割り当ての確率は最大であり、中心点Oからの距離が最長であるシンボルP11,P14,P41,P44のシンボル割り当ての確率は最小となる。
【0058】
シンボル割り当ての確率分布の形成では、中心点O寄りのシンボルP22,P23,P32,P33のシンボル割り当ての確率が高くなるようにレベル-0,1の各ビット列の値を変換し、レベル-2のビット列の値によりシンボルP11~P14,P21~P24,P31~P34,P41~P44の象限が決定される。
【0059】
図6は、シンボルマッピングの一例を示す図である。シンボルマッピング部27は、レベル-0~2の各ビット列をグレイコードマッピングによりシンボルにマッピングする。
【0060】
シンボルマッピング部27は、レベル-0~2の各ビット列の値をI値及びQ値に割り当てる。例えばシンボルマッピング部27は、レベル-0~2の各ビット列の同一値をI値及びQ値の両方に割り当ててもよい。例えばレベル-0のビット列の値が「1」である場合、I値及びQ値はそれぞれ「1」となる。
【0061】
また、シンボルマッピング部27は、レベル-0~2の各ビット列の値を交互にI値及びQ値に割り当ててもよい。例えばレベル-0のビット列のうち、連続する2ビット分の値が「1」,「0」である場合、I値は「1」となり、Q値は「1」となる。
【0062】
レベル-2のビット列のI値及びQ値は、割り当てるシンボルの象限を決定する。I値=「0」かつQ値=「0」である場合、第1象限内のシンボルが割り当てられ、I値=「1」かつQ値=「0」である場合、第2象限内のシンボルが割り当てられる。また、I値=「1」かつQ値=「1」である場合、第3象限内のシンボルが割り当てられ、I値=「0」かつQ値=「0」である場合、第4象限内のシンボルが割り当てられる。
【0063】
PS変換部29は、中心点Oに近いシンボルほど、シンボル割り当ての確率が高くなるように、XOR演算器23によりレベル-0のビット列の値にレベル-1のビット列の値をXORする。
【0064】
図7は、XOR前後のシンボル割り当ての確率分布の一例を示す図である。なお、
図7中のレベル-0~2のビット列の値はI値及びQ値の何れであってもよい。
【0065】
DM処理部21a,21bは、レベル-0,1の各ビット列の値を「0」より「1」が多くなるようにそれぞれ変換する。このため、レベル-0,1の各ビット列の値が両方とも「1」となる確率が高くなり(符号m2参照)、XOR前のシンボル割り当ての確率分布は、中心点Oに最も近いシンボルP1が、その外側のシンボルP2より低くなってしまう。
【0066】
しかし、グレイコードの配列において、レベル-0のビット列の値は、レベル-1のビット列の値とXORされることにより「0」となる確率が高くなる。このため、レベル-0,1の各ビット列の値がそれぞれ「0」及び「1」となる確率が高くなり(符号m1参照)、XOR後のシンボル割り当ての確率分布は、中心点Oに最も近いシンボルP1が、その外側のシンボルP2より高くなる。
【0067】
また、レベル-2のビット列の値は、HD-FEC生成部24及びSD-FEC生成部25によりそれぞれ生成されたHD-FECパリティ及びSD-FECパリティである。HD-FECパリティ及びSD-FECパリティのマーク率は50(%)近くに維持されるため、第1~第4象限がほぼ同一の確率で選択され、全象限にわたってコンスタレーションの中心点Oに偏った確率分布が形成される。このため、出力信号のノイズ耐力が高まる。
【0068】
しかし、
図3に示されるように、SD-FEC生成部25は、レベル-0~2のビット列の全体(点線枠参照)を符号化の対象領域(SD-FECパリティの演算領域)とする。つまり、SD-FEC生成部25は、レベル-0~2の各ビット列からSD-FECパリティを生成する。軟判定符号は、硬判定符号と比較すると、訂正能力が高いが、符号化及び復号化の消費電力が大きい。
【0069】
(MLCによる符号化及び復号化)
図8は、MLCを用いる符号化回路120の一例を示す構成図である。
図8において、
図3と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0070】
符号化回路120は、PS変換部29x、HD-FEC生成部24x、SD-FEC生成部25x、及びシンボルマッピング部27xを有する。PS変換部29xは、DM処理部21a,21b及びXOR演算器23xを有する。なお、本例では多値変調方式として64QAMを挙げるが、これに限定されない。
【0071】
PS変換部29xは、64QAMのコンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように、レベル-0,1の各ビット列の値を変換する。XOR演算器23xは、レベル-0のビット列の値をレベル-2のビット列の値とXORする。これにより、レベル-0のビット列の値は、元のレベル-0のビット列の値とレベル-2のビット列の値をXORした値となる。各ビット列はPS変換部29xからHD-FEC生成部24xに出力される。
【0072】
HD-FEC生成部24xは、レベル-0~レベル-2の各ビット列から、硬判定符号であるHD-FECパリティを個別に生成する。HD-FEC生成部24xは、レベル-1のビット列のHD-FECパリティをレベル-1のビット列に挿入し、レベル-2のビット列のHD-FECパリティをレベル-2のビット列に挿入する。レベル-1,2の各ビット列はHD-FEC生成部24xからシンボルマッピング部27xに出力される。
【0073】
また、HD-FEC生成部24xは、レベル-0のビット列のHD-FECパリティをレベル-0のビット列に挿入する。レベル-0のビット列はHD-FEC生成部24xからSD-FEC生成部25xに出力される。
【0074】
SD-FEC生成部25xは、レベル-0のビット列から、軟判定符号であるSD-FECパリティを生成する。SD-FEC生成部25xは、レベル-0のビット列からHD-FECパリティを削除して、SD-FECパリティをレベル-0のビット列に挿入する。レベル-0のビット列はSD-FEC生成部25xからシンボルマッピング部27xに出力される。
【0075】
シンボルマッピング部27xは、64QAMのコンスタレーション内の複数のシンボルのうち、レベル-0~レベル-2の各ビット列の値に応じたシンボルをビット列に割り当てる。シンボルマッピング部27xは、割り当てたシンボルに応じた出力信号Soutをアナログ-デジタル変換部13に出力する。
【0076】
符号91は、シンボルマッピング部27xに入力されるフレーム内の各ビット列の内容を示す。レベル-0のビット列には、DM処理済みのデータ#0及びSD-FECパリティが含まれる。レベル-1のビット列には、DM処理済みのデータ#1及びHD-FECパリティが含まれ、レベル-2のビット列には、DM処理済みのデータ#2及びHD-FECパリティが含まれる。
【0077】
図9は、MLCを用いる復号化回路121の一例を示す構成図である。
図9において、
図4と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0078】
復号化回路121は、軟判定部41x、SD-FEC復号部42x、硬判定部43、HD-FEC復号部45x、及びPS逆変換部49xを有する。PS逆変換部49xは、XOR演算器47x及びIDM処理部48a,48bを含む。入力信号Sin’は軟判定部41x及び硬判定部43にそれぞれ入力される。
【0079】
軟判定部41xは、入力信号Sin’からレベル-0のビット列の値を軟判定することにより復元する。軟判定部41xは、入力信号Sin’が示すシンボルからビット列の値「0」,「1」の確からしさを判定する。軟判定部41xは、レベル-0のビット列の値をSD-FEC復号部42xに出力する。
【0080】
SD-FEC復号部42xは、SD-FECパリティに基づきレベル-0のビット列の値を訂正する。つまり、SD-FEC復号部42xは、SD-FECパリティを用いて復号化を行う。SD-FEC復号部42xは、レベル-0のビット列をHD-FEC復号部45xに出力する。
【0081】
また、硬判定部43は、入力信号Sin’からレベル-1,2の各ビット列の値を硬判定することにより復元する。硬判定部43は、入力信号Sin’が示すシンボルからビット列の値「0」,「1」を判定する。硬判定部43は、レベル-1,2の各ビット列の値をHD-FEC復号部45xに出力する。
【0082】
HD-FEC復号部45xは、HD-FECパリティに基づきレベル-0~2の各ビット列の値を訂正する。つまり、HD-FEC復号部45xは、HD-FECパリティを用いて復号化を行う。HD-FEC復号部45xはレベル-0~2の各ビット列をPS逆変換部49xに出力する。
【0083】
PS逆変換部49xは、レベル-0~2の各ビット列に対しPS変換部29xとは逆の変換を行う。XOR演算器47xは、レベル-0のビット列の値をレベル-2のビット列の値とXORする。これにより、レベル-0のビット列の値は、復号化回路121のXOR演算器23xによりXORされる前の元のレベル-0のビット列の値となる。
【0084】
レベル-1のビット列はIDM処理部48aに入力され、レベル-0のビット列はXOR演算器47xからIDM処理部48bに入力される。レベル-0~2のビット列は出力信号Sout’としてフレーマチップ11に出力される。
【0085】
符号化回路120のPS変換部29xは、64QAMのコンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように、レベル-0,1の各ビット列の値を変換する。これにより、コンスタレーションの中心に近いほど、シンボル割り当ての確率が高くなる確率分布が形成される。
【0086】
また、シンボルマッピング部27xは、BICMのシンボルマッピング部27とは異なるシンボルマッピングを行う。
【0087】
図10は、シンボルマッピングの他の例を示す図である。
図10において、
図6と共通する内容の説明は省略する。
【0088】
シンボルマッピング部27xは、レベル-0~2の各ビット列をセットパーティショニング(Set-partitioning)によりシンボルにマッピングする。セットパーティショニングにおけるレベル-0,1の各ビット列の値の配列はグレイコードとは異なる。
【0089】
この配列によると、復号化回路121のHD-FEC復号部45xが多段階復号(MSD: Multi-Stage Decoding)を行うことによりコンスタレーション内の各シンボル間のユークリッド距離をグレイコードの場合より長くすることができる。例えば、LSBであるレベル-0のビット列がI値=1かつQ値=0として正しく復号化された場合、コンスタレーション内の実線の丸のシンボルのみが復号化対象のシンボルとして限定的に使用される。
【0090】
このため、SD-FECをレベル-0のビット列だけに適用しているにもかかわらず、上位のレベル-1,2のビット列のエラーを低減して、誤り訂正能力の低下を抑制することができる。
【0091】
また、PS変換部29xは、中心点Oに近いシンボルほど、シンボル割り当ての確率が高くなるように、XOR演算器23xによりレベル-0のビット列の値にレベル-2のビット列の値をXORする。
【0092】
図11は、XOR前後のシンボル割り当ての確率分布の一例を示す図である。なお、
図11において、
図7と共通する内容の説明は省略する。
【0093】
DM処理部21a,21bは、レベル-0,1の各ビット列の値を「0」より「1」が多くなるようにそれぞれ変換するため、レベル-0,1の各ビット列の値が両方とも「1」となる確率が高くなる(符号m3参照)。ここで、セットパーティショニングでは、レベル-0のビット列のI値及びQ値の配列が中心点Oを挟んで非対称である。このため、中心点Oを挟んだ一方の側において、XOR前のシンボル割り当ての確率分布は、中心点Oに最も近いシンボルP3が、その外側のシンボルP4より低くなってしまう。
【0094】
しかし、セットパーティショニングの配列において、レベル-0のビット列の値は、中心点Oを挟んで対称なレベル-2のビット列の値とXORされることにより「0」となる確率が高くなる。このため、レベル-0,1の各ビット列の値がそれぞれ「0」及び「1」となる確率が高くなり(符号m4参照)、XOR後のシンボル割り当ての確率分布は、中心点Oに最も近いシンボルP3が、その外側のシンボルP4より高くなる。
【0095】
また、レベル-2のビット列の値は、HD-FEC生成部24xにより生成されたHD-FECパリティである。HD-FECパリティのマーク率は50(%)近くに維持されるため、第1~第4象限がほぼ同一の確率で選択される。
【0096】
図8及び
図9で示されるように、MLCを用いたフレームでは、SD-FECパリティがレベル-0のビット列のみから生成されるため、BICMを用いる場合より消費電力が低減される。
【0097】
しかし、MLCを用いる場合、レベル-0のビット列のみに、DM処理できないSD-FECパリティ(符号911参照)が挿入されるため、BICMを用いる場合と比べると、PSによるノイズ耐力向上の効果が低下するおそれがある。また、レベル-1のビット列には、DM処理されないHD-FECパリティ(符号910参照)が挿入されるため、やはりPSによるノイズ耐力向上の効果が低下するおそれがある。
【0098】
(第1実施例)
図12は、第1実施例の符号化回路120が出力する出力信号Soutのフレームフォーマットを示す図である。符号化回路120は、フレームの周期Tを2つの期間Ta,Tbに分け、一方の期間Tbでは、MLCを用いてレベル-0のビット列のみからSD-FECパリティを生成し、他方の期間Taでは、レベル-2,1の各ビット列にSD-FECパリティを挿入する。
【0099】
期間Tbにおいて、レベル-0~2のビット列にはデータ#0~#2がそれぞれ含まれる。最上位のレベル-2のデータ#2は、シンボルマッピングにおいてコンスタレーションの象限の決定に用いられるため、DM処理されていない(「DM処理無し」参照)。また、レベル-1,0の各データ#1,#0は、PSによるシンボルマッピングのためにDM処理されている(「DM処理有り」参照)。
【0100】
期間Tbにおいて、符号化回路120は、最下位のレベル-0のビット列内のデータ#0のみからSD-FECパリティを生成し、セットパーティショニングによるシンボルマッピングを行う。
【0101】
また、期間Taにおいて、レベル-0のビット列には、DM処理されたデータ#0が含まれ、レベル-1,2の各ビット列にはSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されている。HD-FECパリティは、期間Tbにおいて、レベル-0~2の各ビット列内のデータ#0~#2から生成され、期間Taにおいて、レベル-0のビット列内のデータ#0から生成される。なお、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティの配置の形態に限定はない。
【0102】
期間Taにおいて、符号化回路120は、最下位のレベル-0のビット列内のデータ#0、及び他のレベル-1,2のビット列内のHD-FECパリティからSD-FECパリティを生成し、グレイコードによるシンボルマッピングを行う。なお、レベル-2のビット列は第1ビット列の一例であり、レベル-0のビット列は第2ビット列の一例である。
【0103】
上記のフレームフォーマットによると、符号Xで示されるように、期間Taではレベル-0~2の各ビット列がSD-FECパリティの演算領域となり、期間Tbではレベル-0のビット列のみがSD-FECパリティの演算領域となる。このため、SD-FECパリティの演算領域は、
図3に示されたBICMのフレームフォーマットの場合より狭くなることで消費電力が低減される。
【0104】
また、期間Taにおいて、SD-FECパリティは、レベル-0のビット列には挿入されておらず、レベル-1,2の2つのビット列にわたって挿入されている。このため、SD-FECパリティのデータ量が一定である場合、1つのビット列だけにSD-FECパリティが挿入されたときより期間Taを短縮することが可能である。
【0105】
このため、符号化回路120及び復号化回路121は、上記のフレームフォーマットに基づき符号化処理及び復号化処理をそれぞれ行うことにより、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。以下に符号化回路120及び復号化回路121の各構成を説明する。
【0106】
図13は、第1実施例の符号化回路120を示す構成図である。
図13において、
図3と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、実施例の符号化方法は、以下に述べる符号化回路120の符号化処理である。以下に
図12及び
図13を参照して説明する。
【0107】
符号化回路120は、動作制御部20、PS変換部29y、HD-FEC生成部24y、SD-FEC生成部25y、シンボルマッピング部27y、及びセレクタ(SEL)26a,26bを有する。PS変換部29yは、DM処理部21a,21b、セレクタ(SEL)22、及びXOR演算器23yを有する。なお、本例では多値変調方式として64QAMを挙げる。
