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特許7332994電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20230817BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20230817BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230817BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20230817BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20230817BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20230817BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20230817BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20230817BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20230817BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B60K1/00 ZHV
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
H02M7/48 Z
H02K11/33
H02K7/116
B60L9/18 J
B60L50/16
B60L50/60
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021570656
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(86)【国際出願番号】 JP2020041650
(87)【国際公開番号】W WO2021145057
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-03-30
(31)【優先権主張番号】P 2020006234
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷澤 昇治
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-151174(JP,A)
【文献】特開2014-193692(JP,A)
【文献】特開2013-184497(JP,A)
【文献】特開2013-230731(JP,A)
【文献】特開2019-166918(JP,A)
【文献】特開2018-99911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
B60K 1/00
H02J 7/00
H02M 7/48
H02K 11/33
H02K 7/116
B60L 9/18
B60L 50/16
B60L 50/60
B62D 25/20
B62D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のフロアの下側に吊下支持され、サスペンションを介して左右の後輪を支持するリヤサスクロスメンバと、
前記リヤサスクロスメンバに取り付けられ、走行用モータ、前記走行用モータのインバータ及び前記走行用モータの動力を前記左右の後輪に伝達するトランスアクスルからなる駆動ユニットと、
前記フロアに取り付けられ、少なくとも走行用バッテリからの電力を中継してモータ側電力ケーブルを介して前記インバータに供給するジャンクションボックスを含む電源ユニットと、
前記走行用モータに加えて前記走行用バッテリよりも前側位置に走行用動力源として搭載されたエンジンと、
を備えた電動車両において、
前記ジャンクションボックスと前記インバータとは、前記車体の車幅方向の中心線を基準として互いに反対側に配設され、
前記走行用バッテリの端子台は、前記車幅方向の中心線を基準として前記ジャンクションボックス側に配設され、バッテリ側電力ケーブルを介して前記ジャンクションボックスの端子台に接続され、
前記エンジンからの排気管は、前記車幅方向の中心線を基準として前記走行用バッテリの端子台とは反対側で前記走行用バッテリを迂回して取り回されている
ことを特徴とする電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造。
【請求項2】
前記駆動ユニットは、前記走行用モータを挟んだ配置で前記トランスアクスルと前記インバータとが車幅方向に並設されてなり、
前記ジャンクションボックスは、前記車幅方向の中心線を基準として前記トランスアクスル側に配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造。
【請求項3】
前記ジャンクションボックスは、車幅方向において、前記走行用モータに対して前記インバータとは反対側に離間して配設されている
ことを特徴とする請求項2に記載の電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造。
【請求項4】
前記電源ユニットは、前記ジャンクションボックスを含む複数の機器からなり、
前記ジャンクションボックスは、前記電源ユニットの中で車幅方向の最も一端側に配設され、
前記インバータは、前記駆動ユニットの中で車幅方向の最も他端側に配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造。
【請求項5】
前記モータ側電力ケーブルの一端が接続される前記ジャンクションボックスの端子台に対して、前記モータ側電力ケーブルの他端が接続される前記インバータの端子台は車体の前後方向の前側または後側の何れか一方にオフセット配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造。
【請求項6】
前記ジャンクションボックスの端子台は、前記インバータの端子台がオフセット配置された前後方向の前側または後側の何れか一方に面して設けられ、
前記インバータの端子台は、当該インバータの端子台から前記モータ側電力ケーブルが前記ジャンクションボックス側に延びるように設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造。
【請求項7】
前記トランスアクスルと前記左右の後輪とは、左右一対の駆動軸を介してそれぞれ連結され、
前記左右一対の駆動軸は、オフセット配置された前記インバータの端子台とは前後方向において前記走行用モータを挟んで反対側に相当する前側または後側の何れか他方に配設されている
ことを特徴とする請求項5または6に記載の電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造。
【請求項8】
前記ジャンクションボックスの端子台に対して前記インバータの端子台は前後方向の後側にオフセット配置され、
前記モータ側電力ケーブルは、前記リヤサスクロスメンバの平面視における輪郭線よりも内側に配設されている
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造。
【請求項9】
前記エンジンからの排気管は、前記走行用モータの下側を通って後方へと取り回されている
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造。
【請求項10】
走行用モータ、前記走行用モータのインバータ及び前記走行用モータの動力を左右の後輪に伝達するトランスアクスルからなる駆動ユニットと、
少なくとも走行用バッテリからの電力を中継してモータ側電力ケーブルを介して前記インバータに供給するジャンクションボックスを含む電源ユニットと、
前記走行用モータに加えて前記走行用バッテリよりも前側位置に走行用動力源として搭載されたエンジンと、
を備えた電動車両において、
前記ジャンクションボックスは、車体の車幅方向の中心線を基準として一方側に配設され、
前記走行用バッテリの端子台は、前記車幅方向の中心線を基準として前記ジャンクションボックス側に配設され、バッテリ側電力ケーブルを介して前記ジャンクションボックスの端子台に接続され、
前記エンジンからの排気管は、前記車幅方向の中心線を基準として前記走行用バッテリの端子台とは反対側で前記走行用バッテリを迂回して取り回されている
ことを特徴とする電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両には、走行用バッテリに対する電力の入出力を制御する各種電源ユニットが搭載されている。例えば電源ユニットとしては、走行用バッテリと走行用モータ等の電気負荷とを接続するジャンクションボックス、充電ステーション等での外部電源からの電力を走行用バッテリに充電する充電器、走行用バッテリからの直流電力を交流電力に変換して家電を使用可能とするDC-ACインバータ、或いは走行用モータを力行制御や回生制御するためのインバータ等が挙げられ、これらの電源ユニットは電力ケーブルを介して走行用バッテリや走行用モータ等の電気負荷と接続されている。
【0003】
例えば特許文献1に記載の電動車両では、車体のフロアの下側に吊下支持されたリヤサスクロスメンバにより左右の後輪を支持すると共に、サスクロスメンバ上に駆動ユニットとして走行用モータ、走行用モータのインバータ及びトランスアクスルを取り付けて後輪を駆動している。さらに、駆動ユニットの上方位置には電源ユニットとしてジャンクションボックス、充電器及びDC-ACインバータをサスクロスメンバに取り付けて、各電源ユニット、走行用モータのインバータ及び走行用バッテリを電力ケーブルを介して接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-151174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術は、駆動ユニット及び電源ユニットを共にフロアの下側のリヤサスクロスメンバ上に取り付けた車体構造であるが、電源ユニットをフロアに取り付けた車体構造も広く実施されている。このような場合、例えば、フロアの下側でリヤサスクロスメンバ上に走行用モータ、インバータ及びトランスアクスルが取り付けられ、フロアに電源ユニットとしてジャンクションボックス、充電器及びDC-ACインバータが取り付けられる。そして、ジャンクションボックスと走行用モータのインバータとが電力ケーブルを介して接続され、例えば、走行用バッテリからの直流電力がジャンクションボックスから電力ケーブルを介してインバータに供給され、三相交流電力に変換されて走行用モータに供給される。