【0108】
動作制御部20は、切替部の一例であり、フレームの周期Tにおいて、SD-FECパリティをビット列に挿入する期間Taと、ビット列にSD-FECパリティを挿入しない期間Tbを切り替える。例えば動作制御部20は、期間Ta及び期間Tbに応じて、シンボルマッピング部27y及びセレクタ22,26a,26bを制御する。なお、期間Taは第1期間の一例であり、期間Tbは第2期間の一例である。
【0109】
符号化回路120は、フレームの周期T内の期間Ta,TbごとにSD-FECパリティの演算領域のビット列と、シンボルマッピング部27yのシンボルマッピングとを切り替える。このため、動作制御部20は、例えば設定処理部15から入力されたフレーム同期情報に従って、セレクタ22,26a,26bの入力元(つまり入力信号)を切り替え、シンボルマッピング部27yのシンボルマッピングをグレイコードまたはセットパーティショニングに切り替える。
【0110】
図13において、四角で囲った「H」はHD-FECパリティ(HDパリティ)の出力と入力の接続関係を示し、四角で囲った「S」はSD-FECパリティ(SDパリティ)の出力と入力の接続関係を示す。例えば、SD-FEC生成部25yが出力したSD-FECパリティはセレクタ26a,26bに入力される。
【0111】
また、セレクタ22,26a,26bの入力信号に付された符号(Ta,Tb)は、その入力信号が選択される期間Ta,Tbを示す。例えば、セレクタ26aは、入力信号として、期間TaではHD-FECパリティを選択し、期間TbではSD-FECパリティを選択する。なお、上記の表記は、
図13以降の図面にも同様に用いられる。
【0112】
レベル-0~2の各ビット列はPS変換部29yに入力される。PS変換部29yは、変換部の一例であり、コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように、レベル-2のビット列以外のレベル-0,1の各ビット列の値を変換する。レベル-2のビット列とDM処理済みのレベル-1のビット列はセレクタ22及びHD-FEC生成部24yに入力される。また、レベル-2のビット列及びDM処理済みのレベル-0のビット列はXOR演算器23y及びセレクタ22に入力される。
【0113】
XOR演算器23yは、DM処理部21bから出力されたレベル-0のビット列とレベル-2のビット列のXORの演算を行う。XOR後のレベル-0のビット列はセレクタ22に入力される。
【0114】
セレクタ22は、HD-FEC生成部24yに出力するビット列を、XOR後のレベル-0のビット列及びXORされていないレベル-0のビット列から選択する。セレクタ22は、期間TaにおいてXORされていないレベル-0のビット列を選択する。期間Taではグレイコードによるシンボルマッピングが行われるが、レベル-1のビット列にはSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されるため、
図3の符号化回路120とは異なり、レベル-0のビット列とレベル-1のビット列のXORの演算が不要である。
【0115】
また、期間Tbではセットパーティショニングによるシンボルマッピングが行われるため、
図8の符号化回路120と同様に、レベル-0のビット列とレベル-1のビット列のXORの演算が行われる。
【0116】
HD-FEC生成部24yは、第2挿入部の一例であり、レベル-0~2の各ビット列の誤りを訂正するためのHD-FECパリティをレベル-0~2の各ビット列から生成して、動作制御部20の期間Ta,Tbの切り替えに従って、期間Ta中、レベル-1,2の各ビット列に挿入する。なお、HD-FECパリティは第2の誤り訂正符号の一例である。
【0117】
HD-FEC生成部24yは、レベル-0~2の各ビット列のデータ#0~#2からHD-FECパリティを算出してSD-FEC生成部25y及びセレクタ26a,26bにそれぞれ出力する。また、HD-FEC生成部24yは、入力されたレベル-1,2の各ビット列をそのままセレクタ26a,26bにそれぞれ出力し、入力されたレベル-0のビット列をそのままSD-FEC生成部25yに出力する。
【0118】
SD-FEC生成部25yは、第1挿入部の一例であり、動作制御部20の期間Ta,Tbの切り替えに従って、期間Tb中、レベル-0のビット列からSD-FECパリティを生成し、期間Ta中、レベル-1,2のビット列に挿入する。SD-FECパリティは第1の誤り訂正符号の一例である。
【0119】
SD-FEC生成部25yは、期間Taではレベル-0のビット列内のデータ#0、及びレベル-1,2のビット列内のHD-FECパリティからSD-FECパリティを生成する。つまり、SD-FECパリティは、期間Ta内のレベル-0~2の各ビット列から算出される。また、SD-FEC生成部25yは、期間Tbではレベル-0のビット列内のデータ#0からSD-FECパリティを生成する。
【0120】
SD-FEC生成部25yは、SD-FECパリティをセレクタ26a,26bに出力する。また、SD-FEC生成部25yは、入力されたレベル-0のビット列をそのままシンボルマッピング部27yに出力する。
【0121】
セレクタ26aは、期間Taにおいて、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティを入力信号として選択してシンボルマッピング部27yに出力し、期間Tbにおいて、レベル-2のビット列内のデータ#2を入力信号として選択してシンボルマッピング部27yに出力する。セレクタ26bは、期間Taにおいて、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティを入力信号として選択してシンボルマッピング部27yに出力し、期間Tbにおいて、レベル-1のビット列内のデータ#1を入力信号として選択してシンボルマッピング部27yに出力する。
【0122】
このため、動作制御部20の期間Ta,Tbの切り替えに従って、シンボルマッピング部27yには、期間Tb中、レベル-0~2の各ビット列内のデータ#0~#2が入力され、期間Ta中、レベル-1,2の各ビット列内のHD-FECパリティ及びSD-FECパリティとレベル-0のビット列内のデータ#0が入力される。このようにして上記のフレームフォーマットが形成される。
【0123】
シンボルマッピング部27yは、割当部の一例であり、64QAMのコンスタレーション内の複数のシンボルのうち、レベル-0~2の各ビット列の値に応じたシンボルをレベル-0~2のビット列に割り当てる。シンボルマッピング部27yは、シンボルマッピングを、フレームの周期T内の期間Ta,Tbに応じてセットパーティショニングまたはグレイコードによる方式(
図6及び
図10参照)に切り替える。なお、シンボルマッピングのデータは、例えばシンボルマッピング部27y内のメモリなどに格納されている。
【0124】
このように、動作制御部20は、フレームの周期Tにおいて、SD-FECパリティをビット列に挿入する期間Taと、ビット列にSD-FECパリティを挿入しない期間Tbを切り替える。SD-FEC生成部25yは、動作制御部20の期間Ta,Tbの切り替えに従って、期間Ta中、レベル-0のビット列からSD-FECパリティを生成し、期間Ta中、レベル-0のビット列以外のレベル-1,2の各ビット列に挿入する。
【0125】
このため、期間Taではレベル-0~2の各ビット列がSD-FECパリティの演算領域となり、期間Tbではレベル-0のビット列のみがSD-FECパリティの演算領域となる。したがって、SD-FECパリティの演算領域は、
図3に示されたBICMのフレームフォーマットの場合より狭くなることで消費電力が低減される。
【0126】
また、期間Taにおいて、SD-FECパリティは、レベル-0のビット列には挿入されておらず、レベル-1,2の2つのビット列にわたって挿入されている。このため、SD-FECパリティのデータ量が一定である場合、1つのビット列だけにSD-FECパリティが挿入されたときより期間Taを短縮することが可能である。
【0127】
よって、符号化回路120は、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【0128】
図14は、第1実施例の復号化回路121を示す構成図である。
図14において、
図4と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、実施例の復号化方法は、以下に述べる復号化回路121の符号化処理である。以下に
図12及び
図14を参照して説明する。
【0129】
復号化回路121は、動作制御部40、軟判定部41y、SD-FEC復号部42y、硬判定部43y、セレクタ44a,44b、HD-FEC復号部45y、及びPS逆変換部49yを有する。PS逆変換部49yは、セレクタ46、XOR演算器47y、及びIDM処理部48a,48bを含む。
【0130】
動作制御部40は、通知部の一例であり、例えばフレームの同期情報に従って、ビット列にSD-FECパリティが挿入されている期間Taと、ビット列にSD-FECパリティが挿入されていない期間Tbをセレクタ44a,44b,46、軟判定部41y、及び硬判定部43yに通知する。セレクタ44a,44b,46は、期間Ta,Tbの通知に従って入力信号を選択する。軟判定部41y及び硬判定部43yは、期間Ta,Tbの通知に従ってシンボルデマッピングを、セットパーティショニングまたはグレイコードによる方法に切り替える。
【0131】
入力信号Sin’はアナログ-デジタル変換部13から軟判定部41y及び硬判定部43yに分かれて入力される。
【0132】
軟判定部41yは、第1判定部の一例であり、64QAMのコンスタレーション内のシンボルが割り当てられたフレーム内のレベル-0~2のビット列の各値をシンボルに基づき軟判定する。軟判定部41yは、軟判定の結果に基づき、期間Ta内のレベル-1,2の各ビット列からHD-FECパリティ及びSD-FECパリティを取り出してSD-FEC復号部42yに出力する。また、軟判定部41yは、軟判定の結果に基づきレベル-0のビット列内のデータ#0をSD-FEC復号部42yに出力する。
【0133】
SD-FEC復号部42yは、訂正部の一例であり、フレームの周期T内の期間Ta中、レベル-1,2のビット列に挿入されたSD-FECパリティに基づいて軟判定部41yの判定の結果の誤りを訂正する。つまり、SD-FEC復号部42yは、SD-FECパリティに基づきレベル-0~2の各ビット列を復号化する。
【0134】
レベル-0のビット列はSD-FEC復号部42yから硬判定部43y及びHD-FEC復号部45yに入力される。HD-FECパリティはSD-FEC復号部42yからセレクタ44a,44bに入力される。
【0135】
また、硬判定部43yは、第2判定部の一例であり、64QAMのコンスタレーション内のシンボルが割り当てられたレベル-0~2のビット列のうち、レベル-0のビット列以外のレベル-1,2の各ビットの値をシンボルに基づき硬判定する。例えば硬判定部43yは、期間TbにおいてSD-FEC復号部42yから入力されたレベル-0のビット列を硬判定に用いる。つまり、硬判定部43yは期間Tb中にレベル-0のビット列内のデータ#0を入力信号として取得する。レベル-2のビット列は硬判定部43yからセレクタ44aに入力され、レベル-1のビット列は硬判定部43yからセレクタ44bに入力される。
【0136】
セレクタ44aは、HD-FEC復号部45yに出力する出力信号を、HD-FECパリティとレベル-2のビット列(データ#2)から選択する。セレクタ44aは、期間TaにおいてHD-FECパリティを選択し、期間Tbにおいてレベル-2のビット列を選択する。
【0137】
セレクタ44bは、HD-FEC復号部45に出力する出力信号を、HD-FECパリティとレベル-1のビット列内のデータ#1から選択する。セレクタ44bは、期間TaにおいてHD-FECパリティを選択し、期間Tbにおいてレベル-1のビット列を選択する。
【0138】
HD-FEC復号部45yは、レベル-0~2の各ビット列の値をHD-FECパリティにより誤り訂正する。つまり、HD-FEC復号部45yは、HD-FECパリティに基づきレベル-0~2の各ビット列を復号化する。
【0139】
HD-FEC復号部45yは、期間Tbにおいてレベル-0~2の各ビット列のデータ#0~#2を復号化し、期間Taにおいてレベル-0のビット列のデータ#0を復号化する。このとき、HD-FEC復号部45yは、多段階復号を行うことにより誤り訂正能力を維持する。HD-FEC復号部45yは、レベル-0~2の各ビット列をPS逆変換部49yに出力する。
【0140】
PS逆変換部49yは、逆変換部の一例であり、DM処理により変換された、レベル-2のビット列以外のレベル-0,1の各ビット列の値を逆変換する。レベル-2のビット列はXOR演算器47yに入力され、レベル-1のビット列はIDM処理部48aに入力される。また、レベル-0のビット列はXOR演算器47y及びセレクタ46に入力される。
【0141】
XOR演算器47yは、レベル-2のビット列をレベル-0のビット列にXOR演算する。XOR後のレベル-0のビット列はセレクタ46に入力される。
【0142】
セレクタ46は、IDM処理部48bに出力するビット列をXOR後のレベル-0のビット列及びXOR前のレベル-0のビット列から選択する。セレクタ46は、期間TbにおいてXOR後のレベル-0のビット列を選択し、期間TaにおいてXOR前のレベル-0のビット列を選択する。このため、符号化回路120のXOR演算器23yによりXORされたレベル-0のビット列の値がXOR前の値に戻る。選択されたレベル-0のビット列はセレクタ46からIDM処理部48bに入力される。
【0143】
レベル-2のビット列、及びIDM処理部48a,48bによりInverse-DM処理されたレベル-0,1の各ビット列は、例えばパラレル-シリアル変換により出力信号Sout’としてフレーマチップ11に出力される。
【0144】
このように、軟判定部41yは、64QAMのコンスタレーション内の複数のシンボルの1つが割り当てられたフレーム内のレベル-0~2のビット列の各値をシンボルの1つに基づき軟判定する。SD-FEC復号部42yは、レベル-1,2のビット列に挿入されたSD-FECパリティに基づいて軟判定部41yの軟判定の結果の誤りを訂正する。
【0145】
硬判定部43yは、複数のビット列のうち、レベル-1,2の各ビット列の値を割り当てられたシンボルに基づき硬判定する。PS逆変換部49yは、コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように変換されたレベル-0,1の各ビット列の値を逆変換する。
【0146】
セレクタ44a,44bは、レベル-0のビット列以外のレベル-1,2の各ビット列について、SD-FECパリティにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列(つまり、SD-FEC復号部42yから出力されたHD-FECパリティ)、及び硬判定部43yにより硬判定されたレベル-1,2の各ビット列から、PS逆変換部49yに入力されるビット列を選択する。なお、セレクタ44a,44bは選択部の一例である。
【0147】
動作制御部40は、レベル-1,2のビット列にSD-FECパリティが挿入されている期間Taと、レベル-1,2のビット列にSD-FECパリティが挿入されていない期間Tbをセレクタ44a,44bに通知する。セレクタ44a,44bは、動作制御部40の通知に従って、期間Ta中、SD-FECパリティにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、期間Tb中、硬判定部43yにより硬判定されたビット列を選択する。
【0148】
このため、PS逆変換部49yにより逆変換されるレベル-0~2の各ビット列において、SD-FECパリティの復号化対象の範囲が、フレームフォーマットに基づき期間Ta,Tbに応じて変化する。したがって、復号化回路121は、第1実施例の符号化回路120に対応して各ビット列の復号化を行うことができ、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【0149】
(第2実施例)
図15は、第2実施例の符号化回路120が出力する出力信号Soutのフレームフォーマットを示す図である。本例のフレームフォーマットは、第1実施例と比べると期間Ta内の構成が異なる。期間Taにおいて、レベル-0のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれ、レベル-2のビット列にもHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれる。なお、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティの配置の形態に限定はない。
【0150】