【0006】
電動車両の走行中において、リヤサスクロスメンバは路面からの入力や後輪への駆動反力等を受けて揺動するため、フロアに取り付けられたジャンクションボックスとリヤサスクロスメンバ上のインバータとの間には相対的な位置変位が絶えず発生する。一方で、走行用モータの駆動のために大電流が流される電力ケーブルは太く、必然的に撓み難い。このような物性であるにも拘わらず電力ケーブルは、上記のような相対的な位置変位を吸収するために絶えず撓みを生じるため、耐久性の点で好ましいとは言い難く、従来から対策が要望されていた。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、車体のフロアに電源ユニットを取り付けると共に、リヤサスクロスメンバ上に駆動ユニットを配置した後輪駆動の車体構造において、電源ユニットのジャンクションボックスと駆動ユニットの走行用モータのインバータとを接続する電力線の耐久性を向上することができる電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造は、車体のフロアの下側に吊下支持され、サスペンションを介して左右の後輪を支持するリヤサスクロスメンバと、前記リヤサスクロスメンバに取り付けられ、走行用モータ、前記走行用モータのインバータ及び前記走行用モータの回転を減速して前記左右の後輪に伝達するトランスアクスルからなる駆動ユニットと、前記フロアに取り付けられ、少なくとも走行用バッテリからの電力を中継してモータ側電力ケーブルを介して前記インバータに供給するジャンクションボックスを含む電源ユニットと、前記走行用モータに加えて前記走行用バッテリよりも前側位置に走行用動力源として搭載されたエンジンと、を備えた電動車両において、前記ジャンクションボックスと前記インバータとが、前記車体の車幅方向の中心線を基準として互いに反対側に配設され、前記走行用バッテリの端子台が、前記車幅方向の中心線を基準として前記ジャンクションボックス側に配設され、バッテリ側電力ケーブルを介して前記ジャンクションボックスの端子台に接続され、前記エンジンからの排気管が、前記車幅方向の中心線を基準として前記走行用バッテリの端子台とは反対側で前記走行用バッテリを迂回して取り回されていることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
このように構成した電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造によれば、ジャンクションボックスとインバータとが車体の車幅方向の中心線を基準として互いに反対側に配設されているため、双方を接続するモータ側電力ケーブルの全長が長くなると共に、配索の際に弛みをもたせ易くなる。また、バッテリ側電力ケーブルの配索経路を短縮可能となり、さらに、排気管とバッテリ側電力ケーブルとが交差することなく配設され、高温の排気管による熱害がバッテリ側電力ケーブルに及ぶ事態が未然に防止される。
その他の態様として、前記駆動ユニットが、前記走行用モータを挟んだ配置で前記トランスアクスルと前記インバータとが車幅方向に並設されてなり、前記ジャンクションボックスが、前記車幅方向の中心線を基準として前記トランスアクスル側に配設されていてもよい(請求項2)。
【0010】
このように構成した電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造によれば、ジャンクションボックスが車幅方向の中心線を基準としてトランスアクスル側に配設されることにより、結果として車幅方向の中心線を基準としてインバータとは反対側に配設される。
その他の態様として、前記ジャンクションボックスが、車幅方向において、前記走行用モータに対して前記インバータとは反対側に離間して配設されていてもよい(請求項3)。
【0011】
このように構成した電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造によれば、ジャンクションボックスが走行用モータから離間して配設されることにより、モータ側電力ケーブルの全長がより長くなる。
その他の態様として、前記電源ユニットが、前記ジャンクションボックスを含む複数の機器からなり、前記ジャンクションボックスが、前記電源ユニットの中で車幅方向の最も一端側に配設され、前記インバータが、前記駆動ユニットの中で車幅方向の最も他端側に配設されていてもよい(請求項4)。
【0012】
このように構成した電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造によれば、駆動ユニット及び電源ユニットの限られた設置スペースの制約の中で、インバータとジャンクションボックスとが可能な限り車幅方向に離間して配設される。
その他の態様として、前記モータ側電力ケーブルの一端が接続される前記ジャンクションボックスの端子台に対して、前記モータ側電力ケーブルの他端が接続される前記インバータの端子台が前側または後側の何れか一方にオフセット配置されていてもよい(請求項5)。
【0013】
このように構成した電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造によれば、モータ側電力ケーブルが略L字状に配索されることにより、その全長が延長化されて弛みが形成される。
その他の態様として、前記ジャンクションボックスの端子台が、前記インバータの端子台がオフセット配置された前側または後側の何れか一方に面して設けられ、前記インバータの端子台が、当該インバータの端子台から前記モータ側電力ケーブルが前記ジャンクションボックス側に延びるように設けられていてもよい(請求項6)。
【0014】
このように構成した電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造によれば、モータ側電力ケーブルにより形作られる略L字状が一層明確なものとなる。
その他の態様として、前記トランスアクスルと前記左右の後輪とが、左右一対の駆動軸を介してそれぞれ連結され、前記左右一対の駆動軸が、オフセット配置された前記インバータの端子台とは前記走行用モータを挟んで反対側に相当する前側または後側の何れか他方に配設されていてもよい(請求項7)。
【0015】
このように構成した電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造によれば、左右一対の駆動軸に対してインバータの端子台が走行用モータを挟んで反対側に配設されるため、モータ側電力ケーブルを容易且つ確実に配索可能となる。
その他の態様として、前記ジャンクションボックスの端子台に対して前記インバータの端子台が後側にオフセット配置され、前記モータ側電力ケーブルが、前記リヤサスクロスメンバの平面視における輪郭線よりも内側に配設されていてもよい(請求項8)。
【0016】
このように構成した電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造によれば、後側にオフセット配置されたインバータの端子台にモータ側電力ケーブルが接続され、結果として電源ユニット及び駆動ユニットの後側にモータ側電力ケーブルが配置される。そして、リヤサスクロスメンバの輪郭線よりも内側にモータ側電力ケーブルが配設されているため、他車両に後面衝突されたときには、リヤサスクロスメンバにより保護されて断線等が未然に防止される。
【0018】
その他の態様として、前記エンジンからの排気管が、前記走行用モータの下側を通って後方へと取り回されていてもよい(請求項)。
【0019】
このように構成した電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造によれば、例えばインバータの下側に排気管を配置すると熱害がインバータに及んでしまい、トランスアクスルの下側に排気管を配置すると車体の最低地上高が減少してしまうが、これらの不具合が防止される。
また、本発明の電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造は、走行用モータ、前記走行用モータのインバータ及び前記走行用モータの動力を左右の後輪に伝達するトランスアクスルからなる駆動ユニットと、少なくとも走行用バッテリからの電力を中継してモータ側電力ケーブルを介して前記インバータに供給するジャンクションボックスを含む電源ユニットと、前記走行用モータに加えて前記走行用バッテリよりも前側位置に走行用動力源として搭載されたエンジンと、を備えた電動車両において、前記ジャンクションボックスが、車体の車幅方向の中心線を基準として一方側に配設され、前記走行用バッテリの端子台が、前記車幅方向の中心線を基準として前記ジャンクションボックス側に配設され、バッテリ側電力ケーブルを介して前記ジャンクションボックスの端子台に接続され、前記エンジンからの排気管が、前記車幅方向の中心線を基準として前記走行用バッテリの端子台とは反対側で前記走行用バッテリを迂回して取り回されていることを特徴とする(請求項10)。
このように構成した電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造によれば、バッテリ側電力ケーブルの配索経路を短縮可能となり、さらに、排気管とバッテリ側電力ケーブルとが交差することなく配設され、高温の排気管による熱害がバッテリ側電力ケーブルに及ぶ事態が未然に防止される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造によれば、車体のフロアの上側に電源ユニットを配置すると共に、フロアの下側のリヤサスクロスメンバ上に駆動ユニットを配置した後輪駆動の車体構造において、電源ユニットのジャンクションボックスと駆動ユニットの走行用モータのインバータとを接続する電力線の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態の電動車両の後部を示す底面図である。