また、期間Taにおいて、レベル-1のビット列にはデータ#1が含まれる。SD-FECパリティは、期間Taにおいてレベル-1のビット列内のデータ#1及びレベル-0,2のビット列内のHD-FECパリティから生成され、期間Tbにおいてレベル-0のビット列内のデータ#0から生成される。
【0151】
上記のフレームフォーマットによると、符号Xで示されるように、期間Taではレベル-0~2の各ビット列がSD-FECパリティの演算領域となり、期間Tbではレベル-0のビット列のみがSD-FECパリティの演算領域となる。このため、SD-FECパリティの演算領域は、
図3に示されたBICMのフレームフォーマットの場合より狭くなることで消費電力が低減される。
【0152】
また、期間Taにおいて、SD-FECパリティは、レベル-1のビット列には挿入されておらず、レベル-0,2の2つのビット列にわたって挿入されている。このため、SD-FECパリティのデータ量が一定である場合、1つのビット列だけにSD-FECパリティが挿入されたときより期間Taを短縮することが可能である。
【0153】
このため、符号化回路120及び復号化回路121は、上記のフレームフォーマットに基づき符号化処理及び復号化処理をそれぞれ行うことにより、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。さらに、期間Taにおいて、レベル-0のビット列の上位側のレベル-1のビット列には、SD-FECパリティが挿入されず、DM処理対象のデータ#1が含まれている。プロバブリスティックシェーピングは上位側のビット列ほど、その効果が大きいため、本例のフレームフォーマットによると、ノイズ耐力を第1実施例の場合より向上させることができる。なお、レベル-1のビット列は第3ビット列の一例である。
【0154】
以下に符号化回路120及び復号化回路121の各構成を説明する。
【0155】
図16は、第2実施例の符号化回路120を示す構成図である。
図16において、
図13と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、実施例の符号化方法は、以下に述べる符号化回路120の符号化処理である。以下に
図15及び
図16を参照して第1実施例の符号化回路120との差分について説明する。
【0156】
符号化回路120は、動作制御部20a、PS変換部29y、HD-FEC生成部24y、SD-FEC生成部25z、シンボルマッピング部27y、及びセレクタ26a,26cを有する。PS変換部29yは、DM処理部21a,21b、セレクタ22、及びXOR演算器23yを有する。なお、本例では多値変調方式として64QAMを挙げる。
【0157】
動作制御部20aは、切替部の一例であり、フレームの周期Tにおいて、SD-FECパリティをビット列に挿入する期間Taと、ビット列にSD-FECパリティを挿入しない期間Tbを切り替える。例えば動作制御部20aは、期間Ta及び期間Tbに応じて、シンボルマッピング部27y、SD-FEC生成部25z、及びセレクタ22,26a,26cを制御する。
【0158】
HD-FEC生成部24yは、入力されたレベル-2の各ビット列をそのままセレクタ26aに出力し、入力されたレベル-1のビット列をそのままシンボルマッピング部27y及びSD-FEC生成部25zに出力する。また、HD-FEC生成部24yは、入力されたレベル-0のビット列をそのままSD-FEC生成部25zに出力する。
【0159】
SD-FEC生成部25zは、第1挿入部の一例であり、動作制御部20aの期間Ta,Tbの切り替えに従って、期間Tb中、レベル-0のビット列からSD-FECパリティを生成し、期間Ta中、レベル-0,2のビット列に挿入する。ここで、SD-FEC生成部25zは、期間Ta中、レベル-1のビット列内のデータ#1及びレベル-0,2のビット列内のHD-FECパリティからSD-FECパリティを生成する。つまり、SD-FECパリティは、期間Ta内のレベル-0~2の各ビット列から算出される。
【0160】
SD-FEC生成部25zは、SD-FECパリティをセレクタ26a,26cに出力する。また、SD-FEC生成部25zは、入力されたレベル-0のビット列をそのままシンボルマッピング部27yに出力する。
【0161】
セレクタ26aは、期間Taにおいて、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティを入力信号として選択してシンボルマッピング部27yに出力し、期間Tbにおいて、レベル-2のビット列内のデータ#2を入力信号として選択してシンボルマッピング部27yに出力する。
【0162】
セレクタ26cは、期間Taにおいて、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティを入力信号として選択してシンボルマッピング部27yに出力し、期間Tbにおいて、レベル-0のビット列内のデータ#0を入力信号として選択してシンボルマッピング部27yに出力する。
【0163】
このため、動作制御部20aの期間Ta,Tbの切り替えに従って、シンボルマッピング部27yには、期間Tb中、レベル-0~2の各ビット列内のデータ#0~#2が入力され、期間Ta中、レベル-0,2の各ビット列内のHD-FECパリティ及びSD-FECパリティとレベル-1のビット列内のデータ#0が入力される。このようにして上記のフレームフォーマットが形成される。
【0164】
このように、SD-FEC生成部25zは、最下位のレベル-0のビット列より上位側のレベル-1のビット列以外の2以上のビット列、つまりレベル-0,2の各ビット列にSD-FECパリティを挿入する。
【0165】
このため、期間Taにおいて、レベル-0のビット列の上位側のレベル-1のビット列には、SD-FECパリティが挿入されず、DM処理対象のデータ#1が含まれる。プロバブリスティックシェーピングは上位側のビット列ほど、その効果が大きいため、本例の構成によると、ノイズ耐力を第1実施例より向上させることができる。
【0166】
図17は、第2実施例の復号化回路121を示す構成図である。
図17において、
図14と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、実施例の復号化方法は、以下に述べる復号化回路121の符号化処理である。以下に
図15及び
図17を参照して第1実施例の復号化回路121との差分を説明する。
【0167】
なお、
図17において、四角で囲った「L1」はレベル-1のビット列のデータ#1の出力と入力の接続関係を示す。この表記は、
図17以降の図面においても同様に用いられる。
【0168】
復号化回路121は、動作制御部40、軟判定部41z、SD-FEC復号部42z、硬判定部43y、セレクタ44a~44c、HD-FEC復号部45y、及びPS逆変換部49yを有する。PS逆変換部49yは、セレクタ46、XOR演算器47y、及びIDM処理部48a,48bを含む。
【0169】
入力信号Sin’はアナログ-デジタル変換部13から軟判定部41z及び硬判定部43yに分かれて入力される。
【0170】
軟判定部41zは、第1判定部の一例であり、64QAMのコンスタレーション内のシンボルが割り当てられたフレーム内のレベル-0~2のビット列の各値をシンボルに基づき軟判定する。軟判定部41zは、軟判定の結果に基づき、レベル-0,2の各ビット列からHD-FECパリティ及びSD-FECパリティを取り出してSD-FEC復号部42zに出力する。また、軟判定部41zは、軟判定の結果に基づきレベル-0,1の各ビット列内のデータ#0,#1をSD-FEC復号部42zに出力する。
【0171】
SD-FEC復号部42zは、訂正部の一例であり、フレームの周期T内の期間Ta中、レベル-0,2のビット列に挿入されたSD-FECパリティに基づいて軟判定部41zの判定の結果の誤りを訂正する。つまり、SD-FEC復号部42zは、SD-FECパリティに基づきレベル-0~2の各ビット列を復号化する。
【0172】
SD-FEC復号部42zは、期間Ta中、レベル-1のビット列をセレクタ44bに出力する。また、SD-FEC復号部42zは、HD-FECパリティをセレクタ44a,44cに出力し、レベル-0のビット列をセレクタ44cに出力する。
【0173】
セレクタ44bは、HD-FEC復号部45yに出力する出力信号を、軟判定されたレベル-1のビット列内のデータ#1と硬判定されたレベル-1のビット列内のデータ#1から選択する。セレクタ44bは、期間Tbでは、硬判定されたレベル-1のビット列を選択し、期間Taでは、軟判定されたレベル-1のビット列を選択する。
【0174】
セレクタ44cは、HD-FEC復号部45yに出力する出力信号を、HD-FECパリティとレベル-0のビット列内のデータ#0から選択する。セレクタ44cは、期間TaにおいてHD-FECパリティを選択し、期間Tbにおいてレベル-0のビット列を選択する。
【0175】
HD-FEC復号部45yは、期間Tbにおいてレベル-0~2の各ビット列のデータ#0~#2を復号化し、期間Taにおいてレベル-1のビット列のデータ#1を復号化する。
【0176】
上述したように、SD-FEC復号部42zは、レベル-0,2の各ビット列に挿入されたSD-FECパリティに基づいて軟判定部41zの軟判定の結果の誤りを訂正する。セレクタ44a,44bは、レベル-0のビット列以外の各ビット列について、SD-FECパリティにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列、及び硬判定部43yにより硬判定されたビット列から、PS逆変換部49yに入力されるビット列を選択する。
【0177】
セレクタ44a,44bは、動作制御部40の通知に従って、期間Ta中、SD-FECパリティにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、期間Tb中、硬判定部43yにより硬判定されたビット列を選択する。
【0178】
このため、PS逆変換部49yにより逆変換されるレベル-0~2の各ビット列において、SD-FECパリティの復号化対象の範囲が、フレームフォーマットに基づき期間Ta,Tbに応じて変化する。したがって、復号化回路121は、第2実施例の符号化回路120に対応して各ビット列の復号化を行うことができ、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【0179】
(第3実施例)
図18は、第3実施例の符号化回路120が出力する出力信号Soutのフレームフォーマットを示す図である。本例のフレームフォーマットは、第1実施例と比べると期間Taの構成が異なる。期間Taにおいて、レベル-0~2の各ビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれる。なお、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティの配置の形態に限定はない。
【0180】
SD-FECパリティは、期間Taにおいてレベル-0~2のビット列内のHD-FECパリティから生成され、期間Tbにおいてレベル-0のビット列内のデータ#0から生成される。
【0181】
上記のフレームフォーマットによると、符号Xで示されるように、期間Taではレベル-0~2の各ビット列がSD-FECパリティの演算領域となり、期間Tbではレベル-0のビット列のみがSD-FECパリティの演算領域となる。このため、SD-FECパリティの演算領域は、
図3に示されたBICMのフレームフォーマットの場合より狭くなることで消費電力が低減される。
【0182】
また、期間Taにおいて、SD-FECパリティは、レベル-0~2の3つのビット列にわたって挿入されている。このため、SD-FECパリティのデータ量が一定である場合、1つのビット列だけにSD-FECパリティが挿入されたときより期間Taを短縮することが可能である。さらにSD-FECパリティが3列に分かれるため、第1及び第2実施例の場合より期間Taが短縮されるので、レベル-0,1の各ビット列内のDM処理対象のデータ#0,1の領域を増加させることができる。
【0183】
このため、符号化回路120及び復号化回路121は、上記のフレームフォーマットに基づき符号化処理及び復号化処理をそれぞれ行うことにより、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。以下に符号化回路120及び復号化回路121の各構成を説明する。
【0184】
図19は、第2実施例の符号化回路120を示す構成図である。
図19において、
図13及び
図16と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、実施例の符号化方法は、以下に述べる符号化回路120の符号化処理である。以下に
図18及び
図19を参照して第1実施例の符号化回路120との差分について説明する。
【0185】
符号化回路120は、動作制御部20、PS変換部29y、HD-FEC生成部24y、SD-FEC生成部25y、シンボルマッピング部27y、及びセレクタ26a~26cを有する。PS変換部29yは、DM処理部21a,21b及びXOR演算器23yを有する。なお、本例では多値変調方式として64QAMを挙げる。
【0186】
PS変換部29yはセレクタ22を有していない。このため、PS変換部29yは、期間Ta,Tbの何れにおいても、レベル-2のビット列とXORされたレベル-0のビット列をHD-FEC生成部24yに出力する。これは、期間Taにおいて各レベル-0~2のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが挿入されることから、XOR演算を実行するか否かを切り替える必要がないためである。
【0187】
セレクタ26a~26cは、期間Taにおいて、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティを入力信号として選択してシンボルマッピング部27yに出力し、期間Tbにおいて、レベル-0~2のビット列内のデータ#0~#2を入力信号としてそれぞれ選択してシンボルマッピング部27yに出力する。このため、期間Taにおいて、レベル-0~2のビット列にはSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入される。
【0188】
このようにして、SD-FEC生成部25yは、期間Ta中、レベル-0~2の各ビット列にSD-FECパリティを挿入する。SD-FECパリティは、レベル-0~2の3つのビット列にわたって挿入されるため、SD-FECパリティのデータ量が一定である場合、1つのビット列だけにSD-FECパリティが挿入されたときより期間Taを短縮することが可能である。
【0189】
したがって、上記の構成によると、レベル-0,1の各ビット列内のDM処理対象のデータ#0,1の領域を増加させて、ノイズ耐力を第1及び第2実施例より向上させることができる。
【0190】
図20は、第2実施例の復号化回路121を示す構成図である。
図20において、
図14と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、実施例の復号化方法は、以下に述べる復号化回路121の符号化処理である。以下に
図18及び
図20を参照して説明する。
【0191】
復号化回路121は、動作制御部40、軟判定部41y、SD-FEC復号部42y、硬判定部43y、セレクタ44a~44c、HD-FEC復号部45y、及びPS逆変換部49yを有する。PS逆変換部49yは、XOR演算器47y及びIDM処理部48a,48bを含む。以下に第1実施例の復号化回路121との差分を述べる。
【0192】
セレクタ44a~44cは、HD-FEC復号部45yに出力する出力信号を、HD-FECパリティとレベル-0~2のビット列内のデータ#0~#2からそれぞれ選択する。セレクタ44a~44cは、期間TaにおいてHD-FECパリティを選択し、期間Tbにおいてレベル-0~2のビット列内のデータ#0~#2をそれぞれ選択する。
【0193】
レベル-0~2の各ビット列は、HD-FEC復号部45yにより復号化されてPS逆変換部49yに出力される。
【0194】
PS逆変換部49yはセレクタ46を有していない。このため、PS逆変換部49yでは、期間Ta,Tbの何れにおいても、レベル-2のビット列とXORされたレベル-0のビット列がIDM処理部48bに入力される。これは、期間Taにおいて各レベル-0~2のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが挿入されることから、XOR演算を実行するか否かを切り替える必要がないためである。
【0195】
このように、SD-FEC復号部42yは、レベル-0~2の各ビット列に挿入されたSD-FECパリティに基づいて軟判定部41yの軟判定の結果の誤りを訂正する。セレクタ44a,44bは、レベル-0のビット列以外の各ビット列について、SD-FECパリティにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列、及び硬判定部43yにより硬判定されたビット列から、PS逆変換部49yに入力されるビット列を選択する。
【0196】
セレクタ44a,44bは、選択部の一例であり、動作制御部40の通知に従って、期間Ta中、SD-FECパリティにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、期間Tb中、硬判定部43yにより硬判定されたビット列を選択する。
【0197】
このため、PS逆変換部49yにより逆変換されるレベル-0~2の各ビット列において、SD-FECパリティの復号化対象の範囲が、フレームフォーマットに基づき期間Ta,Tbに応じて変化する。したがって、復号化回路121は、第3実施例の符号化回路120に対応して各ビット列の復号化を行うことができ、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【0198】
これまで述べたように、第1~第3実施例において、SD-FEC生成部25y,25zは、動作制御部20,20aの切り替えに従って、期間Tb中、レベル-0のビット列からSD-FECパリティを生成し、期間Ta中、レベル-2のビット列を含む2以上のビット列に挿入する。このため、上述したように、符号化回路120は、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【0199】
また、HD-FEC生成部24yは、レベル-0~2の各ビット列の誤りを訂正するためのHD-FECパリティをレベル-0~2の各ビット列から生成して、動作制御部20の期間Ta,Tbの切り替えに従って、期間Ta中、レベル-1のビット列を含む2以上のビット列に挿入する。SD-FECパリティは、レベル-0~2の各ビット列の軟判定結果の誤り訂正に用いられ、HD-FECパリティは、レベル-0~2の各ビット列の硬判定結果の誤り訂正に用いられる。
【0200】
したがって、符号化回路120は、低消費電力のHD-FECパリティを用いて、消費電力の増加を抑制しつつ、SD-FECパリティの演算領域以外の領域の誤り訂正を可能とする。
【0201】
これまで、多値変調方式として64QAMを挙げたが、これに限定されない。以下に多値変調方式として256QAMを用いる場合の符号化回路120及び復号化回路121を説明する。
【0202】
(第4実施例)
図21は、第4実施例の符号化回路120が出力する出力信号Soutのフレームフォーマットを示す図である。64QAMの場合、フレーム内には3つのビット列が含まれるが、256QAMの場合、フレーム内には4つのビット列が含まれる。
【0203】
符号化回路120は、フレームの周期Tを2つの期間Ta,Tbに分け、一方の期間Tbでは、MLCを用いてレベル-0のビット列のみからSD-FECパリティを生成し、他方の期間Taでは、レベル-2,3の各ビット列にSD-FECパリティを挿入する。
【0204】
期間Tbにおいて、レベル-0~3のビット列にはデータ#0~#3がそれぞれ含まれる。最上位のレベル-3のデータ#3は、シンボルマッピングにおいてコンスタレーションの象限の決定に用いられるため、DM処理されていない。また、レベル-0~2の各データ#0~#2は、PSによるシンボルマッピングのためにDM処理されている。
【0205】
期間Tbにおいて、符号化回路120は、最下位のレベル-0のビット列内のデータ#0からSD-FECパリティを生成し、セットパーティショニングによるシンボルマッピングを行う。
【0206】
また、期間Taにおいて、レベル-0,1のビット列には、DM処理されたデータ#0,#1がそれぞれ含まれ、レベル-2,3の各ビット列にはSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されている。HD-FECパリティは、期間Tbにおいて、レベル-0~3の各ビット列内のデータ#0~#3から生成され、期間Taにおいて、レベル-0,1の各ビット列内のデータ#0,#1から生成される。なお、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティの配置の形態に限定はない。
【0207】
期間Taにおいて、符号化回路120は、レベル-0,1のビット列内のデータ#0,1、及び他のレベル-2,3のビット列内のHD-FECパリティからSD-FECパリティを生成し、グレイコードによるシンボルマッピングを行う。なお、レベル-3のビット列は第1ビット列の一例であり、レベル-0のビット列は第2ビット列の一例である。
【0208】
上記のフレームフォーマットによると、符号Xで示されるように、期間Taではレベル-0~3の各ビット列がSD-FECパリティの演算領域となり、期間Tbではレベル-0のビット列のみがSD-FECパリティの演算領域となる。このため、SD-FECパリティの演算領域は、
図3に示されたBICMのフレームフォーマットのように全領域をSD-FECパリティの演算領域とする場合より消費電力が低減される。
【0209】
また、期間Taにおいて、SD-FECパリティは、レベル-0のビット列には挿入されておらず、レベル-2,3の2つのビット列にわたって挿入されている。このため、SD-FECパリティのデータ量が一定である場合、1つのビット列だけにSD-FECパリティが挿入されたときより期間Taを短縮することが可能である。
【0210】
このため、符号化回路120及び復号化回路121は、上記のフレームフォーマットに基づき符号化処理及び復号化処理をそれぞれ行うことにより、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。以下に符号化回路120及び復号化回路121の各構成を説明する。
【0211】
図22は、第4実施例の符号化回路120を示す構成図である。また、実施例の符号化方法は、以下に述べる符号化回路120の符号化処理である。以下に
図21及び
図22を参照して説明する。なお、以降の説明において64QAMと共通する事項に関する内容は省略する。
【0212】
符号化回路120は、動作制御部70、PS変換部79、HD-FEC生成部74、SD-FEC生成部75、シンボルマッピング部77、及びセレクタ76a,76bを有する。PS変換部79は、DM処理部71a~71c、セレクタ72a,72b、及びXOR演算器73b,73cを有する。
【0213】
動作制御部70は、切替部の一例であり、フレームの周期Tにおいて、SD-FECパリティをビット列に挿入する期間Taと、ビット列にSD-FECパリティを挿入しない期間Tbを切り替える。例えば動作制御部70は、期間Ta及び期間Tbに応じて、SD-FEC生成部75、シンボルマッピング部77、及びセレクタ72a,72b,76a,76bを制御する。なお、期間Taは第1期間の一例であり、期間Tbは第2期間の一例である。
【0214】
レベル-0~2の各ビット列はPS変換部79に入力される。PS変換部79は、変換部の一例であり、コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように、レベル-3のビット列以外のレベル-0~2の各ビット列の値を変換する。
【0215】
レベル-0~2のビット列はDM処理部71c,71b,71aにそれぞれ入力される。DM処理部71c,71b,71aは上記のDM処理部21a,21bと同様にDM処理を行う。レベル-3のビット列はHD-FEC生成部74及びXOR演算器73cに入力される。DM処理済みのレベル-2のビット列はHD-FEC生成部74及びXOR演算器73bに入力される。DM処理済みのレベル-1のビット列はセレクタ72a及びXOR演算器73bに入力される。DM処理済みのレベル-0のビット列はセレクタ72b及びXOR演算器73cに入力される。
【0216】
XOR演算器73bは、DM処理部71bから出力されたレベル-1のビット列とレベル-2のビット列のXORの演算を行う。XOR後のレベル-1のビット列はセレクタ72aに入力される。
【0217】
XOR演算器73cは、DM処理部71cから出力されたレベル-0のビット列とレベル-3のビット列のXORの演算を行う。XOR後のレベル-0のビット列はセレクタ72bに入力される。
【0218】
セレクタ72aは、HD-FEC生成部24yに出力するビット列を、XOR後のレベル-1のビット列及びXORされていないレベル-1のビット列から選択する。セレクタ72aは、期間TaにおいてXORされていないレベル-1のビット列を選択し、期間TbにおいてXOR後のレベル-1のビット列を選択する。
【0219】
セレクタ72bは、HD-FEC生成部24yに出力するビット列を、XOR後のレベル-0のビット列及びXORされていないレベル-0のビット列から選択する。セレクタ72bは、期間TaにおいてXORされていないレベル-0のビット列を選択し、期間TbにおいてXOR後のレベル-0のビット列を選択する。
【0220】
HD-FEC生成部74は、第2挿入部の一例であり、レベル-0~3の各ビット列の誤りを訂正するためのHD-FECパリティをレベル-0~3の各ビット列から生成して、動作制御部20の期間Ta,Tbの切り替えに従って、期間Ta中、レベル-2,3の各ビット列に挿入する。
【0221】
HD-FEC生成部74は、レベル-0~3の各ビット列のデータ#0~#3からHD-FECパリティを算出してSD-FEC生成部75及びセレクタ76a,76bにそれぞれ出力する。また、HD-FEC生成部74は、入力されたレベル-2,3の各ビット列をそのままセレクタ76a,76bにそれぞれ出力し、入力されたレベル-1のビット列をそのままSD-FEC生成部75及びシンボルマッピング部77に出力する。さらにHD-FEC生成部74は、入力されたレベル0-のビット列をそのままSD-FEC生成部75に出力する。
【0222】
SD-FEC生成部75は、第1挿入部の一例であり、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、期間Tb中、レベル-0のビット列からSD-FECパリティを生成し、期間Ta中、レベル-2,3のビット列に挿入する。SD-FEC生成部75は、期間Taではレベル-0,1の各ビット列内のデータ#0,#1、及びレベル-2,3のビット列内のHD-FECパリティからSD-FECパリティを生成する。つまり、SD-FECパリティは、期間Ta内のレベル-0~3の各ビット列から算出される。
【0223】
SD-FEC生成部75は、SD-FECパリティをセレクタ76a,76bに出力する。また、SD-FEC生成部75は、入力されたレベル-0のビット列をそのままシンボルマッピング部77に出力する。
【0224】
セレクタ76aは、期間Taにおいて、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティを入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力し、期間Tbにおいて、レベル-3のビット列内のデータ#3を入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力する。セレクタ76bは、期間Taにおいて、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティを入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力し、期間Tbにおいて、レベル-2のビット列内のデータ#2を入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力する。
【0225】
このため、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、シンボルマッピング部77には、期間Tb中、レベル-0~3の各ビット列内のデータ#0~#3が入力され、期間Ta中、レベル-2,3の各ビット列内のHD-FECパリティ及びSD-FECパリティとレベル-0,1の各ビット列内のデータ#0,#1が入力される。このようにして上記のフレームフォーマットが形成される。
【0226】
シンボルマッピング部77は、割当部の一例であり、256QAMのコンスタレーション内の複数のシンボルのうち、レベル-0~3の各ビット列の値に応じたシンボルをレベル-0~3のビット列に割り当てる。シンボルマッピング部77は、シンボルマッピングを、フレームの周期T内の期間Ta,Tbに応じてセットパーティショニングまたはグレイコードによる方式(
図6及び
図10参照)に切り替える。なお、シンボルマッピングのデータは、例えばシンボルマッピング部77内のメモリなどに格納されている。
【0227】
このように、動作制御部70は、フレームの周期Tにおいて、SD-FECパリティをビット列に挿入する期間Taと、ビット列にSD-FECパリティを挿入しない期間Tbを切り替える。SD-FEC生成部75は、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、期間Ta中、レベル-0のビット列からSD-FECパリティを生成し、期間Ta中、レベル-0のビット列以外のレベル-2,3の各ビット列に挿入する。
【0228】
このため、期間Taではレベル-0~3の各ビット列がSD-FECパリティの演算領域となり、期間Tbではレベル-0のビット列のみがSD-FECパリティの演算領域となる。したがって、SD-FECパリティの演算領域は、
図3に示されたBICMのフレームフォーマットのように全領域をSD-FECの演算領域とする場合より消費電力が低減される。
【0229】
また、期間Taにおいて、SD-FECパリティは、レベル-0,1の各ビット列には挿入されておらず、レベル-2,3の2つのビット列にわたって挿入されている。このため、SD-FECパリティのデータ量が一定である場合、1つのビット列だけにSD-FECパリティが挿入されたときより期間Tbを短縮することが可能である。
【0230】
よって、符号化回路120は、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【0231】
図23は、第4実施例の復号化回路121を示す構成図である。実施例の復号化方法は、以下に述べる復号化回路121の符号化処理である。以下に
図21及び
図23を参照して説明する。
【0232】
復号化回路121は、動作制御部80、軟判定部81、SD-FEC復号部82、硬判定部83、セレクタ84a~84c、HD-FEC復号部85、及びPS逆変換部89を有する。PS逆変換部89は、セレクタ86a,86b、XOR演算器87a,87b、及びIDM処理部88a~88cを含む。
【0233】
動作制御部80は、通知部の一例であり、例えばフレームの同期情報に従って、ビット列にSD-FECパリティが挿入されている期間Taと、ビット列にSD-FECパリティが挿入されていない期間Tbをセレクタ84a~84c、軟判定部81、及び硬判定部83に通知する。セレクタ84a~84c,86a,86bは、期間Ta,Tbの通知に従って入力信号を選択する。軟判定部81及び硬判定部83は、期間Ta,Tbの通知に従ってシンボルデマッピングを、セットパーティショニングまたはグレイコードによる方法に切り替える。
【0234】
入力信号Sin’はアナログ-デジタル変換部13から軟判定部81及び硬判定部83に分かれて入力される。
【0235】
軟判定部81は、第1判定部の一例であり、256QAMのコンスタレーション内のシンボルが割り当てられたフレーム内のレベル-0~3のビット列の各値をシンボルに基づき軟判定する。軟判定部81は、軟判定の結果に基づき、レベル-2,3の各ビット列からHD-FECパリティ及びSD-FECパリティを取り出してSD-FEC復号部82に出力する。また、軟判定部81は、軟判定の結果に基づきレベル-0,1の各ビット列をSD-FEC復号部82に出力する。
【0236】
SD-FEC復号部82は、訂正部の一例であり、フレームの周期T内の期間Ta中、レベル-2,3のビット列に挿入されたSD-FECパリティに基づいて軟判定部81の判定の結果の誤りを訂正する。つまり、SD-FEC復号部82は、SD-FECパリティに基づきレベル-0~3の各ビット列を復号化する。
【0237】
レベル-0のビット列はSD-FEC復号部82から硬判定部83及びHD-FEC復号部85に入力される。HD-FECパリティはSD-FEC復号部82からセレクタ84a,84bに入力される。また、レベル-1のビット列はSD-FEC復号部82からセレクタ84cに入力される。
【0238】
また、硬判定部83は、第2判定部の一例であり、256QAMのコンスタレーション内のシンボルが割り当てられたレベル-0~3のビット列のうち、レベル-0のビット列以外のレベル-1~3の各ビットの値をシンボルに基づき硬判定する。例えば硬判定部83は、期間TbにおいてSD-FEC復号部82から入力されたレベル-0のビット列を硬判定に用いる。レベル-1~3のビット列は硬判定部83からセレクタ84c,84b,84aにそれぞれ入力される。
【0239】