図2】同じく電動車両の後部を示す後方より見た断面図である。
図3】同じく電動車両の後部を示す左側方より見た断面図である。
図4】リヤサスクロスメンバ上の駆動ユニットの配置を示す平面図である。
図5】フロア上の電源ユニットの配置を示す平面図である。
図6】電源ユニットと駆動ユニットとの位置関係及び接続状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した電動車両における駆動ユニット及び電源ユニットの配置構造の一実施形態を説明する。
図1は実施形態の電動車両の後部を示す底面図、図2は同じく電動車両の後部を示す後方より見た断面図、図3は電動車両の後部を示す左側方より見た断面図である。以下の説明では、車両に搭乗した運転者を主体として前後、左右及び上下方向を表現し、左右方向は本発明の車幅方向に相当する。
【0023】
本実施形態の電動車両は、走行用動力源として後述する走行用モータ9及び図示しないエンジンを搭載したハイブリッド車両1である。図1,2に示すように、その車体を構成するフロア2の下面には左右一対のサイドメンバ3l,3rが設けられ、各サイドメンバ3l,3rはそれぞれフロア2との間で閉断面を形成して前後方向に延設されている。
図1に二点鎖線で示すように、フロア2の下側にはリヤサスクロスメンバ4が配設され、その左右両側が各サイドメンバ3l,3rから吊下支持されている。詳しくは図1に示す平面視において、左右のサイドメンバ3l,3rの前位置及び後位置には支持マウント5fl,5fr,5rl,5rr(以下、それぞれを固定点と称する)が設けられ、リヤサスクロスメンバ4の前部左右及び後部左右が各固定点5fl,5fr,5rl,5rrから吊下支持されている。また前位置の固定点5fl,5frからリヤサスクロスメンバ4の左右両側は前方に延設され、それぞれ一対のボルト6l,6rにより左右のサイドメンバ3l,3rに締結されている。
【0024】
リヤサスクロスメンバ4の左側部及び右側部には、それぞれ図示しないダブルウィッシュボーン式のサスペンションを介して左右の後輪7(右側のみ図示)が支持されている。当該サスペンションの構成は周知であるため、詳細は説明しないが、アッパアーム、ロアアーム、トーコントロールリンク、スプリング、アブソーバ等から構成されている。ハイブリッド車両1の走行中において路面からの入力や後輪7への駆動反力等に抗するために、リヤサスクロスメンバ4は厚肉の鋼板から製作されて高い強度を有すると共に、同じく高い強度の左右のサイドメンバ3l,3rから支持されている。
【0025】
図4はリヤサスクロスメンバ4上の駆動ユニットの配置を示す平面図、図5はフロア2上の電源ユニットの配置を示す平面図、図6は電源ユニットと駆動ユニットとの位置関係及び接続状態を示す平面図である。
図1,2,4に示すように、フロア2の下側においてリヤサスクロスメンバ4には、駆動ユニット8として走行用モータ9、走行用モータ9に一体的に設けられたインバータ10、及び減速機として機能するトランスアクスル11が支持マウント15を介して取り付けられている。本実施形態では走行用モータ9を挟んだ配置で、左側にトランスアクスル11が、右側にインバータ10が左右方向に並設されている。トランスアクスル11は走行用モータ9に対して同軸上に連結されると共に、走行用モータ9よりも前方に膨出した形状をなしている。この膨出部分の左右両側には駆動軸12の内端が連結され、各駆動軸12は走行用モータ9の前側で左方及び右方に延設されて、それらの外端に左右の後輪7が連結されている。
【0026】
インバータ10は走行用モータ9の右側に一体的に設けられると共に、その端子台10aは走行用モータ9よりも後方に突出し、端子台10aの左側面に後述するモータ側電力ケーブル42が接続される。そして、以上のようにしてリヤサスクロスメンバ4に取り付けられた駆動ユニット8の全ての領域は、平面視においてリヤサスクロスメンバ4の輪郭線よりも内側に配設されている。またフロア2の下側においてリヤサスクロスメンバ4よりも前側位置には、図示しない走行用動力源のエンジンの燃料を貯留する燃料タンク13が配設され、燃料タンク13の前側位置には走行用バッテリ14が配設されている。
【0027】
走行用モータ9はインバータ10により駆動制御される。例えば力行制御時には、走行用バッテリ14からの直流電力がインバータ10で三相交流電力に変換されて走行用モータ9に供給され、走行用モータ9の回転がトランスアクスル11内で減速されて駆動軸12を介して左右の後輪7が駆動される。また回生制御時には、左右の後輪7の回転が駆動軸12及びトランスアクスル11を介して走行用モータ9に伝達され、走行用モータ9により発電された三相交流電力がインバータ10により直流電力に変換されて走行用バッテリ14に充電される。
【0028】
図3,5に示すように、フロア2の上面において、前位置の左右の固定点5fl,5frの間には上側前部フロアクロスメンバ16が設けられ、後位置の左右の固定点5rl,5rrの間には上側後部フロアクロスメンバ17が設けられ、それぞれフロア2の上面との間で閉断面を形成しつつ左右方向に延設されて、両端が左右のサイドメンバ3l,3rに連結されている。またフロア2の下面において、前位置の左右の固定点5fl,5frの間には下側前部フロアクロスメンバ18が設けられ、後位置の左右の固定点5rl,5rrの間には下側後部フロアクロスメンバ19が設けられ、それぞれフロア2の下面との間で閉断面を形成しつつ左右方向に延設されて、両端が左右のサイドメンバ3l,3rに連結されている。