セレクタ84aは、HD-FEC復号部85に出力する出力信号を、HD-FECパリティとレベル-3のビット列内のデータ#3から選択する。セレクタ84aは、期間TaにおいてHD-FECパリティを選択し、期間Tbにおいてレベル-3のビット列内のデータ#3を選択する。
【0240】
セレクタ84bは、HD-FEC復号部85に出力する出力信号を、HD-FECパリティとレベル-2のビット列内のデータ#2から選択する。セレクタ84bは、期間TaにおいてHD-FECパリティを選択し、期間Tbにおいてレベル-2のビット列内のデータ#2を選択する。
【0241】
セレクタ84cは、HD-FEC復号部85に出力する出力信号を、軟判定されたレベル-1のビット列内のデータ#1と硬判定されたレベル-1のビット列内のデータ#1から選択する。セレクタ84cは、期間Taでは、硬判定されたレベル-1のビット列を選択し、期間Tbでは、軟判定されたレベル-1のビット列を選択する。
【0242】
HD-FEC復号部85は、レベル-0~3の各ビット列の値をHD-FECパリティにより誤り訂正する。つまり、HD-FEC復号部85は、HD-FECパリティに基づきレベル-0~3の各ビット列を復号化する。
【0243】
HD-FEC復号部85は、期間Tbにおいてレベル-0~3の各ビット列のデータ#0~#2を復号化し、期間Taにおいてレベル-0,1の各ビット列のデータ#0,#1を復号化する。このとき、HD-FEC復号部85は、多段階復号を行うことにより誤り訂正能力を維持する。HD-FEC復号部85は、レベル-0~3の各ビット列をPS逆変換部89に出力する。
【0244】
PS逆変換部89は、逆変換部の一例であり、DM処理により変換された、レベル-3のビット列以外のレベル-0~2の各ビット列の値を逆変換する。レベル-3のビット列はXOR演算器87bに入力される。レベル-2のビット列はXOR演算器87a及びIDM処理部88aに入力され、レベル-1のビット列はXOR演算器87a及びセレクタ86aに入力される。レベル-0のビット列はXOR演算器87b及びセレクタ86bに入力される。
【0245】
XOR演算器87aは、レベル-2のビット列をレベル-1のビット列にXOR演算する。XOR後のレベル-1のビット列はセレクタ86aに入力される。
【0246】
XOR演算器87bは、レベル-3のビット列をレベル-1のビット列にXOR演算する。XOR後のレベル-1のビット列はセレクタ86bに入力される。
【0247】
セレクタ86aは、IDM処理部88bに出力するビット列をXOR後のレベル-1のビット列及びXOR前のレベル-1のビット列から選択する。セレクタ46は、期間TbにおいてXOR後のレベル-1のビット列を選択し、期間TaにおいてXOR前のレベル-1のビット列を選択する。このため、符号化回路120のXOR演算器73bによりXORされたレベル-1のビット列の値がXOR前の値に戻る。選択されたレベル-1のビット列はセレクタ86aからIDM処理部88bに入力される。
【0248】
セレクタ86bは、IDM処理部88cに出力するビット列をXOR後のレベル-0のビット列及びXOR前のレベル-0のビット列から選択する。セレクタ86bは、期間TbにおいてXOR後のレベル-0のビット列を選択し、期間TaにおいてXOR前のレベル-0のビット列を選択する。このため、符号化回路120のXOR演算器73cによりXORされたレベル-0のビット列の値がXOR前の値に戻る。選択されたレベル-0のビット列はセレクタ86bからIDM処理部88cに入力される。また、IDM処理部88aにはレベル-2のビット列が入力される。
【0249】
IDM処理部88a~88cは、上記のIDM処理部48a,48bと同様にレベル-2,1,0の各ビット列のInverse-DM処理を行う。レベル-3のビット列、及びInverse-DM処理されたレベル-0~2の各ビット列は、例えばパラレル-シリアル変換により出力信号Sout’としてフレーマチップ11に出力される。
【0250】
上述したように、セレクタ84a~84cは、動作制御部40の通知に従って、期間Ta中、SD-FECパリティにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、期間Tb中、硬判定部43yにより硬判定されたビット列を選択する。なお、セレクタ84a~84cは選択部の一例である。
【0251】
このため、PS逆変換部89により逆変換されるレベル-0~3の各ビット列において、SD-FECパリティの復号化対象の範囲が、フレームフォーマットに基づき期間Ta,Tbに応じて変化する。したがって、復号化回路121は、第4実施例の符号化回路120に対応して各ビット列の復号化を行うことができ、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【0252】
(第5実施例)
図24は、第5実施例の符号化回路120が出力する出力信号Soutのフレームフォーマットを示す図である。本例のフレームフォーマットは、第4実施例と比べると期間Ta内の構成が異なる。期間Taにおいて、レベル-1のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれ、レベル-3のビット列にもHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれる。なお、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティの配置の形態に限定はない。
【0253】
また、期間Taにおいて、レベル-0,2のビット列にはデータ#0,#2がそれぞれ含まれる。SD-FECパリティは、期間Taにおいてレベル-0,2のビット列内のデータ#0,#2及びレベル-1,3のビット列内のHD-FECパリティから生成され、期間Tbにおいてレベル-0のビット列内のデータ#0から生成される。
【0254】
上記のフレームフォーマットによると、符号Xで示されるように、期間Taではレベル-0~3の各ビット列がSD-FECパリティの演算領域となり、期間Tbではレベル-0のビット列のみがSD-FECパリティの演算領域となる。また、期間Taにおいて、SD-FECパリティは、レベル-1のビット列には挿入されておらず、レベル-0,2の2つのビット列にわたって挿入されている。
【0255】
このため、符号化回路120及び復号化回路121は、上記のフレームフォーマットに基づき符号化処理及び復号化処理をそれぞれ行うことにより、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。以下に符号化回路120及び復号化回路121の各構成を説明する。
【0256】
図25は、第5実施例の符号化回路120を示す構成図である。
図25において、
図22と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、実施例の符号化方法は、以下に述べる符号化回路120の符号化処理である。以下に
図24及び
図25を参照して第4実施例の符号化回路120との差分について説明する。
【0257】
符号化回路120は、動作制御部70、PS変換部79、HD-FEC生成部74、SD-FEC生成部75a、シンボルマッピング部77、及びセレクタ76a,76cを有する。PS変換部79は、DM処理部71a~71c、セレクタ72a,72b、及びXOR演算器73b,73cを有する。
【0258】
HD-FEC生成部74は、レベル-0~3の各ビット列のデータ#0~#3からHD-FECパリティを算出してSD-FEC生成部75a及びセレクタ76a,76cにそれぞれ出力する。また、HD-FEC生成部74は、入力されたレベル-3,1の各ビット列をそのままセレクタ76a,76cにそれぞれ出力し、入力されたレベル-2のビット列をそのままSD-FEC生成部75a及びシンボルマッピング部77に出力する。さらにHD-FEC生成部74は、入力されたレベル-0のビット列をそのままSD-FEC生成部75aに出力する。
【0259】
SD-FEC生成部75aは、第1挿入部の一例であり、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、期間Tb中、レベル-0のビット列からSD-FECパリティを生成し、期間Ta中、レベル-1,3の各ビット列に挿入する。SD-FEC生成部75aは、期間Taではレベル-0,2の各ビット列内のデータ#0,#2、及びレベル-1,3のビット列内のHD-FECパリティからSD-FECパリティを生成する。また、SD-FEC生成部75aは、期間Tb中、レベル-0,2の各ビット列内のデータ#0,#2からSD-FECパリティを生成する。
【0260】
SD-FEC生成部75aは、SD-FECパリティをセレクタ76a,76cに出力する。また、SD-FEC生成部75aは、入力されたレベル-0のビット列をそのままシンボルマッピング部77に出力する。
【0261】
セレクタ76cは、期間Taにおいて、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティを入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力し、期間Tbにおいて、レベル-1のビット列内のデータ#1を入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力する。
【0262】
このため、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、シンボルマッピング部77には、期間Tb中、レベル-0~3の各ビット列内のデータ#0~#3が入力され、期間Ta中、レベル-1,3の各ビット列内のHD-FECパリティ及びSD-FECパリティとレベル-0,2の各ビット列内のデータ#0,#2が入力される。このようにして上記のフレームフォーマットが形成される。
【0263】
符号化回路120は、上記の構成によりノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【0264】
図26は、第5実施例の復号化回路121を示す構成図である。
図26において、
図23と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。実施例の復号化方法は、以下に述べる復号化回路121の符号化処理である。以下に
図24及び
図26を参照して第4実施例の復号化回路121との差分を説明する。
【0265】
なお、
図26において、四角で囲った「L2」はレベル-2のビット列のデータ#2の出力と入力の接続関係を示す。この表記は、
図26以降の図面についても同様である。
【0266】
復号化回路121は、動作制御部80、軟判定部81a、SD-FEC復号部82a、硬判定部83、セレクタ84a~84c、HD-FEC復号部85、及びPS逆変換部89を有する。PS逆変換部89は、セレクタ86a,86b、XOR演算器87a,87b、及びIDM処理部88a~88cを含む。
【0267】
入力信号Sin’はアナログ-デジタル変換部13から軟判定部81a及び硬判定部83に分かれて入力される。
【0268】
軟判定部81aは、第1判定部の一例であり、256QAMのコンスタレーション内のシンボルが割り当てられたフレーム内のレベル-0~3のビット列の各値をシンボルに基づき軟判定する。軟判定部81aは、軟判定の結果に基づき、レベル-1,3の各ビット列からHD-FECパリティ及びSD-FECパリティを取り出してSD-FEC復号部82aに出力する。また、軟判定部81aは、軟判定の結果に基づきレベル-0,2の各ビット列をSD-FEC復号部82aに出力する。
【0269】
SD-FEC復号部82aは、訂正部の一例であり、フレームの周期T内の期間Ta中、レベル-1,3のビット列に挿入されたSD-FECパリティに基づいて軟判定部81aの判定の結果の誤りを訂正する。SD-FEC復号部82aは、期間Tb中、レベル-0のビット列の値を訂正し、期間Ta中、レベル-1のビット列を軟判定部81aから取得してレベル-0,1の各ビット列の値を訂正する。
【0270】
SD-FEC復号部82aは、期間Ta中、レベル-2のビット列をセレクタ84bに出力する。また、SD-FEC復号部82aは、HD-FECパリティをセレクタ84a,84bに出力し、レベル-0のビット列を硬判定部83及びHD-FEC復号部85に出力する。
【0271】
セレクタ84bは、HD-FEC復号部85に出力する出力信号を、軟判定されたレベル-2のビット列内のデータ#2と硬判定されたレベル-2のビット列内のデータ#2から選択する。セレクタ84bは、期間Tbでは、硬判定されたレベル-2のビット列を選択し、期間Taでは、軟判定されたレベル-2のビット列を選択する。
【0272】
セレクタ84cは、HD-FEC復号部85に出力する出力信号を、HD-FECパリティとレベル-1のビット列内のデータ#1から選択する。セレクタ84cは、期間TaにおいてHD-FECパリティを選択し、期間Tbにおいてレベル-1のビット列を選択する。
【0273】
HD-FEC復号部85は、期間Tbにおいてレベル-0~3の各ビット列のデータ#0~#3を復号化し、期間Taにおいてレベル-0,2のビット列内のデータ#0,#2を復号化する。
【0274】
上述したように、セレクタ84a~84cは、動作制御部40の通知に従って、期間Ta中、SD-FECパリティにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、期間Tb中、硬判定部83により硬判定されたビット列を選択する。このため、第4実施例と同様の効果が得られる。
【0275】
(第6実施例)
図27は、第6実施例の符号化回路120が出力する出力信号Soutのフレームフォーマットを示す図である。本例のフレームフォーマットは、第4実施例と比べると期間Ta内の構成が異なる。期間Taにおいて、レベル-1のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれ、レベル-2のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれ、レベル-3のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれる。なお、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティの配置の形態に限定はない。
【0276】
また、期間Taにおいて、レベル-0のビット列にはデータ#0が含まれる。SD-FECパリティは、期間Taにおいてレベル-0のビット列内のデータ#0及びレベル-1~3のビット列内のHD-FECパリティから生成され、期間Tbにおいてレベル-0のビット列内のデータ#0から生成される。
【0277】
上記のフレームフォーマットによると、符号Xで示されるように、期間Taではレベル-0~3の各ビット列がSD-FECパリティの演算領域となり、期間Tbではレベル-0のビット列のみがSD-FECパリティの演算領域となる。また、期間Taにおいて、SD-FECパリティは、レベル-0のビット列には挿入されておらず、レベル-1~3の3つのビット列にわたって挿入されている。
【0278】
このため、符号化回路120及び復号化回路121は、上記のフレームフォーマットに基づき符号化処理及び復号化処理をそれぞれ行うことにより、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。以下に符号化回路120及び復号化回路121の各構成を説明する。
【0279】
図28は、第6実施例の符号化回路120を示す構成図である。
図28において、
図22及び
図25と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、実施例の符号化方法は、以下に述べる符号化回路120の符号化処理である。以下に
図27及び
図28を参照して第4実施例の符号化回路120との差分について説明する。
【0280】
符号化回路120は、動作制御部70、PS変換部79、HD-FEC生成部74、SD-FEC生成部75b、シンボルマッピング部77、及びセレクタ76a~76cを有する。PS変換部79は、DM処理部71a~71c、セレクタ72a,72b、及びXOR演算器73b,73cを有する。
【0281】
HD-FEC生成部74は、レベル-0~3の各ビット列のデータ#0~#3からHD-FECパリティを算出してSD-FEC生成部75b及びセレクタ76a~76cにそれぞれ出力する。また、HD-FEC生成部74は、入力されたレベル-1~3の各ビット列をそのままセレクタ76a~76cにそれぞれ出力する。
【0282】
SD-FEC生成部75bは、第1挿入部の一例であり、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、期間Tb中、レベル-0のビット列からSD-FECパリティを生成し、期間Ta中、レベル-1~3のビット列に挿入する。SD-FEC生成部75aは、期間Taではレベル-0のビット列内のデータ#0、及びレベル-1~3の各ビット列内のHD-FECパリティからSD-FECパリティを生成する。
【0283】
SD-FEC生成部75bは、SD-FECパリティをセレクタ76a~76cに出力する。また、SD-FEC生成部75bは、入力されたレベル-0のビット列をそのままシンボルマッピング部77に出力する。
【0284】
セレクタ76cは、期間Taにおいて、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティを入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力し、期間Tbにおいて、レベル-1のビット列内のデータ#1を入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力する。
【0285】
このため、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、シンボルマッピング部77には、期間Tb中、レベル-0~3の各ビット列内のデータ#0~#3が入力され、期間Ta中、レベル-1~3の各ビット列内のHD-FECパリティ及びSD-FECパリティとレベル-0のビット列内のデータ#0が入力される。このようにして上記のフレームフォーマットが形成される。
【0286】
符号化回路120は、上記の構成によりノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【0287】
図29は、第6実施例の復号化回路121を示す構成図である。
図29において、
図23及び
図26と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。実施例の復号化方法は、以下に述べる復号化回路121の符号化処理である。以下に
図27及び
図29を参照して第4実施例の復号化回路121との差分を説明する。
【0288】
復号化回路121は、動作制御部80、軟判定部81b、SD-FEC復号部82b、硬判定部83、セレクタ84a~84c、HD-FEC復号部85、及びPS逆変換部89を有する。PS逆変換部89は、セレクタ86a,86b、XOR演算器87a,87b、及びIDM処理部88a~88cを含む。
【0289】
入力信号Sin’はアナログ-デジタル変換部13から軟判定部81b及び硬判定部83に分かれて入力される。
【0290】
軟判定部81bは、第1判定部の一例であり、256QAMのコンスタレーション内のシンボルが割り当てられたフレーム内のレベル-0~3のビット列の各値をシンボルに基づき軟判定する。軟判定部81bは、軟判定の結果に基づき、レベル-1~3の各ビット列からHD-FECパリティ及びSD-FECパリティを取り出してSD-FEC復号部82bに出力する。また、軟判定部81bは、軟判定の結果に基づきレベル-0のビット列をSD-FEC復号部82bに出力する。
【0291】
SD-FEC復号部82bは、訂正部の一例であり、フレームの周期T内の期間Ta中、レベル-1~3のビット列に挿入されたSD-FECパリティに基づいて軟判定部81bの判定の結果の誤りを訂正する。SD-FEC復号部82bは、期間Tb中、レベル-0のビット列の値を訂正し、期間Ta中、レベル-0~3のビット列の値を訂正する。
【0292】
SD-FEC復号部82bは、HD-FECパリティをセレクタ84a~84cに出力し、レベル-0のビット列を硬判定部83及びHD-FEC復号部85に出力する。
【0293】
セレクタ84cは、HD-FEC復号部85に出力する出力信号を、HD-FECパリティとレベル-1のビット列内のデータ#1から選択する。セレクタ84cは、期間TaにおいてHD-FECパリティを選択し、期間Tbにおいてレベル-1のビット列を選択する。
【0294】
HD-FEC復号部85は、HD-FECパリティに基づいて、期間Tbにおいてレベル-0~3の各ビット列のデータ#0~#3を復号化し、期間Taにおいてレベル-0のビット列内のデータ#0を復号化する。
【0295】
上述したように、セレクタ84a~84cは、動作制御部40の通知に従って、期間Ta中、SD-FECパリティにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、期間Tb中、硬判定部83により硬判定されたビット列を選択する。このため、第4実施例と同様の効果が得られる。
【0296】
(第7実施例)
図30は、第7実施例の符号化回路120が出力する出力信号Soutのフレームフォーマットを示す図である。本例のフレームフォーマットは、第4実施例と比べると期間Ta内の構成が異なる。期間Taにおいて、レベル-0のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれ、レベル-3のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれる。なお、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティの配置の形態に限定はない。
【0297】
また、期間Taにおいて、レベル-0,1のビット列にはデータ#0,#1がそれぞれ含まれる。SD-FECパリティは、期間Taにおいてレベル-0,1のビット列内のデータ#0,#1及びレベル-1,2のビット列内のHD-FECパリティから生成され、期間Tbにおいてレベル-0のビット列内のデータ#0から生成される。
【0298】
上記のフレームフォーマットによると、符号Xで示されるように、期間Taではレベル-0~3の各ビット列がSD-FECパリティの演算領域となり、期間Tbではレベル-0のビット列のみがSD-FECパリティの演算領域となる。また、期間Taにおいて、SD-FECパリティは、レベル-0のビット列には挿入されておらず、レベル-0,3の2つのビット列にわたって挿入されている。
【0299】
このため、符号化回路120及び復号化回路121は、上記のフレームフォーマットに基づき符号化処理及び復号化処理をそれぞれ行うことにより、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。以下に符号化回路120及び復号化回路121の各構成を説明する。
【0300】
図31は、第7実施例の符号化回路120を示す構成図である。
図31において、
図22、
図25、及び
図28と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、実施例の符号化方法は、以下に述べる符号化回路120の符号化処理である。以下に
図30及び
図31を参照して第4実施例の符号化回路120との差分について説明する。
【0301】
符号化回路120は、動作制御部70、PS変換部79、HD-FEC生成部74、SD-FEC生成部75c、シンボルマッピング部77、及びセレクタ76a,76dを有する。PS変換部79は、DM処理部71a~71c、セレクタ72a,72b、及びXOR演算器73b,73cを有する。
【0302】
HD-FEC生成部74は、レベル-0~3の各ビット列のデータ#0~#3からHD-FECパリティを算出してSD-FEC生成部75c及びセレクタ76a,76dにそれぞれ出力する。また、HD-FEC生成部74は、入力されたレベル-1,2の各ビット列をそのままシンボルマッピング部77に出力し、入力されたレベル-3のビット列をそのままセレクタ76aに出力し、入力されたレベル-0のビット列をそのままSD-FEC生成部75cに出力する。
【0303】
SD-FEC生成部75cは、第1挿入部の一例であり、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、期間Tb中、レベル-0のビット列からSD-FECパリティを生成し、期間Ta中、レベル-1,3のビット列に挿入する。SD-FEC生成部75cは、期間Taではレベル-1,2のビット列内のデータ#1,#2、及びレベル-1,3の各ビット列内のHD-FECパリティからSD-FECパリティを生成する。
【0304】
SD-FEC生成部75cは、SD-FECパリティをセレクタ76a,76dに出力する。また、SD-FEC生成部75cは、入力されたレベル-0のビット列をそのままセレクタ76dに出力する。
【0305】
セレクタ76dは、期間Taにおいて、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティを入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力し、期間Tbにおいて、レベル-1のビット列内のデータ#1を入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力する。
【0306】
このため、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、シンボルマッピング部77には、期間Tb中、レベル-0~3の各ビット列内のデータ#0~#3が入力され、期間Ta中、レベル-0,3の各ビット列内のHD-FECパリティ及びSD-FECパリティとレベル-1,2の各ビット列内のデータ#1,#2が入力される。このようにして上記のフレームフォーマットが形成される。
【0307】
符号化回路120は、上記の構成によりノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【0308】
図32は、第7実施例の復号化回路121を示す構成図である。
図32において、
図23、
図26、及び
図29と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。実施例の復号化方法は、以下に述べる復号化回路121の符号化処理である。以下に
図30及び
図32を参照して第4実施例の復号化回路121との差分を説明する。
【0309】
復号化回路121は、動作制御部80、軟判定部81c、SD-FEC復号部82c、硬判定部83、セレクタ84a~84d、HD-FEC復号部85、及びPS逆変換部89を有する。PS逆変換部89は、セレクタ86a,86b、XOR演算器87a,87b、及びIDM処理部88a~88cを含む。
【0310】
入力信号Sin’はアナログ-デジタル変換部13から軟判定部81c及び硬判定部83に分かれて入力される。
【0311】
軟判定部81cは、第1判定部の一例であり、256QAMのコンスタレーション内のシンボルが割り当てられたフレーム内のレベル-1,3のビット列の各値をシンボルに基づき軟判定する。軟判定部81cは、軟判定の結果に基づき、レベル-1,3の各ビット列からHD-FECパリティ及びSD-FECパリティを取り出してSD-FEC復号部82cに出力する。また、軟判定部81cは、軟判定の結果に基づきレベル-0~2のビット列をSD-FEC復号部82cに出力する。
【0312】
SD-FEC復号部82cは、訂正部の一例であり、フレームの周期T内の期間Ta中、レベル-1,3の各ビット列に挿入されたSD-FECパリティに基づいて軟判定部81cの判定の結果の誤りを訂正する。SD-FEC復号部82cは、期間Tb中、レベル-0のビット列の値を訂正し、期間Ta中、レベル-0~3のビット列の値を訂正する。
【0313】
SD-FEC復号部82cは、HD-FECパリティをセレクタ84a~84cに出力し、レベル-0のビット列を硬判定部83及びセレクタ84dに出力する。SD-FEC復号部82cは、期間Ta中のレベル-1,2のビット列をセレクタ84c,84bに出力する。
【0314】
セレクタ84dは、HD-FEC復号部85に出力する出力信号を、HD-FECパリティとレベル-0のビット列内のデータ#0から選択する。セレクタ84dは、期間TaにおいてHD-FECパリティを選択し、期間Tbにおいてレベル-0のビット列を選択する。
【0315】
セレクタ84bは、HD-FEC復号部85に出力する出力信号を、軟判定されたレベル-2のビット列(データ#2)と硬判定されたレベル-2のビット列(データ#2)から選択する。セレクタ84bは、期間Taでは、硬判定されたレベル-2のビット列を選択し、期間Tbでは、軟判定されたレベル-2のビット列を選択する。
【0316】
HD-FEC復号部85は、期間Tbにおいてレベル-0~3の各ビット列のデータ#0~#3を復号化し、期間Taにおいてレベル-1,2のビット列内のデータ#1,#2を復号化する。
【0317】
上述したように、セレクタ84a~84cは、動作制御部80の通知に従って、期間Ta中、SD-FECパリティにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、期間Tb中、硬判定部83により硬判定されたビット列を選択する。このため、第4実施例と同様の効果が得られる。
【0318】
(第8実施例)
図33は、第8実施例の符号化回路120が出力する出力信号Soutのフレームフォーマットを示す図である。本例のフレームフォーマットは、第4実施例と比べると期間Ta内の構成が異なる。期間Taにおいて、レベル-0のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれ、レベル-1のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれ、レベル-3のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれる。なお、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティの配置の形態に限定はない。
【0319】
また、期間Taにおいて、レベル-2のビット列にはデータ#2が含まれる。SD-FECパリティは、期間Taにおいてレベル-2のビット列内のデータ#2及びレベル-0,1,3の各ビット列内のHD-FECパリティから生成され、期間Tbにおいてレベル-0のビット列内のデータ#0から生成される。
【0320】
上記のフレームフォーマットによると、符号Xで示されるように、期間Taではレベル-0~3の各ビット列がSD-FECパリティの演算領域となり、期間Tbではレベル-0のビット列のみがSD-FECパリティの演算領域となる。また、期間Taにおいて、SD-FECパリティは、レベル-2のビット列には挿入されておらず、レベル-0,1,3の3つのビット列にわたって挿入されている。
【0321】
このため、符号化回路120及び復号化回路121は、上記のフレームフォーマットに基づき符号化処理及び復号化処理をそれぞれ行うことにより、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。以下に符号化回路120及び復号化回路121の各構成を説明する。
【0322】
図34は、第8実施例の符号化回路120を示す構成図である。
図34において、
図22、
図25、及び
図28と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、実施例の符号化方法は、以下に述べる符号化回路120の符号化処理である。以下に
図33及び
図34を参照して第4実施例の符号化回路120との差分について説明する。
【0323】
符号化回路120は、動作制御部70、PS変換部79、HD-FEC生成部74、SD-FEC生成部75a、シンボルマッピング部77、及びセレクタ76a,76c,76dを有する。PS変換部79は、DM処理部71a~71c、セレクタ72a,72b、及びXOR演算器73b,73cを有する。
【0324】
HD-FEC生成部74は、レベル-0~3の各ビット列のデータ#0~#3からHD-FECパリティを算出してSD-FEC生成部75a及びセレクタ76a,76c,76dにそれぞれ出力する。また、HD-FEC生成部74は、入力されたレベル-2のビット列をそのままシンボルマッピング部77に出力し、入力されたレベル-3,1のビット列をそのままセレクタ76a,76cに出力し、入力されたレベル-0のビット列をそのままSD-FEC生成部75aに出力する。
【0325】
SD-FEC生成部75aは、第1挿入部の一例であり、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、期間Tb中、レベル-0のビット列からSD-FECパリティを生成し、期間Ta中、レベル-0,1,3の各ビット列に挿入する。SD-FEC生成部75cは、期間Taではレベル-2のビット列内のデータ#2、及びレベル-0,1,3の各ビット列内のHD-FECパリティからSD-FECパリティを生成する。
【0326】
SD-FEC生成部75cは、SD-FECパリティをセレクタ76a,76c,76dに出力する。また、SD-FEC生成部75cは、入力されたレベル-0のビット列をそのままセレクタ76dに出力する。
【0327】
セレクタ76dは、期間Taにおいて、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティを入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力し、期間Tbにおいて、レベル-0のビット列内のデータ#0を入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力する。