【0029】
そして前後方向において、上側前部フロアクロスメンバ16と下側前部フロアクロスメンバ18とは全ての領域が互いに重ねられて一体化され、上側後部フロアクロスメンバ17と下側後部フロアクロスメンバ19とは一部の領域が互いに重ねられて一体化されている。
図3~5に示すように、フロア2上には、電源ユニット20として左側よりジャンクションボックス21、充電器22(本発明の複数の機器に相当)及びDC-ACインバータ23(本発明の複数の機器に相当)が取り付けられている。周知のようにジャンクションボックス21は、走行用バッテリ14と走行用モータ9等の各種電気負荷とを接続する機器であり、充電器22は、充電ステーション等での外部電源からの電力を充電ポート30を介して走行用バッテリ14に充電する機器であり、DC-ACインバータ23は、走行用バッテリ14の直流電力を100Vの交流電力に変換して家電を使用可能とする機器である。
【0030】
端的に表現すると電源ユニット20は、上側前部及び上側後部フロアクロスメンバ16,17を利用してフロア2上に取り付けられている。図3,5に基づきジャンクションボックス21を例にして取付状態を説明すると、上側前部フロアクロスメンバ16上にはL字状をなす前部ブラケット24の一側面がボルト25により固定され、前部ブラケット24の他側面はジャンクションボックス21の前面にボルト26により固定されている。同様に上側後部フロアクロスメンバ17上にはL字状をなす後部ブラケット27の一側面がボルト28により固定され、後部ブラケット27の他側面はジャンクションボックス21の後面にボルト29により固定されている。結果としてジャンクションボックス21の前部は前部ブラケット24を介して上側前部フロアクロスメンバ16から支持・固定され、後部は後部ブラケット27を介して上側後部フロアクロスメンバ17から支持・固定されている。
【0031】
後部ブラケット27には略三角状をなす脆弱部27aが屈曲形成されており、他車による後面衝突時には脆弱部27aが屈曲変形して衝撃の吸収作用を奏する。充電器22及びDC-ACインバータ23についても、重複する説明はしないが同様の取付状態となっている。 図3に示すように電源ユニット20は、下方に開口する四角箱状をなす鋼板製のユニットカバー31により上方から覆われて内部に収容されている。ユニットカバー31の周囲に形成されたフランジ31aは、スタッドボルト33及びナットボルト34或いはボルト35により上側前部及び上側後部フロアクロスメンバ16,17の上面に締結され、これによりユニットカバー31がフロア2上に固定されている。
【0032】
ユニットカバー31の直上には3列目シート38が配設され、その前部及び後部が図示しないブラケットを介してフロア2上に取り付けられている。3列目シート38に着座する乗員への配慮のために、ユニットカバー31は、電源ユニット20から放射される電磁波の遮断作用、及び乗員がこぼしたジュース等からの電源ユニット20の保護作用を奏する。またユニットカバー31は、その内面に貼着された図示しない吸音材によりフロア2からの走行音等を遮断する作用も奏する。
【0033】
図5に示すように、フロア2の上側で且つ電源ユニット20の前側において、ジャンクションボックス21と充電器22を接続する電力ケーブル40が、ジャンクションボックス21の車両外側の側面と充電器22のジャンクションボックス21側の側面に接続され、同様に、ジャンクションボックス21とDC-ACインバータ23を接続する電力ケーブル41が、ジャンクションボックス21の車両外側の側面とDC-ACインバータ23の前面に接続されている。また図2,3,6に示すように、ジャンクションボックス21の下面には端子台21aが設けられ、フロア2に形成された貫通孔2aに嵌め込まれて下方に突出している。端子台21aの後面にはモータ側電力ケーブル42の一端が接続され、その他端はインバータ10の端子台10aの左側面に接続されている。図6から判るように、駆動ユニット8のみならずモータ側電力ケーブル42についても、平面視でのリヤサスクロスメンバ4の輪郭線よりも内側に配設されている。
【0034】
また、電源ユニット20の中でジャンクションボックス21は最も左側に配置されているため、図1に示すように、その端子台21aも左右方向の中心線Lを基準として左側に位置している。そして、このような左右方向の端子台21aの位置に対応して、走行用バッテリ14の端子台14aも左右方向の中心線Lを基準として左側(本発明のジャンクションボックス側に相当)に設けられてバッテリ側電力ケーブル43の一端が接続されている。バッテリ側電力ケーブル43は燃料タンク13の左側を迂回するように配索されて、その他端がジャンクションボックス21の端子台21aに接続されている。
【0035】