【0328】
セレクタ76cは、期間Taにおいて、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティを入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力し、期間Tbにおいて、レベル-1のビット列内のデータ#1を入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力する。
【0329】
このため、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、シンボルマッピング部77には、期間Tb中、レベル-0~3の各ビット列内のデータ#0~#3が入力され、期間Ta中、レベル-0,1,3の各ビット列内のHD-FECパリティ及びSD-FECパリティとレベル-2のビット列内のデータ#2が入力される。このようにして上記のフレームフォーマットが形成される。
【0330】
符号化回路120は、上記の構成によりノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【0331】
図35は、第8実施例の復号化回路121を示す構成図である。
図35において、
図23、
図26、
図29、及び
図32と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。実施例の復号化方法は、以下に述べる復号化回路121の符号化処理である。以下に
図33及び
図35を参照して第4実施例の復号化回路121との差分を説明する。
【0332】
復号化回路121は、動作制御部80、軟判定部81a、SD-FEC復号部82a、硬判定部83、セレクタ84a~84d、HD-FEC復号部85、及びPS逆変換部89を有する。PS逆変換部89は、セレクタ86a,86b、XOR演算器87a,87b、及びIDM処理部88a~88cを含む。
【0333】
入力信号Sin’はアナログ-デジタル変換部13から軟判定部81a及び硬判定部83に分かれて入力される。
【0334】
軟判定部81aは、第1判定部の一例であり、256QAMのコンスタレーション内のシンボルが割り当てられたフレーム内のレベル-0,1,3のビット列の各値をシンボルに基づき軟判定する。軟判定部81aは、軟判定の結果に基づき、レベル-0,1,3の各ビット列からHD-FECパリティ及びSD-FECパリティを取り出してSD-FEC復号部82aに出力する。また、軟判定部81aは、軟判定の結果に基づきレベル-0,1の各ビット列をSD-FEC復号部82aに出力する。
【0335】
SD-FEC復号部82aは、訂正部の一例であり、フレームの周期T内の期間Ta中、レベル-0,1,3の各ビット列に挿入されたSD-FECパリティに基づいて軟判定部81cの判定の結果の誤りを訂正する。SD-FEC復号部82aは、期間Tb中、レベル-0のビット列の値を訂正し、期間Ta中、レベル-0~3のビット列の値を訂正する。
【0336】
SD-FEC復号部82aは、HD-FECパリティをセレクタ84b~84dに出力し、レベル-0のビット列を硬判定部83及びセレクタ84dに出力する。SD-FEC復号部82aは、期間Ta中のレベル-2のビット列をセレクタ84bに出力し、レベル-0のビット列をセレクタ84dに出力する。
【0337】
セレクタ84dは、HD-FEC復号部85に出力する出力信号を、HD-FECパリティとレベル-0のビット列内のデータ#0から選択する。セレクタ84dは、期間TaにおいてHD-FECパリティを選択し、期間Tbにおいてレベル-0のビット列を選択する。
【0338】
セレクタ84bは、HD-FEC復号部85に出力する出力信号を、軟判定されたレベル-2のビット列内のデータ#1と硬判定されたレベル-2のビット列内のデータ#2から選択する。セレクタ84bは、期間Taでは、硬判定されたレベル-2のビット列を選択し、期間Tbでは、軟判定されたレベル-2のビット列を選択する。
【0339】
セレクタ84cは、HD-FEC復号部85に出力する出力信号を、HD-FECパリティとレベル-1のビット列内のデータ#1から選択する。セレクタ84cは、期間TaにおいてHD-FECパリティを選択し、期間Tbにおいてレベル-1のビット列を選択する。
【0340】
HD-FEC復号部85は、期間Tbにおいてレベル-0~3の各ビット列のデータ#0~#3を復号化し、期間Taにおいてレベル-2のビット列内のデータ#2を復号化する。
【0341】
上述したように、セレクタ84a~84cは、動作制御部80の通知に従って、期間Ta中、SD-FECパリティにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、期間Tb中、硬判定部83により硬判定されたビット列を選択する。このため、第4実施例と同様の効果が得られる。
【0342】
(第9実施例)
図36は、第9実施例の符号化回路120が出力する出力信号Soutのフレームフォーマットを示す図である。本例のフレームフォーマットは、第4実施例と比べると期間Ta内の構成が異なる。期間Taにおいて、レベル-0のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれ、レベル-1のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれる。また、レベル-2のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれ、レベル-3のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれる。なお、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティの配置の形態に限定はない。
【0343】
SD-FECパリティは、期間Taにおいてレベル-0~3の各ビット列内のHD-FECパリティから生成され、期間Tbにおいてレベル-0のビット列内のデータ#0から生成される。
【0344】
上記のフレームフォーマットによると、符号Xで示されるように、期間Taではレベル-0~3の各ビット列がSD-FECパリティの演算領域となり、期間Tbではレベル-0のビット列のみがSD-FECパリティの演算領域となる。また、期間Taにおいて、SD-FECパリティは、何れのビット列にも挿入されておらず、レベル-0~3の4つのビット列にわたって挿入されている。
【0345】
このため、符号化回路120及び復号化回路121は、上記のフレームフォーマットに基づき符号化処理及び復号化処理をそれぞれ行うことにより、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。以下に符号化回路120及び復号化回路121の各構成を説明する。
【0346】
図37は、第9実施例の符号化回路120を示す構成図である。
図37において、
図22、
図25、
図28、
図31、及び
図34と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、実施例の符号化方法は、以下に述べる符号化回路120の符号化処理である。以下に
図36及び
図37を参照して第4実施例の符号化回路120との差分について説明する。
【0347】
符号化回路120は、動作制御部70、PS変換部79、HD-FEC生成部74、SD-FEC生成部75b、シンボルマッピング部77、及びセレクタ76a~76dを有する。PS変換部79は、DM処理部71a~71c及びXOR演算器73b,73cを有する。
【0348】
PS変換部79はセレクタ72a,72bを有していない。このため、PS変換部79は、期間Ta,Tbの何れにおいても、レベル-2のビット列とXORされたレベル-0のビット列をHD-FEC生成部74に出力する。これは、期間Taにおいて各レベル-0~3のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが挿入されることから、XOR演算を実行するか否かを切り替える必要がないためである。
【0349】
SD-FEC生成部75bは、第1挿入部の一例であり、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、期間Tb中、レベル-0のビット列からSD-FECパリティを生成し、期間Ta中、レベル-0~3のビット列に挿入する。SD-FEC生成部75aは、期間Taではレベル-0~3の各ビット列内のHD-FECパリティからSD-FECパリティを生成する。
【0350】
SD-FEC生成部75bは、SD-FECパリティをセレクタ76a~76dに出力する。また、SD-FEC生成部75bは、入力されたレベル-0のビット列をそのままシンボルマッピング部77に出力する。
【0351】
セレクタ76a~76dは、期間Taにおいて、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティを入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力する。また、セレクタ76a~76dは、期間Tbにおいて、レベル-3,2,1,0の各ビット列内のデータ#3,#2,#1,#0を入力信号としてそれぞれ選択してシンボルマッピング部77に出力する。
【0352】
このため、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、シンボルマッピング部77には、期間Tb中、レベル-0~3の各ビット列内のデータ#0~#3が入力され、期間Ta中、レベル-0~3の各ビット列内のHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが入力される。このようにして上記のフレームフォーマットが形成される。
【0353】
符号化回路120は、上記の構成によりノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【0354】
図38は、第9実施例の復号化回路121を示す構成図である。
図38において、
図23、
図26、
図29、
図33、及び
図35と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。実施例の復号化方法は、以下に述べる復号化回路121の符号化処理である。以下に
図36及び
図38を参照して第4実施例の復号化回路121との差分を説明する。
【0355】
復号化回路121は、動作制御部80、軟判定部81b、SD-FEC復号部82b、硬判定部83、セレクタ84a~84d、HD-FEC復号部85、及びPS逆変換部89を有する。PS逆変換部89は、XOR演算器87a,87b及びIDM処理部88a~88cを含む。
【0356】
入力信号Sin’はアナログ-デジタル変換部13から軟判定部81b及び硬判定部83に分かれて入力される。
【0357】
軟判定部81bは、第1判定部の一例であり、256QAMのコンスタレーション内のシンボルが割り当てられたフレーム内のレベル-0~3のビット列の各値をシンボルに基づき軟判定する。軟判定部81bは、軟判定の結果に基づき、レベル-0~3の各ビット列からHD-FECパリティ及びSD-FECパリティを取り出してSD-FEC復号部82bに出力する。また、軟判定部81bは、軟判定の結果に基づきレベル-0のビット列をSD-FEC復号部82bに出力する。
【0358】
SD-FEC復号部82bは、訂正部の一例であり、フレームの周期T内の期間Ta中、レベル-0~3のビット列に挿入されたSD-FECパリティに基づいて軟判定部81bの判定の結果の誤りを訂正する。SD-FEC復号部82bは、期間Tb中、レベル-0のビット列の値を訂正し、期間Ta中、レベル-0~3のビット列の値を訂正する。
【0359】
セレクタ84cは、HD-FEC復号部85に出力する出力信号を、HD-FECパリティとレベル-1のビット列内のデータ#1から選択する。セレクタ84cは、期間TaにおいてHD-FECパリティを選択し、期間Tbにおいてレベル-1のビット列を選択する。
【0360】
セレクタ84dは、HD-FEC復号部85に出力する出力信号を、HD-FECパリティとレベル-0のビット列内のデータ#0から選択する。セレクタ84dは、期間TaにおいてHD-FECパリティを選択し、期間Tbにおいてレベル-0のビット列を選択する。
【0361】
HD-FEC復号部85は、期間Tbにおいてレベル-0~3の各ビット列のデータ#0~#3を復号化する。HD-FEC復号部85は、PS逆変換部89にレベル-0~3のビット列を出力する。
【0362】
PS逆変換部89はセレクタ86a,86bを有していない。このため、PS逆変換部89では、期間Ta,Tbの何れにおいても、レベル-2のビット列とXORされたレベル-1のビット列がIDM処理部88bに入力され、レベル-3のビット列とXORされたレベル-0のビット列がIDM処理部88cに入力される。これは、期間Taにおいて各レベル-0~2のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが挿入されることから、XOR演算を実行するか否かを切り替える必要がないためである。
【0363】
上述したように、セレクタ84a~84cは、動作制御部80の通知に従って、期間Ta中、SD-FECパリティにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、期間Tb中、硬判定部83により硬判定されたビット列を選択する。このため、第4実施例と同様の効果が得られる。
【0364】
(第10実施例)
図39は、第10実施例の符号化回路120が出力する出力信号Soutのフレームフォーマットを示す図である。本例のフレームフォーマットは、第4実施例と比べると期間Ta内の構成が異なる。期間Taにおいて、レベル-0のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれ、レベル-2のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれ、レベル-3のビット列にはHD-FECパリティ及びSD-FECパリティが含まれる。なお、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティの配置の形態に限定はない。
【0365】
SD-FECパリティは、期間Taにおいてレベル-0,2,3の各ビット列内のHD-FECパリティから生成され、期間Tbにおいてレベル-0のビット列内のデータ#0から生成される。
【0366】
上記のフレームフォーマットによると、符号Xで示されるように、期間Taではレベル-0~3の各ビット列がSD-FECパリティの演算領域となり、期間Tbではレベル-0のビット列のみがSD-FECパリティの演算領域となる。また、期間Taにおいて、SD-FECパリティは、何れのビット列にも挿入されておらず、レベル-0,2,3の3つのビット列にわたって挿入されている。
【0367】
このため、符号化回路120及び復号化回路121は、上記のフレームフォーマットに基づき符号化処理及び復号化処理をそれぞれ行うことにより、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。以下に符号化回路120及び復号化回路121の各構成を説明する。
【0368】
図40は、第10実施例の符号化回路120を示す構成図である。
図40において、
図22、
図25、
図28、
図31、
図34、及び
図37と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、実施例の符号化方法は、以下に述べる符号化回路120の符号化処理である。以下に
図39及び
図40を参照して第4実施例の符号化回路120との差分について説明する。
【0369】
SD-FEC生成部75は、第1挿入部の一例であり、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、期間Tb中、レベル-0のビット列からSD-FECパリティを生成し、期間Ta中、レベル-0,2,3のビット列に挿入する。SD-FEC生成部75は、期間Taではレベル-1のビット列内のデータ#1、及びレベル-0,2,3のビット列内のHD-FECパリティからSD-FECパリティを生成する。つまり、SD-FECパリティは、期間Ta内のレベル-0~3の各ビット列から算出される。
【0370】
SD-FEC生成部75は、SD-FECパリティをセレクタ76a,76b,76dに出力する。また、SD-FEC生成部75は、入力されたレベル-0のビット列をそのままセレクタ76dに出力する。
【0371】
セレクタ76a,76b,76dは、期間Taにおいて、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティを入力信号として選択してシンボルマッピング部77に出力する。また、セレクタ76a,76b,76dは、期間Tbにおいて、レベル-3,2,0の各ビット列内のデータ#3,#2,#0を入力信号としてそれぞれ選択してシンボルマッピング部77に出力する。