走行用バッテリ14と充電器22、DC-ACインバータ23及び走行用モータ9のインバータ10との間の電力の遣り取りは、ジャンクションボックス21を中継して行われる。例えば、走行用バッテリ14からの直流電力がジャンクションボックス21を介してDC-ACインバータ23に供給され、100Vの交流電力に変換されて家電の作動に利用される。また、充電ステーション等で外部電源から供給された交流電力が充電器22により直流電力に変換され、ジャンクションボックス21を介して走行用バッテリ14に充電される。また、走行用モータ9の力行制御時には、走行用バッテリ14の直流電力がジャンクションボックス21を介してインバータ10に供給され、三相交流電力に変換されて走行用モータ9に供給され、一方、回生制御時には、走行用モータ9により発電された三相交流電力がインバータ10により直流電力に変換され、ジャンクションボックス21を介して走行用バッテリ14に充電される。
【0036】
一方、車体の走行用バッテリ14よりも前側位置には、走行用動力源として図示しないエンジンが搭載されている。図1に示すようにエンジンの排気管44は、左右方向の中心線Lを基準として右側(本発明の走行用バッテリの端子台とは反対側に相当)で走行用バッテリ14及び燃料タンク13を迂回して後方へと取り回され、走行用モータ9の下側を経て図示しない消音器及び排気浄化装置に連結されている。
【0037】
次いで、本発明の特徴部分である駆動ユニット8及び電源ユニット20の配置構造、及び配置構造から得られる作用効果について述べる。
図2,4に示すようにリヤサスクロスメンバ4上のインバータ10は、車体の左右方向の中心線L(本発明の車幅方向の中心線に相当)よりも右側に配設され、これに対して図2,5に示すようにフロア2上のジャンクションボックス21は、左右方向の中心線Lよりも左側に配設されている。結果として図2,6に示すように、インバータ10とジャンクションボックス21とは、左右方向の中心線Lを基準として互いに反対側に配設されている。上記のような駆動ユニット8側の左右方向の配置を鑑みると、ジャンクションボックス21が左右方向の中心線Lを基準としてトランスアクスル11側に配設されている、と換言することもできる。
【0038】
しかも、電源ユニット20の中でジャンクションボックス21は最も左側(本発明の車幅方向の最も一端側に相当)に配設され、駆動ユニット8の中でインバータ10は最も右側(本発明の車幅方向の最も他端側に相当)に配設されている。リヤサスクロスメンバ4上での駆動ユニット8の設置スペースは限られ、同じくフロア2上での電源ユニット20の設置スペースも限られている。しかし、それぞれのユニット8,20内で相反する側に偏って配置されることにより、インバータ10とジャンクションボックス21とは、設置スペースの制約の中で可能な限り左右方向に離間している。また、結果として図2に示すように、走行用モータ9に対してジャンクションボックス21は、左右方向においてインバータ10とは反対側に寸法H1だけ離間している。このような配置により、ジャンクションボックス21の端子台21aとインバータ10の端子台10aとを接続するモータ側電力ケーブル42の全長が長くなると共に、配索の際に弛みをもたせ易くなる。
【0039】
ハイブリッド車両1の走行中において、リヤサスクロスメンバ4の揺動に伴ってジャンクションボックス21とインバータ10との間には絶えず相対的な位置変位が発生する。同一の位置変位量で比較した場合、モータ側電力ケーブル42が延長化されるほど、さらには弛みが顕著になるほど、モータ側電力ケーブル42の単位長さ当たりの撓み量が減少する。撓み量の減少は、モータ側電力ケーブル42が受ける負荷の軽減を意味するため、結果として耐久性を向上することができる。
【0040】
また、モータ側電力ケーブル42の延長化及び弛みの形成は、以下に述べる要件によっても達成されている。
1)図6に示すように、ジャンクションボックス21の端子台21aに対してインバータ10の端子台10aが後側(本発明の前側または後側の何れか一方に相当)に寸法H2だけオフセット配置されている。このため、モータ側電力ケーブル42が平面視において略L字状に配索される。
2)図6に示すように、ジャンクションボックス21の端子台21aが後側(本発明の前側または後側の何れか一方に相当)に面して設けられ、インバータ10の端子台10aが左側(本発明の車幅方向においてジャンクションボックス側に相当)に面して設けられている。このため、ジャンクションボックス21の端子台21aからはモータ側電力ケーブル42が後方に向けて引き出され、インバータ10の端子台10aからはモータ側電力ケーブル42が左側に向けて引き出されるため、モータ側電力ケーブル42により形作られる略L字状が一層明確なものとなる。
【0041】
以上の要件1)及び2)を備えない場合、モータ側電力ケーブル42は双方の端子台21a,10aの間で左右方向に略直線的に配索されるが、本実施形態では略L字状の配索により、その全長が凡そ寸法H2だけ延長化されて弛みとして形成される。よって、これらの要因もモータ側電力ケーブル42の負荷の軽減、ひいては耐久性の向上に大きく貢献する。
【0042】
一方、トランスアクスル11と後輪7とを連結する左右の駆動軸12は走行用モータ9の前側に配設され、インバータ10の端子台10aは、ジャンクションボックス21の端子台21aに対して後側にオフセット配置された結果、走行用モータ9の後側に配設されている。インバータ10の端子台10aに対して走行用モータ9を挟んで反対側である前側(本発明の前側または後側の何れか他方に相当)に、左右の駆動軸12が配設されている、と換言することもできる。
【0043】
端子台10aと端子台21aとの間にモータ側電力ケーブル42を配索するには、配索のためのスペースやスパナ等の工具を使用するスペースが必要である。このため、仮に左右の駆動軸12と同じく走行用モータ9の前側にモータ側電力ケーブル42を配索した場合には、作業の実施が困難或いは実施不能になってしまう。左右の駆動軸12とは反対側にモータ側電力ケーブル42を配索したことで、これらの不都合を未然に回避してモータ側電力ケーブル42を容易且つ確実に配索することができる。
【0044】
また、このように配索されたモータ側電力ケーブル42は、フロア2の下側において電源ユニット20及び駆動ユニット8の後側に配置されるため、他車両に後面衝突されたときの保護対策を講じることが望ましい。本実施形態では、図6から判るように、平面視において駆動ユニット8と共にモータ側電力ケーブル42がリヤサスクロスメンバ4の輪郭線よりも内側に配設されている。高い強度を有するリヤサスクロスメンバ4は他車両から激しい入力を受けても容易に変形しないため、モータ側電力ケーブル42の断線等を未然に防止できるという効果も得られる。
【0045】
一方、図1に示すように、ジャンクションボックス21の端子台21a及び走行用バッテリ14の端子台14aが左右方向の中心線Lを基準として共に左側に設けられ、双方の端子台21a,14aを接続するバッテリ側電力ケーブル43が燃料タンク13の左側を迂回するように配索されている。このため、バッテリ側電力ケーブル43の配索経路を短縮できるという作用効果も得られる。
【0046】
このように配索されたバッテリ側電力ケーブル43に対してエンジンの排気管44は、左右方向の中心線Lを基準として右側で走行用バッテリ14及び燃料タンク13を迂回して後方へと取り回されている。結果として排気管44とバッテリ側電力ケーブル43とが交差することなく配設され、高温の排気管44による熱害がバッテリ側電力ケーブル43に及ぶ事態を未然に防止できるため、バッテリ側電力ケーブル43についても耐久性を向上することができる。
【0047】
加えて、後方へと取り回された排気管44は、走行用モータ9の下側を経て後方の消音器及び排気浄化装置に連結されている。仮にインバータ10の下側に排気管44を配置した場合には熱害がインバータ10に及んでしまい、また、ギヤ列を収容するために下方に膨出した形状をなすトランスアクスル11の下側に排気管44を配置した場合には、車体の最低地上高が減少してしまうが、これらの不具合を未然に回避することができる。
【0048】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態ではハイブリッド車両1における駆動ユニット8及び電源ユニット20の配置構造として具体化したが、これに限るものではない。フロア2の上側に取り付けられた電源ユニット20のジャンクションボックス21と、フロア2の下側でリヤサスクロスメンバ4上に取り付けられた駆動ユニット8のインバータ10とを、モータ側電力ケーブル42を介して接続した電動車両であれば任意に変更可能である。よって、例えば走行用動力源としてモータを搭載した電気自動車に適用してもよい。
【0049】
また上記実施形態では、リヤサスクロスメンバ4上に駆動ユニットとして走行用モータ9、インバータ10及びトランスアクスル11を配設し、フロア2の上側に電源ユニット20としてジャンクションボックス21、充電器22及びDC-ACインバータ23を配設したが、それらの種別や配置はこれに限るものではない。例えば、走行用モータ9、インバータ10及びトランスアクスル11を左右方向に並設することなく、走行用モータ9の後側や上側にインバータ10を配設してもよい。この場合であっても、左右方向の中心線Lを基準としてインバータ10とは反対側にジャンクションボックス21を配設すれば、上記実施形態と同様の作用効果を達成できる。
【0050】
また上記実施形態では、フロア2の上側に電源ユニット20としてジャンクションボックス21、充電器22及びDC-ACインバータ23を配設したが、フロア2の上側に配設してもよい。
また上記実施形態では、走行用モータ9を挟んで左右の駆動軸12を前側に配設し、インバータ10の端子台10aを後側に配設したが、これに限るものではない。例えば、前後の位置関係を逆転させてインバータ10の端子台10aを前側に配設し、左右の駆動軸12を後側に配設してもよく、この場合でも上記実施形態と同様の作用効果を達成できる。
【符号の説明】
【0051】
1 電動車両
2 フロア
4 リヤサスクロスメンバ
7 後輪
8 駆動ユニット
9 走行用モータ
10 インバータ
10a,14a,21a 端子台
11 トランスアクスル
12 駆動軸
14 走行用バッテリ
20 電源ユニット
21 ジャンクションボックス
22 充電器(複数の機器)
23 DC-ACインバータ(複数の機器)
42 モータ側電力ケーブル
43 バッテリ側電力ケーブル
44 排気管
図1
図2
図3
図4
図5
図6