【0372】
このため、動作制御部70の期間Ta,Tbの切り替えに従って、シンボルマッピング部77には、期間Tb中、レベル-0~3の各ビット列内のデータ#0~#3が入力され、期間Ta中、レベル-0,2,3の各ビット列内のHD-FECパリティ及びSD-FECパリティと、レベル-1のビット列内のデータ#1とが入力される。このようにして上記のフレームフォーマットが形成される。
【0373】
符号化回路120は、上記の構成によりノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【0374】
図41は、第10実施例の復号化回路121を示す構成図である。
図41において、
図23、
図26、
図29、
図33、
図35、及び
図38と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。実施例の復号化方法は、以下に述べる復号化回路121の符号化処理である。以下に
図39及び
図41を参照して第4実施例の復号化回路121との差分を説明する。
【0375】
復号化回路121は、動作制御部80、軟判定部81、SD-FEC復号部82、硬判定部83、セレクタ84a~84d、HD-FEC復号部85、及びPS逆変換部89を有する。PS逆変換部89は、セレクタ86a,86b、XOR演算器87a,87b、及びIDM処理部88a~88cを含む。
【0376】
SD-FEC復号部82bは、訂正部の一例であり、フレームの周期T内の期間Ta中、レベル-0,2,3のビット列に挿入されたSD-FECパリティに基づいて軟判定部81bの判定の結果の誤りを訂正する。SD-FEC復号部82bは、期間Tb中、レベル-0のビット列の値を訂正し、期間Ta中、レベル-0~3のビット列の値を訂正する。
【0377】
セレクタ84dは、HD-FEC復号部85に出力する出力信号を、HD-FECパリティとレベル-0のビット列内のデータ#0から選択する。セレクタ84cは、期間TaにおいてHD-FECパリティを選択し、期間Tbにおいてレベル-0のビット列を選択する。
【0378】
HD-FEC復号部85は、期間Tbにおいてレベル-0~3の各ビット列のデータ#0~#3を復号化し、期間Taにおいてレベル-1のビット列内のデータ#1を復号化する。HD-FEC復号部85は、PS逆変換部89にレベル-0~3のビット列を出力する。
【0379】
上述したように、セレクタ84a~84cは、動作制御部80の通知に従って、期間Ta中、SD-FECパリティにより軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、期間Tb中、硬判定部83により硬判定されたビット列を選択する。このため、第4実施例と同様の効果が得られる。
【0380】
このように、第4~第10実施例において、SD-FEC生成部75,75a,75bは、動作制御部70の切り替えに従って、期間Tb中、レベル-0のビット列からSD-FECパリティを生成し、期間Ta中、レベル-3のビット列を含む2以上のビット列に挿入する。このため、ノイズ耐力を低下させずに消費電力を低減することができる。
【0381】
次に第4~第10実施例を比較する。
【0382】
図42は、比較例及び第4~第10実施例のビット列ごとのSD-FECパリティ及びHD-FECパリティのデータ量を示す図である。ここでは、フレーム内の期間TaのSD-FECパリティ及びHD-FECパリティのデータ量の合計をN(bit)とする。
【0383】
比較例の場合、レベル-3のビット列にはN(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されており、他のビット列には0(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されている。
【0384】
第4実施例の場合、レベル-2,3の各ビット列にはN/2(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されており、他のビット列には0(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されている。第5実施例の場合、レベル-1,3の各ビット列にはN/2(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されており、他のビット列には0(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されている。
【0385】
第6実施例の場合、レベル-1~3の各ビット列にはN/3(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されており、他のビット列には0(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されている。第7実施例の場合、レベル-0,3の各ビット列にはN/2(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されており、他のビット列には0(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されている。
【0386】
第8実施例の場合、レベル-0,1,3の各ビット列にはN/3(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されており、他のビット列には0(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されている。第9実施例の場合、レベル-0~3の各ビット列にはN/4(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されている。
【0387】
第10実施例の場合、レベル-0,2,3の各ビット列にはN/3(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されており、他のビット列には0(bit)のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されている。
【0388】
比較例と第4~第10実施例を比べると、第4~第10実施例ではSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが2以上のビット列に分けて挿入されているため、期間Ta中の演算領域が比較例より狭くなり、低消費電力化が可能である。特に第9実施例では、SD-FECパリティ及びHD-FECパリティが全てのビット列に分かれて挿入されているため、期間Ta中のFECの演算領域が最も狭くなり、低消費電力化の効果が最も高い。
【0389】
また、フレーム内のDM処理されたデータが多いほど、プロバブリスティックシェーピングの効果は大きい。DM処理対象のレベル-0~2のビット列内のSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが最も少ない第4実施例、第5実施例、及び第7実施例が、他の実施例より高いノイズ耐力が得られる。
【0390】
第5及び第7実施例では、レベル-2のビット列にSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されておらず、DM処理されたデータ#1,#2が含まれている。これに対し、第4実施例では、レベル-2のビット列にSD-FECパリティ及びHD-FECパリティが挿入されている。このため、第5及び第7実施例によると最も高いノイズ耐力が得られる。
【0391】
また、本実施例のトランスポンダ1a,1b及び光伝送システムは、第1~第10実施例の符号化回路120及び復号化回路121を有する。このため、上記と同様の作用効果が得られる。なお、上述した符号化回路120及び復号化回路121は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specified Integrated Circuit)などのハードウェアから構成された回路であってもよい。
【0392】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能である。
【0393】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 多値変調方式のコンスタレーション内の複数のシンボルのうち、フレーム内の複数のビット列の各々の値に応じたシンボルを前記複数のビット列に割り当てる割当部と、
前記複数のシンボルのうち、前記コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように、前記複数のビット列のうち、第1ビット列以外の各ビット列の値を変換する変換部と、
前記フレームの周期において、前記複数のビット列の誤りを訂正するための第1の誤り訂正符号を前記複数のビット列に挿入する第1期間と、前記複数のビット列に前記第1の誤り訂正符号を挿入しない第2期間を切り替える切替部と、
前記切替部の切り替えに従って、前記第2期間中、前記複数のビット列のうち、第2ビット列から前記第1の誤り訂正符号を生成し、前記第1期間中、前記第1ビット列を含む2以上のビット列に挿入する第1挿入部とを有することを特徴とする符号化回路。
(付記2) 前記第1挿入部は、前記第1期間中、前記複数のビット列のうち、前記第2ビット列以外の2以上のビット列に前記第1の誤り訂正符号を挿入することを特徴とする付記1に記載の符号化回路。
(付記3) 前記第1挿入部は、前記第1期間中、前記複数のビット列のうち、前記第2ビット列より上位側の第3ビット列以外の2以上のビット列に前記第1の誤り訂正符号を挿入することを特徴とする付記1に記載の符号化回路。
(付記4) 前記第1挿入部は、前記第1期間中、前記複数のビット列の各々に前記第1の誤り訂正符号を挿入することを特徴とする付記1に記載の符号化回路。
(付記5) 前記複数のビット列の誤りを訂正するための第2の誤り訂正符号を前記複数のビット列の各々から生成して、前記切替部の切り替えに従って、前記第1期間中、前記第1ビット列を含む2以上のビット列に挿入する第2挿入部を、さらに有し、
前記第1の誤り訂正符号は、前記複数のビット列の軟判定結果の誤り訂正に用いられ、
前記第2の誤り訂正符号は、前記複数のビット列の硬判定結果の誤り訂正に用いられることを特徴とする付記1乃至4の何れかに記載の符号化回路。
(付記6) 多値変調方式のコンスタレーション内の複数のシンボルの1つが割り当てられたフレーム内の複数のビット列の各値を前記シンボルの1つに基づき軟判定する第1判定部と、
前記複数のビット列のうち、第1ビット列を含む2以上のビット列に挿入された第1の訂正符号に基づいて前記第1判定部の軟判定の結果の誤りを訂正する訂正部と、
前記複数のビット列のうち、第2ビット列以外の各ビット列の値を前記シンボルの1つに基づき硬判定する第2判定部と、
前記複数のシンボルのうち、前記コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように変換された前記第1ビット列以外の各ビット列の値を逆変換する逆変換部と、
前記複数のビット列のうち、前記第2ビット列以外の各ビット列について、前記第1の誤り訂正符号により軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列、及び前記第2判定部により硬判定されたビット列から、前記逆変換部に入力されるビット列を選択する選択部と、
前記フレームの周期において、前記第1ビット列を含む2以上のビット列に前記第1の誤り訂正符号が挿入されている第1期間と、前記第1ビット列を含む2以上のビット列に前記第1の誤り訂正符号が挿入されていない第2期間を前記選択部に通知する通知部とを有し、
前記選択部は、前記通知部の通知に従って、前記第1期間中、前記第1の誤り訂正符号により軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、前記第2期間中、前記第2判定部により硬判定されたビット列を選択することを特徴とする復号化回路。
(付記7) 多値変調方式のコンスタレーション内の複数のシンボルのうち、フレーム内の複数のビット列の各々の値に応じたシンボルを前記複数のビット列に割り当て、
前記複数のシンボルのうち、前記コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように、前記複数のビット列のうち、第1ビット列以外の各ビット列の値を変換し、
前記フレームの周期において、前記複数のビット列の誤りを訂正するための第1の誤り訂正符号を前記複数のビット列に挿入する第1期間と、前記複数のビット列に前記第1の誤り訂正符号を挿入しない第2期間を切り替え、
該切り替えに従って、前記第2期間中、前記複数のビット列のうち、第2ビット列から前記第1の誤り訂正符号を生成し、前記第1期間中、前記第1ビット列を含む2以上のビット列に挿入することを特徴とする符号化方法。
(付記8) 前記第1期間中、前記複数のビット列のうち、前記第2ビット列以外の2以上のビット列に前記第1の誤り訂正符号を挿入することを特徴とする付記7に記載の符号化方法。
(付記9) 前記第1期間中、前記複数のビット列のうち、前記第2ビット列より上位側の第3ビット列以外の2以上のビット列に前記第1の誤り訂正符号を挿入することを特徴とする付記7に記載の符号化方法。
(付記10) 前記第1期間中、前記複数のビット列の各々に前記第1の誤り訂正符号を挿入することを特徴とする付記7に記載の符号化方法。
(付記11) 前記複数のビット列の誤りを訂正するための第2の誤り訂正符号を前記複数のビット列の各々から生成して、前記切り替えに従って、前記第1期間中、前記第1ビット列を含む2以上のビット列に挿入し、
前記第1の誤り訂正符号は、前記複数のビット列の軟判定結果の誤り訂正に用いられ、
前記第2の誤り訂正符号は、前記複数のビット列の硬判定結果の誤り訂正に用いられることを特徴とする付記7乃至10の何れかに記載の符号化方法。
(付記12) 多値変調方式のコンスタレーション内の複数のシンボルの1つが割り当てられたフレーム内の複数のビット列の各値を前記シンボルの1つに基づき軟判定し、
前記複数のビット列のうち、第1ビット列を含む2以上のビット列に挿入された誤り訂正符号に基づいて該軟判定の結果の誤りを訂正し、
前記複数のビット列のうち、第2ビット列以外の各ビット列の値を前記シンボルの1つに基づき硬判定し、
前記複数のシンボルのうち、前記コンスタレーションの中心に近いシンボルほど、多く割り当てられるように変換された前記第1ビット列以外の各ビット列の値を逆変換し、
前記複数のビット列のうち、前記第2ビット列以外の各ビット列について、前記誤り訂正符号により軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列、及び前記第2判定部により硬判定されたビット列から、該逆変換するビット列を選択し、
前記フレームの周期において、前記第1ビット列を含む2以上のビット列に前記誤り訂正符号が挿入されている第1期間と、前記第1ビット列を含む2以上のビット列に前記誤り訂正符号が挿入されていない第2期間を通知し、
前記逆変換するビット列の選択処理は、該通知に従って、前記第1期間中、前記誤り訂正符号により軟判定の結果の誤りを訂正されたビット列を選択し、前記第2期間中、前記第2判定部により硬判定されたビット列を選択することを特徴とする復号化方法。
(付記13) 送信対象のフレームを復号化する付記1に記載の符号化回路と、
受信対象のフレームを復号化する付記6に記載の復号化回路と、
前記送信対象のフレームを光信号に変換して他の装置に送信し、他の装置から光信号を受信して前記受信対象のフレームに変換する変換回路とを有することを特徴とする伝送装置。
(付記14) 光信号を送信する第1伝送装置と、
前記光信号を受信する第2伝送装置とを有し、
前記第1伝送装置は、
送信対象のフレームを復号化する付記1に記載の符号化回路と、
前記送信対象のフレームを前記光信号に変換する第1変換回路とを有し、
前記第2伝送装置は、
受信対象のフレームを復号化する付記6に記載の復号化回路と、
前記光信号を受信して前記受信対象のフレームに変換する第2変換回路とを有することを特徴とする光伝送システム。
【符号の説明】
【0394】
1a,1b トランスポンダ
14 ACO
20,20a,40,70,80 動作制御部
24,24x,24y,74 HD-FEC生成部
25,25x~25z,75,75a,75b SD-FEC生成部
27,27x,27y,77 シンボルマッピング部
29,29x,29y,79 PS変換部
41,41x,41y,81,81a~81c 軟判定部
42,42x~42z,82,82a,82b SD-FEC復号部
43,43y,83 硬判定部
44a~44c,84a~84d セレクタ
49,49x,49y,89 PS逆変換部
120 符号化回路
121 復号化回路